地 方 公 務 員 給 与 の 削 減 と 地 方 一 般 財 源 総 額 確 保 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 総 務 委 員 会 調 査 室 あんどう 安 藤 のりゆき 範 行 はじめに 我 が 国 経 済 は 円 高 デフレ 不 況 が 長 引 き 国 内 総 生 産 ( 名 目 )が3 年 前 とほぼ 同 程 度 の 水 準 にとどまっており 低 迷 が 続 いてきた こうした 状 況 の 脱 却 に 向 け 地 域 経 済 の 活 性 化 は 重 要 な 課 題 であり その 際 地 域 からの 経 済 成 長 を 支 える 地 方 税 財 政 の 仕 組 みが 必 要 となる しかしながら 近 年 地 方 税 や 地 方 交 付 税 の 原 資 となる 国 税 5 税 が 伸 び 悩 み 社 会 保 障 関 係 費 の 増 大 等 を 背 景 に 地 方 財 政 は 厳 しい 状 況 が 続 いており 地 方 交 付 税 等 の 地 方 一 般 財 源 の 充 実 強 化 が 求 められている こうした 中 平 成 24 年 11 月 に 衆 議 院 が 解 散 され 第 46 回 衆 議 院 総 選 挙 の 結 果 を 受 け 12 月 26 日 に 自 民 党 公 明 党 連 立 政 権 の 第 2 次 安 倍 内 閣 が 発 足 した 自 民 党 は 政 権 公 約 1 で 地 方 公 共 団 体 の 安 定 的 な 財 政 運 営 に 不 可 欠 な 地 方 税 交 付 税 等 の 一 般 財 源 を 確 保 とす る 一 方 地 方 公 務 員 等 を 含 む 公 務 員 総 人 件 費 を 国 地 方 合 わせて2 兆 円 削 減 することも 明 記 していた 国 の 財 政 状 況 が 逼 迫 する 中 地 方 公 務 員 給 与 の 削 減 が 平 成 25 年 度 予 算 編 成 での 焦 点 に 浮 上 し 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 において その 行 方 が 注 目 された 本 稿 では 近 年 の 地 方 財 政 対 策 と 地 方 公 務 員 給 与 削 減 問 題 を 巡 る 経 緯 を 概 観 し 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 の 概 要 を 紹 介 する 1. 近 年 の 地 方 財 政 対 策 (1) 地 方 財 政 対 策 とは 国 や 地 方 公 共 団 体 は 国 民 の 福 祉 の 増 進 を 図 るために 行 政 を 行 っている 地 方 公 共 団 体 が 提 供 する 行 政 サービスは 全 国 的 に 一 定 の 規 模 水 準 が 求 められるが 行 政 事 務 の 多 く は 法 令 の 規 定 によってその 実 施 が 義 務 付 けられている そこで 国 として 全 ての 地 方 公 共 団 体 が 法 令 によって 義 務 付 けられた 事 務 事 業 を 円 滑 に 実 施 できるよう 財 源 を 保 障 する ため 毎 年 度 翌 年 度 の 地 方 団 体 の 歳 入 歳 出 総 額 の 見 込 額 に 関 する 書 類 (いわゆる 地 方 財 政 計 画 )が 策 定 される 2 国 の 予 算 編 成 では 各 府 省 は 翌 年 度 の 予 算 要 求 を 財 務 省 に 提 出 するとともに 地 方 団 体 の 負 担 を 伴 うものについては 総 務 省 に 調 書 を 提 出 する これを 受 け 国 の 予 算 編 成 作 業 に 並 行 して 地 方 財 政 計 画 の 策 定 作 業 に 入 り その 過 程 において 翌 年 度 の 地 方 財 政 全 体 の 収 支 見 通 しが 行 われ 地 方 交 付 税 法 第 6 条 に 規 定 された 地 方 交 付 税 総 額 ( 国 税 5 税 の 一 定 割 合 ) 1 自 民 党 重 点 政 策 2012 J-ファイル 2012 総 合 政 策 集 2 地 方 交 付 税 法 第 7 条 の 規 定 により 内 閣 は 毎 年 度 作 成 して 国 会 に 提 出 するとともに 一 般 に 公 表 しなければ ならない 40 ( 参 議 院 事 務 局 企 画 調 整 室 編 集 発 行 )
で 収 支 が 均 衡 するかが 検 証 される その 結 果 収 支 に 過 不 足 が 発 生 する 場 合 それが 均 衡 するよう 行 う 財 源 対 策 が 地 方 財 政 対 策 であり 財 源 不 足 分 を 地 方 債 の 増 発 一 般 会 計 加 算 等 により 確 保 する 地 方 財 政 対 策 の 決 定 とこれを 踏 まえた 地 方 財 政 計 画 の 策 定 を 通 じ 地 方 財 政 全 体 として 標 準 的 な 行 政 水 準 を 提 供 するために 必 要 な 財 源 が 保 障 される 仕 組 みに なっている 図 表 1 国 の 予 算 と 地 方 財 政 計 画 について ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 (2) 地 方 財 源 不 足 に 関 する 地 方 交 付 税 法 第 6 条 の3 第 2 項 の 対 応 近 年 地 方 財 政 は 景 気 の 低 迷 に 加 え 社 会 保 障 関 係 費 の 自 然 増 及 び 減 税 や 景 気 対 策 な ど 国 の 施 策 に 地 方 が 協 力 してきたことによる 公 債 費 の 増 嵩 等 を 主 な 原 因 として 毎 年 度 巨 額 の 地 方 財 源 不 足 が 発 生 しており 平 成 8 年 度 以 降 は 毎 年 度 連 続 して 地 方 交 付 税 法 第 6 条 の3 第 2 項 に 規 定 する 財 源 不 足 が 生 じている 同 規 定 は 地 方 交 付 税 の 原 資 となる 国 税 5 税 の 税 収 の 法 定 率 分 ( 所 得 税 及 び 酒 税 の 32% 法 人 税 の 34% 消 費 税 の 29.5% たば こ 税 の 25%)が 必 要 な 地 方 交 付 税 総 額 と 比 べ 著 しく 不 足 する 場 合 には 地 方 行 財 政 の 制 度 改 正 又 は 法 定 率 の 引 上 げにより 必 要 な 総 額 を 確 保 するとしている 政 府 の 国 会 答 弁 によれば 1 地 方 財 政 対 策 を 講 じる 前 のマクロの 財 源 不 足 があり 2そ の 額 が 地 方 交 付 税 の 法 定 率 分 の 約 1 割 以 上 となり 3その 状 況 が2 年 連 続 して 生 じ 3 年 度 目 以 降 も 続 くと 見 込 まれる 場 合 に 地 方 行 財 政 の 制 度 改 正 又 は 法 定 率 の 引 上 げ を 行 うとしている しかしながら 国 も 厳 しい 財 政 状 況 にある 中 で 法 定 率 の 引 上 げは 行 え ない 等 の 理 由 から 同 規 定 に 該 当 する 場 合 近 年 は 法 定 率 の 引 上 げ 3 ではなく 地 方 行 財 3 法 定 率 は 地 方 財 源 不 足 に 対 処 するため 制 度 発 足 時 から 順 次 引 上 げられ 昭 和 41 年 度 に 法 定 3 税 ( 所 得 税 酒 税 法 人 税 )の 32%となってからは 据 え 置 かれた 平 成 11 年 度 12 年 度 19 年 度 に 法 人 税 の 法 定 率 が 変 更 されたが これは 交 付 税 法 第 6 条 の3 第 2 項 によるものでなく 国 税 の 減 税 等 への 対 応 として 交 付 税 財 源 を 確 41
政 の 制 度 改 正 に 当 たる 措 置 が 講 じられてきている そして 平 成 13 年 度 以 降 は 国 と 地 方 の 折 半 ルール ( 以 下 折 半 ルール という )に 基 づく 財 源 対 策 が 行 われている これ は 総 務 財 務 両 大 臣 の 折 衝 における 取 決 めに 基 づく 地 方 財 源 不 足 の 補 塡 ルールであり 基 本 的 な 形 は 地 方 財 源 不 足 額 のうち 財 源 対 策 債 4 の 増 発 や 国 の 一 般 会 計 加 算 ( 既 往 法 定 分 5 ) 等 を 除 いた 残 余 の 財 源 不 足 額 ( 折 半 対 象 財 源 不 足 額 )を 国 と 地 方 が 折 半 して 補 塡 す るというものである これを 踏 まえ 国 は 折 半 対 象 財 源 不 足 額 の 半 分 を 一 般 会 計 から 加 算 ( 臨 時 財 政 対 策 特 例 加 算 )して 地 方 交 付 税 を 増 額 し 残 り 半 分 は 地 方 が 特 例 地 方 債 ( 臨 時 財 政 対 策 債 6 )を 発 行 することにより 補 塡 する 平 成 13 年 度 に 折 半 ルールが 制 度 化 された 当 初 は3 年 間 の 措 置 とされていたが 平 成 16 年 度 及 び 平 成 19 年 度 の 見 直 しにおいても それぞれ3 年 間 の 措 置 として 継 続 され 民 主 党 への 政 権 交 代 後 の 平 成 22 年 度 は 単 年 度 の 措 置 として 平 成 23 年 度 は 平 成 25 年 度 までの3 年 間 の 措 置 として 継 続 された 図 表 2 地 方 財 源 不 足 に 関 する 地 方 交 付 税 法 第 6 条 の3 第 2 項 の 対 応 年 度 昭 和 52 53 59 平 成 8~9 10~12 13~15 16~18 19~21 22 対 応 の 内 容 単 年 度 の 措 置 として 財 源 不 足 額 を 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 で 補 塡 し その 償 還 時 に 元 金 の 1/2 相 当 額 を 臨 時 地 方 特 例 交 付 金 として 国 が 負 担 することを 法 定 当 分 の 間 の 措 置 として 財 源 不 足 額 を 交 付 税 特 別 会 計 で 補 塡 した 場 合 その 償 還 時 に 元 金 の 1/2 相 当 額 を 臨 時 地 方 特 例 交 付 金 として 国 が 負 担 することを 法 定 昭 和 53 年 度 創 設 の 制 度 を 廃 止 し 地 方 交 付 税 法 附 則 第 3 条 ( 交 付 税 の 総 額 についての 特 例 措 置 ) を 創 設 単 年 度 の 措 置 として 財 源 不 足 額 のうち 地 方 交 付 税 対 応 分 について 国 と 地 方 が 折 半 して 負 担 す ることとし 臨 時 特 例 加 算 及 び 国 負 担 分 の 借 入 金 の 償 還 財 源 の 繰 入 れを 法 定 3 年 間 の 措 置 として 財 源 不 足 額 を 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 で 補 塡 し 借 入 金 の 償 還 は 国 と 地 方 が 折 半 して 負 担 する 等 の 措 置 3 年 間 の 措 置 として 財 源 不 足 額 のうち 1/2 は 国 が 一 般 会 計 から 加 算 し( 臨 時 財 政 対 策 加 算 ) 残 りは 地 方 が 臨 時 財 政 対 策 債 ( 元 利 償 還 金 相 当 額 を 基 準 財 政 需 要 額 に 算 入 )を 発 行 することにより 補 塡 するとともに 予 定 されている 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 の 償 還 を 繰 り 延 べる (ただし 平 成 13 14 年 度 は 特 別 会 計 借 入 金 方 式 をそれぞれ 1/2 1/4 併 用 ) 3 年 間 の 措 置 として 財 源 不 足 額 のうち 1/2 は 国 が 臨 時 財 政 対 策 加 算 残 りを 地 方 が 臨 時 財 政 対 策 債 を 発 行 することにより 補 塡 するとともに 同 期 間 中 に 予 定 されている 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 の 償 還 を 平 成 22 年 度 以 降 に 繰 り 延 べる 3 年 間 の 措 置 として 財 源 不 足 額 のうち 1/2 は 国 が 臨 時 財 政 対 策 加 算 残 りを 地 方 が 臨 時 財 政 対 策 債 を 発 行 することにより 補 塡 する 平 成 18 年 度 補 正 時 から 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 の 償 還 が 開 始 されたが その 後 平 成 19~21 年 度 に 予 定 されていた 償 還 は それぞれ 平 成 25 年 度 以 降 に 繰 り 延 べられた 単 年 度 の 措 置 として 財 源 不 足 額 のうち 1/2 は 国 が 臨 時 財 政 対 策 加 算 残 りは 地 方 が 臨 時 財 政 対 策 債 を 発 行 することにより 補 塡 する 平 成 22 年 度 に 予 定 されていた 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 の 償 還 は 平 成 28 年 度 以 降 に 繰 り 延 べられた 保 するために 行 われた なお 平 成 元 年 度 に 消 費 税 とたばこ 税 が 対 象 税 目 に 加 わったのは それぞれ 税 制 の 抜 本 改 革 等 国 庫 補 助 負 担 率 の 見 直 し 等 が 契 機 4 地 方 財 源 不 足 額 を 補 塡 するために 増 発 される 建 設 地 方 債 ( 地 方 財 政 法 第 5 条 の 地 方 債 ) 5 過 去 の 地 方 財 政 対 策 に 基 づき 地 方 交 付 税 法 の 定 めるところにより 国 の 一 般 会 計 から 加 算 するとされている 額 6 地 方 一 般 財 源 の 不 足 に 対 処 するため 投 資 的 経 費 以 外 の 経 費 にも 充 てられる 地 方 財 政 法 第 5 条 の 特 例 として 発 行 される 地 方 債 である 地 方 公 共 団 体 の 実 際 の 借 入 れの 有 無 にかかわらず その 元 利 償 還 金 相 当 額 を 後 年 度 の 基 準 財 政 需 要 額 に 算 入 することとされている 42
23~25 3 年 間 の 措 置 として 財 源 不 足 額 のうち 1/2 は 国 が 臨 時 財 政 対 策 加 算 残 りは 地 方 が 臨 時 財 政 対 策 債 を 発 行 することにより 補 塡 する なお 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 については 新 たな 償 還 計 画 を 策 定 した 上 で 償 還 を 開 始 ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 より 調 査 室 作 成 2. 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 を 巡 る 動 き (1) 国 家 公 務 員 給 与 の 引 下 げと 地 方 公 務 員 給 与 平 成 24 年 2 月 に 成 立 した 国 家 公 務 員 の 給 与 の 改 定 及 び 臨 時 特 例 に 関 する 法 律 ( 平 成 24 年 法 律 第 2 号 ) 7 により 国 家 公 務 員 給 与 は 東 日 本 大 震 災 の 復 興 財 源 に 充 てるため 平 成 24 年 度 及 び 平 成 25 年 度 の2 年 間 特 例 として 平 均 7.8% 引 き 下 げられることになっ た 本 法 の 国 会 審 議 では 国 家 公 務 員 の 給 与 引 下 げを 地 方 公 務 員 給 与 へも 波 及 させるかが 焦 点 となり 民 主 自 民 公 明 の3 党 協 議 を 踏 まえ 衆 議 院 修 正 8 で 地 方 公 務 員 法 及 びこ の 法 律 の 趣 旨 を 踏 まえ 地 方 公 共 団 体 において 自 主 的 かつ 適 切 に 対 応 されるものとする 規 定 が 附 則 第 12 条 に 追 加 された 国 の 財 政 運 営 が 厳 しさを 増 す 中 11 月 1 日 に 財 務 大 臣 の 諮 問 機 関 である 財 政 制 度 等 審 議 会 の 財 政 制 度 分 科 会 が 開 催 され その 際 財 務 省 から 給 与 改 定 特 例 法 による 引 下 げ 後 の 国 家 公 務 員 給 与 ( 行 政 職 ( 一 ))と 比 較 した 地 方 公 務 員 給 与 ( 一 般 行 政 職 員 )のラスパイレ ス 指 数 を 試 算 すると 平 成 24 年 度 は 106.9 程 度 と 地 方 公 務 員 の 方 が 約 7% 高 くなり 8 割 超 の 自 治 体 の 地 方 公 務 員 給 与 が 国 家 公 務 員 より 高 い 水 準 になるとの 試 算 が 示 された( 図 表 3 参 照 ) また 地 方 公 務 員 が 国 家 公 務 員 並 に 給 与 を 引 き 下 げた 場 合 地 方 財 政 計 画 ベース で 年 1.2 兆 円 程 度 の 歳 出 削 減 効 果 が 見 込 まれ うち 国 が 負 担 する6 千 億 円 9 を 交 付 税 総 額 か ら 減 額 することが 可 能 になると 見 込 まれた( 図 表 3 参 照 ) これを 踏 まえ どこまで 地 方 公 務 員 給 与 水 準 を 地 方 交 付 税 で 財 源 保 障 すべきかが 論 点 とされた 10 (2) 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 の 策 定 経 緯 民 主 党 政 権 では 平 成 25 年 度 の 地 方 財 政 について 例 年 同 様 財 政 運 営 戦 略 に 基 づき 定 める 中 期 財 政 フレーム( 平 成 25 年 度 ~ 平 成 27 年 度 ) 及 び 概 算 要 求 組 替 え 基 準 と 基 調 を 合 わせつつ 社 会 保 障 費 の 自 然 増 に 対 応 する 地 方 財 源 の 確 保 を 含 め 一 般 財 源 総 額 に ついて 実 質 的 に 平 成 24 年 度 の 水 準 を 下 回 らないよう 確 保 する 方 針 であった そして 概 算 要 求 時 点 での 仮 試 算 11 において 平 成 25 年 度 地 方 交 付 税 は 17 兆 1,970 億 円 一 般 財 源 7 民 主 自 民 公 明 の 共 同 提 出 8 自 民 公 明 の 共 同 提 案 9 国 と 地 方 の 折 半 ルールによる 10 財 政 制 度 等 審 議 会 が 平 成 25 年 1 月 21 日 に 取 りまとめた 平 成 25 年 度 予 算 編 成 に 向 けた 考 え 方 の 中 では 地 方 公 務 員 給 与 について 国 家 公 務 員 人 件 費 の 削 減 という 国 の 歳 出 の 取 組 みと 基 調 を 合 わせて 地 方 財 政 計 画 の 給 与 関 係 経 費 を 見 積 もることが 必 要 と 考 えられる としている 11 地 方 団 体 から 地 方 財 政 収 支 の 見 通 しを 早 めに 示 してほしいとの 強 い 要 望 があったことを 受 け 平 成 17 年 度 概 算 要 求 時 から 概 算 要 求 の 段 階 で 示 しうる 地 方 財 政 収 支 の 仮 試 算 を 作 成 することになり これに 基 づく 臨 時 財 政 対 策 加 算 額 等 を 概 算 要 求 することになった ただし 仮 試 算 は 国 の 概 算 要 求 基 準 等 に 基 づき 機 械 的 に 積 算 した 仮 置 きの 数 値 であり 経 済 情 勢 の 推 移 国 の 予 算 編 成 の 動 向 税 制 改 正 の 内 容 等 を 踏 まえ その 内 容 は 修 正 される 43
総 額 見 込 みは 60 兆 円 程 度 ( 平 成 24 年 度 :59 兆 6,241 億 円 )とされた その 後 11 月 に 衆 議 院 が 解 散 され 総 選 挙 が 執 行 されるに 当 たり 自 民 党 は 選 挙 公 約 で 将 来 の 国 家 像 を 見 据 え 計 画 性 を 持 って 地 方 公 務 員 等 を 含 む 公 務 員 総 人 件 費 を 国 地 方 合 わせて2 兆 円 削 減 する ことを 盛 り 込 んだ また 選 挙 後 の 自 民 党 公 明 党 連 立 政 権 合 意 12 でも 国 地 方 にわたる 公 務 員 の 総 人 件 費 を 縮 減 する とした そして 安 倍 内 閣 発 足 後 麻 生 副 総 理 兼 財 務 大 臣 は 12 月 27 日 の 会 見 で 少 なくとも 地 方 の 公 務 員 給 与 は 下 げ ることになっていたのではないかと 述 べ 平 成 25 年 度 予 算 編 成 において 地 方 公 務 員 の 給 与 削 減 が 焦 点 として 浮 上 した 図 表 3 地 方 公 務 員 給 与 と 国 家 公 務 員 給 与 の 比 較 ( 出 所 ) 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 制 度 分 科 会 ( 平 24.11.1) 資 料 平 成 25 年 1 月 15 日 に 国 と 地 方 の 協 議 の 場 が 開 催 され 麻 生 副 総 理 兼 財 務 大 臣 は 国 家 公 務 員 給 与 の 平 均 7.8% 削 減 に 対 応 して 地 方 公 務 員 の 給 与 を 引 き 下 げるよう 地 方 六 団 体 に 正 式 に 要 請 し 地 方 交 付 税 を 削 減 する 意 向 を 伝 えた これに 対 して 地 方 側 は これま で 国 に 先 んじて 人 員 の 大 幅 な 削 減 や 独 自 の 給 与 削 減 を 重 ねているなどとして 強 く 反 発 し その 後 も 政 府 と 地 方 団 体 との 間 で 激 しいせめぎ 合 いが 続 いた 22 日 に 開 催 された 総 務 大 臣 地 方 六 団 体 会 合 では 新 藤 総 務 大 臣 から 国 家 公 務 員 給 与 を 踏 まえて 国 に 準 じた 措 置 を 講 ずるよう 要 請 があり 1 実 行 不 可 能 なことはしない 2 単 な る 財 政 再 建 にはしない 3 行 革 の 努 力 を 反 映 するとの 基 本 方 針 が 示 された 一 方 地 方 団 12 平 成 24 年 12 月 25 日 44
体 からは 地 方 公 務 員 の 給 与 削 減 分 を 国 の 財 政 再 建 に 充 てるのは 国 の 搾 取 である 地 方 の 努 力 を 評 価 せずに 国 より 瞬 間 的 に 給 与 が 高 いから 地 方 も 下 げろというのはおかしい 財 政 力 の 弱 い 地 方 交 付 税 の 依 存 度 が 高 いところほど 影 響 を 受 けるのは 問 題 といった 声 が 上 がっ た 25 日 には 総 務 大 臣 地 方 六 団 体 代 表 者 意 見 交 換 が 行 われ 総 務 大 臣 は 会 談 後 1 組 合 との 交 渉 や 条 例 改 正 など 地 方 公 共 団 体 の 準 備 期 間 を 考 慮 して7 月 から 実 施 2 給 与 削 減 額 に 見 合 う 額 を 防 災 減 災 事 業 地 域 の 元 気 づくり 事 業 として 地 方 財 政 計 画 に 計 上 3 地 域 の 元 気 づくり 事 業 について 地 方 公 共 団 体 の 行 革 努 力 を 一 定 の 指 標 基 準 により 反 映 して 配 分 4 今 回 の 給 与 削 減 は 平 成 25 年 度 限 りの 措 置 とし 平 成 26 年 度 以 降 は 国 と 地 方 双 方 の 給 与 の 在 り 方 を 地 方 公 共 団 体 の 意 見 を 聴 きながら 協 議 する 場 を 設 置 するとの 考 えを 示 した 13 また こうした 動 きと 並 行 して 地 方 団 体 は 地 方 公 務 員 給 与 の 削 減 に 反 対 する 声 明 や 要 請 などを 相 次 いで 取 りまとめ 公 表 した 14 (3) 地 方 公 務 員 給 与 削 減 方 針 の 閣 議 決 定 地 方 団 体 が 強 く 反 発 する 中 政 府 は1 月 24 日 平 成 25 年 度 予 算 編 成 の 基 本 方 針 及 び 公 務 員 の 給 与 改 定 に 関 する 取 扱 いについて を 閣 議 決 定 した 地 方 公 務 員 給 与 について 平 成 25 年 度 予 算 編 成 の 基 本 方 針 では 平 成 24 年 度 から 実 施 されている 国 家 公 務 員 給 与 の 平 均 7.8%の 削 減 措 置 に 準 じて 必 要 な 措 置 を 講 ずるよ う 地 方 公 共 団 体 に 要 請 するとともに それを 反 映 して 平 成 25 年 度 予 算 における 地 方 交 付 税 や 義 務 教 育 費 国 庫 負 担 金 等 を 算 定 する また 地 域 経 済 の 活 性 化 の 観 点 や 各 地 方 公 共 団 体 の 行 政 改 革 の 取 組 を 踏 まえるものとする とした さらに 公 務 員 給 与 改 定 に 関 する 取 扱 いについて では 各 地 方 公 共 団 体 において これまでも 自 主 的 な 給 与 削 減 措 置 や 定 員 削 減 などの 行 財 政 改 革 の 取 組 が 進 められてきたが 一 方 で 東 日 本 大 震 災 を 契 機 として 防 災 減 災 事 業 に 積 極 的 に 取 り 組 むとともに 長 引 く 景 気 の 低 迷 を 受 け 一 層 の 地 域 経 済 の 活 性 化 を 図 ることが 喫 緊 の 課 題 となっていることを 指 摘 した そして こうした 地 域 の 課 題 に 迅 速 かつ 的 確 に 対 応 するため 平 成 25 年 度 地 方 公 務 員 給 与 については 国 家 公 務 員 の 給 与 減 額 支 給 措 置 を 踏 まえ 各 地 方 団 体 において 速 やかに 国 に 準 じて 必 要 な 措 置 を 講 ずるよう 要 請 する とした そして 28 日 には 総 務 大 臣 名 で 各 都 道 府 県 の 知 事 議 長 等 宛 に 地 方 公 務 員 の 給 与 改 定 に 関 する 取 扱 い 等 について を 通 知 するとともに 全 国 の 首 長 議 長 宛 に 大 臣 書 簡 を 発 出 した 書 簡 では 各 自 治 体 で 行 財 政 改 革 の 取 組 が 進 められてきたことは 十 分 理 解 してお り 心 から 敬 意 を 表 すると 述 べる 一 方 今 回 の 地 方 公 務 員 の 給 与 削 減 要 請 は 単 に 地 方 公 務 員 の 給 与 の 高 さや 国 の 財 政 状 況 の 厳 しさから 行 うのでなく 日 本 の 再 生 に 向 け 国 と 地 方 が 一 丸 となってあらゆる 努 力 を 結 集 する 必 要 がある 中 当 面 の 対 応 策 として 平 成 25 13 自 治 日 報 ( 平 25.2.1) 14 全 国 市 長 会 地 方 公 務 員 給 与 と 地 方 の 自 主 性 に 関 する 緊 急 要 請 ( 平 25.1.21) 全 国 知 事 会 地 方 公 務 員 給 与 についての 全 国 知 事 会 意 見 書 ( 平 25.1.23) 地 方 六 団 体 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 地 方 公 務 員 給 与 につ いての 共 同 声 明 ( 平 25.1.27) 45
年 度 に 限 り 緊 急 にお 願 いするものであり 消 費 税 増 税 について 国 民 の 理 解 を 得 るために 公 務 員 が 先 頭 に 立 って 隗 より 始 めよ の 精 神 で 更 なる 行 財 政 改 革 に 取 り 組 む 姿 勢 を 示 す ことが 重 要 との 認 識 を 示 した (4) 地 方 公 務 員 給 与 費 の 臨 時 特 例 と 緊 急 課 題 への 対 応 以 上 の 経 緯 を 踏 まえ 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 において 地 方 公 務 員 給 与 費 の 削 減 問 題 については 以 下 のとおり 決 定 した まず 地 方 公 務 員 給 与 費 の 削 減 額 は 平 成 25 年 7 月 から 国 家 公 務 員 と 同 様 平 均 7.8% の 給 与 削 減 15 を 実 施 することを 前 提 に 8,504 億 円 (うち 一 般 財 源 7,854 億 円 )とされた 一 方 で 防 災 減 災 事 業 地 域 の 活 性 化 等 の 緊 急 課 題 への 対 応 として 給 与 削 減 額 に 見 合 った 事 業 費 8,523 億 円 を 歳 出 に 特 別 枠 として 設 定 するとされた その 内 訳 は 1 全 国 防 災 事 業 費 ( 直 轄 補 助 事 業 の 地 方 負 担 分 )973 億 円 2 緊 急 防 災 減 災 事 業 費 ( 地 方 単 独 事 業 )4,550 億 円 3 地 域 の 元 気 づくり 事 業 費 3,000 億 円 である これに 係 る 財 政 措 置 に ついては 1と2は 充 当 率 100%の 全 額 起 債 事 業 であり 1は 80% 2は 70%の 交 付 税 措 置 を 設 けるとされた 3については 普 通 交 付 税 により 措 置 され 算 定 に 当 たっては 各 地 方 団 体 の 人 件 費 削 減 努 力 を 反 映 するとされている 3. 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 の 概 要 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 で 行 われる 措 置 について 以 下 に 概 観 する なお 前 年 度 同 様 通 常 収 支 分 と 東 日 本 大 震 災 分 を 区 分 して 整 理 している 16 (1) 通 常 収 支 分 の 財 源 不 足 額 への 対 応 平 成 25 年 度 の 通 常 収 支 分 の 地 方 財 源 不 足 額 は 13 兆 2,808 億 円 ( 対 前 年 度 比 4,038 億 円 )と 見 込 まれ 地 方 交 付 税 法 第 6 条 の3 第 2 項 の 規 定 に 該 当 する 財 源 不 足 が 平 成 8 年 度 以 降 連 続 して 生 じている この 地 方 財 源 不 足 については 平 成 22 年 12 月 22 日 付 け 総 務 財 務 両 大 臣 覚 書 において 平 成 23 年 度 から 平 成 25 年 度 までの 間 国 と 地 方 の 折 半 ルール に 基 づき 対 処 することとされており まず 以 下 の 財 源 補 塡 策 が 講 じられる ア 財 源 対 策 債 の 発 行 8,000 億 円 財 源 対 策 債 とは 地 方 財 源 不 足 を 補 塡 するため 地 方 債 充 当 率 の 臨 時 的 引 上 げにより 増 発 される 建 設 地 方 債 である イ 一 般 会 計 加 算 ( 既 往 法 定 分 等 )による 地 方 交 付 税 の 増 額 8,231 億 円 一 般 会 計 加 算 ( 既 往 法 定 分 等 )は 過 去 の 地 方 財 政 対 策 に 基 づき 後 年 度 の 地 方 交 付 税 総 額 に 加 算 することが 地 方 交 付 税 法 附 則 に 定 められている 額 等 である ウ 地 方 の 財 源 不 足 の 状 況 等 を 踏 まえて 行 う 加 算 9,900 億 円 平 成 22 年 12 月 22 日 付 け 総 務 財 務 両 大 臣 覚 書 に 基 づき 税 制 の 抜 本 的 な 改 革 が 行 15 総 務 省 は 都 道 府 県 総 務 部 長 等 会 議 ( 平 25.2.13)において 臨 時 削 減 を 反 映 したラスパイレス 指 数 が 100 を 超 える 部 分 について 参 考 値 (2 年 間 限 定 の 削 減 がなかった 場 合 の 数 値 ) 又 は 100 の 水 準 まで 引 き 下 げるよう 求 め 100 を 下 回 る 部 分 については 新 たな 削 減 措 置 を 求 めない 考 えを 示 している 16 被 災 団 体 が 東 日 本 大 震 災 からの 復 旧 復 興 事 業 に 着 実 に 取 り 組 めるようにするとともに 被 災 団 体 以 外 の 地 方 団 体 の 財 政 運 営 に 影 響 を 及 ぼすことがないようにするため 46
われるまでの 間 平 成 24 年 度 以 降 は 各 年 度 において 地 方 の 財 源 不 足 の 状 況 を 踏 まえ 総 務 大 臣 及 び 財 務 大 臣 が 協 議 して 額 を 定 め イの 額 とは 別 枠 で 加 算 が 行 われている エ 交 付 税 特 別 会 計 剰 余 金 の 活 用 2,000 億 円 交 付 税 及 び 譲 与 税 配 付 金 特 別 会 計 ( 以 下 交 付 税 特 会 という )は 地 方 交 付 税 等 の 資 金 を 整 理 するために 設 けられた 特 別 会 計 であり 地 方 交 付 税 について 一 般 会 計 か らの 繰 入 金 ( 国 税 5 税 法 定 率 分 及 び 一 般 会 計 加 算 の 合 算 額 等 )を 受 け 入 れ これらを 地 方 団 体 に 配 分 する そして 近 年 まで 地 方 財 源 不 足 の 補 塡 等 のために 交 付 税 特 会 で 借 入 れが 行 われており その 利 子 相 当 額 について 予 算 計 上 額 と 利 子 支 払 実 績 との 間 に 差 が 生 じることにより 剰 余 金 が 発 生 している この 剰 余 金 については 特 別 会 計 に 関 する 法 律 第 8 条 及 び 第 25 条 に 基 づき 翌 年 度 の 交 付 税 特 会 の 歳 入 に 繰 り 入 れられ 地 方 交 付 税 総 額 の 財 源 として 活 用 されている オ 地 方 公 共 団 体 金 融 機 構 の 公 庫 債 権 金 利 変 動 準 備 金 の 活 用 6,500 億 円 地 方 公 共 団 体 金 融 機 構 は 全 ての 地 方 公 共 団 体 が 出 資 し 共 同 で 市 場 から 資 金 を 調 達 して 小 口 に 分 けて 各 地 方 公 共 団 体 に 融 資 している 地 方 債 資 金 の 共 同 調 達 機 関 である 平 成 20 年 に 地 方 公 営 企 業 等 金 融 機 構 ( 平 成 21 年 に 地 方 公 共 団 体 金 融 機 構 に 改 組 )が 発 足 する 際 廃 止 される 公 営 企 業 金 融 公 庫 が 保 有 していた 債 券 借 換 損 失 引 当 金 等 を 全 額 公 庫 債 権 金 利 変 動 準 備 金 ( 以 下 準 備 金 という )として 承 継 した この 準 備 金 により 金 利 変 動 リスクに 対 応 し 円 滑 な 業 務 運 営 を 行 うための 十 分 な 財 政 基 盤 を 確 保 するとし ていたところ 平 成 24 年 度 地 方 財 政 対 策 において 平 成 24 年 度 から 平 成 26 年 度 の3 年 間 総 額 1 兆 円 を 目 途 に 準 備 金 の 一 部 を 国 に 帰 属 させ その 全 額 を 交 付 税 特 会 に 繰 り 入 れるとされた これにより 平 成 24 年 度 は 準 備 金 のうち 3,500 億 円 が 交 付 税 特 会 に 繰 り 入 れられた カ 臨 時 財 政 対 策 債 ( 既 往 臨 時 財 政 対 策 債 元 利 償 還 充 当 分 等 ) 2 兆 6,086 億 円 臨 時 財 政 対 策 債 の 元 利 償 還 金 相 当 額 は 折 半 対 象 財 源 不 足 額 には 含 めず 全 額 を 臨 時 財 政 対 策 債 により 対 応 するとされている 以 上 のア~カの 合 計 額 6 兆 717 億 円 を 地 方 財 源 不 足 額 13 兆 2,808 億 円 から 控 除 した 7 兆 2,091 億 円 が 折 半 対 象 財 源 不 足 額 となる( 対 前 年 度 比 4,631 億 円 ) これを 国 と 地 方 が 折 半 して 負 担 し 国 は 一 般 会 計 からの 臨 時 財 政 対 策 特 例 加 算 (3 兆 6,045 億 円 ) 地 方 は 臨 時 財 政 対 策 債 の 発 行 (3 兆 6,045 億 円 )により 対 応 するとされた( 図 表 4 参 照 ) (2) 東 日 本 大 震 災 分 ア 震 災 復 興 特 別 交 付 税 震 災 復 興 特 別 交 付 税 は 被 災 自 治 体 における 復 旧 復 興 事 業 経 費 の 地 方 負 担 分 や 地 方 税 の 減 収 分 を 国 が 全 額 措 置 するものであり 平 成 23 年 度 第 3 次 補 正 予 算 において 創 設 された 平 成 25 年 度 は 年 度 調 整 分 145 億 円 を 含 む 6,198 億 円 ( 対 前 年 度 比 9.6%)が 盛 り 込 まれており 平 成 23~25 年 度 の 累 計 額 は2 兆 9,392 億 円 となった 震 災 復 興 特 別 交 47
付 税 により 措 置 する 財 政 需 要 の 内 訳 は 直 轄 補 助 事 業 の 地 方 負 担 分 で 4,083 億 円 地 方 単 独 事 業 分 で 1,220 億 円 地 方 税 等 の 減 収 分 で 895 億 円 となっている イ 全 国 防 災 事 業 今 後 の 復 興 関 連 予 算 に 関 する 基 本 的 な 考 え 方 ( 平 成 24 年 11 月 27 日 復 興 推 進 会 議 決 定 )に 基 づき 復 興 庁 所 管 予 算 と 被 災 地 向 け 予 算 は 引 き 続 き 東 日 本 大 震 災 復 興 特 別 会 計 に 計 上 するが それ 以 外 の 全 国 向 け 予 算 は 1 津 波 の 被 害 を 受 けて 新 たに 認 識 された 技 術 上 の 課 題 に 対 応 するための 公 共 事 業 2 特 に 緊 要 性 の 高 い 子 どもの 安 全 確 保 に 係 る 学 校 の 耐 震 化 事 業 を 除 き 同 特 別 会 計 には 計 上 しないことになった これを 受 け 平 成 25 年 度 の 東 日 本 大 震 災 分 では 全 国 防 災 事 業 について 被 災 地 の 復 旧 復 興 事 業 に 限 定 し て 計 上 することになり 地 方 単 独 事 業 は 廃 止 され 直 轄 補 助 事 業 は 学 校 の 耐 震 化 や 河 川 の 津 波 遡 上 対 策 などに 絞 り 込 んで 2,000 億 円 程 度 が 計 上 されている 図 表 4 平 成 25 年 度 地 方 財 源 不 足 額 の 補 塡 平 成 25 年 度 財 源 不 足 額 132,808 ( 単 位 : 億 円 ) 一 般 会 計 加 算 237 54,176 地 方 債 の 増 発 168 70,132 その 他 45 8,500 2 3 4 5 一 般 会 計 加 算 ( 既 往 法 定 分 ) 等 8,231 地 方 の 財 源 不 足 の 状 況 等 を 踏 まえて 行 う 加 算 9,900 交 付 税 特 別 会 計 剰 余 金 の 活 用 2,000 公 庫 債 権 金 利 変 動 準 備 金 の 活 用 6,500 折 半 対 象 前 合 計 1~6 60,717 7 一 般 会 計 加 算 ( 臨 時 財 政 対 策 特 例 加 算 ) 36,045 国 負 担 分 (1/2) 1 財 源 対 策 債 8,000 折 半 対 象 財 源 不 足 額 72,091 6 8 地 方 負 担 分 (1/2) 臨 時 財 政 対 策 債 36,045 臨 時 財 政 対 策 債 26,086 臨 時 財 政 対 策 債 62,132 ( 出 所 ) 調 査 室 作 成 の 臨 時 財 政 対 策 債 は 既 往 臨 時 財 政 対 策 債 の 元 利 償 還 充 当 分 など (3) 平 成 25 年 度 地 方 交 付 税 総 額 以 上 の 地 方 財 政 対 策 を 踏 まえ 通 常 収 支 分 の 入 口 ベースの 地 方 交 付 税 は 国 税 5 税 分 の 法 定 率 分 11 兆 2,304 億 円 国 税 決 算 精 算 分 ( 平 成 19 20 年 度 分 ) 等 3,808 億 円 一 般 会 計 加 算 ( 既 往 法 定 分 ) 等 8,231 億 円 別 枠 加 算 ( 地 方 の 財 源 不 足 の 状 況 を 踏 まえた 加 算 ) 48
9,900 億 円 臨 時 財 政 対 策 特 例 加 算 3 兆 6,045 億 円 を 合 算 した 16 兆 2,672 億 円 ( 対 前 年 度 比 1,994 億 円 )とされた 通 常 収 支 分 の 地 方 交 付 税 総 額 ( 出 口 ベースの 地 方 交 付 税 )は 入 口 ベースの 地 方 交 付 税 に 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 償 還 額 1,000 億 円 交 付 税 特 別 会 計 借 入 金 支 払 利 子 1,746 億 円 平 成 24 年 度 からの 繰 越 金 2,199 億 円 17 交 付 税 特 別 会 計 剰 余 金 の 活 用 2,000 億 円 地 方 公 共 団 体 金 融 機 構 の 準 備 金 の 活 用 6,500 億 円 を 加 算 し 17 兆 624 億 円 ( 同 3,921 億 円 2.2%)となっている 準 備 金 については 前 年 度 に 比 べて 繰 越 金 と 交 付 税 特 別 会 計 の 剰 余 金 が 計 5,609 億 円 減 額 し 一 定 程 度 の 財 源 を 確 保 する 必 要 があるため 平 成 25 26 年 度 の2 年 間 で 活 用 を 予 定 していた 準 備 金 全 額 が 充 てられている 臨 時 財 政 対 策 債 は6 兆 2,132 億 円 ( 同 +799 億 円 +1.3%)であり 平 成 23 24 年 度 は 減 少 していたが 平 成 25 年 度 はほぼ 横 ばいとなった なお 臨 時 財 政 対 策 債 の 配 分 につ いては 平 成 23 年 度 以 降 3 年 間 で 人 口 を 基 礎 に 全 地 方 公 共 団 体 に 発 行 可 能 額 を 割 り 振 る 従 来 の 人 口 基 礎 方 式 を 段 階 的 に 廃 止 してきており 平 成 25 年 度 から 財 政 力 の 弱 い 地 方 公 共 団 体 に 配 慮 した 財 源 不 足 額 を 基 礎 とする 財 源 不 足 額 基 礎 方 式 に 完 全 移 行 する 図 表 5 平 成 25 年 度 地 方 交 付 税 資 金 の 流 れ ( 調 査 室 注 ) 地 方 財 政 収 支 見 通 し の 東 日 本 大 震 災 分 は 約 2 兆 6,000 億 円 (4)( 出 所 ) 平 財 務 成 省 25 資 料 年 度 地 方 財 政 収 支 の 見 通 し 17 平 成 24 年 度 補 正 予 算 で 平 成 25 年 度 分 の 地 方 交 付 税 総 額 に 加 算 するとされた 49
(4) 平 成 25 年 度 地 方 財 政 収 支 の 見 通 し 平 成 25 年 度 予 算 編 成 の 基 本 方 針 ( 平 成 25 年 1 月 24 日 閣 議 決 定 )において 地 方 財 政 については 国 の 取 組 と 歩 調 を 合 わせて 給 与 関 係 経 費 などを 始 めとする 地 方 財 政 計 画 の 歳 出 を 見 直 し 抑 制 を 図 るとともに 安 定 的 な 財 政 運 営 に 必 要 となる 地 方 税 地 方 交 付 税 等 の 一 般 財 源 の 総 額 を 確 保 する とされた こうした 方 針 の 下 で 取 りまとめられた 平 成 25 年 度 の 地 方 財 政 収 支 の 見 通 しを 概 観 する ただし 計 数 は 概 数 である ア 通 常 収 支 分 図 表 6 平 成 25 年 度 地 方 財 政 収 支 見 通 しの 概 要 平 成 25 年 度 の 通 常 収 支 分 の 地 ( 通 常 収 支 分 ) ( 単 位 : 億 円 %) 方 財 政 の 歳 入 歳 出 規 模 は 約 81 平 成 25 年 度 増 減 率 項 目 平 成 24 年 度 ( 見 込 ) ( 見 込 ) 兆 9,100 億 円 ( 対 前 年 度 比 約 +453 地 方 税 340,175 336,569 1.1 億 円 約 +0.1%)と 若 干 の 増 とな 地 方 譲 与 税 23,470 22,615 3.8 った 水 準 超 経 費 18 地 方 特 例 交 付 金 1,255 1,275 1.6 は 7,500 億 円 歳 地 方 交 付 税 170,624 174,545 2.2 ( 同 +1,000 億 円 +15.4%)で 地 方 債 111,517 111,654 0.1 うち 臨 時 財 政 対 策 債 62,132 61,333 1.3 あり これを 除 くと 約 81 兆 1,600 全 国 防 災 事 業 入 130 96 35.4 一 般 財 源 充 当 分 億 円 ( 同 約 547 億 円 約 0.1%) 歳 入 合 計 となる 一 般 財 源 地 方 一 般 歳 出 19 は 約 66 兆 4,200 ( 水 準 超 経 費 を 除 く) 給 与 関 係 経 費 退 職 手 当 以 外 約 177,900 188,247 約 5.5 億 円 ( 同 約 333 億 円 約 0.1%) 退 職 手 当 約 19,600 21,513 約 9.0 である うち 給 与 関 係 費 は 平 一 般 行 政 経 費 う ち 単 独 分 約 140,000 138,095 約 1.4 成 25 年 7 月 から 地 方 公 務 員 給 与 地 域 経 済 基 盤 強 化 14,950 14,950 0.0 雇 用 等 対 策 費 を 8,504 億 円 削 減 する 影 響 もあり 公 債 費 約 131,100 130,790 約 0.2 約 19 兆 7,500 億 円 ( 同 約 1 兆 歳 投 資 的 経 費 2,260 億 円 約 5.9%)となって う ち 単 独 分 約 50,000 51,630 約 3.1 給 与 の 臨 時 特 例 対 応 分 7,550 - 皆 増 いる なお この 給 与 削 減 額 に 見 出 緊 急 防 災 減 災 事 業 費 4,550 - 皆 増 合 った 事 業 費 として 歳 出 に 特 別 地 域 の 元 気 づくり 事 業 費 3,000 - 皆 増 公 営 企 業 繰 出 金 約 25,800 26,590 約 3.1 うち 企 業 債 償 還 費 枠 が 設 定 されることになり 防 普 通 会 計 負 担 分 約 16,400 16,824 約 2.7 災 減 災 事 業 地 域 の 活 性 化 等 の 水 準 超 経 費 緊 急 課 題 へ 対 応 するためとして 計 歳 出 合 計 ( 水 準 超 経 費 を 除 く) 上 される 8,523 億 円 のうち 7,550 地 方 一 般 歳 出 ( 注 1) 計 数 は 精 査 の 結 果 異 動 する 場 合 がある 億 円 ( 緊 急 防 災 減 災 事 業 費 4,550 ( 注 2) 全 国 防 災 事 業 一 般 財 源 充 当 分 の 平 成 24 年 度 の 額 は 平 成 24 億 円 及 び 地 域 の 元 気 づくり 事 業 費 3,000 億 円 )が 給 与 の 臨 時 特 例 対 年 度 地 方 財 政 計 画 に 計 上 された 緊 急 防 災 減 災 事 業 一 般 財 源 充 当 分 の 額 である ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 より 作 成 約 819,100 818,647 約 0.1 597,526 596,241 0.2 590,026 589,741 0.0 約 197,500 209,760 約 5.9 7,500 6,500 15.4 約 819,100 818,647 約 0.1 約 811,600 812,147 約 0.1 約 664,200 664,533 約 0.1 18 地 方 財 政 計 画 の 歳 出 に 計 上 される 地 方 交 付 税 の 不 交 付 団 体 における 平 均 水 準 を 超 える 必 要 経 費 である 地 方 財 政 計 画 の 歳 出 は 標 準 的 な 行 政 水 準 を 想 定 して 積 算 されているが 歳 入 の 地 方 税 については 不 交 付 団 体 を 含 む 全 地 方 公 共 団 体 の 標 準 的 な 地 方 税 収 が 計 上 されている このため 単 純 に 歳 入 歳 出 を 均 衡 させると 不 交 付 団 体 の 財 源 超 過 額 に 相 当 する 地 方 税 収 分 が 交 付 団 体 の 財 源 不 足 額 の 補 塡 財 源 に 充 当 される 形 になって しまう このような 不 合 理 を 避 けるため 調 整 的 な 項 目 として 水 準 超 経 費 が 計 上 されている 19 地 方 財 政 計 画 において 歳 出 総 額 から 公 債 費 企 業 債 償 還 費 普 通 会 計 負 担 分 不 交 付 団 体 水 準 超 経 費 を 除 い たものを 地 方 一 般 歳 出 としている 50
応 分 として 通 常 収 支 分 に 計 上 されている 20 投 資 的 経 費 の 単 独 事 業 分 は 約 5 兆 円 ( 同 約 1,630 億 円 約 3.1%) 公 営 企 業 繰 出 金 は 約 2 兆 5,800 億 円 ( 同 約 790 億 円 約 3.1%)にそれぞれ 抑 制 されたが その 一 方 地 方 の 社 会 保 障 関 係 費 については 国 と 同 様 毎 年 度 大 幅 な 自 然 増 となることに 対 応 して 地 方 負 担 ( 補 助 単 独 )が 増 額 計 上 されており 一 般 行 政 経 費 補 助 ( 生 活 保 護 医 療 介 護 等 )に 3,600 億 円 程 度 一 般 行 政 経 費 単 独 に 1,900 億 円 程 度 の 増 額 分 が 確 保 されている 歳 入 は 地 方 税 で 34 兆 175 億 円 ( 同 +3,606 億 円 +1.1%) 地 方 譲 与 税 で2 兆 3,470 億 円 ( 同 +855 億 円 +3.8%) 合 わせて 4,461 億 円 増 加 することが 見 込 まれている 地 方 交 付 税 は 17 兆 624 億 円 ( 同 3,921 億 円 2.2%)に 減 額 図 表 7 平 成 25 年 度 地 方 財 政 収 支 見 通 しの 概 要 ( 東 日 本 大 震 災 分 ) しているが これは 前 年 度 とほぼ 同 水 準 の 地 方 一 般 財 源 (1) 復 旧 復 興 事 業 項 目 ( 単 位 : 億 円 %) 平 成 25 年 度 増 減 率 平 成 24 年 度 ( 見 込 ) ( 見 込 ) 総 額 21 を 確 保 する 中 で 地 方 震 災 復 興 特 別 交 付 税 6,198 6,855 9.6 歳 国 庫 支 出 金 約 18,000 10,772 約 63.5 税 及 び 地 方 譲 与 税 が 増 加 した (うち 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 ) (4,896) (2,842) (72.3) 入 地 方 債 233 127 83.5 ことが 影 響 している 計 約 24,000 17,788 約 35.3 地 方 債 については 地 方 財 直 轄 補 助 事 業 費 約 22,000 14,284 約 53.5 政 計 画 に 計 上 される 普 通 会 計 歳 (うち 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 分 ) ( 約 6,000) (3,553) ( 約 75.8) 地 方 税 等 の 減 収 分 見 合 い 歳 出 895 1,271 29.6 分 が 11 兆 1,517 億 円 ( 同 出 地 方 単 独 事 業 費 1,220 2,200 44.5 137 億 円 0.1%)とほぼ 横 計 約 24,000 17,788 約 35.3 (2) 全 国 防 災 事 業 ( 単 位 : 億 円 %) ばいの 水 準 であり 地 方 債 依 平 成 25 年 度 増 減 率 項 目 平 成 24 年 度 存 度 も 前 年 と 同 じく 13.6% ( 見 込 ) ( 見 込 ) 地 方 税 123 - 皆 増 となっている このうち 臨 時 一 般 財 源 充 当 分 130 96 35.4 歳 財 政 対 策 債 については 6 兆 国 庫 支 出 金 約 800 2,059 約 61.1 2,132 億 円 ( 同 +799 億 円 + 入 地 方 債 973 4,173 76.7 雑 収 入 5 1 400.0 1.3%)に 増 額 している 22 約 計 2,000 6,329 約 67.9 全 国 防 災 対 策 費 に 係 る 約 1,800 4,899 約 63.8 以 上 の 結 果 地 方 一 般 財 源 歳 直 轄 補 助 事 業 費 総 額 は 59 兆 7,526 億 円 ( 同 地 方 単 独 事 業 費 - 1,400 皆 減 出 公 債 費 258 30 760.0 +1,285 億 円 +0.2%)とさ 計 約 2,000 6,329 約 67.9 ( 注 1) 計 数 は 精 査 の 結 果 異 動 する 場 合 がある れた ( 注 2) 全 国 防 災 事 業 の 平 成 24 年 度 の 額 は 平 成 24 年 度 地 方 財 政 計 画 イ 東 日 本 大 震 災 分 (ア) 復 旧 復 興 事 業 に 計 上 された 緊 急 防 災 減 災 事 業 の 額 である ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 より 作 成 平 成 25 年 度 の 東 日 本 大 震 災 分 の 復 旧 復 興 事 業 の 歳 入 歳 出 規 模 は 約 2 兆 4,000 億 円 ( 対 前 年 度 比 約 +6,212 億 円 約 +35.3%)となっている 歳 出 では 直 轄 補 助 事 業 費 が 約 2 兆 2,000 億 円 (うち 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 分 は 約 6,000 億 円 )( 同 約 20 全 国 防 災 事 業 費 ( 直 轄 補 助 事 業 の 地 方 負 担 分 )973 億 円 は 東 日 本 大 震 災 分 ( 全 国 防 災 事 業 )に 計 上 21 地 方 税 地 方 譲 与 税 地 方 特 例 交 付 金 地 方 交 付 税 臨 時 財 政 対 策 債 全 国 防 災 事 業 一 般 財 源 充 当 分 の 合 計 額 22 通 常 収 支 分 の 地 方 債 計 画 総 額 ( 普 通 会 計 分 と 公 営 企 業 会 計 等 分 の 合 計 )は 13 兆 3,708 億 円 である 51
+7,716 億 円 +53.5%)と 大 幅 に 増 加 する 一 方 地 方 税 等 の 減 収 分 見 合 い 歳 出 (895 億 円 ) 地 方 単 独 事 業 費 (1,220 億 円 )は 減 少 している 歳 入 には 震 災 復 興 特 別 交 付 税 6,198 億 円 ( 同 657 億 円 9.6%) 国 庫 支 出 金 約 1 兆 8,000 億 円 (うち 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 4,896 億 円 )( 同 約 +7,228 億 円 約 +63.5%) 地 方 債 233 億 円 23 ( 同 +106 億 円 +83.5%)が 計 上 されている (イ) 全 国 防 災 事 業 3.(2)イで 述 べた 経 緯 もあり 平 成 25 年 度 の 東 日 本 大 震 災 分 の 全 国 防 災 事 業 の 歳 入 歳 出 規 模 は 約 2,000 億 円 と 平 成 24 年 度 地 方 財 政 計 画 に 計 上 された 緊 急 防 災 事 業 6,329 億 円 に 比 べ 大 幅 に 小 さくなっている 歳 出 には 全 国 防 災 対 策 費 に 係 る 直 轄 補 助 事 業 費 約 1,800 億 円 公 債 費 258 億 円 が 計 上 されている 歳 入 には 地 方 税 123 億 円 一 般 財 源 充 当 分 130 億 円 国 庫 支 出 金 約 800 億 円 地 方 債 973 億 円 雑 収 入 5 億 円 が 計 上 されている (5)その 他 関 連 施 策 ( 住 民 税 の 年 少 扶 養 控 除 廃 止 等 による 追 加 増 収 分 等 への 対 応 ) 平 成 22 年 度 税 制 改 正 において 所 得 税 住 民 税 の 年 少 扶 養 控 除 の 廃 止 及 び 特 定 扶 養 控 除 の 縮 減 ( 以 下 年 少 扶 養 控 除 の 廃 止 等 という )が 行 われた これに 伴 う 地 方 増 収 分 について 平 成 24 年 度 は 1 子 どものための 手 当 の 地 方 負 担 の 増 2 平 成 24 年 度 税 制 改 正 に 伴 い 必 要 となる 自 動 車 取 得 税 交 付 金 の 減 収 補 塡 のための 地 方 特 例 交 付 金 の 措 置 の 振 替 3 国 庫 補 助 負 担 金 の 一 般 財 源 化 4 暫 定 的 対 応 として 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 24 ( 難 病 患 者 の 医 療 費 の 助 成 制 度 )の 地 方 の 超 過 負 担 の 財 源 として 活 用 とされた 平 成 25 年 度 については 新 たに 生 じる 地 方 増 収 分 並 びに 平 成 24 年 度 において 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 の 超 過 負 担 に 暫 定 的 に 充 当 した 年 少 扶 養 控 除 の 廃 止 等 による 地 方 増 収 分 の 取 扱 い 等 について 1 月 27 日 に3 大 臣 間 で 合 意 25 し 以 下 の 対 応 が 行 われる ア 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 従 来 の 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 の 費 用 は 実 施 要 綱 26 において 国 は 予 算 の 範 囲 内 にお いて 都 道 府 県 が 当 該 事 業 のために 支 出 した 費 用 の2 分 の1を 補 助 する 27 ものとされて いる しかし 毎 年 総 事 業 費 が 増 加 し 長 年 にわたり 都 道 府 県 の 大 幅 な 超 過 負 担 が 続 いて 制 度 が 不 安 定 化 しており 地 方 団 体 から 早 急 な 超 過 負 担 の 解 消 が 求 められている 3 大 臣 合 意 では 平 成 25 年 度 予 算 における 国 庫 補 助 金 については 当 該 事 業 の 国 費 不 足 が 平 成 24 年 度 を 下 回 るよう 所 要 額 を 計 上 するとされた これを 受 け 平 成 24 年 度 の 事 業 費 1,274 億 円 国 費 346 億 円 から 平 成 25 年 度 は 事 業 費 1,338 億 円 国 費 436 23 復 旧 復 興 事 業 の 地 方 債 計 画 総 計 は 2,197 億 円 (うち 特 定 被 災 地 方 団 体 借 換 債 が 1,830 億 円 )である 24 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 は 原 因 不 明 治 療 方 法 未 確 立 であり かつ 後 遺 症 を 残 すおそれが 少 なくない 疾 病 として 調 査 研 究 を 進 めている 疾 患 のうち 診 断 基 準 が 一 応 確 立 し かつ 難 治 度 重 症 度 が 高 く 患 者 数 が 比 較 的 少 ないため 公 費 負 担 の 方 法 をとらないと 原 因 の 究 明 治 療 方 法 の 開 発 等 に 困 難 をきたすおそれのある 疾 患 を 対 象 としている 25 総 務 大 臣 財 務 大 臣 厚 生 労 働 大 臣 26 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 について ( 昭 和 48 年 4 月 17 日 衛 発 第 242 号 公 衆 衛 生 局 長 通 知 ) 27 スモンの 治 療 研 究 事 業 分 については スモン 恒 久 対 策 の 観 点 から 全 額 補 助 52
億 円 へと 国 費 を 積 み 増 すことが 予 定 されている また 平 成 26 年 度 予 算 における 超 過 負 担 の 解 消 に 向 け 法 制 化 その 他 必 要 な 措 置 について 調 整 を 進 めるとされた イ 追 加 増 収 分 等 への 対 応 の 概 要 3 大 臣 合 意 を 受 け 平 成 25 年 度 における 追 加 増 収 分 等 ( 使 途 未 定 額 886 億 円 )につ いては 1 子 宮 頸 がん 等 ワクチン 接 種 緊 急 促 進 基 金 を 活 用 した 国 庫 補 助 事 業 (522 億 円 ) 2 妊 婦 健 康 診 査 支 援 基 金 を 活 用 した 国 庫 補 助 事 業 (364 億 円 )の 一 般 財 源 化 に 活 用 する とされた そして 予 防 接 種 及 び 妊 婦 健 診 に 関 する 財 政 措 置 については 以 下 の 見 直 し が 予 定 されている なお 上 記 アの 措 置 を 前 提 に 平 成 24 年 度 において 特 定 疾 患 治 療 研 究 事 業 の 超 過 負 担 に 暫 定 的 に 充 当 した 年 少 扶 養 控 除 の 廃 止 等 による 地 方 増 収 分 (269 億 円 )は 12の 国 庫 補 助 事 業 の 一 般 財 源 化 の 財 源 として 活 用 するとされた (ア) 予 防 接 種 に 関 する 財 政 措 置 の 見 直 し 平 成 24 年 度 は 子 宮 頸 が 図 表 8 予 防 接 種 に 関 する 財 政 措 置 の 見 直 し ん 予 防 ヒブ 小 児 用 肺 炎 球 菌 の3ワクチン について 予 防 接 種 法 に 基 づく 定 期 接 種 の 対 象 外 であり 総 接 種 費 用 の9 割 が 公 費 負 担 (うち 市 町 村 の 普 通 交 付 税 45% 都 道 府 県 の 基 金 ( 全 額 国 費 で 造 成 ) 補 助 金 45%) 1 割 が ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 実 費 徴 収 という 仕 組 み になっていた また 予 防 接 種 法 に 基 づく 既 存 定 期 接 種 ワクチン( 一 類 疾 病 分 )につ いて 総 接 種 費 用 の 20%が 市 町 村 の 普 通 交 付 税 で 措 置 80%が 実 費 徴 収 という 仕 組 み になっていた 平 成 25 年 度 以 降 は 予 防 接 種 法 を 改 正 し 子 宮 頸 がん 等 3ワクチンを 予 防 接 種 法 に 基 づく 定 期 接 種 の 対 象 とした 上 で 既 存 定 期 接 種 ワクチン( 一 類 疾 病 分 )とともに 9 割 を 市 町 村 の 普 通 交 付 税 で 措 置 し 1 割 を 実 費 徴 収 とする 仕 組 みにする 予 定 である (イ) 妊 婦 健 診 に 関 する 財 政 措 置 の 見 直 し 妊 婦 健 康 診 査 の 公 費 助 成 につい 図 表 9 妊 婦 健 診 に 関 する 財 政 措 置 の 見 直 し ては 平 成 20 年 度 第 2 次 補 正 予 算 で 措 置 される 以 前 は 市 町 村 の 普 通 交 付 税 で5 回 分 のみ 措 置 され それ 以 上 必 要 な 回 数 (14 回 程 度 )を 受 診 した 場 合 の 費 用 は 個 人 負 担 又 は 市 町 村 の 任 意 ( 出 所 ) 総 務 省 資 料 助 成 であった 平 成 20 年 度 第 2 次 補 正 予 算 により 市 町 村 で 妊 婦 の 健 康 管 理 の 充 実 と 53
経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 るため 必 要 な 回 数 の 健 診 を 受 けられるよう 地 方 財 政 措 置 が されていなかった 残 りの9 回 分 について 都 道 府 県 に 妊 婦 健 康 診 査 支 援 基 金 が 全 額 国 費 で 造 成 され 当 該 基 金 補 助 金 5 割 と 市 町 村 の 普 通 交 付 税 5 割 により 支 援 する 仕 組 み となり その 後 も 補 正 予 算 により 基 金 事 業 の 延 長 が 重 ねられてきた 28 今 回 の3 大 臣 合 意 により 妊 婦 健 康 診 査 支 援 基 金 を 活 用 した 国 庫 補 助 事 業 を 一 般 財 源 化 する(364 億 円 )とされ 平 成 25 年 度 以 降 は 14 回 分 の 費 用 を 全 て 市 町 村 の 普 通 交 付 税 で 措 置 する 恒 常 的 な 仕 組 みへ 移 行 する 予 定 である むすび 平 成 25 年 度 地 方 財 政 対 策 では 地 方 公 務 員 給 与 の 削 減 問 題 が 焦 点 となり 国 と 地 方 との 間 で 激 しいせめぎ 合 いが 展 開 され その 過 程 では 地 方 交 付 税 制 度 に 関 連 し 財 政 力 の 弱 い 団 体 ほど 影 響 が 大 きいことや 地 方 の 固 有 財 源 という 地 方 交 付 税 の 性 格 を 否 定 するといっ た 声 が 上 がった 今 回 の 対 応 では 地 方 交 付 税 制 度 が 国 の 政 策 目 的 を 達 成 するための 手 段 として 用 いられることがあり 得 ると 強 く 地 方 に 印 象 づけられ 制 度 に 内 在 する 問 題 が 浮 き 彫 りとなった 地 方 交 付 税 制 度 は 財 源 保 障 機 能 財 源 調 整 機 能 という 重 要 な 役 割 を 担 っ ている 一 方 様 々な 問 題 が 指 摘 されているが 地 方 の 固 有 財 源 としての 観 点 からは 国 税 5 税 の 法 定 率 分 の 交 付 税 特 別 会 計 への 直 接 繰 入 れ 29 地 方 共 有 税 制 度 の 導 入 等 30 の 提 案 もある 今 回 の 地 方 財 政 対 策 を 契 機 として 今 後 地 方 交 付 税 制 度 の 在 り 方 を 巡 る 議 論 が 活 発 化 することが 考 えられる また 毎 年 度 巨 額 の 財 源 不 足 が 発 生 し 地 方 の 安 定 的 な 財 政 運 営 に 必 要 となる 一 般 財 源 の 総 額 確 保 が 重 要 な 課 題 となる 中 今 回 の 地 方 財 政 対 策 においては 地 方 公 務 員 給 与 の 削 減 が 断 行 されたものの 給 与 削 減 額 に 見 合 った 事 業 費 が 歳 出 に 計 上 されるなど 最 終 的 に は 平 成 24 年 度 と 同 水 準 の 地 方 一 般 財 源 総 額 が 確 保 された ただし 今 回 は 特 別 会 計 の 剰 余 金 や 前 年 度 からの 繰 越 金 が 少 なく 財 源 確 保 が 困 難 だったため 平 成 24 年 度 の 地 方 財 政 対 策 で 3 年 間 で1 兆 円 活 用 することにしていた 公 庫 債 権 金 利 変 動 準 備 金 について 残 り 6,500 億 円 全 額 を 活 用 した 来 年 度 以 降 も 歳 入 歳 出 両 面 から 財 源 不 足 額 を 縮 小 するよう 努 力 を 続 け 税 収 が 安 定 的 な 地 方 税 制 度 を 構 築 するなど 幅 広 く 検 討 を 行 う 必 要 がある その 際 平 成 25 年 度 限 りとされた 地 方 公 務 員 給 与 削 減 問 題 が 再 び 焦 点 となる 可 能 性 もある が 新 藤 総 務 大 臣 は 今 後 の 国 地 方 の 公 務 員 給 与 の 在 り 方 については 地 方 の 参 画 も 得 て 検 討 していきたいとしている 国 と 地 方 の 信 頼 関 係 に 傷 をつけることのないよう 地 方 分 権 の 趣 旨 に 沿 った 協 議 が 期 待 される 28 平 成 20 年 度 2 次 補 正 790 億 円 平 成 22 年 度 1 次 補 正 111 億 円 平 成 23 年 度 4 次 補 正 181 億 円 ( 基 金 総 額 : 1,082 億 円 ) 29 地 方 財 政 審 議 会 今 後 目 指 すべき 地 方 財 政 の 方 向 と 平 成 25 年 度 の 地 方 財 政 への 対 応 についての 意 見 ( 平 25.1.18) 30 全 国 知 事 会 平 成 25 年 度 国 の 施 策 並 びに 予 算 に 関 する 提 案 要 望 ( 平 24.7.20) 54