事 例 研 究 木 下 知 己 小 売 店 立 地 計 画 の 新 しい 考 え 方 1.はじめに 大 規 模 小 売 法 ( 大 店 法 ), 小 売 商 業 調 整 特 別 措 置 法 ( 商 調 法 )が 改 正 され, 本 年 5 月 14 日 から 施 行 されること になった.この 度 の 改 正 は, 小 売 業 分 野 におけるスーパ 一 等 の 大 型 中 型 店 と 地 元 商 店 街 との 間 で 激 化 している 出 店 紛 争 を 防 止 するのが 目 的 で, 大 店 法 は, 昭 和 49 年 施 行 以 来 初 改 正, 商 調 法 は, 昭 和 34 年 制 定 以 来 4 度 目 の 改 正 である. 今 回 の 改 正 は, 大 店 法 が 中 心 で, 届 け 出 面 積 を 500m 2 以 上 ( 現 行 1500m 2 以 上, 10 大 都 市 は 3000m 2 以 上 )と 下 げて 中 型 ι 店 についての 規 制 も 網 羅 するように なっている. 一 方, 商 調 法 は, 大 店 法 対 象 外 の 小 型 店, 小 売 市 場 の 調 整 にとどめていて, 大 店 法 とは 分 担 を 明 確 にし, 紛 争 2 未 満 を 都 道 府 県 知 事 とし, 1500m 2 以 上 は 知 事 経 由 通 産 大 臣 として, 知 事 の 権 限 を 強 め, 地 域 的 な 性 格 を 強 く 出 し ている. このように 新 規 小 売 店 の 出 店 に 対 して, 地 域 単 位 の 調 整 を 明 確 にしているのは,その 地 域 における 都 市 の 円 滑 な 運 営 を 第 ーとして 地 元 商 店 街 との 共 存 協 調 および 消 費 者 利 益 の 追 求 を 推 奨 し, 地 域 住 民 の 利 益 拡 大 を 願 望 して いるものである. 過 去 の 出 店 経 緯 をみると, 当 初 は 地 元 商 店 街 の 保 護 が 前 面 に 出 て 地 域 エゴ 的 な 性 格 をもっていて, 何 がなんで も 阻 止 するとしづ 構 えが 見 られた.その 後 消 費 者 側 から の 要 求 が 出 るようになって, 地 域 中 に 賛 否 両 論 が 沸 騰 し, 行 政 サイドの 介 入 が 余 儀 なくされてきた. ここでは, 出 店 計 画 者, 地 元 商 店 街, 消 費 者 等 が,そ れぞれの 立 場 からその 地 域 における 大 型 店 規 模 の 可 能 容 量 や 必 要 容 量 および 消 費 者 利 益 の 追 求 等 を 盾 に 取 って 論 陣 をはり, 調 整 がつくまで 長 期 間 を 要 するのが 常 であっ た. 今 回 の 大 店 法, 商 調 法 の 改 正 が, これらの 紛 争 解 決 にどのような 成 果 をもたらしてくれるか 非 常 に 期 待 され るところである. さて, 合 意 を 得 るためのレールは 以 上 のように 敷 かれ たものの,まだ 同 一 土 俵 上 で 論 議 するには 未 定 の 部 分 が 数 多 くみられる.たとえば, 地 元 商 店 街 のサーピス 提 供 能 力 はいかほどか, 新 規 の 出 店 は 地 元 商 店 街 にどの くらい 影 響 を 及 ぼすか,また 消 費 者 の 利 益 は 出 店 前 と 後 ではどのように 変 化 しそうかなど 三 者 三 様 の 利 害 は 依 然 として 存 在 する.さらに 商 圏 や 商 圏 人 口 の 設 定 や 消 費 者 ニーズの 多 様 化 に 対 するサーピスはどうなっているかな ど, 非 常 に 多 くの 解 決 しなければならない 問 題 を 残 して いる. そこで, 本 レポートでは 前 記 出 店 計 画 者, 地 元 商 店 街, 消 費 者 および 行 政 サイドそれぞれの 立 場 から 適 正 な 出 店 および 配 置 計 画 をどのように 立 案 したらよいかケー ス スタディを 踏 まえ 検 討 したものである. 基 本 的 な 考 え 方 大 型 店 の 出 店 にあたって, m 2 当 り 人 口 5 "-'10 人 とか 売 場 面 積 シェア 26.12.%( 小 売 総 面 積 に 対 して) 等 の 数 値 が 取 り 沙 汰 されケースバイケースの 利 用 の 仕 方 が 見 られ る.また, 商 圏 および 商 圏 人 口 は, 行 政 サイドや 商 工 会 議 所 あるいは,ほうぼうの 民 間 機 関 によってまちまちの 設 定 を 行 ない,それぞれの 立 場 で 異 なった 分 析 を 行 なっ ている. 前 者 の 場 合, 既 存 小 型 店 の 規 模 を 無 視 しすぎて いる. つまり,その 地 域 の 商 業 施 設 の 調 和 を 考 える 時, 小 型 店 の 総 売 面 が 大 きいと 大 型 中 型 店 の m 2 当 り 人 口 や 売 面 シェアは 低 くおさえる 必 要 があるし, 逆 に 小 型 店 の 総 売 面 が 小 さいと 高 くする 必 要 がある. 後 者 の 場 合 は, 商 圏 が 商 業 施 設 の 立 地 後 に 結 果 として 決 まってくるものを 官 頭 からまちまちに 設 定 して, 大 型 店 許 容 量 をそれぞれ 導 き 出 そうとしている.これは, 論 議 の 前 提 を 不 定 に し, 結 果 の 妥 当 性 を 不 明 確 にしていると 考 えられる.こ れら 二, 三 の 例 にみられるよ うに 未 だ 不 明 瞭 な 部 分 は 多 く, 合 意 を 得 て 調 整 がはかどるまでは,かなりの 時 間 を 要 するものと 思 われる. 1 979 年 5 月 号
民 接 地 区 (~W;) 間 の 時 間 距 鑑 本 レポートは, 以 上 を 鑑 み, 出 店 計 画 者, 地 元 商 店 街, 消 費 者, 行 政 サイドそれぞれの 立 場 の 目 標 を 定 め,それの 実 現 性 を 考 え, 立 場 別 の 目 標 をつぎのように 設 定 して 行 なう. 出 店 計 画 者 ( 目 標 ) 最 適 な 位 置 と 規 模 一 一 既 存 の を 考 慮 した 共 存 協 調 型 の 位 置 と 規 模 地 元 商 店 街 ( 目 標 ) 新 規 出 店 による 影 響 一 一 新 規 の 出 店 に 伴 う 既 存 の 売 上 見 込 数 および 坪 効 率 の 変 動 消 費 者 ( 目 標 ) 買 物 時 間 コストの 変 動 一 一 消 費 者 が 買 物 のために 費 やす 時 間 コストの 変 動 行 政 サイド ( 目 標 ) 適 正 な 配 置 計 画 一 一 上 記 (i) (iii) の 便 益 を 考 慮 して, 適 正 な 配 置 計 画 の 検 討 以 上 から, 既 存 への 需 要 を 優 先 し, 消 費 者 の 買 物 時 間 コストが 最 小 になるような 新 規 の 位 置 選 定 と 規 模 の 算 出 を 行 ない,そのうえで 結 果 の 妥 当 性 を 検 討 す る. 考 え 方 の 流 れをつぎに 示 す. 新 規 の 位 置 の 選 定 l 新 規 の 規 模 の 決 定 l 既 存 店 および 新 規 のサーピス 人 口 町 算 出 注 ) 心 サービスの 効 率 性 的 の 検 討 i *い 売 上 見 込 数 に 相 当 する. 本 2 : 坪 効 率 に 相 当 する. 図 1 (コメ γ ト) 既 存 の 調 査 および 新 規 候 補 地 点 の 抽 出 を 行 なう. 既 存 および 新 規 候 補 地 から 全 地 区 ( 集 落 ) への 最 短 時 間 距 離 の 算 出 を 行 なう. 既 存 の 規 模 を 大 型 中 型 および 小 型 店 を 含 め た 全 小 売 店 より 設 定 する. 買 物 時 間 コストを 最 小 とするような 新 規 1 地 点 を 選 定 する. 混 合 整 数 計 画 法 (Mixed Method) による 解 法 を 行 なう. 既 存 と 新 規 1 を 含 めた 全 で 潜 在 需 要 を 算 出 して,その 中 から 新 規 のサーピス 容 量 ( 規 模 )を 決 定 する. 新 規 のサービス 容 量 をセットして, 全 の サービス 人 口 ( 売 上 見 込 数 )を 算 出 する. vii) サービス 容 量 に 対 するサーピス 人 口 の 割 合 ( 坪 効 率 )を 算 出 する. 具 体 的 な 方 法 具 体 的 にはつぎのフローチャートに 従 って 行 なう. ( 図 1 ケース スタディ 前 提 ケース スタディとして, 東 西 に 約 7 km, 南 北 に 約 オベレーションズ リサーチ
10km 拡 がるモテ.ル 地 域 について 実 施 する.ここは, 人 口 10 万 強 で 50 地 区 ( 集 落 )から 成 り, 鉄 道 がほぼ 南 北 に 縦 断 している. また, 小 売 店 は 総 売 場 面 積 39000m 2 でそのうち 大 中 型 店 は 25.6% の 10000m 2, 小 型 店 ( 一 般 )は 74.4% の 29000 m 2 となっている. 既 存 の 商 店 街 は, 11 地 区 ( 集 落 )に 分 布 し, 新 規 の 立 地 候 補 地 点 も 11 地 区 ( 集 落 )が 挙 げられて いる.これらの 候 補 地 はすべて 無 限 大 の 容 量 をもってい る.そして 買 物 客 はできるだけ 近 い に 買 物 にゆくと し, 本 アプローチを 解 りやすく 説 明 するために 下 記 のケ ースについて 行 なう. イ) 大 型 中 型 店 および 小 型 店 は 一 括 して 取 扱 う. ロ) 最 寄 品 および 買 回 品 は 一 括 して 取 扱 う. ハ) 小 売 店 支 持 人 口 は 2 人 1m 2 とする. (γ26.12 (5""'-'10) 人 Im 2 = 3""'-'2.6) 人 1m2) 村 ニ) 買 物 にゆくために 費 やすコストは 3 円 / 分 とする. ホ) 買 物 の 回 数 は 4 人 家 族 の 標 準 世 帯 が 4 回 / 週 とす る. 地 域 および 範 囲, 地 区 ( 集 落 ) 間 時 間 距 離 ならびに 地 区 ( 集 落 ) 別 人 ロ, 既 存 の 位 置 と 規 模, 新 規 候 補 地 点 をつぎに 示 す. 注 ) 12%は, 松 本 商 工 会 議 所 がランチ 且 スタ 一 法 則 を 適 用 して 導 出 した 大 型 店 売 面 ンェア, 10) 人 は 日 本 マーケテ ィン グセンターの 大 型 店 支 持 人 口 の 数 値 ( 船 井 孝 雄 著 小 売 法 則 J 4.2 結 果 下 記 の 条 件 に 則 って 新 規 を 決 定 する. より) サーピス 容 量 ( 規 模 )は 潜 在 需 要 量 に l 割 前 後 の 余 力 をもたせて 設 定 する. (サービス 容 量 キ1. 1 X 潜 在 需 要 量 ) お 抑 O 吻 Mれ 問 似 とほ い 設 (どこカかミリ1 つの 既 存 ( 新 規 に 開 設 される も 含 む)の 効 率 が 5 叩 0% 以 下 になると 新 規 開 設 をとり やめる) その 結 果 は 表 1 のとおりである. このうち 最 材 の 4 地 区 ( 集 落 ) 1002, 1047, 1006, は 鉄 道 の 北 側 に 位 置 し, 総 面 積 は 23500m 2 になる. これをサービス 容 量 ( 面 積 小 売 店 支 持 人 口 )に 換 算 すると 47000 人 となり, 北 側 の 総 人 口 52610 人 の 89. 3%で 約 9 割 にあたる. 既 存 のサービス 容 量 は 18000 人 ( 総 人 口 の 34.2%) でその 約 2.6 倍 である.このように 新 規 店 舗 への 依 存 度 が 非 常 に 高 くなっている. また, 新 規 開 設 を 加 えて 改 めて 小 売 店 支 持 人 口 を 計 算 するとつぎのようになる. 北 側 小 売 店 支 持 人 口 = 北 側 総 人 口 既 存 面 積 十 一 ー 52610( 人 ) ( 人 1m2) 一 方, 南 側 の 開 設 地 区 ( 集 落 ) 1011 は 3000m 2 でサービ ス 容 量 6000 人 となり, 総 人 口 48410 人 の 12.4% である. 既 存 のサーピス 容 量 60000 人 ( 総 人 口 の 123.9%) が 高 いため 新 規 への 依 存 度 は 非 常 に 小 さくなっている. さらに 小 売 店 支 持 人 口 はつぎのようになる. 48410( 人 ) 南 側 小 売 店 支 持 人 口 = 47( 人 1m2) ちなみに 南 北 合 せた 小 売 店 支 持 人 口 はつぎのとおりで ある. 101020( 人 ) 小 売 店 支 持 人 口 = 54( 人 1m2) この 意 味 は, 当 初 小 売 店 支 持 人 口 を 2.00( 人 1m2) と 設 定 し, 既 存 ( 新 規 に 開 設 される も 含 む)の 効 率 を 50% 以 上 と 制 限 して, 消 費 者 の 利 益 を 最 大 とする( 買 物 時 間 コストの 減 少 ) 新 規 の 開 設 を 試 みたら 小 売 店 の 支 持 人 口 が 1.54( 人 1m2) と 小 さくなることを 表 わして いる.これは, 既 存 の 配 置 が 消 費 者 の 分 布 に 適 合 し ているかどうかが 影 響 している もので, 一 概 に 総 量 ( 総 売 面 )だけを 取 り 上 げて 新 開 設 の 是 非 を 決 定 できな いことを 物 語 っているものといえよう. つぎに 平 均 買 物 時 間 コスト ( 円 / 人 年 ) は 開 設 }I 原 2 番 目 の 1047 地 区 ( 集 落 )から 5 番 目 の 1011 地 区 ( 集 落 )までに 1663 円 ( =3612 ー 19 49), 100) 軽 減 さ れて 消 費 者 の 利 益 はかなり 増 大 されている. 一 方, 既 存 ( 新 規 に 開 設 される も 含 む)の 平 均 効 率 性 は95.3 %から 77.1%ヘダウンし, 最 低 地 区 ( 集 落 )の 効 率 性 も 77.1%から 58.4%へ 下 り, 地 元 商 店 街 はその 分 不 利 益 を 被 っている. 開 設 }I 頂 ( 2 から 5 まで)に 従 って, 新 規 および 既 存 のサーピス 人 口 の 変 化 をつぎに 示 す. 表 1 新 規 開 設 地 区 ( 集 落 )および 規 模 5. まとめ 開 設 順 開 設 地 区 制 ) 竺 Lpl i 吋 ω06 1 - 扇 面 )! i Jiip ~I 州 一 両 1 979 年 5 月 号 本 レポートは, 既 存 のハ フモテ.ル 等 の 引 力 モデルで 実 施 されてきた ミグ ロ 的 な 消 費 者 行 動 を 考 慮 した 規 模 の 決 定 方 法 と 違 って, マク ロ 的 に 総 消 費 者 の 買 物 時 間 コスト を 最 小 とするような 立 地 点 および 規 模 の 決 定 を 行 なお う
としている. 前 者 の 考 え 方 では 限 定 の 商 圏 内 で 過 去 にお ける 買 物 OD のパターンを 初 期 値 として, 新 規 の 出 店 に おける 消 費 者 行 動 の 変 化 を 踏 まえ 予 測 を 行 ない 規 模 の 決 定 をしている. この 中 で, 要 は 商 聞 を 固 定 し, 買 物 OD を 固 定 して, 新 規 出 店 に 伴 う 商 圏 の 変 化 および 買 物 行 動 の 変 化 を 十 分 に 把 握 したモデルの 挙 動 を 示 しているかどうかが 大 きな ポイントである.まして, 商 圏 および 商 圏 人 口 の 設 定 が まちまちだと 結 果 は 不 明 確 である. 一 方, 後 者 ( 本 レポート)のやり 方 だと 個 々の 消 費 者 の 行 動 は 完 全 に 無 視 し,あくまで, 買 物 時 間 コストが 最 小 となるような 小 売 店 の 配 置 を 考 え,. それの 過 不 足 分 のと ころへの 立 地 を 決 定 しようとしている.これの 理 由 とし ては, 前 提 で 消 費 者 は 一 番 近 いところに 買 物 にゆく 時 に 最 高 の 利 益 を 受 けると 設 定 しているためである.ただ, 前 者 の 場 合 商 圏 の 設 定 が 妥 当 で 消 費 者 行 動 に 急 激 な 変 化 が 起 こりそうにないところであれば,かなりの 好 結 果 が 得 られようし, 後 者 の 場 合 は 前 者 とまったく 逆 で 商 圏 の (JU"リ) 1 0 削 7:H:;i:H: Q, 貨 物 IL~I:: J( 分 ) 地 区 I,..., 人 口! 面 積 ( 集 落 ) ( 人 ) 1 番 号 i?な な 重 量 : J 也 淵 店 街, 1000 人 9 6 〆 φ 公 : 附 110 也 す,. 地 区 ( 終 了 存 ) 帯 号 セー セ?な?な せヱ 会 図 2 モテ' ル 地 域 図 オ ベ レ ー シ ョ ンズ リ サ ー チ
表 2 新 規 開 設 の 内 訳 開 設 11 国 開 設 地 区 ( 集 落 ) 番 号 規 模 潜 在 需 要 ( 人 ) 17ωo サー ピス 容 量 ( 人 ) 総 サービス 容 量 ( 人 ) 平 均 買 物 時 間 コスト( 円 / 人 年 ) i 抑 1 1 効 平 均 性 II(%) 注 ) ; 参 考 ( 開 設 とりやめ) 設 定 が 困 難 で, 新 規 の 及 ぼすインパクトにかなりの 影 響 が 出 そうなところには, 有 効 な 成 果 が 得 られるとい える. ケース スタディで 採 用 した 地 域 は 既 存 の 商 業 施 設 規 模 だけでは 不 足 で( 小 売 店 支 持 人 口 を 2 人 1m 2 として ) 新 規 の 施 設 需 要 および 商 業 活 動 の 変 革 がかなり 期 待 された ため, 上 記 で 述 べた 後 者 の 特 徴 は 十 分 生 かされ 満 足 な 結 果 が 得 られた. 大 型 中 型 店 の 進 出 で 商 業 地 図 が 大 きく 変 わりそうな 地 域 においては,このようなアプローチは かなり 有 効 と 思 われる. また, 立 地 計 画 者 側 から 視 て 必 修 と 思 われる 初 期 投 資 コストおよびランユングコストのパランス, 大 型 中 型 店 および 小 型 店 の 区 別, 最 寄 品 および 買 回 品 の 区 別,あ るいは 小 売 店 支 持 人 口 や, 買 物 時 間 コストについての 種 種 の 設 定,また 居 住 地 ベー ス の 他 に 勤 務 地 ベースあるい は ミ ックスしての 扱 い 等 は 本 レポートで 考 慮 しなかった が,これらへの 試 みも 必 要 であり,これらも 本 アプロー の 扱 いで 容 易 に 実 現 可 能 である. 最 後 に, 行 政 サイドでは,どの 段 階 まで 新 規 の 開 設 を 認 めるかどうかに 論 点 は 集 中 するが,この 時 も 立 地 計 画 者 ( 採 算 がとれるかどうか ), 地 元 商 店 街 ( 効 率 が 落 ちるかどうか), 消 費 者 ( 買 物 時 聞 が 短 縮 されるかどう か)それぞれの 評 価 を 行 ない, 不 利 益 をできるだけ 小 さ くおさえ, 利 益 を 最 大 とするような の 開 設 を 考 え る 必 要 があろ う. 6. おわりに 本 モテ.ルの 特 徴 を 列 挙 すると 下 記 のようになる. 本 モデルは, 経 験 の 有 無 にかかわらず 誰 にで も 容 易 に 作 成 でき 同 ーの 結 果 を 得 ることができる. 本 モデルを 作 成 するにあたって, 消 費 者 行 動 を 把 撞 するための 調 査,たと えば アンケ ート 調 査 等 の 結 果 を 必 要 とせず, 既 存 のデータで 間 に 合 う. 計 算 の 途 中 に 人 が 介 在 し, 数 値 の 選 択 等 の 判 断 を チの 中 でパラメータを 変 えるとか 若 干 のモデル の 修 正 等 下 すところがなく, 人 によるばらつきが 発 生 しない 一 一 : 総 サ ー ビス 谷 量 ( 人 ) トー 一 一 喝 : 平 均 買 物 時 間 コス ト( 円 / 人 年 ) a 一 一 一 : 平 均 効 率 悦 (% ) 一 一 - x k~h\ 効 率 性 (% ) Il fj 設 数 つ J 6 判 図 3 新 規 開 設 に 伴 う 諸 指 標 の 変 動 注 ) ネ 4 ;: 参 考 ( 開 設 とりやめ) 1979 年 5 月 号
2 開 設 のケ ー ス 3 開 設 のケ ー ス 既 存 新 規 地 区 ( 集 活 ) サービス 人 口 2 ( 人 ) 地 区 ( 集 落 ) 既 存 l ~ l 新 規 J ~~?~ く 1047 1 10 o サービス 人 口 2 OO( 人 ) 4 開 設 のケース 5 開 設 のケース 地 区 ( 集 落 ) 10 o サービス 人 口 2 ( 人 ) 地 区 ( 集 落 ) 既 存 1 ~~~~ 1, 新 規 ~ 1 10 o サ ー ピス 人 口 2 ( 人 ) ( 九 例 ) ~ 一 一 サ ー ビス 人 口 可 正 一 サービス 谷 量 図 4 各 のサーピス 人 口 の 変 動 注 ) サーピス 人 口 は 売 上 見 込 数 に 相 当 し,サーピス 容 量 は 規 模 に 相 当 する. ため, 出 てきた 結 果 は 非 常 に 明 瞭 で ある. 出 てきた 結 果 は, 未 経 験 者 にも 加 工 しないでその まま 理 解 できる. 考 え 方 が 単 純 であるためモデルの 構 造 を 誰 でも 短 時 間 にマスターでき, 結 果 の 検 討 段 階 において 十 分 生 かすこ とができる. パラ メータの 変 更 やそテ. ルの 若 干 の 修 正 等 は 容 易 に 可 能 である. モテ. ルの 作 成 から 結 果 を 得 るまでの 期 間 が 短 く, 費 用 も 安 く て 非 常 に 実 用 的 である. 本 モテ.ルの 混 合 整 数 計 画 法 の 計 算 は, ( 株 ) 三 菱 総 合 研 究 所 で 独 自 に 開 発 したプログラム CFLP Planner) 判 で 行 なったものである. *6: 反 町 洋 一 稿 配 送 セ ンターの 最 適 配 置 j 一 数 理 科 学 昭 和 45 年 11 月 号 を 参 照 されたい. (きのした ともき 三 菱 総 合 研 究 所 ) 立 地 計 画 者, 地 元 商 店 街, 消 費 者 それぞれの 便 益 が 定 量 的 に 把 憧 て'きる. 定 量 的 な 数 値 にもとづいた 結 果 の 検 討 ができるた め, 立 地 計 画 者, 地 元 商 店 街, 消 費 者 および 行 政 サ イド で 納 得 のし く 合 意 が 得 やすい. オベレ ー ションズ リサーチ