参考資料：グリーンＩＴについて

参 考 資 料 グリーンITについて 平 成 20 年 6 月 経 済 産 業 省 住 田 孝 之

Ⅰ. グリーンIT とは 1

Ⅰー1. グリーンIT の 考 え 方 IT 機 器 システムの 省 エネ ITを 活 用 した 社 会 の 省 エネ これまでもIT 機 器 は 大 幅 な 省 エネを 実 現 ( 例 ) 家 電 (エアコン 冷 蔵 庫 等 )の 消 費 電 力 は 10 年 前 の40%~50% 削 減 工 場 にエネルギー 最 適 管 理 システムを 導 入 して 消 費 電 力 を20% 削 減 本 格 的 な 情 報 化 社 会 の 進 展 により IT 機 器 による 電 力 消 費 が 急 増 (2025 年 には 現 在 の5 倍 ( 国 内 全 体 の2 割 )に 増 加 ) 電 子 計 測 技 術 等 の 導 入 で 過 去 15 年 間 に CO2 排 出 原 単 位 を 最 高 で60% 以 上 も 削 減 更 なる 省 エネに 向 けた 一 層 の 努 力 データセンターの 消 費 電 力 量 を50% 削 減 ITによる 地 域 コンビナート 全 体 の 最 適 制 御 光 技 術 を 利 用 して 通 信 電 力 を1/100に 計 測 機 器 等 ITによる 環 境 貢 献 の 見 える 化 2

Ⅰー2 ITによる 省 エネのこれまでの 効 果 の 事 例 ( 取 り 組 み 例 ) 生 産 活 動 利 用 ( 業 務 ) 工 作 機 械 とその 付 帯 設 備 の 同 期 を 行 うシステ ムによって 自 動 車 製 造 にかかる 消 費 エネル ギーを12% 削 減 (A 自 動 車 メーカー) 石 油 精 製 所 の 運 転 システムのリアルタイム 最 適 制 御 によって 消 費 エネルギーを 約 20% 削 減 (B 石 油 化 学 メーカー) スーパーマーケット 等 における 冷 凍 空 調 器 の 運 転 状 態 を 一 元 管 理 最 適 連 携 運 転 すること によって 消 費 電 力 を 最 大 40% 以 上 削 減 (C 電 機 メーカー) 空 港 ターミナルビルの 空 調 をゲートごとにフライ トと 連 動 した 制 御 を 行 うことによって 空 調 の エネルギー 消 費 を35% 削 減 (D 空 港 ) 流 通 輸 送 利 用 ( 家 庭 ) 電 子 タグなどを 用 いたSCMによって 一 元 的 な 管 理 が 可 能 となり 最 適 なルートを 通 る 配 車 などに よって 消 費 エネルギーを5% 程 度 削 減 可 能 電 子 タグ 活 用 による 流 通 物 流 の 効 率 化 実 証 実 験 メーカー ICタグ SCM 情 報 基 盤 等 の 最 新 の 情 報 技 術 を 導 入 卸 小 売 世 界 最 高 レベルの 省 エネ 技 術 で 家 電 の 省 エネ 化 を 進 展 液 晶 プラズマテレビ 3 年 で30% 以 上 削 減 エアコン 10 年 で40% 削 減 冷 蔵 庫 10 年 で50% 削 減 3

Ⅰー3.グリーンITイニシアティブの 概 要 21 世 紀 型 の 環 境 保 護 と 経 済 成 長 が 両 立 する 社 会 の 構 築 に 向 けて 我 が 国 の 強 み である ものづくり と 環 境 省 エネ の 技 術 力 を 梃 子 に 生 産 社 会 国 民 生 活 のあらゆる 局 面 を 変 革 していくために グリーンITイニシアティブを 展 開 産 学 官 の 連 携 強 化 産 学 官 の 連 携 強 化 の 場 の 創 設 (2 月 ) グリーンIT 推 進 協 議 会 (IT エレクトロニクス 関 連 業 界 (メーカー ユーザー 業 界 団 体 ) 研 究 機 関 大 学 政 府 を 含 むパートナーシップ 強 化 の 場 ) 政 府 のイニシアティブ 革 新 技 術 によるブレークスルー グリーンITプロジェクト の 推 進 半 導 体 ディスプレイ 等 の 最 先 端 省 エネ 技 術 開 発 環 境 IT 経 営 の 啓 蒙 普 及 ITによる 社 会 全 体 への 環 境 貢 献 度 の 可 視 化 国 際 的 リーダーシップ グリーンIT 国 際 シンポジウム 開 催 (5 月 ) 海 外 との 連 携 ( 世 界 半 導 体 会 議 (WSC) 諸 外 国 のフォー ラム(Green Grid, Climate Savers 等 )との 連 携 ) 4

Ⅰー4. 世 界 に 広 がる グリーンIT の 動 き 米 国 ガートナー 社 の 発 表 した2008 年 企 業 経 営 に 影 響 を 与 える 戦 略 的 技 術 ランキングでは グリーンIT が 第 1 位 米 国 では 各 社 毎 の 取 り 組 みに 加 え 問 題 意 識 を 共 有 すべく The Green Grid, Climate Savers 等 コンソーシアムも 結 成 欧 州 各 国 でも 英 (グリーンICT) 独 (グリーンIT) 仏 (グリー ンITパネル) スウェーデン デンマークなどでグリーンITが 共 通 語 化 新 設 のデータセンタは 発 電 所 近 傍 に 建 築 新 エネ 開 発 事 業 に も 積 極 投 資 コンテナ 収 容 型 の 省 エネ 型 サ ーバシステム 開 発 データセンタの 総 消 費 電 力 を 40% 削 減 を 目 標 (Project Big Green) 5

Ⅰー5. 国 内 企 業 の グリーンIT の 取 り 組 み 我 が 国 企 業 は 従 来 よりITエレクトロニクス 製 品 の 省 エネ 努 力 を 進 めてきたところ 最 近 1 年 間 IT 各 社 が グリーンIT の 取 り 組 みを 強 化 する 動 きが 本 格 化 国 内 主 要 IT 各 社 の 取 り 組 み 例 富 士 通 は 昨 年 12 月 グリーンITへの 取 り 組 みを 強 化 し,ITユーザーの 環 境 負 荷 低 減 を 目 指 す Green Policy Innovation を 発 表 07 年 度 か ら2010 年 度 の4 年 間 で 累 計 700 万 t 以 上 のCO2 排 出 量 削 減 を 目 指 す 日 立 製 作 所 は 5 年 間 でデータセンタの 消 費 電 力 を 最 大 50% 削 減 を 目 標 とした CoolCenter50 を 推 進 更 にIT 省 電 力 化 プランも 策 定 同 社 の 主 要 IT 製 品 のCO 2 排 出 量 を5 年 間 で33 万 トン 削 減 目 標 に 開 発 NECは 昨 年 REAL IT COOL PROJECT を 策 定 機 器 運 用 更 にデータセンターを 徹 底 的 に 省 電 力 化 させ CO2 排 出 量 を 削 減 させて いくテクノロジー 省 電 力 エコテクノロジーを 発 表 していく パナソニックは 地 球 環 境 との 共 存 の 実 現 を 掲 げ グリーンプラン 2010 に 基 づく 環 境 経 営 を 推 進 昨 年 10 月 同 社 の 全 世 界 の 工 場 か ら 排 出 されるCO2を 今 後 3 年 間 で30 万 トン 削 減 する 方 針 を 発 表 6

Ⅱ. グリーンIT の 効 果 7

Ⅱー1. 2%vs.98% 問 題 産 業 としてのITは 日 本 の 全 CO2 排 出 量 の2% 以 下 ( 産 業 部 門 の4%)を 占 めるのみだが 他 の 全 ての 産 業 部 門 民 生 部 門 ( 業 務 家 庭 ) 運 輸 部 門 ( 全 体 の98% 強 )のCO2 削 減 にも 貢 献 日 本 の 部 門 別 CO2 排 出 量 12 億 7500 万 t エネル ギー 転 換 6% その 他 7% 家 庭 13% 業 務 18% IT 産 業 1.5% 運 輸 20% 産 業 34% IT 4% セメント 5% 製 紙 5% 電 力 8% 石 油 9% その 他 10% 化 学 16% 鉄 鋼 43% 8

Ⅱー2. 日 本 世 界 におけるITの 電 力 消 費 予 測 情 報 化 社 会 に 伴 うIT 機 器 システムの 消 費 電 力 量 の 急 増 は 世 界 全 体 の 課 題 先 進 国 に 加 えて BRICs 等 の 発 展 により 世 界 のIT 機 器 の 普 及 は 急 増 2025 年 には 現 在 の9 倍 ( 世 界 の 総 発 電 量 の15% 超 全 エネルギー 消 費 量 の 約 6%)に 達 する 恐 れがある 消 費 電 力 ( 億 kwh) 3000 2500 日 本 ( 国 内 総 発 電 量 の20%) ( 世 界 総 発 電 量 の15%) 消 費 電 力 ( 億 kwh) 世 界 52 5.2 倍 94 9.4 倍 5.2 倍 50000 45000 40000 9.4 倍 2000 3.5 倍 35000 30000 5.7 倍 1500 2.1 倍 25000 20000 3.2 倍 1000 500 1.3 倍 15000 10000 5000 16 1.6 倍 0 2006 2010 2015 2020 2025 0 2006 2010 2015 2020 2025 ( 出 所 ) 経 済 産 業 省 /グリーンIT 推 進 協 議 会 試 算 (2008) 9

Ⅱー3. 温 暖 化 対 策 に 貢 献 する グリーンIT グリーンITは IT 機 器 の 革 新 的 技 術 開 発 による IT 自 身 の 省 エネ ITによってセンサーや 計 測 機 器 等 を 用 いた 情 報 に 基 づくきめ 細 かなエネルギー 管 理 を 行 うことで オフィスビル 住 宅 や 流 通 をはじめ 各 分 野 で ITによる 省 エネ の 両 輪 で 地 球 温 暖 化 に 貢 献 I T 自 身 の 省 エ ネ I T によ る 省 エ ネ 計 事 例 2010 年 2025 年 IT 機 器 自 身 の 省 エネ 合 計 サーバ ネットワーク 機 器 ストレージ ディスプレイ 等 - -995 電 気 機 器 のIT 技 術 による 更 なる 省 エネ 化 省 エネへのIT 貢 献 度 (%) 照 明 のLED 化 100-58 -333 家 電 (エアコン, 冷 蔵 庫 ) 等 30-145 -457 産 業 用 燃 焼 機 器 等 の 省 エネ 化 高 性 能 ボイラー, 給 湯 器 等 の 省 エネ 10-49 -318 自 動 車 等 輸 送 機 器 の 省 エネ 化 クリーンエネルギー 自 動 車 自 動 車 の 燃 費 改 善 等 30-326 -775 オフィスビル 住 宅 の 省 エネ 化 (BEMS HEMS) センサー 等 による 建 物 内 の 電 力 利 用 の 最 適 化 100-178 -190 ITS エコドライブ ITS ETC VICS アイドリングストップ 等 100-205 -836 流 通 の 効 率 化 ICタグ 等 を 利 用 した 精 緻 なサプライチェーン 管 理 100-192 -310 IT/インターネットを 利 用 した 社 会 活 動 の 効 テレワーク 在 宅 勤 務 テレビ 会 議 ペーパーレス オンライン 100 率 化 ショッピング 電 子 流 通 等 -412-1,263 エネルギー 消 費 量 の 可 視 化 を 通 じた 事 業 者 の 省 エネ 管 理 徹 底 30-107 -385 ITによる 省 エネ 情 報 の 普 及 認 知 促 進 インターネット 等 による 省 エネの 啓 蒙 普 及 による 効 果 10-6 -30 ITによる 省 エネ 合 計 -1,678-4,896 グリーンITの 省 エネ 効 果 合 計 -1,678-5,891 億 kwh ( 出 所 ) 経 済 産 業 省 /グリーンIT 推 進 協 議 会 試 算 (2008) 10

グリーンIT を 推 進 すれば ITによる 社 会 の 省 エネ 量 がIT 機 器 の 消 費 電 力 量 を 上 回 り ネット で 社 会 全 体 のエネルギー 消 費 量 削 減 に 大 きく 貢 献 することが 可 能 日 本 では グリーンIT によ る 削 減 効 果 は2025 年 時 点 で 約 5900 億 kwh( 日 本 の 全 エネルギー 消 費 量 の 約 10%) 世 界 全 体 では 2025 年 時 点 で 合 計 約 13 兆 kwh( 電 力 換 算 : 世 界 の 全 エネルギー 消 費 量 の 約 15%)の 省 エネ 効 果 グリーンIT を 国 際 的 に 推 進 していくことは 極 めて 重 要 日 本 世 界 電 力 換 算 ( 億 kwh) 3000 2000 ITによる 省 エネ IT 機 器 の 消 費 電 力 IT 機 器 の 省 エネ 電 力 換 算 ( 億 kwh) ITによ る 省 エネ IT 機 器 の 消 費 電 力 IT 機 器 の 省 エネ 1000 億 60000 19 1.9 兆 kwh kwh 削 減 40000 削 減 1000 20000 0-1000 2006 2010 2015 2020 2025 0-20000 2006 2010 2015 2020 2025-2000 -40000-3000 -60000-4000 -80000-5000 -6000 4900 億 kwh 削 減 -100000-120000 11 兆 kwh 削 減 11

( 参 考 1)グリーンITによるIT 自 体 の 省 エネ 効 果 Cool Earth- 革 新 技 術 計 画 の 下 に 推 進 する 革 新 技 術 開 発 グリーンITプロジェクト ( 本 年 度 30 億 円 / 年 )の 成 果 を 国 内 に 普 及 させることにより 2025 年 にはIT 機 器 による 消 費 電 力 量 を40% 削 減 させる(1000 億 kwhの 省 エネ: 日 本 の 全 エネルギー 消 費 量 の 約 2%) 世 界 に 展 開 すれば 2025 年 時 点 で19 で1.9 兆 kwh( 世 界 の 全 エネルギー 消 費 量 の 約 25%)の 2.5%)の 省 エネが 可 能 と 試 算 される ITの 省 エネ を 一 層 進 めるために 超 低 消 費 電 力 型 の 半 導 体 技 術 やデータセンタ 全 体 の 省 エネ 統 合 技 術 等 の 更 なる 革 新 技 術 開 発 の 追 加 対 策 を 講 じ 世 界 に 展 開 していくことが 必 要 である 日 本 世 界 消 費 電 力 ( 億 kwh) 40% 減 40% 減 50000 3000 2500 45000 40000 35000 2000 30000 41% 1500 25000 38% 20000 1000 12% 13% 15000 39% 41% 500 0 2006 2015 2020 2025 2010 10000 5000 ( 出 所 ) 経 済 産 業 省 /グリーンIT 推 進 協 議 会 試 算 (2008) 0 2006 2010 2015 2020 2025 12

( 参 考 2)ITを 活 用 した 社 会 全 体 の 省 エネ 効 果 最 新 のIT 技 術 の 導 入 は 広 範 な 産 業 社 会 分 野 において 更 なる 省 エネを 実 現 する 鍵 を 握 る 方 策 ITを 活 用 した 社 会 の 省 エネ を 最 大 限 導 入 する 努 力 を 講 じることにより 日 本 では 2025 年 には 4900 億 kwh( 日 本 の 全 エネルギー 消 費 量 の 約 10%)の 省 エネを 実 現 することが 可 能 世 界 全 体 では 各 地 域 の 経 済 発 展 度 合 いに 応 じた ITによる 省 エネ を 進 めると 2025 年 には 11 兆 kwh 以 上 の 消 費 電 力 量 に 相 当 する 省 エネが 実 現 可 能 世 界 全 体 のエネルギー 消 費 量 の 約 15%がITの 活 用 により 実 現 可 能 日 本 電 力 換 算 削 減 量 ( 億 kwh) 2010 2015 2020 2025 0-1,000-2,000 世 界 電 力 換 算 削 減 量 ( 億 kwh) 2010 2015 2020 2025 0-20,000-40,000-3,000-60,000-4,000-80,000 000-5,000-100,000-6,000-120,000 ( 出 所 ) 経 済 産 業 省 /グリーンIT 推 進 協 議 会 試 算 (2008) 13

Ⅲ. グリーンIT 関 連 施 策 とねらい 14

Ⅲー1. 主 な 技 術 開 発 プロジェクト これまでも 政 府 として 半 導 体 やディスプレイ 等 の 省 エネ 技 術 開 発 を 推 進 して きたところ それらに 加 えて 中 長 期 を 見 据 えた 革 新 技 術 開 発 グリーンITプロジェクト を NEDO 事 業 として 本 年 度 (20 年 度 )からスタート( 初 年 度 :30 億 円 / 年 ) データセンター 各 企 業 政 府 機 関 等 データセンタ(サーバ ストレージ) の 消 費 電 力 量 を30% 以 上 削 減 ネットワーク (インターネット 等 ) 企 業 内 サーバールーム ネットワーク 部 分 (ルータ)で30% 以 上 の 省 エネ 化 家 庭 中 小 企 業 オフィス ディスプレイの 消 費 電 力 量 を 半 減 15

Ⅲー2. 3つのトレードオフ 環 境 VS 経 済 性 消 費 者 側 1 省 エネ 性 能 の 高 い ( 需 要 サイド) 製 品 を 購 入 したい 値 段 が 高 い 生 産 者 側 ( 供 給 サイド) 2カーボンフットプリントを 減 らすための 技 術 の 導 入 ( 製 品 プロセス) コスト 上 昇 売 れない or 値 段 を 据 え 置 けば 赤 字 に 3 12を 乗 り 越 えて 環 境 配 慮 型 製 品 /サービスで ヒットを 生 む 売 れれば 売 れるほど 生 産 量 が 増 え 生 産 段 階 での CO 2 排 出 が 増 大 し ネガ ティブな 評 価 or コスト 増 16

ケース1 より 環 境 に 優 しい 企 業 の 活 動 を 奨 励 する 仕 組 み 昨 年 今 年 A 社 エアコン100 万 台 A 社 で 製 造 :10 万 t-co2 各 家 庭 で 使 用 :30 万 t-co2 B 社 の 省 エネ 型 の 人 気 に 押 され 50 万 台 減 50 万 台 製 造 :5 万 t-co2 使 用 :15 万 t-co2 B 社 エアコン100 万 台 B 社 で 製 造 :10 万 t-co2 省 エネ 型 (CO2 半 減 ) エアコンを 発 売 し 50 万 台 増 論 点 1 製 造 :15 万 t-co2 各 家 庭 で 使 用 :30 万 t-co2 150 万 台 使 用 :22.5 万 t-co2 計 200 万 台 製 造 :20 万 t-co2 計 200 万 台 使 用 :60 万 t-co2 論 点 2 製 造 :20 万 t-co2 使 用 :37.5 万 t-co2 論 点 1 環 境 貢 献 の 大 きいB 社 がA 社 から 排 出 権 を 買 うのでは 本 末 転 倒 ではないか 論 点 2 このCO2 排 出 削 減 のクレジットは B 社 が( 少 なくとも 一 部 ) 使 っていいのでは? 17

ケース2 海 外 への 生 産 移 転 による 悪 影 響 を 生 まない 仕 組 み 昨 年 今 年 A 社 エアコン100 万 台 A 社 で 製 造 :10 万 t-co2 各 家 庭 で 使 用 :30 万 t-co2 B 社 の 省 エネ 型 の 人 気 に 押 され 50 万 台 減 50 万 台 製 造 (50 万 台 ):5 万 t-co2 使 用 :15 万 t-co2 B 社 エアコン100 万 台 B 社 で 製 造 :10 万 t-co2 省 エネ 型 (CO2 半 減 ) 論 点 3 エアコンを 発 売 し50 万 台 増 ただし その 分 は 海 外 で 生 産 ( 低 効 率 ) 国 内 製 造 (100 万 台 ):10 万 t-co2 海 外 製 造 (50 万 台 ):8 万 t-co2 各 家 庭 で 使 用 :30 万 t-co2 150 万 台 使 用 :22.5 万 t-co2 計 200 万 台 製 造 :20 万 t-co2 計 200 万 台 使 用 :60 万 t-co2 論 点 3 製 造 :23 万 t-co2 使 用 :37.5 万 t-co2 論 点 3 国 内 生 産 による 高 効 率 生 産 効 果 (ここでは3 万 トン)をクレジットとするか? 海 外 生 産 に 伴 う 生 産 段 階 での 排 出 の 増 加 をB 社 のディスクレジットとするか? 欧 州 の 議 論 のように 効 率 の 悪 い 海 外 製 造 の 品 物 の 輸 入 に 課 税 するか? 18

Ⅲー3. 検 討 すべき 新 しい 案 リサイクル ( 例 :10 年 使 用 ) 従 来 改 善 後 トップランナー 基 準 ( 家 電 リサイクル 法 ) CO 2 削 減 量 CO 2 排 出 量 5 年 間 1)ネットでの 環 境 インパクトを 可 視 化 2) 供 給 者 利 用 者 のエネルギー 効 率 のよい 行 動 へのインセンティブ 付 与 (5 年 分 ) 1/3= 消 費 者 の 環 境 貢 献 購 入?/ ポイント 還 元 / マイレージ 譲 渡 事 業 者 等 政 府 販 売 台 数 CO 2 削 減 量 / 台 (5 年 分 ) 1/6= 販 売 者 の 環 境 貢 献 販 売 台 数 CO 2 削 減 量 / 台 (5 年 分 ) 1/2= 生 産 者 の 環 境 貢 献 ネット 環 境 インパクト = CO 2 排 出 量 - 環 境 貢 献 19

( 参 考 ) 省 エネ 法 トップランナー 方 式 省 エネ 法 のトップランナー 方 式 ( 各 機 器 において 現 在 利 用 されている 製 品 のうち 最 もエネルギー 消 費 効 率 が 優 れている 性 能 を 目 標 と 定 め 決 められ た 将 来 までにその 目 標 に 産 業 界 全 体 が 達 成 することを 求 める 方 式 )を 活 用 し グリーンIT 製 品 の 市 場 への 普 及 を 加 速 化 する 燃 費 (km/l) 16 トップランナー 方 式 の 例 19km/L 18km/L 17km/L 15km/L 15km/L 14km/L 13km/L 製 品 区 分 ごとに 加 重 平 均 で 達 成 を 判 断 12km/L 基 準 設 定 時 目 標 年 度 1. 乗 用 自 動 車 12.ストーブ 2. 貨 物 自 動 車 3.エアコン 4.テレビ 5.ビデオレコーダー 6. 蛍 光 灯 器 具 7. 複 写 機 8. 電 子 計 算 機 9. 磁 気 ディスク 装 置 10. 電 気 冷 蔵 庫 11. 電 気 冷 凍 庫 13.ガス 調 理 機 器 14.ガス 温 水 機 器 15. 石 油 温 水 機 器 16. 電 気 便 座 17. 自 動 販 売 機 18. 変 圧 器 19.ジャー 炊 飯 器 20. 電 子 レンジ 21.DVDレコーダー 20

グリーンIT で 何 がどう 変 わる?ー 目 標 ー 高 効 率 照 明 ディスプレイ LED 照 明 有 機 EL 照 明 等 の 高 効 率 照 明 が 2020 年 ま でに 国 内 照 明 全 体 の14% 2030 年 までには 約 64%ま で 普 及 ブラウン 管 から 液 晶 プラズマ 有 機 ELへの 移 行 が 進 み 2030 年 時 点 ではブラウン 管 は 無 くなる ルータ 情 報 機 器 家 電 業 務 機 器 省 エネ 型 の 機 器 (45% 省 エネ)が2015 年 以 降 急 速 に 普 及 し 2030 年 には 全 ての 機 器 が 省 エネ 型 に 置 換 現 在 より20% 省 エネのサーバ 80% 省 エネのストレー ジが2015 年 以 降 急 速 に 普 及 し 2030 年 には 全 ての 機 器 が 省 エネ 型 に 置 換 冷 蔵 庫 家 庭 用 エアコン 蛍 光 灯 等 の 家 電 業 務 機 器 につき 2020 年 までには 新 たに 購 入 される 製 品 の 全 てが 現 在 の 最 高 水 準 の 効 率 を 達 成 2030 年 には 更 に 2 割 の 効 率 改 善 を 達 成 21

Ⅲー4. 新 しいシステムの 効 果 ~トレードオフを 好 循 環 に~ 現 状 新 しいシステムの 効 果 環 境 VS 経 済 性 環 境 + 経 済 性 消 費 者 側 ( 需 要 サイド) 1 省 エネ 性 能 の 高 い 製 品 を 購 入 したい 値 段 が 高 い 実 質 価 格 が 低 下 生 産 者 側 コスト 上 昇 実 質 コストが 低 下 ( 供 給 サイド) また 価 格 への 転 嫁 の 可 能 性 も 増 大 2カーボンフットプリントを 減 らすための 技 術 の 導 入 ( 製 品 プロセス) 売 れない or 値 段 を 据 え 置 けば 赤 字 に 3 12を 乗 り 越 えて 環 境 配 慮 型 製 品 /サービ スでヒットを 生 む 売 れれば 売 れるほど 生 産 量 が 増 え 生 産 段 階 での CO 2 排 出 が 増 大 し ネガ ティブな 評 価 or コスト 増 ネットで 計 算 した 環 境 負 荷 が 低 下 評 価 は 高 まり 経 済 的 ベネフィット も 享 受 可 能 22

Ⅲー5.さらなる 発 展 =ライフサイクル 全 体 での 評 価 ITは 製 造 プロセスの 省 エネだけではなく 製 品 サービスの 提 供 を 通 じて サプラ イチェーン 全 体 で 社 会 への 環 境 負 荷 低 減 に 貢 献 IT 導 入 による 環 境 へのプラスの 効 果 も 適 切 に 評 価 をすることが 重 要 海 外 への 貢 献 海 外 の 自 社 工 場 海 外 工 場 の 省 エネ ルギー 海 外 への 技 術 供 与 海 外 企 業 の 省 エ ネルギー 他 産 業 への 貢 献 他 社 製 品 のエネル ギー 効 率 の 向 上 製 造 ( 製 品 ) 流 通 梱 包 材 の 省 資 源 化 推 進 効 率 改 善 による CO 2 排 出 量 の 削 減 技 術 開 発 の 推 進 ( 製 造 プロセス 開 発 製 品 開 発 ) 設 計 環 境 配 慮 設 計 省 エネラベル 等 によ る 省 エネ 意 識 の 高 揚 グリーンIT 製 造 ( 部 品 ) 効 率 改 善 によるCO 2 排 出 量 の 削 減 技 術 開 発 の 推 進 ( 製 造 プロセス 開 発 製 品 開 発 ) ITの 省 エネ と ITによる 省 エネ 国 内 対 策 に 留 まらず 国 際 的 な 取 組 製 造 分 野 だけではなくサプライチェーン 全 体 で 省 エネ 省 エネ 型 IT 機 器 システムの 活 用 IT 経 営 効 率 改 善 によるエネル ギー 効 率 の 向 上 (テレワーク 物 流 効 率 向 上 ) 業 務 (あらゆる 産 業 国 内 外 問 わず) インフラ 使 用 回 収 量 再 資 源 化 率 の 向 上 原 材 料 リサイクル バージン 材 料 他 産 業 へ 天 然 資 源 の 節 約 精 錬 と 比 べたエネ ルギー 効 率 の 向 上 リサイクル 原 料 の 使 用 率 向 上 フロン 等 回 収 量 の 向 上 国 内 の 意 識 の 高 い 消 費 者 の 存 在 家 庭 ( 国 内 外 の 消 費 者 ) 省 エネ 家 電 節 電 による 電 力 消 費 量 の 削 減 廃 棄 23