第 2 章 調 査 結 果 の 概 要
第 2 章 調 査 結 果 の 概 要 第 1 節 事 例 調 査 の 概 要 住 環 境 コミュニティー 再 生 分 野 北 海 道 伊 達 市 定 年 退 職 者 の 移 住 など 増 加 する 高 齢 者 に 対 応 したまちづくりを 民 間 主 導 で 展 開 する 高 齢 者 向 け 福 祉 住 宅 の 開 発 や 外 出 促 進 のための 乗 合 タクシー 導 入 などを 進 める 北 海 道 伊 達 市 は 室 蘭 市 の 西 隣 に 位 置 する 人 口 約 3 万 6 千 人 の 地 方 都 市 である 北 の 湘 南 と 呼 ばれる 比 較 的 温 暖 な 気 候 を 背 景 に 道 内 の 定 年 退 職 者 を 中 心 とする 移 住 者 が 増 加 し 高 齢 化 率 が 高 まった そこで 地 元 企 業 を 中 心 とするボランティア 組 織 は02 年 高 齢 者 が 安 心 して 住 めるまちづくりをめざす 伊 達 ウェルシーランド 構 想 の 検 討 を 開 始 した 04 年 に 認 定 された 地 域 再 生 計 画 少 子 高 齢 化 社 会 に 対 応 した 豊 かなまちづくり 計 画 は これ まで 検 討 を 進 めてきた 施 策 を 具 体 的 に 実 現 するもので 医 療 介 護 配 食 などのサービス を 供 給 する 高 齢 者 向 け 都 市 型 住 宅 ( 伊 達 版 安 心 ハウス )や 高 齢 者 の 外 出 を 促 進 する 乗 合 タクシーなどの 事 業 を 展 開 する 地 場 産 業 中 小 企 業 活 性 化 分 野 岩 手 県 北 上 市 戦 後 の 早 い 段 階 から 自 治 体 主 導 で 工 場 誘 致 策 を 展 開 し 東 北 の 製 造 業 一 大 拠 点 を 築 く 単 なる 工 場 誘 致 にとどまらず 立 地 企 業 の 維 持 発 展 のための 総 合 支 援 策 を 展 開 する 岩 手 県 内 陸 部 に 位 置 する 北 上 市 ( 人 口 約 9 万 2 千 人 )は 古 くから 交 通 の 要 衝 として 発 展 し 戦 後 の 早 い 段 階 から 工 場 誘 致 条 例 を 制 定 するなど 市 主 導 で 工 場 集 積 が 進 められてき た 90 年 代 以 降 の 経 済 環 境 の 変 化 に 対 しては 食 品 やリサイクルなど 海 外 移 転 リスクの 少 ない 産 業 の 誘 致 を 図 るとともに 産 学 連 携 による 技 術 開 発 力 向 上 策 など 既 存 誘 致 企 業 への 育 成 支 援 策 も 展 開 する 市 の 積 極 的 な 取 り 組 みにより これまで165 社 の 誘 致 に 成 功 し 既 存 立 地 企 業 への 支 援 策 も 功 を 奏 し そのほとんど(133 社 )が 現 在 も 操 業 を 続 けている - 3 -
地 場 産 業 中 小 企 業 活 性 化 分 野 山 形 県 長 井 市 東 芝 長 井 工 場 売 却 後 の 企 業 城 下 町 の 産 業 構 造 の 模 索 地 元 企 業 の 連 携 強 化 と 人 材 育 成 を 柱 とする 産 業 振 興 策 を 展 開 する 長 井 市 は 山 形 県 内 陸 部 に 位 置 する 人 口 約 3 万 2 千 人 の 地 方 都 市 である 古 くからものづ くりが 盛 んで 大 正 期 までは 繊 維 のまちとして 栄 えてきたものの 1942 年 の 東 芝 長 井 工 場 設 立 後 は 大 手 製 造 業 の 企 業 城 下 町 として 発 展 を 遂 げた 1980 年 代 の 国 際 競 争 激 化 に 伴 い 市 内 製 造 業 の 海 外 移 転 が 始 まり 90 年 代 に 東 芝 長 井 工 場 がライバル 企 業 ( 日 本 ケミコン)に 売 却 されたことで 地 元 製 造 業 は 大 きな 曲 がり 角 に 直 面 した そこで 市 は これまで 親 企 業 傘 下 で 培 った 基 盤 技 術 を 高 める 人 材 育 成 策 と 共 同 受 発 注 推 進 のための 企 業 間 連 携 強 化 を 柱 とする 産 業 振 興 策 を 進 める 併 せて 市 は 地 元 製 造 業 の 技 術 力 を 結 集 した ロボット を 長 井 の 新 たなシンボルと 位 置 付 け 新 たな 市 のイメージ 戦 略 も 展 開 する 産 業 再 生 産 学 連 携 雇 用 創 出 分 野 岩 手 県 釜 石 市 新 日 鐵 衰 退 後 重 厚 長 大 産 業 から 産 業 構 造 の 転 換 を 進 める リサイクルと 新 エネルギーを 柱 とする 環 境 共 生 事 業 を 展 開 する 岩 手 県 釜 石 市 は 近 代 製 鉄 業 発 祥 の 地 として 知 られるとともに 水 産 業 のまちとしても 栄 えてきた 新 日 鐵 を 中 心 に 発 展 を 遂 げてきたものの 鉄 鋼 不 況 に 伴 う 合 理 化 や 相 次 ぐ 高 炉 閉 鎖 などで 基 幹 産 業 は 衰 退 した 最 盛 期 の1963 年 には 約 9 万 2 千 人 あった 人 口 も 2000 年 にはほぼ 半 減 の 約 4 万 5 千 人 にまで 落 ち 込 むなど 地 域 経 済 は 衰 退 の 一 途 をたどっている 市 は2000 年 第 5 次 釜 石 市 総 合 計 画 を 策 定 し 環 境 を 軸 に 鉄 にかわる 新 たな 産 業 の 創 出 育 成 を 進 めた 2004 年 に 認 定 された 地 域 再 生 計 画 は 水 産 加 工 廃 棄 物 からアミノ 酸 を 抽 出 するリサイクル 事 業 や 木 質 バイオマスを 主 燃 料 とする 発 電 事 業 など これまで 進 めてきた 環 境 共 生 事 業 を 具 体 的 に 加 速 させるもので 先 進 技 術 と 地 域 資 源 を 活 用 した 取 り 組 みとして 今 後 の 展 開 に 期 待 が 寄 せられる - 4 -
産 業 再 生 産 学 連 携 雇 用 創 出 分 野 山 形 県 鶴 岡 市 工 場 誘 致 により 農 村 から 産 業 都 市 へ 発 展 を 遂 げたが 産 業 空 洞 化 で 基 幹 産 業 は 頭 打 ち 産 学 官 連 携 でまち 全 体 をバイオキャンパスとみなす 研 究 産 業 都 市 化 に 乗 り 出 す 山 形 県 鶴 岡 市 は 庄 内 平 野 の 南 部 に 位 置 する 人 口 約 10 万 人 の 地 方 都 市 である かつては 農 業 中 心 の 田 園 都 市 であったものの 70 年 代 の 工 場 誘 致 により 製 造 業 を 中 心 とする 産 業 都 市 へ 転 換 を 遂 げた 90 年 代 に 入 り 生 産 拠 点 の 海 外 移 転 が 進 むなか 基 幹 産 業 である 製 造 業 は 頭 打 ちとなった 従 来 型 の 工 場 誘 致 策 が 行 き 詰 まりをむかえるなか 市 はバイオを 軸 と する 新 たな 産 業 振 興 策 を 展 開 した 03 年 4 月 に 認 定 された 鶴 岡 バイオキャンパス 特 区 で は まち 全 体 をバイオキャンパスとみなし バイオ 研 究 の 振 興 と 産 業 化 が 進 められた 04 年 に 認 定 された 地 域 再 生 計 画 は これまでバイオ 特 区 で 進 めてきた 取 り 組 みを 加 速 深 化 させるもので 研 究 産 業 生 活 が 一 体 となったまちづくりをめざすものとなっている 市 の 取 り 組 みは 東 北 におけるバイオの 一 大 集 積 地 形 成 を 視 野 に 入 れたもので 従 来 型 の 工 場 誘 致 と 異 なる 新 たな 産 業 振 興 策 としてその 行 方 が 注 目 される 産 業 再 生 産 学 連 携 雇 用 創 出 分 野 兵 庫 県 神 戸 市 震 災 後 既 存 産 業 の 復 興 と 同 時 に 新 たな 雇 用 の 受 け 皿 となる 産 業 の 創 出 を 模 索 将 来 の 成 長 が 見 込 める 医 療 福 祉 分 野 の 集 積 を 図 る 神 戸 医 療 産 業 都 市 構 想 を 進 める 神 戸 市 は 人 口 約 151 万 人 の 政 令 指 定 都 市 である 1995 年 の 阪 神 淡 路 大 震 災 の 後 既 存 産 業 の 復 興 とともに 将 来 の 成 長 が 予 測 される 医 療 福 祉 関 連 企 業 の 集 積 をはかる 神 戸 医 療 産 業 都 市 構 想 を 開 始 した 同 構 想 は 次 世 代 医 療 システムの 構 築 を 通 じた 医 療 サービ スの 向 上 と 医 療 関 連 産 業 集 積 を 通 じた 既 存 産 業 の 高 度 化 をめざすもので 神 戸 市 を 中 心 に 医 療 関 連 機 関 や 地 元 国 立 大 学 などの 産 学 官 連 携 で 進 められている 市 は2003 年 に 構 造 改 革 特 区 ( 先 端 医 療 産 業 特 区 )の 認 定 を 受 け 大 学 教 員 の 活 動 範 囲 拡 大 ( 研 究 関 連 起 業 ) や 外 国 人 研 究 者 の 在 留 許 可 期 間 延 長 (3 年 から5 年 )などの 規 制 緩 和 を 通 じた 医 療 産 業 都 市 化 を 進 めており 関 西 全 体 のライフサイエンス 分 野 におけるスーパークラスター 形 成 も 視 野 に 入 れた 取 り 組 みを 展 開 している - 5 -
都 市 農 村 交 流 農 林 水 産 バイオマス 分 野 北 海 道 美 瑛 町 農 業 と 観 光 業 の 振 興 を 通 じたまちづくりを 進 める 過 疎 化 で 廃 校 となった 小 学 校 を 観 光 拠 点 に 転 用 し 交 流 人 口 のさらなる 拡 大 をねらう 北 海 道 美 瑛 町 は 農 業 を 中 心 に 発 展 を 遂 げてきたものの 域 内 の 美 しい 農 村 景 観 を 展 示 し た 写 真 館 開 設 を 機 に 1990 年 代 に 入 り 観 光 客 が 急 増 した 交 流 人 口 増 加 に 伴 い 基 幹 産 業 である 農 業 の 活 性 化 と 同 時 に 観 光 業 の 振 興 が 図 られ 1996 年 に 策 定 した 第 3 次 美 瑛 町 総 合 開 発 計 画 では 丘 のまちびえい を 軸 に 優 れた 自 然 や 特 徴 ある 風 景 をいかしたまちづ くりが 進 められた 2003 年 には 自 治 体 地 元 企 業 地 域 住 民 などが 一 体 となって 景 観 を 保 全 することを 目 的 とする 美 瑛 の 美 しい 景 観 を 守 り 育 てる 条 例 が 施 行 された 2004 年 に 認 定 された 地 域 再 生 計 画 ( 美 瑛 町 農 業 農 村 再 生 構 想 )は 廃 校 舎 を 観 光 施 設 に 転 用 し 農 業 と 観 光 の 連 携 強 化 を 通 じたグリーンツーリズムを 進 めるもので 地 域 資 源 を 活 かした 取 り 組 みとして 今 後 の 展 開 に 期 待 が 寄 せられる 都 市 農 村 交 流 農 林 水 産 バイオマス 分 野 岩 手 県 遠 野 市 民 話 の 息 づく 農 村 都 市 の 性 格 をいかした 地 域 活 性 化 策 を 進 める 地 元 企 業 商 工 会 議 所 NPO 法 人 住 民 など 地 域 が 一 体 となった 取 り 組 みが 特 色 岩 手 県 の 内 陸 部 に 位 置 する 遠 野 市 は 人 口 約 2 万 8 千 人 の 農 村 都 市 である 柳 田 国 男 の 遠 野 物 語 でその 名 を 全 国 に 知 られ 農 山 村 の 原 風 景 をいかした 日 本 のふるさと を 柱 と するまちづくりを 進 めてきた 伝 承 園 (1984 年 開 設 )や 遠 野 ふるさと 村 (1996 年 )な ど 交 流 拠 点 を 整 備 したものの 訪 れる 人 のほとんどは 日 帰 り 客 で 地 域 経 済 に 与 える 社 会 経 済 的 効 果 は 限 定 的 なものであった そこで 市 は2001 年 遠 野 未 来 デザイン2010 を 策 定 し 滞 在 型 観 光 を 促 進 した 2003 年 に 認 定 された 日 本 のふるさと 再 生 特 区 では 農 家 民 宿 が 振 る 舞 う どぶろく 効 果 もあり 宿 泊 客 が 急 増 した 2004 年 認 定 の 地 域 再 生 計 画 は これまでの 流 れを 深 化 させるもので 交 流 人 口 拡 大 と 同 時 に 定 住 促 進 も 視 野 にいれた 取 り 組 みとなっている - 6 -
国 際 観 光 交 流 分 野 北 海 道 登 別 市 温 泉 街 を 中 心 に 観 光 業 で 発 展 してきたものの 他 産 業 への 波 及 効 果 の 弱 さが 課 題 となる 観 光 業 を 軸 に 市 内 全 域 を1つの 経 済 圏 として 捉 える 産 業 クラスター 形 成 をめざす 登 別 市 ( 人 口 約 5 万 5 千 人 )は 室 蘭 市 の 東 隣 に 位 置 し 年 間 約 350 万 人 の 観 光 客 が 訪 れる 北 海 道 を 代 表 する 観 光 地 として 発 展 してきた 一 般 に 観 光 業 は 裾 野 が 広 く 関 連 産 業 への 経 済 効 果 が 大 きいといわれるものの 登 別 市 の 場 合 は 観 光 地 ( 温 泉 街 )と 市 街 地 の 関 連 が 薄 く 波 及 効 果 の 弱 さが 問 題 となっていた そこで 市 は 観 光 を 軸 に 商 工 業 や 農 林 水 産 業 が 有 機 的 に 結 びついた 産 業 構 造 をめざす 地 域 再 生 計 画 産 業 クラスター 形 成 計 画 を 実 施 する 同 計 画 は 登 別 を 訪 れる 観 光 客 が 市 内 全 域 をフィールドに プリペイド 型 電 子 マ ネーを 使 用 し 地 場 の 多 様 な 業 者 から 自 らの 選 択 したサービスを 享 受 する 長 期 滞 在 型 観 光 をモデルとするもので 地 域 資 源 ( 温 泉 地 )をいかした 取 り 組 みとして 注 目 が 寄 せられる - 7 -
第 2 節 地 域 活 性 化 策 の 特 色 と 課 題 事 例 調 査 を 通 じて 地 域 活 性 化 に 向 けた 各 地 の 自 発 的 な 取 り 組 みには 事 例 により 濃 淡 が あるものの 単 純 化 するといつくかの 共 通 した 特 色 が 浮 かび 上 がってきた 第 1は 各 地 で 実 施 されている 地 域 再 生 計 画 は これまで 取 り 組 んできた 施 策 の 延 長 線 上 に 位 置 するという 点 である 岩 手 県 遠 野 市 の 地 域 再 生 計 画 は 市 の 総 合 計 画 遠 野 未 来 デ ザイン2010 の 流 れを 受 け 継 ぐもので 釜 石 市 は 第 5 次 釜 石 市 総 合 計 画 北 海 道 美 瑛 町 で は 第 3 次 美 瑛 町 総 合 開 発 計 画 を 源 流 としており 自 治 体 が 進 める 地 域 再 生 計 画 の 内 容 は いずれも90 年 代 から00 年 代 前 半 にかけて 策 定 された 行 政 計 画 を 起 点 としており 危 機 意 識 を バネに 自 力 で 地 域 活 性 化 をめざす 動 きが 地 域 再 生 計 画 により 加 速 深 化 したものともい える 第 2は 地 域 活 性 化 に 向 けた 自 発 的 な 取 り 組 みは 地 元 企 業 商 工 会 NPO 住 民 など 民 間 主 導 で 進 められている 点 である 北 海 道 伊 達 市 では 地 元 企 業 や 青 年 会 議 所 の 若 手 中 堅 層 を 主 軸 とする 民 間 ボランティア 組 織 が 高 齢 者 に 対 応 したまちづくりを 進 めており 岩 手 県 遠 野 市 では 地 元 NPO 法 人 ( 遠 野 山 里 暮 らしネットワーク )が 農 家 民 宿 や 農 村 レストラン の 起 業 化 促 進 さらには 遠 野 ツーリズムを 担 う 人 材 育 成 をすすめる 東 北 ツーリズム 大 学 を 開 校 するなど 各 地 で 民 間 が 主 体 となった 取 り 組 みが 展 開 されている 第 3は 地 域 資 源 を 最 大 限 にいかした 内 発 的 振 興 策 が 進 められている 点 である 日 本 各 地 に は 多 様 な 地 域 資 源 ( 地 場 産 業 技 術 人 材 観 光 資 源 自 然 文 化 歴 史 など)が 存 在 し 地 域 を 取 り 巻 く 環 境 は 様 々である こうしたなか 自 発 的 な 地 域 活 性 化 策 を 進 める 自 治 体 で は 地 域 固 有 の 資 源 をいかした 内 発 的 振 興 策 を 進 めており 北 海 道 美 瑛 町 では 地 域 最 大 の 資 源 である 美 しい 農 村 風 景 を 軸 にまちづくりが 進 められ 登 別 市 では 観 光 地 ( 登 別 温 泉 や カルルス 温 泉 など)を 軸 に 市 内 全 域 をひとつの 経 済 圏 とみなす 産 業 クラスター 形 成 が 計 画 さ れるなど 自 発 的 な 地 域 活 性 化 を 進 める 自 治 体 では 地 域 の 持 つ 強 み( 内 部 資 源 )を 十 分 に 活 かした 取 り 組 みが 展 開 されている 自 発 的 な 地 域 活 性 化 策 に 向 けた 取 り 組 みには 上 記 のような 共 通 性 が 確 認 される 一 方 で ひ とつの 課 題 も 明 らかとなった それは 自 治 体 内 部 の 政 策 担 当 者 の 育 成 の 問 題 である 一 般 に 自 治 体 では3 年 を 目 途 に 人 事 異 動 が 行 われるが 調 査 を 実 施 した 岩 手 県 釜 石 市 では 在 籍 期 間 が10 年 と 比 較 的 長 期 にわたり 地 元 企 業 の 実 情 に 精 通 している 行 政 担 当 者 が 産 学 官 連 携 のコ ーディーネート 役 として 活 躍 していた これは 他 の 地 域 には 見 られなかった 事 例 であり 今 後 地 域 活 性 化 策 に 取 り 組 む 自 治 体 においては 従 来 の 短 期 画 一 的 なローテーション 人 事 ではなく 行 政 のキーマン を 育 成 する 長 期 的 視 点 に 立 った 人 事 施 策 が 必 要 になるものと 思 われる - 8 -