帯広市バイオマス活用推進計画

十 勝 バイオマス 産 業 都 市 構 想 平 成 25 年 4 月 十 勝 19 市 町 村 ( 帯 広 市 音 更 町 士 幌 町 上 士 幌 町 鹿 追 町 新 得 町 清 水 町 芽 室 町 中 札 内 村 更 別 村 大 樹 町 広 尾 町 幕 別 町 池 田 町 豊 頃 町 本 別 町 足 寄 町 陸 別 町 浦 幌 町 ) 0

目 次 1 地 域 の 概 要 2 1-1 十 勝 地 域 について 2 1-2 社 会 的 特 色 について 2 1-3 既 存 産 業 の 概 況 について 2 1-4 十 勝 の 農 林 漁 業 について 3 1-5 バイオマス 等 の 再 生 可 能 エネルギーの 取 り 組 みについて 3 2 地 域 のバイオマス 利 用 の 現 状 と 課 題 7 2-1 利 用 の 現 状 7 2-2 課 題 8 3 目 指 すべき 将 来 像 と 目 標 10 3-1 目 指 すべき 将 来 像 10 3-2 目 指 す 目 標 12 4 事 業 化 プロジェクトの 内 容 13 4-1 バイオガスプロジェクト 13 4-2 バイオエタノールプロジェクト 14 4-3 BDFプロジェクト 15 4-4 木 質 バイオマスプロジェクト 16 4-5 バイオマス 以 外 の 再 生 可 能 エネルギー 17 5 地 域 波 及 効 果 19 5-1 バイオマス 産 業 都 市 構 想 による 経 済 効 果 19 5-2 プロジェクトの 実 施 による 地 域 波 及 効 果 20 6 実 施 体 制 22 7 フォローアップの 方 法 23 8 他 の 地 域 計 画 との 有 機 的 連 携 24 8-1 バイオマス 産 業 都 市 構 想 の 位 置 付 け 24 8-2 その 他 の 再 生 可 能 エネルギーの 地 域 計 画 等 25 1

1 地 域 の 概 要 1-1 十 勝 地 域 について 19 市 町 村 で 構 成 される 十 勝 は 北 海 道 の 南 東 部 に 位 置 し 周 囲 を 大 雪 山 国 立 公 園 阿 寒 国 立 公 園 日 高 山 脈 襟 裳 国 定 公 園 に 囲 まれ 十 勝 川 を 水 源 とする 肥 沃 な 十 勝 平 野 を 有 しています 本 地 域 の 総 面 積 は1,083,124ヘクタールで 岐 阜 県 とほぼ 同 じ 香 川 県 大 阪 府 の 約 6 倍 の 広 さがあり 北 海 道 全 面 積 の13%を 占 めています また 太 平 洋 沿 岸 を 除 き 大 陸 性 気 候 であ ることが 特 徴 で 春 にはフェーン 性 の 乾 燥 した 季 節 風 が 吹 き 夏 は 内 陸 部 で 比 較 的 高 温 の 日 が 続 き 冬 は 降 雪 量 が 尐 なく 晴 天 の 日 が 続 きます このような 自 然 環 境 に 恵 まれた 本 地 域 は 農 林 漁 業 を 主 産 業 として 発 展 し 我 が 国 を 代 表 する 食 料 生 産 基 地 として 様 々な 可 能 性 を 秘 めています 陸 別 町 新 得 町 上 士 幌 町 足 寄 町 鹿 追 町 士 幌 町 本 別 町 清 水 町 音 更 町 池 田 町 芽 室 町 幕 別 町 浦 幌 町 帯 広 市 豊 頃 町 中 札 内 村 更 別 村 大 樹 町 広 尾 町 1-2 社 会 的 特 色 について 本 地 域 は JR 根 室 線 の 鉄 道 高 架 や 高 速 化 また 北 海 道 横 断 自 動 車 道 などの 整 備 により 札 幌 や 釧 路 への 利 便 性 が 向 上 してきています 十 勝 の 空 の 玄 関 で 東 京 便 が 就 航 する とかち 帯 広 空 港 は 2011 年 にダブルトラッキング 化 が 実 現 するとともに 近 年 東 アジアなどからの 国 際 チャーター 便 の 利 用 が 増 加 しています 国 より 重 要 港 湾 の 指 定 を 受 けている 十 勝 港 は 道 内 の 港 の 中 で 最 も 首 都 圏 に 近 い 地 理 的 条 件 にあります また 2011 年 7 月 に 十 勝 のさらなる 発 展 と 魅 力 の 向 上 に 向 けて 十 勝 地 域 の1 市 18 町 村 による 十 勝 定 住 自 立 圏 を 形 成 し 農 畜 水 産 物 の 高 付 加 価 値 化 や 自 然 エネルギーの 活 用 観 光 の 広 域 化 に 取 り 組 んでいます さらに 2011 年 12 月 には 帯 広 十 勝 地 区 をはじめ 道 内 3 地 域 が 北 海 道 フード コンプレッ クス 国 際 戦 略 総 合 特 区 の 地 域 指 定 を 受 け 安 全 で 良 質 な 農 畜 水 産 物 の 大 規 模 生 産 体 制 の 確 立 や 先 駆 的 技 術 を 活 用 した 作 物 育 成 管 理 やバイオマスの 活 用 などに 取 り 組 んでいます 1-3 既 存 産 業 の 概 況 について 十 勝 の 産 業 は 農 業 林 業 漁 業 などの 第 1 次 産 業 が 盛 んです 特 に 農 業 は 恵 まれた 環 境 の 中 で カロリーベースでの 食 料 自 給 率 が 約 1,100%の 食 料 生 産 地 帯 として 年 間 約 2,600 億 円 の 農 畜 産 物 を 生 産 し 食 品 加 工 農 業 機 械 などの 関 連 産 業 が 集 積 するなど 地 域 経 済 を 支 える 基 幹 産 業 として 重 要 な 役 割 を 担 っています ( 1) 工 業 は 農 林 水 産 業 の 地 場 産 業 を 背 景 とした 食 料 品 製 造 業 などが 中 心 となっており 製 造 品 出 荷 総 額 約 4,094 億 円 のうち82.8%を 関 連 産 業 が 占 めています ( 2) さらに 商 業 は 帯 広 市 を 中 心 としての 商 圏 が 形 成 されており 大 型 店 舗 が 立 地 するなど 小 売 卸 売 やサービス 業 などが 盛 んで 卸 小 売 業 の 年 間 販 売 額 は 約 1 兆 2,092 億 円 と 北 海 道 の 約 6.8% 2

を 占 めています ( 2) 1-4 十 勝 の 農 林 漁 業 について 農 業 十 勝 は 約 255,000ヘクタールの 耕 地 を 有 し 年 2,000 時 間 を 超 える 日 照 時 間 良 質 な 水 資 源 に 恵 まれ 品 種 改 良 や 肥 培 管 理 技 術 の 向 上 土 地 基 盤 の 整 備 が 進 められ わが 国 を 代 表 する 食 料 生 産 基 地 として 大 規 模 で 生 産 性 の 高 い 畑 作 酪 農 が 展 開 されています 十 勝 における 農 家 1 戸 当 たり 平 均 耕 地 面 積 は 約 41.7ヘクタールとなっており 全 国 平 均 の 約 26 倍 で EU 諸 国 の 水 準 にも 匹 敵 します ( 3) 畑 作 は 麦 類 豆 類 馬 鈴 しょ てん 菜 の 畑 作 4 品 目 を 主 体 とした 輪 作 体 系 を 中 心 に 近 年 は 野 菜 類 の 長 いもやだいこん スイートコーン 葉 物 など 多 様 な 品 目 が 生 産 されています また 長 いもやえだ 豆 ゆり 根 などは 海 外 へも 輸 出 されています 牛 の 飼 養 頭 数 は 乳 牛 が 約 23 万 5 千 頭 ( 北 海 道 の30%) 肉 牛 は 約 20 万 頭 ( 北 海 道 の46%)と なっており 人 口 を 上 回 る 数 の 牛 が 飼 養 されています ( 3) 林 業 十 勝 の 森 林 面 積 は692,033ヘクタールで その 内 訳 は 国 有 林 415,571ヘクタールと 民 有 林 ( 道 有 林 市 町 村 有 林 私 有 林 等 )276,462ヘクタールとなっています この 面 積 は 十 勝 の 総 面 積 の 約 64%を 占 め 上 川 圏 オホーツク 圏 に 次 ぐ 広 さになっています 伐 採 面 積 は10,539ヘクター ルであり 919 千 m3の 木 材 が 産 出 されています ( 4) 漁 業 十 勝 には 重 要 港 湾 である 十 勝 港 をはじめ 沿 岸 部 に5つの 漁 港 ( 音 調 津 大 樹 旭 浜 大 津 厚 内 )があり 平 成 23 年 の 総 漁 獲 量 は15,645トンで 漁 獲 高 は 約 53 億 円 となっています このうち 魚 種 別 漁 獲 高 では さけが 約 20 億 円 と 全 体 の 約 38%を 占 めています ( 5) 1 出 典 : 十 勝 総 合 振 興 局 HP 農 畜 産 物 に 係 る 十 勝 管 内 農 協 取 扱 高 ( 概 算 ) 2 出 典 : 十 勝 総 合 振 興 局 HP 平 成 24 年 十 勝 の 統 計 3 出 典 :2012 年 度 十 勝 の 農 業 北 海 道 十 勝 総 合 振 興 局 4 出 典 : 平 成 23 年 度 北 海 道 林 業 統 計 5 出 典 : 平 成 23 年 度 北 海 道 水 産 現 勢 1-5 バイオマス 等 の 再 生 可 能 エネルギーの 取 り 組 みについて 基 幹 産 業 の 農 林 漁 業 などから 発 生 するバイオマス( 生 物 由 来 資 源 )の 賦 存 量 は 豊 富 にあり 多 くの 自 治 体 で 利 活 用 が 進 められています これまで 家 畜 排 せつ 物 を 活 用 したエネルギー 利 用 や 堆 肥 利 用 林 地 残 材 などを 活 用 した 燃 料 利 用 のほか バイオエタノールやバイオディーゼル 燃 料 ( 以 下 BDF という )などバイ オ 燃 料 の 製 造 活 用 等 の 取 り 組 みが 行 われており 様 々な 知 見 と 実 績 が 蓄 積 されてきています また 平 成 24 年 7 月 に 施 行 された 再 生 可 能 エネルギーの 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT 制 度 )によ り 優 位 性 のある 日 照 時 間 の 長 さを 利 用 したメガソーラー 発 電 も 進 められてきています さらに 国 から 環 境 モデル 都 市 に 指 定 された 帯 広 市 やエネルギーパークに 指 定 された 芽 室 町 3

足 寄 町 など 地 域 の 特 性 を 活 かした 先 駆 的 な 取 り 組 みが 進 められています 参 考 1 十 勝 の 主 要 な 指 標 ( 面 積 人 口 世 帯 数 ) 面 積 人 口 世 帯 数 区 分 総 面 積 (km2) 農 業 経 営 耕 地 面 積 (ha) 森 林 面 積 (ha) 総 人 口 ( 人 ) 総 世 帯 数 ( 世 帯 ) 農 家 戸 数 ( 戸 ) 販 売 農 家 戸 数 ( 戸 ) 漁 業 経 営 体 数 北 海 道 83,457.00 1,153,000 5,539,057 5,506,419 2,424,317 51,203 44,050 14,780 十 勝 管 内 合 計 10,831.24 255,100 692,000 348,597 148,155 6,120 5,981 282 占 める 割 合 13.0% 22.1% 12.5% 6.3% 6.1% 12.0% 13.6% 1.9% 帯 広 市 618.94 23,000 25,814 168,057 75,474 725 677 - 音 更 町 466.09 24,300 11,881 45,085 17,660 725 707 - 士 幌 町 259.13 15,900 5,712 6,416 2,458 395 395 - 上 士 幌 町 694.09 11,200 53,347 5,080 2,225 173 173 - 鹿 追 町 402.86 12,200 21,649 5,702 2,270 246 245 - 新 得 町 1,063.79 6,480 93,734 6,653 3,106 101 100 - 清 水 町 402.18 14,900 17,773 9,961 4,097 368 356 - 芽 室 町 513.91 21,400 21,906 18,905 7,089 639 628 - 中 札 内 村 292.69 7,150 18,891 4,006 1,570 154 154 - 更 別 村 176.77 11,500 2,777 3,391 1,274 235 233 - 大 樹 町 816.38 14,200 58,475 5,977 2,533 190 190 36 広 尾 町 596.16 6,220 47,236 7,881 3,294 121 121 188 幕 別 町 477.68 22,600 14,833 26,547 10,359 606 597 - 池 田 町 371.91 9,520 22,550 7,527 3,189 300 283 - 豊 頃 町 536.52 11,500 32,683 3,394 1,376 203 202 30 本 別 町 391.99 12,000 21,655 8,275 3,482 338 328 - 足 寄 町 1,408.09 13,500 116,436 7,630 3,348 270 264 - 陸 別 町 608.81 6,090 50,684 2,650 1,135 89 88 - 浦 幌 町 729.64 11,300 54,120 5,460 2,216 242 240 23 ラウンドのため 合 計 は 必 ずしも 一 致 しません 出 典 : 十 勝 総 合 振 興 局 平 成 24 年 十 勝 の 統 計 2012 年 度 十 勝 の 農 業 農 業 経 営 耕 地 面 積 ( 千 a) 森 林 面 積 ( 千 ha) 農 家 戸 数 ( 戸 ) 1,153,000 ha 北 海 道 の 約 22% 5,539 千 ha 北 海 道 の 約 13% 51,203 戸 北 海 道 の 約 12% 255,100 ha 692 千 ha 6,120 戸 4

参 考 2 十 勝 の 主 要 な 指 標 ( 主 要 農 作 物 の 作 付 面 積 生 産 量 家 畜 飼 養 頭 数 ) 区 分 作 付 面 積 (ha) 生 産 量 (t) 飼 養 頭 数 ( 頭 ) 小 麦 馬 鈴 しょ 豆 類 てん 菜 小 麦 馬 鈴 しょ 豆 類 てん 菜 乳 用 牛 肉 用 牛 北 海 道 計 119,200 53,100 59,530 60,500 499,900 1,843,000 123,140 3,547,000 866,058 466,533 十 勝 管 内 計 46,600 22,200 25,000 26,000 213,800 784,200 50,400 1,649,000 235,280 199,665 占 める 割 合 39.1% 41.8% 42.0% 43.0% 42.8% 42.6% 40.9% 46.5% 27.2% 42.8% 帯 広 市 6,960 3,450 2,788 3,460 33,600 116,000 6,679 239,400 13,935 17,624 音 更 町 7,570 1,970 4,006 2,920 34,900 68,300 8,718 190,000 18,132 9,698 士 幌 町 2,640 2,120 1,679 2,160 11,500 76,200 3,348 128,000 22,565 49,574 上 士 幌 町 657 813 821 801 2,680 26,000 1,432 44,200 14,061 9,997 鹿 追 町 1,630 1,020 700 1,190 6,560 35,700 1,261 70,700 21,863 - 新 得 町 658 187 277 312 3,100 6,540 592 17,700 8,001 20,464 清 水 町 3,090 969 1,422 1,260 13,200 32,600 2,924 75,700 21,154 17,980 芽 室 町 6,390 3,230 2,334 3,070 27,300 109,000 6,064 206,300 7,304 11,168 中 札 内 村 904 953 579 1,100 4,550 42,200 1,391 80,000 6,495 - 更 別 村 2,160 1,910 2,025 1,650 11,600 79,300 3,560 114,900 6,193 1,836 大 樹 町 473 330 339 537 2,390 10,800 750 30,600 19,307 7,791 広 尾 町 28 69 47 73 134 1,930 153 3,640 9,901 1,383 幕 別 町 4,570 2,480 1,481 2,330 21,600 88,600 3,281 153,800 15,464 7,372 池 田 町 2,240 314 1,444 1,120 11,700 10,900 2,236 70,100 2,958 5,565 豊 頃 町 1,470 840 1,473 621 7,200 31,000 3,080 37,900 11,465 5,368 本 別 町 2,470 592 1,960 1,310 9,930 19,400 2,990 71,100 12,745 5,067 足 寄 町 957 91 660 382 3,990 2,830 865 20,800 9,042 14,170 陸 別 町 125-8 43 505-2 1,910 7,030 1,539 浦 幌 町 1,590 861 973 1,670 7,440 26,600 1,078 92,000 7,665 3,842 ラウンドのため 合 計 は 必 ずしも 一 致 しません 出 典 : 十 勝 総 合 振 興 局 2012 年 度 十 勝 の 農 業 小 麦 の 生 産 量 馬 鈴 しょの 生 産 量 豆 類 の 生 産 量 500 千 t 北 海 道 の 約 43% 1,843 千 t 北 海 道 の 約 43% 123 千 t 北 海 道 の 約 41% 214 千 t 784 千 t 50 千 t てん 菜 の 生 産 量 乳 用 牛 の 飼 養 頭 数 肉 用 牛 の 飼 養 頭 数 3,547 千 t 北 海 道 の 約 47% 866 千 頭 北 海 道 の 約 27% 467 千 頭 北 海 道 の 約 43% 1,649 千 t 235 千 頭 200 千 頭 5

参 考 3 十 勝 の 風 景 帯 広 市 ばんえい 競 馬 士 幌 町 士 幌 高 原 ヌプカの 里 上 士 幌 町 ナイタイ 高 原 牧 場 音 更 町 十 勝 川 白 鳥 まつり 彩 凛 華 新 得 町 十 勝 川 ラフティング 清 水 町 美 蔓 パノラマパーク 鹿 追 町 しかりべつ 湖 コタン 中 札 内 村 相 原 求 一 朗 美 術 館 更 別 村 霧 氷 芽 室 町 新 嵐 山 展 望 台 広 尾 町 アグリポート 十 勝 港 大 樹 町 航 空 公 園 幕 別 町 パークゴルフ 忠 類 ナウマン 象 記 念 館 池 田 町 ワイン 城 地 下 熟 成 室 豊 頃 町 はるにれの 木 足 寄 町 オンネトー 陸 別 町 ふるさと 銀 河 線 りくべつ 鉄 道 本 別 町 本 別 公 園 浦 幌 町 うらほろ 留 真 温 泉 上 士 幌 町 陸 別 町 新 得 町 足 寄 町 鹿 追 町 士 幌 町 本 別 町 清 水 町 音 更 町 池 田 町 芽 室 町 浦 幌 町 幕 別 町 帯 広 市 中 札 内 村 豊 頃 町 更 別 村 大 樹 町 広 尾 町 6

2 地 域 のバイオマス 利 用 の 現 状 と 課 題 2-1 利 用 の 現 状 十 勝 のバイオマス 賦 存 量 及 び 現 在 の 利 用 状 況 (2012 年 度 集 計 ) ( 利 用 率 については 炭 素 換 算 ) バイオマス 賦 存 量 (トン/ 年 ) 用 途 利 用 量 (トン/ 年 ) 利 用 率 (%) 木 質 系 247,951 燃 料 化 製 紙 原 料 敷 料 148,939 60.1 農 業 残 渣 733,447 堆 肥 化 飼 料 化 437,877 59.7 家 畜 排 せつ 物 5,952,264 堆 肥 化 液 肥 化 燃 料 化 5,483,160 92.1 食 品 廃 棄 物 100,163 堆 肥 化 飼 料 化 燃 料 化 56,214 56.1 汚 泥 類 20,386 堆 肥 化 10,158 49.8 紙 類 14,148 再 生 利 用 13,280 93.9 植 物 系 廃 油 2,002 燃 料 化 263 13.3 合 計 7,070,361 6,149,891 87.00 1 十 勝 地 域 の 市 町 村 におけるバイオマス 賦 存 量 調 査 による( 帯 広 市 調 べ) 2 市 町 村 別 のバイオマス 賦 存 量 及 び 現 在 の 利 用 状 況 は 別 添 資 料 を 参 照 バイオマス 全 体 では 約 87%が 利 用 されており 本 地 域 のバイオマスの 利 活 用 が 促 進 されてい ます 木 質 系 製 材 工 場 残 材 建 設 発 生 木 材 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスについては チップ 化 され 発 電 用 の 燃 料 や 製 紙 原 料 として 活 用 されています また オガコに 加 工 し 家 畜 の 敶 料 として 活 用 さ れています 農 業 残 渣 麦 かん( 麦 わら: 敶 料 利 用 ) 豆 がら 等 の 農 業 残 渣 については 農 地 へのすき 込 みや 堆 肥 化 に より 利 用 が 進 められています また 選 果 場 から 排 出 される 残 渣 については 同 じく 堆 肥 化 に より 地 域 内 農 地 への 利 活 用 が 進 められています 家 畜 排 せつ 物 畜 産 農 家 の 家 畜 排 せつ 物 は 畑 作 農 家 の 麦 かんと 交 換 され 基 盤 産 業 である 農 業 の 土 づくりに 活 用 される( 堆 肥 利 用 )など 地 域 内 での 循 環 が 進 んでいます また 家 畜 排 せつ 物 を 活 用 したバイオガスプラントの 取 り 組 みが 進 められており 自 治 体 や 畜 産 農 家 農 業 法 人 により 地 域 内 に 17 基 のプラントが 整 備 され その 中 には 国 内 最 大 規 模 のプラントを 有 しているものもあります 昨 今 では 自 家 施 設 のエネルギー 利 用 のほか FIT 制 度 による 売 電 事 業 などの 取 り 組 みも 進 められています 7

食 品 廃 棄 物 家 庭 系 の 生 ごみについては 家 庭 用 コンポスト 等 による 堆 肥 化 により 家 庭 園 芸 への 利 用 が 進 められています また 事 業 系 食 品 廃 棄 物 については 飼 料 化 により 家 畜 の 餌 また 堆 肥 化 に よる 農 地 への 利 活 用 が 進 められており 一 部 バイオガス 化 により 燃 料 利 用 もされています さ らに 学 校 給 食 残 渣 については 家 畜 の 飼 料 としての 利 用 が 進 められています 汚 泥 類 下 水 汚 泥 については 堆 肥 化 により 地 域 内 農 地 への 利 活 用 が 進 められています 紙 類 紙 類 については 地 域 での 資 源 回 収 により 再 生 紙 等 としての 利 活 用 が 進 められています 植 物 系 廃 油 地 域 内 から 回 収 される 廃 食 油 は BDFの 原 料 として 活 用 されています 帯 広 市 内 ではB5 軽 油 ( 軽 油 にBDF5%を 混 合 した 燃 料 )の 一 般 販 売 が 行 われており 利 用 拡 大 が 徐 々に 進 ん でいます 2-2 課 題 農 業 利 用 を 中 心 とした 種 々のバイオマスの 利 活 用 が 進 められているものの 以 下 のような 課 題 が 存 在 します バイオマス 事 業 全 般 十 勝 の 面 積 は 広 大 で 各 種 バイオマスは 広 範 囲 に 賦 存 しています このため バイオマス 活 用 事 業 における 効 率 的 な 原 料 調 達 が 難 しく 原 料 の 収 集 コストが 高 額 となっています バイオマス 活 用 事 業 は 施 設 整 備 ランニングコストともに 高 額 となっており 事 業 開 始 時 の 資 金 確 保 が 課 題 となっています バイオマス 事 業 を 推 進 するためには 関 係 する 事 業 者 が 連 携 し 原 料 生 産 から 収 集 運 搬 製 造 利 用 まで 一 体 的 なシステムを 構 築 することで バイオマスの 新 たな 需 要 を 喚 起 す る 必 要 があります 東 日 本 大 震 災 以 降 地 域 における 自 立 分 散 型 エネルギー 供 給 システムの 構 築 が 喫 緊 の 課 題 となっています 家 畜 排 せつ 物 の 利 用 家 畜 排 せつ 物 を 活 用 したバイオガス 発 電 事 業 については FIT 制 度 により 一 定 の 事 業 採 算 性 が 確 保 できますが 調 達 単 価 がプラントの 規 模 に 関 わらず 一 律 であるため 小 規 模 バ イオガスプラントでは 発 電 量 が 尐 なく 事 業 採 算 性 継 続 性 の 確 保 が 課 題 となっています 8

バイオガスの 熱 利 用 は 利 用 拡 大 の 可 能 性 を 秘 めているものの 自 家 利 用 以 外 の 利 用 ではコ ストが 大 きくなるため 実 用 化 に 向 けたさらなる 検 討 が 必 要 です 家 畜 排 せつ 物 のメタン 発 酵 により 発 生 する 消 化 液 は 地 域 によっては 肥 料 効 果 としての 認 知 度 が 低 いため 農 家 や 一 般 消 費 者 への 周 知 を 図 るなど 利 用 を 促 進 する 必 要 があります バイオエタノールの 製 造 利 用 バイオエタノールの 製 造 に 要 する 原 料 ( 規 格 外 余 剰 作 物 )は 農 作 物 の 生 育 状 況 等 によ り 影 響 を 受 けるため 原 料 の 安 定 的 な 調 達 が 課 題 となっています バイオエタノールの 混 合 施 設 や 供 給 体 制 が 整 っていないため 地 域 での 利 用 促 進 を 図 るこ とが 困 難 な 状 況 となっています BDFの 利 用 BDF 製 造 コストは 高 額 であり 軽 油 との 価 格 差 が 大 きいのが 現 状 です 一 方 B5 軽 油 の 一 般 販 売 が 進 められていますが 販 売 店 が 尐 数 であり 利 用 環 境 が 制 限 されています 木 質 バイオマスの 利 用 木 質 バイオマスの 利 用 ( 燃 料 化 熱 利 用 発 電 等 )は 原 料 の 生 産 地 に 近 い 場 所 で 行 われる ことが 一 般 的 です そのため 距 離 が 離 れた 消 費 地 での 活 用 における 場 所 の 確 保 と 低 コスト 化 が 課 題 となっています 9

3 目 指 すべき 将 来 像 と 目 標 3-1 目 指 すべき 将 来 像 ~ 十 勝 の 農 食 エネ 自 給 社 会 の 形 成 を 目 指 して ~ 大 規 模 畑 作 酪 農 畜 産 業 が 展 開 されている 十 勝 は 食 料 自 給 率 1,100% に 象 徴 されると おり 我 が 国 を 代 表 する 食 料 生 産 基 地 であるとともに 豊 富 で 多 様 なバイオマスを 有 していま す このバイオマスは 農 業 生 産 を 支 えるエネルギーや 飼 料 肥 料 など 十 勝 全 域 という 圧 倒 的 なスケールの 中 で 多 段 階 に 循 環 活 用 できるポテンシャルを 持 っており 他 地 域 にはない 大 きな 特 色 となっています 環 境 に 優 しいバイオマスエネルギーと 有 機 循 環 型 農 業 は 十 勝 の 農 畜 産 物 の 生 産 にかかる 基 礎 的 な 価 値 を 高 めるとともに これらを 原 料 とした 加 工 品 の 付 加 価 値 を 押 し 上 げます このようなバイオマス 資 源 を 活 用 した 地 域 産 業 の 循 環 モデルは この 地 域 の 魅 力 を 向 上 さ せ 様 々な 分 野 への 波 及 など 価 値 の 連 鎖 を 生 み 新 たな 産 業 や 雇 用 を 創 出 します 十 勝 では 行 政 機 関 関 係 団 体 試 験 研 究 機 関 など 地 域 が 一 体 となって 地 域 の 優 位 性 で ある 食 と 農 林 漁 業 を 柱 とした 産 業 政 策 フードバレーとかち を 推 進 していますが もう 一 つの 優 位 性 であるバイオマスを 活 用 した 産 業 施 策 を 展 開 することにより 持 続 的 な 地 域 経 済 を 確 立 し 個 性 と 魅 力 ある 地 域 社 会 の 形 成 を 目 指 します (1) 豊 富 な 地 域 資 源 を 活 用 したまちづくり( 農 林 漁 業 を 中 心 とした 地 域 循 環 型 社 会 の 形 成 ) 豊 富 なバイオマスを 有 する 十 勝 では バイオマスを 原 料 とした 農 林 漁 業 への 利 用 やエネル ギー 利 用 さらには バイオマスをテーマとした 様 々な 実 証 調 査 研 究 の 取 り 組 みが 行 われ てきています 今 後 も 農 林 漁 業 から 排 出 されるバイオマスの 活 用 を 一 層 進 め 地 域 に 住 む 人 たちが 安 心 し て 暮 らせる 地 域 循 環 型 社 会 の 形 成 を 目 指 します (2)エネルギー 自 給 が 可 能 なまちづくり (バイオマスを 活 用 した 自 立 分 散 型 エネルギー 供 給 システムの 構 築 ) 東 日 本 大 震 災 以 降 地 域 における 自 立 分 散 型 エネルギー 供 給 システムの 構 築 は 喫 緊 の 課 題 となっており これまで 以 上 にバイオマス 等 の 再 生 可 能 エネルギーを 活 用 することが 重 要 となっています 地 域 の 未 利 用 資 源 を 活 用 した 多 様 な 再 生 可 能 エネルギーの 導 入 を 促 進 し 熱 電 気 車 両 用 燃 料 におけるエネルギー 自 給 率 向 上 を 目 指 します (3) 環 境 に 優 しいまちづくり( 低 炭 素 社 会 の 実 現 ) 地 球 温 暖 化 対 策 は 国 際 的 な 課 題 であり 我 が 国 でも 温 室 効 果 ガス 削 減 の 取 り 組 みが 進 めら れています 地 域 としても 生 物 由 来 の 有 機 資 源 でカーボンニュートラルな 原 料 であるバイオマスの 活 用 を 進 め CO 2 の 排 出 を 削 減 し 低 炭 素 社 会 の 実 現 を 目 指 します 10

目 指 すべき 将 来 像 ~ 十 勝 の 農 食 エネ 自 給 社 会 の 形 成 を 目 指 して~ バイオマス 資 源 循 環 イメージ( 広 域 ) 豆 がら 化 石 燃 料 の 使 用 抑 制 により 低 炭 素 社 会 を 実 現 11

3-2 目 指 す 目 標 十 勝 バイオマスのさらなる 活 用 により バイオマスの 利 用 率 発 電 におけるエネルギー 自 給 率 の 向 上 を 目 指 します バイオマスの 利 用 目 標 ( 利 用 率 については 炭 素 換 算 ) バイオマス 賦 存 量 (トン/ 年 ) 2012 年 度 2022 年 度 利 用 量 (トン/ 年 ) 利 用 率 (%) 利 用 量 (トン/ 年 ) 利 用 率 (%) 木 質 系 247,951 148,939 60.1 210,758 85.0 農 業 残 渣 733,447 437,877 59.7 550,085 75.0 家 畜 排 せつ 物 5,952,264 5,483,160 92.1 5,833,219 98.0 食 品 廃 棄 物 100,163 56,214 56.1 65,107 65.0 汚 泥 類 20,386 10,158 49.8 11,212 55.0 紙 類 14,148 13,280 93.9 13,441 95.0 植 物 系 廃 油 2,002 263 13.1 401 20.0 合 計 7,070,361 6,149,891 87.0 6,684,223 94.5 地 域 内 のバイオマスに 関 する 構 想 や 計 画 における 利 用 率 の 伸 びと 現 状 の 活 用 状 況 を 勘 案 し 試 算 発 電 におけるエネルギー 自 給 の 目 標 種 類 2012 年 度 2022 年 度 利 用 量 (MWh) 自 給 率 (%) 利 用 量 (MWh) 自 給 率 (%) 太 陽 光 26,849 172,769 水 力 1,433,745 1,541,346 68.0 % バイオマス 34,358 95,594 合 計 1,494,952 1,809,709 82.3 % 1 発 電 のエネルギーの 種 類 について 風 力 発 電 は 立 地 等 を 含 め 検 討 中 のため 試 算 より 除 く 2 十 勝 の 年 間 電 力 使 用 量 :2,199,000 MWh( 出 典 : 北 海 道 電 力 株 式 会 社 ホームページ 2011 年 管 内 の 電 力 販 売 量 ) CO 2 の 排 出 削 減 量 の 目 標 2012 年 度 2022 年 度 22,550 千 t-co 2 24,509 千 t-co 2 最 大 利 用 可 能 量 (Ct)を C と CO 2 の 分 子 量 の 比 で 換 算 したもの 12

4 事 業 化 プロジェクトの 内 容 4-1 バイオガスプロジェクト これまで 十 勝 においては 地 域 循 環 型 農 業 を 目 指 して 家 畜 排 せつ 物 を 良 質 堆 肥 化 し 農 地 へ 還 元 する 取 り 組 みが 行 われてきています また 家 畜 排 せつ 物 を 利 用 したバイオガスプラン トの 導 入 が 進 められ 現 在 6 市 町 村 ( 帯 広 市 鹿 追 町 士 幌 町 足 寄 町 中 札 内 村 大 樹 町 ) で 17 基 が 稼 動 しており 中 でも 鹿 追 町 や 大 樹 町 のプラントは 国 内 最 大 規 模 となっています バイオガス 製 造 プラント 分 布 図 今 後 も 家 畜 排 せつ 物 を 良 質 堆 肥 化 し 農 地 へ の 還 元 を 推 進 するとともに 家 畜 の 排 せつ 物 等 を 原 料 として 生 成 されたバイオガスは 熱 利 用 や 発 電 の 燃 料 として 積 極 的 に 活 用 します また ガス 生 成 後 の 消 化 液 は 良 質 な 有 機 質 肥 料 とし て 期 待 できることから 地 域 循 環 型 農 業 が 一 層 進 むよう 畑 地 への 液 肥 利 用 に 向 けた 調 査 研 究 を 進 めていきます こうした 取 り 組 みにより 大 規 模 酪 農 地 帯 の 課 題 である 家 畜 排 せつ 物 の 処 理 を 解 決 すると ともに 安 全 安 心 で 高 品 質 な 農 産 物 の 生 産 とエ ネルギー 自 給 率 向 上 を 図 ります 現 状 と 今 後 の 取 り 組 み 方 向 13

4-2 バイオエタノールプロジェクト 十 勝 では 畑 作 4 品 目 (てん 菜 馬 鈴 薯 小 麦 豆 類 )による 輪 作 体 系 が 確 立 しています が その 生 産 過 程 で 生 み 出 される 規 格 外 小 麦 や てん 菜 などの 余 剰 農 産 物 を 活 用 したバイオ エタノールの 製 造 が 進 められています 北 海 道 バイオエタノール 株 式 会 社 ( 清 水 町 )は 年 間 約 15,000kl 製 造 能 力 を 有 していま す 製 造 されたバイオエタノールは 横 浜 市 にある 根 岸 製 油 所 に 輸 送 し ETBE(エチル ターシャリー ブチル エーテル)に 加 工 され ETBE 混 合 ガソリンとして 流 通 していま す また バイオ 燃 料 の 普 及 啓 発 を 図 るため 公 益 財 団 法 人 とかち 財 団 十 勝 総 合 振 興 局 帯 広 市 などの 公 用 車 で 3% 混 合 燃 料 (E3 燃 料 )を 使 用 してきたほか 市 民 参 加 によるモニタ ー 事 業 を 実 施 するなど バイオエタノールの 地 産 地 消 に 向 けた 地 域 の 取 り 組 みを 進 めて バイオエタノール 製 造 プラント 分 布 図 います さらに 平 成 24 年 4 月 の 制 度 改 正 により 従 来 のバイオエタノールの 混 合 比 が 3%から 10%へ 拡 大 されたことに 伴 い 国 内 自 動 車 メ ーカーにおいて 10% 混 合 燃 料 (E10 燃 料 ) 対 応 車 両 の 販 売 が 開 始 され 帯 広 市 域 におい てはE10 走 行 モニター 事 業 を 実 施 してい ます 今 後 本 地 域 内 におけるE3 E10の 利 用 拡 大 バイオエタノールの 高 濃 度 利 用 であ るED95(95%バイオエタノールと 5% 添 加 剤 ( 点 火 促 進 剤 潤 滑 油 )の 混 合 燃 料 )の 実 証 試 験 を 実 施 し バイオエタノールの 地 産 地 消 による 地 域 循 環 型 エネルギーシステムづ くりを 推 進 します 現 状 と 今 後 の 取 り 組 み 14

4-3 BDFプロジェクト BDFは 東 日 本 大 震 災 後 の 被 災 地 において 救 援 物 資 輸 送 用 の 燃 料 等 に 活 用 され 災 害 時 の 緊 急 用 燃 料 としても 注 目 されています これまで 帯 広 市 では 市 民 の 環 境 意 識 の 高 揚 と 廃 棄 物 の 削 減 を 目 的 に NPO スーパー 等 と 協 定 を 締 結 し 家 庭 用 廃 食 用 油 再 生 利 用 モデル 事 業 (おびひろBDFプロジェクト) に 取 り 組 んでいます ( 廃 食 油 回 収 拠 点 約 200 ヵ 所 年 間 回 収 量 約 75,000 リットル) こうした 事 業 で 回 収 された 廃 食 油 などを 原 料 に 帯 広 市 ( 製 造 能 力 400 リットル/ 日 )と 豊 頃 町 ( 製 造 能 力 3,600 リットル/ 日 )の 工 場 においてBDFが 製 造 されています BDFの 一 部 は 帯 広 市 内 のSSでB5 軽 油 として 一 BDF 製 造 プラント 分 布 図 般 販 売 され 行 政 機 関 の 公 用 車 両 民 間 企 業 の 輸 送 車 両 の 燃 料 として 利 用 されています また 平 成 24 年 9 月 には 地 域 内 のBDF 関 係 団 体 ( 行 政 民 間 企 業 NPO 等 )で 構 成 される 十 勝 バイオディーゼル 燃 料 普 及 促 進 協 議 会 を 設 立 し B5 軽 油 の 普 及 拡 大 や BDF 高 濃 度 利 用 (B20 軽 油 )に 関 する 検 討 を 進 めています 今 後 も 地 産 地 消 型 自 立 分 散 型 エネル ギーシステムの 構 築 に 向 けて B5 軽 油 の 利 用 拡 大 を 推 進 するとともに 寒 冷 地 における BDFの 高 濃 度 利 用 (B20)の 実 証 事 業 に 取 り 組 むなど 今 後 の 利 用 の 可 能 性 について 検 討 します 現 状 と 今 後 の 取 り 組 み 15

4-4 木 質 バイオマスプロジェクト 十 勝 では これまで 木 質 バイオマスを 家 畜 の 敶 料 や 製 紙 原 料 を 中 心 に 利 用 が 進 められてきま した 一 方 で 燃 料 利 用 も 進 んでおり 木 質 チップに 加 工 されボイラー 用 燃 料 としての 活 用 や 木 質 ペレットに 加 工 され 木 質 ペレットストーブの 燃 料 として 利 用 が 進 められています 今 後 も 地 域 の 木 質 バイオマスの 熱 利 用 などを 継 続 して 推 進 するとともに 木 質 バイオマス 発 電 事 業 などについて 検 討 を 進 め エネルギー 自 給 率 の 向 上 を 図 ります 現 状 と 今 後 の 取 り 組 み 16

4-5 バイオマス 以 外 の 再 生 可 能 エネルギー 十 勝 は 日 照 時 間 が 長 く( 平 均 日 照 時 間 2,033 時 間 / 年 ) 降 雪 量 が 尐 ない( 年 間 累 積 降 雪 量 201cm/ 年 )ことに 加 え 広 大 な 土 地 資 源 があるため 全 国 的 に 見 ても 太 陽 光 発 電 に 適 した 地 域 と されています ( 1) 今 後 も 地 域 特 性 である 多 日 照 寒 冷 気 候 を 有 効 活 用 できる 太 陽 光 発 電 の 一 般 家 庭 や 公 共 施 設 への 導 入 を 推 進 します また エネルギー 利 用 としてのポテンシャルを 秘 めている 水 道 施 設 等 を 活 用 した 小 水 力 発 電 や 下 水 汚 泥 の 活 用 については 引 き 続 き 有 効 利 用 を 推 進 します 1 1981 年 2010 年 の 平 均 値 ( 気 象 庁 データ) 17

~プロジェクトの 実 施 による 十 勝 バイオマス 産 業 都 市 の 構 築 ~ 18

5 地 域 波 及 効 果 5-1 バイオマス 産 業 都 市 構 想 による 経 済 効 果 本 地 域 において 計 画 期 間 内 (2022 年 度 )にバイオマス 産 業 都 市 構 想 を 推 進 することにより 新 たな 需 要 額 が 120 億 円 発 生 した 場 合 の 地 域 内 経 済 効 果 を 北 海 道 内 地 域 間 産 業 連 関 表 ( 北 海 道 開 発 局 ) により 推 計 すると 以 下 のとおりとなります バイオマス 産 業 都 市 構 想 による 生 産 誘 発 額 バイオマス 産 業 都 市 構 想 によるGDP 押 し 上 げ バイオマス 産 業 都 市 構 想 による 新 規 雇 用 の 誘 発 183 億 円 92 億 円 1,423 人 生 産 誘 発 額 粗 付 加 価 値 誘 発 額 新 規 雇 用 誘 発 人 数 直 接 効 果 ( 1) 120 億 円 - 954 人 1 次 生 産 誘 発 効 果 ( 2) 39 億 円 - 295 人 2 次 生 産 誘 発 効 果 ( 3) 24 億 円 - 174 人 合 計 183 億 円 92 億 円 1,423 人 1 直 接 効 果 消 費 額 や 投 資 額 は 各 産 業 部 門 に 対 して 支 出 されるため 支 出 額 に 相 当 する 生 産 額 が 誘 発 され る このうち 当 該 産 業 部 門 で 誘 発 された 生 産 額 を 直 接 効 果 という 2 1 次 生 産 誘 発 効 果 直 接 効 果 によって 生 じる 原 材 料 等 の 中 間 需 要 によって 起 こる 波 及 効 果 をいい 新 たな 需 要 と なって 他 の 産 業 部 門 の 生 産 を 誘 発 し 生 み 出 される 生 産 額 を 合 計 したもの 3 2 次 生 産 誘 発 効 果 直 接 効 果 と 第 1 次 生 産 誘 発 効 果 により 誘 発 された 生 産 活 動 を 通 じて 発 生 した 雇 用 者 所 得 の うち 一 部 は 貯 蓄 となり 一 部 は 消 費 として 支 出 となる この 消 費 需 要 を 満 たすために 必 要 とな る 新 たな 生 産 を 誘 発 する 効 果 を 第 2 次 生 産 誘 発 効 果 という 19

5-2 プロジェクトの 実 施 による 地 域 波 及 効 果 グローバル 経 済 の 進 展 食 料 問 題 環 境 問 題 の 顕 在 化 さらには 尐 子 高 齢 化 社 会 の 到 来 など 我 が 国 の 社 会 経 済 を 取 り 巻 く 環 境 は 非 常 に 厳 しい 状 況 にあります こうした 中 これからの 自 治 体 は 地 域 の 強 みを 活 かし 自 らの 意 志 と 責 任 に 基 づき 地 域 産 業 の 振 興 を 通 じて 発 展 基 盤 を 強 化 するとともに 広 域 の 連 携 を 進 めることで 豊 かで 安 心 し て 暮 らせる 地 域 社 会 を 形 成 していく 必 要 があります 十 勝 では これまで 共 通 の 産 業 である 農 林 漁 業 を 核 に 関 連 産 業 が 集 積 する 食 料 生 産 地 帯 を 形 成 し 都 市 機 能 が 集 積 する 中 心 都 市 帯 広 市 と 管 内 町 村 が 強 い 結 びつきのもとに 発 展 して きました 今 後 も 十 勝 の19 市 町 村 が 一 体 となって 開 拓 以 来 培 ってきた 食 と 農 林 漁 業 を 中 心 テーマに フードバレーとかち の 取 り 組 みを 進 め 十 勝 が 持 つ 地 域 特 性 を 十 分 に 活 かし 生 産 から 加 工 流 通 販 売 が 一 体 となった 十 勝 型 フードシステム の 形 成 を 目 指 します 当 該 プロジェクトの 実 施 により フードバレーとかち の3つの 展 開 方 策 に バイオマスの 活 用 を 様 々な 角 度 から 組 み 込 み 地 域 への 波 及 効 果 を 一 層 高 めます (1) 農 畜 産 物 の 競 争 力 強 化 地 域 の 強 みである 農 業 生 産 にバイオマスエネルギーを 使 用 することは 経 費 削 減 による 経 営 基 盤 の 強 化 はもとより 化 石 燃 料 の 使 用 抑 制 を 通 じて 二 酸 化 炭 素 の 排 出 削 減 ひいては 地 域 課 題 でもある 低 炭 素 地 域 づくりを 後 押 しします また バイオガスの 副 産 物 である 消 化 液 を 肥 料 として 活 用 することで 化 学 肥 料 を 抑 制 し たクリーン 農 業 の 推 進 につながります こうした 取 り 組 みは 経 済 のグローバル 化 が 進 む 中 品 質 の 向 上 と 安 全 安 心 の 確 立 やブラ ンド 力 の 強 化 など 十 勝 の 農 畜 産 物 の 基 礎 的 な 価 値 の 底 上 げをはかり 対 外 的 な 競 争 力 強 化 につながり 販 路 拡 大 などの 取 り 組 みをさらに 加 速 させます (2) 食 の 付 加 価 値 向 上 地 域 産 業 を 振 興 するためには 農 畜 産 物 等 の 原 材 料 を 地 元 で 加 工 し 付 加 価 値 を 高 めるこ とが 重 要 です 十 勝 では これまで 未 利 用 資 源 から 抽 出 した 機 能 性 素 材 を 使 用 し 加 工 品 の 開 発 を 行 う など 地 域 の 特 性 を 活 かした 取 り 組 みが 行 われています また バイオマスを 活 用 して 生 産 された 農 畜 産 物 を 原 材 料 に 加 工 することや 加 工 処 理 の 工 程 にバイオマスエネルギーを 活 用 すること 等 により 商 品 イメージのアップ 差 別 化 をも たらし 付 加 価 値 を 押 し 上 げます (3) 十 勝 の 魅 力 の 向 上 このように 十 勝 が 生 産 から 加 工 ひいては 流 通 販 売 の 出 口 まで バイオマスを 広 域 多 面 的 に 活 用 する 絵 姿 は 地 域 の 象 徴 的 なイメージとして 定 着 し 国 内 外 への 十 勝 の 魅 力 ( 地 域 のセールスポイント)として 戦 略 的 に 発 信 していきます 20

さらには 個 々の 地 産 商 品 のブランドイメージの 形 成 や 向 上 に 波 及 し 販 路 拡 大 の 大 きな 牽 引 力 となります フードバレーとかちの 推 進 方 策 波 及 バイオマス 産 業 都 市 に 基 づくプロジェクトの 実 施 21

6 実 施 体 制 十 勝 バイオマス 産 業 都 市 構 想 におけるバイオマス 事 業 化 プロジェクトについては 関 係 者 が 多 岐 にわたることから 各 プロジェクトにおいて 民 間 事 業 者 研 究 機 関 関 係 団 体 と 自 治 体 が 連 携 し 目 標 に 向 け 推 進 します 十 勝 バイオマス 産 業 都 市 構 想 における 実 施 体 制 図 < 実 施 体 制 > < 役 割 > 民 間 事 業 者 関 係 者 技 術 支 援 資 金 調 達 連 携 支 援 研 究 機 関 金 融 機 関 関 係 団 体 バイオマス 活 用 事 業 の 可 能 性 調 査 及 び 計 画 作 成 各 事 業 (バイオマ スの 提 供 利 活 用 ) の 実 施 バイオマス 活 用 の 研 究 実 証 バイオマス 活 用 事 業 の 資 金 調 達 連 携 支 援 十 勝 19 市 町 村 帯 広 市 ( 代 表 ) 音 更 町 士 幌 町 上 士 幌 町 鹿 追 町 新 得 町 清 水 町 芽 室 町 中 札 内 村 更 別 村 大 樹 町 広 尾 町 幕 別 町 池 田 町 豊 頃 町 本 別 町 足 寄 町 陸 別 町 浦 幌 町 計 画 全 体 の 総 括 進 捗 管 理 事 後 評 価 各 プロジェクトの 進 捗 管 理 事 後 評 価 地 域 事 業 の 進 捗 管 理 事 後 評 価 22

7 フォローアップの 方 法 計 画 の 策 定 から 5 年 間 が 経 過 した 時 点 で 目 標 の 進 捗 状 況 を 把 握 するため 中 間 評 価 を 行 い 必 要 に 応 じて 目 標 や 取 組 内 容 の 見 直 しを 行 います また 計 画 期 間 の 最 終 年 度 (2022 年 )におい て 目 標 達 成 状 況 について 事 後 評 価 を 行 い 計 画 の 進 捗 状 況 や 取 り 組 みの 効 果 を 評 価 します (1) 中 間 評 価 計 画 期 間 の 5 年 が 終 了 することとなる 2018 年 度 に 実 施 します 3-2 に 掲 げるバイオマスの 種 類 ごとの 5 年 経 過 時 点 での 利 用 量 利 用 率 発 電 におけるエ ネルギー 自 給 率 CO 2 の 排 出 削 減 量 について 進 捗 状 況 を 確 認 します 利 用 率 の 低 い 場 合 や 進 捗 が 遅 れている 場 合 は 課 題 を 整 理 し 必 要 に 応 じて 目 標 や 取 組 内 容 の 見 直 しを 行 います (2) 事 後 評 価 計 画 期 間 が 終 了 することとなる 2023 年 度 に 実 施 します 3-2 に 掲 げるバイオマスの 種 類 ごとの 5 年 経 過 時 点 での 利 用 量 利 用 率 発 電 におけるエ ネルギー 自 給 率 CO 2 の 排 出 削 減 量 について 目 標 の 達 成 状 況 を 確 認 します 帯 広 市 が 計 画 全 体 の 総 括 として 各 町 村 と 連 絡 を 調 整 し 進 捗 管 理 を 行 います 23

8 他 の 地 域 計 画 との 有 機 的 連 携 8-1 バイオマス 産 業 都 市 構 想 の 位 置 付 け 十 勝 は 十 勝 バイオマス 産 業 都 市 構 想 十 勝 定 住 自 立 圏 北 海 道 フード コンプレック ス 国 際 戦 略 総 合 特 区 の3つのツールにより 食 と 農 林 漁 業 を 柱 とした 地 域 産 業 政 策 フード バレーとかち を 推 進 します 十 勝 バイオマス 産 業 都 市 構 想 の 位 置 付 け 1 北 海 道 フード コンプレックス 国 際 戦 略 総 合 特 区 〇 定 住 自 立 圏 構 想 2011 年 7 月 に 1 市 18 町 村 による 十 勝 定 住 自 立 圏 を 形 成 し 十 勝 の 強 み を 最 大 限 に 活 かし 19 市 町 村 が 農 畜 水 産 物 の 高 付 加 価 値 化 や 自 然 エネルギーの 活 用 観 光 の 広 域 化 など をすすめることで 十 勝 のさらなる 発 展 と 魅 力 の 向 上 を 図 っています 〇 北 海 道 フード コンプレックス 国 際 戦 略 総 合 特 区 2011 年 12 月 に 北 海 道 フード コンプレックス 国 際 戦 略 総 合 特 区 の 指 定 を 受 け 農 業 由 来 の 未 利 用 バイオマスの 有 効 活 用 による 農 業 経 営 の 安 定 化 を 進 めています 〇 フードバレーとかち 推 進 プラン 戦 略 プラン 2012 年 3 月 に とかち 独 自 の 経 済 成 長 戦 略 として フードバレーとかち 推 進 プラン 戦 略 プランを 策 定 し 農 林 漁 業 者 中 小 企 業 者 等 地 域 が 同 じ 方 向 性 に 向 かって 経 済 活 動 を 行 っています 24

8-2 その 他 の 再 生 可 能 エネルギーの 地 域 計 画 等 〇 環 境 モデル 都 市 行 動 計 画 ( 帯 広 市 ) 2008 年 7 月 に 全 国 で 初 めて 環 境 モデル 都 市 に 選 定 され CO 2 排 出 削 減 に 取 り 組 んでおり 2030 年 までに CO 2 の 年 間 排 出 量 を 平 成 12(2000) 年 比 30% 以 上 削 減 し さらに 2050 年 まで には 50% 以 上 削 減 するという 目 標 を 掲 げ バイオマスの 利 活 用 を 含 め 地 球 温 暖 化 対 策 を 推 進 しています 〇 バイオマスタウン 構 想 及 びバイオマス 活 用 推 進 計 画 ( 中 札 内 村 鹿 追 町 帯 広 市 豊 頃 町 清 水 町 足 寄 町 ) 本 地 域 では 6 市 町 村 において バイオマスタウン 構 想 を 公 表 しています( 中 札 内 村 2005 年 11 月 鹿 追 町 2006 年 4 月 帯 広 市 2007 年 1 月 豊 頃 町 2007 年 3 月 清 水 町 2008 年 9 月 足 寄 町 2011 年 4 月 ) また 国 のバイオマス 活 用 推 進 基 本 計 画 に 基 づき 2013 年 2 月 に 帯 広 市 同 年 3 月 に 清 水 町 がバイオマス 活 用 推 進 計 画 を 公 表 しました 〇 次 世 代 エネルギーパーク( 芽 室 町 足 寄 町 ) 新 エネルギーをはじめとした 次 世 代 のエネルギーについて 国 民 の 理 解 の 増 進 を 図 るため 太 陽 光 等 の 次 世 代 エネルギー 設 備 や 体 験 施 設 等 を 整 備 した 次 世 代 エネルギーパーク の 指 定 を 芽 室 町 及 び 足 寄 町 が 受 けています 〇 国 北 海 道 との 連 携 国 土 交 通 省 帯 広 開 発 建 設 部 と 北 海 道 十 勝 総 合 振 興 局 では 十 勝 を 一 つの 連 携 地 域 と 位 置 づ け 十 勝 連 携 地 域 政 策 展 開 方 針 として 環 境 フロンティア とかちプロジェクトを 組 み 十 勝 の 豊 富 な 潜 在 資 源 を 活 かした 再 生 可 能 等 エネルギーの 利 活 用 の 促 進 を 図 ることとしており 国 北 海 道 十 勝 地 域 が 連 携 協 働 による 活 力 ある 地 域 社 会 の 実 現 に 向 かっています 25