農 業 分 野 における 算 定 方 法 の 改 善 について 1. 消 化 管 内 発 酵 (4A)CH 4 1.1 乾 物 摂 取 量 (DMI) 算 定 式 の 変 更 日 本 飼 養 標 準 乳 牛 (2006 年 版 ) ( 中 央 畜 産 会 )が 発 刊 され そのなかで 泌 乳 牛 及 び 乾 乳 牛 の 乾 物 摂 取 量 算 定 式 が 更 新 されているため その 内 容 を 反 映 する 必 要 がある 2006 年 度 以 降 の 乾 物 摂 取 量 の 算 定 式 を 以 下 のとおり 変 更 する 1) 泌 乳 牛 現 状 の 算 定 式 DMI = 2.98120 + 0.00905* W + 0.41055 * FCM FCM = ( 15* FAT /100 + 0.4) * MILK DMI : 乾 物 摂 取 量 (kg/ 日 ) W : 体 重 (kg) FCM : 4% 脂 肪 補 正 乳 量 (kg/ 日 ) FAT : 乳 脂 肪 率 (%) MILK : 乳 量 (kg/ 日 ) ( 出 典 : 日 本 飼 養 標 準 乳 牛 (1999 年 版 ) ( 中 央 畜 産 会 ) p7) 新 しい 算 定 式 泌 乳 安 定 期 ( 分 娩 後 11 週 以 降 )(2 歳 以 上 の 泌 乳 牛 )を 使 用 0.75 DMI = 1.3922 + 0.05839* W + 0.40497 * FCM FCM = MILK *(0.15* FAT + 0.4) DMI : 乾 物 摂 取 量 (kg/ 日 ) W 0.75 : 代 謝 体 重 (kg) FCM : 4% 脂 肪 補 正 乳 量 (kg/ 日 ) FAT : 乳 脂 肪 率 (%) MILK : 乳 量 (kg/ 日 ) ( 出 典 : 日 本 飼 養 標 準 乳 牛 (2006 年 版 ) ( 中 央 畜 産 会 ) p6) 1
2) 乾 乳 牛 現 状 の 算 定 式 DMI = TDN / 0.52*1.1 TDN = (0.1163* W DMI W 0.75 TDN 0.75 / 0.82) / 4.41 : 乾 物 摂 取 量 : 代 謝 体 重 : 可 消 化 養 分 総 量 新 しい 算 定 式 DMI = 0.017 *W DMI : 乾 物 摂 取 量 (kg/ 日 ) W : 体 重 (kg) ( 出 典 : 日 本 飼 養 標 準 乳 牛 (2006 年 版 ) ( 中 央 畜 産 会 ) p7) 3) 育 成 牛 ( 月 齢 5 6ヵ 月 についても 同 じ) 算 定 式 に 変 更 無 し DMI = 0.49137 + 0.01768* W + 0.91754* DG DMI : 乾 物 摂 取 量 (kg/ 日 ) W : 体 重 (kg) DG : 増 体 日 量 (kg/ 日 ) ( 出 典 : 日 本 飼 養 標 準 乳 牛 (2006 年 版 ) ( 中 央 畜 産 会 ) p7) (3) 改 訂 結 果 DMI 算 定 式 の 変 更 に 伴 う 2006 年 度 における 泌 乳 牛 及 び 乾 乳 牛 の 排 出 係 数 並 びに CH 4 排 出 量 の 変 化 を 表 1 に 示 す 排 出 係 数 は 泌 乳 牛 が 微 減 乾 乳 牛 が 増 加 し その 結 果 として 泌 乳 牛 からの CH 4 排 出 量 が 約 4Gg-CO 2 eq.の 減 少 乾 乳 牛 からの CH 4 排 出 量 が 約 68Gg-CO 2 eq.の 増 加 となる 表 1 2006 年 度 における 泌 乳 牛 及 び 乾 乳 牛 の 排 出 係 数 並 びに CH 4 排 出 量 の 変 化 EF 排 出 量 2006 年 度 EF 2006 年 度 Emissions (kg-ch4/head/yr) Gg-CH4 Gg-CO2 eq. 改 訂 前 131.76 改 訂 前 114.8 2,410.7 泌 乳 牛 改 訂 後 131.55 泌 乳 牛 改 訂 後 114.6 2,406.7 差 異 -0.22 差 異 -0.2-4.0 改 訂 前 74.08 改 訂 前 16.4 344.3 乾 乳 牛 改 訂 後 88.70 乾 乳 牛 改 訂 後 19.6 412.2 差 異 +14.61 差 異 +3.2 +67.9 2006 年 度 排 出 量 は 2006 年 度 単 年 の 値 であり 3 ヵ 年 平 均 は 行 っていない 2
1.2 活 動 量 の 修 正 (4.A.3. めん 羊 4.A.4. 山 羊 4.A.6. 馬 ) めん 羊 山 羊 及 び 馬 の 飼 養 頭 数 は 現 在 FAO 統 計 を 使 用 しているが 本 来 であれば 国 内 におけ る 出 典 を 使 用 することが 望 ましい また 最 近 数 年 間 は 数 値 が 更 新 されていない 農 林 水 産 省 から 提 供 された 以 下 のデータを 用 いることとする めん 羊 及 び 山 羊 : 家 畜 改 良 関 係 資 料 (( 社 ) 中 央 畜 産 会 ) 馬 : 馬 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 生 産 局 畜 産 部 畜 産 振 興 課 ) 変 更 前 (FAO 統 計 における 飼 養 頭 数 ) H2 H7 H12 H17 H18 年 CY 1990 1995 2000 2005 2006 めん 羊 Sheep 30,700 20,000 10,000 11,000 11,000 山 羊 Goats 34,500 30,000 35,000 34,000 34,000 馬 Horse 23,100 29,000 25,000 25,000 25,000 ( 出 典 :FAOSTAT Data base < http://apps.fao.org/>) 変 更 後 H2 H7 H12 H17 H18 H19 CY 1990 1995 2000 2005 2006 2007 めん 羊 Sheep 22,107 16,277 11,121 8,650 8,855 9,660 山 羊 Goats 25,766 19,193 21,134 19,823 16,329 14,845 馬 Horse 109,153 122,234 103,977 92,886 86,968 - 各 年 の 値 は 2 月 1 日 時 点 の 値 排 出 量 の 算 定 は 年 度 ベースで 行 うため n 年 ( 暦 年 )の 値 は n-1 年 度 の 値 に 該 当 する 2007 年 の 馬 の 飼 養 頭 数 は 未 集 計 (3) 改 訂 結 果 めん 羊 山 羊 馬 の 飼 養 頭 数 の 変 更 に 伴 う 排 出 量 の 変 化 を 表 2 に 示 す なお 飼 養 頭 数 の 変 更 は 4.A. 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 排 出 量 だけでなく 4.B. 家 畜 排 せつ 物 の 管 理 に 伴 う CH 4, N 2 O 排 出 量 にも 影 響 を 与 えるため ここでは 両 カテゴリーの 排 出 量 の 変 化 を 一 括 して 記 載 する めん 羊 山 羊 馬 の 飼 養 頭 数 の 変 更 により 1990 年 度 の 排 出 量 が 約 67Gg-CO 2 eq. 2006 年 度 の 排 出 量 が 約 40Gg-CO 2 eq. 増 加 した なお めん 羊 山 羊 馬 の 飼 養 頭 数 の 変 更 は 4.D.3. 間 接 排 出 における 大 気 沈 降 窒 素 溶 脱 流 出 からの N 2 O 排 出 量 にも 影 響 するが この 排 出 量 は 家 畜 排 せつ 物 由 来 の 有 機 物 肥 料 の 施 肥 量 は2.1 における 家 畜 1 頭 当 たりの 排 せつ 物 量 の 変 更 の 影 響 も 受 けるため 両 者 の 変 更 による 4.D.3. 間 接 排 出 の 排 出 量 の 変 化 は4.10 にてまとめ て 記 載 する 3
表 2 めん 羊 山 羊 馬 の 飼 養 頭 数 の 変 更 に 伴 う 排 出 量 の 変 化 改 訂 前 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 4A-CH4 めん 羊 Gg-CO2 eq. 2.7 1.7 0.9 1.0 1.0 4B-CH4 めん 羊 Gg-CO2 eq. 0.2 0.1 0.1 0.1 0.1 4B-N2O めん 羊 Gg-CO2 eq. 3.1 2.1 1.1 1.1 1.1 4A-CH4 山 羊 Gg-CO2 eq. 3.0 2.6 3.0 3.0 3.0 4B-CH4 山 羊 Gg-CO2 eq. 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 4B-N2O 山 羊 Gg-CO2 eq. 13.4 11.3 12.9 12.8 12.8 4A-CH4 馬 Gg-CO2 eq. 8.7 11.0 9.5 9.5 9.5 4B-CH4 馬 Gg-CO2 eq. 1.0 1.3 1.1 1.1 1.1 4B-N2O 馬 Gg-CO2 eq. 8.7 10.4 8.9 9.4 9.4 合 計 Gg-CO2 eq. 41.0 40.6 37.5 37.9 37.9 改 訂 後 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 4A-CH4 めん 羊 Gg-CO2 eq. 1.8 1.2 1.1 0.8 0.8 4B-CH4 めん 羊 Gg-CO2 eq. 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 4B-N2O めん 羊 Gg-CO2 eq. 2.2 1.5 1.2 0.9 1.0 4A-CH4 山 羊 Gg-CO2 eq. 2.3 1.6 1.9 1.4 1.3 4B-CH4 山 羊 Gg-CO2 eq. 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 4B-N2O 山 羊 Gg-CO2 eq. 9.5 7.3 8.1 6.4 5.8 4A-CH4 馬 Gg-CO2 eq. 43.8 44.7 39.5 32.9 32.9 4B-CH4 馬 Gg-CO2 eq. 5.1 5.2 4.6 3.8 3.8 4B-N2O 馬 Gg-CO2 eq. 43.0 44.5 39.3 33.4 32.6 合 計 Gg-CO2 eq. 107.9 106.1 95.7 79.6 78.3 差 異 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 4A-CH4 めん 羊 Gg-CO2 eq. -0.9-0.5 +0.2-0.2-0.1 4B-CH4 めん 羊 Gg-CO2 eq. -0.1-0.0 +0.0-0.0-0.0 4B-N2O めん 羊 Gg-CO2 eq. -0.9-0.7 +0.1-0.2-0.2 4A-CH4 山 羊 Gg-CO2 eq. -0.7-1.0-1.2-1.5-1.7 4B-CH4 山 羊 Gg-CO2 eq. -0.0-0.0-0.1-0.1-0.1 4B-N2O 山 羊 Gg-CO2 eq. -3.9-4.0-4.8-6.4-7.0 4A-CH4 馬 Gg-CO2 eq. +35.0 +33.7 +30.1 +23.4 +23.4 4B-CH4 馬 Gg-CO2 eq. +4.0 +3.9 +3.5 +2.7 +2.7 4B-N2O 馬 Gg-CO2 eq. +34.3 +34.1 +30.5 +24.0 +23.2 合 計 Gg-CO2 eq. +66.9 +65.5 +58.2 +41.7 +40.3 各 年 度 の 排 出 量 は 単 年 の 値 であり 3 ヵ 年 平 均 は 行 っていない 1.3 消 化 管 内 発 酵 からの 排 出 の 算 定 方 法 (4.A.1. 牛 ) 栄 養 管 理 技 術 の 改 善 やルーメン 内 発 酵 の 制 御 ( 飼 料 への 脂 肪 酸 カルシウムやポリフェノール の 添 加 等 )によるメタン 発 生 制 御 対 策 を 排 出 係 数 に 反 映 できるような 算 定 方 法 の 設 定 が 必 要 で ある 現 状 の 算 定 方 法 算 定 方 法 乾 物 摂 取 量 から 求 めた 我 が 国 独 自 の 排 出 係 数 に 牛 ( 乳 用 牛 肉 用 牛 )の 1 年 間 の 飼 養 頭 4
数 を 乗 じて CH 4 排 出 量 を 算 定 している E = EF * A E : 牛 の 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 の 排 出 量 (kg CH 4 ) E : 排 出 係 数 (kg CH 4 / 頭 ) F A : 牛 ( 乳 用 牛 肉 用 牛 )の 飼 養 頭 数 ( 頭 ) 排 出 係 数 牛 の 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 の 排 出 係 数 については 我 が 国 における 反 すう 家 畜 を 対 象 と した 呼 吸 試 験 の 結 果 ( 乾 物 摂 取 量 に 対 する CH 4 発 生 量 の 測 定 データ)に 基 づいて 設 定 してい る 測 定 結 果 によると 反 すう 家 畜 の 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 発 生 量 は 乾 物 摂 取 量 を 説 明 変 数 とする 次 式 により 算 定 できるとされている 1 EF = Y / L* C * D Y = 17.766 + 42.793* X 0.849* X 2 EF : 牛 の 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 の 排 出 係 数 (kg CH 4 / 年 / 頭 ) Y : 反 すう 家 畜 1 頭 あたりの 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う 1 日 の CH 4 発 生 量 (l/ 日 / 頭 ) L : CH 4 1mol あたりの 体 積 (22.4(l/mol)) C : CH 4 の 分 子 量 (0.016(kg/mol)) D : 1 年 間 の 日 数 (365( 日 )もしくは 366( 日 )) X : 乾 物 摂 取 量 (kg/ 日 ) 排 出 係 数 の 説 明 変 数 となる 乾 物 摂 取 量 は 中 央 畜 産 会 日 本 飼 養 標 準 ( 乳 用 牛 肉 用 牛 ) に 掲 載 されている 牛 の 種 類 ごとの 算 定 式 を 使 用 し その 式 に 乳 脂 肪 補 正 乳 量 体 重 及 び 体 重 の 増 加 日 量 を 代 入 し 算 出 している ( 排 出 係 数 は 乳 脂 肪 補 正 乳 量 体 重 及 び 体 重 の 増 加 日 量 が 減 少 しない 限 り 減 少 しないこ とから 現 状 の 算 定 方 法 では 給 餌 方 法 の 改 善 などによる CH 4 削 減 効 果 は 反 映 されない ) メタンの 発 酵 抑 制 技 術 が 徐 々に 普 及 しつつあるのは 事 実 であるが それを 排 出 量 に 反 映 でき るような 算 定 方 法 は 開 発 されていない( 飼 料 の 成 分 構 成 脂 肪 酸 カルシウムの 不 飽 和 度 量 な どによりメタン 抑 制 量 は 変 化 するが それを 一 般 化 することは 出 来 ていない) そこで このようなメタン 発 酵 抑 制 技 術 が 存 在 し 今 後 普 及 が 進 んでいくことが 予 想 される ため 算 定 方 法 について 今 後 研 究 開 発 していく 必 要 がある と 言 った 旨 を NIR に 記 載 し 引 き 続 き 今 後 の 検 討 課 題 とする 1 柴 田 寺 田 栗 原 西 田 岩 崎 反 芻 家 畜 における CH 4 発 生 量 の 推 定 ( 日 本 畜 産 学 会 報 第 64 卷 第 8 号 )1993 年 8 月 5
1.4 月 齢 5, 6 ヶ 月 の 牛 における 乾 物 摂 取 量 算 定 式 の 設 定 月 齢 5, 6 ヶ 月 の 牛 は 月 齢 7 ヶ 月 以 降 の 牛 と 比 べて 乾 物 摂 取 状 況 が 異 なる 可 能 性 があるが 現 在 は 同 一 の 乾 物 摂 取 量 算 定 式 を 用 いている 月 齢 5, 6 ヶ 月 の 牛 と 7 ヶ 月 以 降 の 牛 で 乾 物 摂 取 状 況 に 大 きな 差 はないとの 専 門 家 判 断 が 得 ら れたため 別 の 算 定 式 を 設 定 する 必 要 はないと 判 断 し 今 後 の 改 善 事 項 から 除 くこととする 1.5 我 が 国 独 自 の 排 出 係 数 の 設 定 (4.A.2. 水 牛 4.A.6. 馬 ) 現 在 水 牛 と 馬 の 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 排 出 係 数 は 1996 年 改 訂 IPCC ガイドラインのデ フォルト 値 を 使 用 しているが 可 能 な 限 り 我 が 国 独 自 の 数 値 を 設 定 するよう 検 討 する 必 要 が ある 表 3 水 牛 馬 の 消 化 管 内 発 酵 に 伴 う CH 4 排 出 係 数 CH 4 発 生 係 数 家 畜 種 [kg/ 年 / 頭 ] 水 牛 55.0 馬 18.0 ( 出 典 )1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン これらの 排 出 係 数 に 関 する 我 が 国 独 自 の 研 究 成 果 は 見 当 たらない そこで 引 き 続 き 今 後 の 検 討 課 題 とする 1.6 未 推 計 排 出 源 (4.A.9. 家 禽 類 ) 現 在 家 禽 類 の 消 化 管 内 発 酵 による CH 4 排 出 量 については 我 が 国 の 文 献 に 排 出 係 数 のデー タが 存 在 せず また 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000)にも 排 出 係 数 のデフォル ト 値 が 定 められていないため NE として 報 告 している 2006 年 IPCC ガイドラインにおいては 家 禽 類 の 消 化 管 内 発 酵 からの 排 出 カテゴリーが 削 除 されている また この 排 出 係 数 に 関 する 研 究 成 果 は 見 当 たらないことから 検 討 課 題 から 除 くこととする 6
2. 家 畜 排 せつ 物 の 管 理 (4B)CH 4 N 2 O 2.1 家 畜 1 頭 当 たりの 排 せつ 物 量 の 更 新 (4.B 全 体 ) 現 在 使 用 している 家 畜 1 頭 当 たりの 排 せつ 物 量 のパラメータを 可 能 な 限 り 実 態 を 反 映 し た 数 値 に 更 新 していく 必 要 がある 表 4 家 畜 種 ごとの 排 せつ 物 排 せつ 量 ( 現 状 ) 飼 養 頭 羽 数 ふん 排 泄 量 尿 排 泄 量 1 頭 あたり ふん 排 せつ 量 1 頭 あたり 尿 排 せつ 量 [10^3head] [10^3t] [10^3t] [t/head/yr] [t/head/yr] 乳 用 牛 Dairy Cattle 1,726 21,760 6,429 12.6 3.72 肉 用 牛 Non-dairy Cattle 2,804 18,990 6,981 6.77 2.49 豚 Swine 9,785 7,908 14,658 0.808 1.5 採 卵 鶏 Hen 186,126 8,209 0.0441 ブロイラー Broiler 106,311 5,044 0.0474 ( 出 典 ) 畜 産 における 温 室 効 果 ガスの 発 生 制 御 総 集 編 ( 平 成 14 年 3 月 )(( 社 ) 畜 産 技 術 協 会 ) 上 記 の 家 畜 種 ごとの 排 せつ 物 排 せつ 量 は 家 畜 の 排 泄 物 量 推 定 プログラム ( 築 城 原 田 システム 農 学 (J JASS)l3(1): 17-23, 1997)に 掲 載 されている 家 畜 排 泄 物 量 推 定 のための 原 単 位 を 用 いて 算 定 されたものである 上 記 論 文 においては 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 採 卵 鶏 の 細 区 分 ごとに 排 せつ 原 単 位 が 示 されていることから 算 定 の 正 確 性 を 考 慮 し この 原 単 位 データ を 用 いるよう 変 更 する( 表 5 参 照 ) なお 現 状 における 家 畜 からの 窒 素 排 せつ 量 の 算 定 においては 表 4に 示 した 家 畜 1 頭 あた りのふん 尿 排 せつ 量 に 家 畜 種 ごとの 排 せつ 物 中 窒 素 含 有 率 を 乗 じて 算 定 しているが 表 5の パラメータは 家 畜 1 頭 あたりの 窒 素 量 であるため 家 畜 種 ごとの 排 せつ 物 中 窒 素 含 有 率 を 乗 じ る 必 要 はない 表 5 家 畜 種 ごとの 排 せつ 物 原 単 位 ( 改 訂 後 ) 排 せつ 物 量 (kg/ 頭 / 日 ) 窒 素 量 (gn/ 頭 / 日 ) ふん 尿 ふん 尿 乳 牛 搾 乳 牛 45.5 13.4 152.8 152.7 乾 未 経 産 29.7 6.1 38.5 57.8 育 成 牛 17.9 6.7 85.3 73.3 肉 牛 2 歳 未 満 17.8 6.5 67.8 62.0 2 歳 以 上 20.0 6.7 62.7 83.3 乳 用 種 18.0 7.2 64.7 76.4 豚 肥 育 豚 2.1 3.8 8.3 25.9 繁 殖 豚 3.3 7.0 11.0 40.0 採 卵 鶏 雛 0.059-1.54 - 成 鶏 0.136-3.28 - ブロイラー 0.130-2.62 - ( 出 典 ) 家 畜 の 排 泄 物 量 推 定 プログラム ( 築 城 原 田,システム 農 学 (J JASS),l3(1): 17-23, 1997) 7
(3) 改 訂 結 果 家 畜 1 頭 当 たりの 排 せつ 物 量 のパラメータの 変 更 に 伴 う 排 出 量 の 変 化 を 表 6に 示 す この 変 更 により 1990 年 度 の 排 出 量 が 約 81Gg-CO 2 eq. 2006 年 度 の 排 出 量 が 約 117Gg-CO 2 eq. 増 加 した なお 家 畜 1 頭 当 たりの 排 せつ 物 量 の 変 更 は 4.D.3. 間 接 排 出 における 大 気 沈 降 窒 素 溶 脱 流 出 からの N 2 O 排 出 量 にも 影 響 する 4.D.3. 間 接 排 出 の 排 出 量 の 変 化 は 4.10 にて 記 載 する 8
表 6 家 畜 1 頭 あたりの 排 せつ 量 変 更 に 伴 う 排 出 量 の 変 化 CH4 改 訂 前 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 乳 用 牛 Gg-CH4 124.0 115.4 104.2 97.5 96.1 肉 用 牛 Gg-CH4 4.4 4.6 4.4 4.3 4.4 豚 Gg-CH4 15.9 14.0 13.6 13.6 13.6 採 卵 鶏 Gg-CH4 2.0 2.0 1.9 1.9 1.9 ブロイラー Gg-CH4 1.9 1.5 1.4 1.3 1.4 合 計 Gg-CH4 148.3 137.5 125.6 118.7 117.4 合 計 Gg-CO2 eq. 3,113.3 2,888.3 2,637.7 2,492.7 2,465.0 改 訂 後 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 乳 用 牛 Gg-CH4 123.0 115.5 106.1 98.0 95.7 肉 用 牛 Gg-CH4 4.4 4.6 4.4 4.3 4.4 豚 Gg-CH4 16.0 14.1 13.7 13.6 13.6 採 卵 鶏 Gg-CH4 2.0 2.0 1.9 1.9 1.9 ブロイラー Gg-CH4 1.9 1.5 1.4 1.3 1.4 合 計 Gg-CH4 147.3 137.7 127.5 119.2 117.0 合 計 Gg-CO2 eq. 3,093.5 2,892.2 2,677.6 2,503.8 2,457.3 差 異 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 乳 用 牛 Gg-CH4-1.04 +0.11 +1.86 +0.51-0.44 肉 用 牛 Gg-CH4-0.00-0.01-0.02-0.03 +0.02 豚 Gg-CH4 +0.11 +0.07 +0.07 +0.04 +0.04 採 卵 鶏 Gg-CH4-0.02 +0.01-0.01 +0.00 +0.01 ブロイラー Gg-CH4 +0.00 +0.00 +0.00 +0.00-0.01 合 計 Gg-CH4-0.94 +0.19 +1.90 +0.53-0.37 合 計 Gg-CO2 eq. -19.8 +3.9 +39.9 +11.1-7.8 N2O 改 訂 前 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 乳 用 牛 Gg-N2O 3.0 2.8 2.5 2.4 2.3 肉 用 牛 Gg-N2O 2.6 2.7 2.6 2.6 2.6 豚 Gg-N2O 5.3 4.7 4.6 4.6 4.6 採 卵 鶏 Gg-N2O 3.3 3.3 3.1 3.1 3.1 ブロイラー Gg-N2O 3.6 2.9 2.6 2.6 2.6 合 計 Gg-N2O 17.8 16.4 15.5 15.1 15.2 合 計 Gg-CO2 eq. 5,505.9 5,076.6 4,810.8 4,687.2 4,699.8 改 訂 後 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 乳 用 牛 Gg-N2O 2.7 2.6 2.3 2.2 2.1 肉 用 牛 Gg-N2O 2.7 2.7 2.7 2.6 2.7 豚 Gg-N2O 5.2 4.5 4.4 4.4 4.4 採 卵 鶏 Gg-N2O 3.9 4.0 3.8 3.7 3.8 ブロイラー Gg-N2O 3.6 2.9 2.7 2.6 2.6 合 計 Gg-N2O 18.1 16.8 15.9 15.5 15.6 合 計 Gg-CO2 eq. 5,606.8 5,192.6 4,935.3 4,808.4 4,824.1 差 異 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 乳 用 牛 Gg-N2O -0.29-0.24-0.17-0.18-0.20 肉 用 牛 Gg-N2O +0.08 +0.02 +0.05 +0.04 +0.07 豚 Gg-N2O -0.17-0.15-0.15-0.16-0.16 採 卵 鶏 Gg-N2O +0.67 +0.72 +0.65 +0.66 +0.68 ブロイラー Gg-N2O +0.03 +0.03 +0.02 +0.02 +0.00 合 計 Gg-N2O +0.33 +0.37 +0.40 +0.39 +0.40 合 計 Gg-CO2 eq. +100.9 +116.0 +124.6 +121.2 +124.4 合 計 年 度 Fiscal Year 1990 1995 2000 2005 2006 改 訂 前 Gg-CO2 eq. 8,619.2 7,964.9 7,448.5 7,179.9 7,164.8 改 訂 後 Gg-CO2 eq. 8,700.3 8,084.8 7,613.0 7,312.2 7,281.4 差 異 Gg-CO2 eq. +81.1 +119.9 +164.5 +132.3 +116.6 各 年 の 排 出 量 は 単 年 の 値 であり 3 ヵ 年 平 均 は 行 っていない 9
(4) 今 後 の 課 題 家 畜 の 排 泄 物 量 推 定 プログラム に 示 された 原 単 位 は 下 記 の 日 本 飼 養 標 準 のデータを 用 いてプログラムにより 計 算 された 数 値 であることから 改 訂 された 最 新 の 日 本 飼 養 標 準 のデー タを 用 いて 計 算 し 直 した 場 合 原 単 位 が 変 化 することとなる 今 後 日 本 飼 養 標 準 の 改 訂 内 容 の 反 映 必 要 性 及 び 方 法 について 検 討 する 必 要 がある 日 本 飼 養 標 準 乳 牛 (1994 年 版 ) 日 本 飼 養 標 準 肉 牛 (1995 年 版 ) 日 本 飼 養 標 準 豚 (1993 年 版 ) 日 本 飼 養 標 準 家 禽 (1992 年 版 ) 2.2 排 せつ 物 管 理 区 分 の 変 更 の 反 映 (4.B 全 体 ) 現 在 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラーの 排 せつ 物 管 理 区 分 使 用 割 合 は 全 年 度 に おいて 同 じ 数 値 を 使 用 している 従 って 排 出 係 数 が 小 さい 排 せつ 物 管 理 区 分 への 転 換 という 削 減 対 策 の 効 果 が 現 状 では 反 映 出 来 ないことから 排 せつ 物 管 理 区 分 使 用 割 合 を 可 能 な 限 り 変 更 していく 必 要 がある 表 7 排 せつ 物 管 理 区 分 使 用 割 合 ( 現 状 ) ふん 尿 分 離 状 況 処 理 方 法 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 採 卵 鶏 フ ロイラー ふん 尿 ふん 天 日 乾 燥 2.8% 1.5% 7.0% 30.0% 15.0% 分 離 処 理 火 力 乾 燥 0.0% 0.0% 0.7% 3.0% 0.0% 強 制 発 酵 9.0% 11.0% 62.0% 42.0% 5.1% 堆 積 発 酵 等 88.0% 87.0% 29.6% 23.0% 66.9% 焼 却 0.2% 0.5% 0.7% 2.0% 13.0% 尿 強 制 発 酵 1.5% 9.0% 10.0% 浄 化 2.5% 2.0% 45.0% 貯 留 96.0% 89.0% 45.0% ふん 尿 天 日 乾 燥 4.7% 3.4% 6.0% 混 合 処 理 火 力 乾 燥 0.0% 0.0% 0.0% 強 制 発 酵 20.0% 22.0% 29.0% 堆 積 発 酵 14.0% 74.0% 20.0% 浄 化 0.3% 0.0% 22.0% 貯 留 61.0% 0.6% 23.0% ( 出 典 )( 社 ) 畜 産 技 術 協 会 畜 産 における 温 室 効 果 ガスの 発 生 制 御 第 四 集 ( 平 成 11 年 3 月 ) 10
現 状 のデータに 代 わるような 新 しいデータは 存 在 しないため 引 き 続 き 検 討 事 項 とする な お 家 畜 排 せつ 物 管 理 の 適 正 化 及 び 利 用 の 促 進 に 関 する 法 律 が 施 行 されたこともあり 管 理 区 分 の 割 合 は 確 実 に 変 化 していると 考 えられるため 新 規 に 調 査 を 実 施 してデータを 把 握 する ことが 望 ましい 2.3 家 畜 排 せつ 物 の 管 理 に 伴 う 排 出 係 数 の 改 善 (4.B 全 体 ) 全 年 度 において 同 じ 排 出 係 数 を 使 用 していることから 排 出 係 数 の 改 善 対 策 の 効 果 を 反 映 す るために 可 能 な 限 り 排 出 係 数 を 更 新 していく 必 要 がある また 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000)のデフォルト 値 を 使 用 しているパ ラメータについては 可 能 な 限 り 我 が 国 独 自 の 数 値 を 設 定 するよう 検 討 する 必 要 がある 現 状 の 排 出 係 数 算 定 方 法 家 畜 排 せつ 物 の 管 理 に 伴 う CH 4 及 び N 2 O 排 出 係 数 については 国 内 の 研 究 成 果 に 基 づき 排 せつ 物 管 理 区 分 別 に 設 定 した 値 1996 年 改 訂 IPCC ガイドラインまたは GPG(2000)に 示 さ れているデフォルト 値 の 排 出 係 数 を 使 用 している 上 記 の 通 り 毎 年 度 について 同 じ 数 値 を 使 用 している 表 8 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラーの 排 せつ 物 管 理 に 伴 う CH 4 排 出 係 数 処 理 区 分 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラー 12. 貯 留 3.90 % D 3.00 % D 8.7 % D - - 13. 天 日 乾 燥 0.20 % J 0.20 % J 0.20 % J 0.20 % J 14a. 火 力 乾 燥 0 % Z 0 % Z 0 % Z 0 % Z 14b. 強 制 発 酵 ふん 0.044 % D 0.034 % D 0.097 % D 0.14 % J 14. Other 14c. 堆 積 発 酵 3.80 % J 0.13 % J 0.16 % J 0.14 % J 14d. 焼 却 0.4 % O 0.4 % O 0.4 % O 0.4 % O 14e. 強 制 発 酵 尿 及 びふん 尿 混 合 0.044 % D 0.034 % D 0.097 % D - - 14f. 浄 化 0.0087% D 0.0067% D 0.019% D - - 11
表 9 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラーの 排 せつ 物 管 理 に 伴 う N 2 O 排 出 係 数 処 理 区 分 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラー 12. 貯 留 尿 0.10 % D 13. 天 日 乾 燥 2.0 % D 14. Other 14a. 火 力 乾 燥 2.0 % D 14b. 強 制 発 酵 ふん 0.25 % J 14c. 堆 積 発 酵 2.40 % J 1.60 % J 2.50 % J 2.0 % D 14d. 焼 却 0.1 % O 14e. 強 制 発 酵 尿 及 びふん 尿 混 合 2.0 % D 14f. 浄 化 5.0 % J D: IPCC ガイドラインのデフォルト 値 を 利 用 J: 我 が 国 の 観 測 データより 設 定 O: 他 国 のデータより 設 定 Z: 原 理 的 に 排 出 は 起 こらないとの 仮 定 により 設 定 * 採 卵 鶏 ブロイラーについては ふんに 近 いふん 尿 混 合 状 態 であるため ふんとして 扱 う ( 出 典 ) CH4 処 理 区 分 12 Liquid Systems( 貯 留 尿 ) 13 Solid Storage &Drylot( 天 日 乾 燥 ) GPG(2000) 参 考 文 献 石 橋 誠 橋 口 純 也 古 閑 護 博 (2003) 畜 産 業 における 温 室 効 果 ガス 排 出 削 減 技 術 の 開 発 ( 第 2 報 ) 畜 産 環 境 保 全 に 関 する 試 験 研 究 平 成 15 年 度 畜 産 研 究 所 試 験 成 績 書 熊 本 県 農 業 研 究 センター 畜 産 研 究 所 14a. Thermal Drying( 火 力 乾 燥 ) ( 社 ) 畜 産 技 術 協 会 ( 平 成 14 年 3 月 ) 畜 産 における 温 室 効 果 ガスの 発 生 制 御 総 集 編 4. 家 畜 排 せつ 物 からのメタン 及 び 亜 酸 化 窒 素 の 発 生 の 制 御 14b. Compsting( 強 制 発 酵 ふん) 鶏 以 外 :GPG(2000) 鶏 :Takashi Osada, Yasuyuki Fukumoto, Tadashi Tamura, Makoto Shiraihi, Makoto Ishibashi(2005):Greenhouse gas generation from livestock waste composting,non-co2 Greenhouse Gases (NCGG- 4),Proceedings of the Fourth International Symposium NCGG-4,105-111 14 Other 14c. Piling( 堆 積 発 酵 ) Takashi Osada, Yasuyuki Fukumoto, Tadashi Tamura, Makoto Shiraihi, Makoto Ishibashi(2005):Greenhouse gas generation from livestock waste composting,non-co2 Greenhouse Gases (NCGG-4),Proceedings of the Fourth International Symposium NCGG-4,105-111 14d. Incineration( 焼 却 ) 14e. Liquid Composting( 強 制 発 酵 尿 及 びふん 尿 混 合 ) GPG(2000) 14f. Purification( 浄 化 ) GPG(2000) ( 社 ) 畜 産 技 術 協 会 ( 平 成 14 年 3 月 ) 畜 産 における 温 室 効 果 ガスの 発 生 制 御 総 集 編 4. 家 畜 排 せつ 物 からのメタン 及 び 亜 酸 化 窒 素 の 発 生 の 制 御 IPCC(1995):IPCC1995Report;Agricultural Options for Mitigation of Greenhouse Gas Emissions,747-771 12
N2O 処 理 区 分 参 考 文 献 12 Liquid Systems( 貯 留 尿 ) 1996 年 改 訂 IPCCガイドライン 及 びGPG(2000) 13 Solid Storage &Drylot( 天 日 乾 燥 ) 1996 年 改 訂 IPCCガイドライン 及 びGPG(2000) 14a. Thermal Drying( 火 力 乾 燥 ) 1996 年 改 訂 IPCCガイドライン 及 びGPG(2000) 14b. Compsting( 強 制 発 酵 ふん) 14c. Piling( 堆 積 発 酵 ) 14 Other 14d. Incineration( 焼 却 ) 14e. Liquid Composting( 強 制 発 酵 尿 及 びふん 尿 混 合 ) 14f. Purification( 浄 化 ) Takeshi Osada,Kazutaka Kuroda,Michihiro Yonaga(2000):Determination of nitrous oxide,methane,and ammonia emissions from a swine waste composting process,j Mater Cycles Waste Manag(2000) 2,51-56 鶏 以 外 :Takashi Osada, Yasuyuki Fukumoto, Tadashi Tamura, Makoto Shiraihi, Makoto Ishibashi(2005):Greenhouse gas generation from livestock waste composting,non-co2 Greenhouse Gases (NCGG- 4),Proceedings of the Fourth International Symposium NCGG-4,105-111 鶏 :GPG(2000) ( 社 ) 畜 産 技 術 協 会 ( 平 成 14 年 3 月 ) 畜 産 における 温 室 効 果 ガスの 発 生 制 御 総 集 編 4. 家 畜 排 せつ 物 からのメタン 及 び 亜 酸 化 窒 素 の 発 生 の 制 御 GPG(2000) Takashi Osada(2003):Nitrous Oxide Emission from Purification of Liquid Portion of Swine Wastewater,Greenhouse Gas Control Technologies,J.Gale and Y.Kaya(Eds.) 家 畜 排 せつ 物 管 理 における CH 4 N 2 O の 排 出 係 数 については 農 林 水 産 省 の 委 託 を 受 けて 独 立 行 政 法 人 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 が 実 施 している 農 林 水 産 分 野 における 地 球 温 暖 化 対 策 調 査 ( 全 国 調 査 事 業 ) 我 が 国 の 気 候 条 件 等 を 踏 まえた 家 畜 排 せつ 物 管 理 に 伴 う 温 室 効 果 ガス 排 出 量 算 定 方 法 の 検 討 (2008 年 度 事 業 )や 農 林 水 産 技 術 会 議 におけるプロジェクト 研 究 家 畜 排 せつ 物 管 理 における 温 室 効 果 ガス 発 生 量 の 評 価 (2007-2010 年 )において 開 発 が 行 われている 前 者 のプロジェクトにおいては CH 4 の 豚 と 鶏 の 天 日 乾 燥 強 制 発 酵 (ふん) N 2 O の 天 日 乾 燥 火 力 乾 燥 ( 豚 で 数 値 を 計 測 するが 結 果 である 排 出 係 数 は 全 家 畜 共 通 )が 開 発 の 対 象 となっている これらの 検 討 結 果 は 2009 年 3 月 に 取 りまとめられる 予 定 であり 2009 年 4 月 提 出 のインベントリには 間 に 合 わない 従 って 2010 年 4 月 提 出 のインベントリに 反 映 することとする また 後 者 のプロジェクトにおいて 来 年 度 以 降 CH 4 の 乳 用 牛 と 豚 の 貯 留 ( 尿 ) 強 制 発 酵 ( 尿 ふん 尿 混 合 ) 浄 化 ( 尿 ) N 2 O の 貯 留 ( 尿 ) 強 制 発 酵 ( 尿 ふん 尿 混 合 ) 浄 化 ( 尿 ) の 排 出 係 数 の 開 発 が 計 画 されている その 検 討 結 果 は 適 宜 反 映 を 行 っていくこととする なお 上 記 の 研 究 プロジェクトは 改 善 の 必 要 がある 全 ての 排 出 係 数 を 網 羅 したものではな いため 今 後 更 なる 研 究 の 実 施 が 必 要 である 13
表 10 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラーの 排 出 係 数 開 発 予 定 (CH 4 ) 処 理 区 分 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラー 12. 貯 留 - 13. 天 日 乾 燥 14a. 火 力 乾 燥 - - - - 14b. 強 制 発 酵 ふん 14. Other 14c. 堆 積 発 酵 14d. 焼 却 14e. 強 制 発 酵 尿 及 びふん 尿 混 合 - 14f. 浄 化 - 表 11 牛 豚 採 卵 鶏 ブロイラーの 排 出 係 数 開 発 予 定 (N 2 O) 処 理 区 分 乳 用 牛 肉 用 牛 豚 12. 貯 留 尿 13. 天 日 乾 燥 14. Other 14a. 火 力 乾 燥 14b. 強 制 発 酵 ふん 採 卵 鶏 ブロイラー 14c. 堆 積 発 酵 14d. 焼 却 14e. 強 制 発 酵 尿 及 びふん 尿 混 合 14f. 浄 化 : 堆 肥 化 とくに 強 制 通 気 発 酵 における 発 生 温 暖 化 ガス 等 の 原 単 位 調 査 (( 財 ) 畜 産 環 境 整 備 機 構 ) 及 び 農 林 水 産 における 地 球 温 暖 化 調 査 ( 全 国 事 業 ) ( 農 林 水 産 省 環 境 バイオマス 政 策 課 )の 研 究 にて 実 施 予 定 : 家 畜 排 せつ 物 管 理 における 温 室 効 果 ガス 発 生 量 の 評 価 ( 農 林 水 産 技 術 会 議 事 務 局 研 究 開 発 課 )の 研 究 等 にて 実 施 予 定 : 処 理 実 態 がほとんど 無 く 数 値 設 定 の 必 要 性 が 低 い : 予 定 無 し : 現 状 で 我 が 国 独 自 の 数 値 を 使 用 2.4 4.D.2 牧 草 地 放 牧 場 小 放 牧 地 からの 排 出 の 割 当 (4.B.1. 牛 ) 放 牧 家 畜 からのふん 尿 による N 2 O 排 出 量 は 本 来 4.D.2 牧 草 地 放 牧 場 小 放 牧 地 に 計 上 すべきであるが CRF には CH 4 の 報 告 区 分 がないことから ガス 間 の 整 合 性 をとるために CH 4, N 2 O の 排 出 量 をともに 4.B に 計 上 している この 処 理 に 対 し 2006 年 訪 問 審 査 において 14
少 なくとも 明 確 にこれらの 排 出 量 が 算 出 されている 牛 については 報 告 カテゴリーを 変 更 するこ と 及 び 残 りの 家 畜 については 排 出 量 を 正 確 に 配 分 できるよう 情 報 収 集 を 行 うことが 推 奨 され ている また 放 牧 家 畜 ( 牛 )からの CH 4, N 2 O 排 出 係 数 に 関 して 排 出 実 態 を 表 していない 可 能 性 が ある 牧 草 地 放 牧 場 小 放 牧 地 における 牛 からの N 2 O 排 出 量 の 計 上 カテゴリーを 4.B から 4.D.2 に 変 更 する なお 牧 草 地 放 牧 場 小 放 牧 地 における 牛 からの CH 4 排 出 量 及 びその 他 の 家 畜 (めん 羊 山 羊 馬 水 牛 )からの 牧 草 地 放 牧 場 小 放 牧 地 における N 2 O 排 出 量 に 関 して は 引 き 続 き 4.B に 計 上 する また 放 牧 家 畜 ( 牛 )からの CH 4, N 2 O 排 出 係 数 に 関 しては その 妥 当 性 を 検 証 できる 情 報 が ないため 引 き 続 き 検 討 課 題 とする 現 状 の 算 定 方 法 ( 牛 ) 我 が 国 独 自 の 排 出 係 数 に 総 放 牧 頭 数 を 乗 じて 排 出 量 を 算 定 排 出 係 数 一 日 当 たり 牛 一 頭 が 排 せつする 排 せつ 物 からの CH 4 N 2 O 発 生 量 (g) 表 12 家 畜 生 産 の 排 出 係 数 排 出 係 数 単 位 CH 4 3.67 [g CH 4 / 頭 / 日 ] N 2 O 0.32 [g N 2 O-N/ 頭 / 日 ] ( 出 典 )( 社 ) 畜 産 技 術 協 会 畜 産 における 温 室 効 果 ガスの 発 生 制 御 第 六 集 ( 平 成 13 年 3 月 ) 活 動 量 畜 産 統 計 における 公 共 牧 場 民 間 牧 場 双 方 を 含 めた 全 放 牧 頭 数 に 放 牧 期 間 を 乗 じること によって 設 定 放 牧 期 間 については 牛 の 放 牧 場 の 全 国 実 態 調 査 (2000 年 ) 報 告 書 に 示 された 調 査 結 果 の 季 節 放 牧 ( 平 均 放 牧 日 数 172.8 日 牧 場 数 623)と 周 年 放 牧 ( 放 牧 日 数 を 365 日 と 仮 定 牧 場 数 61)の 値 を 用 い 放 牧 日 数 を 牧 場 数 で 加 重 平 均 を 行 い 190 日 と 設 定 表 13 放 牧 頭 数 の 推 移 項 目 単 位 1990 1995 2000 2005 2006 2007 乳 用 牛 放 牧 頭 数 頭 302,219 281,603 252,088 245,100 236,500 236,500 肉 用 牛 放 牧 頭 数 頭 99,723 103,150 99,769 116,300 98,500 98,500 2007 年 度 は 2006 年 度 値 を 代 用 15
2.5 活 動 量 の 修 正 (4.B.3. めん 羊 4.B.4. 山 羊 4.B.6. 馬 ) 飼 養 頭 数 は FAO 統 計 を 使 用 しているが 本 来 であれば 国 内 における 出 典 を 使 用 することが 望 ましい また 最 近 数 年 間 は 数 値 が 更 新 されていない 農 林 水 産 省 から 提 供 された 以 下 のデータを 用 いることとする めん 羊 及 び 山 羊 : 家 畜 改 良 関 係 資 料 (( 社 ) 中 央 畜 産 会 ) 馬 : 馬 関 係 資 料 ( 農 林 水 産 省 生 産 局 畜 産 部 畜 産 振 興 課 ) (3) 改 訂 結 果 めん 羊 山 羊 馬 の 飼 養 頭 数 変 更 に 伴 う 家 畜 排 せつ 物 管 理 からの N 2 O 排 出 量 変 化 については 1.2 に 一 括 して 記 載 している なお めん 羊 山 羊 馬 の 飼 養 頭 数 の 変 更 は 4.D.3. 間 接 排 出 における 大 気 沈 降 窒 素 溶 脱 流 出 からの N 2 O 排 出 量 にも 影 響 するが この 排 出 量 は 家 畜 排 せつ 物 由 来 の 有 機 物 肥 料 の 施 肥 量 は2.1 における 家 畜 1 頭 当 たりの 排 せつ 物 量 の 変 更 の 影 響 も 受 けるため 両 者 の 変 更 による 4.D.3. 間 接 排 出 の 排 出 量 の 変 化 は4.10 にてまとめ て 記 載 する 16
3. 稲 作 (4C)CH 4 3.1 排 出 係 数 の 改 善 の 反 映 (4.C.1. 灌 漑 水 田 ) 稲 作 の 主 要 排 出 源 である 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)からの 算 定 については 現 在 全 年 度 におい て 同 じ 排 出 係 数 を 使 用 していることから 有 機 質 資 材 の 投 入 量 削 減 など 対 策 の 効 果 が 反 映 され るよう 可 能 な 限 り 排 出 係 数 を 更 新 していく 必 要 がある 現 状 の 算 定 方 法 ( 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)) 算 定 方 法 間 欠 潅 漑 水 田 面 積 に 有 機 物 管 理 方 法 ごとの 単 位 面 積 当 たり 土 壌 種 別 CH 4 発 生 量 各 土 壌 種 の 面 積 割 合 有 機 物 管 理 方 法 の 割 合 を 乗 じ 有 機 物 管 理 方 法 ごとの 土 壌 種 別 CH 4 発 生 量 を 算 出 している E = EF * A* R * S * O m, n m n E : CH 4 排 出 量 (kgch 4 ) EF m n : 土 壌 種 別 有 機 物 管 理 方 法 ごとの 排 出 係 数 (kgch 4 / m 2 ) A : 水 田 面 積 (m 2 ) R : 間 欠 潅 漑 水 田 の 割 合 S m : 各 土 壌 種 の 面 積 割 合 O n : 有 機 物 管 理 方 法 の 割 合 排 出 係 数 有 機 物 管 理 方 法 (わら 施 用 各 種 堆 肥 施 用 無 施 用 )ごと 土 壌 種 別 ( 黒 ボク 土 黄 色 土 低 地 土 グライ 土 泥 炭 土 )に 排 出 係 数 を 設 定 している わら 施 用 無 施 用 に 関 しては 5 つの 土 壌 種 別 に 実 測 値 により 設 定 し 各 種 堆 肥 施 用 に 関 しては 各 土 壌 種 別 の 実 測 値 はないが 専 門 家 判 断 による CH 4 排 出 量 の 各 種 堆 肥 施 用 / 無 施 用 比 :1.2-1.3 が 存 在 するため 各 種 堆 肥 施 用 の 土 壌 種 別 排 出 係 数 を 無 施 用 の 排 出 係 数 の 1.25 倍 と 設 定 している 表 14 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)の CH 4 排 出 係 数 わら 施 用 [gch 4 /m2/ 年 ] 各 種 堆 肥 施 用 [gch 4 /m2/ 年 ] 無 施 用 [gch 4 /m2/ 年 ] 黒 ボク 土 8.50 7.59 6.07 黄 色 土 21.4 14.6 11.7 低 地 土 19.1 15.3 12.2 グライ 土 17.8 13.8 11.0 泥 炭 土 26.8 20.5 16.4 ( 出 典 ) 日 本 の 水 田 からの CH4 と 畑 地 からの 亜 酸 化 窒 素 の 発 生 量 : 農 業 環 境 技 術 研 究 所 資 源 生 態 管 理 科 研 究 集 録 13 号 別 冊 ( 鶴 田 治 雄 ) 17
有 機 物 管 理 方 法 別 土 壌 別 排 出 係 数 については 特 に 経 年 的 に 大 きく 変 化 していないと 考 え られるため 現 状 の 排 出 係 数 を 引 き 続 き 適 用 する なお 現 在 中 干 しを 行 った 場 合 のメタン 発 生 状 況 の 違 いや DNDC モデルによる Tier.3 の 適 用 についても 研 究 が 進 められている 研 究 の 進 捗 状 況 も 踏 まえつつ 将 来 的 な 算 定 方 法 の 改 善 について 適 宜 考 慮 を 行 うこととする 3.2 活 動 量 に 関 するデータ( 有 機 物 施 用 方 法 割 合 )の 更 新 (4.C.1. 灌 漑 水 田 ) 稲 作 の 主 要 排 出 源 である 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)からの 算 定 については 全 年 度 において 同 じ 栽 培 方 法 使 用 割 合 を 使 用 していることから 排 出 係 数 が 小 さい 栽 培 方 法 への 転 換 が 排 出 量 算 定 に 反 映 されるよう 可 能 な 限 り 栽 培 方 法 使 用 割 合 を 更 新 していく 必 要 がある 現 状 の 算 定 方 法 ( 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)) 活 動 量 水 稲 作 付 総 面 積 に 間 欠 潅 漑 水 田 の 割 合 各 土 壌 種 の 面 積 割 合 及 び 有 機 物 管 理 方 法 の 割 合 を 乗 じ 有 機 物 管 理 方 法 ごと 土 壌 種 ごとの 水 田 作 付 面 積 を 求 めている A A* R* S * O m, n = m n Am,n : 土 壌 種 別 有 機 物 管 理 方 法 ごとの 水 田 面 積 (m 2 ) A : 水 田 面 積 (m 2 ) R : 間 欠 潅 漑 水 田 の 割 合 Sm : 各 土 壌 種 の 面 積 割 合 On : 有 機 物 管 理 方 法 の 割 合 表 15 我 が 国 の 有 機 物 管 理 方 法 の 割 合 有 機 物 管 理 方 法 有 機 物 管 理 の 割 合 わら 施 用 60% 各 種 堆 肥 施 用 20% 有 機 物 無 施 肥 20% ( 出 典 ) 農 林 水 産 省 調 べ 有 機 物 管 理 方 法 の 低 排 出 型 管 理 への 移 行 は 我 が 国 における 京 都 議 定 書 目 標 達 成 計 画 の 施 策 の 一 つとして 挙 げられている 農 林 水 産 省 により 有 機 物 資 材 の 施 用 量 や 施 肥 状 況 等 も 踏 まえ た 農 地 を 対 象 とした 包 括 的 な 調 査 が 今 後 5 年 間 行 われることとなっている 最 初 のとりまと めは 2008 年 度 末 に 行 われることが 予 定 されているが 2009 年 インベントリの 提 出 時 に 結 果 を 反 映 することは 出 来 ないため 当 該 調 査 結 果 のとりまとめ 状 況 も 踏 まえつつ 今 後 適 宜 算 定 方 法 への 反 映 の 検 討 を 行 うものとする 18
3.3 活 動 量 に 関 するデータ( 土 壌 面 積 割 合 水 管 理 方 法 割 合 )の 更 新 (4.C.1. 灌 漑 水 田 ) 算 定 に 用 いている 水 田 の 土 壌 種 割 合 把 握 のデータは 全 年 度 で 一 定 の 値 を 用 いているほか 1979 年 度 のデータを 基 準 としており 実 態 が 変 化 している 可 能 性 がある また 灌 漑 水 田 に 占 める 常 時 湛 水 田 の 割 合 は 全 年 度 一 律 の 数 値 (2%)を 適 用 しているため 実 態 に 応 じた 見 直 しの 必 要 性 が 考 えられる 加 えて 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)からのメタン 排 出 の 抑 制 については 中 干 し 方 法 の 変 更 に よる 水 管 理 による 緩 和 策 が 提 唱 されているが 現 在 の 排 出 量 算 定 方 法 では 中 干 しの 管 理 を 一 つの 方 法 で 代 表 させているために 緩 和 策 の 実 施 が 排 出 量 算 定 に 反 映 されない 現 状 の 算 定 方 法 ( 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)) 算 定 式 は 有 機 物 施 用 方 法 割 合 における 記 載 と 同 様 間 欠 潅 漑 水 田 ( 中 干 し)の 割 合 は IRRI(International Rice Research Institute)の World Rice STATISTICS 1993-94 から 98%と 仮 定 している 水 田 における 土 壌 種 別 の 面 積 割 合 は 表 16 の 通 り 表 16 我 が 国 の 各 土 壌 種 の 面 積 割 合 土 壌 種 我 が 国 における 面 積 割 合 黒 ボク 土 黒 ボク 土 多 湿 黒 ボク 土 黒 ボクグライ 土 11.9% 黄 色 土 褐 色 森 林 土 灰 色 大 地 土 グライ 大 地 土 黄 色 土 暗 赤 色 土 9.4% 低 地 土 褐 色 低 地 土 灰 色 低 地 土 41.5% グライ 土 グライ 土 強 グライ 土 30.8% 泥 炭 土 黒 泥 土 泥 炭 土 6.4% 合 計 100.0% ( 出 典 ) 農 林 水 産 省 地 力 基 本 調 査 農 地 土 壌 の 土 壌 種 別 面 積 割 合 については 現 在 農 業 環 境 技 術 研 究 所 にてデータ 整 備 を 行 って おり 2008 年 度 末 でのとりまとめが 予 定 されている 間 欠 潅 漑 水 田 と 常 時 湛 水 田 の 割 合 につい ては データを 更 新 するだけの 情 報 が 現 段 階 では 存 在 しない 今 後 土 壌 データのとりまとめ や 農 林 水 産 省 調 査 の 結 果 も 踏 まえ 適 宜 算 定 方 法 への 反 映 の 検 討 を 行 うものとする 19
4. 農 用 地 の 土 壌 (4D)N 2 O 4.1 有 機 質 肥 料 の 施 肥 における N 2 O 排 出 係 数 の 設 定 (4.D.1.2. 直 接 排 出 - 有 機 質 肥 料 ) 有 機 質 肥 料 からの N 2 O 排 出 係 数 は 合 成 肥 料 からの N 2 O 排 出 係 数 と 同 一 のものを 使 用 してい ることから 別 々の 数 値 が 設 定 出 来 るか 検 討 する 必 要 がある 現 状 の 排 出 量 算 定 方 法 算 定 方 法 使 用 された 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 に 含 まれる 窒 素 の 量 に 排 出 係 数 を 乗 じて 排 出 量 を 算 定 している E = EF * A*44 / 28 E : 農 用 地 の 土 壌 ( 畑 地 )への 合 成 肥 料 の 施 肥 に 伴 う N 2 O 排 出 量 (kgn 2 O) EF A : 排 出 係 数 (kgn 2 O- N/kgN) : 使 用 された 肥 料 に 含 まれる 窒 素 量 (kgn) 排 出 係 数 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 について 同 一 の 数 値 を 水 稲 茶 その 他 の 作 物 の 3 種 につ いて 設 定 している 排 出 係 数 は 全 ての 年 で 同 一 である 合 成 肥 料 と 有 機 質 肥 料 では 排 出 係 数 に 大 きな 差 異 があると 考 えられるが 2005 年 度 の 算 定 方 法 検 討 会 時 点 ではまだ 研 究 の 途 中 段 階 であり 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 で 同 一 の 数 値 を 使 用 することとしていた 表 17 農 用 地 の 土 壌 への 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 に 伴 う N 2 O の 排 出 係 数 作 物 種 排 出 係 数 (kgn 2 O- N/kgN) 水 稲 0.31% 茶 2.9% その 他 の 作 物 0.62% ( 出 典 )Hiroko AKIYAMA, Xiaoyuan YAN and Kazuyuki YAGI. (2006): Estimations of emission factors for fertilizer-induced direct N 2 O emissions from agricultural soils in Japan: Summary of available data, Soil Science and Plant Nutrition (2006) 52, 774 787. 有 機 質 肥 料 の 排 出 係 数 については 2006 年 IPCC ガイドラインにおいても 独 自 のデフォルト 排 出 係 数 が 設 定 されていない また 我 が 国 独 自 の 排 出 係 数 を 設 定 するのに 十 分 なデータもな い また 有 機 質 肥 料 独 自 の 係 数 を 適 用 しても 不 確 実 性 の 増 大 が 見 込 まれる 従 って 長 期 的 な 課 題 として 整 理 するが 我 が 国 では 環 境 保 全 型 農 業 として 合 成 肥 料 ではなく 有 機 質 肥 料 の 20
使 用 を 推 進 していることから 有 機 質 肥 料 への 転 換 がインベントリに 反 映 されるよう 排 出 係 数 の 研 究 開 発 を 進 めていく 必 要 がある(ただし 有 機 質 肥 料 からの N 2 O 排 出 係 数 は 有 機 質 肥 料 の 質 や 耕 作 タイプ 地 域 等 により 大 きく 異 なるため 大 規 模 な 研 究 の 実 施 が 必 要 となること に 留 意 する 必 要 がある) 4.2 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 における 茶 の N 2 O 排 出 係 数 の 設 定 (4.D.1. 直 接 排 出 -1.1. 合 成 肥 料 1.2. 有 機 質 肥 料 ) 茶 について 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 からの N 2 O 排 出 係 数 は 一 般 的 な 管 理 を 行 った 茶 園 での 計 測 を 元 に 求 められていることから その 中 には 刈 り 落 とされた 残 渣 を 起 源 とする 排 出 も 含 ま れていると 考 えられる 従 って 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 からの N 2 O 排 出 係 数 は 残 渣 からの N 2 O 排 出 をダブルカウントし 過 大 になっている 可 能 性 があるため 適 切 な 数 値 の 設 定 について 検 討 する 必 要 がある なお 茶 の 排 出 係 数 は 我 が 国 の 測 定 データから 設 定 された 数 値 を 使 用 している( 表 17 参 照 ) 我 が 国 の 測 定 値 は 窒 素 無 施 用 区 での 計 測 データではないことから 土 壌 の 窒 素 量 のバック グラウンド 値 を 1kgN/ha と 仮 定 してそれを 測 定 データから 差 し 引 いて 設 定 している 観 測 期 間 は 209~365 日 間 である 茶 の 排 出 係 数 の 設 定 については 残 渣 のすきこみや 窒 素 量 の 情 報 と 共 に 引 き 続 き 研 究 成 果 などを 収 集 し 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 における N 2 O 排 出 係 数 の 分 離 と 合 わせ 設 定 方 法 に ついて 検 討 を 進 める 4.3 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 における 茶 の 施 肥 量 (4.D.1. 直 接 排 出 -1.1. 合 成 肥 料 1.2. 有 機 質 肥 料 ) 現 在 合 成 肥 料 および 有 機 質 肥 料 の 施 肥 量 は 水 稲 以 外 については 平 成 12 年 度 に 行 われた 調 査 の 結 果 を 全 年 度 一 律 に 利 用 しているが 施 肥 量 が 経 年 的 に 変 化 している 場 合 実 態 を 反 映 出 来 ていない 可 能 性 がある 現 状 の 算 定 方 法 活 動 量 活 動 量 は 各 作 物 種 別 の 耕 地 面 積 に 各 作 物 種 の 単 位 面 積 当 たり 合 成 肥 料 施 用 量 を 乗 じる ことにより 算 定 する A = RA n n * RFn *10 21
A n RA n RF n : 作 物 種 別 の 窒 素 投 入 量 (kgn) : 作 物 種 別 の 耕 地 面 積 (ha) : 各 作 物 種 の 単 位 面 積 当 たり 合 成 肥 料 施 用 量 (kgn/10a) 表 18 作 物 種 別 の 単 位 面 積 あたり 肥 料 施 用 量 ( 水 稲 以 外 全 ての 年 で 同 一 の 値 ) 作 物 種 合 成 肥 料 施 用 量 有 機 質 肥 料 施 用 量 [kg N/10a] [kg N/10a] 野 菜 21.27 23.62 水 稲 - 3.20 果 樹 14.70 10.90 茶 48.50 17.60 馬 鈴 薯 12.70 7.94 豆 類 3.10 6.24 飼 料 作 物 10.00 10.00 かんしょ 6.20 8.85 麦 10.00 5.70 そば( 雑 穀 ) 4.12 1.81 桑 16.20 0.00 工 芸 作 物 22.90 3.96 たばこ 15.40 11.41 ( 出 典 : 平 成 12 年 度 温 室 効 果 ガス 排 出 削 減 定 量 化 法 調 査 報 告 書 ( 財 団 法 人 農 業 技 術 研 究 会 )) 専 門 家 ヒアリング 2 によると 基 本 的 に 茶 と 水 稲 以 外 の 作 物 の 施 肥 量 はほぼ 一 定 で 推 移 してい ると 考 えられるため 茶 と 水 稲 以 外 の 作 物 は 現 状 の 施 肥 量 をそのまま 使 用 し 続 けることとする 茶 については 施 肥 量 の 規 制 等 により 経 年 的 に 施 肥 量 が 変 化 していると 考 えられることから その 変 化 の 算 定 方 法 への 反 映 を 行 うものとする 茶 栽 培 においては 窒 素 多 肥 に 起 因 する 環 境 への 負 荷 発 生 並 び 土 壌 の 劣 化 が 問 題 になってお り また 1999 年 には 硝 酸 性 窒 素 及 び 亜 硝 酸 性 窒 素 が 公 共 用 水 域 及 び 地 下 水 の 水 質 汚 濁 に 係 る 人 の 健 康 の 保 護 に 関 する 環 境 基 準 に 追 加 され 茶 園 からの 硝 酸 性 窒 素 排 出 削 減 が 強 く 求 められ ることになっている 3 近 年 の 茶 園 における 施 肥 基 準 は 一 時 期 に 比 べ 低 い 値 で 設 定 されており 現 場 での 施 肥 量 にも 減 少 が 見 られる 茶 園 における 窒 素 環 境 負 荷 とその 低 減 のための 施 肥 技 術 ( 野 中 (2005) 野 菜 茶 業 研 究 所 報 告 100 号 )では 茶 生 産 地 に 対 するアンケート 結 果 を 単 純 平 均 した 値 として 1993 年 1998 年 2002 年 の 年 間 窒 素 施 用 量 の 値 が 報 告 されている 表 19 この 野 茶 研 報 による 1993 年 1998 年 2002 年 データを 用 いて 時 系 列 データを 構 築 し 全 2 農 業 環 境 技 術 研 究 所 八 木 一 行 温 室 効 果 ガス RP リーダー 秋 山 博 子 物 質 循 環 研 究 領 域 主 任 研 究 員 (2008 年 10 月 3 日 ) 3 茶 園 における 窒 素 環 境 負 荷 とその 低 減 のための 施 肥 技 術 ( 野 中 (2005) 野 菜 茶 業 研 究 所 報 告 100 号 )よ り 引 用 22
年 度 において 再 計 算 を 行 うものとする なお 1989 年 ~1992 年 値 は 1993 年 値 の 据 え 置 き 1994 ~1997 年 値 1999~2001 年 値 は 単 純 内 挿 2003 年 度 以 降 の 値 は 2002 年 値 の 据 え 置 きを 行 うも のとする また 野 茶 研 報 のデータは 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 合 計 量 であるが インベントリ では 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 それぞれの 施 肥 からの N 2 O 排 出 について 算 定 を 行 う 必 要 があること から 野 茶 研 報 の 各 年 次 のデータを 現 在 算 定 に 使 用 している 平 成 12 年 度 温 室 効 果 ガス 排 出 削 減 定 量 化 法 調 査 報 告 書 における 合 成 肥 料 と 有 機 質 肥 料 の 割 合 を 用 い 按 分 し 合 成 肥 料 施 肥 量 及 び 有 機 質 肥 料 施 肥 量 を 推 計 する 表 19 茶 の 施 肥 量 のデータ 年 次 単 位 合 計 施 肥 量 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 施 肥 量 施 肥 量 出 典 1993 kg/10a 78.00 57.23 20.77 合 計 施 肥 量 は 野 菜 茶 業 研 究 所 報 告 100 号 1998 kg/10a 70.00 51.36 18.64 合 計 施 肥 量 は 野 菜 茶 業 研 究 所 報 告 100 号 2002 kg/10a 61.00 44.76 16.24 合 計 施 肥 量 は 野 菜 茶 業 研 究 所 報 告 100 号 ( 按 分 に 使 用 ) 2000 kg/10a 66.10 48.50 17.60 平 成 12 年 度 温 室 効 果 ガス 排 出 削 減 定 量 化 法 調 査 報 告 書 (3) 改 訂 結 果 茶 の 単 位 面 積 施 肥 量 の 改 訂 を 行 ったことにより 従 来 の 茶 の 単 位 面 積 施 肥 量 より 大 きな 値 を 使 用 した 1990 年 度 の 排 出 量 は 改 訂 前 より 約 80Gg-CO 2 eq. 増 加 ( 合 成 肥 料 の 施 肥 :55Gg-CO 2 eq. 増 有 機 質 肥 料 の 施 肥 26Gg-CO 2 eq. 増 )したが 従 来 の 茶 の 単 位 面 積 施 肥 量 より 小 さな 値 を 使 用 した 2006 年 度 の 排 出 量 は 改 訂 前 より 約 29Gg-CO 2 eq. 減 少 ( 合 成 肥 料 の 施 肥 :20Gg-CO 2 eq. 減 有 機 質 肥 料 の 施 肥 9Gg-CO 2 eq. 減 )となった 表 20 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 における 茶 の 施 肥 量 の 変 更 に 伴 う 排 出 量 の 変 化 1990 1995 2000 2005 2006 改 訂 前 合 成 肥 料 Gg-N2O 6.01 5.18 4.99 4.90 4.68 有 機 質 肥 料 Gg-N2O 4.25 3.80 3.63 3.48 3.45 合 計 Gg-N2O 10.26 8.97 8.62 8.38 8.13 改 訂 後 合 成 肥 料 Gg-N2O 6.19 5.29 4.99 4.83 4.62 有 機 質 肥 料 Gg-N2O 4.33 3.85 3.62 3.45 3.42 合 計 Gg-N2O 10.52 9.14 8.61 8.28 8.04 差 異 合 成 肥 料 Gg-N2O +0.18 +0.12-0.01-0.07-0.06 有 機 質 肥 料 Gg-N2O +0.08 +0.06-0.00-0.03-0.03 合 計 Gg-N2O +0.26 +0.17-0.01-0.10-0.09 1990 1995 2000 2005 2006 改 訂 前 合 成 肥 料 Gg-CO2 eq. 1,863.5 1,604.9 1,548.2 1,518.3 1,451.6 有 機 質 肥 料 Gg-CO2 eq. 1,316.6 1,176.6 1,124.5 1,078.3 1,068.9 合 計 Gg-CO2 eq. 3,180.1 2,781.4 2,672.7 2,596.6 2,520.5 改 訂 後 合 成 肥 料 Gg-CO2 eq. 1,918.0 1,640.6 1,545.8 1,497.7 1,431.8 有 機 質 肥 料 Gg-CO2 eq. 1,342.8 1,194.1 1,123.4 1,069.0 1,059.6 合 計 Gg-CO2 eq. 3,260.8 2,834.8 2,669.1 2,566.7 2,491.4 差 異 合 成 肥 料 Gg-CO2 eq. +54.5 +35.8-2.4-20.6-19.8 有 機 質 肥 料 Gg-CO2 eq. +26.2 +17.6-1.1-9.3-9.3 合 計 Gg-CO2 eq. +80.7 +53.3-3.6-29.9-29.1 各 年 度 の 排 出 量 は 単 年 の 値 であり 3 ヵ 年 平 均 は 行 っていない 23
4.4 窒 素 固 定 作 物 からの 排 出 (4.D.1. 直 接 排 出 -1.1. 合 成 肥 料 1.2. 有 機 質 肥 料 1.3 窒 素 固 定 作 物 ) 我 が 国 では 窒 素 固 定 作 物 の 窒 素 固 定 量 も 含 めた 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 からの N 2 O 排 出 係 数 を 国 内 での 実 測 結 果 から 設 定 していることから 窒 素 固 定 作 物 からの 排 出 量 はこれま で 合 成 肥 料 の 施 肥 有 機 質 肥 料 の 施 肥 のカテゴリーでまとめて 計 上 を 行 っており 過 去 の 審 査 でもそのような 説 明 を 行 ってきた しかし これを 分 離 し 窒 素 固 定 作 物 からの 排 出 は 窒 素 固 定 作 物 のカテゴリーで 計 上 することが 専 門 家 レビューチームから 推 奨 されている 実 際 現 在 活 動 量 として 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 による 窒 素 分 のみを 用 いていることか ら 窒 素 固 定 作 物 の 窒 素 固 定 分 の 効 果 を 過 小 推 計 している 可 能 性 がある 現 状 の 算 定 方 法 算 定 方 法 使 用 された 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 に 含 まれる 窒 素 の 量 に 排 出 係 数 を 乗 じて 排 出 量 を 算 定 しており この 中 に 窒 素 固 定 作 物 による N 2 O 排 出 も 含 まれているものとして 算 定 E = EF * A*44 / 28 E : 農 用 地 の 土 壌 ( 畑 地 )への 合 成 肥 料 の 施 肥 に 伴 う N 2 O 排 出 量 (kgn 2 O) EF A : 排 出 係 数 (kgn 2 O- N/kgN) : 使 用 された 肥 料 に 含 まれる 窒 素 量 (kgn) 排 出 係 数 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 について 同 一 の 数 値 を 水 稲 茶 その 他 の 作 物 の3 種 につ いて 設 定 している 排 出 係 数 は 全 ての 年 で 同 一 である 表 21 農 用 地 の 土 壌 への 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 に 伴 う N 2 O の 排 出 係 数 作 物 種 排 出 係 数 (kgn 2 O- N/kgN) 水 稲 0.31% 茶 2.9% その 他 の 作 物 0.62% ( 出 典 )Hiroko AKIYAMA, Xiaoyuan YAN and Kazuyuki YAGI. (2006): Estimations of emission factors for fertilizer-induced direct N 2 O emissions from agricultural soils in Japan: Summary of available data, Soil Science and Plant Nutrition (2006) 52, 774 787. 1996 年 改 訂 IPCC ガイドラインでは 1 年 間 に 耕 作 される 窒 素 固 定 作 物 による 年 間 窒 素 固 定 量 は 窒 素 固 定 作 物 の 地 上 部 バイオマス 中 の 窒 素 量 で 合 理 的 に 代 替 できるとされている 尾 24
和 1996 4 では 我 が 国 の 農 作 物 における 作 物 別 養 分 吸 収 量 の 試 験 成 果 のデータから 収 穫 物 と 収 穫 残 渣 の 窒 素 含 量 及 び 対 象 作 物 の 乾 物 収 量 現 物 収 量 等 のデータのとりまとめを 行 っている 地 上 部 バイオマス 中 の 窒 素 量 については この 調 査 結 果 にて 集 計 されている 現 物 収 量 あたりの 収 穫 物 および 収 穫 物 残 渣 の 窒 素 吸 収 量 データを 用 いて 我 が 国 独 自 の 係 数 を 設 定 で きることから 窒 素 固 定 作 物 の 収 穫 量 を 利 用 する GPG(2000)の Tier.1 の 式 を 基 に 設 定 した 計 算 式 で 窒 素 固 定 量 を 把 握 する 算 定 方 法 活 動 量 豆 類 ( 乾 燥 子 実 ) 野 菜 窒 素 固 定 作 物 として 豆 類 ( 乾 燥 子 実 )の 大 豆 小 豆 いんげん らっかせい 及 び 野 菜 のさやいんげん さやえんどう そらまめ えだまめ を 計 上 対 象 とする 窒 素 固 定 作 物 により 固 定 される 窒 素 量 (F BN )は GPG(2000)の Tire.1b: 式 4.26 を 変 形 し 各 窒 素 固 定 作 物 種 の 収 穫 量 (Crop BFi )に 我 が 国 独 自 の 研 究 データより 設 定 した 収 穫 物 中 及 び 収 穫 物 残 渣 中 に 含 まれる 現 物 収 穫 量 比 窒 素 吸 収 量 の 値 を 乗 じて 設 定 する [ Crop ( Frac' Frac' ] F BN = BFi NCRBFi+ NRESBFi ) i F BN Crop BFi Frac NCRBFi Frac NRESBFi : 窒 素 固 定 作 物 により 固 定 された 窒 素 量 (kgn) : 窒 素 固 定 作 物 i の 現 物 収 穫 量 (t) : 窒 素 固 定 作 物 i の 収 穫 物 中 に 含 まれる 現 物 収 穫 量 比 窒 素 量 (kgn/t) : 窒 素 固 定 作 物 i の 収 穫 物 残 渣 中 に 含 まれる 現 物 収 穫 量 比 窒 素 量 (kgn/t) 注 ) (Frac NCRBFi + Frac NRESBFi )は 式 4.26 の{(1+Res BFi /Crop BFi )*Frac DMi *Frac NCRBFi }に 相 当 するパラ メータで 我 が 国 の 研 究 事 例 より 直 接 設 定 出 来 る 飼 料 作 物 GPG(2000)では アルファルファ 等 のマメ 科 飼 料 作 物 による 窒 素 固 定 分 も 計 算 対 象 にす るように 記 述 されている 我 が 国 では イネ 科 とマメ 科 の 牧 草 が 混 播 されており 統 計 情 報 としては イネ 科 牧 草 単 独 と イネ 科 マメ 科 混 播 牧 草 の 収 穫 量 及 び 作 付 面 積 のみしか 把 握 できない 従 って マメ 科 牧 草 単 独 の 収 穫 量 及 び 作 付 面 積 は 直 接 把 握 できないことから 北 海 道 立 農 業 試 験 場 他 北 海 道 の 採 草 地 における 牧 草 生 産 の 現 状 と 課 題 5 などを 踏 まえた 専 門 家 判 断 により イネ 科 マメ 科 混 播 牧 草 におけるマメ 科 牧 草 の 割 合 を 10%と 定 め マメ 科 牧 草 の 収 穫 量 を 推 計 することとする( 同 調 査 では 北 海 道 におけるマメ 科 牧 草 の 割 合 の 全 道 平 均 値 が 掲 載 されている 北 海 道 で 大 半 を 占 めるチモシー 草 地 については マメ 科 牧 草 の 割 合 が 1 番 草 :9% 2 番 草 :11%であることから 約 10%と 判 断 することが 出 来 る なお イネ 科 マメ 科 混 播 牧 草 はほとんどが 北 海 道 で 栽 培 されていることから 北 海 道 値 を 全 国 値 とみ なすこととする) 4 平 成 8 年 度 関 東 東 海 農 業 環 境 調 和 型 農 業 生 産 における 土 壌 管 理 技 術 に 関 する 第 6 回 研 究 会 養 分 の 効 率 的 利 用 技 術 の 新 たな 動 向 我 が 国 の 農 作 物 の 栄 養 収 支 5 北 海 道 の 採 草 地 における 牧 草 生 産 の 現 状 と 課 題 Ⅰ. 収 量 及 び 栄 養 価 の 現 状 成 績 概 要 書 <http://www.agri.pref.hokkaido.jp/center/kenkyuseika/gaiyosho/h12gaiyo/20003161.htm> 25
GPG(2000)の 式 4.27 によるマメ 科 牧 草 による 窒 素 固 定 量 の 計 算 では 収 穫 物 の 窒 素 量 を 用 いて 窒 素 固 定 量 の 算 定 を 行 う 式 となっている 一 方 我 が 国 の 研 究 データでは イネ 科 マ メ 科 混 播 牧 草 の 刈 り 株 および 根 の 養 分 含 量 のデータが 存 在 しており 2006 年 IPCC ガイドラ インにおける 窒 素 固 定 作 物 の 算 定 では 地 上 部 バイオマス 残 渣 及 び 地 下 バイオマスによるす き 込 み 量 を 対 象 していることも 踏 まえ マメ 科 牧 草 による 窒 素 固 定 量 の 計 算 では 地 上 部 収 穫 物 バイオマスの 代 わりに 刈 り 株 および 根 の 収 穫 物 残 渣 中 の 窒 素 量 を 直 接 用 いることとし GPG(2000)の 式 4.27 を 変 形 した 以 下 の 式 で 推 計 を 行 う [ Crop Frac ] F = ' BN i F BN Crop BF Frac NBGBFi BF NCBGF : マメ 科 飼 料 作 物 により 固 定 された 窒 素 量 (kgn) : マメ 科 飼 料 作 物 の 現 物 収 穫 量 (t) : マメ 科 飼 料 作 物 の 地 下 部 に 含 まれる 現 物 収 穫 量 比 窒 素 量 (kgn/t) 注 ) (Frac NCRBFi )は 式 4.26 の(Frac DMi *Frac NCRBFi )に 相 当 するパラメータで 我 が 国 の 研 究 事 例 よ り 直 接 設 定 出 来 る 表 22 窒 素 固 定 作 物 の 算 定 に 用 いたパラメータ 作 物 種 現 物 収 穫 量 1 トン 当 たりの 窒 素 固 定 量 (kgn/t) 大 豆 69.17 小 豆 40.68 いんげん 50.13 らっかせい 63.00 さやいんげん 1.98* 2 さやえんどう 2.65* 2 そらまめ 9.57* 1 えだまめ 9.57 マメ 科 牧 草 2.75* 3 *1 えだまめの 値 を 代 用 *2 えだまめの 値 を それぞれの 作 物 とえだまめの 収 穫 物 中 窒 素 含 有 率 比 で 換 算 して 設 定 *3 混 播 牧 草 における 刈 り 株 と 根 の 養 分 含 量 の 値 より 設 定 ( 出 典 ) 平 成 8 年 度 関 東 東 海 農 業 環 境 調 和 型 農 業 生 産 における 土 壌 管 理 技 術 に 関 する 第 6 回 研 究 会 養 分 の 効 率 的 利 用 技 術 の 新 たな 動 向 我 が 国 の 農 作 物 の 栄 養 収 支 (3) 改 訂 結 果 窒 素 固 定 作 物 からの N 2 O 排 出 量 は 1990 年 度 において 約 98Gg-CO 2 eq. 2006 年 度 において 約 81Gg-CO 2 eq.となった なお これまでは 窒 素 固 定 作 物 からの N 2 O 排 出 は IE として 報 告 している 26
表 23 窒 素 固 定 作 物 からの 排 出 量 1990 1995 2000 2005 2006 窒 素 固 定 作 物 Gg N2O 0.31 0.23 0.28 0.27 0.26 Gg CO2 eq. 97.5 70.3 88.3 83.7 80.8 各 年 度 の 排 出 量 は 単 年 の 値 であり 3 ヵ 年 平 均 は 行 っていない (4) 今 後 の 課 題 混 播 牧 草 中 のマメ 科 牧 草 の 割 合 については 将 来 的 により 精 緻 なデータに 更 新 する 必 要 があ る 2006 年 IPCC ガイドラインでは 窒 素 固 定 作 物 による 窒 素 固 定 分 の 効 果 は 算 定 における 具 体 的 な 根 拠 が 十 分 でないとされ 地 下 部 バイオマス 中 窒 素 のすき 込 みの 一 環 として 計 上 されて いる 2006 年 IPCC ガイドラインの 算 定 に 準 拠 した 地 下 部 のすき 込 み 情 報 については 現 在 算 定 に 利 用 している 調 査 結 果 ではほとんどデータが 存 在 しないため すき 込 みに 関 する 算 定 方 法 の 改 善 と 合 わせて 将 来 的 な 検 討 課 題 として 整 理 する 4.5 作 物 残 渣 のすき 込 みの 算 定 方 法 変 更 (4.D.1.4 直 接 排 出 - 作 物 残 渣 のすき 込 み) 現 在 作 物 残 渣 のすき 込 みでは 我 が 国 独 自 の 研 究 結 果 ( 尾 和 1996)より 設 定 した 単 位 面 積 当 たりすき 込 み 窒 素 量 に 各 作 物 の 栽 培 面 積 を 乗 じて 算 定 を 行 っている 即 ち 各 作 物 の 栽 培 面 積 の 変 化 が 排 出 量 の 変 化 として 計 算 される 方 法 となる 現 状 の 算 定 方 法 については 以 下 の 改 善 点 があることが 考 えられる GPG(2000)では 作 物 の 収 穫 量 を 元 にすき 込 み 量 を 計 算 する 式 となっているが 現 在 の 我 が 国 の 算 定 方 法 では 栽 培 面 積 と 1996 年 の 調 査 圃 場 における 単 位 面 積 当 たり 収 量 を 利 用 して 間 接 的 に 収 穫 量 を 把 握 する 方 法 とも 解 釈 できるものであり 単 位 面 積 当 たりの 収 量 変 化 や 収 穫 量 そのものの 変 化 が 排 出 量 の 算 定 に 反 映 されない 窒 素 固 定 作 物 や 作 物 残 渣 の 焼 却 では 収 穫 量 ベースの 算 定 を 行 っており 現 在 残 渣 すき 込 みで 用 いられている 栽 培 面 積 に 連 動 する 計 算 とは GPG(2000)で 留 意 されているこれ らの 排 出 算 定 方 法 の 間 での 一 貫 性 確 保 において 若 干 難 がある 我 が 国 独 自 の 排 出 計 算 に 用 いている 調 査 における 単 位 面 積 当 たり 収 量 が 各 作 物 におけ る 現 状 の 全 国 平 均 収 量 より 多 い 傾 向 があり この 結 果 N 投 入 量 が 多 めに 算 定 されること による 排 出 量 の 過 大 推 計 が 疑 われる 現 状 の 算 定 方 法 算 定 方 法 デフォルト 値 の 排 出 係 数 に 作 物 残 渣 のすき 込 みによって 投 入 された 窒 素 量 を 乗 じ N 2 O 排 出 量 を 算 定 している 27
E = EF * A*44 / 28 活 動 量 E : 作 物 残 渣 のすき 込 みによる N 2 O 排 出 量 (kg N 2 O) EF : デフォルト 値 の 排 出 係 数 (kgn 2 O- N/kgN) A : 作 物 残 渣 のすき 込 みによる 窒 素 投 入 量 (kg N) 我 が 国 には 作 物 別 の 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 窒 素 含 有 量 ( 単 位 :kg/10a 出 典 : 平 成 8 年 度 関 東 東 海 農 業 環 境 調 和 型 農 業 生 産 における 土 壌 管 理 技 術 に 関 する 第 6 回 研 究 会 養 分 の 効 率 的 利 用 技 術 の 新 たな 動 向 我 が 国 の 農 作 物 の 栄 養 収 支 ( 尾 和 1996))のデー タがあり これに 作 物 別 耕 地 面 積 を 乗 じてすき 込 まれた 窒 素 の 量 を 算 定 している( 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 窒 素 含 有 量 のデータがない 作 物 については 種 類 が 近 い 作 物 の 数 値 を 使 用 ) A = Ri * Ni *10*(1 FracBurn) A Ri Ni FracB urn : 作 物 残 渣 のすき 込 みによる 窒 素 投 入 量 (kgn) : 作 物 別 耕 地 面 積 (ha) : 作 物 別 の 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 窒 素 含 有 量 (kg/10a) : 焼 却 される 割 合 表 24 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 窒 素 含 有 量 ( 野 菜 麦 以 外 )(kg/10a) 種 類 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の N 含 有 量 焼 却 される 作 物 大 豆 1.6 小 豆 1.7 いんげん 1.6 らっかせい 1.6 水 稲 4.2 そば 7.9 かんしょ 5.6 牧 草 20.4 青 刈 りとうもろこし 15.4 ソルゴー 21.5 青 刈 りオート 麦 12.5 青 刈 りライ 麦 8.6 青 刈 りその 他 麦 14.1 なたね 7.9 茶 28.7 てんさい 16.4 さとうきび 7.2 こんにゃくいも 2.0 い 7.9 葉 たばこ 10.3 *いんげん らっかせい: 大 豆 と 小 豆 の 平 均 葉 タバコ:はくさいとキャベツの 平 均 値 を 使 用 そ ば い:なたねの 値 を 使 用 牧 草 :マメ 科 牧 草 いね 科 牧 草 混 播 牧 草 の 平 均 青 刈 りライ 麦 : 青 刈 りえん 麦 (オート 麦 )の 数 値 に ライ 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 /オート 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 ( 共 に 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000)のデフォルト 値 )を 乗 じて 算 出 青 刈 りその 他 麦 : 青 刈 りえん 麦 (オート 麦 )の 数 値 に その 他 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 /オート 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 (オート 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 は 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000) のデフォルト 値 その 他 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 は 小 麦 大 麦 類 の 各 年 度 の 収 穫 量 を 用 いて 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000)のデフォルト 値 の 加 重 平 均 を 算 出 しそれを 使 用 した)を 28
乗 じて 算 出 する 表 25 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 窒 素 含 有 量 ( 野 菜 麦 )(kg/10a) 種 類 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の N 含 有 量 焼 却 される 作 物 種 類 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の N 含 有 量 焼 却 される 作 物 野 菜 だいこん 6.1 野 菜 ねぎ 5.9 かぶ 6.1 にら 1.5 にんじん 4.9 たまねぎ 1.5 ごぼう 4.9 にんにく 1.5 れんこん 4.9 きゅうり 8.5 ばれいしょ 2.7 かぼちゃ 4.1 さといも 3.6 なす 11.7 やまのいも 3.1 トマト 9.4 はくさい 7.6 ピーマン 11.7 こまつな 10.3 スイートコーン 8.8 キャベツ 13.0 さやいんげん 12.1 ちんげんさい 10.3 さやえんどう 12.1 ほうれんそう 10.3 そらまめ 12.1 ふき 10.3 えだまめ 12.1 みつば 10.3 しょうが 5.5 しゅんぎく 10.3 いちご 4.6 セルリー 15.2 メロン 5.7 アスパラガス 1.5 すいか 2.4 カリフラワー 13.0 麦 類 小 麦 3.2 ブロッコリー 10.3 二 条 大 麦 0.5 レタス 2.6 六 条 大 麦 1.5 裸 麦 1.0 *かぶ:だいこんの 値 を 使 用 ごぼう レンコン:にんじんの 値 を 使 用 こまつな ちんげんさい ほうれんそう ブロッコリー ふき みつば しゅんぎく:はくさいとキャベツの 平 均 値 カリフラ ワー:キャベツと 同 じ アスパラガス にら にんにく:たまねぎと 同 じ 値 ピーマン:ナスと 同 じ 値 さやいんげん さやえんどう そらまめ:えだまめと 同 じ 値 しょうが:だいこんとにんじんの 平 均 値 小 麦 : 春 まき 小 麦 と 秋 まき 小 麦 の 平 均 裸 麦 : 二 条 大 麦 と 六 条 大 麦 の 平 均 表 26 野 焼 きされる 割 合 (デフォルト 値 ) データ 数 値 野 焼 きされる 割 合 0.1 我 が 国 独 自 の 排 出 計 算 に 用 いている 調 査 における 単 位 面 積 当 たり 収 量 と 作 物 統 計 における 主 な 作 物 の 単 位 面 積 当 たり 収 量 は 表 27 の 通 りである 例 えば 水 稲 小 麦 大 豆 小 豆 等 で は 調 査 を 実 施 した 圃 場 における 現 物 収 量 が 日 本 全 国 の 平 均 収 量 を 上 回 っており 過 剰 にす き 込 み 量 を 推 計 していることとなる 29
表 27 我 が 国 独 自 の 原 単 位 設 定 に 用 いている 研 究 における 単 位 面 積 収 量 と 作 物 統 計 による 我 が 国 の 主 な 作 物 の 平 均 収 量 (1990 1996 2000 2005) 単 位 (kg/10a) 作 物 種 現 在 利 用 している 文 献 値 作 物 統 計 による 値 乾 物 収 量 現 物 収 量 乾 物 率 1990 1996 2000 2005 水 稲 596 596 1.000 494 502 518 527 小 麦 477 477 1.000 365 302 376 410 六 条 大 麦 402 402 1.000 282 374 336 303 二 条 大 麦 413 413 1.000 344 411 419 357 大 豆 296 296 1.000 151 181 192 168 小 豆 279 279 1.000 178 160 202 206 いんげん 156 156 1.000 143 173 119 229 落 花 生 200 200 1.000 218 226 247 238 かんしょ 847 2,664 0.318 2,310 2,330 2,470 2,580 さとうきび 1,239 6,354 0.195 6,050 5,390 6,040 5,700 尾 和 (1996)のデータでは 単 位 面 積 当 たりの 収 穫 物 残 渣 中 窒 素 量 以 外 に 収 穫 物 当 たりの 収 穫 物 残 渣 により 土 壌 中 にすき 込 まれる 窒 素 量 の 原 単 位 も 設 定 可 能 なことから 土 壌 中 にすき 込 まれる 作 物 残 渣 由 来 の 窒 素 量 を 耕 地 面 積 を 元 にした 算 定 方 法 から 収 穫 物 量 を 元 にした 算 定 方 法 へ 変 更 を 行 うものとする ただし 茶 についてはすき 込 み 量 自 体 の 算 定 見 直 しが 予 定 され ていること( 後 述 ) 牧 草 青 刈 りとうもろこし ソルゴーについては 現 時 点 では 統 計 情 報 のみ からすき 込 みに 利 用 された 収 穫 量 が 把 握 できないことから この 先 も 引 き 続 き 算 定 方 法 の 改 善 を 行 うこととする 従 って 茶 牧 草 青 刈 りとうもろこし ソルゴーについては 今 回 の 改 正 においては 面 積 ベースの 算 定 から 収 穫 量 ベースの 算 定 への 移 行 は 行 わないものとする 算 定 方 法 活 動 量 統 計 情 報 から 把 握 された 作 物 別 の 収 穫 量 に 対 し 我 が 国 独 自 の 研 究 結 果 から 得 られた 作 物 別 の 乾 物 率 及 び 作 物 生 産 量 に 対 する 残 渣 中 に 含 まれる 窒 素 含 有 率 を 乗 じ 最 後 に 野 焼 きされ る 部 分 を 控 除 し 作 物 残 渣 のすき 込 みによる 窒 素 投 入 量 を 把 握 する A = P * RCNF *(1 FracB) A : 作 物 残 渣 のすき 込 みによる 窒 素 投 入 量 (kgn) P : 年 間 作 物 収 穫 量 (t) RCNF : 作 物 生 産 量 に 対 する 残 渣 中 に 含 まれる 窒 素 含 有 率 (kgn/t) FracB : 野 焼 きされる 割 合 :RCNF は GPG(2000)の 式 4.29 における Res/Crop*Frac DM *Frac NCR と 等 価 の 係 数 30
作 物 名 表 28 作 物 生 産 量 ( 現 物 収 穫 量 ) 当 たりの 残 渣 中 に 含 まれる 窒 素 量 (Res/Crop*Frac DM 収 穫 量 に 対 す る 残 渣 中 窒 素 量 [kgn/t] 備 考 *Frac NCR ) 作 物 名 収 穫 量 に 対 す る 残 渣 中 窒 素 量 [kgn/t] 大 豆 5.5 ちんげんさい 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 小 豆 5.9 ほうれんそう 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 いんげん 16.0 ふき 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 らっかせい 9.1 大 豆 小 豆 いんげんの 平 均 を 代 用 みつば 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 米 7.0 しゅんぎく 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 そば 30.5 なたねを 代 用 セルリー 2.6 かんしょ 2.1 アスパラガス 0.2 にんにくを 代 用 青 刈 りえん 麦 2.1 カリフラワー 2.3 キャベツを 代 用 青 刈 りライ 麦 1.4 *1 ブロッコリー 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 青 刈 りその 他 麦 2.4 *2 レタス 1.7 なたね 30.5 ねぎ 1.5 てんさい 1.2 にら 0.2 たまねぎを 代 用 さとうきび 1.1 たまねぎ 0.2 こんにゃくいも 0.5 にんにく 0.2 たまねぎを 代 用 い 30.5 なたねを 代 用 きゅうり 0.7 葉 たばこ 1.5 かぼちゃ 1.3 だいこん 1.1 なす 1.1 かぶ 1.1 だいこんの 代 用 トマト 0.6 にんじん 0.8 ピーマン 1.1 なすを 代 用 ごぼう 0.8 にんじんの 代 用 スイートコーン 6.5 れんこん 0.8 にんじんの 代 用 さやいんげん 6.9 えだまめを 代 用 ばれいしょ 0.8 さやえんどう 6.9 えだまめを 代 用 さといも 0.8 そらまめ 6.9 えだまめを 代 用 やまのいも 1.0 えだまめ 6.9 はくさい 0.7 しょうが 0.9 だいこんとにんじんの 平 均 を 代 用 こまつな 1.5 はくさいとキャベツの 平 均 を 代 用 いちご 1.0 キャベツ 2.3 メロン 2.4 露 地 メロンと 温 室 メロンの 平 均 すいか 0.5 尾 和 (1996)による 収 穫 物 現 物 収 量 と 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 N 含 有 量 の 値 から 設 定 ( 青 刈 りライ 麦 青 刈 りその 他 麦 を 除 く) *1 青 刈 りライ 麦 : 青 刈 りえん 麦 (オート 麦 )の 数 値 に ライ 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 /オート 麦 ( 子 実 用 ) の 窒 素 含 有 率 ( 共 に 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000)のデフォルト 値 )を 乗 じて 算 出 *2 青 刈 りその 他 麦 : 青 刈 りえん 麦 (オート 麦 )の 数 値 に その 他 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 /オート 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 (オート 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 は 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000) のデフォルト 値 その 他 麦 ( 子 実 用 )の 窒 素 含 有 率 は 小 麦 大 麦 類 の 各 年 度 の 収 穫 量 を 用 いて 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG(2000)のデフォルト 値 の 加 重 平 均 を 算 出 しそれを 使 用 した)を 乗 じて 算 出 備 考 (3) 改 訂 結 果 算 定 方 法 の 変 更 により 1990 年 度 の 排 出 量 が 約 227Gg-CO 2 eq. 2006 年 度 の 排 出 量 が 約 241Gg-CO 2 eq. 減 少 した 表 29 算 定 方 法 の 変 更 に 伴 う 排 出 量 の 変 化 1989 1990 1995 2000 2005 2006 改 訂 前 Gg-N2O 3.48 3.45 3.29 3.10 2.98 2.94 Gg-CO2 eq. 1,079.81 1,070.64 1,019.33 961.84 922.52 912.86 改 訂 後 Gg-N2O 2.75 2.63 2.49 2.38 2.27 2.17 Gg-CO2 eq. 853.05 816.18 773.21 738.41 704.55 671.73 差 異 Gg-N2O -0.73-0.82-0.79-0.72-0.70-0.78 Gg-CO2 eq. -226.76-254.46-246.13-223.44-217.97-241.13 各 年 度 の 排 出 量 は 単 年 の 値 であり 3 ヵ 年 平 均 は 行 っていない 31
4.6 茶 の 作 物 残 渣 中 の 窒 素 量 (4.D.1.4 直 接 排 出 - 作 物 残 渣 のすき 込 み) 作 物 残 渣 のすき 込 みからの N 2 O 排 出 に 関 し 現 在 茶 の 作 物 残 渣 中 の 窒 素 量 として 使 用 してい る 数 値 が 正 確 ではない 可 能 性 がある 茶 は 毎 年 葉 の 残 渣 部 分 が 茶 畑 の 畝 の 間 に 堆 積 し N 2 O を 発 生 させるのに 加 え 数 年 に 一 度 の 頻 度 で 地 上 部 の 地 面 から 約 40cm 上 の 部 分 が 全 部 剪 除 され( 中 刈 り あるいは 中 途 刈 り ) それが 残 渣 として 畝 間 に 堆 積 し N 2 O を 発 生 させる しかし 現 在 使 用 しているデータである 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 値 は 上 記 の 毎 年 の 残 渣 部 分 に 含 まれる 窒 素 量 ではなく 枝 部 分 の 残 渣 も 含 めた 地 上 部 の 全 残 渣 の 窒 素 量 になっている 地 上 部 の 残 渣 が 全 て 地 上 に 落 とされる のは 数 年 に 一 度 であるので この 使 用 値 は 実 際 に 比 べ 過 大 であり 現 状 では 過 大 推 計 になって いると 考 えられる 従 って この 過 大 推 計 を 解 消 するため 正 確 な 残 渣 中 の 窒 素 量 を 把 握 する 必 要 がある 茶 については 関 連 する 研 究 結 果 等 が 存 在 するが 更 に 情 報 の 整 理 が 必 要 なことから 引 き 続 き 算 定 方 法 の 改 善 についての 検 討 を 進 める 4.7 残 渣 の 除 去 割 合 (4.D.1.4 直 接 排 出 - 作 物 残 渣 のすき 込 み) 作 物 残 渣 からの N 2 O 排 出 について 前 述 の 式 を 使 用 し 活 動 量 である 窒 素 すき 込 み 量 を 算 定 し ている そこでは 収 穫 物 以 外 の 地 上 部 の 窒 素 含 有 量 を 使 用 し 収 穫 物 として 畑 から 除 去 され る 割 合 は 考 慮 しているが 収 穫 物 以 外 の 部 分 の 畑 から 除 去 される 割 合 等 については 考 慮 してい ない 従 って 収 穫 物 以 外 の 部 分 の 畑 から 除 去 される 割 合 について 適 当 な 数 値 が 設 定 出 来 る か 検 討 を 行 う 必 要 がある なお すき 込 みの 対 象 からは 除 かれるが 野 焼 きされる 対 象 となる 可 能 性 があるので 注 意 が 必 要 である 畑 から 除 去 される 割 合 については 具 体 的 な 値 が 設 定 できる 統 計 情 報 が 無 いが 未 利 用 バイ オマス 資 源 の 活 用 に 関 係 して 農 作 物 バイオマスに 関 する 調 査 が 出 始 めていることもあり こ れらの 情 報 も 踏 まえつつ 各 作 物 について 作 物 残 渣 の 除 去 実 態 を 把 握 するための 調 査 を 実 施 し 作 物 別 に 除 去 割 合 が 設 定 出 来 るよう 検 討 を 行 う 必 要 がある 4.8 我 が 国 独 自 の 排 出 係 数 の 設 定 (4.D.1.5 直 接 排 出 - 有 機 質 土 壌 の 耕 起 ) 現 在 有 機 質 土 壌 の 耕 起 の N 2 O 排 出 係 数 について 1996 年 改 訂 IPCC ガイドライン 及 び GPG 32
(2000)のデフォルト 値 を 使 用 している デフォルトの 排 出 係 数 は 我 が 国 の 実 際 の 排 出 係 数 よ り 過 大 である 可 能 性 が 専 門 家 から 指 摘 されていることから 我 が 国 独 自 の 数 値 を 設 定 するよう 検 討 を 行 う 必 要 がある また 現 在 の 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 からの N 2 O 排 出 係 数 が 有 機 質 土 壌 の 耕 起 からの N 2 O 排 出 も 含 んだ 値 になっている 可 能 性 があるため 合 成 肥 料 有 機 質 肥 料 か らの N 2 O 排 出 係 数 との 排 出 源 間 の 整 合 についても 検 討 を 行 う 現 状 の 算 定 方 法 算 定 方 法 耕 起 された 有 機 質 土 壌 の 面 積 にデフォルト 値 の 排 出 係 数 を 乗 じることにより N 2 O 排 出 量 を 算 定 している E = EF * A*44 / 28 E : 有 機 質 土 壌 の 耕 起 に 伴 う N 2 O 排 出 量 (kg N 2 O) EF : 有 機 質 土 壌 の 耕 起 の 排 出 係 数 (kgn 2 O- N/ ha/ 年 ) A : 耕 起 された 有 機 質 土 壌 の 面 積 (ha) 排 出 係 数 GPG(2000)に 示 された 温 帯 におけるデフォルト 値 の 排 出 係 数 である 8 kgn 2 O-N/ha/ 年 を 用 いる 全 年 度 について 同 一 の 数 値 を 使 用 している 北 海 道 農 業 研 究 センター 寒 地 温 暖 化 研 究 チームが 石 狩 川 泥 炭 地 の 農 家 圃 場 にて 実 施 した 調 査 において 泥 炭 地 水 田 ( 連 作 田 復 元 田 ) 及 び 泥 炭 地 畑 地 ( 転 換 畑 )における N 2 O 発 生 量 の 実 測 結 果 が 存 在 していることから 当 該 データを 利 用 した 我 が 国 独 自 の 排 出 係 数 の 設 定 につい て 検 討 を 行 った 水 田 水 田 における N 2 O 排 出 係 数 の 設 定 方 法 を 表 30 に 示 した 各 サンプルについて 実 測 値 の N 2 O 排 出 係 数 から 化 学 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 による N 2 O 排 出 分 を 控 除 し 施 肥 の 影 響 を 除 いた N 2 O 排 出 係 数 を 作 成 する それらを 観 測 地 点 ごと 平 均 し 観 測 地 点 別 平 均 排 出 係 数 を 作 成 し そ れら 観 測 地 点 別 平 均 排 出 係 数 の 平 均 値 を 最 終 的 に 水 田 における N 2 O 排 出 係 数 とする 施 肥 分 の 排 出 の 算 出 については 表 17 表 21 に 示 された 施 肥 に 伴 う N 2 O 排 出 係 数 を 使 用 する 33
圃 場 の 種 類 サンプルNo 表 30 有 機 質 土 壌 の 耕 起 に 伴 う N 2 O 排 出 係 数 の 設 定 ( 水 田 ) 施 肥 分 の 排 出 量 の 算 出 排 出 係 数 実 測 値 施 肥 における 施 肥 分 の 施 肥 量 平 均 値 (kgn2o- 排 出 係 数 排 出 量 N/ha) (kg/10a) (kgn2o- (kgn2o- (A) (B) N/kgN) N/ha) (C) (D)=(B C) 排 出 係 数 ( 施 肥 分 控 除 ) (kgn2o- N/ha) (A)-(D) 連 作 田 A02-03 0.50 9.2 0.31% 0.29 0.21 A03-04 1.09 7.6 0.31% 0.24 0.85 A04-05 1.51 7.6 0.31% 0.24 1.27 B03-04 0.51 7.6 0.31% 0.24 0.27 B04-05 0.76 7.6 0.31% 0.24 0.52 C04-05 0.33 3.6 0.31% 0.11 0.22 復 元 田 C03-0.11 5.6 0.31% 0.17-0.28 観 測 地 点 別 平 均 排 出 係 数 (kgn2o- N/ha) D04 0.15 3.6 0.31% 0.11 0.04 0.04 平 均 値 0.30 ( 出 典 ) 排 出 係 数 実 測 値 施 肥 量 平 均 値 : 永 田 (2006 ) 石 狩 川 泥 炭 地 の 土 地 利 用 と 温 室 効 果 ガス- 湿 原 水 田 転 換 畑 の 比 較 - ( 独 ) 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 北 海 道 農 業 研 究 センター 成 果 報 告 施 肥 における 排 出 係 数 :Hiroko AKIYAMA, Xiaoyuan YAN and Kazuyuki YAGI. (2006): Estimations of emission factors for fertilizer-induced direct N 2 O emissions from agricultural soils in Japan: Summary of available data, Soil Science and Plant Nutrition (2006) 52, 774 787. 0.78 0.40-0.03 なお 表 30 の 排 出 係 数 には 以 下 のような 問 題 点 が 存 在 するため 引 き 続 きその 妥 当 性 につ いて 検 討 が 必 要 である ( 作 物 残 渣 との 二 重 計 上 ) 作 物 残 渣 のすき 込 みにおける N 2 O 排 出 との 二 重 計 上 を 避 けるために 必 要 な わらなどの 作 物 残 渣 のすき 込 み 分 や 収 穫 後 に 地 面 に 残 っている 刈 り 株 分 の 影 響 の 排 除 が 行 われてい ない ( 調 査 フィールドの 選 択 ) 現 在 は 連 作 田 と 復 元 田 を 分 離 せず 全 てのサンプル 水 田 を 対 象 として N 2 O 排 出 係 数 を 設 定 しているが この 2 つを 分 離 し N 2 O 排 出 係 数 を 設 定 すべきかどうか 検 討 を 行 う 必 要 がある ( 出 典 の 信 頼 度 ) インベントリの 審 査 を 行 うレビューアーに データが 客 観 的 に 正 確 なものであるという 印 象 を 与 えるため データの 出 典 については 出 来 る 限 り 査 読 論 文 を 利 用 する 必 要 がある 畑 地 水 田 と 同 様 の 方 法 で 畑 地 における N 2 O 排 出 係 数 を 表 31 のように 作 成 した なお 化 学 肥 料 有 機 質 肥 料 の 施 肥 による 排 出 分 の 控 除 時 に 使 用 する 施 肥 における N 2 O 排 出 係 数 については 排 水 性 の 悪 い 土 壌 からの N 2 O 排 出 係 数 1.40%を 使 用 する( 出 典 は 下 記 の 通 り) なお 水 田 同 様 に 表 30 の 排 出 係 数 には 作 物 残 渣 との 二 重 計 上 や 出 典 の 信 頼 度 などの 問 題 が 存 在 する 加 えて 永 田 氏 の 別 の 研 究 では 畑 地 の 無 窒 素 区 での 高 い N 2 O 発 生 量 や 不 耕 起 34
における N 2 O 発 生 量 増 加 が 報 告 されている このように 今 回 の 試 算 値 には 問 題 が 多 い 一 方 で 現 在 算 定 に 使 用 している GPG(2000)に 示 されたデフォルト 値 (8 kgn 2 O-N/ha/ 年 )との 間 に 大 きな 差 異 は 存 在 しない 6 従 って 今 回 の 試 算 値 の 採 用 はレビューアーに 算 定 の 根 拠 を 説 明 出 来 ない 可 能 性 があるというリスクがあるが デフォルト 値 を 使 用 しても 我 が 国 の 実 態 と 大 きな 乖 離 はないため 我 が 国 の N 2 O 排 出 係 数 はデ フォルト 値 にほぼ 等 しいと 想 定 し 引 き 続 きデフォルト 値 を 使 用 し 算 定 を 行 うこととする な お 今 後 データが 充 実 し 加 えて 上 記 の 問 題 が 解 決 次 第 我 が 国 独 自 の N 2 O 排 出 係 数 の 設 定 を 検 討 する 圃 場 の 種 類 サンプルNo 表 31 有 機 質 土 壌 の 耕 起 に 伴 う N 2 O 排 出 係 数 の 設 定 ( 畑 地 ) 排 出 係 数 実 測 値 (kgn2o- N/ha) (A) 施 肥 量 平 均 値 (kg/10a) (B) 施 肥 分 の 排 出 量 の 算 出 施 肥 における 排 出 係 数 (kgn2o- N/kgN) (C) 施 肥 分 の 排 出 量 (kgn2o- N/ha) (D)=(B C) 排 出 係 数 ( 施 肥 分 控 除 ) (kgn2o- N/ha) (A)-(D) 転 換 畑 E02-03 6.00 7.2 1.40% 1.01 4.99 E03-04 5.47 15.0 1.40% 2.10 3.37 E04-05 8.52 15.0 1.40% 2.10 6.42 F02-03 13.60 1.2 1.40% 0.17 13.43 F03-04 9.72 17.0 1.40% 2.38 7.34 観 測 地 点 別 平 均 排 出 係 数 (kgn2o- N/ha) G04-05 2.87 14.6 1.40% 2.04 0.83 0.83 H04-05 11.39 17.0 1.40% 2.38 9.01 9.01 I04-05 11.70 1.8 1.40% 0.25 11.45 11.45 J04-05 8.75 6.0 1.40% 0.84 7.91 7.91 平 均 値 7.42 ( 出 典 ) 排 出 係 数 実 測 値 施 肥 量 平 均 値 : 永 田 (2006 ) 石 狩 川 泥 炭 地 の 土 地 利 用 と 温 室 効 果 ガス- 湿 原 水 田 転 換 畑 の 比 較 - ( 独 ) 農 業 食 品 産 業 技 術 総 合 研 究 機 構 北 海 道 農 業 研 究 センター 成 果 報 告 施 肥 における 排 出 係 数 :Hiroko AKIYAMA, Xiaoyuan YAN and Kazuyuki YAGI. (2006): Estimations of emission factors for fertilizer-induced direct N 2 O emissions from agricultural soils in Japan: Summary of available data, Soil Science and Plant Nutrition (2006) 52, 774 787. 4.93 10.39 (3) 改 訂 結 果 水 田 についてのみ 今 回 新 規 に 設 定 した 排 出 係 数 (0.30kgN 2 O-N/ha)を 用 いた 場 合 の 排 出 量 の 推 計 結 果 を 表 32 に 示 す 水 田 からの N 2 O 排 出 量 は 大 きく 減 少 し 2006 年 度 で 約 610 Gg-CO 2 eq. 減 少 した 6 永 田 氏 の 別 の 研 究 でも サンプルは1 地 点 であるが 有 機 質 土 壌 の 無 窒 素 ( 慣 行 耕 起 ) 区 の N 2 O 排 出 係 数 が 8.8 kgn/ha という 結 果 が 出 ている 35