女 性 が 活 躍 する 未 来 に 向 けてスピードアップ! ~ 地 域 をけん 引 する 指 定 都 市 の 提 言 ~ 平 成 26 年 11 月 指 定 都 市 市 長 会
提 言 の 趣 旨 人 口 急 減 超 高 齢 化 への 対 応 が 国 を 挙 げての 喫 緊 の 課 題 となる 中 社 会 の 活 力 を 維 持 していくためには あらゆる 人 が 意 欲 を 持 ち 活 動 することが 不 可 欠 であり とり わけ 女 性 がその 能 力 を 十 分 に 発 揮 できる 環 境 づくりが 急 務 となっています 政 府 においては 女 性 の 活 躍 を 成 長 戦 略 の 中 核 に 位 置 付 け 女 性 が 輝 く 社 会 に 向 け た 取 組 がさまざまな 分 野 で 展 開 されつつありますが 我 が 国 の 現 状 は 先 進 国 の 中 で 未 だ 著 しく 遅 れた 状 況 にあります 地 域 における 女 性 の 活 躍 促 進 は 地 域 経 済 の 活 性 化 のみならず 世 帯 収 入 の 増 加 に よる 貧 困 や 少 子 化 の 対 策 としても 有 効 であるほか まちづくりに 多 様 な 考 え 方 が 反 映 されることにより 地 域 課 題 の 解 決 にも 好 影 響 を 与 えるものであると 考 えます 人 口 減 少 への 対 応 が 待 ったなし の 状 況 にある 中 女 性 が 活 躍 できる 環 境 整 備 に 向 けた 取 組 の 加 速 化 が 強 く 求 められています こうしたことから 指 定 都 市 市 長 会 では 女 性 の 社 会 進 出 が 遅 れている 要 因 課 題 を 検 討 し 女 性 の 一 層 の 活 躍 を 推 進 するための 政 策 提 言 を 行 うことを 目 的 として 本 年 5 月 に 女 性 の 社 会 進 出 プロジェクト を 新 たに 設 置 し 女 性 の 就 労 面 を 中 心 に 指 定 都 市 の 現 状 や 各 都 市 の 施 策 等 を 調 査 するとともに 今 後 必 要 となる 取 組 につい て 幅 広 く 検 討 を 行 ってきました 今 般 国 において 来 年 春 ごろまでに 早 急 に 実 施 すべき 施 策 として すべての 女 性 が 輝 く 政 策 パッケージ が 決 定 され 必 要 な 法 的 措 置 を 含 め 様 々な 取 組 が 進 められ ることとなりました 女 性 をはじめ 誰 もがいきいきと 活 躍 できる 社 会 づくりに 向 け 多 くの 女 性 が 働 く 場 でもある 指 定 都 市 が 地 域 の 模 範 トップランナーとしての 役 割 を 果 たしていく 必 要 性 を 十 分 に 認 識 し 各 般 の 取 組 を 進 めるとともに 国 において 取 り 組 むべき 施 策 につ いて 以 下 のとおり 提 言 します 1
指 定 都 市 の 女 性 職 員 7.8 万 人 の 活 躍 する 力 を 引 き 出 します ~ 指 定 都 市 自 らの 取 組 ~ 指 定 都 市 では 約 24 万 人 の 職 員 が 働 き そのうちの 約 3 割 に 当 たる 約 7 万 8 千 人 が 女 性 職 員 です また 採 用 者 に 占 める 女 性 の 割 合 は4 割 を 超 え 国 都 道 府 県 と 比 較 しても 割 合 が 高 くなっており 両 立 支 援 制 度 の 整 備 活 用 が 進 んだことで 出 産 育 児 に 伴 う 退 職 も 少 ないことから 今 後 とも 多 くの 女 性 職 員 の 活 躍 が 期 待 されます 国 への 提 言 を 行 うに 当 たり まず 指 定 都 市 自 らが 女 性 職 員 の 力 を 引 き 出 すトップ ランナーとなって 次 の3つの 事 項 に 率 先 して 取 り 組 むとともに 各 指 定 都 市 の 実 情 に 応 じた 各 般 の 取 組 を 進 めます 参 考 採 用 者 に 占 める 女 性 の 割 合 指 定 都 市 :42.1% 国 家 公 務 員 :26.8% 都 道 府 県 :30.3% 指 定 都 市 都 道 府 県 内 閣 府 男 女 共 同 参 画 局 地 方 公 共 団 体 における 男 女 共 同 参 画 社 会 の 形 成 又 は 女 性 に 関 する 施 策 の 推 進 状 況 より( 平 成 25 年 度 平 成 24 年 4 月 1 日 から 25 年 3 月 31 日 までに 採 用 ) 国 家 公 務 員 総 務 省 人 事 院 女 性 国 家 公 務 員 の 採 用 状 況 のフォローアップ より( 平 成 25 年 4 月 1 日 から 25 年 4 月 30 日 までに 採 用 ( 又 は 内 定 )) 1. 女 性 職 員 のライフステージに 応 じたキャリア 形 成 を 応 援 します ~ 市 役 所 の 女 性 管 理 職 登 用 率 30%の 達 成 を 目 指 して ~ 複 雑 化 多 様 化 する 行 政 ニーズに 柔 軟 に 対 応 していくためには 意 思 決 定 の 場 に 女 性 職 員 の 参 画 を 一 層 進 めていくことが 不 可 欠 です 指 定 都 市 の 女 性 管 理 職 登 用 率 については 昇 任 試 験 の 有 無 など 昇 任 制 度 の 違 いも あり 現 状 では 約 5%から 約 17%まで 様 々となっています 指 定 都 市 においても 女 性 管 理 職 登 用 率 30%の 達 成 を 見 据 え 10% 20%と ステップを 上 るなど それぞれの 都 市 で 段 階 を 踏 みながら 女 性 の 登 用 において 地 域 をけん 引 するべく 女 性 職 員 のライフステージに 応 じたキャリア 形 成 支 援 を 推 進 します 具 体 的 な 取 組 例 職 員 の 意 識 改 革 を 促 す 研 修 昇 任 への 不 安 解 消 策 の 強 化 キャリア 形 成 を 支 援 するメンター 制 度 の 導 入 メンター 向 け 研 修 の 実 施 昇 任 試 験 における 女 性 の 受 験 率 の 目 標 設 定 出 産 育 児 などのライフイベントを 考 慮 し 若 手 職 員 のうちに 多 様 な 業 務 経 験 を 付 与 女 性 職 員 のネットワーク 構 築 支 援 ロールモデルとなる 女 性 管 理 職 との 交 流 指 定 都 市 の 女 性 職 員 同 士 の 交 流 職 員 向 けの 情 報 提 供 サイト の 立 ち 上 げ 等 2
2.すべての 男 性 職 員 が 育 休 を 取 得 できるよう 組 織 全 体 で 支 援 します 女 性 の 活 躍 を 推 進 するためには 男 性 も 家 事 育 児 介 護 等 の 家 庭 生 活 における 役 割 を 果 たすことが 重 要 です 男 性 職 員 の 育 児 休 業 取 得 については 指 定 都 市 全 体 で 取 得 率 が2.6%と 未 だ 低 調 であることから 男 性 自 身 の 意 識 改 革 育 休 等 を 取 得 しやすい 職 場 環 境 づくりを 進 める 必 要 があります 指 定 都 市 の 中 には 休 暇 休 業 の 形 態 や 期 間 の 長 短 を 問 わずに 該 当 の 男 性 職 員 全 員 が 何 らかの 両 立 支 援 制 度 を 利 用 するよう 取 り 組 む 事 例 もあり 各 都 市 の 効 果 的 な 事 例 を 共 有 しながら 育 児 介 護 等 の 時 間 的 制 約 のある 職 員 も 活 躍 できる 職 場 環 境 の 整 備 を 進 めます 具 体 的 な 取 組 例 上 司 同 僚 など 職 場 ぐるみで 支 える 男 性 全 員 の 育 休 取 得 制 度 の 周 知 育 児 介 護 に 係 る 休 暇 等 を 取 得 した 男 性 職 員 による 体 験 談 発 表 育 児 休 業 取 得 時 の 収 入 変 動 シミュレーション 等 の 情 報 提 供 育 児 介 護 に 係 る 多 様 な 休 暇 休 業 等 の 取 得 促 進 育 休 等 を 取 得 しやすい 風 土 の 醸 成 に 向 けた 管 理 職 研 修 の 実 施 育 休 を 取 得 する 男 性 職 員 の 代 替 職 員 を 配 置 する 仕 組 みの 導 入 等 3. 男 性 も 女 性 も 働 きやすい 職 場 環 境 の 実 現 に 向 け 働 き 方 改 革 にチャ レンジします 女 性 の 活 躍 を 阻 害 する 要 因 の 一 つが 長 時 間 労 働 を 前 提 とした 労 働 慣 行 であるこ とから すべての 職 員 のワーク ライフ バランスの 実 現 のためにも これを 見 直 し 多 様 で 柔 軟 な 働 き 方 の 実 現 に 取 り 組 みます 議 会 の 協 力 を 得 て 早 期 の 質 問 通 告 を 受 けることにより 議 会 対 応 に 係 る 超 過 勤 務 縮 減 が 図 られた 事 例 等 各 都 市 の 効 果 的 な 事 例 を 共 有 し 積 極 的 な 横 展 開 を 図 ります 具 体 的 な 取 組 例 事 業 のスクラップアンドビルドによる 行 政 サービスの 大 胆 な 見 直 し ノー 残 業 デーの 徹 底 議 会 対 応 業 務 の 効 率 化 などによる 超 過 勤 務 の 縮 減 管 理 職 のマネジメント 力 強 化 管 理 職 の イクボス 化 子 育 て 関 連 情 報 の 提 供 育 休 中 の 職 員 への 情 報 提 供 テレワークなど 多 様 な 勤 務 形 態 の 試 行 業 務 効 率 化 等 の 取 組 の 人 事 評 価 への 反 映 管 理 職 に 係 る 評 価 書 類 への 女 性 活 躍 推 進 の 視 点 の 掲 載 等 3
社 会 の 変 化 のスピードを 上 げるために ~ 国 に 対 する 提 言 ~ 指 定 都 市 は 女 性 が 活 躍 できる 社 会 づくりに 向 けて これまで 女 性 の 就 業 継 続 再 就 職 支 援 や 女 性 の 起 業 創 業 支 援 働 く 女 性 のネットワークづくり 等 について 先 駆 的 な 事 例 を 積 み 重 ねてきました しかしながら 女 性 の 活 躍 促 進 のためには 長 時 間 労 働 を 前 提 とした 働 き 方 の 見 直 しや 固 定 的 な 性 別 役 割 分 担 意 識 の 解 消 などの 社 会 全 体 の 意 識 改 革 が 必 要 であること が 様 々な 調 査 提 言 により 指 摘 されており これを 変 えるためには 国 を 挙 げての 思 い 切 った 取 組 が 求 められます また 地 方 においては 女 性 の 登 用 以 前 に 仕 事 と 子 育 てとの 両 立 支 援 や ひとり 親 家 庭 の 就 労 支 援 など 女 性 が 働 き 続 けられる あるいは 再 就 職 がしやすい 環 境 整 備 が 未 だ 大 きな 課 題 となっています こうしたことから 女 性 が 活 躍 できる 社 会 の 実 現 に 向 けて 社 会 の 変 化 のスピード を 上 げる 観 点 から 特 に 下 記 の 項 目 について 重 点 的 に 財 源 を 投 下 し 集 中 的 な 取 組 を 行 うことを 提 案 します 1. 保 育 施 策 及 び 放 課 後 児 童 施 策 の 充 実 待 機 児 童 解 消 加 速 化 プラン の 着 実 な 実 行 により 2017 年 度 までの 40 万 人 分 の 保 育 の 受 け 皿 確 保 と 待 機 児 童 解 消 を 前 倒 しで 実 現 するとともに 地 域 住 民 の 保 育 環 境 の 特 性 をふまえ 地 域 ニーズに 合 わせた 夜 間 保 育 や 休 日 保 育 の 給 付 費 と 一 時 預 かりや 病 児 病 後 児 保 育 の 充 実 のための 財 源 措 置 を 強 化 すること また 小 学 校 入 学 以 降 も 引 き 続 き 仕 事 と 子 育 ての 両 立 支 援 を 図 るため 放 課 後 児 童 健 全 育 成 事 業 や 同 事 業 と 放 課 後 子 供 教 室 を 一 体 的 に 実 施 する 放 課 後 子 ども 総 合 プラン など 放 課 後 児 童 施 策 についてもさらなる 拡 充 を 図 ること これらの 実 施 に 当 たっては 地 方 への 十 分 かつ 安 定 的 な 財 源 を 確 保 すること 2.ワーク ライフ バランスの 一 層 の 推 進 職 場 全 体 の 長 時 間 労 働 の 是 正 有 給 休 暇 の 取 得 促 進 労 働 者 の 希 望 に 応 じた 育 児 介 護 休 業 の 取 得 や 短 時 間 勤 務 をしやすい 環 境 づくり 職 場 復 帰 支 援 等 労 働 者 の 職 業 生 活 と 家 庭 生 活 の 両 立 調 和 を 図 るための 計 画 の 策 定 を 企 業 自 治 体 に 義 務 付 けるなど 国 を 挙 げてワーク ライフ バランスの 推 進 に 取 り 組 むこと また 育 児 休 業 時 の 所 得 の 減 少 が 特 に 男 性 の 育 児 休 業 取 得 の 阻 害 要 因 となって いることから 父 母 それぞれの 育 児 休 業 給 付 金 の 給 付 率 を 1 か 月 に 限 り 100%と するなど 国 の 負 担 により 育 児 休 業 時 の 所 得 補 償 の 思 い 切 った 引 き 上 げを 図 るこ と さらに パパ クオータ 制 の 導 入 等 についても 積 極 的 に 検 討 を 進 めるなど 男 性 が 主 体 的 に 育 児 に 取 り 組 むことができる 環 境 づくりを 強 力 に 推 進 すること 4
3. 働 き 方 に 中 立 な 税 制 社 会 保 障 制 度 の 在 り 方 等 の 検 討 女 性 の 働 き 方 の 選 択 には 様 々な 社 会 制 度 が 関 連 しているが 配 偶 者 控 除 配 偶 者 特 別 控 除 や 国 民 年 金 の 第 3 号 被 保 険 者 制 度 をはじめ 税 制 社 会 保 障 制 度 の 与 え る 影 響 は 大 きいことから 女 性 の 働 き 方 に 中 立 的 な 税 制 社 会 保 障 制 度 の 在 り 方 の 多 角 的 な 検 討 を 一 層 進 めること 併 せて 家 事 や 子 育 てに 対 する 負 担 から 働 くことを 諦 めざるを 得 ない 女 性 の 選 択 肢 を 増 やすための 税 制 上 の 措 置 についても 導 入 の 検 討 を 進 めること なお 税 制 の 検 討 に 当 たっては 地 方 税 収 への 影 響 に 十 分 配 慮 すること 4. 女 性 の 活 躍 推 進 企 業 に 対 するインセンティブ 付 与 女 性 の 活 躍 推 進 に 当 たっては 企 業 の 積 極 的 な 取 組 が 欠 かせないことから 出 産 等 で 退 職 した 女 性 の 再 雇 用 男 性 の 育 児 休 業 取 得 推 進 仕 事 と 育 児 の 両 立 支 援 等 女 性 の 活 躍 につながる 取 組 に 積 極 的 な 企 業 へのインセンティブ 付 与 充 実 に 向 け 補 助 制 度 や 金 融 機 関 の 融 資 利 率 優 遇 のための 利 子 補 助 等 を 検 討 すること 検 討 に 当 たっては 地 域 経 済 の 中 心 である 中 小 企 業 も 活 用 しやすい 制 度 とすること 5. 女 性 の 社 会 進 出 に 関 するデータの 収 集 公 表 地 域 の 実 情 に 応 じた 取 組 を 進 めるため 企 業 自 治 体 における 各 役 職 従 事 者 の 割 合 等 の 女 性 の 登 用 状 況 や 起 業 創 業 の 状 況 が 明 らかとなる 統 計 データを 整 備 し 毎 年 公 表 すること 統 計 データについては 都 道 府 県 単 位 はもちろん 指 定 都 市 につ いても 個 別 にデータ 化 すること 5