Ⅱ 厚 木 基 地 1. 厚 木 基 地 の 沿 革 と 概 要 (1) 人 口 密 集 地 に 所 在 する 厚 木 基 地 約 507 万 平 方 メートルの 広 大 な 敷 地 を 有 する 厚 木 基 地 は 大 和 市 の 南 西 部 に 位 置 し 本 市 及 び 綾 瀬 市 海 老 名 市 の 3 市 にまたがって 所 在 している 厚 木 基 地 の 滑 走 路 は 本 市 側 にあり さらに 滑 走 路 北 側 の 延 長 線 上 には 本 市 の 中 でも 特 に 住 宅 が 密 集 する 地 域 が 広 がっている さらに 前 述 の 3 市 に 加 えて 厚 木 基 地 周 辺 には 横 浜 市 藤 沢 市 相 模 原 市 座 間 市 東 京 都 町 田 市 などが 所 在 しており 各 市 とも 過 密 化 した 市 街 地 を 形 成 している 国 によれば 厚 木 基 地 周 辺 人 口 は 240 万 人 とのことであり このような 中 に 所 在 する 厚 木 基 地 は 全 国 に 類 例 のない 人 口 過 密 都 市 の 中 にある 軍 用 飛 行 場 として 基 地 周 辺 住 民 のみならず 広 域 にわたる 多 くの 人 々に 対 し 航 空 機 騒 音 や 事 故 の 不 安 等 を 与 え その 日 常 生 活 に 様 々な 影 響 を 及 ぼしている 厚 木 基 地 と 周 辺 市 街 地 ( 写 真 右 側 区 域 が 大 和 市 域 ) - 3 -
(2) 厚 木 基 地 の 沿 革 基 地 の 歴 史 は 1938 年 ( 昭 和 13 年 )に 旧 日 本 海 軍 が 航 空 基 地 として 定 めたこ とから 始 まり 1941 年 ( 昭 和 16 年 )には 帝 都 防 衛 海 軍 基 地 として 使 用 が 開 始 さ れた その 後 1945 年 ( 昭 和 20 年 )の 終 戦 により 連 合 国 軍 を 構 成 する 米 軍 に 接 収 された そして 1950 年 ( 昭 和 25 年 )には 米 陸 軍 から 米 海 軍 に 移 管 され 以 降 米 第 7 艦 隊 の 後 方 支 援 基 地 として 現 在 に 至 る この 間 の 1971 年 ( 昭 和 46 年 )には 基 地 の 一 部 が 海 上 自 衛 隊 に 移 管 され 米 海 軍 は 厚 木 航 空 施 設 とし て また 海 上 自 衛 隊 は 厚 木 航 空 基 地 として 日 米 が 共 同 使 用 する 基 地 と なっている 厚 木 基 地 は 厚 木 市 にはなく 基 地 の 名 称 とは 異 なる 前 述 の 3 市 に 所 在 する このことは 多 くの 人 の 疑 問 となっているところである この 名 称 の 由 来 につ いては この 近 隣 で 古 くから 宿 場 町 生 産 物 の 交 易 の 場 として 栄 えていた 厚 木 町 の 名 が 全 国 的 に 知 られていたため 基 地 の 所 在 を 欺 くなど 軍 事 上 の 理 由 により 他 の 地 名 が 付 けられた 大 和 基 地 とすると 戦 艦 大 和 や 奈 良 の 大 和 と 混 同 しやすいから など 諸 説 ある しかし そのいずれも 確 証 がなく 未 だに 名 称 の 由 来 は 解 明 されるに 至 っていない 1945 年 ( 昭 和 20 年 ) 厚 木 基 地 に 到 着 した マッカーサー 元 帥 1946 年 ( 昭 和 26 年 ) 頃 の 厚 木 基 地 の 旧 管 制 塔 (3) 厚 木 基 地 現 の 在 概 の 格 要 納 庫 現 在 の 厚 木 基 地 の 管 制 塔 - 4 -
(3) 厚 木 基 地 の 概 要 名 称 厚 木 海 軍 飛 行 場 (FAC3083) 大 和 市 上 草 柳 下 草 柳 福 田 本 蓼 川 綾 瀬 市 深 谷 蓼 川 本 蓼 川 所 在 地 等 海 老 名 市 東 柏 ヶ 谷 標 点 位 置 北 緯 35 27 17 東 経 139 27 0 標 高 62m 面 積 約 5,069( 千 m2)( 大 和 市 域 分 約 1,121( 千 m2)) 国 有 地 約 5,064( 千 m2) 内 訳 市 有 地 約 20 m2 民 有 地 約 4,4 m2 延 長 2,438m 幅 45m(8,000 フィート 150 フィート) 滑 走 路 コンクリート 舗 装 オーバーラン 南 北 各 300m(1,000 フィート) 誘 導 路 延 長 6,764m 幅 22m コンクリート 舗 装 主 な 施 設 格 納 庫 施 設 管 制 塔 オペレーション 施 設 事 務 所 施 設 住 宅 施 設 倉 庫 施 設 建 物 娯 楽 施 設 貯 油 施 設 エンジン 試 験 場 ゴルフ 場 射 撃 場 弾 薬 庫 GCA ( 注 を 参 照 ) ILS 使 用 形 態 米 海 軍 と 海 上 自 衛 隊 との 共 同 使 用 使 用 者 別 米 海 軍 海 上 自 衛 隊 厚 木 航 空 施 設 司 令 部 前 方 艦 隊 航 空 司 令 部 第 5 空 母 航 空 団 第 51 海 上 攻 撃 ヘリコプター 飛 行 隊 など 航 空 集 団 司 令 部 第 4 航 空 群 司 令 部 第 3 航 空 隊 第 4 整 備 補 給 隊 厚 木 航 空 基 地 隊 硫 黄 島 航 空 基 地 隊 配 属 部 隊 南 鳥 島 航 空 派 遣 隊 第 51 航 空 隊 第 61 航 空 隊 航 空 管 制 隊 航 空 プログラム 開 発 隊 厚 木 システム 通 信 分 遣 隊 厚 木 情 報 保 全 分 遣 隊 厚 木 警 務 分 遣 隊 ( 注 ) - 5 -
GCA( 地 上 誘 導 着 陸 方 式 ) 視 界 不 良 の 時 地 上 レーダー( 空 港 監 視 レーダー 及 び 精 測 進 入 レーダー)により 進 入 開 始 から 接 地 点 付 近 までの 航 空 機 の 動 きを 監 視 し 無 線 電 話 により 適 切 な 経 路 を 指 示 し 着 陸 させる 方 式 で このための 装 置 ILS( 計 器 着 陸 装 置 ) 航 空 機 が 計 器 飛 行 状 態 で 滑 走 路 に 正 確 に 進 入 着 陸 できるように 地 上 から 誘 導 電 波 を 発 射 し 着 陸 させる 装 置 - 6 -
(4) 厚 木 基 地 における 共 同 使 用 の 区 分 図 ( 平 成 28 年 1 月 1 日 現 在 ) 凡 例 使 用 区 分 面 積 ( 千 m2) 2-1-(a) 地 区 2-4-(a) 地 区 2-4-(b) 地 区 管 理 権 及 び 使 用 について 米 軍 だけの 専 用 区 域 管 理 権 を 米 軍 が 有 し 自 衛 隊 と 共 同 で 使 用 している 区 域 管 理 権 を 自 衛 隊 が 有 し 米 軍 と 共 同 で 使 用 している 区 域 約 1,434( 千 m2) 約 1,076( 千 m2) 約 2,559( 千 m2) 行 政 境 界 計 約 5,069( 千 m2) 大 和 市 域 分 約 1,121( 千 m2) - 7 -
2. 米 海 軍 厚 木 航 空 施 設 (1) 米 海 軍 厚 木 航 空 施 設 の 概 要 米 海 軍 厚 木 航 空 基 地 の 名 称 は 1971 年 ( 昭 和 46 年 )7 月 1 日 海 上 自 衛 隊 と 共 同 使 用 が 開 始 されると 同 時 に 米 海 軍 厚 木 航 空 施 設 へと 変 更 された この 施 設 では 洋 上 及 び 陸 上 の 米 艦 隊 諸 部 隊 に 対 し 諸 施 設 とサービスの 提 供 及 び 補 給 業 務 といった 支 援 業 務 を 行 っており 前 方 展 開 する 米 海 軍 航 空 部 隊 に 対 する 人 員 訓 練 装 備 の 監 督 などを 行 う 前 方 艦 隊 航 空 司 令 部 や 横 須 賀 基 地 を 事 実 上 の 母 港 とする 空 母 ロナルド レーガンの 第 5 空 母 航 空 団 などが 置 か れている また 1994 年 ( 平 成 6 年 )10 月 1 日 には 横 浜 市 にある 上 瀬 谷 通 信 施 設 が 隷 下 となった 米 海 軍 厚 木 航 空 施 設 は さながら 一 つの 都 市 としての 様 相 を 呈 し 飛 行 場 と しての 機 能 に 加 え 消 防 署 病 院 郵 便 局 等 の 公 共 的 施 設 をはじめ 家 族 住 宅 独 身 宿 舎 礼 拝 堂 銀 行 スーパーマーケット レストラン ガソリンスタン ド 等 の 生 活 関 連 施 設 体 育 館 各 種 グラウンド プール テニスコート ゴル フ 場 ピクニックエリア 等 のスポーツ 施 設 さらに 劇 場 図 書 館 ツアーサー ビス カルチャーセンター 等 のレクリエーション 施 設 小 学 校 大 学 等 教 育 機 関 など 居 住 あるいは 一 時 的 に 滞 在 する 隊 員 とその 家 族 の 生 活 のあらゆる 部 門 にわたり 米 海 軍 管 理 のもとに 利 便 を 提 供 している 基 地 正 門 米 軍 家 族 住 宅 米 軍 小 学 校 礼 拝 堂 - 8 -
(2) 厚 木 基 地 に 飛 来 する 米 空 母 艦 載 機 等 空 母 ロナルド レーガン 横 須 賀 入 港 の 際 には この 空 母 の 艦 載 機 が 厚 木 基 地 に 飛 来 する 現 在 空 母 ロナルド レーガンには 第 5 空 母 航 空 団 の 航 空 機 が 搭 載 されている 第 5 空 母 航 空 団 所 属 飛 行 部 隊 飛 行 隊 機 種 戦 闘 攻 撃 飛 行 隊 戦 術 電 子 飛 行 隊 艦 載 早 期 警 戒 飛 行 隊 輸 送 飛 行 隊 ヘリコプター 飛 行 隊 VFA-27 (ROYAL MACES) VFA-102 (DIAMONDBACKS) VFA-115 (EAGLES) VFA-195 (DAMBUSTERS) VAQ-141 (SHADOW HAWKS) VAW-115 (LIBERTY BELLS) VRC-30Det5 (PROVIDERS) HSC-12 (GOLDEN FALCONS) HSM-77 (SABER HAWKS) F/A-18E F/A-18F F/A-18E F/A-18E EA-18G E-2C C-2A MH-60S MH-60R その 他 の 飛 行 部 隊 飛 行 隊 機 種 ヘリコプター 飛 行 隊 HSM-51 (WARLORDS) MH-60R - 9 -
空 母 ロナルド レーガン 艦 載 機 等 F/A-18E スーパーホーネット( 戦 闘 攻 撃 機 ) 18.3 m 13.6 m 4.88 m 13,400 kg 速 度 2,148 km/h 航 続 距 離 4,000 km 1 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) F/A-18F スーパーホーネット( 戦 闘 攻 撃 機 ) 18.3 m 13.6 m 4.88 m 13,400 kg 速 度 2,148 km/h 航 続 距 離 4,000 km 2 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) EA- 18G グ ラ ウ ラ ー ( 電 子 戦 機 ) 18.3 m 13.6 m 4.88 m 15,011 kg 2 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) E - 2C ホ ー ク ア イ ( 早 期 警 戒 機 ) 17.54 m 24.56 m 5.58 m 27,265 kg 速 度 626 km/h 航 続 距 離 2,854 km 5 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) - 10 -
C - 2A グ レ イ ハ ウ ン ド ( 輸 送 機 ) 17.32 m 24.56 m 5.14 m 16,486 kg 速 度 574 km/h 航 続 距 離 1,930 km 4 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) MH-60R シーホーク( 対 潜 ヘリコプター) 19.5 m ローター 直 径 16.4 m 5.2 m 6,545 kg 速 度 333 km/h 航 続 距 離 454 km 3 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) MH-60S シーホーク( 救 難 ヘリコプター) 19.5 m ローター 直 径 16.4 m 5.2 m 6,545 kg 速 度 333 km/h 航 続 距 離 454 km 4 名 ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) 米 海 軍 の 常 駐 機 U C - 1 2 F ( 連 絡 機 ) 13.36 m 16.61 m 4.52 m 3,518 kg 速 度 536 km/h 2 名 - 11 -
(3) 米 海 軍 の 空 母 日 本 を 含 む 極 東 アジアや 西 太 平 洋 地 域 は 米 海 軍 第 7 艦 隊 が 担 当 しており その 活 動 範 囲 は 1 億 2,400 万 平 方 キロメートルにも 及 ぶ 第 5 空 母 航 空 団 の 航 空 母 艦 である 空 母 ロナルド レーガンは 駆 逐 艦 巡 洋 艦 補 給 艦 潜 水 艦 な どを 伴 って 活 動 する 第 7 艦 隊 の 主 力 艦 である 1973 年 ( 昭 和 48 年 )10 月 5 日 の 空 母 ミッドウェーの 横 須 賀 入 港 以 降 現 在 の 空 母 ロナルド レーガンに 至 るまで 5 隻 の 空 母 が 横 須 賀 を 事 実 上 の 母 港 とし ている 空 母 名 空 母 ミッドウェー 空 母 インディペンデンス 空 母 キティホーク 空 母 ジョージ ワシントン 空 母 ロナルド レーガン 配 備 時 期 1973 年 ( 昭 和 48 年 )10 月 5 日 1991 年 ( 平 成 3 年 )9 月 11 日 1998 年 ( 平 成 10 年 )8 月 11 日 2008 年 ( 平 成 20 年 )9 月 25 日 2015 年 ( 平 成 27 年 )10 月 1 日 空 母 ロナルド レーガン(CVN-76) ( 写 真 : 米 海 軍 ウェブサイトより) 就 役 2003 年 7 月 12 日 332.85m 40.84m 排 水 量 約 97,000 トン 推 進 機 関 原 子 炉 2 基 速 力 約 30 ノット 搭 載 航 空 機 約 85 機 3. 海 上 自 衛 隊 厚 木 航 空 基 地 (1) 海 上 自 衛 隊 厚 木 航 空 基 地 の 概 要 海 上 自 衛 隊 は 1952 年 ( 昭 和 27 年 )4 月 26 日 海 上 保 安 庁 の 一 組 織 として 生 まれた 海 上 警 備 隊 が 1954 年 ( 昭 和 29 年 )7 月 1 日 に 海 上 自 衛 隊 として 発 足 したことに 始 まる( 同 年 7 月 1 日 防 衛 庁 設 置 法 自 衛 隊 設 置 法 の 施 行 により 陸 上 自 衛 隊 海 上 自 衛 隊 航 空 自 衛 隊 が 発 足 する) 海 上 自 衛 隊 は 海 上 からの 侵 略 に 対 し 我 が 国 を 防 衛 するとともに 我 が 国 周 辺 海 域 における 海 上 交 通 の 安 全 を 確 保 することを 主 な 任 務 としている 海 上 自 衛 隊 が 厚 木 基 地 を 使 用 するようになったのは 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 7 月 1 日 からである ここには 海 上 自 衛 隊 の 航 空 部 隊 の 最 高 司 令 部 である 航 空 集 団 司 令 部 が 設 置 (1973 年 ( 昭 和 48 年 )12 月 25 日 )され 海 上 自 衛 隊 航 空 部 - 12 -
隊 の 中 枢 として 全 国 各 地 に 所 在 する 航 空 部 隊 を 一 元 的 に 指 揮 している この ほかには 第 4 航 空 群 第 51 航 空 隊 第 61 航 空 隊 航 空 管 制 隊 等 が 置 かれて いる 海 上 自 衛 隊 第 4 航 空 群 司 令 部 - 13 -
(2) 海 上 自 衛 隊 の 移 駐 経 緯 海 上 自 衛 隊 の 厚 木 基 地 への 移 駐 については 下 記 のような 経 緯 がある 主 な 流 れ 1970 年 ( 昭 和 45 年 ) 12 月 21 日 第 12 回 日 米 安 全 保 障 協 議 委 員 会 開 催 在 日 米 軍 基 地 の 整 理 統 合 について 検 討 された その 中 で 厚 木 飛 行 場 については 次 の 方 針 が 打 ち 出 された 米 軍 機 及 び 米 側 要 員 の 大 部 分 は 昭 和 46 年 6 月 末 までに 移 駐 するが 艦 隊 航 空 部 隊 西 太 平 洋 修 理 部 を 含 む 若 干 の 米 軍 施 設 は 小 規 模 な 専 用 区 域 として 存 続 する 日 本 政 府 は 昭 和 46 年 6 月 30 日 までに 本 飛 行 場 の 運 営 及 び 維 持 上 の 責 任 を 負 い また 前 記 の 米 軍 区 域 への 出 入 りを 可 能 とし かつ その 他 の 米 軍 の 運 航 上 の 必 要 を 充 たすため 然 るべき 共 同 使 用 の 取 決 めが 行 われ る ( 外 務 省 情 報 文 化 局 発 表 日 米 安 全 保 障 協 議 委 員 会 第 12 回 会 合 について より 一 部 抜 粋 ) 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 3 月 1 日 大 和 市 長 等 国 に 厚 木 海 軍 飛 行 場 の 整 理 縮 小 計 画 に 係 る 緊 急 要 望 を 提 出 し 基 地 の 一 部 返 還 等 を 求 めた 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 5 月 横 浜 防 衛 施 設 局 長 はじめて 厚 木 海 軍 飛 行 場 の 海 上 自 衛 隊 に よる 共 同 使 用 について 正 式 に 協 力 を 要 請 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 6 月 25 日 日 米 合 同 委 員 会 厚 木 飛 行 場 の 一 部 を 自 衛 隊 に 移 管 することを 合 意 ( 同 月 29 日 閣 議 決 定 航 空 管 制 権 等 が 米 軍 から 自 衛 隊 へ) 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 7 月 1 日 海 上 自 衛 隊 が 厚 木 飛 行 場 の 維 持 運 営 にあたり 日 米 の 共 同 使 用 が 開 始 される 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 12 月 20 日 1971 年 ( 昭 和 46 年 ) 12 月 24 日 横 浜 防 衛 施 設 局 長 が 厚 木 海 軍 飛 行 場 の 海 上 自 衛 隊 による 共 同 使 用 について を 大 和 市 等 に 通 知 次 頁 参 照 海 上 自 衛 隊 厚 木 航 空 基 地 分 遣 隊 が 編 成 されると 共 に 千 葉 県 下 総 基 地 から 第 4 航 空 群 等 が 移 駐 し 本 格 的 な 共 同 使 用 が 始 まる 1973 年 ( 昭 和 48 年 ) 12 月 24 日 横 浜 防 衛 施 設 局 航 空 集 団 司 令 部 等 に 関 し 海 上 自 衛 隊 航 空 部 隊 の 厚 木 基 地 への 移 駐 について 大 和 市 に 通 知 1973 年 ( 昭 和 48 年 ) 千 葉 県 下 総 基 地 から 海 上 自 衛 隊 航 空 集 団 司 令 部 等 が 移 駐 12 月 25 日 - 14 -
1971 年 ( 昭 和 46 年 )12 月 20 日 付 通 知 ( 一 部 抜 粋 ) 昭 和 46 年 12 月 20 日 大 和 市 長 殿 横 浜 防 衛 施 設 局 長 厚 木 海 軍 飛 行 場 の 海 上 自 衛 隊 による 共 同 使 用 について 厚 木 海 軍 飛 行 場 の 運 用 に 関 し 日 頃 ご 配 慮 とご 協 力 をいただき 厚 くお 礼 申 しあ げます さて 昭 和 46 年 6 月 29 日 の 閣 議 決 定 に 基 づき 海 上 自 衛 隊 が 本 年 7 月 1 日 から 当 該 飛 行 場 の 維 持 運 営 にあたっておりますが 今 般 下 記 事 項 を 履 行 することを 約 し ここに 海 上 自 衛 隊 が 部 隊 を 編 成 し その 任 務 の 遂 行 にあたることとなりまし たので 通 知 します 記 1 飛 行 場 の 運 用 について (1) 人 口 過 密 化 傾 向 の 著 しい 貴 市 の 事 情 を 十 分 に 理 解 し 今 後 滑 走 路 の 新 設 延 長 等 飛 行 場 の 拡 張 は 行 なわず 又 客 観 情 勢 に 対 応 し 極 力 整 備 縮 小 に 努 力 しま す (2) 当 該 飛 行 場 の 運 用 にあたっては 住 民 の 生 活 の 安 全 確 保 を 第 一 義 的 に 配 慮 し 海 上 自 衛 隊 としても 現 在 当 該 飛 行 場 においてとられている 航 空 機 の 騒 音 の 軽 減 に 関 する 規 制 措 置 を 遵 守 するのほか 要 すれば 貴 市 と 協 議 する 機 関 を 設 け 一 層 の 安 全 対 策 をこうじます (3) 将 来 今 般 の 自 衛 隊 の 使 用 計 画 を 著 しく 変 更 する 場 合 は あらかじめ 貴 市 と 協 議 します (4)ジェットエンジンを 主 たる 動 力 とする 飛 行 機 (ターボプロップ 機 を 除 く )は 緊 急 止 むを 得 ない 場 合 を 除 き 使 用 しません 補 遺 1 部 隊 の 編 成 について 当 該 飛 行 場 ( 基 地 )における 部 隊 の 編 成 については 厚 木 航 空 基 地 分 遣 隊 のほか 現 在 下 総 航 空 基 地 にある 部 隊 の 一 部 ( 第 4 航 空 群 等 )を 漸 次 移 転 し 最 終 的 には (3) 航 空 機 厚 約 木 50 航 機 空 基 人 地 員 配 約 備 2,000 の 航 人 空 をもって 機 構 成 する 計 画 である 2 著 しい 変 更 について 厚 木 海 軍 飛 行 場 の 海 上 自 衛 隊 による 共 同 使 用 について の 記 1(3)に 規 定 する 著 しく 変 更 する 場 合 とは 1 飛 行 隊 以 上 の 部 隊 を 増 強 する 場 合 と 解 する - 15 -
(3) 厚 木 航 空 基 地 で 運 用 されてきた 主 な 航 空 機 現 在 海 上 自 衛 隊 厚 木 航 空 基 地 には 哨 戒 機 をはじめとして 輸 送 機 やヘリ コプターなどの 航 空 機 が 配 備 されている 1971 年 ( 昭 和 46 年 )より 海 上 自 衛 隊 は 厚 木 基 地 の 使 用 を 開 始 し これまで 主 に 哨 戒 機 部 隊 が 配 置 されてきた 主 力 である 固 定 翼 の 哨 戒 機 については 当 初 S-2F P2V-7 が 運 用 され 1970 年 代 には P-2J が 運 用 された その 後 は 1980 年 代 から 現 在 に 至 るまで P-3C が 運 用 されている P-3C が 我 が 国 に 初 めて 配 備 されたのは 厚 木 基 地 である P-3C の 導 入 に 際 して 1980 年 ( 昭 和 55 年 )10 月 防 衛 庁 から 関 連 諸 施 設 の 整 備 計 画 とともに 1981 年 ( 昭 和 56 年 )P-3C 3 機 の 配 備 が 発 表 され その 後 対 潜 哨 戒 システムの 運 用 研 究 要 員 の 教 育 部 隊 の 新 編 改 編 などが 行 われた 防 衛 白 書 によれば 2015( 平 成 27) 年 3 月 31 日 現 在 海 上 自 衛 隊 の P-3C 保 有 数 は 69 機 となっている 海 上 自 衛 隊 の 航 空 機 L C - 9 0 ( 連 絡 機 ) 10.82 m 15.32 m 4.33 m 4,377 kg 速 度 363 km/h 5 名 P - 1 ( 哨 戒 機 ) 38.0 m 35.4 m 12.1 m 80,000 kg 速 度 ( 最 大 ) 833 km/h 11 名 P - 3 C ( 哨 戒 機 ) 35.6 m 30.4 m 10.3 m 56,000 kg 速 度 ( 最 大 ) 731 km/h 11 名 - 16 -
U P - 3 C ( 多 用 機 ) 35.6 m 30.4 m 10.3 m 56,000 kg 速 度 ( 最 大 ) 731 km/h 5 名 U S - 1 A ( 救 難 飛 行 艇 ) 33.46 m 33.15 m 9.95 m 45,000 kg 速 度 ( 最 大 ) 490 km/h 12 名 U S - 2 ( 救 難 飛 行 艇 ) 33.3 m 33.2 m 9.8 m 47,700 kg 速 度 ( 最 大 ) 583 km/h 11 名 C - 1 3 0 R ( 輸 送 機 ) 29.80 m 40.40 m 11.70 m 70,300 kg 速 度 ( 最 大 ) 約 589 km/h 6 名 - 17 -
S H - 6 0 J ( 哨 戒 機 ) 19.8 m 16.4 m 5.2 m 9,926 kg 速 度 ( 最 大 ) 275 km/h 3 名 S H - 6 0 K ( 哨 戒 機 ) 19.8 m 16.4 m 5.4 m 10,872 kg 速 度 ( 最 大 ) 250 km/h 4 名 U H - 6 0 J ( 救 難 機 ) 19.8 m 16.4 m 5.1 m 9,979 kg 速 度 ( 最 大 ) 259 km/h 4 名 (4) 次 期 固 定 翼 哨 戒 機 の 厚 木 基 地 配 備 2007 年 ( 平 成 19 年 )10 月 11 日 防 衛 省 は 大 和 市 に 対 し 海 上 自 衛 隊 厚 木 航 空 基 地 への 次 期 固 定 翼 哨 戒 機 の 乗 り 入 れについて 通 知 した その 後 9 月 には XP-1 の 1 号 機 が 11 月 には 2 号 機 が 厚 木 基 地 に 飛 来 し 2 機 による 性 能 評 価 が 開 始 された その 性 能 評 価 が 厚 木 基 地 において 行 われている 中 の 2010 年 ( 平 成 22 年 )2 月 15 日 国 から 大 和 市 に 対 し 平 成 23 年 度 末 から 厚 木 基 地 に P-1 を 配 備 する 旨 が 通 知 された その 後 不 具 合 の 影 響 により 配 備 が 延 期 されたが 国 は 平 成 24 年 度 から 固 定 翼 哨 戒 機 P-3C の 後 継 機 として 厚 木 基 地 に P-1 を 配 備 することなどを 通 知 した また 国 は 通 知 の 中 で 厚 木 基 地 への P-1 配 備 と 46 文 書 との 関 係 について 引 き 続 き 46 文 書 は 尊 重 すべきもの との 考 えを 示 した その 後 2013 年 ( 平 成 25 年 )3 月 29 日 には 2 機 の P-1 が 厚 木 基 地 へ 飛 来 した - 18 -