映画がもたらす人々への影響 桐蔭学園高等学校アート カルチャーゼミ 皆さんは映画を見て笑ったり感動したりしことがあるだろうか この世界には約 200~3 00 万本ほどの映画があると言われている 人生 100 年時代と言われている今 娯楽として扱われている映画に触れる機会もあるだろう 私はその映画がその人の人生を大きく変えたり また分岐点になり得たりするかもしれないと思った そこで 私には一つの疑問が生まれた それは 映画には人になにか影響をもたらしてくれるのではないか という疑問だ 今回この探究活動を通してこの疑問を解決するためにインターネットやアンケート調査を行って検証していこうと思う 1. 背景 動機私は映画がとても好きである 今までジャンルを問わず多くの映画を見てきた 私自身物心ついたころから映画という存在に触れていた それは祖父母や両親が兄と私を連れてよく映画鑑賞に連れて行っていってくれたからだろう 映画館だけでなく DVD を購入し家で鑑賞することもあった そんな環境下で育ったからだろうか 映画は私にとって人生の一部といえる存在にまで成長していた しかし このことに気づいたのは最近のことである 今まで私は映画をただ娯楽のためにしか見ていなかった それは 面白そうだから見る 口コミがいいから見る 暇つぶしに見る といった単純な理由からだった そんな時に私は一本の映画に出会った その映画は 一人の女性を主人公としたコメディ映画だった 最初はあまり見る気が起きなくて流し見をしていた しかし 気づけば私はその映画に夢中になっていた この映画の主人公は容姿のことばかりを気にし 仕事もプライベートもうまくいかない人生を送っていた 私がこの映画を見たとき私自身 自分の容姿についてとても気にしていた 人からどう思われるか どうみられているかばかりを考えている自分がいた そんな自分にも嫌気がさしていた だからこそ 自分の状況が主人公に重なる部分もあり夢中になれたのかもしれない しかし 主人公はあるハプニングをきっかけに考え方が180 度変わりすっかり自信に満ち溢れた素敵な女性へと変わっていく 私はこの映画に元気と自信をもらい以前よりも考え方がよりポジティブになった 私がこの映画に元気をもらったように皆さんも映画に元気や勇気をもらったことがあると思う 時には感動して涙を流したりすることもあるだろう そこで私は映画には人々はどのような影響をもたらしてくれるのかという課題を設定し今回の探求に打ち込んだ 2. 目的 意義私は映画には人々に元気や勇気に限らず何かしらの影響を与えてくれると考える それは私の過去の経験から感じたことだ そこで私は 果たして映画が人々にもたらす影響は元気や勇気だけなのか 作品に感動して涙を流したり 時には怒りや葛藤を覚えたりすることがあると思うのだ 私自身 そのような経験を多くしてきた これらのことから映画がもつ最大限の力を調べるべきではないかと思った しかし映画に対して何かしらの影響を受けたことがある人が全員ではないだろう または映画というそ 1
のもの自体あまり好まない人もいるのではないかと思う そこで対象をなるべく絞らずに今まで生きてきた中で映画に影響を受けたことがあるのかそれともないのか それらを踏まえたうえで私は皆さんが思う映画に対する自分への影響をどのように考えているのかを知ることができるのではないかと思った 3. 方法図書館や本屋さんに行ってみたが私が求めていた情報が掲載されている本がなかったので インターネットを使用した またインターネットを使用する際には一つのサイトに絞るのではなく信憑性を確保するために数多くのサイトを参考にした 調べる内容としては 重要語句に設定した 映画の定義 映画のジャンル 映画に深いかかわりがあると考えられる アカデミー賞 の三つに焦点を当て調べることにした また 今年度受賞作品についても調べた そして 男女問わず100 人に対して 映画を見て自分の考え方やモチベーションに影響をうけたことがあるか 自分の心を震わした映画とはなにか という二つの質問を用意し SNS を利用しアンケート調査を行った その結果をパーセンテージに表しみやすく工夫した 4. 結果まず初めに重要語句に設定した 映画とは何か 映画のジャンル アカデミー賞 の三つについてインターネットを利用し分かったことを述べていきたいと思う 映画の定義まずこれまで映画についての私の考えを書いてきたが映画という存在を全く知らない人に 映画とは何か と聞かれたら何と答えるだろう 皆さんも一度考えてみてほしい ドラマの長編版 一つの作品を映像化したもの など人それぞれ答えは違うと思う 私自身 曖昧な答えしか見つけることができなかった そこで インターネットを利用し調べることにした 映画とはシナリオ 演出 カメラワーク 編集の四つの基本となる要素を組み合わせて制作されたものだ 聞き慣れている単語が並べられていると思う この説明を聞いてみると納得するがいざ答えようとしてみるとなかなか浮かび上がらない回答の一つでもあると思う 映画のジャンル次に映画のジャンルについてだ 皆さんは映画のジャンルが何種類あるかご存じだろうか アクション や ロマンス ホラー など知っているジャンルは数多くあると思う しかし 私は知っているジャンルはいくつかあるが全部で何種類あるのか具体的な数字を知らなかった そこで インターネットを利用し調べてみると全部で23 種類のジャンルに分けられることを知った 皆さんはこの数字に驚いただろうか 私は 驚いた なぜなら 23 種類ものジャンルに細かく分けられていると思わなかったからである アカデミー賞とは 2
最後にアカデミー賞についてだ この単語を皆さんも人生で一度は聞いたことがあるであるだろう テレビや雑誌 インターネットなど様々な場面でこの言葉を耳にしたり目にしたりしたことがあると思う そこで私は アカデミー賞という存在について調べることにした アカデミー賞とは映画芸術科学アカデミーが主催する映画賞のことである 1929 年に初めてアメリカ合衆国のロサンゼルス州で開催された また 優れた作品やその作品の制作関係者を対象としてアカデミー賞を受賞したものには労と成果を讃えるためにオスカー像が授与されることが分かった 今年度で第 92 回というとても長い歴史を持つアカデミー賞だが今回の受賞作品を皆さんは知っているだろうか それは パラサイト半地下の家族 である この写真 ( 作成者不明 ) は以下に基づいてライセンスが許諾されています : CC BY-SA 世間の間でも大きな話題として取り上げていて この作品は約一年以上もの間映画館でも上映されていた なぜ こんなにも大きく波紋を呼んだのか そこには要因が二つほどあると考えられる まずアカデミー賞の歴史を遡ってみると今までの受賞作品はすべてアメリカ映画だった しかし この映画は韓国映画 すなわち外国語映画である 長い歴史を持つアカデミー賞だが今回のように外国語映画が受賞したのは初めてのことである 歴史の中で 初めて の価値はとても大きいのだろう そして 国際長編映画部門にとどまらず 脚本部門 監督部門 アカデミー賞の中で最も名誉のある部門と呼ばれている作品部門を受賞し四部門を制覇したのだ これらが大きく波紋を呼んだ要因のひとつである また この作品はカンヌ国際映画祭パルムドール賞も受賞している 次に 二つ目の要因である この作品の見事な構成である 誰が見てもおもしろいと感じるこの作品 この作品は話のテンポが良く 鑑賞者を飽きさせないのである また 良い意味で想像していた結末とは全く異なる結末であるため思っていたものと全然違う映画だったと思うだろう そこに生まれた作品に対しての考えへのギャップと衝撃な結末が人々の心の中に強く余韻となって残るのだ また 作品の題材ともなっている貧富の格差や不平等 3
さは現代におけるタイムリーな問題となっている これらを題材にして制作したこともこの作品の強みだと分かった 続いて アンケート調査の結果についてだ 私は SNS を利用して現時点で高校二年生である男女問わず100 人に二つの質問を用意しアンケートを行った 一つ目は 映画を見て自分の考え方やモチベーションに影響をうけたことがあるのか という質問である 例として 映画を見て元気や勇気をもらったことがある 背中を押してもらえた 夢ができた 今やっていることをもっと頑張ろうと思えた などを挙げた 人によって感じ方や受け取り方は違うがあげた例などに少しでも共感できる人には はい を押してもらい 全く共感できない人には いいえ を 押してもらった アンケート結果 はい いいえ アンケート結果は はい が84% いいえ が16% という結果になった このアンケート結果から分かるように 映画には映画を見た人に元気や希望を与えたりすることができ時には人の心を切なくしたりする すなわち 人の心を動かすことができる力があると考えられる また映画にはその人自身がもともと持っていたものにプラスして感情や考え方の幅を広げることができるものである マイナスな考え方を基本として生きていた人が映画をみてから少し物事に前向きな考え方をもって取り組めるようになったなど人は人との出会いで変わっていくように映画との出会いも人を変えるものだと思っている 映画には映画を見たその人の人生をより豊かに充実させることができるのだ それは 普段何気なく過ごしている毎日に少しでもアクセントを加え 色付けができる存在ということがこれらの結果から分かったからである 二つ目は 今まで見てきた映画の中で自分の心を最も震わせた作品について のアンケートを行った その中から最も声が多く集まった作品は ワンダー君は太陽 という作品である この作品は2017 年に公開されたアメリカ映画である 2012 年に発表された ワンダー という小説を原作としドラマ映画となっている 世界規模で大きな問題となっている いじめ を題材 4
としそれを克服し成長していく少年を主人公としたストーリーである この作品以外にも多くの作品を答えて頂きとても有意義なアンケート結果を得ることができた 5. 考察結果で述べたように映画には映画を見た人の人生をより豊かに充実させる力があることが分かった それは普段何気なく過ごしている毎日に少しでもアクセントを加え 色付けができる存在であるからだろう 今まで映画を見ることをただ娯楽としてしか考えていなかった私がこの探求を通して映画の真の存在理由 その核について触れられることができたと思っている たしかに 娯楽であることに間違いはなくそのことを否定しているわけではない その娯楽から得られるものは思っている以上に多くそして深いだろう その事実に気づくことができたのだ これから先 今まで以上に数多くの作品に触れることができるのだろう そのたびにその映画から何かを学び 成長できるのだ 6. まとめ 今後の展望映画という存在に対して様々な意見を持っていると思う それは良いイメージや悪いイメージなど人によってちがうはずだ しかし 私は今回の探求活動を通して映画には映画を見ることで自分の中の考えが広がり様々な角度から物事を客観視できるようになるということを可能にしてくれるということが分かった また 考え方だけではなく起こった出来事に対して感じる感情の幅やレパートリーが幅広くなると考えられた これらのほかにも 映画を見ることで他国の文化や言語に触れることができる状況が生まれたり 主人公の性格が自分の理想とする人間像であったりすることがあるだろう そこで 今の自分が持ち合わせている知識や考えにプラスして引き出しを増やすことができると思う そこから 新たな夢を発見したり 背中を押され勇気を出し一歩踏み出したりする人もいるだろう 要するに 映画には人の人生そのものを変えることのできる大きな力があることが分かった その力がどの程度発揮されるかは人によって異なるとは思うが 少しでも響く何かがあるだろう 今回は私が興味を持っていた映画に焦点を当て探求の課題に設定した そこで 同じ映像であり日本が誇れる文化の一つでもあるアニメについてこれからは探求していきたいと思う 全世界の中でも多くの人に愛され 支持されている作品を多く輩出してきた日本の技術にもとても興味があるからだ なぜ多くの人は日本のアニメを愛すの 参考文献 <WEB >http://kotobank.jp/word/ 映画 -35807( 閲覧日 2020 年 10 月 20 日 ) <WEB >https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ 映画のジャンル ( 閲覧日 2020 年 10 月 20 日 ) <WEB>http://kotobank.jp/word/ アカデミー賞 -24361( 閲覧日 2020 年 10 月 20 日 ) < 画像 > httpw://ww.parasite-mv.jp/ 画像 パラサイト半地下の家族 オフィシャルサイトより 5