や 2016 年 末 に 期 限 切 れとなる 予 定 だったソーラー 発 電 への 投 資 税 額 控 除 (ITC)は 2015 年 12 月 ともに 議 会 で 延 長 が 可 決 された( 再 エネ 政 策 の 項 参 照 ) 2. 気 候 変 動 政 策 の 動 向 京 都 議 定 書 か



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別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾


●電力自由化推進法案

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

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目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

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4. 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 特 例 の 延 長 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 以 下 の 特 例 措 置 の 適 用 期 限 ( 平 成 28 年 3 月 31 日 )を 延 長 する 1 登 録 免 許 税 の 特 例 ( 所 有 権 の 保 存 登 記 : 本 則 0.4%

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(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補 助 金 の 額 は 第 5 条 第 2 項 の 規 定 による 無 線 LAN 機 器 の 設 置 箇 所 数 に 1 万 5 千 円 を 掛 けた 金 額 と 第 5 条 第 3 項 に 規 定 する 補 助 対 象 経 費 の2 分 の1のいずれか 低

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

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Transcription:

米 国 1.エネルギー 政 策 動 向 シェール 革 命 米 国 は 長 らく 世 界 最 大 のエネルギー 生 産 国 にして 消 費 国 であり エネルギー 輸 入 大 国 で もあった その 米 国 が 非 在 来 型 の 天 然 ガスであるシェールガスやシェールオイルの 登 場 に よって 大 きく 変 貌 しようとしている これまで 頁 岩 (シェール)と 呼 ばれる 固 い 岩 盤 層 に 含 まれる 天 然 ガスや 原 油 は 採 掘 が 困 難 とされていたが フラクチャリング( 水 圧 破 砕 )と いう 採 掘 手 法 の 技 術 革 新 により 採 算 性 が 向 上 生 産 が 本 格 化 している これがいわゆるシ ェール 革 命 である 米 エネルギー 情 報 局 (EIA)の 報 告 によれば 過 去 20 年 間 エネルギー 消 費 が 安 定 的 に 推 移 しているのに 対 し この 10 年 間 にエネルギー 生 産 が 大 幅 に 増 加 したことから 生 産 と 消 費 の 差 が 縮 小 し 2015 年 における 9 月 までの 合 計 では 国 内 消 費 に 占 める 純 輸 入 の 比 率 は 約 11%にまで 低 下 している ちなみに 2005 年 の 同 比 率 は 30%であった このシェールガスの 増 産 に 伴 い LNG 輸 出 計 画 も 活 発 化 している 米 国 では LNG 輸 出 施 設 の 建 設 操 業 について 連 邦 エネルギー 規 制 委 員 会 (FERC)の 承 認 を 必 要 とするほか 自 由 貿 易 協 定 (FTA) 締 結 国 以 外 の 国 に 対 する 輸 出 には エネルギー 省 (DOE)の 承 認 を 必 要 とする DOE は 2015 年 12 月 現 在 日 本 への LNG 輸 出 プロジェクトを 含 め 12 社 の FTA 非 締 結 国 向 け 輸 出 案 件 を 承 認 している 主 な 案 件 としては 1サビン パス 液 化 (ル イジアナ 州 ) 2フリーポート LNG(テキサス 州 ) 3レイク チャールズ LNG(ルイジ アナ 州 ) 4ドミニオン コーブ ポイント LNG(メリーランド 州 ) 5キャメロン LNG (ルイジアナ 州 ) 6ジョーダン コーブ プロジェクト(オレゴン 州 )7LNG デベロッ プメント 9シェニエール マーケティング/コーパス クリスティ 液 化 (テキサス 州 ) など クリーンエネルギーの 推 進 2009 年 に 誕 生 したオバマ 民 主 党 政 権 は 当 初 風 力 ソーラーといった 再 生 可 能 エネルギー (グリーンエネルギー)の 利 用 促 進 や 環 境 関 連 技 術 への 投 資 を 景 気 回 復 雇 用 創 出 の 柱 の 一 つとして 位 置 づける グリーン ニューディール 政 策 を 掲 げていた その 後 これに 原 子 力 天 然 ガス クリーンコールを 加 えて クリーンエネルギー と 呼 び それらへの 投 資 拡 大 利 用 促 進 を 図 ることでエネルギー 供 給 の 安 定 化 エネルギー セキュリティの 改 善 雇 用 の 創 出 を 図 るとする 政 策 を 進 めてきた その 基 本 戦 略 は 国 内 の 利 用 可 能 な あらゆるエネルギー 資 源 を 活 用 してエネルギー 自 給 率 を 高 め 最 終 的 に 外 国 石 油 へ の 依 存 を 軽 減 し て い く と す る エ ネ ル ギ ー 戦 略 (all-of-the-above energy strategy)である 再 生 可 能 エネルギー( 以 下 再 エネと 略 )の 利 用 促 進 については 連 邦 レベルの 支 援 策 と して 優 遇 税 制 が 適 用 されている 期 限 切 れとなっていた 風 力 発 電 への 発 電 税 額 控 除 (PTC)

や 2016 年 末 に 期 限 切 れとなる 予 定 だったソーラー 発 電 への 投 資 税 額 控 除 (ITC)は 2015 年 12 月 ともに 議 会 で 延 長 が 可 決 された( 再 エネ 政 策 の 項 参 照 ) 2. 気 候 変 動 政 策 の 動 向 京 都 議 定 書 から 離 脱 米 国 はクリントン 政 権 時 に 京 都 議 定 書 に 調 印 し 2008~2012 年 の 期 間 に 1990 年 比 で 7% の 温 室 効 果 ガス(GHG)を 削 減 することになっていたが ブッシュ 政 権 時 の 2001 年 に 京 都 議 定 書 から 離 脱 し 技 術 開 発 と 企 業 の 自 主 的 取 り 組 みをベースとする GHG 削 減 政 策 に 変 更 した 2009 年 に 誕 生 したオバマ 民 主 党 政 権 は 気 候 変 動 問 題 に 対 し 積 極 的 に 取 り 組 む 方 針 を 示 した 政 権 1 年 目 の 2009 年 には 連 邦 大 の CO2 排 出 量 取 引 制 度 (キャップ&トレード) の 導 入 を 含 む 気 候 変 動 法 案 を 議 会 に 提 出 したが 野 党 共 和 党 の 反 対 によって 審 議 が 進 まず 2010 年 末 に 廃 案 となった その 後 のオバマ 政 権 は 景 気 回 復 と 雇 用 対 策 を 当 面 の 最 優 先 課 題 とし 有 効 な 気 候 変 動 対 策 を 打 ち 出 すに 至 らなかった オバマ 政 権 GHG 排 出 規 制 案 を 発 表 政 権 二 期 目 に 入 ったオバマ 大 統 領 は 2013 年 の 一 般 教 書 演 説 で 市 場 原 理 に 基 づく 気 候 変 動 問 題 への 取 り 組 みに 再 び 言 及 し 2013 年 6 月 には 気 候 変 動 問 題 に 対 する 新 たな 行 動 計 画 (Climate Change Action Plan)を 発 表 した これは 当 時 連 邦 議 会 が 下 院 において 野 党 共 和 党 が 多 数 を 占 めるねじれ 状 態 が 続 いていたため 立 法 措 置 ではなく 大 統 領 の 行 政 権 限 の 範 囲 内 で 実 施 可 能 な 対 策 を 打 ち 出 そうとしたものである この 行 動 計 画 で 1 国 内 のCO2 排 出 削 減 2 気 候 変 動 に 伴 う 災 害 への 対 策 3 国 際 的 な 気 候 変 動 対 策 への 協 力 を3 本 柱 とす る 今 後 の 気 候 変 動 対 策 ビジョンを 示 し GHGの 排 出 量 を2020 年 までに2005 年 比 で17% 削 減 するとした 目 標 は 引 き 続 き 維 持 するとした また 米 国 では 火 力 発 電 所 からのGHG 排 出 量 が 全 体 の 約 3 分 の1を 占 めていることから 火 力 発 電 所 に 対 する 排 出 規 制 の 強 化 も 打 ち 出 した この 行 動 計 画 を 受 け 連 邦 環 境 保 護 局 (EPA)は 2013 年 9 月 に 新 設 火 力 発 電 設 備 を 対 象 とした CO2 排 出 規 制 案 2014 年 6 月 に 既 設 火 力 発 電 設 備 を 対 象 とした CO2 排 出 規 制 案 (CPP) をそれぞれ 発 表 した EPA はこれらの CO2 排 出 規 制 案 について 利 害 関 係 者 から 受 け 付 けた 膨 大 なコメントを 考 慮 検 討 した 後 最 終 的 に 2015 年 8 月 3 日 既 設 および 新 規 火 力 発 電 所 に 対 する 米 国 初 の CO2 排 出 規 制 の 最 終 規 則 を 発 表 した CPPでは 州 ごとにCO2 排 出 基 準 ( 排 出 原 単 位 )を 設 定 している 各 州 はこの 排 出 基 準 を 順 守 するための 実 行 計 画 を 策 定 し EPAの 承 認 を 受 けなければならない 電 気 事 業 全 体 で2030 年 までに2005 年 比 32%のCO2 排 出 削 減 を 見 込 んでいる 州 実 行 計 画 の 提 出 期 限 は 当 初 案 の2020 年 から2022 年 に 延 長 された 各 州 の 実 行 計 画 は すべての 対 象 電 源 に 個 別 に 目 標 を 設 定 する 排 出 基 準 計 画 州 全 体 の 包 括 的 な 削 減 計 画 を 策 定 する 州 の 包 括 的 対 策 計 画 いずれも 認 められる また 計 画 目 標 は 原 単 位 ベース 総 量 ベースいずれでもよい 各 州 の 単 独 計 画 複 数 州 による 共 同 計 画 いずれも 認 められる

自 州 の 実 行 計 画 を 策 定 しない 州 策 定 した 実 行 計 画 がEPAの 承 認 を 得 られない 州 に 対 して は 連 邦 政 府 としての 実 行 計 画 (FIP:Federal Implementation Plan)が 適 用 されることに なっている 新 設 火 力 発 電 所 のCO2 排 出 規 制 最 終 規 則 は 発 電 所 単 位 で 利 用 可 能 な 最 善 の 技 術 (Best Available Control Technology)の 導 入 を 求 める 規 制 となっている 蒸 気 タービン 新 設 に ついては 超 臨 界 圧 微 粉 炭 ユニットに 約 20%のCO2を 回 収 するCCS 技 術 を 組 み 合 わせた 設 計 と なっている 排 出 基 準 1,400lb/MWh(0.635kg/kWh)である CPPに 対 しては 共 和 党 や 石 炭 関 連 業 界 から 強 い 反 発 が 出 ている 2015 年 10 月 CPPが 正 式 に 発 効 した 後 議 会 でCPP 反 対 派 によるCPP 無 効 化 の 試 みがなされる 一 方 石 炭 依 存 の 比 較 的 高 い27 州 や 石 炭 関 連 企 業 がCPP 打 倒 を 目 指 し 訴 訟 に 踏 み 切 っている 3. 再 生 可 能 エネルギー 導 入 政 策 動 向 風 力 やソーラー 発 電 が 大 幅 増 大 米 国 における 再 エネ 開 発 とりわけ 風 力 およびソーラーは 近 年 目 覚 ましい 伸 びを 示 して いる 2013 年 の 再 エネ 発 電 設 備 容 量 ( 水 力 を 除 く)は 2003 年 から 4.1 倍 増 大 して 8,827 万 kw となり 総 発 電 設 備 の 7.5%を 占 めた また 2013 年 の 同 再 エネ 発 電 電 力 量 は 2003 年 から 2.7 倍 増 大 して 2,533 億 kwh となり 総 発 電 電 力 量 の 6.2%を 占 めた 2013 年 の 再 エネの 内 訳 では 風 力 発 電 が 発 電 設 備 容 量 で 69% 発 電 電 力 量 で 66%と 圧 倒 的 シェアを 占 めている 2014 年 における 風 力 発 電 設 備 の 設 置 容 量 は 485 万 kw であり 設 置 容 量 の 多 い 上 位 5 州 はテキサス 州 オクラホマ 州 アイオワ 州 ワシントン 州 コロラ ド 州 であった 北 東 部 で 全 米 初 となる 洋 上 風 力 発 電 の 開 発 も 進 められているが まだ 運 転 開 始 には 至 っていない ソーラー 発 電 ( 太 陽 光 および 熱 )については 発 電 設 備 容 量 および 発 電 電 力 量 とも 近 年 の 伸 び 率 は 目 覚 ましいものの 再 エネの 中 でのシェアは 2013 年 においてそれぞれ 9%およ び 3% 程 度 であった ソーラー 発 電 設 備 全 体 の 約 5 割 はカリフォルニア 州 が 占 めており 次 いでアリゾナ 州 ニュージャージー 州 ノースカロライナ 州 などが 続 いている 連 邦 の 再 エネ 支 援 策 連 邦 レベルの 主 要 な 再 エネ 促 進 支 援 策 としては 発 電 電 力 量 に 応 じて 税 額 控 除 される 発 電 税 額 控 除 (PTC)や 投 資 額 の 一 定 比 率 を 税 額 控 除 する 投 資 税 額 控 除 (ITC)などの 優 遇 税 制 が 挙 げられる PTC は 有 効 期 限 内 に 建 設 を 開 始 した 風 力 を 対 象 としており 2014 年 末 に 期 限 切 れとなっ ていたが 2015 年 12 月 に 2017 年 まで 延 長 された 控 除 額 は 2.3 セント/kWh で 以 後 2020 年 まで 毎 年 20% 減 額 されることになっている 有 効 期 限 が 2016 年 末 までであった ITC も 3 年 間 延 長 された 税 額 控 除 率 は 30%である が 3 年 後 から 2020 年 26% 21 年 22%と 引 き 下 げられ 22 年 以 降 10%に 固 定 されること

になっている 州 の 再 エネ 支 援 策 州 レベルでは 供 給 電 力 の 一 定 割 合 を 再 エネ 電 力 で 賄 うことを 義 務 付 ける 再 生 可 能 エネル ギー 利 用 基 準 制 度 (RPS)が 再 エネの 利 用 拡 大 に 貢 献 しており 2015 年 12 月 現 在 29 州 お よびワシントン DC で 導 入 されている 2015 年 にはこの RPS の 設 定 目 標 を 引 き 上 げる 動 きがいくつかの 州 でみられた ハワイ 州 は 2015 年 6 月 8 日 2030 年 までに 40% のこれまでの 目 標 を 2045 年 までに 100% とす る 目 標 に 一 気 に 引 き 上 げた バーモント 州 は 2015 年 6 月 11 日 2017 年 までに 20% とい う 従 来 の 拘 束 力 のない 目 標 を 2032 年 までに 75% という 拘 束 力 のある 目 標 に 改 めた カ リフォルニア 州 はこれまで 野 心 的 といわれた 2020 年 までに 33% とする 目 標 を 2015 年 10 月 2030 年 までに 50% とする 目 標 にさらに 強 化 した ニューヨーク 州 は 11 月 23 日 2015 年 までに 29% というこれまでの 目 標 を 2030 年 までに 50% とする 新 たな 目 標 に 改 めた 一 方 一 部 の RPS 導 入 州 で 目 標 を 下 方 修 正 する 動 きもみられた オハイオ 州 は 2024 年 までに 12.5%という 再 エネ 目 標 を 2014 年 に 2 年 間 凍 結 することを 決 定 した ウェストバー ジニア 州 は 2015 年 1 月 2025 年 までに 25%という 拘 束 力 のない RPS 目 標 を 全 米 で 初 めて 廃 止 した 同 州 の RPS は Alternative Energy Standard と 呼 ばれ 目 標 を 満 たすための 代 替 電 源 には 最 新 石 炭 技 術 コールベッドメタン 石 炭 ガス 化 液 化 から 生 成 される 燃 料 廃 石 炭 など 様 々な 化 石 燃 料 発 電 技 術 が 含 まれていた カンザス 州 は 2020 年 までに 20%という 拘 束 力 のある RPS 目 標 を 設 定 していたが 2015 年 5 月 これを 拘 束 力 のない 目 標 に 変 更 し た RPS は KS 州 を 有 力 な 風 力 州 に 押 し 上 げ 2014 年 において KS 州 は 全 米 第 6 位 の 風 力 導 入 州 となっている 同 州 の 電 気 事 業 者 は 20%の RPS 目 標 をすでにクリアしており RPS 制 度 の 使 命 はすでに 終 わったとの 主 張 もあった 家 庭 や 企 業 の 自 家 発 余 剰 電 力 を 電 気 事 業 者 が 小 売 料 金 の 価 格 で 買 い 取 るネットメータリ ング 制 度 も ソーラーパネルの 価 格 低 下 と 相 まって ルーフトップ 型 太 陽 光 発 電 の 設 置 を 増 大 させている しかし こうした 分 散 型 再 エネ 自 家 発 電 源 の 急 激 な 増 大 によって 電 気 事 業 者 の 側 に 費 用 回 収 不 足 や 売 り 上 げ 減 少 の 問 題 が 顕 在 化 してきたため 余 剰 電 力 の 買 取 価 格 の 引 き 下 げや 再 エネ 自 家 発 需 要 家 向 けの 基 本 料 金 の 引 き 上 げが 検 討 され 始 めている 4. 米 国 の 原 子 力 発 電 米 国 は 世 界 に 先 駆 けて 原 子 力 開 発 を 手 掛 けた 国 で 現 在 世 界 一 の 原 子 力 発 電 国 である 2015 年 11 月 現 在 30 州 において 99 基 (BWR34 基 PWR65 基 )の 原 子 炉 が 30 社 によ り 運 転 されている 基 数 は 1990 年 の 112 基 をピークに 減 少 しているものの 出 力 増 強 や 設 備 利 用 率 向 上 によって 発 電 電 力 量 は 2010 年 に 8,070 億 kwh( 総 発 電 電 力 量 の 約 20%)と 過 去 最 高 を 記 録 した その 後 2014 年 は 7,972 億 kwh( 同 19%)と 若 干 減 少 しているが

石 炭 火 力 の 37% ガス 火 力 の 28%に 次 ぐ 基 幹 電 源 の 役 割 を 依 然 として 担 っている 新 設 気 運 は 沈 静 化 新 規 建 設 は 1979 年 のスリーマイル 島 (TMI) 事 故 以 来 反 対 運 動 に 加 えて 電 力 需 要 の 鈍 化 もあって 停 滞 してきた しかし 2000 年 以 降 のエネルギー 電 力 需 要 の 増 大 を 受 けて 2001 年 にはブッシュ 政 権 が 国 家 エネルギー 政 策 で 原 子 力 推 進 を 謳 うとともに 2005 年 の 包 括 エネルギー 法 では 新 規 建 設 に 対 する 財 政 支 援 策 が 盛 り 込 まれ 原 子 力 再 始 動 へと 転 換 した この 政 府 支 援 を 受 けて 電 気 事 業 者 の 建 設 計 画 が 相 次 いだ 2012 年 にはボーグル 3 4 号 機 (サザン 社 )および V.C.サマー2 3 号 機 (サウスカロライナ E&G 社 )に 対 して 建 設 運 転 一 括 許 可 (COL)が 発 給 され 34 年 ぶりとなる 新 設 許 認 可 が 実 現 した しかし 一 方 で シェールガスの 生 産 増 大 で 天 然 ガス 価 格 が 低 下 し 卸 電 力 価 格 が 低 下 して いること 経 済 の 停 滞 で 将 来 の 電 力 需 要 の 鈍 化 が 予 想 されることなどから 新 規 建 設 計 画 を 取 りやめたり 先 送 りしたりする 電 気 事 業 者 も 出 てきており 一 時 の 新 設 気 運 からは 後 退 している また 運 転 中 の 原 子 力 発 電 所 についても 経 済 性 低 下 を 理 由 に 出 力 増 強 計 画 をキャンセル したり 閉 鎖 を 発 表 したりする 原 子 炉 もある 2016 年 1 月 現 在 閉 鎖 が 発 表 され すでに 停 止 した 原 子 力 発 電 所 としてはクリスタル リバー3 号 機 (デューク エナジー 社 ) キウ ォーニ 1 号 機 (ドミニオン 社 ) サンオノフレ 2 3 号 機 (SCE 社 ) バーモント ヤンキー (エンタジー 社 )があり まだ 運 転 中 の 発 電 所 としてオイスタークリーク(エクセロン 社 2019 年 末 まで) ピルグリム(エンタジー 社 2019 年 6 月 まで) フィッツパトリック(エ ンタジー 社 2017 年 まで)がある 5. 電 源 開 発 状 況 米 国 では 豊 富 な 化 石 燃 料 の 内 でも 発 電 用 にはコストが 安 い 石 炭 を 燃 料 とする 石 炭 火 力 が 最 も 多 く 建 設 されてきた 前 述 のように この 石 炭 火 力 に 加 えて 60 年 代 後 半 からは 原 子 力 さらに 近 年 は 再 エネ 電 源 の 開 発 も 行 われてきている また 最 近 ではガス 価 格 の 低 下 を 受 けて ガス 火 力 の 建 設 も 盛 んになっている 2013 年 における 発 電 設 備 容 量 ( 銘 板 容 量 )は 11 億 7,219 万 kw で 2003 年 の 10 億 3,169 万 kw から 10 年 間 で 14% 増 大 した 設 備 容 量 に 基 づく 電 源 構 成 は 石 炭 が 33%から 28% 石 油 は 7%から 5% 天 然 ガス(その 他 ガス 含 む)は 39%から 42% 原 子 力 は 10%から 9% 水 力 ( 揚 水 含 む)は 9%から 9% その 他 再 エネは 2%から 8%へとそれぞれ 変 化 している また 2013 年 の 発 電 設 備 を 事 業 者 タイプ 別 でみると 電 気 事 業 者 57% 非 電 気 事 業 者 (IPP)43%となっている 今 後 の 新 規 建 設 は 連 邦 エネルギー 情 報 局 (EIA)の 新 増 設 閉 鎖 計 画 (2014 年 ~2018 年 )によると 5 年 間 で 4,215 万 kw の 発 電 設 備 の 新 増 設 が 計 画 される 一 方 4,079 万 kw の 閉 鎖 も 計 画 されており 正 味 の 発 電 設 備 増 分 は 1,682 万 kw となる

計 画 されている 新 増 設 設 備 のうち ガス 火 力 が 50%を 占 め 次 いで 風 力 27% ソーラー 13%となっている これはシェールガスの 登 場 による 近 年 の 天 然 ガス 価 格 の 低 下 が 大 きな 要 因 である 一 方 閉 鎖 が 計 画 されている 発 電 設 備 の 72%は 石 炭 火 力 が 占 めている 前 述 の ように 気 候 変 動 問 題 に 対 する 対 策 の 一 環 として 連 邦 環 境 保 護 局 (EPA)が CO2 排 出 基 準 を 州 ごとに 定 めており 石 炭 火 力 発 電 所 の 閉 鎖 は こうした 環 境 規 制 に 対 する 事 業 者 の 対 応 策 と 考 えられる 6. 電 気 事 業 体 制 3,000 社 超 の 電 気 事 業 者 自 由 化 市 場 の 新 たなプレーヤー 米 国 には 現 在 3,200 社 以 上 の 電 気 事 業 者 (Utilities)が 存 在 する これら 事 業 者 は 所 有 形 態 により 私 営 連 邦 営 地 方 公 営 協 同 組 合 営 事 業 者 に 分 類 される 私 営 事 業 者 は 200 社 程 度 あり 全 米 販 売 電 力 量 の 約 6 割 を 供 給 している 伝 統 的 に 発 電 送 電 配 電 小 売 供 給 サービスを 地 域 独 占 体 制 により 一 貫 運 営 してきたが 1990 年 代 の 電 力 自 由 化 の 進 展 に 伴 い それぞれの 部 門 を 分 社 化 したり 発 電 部 門 を 売 却 して 送 配 電 事 業 に 特 化 したり 関 係 会 社 を 通 して 従 来 の 供 給 区 域 外 の 地 域 に 事 業 進 出 したりする 事 業 者 も ある 連 邦 営 事 業 者 は 9 社 あり 水 力 発 電 開 発 と 発 電 電 力 の 卸 販 売 を 主 な 事 業 としている テ ネシー 渓 谷 開 発 公 社 (TVA)やボンネビル 電 力 局 (BPA)などが 知 られている 地 方 公 営 事 業 者 は 2,000 社 程 度 あり 州 または 地 方 自 治 体 が 所 有 している 主 に 配 電 事 業 に 従 事 しており 規 模 の 小 さな 事 業 者 が 大 半 を 占 めている ただし 中 にはサクラメン ト 電 力 公 社 (SMUD)やロサンゼルス 水 道 電 気 局 (LADWP)など 発 送 配 電 を 一 貫 して 行 う 大 規 模 事 業 者 も 存 在 する 協 働 組 合 営 事 業 者 は 900 社 近 くあり 需 要 密 度 の 低 い 農 村 部 の 住 民 やコミュニティが 組 合 員 となって 設 立 された 事 業 者 で 主 に 組 合 員 向 けに 電 力 供 給 を 行 っている 大 部 分 が 配 電 専 業 である この 他 自 由 化 に 伴 い 独 立 系 発 電 事 業 者 (IPP)やパワー マーケターなど 非 電 気 事 業 者 と 呼 ばれる 事 業 者 も 電 力 事 業 に 携 わっている 系 統 運 用 米 国 の 電 力 系 統 は 東 部 西 部 テキサスの 3 大 系 統 に 大 別 される 送 電 線 の 運 用 制 御 については 従 来 送 電 線 を 所 有 する 電 力 会 社 が 実 施 する 形 態 が 大 半 であった 1990 年 代 の 卸 電 力 市 場 の 自 由 化 に 伴 い 連 邦 規 制 当 局 により 広 域 系 統 運 用 機 関 (ISO/RTO)の 設 立 が 推 奨 され ニューイングランド ニューヨーク PJM 大 陸 中 央 部 南 西 部 テキサス カリフォルニアといった 地 域 では 送 電 線 の 所 有 権 を 電 力 会 社 に 残 しながら 運 用 制 御 機 能 を ISO/RTO に 移 管 している その 他 の 地 域 では 従 来 通 り 地 元 電 力 会 社 が 送 電 線 を 所 有 するとともに 系 統 の 運 用 制 御 を 実 施 している

7. 電 力 自 由 化 動 向 卸 電 力 市 場 の 自 由 化 と ISO/RTO の 設 立 1992 年 エネルギー 政 策 法 により 公 益 事 業 持 株 会 社 法 (PUHCA)の 規 制 を 適 用 免 除 さ れた 新 たな 発 電 事 業 者 区 分 として 適 用 除 外 卸 発 電 事 業 者 (EWG)という 独 立 系 発 電 事 業 者 (IPP)が 規 定 された これにより 卸 目 的 で 発 電 事 業 を 営 む EWG は 事 業 形 態 および 地 理 的 活 動 範 囲 において 自 由 に 発 電 施 設 を 所 有 運 転 し 電 力 を 販 売 することが 可 能 となり 卸 発 電 市 場 が 全 米 大 で 実 質 的 に 自 由 化 されることになった 連 邦 エネルギー 規 制 委 員 会 (FERC)は 卸 電 力 市 場 における 更 なる 競 争 促 進 を 図 るべく 1996 年 に オーダー888 889 を 発 令 し 送 電 部 門 と 発 電 部 門 の 機 能 分 離 および 送 電 線 の 第 三 者 利 用 者 への 開 放 を 電 力 会 社 に 義 務 付 けるとともに 送 電 線 の 非 差 別 的 利 用 を 保 証 す るための 情 報 ネットワークの 構 築 も 義 務 付 けた FERC の オーダー888 では 系 統 運 用 の 効 率 化 と 中 立 性 確 保 の 観 点 から 独 立 系 統 運 用 者 (ISO)の 設 立 が 推 奨 され いくつかの ISO が 設 立 された これらには 従 来 から 存 在 し たタイトなパワープールを 前 身 として 設 立 された ISO ニューイングランド(ISO-NE) ニ ューヨーク ISO(NYISO) PJM-ISO があった FERC はさらに 1999 年 12 月 に オーダ ー2000 を 発 令 し ISO の 不 備 を 補 完 する 形 で 地 域 送 電 機 関 (RTO)と 呼 ばれる 広 域 系 統 運 用 機 関 の 設 立 を 電 気 事 業 者 に 要 請 した その 結 果 米 国 では 現 在 まで 7 つの ISO/RTO が 設 立 され このうち ISO-NE PJM MISO SPP の 4 機 関 が RTO として FERC の 承 認 を 得 ている 米 国 の 現 在 の 卸 電 力 市 場 は 地 域 によって 2 種 類 の 市 場 構 造 に 大 別 される 一 つは 電 力 取 引 が 供 給 事 業 者 間 で 直 接 交 渉 され 組 織 化 されていない 個 々の 送 電 線 所 有 者 を 通 して 給 電 計 画 が 策 定 される 相 対 取 引 をベースとする 市 場 で 南 東 部 南 西 部 西 部 山 間 部 北 西 部 などにおいて 主 流 の 形 態 である もう 一 つは 広 域 にわたりすべての 送 電 施 設 を 運 用 制 御 する 独 立 系 統 運 用 者 (ISO)ある いは 地 域 送 電 機 関 (RTO)といった 広 域 系 統 運 用 機 関 によって 組 織 的 取 引 市 場 が 運 用 され ている 市 場 で 北 東 部 中 部 大 西 洋 地 域 中 西 部 テキサス カリフォルニアなどで 主 流 の 形 態 である これらの 地 域 の 大 部 分 の 州 では 小 売 市 場 も 自 由 化 され 競 争 の 拡 大 が 図 ら れている 米 国 の 電 力 の 約 3 分 の 2 はこれら ISO/RTO のカバーする 地 域 で 消 費 されてい る 小 売 市 場 自 由 化 は 州 単 位 小 売 市 場 が 自 由 化 されている いないにかかわらず いずれの 州 においても 最 終 消 費 者 に 供 給 される 電 力 は 卸 電 力 市 場 ( 独 立 系 発 電 事 業 者 や 組 織 的 卸 電 力 市 場 )からの 購 入 か 電 気 事 業 者 の 自 社 発 電 あるいはその 二 つの 組 み 合 わせによって 調 達 される 小 売 市 場 が 自 由 化 されていない 規 制 州 では 電 気 事 業 者 は 州 規 制 当 局 による 伝 統 的 な 報 酬 率 規 制 を 受 ける 小 売 需 要 家 は 地 元 電 気 事 業 者 以 外 の 小 売 事 業 者 を 選 択 することはでき

ない またこれら 電 気 事 業 者 の 大 部 分 は 発 送 配 電 施 設 を 保 持 する 垂 直 統 合 形 態 をとってい る 小 売 電 力 市 場 の 自 由 化 競 争 導 入 は 州 単 位 で 進 められており 当 初 は 最 大 24 州 およびワ シントン DC で 自 由 化 実 施 に 関 する 法 律 が 成 立 したり 規 則 が 制 定 されたりした しかし その 後 2000 年 から 2001 年 にかけてカリフォルニア 州 で 電 力 危 機 が 発 生 し 同 州 は 2001 年 9 月 に 小 売 競 争 を 中 断 した アーカンソー 州 およびニューメキシコ 州 は 一 旦 成 立 した 自 由 化 法 を 廃 止 した オクラホマ 州 およびウェストバージニア 州 は 自 由 化 実 施 を 無 期 延 期 とし 活 動 を 中 止 した その 結 果 2016 年 1 月 現 在 全 米 50 州 のうち 小 売 全 面 自 由 化 を 実 施 しているのは 13 州 およびワシントン DC でのみである このほかオレゴン ネバダ モンタナ バージニ ア ミシガン カリフォルニアの 6 州 は 大 口 需 要 家 に 限 定 した 部 分 自 由 化 を 実 施 中 である カリフォルニア 州 は 2010 年 に 家 庭 用 以 外 の 需 要 家 を 対 象 に 小 売 自 由 化 を 再 開 したが 自 由 化 の 上 限 枠 を 自 由 化 中 断 前 の 水 準 に 設 定 している またミシガン 州 は 2008 年 に 自 由 化 法 を 改 正 して 自 由 化 枠 を 電 気 事 業 者 の 前 年 の 販 売 電 力 量 の 10%に 限 定 する 変 則 的 自 由 化 を 実 施 している 広 域 系 統 運 用 機 関 (ISO/RTO)が 設 置 されている 地 域 および 垂 直 統 合 体 制 を 維 持 してい る 地 域 の 市 場 構 造 図 はそれぞれ 下 記 の 電 力 供 給 体 制 に 示 す 通 りである 電 力 供 給 体 制 地 域 送 電 機 関 (RTO)を 設 置 している 地 域 など ( 発 電 ) 電 気 事 業 者 ( 発 電 部 門 ) IPP ( 送 電 卸 売 ) 設 備 所 有 系 統 運 用 市 場 運 営 電 気 事 業 者 ( 送 電 部 門 ) ISO/RTO 取 引 市 場 ( 配 電 ) 電 気 事 業 者 ( 配 電 部 門 ) ( 小 売 ) 電 気 事 業 者 ( 小 売 部 門 ) マーケター 需 要 家

垂 直 統 合 体 制 を 維 持 している 地 域 など 電 気 事 業 者 ( 発 電 ) 発 電 部 門 IPP ( 送 電 ) 送 電 部 門 ( 所 有 運 用 ) ( 配 電 ) 配 電 部 門 ( 小 売 ) 小 売 部 門 需 要 家 海 外 電 力 調 査 会 作 成 ( 2016 年 1 月 更 新 )