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当 科 で 対 応 可 能 な 主 な 疾 患 と 治 療 について (1) 新 鮮 外 傷 きず 跡 の 修 正 外 傷 とは 外 力 ( 機 械 的 物 理 的 化 学 的 )により 生 じた 組 織 臓 器 の 損 傷 (けが)をさします 形 成 外 科 では 顔 面 手 足 などにおいて 骨 筋 肉 腱 神 経 血 管 の 外 傷 を 扱 っています そのうち 頻 度 の 高 い 軟 部 組 織 損 傷 は 切 創 ( 切 りきず) 擦 過 傷 (すりきず) 裂 挫 創 ( 皮 膚 が 裂 けたきず) 刺 創 ( 刺 しきず) 咬 傷 ( 咬 みきず)に 分 けられます 創 をきれいに 治 すためには 初 期 の 治 療 がとても 大 切 です 傷 んだ 組 織 を 切 除 して 縫 合 します 真 皮 縫 合 を 行 うことで 早 期 に 抜 糸 し きず 跡 が 目 立 たなくなるように 工 夫 しています 擦 過 傷 でアスファルトの 粉 や 地 面 の 汚 れが 残 ったまま 皮 膚 に 覆 われると 外 傷 性 刺 青 を 生 じます 処 置 を 行 う 時 に 徹 底 的 にブラシでこす ってこれらの 異 物 を 取 り 除 きます ブラシで 取 れないよごれは 局 所 麻 酔 をして 組 織 ごと 削 除 します また 自 宅 や 他 院 で 治 療 したものの きず 跡 がきたなく 治 ったり 引 きつれを 生 じたときには 当 科 にご 相 談 くだ さい (2) 新 鮮 熱 傷 熱 傷 (やけど)は 日 常 生 活 において 最 も 多 い 外 傷 の 一 つです 受 傷 した 部 位 と 大 きさ( 面 積 ) 損 傷 の 深 さ により 治 ったきず 跡 ( 瘢 痕 )がケロイド(きず 跡 が 盛 り 上 がる) 状 になったり 拘 縮 ( 引 きつれ)など の 後 遺 症 を 起 こすこともありますので 注 意 が 必 要 です 熱 傷 (やけど)とは 皮 膚 に 高 温 が 作 用 したために 起 こる 傷 害 をさします 高 温 の 液 体 や 固 体 が 一 定 時 間 以 上 接 すると 生 じるものです 火 炎 爆 発 などで 生 じる 場 合 もあります また 低 温 やけどと 呼 ばれる 比 較 的 低 い 温 度 (44~60 度 )で 生 じるやけどもあります 足 のしびれで 知 覚 鈍 麻 があったり 泥 酔 し た 状 態 で 熱 めの 湯 たんぽに 接 触 し 続 けたり 長 時 間 ファンヒーターにあたることで 生 じます 長 時 間 治 癒 傾 向 にないときには 手 術 が 必 要 なことがあります この 他 特 殊 なやけどとして 薬 品 ( 酸 アルカリ 溶 液 など)による 化 学 熱 傷 電 流 ( 家 庭 電 源 落 雷 な ど)による 電 撃 傷 などがあります 治 療 は 保 存 的 療 法 と 手 術 療 法 に 分 かれます ある 程 度 深 い 熱 傷 までの 治 療 は 保 存 的 療 法 で 行 い bfgf(フ ィブラストスプレー)を 散 布 することで きず 跡 をよりきれいに 目 立 ちにくくします 深 い 熱 傷 は 植 皮 や 皮 弁 法 といった 手 術 で 治 療 するので2~3 週 間 の 入 院 が 必 要 になります (3) 指 粘 液 嚢 腫 指 粘 液 嚢 腫 とは 爪 の 根 元 の 皮 膚 に 膨 らみができて 中 に 淡 黄 色 のゼリー 状 の 粘 液 が 貯 留 するものです 原 因 は 関 節 内 の 潤 滑 剤 である 滑 液 が 周 囲 組 織 内 に 漏 れ 出 た 結 果 皮 膚 に 貯 留 し 嚢 腫 を 形 成 したものと 考 えられ ます 関 節 近 傍 組 織 を 取 り 除 くことで 再 発 を 防 ぎます (4) 脂 肪 腫 粉 瘤 色 素 性 母 斑

脂 肪 腫 は 大 きくなると 30cm 長 以 上 になることもあり 皮 下 のものは 軟 らかく 触 れますが 筋 肉 下 にできる ものはやや 硬 く 触 れることがあります 当 科 では 小 さな 皮 切 から 脂 肪 のかたまりを 絞 り 出 す 方 法 を 用 いて きず 跡 がより 小 さく 目 立 たなくなる 工 夫 をしています 粉 瘤 は 皮 膚 にできた 袋 に 油 かす(ケラチノサイト)が 貯 留 してできた 皮 膚 腫 瘍 で 脂 肪 の 固 まり( 脂 肪 腫 ) と 混 同 されている 方 もおられます 押 さえても 痛 くも 痒 くもありませんが 不 潔 操 作 で 内 容 物 を 押 し 出 し たりすることで 局 所 感 染 を 生 じ 疼 痛 や 発 赤 排 膿 を 生 じます 外 科 的 切 除 の 適 応 ですので 痛 みが 出 る 前 に 受 診 してください 色 素 性 母 斑 はホクロの 大 きなものです 特 に 顔 面 では 切 除 後 のきず 跡 が 目 立 たなく なる 工 夫 ( 縫 合 線 をしわの 方 向 に 合 わせる 等 )を 行 っています (5) 眼 瞼 下 垂 症 眼 瞼 下 垂 症 は 先 天 性 のものと 後 天 性 のものに 分 けられます 近 年 後 天 性 に 分 類 される 瞼 膜 性 眼 瞼 下 垂 が 注 目 されています 繰 り 返 し 眼 をこすることが 原 因 とされ 挙 筋 瞼 膜 が 瞼 板 から 外 れて 生 じます 高 齢 者 のみならず 若 い 人 たちにも 起 こるので 瞼 が 開 きにくくなったと 感 じたら 一 度 受 診 されることをおすすめ します 比 較 的 簡 単 な 手 術 で 改 善 します 両 眼 同 時 に 手 術 するときには 入 院 が 必 要 になります 加 齢 現 象 として 単 純 にまぶたが 下 がって 前 が 見 えにくいときにも 手 術 で 改 善 するのでご 相 談 ください (6) 腋 臭 症 (わきが) 腋 臭 症 は 遺 伝 により 子 孫 に 伝 えられますが 臭 気 の 程 度 が 軽 いものは 治 療 不 要 です 市 販 されている 制 汗 剤 でコントロールしてください 臭 気 の 原 因 となるアポクリン 腺 が 発 達 している 人 の 割 合 は 長 崎 でおよそ 30% 沖 縄 では50% 白 人 や 黒 人 はほぼ100%です 米 国 ではアルミニウム ジルコニウム 化 合 物 が 含 まれたジェルタイプの 制 汗 剤 がその 強 力 な 効 果 のため 主 流 ですが 吸 引 毒 性 があるので 日 本 のスプレ ー 式 の 製 品 には 使 われていません 手 術 による 治 療 は 剃 毛 した 腋 窩 を 切 開 して 皮 膚 をひっくり 返 してア ポクリン 腺 だけを 摘 出 して 縫 合 します 完 全 にアポクリン 腺 を 除 去 することはできないため 臭 いがある 程 度 残 りますので 術 後 も 制 汗 剤 の 使 用 を 続 けるのがよいでしょう 同 時 に 毛 根 も 除 去 されるので 術 後 に 腋 毛 が 薄 くなります 片 側 ずつ 手 術 すれば 入 院 せずに 通 院 治 療 が 可 能 です 当 科 では 保 険 治 療 で 対 応 してい ます (7) 耳 瘻 孔 耳 瘻 孔 は 耳 前 部 や 耳 輪 前 縁 に 小 孔 を 認 め ときに 臭 気 を 伴 う 内 容 物 が 圧 出 されます 瘻 管 が 軟 骨 までつな がっていることが 多 く 感 染 を 生 じると 治 療 に 手 間 取 ることも 多 いことから 軟 骨 を 含 めて 瘻 管 を 摘 出 しま す (8) 陥 入 爪 巻 き 爪 変 形 陥 入 爪 とは 爪 がくい 込 んで 炎 症 や 痛 み 肉 芽 形 成 を 生 じるもの 巻 き 爪 は 爪 が の の 字 に 変 形 したもの で 両 者 が 合 併 したものもあります 陥 入 爪 の 治 療 はくい 込 んだ 余 剰 爪 を 切 除 して 余 剰 爪 の 根 本 の 爪 母 を 専 用 の 器 械 で 焼 灼 して くい 込 む 部

位 の 爪 が 新 たに 生 えて 来 ないようにします 巻 き 爪 は 抜 爪 後 に 皮 弁 法 で 爪 床 を 平 坦 にして きれいな 爪 が 生 え 替 わるのを 待 ちます (9) 切 断 指 再 接 着 刃 物 や 機 械 に 巻 き 込 まれたりすることで 切 断 された 指 は 条 件 がよければつなぎ 合 わせることが 出 来 ます 骨 や 腱 をつないで 顕 微 鏡 をのぞきながら 動 脈 静 脈 神 経 をつなぎます 喫 煙 が 吻 合 血 管 の 閉 塞 を 有 意 に 助 長 するため 術 後 は 禁 煙 を 守 っていただきます 爪 の 高 さ(レベル)での 切 断 では 動 脈 が 枝 分 かれをし ていて つなぎ 合 わせるのが 困 難 なことが 多 く このときには 皮 弁 術 で 指 尖 部 を 再 建 します (10)ピアスケロイド 耳 垂 ケロイドとも 言 います 真 性 ケロイドとは 異 なり 硬 くなった 組 織 をくり 抜 いて 耳 垂 を 整 えて 縫 合 し ます 再 発 を 防 止 するために 術 後 に 圧 迫 療 法 を 行 います (11) 神 経 線 維 腫 症 (レックリングハウゼン 氏 病 ) レックリングハウゼン 氏 病 では 体 表 に 神 経 線 維 腫 が 多 発 します 顔 面 や 上 肢 の 目 立 つ 部 位 のみならず 切 除 部 位 は 患 者 様 のご 要 望 に 沿 うように 検 討 します (12) 顔 面 骨 骨 折 交 通 事 故 や 作 業 中 の 事 故 転 倒 やけんか スポーツで 他 人 の 膝 や 肘 が 当 たることで 受 傷 します 鼻 骨 骨 折 頬 骨 骨 折 眼 窩 骨 折 ( 吹 き 抜 け 骨 折 を 含 む)の 頻 度 が 多 いです 骨 折 は 外 見 からわかることもありますが 通 常 は 骨 折 部 位 を 押 さえると 痛 みを 訴 えます 頬 骨 骨 折 では 上 口 唇 や 歯 槽 部 がしびれ 眼 窩 骨 折 では 眼 球 の 動 きが 悪 くなったり 複 視 を 訴 えたりします 鼻 を 強 くかむと 皮 下 に 空 気 が 漏 れて 膨 らむため これを 禁 止 します 鼻 骨 骨 折 は 外 来 で 整 復 します 他 の 顔 面 骨 骨 折 は 顔 面 の 腫 れが 退 いてから 入 院 して 全 身 麻 酔 下 に 手 術 します 頭 蓋 骨 外 板 を 採 取 して 骨 移 植 を 行 うことがあります 入 院 は1 週 間 程 度 です なお 頬 骨 弓 骨 折 は 局 所 麻 酔 で 手 術 します (13) 手 足 の 先 天 異 常 ( 合 指 趾 症 裂 手 裂 足 ) 生 まれつき 手 や 足 の 指 がくっついていたり 本 数 が 多 かったり 少 なかったり 変 形 しているもので 1-2 歳 ごろに 手 術 を 行 います (14) 副 耳 耳 前 瘻 孔 副 耳 は 皮 下 に 軟 骨 を 触 れるものと 触 れないものがあります 軟 骨 を 触 れるものでは 軟 骨 も 切 除 します 耳 瘻 孔 は 耳 前 部 や 耳 輪 前 縁 に 小 孔 を 認 めます 瘻 管 が 軟 骨 までつながっていることが 多 く 感 染 を 生 じると 治 療 に 手 間 取 ることも 多 いことから 軟 骨 を 含 めて 瘻 管 を 摘 出 します 手 術 時 期 は 生 後 6ヶ 月 以 降 であれば 可 能 です

(15) 耳 介 変 形 ( 埋 没 耳 立 ち 耳 折 れ 耳 スタール 耳 耳 垂 裂 ) 埋 没 耳 は 耳 介 が 皮 下 に 埋 もれている 状 態 で まずは 矯 正 装 具 の 装 着 を 行 います 開 始 時 期 は 生 後 早 期 から がよく 産 科 を 退 院 したらできるだけ 早 めに 形 成 外 科 を 受 診 してください 折 れ 耳 は 耳 介 が 途 中 で 折 れ 曲 がった 状 態 スタール 耳 は 耳 介 上 部 がとがって 丸 みがなくなっている 状 態 で 生 後 まもなくからの 矯 正 で 改 善 されます 立 ち 耳 は 耳 介 が 前 方 に 立 ち 上 がった 状 態 で 程 度 が 強 いものは 治 療 の 対 象 になります 3 歳 から 5 歳 になると 軟 骨 が 硬 くなることと 装 具 をいやがって 外 してしまうことから 矯 正 が 難 しくなり 手 術 を 行 います できるだけきず 跡 が 目 立 たなくなるように 皮 切 を 工 夫 しています 耳 垂 裂 は 耳 たぶが 二 つに 裂 けたように 見 える 形 態 で 工 夫 した 皮 弁 法 ( 手 術 )で 再 建 します (16) 手 指 骨 折 腱 損 傷 当 科 では 指 の 骨 折 の 治 療 を 行 います 指 の 骨 には 伸 筋 腱 や 屈 筋 腱 が 付 着 して 複 雑 な 指 の 動 きを 可 能 にして います これらの 腱 の 断 裂 や 付 着 部 からの 引 き 抜 きに 対 して 腱 縫 合 やワイヤー 固 定 で 修 復 します 指 の 骨 折 は 伝 達 麻 酔 下 に 整 復 して 鋼 線 (ワイヤー)やスクリューで 固 定 します 関 節 内 骨 折 や 複 雑 な 骨 折 に 対 して 創 外 固 定 器 を 装 着 することがあります (17) 陥 没 乳 頭 乳 頭 が 乳 輪 より 陥 凹 している 状 態 を 陥 没 乳 頭 といいます 乳 頭 を 用 手 的 に 引 き 出 すことが 出 来 れば 持 続 吸 引 用 具 を 後 戻 りしなくなるまで 装 着 します 乳 頭 が 出 てこないケースでは 乳 管 の 損 傷 に 気 をつけながら 乳 頭 を 二 分 割 して 乳 頭 を 引 き 出 す 手 術 を 行 います (18) 乳 癌 術 後 の 乳 房 再 建 乳 房 再 建 は 乳 癌 切 除 手 術 と 同 時 に 行 う 一 期 的 再 建 と 乳 癌 切 除 後 一 定 期 間 を 経 た 後 に 行 う 二 期 的 再 建 があ ります 組 織 切 除 量 や 術 後 に 放 射 線 治 療 のあるなしで 術 式 や 手 術 時 期 が 変 わります また 多 くの 場 合 乳 癌 切 除 手 術 時 に 乳 頭 と 乳 輪 も 切 除 されるため 乳 房 再 建 術 後 の 腫 脹 が 治 まって 新 しい 乳 房 の 形 状 が 安 定 するまで 十 分 に 待 ってから 健 側 との 位 置 的 なバランスを 考 えて 乳 頭 と 乳 輪 を 作 製 します 授 乳 の 予 定 がな く 健 側 の 乳 頭 が 大 きな 場 合 は 乳 頭 を 半 切 して 患 側 に 移 植 します 乳 輪 も 健 側 から 採 取 して 移 植 したり 大 腿 の 付 け 根 の 色 素 沈 着 が 強 い 皮 膚 を 植 皮 します 乳 房 インプラントによる 再 建 は 現 在 のところ 保 険 適 用 外 のため 当 科 では 行 っていません もし この 手 術 を 自 費 で 行 ったとき たとえば 入 院 中 に 風 邪 をひいても 術 後 の 思 わぬ 合 併 症 に 対 しても 入 院 中 に 生 じる 全 ての 医 療 行 為 が 患 者 様 の10 割 負 担 となるためトラブル が 生 じやすいことが 問 題 になります それに 加 えて 当 院 が 公 的 病 院 であることを 考 慮 し 保 険 外 治 療 は 行 いませんのでご 理 解 をお 願 いします 乳 癌 術 後 の 乳 房 インプラントによる 再 建 術 が 保 険 適 応 されるよう に 学 会 からも 厚 労 省 に 働 きかけています インプラントの 利 点 は 体 の 他 の 部 位 に 新 たなきず 跡 ができない ことや 手 術 が 低 侵 襲 であることで 欠 点 は 人 工 物 であることに 起 因 するインプラント 感 染 や 被 皮 膜 拘 縮 に よる 乳 房 変 形 などの 危 険 性 があることです 基 本 的 な 再 建 法 は 乳 癌 を 切 除 すると 同 時 にティッシュエキスパンダー( 組 織 拡 張 器 )を 留 置 します テ ィッシュエキスパンダーを 時 間 をかけて 膨 らませることで 皮 膚 を 伸 ばします 必 要 な 組 織 量 により 広 背

筋 皮 弁 か 腹 直 筋 皮 弁 での 再 建 を 決 めます ティッシュエキスパンダーを 除 去 していずれかの 皮 弁 の 皮 膚 を denude して 乳 房 に 移 動 させ 乳 房 の 形 状 を 整 え 固 定 します (19) 軟 部 組 織 欠 損 皮 膚 癌 や 肉 腫 などの 切 除 後 または 外 傷 による 皮 膚 や 皮 下 組 織 筋 肉 などの 大 きな 欠 損 に 対 して 組 織 を 充 填 させる 必 要 があるとき 大 きく 骨 が 露 出 していて 植 皮 や 局 所 皮 弁 で 再 建 できないときには 遊 離 皮 弁 術 で 再 建 します 遊 離 皮 弁 術 とは 腹 部 や 大 腿 の 皮 膚 や 皮 下 組 織 を 血 管 ごと 採 取 して 組 織 が 欠 損 している 部 位 に 移 動 させ この 部 位 で 動 脈 と 静 脈 を 顕 微 鏡 をのぞきながら 吻 合 するマイクロサージャリーの 技 術 を 用 いた 術 式 のことです 当 科 ではマイクロサージャリーの 技 術 を 駆 使 した 組 織 欠 損 部 再 建 を 積 極 的 に 行 います (20) 涙 小 管 損 傷 眼 瞼 や 内 眼 角 部 付 近 の 挫 創 や 裂 傷 で 涙 小 管 が 切 断 したときに 切 断 端 を 同 定 して 顕 微 鏡 下 に 吻 合 します 2 週 間 程 度 シリコンチューブを 留 置 します