73 音 声 指 導 と 英 語 帝 国 主 義 のイデオロギー(1) 川 又 正 之 1.はじめに 川 又 のこれまでの 一 連 の 研 究 ( 川 又 2005 他 )においては 日 本 の 中 学 校 高 等 学 校 の 文 部 科 学 省 検 定 済 英 語 教 科 書 や 歴 代 の 学 習 指 導 要 領 を 言 語 とイデオロギーの 観 点 から 分 析 し 問 題 点 の 指 摘 と 改 善 への 提 言 を 行 っ た 今 回 は 特 に 中 学 校 高 等 学 校 の 英 語 教 育 における 音 声 指 導 に 焦 点 をあて 音 声 指 導 における 英 語 帝 国 主 義 のイデオロギーの 問 題 につい て 次 稿 とあわせて 二 回 にわたって 考 察 を 試 みることにする 現 在 の 音 声 指 導 の 問 題 点 を 英 語 学 的 音 声 学 的 な 視 点 から 分 析 するというよりも む しろ 社 会 言 語 学 的 言 語 思 想 的 な 観 点 から 批 判 的 に 検 討 することになろ う 二 回 にわたる 拙 稿 の 最 終 的 な 目 的 は 今 後 の 音 声 指 導 のあるべき 方 向 性 について 英 語 国 際 語 論 (1) を 踏 まえつつ かつ 英 語 帝 国 主 義 論 (2) の 精 査 にも 耐 え 得 る 具 体 的 な 試 論 を 提 示 することである また 試 論 を 踏 ま えた いわゆる 日 本 式 英 語 の 確 立 の 可 能 性 についても 言 及 したい 第 一 部 となる 本 稿 では 主 に 学 習 指 導 要 領 における 変 種 の 取 扱 いを 取 り 上 げ 考 察 を 試 みることにする 2. 学 習 指 導 要 領 における 変 種 の 取 扱 い (3) まず 学 習 指 導 要 領 において 英 語 の 変 種 がどのように 記 述 されてきた のかを 歴 史 的 な 流 れを 追 って 見 ていくことにする なお 学 習 指 導 要 領 に 基 づいて 作 成 され 中 学 校 高 等 学 校 で 使 用 されている 実 際 の 検 定 済 教 科 書 とその 付 属 音 声 教 材 における 変 種 の 取 扱 いについては 川 又 (1998a, 1999a, 2000a, 2001a)を 参 照 されたい (1) 戦 後 初 期 の 学 習 指 導 要 領 1947( 昭 和 22) 年 3 月 発 行 の 学 習 指 導 要 領 英 語 編 ( 試 案 ) におい ては 附 録 の 箇 所 で イギリスの 音 とアメリカの 音 との 相 違 点 に 注 意 し アメリカの 発 音 に 習 熟 されたい (p. 25)と 述 べられており 米 音 重 視 の 姿 勢 が 打 ち 出 されている また 英 音 と 米 音 の 違 いについても かな
74 りの 量 の 説 明 がなされている 1952( 昭 和 27) 年 3 月 発 行 の 中 学 校 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 外 国 語 科 英 語 編 ( 試 案 ) は 英 語 と 日 本 語 の 両 方 で 書 かれ 合 計 3 巻 759 頁 にもおよぶ 膨 大 なものである 1947 年 版 と 同 様 英 音 と 米 音 の 違 いにつ いても 以 下 のような 説 明 がなされている (カッコは 川 又 による ) (As a corollary of the above considerations,) it is desirable for Japanese students to learn the type of speech used by educated people of either England or America, disregarding what is called the sub-standard type of speech. (p. 65) 教 養 ある 人 々によって 使 用 されるイギリス 英 語 かアメリカ 英 語 を 学 ぶの が 望 ましい としている 1955( 昭 和 30) 年 12 月 発 行 の 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 外 国 語 科 編 においては 以 下 のように 述 べられている 英 語 の 発 音 は 一 般 に 英 国 式 の 発 音 と 米 国 式 の 発 音 とに 区 別 されている が 発 音 の 学 習 指 導 にあたっては 英 国 式 の 発 音 であろうと また 米 国 式 の 発 音 であろうと 標 準 的 な 発 音 を 指 導 する (p. 11) この1955 年 版 までは 文 部 省 発 行 の 形 式 であったが これ 以 降 の 版 からは 正 式 に 文 部 省 告 示 という 形 となる 以 下 中 学 校 と 高 等 学 校 の 場 合 に 分 けて 関 連 する 記 述 を 示 すことにする (2) 中 学 校 の 学 習 指 導 要 領 変 種 については 中 学 校 の 学 習 指 導 要 領 では 言 語 材 料 の 音 声 の 項 で 言 及 されている 以 下 表 にして 記 述 をまとめる 中 学 校 学 習 指 導 要 領 における 変 種 の 記 述 版 内 容 1958( 昭 和 33) 年 告 示 版 発 音 については 現 代 のイギリスまたはアメリカの 標 準 的 な 発 音 によるものとする 1969( 昭 和 44) 年 告 示 版 現 代 のイギリスまたはアメリカの 標 準 的 な 発 音 1977( 昭 和 52) 年 告 示 版 現 代 の 標 準 的 な 発 音 1989( 平 成 元 ) 年 告 示 版 現 代 の 標 準 的 な 発 音 1998( 平 成 10) 年 告 示 版 現 代 の 標 準 的 な 発 音 2008( 平 成 20) 年 告 示 版 現 代 の 標 準 的 な 発 音
75 1958 年 および1969 年 告 示 版 においては 現 代 のイギリスまたはアメリ カの 標 準 的 な 発 音 と 指 導 すべき 変 種 の 地 域 の 限 定 がなされており しか もイギリス 英 語 について 最 初 に 言 及 されているのが 注 意 を 引 く これは 第 二 次 世 界 大 戦 以 前 の 日 本 の 英 語 教 育 が イギリス 英 語 主 体 によるもので あったことを 示 していよう ところが1977 年 版 以 降 は イギリスまたは アメリカの の 部 分 が 消 え 単 に 現 代 の 標 準 的 な 発 音 とのみ 記 される ようになった 現 行 (2008 年 告 示 版 )の 解 説 の 箇 所 では 以 下 のよ うに 述 べられている 現 在 英 語 は 世 界 中 で 広 く 使 用 され その 使 われ 方 も 様 々であり 発 音 や 用 法 など 多 様 性 に 富 んだ 言 語 である その 多 様 性 に 富 んだ 現 代 の 英 語 の 発 音 の 中 で 特 定 の 地 域 やグループの 人 々の 発 音 に 偏 ったり 口 語 的 過 ぎ たりしない いわゆる 標 準 的 な 発 音 を 指 導 するものとする (p. 31) 特 定 の 地 域 やグループの 人 々の 発 音 についての 具 体 的 な 言 及 はなさ れていないが 特 定 の 地 域 についてはインド 英 語 やフィリピン 英 語 等 の 第 二 言 語 としての 英 語 ( 特 定 の)グループ については ( 母 語 として の 英 語 ではあっても)Cockney English や Black English 等 を 示 しているも のと 思 われる 口 語 的 過 ぎたり(しない) というのは wanna や gonna のような 発 音 は 教 育 的 な 見 地 から 教 えない と 考 えられよう 英 語 の 多 様 性 について 一 定 の 理 解 は 示 しつつも 結 局 のところは 英 米 人 の 母 語 話 者 を 前 提 としたRP (Received Pronuncitaion) (4) やGA (General American) (5) 指 向 のものであり 歴 代 の 指 導 要 領 の 姿 勢 を 踏 襲 したものと なっている しかしながら 同 じ 文 部 省 から 発 行 されている 中 学 校 外 国 語 指 導 資 料 英 語 を 聞 くことの 指 導 では 以 下 のような 記 述 も 見 られる (カッコ 内 は 川 又 による ) AET(=Assistant English Teacher)は 英 語 を 母 国 語 とするネイティ ブ スピーカーであるが AET の 話 す 英 語 は 国 によって また 同 じ 国 でも 出 身 の 州 や 地 域 によって 少 しずつ 異 なる 場 合 もあり AET の 英 語 は 多 様 である 国 際 社 会 におけるコミュニケーションの 力 を 培 うには このような 多 様 な 英 語 に 慣 れることが 必 要 であり その 意 味 において AET がそれぞれの 出 身 国 や 地 域 によって 多 少 異 なる 英 語 を 話 すのは 生 徒 にとって 望 ましいと 言 える いろいろな 人 の 英 語 を 進 んで 聞 き 本 当
76 の 聞 いて 理 解 する 力 を 培 うよう 指 導 しなければならない (p. 33) 英 語 の 母 語 話 者 である AET( 現 在 は ALT)については ( 母 語 としての 英 語 の 範 囲 内 ではあっても)その 多 様 性 を 容 認 していこうという 姿 勢 が 感 じられる 学 習 指 導 要 領 の 本 体 では 標 準 性 が 重 視 されているのに 対 し 指 導 資 料 では 多 様 性 を 容 認 する 方 向 性 が 打 ち 出 されているのは 興 味 深 い 対 比 点 であろう この 背 景 には 現 在 の ALT(Assistant Language Teacher) 制 度 の 前 身 に あたる MEF(Monbusho English Fellows)や BETS(British English Teachers)の 制 度 がまず1977( 昭 和 52) 年 から 導 入 され さらに1987( 昭 和 62) 年 には それらを 統 合 発 展 させた JET Program(Japan Exchange and Teaching Program)が 発 足 したことがあげられよう MEF はアメリカ 出 身 者 のみ BETSはイギリス 出 身 者 のみであった が JET Program ではオーストラリアとニュージーランドが 加 わり さら に1988( 昭 和 63) 年 にはカナダ 1989( 平 成 元 ) 年 にはアイルランドが 加 わった 2013( 平 成 25) 年 度 のJET Program の 参 加 者 数 と 出 身 国 は アメリカ2,268 名 カナダ467 名 イギリス375 名 オ-ストラリア278 名 ニュージーランド241 名 その 他 371 名 の 合 計 4,000 名 となっている (6) 中 学 校 高 等 学 校 の 現 場 においては 外 国 語 指 導 主 事 助 手 制 度 の 導 入 に よりさまざまな 国 や 地 域 出 身 の 外 国 人 教 員 を 受 け 入 れる 状 況 となったた め 指 導 要 領 の RP や GA を 基 準 とする 方 針 とは 関 わりなく 現 実 として 多 様 化 がなされた というのが 実 態 に 近 いように 思 われる 先 に 引 用 した 中 学 校 外 国 語 指 導 資 料 英 語 を 聞 くことの 指 導 の 発 行 は1991( 平 成 3) 年 であるが 文 部 ( 科 学 ) 省 としては この 資 料 によって 標 準 性 を 保 持 した 学 習 指 導 要 領 本 体 の 内 容 を 補 足 し 現 実 の 多 様 化 とのバランス を 図 ろうとしたのではなかろうか (3) 高 等 学 校 の 学 習 指 導 要 領 高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 外 国 語 科 ( 英 語 )における 変 種 の 取 扱 いを 中 学 校 の 場 合 と 同 じように 歴 史 的 な 変 遷 を 辿 りながら 見 ていくことにする な お 科 目 ごとに 言 語 材 料 の 指 定 がなされている 場 合 は 科 目 ごとに 分 けて 示 すことにする
77 英 語 A 英 語 B 11960( 昭 和 35) 年 告 示 版 科 目 内 容 (2) 読 むこと (ア) 言 語 材 料 は 現 代 の 標 準 的 な 英 語 とする (2) 読 むこと (ア) 言 語 材 料 は 現 代 の 標 準 的 な 英 語 を 扱 うことを 原 則 とする ( この 版 では 読 むこと においてのみ 上 記 の 記 述 があるだけで 聞 くこと 話 すこと においては 変 種 について 何 も 触 れられていない ) 21970( 昭 和 45) 年 告 示 版 科 目 内 容 初 級 英 語 2 内 容 ア 音 声 (ア) 現 代 のイギリスまたはアメリカの 標 準 的 な 発 音 3 内 容 の 取 り 扱 い (3)なお 語 のつづりは イギリス 式 またはアメリカ 式 に 統 一 して 指 導 するものとする 英 語 A 英 語 B 英 語 会 話 2 内 容 (2)なお 言 語 材 料 は 現 代 の 標 準 的 な 英 語 によるもの とする 英 語 Ⅰ 英 語 Ⅱ 英 語 ⅡA 英 語 ⅡB 英 語 ⅡC 31978( 昭 和 53) 年 告 示 版 科 目 内 容 2 内 容 (2)なお 言 語 材 料 は 現 代 の 標 準 的 な 英 語 によるもの とする 41989( 平 成 元 ) 年 告 示 版 科 目 内 容 英 語 Ⅰ 英 語 Ⅱ オーラル コミュニケー ションA 同 B 同 C リー ディング ライティング 2 内 容 (2)なお 言 語 材 料 は 現 代 の 標 準 的 な 英 語 によるもの とする
78 51999( 平 成 11) 年 告 示 版 科 目 内 容 オーラル コミュニケー ションⅠ オーラル コミュニケー ションⅡ 英 語 Ⅰ 英 語 Ⅱ リーディング ライティング 2 内 容 (3) 言 語 材 料 (ア) 言 語 材 料 は 原 則 として 現 代 の 標 準 的 な 英 語 による こと ただし 様 々な 英 語 が 国 際 的 に 広 くコミュニケーショ ンの 手 段 として 使 われている 実 態 にも 配 慮 すること 2 内 容 (3) 言 語 材 料 (ア) 言 語 材 料 は 現 代 の 標 準 的 な 英 語 によること 62009( 平 成 21) 年 告 示 版 科 目 内 容 コミュニケーション 英 語 3 2に 示 す 言 語 材 料 を 用 いるに 当 たっては 次 の 事 項 に 基 礎 同 Ⅰ 同 Ⅱ 同 Ⅲ 配 慮 するものとする 英 語 表 現 Ⅰ 同 Ⅱ 英 語 ア 現 代 の 標 準 的 な 英 語 によること ただし 様 々な 英 会 話 語 が 国 際 的 に 広 くコミュニケーションの 手 段 として 使 われている 実 態 にも 配 慮 すること 1960 年 告 示 版 から1989 年 告 示 版 まで 流 れを 見 ると 1970 年 告 示 版 の 初 級 英 語 においてのみ 現 代 のイギリスまたはアメリカの 標 準 的 な 発 音 と 変 種 の 地 域 が 明 記 されている また この 版 では つづり につい ても 言 及 されており イギリス 式 またはアメリカ 式 に 統 一 して 指 導 するも のとする としている これはきわめて 珍 しい 記 述 である それ 以 外 の 版 においては 変 種 については 言 語 材 料 の 項 で 現 代 の 標 準 的 な 英 語 と いう 表 記 で 統 一 されている この 現 代 の 標 準 的 な 英 語 の 内 容 に 関 しては たとえば1989 年 告 示 版 では 以 下 のように 述 べられている 現 代 の 英 語 とは 現 在 広 く 国 際 的 に 通 用 している 英 語 を 指 してい る 時 代 を 重 ね 現 代 では 既 に 一 般 に 通 用 しなくなっているものは 言 語 活 動 には 望 ましくない また 標 準 的 な 英 語 とは 広 くコミュニケー ションを 図 るための 国 際 的 に 通 用 する 英 語 を 意 味 し ある 地 域 の 方 言 に 偏 ったり 特 定 の 分 野 に 属 する 人 たちのみが 用 いるような 一 般 性 のない 英 語 ではふさわしくないという 意 味 である これらのことは 発 音 語 句 文 法 表 現 文 体 など 英 語 の 様 々な 点 について 十 分 に 考 慮 することが 望 まれる (p. 26)
79 中 学 校 の 学 習 指 導 要 領 本 体 の 場 合 と 同 じように 結 局 のところは 英 米 人 の 母 語 話 者 を 前 提 としたRPやGA 指 向 のものであることがわかる た だ 中 学 校 の 場 合 発 音 における 標 準 性 のみが 意 識 されているのに 対 し 高 校 では 語 句 文 法 表 現 文 体 に 至 るまで 言 及 されている 点 は 興 味 深 い 指 導 要 領 を 補 足 する 高 等 学 校 外 国 語 指 導 資 料 英 語 を 聞 くこと 及 び 話 すことの 指 導 には 以 下 のような 記 述 が 見 られる ( 下 線 は 川 又 による ) 聞 くことの 指 導 の 到 達 目 標 は 自 然 な 場 面 で 自 然 な 口 調 で 話 された 母 語 話 者 の 発 話 が 理 解 できるようになることである (pp. 61-62) あくまでも 母 語 話 者 の 英 語 が 学 習 対 象 であって 非 母 語 話 者 の 英 語 は 含 まれていないことがわかる 中 学 校 外 国 語 指 導 資 料 英 語 を 聞 くことの 指 導 においては 学 習 指 導 要 領 本 体 とは 異 なり ( 母 語 としての 英 語 の 範 囲 内 ではあっても)その 多 様 性 を 容 認 していこうという 姿 勢 も 示 されて いたのであるが 高 校 の 方 では 指 導 資 料 においても 標 準 性 を 重 視 する 方 針 が 保 持 されていたと 言 える 高 校 の 学 習 指 導 要 領 本 体 に 大 きな 変 化 が 見 られるようになるのは 1999 年 告 示 版 からである この 版 では ただし 様 々な 英 語 が 国 際 的 に 広 くコミュニケーションの 手 段 として 使 われている 実 態 にも 配 慮 するこ と と 変 種 の 多 様 性 を 容 認 する 方 向 性 が 始 めて 打 ち 出 されている こ れについては 解 説 に 以 下 の 説 明 がある 現 代 の 標 準 的 な 英 語 とは 現 在 国 際 的 に 広 く 日 常 的 なコミュニケー ションの 手 段 として 通 用 している 英 語 を 意 味 しており 特 定 の 地 域 や 集 団 においてしか 通 用 しない 方 言 などに 偏 らない 英 語 のことである ただし それらの 英 語 はそれぞれに 標 準 的 ではあるが 同 一 であるわけではなく 様 々な 面 とりわけ 発 音 や 語 彙 の 面 で 多 様 な 違 いを 含 んでいる 特 に オーラル コミュニケーションⅠ では 様 々な 英 語 の 音 声 に 触 れる 可 能 性 が 高 いと 考 えられるため 様 々な 英 語 が 国 際 的 に 広 くコミュニケー ションの 手 段 として 使 われている 実 態 にも 配 慮 すること となっている のである 生 徒 には 様 々な 英 語 があり それらが 国 際 的 に 広 くコミュニ ケーションの 手 段 として 使 われていることに 気 付 かせることによって そ れら 様 々な 種 類 の 英 語 に 対 して 偏 見 を 持 つことのないように 指 導 すること が 大 切 である ただし このことは 多 様 な 英 語 を 生 徒 の 学 習 のモデルと
80 して 提 示 することを 求 めているものではない (pp. 27-28) 特 定 の 地 域 や 集 団 においてしか 通 用 しない 方 言 などに 偏 らない 英 語 というのは これまでの 指 導 要 領 の 記 述 を 踏 襲 するものであるが 現 代 の 標 準 的 な 英 語 について それぞれに 標 準 的 としているのは これまで にはない 大 きな 変 化 であろう この 記 述 には 従 来 RP や GA のみに 限 定 的 に 付 与 されていた 標 準 性 について それ 以 外 の 変 種 についても 容 認 していこうとする 姿 勢 が 感 じられる 容 認 の 範 囲 が 英 語 を 母 語 として 使 用 している 人 々の 範 囲 内 であるのか または 第 二 言 語 あるいは 異 言 語 ( 外 国 語 )として 使 用 および 学 習 している 人 々を 含 むのかは 定 かではないが 多 様 性 に 対 してそれを 肯 定 的 に 捉 えようとしていることは 評 価 できよう また 様 々な 種 類 の 英 語 に 対 して 偏 見 を 持 つことのないように 指 導 する ことが 大 切 である と 教 授 者 の 心 的 態 度 についてまで 踏 み 込 んだ 記 述 がなされたのも 学 習 指 導 要 領 の 歴 史 において 初 めてのことである 英 語 を 教 える 教 員 自 身 もまた さまざまな 変 種 に 対 してそれらを 認 め 受 け 入 れ る 意 識 を 持 つことが 求 められていることになる 生 徒 に 提 示 する 実 際 の 学 習 のモデルについては 抑 制 された 記 述 となっているが アメリカ 英 語 やイ ギリス 英 語 以 外 の 変 種 を 取 り 上 げることを 否 定 したものではない 点 に 注 目 したい なお 現 行 版 (2009 年 告 示 版 )においても 学 習 指 導 要 領 本 体 の 記 述 はほとんどそのまま 受 け 継 がれているが 解 説 の 記 述 が1999 年 告 示 版 よりもかなり 量 的 に 縮 小 し 内 容 的 にもやや 後 退 したように 感 じられるの は 残 念 である (4) 学 習 指 導 要 領 における 変 種 の 取 扱 い-まとめ これまで 中 学 校 および 高 等 学 校 の 学 習 指 導 要 領 における 英 語 の 変 種 の 取 扱 いについて 歴 史 的 な 変 遷 を 概 観 してきた 中 学 校 の 場 合 指 導 要 領 本 体 においては 基 本 的 には 標 準 性 を 重 視 しながら それを 補 足 する 外 国 語 指 導 資 料 においては ( 母 語 話 者 の 範 囲 内 ではあるが) 多 様 性 をある 程 度 容 認 する 方 向 性 が 打 ち 出 されていることがわかった 高 等 学 校 の 場 合 1999 年 告 示 版 以 前 の 版 においては 指 導 要 領 本 体 および 指 導 資 料 のいず れにおいても 母 語 話 者 特 にRP やGAを 中 心 とする 標 準 英 語 話 者 を 前 提 と した 記 述 であったが 1999 年 告 示 版 において はじめて 非 母 語 話 者 の 英 語 を 含 む 多 様 な 英 語 を 容 認 する 方 針 が 明 文 化 された 2009 年 告 示 版 では 内 容 的 にやや 後 退 した 感 があるが 全 体 としては 中 学 高 校 とも 標 準 性
81 を 基 本 としながらも 多 様 性 を 容 認 する 方 向 に 変 化 しつつあると 言 ってよい だろう ただ この 流 れが 継 続 されていくことになるかどうかについては 不 確 定 であり 今 後 も 注 視 していく 必 要 があろう 3. 変 種 の 標 準 性 と 多 様 性 - 学 習 指 導 要 領 が 示 すべき 指 針 とは これまでの 学 習 指 導 要 領 においては アメリカ 英 語 とイギリス 英 語 特 に GA やRPといった 英 語 母 語 話 者 の 変 種 が いわゆる 標 準 英 語 (Standard English) すなわち 教 育 のモデルとして 考 えられてきたことは 先 に 述 べた また 1999 年 告 示 版 においては はじめて 非 母 語 話 者 の 英 語 を 含 む 多 様 な 英 語 を 容 認 する 方 針 が 明 文 化 されたことも 取 り 上 げた 英 語 のモデルについて Prator(1968)は 以 下 のように 述 べている the heretical tenet I feel must take exception to is the idea that it is best, in a country where English is not spoken natively but is widely used as a medium of instruction, to set up the local variety of English as the ultimate model to be imitated by those learning the language. (p. 459) 英 語 のモデルは 英 米 の 母 語 話 者 を 規 範 にすべきであり 英 語 が 第 二 言 語 として 使 われているような 場 合 であっても 現 地 の 英 語 は 認 めない とい う 立 場 である これは 標 準 性 を 堅 持 する 考 え 方 であると 言 えよう それに 対 し Kachru(1979)は 以 下 のように 主 張 している It is obvious that in the Third World Countries the choice of functions and models of English has to be determined on a pragmatic basis, keeping in view the local conditions and needs. It will, therefore, be appropriate that the native speakers of English abandon the attitude of linguistic chauvinism and replace it with an attitude of linguistic tolerance. The strength of the English language is in presenting the Americanness in its American variety, and the Englishness in its British variety. Let us therefore, appreciate and encourage the Third World varieties of English too. (pp. 8-9) 英 語 のモデルはそれを 使 用 する 現 地 の 人 々の 必 要 性 や その 地 域 で 英 語 の 果 たしている 役 割 によって 決 められるベきであり 英 米 の 母 語 話 者 によ る 基 準 を 押 し 付 けるのではなく 現 地 の 人 々の 変 種 をきちんと 認 めるべき であると 述 べている これは 多 様 性 を 積 極 的 に 容 認 していこうとする
82 立 場 であると 考 えてよいだろう 以 下 この 両 者 の 主 張 を 英 語 帝 国 主 義 の イデオロギーの 観 点 から 検 討 していく 川 又 (1998b)は 英 語 帝 国 主 義 を 以 下 のように 定 義 している 英 語 を 何 の 疑 いもなく 人 類 の 普 遍 語 としてとらえ 英 語 の 非 母 語 話 者 に 意 識 的 にあるいは 無 意 識 的 に 英 語 の 使 用 および 英 語 文 化 への 同 化 を 強 制 するイデオロギ- (p. 3) Prator の 考 え 方 は 英 語 を 使 用 する 際 は 英 米 の 母 語 話 者 のように と いうもので 標 準 性 の 基 準 をあくまで 英 米 の 母 語 話 者 におくものであり きわめて 英 語 帝 国 主 義 的 な 考 え 方 と 指 摘 できよう これは 田 中 (1993, p.43)の 言 う 一 方 の 話 者 だけに 言 語 能 力 のあらゆる 側 面 を 全 面 的 に 要 求 する 不 平 等 条 約 の 言 語 版 とも 重 なるものである しかしながら 学 習 指 導 要 領 の 本 体 は 英 米 の 母 語 話 者 を 到 達 目 標 とする この 考 え 方 が 強 い 前 提 となっており 現 行 版 も 基 本 的 には 標 準 性 を 堅 持 す る 記 述 となっている 鈴 木 (1999)は 日 本 人 の 英 語 教 員 の 一 般 的 な 意 識 について 以 下 のよ うに 述 べている ただ 問 題 なのは この 人 たちは 英 米 の 英 語 こそが 本 当 の 正 しい 英 語 で それが 旧 植 民 地 などでは 崩 れた 形 で 用 いられていると 考 えていることで す 世 界 にはいろいろな 英 語 (Englishes)が 存 在 することは 認 めても そ こに 英 米 の 英 語 を 頂 点 とする 一 種 の 上 下 感 覚 にもとづく 序 列 を 持 ちこん で 価 値 や 美 しさの 点 では 優 劣 があるという 受 け 止 め 方 をしているので す (p. 58) このような 英 語 教 員 の 意 識 もまた 英 米 の 母 語 話 者 を 最 終 的 な 到 達 目 標 とする 歴 代 の 学 習 指 導 要 領 が 作 り 出 してきた 負 の 側 面 と 言 ってよいのでは なかろうか 教 える 教 員 自 身 が アングロ サクソン 崇 拝 主 義 を 脱 し 意 識 の 自 己 植 民 地 化 (7) を 改 革 しなければ 教 わる 生 徒 たちの 状 況 はい つまでも 変 わらないことになる ただ 1999 年 の 告 示 版 には 特 にその 解 説 の 項 で Kachru の 主 張 を 踏 まえたと 思 われる 多 様 性 容 認 の 方 向 も 打 ち 出 された その 背 景 には 英 語 を 英 語 民 族 の 占 有 物 としてではなく 人 類 の 共 通 言 語 として とらえ さまざまな 種 類 の 英 語 を 正 当 なものとして 評 価 しようとする 姿 勢
83 が 感 じられる 英 語 の 役 割 が 英 米 人 の 母 語 から むしろ 世 界 のさまざまな 民 族 間 や 地 域 においてコミュニケーションの 手 段 として 広 範 囲 に 使 用 され るようになった 現 在 学 習 指 導 要 領 に 求 められるのは 従 来 の 厳 格 な 母 語 話 者 規 範 主 義 ではなく 現 実 に 即 した 新 しい 方 針 を 積 極 的 に 提 示 し それ を 教 育 の 現 場 に 普 及 せしめることではないだろうか このことについて は さらに 掘 り 下 げて 次 稿 であらためて 取 り 上 げたい しかしながら 一 方 で 津 田 (1990)は このような 国 際 英 語 論 の 脱 英 米 文 化 志 向 を 評 価 しつつも あまりにも 現 状 肯 定 的 な 発 想 であるこ とを 批 判 し ある 特 定 の 民 族 語 (つまり 英 語 )を 果 たして 国 際 共 通 語 (あるいは 国 際 補 助 語 )にしていいのかどうか (p. 68)という 本 質 的 な 問 題 点 が 見 落 とされている としている また 言 語 は 単 なるコミュニ ケーションの 手 段 ではなく 政 治 権 力 イデオロギーとも 直 結 してお り ある 民 族 語 が 国 際 語 として 認 定 されることは コミュニケーション の 不 平 等 を 生 み 出 すばかりか 国 際 政 治 経 済 文 化 に 差 別 構 造 をもたら す 大 問 題 なのである (p. 69)とも 指 摘 している こういった 津 田 の 批 判 に 応 えるものとして 川 又 (2014)では 英 語 以 外 の 異 言 語 教 育 について 具 体 的 な 提 案 を 行 っている また 川 又 (2013, p. 170)では 英 語 国 際 語 論 と 英 語 帝 国 主 義 論 の 両 者 を 踏 まえた 上 で 英 語 教 育 を 含 む 異 言 語 教 育 について 以 下 の 三 つの 視 点 を 提 示 している 以 下 それを 再 掲 する (1) 国 際 語 としての 英 語 の 持 つ 危 険 性 を 十 分 に 意 識 しながら それぞ れの 母 語 や 文 化 を 認 め 尊 重 し 合 い 対 等 で 公 平 な 相 互 コミュニケーション の 環 境 を 協 力 して 作 り 上 げていく (2) 言 語 を 単 なるコミュニケーションの 道 具 としてではなく 民 族 のアイ デンティティや 思 想 の 根 幹 をなすものととらえる 意 識 を 持 つ (3) 教 育 の 究 極 の 目 的 は 人 間 形 成 人 格 形 成 にあり 異 言 語 教 育 も 当 然 その 目 的 に 則 して 行 わなければならないことを 再 認 識 する 次 稿 では 上 記 の 視 点 を 踏 まえた 具 体 的 な 音 声 指 導 の 在 り 方 と 日 本 英 語 の 体 系 化 の 可 能 性 について 取 り 上 げたい
84 注 (1) 英 語 を 世 界 の 諸 民 族 の 共 通 言 語 としてとらえ それぞれの 民 族 の 使 用 する 英 語 の 変 種 を 積 極 的 に 認 め 受 け 入 れていこうとする 考 え 方 詳 しくは 川 又 (2013, pp. 157-160) 等 を 参 照 (2) 英 語 が 国 際 語 として 使 用 されることによって 引 き 起 こされる 言 語 差 別 や 支 配 につ いて 批 判 的 に 検 証 し より 対 等 で 平 等 なコミュニケーションの 在 り 方 をめざす 学 説 詳 しくは 川 又 (2013, pp. 160-163) 等 を 参 照 (3) 本 節 の 記 述 は 川 又 (2002, pp. 179-186)に 大 幅 な 加 筆 修 正 を 施 したものであ る (4) RP (Received Pronunciation) とは 英 国 ロンドンを 中 心 とした 地 域 の 教 養 ある 人 の 話 す 英 語 のことで ラジオやテレビの 放 送 にも 用 いられる 変 種 である ただし Trudgill and Hannah (1994, p. 4)によれば イングランドで RP を 母 語 として 実 際 に 使 用 する 人 は3%から5% に 過 ぎないことが 指 摘 されている (5) 米 国 では 英 国 に 見 られるような 全 国 的 な 標 準 発 音 というものはなく 東 部 型 (Eastern) 中 西 部 型 (Midwestern) 南 部 型 (Southern) の 大 きく 三 つに 分 けら れる そのうち 中 西 部 型 (Midwestern) は 面 積 にして 米 国 本 土 の4 分 の3 人 口 にして3 分 の2を 占 め 代 表 的 な 米 国 発 音 とされていて GA (General American) と 呼 ばれる (6) 文 部 科 学 省 (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/shiryo/_ icsfiles/afieldfile/2014/06/30/1348956_02.pdf)のデータによる (2014 年 11 月 27 日 ) (7) 津 田 (2003, p. 165) は 言 葉 を 使 うに 当 たって 英 語 という 権 力 語 に 傾 倒 同 一 化 し 母 語 自 文 化 を 軽 視 する 意 識 態 度 行 動 等 と 定 義 している 引 用 参 考 文 献 川 又 正 之 1998a. 非 母 語 話 者 の 英 語 - 中 学 校 英 語 教 科 書 における 変 種 の 取 扱 い について 外 国 語 教 育 論 集 第 20 号,pp. 39-47. 筑 波 大 学 外 国 語 センター 川 又 正 之 1998b. 多 言 語 多 文 化 主 義 をめざして 関 東 甲 信 越 英 語 教 育 学 会 ニュー スレター pp. 3-4. 関 東 甲 信 越 英 語 教 育 学 会 川 又 正 之 1999a. 非 母 語 話 者 の 英 語 (2) - 高 等 学 校 オーラル コミュニケーション A の 教 科 書 における 変 種 の 取 扱 いについて 外 国 語 教 育 論 集 第 21 号, pp. 49-80. 筑 波 大 学 外 国 語 センター 川 又 正 之 1999b. 民 族 語 から 族 際 補 助 語 としての 英 語 へ- 新 しい 英 語 の 役 割 と 日 本 の 英 語 教 育 カリタス 女 子 短 期 大 学 紀 要 CARITAS 第 33 号, pp.70-80. カリタス 女 子 短 期 大 学 川 又 正 之 2000a. 非 母 語 話 者 の 英 語 (3) - 高 等 学 校 オーラル コミュニケーション B の 教 科 書 における 変 種 の 取 扱 いについて 外 国 語 教 育 論 集 第 22 号, pp. 17-46. 筑 波 大 学 外 国 語 センター 川 又 正 之 2000b. 言 語 とイデオロギ-: 英 語 帝 国 主 義 を 考 える 関 東 甲 信 越 英 語 教 育 学 会 ニュ-スレター pp. 5-6. 関 東 甲 信 越 英 語 教 育 学 会 川 又 正 之 2001a. 非 母 語 話 者 の 英 語 (4) -ESL/EFL 教 材 における 変 種 の 取 扱 い について 外 国 語 教 育 論 集 第 23 号,pp. 95-119. 筑 波 大 学 外 国 語 センター
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