平 成 16 年 (ワ) 第 19650 号 商 標 権 侵 害 差 止 等 請 求 事 件 口 頭 弁 論 終 結 日 平 成 18 年 3 月 13 日 判 決 原 告 同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 被 告 同 訴 訟 代 理 人 弁 護 士 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 同 訴 訟 代 理 人 弁 理 士 株 式 会 社 グリーンメイト 堀 越 靖 司 株 式 会 社 マルタ 阪 口 春 男 今 川 忠 岩 井 泉 原 戸 稲 男 阪 口 祐 康 豊 浦 伸 隆 西 山 宏 昭 山 岸 正 和 嵩 原 安 三 郎 寺 田 明 日 香 木 村 智 彦 白 木 裕 一 中 澤 構 佐 藤 英 昭 主 文 1 被 告 は, 別 紙 被 告 商 品 目 録 2,3( 2),3( 3) 及 び5 記 載 の 商 品 又 はその 包 装 に, 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 又 は2 記 載 の 商 標 を 付 したものを 生 産 し, 譲 渡 し, 引 き 渡 し, 譲 渡 若 しくは 引 渡 しのために 展 示 し, 又 は 輸 入 してはならない 2 被 告 は, 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 又 は2 記 載 の 商 標 が 付 された 別 紙 被 告 商 品 目 録 2,3( 2) 及 び3( 3) 記 載 の 商 品 及 び 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 又 は2 記 載 の 商 標 が 付 され -1-
た 別 紙 被 告 商 品 目 録 2,3( 2) 及 び3( 3) 記 載 の 商 品 の 包 装 を 廃 棄 せよ 3 被 告 は, 原 告 に 対 し,14 万 9994 円 及 びこれに 対 する 平 成 18 年 1 月 1 9 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 4 原 告 のその 余 の 請 求 を 棄 却 する 5 訴 訟 費 用 はこれを2 分 し,その1を 原 告 の 負 担 とし,その 余 を 被 告 の 負 担 と する 6 この 判 決 は, 第 3 項 に 限 り, 仮 に 執 行 することができる 事 実 及 び 理 由 第 1 請 求 1 被 告 は, 別 紙 被 告 商 品 目 録 1ないし5 記 載 の 商 品 又 はその 包 装 に, 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 又 は2 記 載 の 商 標 を 付 したものを 生 産 し, 譲 渡 し, 引 き 渡 し, 譲 渡 若 しくは 引 渡 しのために 展 示 し, 又 は 輸 入 してはならない 2 被 告 は, 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 又 は2 記 載 の 商 標 が 付 された 別 紙 被 告 商 品 目 録 1ないし5 記 載 の 商 品 及 び 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 又 は2 記 載 の 商 標 が 付 された 別 紙 被 告 商 品 目 録 1ないし5 記 載 の 商 品 の 包 装 を 廃 棄 せよ 3( 1) 被 告 は, 原 告 に 対 し,13 万 9530 円 及 びこれに 対 する 平 成 16 年 9 月 25 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え ( 2) 被 告 は, 原 告 に 対 し,808 万 円 及 びこれに 対 する 平 成 18 年 1 月 19 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 金 員 を 支 払 え 第 2 事 案 の 概 要 本 件 は, 被 服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く) 等 につき 原 告 商 標 権 を 有 する 原 告 が, 運 動 用 特 殊 衣 服 につき 原 告 商 標 に 類 似 する 被 告 商 標 を 有 する 被 告 に 対 し, 被 告 製 品 の 製 造, 販 売 等 の 差 止 め 及 び 廃 棄 並 びに 損 害 賠 償 及 び 遅 延 損 害 金 の 支 払 を 求 めたのに 対 し, 被 告 が, 被 告 製 品 は 運 動 用 特 殊 衣 服 であり, 被 服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く)には 当 たらない, 原 告 商 標 権 には 商 標 法 4 条 1 項 7 号 ( 公 序 良 俗 ) 又 は19 号 ( 不 正 の 目 的 ) 違 反 の 無 効 理 由 が 存 在 する 等 と 主 張 して 争 った 事 案 である -2-
なお, 原 告 は, 商 標 法 47 条 の5 年 の 除 斥 期 間 が 経 過 したため, 被 告 商 標 権 につ き 商 標 法 4 条 1 項 11 号 違 反 ( 先 登 録 類 似 )を 理 由 とする 無 効 審 判 請 求 をすることが できない 1 前 提 事 実 ( 1) 当 事 者 ア 原 告 原 告 は, 被 服 及 び 繊 維 製 品 の 販 売 等 を 業 とする 株 式 会 社 である ( 弁 論 の 全 趣 旨 ) イ 被 告 被 告 は,スポーツ 服 装 の 製 造 販 売 等 を 業 とする 株 式 会 社 である ( 争 いのない 事 実 ) ( 2) 原 告 商 標 ア 東 洋 紡 績 株 式 会 社 ( 以 下 東 洋 紡 績 という )は, 次 の 商 標 権 ( 以 下 原 告 商 標 権 といい,その 対 象 である 登 録 商 標 を 原 告 商 標 という )を 取 得 した 商 標 登 録 番 号 出 願 日 登 録 日 登 録 商 標 第 0907295 号 昭 和 44 年 6 月 2 日 昭 和 46 年 7 月 8 日 別 紙 原 告 商 標 目 録 のとおり 商 品 の 区 分 及 び 指 定 商 品 (ただし, 書 き 替 え 登 録 後 のもの) 第 24 類 布 製 身 の 回 り 品 ( 他 の 類 に 属 するものを 除 く) 第 25 類 被 服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く) ( 登 録 時 は, 旧 々々 類 第 17 類 被 服, 布 製 身 回 品, 寝 具 類 ) イ 東 洋 紡 績 は, 楽 屋 被 服 株 式 会 社 ( 以 下 楽 屋 被 服 という )に 対 し, 昭 和 50 年 11 月 6 日, 原 告 商 標 権 を 譲 渡 し, 昭 和 51 年 9 月 13 日,その 旨 の 移 転 登 録 がされた 楽 屋 被 服 は, 株 式 会 社 ジーアールエスプロダクツ( 以 下 ジーアールエス -3-
という )に 対 し, 昭 和 58 年 10 月 25 日, 原 告 商 標 権 を 譲 渡 し, 昭 和 59 年 8 月 27 日,その 旨 の 移 転 登 録 がされた (ウ) 原 告 は, 平 成 13 年 4 月 4 日,ジーアールエスを 吸 収 合 併 し, 有 効 に 更 新 登 録 がされてきた 原 告 商 標 権 を 承 継 した ( 以 上 につき, 甲 1ないし3) ( 3) 被 告 商 標 ア ドイツ 法 人 であるDerbystar Sportartikelfab rik GmbH( 以 下 ダービースター 社 という )は, 次 の 商 標 権 ( 以 下 被 告 商 標 権 といい,その 対 象 である 登 録 商 標 を 被 告 商 標 1 という )を 有 して いる 商 標 登 録 番 号 出 願 日 登 録 日 登 録 商 標 第 4178406 号 平 成 8 年 10 月 23 日 平 成 10 年 8 月 14 日 別 紙 被 告 商 標 目 録 1 記 載 のとおり 商 品 の 区 分 及 び 指 定 商 品 第 25 類 履 物, 運 動 用 特 殊 衣 服, 運 動 用 特 殊 靴 イ ダービースター 社 は, 被 告 との 間 で, 平 成 16 年 4 月 1 日,ジュニアサッ カー 衣 料 品 の 日 本 における 販 売 と 流 通 のために, 被 告 を 独 占 的 通 常 使 用 権 者 として 被 告 商 標 1の 使 用 をライセンスする 通 常 実 施 権 許 諾 契 約 ( 以 下 本 件 ライセンス 契 約 という )を 締 結 した ( 以 上 につき, 乙 1の1,2の1,3の1, 弁 論 の 全 趣 旨 ) ( 4) 被 告 の 行 為 ア 被 告 は, 被 告 商 標 1 又 は 別 紙 被 告 商 標 目 録 2 記 載 の 商 標 ( 以 下 被 告 商 標 2 という )を 付 した 別 紙 被 告 商 品 目 録 1ないし5 記 載 の 商 品 ( 以 下 被 告 商 品 とい い, 各 商 品 は, 同 目 録 記 載 の 番 号 により 被 告 商 品 1( 1) のように 表 記 する )を カタログ( 乙 6)に 掲 載 した -4-
イ ウ 被 告 は, 被 告 商 標 1 又 は2を 付 した 被 告 商 品 1ないし4を 販 売 している 被 告 は, 被 告 商 品 5(チェンジタオル)については,カタログに 掲 載 したも のの, 製 造 販 売 はしていない ( 以 上 につき, 争 いのない 事 実, 乙 67) ( 5) 商 標 の 類 似 被 告 商 標 1 及 び2は, 原 告 商 標 に 類 似 する ( 争 いのない 事 実 ) ( 6) 被 告 商 品 5(チェンジタオル)の 指 定 商 品 該 当 被 告 商 品 5は, 原 告 商 標 権 の 指 定 商 品 である 布 製 身 の 回 り 品 ( 他 の 類 に 属 する ものを 除 く) に 当 たる ( 争 いのない 事 実 ) 2 争 点 ( 1) 被 告 商 品 1ないし4は, 原 告 商 標 権 の 指 定 商 品 である 被 服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く) に 当 たるか ( 2) 商 標 法 39 条 及 び 特 許 法 104 条 の3 又 は 権 利 の 濫 用 により, 原 告 商 標 権 の 行 使 が 制 限 されるか ( 3) 原 告 の 損 害 額 はいくらか 3 争 点 ( 1)( 指 定 商 品 該 当 性 )に 関 する 当 事 者 の 主 張 ( 1) 原 告 の 主 張 ア 運 動 用 特 殊 衣 服 原 告 商 標 権 の 指 定 商 品 から 除 かれる 運 動 用 特 殊 衣 服 とは,スポーツをする 際 に 限 って 着 用 する 特 殊 な 衣 服 のことである 特 許 庁 商 標 課 編 集 に 係 る 商 品 及 び 役 務 区 分 解 説 には, 運 動 用 特 殊 衣 服 につき, この 概 念 には,スポーツをする 際 に 限 って 着 用 する 特 殊 な 衣 服 が 含 まれる, なお, トレーニングパンツ ランニングシャツ 等 は,スポーツ 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 され, 特 殊 なものでもないことから, この 概 念 には 含 まれず, -5-
本 類 被 服 に 属 する との 記 載 がある (ウ) 商 標 法 施 行 規 則 別 表 第 25 類 における ユニフォーム 及 びストッキング は, 上 記 商 品 及 び 役 務 区 分 解 説 の 記 載 を 併 せ 考 えれば, 野 球 用 のユニフォーム や 柔 道 着 などのように 形 状, 機 能 及 び 品 質 の 面 で 特 殊 なもののみをいい, サッカー, ラグビー 用 のユニフォームのように 汎 用 性 のあるスポーツシャツを 含 まない イ 指 定 商 品 該 当 性 被 告 商 品 1ないし4は,いずれも 形 状, 機 能 及 び 品 質 の 面 で 特 殊 なものと はいえず, 一 般 的 なスポーツシャツにすぎない したがって, 被 告 商 品 1ないし4は, 原 告 商 標 権 の 指 定 商 品 被 服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く) に 該 当 する ウ 被 告 の 反 論 に 対 する 認 否 後 記 ( 2)ウ( 被 告 の 反 論 )( 用 途 )のうち,a(まとめ)は 否 認 し,b( 被 告 パンフレットの 記 載 ),c(チーム 名 等 のマーキング),d( 在 庫 の 常 備 ) 及 びe( 需 要 者 )は 不 知,f( 販 売 場 所 )は 否 認 する 後 記 ( 2)ウ( 機 能 )のうち,a(まとめ)は 否 認 する b( 被 告 商 品 1( 1))のうち,( a)( 模 様 )は 不 知 ただし,シャドーストライプはサ ッカー 用 のゲームシャツだけに 用 いられている 珍 しいデザインではない ( b)( 生 地 の 素 材 )は 不 知 ただし,ポリエステルの 生 地 を 使 用 するのは,スポーツ 用 シャツ 及 びパンツに 共 通 した 特 徴 である ( c)( 首 廻 り)は 不 知 ただし,この 首 廻 りの 形 状 はサッカー 用 のゲームシャツに 特 有 の 特 徴 ではない ( d)(ロゴマークの 位 置 )は 不 知 ただし,ロゴマークの 位 置 によってサッカー 用 のゲームシャツになるもので はない c( 被 告 商 品 1( 2))のうち,( a)( 生 地 の 素 材 )は 不 知 ただし,ポリエステルの 生 地 を 使 用 するのはスポーツシャツに 共 通 した 特 徴 である ( b)( 生 地 の 機 能 )は 不 知 ただし, 吸 水 性 及 び 速 乾 性 はサッカー 用 のゲームシャツだけに 必 要 な 特 性 ではない ( c)( 首 廻 り)の 認 否 は 上 記 b( c)と 同 じ ( d)(ロゴマークの 位 置 )の 認 否 は 上 記 b( d) -6-
と 同 じ d( 被 告 商 品 1( 3))のうち,( a)( 模 様 )の 認 否 は 上 記 b( a)と 同 じ ( b)( 生 地 の 素 材 )の 認 否 は 上 記 b( b)と 同 じ ( c)(ロゴマークの 位 置 )の 認 否 は 上 記 b( d)と 同 じ e( 被 告 商 品 1( 4))のうち,( a)( 生 地 の 素 材 )の 認 否 は 上 記 c( a)と 同 じ ( b)( 生 地 の 機 能 )の 認 否 は 上 記 c( b)と 同 じ インナーシャツは, 野 球 等 を 行 う 場 合 にも 使 用 することができる f( 被 告 商 品 2)のうち,( a)( 模 様 )の 認 否 は 上 記 b( a)と 同 じ ( b)( 生 地 の 素 材 ) の 認 否 は 上 記 b( b)と 同 じ ( c)( 首 廻 り)の 認 否 は 上 記 b( c)と 同 じ ( d)(ロゴマー クの 位 置 )の 認 否 は 上 記 b( d)と 同 じ ( e)( 形 状 )は 不 知 ただし,ボックス 型 は, サッカー 用 の 衣 服 だけに 採 用 されている 形 状 ではない g( 被 告 商 品 3( 1))の 認 否 は 上 記 b( b)と 同 じ h( 被 告 商 品 3( 2))のうち,( a)( 模 様 )の 認 否 は 上 記 b( a)と 同 じ ( b)( 生 地 の 素 材 )の 認 否 は 上 記 b( b)と 同 じ ( c)(ジッパー)は 不 知 ただし,ジッパーの 位 置 が 通 常 の 位 置 と 異 なっていても,サッカー 以 外 の 目 的 で 使 用 することができる i( 被 告 商 品 3( 3))のうち,( a)( 模 様 )の 認 否 は 上 記 b( a)と 同 じ ( b)( 生 地 の 素 材 )の 認 否 は 上 記 b( b)と 同 じ j( 被 告 商 品 3( 4))は 不 知 ただし,スパッツはゴルフ,ボートレース,バスケ ット 等 の 際 にも 使 用 されている k( 被 告 商 品 4)のうち,( a)( 履 き 口 ),( b)( 足 首 の 部 分 ),( c)( 長 さ)は 不 知 た だし,これらのストッキングはサッカー 以 外 にも 使 用 することができる ( 2) 被 告 の 認 否 及 び 反 論 ア 運 動 用 特 殊 衣 服 原 告 の 主 張 ア 及 びは 認 め,(ウ)は 否 認 する 商 標 法 施 行 規 則 別 表 は, 第 25 類 の 運 動 用 特 殊 衣 服 に ユニフォーム 及 びストッキング が 含 まれる 旨 を 定 めている イ 指 定 商 品 該 当 性 -7-
同 イは 否 認 する 後 記 ウのとおり, 被 告 商 品 1ないし4は,サッカーの 試 合 又 は 練 習 でのみ 使 用 される 運 動 用 特 殊 衣 服 に 該 当 する ウ a 被 告 の 反 論 用 途 まとめ 被 告 商 品 1ないし4は, 小 学 生 以 下 のジュニアサッカーチームが 試 合 又 は 練 習 の 際 にユニフォームとして 着 用 することを 用 途 としている b 被 告 パンフレットの 記 載 被 告 商 品 1ないし4が 掲 載 された 被 告 パンフレット( 乙 6)には, 次 の 記 載 がある Jr. SOCCER TEAM WEAR ( 表 紙 及 び4 頁 ないし10 頁 の 下 欄 ), DERBYSTARは サッカー 大 好 きな 少 年 に 対 して サッカーの 本 場 ヨーロ ッパを 背 景 に ドイツ 本 社 の 情 報 に 日 本 独 自 の 機 能 シルエット ディテールを 加 え 独 創 的 で 動 きやすい チームウェアを 提 案 します ダービースターでユニホームを 作 れば 個 性 豊 かなチームに 大 変 身 運 動 性 を 考 え た,サッカーのためのウェア ダービースターでサッカーを 楽 しく 伸 び 伸 びプレイし よう ダービースターのユニホームは 品 質 のサポーターとしてあなたのチームを 応 援 し ます 1 即 納 対 応 主 力 商 品 を 常 備 在 庫 しておりますので 急 なゲームにも 対 応 できます 3 高 品 質 厳 選 された 素 材,カラーを 使 用 しておりますので,ハードなゲームに も 耐 久 性 抜 群 です ( 以 上,2 頁 ないし3 頁 ) c チーム 名 等 のマーキング 被 告 パンフレット 掲 載 の 商 品 は, 商 品 購 入 時 に,チーム 名, 胸 番 号 及 び 背 番 号 をマ ーキングすることができる( 同 11 頁 ) d 在 庫 の 常 備 被 告 パンフレットには, 2 長 期 継 続 ユニホームを 揃 えたが 次 の 年 にはもう 廃 -8-
番,といった 心 配 がありません との 記 載 がある( 同 3 頁 ) このように, 被 告 は, 購 入 チームによりカスタマイズされたユニフォームの 在 庫 を 常 備 しておくシステムを 採 用 している e 需 要 者 被 告 パンフレットに 掲 載 の 商 品 は,チーム 単 位 でまとめて 購 入 される 割 合 が 全 体 の 90パーセントを 超 えている 個 人 が 購 入 する 場 合 も,いったんチーム 単 位 で 購 入 し たユニフォームが 損 傷 等 したため 個 別 に 買 い 換 えることがほとんどである f 販 売 場 所 被 告 製 品 1ないし4は,サッカー 用 品 専 門 店 か, 又 は 総 合 スポーツ 用 品 店 のサッ カーコーナーだけに 置 かれている a 機 能 まとめ 被 告 商 品 1ないし4は,サッカーの 試 合 又 は 練 習 で 要 求 される 機 能, 品 質 及 びデ ザインを 徹 底 的 に 追 求 した 商 品 である b 被 告 商 品 1( 1)(V 首 ゲームシャツ(シャドーストライプ)) () a 模 様 被 告 商 品 1( 1)には, 同 系 統 の 濃 淡 色 が 交 互 に 配 色 された 縞 模 様 であるシャドー ストライプが 施 されている シャドーストライプは,サッカー 用 のユニフォームに 用 いられる 伝 統 的 で 定 番 の デザインである ( b) 生 地 の 素 材 被 告 商 品 1( 1)には,ポリエステル90%, 綿 10%というポリエステルを 高 い 割 合 で 含 む 生 地 が 使 用 されている ポリエステルは, 速 乾 性 及 び 動 きの 激 しいサッカーに 必 要 な 強 度 を 実 現 するのに 適 した 素 材 であり,また,デザインの 面 からもサッカーユニフォームに 適 した 素 材 である -9-
() c 首 廻 り 被 告 商 品 1( 1)の 首 廻 りは, 首 の 前 部 で, 右 側 が 下 に, 左 側 が 上 になるように 重 ねられたV 首 となっている このようなV 首 は,サッカー 用 のゲームシャツとして 着 替 えやすくするための 工 夫 である ( d) ロゴマークの 位 置 被 告 商 品 1( 1)のロゴマークは, 右 胸 部 に 位 置 している これは,サッカー 用 のゲームシャツの 左 胸 にチーム 名 を 入 れるためである c 被 告 商 品 1( 2)(V 首 ゲームシャツ( 切 り 替 え)) る ( a) 生 地 の 素 材 被 告 商 品 1( 2)には, 光 沢 感 のあるポリエステル100%の 生 地 が 使 用 されてい ( b) 生 地 の 機 能 被 告 商 品 1( 2 )には, アクライナー という 吸 水 速 乾 機 能 を 持 った 生 地 が 用 いら れている アクライナー は, 多 量 の 発 汗 を 伴 うサッカーのユニフォームに 適 した 素 材 で ある () c 首 廻 り 上 記 b( c)( 首 廻 り)と 同 じ ( d) ロゴマークの 位 置 上 記 b( d)(ロゴマークの 位 置 )と 同 じ d 被 告 商 品 1( 3)( 衿 付 きゲームシャツ(シャドーストライプ)) () a 模 様 上 記 b( a)( 模 様 )と 同 じ ( b) 生 地 の 素 材 上 記 b( b)( 生 地 の 素 材 )と 同 じ -10-
( c) ロゴマークの 位 置 上 記 b( d)(ロゴマークの 位 置 )と 同 じ e 被 告 商 品 1( 4)(インナーシャツ) ( a) 生 地 の 素 材 上 記 c( a)( 生 地 の 素 材 )と 同 じ ( b) 生 地 の 機 能 上 記 c( b)( 生 地 の 機 能 )と 同 じ f 被 告 商 品 2(V 首 トライアルコート(シャドーストライプ)) () a 模 様 上 記 b( a)( 模 様 )と 同 じ ( b) 生 地 の 素 材 上 記 b( b)( 生 地 の 素 材 )と 同 じ () c 首 廻 り 上 記 b( c)( 首 廻 り)と 同 じ ( d) ロゴマークの 位 置 上 記 b( d)(ロゴマークの 位 置 )と 同 じ () e 形 状 被 告 商 品 2の 形 状 は, 腰 回 りにフライス 等 の 絞 りがなく, 脇 下 から 腰 部 まで 直 線 状 に 下 ろした 形 状 となっているいわゆるボックス 型 である る ボックス 型 は,サッカー 用 のトライアルコートで 採 用 されることの 多 い 形 状 であ g 被 告 商 品 3( 1)(ゲームパンツ) 生 地 の 素 材 について, 上 記 b( b)( 生 地 の 素 材 )と 同 じ h 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ(シャドーストライプ)) () a 模 様 上 記 b( a)( 模 様 )と 同 じ -11-
( b) 生 地 の 素 材 上 記 b( b)( 生 地 の 素 材 )と 同 じ ( c) ジッパー 被 告 商 品 3( 2 )には, 足 首 部 分 にジッパーがある また, そのジッパーは, 後 部 (か かとの 側 )に 付 いている 足 首 部 分 にジッパーがあるのは,スパイクを 着 用 したままでパンツの 着 脱 を 可 能 にするためであり,ジッパーが 後 部 に 付 いているのは,ボールを 蹴 るときにじゃま にならないためである i 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ(シャドーストライプ)) () a 模 様 上 記 b( a)( 模 様 )と 同 じ ( b) 生 地 の 素 材 上 記 b( b)( 生 地 の 素 材 )と 同 じ j 被 告 商 品 3( 4)(スパッツ) る 被 告 商 品 3( 4)には, 縦 方 向 及 び 横 方 向 への 伸 縮 性 に 富 んだ 素 材 が 用 いられてい これは, 選 手 の 筋 肉 を 保 護 し, 擦 過 傷 から 身 体 を 保 護 するためである k 被 告 商 品 4(ストッキング) る () a 履 き 口 被 告 商 品 4の 履 き 口 には, 折 り 返 しが 設 けられている これは,ストッキング 止 めを 落 ちにくくするとともに 見 栄 えをよくするためであ ( b) 足 首 の 部 分 被 告 商 品 4の 足 首 の 部 分 は 絞 られている これは, 選 手 がストッキングの 下 に 着 用 するすね 当 てがずれないようにするため である -12-
() c 長 さ 被 告 商 品 4は, 膝 下 までの 長 さがある これは, 擦 過 傷 を 防 ぐためである 4 争 点 ( 2)( 権 利 行 使 の 制 限 )に 関 する 当 事 者 の 主 張 ( 1) 被 告 の 主 張 ア まとめ 出 願 時 の 事 情 に 基 づく 無 効 理 由 後 記 イ(DERBYSTAR 標 章 の 周 知 性 ) 及 びウ( 出 願 人 の 不 正 の 目 的 )によれ ば, 原 告 商 標 権 には, 商 標 法 4 条 1 項 7 号 又 は19 号 違 反 の 無 効 理 由 が 存 在 し, 同 法 39 条, 特 許 法 104 条 の3により, 原 告 は, 原 告 商 標 権 を 行 使 することができ ない 事 後 的 な 事 情 に 基 づく 権 利 の 濫 用 後 記 イ(DERBYSTAR 標 章 の 周 知 性 ) 及 びウ( 譲 受 人 の 不 正 の 目 的 )によれ ば, 楽 屋 被 服 は, 不 正 の 目 的 をもって 原 告 商 標 権 を 譲 り 受 けたものであり,その 地 位 を 承 継 した 原 告 が 原 告 商 標 権 を 行 使 することは, 権 利 の 濫 用 として 許 されない イ DERBYSTAR 標 章 の 周 知 性 商 標 登 録 等 ダービースター 社 は,スポーツ 用 品, 特 に 皮 製 ボールの 製 造 及 び 販 売 を 目 的 として 設 立 され, 昭 和 38 年 (1963 年 )には 欧 州 各 国 で 被 告 商 標 1と 同 一 の 標 章 ( 以 下 D ERBYSTAR 標 章 という )につき 商 標 登 録 を 受 けた( 乙 27) a サッカーボール 販 売 数 量 ダービースター 社 は, 昭 和 48 年 (1973 年 )から 平 成 16 年 (2004 年 )までの 約 30 年 の 間 に, 約 1500 万 個 から 約 2000 万 個 のボールを 販 売 した b 雑 誌 の 紹 介 記 事 ( a) 学 習 研 究 社 が 平 成 17 年 (2005 年 )4 月 28 日 付 けで 発 行 した 雑 誌 週 刊 -13-
パーゴルフ4 月 28 日 号 別 冊 世 界 のサッカーボール ( 乙 26)の45 頁 右 側 の 解 説 文 には 現 代 サッカーボールの 原 形 となったダービースター と 題 され,その2 段 目 の2 行 目 から, 世 界 で 最 初 に 6 枚 フィン のナチュラルラテックスチューブを 開 発 したメーカーで,サッカーボールの 進 化 を 決 定 づけたメーカーが,ドイツのダービー スター 社 である 日 本 人 初 のプロサッカー 選 手 である, 奥 寺 康 彦 もダービースターの ボールを 使 用 していた ダービースターのボールは 非 常 に 優 秀 で, 多 くのメーカーが ボール 作 りのお 手 本 としているものである との 記 載 がある また, 上 記 雑 誌 の80 頁 には そのすごさは,90 年 代 前 半 の 多 いときでヨーロッ パの65%のチームが 採 用 していたという 実 績 を 持 つことからも 知 られる とにかく ヨーロッパでダービースターといえば 泣 く 子 も 黙 る 存 在 だし,そのトップボールを 持 って 街 を 歩 けば, あんたサッカー 選 手 かね と 声 をかけられることは 間 違 いない そ のくらいの 完 全 最 高 のボールなのである との 記 載 がある ( b) また,ベースボール マガジン 社 が 平 成 7 年 4 月 12 日 付 けで 発 行 した 雑 誌 週 刊 サッカーマガジン には,ダービースター 社 のボールを 使 用 しているサッカー ゲームの 写 真 が 掲 載 されている( 乙 25) c FIFA 公 認 球 ( a) FIFAの 公 認 球 制 度 は, 昭 和 49 年 (1974 年 )のワールドカップ( 西 ド イツで 開 催 )ころに 始 まったのではないかと 推 測 されている サッカーボールがFIF Aから 公 認 を 受 けるということは,ボールとしての 品 質 が 高 く, 多 くのクラブチーム 等 で 使 用 され, 国 際 試 合 での 使 用 に 耐 えるということを 意 味 する ( b) ダービースター 社 の 発 行 するカタログによれば, 古 いもので1976 年 ( 昭 和 51 年 ) 版 のカタログに,FIFA 公 認 と 刻 印 されたボールの 写 真 が 掲 載 されている ( 乙 29の 番 号 1085のボール) ( c) したがって,DERBYSTAR 標 章 を 使 用 したダービースター 社 のボール は, 公 認 球 制 度 が 始 まって 間 もなく 登 録 され, 世 界 を 代 表 するボールとなった d 他 社 へのOEM 供 給 -14-
昭 和 48 年 (1973 年 ) 以 降 に 作 成 された 価 格 表 ( 乙 48ないし51) 及 び1976 年 ( 昭 和 51 年 ) 版 カタログ( 乙 29)に 記 載 されているように,ダービースター 社 は, 世 界 的 に 著 名 なスポーツ 用 品 メーカーであるプーマ 社 にボールをOEM 供 給 していた (ウ) a その 他 のサッカー 用 品 ダービースター 社 のカタログには, 次 のとおり,サッカーボール 以 外 の 製 品 が 記 載 されている 1976 年 ( 昭 和 51 年 ) 版 カタログ キーパー 用 グローブ 及 びすね 当 て( 乙 29), 1983 年 ( 昭 和 58 年 ) 版 カタログ すね 当 て( 乙 31), 1984 年 ( 昭 和 59 年 ) 版 カタログ すね 当 て 及 びサポーター( 乙 32), 1986 年 ( 昭 和 61 年 ) 版 カタログ シャツ 及 びスポーツバッグ( 乙 35), 1986 年 ( 昭 和 61 年 ) 版 カタログ ボールケース( 乙 36), 1987 年 ( 昭 和 62 年 ) 版 カタログ ボールケース( 乙 37), 1995/96 年 ( 平 成 7/8 年 ) 版 カタログ キーパー 用 グローブ,すね 当 て,サポ ーター,スポーツバッグ 及 びビブス( 乙 38), 1996 年 /97 年 ( 平 成 8/9 年 ) 版 カタログから2000/01 年 ( 平 成 12/13 年 ) 版 カタログまで 1995/96 年 ( 平 成 7/8 年 ) 版 のカタログと 同 様 のサッカー 用 品 ( 乙 39ないし42), 2002/03 年 ( 平 成 14/15 年 ) 版 カタログ 更 にTシャツ,スウェットシャツ 及 びポロシャツ( 乙 43), 2003/04 年 ( 平 成 15/16 年 ) 版 カタログ Tシャツ 及 びポロシャツ( 乙 44), 2004/05 年 ( 平 成 16/17 年 ) 版 カタログ 更 にキーパー 用 衣 服 及 びキーパー 用 防 具 ( 乙 45), 2005/06 年 ( 平 成 17/18 年 ) 版 カタログ チームウェア 及 びトレーニングウ ェア( 乙 46,47) b また, 上 記 カタログには, 次 のとおり, 有 名 サッカー 選 手 がDERBYST AR 標 章 の 付 されたウェアやパンツを 着 用 している 写 真 も 掲 載 されている -15-
2000/01 年 ( 平 成 12/13 年 ) 版 カタログ( 乙 41)20 頁 ウォルフガング 選 手, 同 カタログ23 頁 トム シュタルケ 選 手, 同 カタログ25 頁 アンドレアス ヴェッセルス 選 手, 1998/99 年 ( 平 成 10/11 年 ) 版 カタログ( 乙 42)22 頁 及 び25 頁 アンド レアス ヴェッセルス 選 手 (エ) 宣 伝 広 告 ダービースター 社 は, 次 のとおり, 古 くからカタログに 有 名 選 手 の 写 真 を 掲 載 して 宣 伝 広 告 を 行 ってきた 1976 年 ( 昭 和 51 年 ) 版 カタログ( 乙 29) ベルティフォクツ 選 手 ( 元 西 ドイツ 代 表 選 手 で 後 に 代 表 監 督 を 務 めた ), 1986 年 ( 昭 和 61 年 ) 版 カタログ( 乙 36) ウーベラン 選 手 ( 元 西 ドイツ 代 表 選 手 で,1987 年 度 のドイツ 国 内 リーグであるブンデスリーガの 得 点 王 となった ) 及 び ミヒャエル フロンチェク 選 手 ( 元 西 ドイツ 代 表 選 手 ), 1987 年 ( 昭 和 62 年 ) 版 カタログ( 乙 37) ウーベラン 選 手 (オ) プロサッカー 選 手 の 評 価 1976 年 ( 昭 和 51 年 ) 版 カタログ( 乙 29)の 表 紙 では, 前 記 ベルティフォクツが ダービースター 社 のボールを 推 薦 している 1997 年 /98 年 ( 平 成 9/10 年 ) 版 カタログ( 乙 40)の22 頁 には, ダービー スター 社 のゴールキーパー グローブが 経 験 豊 かなゴールキーパーと 一 緒 になって 開 発 され,それ 故, 品 質, 機 能, 実 効 性 は 明 らかであります ゴールキーパーのアン ドレアス ヴェッセルスは, 私 のこれまでのプロ 経 歴 で,ダービースターアムステル ダムほど 優 れたゴールキーパー グローブを 持 ったことがない と 言 っています と の 記 載 がある また,2000/01 年 ( 平 成 12/13 年 ) 版 カタログ( 乙 41)の20 頁 には, 前 記 ウォルフガング 選 手 が, 同 カタログの22 頁 にはホルガー ヒーマン 選 手 が, 同 カ -16-
タログの23 頁 には 前 記 トム シュタルケ 選 手 が,それぞれダービースター 社 のゴー ルキーパー グローブを 賞 賛 するコメントが 記 載 されている さらに,1998/99 年 ( 平 成 10/11 年 ) 版 カタログ( 乙 42)の22 頁 には, 前 記 アンドレアス ヴェッセルス 選 手 が, 同 カタログの24 頁 にはダニエル エシュ バッハ 選 手 が,それぞれダービースター 社 のゴールキーパー グローブを 賞 賛 するコ メントが 記 載 されている (カ) まとめ a DERBYSTAR 標 章 は, 原 告 商 標 権 が 出 願 された 昭 和 44 年 (1969 年 ) 6 月 までに,サッカーボール 及 びサッカーウェアをはじめとするサッカー 用 品,スポ ーツ 用 品 等 を 製 造, 販 売 する 法 人 として, 西 ドイツ 国 内 において 需 要 者 の 間 に 広 く 認 識 されていた b 仮 に,DERBYSTAR 標 章 が 昭 和 44 年 6 月 までに 周 知 性 を 獲 得 してい なかったとしても,DERBYSTAR 標 章 は, 遅 くとも 楽 屋 被 服 が 原 告 商 標 権 を 譲 り 受 けた 昭 和 50 年 11 月 までに 西 ドイツ 国 内 において 周 知 性 を 獲 得 していた ウ a 不 正 の 目 的 出 願 時 の 不 正 の 目 的 出 願 に 係 る 商 標 が1 以 上 の 外 国 において 周 知 な 商 標 と 同 一 又 は 極 めて 類 似 するものであり,かつ,その 周 知 な 商 標 が 造 語 であるか 又 は 構 成 上 顕 著 な 特 徴 を 有 する 場 合, 当 該 出 願 は 不 正 の 目 的 をもって 行 われたものと 事 実 上 推 定 すべきである b DERBYSTAR 標 章 は, ダービー という 固 有 名 詞 及 び スター という 普 通 名 詞 を 組 み 合 わせた 造 語 であり, 原 告 商 標 はこれと 同 一 である c よって, 東 洋 紡 績 は, 不 正 の 目 的 をもって, 原 告 商 標 の 出 願 を 行 ったもの と 推 定 すべきである a 譲 受 時 の 不 正 の 目 的 譲 受 けに 係 る 商 標 が1 以 上 の 外 国 において 周 知 な 商 標 と 同 一 又 は 極 めて 類 似 するものであり,かつ,その 周 知 な 商 標 が 造 語 であるか 又 は 構 成 上 顕 著 な 特 徴 を -17-
有 する 場 合, 当 該 譲 受 人 は 不 正 の 目 的 をもって 当 該 商 標 権 を 譲 り 受 けたものと 事 実 上 推 定 すべきである b 上 記 b( 造 語 )と 同 じ c よって, 楽 屋 被 服 は, 不 正 の 目 的 をもって, 原 告 商 標 権 を 譲 り 受 けたもの と 推 定 すべきである d 楽 屋 被 服 とジーアールエスは, 経 営 者 が 同 一 人 物 であり, 事 業 の 分 割 に 伴 う 事 業 譲 渡 の 際 に 両 者 間 で 形 式 的 に 商 標 権 譲 渡 が 行 われただけであるから,ジーアール エスは, 楽 屋 被 服 の 地 位 を 承 継 している さらに, 原 告 は,ジーアールエスの 地 位 を 包 括 承 継 しているから, 更 にその 地 位 を 承 継 している ( 2) 原 告 の 認 否 及 び 反 論 ア 被 告 の 主 張 ア(まとめ)は 否 認 する イ 同 イ(DERBYSTAR 標 章 の 周 知 性 )のうち,(カ)(まとめ)は 否 認 し, その 余 は 不 知 a 被 告 の 立 証 は,いずれも 昭 和 44 年 6 月 までにDERBYSTAR 標 章 が 西 ドイツ 国 内 において 需 要 者 の 間 に 広 く 認 識 されるようになったことを 基 礎 付 け るものではなく, 他 にDERBYSTAR 標 章 が 同 日 までに 周 知 性 を 獲 得 したと 認 めるに 足 りる 証 拠 はない b 商 工 会 議 所 の 証 明 書 ( 乙 24)は, 本 訴 提 起 後 に 作 成 された 文 書 であり,し かも 需 要 者 の 間 に 広 く 認 識 されていた と 抽 象 的 に 記 載 するのみで 具 体 的 な 事 実 を 記 載 したものではないから,DERBYSTAR 標 章 が 昭 和 44 年 6 月 までに 西 ドイツ 国 内 で 周 知 性 を 獲 得 したことの 裏 付 けとなるものではない (ウ) 被 告 の 立 証 は,いずれも 昭 和 50 年 11 月 までにDERBYSTAR 標 章 が 西 ドイツ 国 内 において 需 要 者 の 間 に 広 く 認 識 されるようになったことを 基 礎 付 け るものではなく, 他 にDERBYSTAR 標 章 が 同 日 までに 周 知 性 を 獲 得 したと 認 めるに 足 りる 証 拠 はない -18-
ウ a 同 ウ( 出 願 時 の 不 正 の 目 的 )は 否 認 する 不 正 の 目 的 は, 外 国 で 周 知 な 他 人 の 商 標 と 同 一 又 は 類 似 の 商 標 が 我 が 国 で 登 録 されていないことを 奇 貨 として, 高 額 で 買 い 取 らせる 目 的 で 先 取 り 的 に 出 願 を した 場 合 や, 外 国 の 権 利 者 の 国 内 参 入 を 阻 止 し, 外 国 の 権 利 者 との 代 理 店 契 約 締 結 を 強 制 する 目 的 で 出 願 をした 場 合 などに 認 められる b 原 告 商 標 の 出 願 当 時,DERBYSTAR 標 章 が 周 知 性 を 獲 得 していなか ったことは, 上 記 イのとおりである c ダービースター 社 は, 原 告 商 標 権 の 登 録 につき, 異 議 申 立 て 及 び 無 効 審 判 請 求 をすることなく, 長 期 間 放 置 してきた d 東 洋 紡 績 は, 原 告 商 標 権 の 出 願 日 から 約 5 年 後 に, 楽 屋 被 服 に 対 し, 原 告 商 標 権 を 常 識 的 な 価 格 で 売 却 した その 間, 東 洋 紡 績 がダービースター 社 と 原 告 商 標 権 の 買 取 り 等 について 交 渉 したことはなかった e ダービー は, 競 争 又 は 首 位 争 いといった 意 味 を 有 する 単 語 であり, ス ター は, 人 気 の 役 者, 歌 手, 運 動 選 手 又 は 花 形 といった 意 味 を 有 する 単 語 であり, 両 者 を 組 み 合 わせることにより, 運 動 選 手 の 花 形 又 は 競 技 のスターといった 観 念 が 生 じるが,ありふれた 単 語 の 組 合 せにすぎず,DERBYSTAR 標 章 を 知 らなけ れば 考 案 することができないものではない f したがって, 東 洋 紡 績 が 不 正 の 目 的 をもって 原 告 商 標 の 出 願 を 行 ったもの であるということはできない 同 ウ( 譲 受 時 の 不 正 の 目 的 )のうち,d( 承 継 )は 認 め,その 余 は 否 認 す る a 楽 屋 被 服 が 原 告 商 標 権 を 譲 り 受 けた 当 時,DERBYSTAR 標 章 が 周 知 性 を 獲 得 していなかったことは 上 記 イ(ウ)のとおりである b 上 記 c( 異 議 申 立 等 の 不 存 在 ) 及 びe( 組 合 せの 容 易 )と 同 じ c 楽 屋 被 服 らは, 原 告 商 標 権 の 取 得 後,ダービースター 社 と 原 告 商 標 権 の 買 取 り 等 について 交 渉 したことはなく, 原 告 商 標 を 使 用 したスポーツウェア 等 を 数 多 -19-
く 販 売 してきた d したがって, 楽 屋 被 服 が 不 正 の 目 的 をもって 原 告 商 標 権 を 取 得 したもので あるということはできない 5 争 点 ( 3)( 損 害 )に 関 する 当 事 者 の 主 張 ( 1) 原 告 の 主 張 ア 新 聞 記 事 の 掲 載 による 損 害 平 成 16 年 2 月 12 日 に 被 告 が 被 告 商 標 1を 使 用 した 商 品 をダービースタ ー 社 からライセンスを 受 け 販 売 を 開 始 するとの 新 聞 記 事 が 出 され( 甲 4),その 後, 被 告 が 実 際 に 販 売 を 開 始 したため,マインスポーツ 株 式 会 社 ( 以 下 マインスポー ツ という )は, 紛 争 に 巻 き 込 まれるのを 避 けるため, 原 告 が 同 社 に 販 売 した 原 告 商 標 を 使 用 したシャツ,パンツ 等 を 返 品 した (ウ) (エ) 返 品 された 商 品 の 代 金 は49 万 8320 円 である 原 告 は, 同 商 品 については, 通 常 28%の 利 益 を 得 ていた よって, 原 告 は,13 万 9530 円 の 得 べかりし 利 益 を 喪 失 し, 同 金 額 の 損 害 を 受 けた 49 万 8320 0.28=13 万 9529.6 イ a 商 標 法 38 条 2 項 の 損 害 売 上 額 被 告 商 品 2(トライアルコート)の 売 上 額 ( a) 被 告 商 品 2の 卸 売 額 は,2520 円 である ( b) 被 告 は, 平 成 16 年 3 月 1 日 から 平 成 18 年 1 月 17 日 までに, 被 告 商 品 2を 少 なくとも3000 着 販 売 した ( c) よって, 被 告 商 品 2の 売 上 額 は,756 万 円 を 下 らない b 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ)の 売 上 額 ( a) 被 告 商 品 3( 2)の 卸 売 額 は,2340 円 である ( b) 被 告 は, 上 記 期 間 中, 被 告 商 品 3( 2)を 少 なくとも3000 着 販 売 した -20-
( c) よって, 被 告 商 品 3( 2)の 売 上 額 は,702 万 円 を 下 らない c 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ)の 売 上 額 ( a) 被 告 商 品 3( 3)の 卸 売 額 は,2040 円 である ( b) 被 告 は, 上 記 期 間 中, 被 告 商 品 3( 3)を 少 なくとも7000 着 販 売 した ( c) よって, 被 告 商 品 3( 3)の 売 上 額 は,1428 万 円 を 下 らない d 売 上 総 額 以 上 より, 被 告 商 品 2, 被 告 商 品 3( 2) 及 び 被 告 商 品 3( 3)の 売 上 総 額 は,288 6 万 円 を 下 らない 利 益 率 被 告 商 品 2, 被 告 商 品 3( 2) 及 び 被 告 商 品 3( 3)の 利 益 率 は,28%である (ウ) 利 益 よって, 被 告 が 上 記 期 間 中 に 被 告 商 品 2,3( 2) 及 び3( 3)の 販 売 により 受 けた 利 益 は,808 万 円 を 下 らない 2886 万 0.28=808 万 0800 (エ) まとめ よって, 原 告 の 損 害 額 は, 商 標 法 38 条 2 項 により808 万 円 と 推 定 される ( 2) 被 告 の 主 張 ア 新 聞 記 事 の 掲 載 による 損 害 原 告 の 主 張 アのうち, 被 告 が 被 告 商 標 を 使 用 した 商 品 をダービースタ ー 社 からライセンスを 受 け 販 売 を 開 始 するとの 新 聞 記 事 が 出 され, 被 告 が 実 際 に 販 売 を 開 始 したことは 認 め,その 余 は 不 知 同 ないし(エ)は 不 知 イ a 商 標 法 38 条 2 項 の 損 害 売 上 額 被 告 商 品 2(トライアルコート)の 売 上 額 原 告 の 主 張 イaは 否 認 する 平 成 16 年 3 月 1 日 から 平 成 18 年 1 月 17 日 -21-
までの 被 告 商 品 2の 売 上 額 は,24 万 3130 円 である b 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ)の 売 上 額 同 bは 否 認 する 上 記 期 間 中 の 被 告 商 品 3( 2)の 売 上 額 は,29 万 2565 円 で ある c 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ)の 売 上 額 同 cは 否 認 する 上 記 期 間 中, 被 告 は, 被 告 商 品 3( 3)を 販 売 していなかった 第 3 (ウ) 原 告 の 主 張 イ( 利 益 率 )は 認 める 同 (ウ)( 利 益 ) 及 び(エ)(まとめ)は 否 認 する 当 裁 判 所 の 判 断 1 争 点 ( 1)( 指 定 商 品 該 当 性 )について ( 1) 運 動 用 特 殊 衣 服 ア 商 品 及 び 役 務 の 区 分 を 定 める 商 標 法 施 行 令 別 表 は, 第 25 類 として 被 服 及 び 履 物 を 定 め, 商 標 法 施 行 規 則 別 表 は, 第 25 類 被 服 中 の 洋 服 に 属 するものと して, イブニングドレス 学 生 服 子 供 服 作 業 服 ジャケット ジョギングパ ンツ スウェットパンツ スーツ スカート スキージャケット スキーズボン ズボン スモック 礼 服 を, 第 25 類 運 動 用 特 殊 衣 服 に 属 するものとして, ア ノラック 空 手 衣 グランドコート 剣 道 衣 柔 道 衣 スキー 競 技 用 衣 服 ヘッド バンド ヤッケ ユニフォーム 及 びストッキング リストバンド を 定 めている 特 許 庁 商 標 課 編 集 に 係 る 商 品 及 び 役 務 区 分 解 説 は, 運 動 用 特 殊 衣 服 につ き, この 概 念 には, スポーツをする 際 に 限 って 着 用 する 特 殊 な 衣 服 が 含 まれる, なお, トレーニングパンツ ランニングシャツ 等 は,スポーツ 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 され, 特 殊 なものでもないことから,この 概 念 にはふくまれず, 本 類 被 服 に 属 する と 説 明 している これらの 規 定 及 び 解 説 を 参 酌 すると, 運 動 用 特 殊 衣 服 とは,スポーツをする 際 に 限 って 着 用 する 特 殊 な 衣 服 のことをいい,サッカー 用 のユニフォームといえるもの は 運 動 用 特 殊 衣 服 に 含 まれると 解 される したがって, 原 告 商 標 権 の 指 定 商 品 被 -22-
服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く) は,このようなスポーツをする 際 に 限 って 着 用 する 特 殊 な 衣 服 を 含 んでいないと 解 される イ 原 告 は, 商 標 法 施 行 規 則 別 表 第 25 類 運 動 用 特 殊 衣 服 中 の ユニフォーム 及 びストッキング は, 野 球 用 のユニフォームや 柔 道 着 などのように 形 状, 機 能 及 び 品 質 の 面 で 特 殊 なもののみをいい,サッカー,ラグビー 用 のユニフォームのよう に 汎 用 性 のあるスポーツシャツは 含 まない 旨 主 張 する しかしながら, 商 標 法 施 行 規 則 別 表 の 運 動 用 特 殊 衣 服 に ユニフォームおよびス トッキング が 掲 げられたのは 昭 和 35 年 であるが,その 後, 平 成 8 年 に 洋 服 につき ジョギングパンツ スウェットパンツ スキージャケット スキーズボン と 定 め, 運 動 用 特 殊 衣 服 につき ユニフォーム 及 びストッキング のほかに, 原 告 が 指 摘 する 柔 道 衣 だけでなく, アノラック 空 手 衣 グランドコート 剣 道 衣 スキー 競 技 用 衣 服 ヘッドバンド ヤッケ リストバンド を 掲 げ, 各 品 目 ごとに 綿 密 な 検 討 が 行 われていることがうかがわれることからすると, ユニフ ォーム 及 びストッキング は,サッカー,ラグビー 用 のものを 含 んでいると 解 され る さらに, 時 代 の 変 遷 とともに 洋 服 と 運 動 用 特 殊 衣 服 との 境 界 が 不 明 確 となり, 従 来 運 動 用 特 殊 衣 服 と 解 されていたものを 洋 服 と 解 する 必 要 が 生 ずる 場 合 があること は 否 定 できない 本 件 に 関 係 するものについても,サッカーのサポーターが 選 手 用 のゲームシャツを 着 て 応 援 したり( 裁 判 所 に 顕 著 な 事 実 ), 商 標 法 施 行 規 則 別 表 で 運 動 用 特 殊 衣 服 に 属 するものとして 例 示 されている グランドコート がファッシ ョンの 一 部 としてオーバーコートのように 使 用 されることが 多 くなっている( 弁 論 の 全 趣 旨 ) しかしながら, 上 記 程 度 の 使 用 態 様 の 変 化 のみでは,サッカー 用 のユ ニフォームに 当 たるものを 洋 服 に 属 するものと 解 することはできない よって, 原 告 の 上 記 主 張 は, 採 用 することができない(なお,このように 解 した としても, 商 品 又 は 役 務 の 類 似 の 判 断 を 適 切 に 行 えば, 登 録 要 件 の 判 断 や 侵 害 の 判 断 において 不 当 な 結 論 に 至 ることはない ) -23-
( 2) 具 体 的 検 討 ア 用 途 甲 4, 乙 6~8 及 び12 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 被 告 の 認 否 及 び 反 論 ウb( 被 告 のパンフレットの 記 載 ),c(チーム 名 等 のマーキング),d( 在 庫 の 常 備 の 記 載 ),e( 需 要 者 ) 及 びf( 販 売 場 所 )の 事 実 が 認 められる ただし, 被 告 の パンフレット 上,チーム 名 等 のマーキングは, 被 告 商 品 1( 1)ないし( 3)(ゲームシ ャツ) 及 び3( 1)(ゲームパンツ)については 明 示 されているが,その 余 の 製 品 につい ても 行 うことができるかは,はっきりしない 以 上 の 事 実 によれば, 被 告 商 品 1ないし4は,いずれも 小 学 生 以 下 のジュニ アサッカーチームのメンバーがサッカーの 試 合 又 は 練 習 の 際 に 着 用 するものとして 販 売 されており, 特 に, 被 告 商 品 1( 1)ないし( 3)(ゲームシャツ) 及 び3( 1)(ゲームパ ンツ)は,チーム 名, 背 番 号 等 がマーキングされ, 試 合 の 際 にユニフォームとして 着 用 されるものとして 販 売 されていることが 認 められる イ 機 能 被 告 商 品 1( 1)(V 首 ゲームシャツ(シャドーストライプ)) 甲 7の1~3, 乙 6,9,10 及 び18~20 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 被 告 の 認 否 及 び 反 論 ウb( a)( 模 様 ),( b)( 生 地 の 素 材 ),( c)( 首 廻 り) 及 び( d)(ロゴ マークの 位 置 )の 事 実 が 認 められる 被 告 商 品 1( 2)(V 首 ゲームシャツ( 切 り 替 え)) 乙 6,9,10,13 及 び18~20, 検 乙 1 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 c( a)( 生 地 の 素 材 ),( b)( 生 地 の 機 能 ),( c)( 首 廻 り) 及 び( d)(ロゴマークの 位 置 )の 事 実 が 認 められる (ウ) 被 告 商 品 1( 3)( 衿 付 きゲームシャツ(シャドーストライプ)) 乙 6, 9, 10 及 び18~20 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 d( a)( 模 様 ),( b) ( 生 地 の 素 材 ) 及 び( c)(ロゴマークの 位 置 )の 事 実 が 認 められる (エ) 被 告 商 品 1( 4)(インナーシャツ) -24-
乙 6, 検 乙 5 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 e( a)( 生 地 の 素 材 ) 及 び( b)( 生 地 の 機 能 )の 事 実 が 認 められる (オ) 被 告 商 品 2(V 首 トライアルコート(シャドーストライプ)) 乙 6, 9, 10 及 び18~20, 検 乙 3 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 f( a)( 模 様 ),( b)( 生 地 の 素 材 ),( c)( 首 廻 り),( d)(ロゴマークの 位 置 ) 及 び( e)( 形 状 )の 事 実 が 認 められる (カ) 被 告 商 品 3( 1)(ゲームパンツ) 乙 6, 検 乙 2 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 g( 生 地 の 素 材 )の 事 実 が 認 められる (キ) 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ(シャドーストライプ)) 乙 6,18 及 び19, 検 乙 4 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 h( a)( 模 様 ),( b) ( 生 地 の 素 材 ) 及 び( c)(ジッパー)の 事 実 が 認 められる (ク) 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ(シャドーストライプ)) 乙 6 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 i( a)( 模 様 ) 及 び( b)( 生 地 の 素 材 )の 事 実 が 認 められる (ケ) 被 告 商 品 3( 4)(スパッツ) 乙 6 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 j( 素 材 )の 事 実 が 認 められる (コ) 被 告 商 品 4(ストッキング) 乙 6 及 び18~20, 検 乙 7 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 k( a)( 履 き 口 ),( b) ( 足 首 の 部 分 ) 及 び( c)( 長 さ)の 事 実 が 認 められる (サ) まとめ 以 上 の 事 実 によれば, 被 告 商 品 1ないし4は,サッカーの 試 合 又 は 練 習 で 使 用 さ れるという 用 途 に 合 致 するように, 素 材 の 選 択 やデザインを 行 った 商 品 であること が 認 められる ウ 判 断 被 告 商 品 1( 1)ないし( 3)(ゲームシャツ) 及 び 被 告 商 品 3( 1)(ゲームパン ツ) -25-
前 記 ア 及 びイに 認 定 の 事 実 によれば, 被 告 商 品 1( 1)ないし( 3)(ゲームシャツ) 及 び 被 告 商 品 3( 1)(ゲームパンツ)は, 正 にユニフォームというべきものであり, 運 動 用 特 殊 衣 服 に 当 たると 認 められる 被 告 商 品 1( 4)(インナーシャツ) 前 記 ア 及 びイに 認 定 の 事 実 によれば, 被 告 商 品 1( 4)は,スポーツで 使 用 される という 用 途 に 合 致 するように 素 材 の 選 択 やデザインを 行 った 商 品 であり,スポーツ 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 されるものとは 認 められないから, 運 動 用 特 殊 衣 服 に 当 た ると 認 めるべきである 原 告 は, 被 告 商 品 1( 4)は 野 球 等 を 行 う 場 合 にも 使 用 することができる 旨 主 張 す るが,スポーツ 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 されると 主 張 するものではないから, 原 告 の 上 記 主 張 は 理 由 がない (ウ) 被 告 商 品 2(トライアルコート), 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ) 及 び 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ) 被 告 商 品 2, 被 告 商 品 3( 2) 及 び 被 告 商 品 3( 3)は, 運 動 用 特 殊 衣 服 には 当 たらな いと 認 めるべきである すなわち, 試 合 そのもので 使 用 されることを 予 定 していない 被 告 商 品 2, 被 告 商 品 3( 2) 及 び 被 告 商 品 3( 3) 自 体 を 商 標 法 施 行 規 則 別 表 が 運 動 用 特 殊 衣 服 の 項 に 掲 げている ユニフォーム に 当 たると 認 めることは, 困 難 である しかも, 前 記 ア 及 びイに 認 定 の 事 実 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば,これらの 商 品 は,サッカーの 試 合 の 待 機 又 は 寒 い 日 の 練 習 の 際 に 使 用 されることを 用 途 とし,それに 合 った 機 能 を 有 するように 素 材 の 選 択 やデザインがされ,チーム 単 位 で 採 用 されることを 予 定 しているものではあるが,それだけでは, 商 標 法 施 行 規 則 別 表 が 洋 服 に 属 する ものとして 挙 げている ジョギングパンツ スウェットパンツ と 差 がないといわ なければならない よって, 被 告 商 品 2, 被 告 商 品 3( 2) 及 び 被 告 商 品 3( 3)については, 運 動 用 特 殊 衣 服 には 当 たらないと 解 さざるを 得 ない -26-
(エ) 被 告 商 品 3( 4)(スパッツ) 前 記 ア 及 びイに 認 定 の 事 実 によれば, 被 告 商 品 3( 4)は,スポーツで 使 用 される という 用 途 に 合 致 するように 素 材 の 選 択 やデザインを 行 った 商 品 であり,スポーツ 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 されるものとは 認 められないから, 運 動 用 特 殊 衣 服 に 当 た ると 認 めるべきである 原 告 は, 被 告 商 品 3( 4)はゴルフ,ボートレース,バスケット 等 の 際 にも 使 用 さ れる 旨 主 張 するが,スポーツ 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 されると 主 張 するものではな いから, 原 告 の 上 記 主 張 は 理 由 がない (オ) 被 告 商 品 4( 1) 及 び( 2)(ストッキング) 前 記 ア 及 びイに 認 定 の 事 実 によれば, 被 告 商 品 4( 1) 及 び( 2)は,サッカーで 使 用 されるという 用 途 に 合 致 するように 素 材 の 選 択 やデザインを 行 った 商 品 であり,サ ッカー 以 外 の 日 常 生 活 でも 使 用 されるものとは 認 められないから, 運 動 用 特 殊 衣 服 に 当 たると 認 めるべきである ( 3) まとめ 以 上 によれば, 被 告 商 品 2(トライアルコート), 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパン ツ) 及 び 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ)は, 原 告 商 標 権 の 指 定 商 品 である 被 服 ( 運 動 用 特 殊 衣 服 を 除 く)に 当 たるが,その 余 の 商 品 は 当 たらない 2 争 点 ( 2)( 権 利 行 使 の 制 限 )について ( 1) 周 知 性 について ア 事 実 認 定 商 標 登 録 等 乙 23,24 及 び27によれば,ダービースター 社 は,スポーツ 用 品, 特 に 皮 製 ボ ールの 製 造 及 び 販 売 を 目 的 として 設 立 され, 昭 和 38 年 (1963 年 )には 欧 州 各 国 で 被 告 商 標 1と 同 一 のDERBYSTAR 標 章 につき, 指 定 商 品 をスポーツ 用 ボール, 特 にサッカー 用 のボールとして 商 標 登 録 を 受 けたことが 認 められる サッカーボール -27-
a b c 被 告 の 主 張 イa( 販 売 数 量 )を 認 めるに 足 りる 的 確 な 証 拠 はない 乙 25 及 び26によれば, 同 b( 雑 誌 の 紹 介 記 事 )の 事 実 が 認 められる 乙 29 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 同 c(fifa 公 認 球 )の 事 実 が 認 めら れる d (ウ) 乙 48~50のよれば, 同 d( 他 社 へのOEM 供 給 )の 事 実 が 認 められる その 他 のサッカー 用 品 等 乙 29,31,32 及 び35~47によれば, 被 告 の 主 張 イ(ウ)(その 他 のサッカ ー 製 品 ),(エ)( 宣 伝 広 告 ) 及 び(オ)(プロサッカー 選 手 の 評 価 )の 事 実 が 認 められる (エ) 商 工 会 議 所 の 証 明 書 乙 24の1( 商 工 会 議 所 の 証 明 書 )には, 昭 和 44 年 6 月 当 時,DERBYSTA R 標 章 は 西 ドイツ 国 内 において 需 要 者 の 間 に 広 く 認 識 されていた 商 標 である 旨 の 記 載 があるが,その 根 拠 となる 具 体 的 事 実 の 裏 付 けを 欠 いているから, 直 ちに 採 用 す ることができない イ 判 断 これらの 事 実 によれば,DERBYSTAR 標 章 は, 昭 和 50 年 11 月 当 時, 西 ドイツ 国 内 において,ダービースター 社 のサッカーボールを 示 す 商 標 として 周 知 で あったことは 認 められるが, 昭 和 44 年 6 月 当 時 にも 同 様 に 周 知 であったとまで 認 めることはできない また,サッカー 用 のユニフォームやトレーニングウエアにつ いては,DERBYSTAR 標 章 は, 昭 和 50 年 11 月 当 時 においても 周 知 であっ たと 認 めることはできない ( 2) 不 正 の 目 的 ア 事 実 認 定 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, ダービー は, 競 争 又 は 首 位 争 いといった 意 味 を 有 する 単 語 であり, スター は, 人 気 の 役 者, 歌 手, 運 動 選 手 又 は 花 形 といっ た 意 味 を 有 する 単 語 であることが 認 められ, 両 者 を 組 み 合 わせることにより 運 動 選 手 の 花 形 又 は 競 技 のスターといった 観 念 が 生 じるが,ありふれた 単 語 の 組 合 せであ -28-
り,DERBYSTAR 標 章 を 知 らなければ 考 案 することができないほどのもので はないと 認 められる 東 洋 紡 績 が 取 得 した 原 告 商 標 権 は, 前 記 のとおり,DERBYSTAR 標 章 の 特 徴 である 星 の 図 形 を 含 んでいないし,サッカーボールではなく, 衣 服 等 を 指 定 商 品 とするものである (ウ) 甲 23~27 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 東 洋 紡 績 から 原 告 商 標 権 を 取 得 した 楽 屋 被 服,その 地 位 を 承 継 したジーアールエス 及 び 原 告 は, 以 後, 学 校 用 衣 料 品 を 中 心 に, 原 告 商 標 を 付 したスポーツウェア 等 を 数 多 く 販 売 してきたことが 認 め られる( 地 位 の 承 継 の 点 は, 当 事 者 間 に 争 いがない ) (エ) 東 洋 紡 績 又 は 楽 屋 被 服,ジーアールエス 若 しくは 原 告 がダービースター 社 と 原 告 商 標 権 の 買 取 り 等 について 交 渉 した 等 の 事 実 は, 被 告 も 主 張 していない イ 判 断 仮 に, 昭 和 44 年 6 月 にDERBYSTAR 標 章 がダービースター 社 のサッカー ボールを 示 すものとして 西 ドイツ 国 内 で 周 知 であったとしても, 上 記 アに 説 示 の 事 実 によれば, 東 洋 紡 績 の 出 願 時 点 である 昭 和 44 年 6 月 において 商 標 法 4 条 1 項 1 9 号 の 不 正 の 目 的 があったものと 認 めることはできない 同 様 の 不 正 の 目 的 は, 楽 屋 被 服 の 譲 受 時 点 においても 認 めることはできない ( 3) まとめ 以 上 によれば, 商 標 法 4 条 1 項 7 号 又 は19 号 違 反 の 無 効 理 由 が 存 在 し, 原 告 は 同 法 39 条, 特 許 法 104 条 の3により 原 告 商 標 権 を 行 使 することができない 旨 及 び 楽 屋 被 服 は 不 正 の 目 的 をもって 原 告 商 標 権 を 譲 り 受 けたものであり,その 承 継 者 で ある 原 告 が 原 告 商 標 権 を 行 使 することは 権 利 の 濫 用 として 許 されない 旨 の 被 告 の 主 張 は,いずれも 採 用 することができない 4 被 告 商 品 5(チェンジタオル)について ( 1) 前 提 事 実 ( 4)ウ(カタログ 掲 載 ),( 5)( 商 標 の 類 似 ) 及 び( 6)( 被 告 商 品 5の 指 定 商 品 該 当 )によれば, 被 告 商 品 5に 被 告 商 標 1 及 び2を 付 する 行 為 等 の 差 止 めを -29-
求 める 原 告 の 請 求 は 理 由 がある 乙 67( 被 告 担 当 者 の 陳 述 書 )には, 被 告 は 被 告 商 品 5の 製 品 化 を 断 念 した 旨 の 記 載 があるが, 暫 定 企 画 書 の 段 階 で 作 成 されたとはいえ, 被 告 の 作 成 したカタログに 被 告 商 品 5が 掲 載 され( 乙 6,67), 被 告 が 原 告 商 標 権 の 登 録 無 効 等 を 主 張 して 侵 害 の 成 否 を 争 っている 以 上, 侵 害 行 為 がされるおそれは 依 然 として 残 っているとい わなければならない ( 2) しかし, 被 告 が 被 告 商 品 5を 製 造 し,その 在 庫 があることの 立 証 はないか ら, 被 告 商 品 5に 係 る 廃 棄 請 求 は 理 由 がない 5 被 告 商 品 2(トライアルコート), 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ) 及 び 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ)について ( 1) 差 止 廃 棄 請 求 前 提 事 実 ( 4)ウ(カタログ 掲 載 ) 及 び( 5)( 商 標 の 類 似 ) 並 び 前 記 1( 2)ウ(ウ) 及 び( 3) によれば, 被 告 商 品 2, 被 告 商 品 3( 2) 及 び 被 告 商 品 3( 3)に 被 告 商 標 1 及 び2を 付 する 行 為 等 の 差 止 め 及 び 廃 棄 を 求 める 原 告 の 請 求 は 理 由 がある ( 2) 新 聞 記 事 の 掲 載 による 損 害 ア 甲 4 及 び5 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 日 本 繊 維 新 聞 は, 平 成 16 年 2 月 12 日, 被 告 が,ダービースター 社 からライセンスを 受 け, 被 告 商 標 1を 使 用 し た 商 品, 具 体 的 には, 同 年 春 からゲームウエア,パンツ,ゴールキーパーやインナ ーを, 同 年 秋 からはトレーニングウエア,ウインドブレーカーを 販 売 する 旨 の 新 聞 記 事 を 掲 載 したこと, 上 記 新 聞 記 事 は,それ 以 上 に, 原 告 の 販 売 する 商 品 がダービ ースター 社 の 商 標 権 を 侵 害 することには 何 ら 言 及 していないこと,その 後, 被 告 が 実 際 に 被 告 商 標 1を 使 用 した 商 品 の 販 売 を 開 始 したため,マインスポーツは, 原 告 の 販 売 する 商 品 がダービースター 社 の 商 標 権 を 侵 害 することになるおそれがあると の 見 解 に 立 って, 紛 争 に 巻 き 込 まれるのを 避 けるため, 原 告 が 同 社 に 販 売 した 原 告 商 標 を 使 用 したシャツ,パンツ 等 を 返 品 した 事 実 が 認 められる( 一 部 は, 当 事 者 間 に 争 いがない ) -30-
イ したがって,マインスポーツが 行 った 原 告 商 標 を 使 用 したシャツ,パンツ 等 の 返 品 による 損 害 は, 上 記 新 聞 記 事 の 掲 載 と 相 当 因 果 関 係 を 有 するものではなく, 原 告 主 張 の 新 聞 記 事 の 掲 載 による 損 害 は, 理 由 がない ( 3) 商 標 法 38 条 2 項 の 損 害 ア 売 上 額 被 告 商 品 2(トライアルコート)の 売 上 額 乙 69 及 び71 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 平 成 16 年 3 月 1 日 から 平 成 18 年 1 月 17 日 までの 被 告 商 品 2の 売 上 額 は, 24 万 3130 円 であると 認 められる 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ)の 売 上 額 乙 69 及 び71 並 びに 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 上 記 期 間 中 の 被 告 商 品 3( 2)の 売 上 額 は,29 万 2565 円 であると 認 められる (ウ) 被 告 商 品 3( 3)(トライアルハーフパンツ)の 売 上 額 被 告 が 上 記 期 間 中 に 被 告 商 品 3( 3)を 販 売 した 事 実 を 認 めるに 足 りる 証 拠 はない かえって, 乙 71 及 び 弁 論 の 全 趣 旨 によれば, 上 記 期 間 中, 被 告 は, 被 告 商 品 3( 3) を 販 売 していなかったことが 認 められる イ 利 益 率 被 告 商 品 2(トライアルコート) 及 び 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ)の 利 益 率 が28%であることは, 当 事 者 間 に 争 いがない ウ 利 益 以 上 より, 被 告 が 平 成 16 年 3 月 1 日 から 平 成 18 年 1 月 17 日 までの 間 に 被 告 商 品 2(トライアルコート) 及 び 被 告 商 品 3( 2)(トライアルパンツ)を 販 売 して 受 け た 利 益 は14 万 9994 円 であると 認 められる (24 万 3130+29 万 2565) 0.28=14 万 9994.6 エ よって, 原 告 の 損 害 額 は, 商 標 法 38 条 2 項 により14 万 9994 円 と 認 められる 6 結 論 -31-
よって, 原 告 の 請 求 は, 被 告 商 品 2,3( 2) 及 び3( 3) 及 び5に 係 る 差 止 め, 被 告 商 品 2,3( 2) 及 び3( 3)に 係 る 廃 棄, 並 びに 損 害 金 14 万 9994 円 及 びこれに 対 する 平 成 18 年 1 月 19 日 から 支 払 済 みまで 年 5 分 の 割 合 による 遅 延 損 害 金 の 支 払 を 求 める 限 度 で 理 由 があるから 認 容 し, その 余 は 理 由 がないから 棄 却 することとし, 主 文 のとおり 判 決 する 東 京 地 方 裁 判 所 民 事 第 40 部 裁 判 長 裁 判 官 市 川 正 巳 裁 判 官 杉 浦 正 樹 裁 判 官 髙 嶋 卓 -32-
( 別 紙 ) 被 告 商 品 目 録 1 シャツ ( 1) MDS-4131(V 首 ゲームシャツ(シャドーストライプ)) ( 2) MDS-4132(V 首 ゲームシャツ( 切 り 替 え)) ( 3) MDS-4133( 衿 付 きゲームシャツ(シャドーストライプ)) ( 4) MDS-4134(インナーシャツ) 2 コート MDW-4052(V 首 トライアルコート(シャドーストライプ)) 3 ズボン 及 びパンツ ( 1) MDF-4141(ゲームパンツ) ( 2) MDW-4061(トライアルパンツ(シャドーストライプ)) ( 3) MDW-4062(トライアルハーフパンツ(シャドーストライプ)) ( 4) MDN-4151(スパッツ) 4 靴 下 ( 1) MDK-4171(ストッキング) ( 2) MDK-4172(ライン 入 りストッキング) 5 タオル ( 1) DZC-4850(チェンジタオル) ( 2) DZC-4851(チェンジタオル) 以 上 -33-
( 別 紙 ) 原 告 商 標 目 録 -34-
( 別 紙 ) 被 告 商 標 目 録 1 2-35-