第6回TIJセミナー



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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

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Transcription:

第 6 回 TIJ セミナー 第 1 部 Suica が 世 界 を 変 える! JR 東 日 本 の IT Suica 事 業 戦 略 東 日 本 旅 客 鉄 道 株 式 会 社 IT Suica 事 業 部 副 本 部 長 椎 橋 章 夫 氏

皆 さんこんにちは ただいまご 紹 介 いただきました JR 東 日 本 の 椎 橋 と 申 します よろ しくお 願 いします まず 本 日 はこういった 場 を 作 っていただきまして 大 変 ありがとうご ざいます 約 1 時 間 ですけれども 本 日 は Suica の 話 をさせていただきたいと 思 います 先 ほどの 紹 介 にもありましたように 1 点 目 に Suica の 導 入 の 背 景 これまでの 経 緯 を お 話 したいと 思 います 2 点 目 として Suica の 現 状 特 に PASMO との 相 互 利 用 等 を 踏 ま えてどうなっているかということをお 話 しいたします なお 現 在 Suica の 発 行 枚 数 は 約 2600 万 枚 PASMO も 1000 万 人 を 超 えていますので 首 都 圏 で 約 3600 万 枚 のカード が 発 行 されています 最 後 に 3 点 目 として Suica は 今 後 どの 様 な 方 向 へ 向 かっていくの か その 展 開 戦 略 を 本 年 3 月 31 日 に 発 表 した グループ 経 営 ビジョン 2020- 挑 む- の 内 容 を 踏 まえてお 話 したいと 思 います では まず IC 乗 車 券 Suica の 利 用 の 仕 方 についてお 話 しいたします 既 に 皆 さま の 多 くがご 利 用 いただいていると 思 います 自 動 改 札 機 にブルーに 光 るリーダーライター が 設 置 されています このリーダーライターに 軽 く 触 れると ピッという 音 がして 通 過 出 来 ます 処 理 時 間 は 約 0.2 秒 です 当 社 では 自 動 改 札 機 を 1990 年 に 導 入 しましたが 使 用 できるのは 約 10 年 間 であることは 導 入 時 点 で 分 かっていました 2001 年 11 月 にサービスを 開 始 した Suica は 単 なる 自 動 改 札 機 の 老 朽 取 替 に 合 わせて 新 たな IC カ ード 出 改 札 システムという 仕 組 みを 導 入 したという 認 識 でした しかし そのことが 後 に とても 大 きな 変 化 を 生 んだということを 私 自 身 も 驚 いております 次 に 私 どもの 会 社 の 概 要 を 簡 単 にご 説 明 いたします 東 京 圏 を 含 む 本 州 の 東 半 分 関 東 甲 信 越 から 東 北 までの 広 い 地 域 が 当 社 の 営 業 エリアです 連 結 決 算 での 営 業 収 益 が 約 2 兆 7,000 億 円 です 従 業 員 数 は 鉄 道 単 体 で 約 5 万 2,600 人 事 業 分 野 は 大 きく 鉄 道 事 業 と 生 活 サービス 事 業 の 二 つです 鉄 道 事 業 においては 駅 数 が 約 1,700 駅 営 業 キロが 約 7,500 キロで 日 本 の 鉄 道 の 営 業 路 線 の 約 3 割 が 当 社 の 路 線 です 1 日 にご 利 用 になられる お 客 さまは 1,685 万 人 であり これは 世 界 最 大 の 規 模 です 鉄 道 以 外 の 事 業 分 野 も 会 社 発 足 以 降 積 極 的 に 取 り 組 んでおり ショッピングセンターなどの 小 売 事 業 飲 食 業 ホ テル 事 業 など 幅 広 く 行 っております そして 現 在 Suica 事 業 を 鉄 道 事 業 生 活 サービ ス 事 業 に 次 ぐ 第 3の 事 業 にしようと 取 り 組 んでおります このことについては のちほど 詳 しくお 話 したいと 思 います 続 いて Suica 導 入 の 背 景 についてお 話 いたします ここに 示 したのは 将 来 の 人 口 推 2

計 です 人 口 の 減 少 はどの 企 業 でも 将 来 の 課 題 と 認 識 されていることだと 思 いますが 鉄 道 事 業 においても 同 様 です 総 人 口 を 見 ると 2000 年 を 100 とした 場 合 全 国 平 均 名 古 屋 大 阪 では 2020 年 には 100 を 大 幅 に 下 回 ることが 予 測 されています さらに 15 歳 ~65 歳 までの 生 産 年 齢 人 口 では 日 本 国 内 の 他 のエリアよりも 人 口 の 減 少 率 が 低 い 東 京 においても 2020 年 には 90 になることが 予 測 されています 東 日 本 全 域 を 営 業 エリアに 持 つ 当 社 で 考 えた 場 合 は はさらに 減 少 割 合 が 高 くなります 人 口 が 減 少 するということは 商 機 の 減 少 につながることなので 鉄 道 事 業 にとっても 非 常 に 深 刻 な 問 題 です 次 に 距 離 別 の 輸 送 シェアを 示 しています 自 動 車 の 割 合 が 圧 倒 的 に 高 く 100km まで は 74% 100km から 300km までが 76%です この 距 離 では JR 以 外 の 鉄 道 会 社 に 長 距 離 路 線 があまり 無 いので JR の 割 合 が 増 えてきます 300km 以 上 になると JR 以 外 の 鉄 道 会 社 は 全 く 無 くなり 自 動 車 の 割 合 も 低 下 してきますが それでも 自 動 車 は 58%を 占 めています 500km~750km では 新 幹 線 により 鉄 道 がトップシェアとなりますが 更 に 距 離 が 長 くなると 今 度 は 飛 行 機 がトップシェアとなります 従 って 鉄 道 にとっては 約 300km までは 自 動 車 750km 以 上 は 飛 行 機 がライバルとなります 現 在 相 互 利 用 を 行 っている PASMO グループとは この 約 300km までの 距 離 において シェアの 高 い 自 動 車 から 少 しでも 鉄 道 に 回 帰 させるために 鉄 道 事 業 者 同 士 が 手 を 組 もうという 議 論 を 真 剣 にしてきました 次 に Suica の 開 発 と 導 入 の 経 緯 について 少 しお 話 したいと 思 います まず IC カード 乗 車 券 Suica は Super Urban Intelligent CArd の 略 であり スイスイ 行 ける IC カード といった 略 にもなっています 私 は この 名 前 の 選 定 に 関 わったのですが 日 本 語 で 三 文 字 の 意 味 があるような 言 葉 はほとんど 登 録 されてしまっていました まだ 登 録 されていな い 3 文 字 の 中 に スイカ があり 迷 わずこれを 選 びました Suica にはご 存 知 のように IC カード 乗 車 券 として 定 期 券 機 能 と ストアードフェア (SF)としての 機 能 があります この 他 にも 電 子 マネー 機 能 ID を 用 いた 認 証 機 能 があ ります これは IC カード 乗 車 券 Suica の 中 身 です なかなかスケルトンの 状 態 を 見 ることはで きないと 思 いますが 1 辺 4.4mm の 正 方 形 の IC チップが 入 っていて アンテナがぐるぐ ると 巻 いています ここに SONY と 書 かれていますが SONY の FeliCa というカードを 使 っています 3

四 角 の IC チップが 見 えないで 丸 く 見 えるのは 薄 いステンレスの 丸 い 板 を 貼 っている ためです 技 術 開 発 当 初 に 香 港 に 導 入 された 際 カードを 入 れたお 財 布 をお 尻 のポケット に 入 れて 座 った 際 の 曲 げの 応 力 により チップの 素 線 が 切 れるという 事 象 が 発 生 しました この 事 象 に 対 する 対 策 として ステンレスの 薄 い 板 を 貼 りました カード 製 造 時 に 冷 えて 収 縮 するときの 速 度 が 違 うことにより 歪 みが 生 じて 皆 さまがご 使 用 のカードも 光 にかざ すと どこにチップがあるというのはお 分 かりになると 思 います ここで 磁 気 券 (きっぷ)と IC カードの 自 動 改 札 の 処 理 を 改 めて 比 較 したいと 思 いま す きっぷを 自 動 改 札 機 に 投 入 すると 約 1m15cm 先 にきっぷが 出 てきます その 間 に データを 読 込 み 判 定 し データを 書 き 込 み 最 後 にチェックをするという4つの 処 理 を 0.7 秒 で 行 います きっぷは 秒 速 約 2mのスピードで 改 札 機 内 を 搬 送 されます 改 札 機 の 間 を 人 間 が 歩 く 速 度 というのは1 秒 間 に 約 1mで きっぷは 0.7 秒 で 自 動 改 札 機 内 を 搬 送 さ れるので きっぷが 先 に 出 て 人 を 待 っている 状 況 となります 次 に IC カードの 場 合 です 実 際 には 黄 色 い 範 囲 は 見 えないのですが 図 は 電 波 が 届 い て 処 理 できる 範 囲 を 示 したものです この 黄 色 い 範 囲 は 半 径 10cm 直 径 20cm の 半 球 状 に 拡 がっています したがって この 20cm を 移 動 する 間 に 処 理 をしなければなりません この 20cm を 移 動 する 間 に カードが 来 た という 存 在 確 認 続 いて PASMO や Suica 等 自 動 改 札 機 が 処 理 すべき IC カードかという 認 証 を 行 い あとは 磁 気 式 のきっぷ と 同 じことを 行 います この 20cm を 人 間 の 歩 く 速 度 に 換 算 すると 約 0.2 秒 になります 処 理 時 間 を 0.2 秒 で 行 うことが 自 動 改 札 機 における 最 難 関 技 術 であり 長 い 期 間 研 究 開 発 を 行 ってまいりました この 開 発 の 経 緯 を 少 しお 話 ししますと IC カードを 鉄 道 事 業 に 応 用 しようと 考 え 始 めた のは 国 鉄 が 分 割 民 営 化 され JR が 発 足 した 1987 年 からでした その 後 開 発 を 進 め 途 中 で3 回 のフィールド 試 験 を 行 い 1997 年 度 末 にはほぼ 実 用 化 の 目 途 が 立 ちました そ の 後 も 本 社 内 にプロジェクトチームを 作 り 約 4 年 の 歳 月 をかけ 2001 年 の 11 月 によう やく 実 用 化 に 漕 ぎ 着 けました 開 発 開 始 から 実 用 化 までには 約 16 年 の 年 月 を 要 したわ けです ここで Suica 導 入 の 背 景 を 簡 単 にまとめますと 大 きく 経 営 革 新 IT の 技 術 の 進 展 電 子 マネー 市 場 という3つの 側 面 に 分 けることができます 特 に 社 内 の 経 営 革 新 という 側 面 では 2000 年 に 老 朽 取 替 の 時 期 を 迎 える 自 動 改 札 器 のメンテナンスコストの 低 減 や 鉄 道 の 競 争 力 向 上 鉄 道 事 業 と 生 活 サービス 事 業 とのシナジー 効 果 等 が 挙 げられ 4

ます なお IT 技 術 の 進 展 では FeliCa の 開 発 が 1988 年 頃 にスタートしましたが 急 速 に 進 展 した 電 子 機 器 のダウンサイジングと 高 速 化 により 1997 年 に 香 港 で FeliCa を 使 った 実 用 的 な IC カードシステムがスタートしていました 2001 年 11 月 の Suica 導 入 は 鉄 道 事 業 の 成 長 という 側 面 を 狙 ったものです その 後 2004 年 の 電 子 マネーサービスの 開 始 により 新 たなビジネスモデルが 現 れ Suica が 当 初 の 姿 から 少 し 変 化 しました その 後 は 新 たなサービスを 開 始 する 毎 に 変 化 が 著 しくなります が これについては 後 ほどお 話 したい 思 います なお 電 子 マネーに 関 しては 1990 年 代 に Mondex やビザキャッシュで 試 験 が 始 まりましたが それらは 成 功 しないまま 終 了 していました その 後 2001 年 に Edy がサービスをスタートさせ 日 本 において 電 子 マ ネーが 認 知 され 始 めました 2004 年 3 月 の Suica での 電 子 マネーサービス 開 始 は そう した 外 部 環 境 の 変 化 も 踏 まえてのスタートでした ここからは Suica のシステムについて 少 しお 話 いたします Suica のシステム 構 成 は 大 きくセンターサーバ ネットワーク 端 末 媒 体 という 4 層 に 分 けることができます センターサーバは Suica には 三 つありまして その 他 のサーバともファイアーウォール 等 を 介 して 接 続 されています 大 きなものだけでも 約 20 のサーバと 接 続 されています ネットワークは 自 社 の 設 備 などを 含 めて あらゆるネットワークを 使 っています 端 末 は 約 14 万 台 鉄 道 が5 万 台 で 物 販 系 が 約 9 万 台 です それから 媒 体 は 先 ほどお 話 しまし たように PASMO も 入 れますと 3600 万 枚 以 上 になります カードの 裏 面 には JE で 始 まるカード 固 有 の ID 番 号 (Identification Number)が 付 いています いろいろな 端 末 でカードを 利 用 すると その 利 用 データの 全 てがセンターサ ーバに 蓄 えられる 仕 組 みになっています その 利 用 されたデータを トランザクションデータと 呼 んでいまして 一 回 改 札 機 にタ ッチするとワントランザクション 出 場 時 にもう 一 回 タッチするとワントランザクション となります ですからワントリップでツートランザクションが 発 生 することとなります 最 初 に Suica を 導 入 したときのセンターサーバは 最 大 処 理 件 数 800 万 トランザクション で 構 築 しましたが PASMO との 相 互 利 用 を 控 えた 2006 年 1 月 に ID 管 理 システムのサ ーバを 増 強 しました この 時 は どのくらいの 最 大 トランザクション 数 を 想 定 してサーバ を 構 築 するかずいぶん 考 えました 当 時 800 万 トランザクションに 近 づいていたため PASMO との 相 互 利 用 を 想 定 し その 倍 の 1600 万 に 電 子 マネーの 拡 大 分 として 400 万 を 足 して 2000 万 でセンターシステムを 構 築 することも 考 えたのですが 念 のため 最 大 5

3000 万 トランザクションとしました 実 際 2007 年 3 月 の PASMO との 相 互 利 用 開 始 後 すぐに 約 1600 万 トランザクションを 超 え 現 在 では 2000 万 を 超 える 日 も 珍 しくなくなっ て 来 ています なお トランザクション 数 には 週 の 中 でも 山 と 谷 があります 特 に 谷 の 部 分 は 小 さい 谷 は 週 末 で 企 業 の 休 日 はトランザクション 数 が 減 少 します それから 年 末 年 始 お 盆 等 が 大 きな 谷 となります トランザクション 数 は 企 業 等 の 休 日 との 関 連 性 が 高 くなっています 次 に 現 在 Suica が 使 える 駅 は 首 都 圏 では Suica と PASMO を 合 わせて 1782 駅 あ ります そのほかには 仙 台 エリア 新 潟 のエリア JR 西 日 本 の 岡 山 広 島 を 含 む ICOCA エリア それから 本 年 3 月 からは JR 東 海 の TOICA とも 相 互 利 用 を 開 始 しています 合 計 で 約 2400 を 超 える 駅 で Suica が 使 えるようになっています これは Suica と PASMO の 相 互 利 用 可 能 な 首 都 圏 の 鉄 道 路 線 図 です もう 少 し 数 字 的 に 見 ますと Suica の 事 業 者 は 当 社 の 他 東 京 モノレール りんかい 線 等 です 一 方 PASMO の 事 業 者 は 2007 年 3 月 に 相 互 利 用 を 開 始 した 時 は 鉄 道 で 23 社 最 終 的 には 26 社 となる 予 定 です バスは 31 社 で 始 まり 最 終 的 には 75 社 車 両 台 数 にして 当 初 の 4500 台 から 最 終 的 には1 万 4000 台 と 約 3 倍 になる 予 定 です 続 いて 相 互 利 用 サービスの 仕 組 みを 説 明 いたします PASMO においても 先 ほどお 話 しましたとおり センターサーバがあってネットワークを 介 して 端 末 媒 体 があるとい う 構 成 は Suica と 同 じです 技 術 的 な 情 報 は 私 どもが 技 術 のオープン 化 戦 略 として 開 示 しました 従 って PASMO とはシステム 機 器 の 仕 様 を 統 一 し ソフトウエアの 共 通 化 を 図 ることにより 安 定 性 信 頼 性 の 向 上 とコストダウンを 併 せて 進 めました PASMO との 相 互 利 用 開 始 に 際 しては 駅 務 機 器 が 正 確 に 動 作 することを 確 認 するため に 総 当 たり 確 認 を 様 々な 機 器 で 行 い 試 験 件 数 は 約 40 万 件 にもなりました また 運 賃 設 定 を 誤 ると お 客 さまに 大 変 なご 迷 惑 をお 掛 けすることとなるため 運 賃 判 定 検 証 は 特 に 念 入 りに 行 いました 例 えば 東 京 メトロ 線 のA 駅 から 乗 車 して 乗 換 改 札 の 無 い B 駅 で 乗 換 えて 最 終 的 に JR 線 のC 駅 で 降 りる 場 合 など あらゆる 移 動 パターンを 設 定 して 運 賃 の 判 定 検 証 を 繰 り 返 し 約 1 年 間 をかけ 12 億 3000 万 通 りの 運 賃 検 証 を 行 いま した このような 試 験 検 証 の 積 み 重 ねを 行 い 万 全 を 期 して Suica と PASMO の 相 互 利 用 のスタートに 踏 み 切 ったわけです なお Suica の 発 行 枚 数 は 9 月 末 現 在 で 2615 万 枚 で 現 在 でも 1 日 約 1 万 枚 のペース で 増 えています 一 方 PASMO の 発 行 枚 数 も 1000 万 枚 を 超 えました 発 行 枚 数 の 面 か 6

ら 見 ても 首 都 圏 での 相 互 利 用 は 多 くのお 客 さまにご 好 評 をいただいているものと 考 えて います 次 に 電 子 マネーのご 利 用 状 況 についてです このグラフは 折 れ 線 グラフが1 日 あた りの 利 用 の 件 数 を 示 しており 9 月 末 現 在 で1 日 あたり 最 高 134 万 件 のご 利 用 がありまし た また 棒 グラフは Suica 電 子 マネーが 利 用 できるお 店 の 数 を 示 しています PASMO との 相 互 利 用 を 開 始 した 昨 年 3 月 以 降 をご 覧 になっていただくと 分 かりますが 店 舗 数 は ほとんど 増 加 していないにも 関 わらず 利 用 件 数 が 急 に 増 加 した 時 期 がありました これ も 相 互 利 用 の 影 響 で IC カードの 利 用 が 活 性 化 した 例 の 1 つです 現 在 PASMO も 積 極 的 に 電 子 マネー 加 盟 店 の 開 拓 に 取 り 組 んでおり 双 方 が 力 を 合 わ せて 電 子 マネーの 普 及 拡 大 に 力 を 注 いでいる 状 況 です このように 首 都 圏 相 互 利 用 サービスは Suica PASMO 双 方 に 非 常 に 大 きなインパク トがありました Suica の 導 入 の 時 にも 様 々なインパクトがあったと 感 じましたが PASMO との 相 互 利 用 がこれほど 大 きなインパクトになるとは 予 想 していませんでした Suica の 発 行 枚 数 だけでなく モバイル Suica の 会 員 数 も 相 互 利 用 を 機 に 大 幅 に 伸 びてい ます また 電 子 マネー 利 用 件 数 も 40 万 件 前 後 だったものが 約 134 万 件 と 4 倍 以 上 に 伸 びました チャージも 1 昨 年 度 が 年 間 約 3500 億 円 の 実 績 だったのが 昨 年 度 は1 年 間 で 約 6400 億 円 と 大 幅 に 増 加 しました 1 兆 円 チャージされ 1 兆 円 が 使 われるように なるのも 近 い 将 来 のことではないかと 考 えます その 様 になると チャージの 環 境 の 整 備 といった 課 題 が 出 現 します この 話 題 については 後 ほど 改 めてお 話 いたします このような Suica の 成 長 からでしょうか Suica 成 功 の 鍵 は? とよく 尋 ねられます 私 はこの 問 いに 対 して 努 力 と 背 景 の 二 つの 相 乗 効 果 であると 考 えています お 客 さまの きっぷを 買 うのが 面 倒 だ 定 期 券 を 定 期 入 れが 出 し 入 れするのが 面 倒 だ とっ たご 意 見 を 様 々な 問 題 を 一 つ 一 つクリアする 努 力 で Suica 導 入 という 形 で 愚 直 に 改 善 を 実 現 したことが 1 つの 要 素 であると 考 えます PASMO との 相 互 利 用 実 現 も 12 億 3000 万 通 りの 運 賃 検 証 等 という 気 の 遠 くなるような 地 道 な 努 力 の 積 み 重 ねの 成 果 であ ると 考 えています そういった 努 力 に 加 え もの 作 り 国 家 日 本 の 原 点 である 技 術 の 蓄 積 世 の 中 の 技 術 の 進 歩 など 努 力 を 後 押 しする 背 景 がありました 更 には 経 営 陣 の 決 断 も 大 きな 要 素 であったと 思 います Suica 導 入 については 副 社 長 をトップとしたプロジェクト 方 式 を 採 用 し 社 内 を 横 断 的 に 様 々な 意 見 をまとめました また コスト ベネフィットが 釣 り 合 うとありますが 当 初 は 非 常 に 過 大 な 投 資 額 になる 7

ことから 本 当 に 効 果 があるのか 等 の 議 論 がありましたが 現 時 点 では コストと 見 合 っ た 効 果 が 現 れていると 考 えております それから Suica がスムーズに 導 入 できた 要 因 と しては 既 に 1990 年 から 磁 気 式 の 自 動 改 札 機 を 導 入 していたことが お 客 さまにとっ て 激 変 緩 和 となり 良 かったと 感 じています これから Suica の 展 開 戦 略 についてお 話 いたします まず JR 東 日 本 の 事 業 ドメイン の 変 遷 についてお 話 します 鉄 道 の 歴 史 は 1872 年 に 新 橋 - 横 浜 間 で 鉄 道 が 引 かれたこと によりスタートしました それから 136 年 が 経 過 しましたが 当 時 は 極 めて 稀 な 第 三 次 産 業 でした 鉄 道 事 業 は 136 年 前 から ある 地 点 からある 地 点 までお 客 さまや 荷 物 を 運 ん で 対 価 を 得 るビジネスモデルです その 後 阪 急 グループの 創 始 者 である 小 林 一 三 氏 が 駅 ビル ホテル 不 動 産 広 告 等 特 に 鉄 道 とのシナジーを 強 く 意 識 した 業 態 を 組 み 合 わ せた 事 業 展 開 を 行 いました 残 念 ながら 私 どもは 国 鉄 時 代 には 法 律 の 制 約 もあり こ の 様 な 事 業 展 開 を 行 うことができず JR が 発 足 して 以 降 本 格 的 に 生 活 サービス 事 業 と して 取 り 組 んでいます これが 私 どもにおける 第 2の 柱 です 更 に 私 どもの 第 3の 柱 と して 確 立 を 目 指 している Suica 事 業 は 鉄 道 というコアの 事 業 の 中 の 改 札 業 務 という 一 つ のプロセスを 変 えたことにより 誕 生 しました 先 にもお 話 しました 通 り 鉄 道 事 業 はA 地 点 からB 地 点 までの 旅 客 貨 物 を 運 送 するこ とによって 対 価 を 得 る 事 業 です 乗 車 券 はその 対 価 の 証 票 にすぎません この 乗 車 券 を IC 化 したことにより 乗 車 券 としての 機 能 に 追 加 された 電 子 バリューを 決 済 ビジネスに 活 用 し 電 子 マネー 事 業 の 展 開 が 可 能 となりました 更 に 個 人 のいろいろな 情 報 がセキュアに 蓄 えられることが 可 能 となったので 個 別 認 証 として 利 用 できるようにもなり 認 証 ビジ ネスへの 活 用 つまり 入 退 館 管 理 システムでのマンションキーとしての 利 用 ポイント 等 のマーケティングデータへの 活 用 が 可 能 となりました また 媒 体 に 記 録 できるデータ 容 量 が 大 きいため クレジットカードと 一 体 化 したカー ドなど 他 の 媒 体 と Suica を 一 体 にすることができるようになりました 更 に 媒 体 もカ ード 形 状 だけに 留 まらず 携 帯 電 話 と 一 体 化 したモバイル Suica のサービスも 開 始 しまし た 拡 張 領 域 を 活 かしたビジネス 既 存 サービスとの 組 み 合 わせによって 新 たなビジネ スを 考 えられることが 乗 車 券 の IC 化 による 効 果 であり 私 どものビジネス 全 体 に 拡 張 性 をもたらしました 鉄 道 事 業 のたった 1 つのプロセスを 革 新 したことが 大 きな 革 新 につ ながったということができます 8

当 初 は IC 乗 車 券 のインフラ 整 備 を 自 社 のコントロールの 元 で コア 事 業 である 鉄 道 事 業 の 増 収 とかコストダウンの 実 現 を 目 指 していましたが Suica がもたらしたビジネスの 拡 張 性 を 活 かして 決 済 という 分 野 では 電 子 マネー 事 業 を 展 開 し 乗 車 券 機 能 では 全 国 の 鉄 道 事 業 者 と 相 互 利 用 を 行 っています 更 には 電 子 マネー 事 業 でも 相 互 利 用 を 行 い アクワイヤリングの 事 業 者 と 加 盟 店 拡 大 に 取 り 組 んでいます 更 に モバイル Suica では 携 帯 電 話 のネットワークを 活 用 した 決 済 代 行 事 業 を 展 開 しています この 他 入 退 館 管 理 システム SuiPo と 呼 んでいる Suica ポスター 認 証 ビジネスとい った 分 野 において グループ 会 社 その 他 の 企 業 と 提 携 を 行 い アライアンスパートナー が 拡 がってきています 私 どもの 鉄 道 事 業 は 元 来 B to C の 関 係 で お 客 さまのご 利 用 の 実 態 を 把 握 しにくいと いう 点 で uncertain-customer だったのではないかと 思 います しかし Suica の 個 別 認 証 機 能 やビューカードによる 会 員 組 織 化 具 体 的 には モバイル Suica 大 人 の 休 日 倶 楽 部 により 確 かな 顧 客 certain-customer へと 変 化 させています 鉄 道 事 業 における B to B は 従 来 資 材 購 入 のような 関 係 であったことから B to B は 苦 手 な 分 野 でした しかし Suica がスタートしてから アライアンスのパートナーが 非 常 に 重 要 になってきました 本 来 B to C の 会 社 が B to B に 代 わるという 契 機 をつくったのは Suica 事 業 のひとつの 特 徴 であるといえます 第 3のコア 事 業 Suica 事 業 の 概 念 図 を 説 明 します グループ 経 営 ビジョン 2020- 挑 む- については 後 ほどまた 詳 しくお 話 いたします ベースには 鉄 道 インフラがあ り その 上 に 鉄 道 事 業 と 生 活 サービス 事 業 という 二 つの 事 業 が 成 り 立 っています オレン ジ 色 の 点 線 の Suica インフラはこの 2 つの 事 業 と 関 わることから 上 に 乗 せました Suica 事 業 によるシナジー 効 果 は 2 つであり 1 つ 目 は Suica が 既 存 の 鉄 道 事 業 と 生 活 サービス 事 業 へツールを 提 供 することによるもの 2 つ 目 は Suica 事 業 と 既 存 事 業 との 相 乗 効 果 に よるものです また Suica の 事 業 自 体 でもダイレクトにお 客 さまにアプローチすること や アライアンスのパートナーに 対 するソリューションやツールの 提 供 等 を 通 じてお 客 さ まにアプローチを 行 っていきます これは Suica インフラの 構 築 にあたっての 戦 略 を 図 で 表 したものです 媒 体 戦 略 端 末 戦 略 がありますが 媒 体 と 端 末 は より 広 く 社 会 的 に 普 及 させていく 必 要 があります こ のことから 媒 体 は カードに 限 らずモバイル 媒 体 も 採 用 しました そして 端 末 もいろ いろな 端 末 が 想 定 されます チャージ 戦 略 は Suica をご 利 用 いただくための 環 境 整 備 が 重 9

要 です また 広 く 普 及 させるためには 私 どもの 力 だけでは 限 りがあるため 提 携 戦 略 も 必 要 です なお その 土 台 として 当 然 ながらセキュリティの 確 保 や 信 頼 性 のあるネット ワーク 構 築 があって はじめてこの 4 つの 戦 略 を 回 していくことができます 4 つの 戦 略 の 中 から 具 体 的 な 事 例 を 幾 つかを 紹 介 します 媒 体 戦 略 には 更 に マスと パーソナル という 二 つの 戦 略 があると 思 っております マスというのは とにかく 多 く の 方 に Suica のカードを 使 っていただき 例 えば 無 記 名 の Suica カード 等 を 通 じてスケー ルメリットを 出 すことを 目 指 します この 具 体 的 な 例 として 改 札 機 器 のメンテナンスコ ストや 乗 車 券 原 紙 代 の 低 減 が 挙 げられます これらは 大 きな 効 果 が 現 れています パーソナル 戦 略 は 個 人 情 報 が 無 いレイヤーから 個 人 情 報 を 取 得 して 更 に 会 員 制 のレ イヤーへ 引 き 上 げていく 戦 略 で 上 位 レイヤーへの 誘 導 を 図 ることによって 最 終 的 に 私 ど ものロイヤルカスタマーにしていくものです このパーソナル 戦 略 に 更 に 注 力 し 現 在 ビュー スイカ カードや モバイル Suica といった 施 策 を 展 開 しています 今 後 更 に その 上 のレイヤーを 作 りたいと 考 えています 交 通 IC 乗 車 券 の 広 がり とありますが 私 どもの Suica を 中 心 に 相 互 利 用 を 行 っ ている または 予 定 している 鉄 道 事 業 者 等 の IC 乗 車 券 を 示 しています PASMO JR 西 日 本 の ICOCA JR 東 海 の TOICA とは 既 に 相 互 利 用 を 開 始 しています 来 年 の3 月 に は JR 北 海 道 の Kitaca と 相 互 利 用 を 開 始 する 予 定 です さらに 1 年 後 の3 月 には JR 九 州 の SUGOCA 西 日 本 鉄 道 の nimoca 福 岡 市 交 通 局 の はやかけん などの 福 岡 エリ ア3 社 との 相 互 利 用 を 開 始 する 予 定 です IC 乗 車 券 だけではなく 電 子 マネーサービスで も 相 互 利 用 をする 予 定 です パーソナル 戦 略 のモバイル Suica は 2006 年 の1 月 にサービスをスタートしました 当 初 は ビューカードという 私 どものハウスカードのみを 決 済 手 段 として SF 定 期 券 電 子 マネー 普 通 列 車 グリーン 券 といったサービスを NTT ドコモと au の2 社 の 端 末 で 展 開 しました その 年 の 10 月 には 日 本 国 内 で 発 行 されているほぼ 全 てのブランドのク レジットカードが 利 用 できるようになりました また 銀 行 チャージ クレジットカード の 登 録 がなくても 手 軽 に 利 用 可 能 な EASY モバイル Suica もスタートさせました その 年 の 12 月 には ソフトバンクの 端 末 でもモバイル Suica を 使 えるようにしました 更 に 本 年 の 3 月 からは モバイル Suica 特 急 券 サービスを 開 始 し 私 どもの 新 幹 線 ( 東 北 上 越 長 野 山 形 秋 田 )をチケットレスにし 更 に JR 東 海 のエクスプレスサービスも 利 用 できるようになりました 10

モバイル Suica をスタートして 感 じたのですが 私 は Suica により 改 札 という 業 務 を 革 新 したという 認 識 でしたが モバイル Suica では 出 札 ( 乗 車 券 の 購 入 )にも 革 新 を 起 こしていると 思 っています 携 帯 電 話 のネットワークを 通 じて いつでも どこでも き っぷが 買 えるようになりました もう 1 つのパーソナル 戦 略 として ビュー スイカ カードという Suica とハウスカ ードのビューカードを 一 体 化 したものでがあります 最 近 では 定 期 券 機 能 も 付 いた ビ ュー スイカ 定 期 券 も 発 行 しています 一 枚 で 両 方 の 機 能 を 使 えることから 非 常 に 便 利 であると お 客 さまに 好 評 を 頂 いております さらに Suica とビューカードの 一 体 化 にとどまらず 当 社 グループのルミネやアトレ 鉄 道 事 業 ではセグメント 化 した 会 員 組 織 である 大 人 の 休 日 倶 楽 部 での 利 用 さらに 社 外 では JAL や ANA ビックカメラといった 様 々な 企 業 との 提 携 カードも 発 行 しています また 現 在 ビジット ジャパン キャンペーンとして 国 を 挙 げて 取 組 んでいるインバ ウンド 施 策 に 関 して Suica で 少 しでもお 役 に 立 てることがないかと 考 え 2007 年 3 月 か ら Suica&N'EX という 商 品 を 発 売 しています これは 海 外 からのお 客 さまの きっぷ の 購 入 が 困 難 クレジットカードが 使 えない というご 意 見 を 受 けてのもので 浮 世 絵 の デザインの Suica と 少 しお 得 な 成 田 エキスプレスのきっぷを 組 み 合 わせた 商 品 です 今 は PASMO との 相 互 利 用 により 首 都 圏 を 自 由 に 手 軽 に 電 車 で 移 動 出 来 るようになっ たと 好 評 を 頂 いています 端 末 戦 略 においては 端 末 をとにかく 多 く 設 置 することが 必 要 です 現 在 電 子 マネー については Suica 以 外 にも NTT ドコモの id ビットワレットの Edy JCB の QUICPay イオンの WAON などが 登 場 し 多 くのお 客 さまに 利 用 されています このような 状 況 を 踏 まえ 電 子 マネー 全 体 の 普 及 を 促 進 することを 目 的 として 端 末 に 関 する 共 通 インフラ を 整 備 するための 共 通 インフラ 運 営 有 限 責 任 事 業 組 合 LLP という 組 合 組 織 を 作 りました この LLP では 共 用 のリーダーライターを 開 発 し 現 在 五 つのバリュー(Suica QUICPay id Edy WAON)が 使 えるようになっています 利 用 可 能 箇 所 の 増 加 に 伴 って チャージ 戦 略 即 ちチャージ 環 境 の 整 備 は 非 常 に 重 要 となってきています 駅 でチャージが 出 来 るというのは 当 たり 前 ですが 電 子 マネーで 利 用 するお 店 でもチャージできる 箇 所 が 最 近 増 えています さらに オートチャージという サービスも 展 開 しており ビュー スイカ カードをご 利 用 のお 客 さまが 駅 の 改 札 口 に 入 る 時 に カード 内 のチャージ 残 額 が 1000 円 を 下 回 ったら クレジット 決 済 で 自 動 的 に 11

一 定 額 (1000 円 単 位 で 設 定 可 能 )チャージできます この オートチャージを 利 用 する 会 員 は 約 86 万 人 で 早 い 時 期 に 100 万 人 にしたいと 考 えています チャージの 便 利 さという 点 では モバイル Suica というのは 家 でもオフィスでもどこ でもチャージができるということで 非 常 に 便 利 です 現 在 は 約 125 万 人 の 方 にご 利 用 い ただいています それから ポイントもある 意 味 チャージ 戦 略 の1つです 昨 年 6 月 から 開 始 した Suica ポイントクラブでは Suica ポイントの 加 盟 店 において 電 子 マネーでお 支 払 いをすると 利 用 金 額 に 応 じてポイントがたまります 貯 めた Suica ポイントは Suica のチャージ 残 額 に 加 えることができ 電 子 マネーとしても 乗 車 券 としても 利 用 することが 出 来 ます Suica を 使 ってポイントをためて 更 に Suica を 使 うという 好 循 環 で Suica をもっと 使 っていただきたいと 思 います ポイントにおけるもう1つの 側 面 として ポイント 交 換 があります 他 社 の 提 供 してい るポイントと Suica ポイントを 交 換 出 来 るようにしています ポイント 交 換 では より 魅 力 のあるサービスにポイントが 流 れる 傾 向 があります Suica ポイントは 乗 車 券 や 電 子 マネーとして 利 用 出 来 るという 大 きな 強 みがありますので 他 のポイントから Suica ポイ ントに 交 換 するお 客 さまが 多 くなっています ここからは 話 題 を 変 え JR 東 日 本 グループの グループ 経 営 ビジョン 2020- 挑 む- という 新 しい 中 期 経 営 構 想 を 発 表 しましたので この 中 における Suica の 今 後 の 取 り 組 みについて お 話 したいと 思 います 国 鉄 改 革 後 当 社 グループの 経 営 状 況 はおおむね 順 調 に 推 移 してきたと 考 えています しかし 単 なる 現 状 維 持 の 発 想 では 間 違 いなく 衰 退 していくと 考 えています 次 のステ ージにおいて 更 なる 発 展 を 遂 げるためには 新 たな 発 想 とチャレンジで 会 社 を 変 えていく ことが 必 要 であり 会 社 発 足 後 21 年 が 経 過 した 本 年 3 月 末 更 なる 発 展 を 目 指 した 中 期 経 営 構 想 グループ 経 営 ビジョン 2020- 挑 む- を 策 定 発 表 しました 経 営 環 境 が 厳 し さを 増 す 中 で 現 状 に 甘 んじる 組 織 は 衰 退 に 向 かうという 認 識 に 立 ち 経 営 が 順 調 である 今 のうちに あるべき 姿 を 目 標 として 掲 げて 積 極 果 敢 にチャレンジをしていく 必 要 があると 考 えています サブタイトルを 挑 む としているのは そのような 理 由 からです 2020 年 までの 十 数 年 先 を 見 据 えた 経 営 構 想 であり 過 去 の 延 長 線 という 発 想 から 脱 却 し も う 一 段 高 い 目 標 を 掲 げて 挑 もうというものです この 中 で IT Suica 事 業 において 掲 げ 12

た 高 い 目 標 についてお 話 したいと 思 います このグループ 経 営 ビジョンの 中 に 7つの ギアチェンジ という 項 目 があり ここではあるべき 姿 を 目 指 し 経 営 のギアチェンジを 行 う 項 目 を 掲 げています その 一 つが Suica 事 業 です Suica 事 業 を 経 営 の 第 3の 柱 と して 確 立 する ことが 大 きな 目 標 です 具 体 的 な 目 標 として 交 通 系 ネットワークの 拡 大 電 子 マネーNo.1ブランドの 確 立 情 報 ビジネスへの 挑 戦 の 三 つを 掲 げていま す 交 通 系 ネットワークの 拡 大 では 日 本 における IC 乗 車 券 のデファクト スタンダード として Suica の 相 互 利 用 ネットワークを 更 に 拡 大 すること Suica を 更 に 普 及 させ 首 都 圏 での IC 利 用 率 を 90%にすること 更 には IC100% 化 作 戦 と 呼 んでいますが 私 ども のエリア 内 では どこでも Suica が 使 えるようにすることを 掲 げています その 前 段 とし て 現 在 の Suica エリア 内 の Suica の 利 用 率 を 現 在 の 約 76%から 2010 年 度 に 90%とし たいと 考 えています JR 東 日 本 エリアにおいてどこでも Suica を 使 えるようにするため には ローカル 線 や 在 来 線 の 特 急 東 京 仙 台 新 潟 などのエリア 間 を 跨 るご 利 用 の 場 合 等 の 課 題 を 挙 げて 解 決 策 を 検 討 しています なお 自 動 改 札 機 における IC カードの 利 用 率 の 推 移 ですが 首 都 圏 の IC カード 相 互 利 用 が 始 まった 当 初 から 50%を 超 えていた のですけれども IC カード 相 互 利 用 開 始 後 上 昇 し 現 在 では 全 エリア 平 均 で 76.4% 首 都 圏 では 77.5%となっています これから 利 用 率 を 10% 15% 上 げていくのが 非 常 に 大 変 です 電 子 マネーは Suica 以 外 にも 様 々な 事 業 者 がサービスを 提 供 していますが 取 扱 件 数 でナンバーワンになりました 今 後 は 件 数 だけではなく サービスの 質 等 においてもナ ンバーワンを 目 指 して 取 り 組 んでいきます そして 現 在 1 日 あたり 134 万 件 の 決 済 件 数 を 2010 年 には1 日 800 万 件 とすることを 目 標 に 利 用 可 能 箇 所 の 拡 大 等 のサービス 向 上 に 取 り 組 んでいます 最 後 に 情 報 ビジネスへの 挑 戦 は 1 日 あたり 2000 万 トランザクションという 移 動 や 小 額 決 済 情 報 をデータベース 化 してビジネスに 活 用 しようというものです 現 在 今 後 の 具 体 的 な 展 開 について 検 討 を 行 っていますが 将 来 の 事 業 のイメージでは IC 乗 車 券 電 子 マネーを 通 じて 蓄 積 された 鉄 道 やショッピングの 小 額 決 済 情 報 ビューカードを 通 じ て 蓄 積 される 鉄 道 ショッピングの 高 額 決 済 情 報 を 情 報 通 信 サービスという 四 本 目 の 事 業 を 最 新 のモバイル 技 術 で 横 通 しをすることによって 全 生 活 情 報 ソリューション 事 業 として 展 開 していきたいと 考 えています 13

この 全 生 活 情 報 ソリューション 事 業 とは IT Suica 事 業 本 部 を 発 足 させた 時 に 事 業 本 部 の 事 業 ドメインとは 何 かという 議 論 をして 出 した 方 向 性 です 当 初 は IT Suica 事 業 だから IT と Suica が 事 業 ドメインだとする 意 見 もありましたが もっと 広 く あるいは 分 かりやすくしようと 知 恵 を 出 した 結 果 Suica やクレジットは 生 活 に 密 接 し た 情 報 であることから 生 活 情 報 ソリューション 事 業 としました 最 後 に 全 を 付 け たのは 時 間 場 所 を 超 えて いつでもどこでも 全 生 活 に 関 する 情 報 ソリューションを 提 供 していくことを 目 指 したことによるものです 全 生 活 情 報 ソリューション 事 業 の 市 場 規 模 については 次 のように 考 えています 電 子 マネー 市 場 は 現 在 約 0.5 兆 円 ですが 電 子 マネーと 親 和 性 の 高 い 決 済 金 額 が 3000 円 以 下 の 少 額 決 済 市 場 は 約 60 兆 円 あるとされています 更 に 高 額 な 金 額 をクレジットカー ドの 決 済 市 場 とすると 現 在 の 日 本 におけるクレジットショッピング 取 扱 高 というのは 32 兆 円 決 済 比 率 で 11.2%です 日 本 の 倍 のアメリカ 並 みの 24%ぐらいまでこの 比 率 が 拡 大 したとすると クレジットカードの 決 済 額 は 72 兆 円 になりますので 先 ほどの 少 額 決 済 と 合 わせ 約 130 兆 円 が 対 象 の 市 場 になると 考 えています デビットカードが 広 く 普 及 していない 状 況 から 日 本 においては 電 子 マネーとクレジットカードが 現 金 に 代 わる 決 済 手 段 になると 考 えています 幸 いなことに 私 どもにはこの 2 つの 決 済 手 段 があり これ を 強 みとして 積 極 的 に 事 業 を 展 開 していきたいと 考 えています なお Suica を 軸 に 蓄 積 される 生 活 情 報 の 特 徴 は 1 日 あたり 2000 万 トランザクショ ンという 強 大 な 情 報 データベースです そして お 客 さまの 生 活 行 動 情 報 が カードの ID ナンバー 別 にすべて 蓄 積 されています このようなデータは CRM やマーケティング ソリューションビジネスへの 展 開 に 有 効 だと 考 えています 蓄 積 されている 情 報 は 移 動 電 子 マネー 決 済 クレジット 決 済 ポイント クーポン 様 々なパートナー 企 業 の 固 有 情 報 であり 従 来 は 消 費 の 点 と 点 でしかなかった 情 報 を 線 でつなぐことができるように なります この 全 生 活 情 報 を 蓄 積 したデータベースの 完 成 後 のアプローチとしては 以 下 の 3 通 り を 考 えています 一 つ 目 は お 客 さまとの 情 報 交 換 の 中 でお 客 さまの 購 買 意 欲 を 刺 激 する 情 報 提 供 の 方 法 二 つ 目 は グループ 内 外 の 企 業 にこの 情 報 を 有 償 で 提 供 することによ り 新 しい 商 品 サービスを 開 拓 してお 客 さまの 購 買 意 欲 を 刺 激 する 方 法 三 つ 目 は 提 携 企 業 を 通 じて 情 報 をソリューション 可 能 な 状 態 としてグループ 内 外 の 企 業 に 提 供 して 二 つ 目 と 同 様 新 しい 商 品 やサービスを 提 供 し お 客 さまにアプローチする 方 法 です 最 14

終 的 にはお 客 さまの 購 買 行 動 に 結 び 付 けることが 目 的 なのですが その 過 程 で 情 報 を 有 償 で 提 供 していくビジネスモデルを 構 築 したいと 考 えています 情 報 通 信 サービス 事 業 の 展 開 も グループ 経 営 ビジョンの 中 で 謳 っておりますが 商 用 無 線 通 信 の 自 営 インフラ 的 活 用 を 目 指 したものです 商 用 無 線 をあたかも 自 分 の 会 社 のイ ンフラであるかの 様 に 活 用 する 構 想 です WiMAX と 呼 ばれる 次 世 代 の 高 速 無 線 データ 通 信 サービスを 使 用 します 私 どもは WiMAX 事 業 者 である UQ コミュニケーションズ に 出 資 をしています この 無 線 通 信 を 輸 送 に 関 わる 通 信 ではなくて 情 報 系 のサービス に 使 用 しようと 考 えています 無 線 ですから 非 常 に 設 備 の 設 置 が 簡 単 であり これから 伸 びていく 分 野 と 考 えています これは WiMAX を 使 用 したサービスのイメージです 駅 社 員 の 情 報 端 末 への 情 報 伝 送 デジタル 広 告 への 情 報 の 電 送 電 子 マネー 端 末 からのデータの 吸 い 上 げ 保 守 担 当 社 員 が 現 地 に 持 参 する 端 末 定 置 をして 監 視 に 使 うカメラ 等 様 々な 用 途 に 活 用 することを 想 定 しています このインフラの 活 用 範 囲 が 拡 大 していくのに 合 せて 更 に 他 社 へ 拡 げていき たいと 考 えています Suica と 同 じように 自 社 から 外 へ 拡 げるビジネスモデルをイメー ジしています 次 に Suica の 信 頼 性 とセキュリティについてお 話 したいと 思 います Suica を 紛 失 した 場 合 窓 口 に 申 し 出 ると 個 人 確 認 をし 紛 失 したカードの ID 番 号 を 特 定 し センターサ ーバに 蓄 えます そのデータはすぐさま 駅 の 機 器 に 配 信 されます そうするとカードを 拾 って 使 おうとしてもチェックがかかり 使 えません このチェックがかかるまでの 時 間 につ いては 山 手 線 で 隣 の 駅 行 くまでの 間 になされることを 目 指 しました 紛 失 したカードは 完 全 に 停 止 され 翌 日 以 降 申 し 出 を 頂 いた 時 点 のチャージ 残 額 を 引 き 継 いで 再 発 行 を 行 うことができます セキュリティを 担 保 しつつ サービスの 質 も 向 上 させています 更 に ISO15408 に 基 づくセキュリティ 評 価 認 証 というものを 2003 年 の6 月 に 取 得 しました セキュリティについては 自 社 内 での 検 証 だけではなく 外 部 から 客 観 的 に 評 価 していただくことも 非 常 に 重 要 です 結 果 EAL4 という 認 証 を 受 けています この 規 格 の 最 高 レベルは7まであり レベル5 以 上 は 軍 事 用 に 求 められるレベルと 言 われてい ますので レベル 4 は 民 生 レベルでは 最 高 レベルとなります これまで 述 べてきたように Suica は オープンで 大 規 模 なインフラとなったことから 社 会 インフラ 化 しました このため システムやネットワークに 求 められる 信 頼 性 安 定 性 セキュリティレベルは 非 常 に 高 くなっています そこで 私 どもでは 以 下 の 4 つの 15

取 り 組 みを 行 っております 1つ 目 は 2005 年 7 月 に 体 制 整 備 として IT Suica 事 業 本 部 内 にセキュリティマネ ージャーを 3 名 配 置 しました 2 つ 目 として PASMO との 相 互 利 用 を 機 に Suica システムの 稼 動 状 況 を 常 時 監 視 する Suica システム 管 制 室 を 設 置 しました これは 24 時 間 Suica システムの 稼 動 状 況 を 調 べて おり もし 何 かあればすぐに 関 係 者 に 連 絡 をする 体 制 となっています 昨 年 の 10 月 12 日 に 首 都 圏 の 自 動 改 札 機 がソフトのバグで 利 用 できなくなり 大 変 ご 迷 惑 をおかけしまし たが その 際 も 管 制 室 の 存 在 が かなり 早 い 時 点 での 事 象 把 握 を 可 能 にしたため 設 置 の 効 果 があったと 思 っています 3 つ 目 として サイバネセキュリティ 評 価 及 び 認 証 制 度 という 技 術 管 理 の 仕 組 みがあり ます 鉄 道 事 業 者 で 組 織 するサイバネティクス 協 議 会 において セキュリティの 評 価 やそ の 評 価 に 基 づく 端 末 認 証 等 自 主 的 にセキュリティの 評 価 認 証 をするような 制 度 を 構 築 し 昨 年 6 月 から 運 用 しています 4 つ 目 として 技 術 力 の 向 上 のために 定 期 的 に Suica システム 技 術 懇 談 会 を 開 催 して います これは 私 どもの 社 長 を 含 めた 常 務 クラス 以 上 の 役 員 に Suica に 関 わる 最 先 端 の システム 技 術 の 動 向 とその 内 容 について 外 部 有 識 者 を 招 いてお 話 をいただくものです この 場 を 通 じて 最 先 端 技 術 の 習 得 セキュリティレベル 向 上 等 の 勉 強 も 行 っています 最 後 に Suica が 世 界 を 変 える! と 題 して Suica がもたらす 変 革 についてお 話 しま す 当 初 Suica は 私 どもの 自 社 インフラでした それがオープン 化 といった 様 々な 施 策 によって 拡 がり 今 や Suica は 社 会 インフラ 化 したと 言 っても 過 言 ではないと 思 い ます 鉄 道 が 社 会 基 盤 としての 第 1 次 インフラとすれば Suica は 生 活 基 盤 としての 第 2 次 インフラとして 定 義 可 能 と 考 えます 1 次 2 次 の 両 方 のインフラの 共 生 とシステム の 安 定 稼 動 の 確 保 が 極 めて 重 要 であることは 間 違 いなく 先 ほども 申 した 様 に 様 々な 信 頼 性 セキュリティ 向 上 のための 取 り 組 みを 行 っています Suica には 交 通 インフラとしての 機 能 それから 電 子 マネーとしての 決 済 インフラと しての 機 能 それから 通 信 インフラと 融 合 した 生 活 インフラとしての 機 能 という 3 つの 側 面 があります 特 に 通 信 インフラと 融 合 したモバイル Suica は 従 来 の Suica カードと 比 べ 空 間 的 時 間 的 制 約 から 解 放 されます 駅 の 乗 車 券 発 売 改 札 業 務 双 方 でのシステム チェンジだけではなく お 客 さまの 生 活 スタイルそのものにも 変 化 をもたらし 私 どもの 16

事 業 構 造 革 命 Suica をご 利 用 いただくお 客 さまの 生 活 革 命 につながっていくと 考 えてい ます Suica では 私 どものコアである 鉄 道 事 業 の 改 札 という 百 年 来 のプロセスを 改 革 したこ とにより 第 3 の 事 業 を 創 出 しました また モバイル Suica では 乗 車 券 発 売 のプロセ スにも 変 化 をもたらしました 非 常 に 難 しいことだとは 思 いますが IC チケット 率 が 100%になると 例 えば 券 売 機 自 体 やその 釣 り 銭 準 備 金 が 不 要 になります これにより 新 たな 駅 スペースが 生 まれます 空 いたスペースを 第 2 の 事 業 である 生 活 サービス 事 業 で 活 用 したり コスト 構 造 そのものの 変 革 につながるのではないかと 考 えています 企 業 のコアになる 業 務 の 変 革 をするにはとても 大 きなエネルギーが 必 要 となりますが 変 革 をすることで その 影 響 はコア 事 業 自 体 にとどまらず より 広 範 な 変 革 となることを 実 感 したのが Suica でした 最 後 に Suica が 生 活 に 与 える 影 響 についてお 話 しします 首 都 圏 IC カード 相 互 利 用 に より 交 通 のバリアフリー 生 活 のバリアフリーが 実 現 されつつあり お 客 さまの 生 活 の スタイルが 首 都 圏 においては 変 わってきていると 感 じています 今 後 首 都 圏 は 世 界 に 誇 る IC カード 先 進 都 市 として 変 貌 を 遂 げ 首 都 圏 から 日 本 へ そして 世 界 へとライフス タイルの 革 命 が 拡 大 していくと 思 います 日 本 の 鉄 道 はこれまでに 世 界 を2 度 変 えました 最 初 は 新 幹 線 により 鉄 道 の 高 速 化 の 先 駆 となり 世 界 中 で 高 速 鉄 道 の 導 入 が 進 みました 次 に 民 営 化 により 日 本 の 企 業 再 生 モデルは 世 界 から 鉄 道 や 交 通 事 業 の 民 営 化 の 手 本 と 見 られています これらは い ずれもコア 事 業 である 鉄 道 事 業 を 革 新 したという 点 で 共 通 しています そして 今 度 は 第 三 の 事 業 である Suica を 通 じて 世 界 を 変 えていきたいと 思 います 以 上 でございます ご 清 聴 どうもありがとうございました ( 拍 手 ) 17