プラスチックのLCA -リサイクルを中心に- 廃棄物資源循環学会関東支部講演会 :2019 年 3 月 8 日工学院大学 1..LCA( インベントリ分析 ) の実施方法 製品の比較 : 幸せ同等の原則 2. 再生可能エネルギーの評価 3. プラスチックのリサイクルの評価 4. 温室効果ガスの削減貢献量 先進工学部環境化学科稲葉敦 a-inaba@cc.kogakuin.ac.jp
ライフサイクルアセスメント (LCA) 製品およびサービスを対象とし ゆりかごから墓場まで 評価する. インベントリ分析と環境影響評価が重要. 環境影響はポテンシャル ( 可能性 ) で評価する.
自動車の LCA( トヨタ自動車 環境報告書より ) 資源採掘 材料製造部品製造 車両組立ガソリン精製 燃焼 ( 走行 ) 交換部品製造シュレッダ 埋立処分 すべての段階での環境負荷を考える 2002 年版環境報告書より
家電の LCA( シャープ 環境報告書より ) 環境影響の小さい商品にするためには どこを改良したらよいか 2002 年版環境報告書より
LCAの歴史 1969年 昭和44年 飲料容器に関する環境影響評価 (コカコーラ米国 リターナブルビンと使い捨てPETボトルの比較 1970年代 LCA実施 USEPA REPA Resource & Environmental Profile Analysis 1979年 SETAC Society of Environmental Toxicology & Chemistry) 設立(米国) 1984年 包装材料のエコバランス 報告書 (スイス連邦内務省環境局) 1985年 液体容器政令 EC 85/339 (EC環境委員会) 1989年 SETAC (欧州) 設立 1990年 エコベース包装材料 (欧州プラスチック製造協会環境部) 1991-2年 LCA実施手法とマニュアル SETAC ライデン大学 USEPA) プラスチック製品LCA プラ処理協 1993年 ISO/TC207/SC5 発足 1994年 第1回エコバランス国際会議 開催 1995年 LCA日本フォーラム発足 1996年 International Journal of LCA 創刊 1997年 ISO14040(LCAの原則及び枠組み) 発行 1998-2002年 LCA国家プロジェクト Ⅰ期 2001年- AIST LCAセンター 発足 2003年- LCA国家プロジェクト Ⅱ期 2004年 日本LCA学会発足
LCA の段階 目的及び調査範囲の設定 クリテカルレビュー インヘ ントリ分析 影響評価 解釈 直接の用途 - 製品の開発及び改善 - 戦略立案 - 政策立案 - マーケティンク - その他 ISO-14040(JIS-Q14040) を基に改編 LCA は 4 つの段階 (Step,Phase とも呼ばれる ) からなる. 影響評価を行わない調査を LCI 調査 という. 目的を達成するために 繰り返し実施される. LCA は 反復的な技法 である. クリテカルレビューで ISO に従っているかどうか検証する.
製品システムとシステム境界 製品システム : 対象の製品に係わるプロセス全体 システム境界 : 調査対象の範囲 システム境界 原材料採取 評価する範囲 素材製造 他のシステム 製品フロー 輸送 部品製造 製品フロー 他のシステム エネルギー供給 組立 基本フロー ( 環境からの入力 ) 廃棄物処理 使用 リサイクル再使用 基本フロー ( 環境への放出 ) ISO-14040(JIS-Q14040) を基に改編 7 環境から直接採取するもの 環境に直接排出されるものを基本フローという. システム境界を通過する調査対象ではない入出力を製品フローという. 入力の製品フローは上流に遡及されない部品 出力の製品フローはカットオフされた製品を意味する.
実務としてのインベントリ分析 フォアグランドデータ ( 対象製品に直接関係するデータ ) 組立使用廃棄 素材 資源の採掘 電気 燃料 バックグランドデータ ( 対象製品に間接的に関係するデータ ) フォアグランドデータ ( 一次データ ) は自分で収集する. バッククグランドデータ (2 次データ ) はデータベースや文献から引用する.. LCA の実施とその結果は バックグランドデータの存在と その質に大きく依存する.
冷蔵庫の事例で使われた素材の CO2 排出量原単位 14 12 10 8 6 4 輸送 国外 国内 2 0 9
実務としてのインベントリ分析の例 素材の製造 3.7% 廃棄 0.08% 組立と輸送 1.6% 使用 94.6% 冷蔵庫の CO 2 排出量 これは, 冷蔵庫の CO2 排出量のインベントリ分析結果を図示したもの. 使用段階の CO 2 排出量が大きく 素材の製造まででは 3.7% にすぎない.
LCA における 幸せ同等の原則 1..LCA( インベントリ分析 ) の実施方法 製品の比較 : 幸せ同等の原則 2. 再生可能エネルギーの評価 3. プラスチックのリサイクルの評価 4. 温室効果ガスの削減貢献量 先進工学部環境化学科稲葉敦 A- inaba@cc.kogakuin.ac.jp
何を同じにして環境負荷を比べるか? 機能? CO2 NOx SOx 等 冷蔵庫 A 冷蔵庫の比較 冷蔵庫 B CO2 NOx SOx 等 製造 ( 材料, エネルギー ) 使用 ( 電気 ) 廃棄 ( リサイクル ) 製造 ( 材料, エネルギー ) 使用 ( 電気 ) 廃棄 ( リサイクル )
幸せ同等の原則 機能単位 (functional unit) 評価する対象の機能を表す単位 幸せ同等の原則 LCA では機能 ( 幸せ ) を同等にして比較する
200L 機能? 何を同じにして環境負荷を比べるか? 冷蔵庫の比較 容量? 400L 冷蔵庫 A 冷蔵庫 B
200L 6 年 冷蔵庫 A 機能? 何を同じにして環境負荷を比べるか? 冷蔵庫の比較 容量? 耐用年数? 冷蔵庫 B 400L 12 年
200L 6 年製氷機なし 冷蔵庫 A 機能? 何を同じにして環境負荷を比べるか? 冷蔵庫の比較 容量? 耐用年数? 製氷機? 冷蔵庫 B 400L 12 年製氷機あり
機能? 200L 6 年製氷機なし 容量? 耐用年数? 製氷機? 野菜室? 冷蔵庫 A 冷蔵庫 B 400L 12 年製氷機あり 機能を全て同じにすることはできない ISO: 比較主張を制限
システム間の比較 の制約比較対象のシステムが同等であること 調査範囲がシステムを比較できるように設定されていること. 同一の機能単位であること. 同様の方法論で比較されること性能 システム境界 データ品質 配分手順インプット アウトプットを評価する判断の基準影響評価. 一般開示を意図する製品間の比較主張 の主な条件 影響評価の実施. (LCI 調査を単独で用いてはならない ) 科学的に妥当である方法で領域ごとに実施する. グルーピングを行う場合は実施者に責任があることを明示する / 重み付けは禁止. 利害関係者を含めたクリテカルレビューの実施. LCIA におけるグルーピングや重み付けでは実施者の主観を避けることができないので 厳しい制約が科せられている. 利害関係者を加えたクリテカルレビューの実施は実際的には実施が不可能と考えられるので 一般開示を意図する製品間の比較主張 は禁止されているという解釈がある
製品バスケット法 200L 6 年製氷機なし 冷蔵庫 A 冷蔵庫 B 400L 12 年製氷機あり 機能 ( 幸せ ) を同じにする方法の一つ
製品バスケット法 200L 6 年製氷機なし 冷蔵庫 A 冷蔵庫 B 400L 12 年製氷機あり 機能 ( 幸せ ) を引き算 ( 控除 ) しても同じこと 配分の回避 も同じ考え方
家電の LCA( シャープ 環境報告書より ) 環境影響の小さい商品にするためには どこを改良したらよいか 2002 年版環境報告書より
製品バスケット法 火力発電 太陽光発電 発電量を同じにする 火力発電にもいろいろあるが
製品バスケット法 火力発電 太陽光発電 発電量を同じにする 石炭火力を想定すると CO2 削減量が一番大きい
LCA における 幸せ同等の原則 1..LCA( インベントリ分析 ) の実施方法 製品の比較 : 幸せ同等の原則 2. 再生可能エネルギーの評価 3. プラスチックのリサイクルの評価 4. 温室効果ガスの削減貢献量 先進工学部環境化学科稲葉敦 A- inaba@cc.kogakuin.ac.jp
第 13 章ライフサイクルコストとペイバックタイム 13.1 ライフサイクルコスト 累積コスト 図 13.1 コスト発生のイメージ 製品 A ( 非省エネ 短寿命型 ) 廃棄 更新 補修 補修 製品 B ( 省エネ 長寿命型 ) 製品 A の販売価格 製品 B の販売価格 ライフサイクル 25
第 13 章ライフサイクルコストとペイバックタイム 13.2 LCC の事例 累積コスト [ 円 ] 図 13.4 ランプのライフサイクルコスト 図 13.4 ランプのライフサイクルコスト 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 使用時間 [h] 白熱電球電球型蛍光ランプ電球型 LED ランプ
第 13 章ライフサイクルコストとペイバックタイム 13.3 LCC の応用 13.3.2 ペイバックタイム 製品のコストペイバックタイム CPT 製品 BのCP ( 製品 AのC - 製品 BのC E E ) 白熱電球に対する電球型蛍光ランプのCPT (1 日あたりのランプの使用時間 :5 時間 ) 850[ 円 ] CPT (1.33[ 円 / 時間 ]- 0.27[ 円 / 時間 ]) 1 0.44[ 年 ] 5[ 時間 / 日 ] 365[ 日 / 年 ] 27
第 13 章ライフサイクルコストとペイバックタイム 13.3 LCC の応用 13.3.2 ペイバックタイム エネルギーペイバックタイム (EPT:Energy Payback Time) > 製品製造までのエネルギー消費を回収できる使用期間 CO2 ペイバックタイム (CO2PT:CO2 Payback Time) > 製品製造までのCO2 排出量を回収できる期間 > 製品 Bの製品 Aに対するCO2PT 製品 B の製造時のCO2 排出量を 製品 A と製品 B の使用時のCO2 排出量の差分で割る 28
第 13 章ライフサイクルコストとペイバックタイム 13.3 LCC の応用 13.3.2 ペイバックタイム 白熱電球に対する電球型蛍光ランプの CO2PT CO PT 2 (32.54[ g CO 440[ g 1 5[ 時間 / 日 ] 365[ 日 / 年 ] / 時間 ] - 6.84[ g 白熱電球に対する電球型 LED ランプの CO2PT =0.014 年 > ランプのライフサイクルでの CO2 排出量の約 99.8% が使用段階 > 製造段階での排出はきわめて小さい 2 CO 2 ] CO 0.0094[ 年 ] 2 / 時間 ]) 29
第 13 章ライフサイクルコストとペイバックタイムコラム 図 13.8 再生可能エネルギーの EPT 太陽熱温水器等 ( 参考 ) バイオマス火力 ( 森林 ) 水力地熱風力発電 ( 寿命 20 年 ) 太陽光発電 ( 最新技術 ) 太陽光発電 ( 旧来技術 ) 海洋温度差波力原子力化石燃料火力原子力 ( 運転用燃料除く ) 化石燃料火力 ( 運転用燃料除く ) 1.3~2.3 0.6 1.9~5.3 0.97 0.56~0.79 0.96~1.90 1.4~2.6 3.75 6.0 0.4~1.3 1.4~5.0 再生可能エネルギー ( ペイバックしない ) 枯渇性エネルギー 0 2 4 6 8 10 エネルギーペイバックタイム [ 年 ] 30
LCA における 幸せ同等の原則 1..LCA( インベントリ分析 ) の実施方法 製品の比較 : 幸せ同等の原則 2. 再生可能エネルギーの評価 3. プラスチックのリサイクルの評価 4. 温室効果ガスの削減貢献量 先進工学部環境化学科稲葉敦 A- inaba@cc.kogakuin.ac.jp
エネルギー量 (MJ/kg) 代表的なリサイクル方法に必要なエネルギー量とリサイクルによる節約効果 100 75 50 25 0-25 -50-75 リサイクルに必要なエネルギー リサイクルにより回避できるエネルギー消費 正味の節約エネルギー量 -100 パレット化 コークス炉化学原料化 RPF 化 ( ボイラー効率 88%) ごみ発電発電効率 :10% ( 平均的 ) ごみ発電発電効率 :20% ( 高効率 ) 材料リサイクルケミカルリサイクルサーマルリサイクル 財団法人日本容器包装リサイクル協会, プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会, 資料 (http://www.jcpra.or.jp/00oshirase/pdf/lca.pdf), 平成 19 年 6 月 (2007) より作図
リサイクルする場合としない場合の比較 (LCA を使った比較 ) 幸せ同等の原則 機能単位 (functional unit) 評価する対象の機能を表す単位 幸せ同等の原則 LCAでは機能 ( 幸せ ) を同等にして比較する
エネルギー量 (MJ/kg) 代表的なリサイクル方法に必要なエネルギー量とリサイクルによる節約効果 100 75 50 25 0-25 -50-75 リサイクルに必要なエネルギー リサイクルにより回避できるエネルギー消費 正味の節約エネルギー量 -100 パレット化 コークス炉化学原料化 RPF 化 ( ボイラー効率 88%) ごみ発電発電効率 :10% ( 平均的 ) ごみ発電発電効率 :20% ( 高効率 ) 材料リサイクルケミカルリサイクルサーマルリサイクル 財団法人日本容器包装リサイクル協会, プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会, 資料 (http://www.jcpra.or.jp/00oshirase/pdf/lca.pdf), 平成 19 年 6 月 (2007) より作図
製品バスケット法機能 ( 幸せ ) を同等にして比較 リサイクルしない時 ごみを処理する ( 単純焼却する ) リサイクルする時 ごみを処理する ( 再商品化する ) パレットを作る ( 廃プラで作る いずれは焼却する ) 実施するためのエネルギー A どちらが多いか比べる 実施するためのエネルギー B
(a) リサイクル ( 再商品化 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) 減容品 ペレット化 ( 原料 0.51kg) 残渣 焼却 埋立 パレット (0.026 枚 ) 焼却 ( 使用後 ) (b) リサイクルしない場合 ( 単純に燃やす ) その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
(a) リサイクル ( 再商品化 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) 減容品 ペレット化 ( 原料 0.51kg) 残渣 焼却 埋立 パレット (0.026 枚 ) 焼却 ( 使用後 ) パレットの幸せがある (b) リサイクルしない場合 ( 単純に燃やす ) パレットの幸せを足す バージン材からパレットを作る その他プラを処理する幸せは同じ その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
(a) リサイクル ( 再商品化 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) 減容品 ペレット化 ( 原料 0.51kg) 残渣 焼却 埋立 パレット (0.026 枚 ) 焼却 ( 使用後 ) (b) リサイクルしない場合 ( 単純に燃やす ) 原料採掘 樹脂製造 ( 原料 0.19kg) パレット (0.026 枚 ) 焼却 ( 使用後 ) その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
製品バスケット法機能 ( 幸せ ) を同等にして比較 リサイクルしない時 ごみを処理する ( 単純焼却する ) パレットを作る ( バージンから作る ) リサイクルする時 ごみを処理する ( 再商品化する ) パレットを作る ( 廃プラで作る いずれは焼却する ) 実施するためのエネルギー A どちらが多いか比べる 実施するためのエネルギー B
製品バスケット法機能 ( 幸せ ) を同等にして比較 リサイクルしない時 ごみを処理する ( 単純焼却する ) リサイクルする時 ごみを処理する ( 再商品化する ) パレットを作る ( 廃プラで作る いずれは焼却する ) 実施するためのエネルギー A どちらが多いか比べる パレットを作る ( バージンから作る ) 実施するためのエネルギー B 控除
LCA を使ったプラスチックリサイクルの評価比較する時の計算ではー 控除するモノの CO2 が大きいほどリサイクルの効果が大きい 再商品化でバージンプラと同じモノができるか? できるとすれば リサイクル効果が大きい できないなら バージンプラの量を少なくして評価する リサイクル効果は小さくなる 擬木 をバージンプラと比較して良いか?
エネルギー量 (MJ/kg) 代表的なリサイクル方法に必要なエネルギー量とリサイクルによる節約効果 100 75 50 25 0-25 -50-75 リサイクルに必要なエネルギー リサイクルにより回避できるエネルギー消費 正味の節約エネルギー量 -100 パレット化 コークス炉化学原料化 RPF 化 ( ボイラー効率 88%) ごみ発電発電効率 :10% ( 平均的 ) ごみ発電発電効率 :20% ( 高効率 ) 材料リサイクルケミカルリサイクルサーマルリサイクル 財団法人日本容器包装リサイクル協会, プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会, 資料 (http://www.jcpra.or.jp/00oshirase/pdf/lca.pdf), 平成 19 年 6 月 (2007) より作図
(a) リサイクル ( 再商品化 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) 前処理 コークス炉へ ] 投入 コークス炉に投入できる幸せがある (b) リサイクルしない場合 ( 単純焼却 ) コークス炉に投入できる幸せを足す 石炭からコークスを作る その他プラを処理する幸せは同じ その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
(a) リサイクル ( 再商品化 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) 前処理 コークス炉へ ] 投入 (b) リサイクルしない場合 ( 単純焼却 ) 石炭 コークス化 コークス炉へ ] 投入 その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
エネルギー量 (MJ/kg) 代表的なリサイクル方法に必要なエネルギー量とリサイクルによる節約効果 100 75 50 25 0-25 -50-75 リサイクルに必要なエネルギー リサイクルにより回避できるエネルギー消費 正味の節約エネルギー量 -100 パレット化 コークス炉化学原料化 RPF 化 ( ボイラー効率 88%) ごみ発電発電効率 :10% ( 平均的 ) ごみ発電発電効率 :20% ( 高効率 ) 材料リサイクルケミカルリサイクルサーマルリサイクル 財団法人日本容器包装リサイクル協会, プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会, 資料 (http://www.jcpra.or.jp/00oshirase/pdf/lca.pdf), 平成 19 年 6 月 (2007) より作図
(a) リサイクル ( ごみ発電 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) ごみ発電 ( 発電効率 10%) 電気 (0.988kWh) 電気の幸せがある (b) リサイクルしない場合 ( 単純焼却 ) その他プラを処理する幸せは同じ 発電を加える 石炭火力? その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
(a) リサイクル ( ごみ発電 ) する場合 その他プラスチック ( ベール 1kg) ごみ発電 ( 発電効率 10%) 電気 (0.988kWh) (b) リサイクルしない場合 ( 単純焼却 ) 原油採掘 燃料精製 電気 (0.988kWh) その他プラスチック ( ベール 1kg) 焼却
エネルギー量 (MJ/kg) 代表的なリサイクル方法に必要なエネルギー量とリサイクルによる節約効果 100 75 50 25 0-25 -50-75 リサイクルに必要なエネルギー リサイクルにより回避できるエネルギー消費 正味の節約エネルギー量 -100 パレット化 コークス炉化学原料化 RPF 化 ( ボイラー効率 88%) ごみ発電発電効率 :10% ( 平均的 ) ごみ発電発電効率 :20% ( 高効率 ) 材料リサイクルケミカルリサイクルサーマルリサイクル 財団法人日本容器包装リサイクル協会, プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会, 資料 (http://www.jcpra.or.jp/00oshirase/pdf/lca.pdf), 平成 19 年 6 月 (2007) より作図
LCA における 幸せ同等の原則 1..LCA( インベントリ分析 ) の実施方法 製品の比較 : 幸せ同等の原則 2. 再生可能エネルギーの評価 3. プラスチックのリサイクルの評価 4. 温室効果ガスの削減貢献量 先進工学部環境化学科稲葉敦 A- inaba@cc.kogakuin.ac.jp
削減貢献量とは? この製品がなかったら 社会全体の GHG 排出量が増えていたに違いない この製品があったから 社会全体の GHG 排出量がこれだけに抑えられている わが社 ( わが業界 ) は GHG 排出量の削減にこれだけ貢献している 2014 年 10 月 31 日経済産業省主催ワークショップ温室効果ガス削減貢献量評価の国際動向と今後の考え方
削減貢献量の原点 頑張ると CO2 が増える 生産量あたりで比べてほしい 環境効率へ ISO14045(2012) 製品の使用による排出削減を評価してほしい 削減貢献量へ ( 製品のライフサイクルでの評価 )
; みずほ情報総研作成 削減貢献量に関する海外動向 海外の主要機関における削減貢献に向けた動き 削減貢献の動きへ参照となった関連規格 ISO14064-2:2006 Greenhouse gases Part2 プロジェクトレベルの排出削減に関する算定 報告 Project Accounting and Guidelines 削減貢献に関する規格 ガイドラインの作成が2012 年以降発表 ITU-T L.1410:2012(2012 年 3 月 ) Methodology for the assessment of the environmental impact of information and communication technology goods, networks and services Addressing the Avoided Emissions Challenge(2013 年 10 月 ) Guidelines from the chemical industry for accounting for and reporting Greenousegas emmissions avoided along the value chain based on comparative studies IEC/TR 62726:2014(2014 年 8 月 ) Guidance on quantifying greenhouse gas emission reductions from the baseline for electrical and electronic products and systems GHG Protocol が Standard の開発を検討中
削減貢献量に関する海外動向 ICCA, WBCSD chemicals の活動 2009 年 7 月 ICCAが Innovations for Greenhouse Gas Reductions 公開 ( 化学産業による低炭素化対策のLCA 評価 ) 2012 年 2 月日本化学工業協会は 国内の事例集 (2011 年 7 月 ) をもとに CO2 排出削減貢献量算定のガイドライン を作成 日本化学工業協会が ICCA,WBCSD へ働きかけ 国際的なガイドライン作成のための部会が発足 (2012 年 ) 化学製品が世界の CO2 排出削減に貢献していることを提示 企業が算定した結果の透明性 信頼性を高めるため 世界に先駆けて統一的な手法文書を作成 公開 ( 国内 17 社 3 団体が参加 ) 2013 年 10 月 ICCA と WBCSD によりグローバルガイドラインが公開 (web ページ上で 5 つのケーススタディも公開 ) - 日本のガイドラインの考え方が多く採用 事例も採用 みずほ情報総研作成
化学産業 国内の動向 電子電機産業グリーンIT 協議会 ( ソルーション ) JEITA( 電子部品 半導体 ) 自治体川崎メカニズム滋賀県 貢献量評価 学会日本 LCA 学会環境負荷削減貢献量研究会
IT ソリューションによる社会全体の省エネ貢献量グリーン IT 推進協議会調査分析委員会 (2013 年 4 月 )
削減貢献量の算定 製品の使用による排出削減 製品のライフサイクルでの評価 使用者による削減量計算する範囲は? 過去の削減量か将来の削減量か? 様々な組織で算定が進行しているルールが必要 日本 LCA 学会がガイドラインの作成へ
日本 LCA 学会温室効果ガス排出削減貢献量算定ガイドライン 環境負荷削減貢献量評価手法研究会 ;2015 年 2 月 24 日発行 主査 : 稲葉敦 ( 工学院大学 ) 副主査 : 本下晶晴 ( 産業技術総合研究所 ) 中橋順一旭化成 ( 株 ) 鶴田祥一郎一般社団法人産業環境管理協会 (JEMAI) 磯部眞弓日産自動車 ( 株 ) 内田裕之みずほ情報総研株式会社 魚住隆太魚住サステナビリティ研究所 醍醐市朗東京大学大学院工学系研究科 山下将国株式会社エティーサ研究所 平尾雅彦東京大学 長崎宏宣花王株式会社エコイノベーション研究所 井伊亮太パシフィックコンサルタンツ株式会社 小倉真紀パシフィックコンサルタンツ株式会社 横山亮 TDK 株式会社 内山知重三菱電機 橋本征二立命館大学
削減貢献量の算定のポイント この製品 ( ソルーション ) がなかりせば?? どんな製品が使われていたか 比較する製品 ( ベースライン ) は何か? この部品 ( 素材 ) がなかりせば?? この部品の取り分 ( 寄与率 ) はいくらか? 社会全体でどれくらい使われた?? 普及量はどの程度か?
削減貢献量の算定方法 以下の 3 要素のかけ算で算定する 1 削減効果を発揮する最終製品等の機能単位当たりのライフサイクル評価による ベースラインと比較した正味の温室効果ガス排出削減量 2 削減効果を発揮する最終製品等の普及量 ( 販売量 ) 3 評価対象製品等の寄与率 鶴田祥一郎 ; 温室効果ガス削減貢献量評価の国際動向と今後の考え方 (2014 年 10 月 31 日 ) を改編
[1] ベースライン 1 評価対象製品等が 削減効果を発揮する最終製品等である場合は 比較対象製品等をベースラインと定義する 2 評価対象製品が削減効果を発揮する最終製品等の一部の機能を担う部品等である場合は 比較対象製品を組み込んだ最終製品等をベースラインと定義する 1 の場合 ( エアコン ) 2 の場合 ( 車用ギア ) 評価対象製品 比較対象製品 評価対象製品 比較対象製品 ベースライン ベースライン 鶴田祥一郎 ; 温室効果ガス削減貢献量評価の国際動向と今後の考え方 (2014 年 10 月 31 日 ) を改編
[2] 普及量 ( 販売量 ) 温室効果ガスの排出削減は 実際に評価対象製品等が使用されて初めて効果を発揮する そのため 評価対象製品等の普及量 ( 販売量 ) を把握することが必要である ただし そのデータ入手が難しい場合は 生産量もしくは出荷量としてもよい 削減効果を発揮する最終製品等が使用される国や地域等を確認することが望ましい 鶴田祥一郎 ; 温室効果ガス削減貢献量評価の国際動向と今後の考え方 (2014 年 10 月 31 日 ) を改編
[3] 寄与率 ライフサイクルの排出削減貢献量は バリューチェーン上の様々なステークホルダーの取組み成果である そのため 評価対象製品等の寄与率を設定し 削減効果を発揮する最終製品等の削減効果を 評価対象製品等の寄与に応じて配分する必要がある 配分にあたっては 配分の対象となるステークホルダーを決定する必要がある どこまで配分? 研究開発 原材料製造 組 立 流 通 使 用 廃 棄 鶴田祥一郎 ; 温室効果ガス削減貢献量評価の国際動向と今後の考え方 (2014 年 10 月 31 日 ) を改編
経済産業省がガイドラインを作成
COP24 ( ポーランド ) 公式サイドイベントを実施 Progressive Practices on Quantifying Avoided Emissions 2018 年 12 月 12 日 13:15~14:45
COP24 ( ポーランド ) 公式サイドイベントを実施 氏名所属団体役職 開会挨拶杉森務日本経済団体連合会副会長 司会稲葉敦学校法人工学院大学先進工学部教授 講演者 1 手塚宏之 日本経済団体連合会 環境安全委員会国際環 境戦略 WG 座長 講演者 2 Edouard Fourdrin 講演者 3 Tara Nitz フランス環境 エネルギー管理庁 (ADEME) 国際化学工業協会協議会 (ICCA) / ドイツ化学工業協会 (VCI) Senior Climate Program Officer Legal Advisor Energy & Climate 講演者 4 三浦仁美 積水化学工業株式会社 経営戦略部環境経営グ ループ担当部長 講演者 5 Hans-Jörn Weddige thyssenkrupp AG Group Coordinator Energy, Climate and Environment Policies
COP24 ( ポーランド ) 公式サイドイベントを実施
LCA における 幸せ同等の原則 1.LCA( インベントリ分析 ) の実施方法 2. 再生可能エネルギーの評価 3. プラスチックのリサイクルの評価 4. 温室効果ガスの削減貢献量 LCA の評価は 比較 が含まれる 何と比較しているか? 何を控除しているか? を知ることが必要 先進工学部環境化学科稲葉敦 a-inaba@cc.kogakuin.ac.jp