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個 人 金 融 資 産 動 向 :13 年 第 3 四 半 期 宮 本 佐 知 子 要 約 1. 日 本 銀 行 13 年 7~9 月 期 資 金 循 環 統 計 によれば 13 年 9 月 末 の 個 人 金 融 資 産 残 高 は 1,59 兆 1,55 億 円 ( 前 期 比.% 増 前 年 比 5.9% 増 )となった 株 価 上 昇 により 家 計 が 保 有 する 株 式 や 投 資 信 託 の 時 価 評 価 が 増 し 家 計 全 体 の 資 産 額 を 押 し 上 げた 形 で あり 株 式 出 資 金 は 前 年 比 3.% 投 資 信 託 は 同 33.%の 増 加 となった 一 方 現 金 預 金 は 前 年 比.1% 増 にとどまったが 個 人 金 融 資 産 に 占 める 現 金 預 金 の 割 合 は53.5% と 依 然 として 過 半 を 占 める 状 況 にある. 13 年 7~9 月 期 の 各 金 融 資 産 への 個 人 資 金 純 流 出 入 の 動 きは 次 の 通 りである 第 一 に 預 金 から 資 金 が 流 出 した 第 二 に 債 券 からは 資 金 流 出 が 続 き 国 債 から19 四 半 期 連 続 で 資 金 が 流 出 した 第 三 に 株 式 から 資 金 が 流 出 した 一 方 投 資 信 託 へはそれを 上 回 る 規 模 の 資 金 が 流 入 し 四 半 期 連 続 での 資 金 流 入 となった 第 四 に 対 外 証 券 投 資 へは 資 金 が 流 入 したが 外 貨 預 金 からは 資 金 が 流 出 した 3. 総 じて 13 年 7~9 月 期 は アベノミクスへの 期 待 から 相 場 環 境 が 大 きく 変 化 した 流 れが 続 き 投 資 信 託 への 資 金 流 入 が 持 続 的 になる 一 方 含 み 損 益 の 改 善 による 株 式 売 買 も 膨 らんだ ただし 底 流 では 日 本 への 投 資 機 会 を 窺 う 個 人 資 金 も 多 く 待 機 してい ると 見 られる 今 後 個 人 によるリスクテイクの 動 きが 本 格 化 するのか 注 目 される. 個 人 の 資 産 選 択 に 影 響 を 及 ぼす 制 度 として 1 年 1 月 から 導 入 されたNISAは 重 要 で ある 平 成 年 度 税 制 改 正 大 綱 では NISAについては 1NISA 口 座 を 開 設 する 金 融 機 関 について 1 年 単 位 で 変 更 することと NISA 口 座 を 廃 止 した 場 合 翌 年 以 降 に 再 開 設 すること が 認 められ 今 後 も 引 き 続 き 検 討 することが 明 示 された 個 人 側 で の 同 制 度 の 認 知 度 は 着 実 に 高 まりつつある 今 後 は 同 制 度 の 普 及 や 個 人 投 資 家 の すそ 野 拡 大 へ 向 けた 金 融 機 関 や 企 業 側 での 取 り 組 みが 注 目 される 5. もう 一 つ 個 人 の 資 産 選 択 に 影 響 を 及 ぼす 制 度 として13 年 に 話 題 を 集 めたものが 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 である 第 一 地 方 銀 行 行 のうち 59 行 が 第 二 地 方 銀 行 1 行 のうち1 行 が 取 扱 を 開 始 しており 先 行 した 信 託 銀 行 での 取 扱 実 績 は 着 実 に 伸 びている 今 回 の 措 置 の 利 用 者 が 増 えると 将 来 の 相 続 による 資 産 移 転 が 一 部 前 倒 しされ その 影 響 が 顕 在 化 する 時 期 が 早 まることは 金 融 機 関 にと って 見 逃 せない 点 である このような 贈 与 商 品 をきっかけに 世 代 を 超 えた 取 引 関 係 の 構 築 囲 い 込 みにつなげられるか 金 融 機 関 の 今 後 の 展 開 力 こそが 重 要 であろう 1

Ⅰ. 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 に 見 る 個 人 金 融 資 産 動 向 1. 個 人 金 融 資 産 残 高 の 概 況 13 年 1 月 19 日 に 発 表 された 日 本 銀 行 13 年 7~9 月 期 資 金 循 環 統 計 によれば 13 年 9 月 末 の 個 人 金 融 資 産 残 高 は 1,59 兆 1,55 億 円 ( 前 期 比.% 増 前 年 比 5.9% 増 ) と 7 年 月 末 に 次 ぐ 高 水 準 となった( 図 表 1) 株 価 上 昇 により 家 計 が 保 有 する 株 式 や 投 資 信 託 の 時 価 評 価 が 増 し 家 計 全 体 の 資 産 額 を 押 し 上 げた 形 であり 株 式 出 資 金 は 前 年 比 3.% 投 資 信 託 は 同 33.%の 増 加 となった 一 方 現 金 預 金 は 前 年 比.1% 増 に とどまったが 個 人 金 融 資 産 に 占 める 現 金 預 金 の 割 合 は 53.5%と 依 然 として 過 半 を 占 める 状 況 にある. 各 金 融 資 産 への 個 人 資 金 流 出 入 の 動 向 図 表 は 四 半 期 ごとの 主 な 金 融 資 産 への 個 人 資 金 純 流 出 入 の 動 きである 足 下 の 特 徴 は 次 の 通 りである 第 一 に 預 金 から 資 金 が 流 出 した 預 金 は 四 半 期 ごとに 大 きく 変 動 するが 均 すと 流 動 性 預 金 への 選 好 が 依 然 として 続 いている 第 二 に 債 券 からは 資 金 流 出 が 続 いている 国 債 からは 19 四 半 期 連 続 で 資 金 が 流 出 多 くは 個 人 向 け 国 債 の 償 還 に 因 るものと 見 られる 個 人 向 け 国 債 の 償 還 は これまでの 固 定 金 利 5 年 物 に 加 えて 13 年 3 月 から 変 動 金 利 年 物 が 同 年 7 月 から 固 定 金 利 3 年 物 が 始 まり 四 半 期 ごとに 約 1 兆 円 の 償 還 が 続 いている 個 人 向 け 国 債 の 満 期 償 還 金 の 一 部 は 13 年 7~9 月 期 は 主 に 投 資 信 託 へ 向 かったと 見 られるが 変 動 金 利 型 中 心 に 個 人 向 け 国 債 への 再 投 資 額 も 増 えつつあり 13 年 月 発 行 分 のうち 7 割 は 変 動 金 利 型 が 占 め 図 表 1 個 人 金 融 資 産 の 残 高 と 内 訳 1 1 ( 兆 円 ) その 他 13. 構 成 比 前 年 比 1 債 券 投 資 信 託 株 式 出 資 金 金 融 資 産 計 ( 兆 円 ) 159.% 5.9% ( 内 訳 ) 現 金 預 金 5 53.5%.1% 債 券 3 1.9% -.7% ( 国 債 ) 1.% -13.% 1 3 5 7 9 11 1 13. ( 年 末 ) 保 険 年 金 準 備 金 現 金 預 金 投 資 信 託 75.7% 33.% 株 式 出 資 金 135.5% 3.% 保 険 年 金 準 備 金 37 7.3%.% その 他.1% 5.1% ( 注 ) 債 券 は 株 式 以 外 の 証 券 から 投 資 信 託 を 除 いたもの ( 出 所 ) 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成

た 1 財 務 省 では 個 人 向 け 国 債 の 販 売 方 法 を 見 直 し 現 在 は 毎 四 半 期 発 行 の 固 定 金 利 5 年 物 と 変 動 金 利 年 物 を 13 年 1 月 から 毎 月 発 行 することで 再 投 資 資 金 をより 受 け 入 れ やすくする 第 三 に 株 式 からは 資 金 が 期 連 続 で 大 幅 流 出 となった 一 方 投 資 信 託 へはそれを 上 回 る 規 模 の 資 金 が 流 入 し 四 半 期 連 続 での 資 金 流 入 となった 株 式 については 株 価 が 上 昇 する 中 で 含 み 損 益 が 改 善 した 個 人 投 資 家 も 多 いと 見 られることや 譲 渡 益 への 課 税 率 を %へ 抑 えていた 証 券 優 遇 税 制 が 年 内 で 打 ち 切 られ 来 年 から %へ 戻 ることを 見 据 えて 値 上 がりした 保 有 株 式 を 売 却 する 動 きが 出 ているとみられる 個 人 の 株 式 取 引 は 昨 年 末 か ら 活 発 になっており 13 年 5 月 13~17 日 の 週 に 15. 兆 円 シェアは 39.%に 達 した 後 も 13 年 は 1 年 に 比 べると 総 じて 高 水 準 の 推 移 が 続 いている( 図 表 3) 投 資 信 託 については 販 売 額 も 解 約 額 も 高 水 準 となる 中 で 資 金 純 流 入 が 続 いた 投 資 信 託 の 資 金 純 増 額 ランキングを 見 ると 米 国 の 量 的 緩 和 の 縮 小 観 測 により 新 興 国 から 米 国 へ と 資 金 が 回 帰 する 流 れの 中 で 北 米 関 連 資 産 を 投 資 対 象 とする 商 品 に 人 気 が 集 まった 3 ( 図 表 ) 国 内 資 産 については 13 年 ~ 月 期 から 人 気 が 続 いている 国 内 株 式 投 信 の 品 揃 えが 増 えて 資 金 流 入 先 が 広 がったほか 年 の 東 京 五 輪 開 催 決 定 という 好 材 料 もあり 国 内 株 式 型 投 信 や J-REIT 投 信 が 売 れ 筋 上 位 に 浮 上 した 第 四 に 対 外 証 券 投 資 には 資 金 が 流 入 した 一 方 外 貨 預 金 からは 資 金 が 流 出 した 13 年 9 月 末 時 点 では 個 人 が 保 有 する 外 貨 資 産 は 37.3 兆 円 である 個 人 金 融 資 産 に 占 める 割 合 は.3%であり ここ 数 四 半 期 間 はほとんど 変 わっていない 図 表 各 金 融 資 産 への 個 人 資 金 純 流 出 入 ( 四 半 期 ベース) ( 兆 円 ) 預 金 の 動 き( 四 半 期 移 動 平 均 ) ( 兆 円 ) 1 主 要 金 融 資 産 の 動 き 定 期 性 預 金 ゆうちょ 銀 行 預 金 債 券 - - 流 動 性 預 金 定 期 性 預 金 - - - 上 場 株 式 投 資 信 託 対 外 証 券 投 資 - 7 9 11 1 13-7 9 11 1 13 ( 注 ) 左 図 の 定 期 性 預 金 にはゆうちょ 銀 行 預 金 を 含 む ( 出 所 ) 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 ゆうちょ 銀 行 資 料 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 1 3 13 年 月 発 行 分 は 総 額,93 億 円 このうち 変 動 金 利 型 は,1 億 円 因 みに 同 年 7 月 発 行 分 は 変 動 金 利 型 の 発 行 額 が,9 億 円 であり 同 年 月 分 は. 倍 に 膨 らんだことになる http://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/schedule/ 参 照 例 えば スペシャル 売 れ 筋 投 信 調 査 大 手 証 券 会 社 編 (13 年 7~9 月 期 / 月 ) ファンド 情 報 13 年 月 日 参 照 3

図 表 3 株 式 市 場 における 個 人 投 資 家 の 売 買 状 況 (%) 5 35 3 5 15 売 買 代 金 に 占 める 個 人 のシェア ( 兆 円 ) 1 1 1 1 個 人 の 売 買 代 金 1/1 3 5 7 9 11 113/1 3 5 7 9 11 1 ( 年 / 月 ) ( 注 ) 東 京 大 阪 名 古 屋 3 市 場 1 部 合 計 ( 出 所 ) 東 京 証 券 取 引 所 統 計 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 図 表 投 資 信 託 の 資 金 純 増 額 ランキング(13 年 7 月 ~13 年 月 ) 順 位 13 年 7 月 13 年 月 13 年 9 月 13 年 月 1 フィデリティ USハイ イールドファンド フィデリティ USハイ イールドファンド 野 村 ドイチェ 高 配 当 インフラ 関 連 株 投 信 ( 米 ドルコース) 毎 月 分 配 型 野 村 ドイチェ 高 配 当 インフラ 関 連 株 投 信 ( 米 ドルコース) 毎 月 分 配 型 野 村 通 貨 選 択 日 本 株 投 信 ( 米 ドルコース) 年 回 決 算 型 ダイワ 高 格 付 カナダドル 債 オープン ダイワ 高 格 付 カナダドル 債 オープン 新 光 US-REITオープン 3 ダイワ 高 格 付 カナダドル 債 オープン 新 光 US-REITオープン 新 光 US-REITオープン ダイワ 高 格 付 カナダドル 債 オープン 野 村 エマージング 債 券 プレミアム 毎 月 分 配 型 野 村 ドイチェ 高 配 当 インフラ 関 連 株 投 信 ( 米 ドルコース) 毎 月 分 配 型 フィデリティ USハイ イールドファンド 三 菱 UFJ Jリートオープン (3ヵ 月 決 算 型 ) 5 DIAM 新 興 企 業 日 本 株 ファンド 野 村 エマージング 債 券 プレミアム 毎 月 分 配 型 三 菱 UFJ Jリートオープン (3ヵ 月 決 算 型 ) アムンディ 欧 州 ハイ イールド 債 券 ファンド(トルコリラコース) 新 光 US-REITオープン DIAM 新 興 企 業 日 本 株 ファンド J-REIT リサーチ オープン ( 毎 月 決 算 型 ) フィデリティ USハイ イールドファンド 7 東 京 海 上 J-REIT 投 信 ( 通 貨 選 択 型 ) ブラジルレアルコース ストラテジック インカム ファンド Aコース ニッセイJ-REITファンド (ヵ 月 決 算 型 ) JPMジャパンマイスター 野 村 通 貨 選 択 日 本 株 投 信 ( 米 ドルコース) 毎 月 分 配 型 アムンディ 欧 州 ハイ イールド 債 券 ファンド(トルコリラコース) JPMジャパンマイスター JF 中 小 型 株 オープン 9 ストラテジック インカム ファンド Aコース ラサール グローバルREITファンド Jリートファンド カナダ 高 配 当 株 ツインα 日 興 ピムコ ハイインカム ソブリン ファンド 毎 月 分 配 型 (トルコリラコース) 野 村 通 貨 選 択 日 本 株 投 信 ( 米 ドルコース) 年 回 決 算 型 DWS 欧 州 ハイ イールド 債 券 ファンド (ブラジルレアルコース) アジア オセアニア 好 配 当 成 長 株 オープン ( 出 所 )R&I 資 料 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成

3. 総 括 個 人 資 金 の 潮 流 を 振 り 返 ると 金 融 危 機 後 に 一 旦 は 定 期 預 金 に 向 かったものの その 後 3 年 余 りは 様 々な 金 融 資 産 の 間 を 彷 徨 い 続 けてきたが 13 年 にはようやく 投 資 信 託 へ 向 かう 流 れが 持 続 的 なものになりつつある( 図 表 ) アベノミクスへの 期 待 から 相 場 環 境 が 大 きく 変 化 する 中 では 含 み 損 益 が 改 善 した 個 人 も 多 いと 見 られ 個 人 による 株 式 の 売 買 や 資 金 流 出 額 も 膨 らんでいるが 底 流 では 日 本 への 投 資 機 会 を 窺 う 個 人 資 金 も 多 く 待 機 していると 見 られる 実 際 MRF の 残 高 は 13 年 11 月 には 9. 兆 円 と 過 去 最 高 に 達 して いる( 図 表 5) また 個 人 金 融 資 産 全 体 に 占 める 預 金 の 割 合 は 依 然 として 高 く 特 に 流 動 性 預 金 の 割 合 を 高 めることで 必 要 な 時 に 資 金 を 動 かせる 形 で 滞 留 させる 傾 向 が 続 いてい る( 図 表 ) 13 年 9 月 末 時 点 では 個 人 金 融 資 産 に 占 めるリスク 資 産 ( 株 式 出 資 金 と 投 資 信 託 の 合 計 )の 割 合 は 13.1%と 直 近 ピーク 時 (7 年 月 末 17.%)には 及 ば ない( 図 表 7) 今 後 個 人 によるリスクテイクの 動 きが 本 格 化 するのか 注 目 されよう 図 表 5 MRF 残 高 の 推 移 図 表 個 人 金 融 資 産 に 占 める 預 金 の 動 き ( 兆 円 ) 1 5% 5% 5% 5% 5% % 35% 3% 5% 5% % % % 現 金 預 金 / 金 融 資 産 ( 左 軸 ) 流 動 性 預 金 / 預 金 ( 右 軸 ) 15% % 5% 5 7 9 11 1 13 ( 年 ) % ( 出 所 ) 投 資 信 託 協 会 統 計 より 野 村 資 本 市 場 ( 出 所 ) 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 より 野 村 資 本 市 研 究 所 作 成 場 研 究 所 作 成 図 表 7 個 人 金 融 資 産 に 占 めるリスク 資 産 の 割 合 % 1% 1% 1% 1% % % % % % % 9 99 1 3 5 7 9 11 1 13 ( 年 ) 9 99 1 3 5 7 9 11 1 13 ( 年 ) ( 注 )リスク 資 産 は 株 式 出 資 金 と 投 資 信 託 の 合 計 とした ( 出 所 ) 日 本 銀 行 資 金 循 環 統 計 より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 % 5

Ⅱ.NISA を 巡 る 動 き 個 人 の 資 産 選 択 に 影 響 を 及 ぼす 制 度 面 での 動 きとして 1 年 1 月 から 導 入 される NISA は 重 要 である NISA は 個 人 に 対 して 資 産 形 成 の 新 たな 器 を 与 えるだけでなく 個 人 資 金 を 長 期 の 成 長 資 金 として 企 業 へ 流 すという 意 義 も 担 っている 1. 平 成 年 度 税 制 改 正 大 綱 13 年 1 月 日 に 閣 議 決 定 された 平 成 年 度 税 制 改 正 大 綱 では NISA については 1NISA 口 座 を 開 設 する 金 融 機 関 について 1 年 単 位 で 変 更 することと NISA 口 座 を 廃 止 した 場 合 翌 年 以 降 に 再 開 設 すること が 認 められた 現 行 制 度 では 年 間 は 同 じ 金 融 機 関 で 投 資 する 必 要 があったが 今 回 の 措 置 により 個 人 投 資 家 が 口 座 を 開 く 金 融 機 関 を 15 年 から 毎 年 変 更 し 複 数 の 口 座 を 持 つことが 可 能 になった また 大 綱 では 今 後 の 検 討 事 項 として NISA については 投 資 家 のすそ 野 を 広 げ 経 済 成 長 に 必 要 な 成 長 資 金 の 供 給 を 拡 大 する 観 点 から 措 置 の 実 績 や 効 果 の 検 証 等 を 踏 まえ 引 き 続 き 検 討 する と 記 載 されており 今 後 も NISA は 拡 充 されてゆく 方 向 にあることが 明 示 された 個 人 の 資 産 選 択 に 影 響 を 及 ぼす 同 制 度 の 動 きは 今 後 も 引 き 続 き 注 目 される. 個 人 側 での 認 知 度 は 着 実 に 上 昇 国 税 庁 によると NISA 口 座 開 設 に 関 する 税 務 署 への 申 請 件 数 は 受 付 を 始 めた 13 年 月 1 日 に 35 万 件 あった また 13 年 月 に 実 施 されたアンケート 調 査 によると NISA の 認 知 率 は 5%と 同 7 月 調 査 の % 同 3 月 調 査 の %から 着 実 に 上 昇 している 5 NISA 利 用 意 向 についても 利 用 意 向 者 は 1%( 同 7 月 調 査 は 15% 同 3 月 調 査 は 9%)と 認 知 率 の 上 昇 と 共 に 利 用 意 向 者 の 割 合 も 増 えている 投 資 意 向 額 は 初 年 度 75 万 円 5 年 分 累 計 3 万 円 であり 世 代 が 上 がるほど 投 資 額 が 上 昇 する 傾 向 が 見 られる 3. 金 融 機 関 側 での 取 り 組 みは 新 たなステージへ 金 融 機 関 側 では 既 存 客 を 中 心 に NISA 制 度 の 周 知 徹 底 や 口 座 開 設 の 予 約 活 動 が 一 巡 し た 今 後 は 新 規 顧 客 をいかに 開 拓 できるか 顧 客 に NISA 口 座 をいかに 利 用 してもらえ るか NISA から 他 サービス 利 用 へいかにつなげるかに 工 夫 を 凝 らす 新 たなステージへ 移 行 することになる 日 本 証 券 業 協 会 の 調 査 によると 投 資 をしたことがない 人 は 株 式 で は.% 投 資 信 託 では 7.7%にのぼるが 最 大 の 理 由 は 十 分 な 知 識 をまだ 持 っていない から である( 図 表 9) NISA という 新 たな 制 度 をきっかけに 投 資 への 関 心 や 知 識 を 高 め 成 功 体 験 を 積 む 人 が 増 えれば この 状 況 は 変 わっていくと 期 待 されよう 5 http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy1/51taikou.pdf 参 照 野 村 アセットマネジメント 第 3 回 NISA に 関 する 意 識 調 査 (13 年 11 月 1 日 発 表 ) http://www.nomura-am.co.jp/nisa/common/pdf/131111.pdf 参 照

図 表 株 式 の 保 有 状 況 と 保 有 したことがない 理 由 無 回 答.% これまでに 持 っ たことがない.% 現 在 持 っている 1.1% 以 前 持 っていた が 現 在 持 って いない 7.% 十 分 な 知 識 をまだ 持 っていない 値 下 がりの 危 険 がある 必 要 な 資 金 が 準 備 できなかった 損 したという 人 の 話 を 聞 いた 株 価 の 動 きなどに 神 経 を 使 うのが 嫌 どの 銘 柄 を 買 ったらよいかわからない 株 式 市 場 に 良 いイメージがなかった 証 券 会 社 や 担 当 者 が 信 用 できない 配 当 が 少 なく 利 回 りが 低 い その 他 無 回 答.1%.3% 19.1% 19.1% 1.7%.%.7%.3% 1.% 1.% 55.7% % % % 3% % 5% % ( 注 ) 調 査 対 象 は 全 国 歳 以 上 の 個 人 ( 出 所 ) 日 本 証 券 業 協 会 証 券 投 資 に 関 する 全 国 調 査 ( 平 成 年 度 ) より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 図 表 9 投 資 信 託 の 保 有 状 況 と 保 有 したことがない 理 由 無 回 答.% これまでに 持 っ たことがない 7.7% 現 在 持 っている 7.7% 以 前 持 っていた が 現 在 持 って いない.% 十 分 な 知 識 をまだ 持 っていない ギャンブルのようなもの 必 要 な 資 金 が 準 備 できなかった 値 下 がりの 危 険 がある 投 資 信 託 の 値 動 きに 神 経 を 使 うのが 嫌 商 品 の 仕 組 みが 複 雑 損 したという 人 の 話 を 聞 いた 分 配 金 が 少 ない 証 券 会 社 や 金 融 担 当 者 が 信 用 できない その 他 無 回 答 1.% 1.3% 17.5% 15.5% 1.3% 1.%.7%.7% 15.5% 1.5%.% % % % % ( 注 ) 調 査 対 象 は 全 国 歳 以 上 の 個 人 ( 出 所 ) 日 本 証 券 業 協 会 証 券 投 資 に 関 する 全 国 調 査 ( 平 成 年 度 ) より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成. 企 業 側 の 動 きと 今 後 問 われる 個 人 株 主 への 向 き 合 い 方 上 場 企 業 側 でも NISA を 通 じた 個 人 株 主 獲 得 の 重 要 性 を 意 識 した 取 組 みが 広 がりつつ ある NISA では 投 資 金 額 が 万 円 を 超 える 銘 柄 は 制 度 の 直 接 的 な 恩 恵 を 受 けにくいこ とから 株 式 分 割 や 売 買 単 位 の 単 元 株 数 変 更 により 最 低 投 資 金 額 を 引 き 下 げる 企 業 が 増 えている 7 13 年 月 以 降 単 元 株 式 数 の 変 更 を 行 った 上 場 会 社 は 3 社 今 後 の 変 更 予 定 社 数 も 含 めると 3 社 である( 図 表 ) この 動 きは NISA 口 座 を 扱 う 側 である 金 融 機 関 でも 見 られ 中 国 銀 行 が 月 1 日 から 伊 予 銀 行 は 11 月 1 日 からそれぞれ 単 元 株 式 数 を 株 から 株 に 変 更 した また 株 主 優 待 制 度 も 利 用 して 個 人 による 長 期 の 株 式 保 有 を 促 そうという 取 組 みも 増 えてきている NISA 開 始 後 は 企 業 による 個 人 株 主 と の 向 き 合 い 方 が 一 層 注 目 されよう 7 個 人 の 株 式 保 有 状 況 については 宮 本 佐 知 子 個 人 金 融 資 産 動 向 :13 年 第 四 半 期 Ⅱ. 個 人 株 主 の 動 向 と 今 後 の 注 目 点 野 村 資 本 市 場 クォータリー 13 年 秋 号 Web 版 参 照 全 国 証 券 取 引 所 が 個 人 株 主 のすそ 野 拡 大 に 向 けて 投 資 単 位 が 5 万 円 未 満 になるよう 単 元 株 数 は 株 にま とめるよう 上 場 企 業 に 求 めてきたという 背 景 もある 7

図 表 単 元 株 式 数 の 変 更 会 社 数 効 力 発 生 日 銘 柄 数 累 計 13 年 月 5 5 13 年 5 月 13 年 月 9 71 13 年 7 月 115 13 年 月 15 13 年 9 月 15 13 年 月 1 313 13 年 11 月 11 3 13 年 1 月 3 1 年 1 月 3 3 1 年 月 11 395 1 年 3 月 1 1 年 月 3 ( 注 ) 効 力 発 生 日 未 定 の 1 社 を 含 む 多 くの 会 社 は 同 時 に 株 式 分 割 も 実 施 ( 出 所 ) 東 京 証 券 取 引 所 単 元 株 式 数 ( 売 買 単 位 )の 変 更 会 社 一 覧 ( 平 成 5 年 1 月 17 日 現 在 ) より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 Ⅲ. 教 育 資 金 一 括 贈 与 の 非 課 税 措 置 への 金 融 機 関 の 取 組 みと 注 目 点 もう 一 つ 個 人 の 資 産 選 択 に 影 響 を 及 ぼす 制 度 として 今 年 特 に 話 題 になったものがあ る 平 成 5 年 度 税 制 改 正 により 創 設 された 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 である これは 例 えば 祖 父 母 から 孫 へ 教 育 資 金 が 一 括 贈 与 された 場 合 1,5 万 円 ま で 非 課 税 となる 措 置 である 13 年 月 1 日 から 15 年 1 月 31 日 までに 行 われる 贈 与 が 対 象 となり 受 贈 者 が 3 歳 の 誕 生 日 までに 贈 与 された 資 金 を 教 育 資 金 として 利 用 した 分 に 対 して 適 用 される 教 育 資 金 贈 与 信 託 は 日 経 MJ 13 年 ヒット 商 品 番 付 において 西 の 前 頭 となり 13 年 を 代 表 する 商 品 の 一 つとなった 1. 取 扱 金 融 機 関 の 増 加 は 一 服 この 措 置 に 対 し 金 融 機 関 側 では 対 応 商 品 の 投 入 が 進 んでいる 13 年 月 から 三 菱 UFJ 信 託 銀 行 三 井 住 友 信 託 銀 行 みずほ 信 託 銀 行 りそな 銀 行 の 行 が 教 育 資 金 贈 与 信 託 を 開 始 その 後 は 信 託 銀 行 以 外 の 金 融 機 関 でも 対 応 商 品 を 投 入 する 動 きが 広 がった 銀 行 や 信 用 金 庫 信 用 組 合 での 取 組 みを 大 別 すると 1 専 用 普 通 預 金 口 座 の 提 供 信 託 銀 行 との 提 携 3その 他 となるが 1の 専 用 普 通 預 金 口 座 の 提 供 が 最 も 多 く 手 数 料 無 料 最 低 利 用 額 1 円 とする 口 座 が 多 い 足 下 では 取 扱 金 融 機 関 数 の 増 加 は 一 服 しつつある 地 方 銀 行 各 行 のホームページを 確 認 したところ 第 一 地 方 銀 行 行 のうち 59 行 (9% 相 当 )が 第 二 地 方 銀 行 1 行 のうち 1 行 (% 相 当 )が 既 に 取 扱 を 開 始 している

. 着 実 に 伸 びる 信 託 銀 行 での 取 扱 実 績 信 託 銀 行 での 同 商 品 の 取 扱 実 績 は 着 実 に 伸 びている 信 託 協 会 の 発 表 によると 9 月 末 時 点 の 大 手 信 託 行 の 信 託 財 産 設 定 額 合 計 は,7 億 円 契 約 数 は 万 1 件 に 達 し 1 件 当 たりの 平 均 は 9 万 円 である( 図 表 11) 都 市 銀 行 や 地 方 銀 行 による 取 り 組 みが 増 え 始 めた 13 年 月 には 5 億 円,9 件 の 受 託 があり 足 下 ではこの 勢 いはやや 落 ち 着 いたものの 同 年 9 月 には 377 億 円,73 件 の 受 託 があった 三 菱 UFJ 信 託 銀 行 では 13 年 月 日 の 孫 の 日 に 因 んだ 記 念 撮 影 イベントを 開 催 したり 三 井 住 友 信 託 銀 行 では 同 年 月 1 日 から 契 約 者 だけでなくその 家 族 も 対 象 に 定 期 預 金 や 住 宅 ローン 金 利 を 優 遇 し 祖 父 母 から 孫 まで 世 代 を 繋 ぐ 取 引 の 拡 大 を 図 っている 図 表 11 信 託 銀 行 における 教 育 資 金 贈 与 信 託 の 受 託 状 況 ( 億 円 ) 3,,5, 1,5 1, 5 ( 件 ) 5, 信 託 財 産 設 定 額 合 計 ( 左 軸 ),7, 契 約 数 ( 右 軸 ),1,9 3,9 35, 1,739 3,,3 5, 1,13 1,, 15, 9,717, 5 3,797 5, 13 年 月 5 月 月 7 月 月 9 月 13 年 月 5 月 月 7 月 月 9 月 合 計 月 中 契 約 数 ( 件 ) 月 中 信 託 財 産 設 定 額 ( 億 円 ) 3,797 5,9,9, 7,779,73,1 5 399 5 5 9 377,7 1 件 当 たり( 万 円 ) 5 7 9 9 3 1 9 ( 出 所 ) 信 託 協 会 教 育 資 金 贈 与 信 託 の 受 託 状 況 ( 平 成 5 年 9 月 末 現 在 ) より 野 村 資 本 市 場 研 究 所 作 成 3. 今 後 の 注 目 点 金 融 機 関 側 にとって 注 目 される 点 は 次 の 三 点 であろう 第 一 に この 商 品 は 新 規 顧 客 の 申 し 込 みが 多 く 金 融 機 関 にとって 新 たな 取 引 のきっかけとなっていることである 第 二 に 資 金 を 別 の 金 融 機 関 から 移 してこの 商 品 を 利 用 する 顧 客 が 多 く 金 融 機 関 にとって 新 規 資 金 の 導 入 につながっていることである 第 三 に 利 用 する 贈 与 者 が 受 贈 者 と 異 なる 地 域 に 住 むことも 少 なくないことから 受 贈 者 が 多 く 住 む 主 要 大 都 市 に 店 舗 を 展 開 する 金 融 機 関 は 他 の 金 融 機 関 と 差 別 化 を 図 る 要 素 となっていることである http://www.shintaku-kyokai.or.jp/news/pdf/nr517-1.pdf 参 照 9

また 同 制 度 の 利 用 者 が 増 えている 背 景 には 上 述 の 通 り 対 応 金 融 機 関 が 広 がりを 見 せ ていることだけでなく 15 年 1 月 からの 相 続 税 の 課 税 強 化 ( 基 礎 控 除 の 引 下 げや 最 高 税 率 の 引 上 げ)に 備 えた 動 きである 可 能 性 も 指 摘 できる 今 回 の 措 置 を 利 用 する 人 が 増 えて ゆくと 将 来 の 相 続 による 資 産 移 転 が 一 部 前 倒 しされ その 影 響 が 顕 在 化 する 時 期 も 早 ま ることになる 点 は 金 融 機 関 にとって 見 逃 せない 点 である そもそも 教 育 は 家 計 側 での 関 心 が 高 いテーマであるが この 商 品 だけで 金 融 機 関 が 利 益 を 確 保 することは 難 しいと 見 られ 取 扱 いを 開 始 した 金 融 機 関 の 間 では 取 り 組 み 方 に ばらつきがある このような 贈 与 商 品 をきっかけに 世 代 を 超 えた 取 引 関 係 の 構 築 囲 い 込 みにつなげられるか 金 融 機 関 の 今 後 の 展 開 力 こそが 重 要 であろう