資 料 3-7 ネットワークの 中 立 性 に 関 する マイクロソフトの 考 え 方 マイクロソフト 株 式 会 社 最 高 技 術 責 任 者 補 佐 楠 正 憲
ネットの 中 立 性 を 巡 る 論 点 垂 直 統 合 型 サービス 通 信 事 業 者 による 垂 直 統 合 型 サービスを 認 めるべきか 寡 占 的 通 信 事 業 者 によるインターネット 接 続 サービス 等 を 引 き 続 き 規 制 すべきか 品 質 保 証 帯 域 制 御 通 信 事 業 者 による 差 別 的 なトラヒックの 扱 いを 認 めるべきか 事 業 者 間 精 算 ルール トラヒック 増 に 伴 う 設 備 投 資 を 誰 が 負 担 すべきか サービス 事 業 者 は 自 社 バックボーンに 関 してISPに 費 用 を 支 払 っているが,アクセス 系 ISPに 対 しては 費 用 を 支 払 っていない (インフラただ 乗 り 論 )
マイクロソフトの 立 場 ソフトウェア 事 業 者 として インターネットへの 接 続 には,Microsoft Windows, Internet Explorer, Windows Media Player など, 弊 社 ソフトウェアが 多 く 利 用 されている Windows Updateなど, 製 品 の 多 くがブロードバンド 環 境 を 前 提 としつつある 基 本 ソフトの 提 供 事 業 者 として, 各 国 政 府 から 公 正 な 競 争 の 促 進 を 求 められている サービス 事 業 者 として インターネット 上 でWindows Live, MSNなど, 多 数 のインターネット 上 でのサービスを 提 供 日 本 を 含 む 世 界 中 にデータセンタを 展 開 し,Akamai 等 のCDNも 活 用 通 信 事 業 者 に 対 する 納 入 業 者 として 国 内 通 信 事 業 者 に 対 し 多 くのソフトウェアを 販 売 諸 外 国 ではMSTVなど, 通 信 事 業 者 向 けソリューションを 展 開
消 費 者 サービス 事 業 者 通 信 インフラ 利 用 者 の 要 望 魅 力 的 なサービス 適 正 な 料 金 水 準 利 用 の 簡 便 さ サービスの 継 続 性 自 由 な 選 択 肢 国 際 的 にみて 妥 当 な 料 金 サービス 水 準 公 正 な 競 争 条 件 事 業 の 継 続 性 自 由 な 選 択 肢
意 見 骨 子 通 信 事 業 者 による 垂 直 統 合 型 サービスに 対 する 参 入 規 制 の 撤 廃 通 信 インフラがALL IP 化 した 場 合,ブロードバンド アクセスとインターネット 接 続 を 分 離 する 技 術 的 根 拠 は 乏 しい. 諸 外 国 をみても 同 一 事 業 者 が 両 サービスを 提 供 することが 一 般 的 である 単 一 事 業 者 によるワンストップ サービスの 実 現 は 消 費 者 にとってもメリットが 大 きい 品 質 保 証 など,サービスとインフラが 連 携 した 新 サービスの 開 発 を 促 す 効 果 を 期 待 できる 活 発 かつ 健 全 な 競 争 環 境 の 強 化 醸 成 による 相 互 接 続 料 金 等 の 市 場 主 導 による 決 定 色 々な 業 種 切 り 口 での 事 業 参 入 の 更 なる 促 進 活 発 かつ 健 全 な 競 争 環 境 の 強 化 醸 成 による 相 互 接 続 料 金 等 の 市 場 主 導 による 決 定 が, 日 本 がブロードバンド 活 用 のリードを 模 索 してゆく 上 で 望 ましい 地 域 間 格 差 や 事 業 者 が 市 場 から 退 出 した 場 合 のサービス 継 続 データ 保 全 など, 市 場 競 争 の 促 進 に 伴 って 予 見 される 課 題 市 場 の 失 敗 に 対 しては, 消 費 者 保 護 の 観 点 から 措 置 が 必 要 公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 これまでネットでのイノベーションの 多 くは 独 立 系 サービス 事 業 者,ソフトウェアベンダによって 担 われてお り, 公 正 な 競 争 による 多 様 性 の 確 保 は 技 術 革 新 を 促 す 上 で 極 めて 重 要
公 正 な 競 争 条 件 の 確 保 へ 向 けて 自 由 なインターネット 接 続 サービスの 継 続 インターネットの 先 駆 的 なサービスの 多 くは 新 規 参 入 事 業 者 が 端 緒 を 開 いている.かかる 技 術 革 新 を 促 進 する ために, 接 続 規 制 の 行 われていない 自 由 なインターネット 接 続 サービスが 引 き 続 き 提 供 されることが 望 ましい P2P 帯 域 制 限 など 網 の 品 質 や 快 適 さを 維 持 するための 帯 域 制 御 は 止 むを 得 ないが, 競 合 する 特 定 サービス 等 を 排 除 することは, 通 信 の 秘 密 に 抵 触 する 疑 義 があり, 優 越 的 地 位 の 濫 用 にも 当 たるため 厳 しく 規 制 すべき インターフェースのオープン 化 通 信 事 業 者 によるサービス 事 業 への 参 入 を 認 めるに 当 たっては, 他 のサービス 事 業 者 が 同 様 のサービスを 提 供 する 上 で 必 要 なインターフェース SLA 等 が 適 正 な 料 金 で 無 差 別 に 開 示 提 供 されるべき マイクロソフトは 基 本 ソフトとアプリケーションの 両 方 を 提 供 しているが,Windows 開 発 に 当 たっての 原 則 と して Windows Principles ( 別 紙 )を 発 表 し, 公 正 な 競 争 を 促 進 するためのコミットメントを 公 表 している 更 なる 市 場 参 入 の 促 進 FTTH 市 場 単 体 をみるのではなく, 携 帯 電 話 や 無 線 ブロードバンド,CATVなどインフラの 枠 を 超 えて 競 争 が 行 われていることを 踏 まえ, 料 金 規 制 参 入 規 制 ではなく, 規 制 緩 和 や 電 波 解 放 による 新 規 参 入 と 活 発 な 競 争 に よって, 競 争 価 格 が 形 成 されることが 望 ましい
資 料 3-7 ( 参 考 ) 2006 年 7 月 26 日 (Japan) マイクロソフト 株 式 会 社 Microsoft 最 新 情 報 Windows Principles ~ 競 争 促 進 のための 12 ヵ 条 ~ マイクロソフトは 情 報 経 済 における Windows(R)デスクトップ オペレーティング システムの 重 要 な 役 割 な らびにその 役 割 に 伴 う 責 任 を 認 識 しています この 認 識 にもとづき マイクロソフトは コンピュータメーカーなら びにお 客 様 のための 選 択 肢 開 発 者 のためのビジネス チャンス そしてユーザーのための 相 互 運 用 性 などを 柱 とする 以 下 の 原 則 に 従 って Windows のビジネスを 展 開 し 競 合 他 社 のビジネスチャンスの 拡 大 を 図 るとと もに 開 発 者 ならびにユーザーに 向 けた Windows の 訴 求 力 を 強 化 していく 方 針 です これらの 原 則 は 今 後 の Windows デスクトップ 開 発 プロジェクトに 適 用 されることになります 原 則 I :コンピュータ メーカーならびにお 客 様 のための 選 択 肢 マイクロソフトは マイクロソフト 以 外 のプログ ラムのインストールを 容 易 にするだけでなく マイクロソフト 以 外 のプログラムを Windows の 機 能 の 代 わり に あるいはそれに 追 加 して 利 用 できるような 仕 組 みを Windows の 設 計 ならびにライセンス 契 約 の 条 項 に 含 める 具 体 的 内 容 1. 任 意 のソフトウェアの 導 入 : コンピュータ メーカーおよびお 客 様 は どのようなソフトウェアも Windows ベースの PC に 自 由 に 追 加 することが 可 能 です つまり すべてのコンピュータ メーカーおよびお 客 様 は ど のようなオペレーティングシステム アプリケーション Web サービスなどを Windows で 稼 働 する PC 上 にインストールし 自 由 に 利 用 することが 可 能 です すなわち エンドユーザー は 自 分 の 使 いたいソフトウェアを 自 由 に 選 択 することができます 2. 簡 単 なアクセス: コンピュータ メーカーは ソフトウェアにアクセスするためのアイコン ショートカットなどを Windows のスタートメニューあるいはそれ 以 外 の 場 所 に 自 由 に 追 加 し お 客 様 がそれらの ソフトウェアを 簡 単 に 見 つけ 出 せるようにすることができます 3. 標 準 の 設 定 : マイクロソフトは コンピュータ メーカーやユーザーが Windows が 提 供 する Web ブラウザ やメディア プレイヤーといった 主 要 なエンドユーザー 機 能 の 代 わりに マイクロソフト 以 外 のソ
フトウェアを 標 準 として 設 定 できるような 仕 組 みを Windows に 提 供 します コンピュータ メー カーは 新 しい PC を 開 発 するにあたって 独 自 の 判 断 に 従 ってこれらの 標 準 を 自 由 に 設 定 することができます 4. 各 社 独 自 の 非 マイクロソフト ソフトウェア 促 進 策 : コンピュータ メーカーは Internet Explorer および Windows Media(R) Player といっ た 主 要 な Windows 機 能 に 対 するユーザーのアクセス 手 段 を 削 除 することが 可 能 です これ により 競 合 他 社 は 自 社 のソフトウェアを 新 たに 提 供 される PC に 導 入 するなどして 自 社 独 自 のエンドユーザーの 獲 得 を 促 進 することが 可 能 です 米 国 の 反 トラスト 裁 定 の 一 環 として 開 発 された Set Program Access and Defaults ユーティリティを 使 用 すれば ユーザーお よびコンピュータ メーカーは この 選 択 肢 を 容 易 に 活 用 することができます 5. ビジネス 条 項 : マイクロソフトが マイクロソフト 以 外 のソフトウェアをサポートするコンピュータ メーカーに 対 し て 報 復 措 置 を 講 ずるようなことはありません この 点 を 明 確 にするため マイクロソフトは 米 国 の 反 トラスト 裁 定 の 一 環 として ボリュームベースの 価 格 リストを Web サイト 上 に 掲 載 しコン ピュータ メーカーに 提 供 する 方 針 です Windows のロイヤリティは コンピュータ メーカー が 非 マイクロソフトのソフトウェアを 促 進 するかどうかにかかわらず この 価 格 リストをベース にして 決 められます つまり マイクロソフトは 常 に 標 準 的 な 条 項 に 従 って Windows のライ センスを 提 供 するため 当 社 の 競 合 他 社 が 提 供 するソフトウェアを 促 進 するかどうかにかか わらず コンピュータ メーカーには 同 一 のライセンス 条 項 が 適 用 されます コンピュータ メー カーの 個 々のビジネス モデルや 運 用 上 の 要 請 に 適 切 に 対 応 するため たとえマイクロソフト がこの 標 準 的 な 条 項 に 変 更 を 加 えることがあったとしても その 変 更 は 当 該 コンピュータ メ ーカーが 非 マイクロソフトのソフトウェアを 使 用 したことを 根 拠 にすることはありません 原 則 II : 開 発 者 のためのビジネス チャンス マイクロソフトは マイクロソフトの 製 品 と 直 接 競 合 するような 製 品 を 含 む 革 新 的 な 製 品 を Windows プラットフォーム 上 で 開 発 するアプリケーション 開 発 者 や Web サイト クリエイターのためのビジネスチャンスを 創 出 かつ 確 保 するということを 前 提 にして Windows(ならびに Windows プラットフォームのすべての 要 素 )の 設 計 ならびにライセンス 提 供 を 行 う 具 体 的 内 容 6. API: マイクロソフトは 文 書 化 された API(Application Programming Interfaces)を 通 じて 最 先 端 のアプリケーションを 開 発 するために 必 要 な 広 範 な 革 新 的 オペレーティング システム (OS) サービスを 開 発 者 コミュニティに 提 供 しています 米 国 の 反 トラスト 裁 定 は ブラウザや メディア プレイヤーといった Windows オペレーティング システム 内 部 の ミドルウェア によ って 使 用 されている 呼 び 出 しインターフェイスをすべて 公 開 することをマイクロソフトに 課 して います これにより こうした 分 野 のソフトウェアを 開 発 している 競 合 他 社 は Windows の 組 み 込 み 機 能 が 行 っているのと 同 じ 方 法 を 使 って OS サービスを 利 用 できるようなソフトウェア を Windows 用 のプラグインとして 開 発 することが 可 能 となります この 施 策 は 順 調 に 推 移 していることから 当 社 は 米 国 の 反 トラスト 裁 定 の 拘 束 期 間 が 終 了 した 後 も 引 き 続 き API の 公 開 を 行 っていく 方 針 です 実 際 には すべてのソフトウェア 開 発 者 の 便 宜 をはかるため 公 開 する API の 範 囲 を 拡 大 する 方 向 で 検 討 を 続 けています 具 体 的 には Microsoft Office system あるいは Windows Live(TM)といった 他 のマイクロソフト 製 品 が Windows のサ
ービスを 呼 ぶために 使 用 しているすべてのインターフェイスを 開 発 者 コミュニティに 公 開 して いく 方 針 です すなわち マイクロソフトの 製 品 が Windows にプラグインするために 使 ってい るすべての 機 能 が 競 合 製 品 においても 利 用 できるようになるということです 7. インターネット サービス: マイクロソフトは 当 社 が Windows Live と 呼 んでいるサービスを 通 じて インターネット サ ービス 分 野 の 技 術 革 新 に 貢 献 しています マイクロソフトは Windows Live を Windows から 独 立 した 製 品 として 設 計 する 方 針 です すなわちお 客 様 は Windows Live を Windows とともに 使 用 するかしないかを 自 由 に 選 択 することができます 8. オープンなインターネット アクセス: マイクロソフトが 合 法 的 な Web サイトへのアクセスを 阻 止 したり 非 マイクロソフトの Web サイトへのアクセスや 非 マイクロソフトの Web サービスの 利 用 に 対 して 課 金 したりするような 設 計 あるいはライセンス 提 供 を 行 うことはありません 9. 非 排 他 性 : 米 国 の 反 トラスト 裁 定 は マイクロソフトが Windows あるいは Windows の ミドルウェア だけを 排 他 的 に 取 り 扱 うことを 要 求 するような 契 約 をサードパーティと 締 結 することを 原 則 とし て 禁 じています 当 社 は 今 後 ともこの 施 策 を 継 続 するとともに 米 国 の 反 トラスト 裁 定 が 対 象 としている ミドルウェア の 範 囲 を 超 えた Windows あるいは Windows のいかなる 部 分 に もその 適 用 を 拡 大 していく 方 針 です さらに 当 社 は 排 他 的 の 概 念 をより 広 く 捉 えることによ って サードパーティが 利 用 する 非 マイクロソフト 製 品 の 数 がマイクロソフト 製 品 を 超 えられる ような 契 約 を 進 める 方 針 です より 一 般 的 な 表 現 をするならば 当 社 が 願 っているのは Windows のどの 部 分 と 競 合 するような 製 品 であったとしても 自 由 に 開 発 サポートおよび 促 進 することが 可 能 であることを 開 発 者 コミュニティに 認 識 してもらうことです 米 国 の 反 トラス ト 裁 定 に 従 い マイクロソフトは この 自 由 を 行 使 しようとするいかなるサードパーティに 対 して も 報 復 措 置 を 講 ずるようなことはありません 原 則 III :ユーザーのための 相 互 運 用 性 マイクロソフトは 相 互 運 用 性 に 対 するお 客 様 のニーズに 応 え 多 様 なコンピュータ システムやアプリケーション 間 で 安 全 かつ 確 実 にデータを 制 御 し 情 報 を 交 換 できるような 仕 組 みを 提 供 する 具 体 的 内 容 10. コミュニケーション プロトコル: マイクロソフトは サーバー バージョンの Windows とのコミュニケーションに 使 われる Windows 組 み 込 みのコミュニケーション プロトコルを 商 業 的 に 妥 当 な 条 件 のもとに 提 供 していく 方 針 です マイクロソフトはそのために 製 品 設 計 プロセスの 一 環 として Windows でサポートされているプロトコルの 文 書 化 を 行 う 方 針 です 当 社 はまた Windows 以 外 の プロトコル ライセンスを 必 要 とするような 相 互 運 用 性 の 問 題 を 解 決 するため 他 社 との 密 接 な 協 業 をも 進 めます 11. 特 許 のライセンス 提 供 : マイクロソフトは 原 則 としてライセンス 取 得 者 がマイクロソフトの 知 的 財 産 権 を 尊 重 する 限 り 公 平 かつ 妥 当 な 条 項 のもとに (マイクロソフト 製 品 を 特 徴 づける 差 別 化 要 因 は 別 とし
て)オペレーティング システムの 革 新 技 術 に 関 連 した 特 許 をライセンス 提 供 する 方 針 です 12. 標 準 : マイクロソフトは 業 界 の 広 範 な 標 準 を Windows でサポートすることで 相 互 運 用 性 に 富 んだ 製 品 の 開 発 を 業 界 内 で 促 進 していく 方 針 です 同 時 に 標 準 策 定 機 関 への 貢 献 なら びに 業 界 他 社 との 臨 機 応 変 な 関 係 を 通 じた 標 準 策 定 作 業 などにも 力 を 注 ぐ 方 針 です マイクロソフトは 以 上 の 原 則 をコンピュータ 業 界 の 方 々ならびにお 客 様 がいつでもご 覧 になれるようにする ため Web サイト 上 に 掲 載 する 予 定 です 当 社 はまた これらの 原 則 を 適 宜 に 見 直 すとともに 少 なくとも 3 年 に 1 度 は テクノロジ ビジネスおよび 法 的 な 側 面 の 変 化 に 応 じて 新 たな 原 則 を 追 加 すべきか あるいは 現 在 の 原 則 を 変 更 すべきかを 判 断 する 方 針 です マイクロソフトに 関 する 詳 細 な 情 報 は 下 記 マイクロソフト Web サイトを 通 じて 入 手 できます マイクロソフト 株 式 会 社 Web サイト http://www.microsoft.com/japan/ マイクロソフトコーポレーション Web サイト http://www.microsoft.com/ *Microsoft Windows Windows Media Windows Live は 米 国 Microsoft Corporation の 米 国 及 びその 他 の 国 における 登 録 商 標 または 商 標 です *Windows の 正 式 名 称 は Microsoft Windows Operating System です *その 他 記 載 されている 会 社 名 製 品 名 は 各 社 の 登 録 商 標 または 商 標 です