第 332 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 資 料 番 号 日 付 審 議 事 項 (6)-3 2016 年 3 月 23 日 プロジェクト 項 目 税 効 果 会 計 税 効 果 会 計 に 関 する 開 示 の 検 討 - 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 本 資 料 の 目 的 1. 本 資 料 は 税 効 果 会 計 に 係 る 開 示 に 関 する 論 点 のうち 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 の 要 否 を 検 討 することを 目 的 としている 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 の 検 討 の 経 緯 ( 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 前 の 審 議 ) 2. 平 成 27 年 12 月 28 日 に 公 表 した 企 業 会 計 基 準 適 用 指 針 第 26 号 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 適 用 指 針 ( 以 下 回 収 可 能 性 適 用 指 針 という )の 公 開 草 案 公 表 前 における 審 議 ( 財 務 諸 表 利 用 者 に 対 して 行 ったアウトリーチを 含 む 1 )の 過 程 では ( 分 類 3)に 該 当 する 場 合 の 5 年 を 超 える 部 分 の 開 示 を 開 示 することに 対 するニーズが 聞 かれた この 点 第 308 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 (2015 年 3 月 20 日 ) 及 び 第 17 回 専 門 委 員 会 (2015 年 3 月 17 日 )において 合 理 的 な 説 明 に 関 連 す る 開 示 についての 審 議 が 行 われている 3. この 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 についての 公 開 草 案 前 の 審 議 の 内 容 は 下 記 のよ うにコメント 募 集 の 文 書 に 記 載 している ( 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 におけるコメント 募 集 に 添 付 した 別 紙 2 より 抜 粋 ) 6. 一 方 次 の 項 目 も 財 務 諸 表 利 用 者 から 開 示 を 追 加 する 要 望 が 聞 かれた 主 なものであ るが 開 示 を 求 めることによる 便 益 とコストを 勘 案 し 事 務 局 は 開 示 に 関 する 定 めを 設 けないことを 審 議 において 提 案 している ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 における 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 関 する 開 示 8. 本 公 開 草 案 では ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 においては 臨 時 的 な 原 因 により 生 じ たものを 除 いた 課 税 所 得 が 大 きく 増 減 している 原 因 や 中 長 期 計 画 等 を 勘 案 して 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 においてスケジューリングされた 一 時 差 異 等 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 が 回 収 可 能 であることを 合 理 的 に 説 明 できる 場 合 当 該 繰 延 税 金 資 産 は 回 収 可 能 性 があるものとするとされている ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 が 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 した 場 合 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 と 計 上 根 拠 について 開 示 を 求 める 意 見 が 聞 かれている 一 方 ( 分 類 3)における 5 年 の 見 積 可 能 期 間 は 監 査 委 員 会 報 告 第 66 号 を 踏 襲 し 1 平 成 27 年 3 月 3 日 に 実 施 した -1-
たものであり 必 ずしも 理 屈 の 面 から 定 められたものではないことから 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 と 計 上 根 拠 を 開 示 する 理 由 が 乏 し いこと 結 果 として 企 業 の 分 類 を 開 示 することとなること また 在 外 子 会 社 につ いて 企 業 の 分 類 が 存 在 しないことから 連 結 グループ 全 体 について 適 切 な 理 解 につ ながらない 可 能 性 があると 考 えられる ( 公 開 草 案 のコメント 募 集 の 内 容 ) 4. 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 前 の 審 議 においては 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 注 記 事 項 を 追 加 する 提 案 を 行 わず 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 において 今 後 の 検 討 を 行 うためのニーズをより 適 切 に 把 握 するために 注 記 事 項 に 関 する 質 問 項 目 を 設 けて 下 記 のように 公 開 草 案 の 提 案 に 関 する 注 記 事 項 に 関 して 質 問 し コメントを 募 集 した ( 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 におけるコメント 募 集 より 抜 粋 ) ( 質 問 7-2 本 公 開 草 案 で 提 案 された 内 容 に 伴 う 注 記 事 項 に 関 する 質 問 ) 本 公 開 草 案 で 提 案 された 内 容 ( 例 えば ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 における 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 関 する 取 扱 い や ( 分 類 4)に 係 る 分 類 の 要 件 を 満 たす 企 業 が( 分 類 2) 又 は( 分 類 3)に 該 当 する 取 扱 い など)に 伴 って 追 加 的 に 開 示 するこ とが 望 ましいと 考 えられる 注 記 事 項 がある 場 合 には その 内 容 及 び 理 由 についてご 記 載 ください ( 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 に 寄 せられたコメントの 概 要 ) 5. 合 理 的 な 説 明 に 関 する 開 示 に 関 連 するコメントの 概 要 は 以 下 のとおりである 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 情 報 を 開 示 すべきとのコメント (スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 関 する 注 記 ) (1) スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 について 回 収 可 能 性 があるものとした 場 合 には スケジューリング 可 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 比 べて 将 来 の 解 消 に 係 るリ スクが 高 いと 考 えられる 従 って その 内 容 及 び 理 由 を 開 示 する 必 要 があると 考 え る (5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 関 する 注 記 ) (2) 一 般 的 な 中 期 経 営 計 画 の 期 間 が 3 年 ~5 年 であることを 考 慮 すれば 5 年 超 の 計 上 金 額 と 合 理 的 な 説 明 の 内 容 が 理 解 できる 計 上 根 拠 の 開 示 は 必 須 と 考 えられる それにも 拘 らず ASBJ 事 務 局 が 開 示 の 提 案 を 見 送 った 理 由 には 同 意 できない -2-
(3) 少 なくとも5 年 超 の 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 金 額 と 原 因 となった 一 時 差 異 の 金 額 の 開 示 が 必 要 と 考 える (4) ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 の 収 益 力 は 臨 時 的 な 原 因 により 生 じたものを 除 いた 課 税 所 得 が 大 きく 増 減 している 会 社 であるため 一 般 的 に 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 においてスケジューリングされた 一 時 差 異 等 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に ついて 不 確 実 性 を 伴 うリスクがある そのため 財 務 諸 表 作 成 者 が 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 においてスケジューリングされた 一 時 差 異 等 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 につ いて 回 収 可 能 であると 判 断 した 理 由 を 財 務 諸 表 利 用 者 が 理 解 できるように 5 年 を 超 えて 見 積 可 能 である 根 拠 を 開 示 する 必 要 があると 考 える (( 分 類 4)の 要 件 を 満 たす 企 業 が( 分 類 2) 又 は( 分 類 3)に 該 当 するものとして 取 り 扱 われる 場 合 ) (5) この 提 案 はあくまでも 例 外 的 な 取 扱 いであることを 考 慮 すれば ( 分 類 4)の 要 件 を 満 たすが( 分 類 2)や( 分 類 3)として 取 り 扱 う 企 業 について その 取 り 扱 いを 妥 当 とする 合 理 的 な 説 明 の 内 容 が 理 解 できる 詳 細 な 根 拠 の 開 示 は あくまでも 例 外 的 な 取 扱 いであることを 考 慮 すれば 必 須 であると 考 える (6) ( 分 類 4)の 要 件 を 満 たす 企 業 が( 分 類 2) 又 は( 分 類 3)に 該 当 するものとして 取 り 扱 う 場 合 には 将 来 において5 年 超 にわたり 一 時 差 異 等 加 減 算 前 課 税 所 得 が 安 定 的 に 生 じる 又 は 将 来 においておおむね 3 年 から 5 年 程 度 は 一 時 差 異 等 加 減 算 前 課 税 所 得 が 生 じると 経 営 者 が 判 断 した 根 拠 に 合 理 性 があることを 財 務 諸 表 の 利 用 者 に 対 して 理 解 可 能 にするためには 重 要 な 税 務 上 の 欠 損 金 の 発 生 原 因 の 注 記 を 求 める 必 要 がある 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 は 不 要 とのコメント (7) ( 分 類 3)における 5 年 の 見 積 可 能 期 間 は 理 屈 の 面 から 定 められたものではないこ とから 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 と 計 上 根 拠 を 開 示 する 理 由 が 乏 しい また 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 や 計 上 根 拠 を 開 示 することで 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 の 判 断 過 程 の 一 部 に 過 ぎない 企 業 の 分 類 を 間 接 的 に 示 唆 することに 繋 がり 誤 った 判 断 を 促 す 懸 念 があ る 回 収 可 能 性 適 用 指 針 における 企 業 の 分 類 は 日 本 特 有 のガイダンスにすぎず 企 業 の 分 類 が 存 在 しない 在 外 子 会 社 を 含 む 連 結 グループ 全 体 の 企 業 の 分 類 を 適 切 に 示 すものではない (8) 税 効 果 会 計 基 準 の 趣 旨 から 逸 れた 要 求 であり 国 際 的 に 全 く 理 解 されない 開 示 であ る 斯 様 な 開 示 を 求 めるべきではない -3-
開 示 の 検 討 に 関 する 企 業 会 計 基 準 委 員 会 での 審 議 におけるコメント 6. 公 開 草 案 に 寄 せられたコメントに 加 え 第 329 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 (2016 年 2 月 10 日 開 催 )においては 回 収 可 能 性 適 用 指 針 において 監 査 委 員 会 報 告 第 66 号 から 運 用 が 変 更 された 箇 所 に 関 する 追 加 的 な 開 示 の 検 討 を 先 行 させるべきという コメントがあった 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 の 有 用 性 とコストについての 分 析 7. 以 下 では 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 に 関 する 情 報 の 有 用 性 及 び 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 を 求 める 場 合 のコストに 関 する 検 討 に 分 けて 分 析 を 行 う 有 用 性 に 関 する 判 断 基 準 8. ここで 税 効 果 会 計 に 関 する 開 示 の 有 用 性 について 分 析 を 行 う 際 には 以 下 を 投 資 家 の 意 思 決 定 に 資 するか 否 かの 判 断 基 準 として 検 討 することが 考 えられる 課 税 所 得 に 関 する 将 来 の 不 確 実 性 やリスクが 高 い 状 況 において 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 根 拠 に 関 する 理 解 可 能 性 を 高 めるか 否 か 課 税 所 得 に 関 する 将 来 の 不 確 実 性 やリスクが 高 い 状 況 において 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 予 測 可 能 性 を 高 めるか 否 か 国 際 的 な 会 計 基 準 に 基 づく 財 務 諸 表 との 比 較 可 能 性 の 観 点 から 国 際 的 な 会 計 基 準 において 求 められている 開 示 項 目 か 否 か ただし これは 国 際 的 な 会 計 基 準 における 注 記 事 項 をすべて 導 入 することを 意 味 しない 寄 せられたコメントに 基 づき 新 たに 分 析 すべき 事 項 の 抽 出 9. ここでは 第 3 項 に 記 載 した 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 前 の 審 議 を 基 に 公 開 草 案 に 寄 せられたコメントのうち 新 たに 分 析 すべき 事 項 を 抽 出 する 10. 新 たに 分 析 すべき 事 項 を 抽 出 するにあたっては 寄 せられたコメントについて 公 開 草 案 前 の 審 議 において 分 析 されているかどうかを 検 討 する ( 公 開 草 案 前 の 審 議 において 分 析 した 事 項 ) 第 3 項 の 内 容 ( 寄 せられたコメント) 第 5 項 有 用 性 に 関 する 事 項 有 用 であるとのコメント ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 は 過 去 及 び 当 期 において 課 税 所 得 が 不 安 定 であ ることが 要 件 であり 課 税 所 得 に 関 す る 将 来 の 不 確 実 性 やリスクがある 程 度 存 在 していると 考 えられることか 一 般 的 な 中 期 経 営 計 画 の 期 間 が 3 年 ~ 5 年 であることを 考 慮 すれば 5 年 超 の 計 上 金 額 と 合 理 的 な 説 明 の 内 容 が 理 解 できる 計 上 根 拠 の 開 示 は 必 須 と 考 えられる ( 第 5 項 (2)) -4-
( 公 開 草 案 前 の 審 議 において 分 析 した 事 項 ) 第 3 項 の 内 容 ら 5 年 を 超 える 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 と 計 上 根 拠 を 開 示 す ることは 一 定 程 度 有 用 と 考 えられる ( 寄 せられたコメント) 第 5 項 少 なくとも 5 年 超 の 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 金 額 と 原 因 となっ た 一 時 差 異 の 金 額 の 開 示 が 必 要 と 考 える ( 第 5 項 (3)) ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 の 収 益 力 は 臨 時 的 な 原 因 により 生 じたものを 除 いた 課 税 所 得 が 大 きく 増 減 している 会 社 であるため 一 般 的 に 5 年 を 超 え る 見 積 可 能 期 間 においてスケジュー リングされた 一 時 差 異 等 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 について 不 確 実 性 を 伴 うリスクがある そのため 財 務 諸 表 作 成 者 が 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 においてスケジューリングさ れた 一 時 差 異 等 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 について 回 収 可 能 であると 判 断 した 理 由 を 財 務 諸 表 利 用 者 が 理 解 できる ように 5 年 を 超 えて 見 積 可 能 である 根 拠 を 開 示 する 必 要 があると 考 える ( 第 5 項 (4)) スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 について 回 収 可 能 性 があるも のとした 場 合 には スケジューリング 可 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 比 べて 将 来 の 解 消 に 係 るリスクが 高 いと 考 え られる 従 って その 内 容 及 び 理 由 を 開 示 する 必 要 がある ( 第 5 項 (1)) ( 分 類 4)の 要 件 を 満 たすが( 分 類 2) や( 分 類 3)として 取 り 扱 う 企 業 につ いて その 取 り 扱 いを 妥 当 とする 合 理 的 な 説 明 の 内 容 が 理 解 できる 詳 細 な 根 拠 の 開 示 は あくまでも 例 外 的 な 取 扱 いであることを 考 慮 すれば 必 須 である ( 第 5 項 (5)) ( 分 類 4)の 要 件 を 満 たす 企 業 が( 分 類 2) 又 は( 分 類 3)に 該 当 するもの として 取 り 扱 う 場 合 一 時 差 異 等 加 減 算 前 課 税 所 得 が 生 じると 経 営 者 が 判 断 した 根 拠 に 合 理 性 があることを 財 務 諸 表 の 利 用 者 に 対 して 理 解 可 能 に するためには 重 要 な 税 務 上 の 欠 損 金 の 発 生 原 因 の 注 記 を 求 める 必 要 があ る ( 第 5 項 (6)) -5-
( 公 開 草 案 前 の 審 議 において 分 析 した 事 項 ) 第 3 項 の 内 容 ( 寄 せられたコメント) 第 5 項 有 用 性 に 関 する 事 項 有 用 な 情 報 になるとは 限 らないとのコメント 回 収 可 能 性 適 用 指 針 において( 分 類 3) に 関 して おおむね 5 年 を 合 理 的 な 見 積 可 能 期 間 とする 取 扱 いは 必 ずしも 理 屈 の 面 から 定 められたものではな いため 5 年 を 超 える 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 と 計 上 根 拠 を 開 示 することについて 理 屈 の 面 から 支 持 することは 難 しい 当 該 事 項 を 開 示 することは 結 果 とし て 会 社 分 類 を 開 示 することとなり 適 当 ではない IFRS 又 は 米 国 会 計 基 準 に 従 って 会 計 処 理 を 行 っている 在 外 子 会 社 におい ては 必 要 に 応 じて 見 積 可 能 期 間 を 定 めているケースがあり このような 開 示 は 連 結 グループ 全 体 について 適 切 な 理 解 につながらない 可 能 性 がある ( 分 類 3)における 5 年 の 見 積 可 能 期 間 は 理 屈 の 面 から 定 められたもので はないことから 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 と 計 上 根 拠 を 開 示 する 理 由 が 乏 し い ( 第 5 項 (7)) 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 や 計 上 根 拠 を 開 示 することで 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 の 判 断 過 程 の 一 部 に 過 ぎない 企 業 の 分 類 を 間 接 的 に 示 唆 することに 繋 がり 誤 った 判 断 を 促 す 懸 念 があ る ( 第 5 項 (7)) 回 収 可 能 性 適 用 指 針 における 企 業 の 分 類 は 日 本 特 有 のガイダンスにすぎ ず 企 業 の 分 類 が 存 在 しない 在 外 子 会 社 を 含 む 連 結 グループ 全 体 の 企 業 の 分 類 を 適 切 に 示 すものではない ( 第 5 項 (7)) 税 効 果 会 計 基 準 の 趣 旨 から 逸 れた 要 求 であり 国 際 的 に 全 く 理 解 されない 開 示 である 斯 様 な 開 示 を 求 めるべき ではない ( 第 5 項 (8)) 11. 前 項 の 検 討 から 寄 せられたコメントのうち 公 開 草 案 公 表 前 に 十 分 には 分 析 してい ない 事 項 は 以 下 と 考 えられる (1) スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 は スケジューリング 可 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 比 べて 将 来 の 解 消 に 係 るリスクが 高 いと 考 えられる( 第 5 項 (1)) (2) 5 年 を 超 える 見 積 期 間 については 一 般 的 な 中 期 経 営 計 画 の 期 間 を 超 えた 期 間 であること 及 び 不 確 実 性 を 伴 うリスクがあるため 財 務 諸 表 利 用 者 が 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 した 根 拠 について 理 解 する 必 要 がある( 第 5 項 (2)) -6-
(3) 企 業 が 回 収 可 能 性 適 用 指 針 に 定 める 例 外 的 な 取 扱 いを 適 用 した 場 合 には そ の 取 扱 いを 妥 当 とする 合 理 的 な 説 明 の 内 容 が 理 解 できる 詳 細 な 根 拠 を 開 示 すべきである( 第 5 項 (5)) 以 下 では これらについて 有 用 性 の 分 析 を 行 うこととする (スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 関 する 開 示 の 有 用 性 の 分 析 ( 第 16 項 (1))) 有 用 な 情 報 となる 可 能 性 がある 12. ( 分 類 2)に 該 当 する 企 業 が スケジューリング 不 能 な 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 していることに 関 して 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 も 含 めた 開 示 がなさ れる 場 合 以 下 の 点 で 繰 延 税 金 資 産 についての 理 解 可 能 性 が 高 まると 考 えられる 税 務 上 の 損 金 の 算 入 時 期 が 個 別 に 特 定 できないが 将 来 のいずれかの 時 点 で 損 金 に 算 入 される 可 能 性 が 高 いと 見 込 まれること ( 回 収 可 能 性 適 用 指 針 第 21 項 )に 関 する 説 明 や 将 来 のいずれかの 時 点 で 回 収 できること ( 同 項 )に 関 する 説 明 が 行 われる 場 合 には 原 則 とは 異 なる 取 扱 いにより 繰 延 税 金 資 産 が 計 上 されたことの 理 解 可 能 性 が 高 まる 可 能 性 がある 有 用 な 情 報 とはならない 可 能 性 がある 13. 一 方 で 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 も 含 めた 開 示 がなされる 場 合 以 下 の 点 で 繰 延 税 金 資 産 についての 予 測 可 能 性 の 観 点 から 有 用 な 情 報 とはならない 可 能 性 があると 考 え られる ( 分 類 2)の 企 業 は 臨 時 的 な 原 因 により 生 じたものを 除 いた 課 税 所 得 が 安 定 的 に 生 じており かつ 経 営 環 境 が 近 い 将 来 に 著 しく 変 化 することが 見 込 まれな いため 一 定 程 度 の 課 税 所 得 の 水 準 がもともと 想 定 される 企 業 である そのよ うな 前 提 に 立 つ 場 合 当 該 開 示 がなされなくても 将 来 の 業 績 をある 程 度 予 測 す ることができる 可 能 性 があり 仮 に 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 も 含 めた 開 示 がなされ る 場 合 将 来 の 見 通 しについて 追 加 的 な 情 報 が 提 供 されるかどうかは 必 ずしも 明 らかではなく 繰 延 税 金 資 産 の 予 測 可 能 性 は 高 まらない 可 能 性 がある 連 結 財 務 諸 表 における 有 用 性 の 観 点 から 分 析 すると IFRS 又 は 米 国 会 計 基 準 に 従 って 会 計 処 理 を 行 っている 在 外 子 会 社 においては 企 業 の 分 類 の 判 断 を 行 っ ていないため 合 理 的 な 説 明 に 関 する 定 めを 開 示 したとしても 連 結 グループ を 構 成 する 納 税 主 体 のうち 一 部 については 開 示 ができないこととなり 連 結 グ ループ 全 体 について 適 切 な 理 解 につながらない 可 能 性 がある -7-
14. さらに 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 前 に 審 議 してきているように 合 理 的 な 説 明 に 関 する 取 扱 いは 分 類 に 紐 づく 形 で 定 めているため 当 該 情 報 の 開 示 は 結 果 と して 企 業 の 分 類 を 開 示 することと 同 様 の 効 果 を 有 することとなる そのため 当 該 情 報 の 開 示 の 検 討 は 企 業 の 分 類 に 関 する 情 報 の 検 討 ( 審 議 事 項 (6)-2 参 照 )と 合 わせて 行 う 必 要 があると 考 えられる (5 年 を 超 える 見 積 期 間 について 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 した 根 拠 に 関 する 開 示 の 有 用 性 の 分 析 ( 第 16 項 (2))) 有 用 な 情 報 となる 可 能 性 がある 15. ( 分 類 3)に 該 当 する 企 業 が 5 年 を 超 える 見 積 可 能 期 間 においてスケジューリン グされた 一 時 差 異 等 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 していることに 関 して 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 も 含 めた 開 示 がなされる 場 合 以 下 の 点 で 繰 延 税 金 資 産 についての 理 解 可 能 性 及 び 予 測 可 能 性 が 高 まると 考 えられる 一 般 的 に 課 税 所 得 の 見 積 期 間 がより 長 くなる 場 合 収 益 力 の 不 確 実 性 につい ては その 程 度 の 幅 はあるものの 通 常 はどの 企 業 においても 存 在 するため 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 理 解 可 能 性 及 び 予 測 可 能 性 を 高 める 観 点 からは 5 年 を 超 える 見 積 期 間 について 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 した 根 拠 に 関 する 開 示 を 行 うことは 有 用 な 情 報 を 提 供 する 可 能 性 があると 考 えられる 有 用 な 情 報 とはならない 可 能 性 がある 16. 一 方 で 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 も 含 めた 開 示 がなされる 場 合 以 下 の 点 で 繰 延 税 金 資 産 についての 理 解 が 難 しい 可 能 性 があると 考 えられる ( 分 類 3)の 企 業 は 過 去 (3 年 ) 又 は 当 期 において 課 税 所 得 が 大 きく 増 減 して いる 企 業 であり ( 分 類 3)には 企 業 の 本 来 有 する 課 税 所 得 を 稼 得 する 収 益 力 の 程 度 について 様 々な 企 業 が 含 まれている 一 般 的 に 課 税 所 得 の 見 積 期 間 に 係 る 課 税 所 得 の 稼 得 能 力 の 不 確 実 性 及 び 当 該 情 報 の 有 用 性 は 企 業 の 本 来 有 す る 課 税 所 得 を 稼 得 する 収 益 力 に 依 存 すると 考 えられ 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 等 の 情 報 に 合 わせて 当 該 収 益 力 に 関 連 する 開 示 も 行 わない 場 合 には 当 該 情 報 の 有 用 性 が 判 断 できず 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 理 解 可 能 性 や 予 測 可 能 性 に 関 する 有 用 性 が 限 られる 可 能 性 があると 考 えられる 連 結 財 務 諸 表 における 有 用 性 の 観 点 から 分 析 すると IFRS 又 は 米 国 会 計 基 準 に 従 って 会 計 処 理 を 行 っている 在 外 子 会 社 においては 企 業 の 分 類 の 判 断 を 行 っ ていないため 合 理 的 な 説 明 に 関 する 定 めを 開 示 したとしても 連 結 グループ を 構 成 する 納 税 主 体 のうち 一 部 については 開 示 ができないこととなり 連 結 グ -8-
ループ 全 体 について 適 切 な 理 解 につながらない 可 能 性 がある 17. さらに 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 前 に 審 議 してきているように 合 理 的 な 説 明 に 関 する 取 扱 いは 分 類 に 紐 づく 形 で 定 めているため 当 該 情 報 の 開 示 は 結 果 と して 企 業 の 分 類 を 開 示 することと 同 様 の 効 果 を 有 することとなる そのため 当 該 情 報 の 開 示 の 検 討 は 企 業 の 分 類 に 関 する 情 報 の 検 討 ( 審 議 事 項 (6)-2 参 照 )と 合 わせて 行 う 必 要 があると 考 えられる ( 企 業 が 回 収 可 能 性 適 用 指 針 に 定 める 例 外 的 な 処 理 を 行 った 場 合 の 開 示 に 関 する 有 用 性 の 分 析 ( 第 16 項 (3))) 有 用 な 情 報 となる 可 能 性 がある 18. 企 業 が 合 理 的 な 根 拠 をもって 説 明 し 原 則 とは 異 なる 取 扱 いを 適 用 した 場 合 に そ の 取 扱 いを 妥 当 とする 合 理 的 な 説 明 の 内 容 が 理 解 できる 詳 細 な 根 拠 を 開 示 すべ きという 意 見 を 検 討 するためには いわゆる 反 証 規 定 を 適 用 する 場 合 に 開 示 が 求 め られる 必 要 性 を 検 討 する 必 要 があると 考 えられる 19. ここで 我 が 国 の 会 計 基 準 において 原 則 とは 異 なる 取 扱 いを 適 用 する 場 合 に 一 定 の 開 示 を 求 める 取 扱 いとして 企 業 会 計 基 準 第 8 号 ストック オプション 等 に 関 する 会 計 基 準 ( 以 下 ストック オプション 会 計 基 準 という )における 取 扱 いがある ストック オプション 会 計 基 準 では 自 社 株 式 オプションを 従 業 員 等 に 付 与 する 場 合 基 本 的 には 対 価 性 があるものとした 上 で 自 社 株 式 オプション 又 は 自 社 の 株 式 に 対 価 性 がない 場 合 には その 旨 及 びそのように 判 断 した 理 由 を 開 示 することが 求 められている(ストック オプション 会 計 基 準 第 16 項 (7)) この 趣 旨 は 自 社 株 式 オプションや 交 付 した 自 社 株 式 について 対 価 性 が 推 定 されることが 前 提 とな っており 当 該 推 定 を 覆 すに 足 りるだけの 明 確 な 反 証 が 必 要 と 考 えられ その 反 証 の 内 容 につき 開 示 を 求 めることとしたとされている(ストック オプション 会 計 基 準 第 29 項 ) 国 際 的 な 会 計 基 準 においても 同 様 の 開 示 の 規 定 がある 2 2 国 際 的 な 会 計 基 準 では 旧 IAS 第 22 号 企 業 結 合 において のれんは 20 年 を 超 える 有 効 年 数 をもたな いと 仮 定 され 20 年 以 内 に 償 却 することが 求 められていた( 第 49 項 ) しかし 当 該 過 程 が 反 証 された 場 合 には 20 年 を 超 える 有 効 期 間 で 暖 簾 を 償 却 することが 認 められるとともに 仮 定 が 反 証 される 理 由 及 びの れんの 有 効 年 数 の 決 定 に 重 要 な 役 割 を 果 たした 1 つ 又 は 複 数 の 要 因 を 開 示 することとされていた( 第 50 項 (a) 及 び(c)) 旧 IAS 第 22 号 において のれんの 償 却 期 間 が 20 年 とされ 反 証 時 の 開 示 を 求 めた 理 由 は 明 確 ではない が 企 業 の 全 般 的 な 業 務 計 画 の 見 通 しが 20 年 を 超 えることはないと 思 われること( 第 47 項 (c)) 及 び 多 くの 場 合 無 形 資 産 及 びのれんの 有 効 年 数 が 当 初 認 識 から 20 年 を 超 えると 信 頼 性 をもって 決 定 することは 不 可 能 であろう( 第 52 項 (a))とされている -9-
20. 回 収 可 能 性 適 用 指 針 における 企 業 が 合 理 的 な 根 拠 をもって 説 明 する 取 扱 いは 原 則 的 な 取 扱 いに 対 して 企 業 の 実 態 を 適 切 に 反 映 すると 判 断 される 場 合 に 異 なる 取 扱 いの 余 地 を 認 めるものである このため ストック オプション 会 計 基 準 に 記 載 さ れている 趣 旨 を 鑑 みれば 原 則 の 推 定 を 覆 す 合 理 的 な 根 拠 をもった 説 明 の 内 容 を 開 示 することは 有 用 な 情 報 となる 可 能 性 があると 考 えられる 有 用 な 情 報 とはならない 可 能 性 がある 21. 回 収 可 能 性 適 用 指 針 における 原 則 的 な 定 めと 当 該 定 めと 異 なる 取 扱 いは 企 業 の 属 する 会 社 分 類 に 応 じて 定 められており ( 分 類 2)のように 一 定 程 度 の 課 税 所 得 の 水 準 がもともと 想 定 される 企 業 と( 分 類 4)のように 重 要 な 税 務 上 の 欠 損 金 が 生 じ ている 企 業 とでは 課 税 所 得 を 獲 得 する 収 益 力 が 大 きく 異 なる 可 能 性 があり 課 税 所 得 に 関 する 将 来 の 不 確 実 性 やリスクの 水 準 も 会 社 分 類 に 応 じて 一 様 ではないと 考 えられる 単 に 原 則 と 異 なった 処 理 を 行 っているという 理 由 のみで 一 律 に 開 示 を 求 める 場 合 課 税 所 得 に 関 する 将 来 の 不 確 実 性 やリスクの 水 準 が 異 なる 分 類 によって 情 報 の 有 用 性 も 異 なり 得 る 可 能 性 があるため 財 務 諸 表 利 用 者 に 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 有 用 な 情 報 を 提 供 することにならない 可 能 性 があると 考 えられ る ( 合 理 的 な 説 明 に 関 連 するコストの 分 析 ) 22. 前 項 までに 分 析 した 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 情 報 にかかるコストは 共 通 する 部 分 が 多 いと 考 えられることから 以 下 では これらの 情 報 にかかるコストについて 分 析 を 行 うこととする 合 理 的 な 説 明 に 関 連 するコストに 関 する 分 析 - 相 当 程 度 の 負 担 となる 可 能 性 がある 23. 連 結 グループにおいて 子 会 社 が 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 定 めを 適 用 して 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 した 場 合 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 等 に 関 する 情 報 について 仮 に 親 会 社 が 網 羅 的 に 収 集 する 場 合 子 会 社 が 決 算 において 算 定 した 繰 延 税 金 資 産 の 金 額 のほかに 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 に 関 連 する 情 報 として 経 営 環 境 を 勘 案 して 策 定 されている 将 来 の 経 営 計 画 将 来 の 課 税 所 得 見 積 額 子 会 社 の 事 業 において 過 去 又 は 当 期 に 税 務 上 の 繰 越 欠 損 金 が 生 じた 状 況 やその 理 由 など 様 々な 情 報 を 収 集 する 必 要 があると 考 えられる 子 会 社 を 多 数 保 有 している 企 業 であれば 上 述 したコストは 相 当 程 度 負 担 になる と 考 えられる 合 理 的 な 説 明 に 関 連 するコストに 関 する 分 析 -コストは 必 ずしも 大 きくない 可 能 性 が ある -10-
24. 一 方 で 合 理 的 な 説 明 の 根 拠 等 に 関 する 情 報 は 企 業 が 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 を 判 断 し 財 務 諸 表 を 作 成 するにあたって 各 企 業 において 把 握 している 事 項 であ る すべての 子 会 社 から 情 報 を 収 集 するのではなく 重 要 な 子 会 社 に 限 定 する 場 合 や 何 らかの 集 約 を 図 った 情 報 とする 場 合 には 開 示 にあたって 集 計 するコストや 開 示 資 料 を 作 成 するコストは 必 ずしも 大 きくはない 可 能 性 がある ( 代 替 的 な 情 報 の 検 討 ) 25. 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 情 報 を 開 示 する 場 合 回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 公 開 草 案 前 に 審 議 してきているように 企 業 の 分 類 そのものを 開 示 することと 同 様 の 効 果 を 有 す ることとなる このため ここでは 企 業 の 分 類 そのものを 開 示 することなく 同 様 の 効 果 を 得 られるために 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 情 報 に 代 わるものとして ど のような 開 示 が 考 えられるかについて 検 討 する 26. ここで 回 収 可 能 性 適 用 指 針 では 分 類 に 応 じて 課 税 所 得 の 見 積 期 間 等 に 基 づき 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 額 を 決 定 する 枠 組 みとしている 点 に 着 目 すると 回 収 期 間 ごと の 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 額 を 計 算 できる 場 合 に 回 収 期 間 ごとの 当 該 金 額 が 開 示 されるときには 分 類 そのものが 開 示 されなくても 分 類 を 推 定 で きる 可 能 性 がある また 一 般 的 に 課 税 所 得 の 見 積 期 間 がより 長 くなる 場 合 収 益 力 の 不 確 実 性 に ついては その 程 度 の 幅 はあるものの 通 常 はどの 企 業 においても 存 在 するため 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 関 する 予 測 可 能 性 を 高 める 観 点 からは 一 定 の 年 数 を 超 えた 期 間 の 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 している 場 合 にその 計 上 根 拠 を 開 示 することが 考 えられる これらを 踏 まえると 企 業 の 分 類 にかかわらず 回 収 期 間 ごとの 将 来 減 算 一 時 差 異 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 額 や 一 定 の 年 数 を 超 えた 期 間 を 計 上 している 場 合 にその 計 上 根 拠 を 開 示 することが 考 えられる 27. 一 方 上 記 の 情 報 に 加 えて 経 営 者 による 繰 延 税 金 資 産 の 算 定 根 拠 として 将 来 の 課 税 所 得 等 の 見 積 額 等 が 開 示 されない 場 合 には 個 社 の 課 税 所 得 と 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 額 を 紐 つけて 理 解 することが 困 難 となり 財 務 諸 表 利 用 者 をミスリードする 可 能 性 があると 考 えられる 28. 次 に 以 下 では さらに 別 途 の 代 替 的 な 情 報 を 検 討 する 財 務 諸 表 利 用 者 に 対 するアウトリーチでは 税 務 上 の 欠 損 金 がどの 会 社 で 生 じた かの 情 報 や 税 務 上 の 繰 越 欠 損 金 の 繰 越 期 限 の 情 報 を 求 める 意 見 が 聞 かれたように ( 分 類 4)の 要 件 を 満 たす 企 業 すなわち 税 務 上 の 欠 損 金 が 生 じた 場 合 には 繰 延 -11-
税 金 資 産 の 不 確 実 性 やリスクが 高 いと 考 えられ 繰 延 税 金 資 産 の 理 解 可 能 性 や 予 測 可 能 性 を 高 める 観 点 から 税 務 上 の 欠 損 金 に 関 する 情 報 ニーズは 高 いと 考 えられる これを 踏 まえ 繰 延 税 金 資 産 の 回 収 可 能 性 に 対 して よりリスクが 高 いと 考 えら れる 繰 越 欠 損 金 に 対 して 繰 延 税 金 資 産 を 計 上 している 場 合 第 330 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 及 び 第 31 回 専 門 委 員 会 で 検 討 したように 税 務 上 の 繰 越 欠 損 金 に 関 する 情 報 ( 税 務 上 の 繰 越 欠 損 金 に 係 る 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 金 額 当 該 繰 延 税 金 資 産 の 計 上 根 拠 繰 越 期 限 に 関 する 情 報 等 )が 有 用 となる 可 能 性 があると 考 えられる ( 今 後 の 進 め 方 ) 29. 財 務 諸 表 利 用 者 に 対 するアウトリーチや 公 開 草 案 に 対 するコメントで 聞 かれてい るように 評 価 性 引 当 額 の 増 減 の 内 容 を 理 解 したいというニーズに 対 応 するために は 必 ずしも 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 情 報 が 開 示 されなくとも 例 えば 税 務 上 の 繰 越 欠 損 金 に 係 る 評 価 性 引 当 額 の 情 報 など 他 の 情 報 が 開 示 されることで 繰 延 税 金 資 産 の 理 解 可 能 性 及 び 予 測 可 能 性 が 高 まることも 考 えられる 30. これらを 踏 まえると 合 理 的 な 説 明 に 関 連 する 開 示 の 要 否 について 現 時 点 では 結 論 付 けず 第 329 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 及 び 第 30 回 専 門 委 員 会 で 検 討 した 評 価 性 引 当 額 の 内 訳 や 第 330 回 企 業 会 計 基 準 委 員 会 及 び 第 31 回 専 門 委 員 会 で 検 討 した 税 務 上 の 繰 越 欠 損 金 に 関 する 情 報 に 関 する 議 論 と 合 わせて 結 論 付 ける 必 要 がある ものと 考 えられる ディスカッション ポイント 事 務 局 の 分 析 についてご 意 見 を 伺 いたい 以 上 -12-