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Transcription:

薬 物 の 規 制 社 会 B 班 : 石 垣 将 麻 要 萌 絵 津 村 大 林 田 和 也 1.はじめに 体 に 悪 いと 言 われ 薬 物 が 規 制 されているにも 関 わらずなぜ 今 も 使 われているのかを 疑 問 に 思 い どのような 規 制 の 仕 方 が 最 適 なのかを 考 えてみることにした まず 先 進 国 の 薬 物 乱 用 の 現 状 だが 日 本 は 表 1より 他 のどの 先 進 国 よりも 薬 物 生 涯 経 験 率 の 値 が 低 いことがわかる さらに 表 2の 日 本 の 薬 物 検 挙 者 数 の 推 移 を 見 てみると 昭 和 20 年 代 から30 年 代 初 頭 にかけて 覚 せい 剤 の 乱 用 者 が 急 激 に 増 えたものの 平 成 10 年 ごろから 少 しずつ 検 挙 者 の 数 が 減 っていることもわかる 1 これらのことから 日 本 では 厳 しい 規 制 がとられていると 考 えられる 国 際 的 な 規 制 をみてみると 麻 薬 3 条 約 があり 1964 年 に 麻 薬 に 関 する 単 一 条 約 が 採 択 され 日 本 は1961 年 に 批 准 した これは 各 国 が 今 まで 国 別 に 締 結 していた 多 数 の 国 際 条 約 協 定 等 をより 実 効 あるものに 統 一 したものである その 後 1971 年 に 向 精 神 薬 に 関 する 条 約 が 採 択 され 日 本 は1990 年 に 批 准 した これは 単 一 条 約 で 規 制 されていなかった 向 精 神 薬 を4 段 階 に 分 けて 規 制 するためのものである 3つ 目 は 1988 年 に 採 択 された 麻 薬 及 び 向 精 神 薬 の 不 正 取 引 防 止 に 関 する 条 約 で 日 本 は1 992 年 に 批 准 した これは 麻 薬 等 の 不 正 取 引 増 加 に 対 し その 規 制 を 強 化 するための ものである これらの 国 際 法 があるのだからどの 国 でも 日 本 と 同 じような 厳 しい 規 制 を 取 っていると 考 えられる しかし オランダの 規 制 は 日 本 のそれよりも ゆるい と 言 われている 規 制 の ゆるい オランダと 厳 しい 日 本 を 比 較 してどのような 規 制 が 最 適 なのかを 考 えてみたい そのために オランダの 規 制 が 本 当 に ゆるい のかを 検 証 し 次 に 日 本 の 規 制 との 比 較 を 行 う 表 1 表 2 1 表 1と 表 2は 厚 生 労 働 省 のホームページより 引 用

2.オランダと 日 本 の 薬 物 規 制 (1)オランダの 薬 物 規 制 本 節 では オランダの 薬 物 規 制 について 述 べたい オランダにおいて 薬 物 はアヘン 法 に より 規 制 されている この 法 は1919 年 にアヘンやコカインなどの 薬 物 の 使 用 の 禁 止 輸 出 と 製 造 を 制 限 する 目 的 で 制 定 された 1953 年 に それまでは 問 題 視 されていなか ったある 種 の 大 麻 が 異 常 な 症 状 を 引 き 起 こしたため 新 たに 禁 止 制 限 される 大 麻 が 増 え アヘン 法 が 改 正 された 1960 年 代 に 入 るとオランダでは 覚 せい 剤 が 普 及 しだし アヘ ン 法 に 基 づく 逮 捕 者 が 増 加 した 1976 年 にアヘン 法 が 改 正 されたが この 改 正 により 薬 物 を ソフトドラッグ ( 例 えば マリファナ ハシシなど)という 中 毒 性 が 低 く 身 体 への 害 が 小 さい 薬 物 と ハードドラッグ ( 例 えば カンナビス 覚 せい 剤 など)という 中 毒 性 が 高 く 身 体 への 害 が 大 きい 薬 物 とに 分 けて ソフトドラッグの 使 用 を 分 量 を 制 限 することで 許 可 している なぜ このような 政 策 に 至 ったのかというと オランダ 政 府 の 方 針 で ハームリダクシ ョンの 考 え という 厳 格 な 規 制 では 薬 物 を 完 全 追 放 できないという 考 えに 基 づいている ソフトドラッグは 分 量 を 守 ればアルコールやたばこより 害 は 少 ないという 医 学 的 根 拠 があ り この 考 えが 生 まれた ソフトドラッグを 売 るには 条 件 があり 宣 伝 を 行 わない ハードドラッグを 売 らない 未 成 年 に 売 らない 5グラム 以 上 の 取 引 を 行 わない 周 囲 に 迷 惑 をかけない 以 上 の5つ の 条 件 を 満 たす コーヒーショップ と 呼 ばれるソフトドラッグ 専 門 の 店 にのみ 販 売 が 許 可 される 2 (2) 日 本 の 薬 物 規 制 次 に 日 本 における 薬 物 規 制 との 比 較 を 試 みたい そもそも 日 本 において 薬 物 は 薬 物 四 法 により 規 制 されている 日 本 国 内 において 薬 物 の 流 通 や 管 理 の 仕 方 を 決 めている 法 律 のうち 基 本 となっている4つの 法 律 のことである 大 麻 取 締 法 覚 せい 剤 取 締 法 麻 薬 及 び 向 精 神 薬 取 締 法 あへん 法 の4つがある 規 制 する 薬 物 という 観 点 からみれば この 日 本 の 法 律 はオランダが 分 類 したソフトドラッグとハードドラッグなど 薬 物 をすべて 規 制 している 日 本 は 薬 物 問 題 に 対 して 世 界 の 国 々が 一 丸 となって 取 り 組 むべき 犯 罪 予 防 の 観 点 からも 違 法 薬 物 を 一 掃 すべきと 考 えている 3 これらの 規 制 から オランダは 分 量 を 守 れば 薬 物 の 使 用 を 許 可 する 寛 容 な 姿 勢 それに 対 して 日 本 はすべての 薬 物 を 規 制 する 厳 格 な 姿 勢 をとっていることがみられる 3.オランダの 寛 容 性 と 日 本 の 厳 格 性 (1)オランダの 寛 容 性 ではなぜオランダは 寛 容 となり 得 たのか 考 えられる 原 因 は 大 きく4つある 第 一 にド 2 青 少 年 の 薬 物 問 題 を 考 える 会 ホームページ 3 厚 生 労 働 省 ホームページ

ラッグが 欧 州 において 歴 史 的 に 国 庫 収 入 を 増 やす 重 要 な 貿 易 項 目 の 一 つであったというこ とである オランダは 主 にアヘンやコカインを 生 産 し 密 貿 易 することで 大 きな 利 益 とし ていた 4 第 二 に 寛 大 な 政 策 の 起 源 が オランダの 医 療 受 容 態 度 にあったということだ 19 世 紀 後 半 になると 注 射 器 の 普 及 でモルヒネ 使 用 が 普 及 し これの 大 量 摂 取 がモルヒネ 依 存 者 を 作 り 出 した しかしオランダはドイツやフランス アメリカに 比 べて 依 存 者 は 少 なかった のである その 理 由 はドイツやフランス アメリカが 普 仏 戦 争 や 南 北 戦 争 の 中 で 兵 士 の 治 療 にモルヒネ 注 射 を 行 っておりこれによって 兵 士 病 といわれるモルヒネ 依 存 者 が 大 量 に 発 生 したのに 比 べて オランダはこの 時 戦 争 を 経 験 しておらずそのため 依 存 者 が 目 立 っ て 増 加 しなかったからである 5 さらに 原 初 的 伝 統 的 医 療 の 根 強 さがその 根 拠 でもある 原 初 的 伝 統 的 医 療 とは 例 えば 歯 痛 のときに 阿 片 を 歯 に 詰 めたり 癇 の 強 い 赤 ん 坊 にアヘ ン 含 有 のシロップを 飲 ませたりといったいわばまじない 的 な 医 療 のことである この 医 療 方 法 は 注 射 器 が 用 いられず また 多 くのオランダの 人 々がこの 医 療 法 を 志 向 していた 6 よ って オランダではドラッグを 問 題 視 するような 態 度 が 作 り 出 されなかったとされる 第 三 にオランダが 国 際 的 規 制 に 消 極 的 であったということである 19 世 紀 末 にアメリ カを 中 心 に 国 際 会 議 が 行 われ アヘンとコカインの 生 産 と 貿 易 に 関 するガイドラインが 作 成 され 各 国 が 法 制 化 に 着 手 しだし 結 果 先 に 述 べたようにオランダでは 1919 年 国 内 で の 密 輸 や 非 医 療 的 使 用 を 禁 止 するアヘン 法 が 成 立 した しかしアヘン 法 制 定 後 の1920 年 代 国 内 で 非 合 法 ドラッグ 貿 易 を 取 り 締 まるのはコカイン 国 際 貿 易 における 利 益 の 大 きさから 事 実 上 不 可 能 とされ その 後 アヘンであれコカインであれ それが 医 師 の 処 方 を 有 して の 使 用 であれば 犯 罪 とされずこのような 経 緯 が 現 在 に 続 くドラッグへの 態 度 を 基 礎 づけ ている 7 第 四 にアヘン 使 用 の 普 及 に 影 響 を 持 つ 中 国 人 コミュニティとの 接 触 関 係 である アメリ カの 場 合 アヘンの 使 用 は 大 規 模 な 中 国 人 コミュニティから 徐 々に 広 がっていき その 増 加 が 反 作 用 として 抑 制 的 政 策 を 引 き 起 こしたとされている 一 方 オランダはアメリカの 中 国 人 コミュニティと 比 較 すれば 規 模 も 小 さく 位 置 的 に 隔 離 されていたため 他 の 人 種 的 接 触 が 少 なかったことが 国 内 での 問 題 の 広 がりを 抑 え 結 果 的 に 強 い 社 会 的 反 作 用 を 引 き 起 こさなかったと 解 釈 される 8 以 上 の 歴 史 的 背 景 からなる 四 つの 根 拠 から オランダの 薬 物 に 関 する 規 制 は 寛 容 になっ たと 考 えられる 4 佐 藤 哲 彦 ドラッグ 使 用 をめぐる 寛 容 性 の 社 会 的 組 織 化 オランダのドラッグ 政 策 をめぐ って- 人 文 知 の 新 たな 総 合 に 向 けて グローバル 化 時 代 の 多 元 的 人 文 学 の 拠 点 形 成 2004 年 3 月 31 日 90ページ 5 佐 藤 前 掲 書 92ページ 6 佐 藤 前 掲 書 91ページ 7 佐 藤 前 掲 書 93,94ページ 8 佐 藤 前 掲 書 95ページ

(2) 日 本 の 厳 格 性 日 本 の 規 制 はなぜ 厳 格 になったのか 日 本 の 規 制 は 第 二 次 世 界 大 戦 後 に 強 化 されている その 要 因 は 二 つある 第 一 に 冷 戦 下 における 日 本 の 国 際 的 な 立 場 である 戦 後 の 中 国 や 共 産 主 義 勢 力 の 北 朝 鮮 が GHQに 占 領 された 日 本 に 対 する 攻 撃 として 在 日 朝 鮮 人 による 覚 せ い 剤 の 密 売 においての 資 金 稼 ぎを 行 っていた 第 二 に 日 本 国 内 において 薬 物 が 問 題 視 される 事 件 が 多 発 したことである 例 えば 小 説 家 織 田 作 之 助 や 漫 才 師 のミスワカナなどの 有 名 人 が 薬 物 によって 死 亡 したと 考 えられたこ とから 日 本 において 薬 物 を 問 題 視 する 機 会 が 多 くなり 規 制 が 厳 しくなったと 考 えられ る 9 4. 結 論 以 上 から オランダは 規 制 が 世 界 の 中 でも 緩 く 日 本 は 厳 しく 薬 物 を 取 り 締 まっている 同 じ 国 際 法 にありながら このような 差 異 が 生 じてきたのはそれぞれの 国 の 歴 史 的 背 景 が 深 くかかわっている すなわち オランダではドラッグが 貿 易 手 段 の 一 つであったこと 医 療 手 段 であったこと 規 制 に 消 極 的 であったこと 中 国 人 コミュニティとの 接 触 からゆ るい 規 制 としかなりえなかった 一 方 日 本 では 薬 物 による 著 名 人 の 死 などから 厳 しい 規 制 が 実 現 した このように 薬 物 規 制 は 世 界 各 国 で 多 様 化 する したがって 一 概 にどの ような 薬 物 規 制 が 良 いのかを 一 般 論 で 議 論 するのは 根 本 的 な 薬 物 問 題 の 解 決 にはならな い それよりも それぞれの 国 の 文 化 や 社 会 情 勢 などに 適 合 した 規 制 を 考 えていくことが 薬 物 問 題 を 解 決 する 上 での 第 一 歩 になると 考 える この 研 究 には 多 くの 課 題 が 残 った 第 一 に 日 本 のデータがオランダのデータに 比 べて 少 なかったので 比 較 するには 同 じ 量 にすべきだったということである 第 二 に 今 回 調 べた 国 が 先 進 国 のみであったことである 規 制 がなされていないような 発 展 途 上 国 の 規 制 も 調 べれば 新 たな 発 見 があったかもしれない 参 考 文 献 ならびに 参 考 web ページ 佐 藤 哲 彦 吉 永 嘉 明 清 野 栄 一 麻 薬 とは 何 か- 禁 断 の 果 実 五 千 年 史 新 潮 社 2009 年 5 月 佐 藤 哲 彦 ドラッグ 使 用 をめぐる 寛 容 性 の 社 会 的 組 織 化 オランダのドラッグ 政 策 をめ ぐって- 人 文 知 の 新 たな 総 合 に 向 けて グローバル 化 時 代 の 多 元 的 人 文 学 の 拠 点 形 成 2004 年 3 月 31 日 厚 生 労 働 省 のホームページ http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakubutura nyou/ 9 佐 藤 哲 彦 吉 永 嘉 明 清 野 栄 一 麻 薬 とは 何 か- 禁 断 の 果 実 五 千 年 史 新 潮 社 2009 年 5 月 第 四 章 参 照

青 少 年 の 薬 物 問 題 を 考 える 会 のホームページ http://www2u.biglobe.ne.jp/~skomori/kisei/kisei1/