ふくい 統 計 リポート 平 成 27 年 3 月 31 日 No.11 家 計 調 査 から 見 る 井 のすが はじめに 近 年 一 昔 前 に 比 べて 県 民 性 を 取 りあげる 番 組 や 書 物 を 目 にすることが 多 くなっ 地 元 では 当 り 前 のことが 一 歩 外 に 出 ると 当 り 前 ではない 県 外 外 あるいは 国 外 に 出 てはじめて 地 元 ならではの 生 活 文 化 や 食 文 化 に 気 づくこともしばしばあるのではない だろうか 郷 に 入 れば 郷 に 従 え ということわざもあり 自 分 の 生 活 圏 から 外 へ 出 ると そこでは 必 ず 新 しい 文 化 と 出 会 うことになる 今 回 の 統 計 リポートでは そういっ 文 化 の 違 いについて 道 府 県 庁 所 在 別 という 枠 組 みで 井 の 特 徴 を 全 国 で 実 施 されている 家 計 調 査 を 用 いて 見 ていく 家 計 調 査 とは まずはこのリポートで 主 に 使 用 する 家 計 調 査 の 内 容 について 説 明 する 家 計 調 査 とは 国 民 生 活 における 家 計 収 支 の 実 態 を 明 らかにし 国 の 経 済 政 策 社 会 政 策 の 立 案 のめの 基 礎 資 料 を 得 ることを 目 標 とする 調 査 である 調 査 の 対 象 は 学 生 の 単 身 世 帯 を 除 い 全 国 の 全 世 帯 であるが 外 国 人 世 帯 料 理 飲 食 店 旅 館 まは 下 宿 屋 を 営 む 併 用 住 宅 の 世 帯 など 収 支 を 正 確 に 測 ることが 難 しい 等 の 理 由 から 一 部 の 世 帯 を 除 外 している 調 査 の 方 法 としては 学 生 の 単 身 世 帯 等 を 除 い 全 国 の 世 帯 から 抽 出 し 選 定 し 約 9, 世 帯 を 調 査 し その 結 果 から 全 国 の 世 帯 の 家 計 収 支 を 推 定 する 標 本 調 査 である ま 家 計 調 査 では 道 府 県 別 に 表 章 するように 標 本 設 計 を 行 っておらず 標 本 規 模 も 小 さいことなどにより 全 国 結 果 に 比 べ 結 果 精 度 が 十 分 に 確 保 できないとみられることか ら 今 回 のリポートでは 年 平 均 や 複 数 年 平 均 を 利 用 する 生 活 の 豊 かさの 度 合 い~エンゲル 係 数 ~ エンゲル 係 数 とは 生 活 水 準 の 高 低 を 表 す 指 標 として 用 いられ 一 般 にエンゲル 係 数 が 低 いほど 生 活 水 準 が 高 いとされている 家 計 調 査 においては 下 記 のとおり 2つの 項 目 か らエンゲル 係 数 を 算 出 している エンゲル 係 数 = 食 費 / 消 費 支 出 1 1 エンゲル 係 数 が 低 いほど 生 活 水 準 が 高 いというのは 1の 数 式 上 で 分 子 の 食 費 が 少 なく なる あるいは 分 母 の 消 費 支 出 が 大 きくなることが 要 因 である 食 費 は 生 命 維 持 には 欠 かせないものであり 他 の 嗜 好 品 に 比 べ 極 端 に 節 約 するのが 困 難 であるめ 1の 数 式 上 1
食 費 が 少 なくなるよりも 消 費 支 出 が 大 きくなることが 影 響 する つまり 消 費 支 出 が 大 き い= 食 費 以 外 に 使 えるお 金 が 多 い ことから 生 活 水 準 の 高 低 を 表 す 指 標 として 用 いられる のである 図 1 道 府 県 庁 所 在 別 の 消 費 支 出 と 食 料 費 ( 平 成 26 年 平 均 二 人 以 上 の 世 帯 のうち 勤 労 者 世 帯 ) 4 35 3 25 2 15 1 5 千 円 34,4 円 71,7 円 富 金 宇 京 東 さ 徳 奈 前 長 名 高 甲 広 水 静 鹿 大 仙 津 和 千 横 大 神 新 熊 長 高 盛 松 佐 札 岐 大 鳥 秋 宮 松 青 那 沢 京 い 良 橋 野 古 知 形 府 戸 児 津 台 歌 葉 浜 分 戸 潟 口 本 崎 松 井 江 賀 幌 阜 阪 取 田 崎 森 覇 宮 屋 区 ま 部 消 費 支 出 食 料 では 実 際 に 道 府 県 庁 所 在 別 のエンゲル 係 数 と 井 の 推 移 状 況 についてみていき い 図 1は 各 道 府 県 庁 所 在 の 消 費 支 出 および 食 料 費 を 消 費 支 出 の 多 い 順 に 並 べ 替 えものである 井 の 消 費 支 出 は 全 国 36 番 目 で 34,4 円 であり 食 糧 費 は 71,7 円 で 全 国 2 番 目 であっ この 数 値 を 用 いて 作 成 しのが 図 2のエンゲル 係 数 である 図 2をみると 2 位 京 3 位 大 阪 府 など 大 圏 に 次 いで11 番 目 であり エンゲル 係 数 の 定 義 によれば 全 国 に 比 べると 生 活 の 質 はやや 低 いということになる だし 図 3 のとおり 地 方 よりも 大 圏 の 方 が 外 食 費 への 出 費 が 比 較 的 大 きいめ エンゲル 係 数 が 高 くても 生 活 の 質 が 低 いとは 限 らない ま 近 年 の 傾 向 では 支 出 に 占 める 固 定 費 ( 住 居 や 光 熱 水 道 等 )や 他 の 支 出 が 多 いと 食 費 が 削 られるめ エンゲル 係 数 が 低 くなると いうエンゲル 係 数 の 逆 転 現 象 が 起 きる 場 合 がある 2
3 図 2 道 府 県 庁 所 在 別 のエンゲル 係 数 ( 平 成 26 年 平 均 二 人 以 上 の 世 帯 のうち 勤 労 者 世 帯 ) 図 3 道 府 県 庁 所 在 別 の 外 食 費 ( 平 成 24~26 年 の 平 均 二 人 以 上 の 世 帯 ) 高 い 黒 字 率 前 節 では 消 費 支 出 に 占 める 食 料 品 の 割 合 が 他 県 に 比 べて 多 いという 話 をしが ここ では 別 の 指 標 をみていきい 黒 字 率 は 家 計 の 余 裕 の 度 合 いを 計 ることができる 下 記 2の 式 が 黒 字 率 を 表 す 数 式 である 2の 数 式 を 構 成 するものとして 可 処 分 所 得 黒 字 があり 可 処 分 所 得 とは 実 収 入 から 税 金 社 会 保 険 料 など 世 帯 の 自 由 になら ない 支 出 ( 非 消 費 支 出 )を 差 し 引 い 額 いわゆる 手 取 収 入 のことを 指 す ま 黒 字 とは 可 処 分 所 得 から 消 費 支 出 を 差 し 引 いものをいう(マイナスの 場 合 は 赤 字 を 示 す) 黒 字 率 = 黒 字 / 可 処 分 所 得 1 2 平 均 消 費 性 向 = 消 費 支 出 / 可 処 分 所 得 1 3 25. 23.3 18 19 2 21 22 23 24 25 青 森 京 大 阪 横 浜 千 葉 東 京 区 部 神 戸 名 古 屋 那 覇 静 井 大 津 盛 仙 台 秋 田 広 鳥 取 新 潟 宮 崎 札 幌 松 津 さ い ま 熊 本 松 江 宇 宮 大 分 甲 府 和 歌 口 高 松 金 沢 長 崎 形 水 戸 奈 良 前 橋 長 野 佐 賀 岐 阜 高 知 鹿 児 徳 富 井 全 国 平 均 22.3 % 228,933 円 136,892 円 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 21, 23, 東 京 区 部 名 古 屋 さ い ま 横 浜 岐 阜 大 阪 京 宇 宮 金 沢 長 野 徳 高 知 奈 良 千 葉 神 戸 水 戸 高 松 富 静 鹿 児 甲 府 広 前 橋 熊 本 佐 賀 大 分 津 仙 台 大 津 形 井 宮 崎 松 江 盛 和 歌 長 崎 札 幌 新 潟 秋 田 松 口 那 覇 鳥 取 青 森 全 国 平 均 152,293 円 円 井 県
可 処 分 所 得 = 消 費 支 出 + 黒 字 4 図 4は 全 国 の 黒 字 率 を 割 合 の 高 い 方 から 並 べグラフである ま 黒 字 率 を 使 っ 指 標 として 平 均 消 費 性 向 がある( 数 式 3) この 指 標 も 黒 字 率 と 同 様 に 生 活 の 余 裕 の 度 合 いを 表 す 指 標 であり 一 般 に 収 入 の 高 い 世 帯 ほど 消 費 性 向 は 小 さくなる 傾 向 がある ま 消 費 支 出 がほぼ 一 定 とすれば 分 母 となる 可 処 分 所 得 が 多 くなるほど 消 費 性 向 は 小 さ くなる 図 4 道 府 県 庁 所 在 別 の 黒 字 率 ( 平 成 26 年 平 均 二 人 以 上 の 世 帯 のうち 勤 労 者 世 帯 ) 39.1 4 36.4 35 3 全 国 平 均 24.7 25 2 15 1 5 松 大 佐 堺 高 富 静 和 宇 札 千 水 青 盛 那 奈 高 さ 岐 大 大 鹿 川 浜 松 広 東 新 長 鳥 秋 横 徳 金 京 熊 甲 名 仙 相 宮 長 前 北 神 津 江 井 阪 賀 松 歌 幌 葉 口 戸 森 形 覇 良 知 い 阜 分 津 児 崎 松 京 潟 野 取 田 浜 沢 本 府 古 台 模 崎 崎 橋 九 戸 宮 屋 原 州 ま 区 部 では 実 際 に 井 県 のデータをみてみる 図 4の 各 道 府 県 の 黒 字 率 によると 井 県 の 黒 字 率 は 松 江 に 次 いで 全 国 第 3 位 の 36.4%であっ これは 全 国 平 均 (24.7%)と 比 べると 1% 以 上 高 い この 結 果 としては さまざまな 要 因 があると 思 う が その 一 つがそもそもの 世 帯 の 収 入 が 多 いということが 挙 げられるだろう 表 1 道 府 県 庁 所 在 別 の 平 均 消 費 者 性 向 ( 平 成 26 年 平 均 二 人 以 上 の 世 帯 のうち 勤 労 者 世 帯 ) (%) 1 位 津 94.7 2 位 神 戸 94.5 3 位 前 橋 88.1 全 国 平 均 75.3 45 位 井 63.6 46 位 62.7 47 位 松 江 6.9 世 帯 の 実 収 入 額 は 57,14 円 で 全 国 1 位 である 一 方 で 消 費 支 出 は 34,4 円 で 全 国 36 位 であり 収 入 が 多 い 割 に 消 費 支 出 が 少 ないことがわかる だし 世 帯 主 1 人 の 収 入 自 体 は 37,7 円 で 全 国 36 位 であり 他 の 世 帯 員 の 収 入 つまり 家 族 収 入 などが 黒 字 を 大 きくしている 4
井 の 特 徴 ~ 食 料 品 ~ «油 揚 げ がんもどき» 井 の 食 料 品 における 消 費 支 出 の 最 大 の 特 徴 は 油 揚 げ がんもどき である 平 成 26 年 の 世 帯 当 りの 油 揚 げ がんもどき 購 入 額 は 6,46 円 で2 位 の 金 沢 (4,725 円 )を 大 きく 引 き 離 し 家 計 調 査 が 開 始 され 昭 和 38 年 から52 年 連 続 で 日 本 一 になっ ( 全 国 平 均 3,114 円 ) なぜ 油 揚 げ がんもどき 購 入 額 がこれだけ 長 い 間 首 位 を 守 り 続 けられのか そのひとつの 要 因 として 道 元 禅 師 が 開 い 永 平 寺 や 蓮 如 上 人 が 開 い 吉 崎 御 坊 のある 井 県 は 信 仰 心 が 厚 い という 地 域 性 がある 表 2は 各 道 府 県 の 寺 院 神 社 数 の 合 計 値 を 多 い 方 から 順 に5 県 並 べ 表 である この 表 から 分 かるとお り 井 県 は1 万 人 当 りの 寺 院 数 が 全 国 2 位 で 寺 院 数 と 神 社 数 を 合 せ 数 について も 全 国 1 位 と 非 常 に 信 心 深 い 土 地 柄 であることが 窺 える 古 くから 永 平 寺 の 修 行 僧 が 食 べてき 魚 介 類 や 肉 類 を 用 いない 精 進 料 理 には 油 揚 げをはじめとする 大 豆 食 品 が 貴 重 なタンパク 源 として 用 いられており それが 信 仰 心 の 厚 い 井 では 一 般 家 庭 でも 広 まっ ていっのではないか と 言 われている 図 5 道 府 県 庁 所 在 の 油 揚 げ がんもどき 年 間 消 費 額 ( 平 成 26 年 二 人 以 上 の 世 帯 ) ( 円 ) 7, 6,46 6, 5, 4, 4,725 全 国 平 均 3,114 円 3, 2, 1, 井 金 京 沢 大 富 津 奈 神 良 戸 新 形 潟 仙 高 台 松 松 静 江 大 さ 津 阪 い ま 佐 賀 千 鳥 東 葉 取 京 区 部 宇 宮 岐 阜 熊 本 長 崎 横 盛 浜 甲 水 名 府 戸 古 屋 広 鹿 児 青 森 大 松 分 徳 長 前 野 橋 高 口 知 宮 和 崎 歌 秋 札 田 幌 那 覇 表 2 各 道 府 県 における 寺 院 数 および 神 社 数 寺 院 数 + 神 社 数 寺 院 数 神 社 数 1 万 人 当 り 順 位 1 万 人 当 り 順 位 1 万 人 当 り 順 位 井 3,41 428.93 1 1,692 212.83 2 1,718 216.1 2 富 3,886 361.15 2 1,6 148.7 6 2,286 212.45 3 根 2,48 353.28 3 1,38 186.32 3 1,172 166.95 7 高 知 2,544 341.48 4 37 49.66 33 2,174 291.81 1 滋 賀 4,662 329.24 5 3,214 226.98 1 1,448 12.26 17 宗 教 統 計 調 査 (H25.12.31 現 在 )( 文 化 庁 ) 5
«その 他 の 上 位 食 料 品» 表 3は 平 成 24 年 から 平 成 26 年 の3 年 平 均 の 消 費 支 出 からみ 井 の 年 間 購 入 額 道 府 県 庁 所 在 別 ランキング( 食 料 品 ) 上 位 をまとめものである 油 揚 げ がんもどき 以 外 でランキング1 位 にある 食 料 品 は ふりかけ 他 の 調 理 食 品 コロッケ カツレ ツ 天 ぷら フライ やきとり 他 の 調 理 食 品 のその 他 コーヒー 飲 料 である や きとり コーヒー 飲 料 を 除 い 食 品 の 共 通 点 としては 食 卓 に 並 ぶおかずという 点 である これには 井 の 家 庭 事 情 が 影 響 していると 考 えられる 平 成 22 年 の 国 勢 調 査 によると 表 3 消 費 支 出 からみ 井 の 特 徴 ( 食 料 品 )( 道 府 県 庁 所 在 別 ) 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 油 揚 げ がんもどき かに こんぶ 粉 ミルク さしみ 盛 合 わせ ふりかけ 加 工 肉 調 理 食 品 大 豆 加 工 品 他 の 魚 肉 練 製 品 他 の 調 理 食 品 ソーセージ コーヒー ココア ようかん さといも コロッケ こんぶつくだ 煮 アイスクリーム シャーベット カツレツ 天 ぷら フライ やきとり 他 の 調 理 食 品 のその 他 コーヒー 飲 料 井 県 の 共 働 き 世 帯 割 合 は 36.44%で 全 国 平 均 24.45%を 大 きく 上 回 り 全 国 第 1 位 である 働 く 女 性 の 多 い 井 県 においては 手 間 暇 のかからない 調 理 食 品 が 重 宝 されているのでは ないだろうか だし 他 の 共 働 き 世 帯 割 合 の 高 い 地 域 では 必 ずしも 調 理 食 品 の 消 費 額 が 高 いわけではなく 井 の 特 異 的 な 消 費 行 動 と 考 えられる ま 井 のランキングをみると 加 工 食 品 が 多 く 並 ぶがその 他 のランキングでは 井 県 と 言 えば という 食 料 品 が 名 を 連 ねている かに こんぶ などの 海 の 幸 さと いも などの の 幸 やきとり や ようかん( 水 ようかん) と どれも 井 県 が 誇 れ るものである «アイスクリーム シャーベット» しかし 1 位 コーヒー 飲 料 4 位 アイス クリーム シャーベット については 井 県 とはあまりなじみがないように 思 う まず ア イクリーム シャーベット についてであるが 表 4のアイスクリーム シャーベットの 年 間 購 入 量 をみると1 位 金 沢 1,31 円 2 位 富 9,593 円 4 位 井 9,37 円 と 北 陸 勢 が 上 位 にランクインしている 石 川 県 にいっ 表 4 アイスクリーム シャーヘ ットの 年 間 購 入 額 ( 平 成 24~26 年 の3 年 平 均 ) 円 全 国 平 均 7,94 金 沢 1,31 富 9,593 宇 宮 9,394 井 9,37 鹿 児 8,928 岐 阜 7,285 松 江 7,14 宮 崎 7,34 神 戸 6,428 那 覇 5,935 6
ては 最 下 位 の 那 覇 5,935 円 の1.7 倍 も 消 費 している ま 那 覇 が 最 下 位 であり 日 本 で 最 も 暑 い 地 域 にも 関 わらず 冷 いアイスクリームの 消 費 が 少 ないという 意 外 なデ ータとなっている 表 5 道 府 県 別 の 労 働 時 間 について 総 実 労 働 時 間 所 定 内 労 働 時 間 所 定 外 労 働 時 間 出 勤 日 数 ( 時 間 ) ( 時 間 ) ( 時 間 ) ( 日 ) 全 国 145.5 134.9 1.6 18.9 1 岩 手 158.4 148.4 1. 2.4 2 156.2 145. 11.2 19.8 3 形 155.5 144.7 1.8 2. 4 佐 賀 155. 144.6 1.4 19.9 5 青 森 154.4 145.4 9. 2.3 6 153.1 141.7 11.4 19.6 7 根 152.7 143. 9.7 19.8 8 香 川 152.6 141.1 11.5 19.7 9 井 152.1 143.1 9. 19.8 1 熊 本 152.1 142.1 1. 19.8 «コーヒー 飲 料» 次 は コーヒー 飲 料 である 家 計 調 査 では コーヒー コーヒー 飲 料 の 二 つの 項 目 を 調 査 しており コーヒー は 5,71 円 で39 位 であり コーヒー 飲 料 は 6,11 円 で 全 国 1 位 となっている ちなみに コ ーヒー はコーヒー 豆 やインスタント 等 固 形 粉 末 状 のもの コーヒー 飲 料 は 缶 コーヒーや 紙 パック 等 で 販 売 されている 液 体 のものを 指 す ま 大 手 チェーン 店 等 喫 茶 店 での 消 費 は 喫 茶 代 として 計 上 さ れている なぜ 同 じコーヒーなのにここまで 消 費 順 位 に 差 があり なおかつ コーヒー 飲 料 が 全 国 1 位 なのだろうか これは 推 測 になってしまうが 井 の 人 は 自 宅 でコーヒーをゆっ くり 飲 むよりは 缶 コーヒーでさっと 済 ましてしまう 傾 向 があるのかもしれない あるい は 表 5でわかるように 全 国 に 比 べ 長 い 労 働 時 間 であるめ 職 場 での 缶 コーヒーの 購 入 量 を 増 加 させているのかもしれない 38 愛 知 145.8 133.8 12. 18.6 39 滋 賀 145.8 133.8 12. 18.6 4 和 歌 144.3 135.6 8.7 19.4 41 大 阪 142.8 132.6 1.2 18.7 42 京 14.9 129.2 11.7 18.2 43 兵 庫 14.9 13.9 1. 18.5 44 千 葉 139.8 129.2 1.6 18.5 45 埼 玉 137.7 127.9 9.8 18.3 46 神 奈 川 137.6 127.2 1.4 18. 47 奈 良 137.1 128.9 8.2 18.5 毎 月 勤 労 統 計 調 査 (5 人 以 上 の 事 業 所 平 成 25 年 平 均 ) 円 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 図 6 コーヒー と コーヒー 飲 料 の 年 間 購 入 額 コーヒー コーヒー 飲 料 札 青 盛 仙 秋 水 宇 前 さ 千 東 横 新 富 金 甲 長 岐 静 名 津 大 京 大 神 奈 和 鳥 松 広 徳 高 松 高 佐 長 熊 大 宮 鹿 那 幌 森 台 田 形 戸 橋 い 葉 京 浜 潟 沢 井 府 野 阜 古 津 阪 戸 良 歌 取 江 口 松 知 賀 崎 本 分 崎 児 覇 宮 屋 ま 区 部 7
図 7は コーヒー 飲 料 と 緑 茶 の 年 間 購 入 額 について 相 関 関 係 をみものである コーヒー 飲 料 の 購 入 額 が 多 い 地 域 は 緑 茶 の 購 入 額 が 少 なく 反 対 に 緑 茶 の 購 入 額 が 多 い 地 域 は コーヒー 飲 料 の 購 入 額 が 小 さいという 負 の 相 関 がみえ コーヒー 飲 料 と 緑 茶 は 代 替 品 に 近 い 性 質 を 持 っていることがわかる 特 に 静 は コーヒ ー 飲 料 の 購 入 額 は 全 国 最 下 位 であるが 緑 茶 購 入 額 は 全 国 1 位 とその 消 費 行 動 がはっ きりとみえる 1 世 帯 当 り 緑 茶 の 年 間 購 入 額 円 12, 1, 8, 6, 4, 2, 図 7 コーヒー 飲 料 と 緑 茶 の 年 間 購 入 額 静 長 崎 青 森 r=.42 井 2, 2,5 3, 3,5 4, 4,5 5, 5,5 6, 6,5 円 1 世 帯 当 りのコーヒー 飲 料 の 年 間 購 入 額 «ごぼう» 今 までは 道 府 県 庁 所 在 別 に 購 入 金 額 の 多 い 品 目 について 述 べてきが ここから は 反 対 に 購 入 金 額 の 低 い 品 目 についてみていく 表 6は 井 のランキングが 低 い 品 目 である 道 府 県 庁 所 在 別 で 最 下 位 の 品 目 として 気 になる 品 目 は ごぼう 弁 当 紅 茶 である 表 6 消 費 支 出 からみ 井 の 特 徴 ( 食 料 品 )( 道 府 県 庁 所 在 別 ) 47 位 46 位 45 位 44 位 43 位 小 麦 粉 他 のめん 類 ほて 貝 かき( 貝 ) さんま ごぼう バター レタス かつお 節 削 り 節 貝 類 かぼちゃ ピーマン もも 他 の 野 菜 海 藻 加 工 品 のその 他 キャベツ 酢 果 実 加 工 品 ジャム 調 味 料 バナナ 弁 当 油 脂 ワイン ドレッシング キウイフルーツ 紅 茶 食 用 油 まんじゅう 乾 燥 スープ 焼 ちゅう 他 の 洋 生 菓 子 他 の 飲 料 のその 他 うなぎのかば 焼 き 8
まず ごぼう についてである 今 年 2 月 に 発 売 され 和 食 は 井 にあり ( 平 凡 社 新 書 )によれば 井 県 はごぼう 王 国 でもある 日 本 最 古 のごぼうの 種 子 は 三 方 五 湖 畔 の 鳥 浜 貝 塚 で 発 見 されているし 県 央 部 の 越 前 は 江 戸 時 代 は 白 茎 白 花 種 ごぼうの 名 産 地 だっ ごぼう 好 きの DNA が 県 民 に 伝 わっているのだろうか とあるように 井 と 縁 が あるにも 関 わらず 消 費 額 は 全 国 最 下 位 である ま 越 前 においては 現 在 でも ごぼ う 講 という 豊 作 祈 願 の 行 事 が 執 り 行 われており 生 活 の 身 近 にあることには 間 違 いない しかし 農 林 水 産 省 野 菜 生 産 出 荷 統 計 ( 平 成 25 年 確 報 ) によると 井 県 のごぼうの 作 付 面 積 は 12ha で 全 国 43 位 である 他 の 道 府 県 についてもみてみると1 位 は 青 森 県 で 2,36ha 47 位 は 沖 縄 県 3ha( 全 国 計 8,57ha)であっ 江 戸 時 代 から3 年 以 上 続 いている ごぼう 講 という 伝 統 を 残 していくめにも 日 常 の 食 卓 へ 浸 透 させていき いものである «弁 当» 次 は 弁 当 についてである 弁 当 の 購 入 額 は 井 は 8,555 円 で 1 位 の 那 覇 18,419 円 と 比 べると 約 2 分 の1である 図 8でわかるように 弁 当 購 入 額 と 既 婚 率 の 関 係 をみると 強 くはないが 負 の 相 関 があり 既 婚 率 の 高 さが 弁 当 購 入 額 の 少 なさの 要 因 ではないかと 考 えられる 表 7は 弁 当 購 入 額 の 上 位 と 下 位 の 購 入 金 額 および 既 婚 率 を 並 べ 表 である これらをみると 家 庭 を 持 つ 場 合 どうしてもさまざまな 支 出 が 増 えてしまうめ 例 え... ば 昼 食 に 販 売 されている 弁 当 ではなく 家 庭 から 持 参 し弁 当 で 済 ませることを 節 約 のひ とつとしているのではないだろうか そして 前 述 のような 理 由 で 弁 当 の 購 入 額 を 抑 えて いるのであれば 井 の 高 い 黒 字 率 を 支 える 一 因 と 言 えるであろう 1 世 帯 当 り 弁 当 の 年 間 購 入 額 円 21, 図 8 弁 当 購 入 額 と 既 婚 率 の 関 係 19, 那 覇 高 知 17, 東 京 区 部 15, 13, 11, r =.28 9, 岐 阜 7, 井 大 津 5, 65% 7% 75% 8% 85% 既 婚 率 (35 歳 ~64 歳 男 女 既 婚 数 / 男 女 総 数 ) 既 婚 率 :H24 就 業 構 造 調 査 より 算 出 表 7 弁 当 購 入 額 の 上 位 および 下 位 と 既 婚 率 弁 当 購 入 額 順 位 既 婚 率 順 位 ( 円 ) 全 国 平 均 13,758 73.6% 那 覇 18,419 1 67.9% 46 熊 本 17,69 2 74.% 31 前 橋 17,535 3 75.2% 24 口 17,515 4 74.4% 29 高 知 17,492 5 7.8% 44 東 京 区 部 17,23 6 67.1% 47 岐 阜 1,42 43 79.1% 3 富 1,393 44 76.9% 8 京 1,271 45 74.3% 3 大 津 8,94 46 81.1% 1 井 8,555 47 79.4% 2 9
井 の 特 徴 ~ 食 料 品 以 外 ~ «こづかい» ここからは 食 料 品 以 外 の 支 出 についてみていく まずは 井 のこづかい 事 情 である 表 8は 道 府 県 庁 所 在 別 の 年 間 こづかい 総 額 についてまとめもので 井 の こ づかい をみると 平 成 26 年 の 年 間 額 は 全 国 4 位 平 成 19 年 から 平 成 26 年 まで の 平 均 額 でみると 全 国 で2 位 である ラン キング 上 位 の 他 県 庁 所 在 をみると 意 外 に 表 8 道 府 県 庁 所 在 別 の 年 間 こづかい 総 額 について 円 H26 順 位 平 均 額 (H19~) 順 位 富 33,152 1 359,778 1 井 199,819 4 3,772 2 高 松 274,455 2 265,997 3 高 知 242,76 3 236,266 4 鹿 児 171,31 5 211,66 5 全 国 平 均 124,416 152,36 も 地 方 ばかりで 上 位 5つの 県 庁 所 在 については 毎 年 ほぼ 同 じ 自 治 体 である 表 9は 平 成 25 年 平 均 の 定 期 給 与 と こづかい についてまとめものである これをみると 収 入 の 多 さとこづかいの 多 さには 関 係 がなさそうである ま 実 際 に 平 成 25 年 平 均 の 定 期 給 与 と こづかい の 相 関 係 数 は.1 であり 無 関 係 ということが 言 える 表 9 定 期 給 与 の 上 位 5 道 府 県 および 井 県 のこづかい 円 定 期 給 与 (1か 月 平 均 ) こづかい ( 年 間 ) こづかい 全 国 順 位 東 京 33,137 119,585 23 大 阪 272,182 79,6 37 愛 知 269,971 99,19 34 神 奈 川 266,691 163,95 17 三 重 26,417 12,72 14 井 246,34(19 位 ) 199,819 4 さらに 特 徴 的 なことは 井 の 場 合 世 帯 主 へのこづかい が 少 ないことである 平 成 19 年 からの 平 均 では 96,923 円 で 全 国 41 位 ( 全 国 平 均 114,13 円 全 国 1 位 高 松 169,679 円 )であるし 順 位 の 変 動 はあるものの 全 国 平 均 を 上 回 ることはなかっ 反 対 に 世 帯 主 以 外 へのこづかい は 23,848 円 で 全 国 2 位 であっ 一 世 帯 当 り 世 帯 人 員 ( 平 成 26 年 平 均 3.26 人 )が 多 いことがひとつの 理 由 かもしれない 図 9は 井 と 全 国 のこづかいを 時 系 列 に 並 べグラフである 前 述 しように 井 は 全 国 平 均 を 常 に 上 回 っている しかし 平 成 19 年 では 全 国 平 均 と 184,52 円 の 差 があっものの 差 は 徐 々に 縮 まっていき 平 成 26 年 には 全 国 平 均 との 差 が 75,43 円 にな っ ま 井 全 国 とも こづかい は 減 少 傾 向 にあり 特 に 井 では 平 成 19 年 の 約 2 分 の1で こづかい 事 情 はかなり 厳 しくなっている 定 期 給 与 : 毎 月 勤 労 統 計 調 査 H25 年 平 均 より 1
図 9 千 円 4 35 3 366,966 円 25 井 と 全 国 のこづかいの 推 移 378,16 円 全 国 平 均 井 199,819 円 2 15 1 182,464 円 124,416 円 5 H19 H2 H21 H22 H23 H24 H25 H26 «電 気 使 用 量» 最 後 は 電 気 使 用 量 である 井 県 嶺 南 地 域 には 原 子 力 発 電 所 が 多 く 所 在 し 他 府 県 に 多 くの 電 気 を 供 給 している しか し 井 県 は 電 気 の 消 費 量 も 非 常 に 多 い 家 計 調 査 では 調 査 項 目 によっては 支 出 金 額 以 外 に 使 用 量 も 調 査 しており 今 回 はその 使 用 量 のデータを 利 用 する 表 1 電 気 購 入 量 ランキング ( 平 成 24~26 年 の3 年 平 均 ) kwh 1 金 沢 7,649 2 井 7,65 3 富 6,765 45 那 覇 4,453 46 千 葉 4,32 47 神 戸 4,67 井 における1 世 帯 当 りの1 年 間 の 購 入 量 ( 平 成 24 年 ~ 平 成 26 年 平 均 )は 7,65kWh で 全 国 2 位 である 他 の 道 府 県 庁 所 在 をみると 消 費 量 トップ3は 北 陸 3 県 庁 所 在 で 占 めている 下 位 には 東 京 区 部 横 浜 神 戸 といっ 圏 が 並 ぶ 図 1は 家 庭 の 電 気 購 入 量 と IH クッキングヒーターの 普 及 率 について 図 11は 家 庭 の 電 気 購 入 量 と 住 宅 の 広 さの 関 係 について 図 12は 家 庭 の 電 気 購 入 量 と 世 帯 人 員 の 関 係 についてそれぞれ 散 布 図 を 作 成 し まず 図 1について IH クッキングヒーターの 普 及 率 とオール 電 化 の 普 及 率 を 同 等 の 数 値 と 仮 定 すると 一 世 帯 当 りの 年 間 電 気 購 入 量 との 相 関 係 数 は.5 で 正 の 相 関 がある 北 陸 3 県 の 県 庁 所 在 では 生 活 に 必 要 なエネルギーを 電 気 で 賄 う 家 計 の 割 合 が 多 く 電 気 購 入 量 が 多 くなるようである 次 に 図 11は 住 宅 の 広 さとの 相 関 でその 相 関 係 数 は.47 で 正 の 相 関 がある 一 世 帯 当 りの 延 べ 面 積 が 大 きいということは 特 に 夏 季 や 冬 季 の 室 内 温 度 調 節 に 電 気 を 多 く 使 うことになるのではないだろうか 最 後 に 図 12は 一 世 帯 当 りの 世 帯 人 員 との 相 関 で 相 関 係 数 は.36 IH クッキングヒーターや 住 宅 の 広 さに 比 べる 11
と 弱 いがこれも 正 の 相 関 関 係 がある 井 ないしは 北 陸 地 方 の 電 気 購 入 量 が 全 国 に 比 べて 多 いことは 1オール 電 化 の 普 及 率 の 高 さ 2 一 世 帯 ありの 住 宅 の 広 さ 3 一 世 帯 あ りの 世 帯 人 員 の 多 さの3 点 が 主 な 要 因 であると 考 えられる 1 世 帯 当 り の 年 間 電 気 購 入 量 図 1 家 庭 の 電 気 購 入 量 とIHクッキングヒーターの 普 及 率 kwh 8, r=.5 7,5 7, 金 沢 井 富 6,5 6, 松 江 5,5 5, 4,5 那 覇 4, 千 葉 神 戸 3,5 3, 5 1 15 2 25 3 35 4 IHクッキングヒーターの 普 及 率 % IHクッキングヒーターの 普 及 率 :H21 全 国 消 費 実 態 調 査 1 世 帯 あ り 年 間 電 気 購 入 量 kwh 8, r=.47 7,5 7, 6,5 6, 5,5 5, 4,5 4, 3,5 3, 図 11 東 京 区 部 横 浜 家 庭 の 電 気 購 入 量 と 住 宅 の 広 さの 関 係 神 戸 金 沢 形 井 富 5 7 9 11 13 15 17 1 世 帯 あり 延 べ 面 積 m2 延 べ 床 面 積 :H25 住 宅 土 地 統 計 調 査 報 告 12
1 世 帯 あ り 年 間 電 気 購 入 量 図 12 家 庭 の 電 気 購 入 量 と 世 帯 人 員 の 関 係 kwh 8, r=.36 7,5 富 金 沢 井 7, 6,5 6, 5,5 5, 4,5 4, 神 戸 3,5 3, 2.8 2.9 3 3.1 3.2 3.3 3.4 1 世 帯 あり 世 帯 人 員 人 «まとめ» 以 上 のように 家 計 という 観 点 から 井 にはさまざまな 特 徴 が 存 在 することがわかっ 今 回 は 食 料 品 やそれ 以 外 について 数 項 目 だけを 記 載 しが 家 計 調 査 においては 約 7 項 目 を 調 査 しており まだまだ 多 くの 特 徴 が 存 在 するだろう 興 味 のある 方 は 是 非 総 務 省 統 計 局 所 管 政 府 統 計 の 総 合 窓 口 e-stat を 利 用 し データに 触 れていだきい 今 回 は 主 に 家 計 調 査 という 生 活 に 身 近 な 調 査 のデータを 利 用 しが 現 在 国 や 各 道 府 県 が 多 くの 調 査 を 行 っており 多 種 多 様 なデータが 蓄 積 されている そのデータを 利 用 することで 道 府 県 それぞれの 特 徴 を 映 し 出 すことができる 北 陸 新 幹 線 開 業 を 機 に 全 国 から 北 陸 に 熱 い 視 線 が 注 がれている 様 々なデータを 活 用 して 本 県 の 特 徴 をPRし 観 光 客 の 皆 様 に 井 の 生 活 文 化 も 感 じとっていだき い 13