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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

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(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

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2000 年 12 月 輸 出 の 減 速 によりテンポはやや 鈍 化 しているものの 緩 やかな 回 復 を 続 けている 2001 年 1 月 緩 やかな 回 復 を 続 けているが そのテンポは 輸 出 の 減 速 により 鈍 化 している 2001 年 2 月 緩 やかな 回 復 を 続 け

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

土 購 入 土 借 用 土 所 有 権 移 転 登 記 確 約 書 農 転 用 許 可 書 ( 写 ) 農 転 用 届 出 受 理 書 ( 写 ) 土 不 動 産 価 格 評 価 書 土 見 積 書 ( 写 ) 又 は 売 買 確 約 書 ( 写 ) 土 売 主 印 鑑 登 録 証 明 書 売 主

定款  変更


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注 記 事 項 (1) 四 半 期 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 無 (2) 会 計 方 針 の 変 更 会 計 上 の 見 積 りの 変 更 修 正 再 表 示 1 会 計 基 準 等 の 改 正 に 伴 う 会 計 方 針 の 変 更 : 無 2 1

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

第1章 財務諸表

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社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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代 議 員 会 決 議 内 容 についてお 知 らせします さる3 月 4 日 当 基 金 の 代 議 員 会 を 開 催 し 次 の 議 案 が 審 議 され 可 決 承 認 されました 第 1 号 議 案 : 財 政 再 計 算 について ( 概 要 ) 確 定 給 付 企 業 年 金 法 第

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

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その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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(4) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている.

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損 益 計 算 書 ( 自 平 成 23 年 4 月 1 日 至 平 成 24 年 3 月 31 日 ) 金 額 ( 単 位 : 百 万 円 ) 売 上 高 99,163 売 上 原 価 90,815 売 上 総 利 益 8,347 販 売 費 及 び 一 般 管 理 費 4,661 営 業 利 益

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 2 年 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものです ( 単 位 : ) 3 職 員 の 平 均 給 与 月

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別紙3

注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

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Ⅰ.2015 年 度 (2016 年 3 月 期 ) 決 算 概 要 1

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最 近 5 期 の 運 用 実 績 決 算 期 基 準 価 額 期 中 騰 落 率 公 社 債 組 入 比 率 純 資 産 総 額 円 % % 百 万 円 36 期 末 (2011 年 11 月 19 日 ) 3, 期 末 (2012 年 11 月 19 日

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経 常 収 支 差 引 額 の 状 況 平 成 22 年 度 平 成 21 年 度 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 4,154 億 円 5,234 億 円 1,080 億 円 改 善 赤 字 組 合 の 赤 字 総 額 4,836 億 円 5,636 億 円 800 億 円 減

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技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

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資料1:勧告の仕組みとポイント 改【完成】

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

Transcription:

円 安 はどこまで 進 むのか 2012 年 12 月 の 安 倍 政 権 発 足 以 降 進 行 する 円 安 が 輸 入 価 格 を 上 昇 させている 当 初 円 安 は 輸 出 拡 大 による 景 気 回 復 が 期 待 されたが 現 状 では 輸 出 量 は 緩 やかな 拡 大 にとどまっている その 理 由 と して 輸 出 企 業 が 円 高 期 に 生 産 拠 点 を 海 外 に 移 したことで 現 地 生 産 が 進 み 日 本 からの 輸 出 が 伸 びに くいという 構 造 変 化 が 指 摘 されている 逆 に 円 安 は 輸 入 価 格 上 昇 によるコスト 増 加 をもたらし 企 業 の 収 益 環 境 を 悪 化 させる 弊 害 が 目 立 ってきた 基 本 的 に 為 替 レートは 二 国 間 の 通 貨 の 交 換 比 率 である また 為 替 レートの 決 定 にはさまざまな 要 因 があり その 決 定 理 論 や 仮 説 も 多 く 唱 えられている 例 えば それぞれの 国 の[1]インフレ 率 や 物 価 水 準 [2] 経 常 収 支 [3] 市 場 に 流 れるマネーの 量 ( 貨 幣 供 給 量 ) [4] 金 融 資 産 残 高 [5] 金 利 [6] 労 働 生 産 性 などが 要 因 として 有 名 であろう 上 記 の 各 要 因 は [1]が 購 買 力 平 価 説 [2]が 弾 力 性 アプ ローチ [3]がマネタリー アプローチ [4]がアセットアプローチ [5]が 金 利 平 価 説 [6]がバラッ サ=サムエルソン 理 論 といった 理 論 仮 説 に 対 応 する 現 実 には 特 定 の 決 まった 決 定 理 論 があるわけではなく その 時 々によって 今 回 は[1]が 当 ては まる 今 回 は[5]が 当 てはまる などと 考 えていくことになる しかし いずれにおいてもベンチマ ークとなるのは[1]の 購 買 力 平 価 説 (PPP)である PPP は 同 じ 商 品 サービスであれば 同 じ 価 格 となる という 一 物 一 価 の 法 則 を 原 則 としており 長 期 的 なトレンドを 示 しているとされる 短 期 的 にみると 為 替 レートは PPP から 乖 離 することも 多 いが これまでの 研 究 では 概 ね 2 年 ~3 年 程 度 で PPP が 示 す 理 論 値 に 現 実 の 為 替 レートは 収 斂 する 2014 年 12 月 には 1 ドル=121 円 台 ( 東 京 市 場 終 値 )をつけたが 現 在 の 円 ドルレートはどの 程 度 まで 円 安 が 進 む 可 能 性 があるのだろうか PPP は 国 内 外 でさまざま 機 関 が 計 測 しているが どの 物 価 指 標 を 使 用 するかが 問 題 となる 一 般 的 には 企 業 物 価 や 消 費 者 物 価 が 使 われるが 公 益 財 団 法 人 国 際 通 貨 研 究 所 によると 企 業 物 価 に 基 づくPPPは1ドル=99 円 消 費 者 物 価 に 基 づく PPP は 1 ドル=129 円 と 試 算 している つまり 理 論 的 には 円 ドルレートは 99 円 ~129 円 の 範 囲 であればファンダメンタ ルズに 基 づいた 為 替 レートとして 説 明 可 能 であるといえる もちろん 今 後 の 日 本 と 米 国 における 金 利 やインフレ 率 の 動 向 により 理 論 値 も 変 動 するが まだ 円 安 水 準 は 上 限 に 達 したとは 言 えない 状 況 で あろう ( 撞 球 者 ) 1

地 域 銀 行 への 思 い 年 賀 状 のやりとりを 前 職 の 上 司 と 続 けている 90 年 代 後 半 に 銀 行 を 退 職 する 直 前 北 関 東 の 支 店 で 融 資 係 として 勤 務 していた 当 時 の 複 数 の 恩 師 である 年 賀 状 に 印 刷 された 恩 師 の 写 真 や 筆 跡 をみると 融 資 係 全 員 で 深 夜 まで 監 督 当 局 向 け 資 料 を 作 成 した 苦 労 などを 思 い 出 す この 銀 行 は 2000 年 を 目 前 に 経 営 破 たんした 支 店 と 顧 客 はエリアごとに 受 け 皿 銀 行 へ 承 継 された が 待 遇 を 懸 念 して 多 くの 行 員 は 銀 行 を 去 った 私 が 勤 務 していた 支 店 の 融 資 係 も 全 員 同 様 の 道 を 選 んだ 1940 年 代 初 頭 新 潟 県 を 地 盤 として 同 銀 行 は 設 立 された 戦 後 の 復 興 から 高 度 経 済 成 長 期 にかけて 地 域 に 根 ざした 金 融 機 関 として 使 命 を 果 たしたほか 県 外 にも 店 舗 網 を 整 備 して 県 内 の 顧 客 ( 法 人 個 人 )が 首 都 圏 に 進 出 する 際 の 架 け 橋 となった ところがバブル 期 に 転 機 を 迎 えることになる 県 内 で 集 めた 預 金 の 運 用 として 県 外 の 複 数 の 大 型 開 発 事 業 (ゴルフ 場 など)への 融 資 を 実 施 その 後 大 口 融 資 が 不 良 債 権 化 自 己 資 本 比 率 の 水 準 に 鑑 み 当 局 が 早 期 是 正 措 置 を 発 動 した 年 に 同 銀 行 は 経 営 破 たんした それから15 年 あまりが 経 った 地 域 銀 行 を 取 り 巻 く 経 営 環 境 はどのように 変 化 したことだろうか 融 資 面 では 中 小 企 業 金 融 円 滑 化 法 や 同 法 期 限 到 来 後 のいわゆる 暫 定 リスケが 続 くなか 元 本 返 済 猶 予 により 金 利 のみを 支 払 い 抜 本 的 な 経 営 改 革 が 進 んでいない 企 業 は 少 なくないとみられる 預 金 面 では 将 来 相 続 により 金 融 資 産 が 地 方 から 大 都 市 へ 移 動 するという 地 域 銀 行 の 経 営 基 盤 を 揺 るがし かねないシミュレーションが 各 方 面 から 出 されている このような 環 境 のもと 連 携 経 営 統 合 といった 地 域 銀 行 の 再 編 に 関 わる 動 きが 活 発 化 している 地 域 に 対 する 思 い 他 行 との 統 合 への 不 安 など 現 場 の 行 員 の 気 持 ちは 手 に 取 るように 分 かる 銀 行 自 体 の 生 き 残 りも 大 切 だが 地 域 への 貢 献 という 理 念 が 担 保 されていくことを 願 う ( 週 末 高 崎 線 ) 2

箱 根 駅 伝 の 影 響 正 月 のスポーツの 代 名 詞 と 言 えば? 色 々な 意 見 があるだろうが 東 京 箱 根 間 往 復 大 学 駅 伝 競 走 ( 箱 根 駅 伝 )を 思 い 浮 かべる 方 も 多 いのではないか 今 年 の 箱 根 駅 伝 は 青 山 学 院 大 学 が2 位 の 駒 澤 大 学 に10 分 50 秒 の 大 差 をつけ 初 優 勝 を 飾 った 母 校 を 応 援 する 人 や 年 末 年 始 の 特 番 に 飽 きた 人 も 多 いからであろう 例 年 箱 根 駅 伝 の 視 聴 率 ( 関 東 地 区 )は 20% 台 後 半 をたたき 出 している 視 聴 者 は ランナーの 走 りや 順 位 だけでなく ユニフォ ームやシューズ 沿 道 に 掲 げられる 応 援 旗 運 営 管 理 車 などにも 自 然 と 目 が 行 くことから 大 学 や 企 業 にとっての 絶 好 のPR の 機 会 にもなっていると 感 じる とくに およそ 1 カ 月 後 に 入 学 試 験 が 迫 っている 大 学 にとって 箱 根 駅 伝 の 結 果 が 志 願 者 数 を 左 右 することもある 例 えば 山 の 神 の 活 躍 により 2009 年 の 第 85 回 大 会 で 優 勝 した 東 洋 大 学 の 志 願 者 数 ( 第 1 部 )は 2008 年 度 の 5 万 8,109 人 に 対 し 2009 年 度 は 6 万 7,535 人 となり 前 年 度 比 16.2% 増 加 現 在 の 一 般 入 試 の 入 学 検 定 料 3 万 5,000 円 で 単 純 計 算 するとおよそ 3 億 3,000 万 円 の 増 収 であ る 私 学 経 営 情 報 センターによると 2009 年 度 の 私 立 大 学 (570 校 )の 志 願 者 数 の 伸 び 率 は 前 年 度 比 0.3% 増 であることから 東 洋 大 学 の 志 願 者 数 の 伸 び 率 がいかに 高 かったかがわかる もちろん 志 願 者 数 増 加 の 理 由 が 箱 根 駅 伝 だけではないだろうが 1 月 の 箱 根 駅 伝 での 勇 姿 を 見 て 出 願 を 決 めた 受 験 生 も 多 くいることが 想 定 できる 今 年 の 優 勝 校 である 青 山 学 院 大 学 は 2009 年 に 33 年 ぶりの 箱 根 駅 伝 出 場 を 果 たし 以 降 連 続 で 出 場 近 年 はシード 常 連 校 にまでのし 上 がってきていた 今 年 の 初 優 勝 が 志 願 者 数 にどのくらい 影 響 を 及 ぼ すであろうか 注 目 したい ( 子 どもの 受 験 はまだまだ 先 ) 3

チームの 総 合 力 2014 年 11 月 に 行 われた 日 米 野 球 で 侍 ジャパンが MLB(メジャーリーグ)オールスターを 相 手 にノ ーヒットノーランで 勝 利 したことは 記 憶 に 新 しい 日 本 人 投 手 は 野 手 に 比 べてメジャーでも 成 功 事 例 が 多 く 今 回 もその 能 力 の 高 さを 十 分 に 示 す 結 果 となった パワー 面 では 見 劣 りする 侍 ジャパンが 俊 敏 性 や 正 確 性 といった 長 所 を 活 かし チーム 全 体 の 総 合 力 で 勝 利 した 試 合 といえるのではないか 当 日 の 試 合 で 出 場 した 投 手 陣 は 所 属 チームではエース 級 であり 登 板 順 をどうするかという 贅 沢 な 悩 みもあっただろう 侍 ジャパンの 小 久 保 監 督 は 選 手 の 持 っている 能 力 のほかフィジカル 面 やメンタル 面 のコンディションから 現 時 点 で 最 高 な 選 手 を 選 んだと 思 われる また チームの 戦 略 を 理 解 し 自 分 で 考 えて 着 実 に 結 果 に 結 びつけることができる 選 手 を 選 ぶこともポイントになったはずだ 企 業 活 動 における 勝 利 の 定 義 は 一 つに 括 ることはできないが 株 式 会 社 である 以 上 競 合 企 業 との 競 争 に 勝 ち 事 業 活 動 から 収 益 を 生 み 出 し 従 業 員 や 取 引 先 株 主 社 会 へ 還 元 しつつ 事 業 を 永 続 していくことが 求 められる 企 業 をひとつのチームに 見 立 てた 場 合 チームを 構 成 する 従 業 員 が 経 営 方 針 を 理 解 し 個 々の 頭 で 考 えて 実 行 することが 重 要 となる また チームを 率 いる 監 督 である 経 営 者 は ビジョンや 経 営 方 針 戦 略 を 従 業 員 に 自 らの 声 で 伝 え ていくことが 必 要 となるだろう グローバル 化 が 進 展 する 現 在 では 組 織 のダイバーシティ( 多 様 性 ) も 進 んでいくことが 想 定 され さまざまな 人 種 や 価 値 観 の 異 なるメンバーとチームを 組 む 場 面 も 多 く なると 思 われる 多 様 性 のあるチームでは 共 通 のよりどころとなる 理 念 が 一 層 重 要 になってくる 組 織 力 の 強 さという 点 では 100 の 力 を 持 った 1 つの 個 がある 組 織 よりも 1 の 力 を 持 った 100 の 個 がある 組 織 のほうが 多 様 性 から 生 まれる 効 果 は 高 いといえるのではないだろうか 競 合 企 業 との 戦 い で 勝 利 を 手 中 におさめていくために 企 業 の 総 合 力 が 試 されることになる (フィリップ 子 虎 ) 4

オリンピックがもたらすもの 建 設 業 界 の 期 待 と 不 安 2020 年 東 京 オリンピック 2013 年 9 月 に 招 致 が 決 定 し 日 本 中 が 歓 喜 にわいたことは 記 憶 に 新 しい 6 年 後 に 自 分 と 同 世 代 の アスリートがホームで 活 躍 している 姿 を 想 像 すると オリンピックへの 期 待 は 高 まるばかりである オリンピックに 活 路 を 見 出 しているのはアスリートだけではない 2015 年 オリンピックによる 収 益 拡 大 を 狙 うのは 建 設 業 界 だ 1964 年 のオリンピックの 際 は オリンピック 特 需 によって 建 設 ラ ッシュとなり それによって 日 本 の 高 度 経 済 成 長 はさらに 弾 みをつけたという 2020 年 東 京 オリンピックの 経 済 効 果 として 東 京 オリンピック パラリンピック 招 致 委 員 会 は 2013 年 から 2020 年 までの 8 年 間 で 生 産 誘 発 額 が 約 3 兆 円 付 加 価 値 誘 発 額 が1.4 兆 円 雇 用 者 所 得 誘 発 額 は 約 7,500 億 円 と 発 表 している 50 年 前 のように オリンピックは 日 本 に 成 長 をもたらすだろう そんな 楽 観 的 な 意 見 も 聞 かれ るが 地 方 中 小 企 業 のまなざしは 冷 静 だ TDB 景 気 動 向 調 査 ( 帝 国 データバンク)によると 今 はむ しろ 東 北 に 集 中 してほしい 東 京 への 一 極 集 中 が 加 速 する など 懸 念 の 声 もあがっている 既 に 不 足 している 技 術 技 能 労 働 者 の 不 足 が 一 層 顕 著 になり 工 事 の 品 質 や 工 期 などさまざまな 問 題 が 生 じ る 可 能 性 もある 建 設 業 界 の 人 材 不 足 は 深 刻 である 週 刊 東 洋 経 済 (2013 年 9 月 7 日 号 )によれば 1998 年 の 長 野 冬 季 五 輪 では 施 設 整 備 などで 巨 額 の 資 金 がかかり 2002 年 度 に 長 野 県 は 約 1.6 兆 円 の 県 債 残 高 を 抱 えてしまったという 2020 年 東 京 オリンピックに 向 けて 建 設 予 定 の 新 国 立 競 技 場 のデザインとして 選 ばれたハディド 氏 の 案 には 形 が 不 快 費 用 が 巨 額 などの 抗 議 が 殺 到 している 新 国 立 競 技 場 が 東 京 都 に 借 金 をもたらす 粗 大 ごみ になってしまえば 長 野 オリンピックの 二 の 舞 である とはいえ かつて 日 本 で 行 われたオリンピックが 日 本 のインフラ 整 備 や 都 市 環 境 の 改 善 に 役 立 った ことも 事 実 である 過 去 から 学 び オリンピックを 日 本 の 成 長 の 足 がかりとするか 大 いなる 無 駄 遣 いにするか 今 後 の 動 きを 注 視 していきたい (ばんり) 5