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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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-4- 他 照 射 録 診 療 放 射 線 技 師 は 放 射 線 を 人 体 に 対 して 照 射 したときは 遅 滞 なく 必 要 事 項 を 記 載 した 照 射 録 を 作 成 し その 照 射 について 指 示 をした 医 師 又 は 歯 科 医 師 の 署 名 を 受 けているか ( 診

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2. 予 測 2.1. 予 測 項 目 予 測 項 目 は 以 下 のとおりとした 1 埋 設 廃 棄 物 の 掘 削 除 去 に 伴 う 廃 棄 物 2 造 成 等 の 施 工 の 一 時 的 な 影 響 による 建 設 工 事 に 伴 う 副 産 物 ( 建 設 発 生 土 建 設 廃 棄 物

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(33kV) 6.6kV/33kV PV (20kW) (10kW10) 210/6.6kV PCS 420/6.6kV PCS PV 3.9MW PV 1MW NAS (1MW+0.5MW) (a) 3 3 2 [kw] 280 4450 20 260 10 1-3

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PCS 1-11

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- GaAs HIT CIGS CdTe 2-1

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I i = I ND cosφ + I S 1+ cos( θ + γ i ) + I 2 HT 1 cosθ ρτ 2 I i i I ND I HT I S φ θ γ i i ρ τ γ i cosh L = sin θ cos A + cosθ sinh 3-11

Sp Sp / L R Sp / L R R L Sp N γ R Sp θ N γ N N sinθ = tan 1 R N Sp cosθ R 3-12

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3.3.2 環 境 アセスメント モニタリング 調 査 太 陽 光 発 電 は 発 電 時 に 温 室 効 果 ガスを 発 生 しないため 電 源 としての 発 電 能 力 以 外 にも 環 境 面 からも 大 きな 注 目 を 浴 びる クリーンな 電 源 であるがゆえに その 設 置 運 用 にあたり 生 態 系 を 含 めた 環 境 に 十 分 配 慮 しなくてはならない 大 規 模 太 陽 光 発 電 システムの 設 置 には 多 くの 面 積 が 必 要 となるため その 設 置 に あたり 環 境 への 影 響 は 無 視 できないが 日 本 ではまだ 設 置 例 も 少 なく 環 境 にどう いった 影 響 があるかについてはまだ 確 認 されていない 部 分 も 多 い そのため 事 前 に 環 境 に 与 える 影 響 等 を 確 認 しておく 必 要 がある また 設 置 完 了 後 においても その 運 用 などにあたりどのような 影 響 が 生 じるか を 調 査 確 認 する 必 要 がある このような 環 境 への 影 響 は 設 置 箇 所 に 大 きく 左 右 され また 周 辺 環 境 などによっ ても 求 められるものが 大 きく 異 なるため まずは 設 置 箇 所 や 周 辺 環 境 から 何 が 求 め られているのかを 明 確 にすることが 必 要 となる 例 として 直 近 に 居 住 区 がある 場 合 には 騒 音 反 射 光 などといった 生 活 へ 影 響 を 与 える 要 素 について 特 に 検 討 が 重 要 になることなどが 考 えられる このように 多 種 多 様 なケースが 存 在 することもあり 環 境 調 査 については 配 慮 すべき 環 境 影 響 項 目 の 選 定 が 重 要 となる 本 項 では 太 陽 光 発 電 施 設 設 置 時 に 考 慮 すべき 環 境 影 響 項 目 の 選 定 手 法 について 説 明 する 1) 環 境 影 響 評 価 項 目 の 選 定 (1) 選 定 の 流 れ 影 響 評 価 項 目 の 選 定 は 図 3.3.2-1 のフローに 則 り 行 う ( a) 環 境 影 響 要 因 の 選 定 (スクリーニング) まず 各 都 道 府 県 等 により 個 別 に 定 められている 条 例 および 技 術 指 針 などを 踏 まえ 太 陽 光 発 電 施 設 の 建 設 に 伴 って 発 生 する 可 能 性 のある 環 境 影 響 の 要 素 と 要 因 の 関 係 を 一 般 的 な 環 境 影 響 評 価 の 手 法 にもとづき 整 理 し 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 の 設 置 によって 地 域 に 環 境 影 響 を 及 ぼすと 考 えられる 要 因 を 抽 出 する 一 般 的 な 環 境 影 響 評 価 の 手 法 としては 面 整 備 事 業 について 環 境 影 響 評 価 の 一 般 的 手 法 の 解 説 を 行 った 面 整 備 事 業 環 境 影 響 評 価 技 術 マニュアル ( 建 設 省 監 修 )を 用 いる 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 は 広 大 な 面 積 を 必 要 とするため 面 整 備 事 業 として 捉 えることが 適 切 であると 考 えられる しかし 同 マニュアルは 太 陽 光 発 電 に 特 化 したマニュアルではないため 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 の 特 徴 も 踏 まえた 要 因 選 定 が 必 要 となる ( b) 簡 易 評 価 次 に 環 境 影 響 を 及 ぼすと 考 えられる 項 目 について 現 地 の 生 態 系 動 植 物 環 境 の 調 査 結 果 も 反 映 させつつ 影 響 の 程 度 把 握 適 切 な 対 策 が 取 られているかど 3-24

うかのチェック 課 題 の 摘 出 を 行 う 面 整 備 事 業 環 境 影 響 評 価 マニュアル 環 境 影 響 のスクリーニング 県 環 境 影 響 評 価 等 技 術 指 針 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 の 建 設 運 用 において 必 要 な 環 境 影 響 要 因 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 の 特 徴 現 地 生 態 系 動 植 物 調 査 結 果 簡 易 評 価 影 響 の 評 価 対 策 のチェック 課 題 の 抽 出 等 による 簡 易 評 価 工 事 計 画 書 の 閲 覧 工 事 管 理 者 ヒアリング 効 果 検 証 モニタリング 計 画 の 提 示 図 3.3.2-1 環 境 影 響 評 価 項 目 選 定 の 作 業 フロー 3-25

(2) 環 境 影 響 のスクリーニング 環 境 影 響 評 価 の 標 準 的 手 法 にならい 環 境 に 影 響 を 与 えうる 影 響 要 因 ( 例 : 建 設 機 械 の 稼 働 車 両 の 運 行 等 )ごとに 環 境 要 素 ( 例 : 大 気 質 水 質 底 質 騒 音 振 動 生 態 系 等 )に 与 える 影 響 について 面 整 備 事 業 環 境 影 響 評 価 技 術 マニュアル を 参 考 と して 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 の 建 設 運 用 にあたり 発 生 する 可 能 性 の 高 い 環 境 影 響 をスク リーニングする (a) 工 事 の 実 施 による 環 境 影 響 イ. 建 設 機 械 および 資 材 運 搬 等 での 車 両 の 稼 動 対 応 する 環 境 要 素 のうち 面 整 備 事 業 においては 粉 じん 騒 音 振 動 が 工 事 時 に 一 般 的 に 発 生 するとされる 建 設 機 械 および 資 材 や 機 械 の 運 搬 に 用 いる 車 両 の 稼 動 では 工 事 に 伴 う NOx( 窒 素 酸 化 物 ) POM(Polycyclic Organic Matter: 多 環 有 機 化 合 物 )の 発 生 は 一 般 的 に 少 な いとされているが 使 用 機 材 および 使 用 物 質 について 確 認 する 必 要 がある 環 境 要 素 として 温 室 効 果 ガス も 検 討 対 象 となるが 運 用 時 に 温 室 効 果 ガスを 発 生 しない 太 陽 光 発 電 では 温 室 効 果 ガスに 関 しては LCA として 別 個 に 検 討 するのが 適 切 であると 考 えられる LCA については 3.3.1 LCA に 記 載 しているため ここで は 省 略 する 以 下 各 項 目 についても 同 様 に 温 室 効 果 ガスについては 検 討 対 象 より 省 略 するものとする ロ. 風 による 巻 上 げ 本 項 目 については 面 整 備 事 業 においては 必 要 に 応 じた 散 水 などの 一 般 的 な 対 策 が 行 うことにより 問 題 となることはないとされている ハ. 雨 水 の 排 水 本 項 目 については 裸 地 となる 区 域 掘 削 の 程 度 降 雨 の 程 度 などを 勘 案 して 適 切 な 雨 水 排 水 が 行 われているかを 検 討 することとされている 影 響 を 被 る 環 境 項 目 と しては 一 般 的 に 水 の 濁 り 有 害 物 質 の 混 入 底 質 への 影 響 これらに 伴 う 自 然 要 素 の 変 化 があるとされている 工 事 実 施 による 影 響 が 考 えられることから 対 策 について 確 認 が 必 要 である ニ. 工 事 に 伴 う 各 種 排 水 本 項 目 については 工 事 の 工 法 ( 泥 水 を 用 いるか 薬 剤 を 用 いるか)により 一 般 的 に 水 の 濁 り 有 害 物 質 の 混 入 底 質 への 影 響 これらに 伴 う 自 然 要 素 の 変 化 があると されている 通 常 太 陽 光 発 電 施 設 工 事 については 泥 水 薬 剤 などを 用 いることはないと 考 えら れるが その 有 無 について 確 認 が 必 要 である ホ. 汚 水 の 排 水 工 事 現 場 での 生 活 排 水 による 水 質 への 影 響 これらに 伴 う 自 然 要 素 の 変 化 があると されている ただし 一 般 的 には 工 事 現 場 での 生 活 排 水 は 発 生 するが 量 が 少 なく 3-26

また 浄 化 槽 の 設 置 等 の 対 応 がなされるため 影 響 はほとんどないとされている ヘ. 水 中 工 事 地 下 水 脈 の 分 断 地 下 水 のくみ 上 げ これらの 項 目 については 面 整 備 事 業 において 影 響 を 与 える 工 事 は 稀 であるとされ ている 太 陽 光 発 電 施 設 工 事 においても 水 中 工 事 や 地 下 水 脈 地 下 水 に 影 響 を 与 えるような 地 下 構 造 物 を 設 ける 工 事 は 稀 であるが 臨 海 地 区 などの 直 近 に 大 きな 水 場 が 存 在 する 場 合 にはこのような 部 分 に 影 響 を 及 ぼさないかどうか 確 認 が 必 要 である ト. 造 成 工 事 造 成 工 事 そのものにより 発 生 する 廃 棄 物 が 環 境 に 及 ぼす 影 響 を 検 討 する 項 目 である コンクリート 塊 残 土 汚 泥 などの 建 設 廃 棄 物 については 一 般 的 に 発 生 するとされ ている また 立 木 を 伐 採 する 場 合 には 伐 採 木 抜 根 塊 など どの 程 度 の 量 を 想 定 しどのように 処 理 するのか 確 認 が 必 要 である チ. 工 事 施 工 ヤード 工 事 用 道 路 の 設 置 工 事 現 場 とは 異 なる 場 所 において 環 境 影 響 を 与 える 可 能 性 がないかを 検 討 する 項 目 である 工 事 用 道 路 や 工 事 施 工 ヤードを 別 に 設 けるのかどうかについて 施 工 場 所 の 状 況 を 確 認 する 必 要 がある (b) 施 設 の 存 在 および 供 用 による 環 境 影 響 イ. 施 設 の 存 在 施 設 が 存 在 することにより 大 気 質 ( 気 温 湿 度 風 向 風 速 等 ) 風 害 日 照 障 害 日 照 反 射 電 磁 波 障 害 などの 環 境 影 響 が 生 じる 可 能 性 を 検 討 する 項 目 である 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 は その 設 置 箇 所 も 含 め 一 般 的 には 高 層 の 建 築 物 ではない ため 風 害 日 照 障 害 が 周 辺 に 起 こることは 考 えにくい しかし 太 陽 光 モジュールが 大 規 模 に 存 在 することによって 大 気 質 への 影 響 日 照 の 反 射 による 影 響 について 考 慮 する 必 要 がある ロ. 施 設 の 稼 動 本 項 目 は 施 設 の 稼 働 によって 大 気 質 ( 大 気 汚 染 物 質 の 排 出 ) 騒 音 振 動 悪 臭 低 周 波 音 地 下 水 質 土 壌 汚 染 これらの 変 化 に 伴 う 自 然 要 素 温 室 効 果 ガス 等 への 影 響 について 検 討 する 項 目 である 大 規 模 太 陽 光 発 電 施 設 は 一 般 の 発 電 施 設 と 異 なり これらの 環 境 影 響 が 極 めて 少 ないのが 基 本 的 な 特 徴 であるが 蓄 電 池 を 設 置 する 場 合 や PCS の 騒 音 等 については 考 慮 する 必 要 がある ハ. 道 路 の 供 用 交 通 の 集 中 本 項 目 は 施 設 が 存 在 することによって 生 じる 周 辺 交 通 への 影 響 を 検 討 する 項 目 で ある 施 設 運 用 のための 自 動 車 走 行 施 設 見 学 のための 自 動 車 走 行 これらに 伴 って 発 生 する 交 通 混 雑 によって 発 生 する 大 気 質 (NOx 浮 遊 粒 子 状 物 質 など) 騒 音 振 動 自 然 環 境 の 変 化 などについては 施 設 の 設 置 環 境 によっては 発 生 する 可 能 性 があ 3-27

る 施 設 の 見 学 等 の 訪 問 程 度 では 特 に 問 題 にならないとは 考 えられるが 観 光 施 設 とす る 計 画 がある 場 合 や 施 設 へ 至 る 経 路 が 非 常 に 限 定 されている 場 合 などは 検 討 する 必 要 がある ニ. 雨 水 の 排 水 本 項 目 は 敷 地 の 雨 水 の 排 水 により 周 辺 環 境 に 水 の 濁 りなどの 水 質 変 化 池 の 底 質 の 変 化 これらに 伴 う 自 然 環 境 の 変 化 について 検 討 する 項 目 である 太 陽 光 発 電 施 設 は 広 い 面 積 が 必 要 となるため 周 辺 環 境 への 影 響 を 抑 える 場 合 には あらかじめ 雨 水 排 水 設 計 を 行 い 最 大 想 定 雨 量 時 においても 敷 地 外 に 雨 水 が 排 水 されないようにする などの 工 夫 が 必 要 となる ホ. 汚 水 の 排 水 本 項 目 は 施 設 からの 生 活 排 水 により 周 辺 環 境 に 水 質 変 化 池 の 底 質 の 変 化 これ らに 伴 う 自 然 環 境 の 変 化 について 検 討 する 項 目 である 太 陽 光 発 電 施 設 においては 下 水 の 工 事 が 行 われる 場 合 には 施 設 の 運 用 時 には 生 活 排 水 が 環 境 に 影 響 を 及 ぼすことは 考 えられない ヘ. 湧 水 の 排 水 地 下 水 のくみ 上 げ 地 表 の 被 覆 化 本 項 目 は 敷 地 に 湧 水 がある 場 合 の 排 水 の 影 響 地 下 水 のくみ 上 げによる 地 下 水 環 境 への 影 響 地 表 の 被 覆 化 による 地 下 水 環 境 への 影 響 について 検 討 する 項 目 である 通 常 湧 水 のある 箇 所 に 太 陽 光 発 電 施 設 を 設 置 することは 考 えにくく 一 般 的 には 考 慮 は 必 要 ない 項 目 であると 考 えられる ト. 土 地 の 改 変 本 項 目 は 土 地 の 改 変 による 地 形 および 地 質 の 変 化 動 物 植 物 生 態 系 景 観 触 れ 合 い 活 動 の 場 などの 変 化 について 検 討 を 促 すための 項 目 である 景 観 への 影 響 触 れ 合 い 活 動 の 場 については 通 常 の 発 電 所 のようないわゆる 忌 避 施 設 であれば 考 慮 は 必 要 ない しかし 大 規 模 太 陽 光 発 電 所 においては 近 年 の 環 境 意 識 の 高 まりや 注 目 度 の 増 加 を 背 景 として 設 置 者 が 一 般 に 広 く 敷 地 内 への 入 場 を 許 可 したり 周 辺 環 境 との 調 和 などを 意 識 して 設 置 されたりすることも 充 分 考 えられ 設 置 後 の 影 響 について 検 討 する 必 要 がある チ. 施 設 の 照 明 本 項 目 は 施 設 の 夜 間 照 明 の 存 在 により 動 物 植 物 生 態 系 景 観 触 れ 合 い 活 動 の 場 などの 変 化 について 検 討 する 項 目 である 太 陽 光 発 電 施 設 はその 性 質 上 照 明 の 必 要 な 夜 間 には 稼 働 せず 過 度 な 夜 間 照 明 は 必 要 とされない しかし 動 植 物 生 態 系 への 配 慮 において 保 護 すべき 希 少 種 等 が 確 認 された 場 合 その 種 の 生 活 上 の 特 性 と して 夜 間 照 明 を 特 に 嫌 うことなども 考 えられる その 場 合 は 施 設 の 構 内 照 明 のみな らず 施 設 へ 至 るアクセス 道 の 照 明 も 含 め 動 植 物 生 態 系 へ 配 慮 した 照 明 の 工 夫 が 必 3-28

要 である 2) 簡 易 評 価 スクリーニングされた 項 目 について さらに 問 題 がないかをチェックする また 周 辺 の 生 態 系 調 査 等 を 実 施 し スクリーニングされた 項 目 がこれらの 生 態 系 に 影 響 を 与 えないか もしくは 影 響 を 与 えないための 対 策 が 取 られているかを 事 前 に 確 認 する 特 に 動 植 物 については 一 般 の 絶 滅 危 惧 種 以 外 に 各 自 治 体 でもレッドデータブ ックなどで 独 自 に 希 少 種 を 定 めている 場 合 があり 注 意 が 必 要 である 3) 効 果 検 証 1)~2)を 通 して 検 討 が 必 要 とされた 環 境 影 響 項 目 について 実 際 にモニタリング 方 法 などを 検 討 し 効 果 検 証 手 法 などを 選 定 する モニタリングに 必 要 な 機 器 が 大 掛 かりとなる 場 合 には 改 めてそれらの 機 器 に 対 して も 環 境 影 響 項 目 を 選 定 する 必 要 が 生 じるため できる 限 り 機 器 設 置 工 事 などを 必 要 と しない 調 査 方 法 を 選 定 することも 重 要 な 点 の 一 つである 3-29

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[A] 10 50 250 8 6 30 4 20 2 10 0 0 20 0 20 40 60 80 PV[ ] 40 [V] [W] 200 150 100 50 0 4-14

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G W S K G W W = CW q A W W C q W AW q 2 q = 0.6 V0 E I V 0 E I 4-29

E S S = C P Z A S S S S C P S Z A S S K K = k G K = k ( G + 0.35S) K k G S 4-30

G G G + 0. 7S G + S G + S G + W G + W G + 0. 35S + W G + K G + 0. 35S + K 4-31

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4.6 設 置 事 例 4.6.1 稚 内 サイトの 事 例 1) 工 事 概 要 稚 内 サイトは 平 成 19 年 1 月 から 着 工 し その 後 平 成 21 年 度 まで 段 階 的 に 設 備 増 設 工 事 を 行 ってきた 図 4.6.1-1 に 稚 内 サイトのレイアウト 図 と 工 事 工 程 区 分 を 示 す また 表 4.6.1-1 に 工 事 区 分 ( 名 称 )と 工 事 設 概 要 を 示 す N 実 証 研 究 施 設 図 特 高 変 制 御 機 器 エリア Nas 電 池 用 Nas 電 池 Nas 電 池 PCS (1,000kW) (500kW) 特 高 受 変 電 設 備 (1,000kW) Ⅰ 期 A 工 事 80kW(H18) 制 御 機 械 室 Ⅳ 期 工 事 20kW 可 動 架 台 (H21) Ⅰ 期 B 工 事 20kW(H19) Ⅱ 期 A 工 事 1500kW(H19) Ⅱ 期 B 工 事 400kW(H19) Ⅳ 期 工 事 1000kW(H21) Ⅲ 期 工 事 2000kW(H20) 西 アレイエリア 中 央 アレイエリア 東 アレイエリア 図 4.6.1-1 稚 内 サイト レイアウト 図 表 4.6.1-1 稚 内 サイトの 工 事 区 分 ( 名 称 )と 工 事 概 要 工 事 名 称 工 事 期 間 太 陽 電 池 (kw) 累 計 (kw) 電 圧 階 級 工 事 計 画 届 出 Ⅰ 期 A 工 事 H19. 1~H19. 3 80kW 80kW 高 圧 6.6kV ( 対 象 外 ) Ⅱ 期 A 工 事 H19. 7~ H19.11 1,500kW 1,580kW 特 高 33kV H19.6 月 届 出 Ⅰ 期 B 工 事 H19.7~ H19.12 20kW 1,600kW 特 高 33kV H19.8 月 変 更 Ⅱ 期 B 工 事 H19.7~ H20.3 400k W 2,000kW 特 高 33kV H19.10 月 変 更 Ⅲ 期 工 事 H20.7~ H21.7 2,000kW 4,000kW 特 高 33kV H20.6 月 届 出 Ⅳ 期 工 事 H21.9~ H22.3 1,020kW 5,020kW 特 高 33kV H21.8 月 届 出 4-36

2) 造 成 工 事 稚 内 サイトでは 太 陽 光 発 電 設 備 工 事 に 先 立 ち 敷 地 造 成 工 事 を 実 施 した 建 設 予 定 地 は 盛 土 や 沼 を 埋 立 てた 箇 所 等 が 存 在 し 敷 地 の 大 半 が 軟 弱 地 盤 で あったことから Ⅰ 期 工 事 分 を 除 き 杭 基 礎 を 採 用 した 図 4.6.1-2 造 成 前 ( 東 側 から 撮 影 ) 図 4.6.1-3 造 成 後 ( 西 側 から 撮 影 ) 3) 太 陽 光 発 電 システム 工 事 (1)PV アレイ 設 置 工 事 PV アレイ 設 置 工 事 は 平 成 19 年 1 月 からのⅠ 期 工 事 以 降 4 期 に 分 け 工 事 を 実 施 した 架 台 は 積 雪 影 響 を 考 慮 し 各 期 毎 に 傾 斜 角 架 台 高 さ 形 状 等 につ いて 検 討 を 重 ね Ⅳ 期 工 事 実 施 分 では 稚 内 での 最 適 形 状 として 傾 斜 角 30 度 架 台 高 さ 1.8m を 採 用 し Ⅲ 期 工 事 採 用 架 台 と 比 較 し 約 33%の 軽 量 化 を 図 る ことができた また 固 定 架 台 の 他 に 稚 内 サイトでは 1 軸 可 動 架 台 (20kW) を 導 入 し 発 電 増 加 量 評 価 や 積 雪 強 風 時 の 傾 斜 角 制 御 方 法 等 についても 検 討 を 行 った 図 4.6.1-4 杭 基 礎 工 事 図 4.6.1-5 架 台 組 立 工 事 4-37

図 4.6.1-6 PV モジュール 設 置 工 事 図 4.6.1-7 Ⅳ 期 設 置 架 台 図 4.6.1-8 1 軸 可 動 架 台 (2)33kV 特 別 高 圧 連 系 工 事 平 成 19 年 度 第 2 期 増 設 工 事 ( 約 2,000kW)への 対 応 として 稚 内 サイトと 声 問 開 閉 所 間 に 33kV 稚 内 PV 線 ( 約 5km) を 構 築 した 33kV 稚 内 PV 線 の 設 備 概 要 を 表 4.6.1-2 に 示 す なお 耐 塩 設 計 は 重 汚 損 地 域 とした なお コ スト 低 減 のため ポリマーLP 碍 子 ポリマー 長 幹 碍 子 を 採 用 した 表 4.6.1-2 33kV 稚 内 PV 線 設 備 概 要 種 別 項 目 単 位 数 量 支 持 物 本 柱 本 91 支 柱 本 12 碍 子 ポリマーLP 碍 子 個 265 ポリマー 長 幹 碍 子 個 168 電 線 33kV ACSR/AC-OC-L95 m 13,370 避 雷 器 ポリマー 避 雷 器 個 6 4-38

図 4.6.1-9 建 柱 作 業 状 況 図 4.6.1-10 建 柱 後 状 況 また 受 電 設 備 については 稚 内 サイ ト 周 辺 は 塩 害 発 生 地 域 であることを 考 慮 し 気 中 絶 縁 ではなく GIS を 採 用 した 図 4.6.1-11 33kV 特 別 高 圧 受 電 設 備 (3)NAS(sodium-sulfur) 電 池 NAS 電 池 は 300 程 度 の 保 温 維 持 が 不 可 欠 な 電 池 設 備 であるため 積 雪 寒 冷 地 な 稚 内 サイトへの 設 置 に 際 しては 特 に 冬 期 間 の 断 熱 性 やヒータ 等 補 機 電 源 の 確 保 を 重 要 課 題 と 判 断 し 当 初 の500kW(Ⅱ 期 工 事 )では 建 物 収 納 タイプを 採 用 した その 後 寒 冷 地 での 実 績 から1,000kW(Ⅲ 期 工 事 )はキュービクルタイ プを 採 用 することとした 表 4.6.1-3 に 稚 内 サイトに 設 置 した NAS 電 池 の 仕 様 概 要 を 示 す 表 4.6.1-3 NAS 電 池 施 設 の 仕 様 概 要 ( 稚 内 サイト) NAS 電 池 容 量 500kW-7.2h 1000kW-7.2h PCS 容 量 500kVA( 短 時 間 600kVA) 1000kVA( 短 時 間 1200kVA) 運 開 年 度 H19(Ⅱ 期 工 事 ) H20(Ⅲ 期 工 事 ) 設 置 形 態 建 屋 タイプ キュービクルタイプ 4-39

図 4.6.1-12 NAS 電 池 セル (4) 稚 内 サイトの 現 状 平 成 18 年 度 から 4 ヵ 年 に 亘 り 各 種 工 事 を 行 い 平 成 22 年 3 月 に 全 工 事 が 完 了 し 5,020kW の 出 力 で 運 用 を 開 始 した 完 成 後 の 全 景 写 真 を 図 4.6.1-13 に 示 す 図 4.6.1-13 稚 内 サイト 全 景 ( 南 西 側 より 撮 影 写 真 上 は 宗 谷 岬 ) 4-40

4.6.2 北 杜 サイトの 事 例 1) 工 事 概 要 北 杜 サイトは 平 成 19 年 8 月 から 着 工 し 稚 内 サイトと 同 様 に 平 成 21 年 度 まで 段 階 的 に 設 備 増 設 工 事 を 行 ってきた 図 4.6.2-1 に 北 杜 サイトのレイア ウト 図 と 工 事 工 程 区 分 を 示 す また 表 4.6.2-1 に 工 事 区 分 ( 名 称 )と 工 事 概 要 を 示 す Ⅱ 期 H21 年 度 工 事 400kW Ⅱ 期 H20 年 度 工 事 800kW サブ 変 電 所 大 容 量 PCS 導 入 PVシステム 評 価 エリア 1200kW PVシステム 評 価 エリア 640kW Ⅰ 期 H19 年 度 工 事 600kW 変 電 所 Ⅱ 期 H21 年 度 工 事 40kW 開 閉 所 図 4.6.2-1 北 杜 サイトのレイアウト 図 と 工 事 工 程 区 分 4-41

表 4.6.2-1 北 杜 サイトの 工 事 区 分 ( 名 称 )と 工 事 概 要 工 事 名 称 工 事 期 間 太 陽 電 池 (kw) 累 計 (kw) 電 圧 階 級 工 事 計 画 届 出 造 成 工 事 H19. 8~H20.3 ( 対 象 外 ) Ⅰ 期 工 事 H19 年 度 工 事 H19. 9~H20.3 600k W 600k W 高 圧 6.6kV H19.8 届 出 Ⅱ 期 H20 年 度 工 事 H20.12~H21.3 800k W 1,400kW 高 圧 6.6kV H20.11 届 出 Ⅱ Ⅲ 期 H21 年 度 工 事 H21. 7~H22.3 440k W 1,840kW 特 別 高 圧 66kV H21.6 届 出 2) 造 成 工 事 北 杜 サイトでは 太 陽 光 発 電 システムの 設 置 工 事 に 先 立 ち 土 地 の 造 成 工 事 から 着 手 した 農 地 法 等 種 々の 関 連 法 規 に 関 わる 諸 手 続 きが 該 当 したが 埋 蔵 文 化 財 調 査 の 対 象 地 域 でもあったことから 土 地 の 造 成 工 事 に 先 行 して 調 査 を 実 施 した 土 地 の 造 成 は 環 境 共 生 の 観 点 から 既 存 の 地 形 を 可 能 な 限 り 残 すよう 最 小 限 の 工 事 とした また 小 動 物 保 護 地 区 を 確 保 すると 共 に この 保 護 地 区 を 分 断 させないために サイト 内 への 進 入 路 にアニマルパスウェイを 設 置 した なお 土 地 造 成 工 事 に 併 せて 太 陽 電 池 アレイ 設 置 エリアには 雨 水 の 排 水 処 理 のための 浸 透 側 溝 も 設 置 した 図 4.6.2-2 造 成 前 ( 敷 地 北 側 からの 遠 景 ) 図 4.6.2-3 埋 蔵 文 化 財 調 査 4-42

図 4.6.2-4 造 成 後 図 4.6.2-5 アニマルパスウェイ 3) 太 陽 光 発 電 システム 工 事 (1) 架 台 設 備 システム 設 計 構 築 の 最 適 化 を 図 るため 経 済 性 環 境 性 に 優 れた 架 台 工 法 の 検 討 を 行 った 具 体 的 には 基 礎 部 分 に 従 来 のコンクリート 基 礎 に 替 えて 杭 打 ち 工 法 を 採 用 し 土 壌 などへの 環 境 負 荷 の 低 減 を 図 ると 共 に 建 設 残 土 を 発 生 しない 環 境 に 配 慮 した 施 工 方 法 とした また 新 たにジョイント 金 物 を 開 発 することにより 汎 用 性 があり かつ 安 価 な 市 販 鋼 管 の 活 用 が 可 能 となり 経 済 性 に 優 れた 架 台 を 実 現 した これらの 架 台 開 発 には 3Rの 実 現 (Reduce Reuse Recycle)も 合 わせて 目 指 しており 将 来 の 撤 去 後 の 環 境 対 策 にも 配 慮 した さらに 様 々な 太 陽 電 池 モジュールに 対 応 可 能 であり かつ 傾 斜 角 度 も 自 由 に 設 定 可 能 な 構 造 とし フレキシビリティーの 高 い 架 台 構 築 を 可 能 とした 図 4.6.2-6 杭 打 ち 施 工 状 況 図 4.6.2-7 架 台 施 工 状 況 4-43

図 4.6.2-8 太 陽 電 池 アレイ 用 架 台 (2) 受 変 電 設 備 前 述 の 通 り 北 杜 サイトでは 段 階 的 にシステム 導 入 しており 2008( 平 成 20) 年 1 月 に 高 圧 (6.6kV) 受 電 を 開 始 し 同 年 2 月 に PV システム 評 価 エリアとし て 600kW 太 陽 光 発 電 システムの 運 用 を 開 始 した(2010 年 3 月 からは 640kW に 増 設 ) なお 特 別 高 圧 設 備 の 設 置 スペース 確 保 高 圧 設 備 の 特 別 高 圧 化 対 応 等 将 来 的 な 特 別 高 圧 化 を 考 慮 した 設 計 とした 2009( 平 成 21) 年 11 月 には 特 別 高 圧 (66kV) 受 電 を 開 始 し 同 年 12 月 に 大 容 量 PCS 導 入 PV システム 評 価 エリアとして 1200kW 太 陽 光 発 電 システムの 運 用 を 開 始 した サイト 南 西 に 架 空 線 を 引 き 込 むための 開 閉 所 を 設 置 し 変 電 所 ま で 地 中 配 線 を 敷 設 した 1200kW 太 陽 光 発 電 システムの 出 力 ( 交 流 側 ) 配 線 の 線 径 ( 条 数 )を 考 慮 し 1200kW システム 近 傍 にサブ 変 電 所 を 設 置 し 変 電 所 から サブ 変 電 所 間 は 高 圧 (6.6kV) 配 線 とした 図 4.6.2-9 開 閉 所 図 4.6.2-10 変 電 所 4-44

図 4.6.2-11 サブ 変 電 所 図 4.6.2-12 GIS 特 高 トランス( 変 電 所 内 ) (3) 集 電 盤 接 続 箱 PV システム 評 価 エリアの 640kW 太 陽 光 発 電 システムは 北 杜 サイトの 研 究 テ ーマの 一 つである 先 進 的 太 陽 電 池 モジュールの 実 環 境 における 特 性 比 較 を 行 うため システムの 構 成 は 10kW 単 位 を基 本 として 構 築 した (10kW 63 シス テム 3kW 3 システム) 各 PCS から 変 電 所 への 総 配 線 長 を 低 減 するため 6 台 の 集 電 盤 をエリア 内 に 配 置 し PCS の 出 力 ( 交 流 側 ) 配 線 を 約 100kW ごとに 集 約 し 各 集 電 盤 から 変 電 所 まで 配 線 を 行 った 逆 に 大 容 量 PCS 導 入 PV システム 評 価 エリアの 1200kW 太 陽 光 発 電 システムは 400kW 3 システムで 構 成 しており 各 太 陽 電 池 アレイから PCS への 総 配 線 長 を 低 減 するため 50kW ごとに 接 続 箱 を 配 置 し 各 接 続 箱 から PCS まで 配 線 を 行 っ た (4)PCS PV システム 評 価 エリアの 640kW システムを 構 成 している 各 10kWPCS は 壁 掛 けタイプで 屋 外 設 置 が 可 能 なタイプであり 各 太 陽 電 池 アレイ 用 架 台 の 裏 面 に 鋼 材 等 を 使 用 して 設 置 した 大 容 量 PCS 導 入 PV システム 評 価 エリアの 1200kW システムを 構 成 している 400kWPCS はコンテナに 収 容 し 設 置 した 図 4.6.2-13 10kWPCS 図 4.6.2-14 400kWPCS 用 コンテナ 4-45

(5) 太 陽 電 池 モジュール 取 付 太 陽 電 池 モジュールは フレームを 直 接 架 台 にボルトナットで 固 定 する タイプと 金 具 等 を 使 用 して 固 定 する タイプに 大 別 される また メーカ 等 により サイズ 取 付 穴 の 位 置 等 が 異 なる 太 陽 電 池 アレイ 用 架 台 の 設 計 等 に 影 響 があるため 事 前 に 確 認 が 必 要 である (6) 耐 雷 対 策 北 杜 サイトでは 主 な 耐 雷 対 策 とし て 太 陽 電 池 アレイの 上 端 部 に 水 平 導 体 の 設 置 太 陽 電 池 アレイ 間 の 等 電 位 ボンディングの 実 施 計 測 配 線 の 光 ケーブル 化 直 流 主 回 路 に SPD 設 置 を 行 った 図 4.6.2-15 太 陽 電 池 モジュール 取 付 図 4.6.2-16 水 平 導 体 の 設 置 4) 北 杜 サイトの 現 状 2010( 平 成 22) 年 3 月 に 全 ての 工 事 が 完 成 し 1,840kW の 太 陽 光 発 電 システ ムが 特 別 高 圧 連 系 (66kV)で 運 用 中 である 図 4.6.2-17 全 体 写 真 4-46

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