はじめに 前 十 字 靭 帯 再 建 の 手 術 を 受 けられる 患 者 様 に 安 心 して 治 療 を 受 けていただけるように 前 十 字 靱 帯 損 傷 の 簡 単 な 説 明 と 診 察 から 入 院 の 経 過 リハビリテーションについてまとめたものです 前 十 字 靱 帯 損 傷 の 症 状 膝 がグラグラする 膝 に 力 がはいらない 膝 が 完 全 に 伸 びない などです 日 常 生 活 に 支 障 がない 人 もいますが ジャンプ 着 地 ダッシュ ターン ストップな ど 急 激 なスピードの 変 化 を 必 要 とするスポーツを 行 った 場 合 膝 がずれ その 衝 撃 で 転 倒 する 膝 くずれ を 起 こす 可 能 性 が 高 くなります 前 十 字 靱 帯 損 傷 の 原 因 と 病 態 前 十 字 靭 帯 (ACL)は 膝 関 節 の 中 央 にあって 脛 骨 が 前 方 にずれるのを 防 ぐ 役 割 をしていま す そのため 前 十 字 靱 帯 が 損 傷 されると 膝 関 節 に 不 安 定 性 を 生 じることになります. 半 月 板 や 軟 骨 の 損 傷 を 合 併 することがあります 膝 のスポーツ 外 傷 としては 最 も 高 頻 度 に 生 じます 受 傷 機 転 は ジャンプからの 着 地 急 停 止 急 な 方 向 転 換 ジャンプの 踏 み 切 り 時 などのような 動 作 が 多 く 非 接 触 型 損 傷 と 呼 ば れます バスケットボールや 器 械 体 操 ハンドボールなどの 原 則 動 作 の 多 い 種 目 に 多 く 発 生 し ます 一 方 タックルや 投 げ 技 などにより 直 接 膝 に 外 反 強 制 力 を 受 ける 接 触 型 損 傷 がありま す ラグビー フットボール 柔 道 などのような 競 技 に 多 くみられます 断 裂 した 前 十 字 靱 帯 の MRI 像 治 療 方 法 スポーツ 活 動 を 継 続 するためには 手 術 をしてしっかりとした 靭 帯 を 再 建 ( 作 り 直 す)することをお 勧 めします 放 置 するとスポーツ 活 動 に 伴 って 膝 くずれを 繰 り 返 し スポーツ 活 動 の 継 続 が 困 難 になるばかりでなく 膝 関 節 機 能 が 低 下 するといわれ ています 保 存 療 法 では 主 として 膝 周 囲 の 筋 力 強 化 方 法 と 安 全 な 膝 の 使 い 方 の 指 導 が 中 心 になりますがスポーツ 活 動 は 限 られま す また 明 らかな 外 傷 がなくても 半 月 板 損 傷 や 関 節 軟 骨 損 傷 をきたすことが 多 く 将 来 的 に 変 形 性 膝 関 節 症 に 進 行 する 可 能 性 が あります 手 術 の 内 容 関 節 鏡 視 下 前 十 時 靭 帯 再 建 術 ( 自 家 腱 移 植 術 ) 目 的 : 失 われた 前 十 字 靭 帯 の 機 能 を 再 建 するために (1) 自 分 の 腱 の 移 植 による 靱 帯 の 再 建 (2) 半 月 板 の 損 傷 が 合 併 してい る 場 合 その 縫 合 または 部 分 切 除 を 行 うものです
術 式 : 移 植 腱 としては 内 側 ハムストリング 腱 と 呼 ばれる 膝 後 内 側 の 腱 を 束 ねたものか または 膝 前 方 の 膝 蓋 腱 とよばれる 腱 の 一 部 を 用 います(どちらにするかは 貴 方 の 膝 のバランスにより 決 まります) ついで ( 関 節 を 切 開 することなく) 関 節 鏡 にて 関 節 内 を 観 察 しながら 正 確 な 位 置 にドリル 孔 を 穿 ち ネジやボタンにて 上 記 の 腱 を 固 定 します a) ハムストリング 腱 を 用 いた 解 剖 学 的 二 重 束 再 建 術 移 植 腱 には 太 ももの 裏 側 の 筋 肉 (ハムストリング)のうちの1-2 本 の 腱 を 用 います 前 十 字 靱 帯 は 前 内 側 線 維 束 (AMB)と 後 外 側 線 維 束 (PLB)より 構 成 されています AMB は 屈 曲 した 時 に 緊 張 し PLB は 伸 展 した 時 に 緊 張 します これら 二 つの 線 維 束 は 相 補 的 に 機 能 を 分 担 していることが 知 られ ており このような 各 線 維 束 を 個 別 に 再 建 することで 正 常 前 十 字 靱 帯 の 機 能 に 近 い 再 建 靱 帯 を 得 ようとす る 方 法 です b) 長 方 形 骨 付 き 膝 蓋 腱 を 用 いた 解 剖 学 的 再 建 術 移 植 腱 には 膝 蓋 腱 の 中 央 1/3 を 用 いて 骨 付 きで 採 取 したものを 用 います 骨 付 きの 移 植 材 料 の 利 点 を 生 かしながら 二 重 束 再 建 術 のように 正 常 ACL の 線 維 配 列 を 再 現 するように 工 夫 された 術 式 です また 損 傷 した 半 月 板 については その 温 存 を 図 るため 関 節 鏡 視 下 縫 合 術 をできるだけ 行 います しかしながら 縫 合 しても 治 る 見 込 みのない 損 傷 の 場 合 は 部 分 的 に 切 除 を 行 います 手 術 による 傷 は 膝 の 周 辺 に3ー6cm 程 度 ですが 半 月 板 縫 合 術 に はさらに 数 cmの 追 加 皮 膚 切 開 が 必 要 となります また 関 節 鏡 の 刺 入 などのため 1cm 程 度 の 傷 が 数 カ 所 必 要 となります なお 移 植 した 腱 はゆっくり 治 って 行 きますので 適 切 な 術 後 のリハビリを 注 意 深 く 行 う 必 要 があります 予 測 される 合 併 症 と 危 険 性 感 染 : 本 手 術 は 清 潔 なリンゲル 液 を 流 しながら 行 うので 非 常 に 安 全 性 が 高 く 細 菌 の 感 染 などの 確 率 も 僅 尐 です しかしながら 術 後 の 感 染 を 来 すことがあり 入 院 が 長 期 にわたり その 後 遺 症 で 苦 しむことが 無 い 訳 ではありません 神 経 血 管 損 傷 : 膝 周 囲 には 多 くの 神 経 血 管 が 存 在 しています 関 節 鏡 手 術 では 皮 膚 切 開 は 最 小 限 ですが 皮 下 の 神 経 を 損 傷 する 可 能 性 があり しびれや 知 覚 低 下 をきたすことがあります また 手 術 中 の 操 作 による 重 要 な 神 経 血 管 の 損 傷 も 報 告 さ れています CRPS( 複 合 性 局 所 疼 痛 症 候 群 ): 数 千 人 に 一 人 の 方 は 手 術 そのものが 契 機 となり 交 感 神 経 のバランスがくずれ 長 期 に 亘 り 患 側 下 肢 の 疼 痛 に 苦 しむ 場 合 があります 血 栓 性 静 脈 炎 : 静 脈 内 に 血 液 凝 固 が 生 じ 静 脈 血 の 鬱 滞 が 起 こり 下 肢 に 慢 性 腫 脹 を 来 すことがあります 極 めて 稀 には 凝 固 血 液 が 脳 や 肺 に 跳 んで 塞 栓 をおこすこともあります 数 千 人 に 一 人 の 割 合 で 発 生 するといわれ 最 悪 の 場 合 死 亡 に 至 ることがあ ります 関 節 拘 縮 : 術 後 に 適 切 なリハビリを 怠 ると 癒 着 のため 関 節 の 動 きが 悪 くなり 歩 行 やスポーツに 障 害 を 来 すことがあります リハビ リの 経 過 が 遅 い 場 合 には 関 節 受 動 術 が 必 要 になることもあり 得 ます 移 植 靭 帯 の 延 伸 部 分 断 裂 : 術 後 2ヶ 月 間 は 移 植 した 靭 帯 が 強 度 不 足 の 著 しい 時 期 です この 時 期 に 乱 暴 なリハビリや 無 茶 なスポーツを 行 うと 移 植 腱 が 伸 びてしまい 再 び 関 節 が 不 安 定 になることがあります 腱 採 取 による 影 響 : 腱 を 採 取 するため 一 時 的 に 筋 力 が 低 下 します 適 切 なリハビリを 行 うことで 周 囲 の 筋 による 代 償 や 腱 の 再 生 がおこり 筋 力 の 回 復 が 見 込 めます( 健 側 の90%からほぼ100%) 膝 蓋 腱 を 採 取 した 場 合 には 特 に 膝 をついたときの 痛 み がでることがあります
診 察 から 入 院 手 術 リハビリの 流 れ 診 察 専 門 のスポーツ 整 形 外 科 医 が 診 察 します ケガをしたときの 状 況 を 聞 き 膝 の 状 態 を 診 るほかに レントゲンや MRI などから 総 合 的 に 診 断 します 治 療 方 針 を 決 定 スポーツ 活 動 を 継 続 するためには 手 術 をしてしっかりとした 靭 帯 を 再 建 することをお 勧 めします 放 置 するとスポーツ 活 動 に 伴 って 膝 くずれを 繰 り 返 し スポーツ 活 動 の 継 続 が 困 難 になるばかりでなく 膝 関 節 機 能 が 低 下 するといわれ ています また 明 らかな 外 傷 がなくても 半 月 板 損 傷 や 関 節 軟 骨 損 傷 をきたすことが 多 く 将 来 的 に 変 形 性 膝 関 節 症 に 進 行 する 可 能 性 があります 保 存 療 法 では 主 として 膝 周 囲 の 筋 力 強 化 方 法 と 安 全 な 膝 の 使 い 方 の 指 導 が 中 心 になりますがスポーツ 活 動 は 限 られます 手 術 の 時 期 を 決 定 一 般 的 には 膝 の 炎 症 が 治 まる 約 3~4 週 間 後 に 靭 帯 の 手 術 をします 半 月 板 の 損 傷 がない 場 合 には 半 年 程 度 は 待 つことができます その 間 のスポーツは 禁 止 です 学 校 や 職 場 とも 良 く 相 談 してから 手 術 の 時 期 を 決 めてもらいます 術 前 リハビリテーション 手 術 までの 間 に 以 下 の 準 備 が 出 来 ていることが 必 要 です そのために 理 学 療 法 士 による 指 導 を 受 けていただきます 1 膝 をしっかり 伸 ばすことができる 2 膝 をしっかり 曲 げることができる 3 膝 を 伸 ばしたり 曲 げたりするための 筋 力 を 落 とさないようにする 手 術 後 に 行 う 筋 力 トレーニングをあらかじめ 行 うことによって 手 術 後 の 回 復 も 早 くなります 入 院 手 術 の 一 週 間 前 から2 日 前 までの 期 間 に 外 来 を 受 診 して 麻 酔 に 必 要 な 検 査 を 受 けていただきます 手 術 の 前 日 に 入 院 していただきます < 用 意 していただくもの> 一 般 的 に 入 院 に 必 要 なものに 加 え 以 下 のものをご 用 意 ください パンフレット( 本 内 容 の 冊 子 ) リハビリテーションが 行 いやすい 運 動 靴 と 服 装 ( 例 : 装 具 を 着 けたままで 着 用 できるハーフパンツやTシャツ 等 ) 膝 を 冷 やすため 氷 のうをお 持 ちの 方 はご 持 参 ください
手 術 当 日 1) 帰 室 時 の 様 子 膝 の 炎 症 や 痛 みを 和 らげるため, 膝 に 装 具 を 装 着 します. 点 滴 尿 道 カテーテルは 翌 日 の 朝 まで 留 置 しますので, 違 和 感 があれば 病 棟 へ 報 告 して 下 さい. 術 後 の 痛 みは 鎮 痛 剤 を 使 って 和 らげますので, 我 慢 せず 病 棟 へ 報 告 して 下 さい. 膝 に 血 液 が 貯 まらないよう 膝 にはチューブが 入 っています. 2)ベッドでするリハビリテーション 足 首 足 の 指 の 運 動 手 術 後 に 循 環 が 悪 くなることを 予 防 するために 1) 病 棟 での 生 活 膝 の 装 具 は 術 後 から 3 週 間 使 用 します. 点 滴 と 尿 道 カテーテルを 抜 去 します. 装 具 を 着 用 し 膝 が 伸 びたまま 車 椅 子 へ 乗 ります. ( 初 めは 医 師 看 護 師 と 一 緒 に 行 います) 痛 み 止 めの 飲 み 薬 を 内 服 します. ( 痛 みがあるときは 我 慢 せず 病 棟 へ 報 告 して 下 さい) 装 具 の 中 に 氷 嚢 を 入 れ, 膝 や 膝 の 裏 をアイシングします. 2. 手 術 翌 日 2)ベッドでするリハビリテーション 膝 のお 皿 の 動 きをよくする 運 動 膝 をやや 曲 げた 状 態 (20 ~30 程 度 )で 太 もも 下 に 枕 を 入 れ, 力 を 抜 いたまま お 皿 を 上 下 左 右 にゆっくり 動 かします. 太 もも 前 面 の 筋 肉 に 力 を 入 れる 運 動 (20 回 3 セット) 枕 を 太 ももの 下 に 入 れ 膝 をやや 曲 げた 状 態 (20 ~30 )ので, 太 ももの 前 面 と 後 面 の 筋 肉 に 力 を 入 れながら 5 秒 程 度 枕 をつぶします.
手 術 後 2 日 目 以 降 1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション 術 後 2 日 目 より 理 学 療 法 室 でのリハビリテーションが 開 始 されます. 手 術 した 足 は 膝 装 具 で 固 定 されており,この 時 期 のリハビリテーションメニューは 装 具 を 装 着 した 状 態 で, 手 術 の 傷 やその 周 囲 に 強 い 痛 みが 出 現 しない 範 囲 で 運 動 を 開 始 していきます. ストレッチング(10 分 間 :20~30 秒 間 隔 ) ふくらはぎ, 太 ももの 筋 肉 が 固 くなるのを 予 防 するためにストレッチをします. タオルをつま 先 にかけて 両 手 でタオルを 引 きながら, 背 中 を 丸 めずに 体 を 前 方 へ 倒 すように 足 関 節 底 背 屈 (20 回 3~5セット) ゴムチューブをつま 先 にかけて 両 手 でゴムを 引 き, 足 首 を 反 ら せた 状 態 からゴムに 抗 して 足 首 を 下 ろします. 体 幹 筋 トレーニング(20 回 3~5セット) 腹 筋 背 筋 トレーニング 腹 筋 運 動 は, 手 術 していない 足 の 膝 を 立 て, 手 術 した 足 は 伸 ばした 状 態 で 姿 勢 が 辛 ければ 手 術 した 足 の 下 に 枕 を 入 れます. 背 筋 運 動 中 に 手 術 した 足 の 太 もも 裏 が 痛 むときは, 無 理 せ ず 中 止 してください. 背 筋 運 動 は 背 中 を 反 りすぎると 腰 痛 に なる 可 能 性 があるため, 腹 筋 に 力 を 入 れて,あごを 引 きなが ら 実 施 して 下 さい. ブリッジトレーニング 手 術 していない 方 の 足 でお 尻 を 持 ち 上 げ, 身 体 が 一 直 線 になるように 行 います. 負 荷 を 上 げるため 足 を 挙 上 した 状 態 から 外 側 へ 開 く 運 動 も 足 挙 げトレーニング(20 回 3~5 セット) 仰 向 けとなり 手 術 した 足 を 反 対 の 膝 の 高 さまで 挙 上 します. 反 対 の 足 は 膝 を 曲 げておきます. 横 向 きで 手 術 した 足 をやや 後 ろ 方 向 へ 挙 上 します. 反 対 の 足 は 膝 を 曲 げておきます. うつ 伏 せで 足 を 後 ろに 挙 上 します. 腰 が 反 りすぎないよう 腹 筋 に 力 を 入 れます.
2) 病 棟 での 生 活 手 術 後 2 日 目 に 膝 のチューブを 抜 きます. 傷 に 問 題 がなければ, 術 後 6 日 目 からシャワー 浴 が 可 能 となり, 入 浴 中 は 病 棟 にある 入 浴 用 装 具 を 装 着 します. 手 術 した 足 に 体 重 をかけることがないように 注 意 します. 車 椅 子 で 浴 室 に 出 入 りするため, 看 護 師 がお 手 伝 いします. 術 後 1 週 間 ~ 1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション 膝 伸 展 屈 曲 関 節 可 動 域 訓 練 膝 関 節 を 伸 ばす 運 動 を 開 始 します. リハビリのときのみセラピストが 膝 を 伸 ばします. 自 分 では 行 わないで 下 さい. 90 まで 膝 を 曲 げる 運 動 を 開 始 します.( 痛 みが 強 い 場 合 は 医 師 やセラピストに 相 談 して 下 さい) リラックスして 徐 々に 曲 げ, 伸 ばすときは 足 の 力 を 使 わず 両 手 で 行 ってください. 太 もも 前 面 の 筋 肉 に 力 を 入 れる 運 動 (20 回 3 セット) タオルを 太 ももの 下 に 入 れ 膝 を 完 全 に 伸 ばした 状 態 で, 太 ももの 前 面 と 後 面 の 筋 肉 に 力 を 入 れな がら 5 秒 程 度 枕 をつぶします. コラム1 リハビリ 終 了 後 のアイシング この 時 期 は 手 術 をした 足 に 負 担 をかけ 始 めるため,リハビリ 終 了 後 は 足 に 熱 を 感 じたり, 腫 れを 感 じたりすることがあります. そのためリハビリ 終 了 後 はアイシングをする 習 慣 をつけましょう. 時 間 は 約 15~20 分 で, 40 分 ~45 分 は 休 憩 します.
術 後 2 週 ~ 1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション 膝 伸 展 屈 曲 関 節 可 動 域 訓 練 痛 みのない 範 囲 でゆっくり 膝 を 自 分 で 伸 ばします. 135 まで 膝 を 曲 げる 運 動 を 開 始 します. リラックスして 徐 々に 曲 げ, 伸 ばすときは 足 の 力 を 使 わず 両 手 で 行 ってください. 部 分 荷 重 歩 行 トレーニング 膝 装 具 を 装 着 した 状 態 で 痛 みの 無 い 範 囲 で 体 重 の1/2をかけます. 体 重 をかけるときは,しっかりと 膝 の 前 面 の 筋 肉 に 力 を 入 れます. 松 葉 杖, 歩 行 器 を 使 用 し 歩 行 練 習 を 開 始 します. 階 段 昇 降 トレーニング 松 葉 杖 歩 行 が 可 能 になると 階 段 訓 練 を 開 始 します. セラピストの 指 示 にしたがって 実 施 して 下 さい. 昇 段 手 順 1 手 術 していない 足 を 上 の 段 へ 2 松 葉 杖 と 手 術 した 足 を 一 緒 に 上 の 段 へ 降 段 手 順 1 杖 と 手 術 した 足 を 下 の 段 に 一 緒 に 降 ろす 2 手 術 していない 足 を 下 の 段 に 降 ろす 2) 病 棟 での 生 活 この 時 期 から 松 葉 杖 を 使 用 した 歩 行 が 許 可 されます. セラピストと 相 談 し 実 施 して 下 さい. 荷 重 訓 練 昇 段 両 松 葉 歩 行 後 段 術 後 3 週 ~ 両 松 葉 歩 行
1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション 膝 伸 展 筋 力 (ゴムチューブ)トレーニング ゴムチューブをお 皿 の 下 にかけ 膝 を 伸 ばします. 膝 の 角 度 は 3 週 ~7 週 は 45 まで 制 限 8 週 ~9 週 は 30 まで 制 限 10 週 ~11 週 は 10 まで 制 限 し 12 週 以 降 は 制 限 なしとします. 再 建 靱 帯 に 負 荷 がかかる 危 険 があるため 許 可 された 可 動 範 囲 で 動 かすことを 心 がけてください. 負 荷 を 強 くするには 足 首 にもう1 本 ゴムチューブを 巻 いて コラム2 膝 の 下 にゴムチューブを 巻 く 理 由 膝 を 伸 展 させる 筋 肉 は 大 腿 四 頭 筋 です.この 筋 肉 は 膝 蓋 骨 に 付 き, 膝 蓋 腱 となって 脛 骨 を 引 っ 張 ります.そのた め, 大 腿 四 頭 筋 を 強 化 しようと 力 を 入 れると, 膝 を 伸 展 しながら 脛 骨 が 前 方 に 出 ようとします.この 前 方 に 出 る 働 きがACLを 引 っ 張 るストレスとなるために, 再 建 した 靱 帯 が 伸 びる 可 能 性 があります. そこで, 脛 骨 を 前 方 に 出 るのを 押 さえながら 大 腿 四 頭 筋 を 筋 力 強 化 しなければならないために, 膝 関 節 の 近 くにチ ューブを 巻 きます. 膝 屈 曲 筋 力 トレーニング(20 回 3~5セット) 靱 帯 を 再 建 するため 膝 を 曲 げる 筋 肉 の 一 部 を 切 除 している 場 合 過 る 危 険 があるため 負 荷 設 定 はセラピストが 設 定 します. うつ 伏 せで 膝 を 曲 げたり 立 位 で 膝 を 曲 げます. 太 ももが 前 方 に 出 たり うに 度 の 負 荷 で 肉 離 れとな 殿 部 が 後 方 に 出 ないよ 膝 屈 曲 位 でのスクワットトレーニング 膝 を 尐 し 曲 げた 角 度 (30 以 下 )から 尐 しずつ 膝 を 深 く 曲 げていきます. 身 体 の 前 方 に 体 重 をのせて 膝 が 内 側 に 入 ることのないように 注 意 します. コラム3 注 意 する 動 作 この 時 期 から 膝 装 具 を 外 した 状 態 で 体 重 をかけていく 訓 練 が 許 可 されます. これらの 訓 練 では つま 先 の 方 向 に 対 して 膝 が 内 向 きになる 動 作 (Knee in) とならないように 注 意 する 必 要 があります. Knee inとなってしまうと 再 建 した 靱 帯 に 負 荷 がかかり 靱 帯 が 再 断 裂 する 危 険 性 があるため 注 意 しながら 2) 病 棟 での 生 活 膝 装 具 をはずし 1/2 荷 重 での 歩 行 を 開 始 します.
術 後 4 週 ~ 1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション 装 具 を 外 しての 歩 行 練 習 膝 装 具 を 外 して 歩 行 練 習 を 術 後 4 週 からは 装 具 なしにて 全 荷 重 での 歩 行 を 開 始 します. 術 後 5 週 ~ 1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション スクワットトレーニング 体 重 を 前 方 にのせ 膝 を 伸 ばした 状 態 から 深 く 曲 げます 膝 が 内 側 に 入 ることのないように 注 意 します. ゆっくりとした 動 作 が 正 しくできるようになれば スピードのあるスクワットも また 平 坦 な 床 面 で 正 しくできるようになれば 不 安 定 な バランスパッドなどの 上 で 側 面 像 バランスパッド Heel raise(つま 先 立 ち) 身 体 が 前 後 に 動 揺 しないように ゆっくりと 踵 を 挙 げ ます. 側 面 像
スクワット+ Heel raise スクワットで 膝 を 曲 げた 状 態 から 踵 をゆっくりと 挙 げます. 側 面 像 ランジトレーニング フォワードランジ 足 を 左 右 に 軽 く 開 いた 姿 勢 から 前 方 へステップし 膝 を 軽 く 曲 げながら 体 重 をかけていきます. 側 面 像 サイドランジ 足 を 左 右 に 軽 く 開 いた 姿 勢 から 側 方 へステップし 膝 を 軽 く 曲 げな がら 体 重 をかけていきます. 側 面 像 片 脚 スクワットトレーニング 身 体 の 後 ろに 体 重 がのりすぎないよう 注 意 します.また 膝 が 内 側 (Knee in)に 入 らないように 注 意 して ツイスティング 身 体 はまっすぐのまま 下 半 身 のみ 方 向 転 換 します. 踵 を 挙 げながら 足 の つま 先 と 膝 の 向 きが 同 じ 方 向 になるように 注 意 します. また 膝 が 内 側 (Knee in)に 入 らないように 注 意 して 側 面 像 Knee Bend Walk
膝 を 曲 げ 腰 を 低 くし 前 方 へ 歩 きます. 痛 みがある 場 合 は 浅 い 角 度 で 身 体 が 捻 じれないように 腰 の 高 さを 一 定 に 保 ちながら 膝 が 内 側 (Knee in)に 入 らないように 注 意 して 実 施 します. 側 面 像 術 後 3ヶ 月 以 降 1) 理 学 療 法 室 でのリハビリテーション SLR 仰 向 けとなり 手 術 した 足 を 反 対 の 膝 の 高 さまで 挙 上 します. 反 対 の 足 は 膝 を 曲 げておきます. ジョギング ゆっくりとしたジョギングを ジャンプ 両 脚 ジャンプ 両 脚 でジャンプします. 安 定 してくれば 不 安 定 なマットなどの 上 でも 膝 が 内 側 (Knee in)に 入 らないように 注 意 して 片 脚 ジャンプ 両 脚 が 安 定 してきた 段 階 で より 負 荷 の 強 い 片 脚 でのジャンプに 移 行 します. セラピストと 相 談 しながら 実 施 して 下 さい 安 定 してくれば 不 安 定 なマットなどの 上 でも 膝 が 内 側 (Knee in)に 入 らないように 注 意 して バランスパッド スポーツ 動 作 トレーニング 術 後 5カ 月 からスポーツ 動 作 に 必 要 なトレーニングを 開 始 します. バランスパッド
トレーニングの 内 容 はセラピストと 相 談 し 決 めます. ステップトレーニング ステップトレーニングの 内 容 や 負 荷 はセラピストと 相 談 しながら 実 施 して 下 さい. 例 )サイドステップ 90 カッティング ランニング セラピストが 許 可 する 範 囲 で 徐 々に 走 るスピードを 速 くします. 術 後 6ヶ 月 よりスポーツ 復 帰 に 向 けてダッシュを 始 めます. 円 形 や 八 の 字 などの 応 用 的 なランニング 動 作 もスポーツ 復 帰 には 必 要 です. 内 容 や 負 荷 はセラピストと 相 談 し 決 めます. 例 ) 円 形 ランニング
2) 退 院 後 スポーツジムに 通 われる 場 合 退 院 後 もけがや 手 術 により 弱 くなった 筋 力 を 回 復 させるため 積 極 的 な 筋 力 トレーニングが 必 要 となります. 下 肢 トレーニングは 術 後 3か 月 まで 制 限 があり 正 しいトレーニングを 行 うことが 重 要 です. トレーニングは 週 3 回 を 目 安 として 病 院 でのリハビリやジムなどでのトレーニングを 行 うことが 効 果 的 です. レッグ エクステンション 抵 抗 のかかる 位 置 が 膝 の 近 くであればマシンの 使 用 が 可 能 で す. 抵 抗 のかかる 位 置 が 足 首 の 場 合 は 術 後 3か 月 以 降 より 使 用 が 可 能 となります. レッグ カール 基 本 的 には 可 能 ですが 膝 を 伸 ばした 状 態 からさらに 伸 ばさ れる 力 が 加 わらないように 注 意 する 必 要 があります. 手 術 で 太 ももの 裏 から 筋 肉 を 切 除 している 場 合 は 始 めから 強 い 負 荷 で 行 うと 肉 離 れを 起 こす 危 険 があります. スクワット 術 後 5 週 までは 膝 の 屈 曲 角 度 が1/4から1/2 程 度 の 範 囲 で 術 後 5 週 以 降 は 角 度 に 制 限 はありません プール 全 荷 重 が 可 能 となれば 水 中 ウォーキングが 許 可 されます. 平 泳 ぎ 以 外 の 水 泳 は 術 後 3ヶ 月 より 平 泳 ぎは 術 後 6ヶ 月 以 降 に 許 可 さ れます. 術 後 6ヶ 月 スポーツ 復 帰 が 可 能 な 時 期 となります. 競 技 内 容 や 個 人 の 能 力 に 応 じて 復 帰 時 期 を 設 定 するので 医 師 やセラピストと 相 談 し 安 全 を 確 認 してからスポーツに 参 加 してください.