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市街化区域と市街化調整区域との区分

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天 然 記 念 物 の 指 定 区 域 (9) 鳥 獣 の 保 護 及 び 狩 猟 の 適 正 化 に 関 する 法 律 ( 平 成 14 年 法 律 第 88 号 ) 第 28 条 第 1 項 の 規 定 による 鳥 獣 保 護 区 (10) 急 傾 斜 地 の 崩 壊 による 災 害 の 防 止

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容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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16 日本学生支援機構

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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03

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第7章

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(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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高 第 3 種 17m 第 3 種 20m 第 3 種 30m 第 3 種 40m 第 3 種 30m 40m 建 築 物 の 各 部 分 の 高 さは 当 該 部 分 から 前 面 道 路 1 建 築 物 の 高 さは20メートル

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

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新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

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目 次 はじめに 1 第 1 章 用 途 地 域 等 に 関 する 指 定 方 針 2 1 用 途 地 域 に 関 する 指 定 方 針 2 2 その 他 の 地 域 地 区 の 活 用 方 針 2 3 用 途 地 域 の 変 更 及 び 決 定 にあたって 留 意 すべき 事 項 3 第 2 章

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

3 独 占 禁 止 法 違 反 事 件 の 概 要 (1) 価 格 カルテル 山 形 県 の 庄 内 地 区 に 所 在 する5 農 協 が, 特 定 主 食 用 米 の 販 売 手 数 料 について, 平 成 23 年 1 月 13 日 に 山 形 県 酒 田 市 所 在 の 全 国 農 業 協

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Transcription:

市 街 化 調 整 区 域 の 保 全 と 活 用 の 方 針 ( 平 成 18 年 3 月 29 日 市 長 決 裁 ) ( 平 成 22 年 11 月 22 日 最 終 改 正 ) Ⅰ 方 針 策 定 にあたって 2 1 方 針 策 定 の 背 景 2 2 目 的 と 位 置 づけ 4 Ⅱ 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープランにおける 基 本 方 針 5 1 市 街 地 の 範 囲 5 2 市 街 地 の 外 の 土 地 利 用 5 Ⅲ 市 街 化 調 整 区 域 の 保 全 と 活 用 の 方 針 6 Ⅳ 土 地 利 用 の 現 況 と 課 題 に 対 する 運 用 方 針 8 1 自 然 環 境 の 保 全 と 創 出 8 2 優 良 な 農 地 との 健 全 な 調 和 10 3 既 存 住 宅 団 地 の 居 住 環 境 の 維 持 増 進 11 4 秩 序 ある 都 市 的 土 地 利 用 の 誘 導 12 5 既 存 住 宅 団 地 以 外 の 地 区 計 画 の 取 扱 い 13 Ⅴ 方 針 の 運 用 14 Ⅵ 今 後 の 検 討 課 題 14 Ⅶ 上 位 計 画 との 整 合 14 別 表 1( 原 則 として 保 全 すべき 土 地 ) 15 1

Ⅰ 方 針 策 定 にあたって 1 方 針 策 定 の 背 景 本 市 の 南 西 部 は 広 大 な 山 岳 丘 陵 地 北 東 部 は 農 地 等 の 平 地 となっており 人 口 190 万 人 を 超 える 大 都 市 にもかかわらず 豊 かな 自 然 環 境 に 恵 まれている 本 市 では この 自 然 環 境 を 保 全 しつつ 急 速 な 人 口 増 加 に 対 応 するため 市 街 化 区 域 の 範 囲 を 徐 々に 拡 大 し 平 成 22 年 4 月 6 日 現 在 31,778 ヘクタールを 市 街 化 調 整 区 域 に 指 定 している この 市 街 化 調 整 区 域 では これまで 森 林 や 農 地 を 主 体 とした 緑 地 的 な 土 地 利 用 が 展 開 されてき たほか 線 引 き 以 前 からある 既 存 団 地 や 公 共 施 設 の 立 地 等 により 都 市 的 な 土 地 利 用 も 徐 々に 増 加 してきたが 現 在 では 次 のように 状 況 が 変 化 している (1) 市 街 化 区 域 拡 大 等 の 必 要 性 の 低 下 本 市 においても 少 子 化 の 進 展 に 伴 い 人 口 の 伸 びが 鈍 化 しており 将 来 的 には 人 口 が 減 少 することも 想 定 される また 都 心 居 住 傾 向 が 強 まる 一 方 で 郊 外 における 宅 地 需 要 が 減 少 しており 郊 外 部 を 中 心 に 市 街 化 区 域 内 に 相 当 数 の 未 利 用 地 が 存 在 している さらに かつて 市 街 化 調 整 区 域 に 立 地 されてきた 公 共 施 設 等 は 必 要 な 整 備 が 一 定 程 度 進 んできたことや 人 口 増 加 傾 向 の 鈍 化 厳 しい 財 政 状 況 等 から 今 後 は 立 地 が 見 込 ま れなくなってきている 2,000,000 1,800,000 1,600,000 1,400,000 1,200,000 人 口 ( 1,000,000 人 ) 800,000 600,000 札 幌 市 自 然 増 社 会 増 の 推 移 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 人 口 増 加 数 ( 人 ) 16,000 14,000 12,000 10,000 増 加 8,000 数 ( 人 6,000 ) 4,000 2,000 0 人 口 増 加 数 ( 人 / 年 )の 推 移 400,000 200,000 0 S44 S47 S50 S53 S56 S59 S62 H2 H5 H8 H11 H14 総 人 口 人 口 増 加 数 自 然 増 加 数 図 -1 人 口 増 加 の 推 移 10,000 0 社 会 増 加 数 (2,000) H2~7 H7~12 H12~17 A: 高 度 利 用 住 宅 地 B: 一 般 住 宅 地 C: 郊 外 住 宅 地 図 -2 市 街 地 区 分 別 人 口 増 加 数 ( 年 平 均 )の 推 移 (H17 国 勢 調 査 速 報 値 に 基 づく 推 計 ) 2

(2) 森 林 や 農 地 の 保 全 の 必 要 性 の 増 大 里 山 の 森 林 や 農 地 の 保 全 には 適 切 な 管 理 が 欠 かせないが 経 営 環 境 の 悪 化 や 高 齢 化 等 により 農 業 の 従 事 者 が 減 少 しており 森 林 や 農 地 が 放 置 され あるいは 資 材 置 き 場 等 に 転 用 され 蚕 食 的 な 土 地 利 用 が 進 行 している しかし その 一 方 で 自 然 や 農 業 に 対 する 市 民 の 関 心 の 高 まりや 地 球 温 暖 化 をはじめとする 環 境 問 題 の 深 刻 化 等 森 林 や 農 地 の 重 要 性 は 増 しており その 保 全 のために 新 たな 担 い 手 や 管 理 手 法 の 導 入 が 必 要 な 状 況 と なっている (3) 自 然 環 境 や 景 観 資 源 の 維 持 活 用 の 必 要 性 の 増 大 都 市 間 地 域 間 競 争 や 地 方 分 権 の 進 行 等 に 伴 い 各 地 方 自 治 体 が 創 意 工 夫 を 凝 らし 地 域 の 個 性 を 活 用 した 特 色 あるまちづくりを 進 めることが 重 要 になっている そのためには 本 市 都 市 計 画 区 域 の 過 半 を 占 め 本 市 の 特 長 である 自 然 環 境 や 景 観 資 源 等 の 魅 力 を 有 する 市 街 化 調 整 区 域 を 現 状 のまま 保 全 するだけでなく さらに 魅 力 を 維 持 創 出 させ 有 効 に 活 用 していくことが 必 要 である (4) 都 市 に 必 要 な 施 設 の 多 様 化 従 来 のような 人 口 増 加 を 前 提 とした 施 設 の 必 要 性 が 減 少 する 一 方 で 社 会 経 済 状 況 の 変 化 等 に 伴 い 廃 棄 物 処 理 施 設 のように 都 市 には 不 可 欠 であるが 市 街 化 区 域 内 に 立 地 することが 困 難 な 施 設 が 多 様 化 している 既 存 の 土 地 利 用 との 調 和 及 び 自 然 環 境 の 保 全 を 図 りながらこれらの 需 要 に 対 応 していくためには 適 切 な 土 地 利 用 の 誘 導 が 必 要 と なっている 本 市 の 土 地 利 用 施 策 は このような 社 会 経 済 状 況 等 の 複 合 的 な 変 化 に 対 応 していく 必 要 があるが 市 街 化 調 整 区 域 に 関 する 法 制 度 には 人 口 増 加 や 産 業 規 模 の 拡 大 を 前 提 として 設 計 され 長 期 的 な 人 口 減 少 が 予 測 される 現 在 の 社 会 経 済 状 況 に 適 していないものがある また 各 分 野 の 施 策 は 個 別 の 法 令 に 基 づいているため 相 互 の 連 携 調 整 が 十 分 とはいえ ない 状 況 も 見 受 けられる 3

2 目 的 と 位 置 づけ (1) 目 的 本 市 では 都 市 づくりの 全 市 的 な 指 針 として 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープランを 策 定 している このマスタープランにおける 都 市 づくりの 目 標 を 実 現 するためには 都 市 計 画 法 ( 開 発 許 可 制 度 等 )をはじめとする 諸 法 令 に 基 づく 施 策 や 規 制 により 個 別 の 建 築 行 為 等 の 誘 導 を 図 る 必 要 がある そこで 市 街 化 調 整 区 域 に 関 する 施 策 や 各 種 制 度 の 整 合 を 図 り 札 幌 市 都 市 計 画 マ スタープランが 目 指 す 土 地 利 用 に 誘 導 していくため 各 種 施 策 や 制 度 の 運 用 にあ たって 必 要 となる 基 本 的 な 考 え 方 を 明 確 にし その 方 向 性 を 示 すことを 目 的 にこの 方 針 を 策 定 する (2) 位 置 づけ この 方 針 は 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープラン ( 法 第 18 条 の 2 の 規 定 による 市 町 村 の 都 市 計 画 に 関 する 基 本 的 な 方 針 )における 市 街 地 の 外 の 土 地 利 用 につい ての 基 本 方 針 をふまえ 市 街 化 調 整 区 域 の 土 地 利 用 に 関 する 施 策 の 運 用 方 針 として 定 める 市 街 化 調 整 区 域 の 保 全 と 活 用 の 方 針 の 位 置 づけ 第 四 次 札 幌 市 長 期 総 合 計 画 方 針 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープラン ( 市 街 化 区 域 ) ( 市 街 化 調 整 区 域 ) 土 地 利 用 計 画 制 度 の 運 用 方 針 札 幌 市 都 市 再 開 発 方 針 市 街 化 調 整 区 域 の 保 全 と 活 用 の 方 針 規 制 手 法 なし 適 用 都 市 計 画 法 34 条 10 号 都 市 計 画 法 34 条 14 号 開 発 許 可 等 審 査 基 準 各 種 の 業 の 許 可 等 許 可 不 要 の 施 設 等 審 査 手 続 き 土 地 利 用 みどり 農 地 景 観 その 他 担 保 ( 例 ) 都 市 計 画 法 風 致 地 区 地 区 計 画 41 42 条 制 限 住 環 境 協 定 都 市 緑 地 法 緑 の 条 例 農 振 法 認 定 要 綱 景 観 法 都 市 景 観 条 例 廃 棄 物 など 特 別 緑 地 保 全 地 区 緑 地 協 定 保 全 樹 林 地 登 録 簿 農 用 地 区 域 景 観 地 区 景 観 協 定 施 設 設 置 ガイドライン など ( 太 枠 = 法 定 細 枠 = 市 独 自 の 制 度 や 任 意 規 定 可 能 なもの 点 線 枠 = 担 保 手 法 として 検 討 ) 4

Ⅱ 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープランにおける 基 本 方 針 1 市 街 地 の 範 囲 (1) 今 後 増 加 する 人 口 は 市 街 化 区 域 内 に 誘 導 し 市 街 地 の 居 住 密 度 を 維 持 又 は 高 め ることを 基 本 とする (2) 日 常 生 活 との 関 連 の 強 い 基 礎 的 な 都 市 機 能 は 市 街 化 区 域 内 において 身 近 な 範 囲 で 提 供 されることを 基 本 とする (3) 以 上 から 市 街 地 の 範 囲 は 現 状 の 市 街 化 区 域 内 とすることを 基 本 とし 市 街 化 区 域 の 拡 大 は 必 要 最 小 限 にとどめる 市 街 地 の 範 囲 札 幌 市 域 都 市 計 画 区 域 都 市 計 画 区 域 外 ( 国 有 林 など) 市 街 化 区 域 すでに 市 街 地 を 形 成 している 区 域 及 びおおむね 10 年 以 内 に 優 先 的 かつ 計 画 的 に 市 街 化 を 図 るべき 区 域 25,017ha 市 街 化 調 整 区 域 市 街 化 を 抑 制 すべき 区 域 31,778ha 市 街 地 の 外 2 市 街 地 の 外 の 土 地 利 用 (1) 市 街 地 外 周 を 森 林 農 地 等 が 取 り 囲 むという 札 幌 の 特 質 を 生 かし 都 市 個 性 を 伸 ばす 土 地 利 用 を 目 指 す (2) 良 好 な 自 然 環 境 を 今 後 とも 適 切 に 維 持 保 全 するとともに 更 なる 創 出 を 誘 導 す る (3) 都 市 活 動 を 維 持 するうえで 不 可 欠 でありながら 市 街 地 内 での 立 地 がなじまない 機 能 や 市 街 地 の 外 ならではの 特 質 を 生 かす 機 能 の 立 地 に 適 切 に 対 応 する 5

Ⅲ 市 街 化 調 整 区 域 の 保 全 と 活 用 の 方 針 Ⅰ 方 針 策 定 の 背 景 Ⅱ 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープランにおける 基 本 方 針 を ふまえ 日 常 生 活 に 必 要 な 機 能 は 市 街 化 区 域 内 に 立 地 することを 基 本 とし 本 市 の 市 街 化 調 整 区 域 においては 優 良 な 農 地 良 好 な 自 然 環 境 を 有 する 区 域 災 害 の 発 生 のおそ れがある 区 域 等 の 保 全 を 原 則 とする ただし 下 記 のすべての 項 目 に 該 当 する 土 地 利 用 は 新 たに 許 容 を 検 討 するものとし 必 要 な 基 準 の 策 定 や 改 正 等 に 取 り 組 む 1 市 街 化 区 域 内 では 困 難 又 は 著 しく 不 適 当 な 用 途 市 街 化 区 域 内 で 行 うことが 困 難 又 は 著 しく 不 適 当 と 認 められる 次 のいずれかに 該 当 する 土 地 利 用 であること (1) 自 然 環 境 農 的 環 境 及 び 既 存 住 宅 団 地 の 適 切 な 維 持 保 全 につながる 土 地 利 用 (2) 都 市 活 動 を 維 持 するうえで 不 可 欠 でありながら 市 街 化 区 域 内 での 立 地 がなじま ないもので かつ 自 然 環 境 農 的 環 境 及 び 既 存 の 居 住 環 境 に 配 慮 した 土 地 利 用 2 本 市 土 地 利 用 計 画 等 との 整 合 性 (1) 原 則 として 別 表 1に 掲 げる 保 全 すべき 土 地 を 含 まないこと (2) 当 該 土 地 利 用 により 国 北 海 道 本 市 の 緑 地 保 全 の 計 画 や 治 水 計 画 防 災 計 画 等 に 支 障 をきたすおそれがないこと (3) 水 道 水 源 の 区 域 については 水 源 の 保 全 に 影 響 を 与 えないものであること 3 市 街 化 の 抑 制 (1) 周 辺 の 市 街 化 を 促 進 するおそれがないこと (2) 当 該 土 地 利 用 に 伴 い 必 要 となる 道 路 水 道 等 の 公 共 施 設 や 公 益 施 設 が 周 辺 の 地 域 に 適 切 に 配 置 整 備 されており かつ その 容 量 からみて 当 該 土 地 利 用 を 受 け 入 れる 余 裕 があること (3) 当 該 土 地 利 用 に 伴 い 既 存 の 公 共 施 設 や 公 益 施 設 を 利 用 するため 必 要 となる 施 設 は 当 該 土 地 利 用 を 行 う 者 が 自 らの 負 担 において 整 備 すること (4) (3)の 施 設 は 原 則 として 当 該 土 地 利 用 を 行 う 者 が 自 ら 管 理 すること 必 要 に 応 じて 本 市 に 引 き 継 ぐ 場 合 は 維 持 管 理 が 容 易 で 将 来 にわたり 本 市 都 市 経 営 上 の 負 担 や 支 障 にならないものであること 6

4 周 辺 環 境 との 調 和 (1) 優 良 な 農 地 大 規 模 な 公 園 等 の 周 辺 の 土 地 利 用 に 配 慮 し 居 住 自 然 環 境 等 と の 調 和 を 図 ること (2) 建 築 物 は 必 要 最 小 限 とし 低 密 度 でゆとりのある 土 地 利 用 であること (3) 自 然 の 地 形 を 生 かし 大 規 模 な 土 地 の 改 変 を 伴 わないこと (4) 建 築 物 塀 広 告 看 板 等 は 景 観 に 配 慮 したものであること 5 事 業 の 確 実 性 一 定 の 期 間 内 に 当 該 土 地 利 用 を 開 始 し かつ 継 続 して 運 営 することが 確 実 であるこ と そのため 予 定 建 築 物 の 用 途 や 事 業 内 容 等 についてあらかじめ 本 市 と 十 分 協 議 を 行 い 当 該 土 地 利 用 や 運 営 維 持 管 理 を 担 保 することが 可 能 であること 7

Ⅳ 土 地 利 用 の 現 況 と 課 題 に 対 する 運 用 方 針 Ⅱ 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープランにおける 基 本 方 針 Ⅲ 市 街 化 調 整 区 域 の 保 全 と 活 用 の 方 針 に 基 づき 市 街 化 調 整 区 域 における 土 地 利 用 の 現 況 と 課 題 への 対 応 は 次 の とおりとする なお 今 後 新 たな 課 題 が 生 じた 場 合 は Ⅱ 及 びⅢの 方 針 に 従 って 対 応 を 検 討 する 1 自 然 環 境 の 保 全 と 創 出 (1) 現 況 と 課 題 札 幌 市 緑 の 保 全 と 創 出 に 関 する 条 例 ( 平 成 13 年 3 月 6 日 条 例 第 6 号 以 下 緑 の 条 例 という )により 規 制 されているため 土 地 利 用 を 行 う 際 には 一 定 の 保 全 措 置 が 講 じられている これにより 自 然 環 境 の 量 としては 確 保 されるものの 土 地 利 用 の 現 況 には 次 のような 課 題 がある 1 本 市 の 市 街 化 調 整 区 域 の 約 7 割 が 森 林 であり うち 約 7 割 が 私 有 林 である 良 好 な 森 林 や 緑 地 を 維 持 するためには 枝 打 ちや 草 刈 り 等 が 必 要 だが 管 理 は 土 地 所 有 者 に 委 ねられており 一 部 は 放 置 され 森 林 や 緑 地 の 荒 廃 につながるおそれがある 2 本 市 の 厳 しい 財 政 状 況 では 本 市 負 担 による 保 全 や 維 持 管 理 は 困 難 である 3 市 街 化 区 域 に 隣 近 接 する 地 域 は 開 発 圧 力 が 強 い 一 方 で 現 在 の 法 制 度 では 規 制 対 象 外 の 開 発 や 届 け 出 により 可 能 な 開 発 も 多 く 全 ての 土 地 利 用 を 規 制 するこ とは 不 可 能 である そのため 病 院 のような 公 益 施 設 から 資 材 置 き 場 等 の 都 市 的 土 地 利 用 までが 混 在 している 状 況 にある 4 平 野 部 では 農 地 の 転 用 は 規 制 されているが その 他 の 原 野 は 土 地 利 用 が 容 易 で 無 秩 序 な 土 地 利 用 につながる 可 能 性 が 高 い 以 上 の 現 況 と 課 題 に 対 応 するためには 保 全 すべきところは 適 切 な 保 全 を 図 るとと もに 自 然 環 境 の 創 出 に 資 する 土 地 利 用 を 誘 導 すること そして 保 全 創 出 された 自 然 環 境 を 維 持 していくしくみが 必 要 である 8

森 林 の 割 合 ( 平 成 11 年 ) 行 政 区 域 112,112ha 都 市 計 画 区 域 56,789ha 都 市 計 画 区 域 外 55,323ha 市 街 化 区 域 24,930ha 市 街 化 調 整 区 域 31,859ha 平 地 系 区 域 7,947ha 山 地 系 区 域 24,240ha 樹 林 地 以 外 29% 樹 林 地 71% 国 有 林 21% 道 有 林 1% 市 有 林 10% 私 有 林 68% 緑 被 率 の 変 遷 100.0 % 農 地 草 地 樹 林 地 80.0 25.9 30.5 19.0 19.0 60.0 40.0 58.6 60.8 62.0 61.1 20.0 0.0 昭 和 56 年 (1981 年 ) 平 成 4 年 (1992 年 ) 平 成 8 年 (1996 年 ) 平 成 15 年 (2003 年 ) (2) 運 用 方 針 森 林 や 緑 地 等 の 自 然 環 境 は 保 全 を 原 則 とする ただし 市 街 化 区 域 周 辺 について は 自 然 環 境 を 保 全 又 は 創 出 する 土 地 利 用 を 一 定 の 基 準 のもとに 誘 導 し 継 続 でき るようにすることで 土 地 所 有 者 等 による 自 然 環 境 の 適 切 な 維 持 保 全 を 図 る そこで 市 全 域 を 規 制 する 緑 の 条 例 と 連 携 し 同 条 例 の 区 分 に 基 づき 次 のように 基 本 方 針 を 定 める 9

1 山 岳 地 域 本 市 の 景 観 形 成 上 重 要 な 特 徴 であり また 良 好 な 自 然 環 境 を 保 全 するためにも 必 要 であることから 保 全 を 原 則 とする そのため 建 て 替 え 等 のやむをえない 場 合 を 除 き 開 発 許 可 等 の 対 象 外 とする 2 里 山 地 域 及 び 里 地 地 域 ( 農 地 を 除 く) 一 定 規 模 以 上 の 森 林 や 緑 地 等 の 自 然 環 境 を 保 全 又 は 創 出 し その 自 然 環 境 を 活 用 す る 自 然 観 察 施 設 観 光 体 験 施 設 文 化 施 設 等 で Ⅲの 方 針 2~5に 該 当 する 土 地 利 用 の 許 容 を 検 討 する 2 優 良 な 農 地 との 健 全 な 調 和 (1) 現 況 と 課 題 札 幌 の 農 業 は 市 街 化 区 域 近 郊 で 営 農 される 都 市 型 農 業 であるが 農 業 者 の 高 齢 化 や 後 継 者 難 農 業 所 得 の 伸 び 悩 みによる 離 農 等 により 農 家 戸 数 は 減 少 し 続 けている また 開 発 行 為 による 宅 地 化 や 公 共 施 設 用 地 への 転 用 農 業 の 担 い 手 不 足 に 伴 う 耕 作 放 棄 により 農 地 も 減 少 しており 遊 休 化 や 非 農 地 化 が 急 速 に 進 んでいる したがって 従 来 のように 農 地 の 利 用 を 規 制 しても 農 家 及 び 農 地 の 減 少 の 対 策 に はならない それよりも 都 市 型 農 業 ならではの 利 点 を 生 かした 農 地 の 活 用 や 新 たな 担 い 手 の 参 加 につながる 土 地 利 用 を 積 極 的 に 認 めることにより 農 地 を 保 全 し ていくことが 必 要 である ( 戸 ) 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 2,636 542 1,351 1 種 2,202 1,800 425 370 2 種 1,008 920 1,455 1,378 209 270 809 882 743 専 業 769 510 437 226 昭 和 60 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 16 年 (ha) 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 4,970 4,564 3,512 3,116 2,964 昭 和 60 年 平 成 2 年 平 成 7 年 平 成 12 年 平 成 16 年 農 家 戸 数 の 推 移 耕 地 面 積 の 推 移 ( 農 業 センサス ただし 平 成 16 年 については 農 務 部 推 計 ) 10

(2) 運 用 方 針 農 業 振 興 施 策 と 連 携 し 農 地 の 保 全 を 図 ることを 原 則 とする 併 せて Ⅲの 方 針 に 該 当 する 札 幌 市 都 市 と 農 業 の 共 存 に 資 する 農 業 交 流 関 連 施 設 認 定 要 綱 を 策 定 し 自 らの 農 地 や 農 産 物 を 活 用 した 農 作 業 体 験 施 設 や 農 産 物 直 売 所 等 の 土 地 利 用 の 許 容 を 検 討 する 3 既 存 住 宅 団 地 の 居 住 環 境 の 維 持 増 進 (1) 現 況 と 課 題 本 市 では 昭 和 30 年 代 に 道 内 の 相 次 ぐ 炭 鉱 閉 山 による 急 激 かつ 大 量 の 人 口 流 入 や 高 度 成 長 期 における 投 機 的 な 宅 地 需 要 等 により 一 時 に 大 量 の 住 宅 地 をつくり 出 すべく 建 築 基 準 法 に 基 づく 道 の 位 置 の 指 定 を 受 けた 住 宅 団 地 ( 指 定 道 路 団 地 ) が 形 成 された その 後 線 引 き 制 度 の 実 施 により これらの 多 くは 市 街 化 調 整 区 域 内 に 存 在 することになった このうち 一 定 の 住 宅 が 建 築 されている 団 地 については 道 路 及 び 上 下 水 道 などの 公 共 施 設 を 段 階 的 に 整 備 してきているが 建 築 物 の 建 築 が 制 限 されているため コ ミュニティの 成 熟 をめざした 建 築 規 制 の 緩 和 が 望 まれてきた 現 在 は 一 部 の 団 地 に 地 区 計 画 制 度 や 建 築 許 可 を 運 用 している 指 定 道 路 団 地 の 状 況 団 地 数 :83 団 地 面 積 約 340ha 宅 地 区 画 数 : 約 10,200 区 画 団 地 の 規 模 : 約 0.3ha~ 約 19ha 平 均 約 4ha 住 宅 の 建 築 状 況 ( 区 画 数 に 占 める 建 築 戸 数 の 割 合 ):0~80% (2) 運 用 方 針 次 の 要 件 に 該 当 する 既 存 住 宅 団 地 については ひきつづき 地 区 計 画 制 度 等 を 適 用 し 良 好 な 居 住 環 境 の 維 持 増 進 を 図 る なお 法 第 34 条 第 11 号 による 条 例 ( )は 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープランにお いて 市 街 地 の 範 囲 は 現 状 の 市 街 化 区 域 内 を 基 本 としていることから 策 定 しない 1 指 定 道 路 によって 構 成 される 住 宅 市 街 地 で 区 域 区 分 設 定 以 前 より 存 在 してい ること 11

2 住 宅 戸 数 がおおむね 20 戸 以 上 であり 住 民 が 生 活 していること 3 住 宅 市 街 地 の 面 積 が おおむね 1 ヘクタ-ル 以 上 であること 4 公 共 下 水 道 が 整 備 されていること 5 道 路 が 適 正 に 配 置 され おおむね 100%が 市 道 であること 法 第 34 条 第 11 号 : 市 街 化 調 整 区 域 のうち 市 街 化 区 域 と 一 体 的 な 日 常 生 活 圏 を 構 成 していると 認 められる 地 域 で 一 定 の 要 件 のもとに 建 築 物 の 建 築 を 認 める 条 例 を 策 定 できる 制 度 4 秩 序 ある 都 市 的 土 地 利 用 の 誘 導 (1) 現 況 と 課 題 従 来 から 市 街 化 調 整 区 域 では 都 市 活 動 を 維 持 するうえで 不 可 欠 であるが 市 街 化 区 域 内 にはなじまない 施 設 (いわゆる 迷 惑 施 設 )が 立 地 されてきた さらに 近 年 は 次 のような 施 設 に 関 する 相 談 が 増 加 している 相 談 例 主 な 増 加 原 因 相 談 件 数 H14 H15 H16 産 業 廃 棄 物 のリサイ クル 処 理 施 設 木 くず 石 膏 ボード リサイクル 意 識 の 高 まり 0 1 2 ペット 関 連 施 設 のう ち 市 街 化 区 域 内 で 設 置 困 難 なもの 火 葬 施 設 霊 園 ドッ グラン 1ペットを 飼 う 市 民 の 増 加 2ペットに 対 する 意 識 の 変 化 1 1 7 このような 社 会 状 況 や 生 活 様 式 の 変 化 に 伴 い 多 様 化 する 土 地 利 用 に 対 応 し 適 切 に 規 制 又 は 誘 導 する 必 要 がある また 従 来 開 発 許 可 を 不 要 としてきた 社 会 福 祉 施 設 医 療 施 設 学 校 ( 大 学 専 修 学 校 及 び 各 種 学 校 を 除 く ) 及 び 多 くの 人 が 利 用 する 庁 舎 ( 国 土 交 通 省 令 で 定 める もの) 等 について 平 成 18 年 5 月 の 法 改 正 で 取 扱 いが 改 められ 開 発 許 可 を 要 するこ ととなったことから これらの 施 設 が 市 街 化 調 整 区 域 に 立 地 することの 適 否 を 検 討 する 必 要 が 生 じている 特 に 法 改 正 前 から 既 に 存 在 している 施 設 については 多 くの 利 用 者 がいることから サービスの 低 下 につながらないよう 配 慮 する 必 要 があ る (2) 運 用 方 針 都 市 活 動 を 維 持 するうえで 不 可 欠 でありながら その 施 設 の 性 格 から 市 街 化 区 域 内 で 行 うことが 困 難 又 は 著 しく 不 適 当 と 認 められるものについて 土 地 利 用 を 適 切 に 12

誘 導 する 基 準 を 策 定 のうえ Ⅲの 方 針 2~5に 該 当 する 土 地 利 用 の 許 容 を 検 討 する 5 既 存 住 宅 団 地 以 外 の 地 区 計 画 の 取 扱 い (1) 現 況 と 課 題 従 来 は 人 口 増 加 に 伴 う 宅 地 需 要 に 応 えるため 法 第 34 条 第 10 号 イに 基 づく 大 規 模 開 発 制 度 を 活 用 して 計 画 的 な 市 街 化 を 図 ってきた しかし 現 在 は 人 口 の 伸 び の 鈍 化 や 少 子 高 齢 化 の 進 展 都 心 居 住 傾 向 が 強 まり 郊 外 住 宅 需 要 が 減 少 する 等 市 街 化 区 域 に 相 当 数 の 未 利 用 地 が 存 在 するという 状 況 から 従 来 の 運 用 を 見 直 し 当 方 針 により 今 後 は 上 位 計 画 に 基 づくもの 以 外 の 計 画 的 な 市 街 化 を 行 わないものと 方 向 転 換 したところである そのような 状 況 のなか 平 成 18 年 5 月 の 法 改 正 により 法 第 34 条 第 10 号 イが 廃 止 となり 市 街 化 調 整 区 域 における 相 当 規 模 の 開 発 が 地 区 計 画 制 度 に 一 本 化 された これに 伴 い 今 後 の 運 用 を 以 下 のとおり 図 っていくことと する (2) 運 用 方 針 市 街 化 調 整 区 域 における 地 区 計 画 ( Ⅳ-3 既 存 住 宅 団 地 に 該 当 する 場 合 を 除 く )は 次 に 掲 げる 上 位 計 画 において 想 定 される 土 地 利 用 が 記 載 されている 場 合 に 適 用 する 1 法 第 6 条 の2で 規 定 する 北 海 道 が 広 域 的 見 地 から 策 定 する 札 幌 圏 都 市 計 画 区 域 の 整 備 開 発 及 び 保 全 の 方 針 2 札 幌 圏 都 市 計 画 区 域 の 整 備 開 発 及 び 保 全 の 方 針 との 整 合 性 が 確 保 されている 法 第 18 条 の2に 基 づき 策 定 された 市 の 都 市 計 画 に 関 する 基 本 的 方 針 ( 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープラン) 3 札 幌 圏 都 市 計 画 区 域 の 整 備 開 発 及 び 保 全 の 方 針 との 整 合 性 が 確 保 されている 緑 地 保 全 リサイクル 推 進 等 新 しい 都 市 機 能 の 導 入 又 は 強 化 を 図 るため 本 市 と 連 携 して 進 めるモデル 事 業 等 の 計 画 13

Ⅴ 方 針 の 運 用 この 方 針 に 整 合 する 内 容 で 具 体 的 な 運 用 基 準 審 査 手 続 き 及 び 適 切 な 担 保 制 度 等 が 整 備 されたものから 札 幌 市 開 発 許 可 等 審 査 基 準 を 改 正 し 順 次 運 用 を 開 始 する Ⅵ 今 後 の 検 討 課 題 現 行 の 土 地 利 用 規 制 は 個 別 の 法 律 に 基 づくものとなっており 複 合 的 な 土 地 利 用 計 画 等 への 対 応 が 難 しいため 今 後 も 総 合 的 横 断 的 な 土 地 利 用 の 調 整 や 担 保 のしくみの 充 実 を 図 っていく Ⅶ 上 位 計 画 との 整 合 この 方 針 に 関 連 する 法 令 の 制 定 改 廃 や 上 位 計 画 の 見 直 し 時 には 併 せて 本 方 針 の 内 容 に ついても 検 討 するものとする < 例 > 第 四 次 札 幌 市 長 期 総 合 計 画 ( 目 標 年 次 : 平 成 32 年 (2020 年 )) 札 幌 市 都 市 計 画 マスタープラン( 目 標 年 次 : 平 成 32 年 (2020 年 )) 景 観 法 ( 平 成 16 年 法 律 第 110 号 )に 基 づく 景 観 計 画 都 市 計 画 法 14

別 表 1( 原 則 として 保 全 すべき 土 地 ) 表 に 掲 げる 区 域 は 原 則 として 保 全 する ただし Ⅳ-1 自 然 環 境 の 保 全 と 創 出 に 該 当 する 土 地 利 用 で 6 自 然 公 園 区 域 8 地 域 森 林 計 画 対 象 民 有 林 11 風 致 地 区 に 立 地 する 場 合 Ⅳ-2 優 良 な 農 地 との 健 全 な 調 和 に 該 当 する 土 地 利 用 で 1 集 団 的 優 良 農 地 2 農 用 地 区 域 11 風 致 地 区 に 立 地 する 場 合 Ⅳ-3 既 存 住 宅 団 地 等 で 保 全 に 支 障 がないと 認 められる 場 合 を 除 く 1 集 団 的 優 良 農 地 (おおむね 10 ヘクタール 以 上 の 規 模 の 一 団 の 区 域 内 にある 農 地 で 良 好 な 営 農 条 件 を 備 えている 農 地 ) 2 農 業 振 興 地 域 の 整 備 に 関 する 法 律 ( 昭 和 44 年 法 律 第 58 号 )に 規 定 する 農 用 地 区 域 3 砂 防 法 ( 明 治 30 年 法 律 第 29 号 )に 規 定 する 砂 防 指 定 地 4 鳥 獣 の 保 護 及 び 狩 猟 の 適 正 化 に 関 する 法 律 ( 平 成 14 年 法 律 第 88 号 )に 規 定 する 鳥 獣 保 護 区 5 都 市 緑 地 法 ( 昭 和 48 年 法 律 第 72 号 )に 規 定 する 特 別 緑 地 保 全 地 区 6 自 然 公 園 法 ( 昭 和 32 年 法 律 第 161 号 )に 規 定 する 自 然 公 園 区 域 7 森 林 法 ( 昭 和 26 年 法 律 第 249 号 )に 規 定 する 保 安 林 又 は 保 安 林 予 定 森 林 8 森 林 法 ( 昭 和 26 年 法 律 第 249 号 )に 規 定 する 地 域 森 林 計 画 対 象 民 有 林 9 札 幌 市 緑 の 保 全 と 創 出 に 関 する 条 例 ( 平 成 13 年 条 例 第 6 号 )に 規 定 する 山 岳 地 域 10 北 海 道 自 然 環 境 等 保 全 条 例 ( 昭 和 48 年 条 例 第 64 号 )に 規 定 する 環 境 緑 地 保 護 地 区 自 然 景 観 保 護 地 区 学 術 自 然 保 護 地 区 11 都 市 計 画 法 ( 昭 和 43 年 法 律 第 100 号 )に 規 定 する 風 致 地 区 12 地 すべり 等 防 止 法 ( 昭 和 33 年 法 律 第 30 号 )に 規 定 する 地 すべり 防 止 区 域 13 急 傾 斜 地 の 崩 壊 による 災 害 の 防 止 に 関 する 法 律 ( 昭 和 44 年 法 律 第 57 号 )に 規 定 す る 急 傾 斜 地 崩 壊 危 険 区 域 14 土 砂 災 害 警 戒 区 域 等 における 土 砂 災 害 防 止 対 策 の 推 進 に 関 する 法 律 ( 平 成 12 年 法 律 第 57 号 )に 規 定 する 土 砂 災 害 警 戒 区 域 及 び 土 砂 災 害 特 別 警 戒 区 域 15 文 化 財 保 護 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 214 号 )に 基 づく 史 跡 名 勝 天 然 記 念 物 等 保 全 を 必 要 とする 地 域 16 災 害 防 止 等 のため 市 長 が 特 に 保 全 すべき 土 地 として 認 めた 区 域 17 その 他 法 令 等 により 保 全 することとされている 区 域 15