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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

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Transcription:

平 成 24 年 度 水 庁 補 助 事 業 水 物 フードシステム 質 管 理 体 制 構 築 推 進 事 業 質 衛 生 管 理 指 導 の 推 進 のうち 地 市 場 質 衛 生 管 理 指 導 冷 サバの 製 造 工 程 における 鮮 度 と 質 向 上 の 手 引 き ( 地 関 係 者 向 け) ( 社 ) 海 洋 水 システム 協 会

目 次 はじめに 1 Ⅰ 対 策 編 1. サバの 漁 獲 ~ 工 程 における 鮮 度 と 質 向 上 に 係 る 対 策 2 2. 質 向 上 の 推 奨 ポイント 3 Ⅱ 解 説 編 1. 冷 魚 の 価 値 決 定 要 素 と 鮮 度 5 2. 輸 入 冷 サバと 国 冷 サバの 工 程 の 違 い 6 3. 魚 の 鮮 度 及 びサバの 保 管 温 度 とK 値 の 関 係 9 4. 高 鮮 度 の 国 冷 サバについて 11 5. 魚 の と 質 の 変 化 13 6. 冷 サバの 保 存 と 質 変 化 における 留 意 点 16 7. 冷 サバの 鮮 度 と 質 向 上 の 対 策 17 対 策 1 18 対 策 2 23 Ⅲ 付 録 編 冷 サバの 衛 生 管 理 27 冷 魚 考 30

はじめに 近 年 国 内 の 水 物 マーケットは 川 下 主 導 の 価 格 形 成 に 変 化 し 輸 入 の 増 加 もあいまって 市 場 経 由 率 の 低 下 が 進 むとともに 国 水 物 の 販 売 競 争 力 の 低 下 といった 問 題 が 指 摘 されています とくに 最 近 では 我 が 国 で 漁 獲 されるアジ サバなどの 多 獲 性 魚 の 輸 入 も 目 立 つようになり 国 食 用 魚 の 競 争 力 強 化 が 求 められます 我 が 国 で 漁 獲 されるサバは 加 工 用 原 料 として 一 律 に され 食 用 から 飼 餌 料 まで 様 々な 用 途 に 向 けられています 食 用 向 けとして 国 魚 の 強 みを 発 揮 さ せ 競 争 力 を 強 化 するためには 加 工 用 魚 の 質 を 向 上 することが 肝 要 と 考 えられます この 手 引 きは 我 が 国 で 漁 獲 されるサバ 類 の 漁 獲 から までの 工 程 の 実 態 を 踏 まえ 質 を 現 状 より 向 上 させることを 目 的 とし 現 場 に 活 用 できる 作 業 指 針 として 作 成 しました 内 容 は 対 策 編 と 解 説 編 からなり 現 場 対 応 の 視 点 と 理 解 を 深 めた 取 組 が 進 められるよう 構 成 しております 本 手 引 きが 国 魚 のシェアや 輸 出 の 拡 大 を 目 指 す 多 くの 水 関 係 者 の 参 考 になれば 幸 いです 社 団 法 人 海 洋 水 システム 協 会

Ⅰ 対 策 編 1. 質 向 上 に 係 る 推 奨 ポイント 魚 においては 直 前 の 漁 獲 物 の 鮮 度 が その 質 を 左 右 するといっ ても 過 言 ではなく 漁 船 市 場 一 時 保 管 などの 前 工 程 の 連 携 した 管 理 が 重 要 となります 競 争 力 ある 国 製 づくりを 目 指 して 是 非 この1~7の ポイントに 留 意 して 取 組 んでください 1 魚 艙 では サバを らせない 程 度 にマイナスの 温 度 帯 で 保 管 2 陸 揚 げでは 迅 速 な 作 業 により 魚 体 温 度 上 昇 を 防 ぐ 3 魚 市 場 では 十 分 な 施 氷 による 低 温 保 管 と 滞 留 時 間 を 短 く サバをマイ ナスの 温 度 帯 で 保 管 す るために は 魚 体 温 海 水 温 氷 によ る 海 水 氷 の 塩 分 濃 度 低 下 等 を 考 慮 してくださ い 4 一 時 保 管 では サバを らせない 程 度 のマイナスの 温 度 帯 で 保 管 5 冷 選 別 工 場 では 低 温 保 管 に 努 め 滞 留 時 間 を 短 く 6 庫 では 温 度 ムラに 気 を 付 け できるだけ 急 速 に 7 保 管 庫 では 鮮 度 状 態 に 応 じたロット 管 理 と 魚 体 温 度 上 昇 を 防 ぐ 2

2. 漁 獲 ~ 工 程 における 鮮 度 と 質 向 上 に 係 る 対 策 表 1 は 魚 の 質 向 上 を 目 指 し サバを 例 として 漁 獲 から までの 各 工 程 における 対 策 と 具 体 事 例 を 示 したものです 魚 の 質 向 上 のためには 前 の 各 工 程 における 温 度 や 時 間 の 管 理 並 びに とその 後 の 保 管 過 程 の 一 貫 した 質 管 理 が 重 要 となっています 表 1 漁 獲 ~ 工 程 における 鮮 度 と 質 向 上 に 係 る 対 策 の 例 工 程 推 温 度 帯 対 策 具 体 事 例 奨 1 漁 獲 迅 速 な 獲 り 込 み 活 魚 の 状 態 で 魚 艙 へ 移 す 魚 艙 運 搬 ( 保 管 ) -1~-3 魚 艙 内 温 度 の 確 認 保 管 温 度 の 監 視 ( 陸 揚 げ 時 に 温 度 記 録 を 報 告 ) 塩 分 濃 度 を 調 整 した 冷 海 水 魚 は らせない 程 度 に 冷 し 込 む 温 度 ムラのない 保 管 2 陸 揚 げ 直 射 日 光 や 熱 源 体 との 接 触 を 避 け 迅 速 な 作 業 エプロンの 屋 根 の 下 で 作 業 鳥 糞 に 注 意 選 別 計 量 冷 却 迅 速 な 作 業 低 温 流 通 殺 菌 冷 海 水 による 洗 浄 低 温 作 業 場 での 取 扱 い 3 陳 列 セリ 又 は 入 札 出 荷 1~-1 低 温 流 通 滞 留 時 間 を 短 く できる 限 り 早 く 出 荷 十 分 な 施 氷 又 は 冷 海 水 の 使 用 魚 箱 に 蓋 やパーチを 使 用 すると 効 果 は 高 まる 低 温 管 理 された 室 内 で 取 扱 い 4 一 時 保 管 -1~-3 保 管 庫 内 の 温 度 確 認 魚 は らせない 程 度 に 保 管 5 選 別 立 替 冷 却 迅 速 な 作 業 低 温 流 通 鮮 度 状 態 による 仕 分 け 低 温 作 業 場 での 取 扱 い 6-35 温 度 と 時 間 の 確 認 ( 十 分 に を 行 う) 温 度 ムラのない 配 置 できるだけ 早 い グレーズ 処 理 は 質 向 上 に 有 効 7 保 管 -25 保 管 庫 内 の 温 度 確 認 鮮 度 状 態 によるロット 管 理 出 荷 冷 却 低 温 流 通 積 込 み 時 の 迅 速 な 作 業 低 温 作 業 場 での 取 扱 い 3

表 1 の 温 度 帯 は 魚 体 周 囲 の 温 度 の 目 安 を 表 しています この 表 現 について 表 2 に 解 説 を 記 します 表 2 表 1 の 温 度 帯 の 解 説 表 1 で 示 した 温 度 帯 ( 温 度 帯 は 目 安 ) 冷 却 1~-1-1~-3-25 -35 左 記 の 解 説 外 気 温 魚 体 温 はマイナスの 温 度 帯 を 保 持 できるよう 迅 速 な 処 理 と 保 冷 に 努 めてください +2 以 上 の 状 態 魚 体 温 はマイナスの 温 度 帯 を 保 持 できるよう 迅 速 な 処 理 と 保 冷 に 努 めてください 氷 蔵 の 状 態 十 分 な 施 氷 により 0 前 後 の 温 度 帯 を 確 保 し てください 過 冷 却 の 状 態 魚 を させない 最 も 冷 し 込 んだ 状 態 を 目 指 して 下 さい 冷 青 物 の 一 般 的 な 保 管 温 度 低 いほど 状 態 は 良 くなります 青 物 の 一 般 的 な 温 度 低 いほど 状 態 は 良 くなります 参 考 資 料 : 保 蔵 の 区 分 と 温 度 の 関 係 保 蔵 の 種 類 区 分 保 蔵 温 度 クーリング 冷 却 +2 以 上 チルド 氷 蔵 +1~-1 スーパーチリング 過 冷 却 -1~-3 パーシャルフリージング 微 -3~-5 フリーズフロー 脱 水 非 -5~-18 フリージング -18 出 典 : 多 獲 性 魚 類 のスーパーチルド 保 蔵 技 術 開 発 研 究 小 川 豊 4

1. 冷 魚 の 価 値 決 定 要 素 と 鮮 度 Ⅱ 解 説 編 一 般 に 魚 の 価 値 を 決 める 要 素 は 鮮 度 脂 質 規 格 数 量 価 格 等 が 考 えら れます 鮮 度 脂 質 数 量 価 値 その 他 規 格 価 格 この 価 値 決 定 要 素 のうち 脂 質 や 規 格 は 自 然 界 で 生 存 している 時 に 培 われ ます 一 方 鮮 度 は 死 後 の 環 境 要 因 に 影 響 を 受 けます したがって 鮮 度 は ある 程 度 人 為 的 に 操 作 を 行 うことができる 要 素 です これをサバに 置 き 換 えて 考 えると 表 3 のように 整 理 することができます 表 3 サバ( 天 然 物 )の 価 値 決 定 要 素 価 値 決 定 要 素 人 為 的 操 作 可 能 自 然 環 境 要 因 鮮 度 脂 質 規 格 (サイズ) 数 量 (ロット) 価 格 ( 相 場 ) 以 上 のことから 脂 質 や 規 格 (サイズ)が 同 じ 場 合 個 々のサバの 価 値 は 鮮 度 の 状 態 に 影 響 を 受 けると 言 えます そこで 本 稿 では 冷 サバの 価 値 向 上 を 目 指 すに 当 たり 鮮 度 を 主 体 に 考 察 を 行 います また 価 値 を 決 める 要 素 のうち その 他 として 漁 獲 後 の 魚 体 に 影 響 を 与 える 質 衛 生 管 理 の 要 素 も 考 えられることから この 点 についても 対 策 を 提 案 い たします 5

2. 輸 入 冷 サバと 国 冷 サバの 工 程 の 違 い 我 が 国 が 加 工 用 原 料 ( 冷 )として 輸 入 し 一 方 で 輸 出 も 行 っている 多 獲 性 魚 種 の 冷 サバについて 工 程 では 次 のような 違 いがあるとされています EU 北 欧 等 からの 輸 入 魚 国 魚 主 な 方 法 船 上 陸 上 (Ⅰ) 1 陸 上 (Ⅱ) 2 船 上 陸 上 (Ⅰ) 1 の 鮮 度 高 鮮 度 で 均 一 鮮 度 に 高 低 の 差 がある 1 陸 上 (Ⅰ): 漁 船 から 工 場 へ 直 接 陸 揚 げして される 場 合 2 陸 上 (Ⅱ): 陸 揚 げ 後 魚 市 場 を 経 由 してから される 場 合 日 本 でも 若 干 量 ではあるが 船 上 陸 上 (Ⅰ 1 )に 取 り 組 んでいる 事 例 はあります メモ1 水 物 を 輸 出 する 場 合 輸 出 先 国 独 自 の 衛 生 条 件 が 求 められます 水 物 を 海 外 へ 輸 出 するためには 衛 生 証 明 書 が 必 要 になります 衛 生 証 明 書 とは 輸 出 国 動 物 検 疫 機 関 が 発 行 する 検 査 証 明 書 のことで 対 象 動 物 の 伝 染 性 疾 病 の 病 原 体 を 伝 染 拡 散 する 恐 れがないことを 証 明 するためのもの です さらに 地 が 輸 出 に 取 組 むに 当 たり 輸 出 先 国 の 衛 生 条 件 や 消 費 者 ニー ズ 等 に 対 応 することが 求 められる 場 合 があります 例 ) 水 物 を 米 国 へ 輸 出 する 場 合 対 米 輸 出 水 加 工 施 設 は 米 国 FDA 規 則 における HACCP 同 等 性 の 確 認 が 求 められます 水 物 を EU へ 輸 出 する 場 合 3. 海 外 から 輸 入 される 冷 サバと 国 冷 サバの 鮮 度 比 較 試 験 対 EU 輸 出 水 加 工 施 設 は 対 EU 輸 出 水 食 の 取 扱 要 領 に 基 づい 6

Ⅰ Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ Ⅰ そこで 国 の 冷 サバと 北 欧 から 輸 入 された 冷 サバを 用 いて 陸 揚 げ 地 や 漁 獲 から までの 時 間 が 異 なる 様 々な 冷 サバ 製 の 鮮 度 を 比 較 してみまし た 鮮 度 の 化 学 的 指 標 である K 値 ( 詳 しくは 9 ページで 説 明 )を 指 標 として まき 網 漁 業 により 漁 獲 された 市 場 を 流 通 している 冷 サバ(サイズ:500g 前 後 / 本 )の 鮮 度 比 較 試 験 を 行 なったところ 図 1 のような 果 が 見 られました 指 標 として K 値 を 選 定 した 理 由 は -18 以 下 の 保 存 状 態 では 長 期 間 に 渡 り K 値 の 変 化 は 止 まることから 時 の 状 態 が 保 存 されるため 信 頼 できる 指 標 と 考 えました しかし 質 は 時 間 がたてば 少 しずつ 低 下 します 比 較 試 験 の 前 提 条 件 として マサバ( 国 )とタイセイヨウサバ( 北 欧 )の K 値 上 昇 傾 向 ( 速 度 )について 殆 ど 差 がないことを 事 前 の 実 験 により 確 認 して います この 試 験 果 から 言 えることは 我 が 国 で 一 般 的 に 行 われている 魚 市 場 で 陸 揚 げしてからセリや 入 札 工 程 を 経 由 して 陸 上 された 場 合 でも 鮮 度 の 観 点 から 見 れば 世 界 中 へ 輸 出 されている 北 欧 の 冷 サバに 劣 っていないこと がわかります ただし 国 の 冷 サバは 表 1 に 掲 げる 地 2の 試 験 果 で 見 られるように 鮮 度 の 高 低 の 幅 が 生 じることも 認 められました なお これまで 国 と 北 欧 の 冷 サバについて 官 能 評 価 に 関 する 比 較 データ が 見 当 たらなかったことから 鮮 度 比 較 試 験 と 併 せて 官 能 検 査 も 行 ったところ 官 能 評 価 には 鮮 度 が 大 きく 影 響 していることが 確 認 できました さらに 脂 質 含 量 が 同 等 のサバを 比 較 すると 鮮 度 の 高 い 方 のサバは 官 能 評 点 も 高 いことが 確 認 できました K 値 6 国 の 鮮 度 の 幅 20 10 1 2 3 4 5 7 8 9 10 11 12 13 0 陸 上 ( ) 国 地 1 陸 上 ( ) 国 地 1 陸 上 ( ) 国 地 1 陸 上 ( ) 国 地 2 陸 上 ( ) 国 地 2 陸 上 ( ) 国 地 2 図 1 冷 サバの 鮮 度 (K 値 ) 比 較 試 験 1 陸 上 (Ⅰ): 漁 船 から 工 場 へ 直 接 陸 揚 げして される 場 合 試 験 機 関 :( 独 ) 水 大 学 校 食 科 学 科 2 陸 上 (Ⅱ): 陸 揚 げ 後 魚 市 場 を 経 由 してから される 場 合 7 陸 上 ( ) 国 地 3 陸 上 ( ) 国 地 3 陸 上 ( ) 国 地 3 船 上 国 地 3 陸 上 ( ) 北 欧 ロ ッ ト 1 陸 上 ( ) 北 欧 ロ ッ ト 2 陸 上 ( ) 北 欧 ロ ッ ト 3

図 1で 示 した 試 験 に 用 いた 冷 サバについて 各 地 ( 北 欧 も 含 む)から 複 数 のロットを 用 意 しました 国 である 地 1と 地 3のサバは どちらも 沿 岸 域 で 獲 られた 漁 獲 から までの 時 間 が 半 日 程 度 の 冷 サバを 用 いていま す 地 2の 冷 サバについては いずれも 陸 揚 げ 後 に 魚 市 場 を 経 由 してから されており 沿 岸 域 で 獲 られた 漁 獲 から までの 時 間 が 半 日 程 度 の 物 (ⅰ) 沖 合 で 獲 られた 漁 獲 から までの 時 間 が1 日 程 度 の 物 (ⅱ) 沖 合 で 獲 られた 漁 獲 から までの 時 間 が1 日 半 程 度 の 物 (ⅲ)を 用 いています それぞれのK 値 の 平 均 は 表 4に 掲 げるように (ⅰ)が4% (ⅱ)が 23% (ⅲ)が4%でした 表 4 地 2の 冷 サバの 漁 獲 から までの 時 間 とK 値 漁 獲 から の 時 間 K 値 備 考 (ⅰ) 半 日 程 度 4% 高 鮮 度 (ⅱ) 1 日 程 度 23% 中 鮮 度 (ⅲ) 1 日 半 程 度 4% 高 鮮 度! (ⅰ)のように 近 場 の 漁 場 で 漁 獲 されてから 短 時 間 で されたものについ ては 鮮 度 が 良 い(K 値 が 低 い)ことを 理 解 しやすいのですが 特 筆 すべき は (ⅲ)のように 遠 い 漁 場 で 獲 られ までに 時 間 がかかったものでも 高 い 鮮 度 のものがあることを 確 認 できました (ⅰ) (ⅱ) (ⅲ)の 陸 揚 げ から までの 工 程 は 同 じであることから 漁 獲 から 陸 揚 げまでの 工 程 に 高 い 鮮 度 を 保 持 する 要 因 があるものと 考 えられました また 陸 揚 げ 後 の 工 程 が 魚 市 場 を 経 由 している 場 合 でも 漁 船 におけるサバの 取 扱 い 方 法 によって 高 鮮 度 の 冷 サバを 生 できることが 確 認 されました (ⅲ)の 漁 船 における 取 扱 いについては 5. 高 鮮 度 の 国 冷 サバについて (11 ページ)で 解 説 を 記 します 8

3. 魚 の 鮮 度 及 びサバの 保 管 温 度 とK 値 の 関 係 魚 は 死 後 生 化 学 的 反 応 と 酵 素 による 自 己 消 化 が 進 行 し 時 間 の 経 過 とと もに 硬 直 が 進 行 して 完 全 硬 直 の 後 硬 直 が 解 ける 解 硬 を 経 て 軟 化 し 細 菌 に よる 分 解 とともに 腐 敗 していきます この 鮮 度 変 化 の 過 程 を 図 2 に 示 します 自 己 消 化 細 菌 に よる 分 解 生 死 硬 直 開 始 完 全 硬 直 解 硬 軟 化 腐 敗 活 魚 活 〆 状 態 鮮 魚 非 食 用 活 きがよい 活 きが 悪 い 図 2 魚 の 鮮 度 変 化 の 過 程 K 値 とは 魚 の 鮮 度 を 判 定 する 科 学 的 な 指 標 の 一 つとされています 特 に 魚 の 活 きの 良 さである 初 期 鮮 度 を 判 定 するときに 用 いられています この 数 値 ( 単 位 :%)が 小 さいほど 鮮 度 は 良 く 高 いほど 鮮 度 は 悪 くなりま す 活 〆 直 後 では10% 以 下 刺 身 で 食 べられる 目 安 は20% 前 後 初 期 腐 敗 時 は60% 程 度 が 目 安 とされています K 値 は 次 の 計 算 式 により 求 められます (イノシン+ヒポキサンチン) K 値 (%)= (アデノシン 三 リン 酸 +アデノシン 二 リン 酸 +アデノシン 一 リン 酸 +イノシン 酸 +イノシン+ヒポキサンチン) 100 図 3 K 値 算 出 の 計 算 式 アデノシン 三 リン 酸 (ATP)とは 筋 肉 を 動 かす 時 のエネルギー 源 となる 物 質 で 酵 素 によりアデノシン 三 リン 酸 (ATP) アデノシン 二 リン 酸 (A DP) アデノシン 一 リン 酸 (AMP) イノシン 酸 イノシン ヒポキサン チンの 順 に 分 解 されていきます つまり 鮮 度 を 表 す 指 標 であるK 値 は 図 3 で 示 した 計 算 式 を 基 に 算 出 されます 9

酵 素 類 は 魚 の 体 液 中 に 含 まれており 魚 の 死 後 タンパク 質 や 脂 質 を 分 解 していきます この 進 行 は 時 間 や 温 度 に 影 響 を 受 け 魚 種 によっても 違 いが あります サバのような 青 魚 は タイやヒラメ 等 の 白 魚 と 比 べて 鮮 度 落 ちの 速 いことが 確 認 されています 魚 体 を 低 温 にするほど 酵 素 による 変 化 の 進 行 を 遅 くすることができます し たがって K 値 を 低 く 維 持 することが 可 能 になります 参 考 として 実 測 値 を 基 にサバ 肉 の 保 管 温 度 による K 値 上 昇 時 間 を 試 算 した 果 を 表 5 に 掲 げます 表 5 サバ 肉 の 保 管 温 度 による K 値 上 昇 時 間 の 試 算 想 定 保 管 温 度 ( ) K 値 5%に 到 達 する 日 数 ( 日 ) K 値 10%に 到 達 する 日 数 ( 日 ) K 値 20%に 到 達 する 日 数 ( 日 ) +10 0.3 0.5 1.1 +5 0.5 0.9 1.9 +4 0.5 1.1 2.1 +3 0.6 1.2 2.4 +2 0.7 1.4 2.8 +1 0.8 1.6 3.2 0 0.9 1.8 3.6-1 1.0 2.1 4.1-2 1.2 2.3 4.6-3 1.4 2.7 5.5-4 1.6 3.2 6.3-5 1.8 3.6 7.3 試 験 機 関 :( 独 ) 水 大 学 校 食 科 学 科 表 4から サバをマイナスの 温 度 帯 で 保 管 した 場 合 高 鮮 度 であるK 値 5% のレベルを1 日 以 上 保 持 できることがわかります 鮮 度 が 良 いとされるK 値 10%のレベルも2 日 以 上 保 持 ができることになります しかし 実 際 の 現 場 で は 漁 獲 から までの 工 程 でマイナスの 温 度 帯 に 保 持 ができない 時 間 帯 もあ ると 想 定 されるため その 分 の 時 間 を 差 し 引 いて 考 える 必 要 があります 10

4. 高 鮮 度 の 国 冷 サバについて 一 般 に 漁 獲 された 魚 は 魚 艙 内 の 海 水 氷 中 に 速 やかに 投 入 されて 冷 やし 込 みが 行 われます ぎょそう 先 述 した 漁 獲 から までの 時 間 が 長 いにも 関 わらず 鮮 度 が 非 常 に 高 く 保 た れたサバ(ⅲ)を 漁 獲 したまき 網 漁 船 では 漁 獲 後 のサバを 海 水 氷 中 に 速 やか に 投 入 するだけでなく 海 水 氷 中 に 並 塩 を 加 えて 塩 分 濃 度 を 高 め さらに 漁 船 に 搭 載 している 冷 機 を 使 って 魚 艙 の 壁 面 から 海 水 氷 の 温 度 が 上 昇 しないよう に 冷 し 込 む 工 夫 が 施 されていました サンプルⅲの 漁 獲 から までの 工 程 を 図 4に 示 します 漁 船 市 場 工 場 冷 蔵 庫 -2~-4 上 氷 又 は 海 水 氷 で 冷 却 常 温 -35-25 漁 獲 魚 艙 に 保 管 塩 分 濃 度 調 整 陸 揚 げ 選 別 陳 列 セ リ 入 札 運 搬 ( 参 考 )サンプルⅲのサバは 主 要 漁 期 の 12 月 に 漁 獲 されており 市 場 流 通 時 の 外 気 温 が 低 いため 魚 体 の 低 温 保 持 に 管 理 しやすい 環 境 下 にありました 計 量 冷 パ ン に 箱 詰 庫 約 1 6 時 間 で 脱 パ ン 冷 パ ン か ら 取 出 し 冷 蔵 庫 に 保 管 出 荷 図 4 冷 サバ(サンプルⅲ)の 漁 獲 から までの 工 程 11

サンプルⅲの 漁 船 では 一 つの 魚 艙 につき 氷 20トン 海 水 5トン 並 塩 0.075トン(75kg)に 魚 を 約 20トンの 割 合 で 保 管 していました この 状 態 の 魚 艙 内 の 塩 分 濃 度 を 試 算 すると 表 6のようになります 表 6 氷 20トン 海 水 5トン 並 塩 0.075トン(75kg)の 海 水 氷 における 氷 が 溶 けた 場 合 の 塩 分 濃 度 試 算 氷 が 溶 ける 割 合 魚 艙 内 の 海 水 氷 の 塩 分 濃 度 (%) 氷 が 5% 溶 けた 場 合 4.29 氷 が 10% 溶 けた 場 合 3.66 氷 が 20% 溶 けた 場 合 2.83 氷 が 40% 溶 けた 場 合 1.95 氷 が 60% 溶 けた 場 合 1.49 氷 が 80% 溶 けた 場 合 1.20 氷 が 全 て 溶 けた 場 合 1.01 氷 が 溶 けてなくなるほど 塩 分 濃 度 が 薄 められた 海 水 の 温 度 は 魚 体 や 外 気 温 の 影 響 で 高 くなりますが この 漁 船 では 冷 機 を 使 って 魚 艙 内 温 度 の 調 整 を 行 っています 冷 機 は 魚 を するためではなく 氷 を 溶 けにくくして 海 水 氷 の 温 度 を 調 整 するために 使 用 されています したがって 魚 が らないマ イナス 温 度 を 保 つことができます 魚 市 場 で 陸 揚 げされた 魚 は 海 水 氷 から 取 り 出 され 選 別 や 計 量 が 行 われて セリや 入 札 にかけられます その 後 工 場 へ 運 ばれて されます この 間 魚 体 温 の 上 昇 を 防 ぐため 上 氷 や 海 水 氷 中 で 保 管 を 行 い 直 射 日 光 や 風 雨 に 曝 されない 場 所 で 取 り 扱 われます 陸 揚 げから 庫 に 入 るまでの 時 間 は 状 況 にもよりますが2~4 時 間 位 になります ただし 陸 揚 げされても 庫 に 入 りきらなかった 魚 は 低 温 下 で 保 管 して 庫 が 空 くのを 待 つため までさらに 十 数 時 間 が 加 わることになります された 魚 は K 値 の 上 昇 を 抑 えることができるので できる 限 り 速 やかに することが 高 鮮 度 の 魚 の 条 件 になります 12

5. 魚 の と 質 の 変 化 海 水 氷 中 の 魚 の 保 管 では 塩 分 濃 度 が 高 いほど 海 水 の 凝 固 点 ( 液 体 が 凝 固 し て 固 体 になる 温 度 )は 下 がり 氷 になる 温 度 は 低 くなります 参 考 として 表 7 に 塩 分 濃 度 と 点 の 関 係 を 掲 げます 表 7 食 塩 水 濃 度 と 点 の 試 算 食 塩 水 濃 度 (%) 水 1 トンに 対 する 食 塩 量 (kg) 食 塩 水 の 点 ( ) 1 10-0.6 2 20-1.3 3 31-2.0 4 42-2.7 5 53-3.4 6 64-4.1 7 75-4.8 8 87-5.5 9 99-6.3 試 験 機 関 :( 独 ) 水 大 学 校 食 化 学 科 塩 分 濃 度 を 高 くすれば 魚 はマイナスの 温 度 帯 でも 液 体 中 に 保 管 することが 可 能 になります また 氷 の 保 管 時 間 を 長 くすることも 可 能 になります サンプルⅲの 漁 船 では 魚 艙 内 の 海 水 氷 の 塩 分 濃 度 を 調 整 してマイナスの 低 温 下 ( 過 冷 却 )で 魚 を 保 管 しています 漁 船 に 冷 機 を 搭 載 して 魚 艙 の 壁 面 全 体 から 魚 艙 内 の 魚 を らせない 程 度 に 十 分 な 冷 し 込 みが 行 われているので 温 度 ムラがありません 温 度 ムラとは 同 じ 魚 艙 内 でも 全 ての 箇 所 が 同 じ 温 度 ではなく 場 所 によって 温 度 差 が 生 じていることを 指 します 漁 獲 により 取 り 込 まれる 魚 体 や 海 水 は 海 水 氷 よりも 高 い 温 度 であるため 魚 艙 内 の 温 度 を 急 激 に 上 げます 魚 艙 内 で 魚 が 固 まっているとその 内 部 になるほど 冷 やし 込 み に 時 間 がかかります 13

流 動 的 な 液 体 中 で 魚 を 保 管 することは 魚 体 のあらゆる 表 面 部 分 に 低 温 の 液 体 が 接 するため 体 温 の 高 い 魚 と 低 温 の 海 水 氷 の 熱 交 換 ( 温 度 の 高 い 物 体 から 低 い 物 体 へ 熱 が 移 動 する)が 行 われやすく 効 率 的 に 魚 を 冷 やし 込 むことが 可 能 になります したがって 漁 船 では 一 般 に 魚 を 海 水 氷 中 に 保 管 します 魚 が 冷 える 魚 魚 の 温 度 熱 交 換 海 水 氷 の 温 度 海 水 氷 氷 が 溶 ける 魚 種 や 個 体 差 によって 多 少 の 違 いはありますが 一 般 に 魚 の 温 度 は - 2 ~-3 になります 魚 を する 場 合 図 5に 示 すように 魚 体 温 が0 まで 下 がる 時 間 に 比 べて 0 ~-5 区 間 の 温 度 低 下 は 緩 慢 であり -5 を 過 ぎると 温 度 は 再 び 順 調 に 低 下 していきます この0 ~-5 を 目 安 とした 区 間 は 氷 の 晶 が 生 成 する 温 度 帯 で 最 大 氷 晶 帯 と 呼 ばれています 魚 体 温 0 鮮 魚 時 間 魚 を させない 最 低 温 度 の 保 管 帯 魚 の 凝 固 点 -5 魚 図 5 魚 の における 温 度 変 化 漁 船 に 設 備 を 搭 載 することは 漁 獲 から 陸 揚 げまでの 時 間 や 積 載 量 作 業 場 の 確 保 コストの 問 題 等 から 一 般 には 困 難 なことが 想 定 されます 点 付 近 では 魚 はすぐに されないので 漁 船 では 氷 と 塩 分 濃 度 を 用 いて 調 整 しながら をさせない 最 も 冷 やし 込 んだ 状 態 で 魚 を 保 管 することが 鮮 度 と 質 を 保 持 する 上 で 望 ましいと 考 えられます 陸 揚 げ 後 は 可 能 な 限 り 速 や かに をすることが 必 要 です 14

ところで 水 は 氷 になると 体 積 が 大 きくなるように 魚 も ると 体 積 がおよ そ10% 増 えます 体 積 が 増 えるということは 魚 の 細 胞 が 膨 らむことになる ので 細 胞 を 囲 う 細 胞 膜 が 破 壊 されやすくなります 魚 を 解 するとドリップ が 出 る 現 象 は 破 壊 された 細 胞 から 水 分 が 流 出 しているためです このドリッ プは 旨 みの 成 分 や 栄 養 を 流 失 し 食 感 を 悪 くします 細 胞 膜 細 胞 膨 ドリップ 旨 み 栄 養 等 ドリップ 張 以 上 のことから 魚 は -1 ~-3 の 温 度 帯 の 範 囲 でぎりぎり らせない 状 態 を 維 持 して 冷 し 込 みと 保 管 を 行 い 陸 揚 げ 後 は 速 やかに することが 望 ましいと 考 えられます ただし 図 5で 示 したように-3~-5 で 保 管 して も 直 ちに 魚 が るわけではありません メモ2 魚 肉 の 変 性 魚 肉 の 変 性 とは によって 魚 肉 中 に 氷 晶 が 生 成 さ れることで 筋 肉 を 破 壊 してタンパク 質 の 構 造 が 変 わり 質 が 変 化 することを 指 します 冷 変 性 とも 呼 ばれます 変 性 により 食 としての 食 感 保 水 性 等 に 影 響 を 及 ぼ し 美 味 しさを 低 下 させる 原 因 になります 変 性 の 度 合 いは 魚 の 鮮 度 や 魚 種 等 により 異 なります 筋 肉 タンパク 質 の 冷 変 性 は 即 殺 直 後 及 び 硬 直 前 に し たものは 冷 変 性 が 小 さく 筋 肉 の 死 後 変 化 につれて 大 きくな ります 解 したお 刺 身 より 生 のお 刺 身 の 方 が 美 味 しいという 言 葉 を 耳 にすることがあると 思 いますが 解 したお 刺 身 は 冷 によ り 変 性 しているのに 対 して 生 のお 刺 身 は 変 性 していないこと が 影 響 しています しかし 近 年 では この 変 性 を 抑 える 技 術 の 研 究 や 開 発 が 多 く 報 告 されるようになっています 15

6. 冷 サバの 保 存 と 質 変 化 における 留 意 点 したサバの 質 に 係 る 留 意 点 として 化 学 的 作 用 である 酸 化 と 物 理 的 作 用 である 乾 燥 について 説 明 をします 魚 の 鮮 度 指 標 であるK 値 は 冷 保 管 するとその 数 値 はほとんど 変 わらない ことを 先 に 述 べました ところが 脂 質 の 酸 化 については 冷 をした 状 態 でも 変 化 が 起 こります 特 に サバのような 青 魚 は 不 飽 和 脂 肪 酸 を 多 く 含 むため 脂 質 が 酸 化 しやすくな っており 冷 保 存 状 態 の-18 以 下 でも 脂 質 の 酸 化 は 進 みます 不 飽 和 脂 肪 酸 は 脂 肪 を 構 成 する 脂 肪 酸 の 中 にあるもので 他 の 物 質 から 酸 素 をうばい 合 しやすい( 酸 化 しやすい) 性 質 を 持 っています EPA(エイコサペンタエン 酸 ) や DHA(ドコサヘキサエン 酸 )も 不 飽 和 脂 肪 酸 の 一 種 ですが これらは 酸 化 されにくいことがわかっています 酸 化 が 悪 いとされる 理 由 は 不 飽 和 脂 肪 酸 が 酸 化 することで 過 酸 化 物 が 生 成 され 細 胞 機 能 の 低 下 やさらに 有 害 な 物 質 の 生 成 をもたらすためです この 果 老 化 や 動 脈 硬 化 がん 等 の 原 因 になるとされ ています また 冷 保 管 状 態 では 乾 燥 も 気 を 付 ける 必 要 があります 乾 燥 は 魚 体 表 から 水 分 が 蒸 発 することで 脂 質 の 酸 化 やタンパク 質 の 変 性 を 招 きます 冷 や けと 呼 ばれる 現 象 は 脂 質 の 酸 化 による 変 色 を 指 しています 当 然 質 が 変 わ るので 食 味 や 加 工 適 性 の 低 下 の 原 因 にもなります 商 価 値 を 守 る 意 味 でも 乾 燥 を 防 ぐことは 重 要 です 酸 化 や 乾 燥 を 防 ぐためには 空 気 と 接 触 させないことが 有 効 です 我 が 国 では 冷 水 物 にグレーズ 処 理 ( 魚 体 表 面 に 氷 の 被 膜 を 作 る)をしている 地 が 多 くあります この 方 法 は 食 の 水 分 を 保 ち 空 気 を 遮 断 するため 酸 化 にも 乾 燥 にもと ても 効 果 があります また 包 装 による 対 応 方 法 もあります さらには 温 度 が 低 いほど 酸 化 や 乾 燥 の 進 行 を 遅 らせること ができます 16

7. 冷 サバの 鮮 度 と 質 向 上 の 対 策 前 述 してきたとおり 鮮 度 は 漁 獲 から までの 時 間 と 温 度 に 影 響 を 受 けて おり 魚 の 価 値 を 決 定 する 上 で 重 要 な 要 素 となります また 魚 の 価 値 を 守 るた めに 質 管 理 の 取 り 組 みも 併 せて 重 要 になります さらには 7 ページの 図 1 で 示 したように 同 じ 国 の 冷 サバでも 大 きな 鮮 度 のバラつきがあることも わかりました もし 鮮 度 の 区 分 が 設 けられないまま 同 じ 国 冷 サバの 商 と して 出 荷 された 場 合 鮮 度 の 良 いものについて 評 価 が 価 格 に 反 映 されない 又 は 鮮 度 の 悪 いものの 評 価 が 先 行 してしまう 可 能 性 が 考 えられます 低 く 影 響 温 度 鮮 度 影 響 時 間 速 く そこで 次 の2つの 対 策 について 提 案 をします 対 策 1 漁 獲 から までの 工 程 手 順 を 確 認 して 鮮 度 及 び 質 衛 生 管 理 に 影 響 する 要 因 の 特 定 を 行 い 必 要 に 応 じて 改 善 を 図 ります (18 ページへ) 対 策 2 時 のロット 管 理 に 鮮 度 情 報 を 付 加 し 鮮 度 レベルの 区 分 け に 対 応 した 出 荷 を 行 います (23 ページへ) 17

対 策 1 漁 獲 から までの 工 程 を 確 認 して 鮮 度 と 衛 生 管 理 に 影 響 する 要 因 の 特 定 と 必 要 に 応 じて 改 善 を 図 ります 対 策 1 の 取 り 組 み 方 について 手 順 1~5に 記 します 手 順 1 漁 獲 から までの 工 程 手 順 を 確 認 して 温 度 と 時 間 の 関 係 がわかるように 工 程 表 を 作 成 します 例 1) 漁 獲 から までの 温 度 と 時 間 の 関 係 を 示 した 工 程 表 3 工 程 経 過 時 間 温 度 帯 管 理 者 イメージ 1 漁 獲 00:00 常 温 漁 業 者 魚 艙 ( 保 管 ) 運 搬 00:30-1~-5 2 陸 揚 げ 選 別 12:00 常 温 低 温 漁 業 者 荷 受 業 者 計 量 3 陳 列 セリ 又 は 入 札 12:30 低 温 荷 受 業 者 仲 買 業 者 出 荷 4 一 時 保 管 14:00-1~-4 仲 買 業 者 5 選 別 立 替 15:00 低 温 仲 買 業 者 6 18:00-35 仲 買 業 者 ( 冷 蔵 倉 庫 業 者 ) 7 保 管 出 荷 34:00-25 低 温 仲 買 業 者 ( 冷 蔵 倉 庫 業 者 ) 3 温 度 帯 の 解 説 については 4 ページを 参 照 してください 18

手 順 2 鮮 度 と 質 管 理 に 悪 い 影 響 を 及 ぼす 温 度 と 時 間 に 係 る 要 因 の 特 定 を 行 います 例 2) 漁 獲 から までの 温 度 と 時 間 に 係 る 要 因 工 程 1 漁 獲 魚 艙 ( 保 管 ) 運 搬 鮮 度 と 質 管 理 に 影 響 を 与 える 要 因 温 度 時 間 魚 艙 の 保 管 温 度 2 陸 揚 げ 選 別 計 量 3 陳 列 セリ 又 は 入 札 出 荷 作 業 中 の 魚 体 温 度 の 上 昇 陳 列 中 の 魚 体 温 度 の 上 昇 出 荷 作 業 中 の 魚 体 温 度 の 上 昇 常 温 下 での 作 業 遅 延 長 時 間 の 放 置 4 一 時 保 管 保 管 庫 の 温 度 5 選 別 立 替 選 別 中 の 魚 体 温 度 の 上 昇 立 替 中 の 魚 体 温 度 の 上 昇 常 温 下 での 作 業 遅 延 6 庫 内 の 温 度 と 時 間 7 保 管 出 荷 庫 内 の 保 管 温 度 出 荷 作 業 中 の 魚 体 温 度 の 上 昇 19

手 順 3 鮮 度 と 質 管 理 に 悪 い 影 響 を 及 ぼす 温 度 と 時 間 に 係 る 要 因 の 対 策 ( 作 業 手 順 ) を 決 めましょう 例 3) 漁 獲 から までの 温 度 と 時 間 に 係 る 管 理 対 策 工 程 1 漁 獲 魚 艙 ( 保 管 ) 運 搬 2 陸 揚 げ 選 別 計 量 3 陳 列 セリ 又 は 入 札 出 荷 温 度 と 時 間 に 係 る 管 理 対 策 迅 速 な 獲 り 込 み 魚 艙 内 温 度 の 確 認 保 管 温 度 の 記 録 ( 陸 揚 げ 時 に 報 告 ) 直 射 日 光 や 熱 源 体 との 接 触 を 避 け 迅 速 な 作 業 冷 海 水 の 使 用 と 迅 速 な 作 業 低 温 作 業 場 の 確 保 と 迅 速 な 作 業 十 分 な 施 氷 又 は 冷 海 水 の 使 用 と 滞 留 時 間 を 短 く 十 分 な 施 氷 を 行 い できる 限 り 早 く 出 荷 4 一 時 保 管 保 管 庫 内 の 温 度 確 認 5 選 別 立 替 低 温 作 業 場 の 確 保 と 迅 速 な 作 業 6 温 度 と 時 間 の 確 認 ( 急 速 に を 行 う) 7 保 管 出 荷 保 管 庫 内 の 温 度 確 認 低 温 作 業 場 の 確 保 と 積 込 み 時 の 迅 速 な 作 業 20

漁 船 では 魚 が 保 管 されている 時 に 見 落 とされやすいこととして 魚 艙 内 の 海 水 氷 と 魚 の 温 度 が 均 一 ではなく 温 度 ムラが 生 じていることが 挙 げられます 図 6 に 魚 艙 内 の 温 度 分 布 イメージを 示 します 大 まかには 魚 艙 内 の 上 層 に 氷 中 層 にサバ 下 層 に 海 水 のように 分 布 しやすくなります したがって 次 の(1) ( 2)の 点 に 気 を 付 けてください 図 6 魚 艙 内 の 温 度 分 布 イメージ (1) 魚 艙 の 上 層 中 層 下 層 の 温 度 を 確 認 してください 確 認 例 ( 例 1) 上 層 と 中 層 と 下 層 の 温 度 差 を 把 握 ( 例 2) 上 層 と 中 層 と 下 層 の 魚 体 温 低 下 に 要 する 時 間 を 把 握 (2) 氷 と 海 水 と 魚 がよく 混 ざるようにして 均 一 な 温 度 を 目 指 してください 対 策 例 ( 例 1) 魚 と 氷 をよく 攪 拌 する ( 例 2) 氷 と 魚 をサンドウィッチのように 挟 み 込 んで 冷 海 水 を 浸 す ( 例 3) 塩 分 濃 度 を 調 整 して 温 度 コントロールを 行 う ( 例 4) 冷 機 を 設 置 して 低 温 域 を 維 持 する 氷 によって 冷 やされた 魚 艙 の 上 層 部 分 の 海 水 は 塩 分 濃 度 が 下 がります 一 方 魚 艙 の 下 層 部 分 の 海 水 は 上 層 部 分 の 海 水 に 比 べて 塩 分 濃 度 は 高 くな っています したがって 上 層 部 分 ( 塩 分 濃 度 低 い)と 下 層 部 分 ( 塩 分 濃 度 高 い)の 海 水 を よく 混 ぜるようにすることが 必 要 です 21

手 順 4 特 に 危 害 となりやすい 要 因 を 把 握 して 対 策 に 努 めてください 例 4) 特 に 危 害 となりやすい 要 因 の 具 体 例 工 程 特 に 危 害 となりやすい 要 因 の 具 体 例 2 陸 揚 げ 選 別 直 射 日 光 / 常 温 下 の 作 業 / 床 や 容 器 人 手 などの 熱 源 体 との 接 触 / 常 温 海 水 の 使 用 / 吹 き 抜 け 状 態 ( 風 ) 計 量 3 陳 列 セリ 又 は 入 札 直 射 日 光 / 常 温 下 の 滞 留 / 施 氷 なし/ 人 手 の 接 触 / 吹 き 抜 け 状 態 ( 風 ) 出 荷 4 一 時 保 管 直 射 日 光 / 常 温 下 の 滞 留 / 施 氷 なし 5 選 別 立 替 直 射 日 光 / 常 温 下 の 作 業 / 床 や 容 器 人 手 などの 熱 源 体 との 接 触 / 常 温 海 水 の 使 用 / 手 順 5 手 順 3の 管 理 対 策 ( 作 業 手 順 )を 実 施 しましょう 実 施 に 当 たっては 各 工 程 に 係 る 作 業 関 係 者 への 周 知 と 責 任 者 の 選 任 を 行 い 責 務 を 明 確 にしてください また 手 順 の 実 施 については 監 視 ( 点 検 )を 行 い 記 録 とその 保 管 も 行 って ください 手 順 6 効 果 の 確 認 を 行 い 必 要 に 応 じて 見 直 しをしましょう 22

対 策 2 時 のロット 管 理 に 鮮 度 情 報 を 付 加 し 鮮 度 レベルの 区 分 けに 対 応 した 出 荷 を 行 います 水 物 の 鮮 度 を 指 標 とした 等 級 は 特 に 基 準 が 定 められていないので 鮮 度 レ ベルについては 自 主 基 準 を 前 提 として 考 えます 前 述 (17 ページ)のように 鮮 度 の 区 分 が 設 けられないまま 同 じ 国 冷 さ ばの 商 として 出 荷 された 場 合 鮮 度 の 良 いものについて 評 価 が 価 格 に 反 映 さ れない 又 は 鮮 度 の 悪 いものの 評 価 が 先 行 してしまう 可 能 性 が 考 えられます そこで 図 7 に 示 すように 対 策 1(18 ページ)で 示 した 取 り 組 みを 実 施 し て 鮮 度 のバラつきを 最 小 限 に 留 めるよう 現 状 からの 改 善 を 図 りましょう K 値 工 程 を 見 直 60 し 改 善 を 図 る 不 可 対 策 1 質 の 統 一 を 図 る 20 改 善 に よ る 効 1 果 改 善 に よ る 効 果 2 改 善 に よ る 効 果 3 4 可 良 10 優 0 陸 上 ( Ⅰ ) 国 地 1 陸 上 ( Ⅱ ) 国 地 2 陸 上 ( Ⅱ ) 国 地 3 北 陸 欧 上 ( Ⅰ ) 図 7 冷 サバの 鮮 度 改 善 目 標 対 策 2 鮮 度 情 報 を 把 握 し 仮 として 鮮 度 ランクの 設 定 を 行 う 23

対 策 2 として 時 のロット 管 理 に 鮮 度 情 報 を 付 加 し 鮮 度 レベルの 区 分 け に 対 応 した 出 荷 を 行 うことを 提 案 します 取 引 先 の 信 用 を 得 るためにも 重 要 な 取 組 みと 考 えられます 鮮 度 が 良 いことを 的 確 に 伝 えることは その 商 価 値 の 向 上 につながること であると 考 えられます そこで 外 観 上 見 分 けがつきにくく 多 量 に 取 引 される 冷 魚 の 鮮 度 について 取 引 先 に 的 確 に 伝 えるためには どのようにしたらよい かをここでは 提 案 します メモ3 我 が 国 の 輸 出 水 物 主 要 目 日 本 から 輸 出 される 水 物 主 要 目 の 数 量 と 金 額 は 表 8のようになって います 数 量 においては サバが 最 も 多 く 輸 出 されています 表 8 我 が 国 の 輸 出 水 物 主 要 目 の 数 量 と 金 額 輸 出 水 物 平 成 22 年 平 成 23 年 主 要 目 名 数 量 (ト ン) 金 額 ( 億 円 ) 数 量 (ト ン) 金 額 ( 億 円 ) さば 120,416 101 97,765 88 かつお 類 62,322 73 46,798 55 すけとうだら 63,478 77 40,009 41 さけ ます 65,166 179 22,379 67 ホタテ 貝 13,709 103 10,255 113 資 料 : 財 務 省 貿 易 統 計 を 基 に 作 成 24

手 順 1 まず 現 場 の 担 当 者 の 鮮 度 に 対 する 目 利 きが 必 要 となります 鮮 度 には 漁 獲 から までの 工 程 と 条 件 ( 時 期 漁 法 漁 船 保 管 状 態 等 ) が 係 るため 工 程 と 条 件 に 関 係 する 基 本 情 報 の 確 認 に 努 めてください 工 程 や 条 件 は パラメータ( 媒 介 変 数 : 各 種 の 情 報 )として 解 釈 してください したがっ て 多 くのパターンが 存 在 します 鮮 度 は 次 式 のような 関 係 が 考 えられます 鮮 度 = 工 程 条 件 工 程 については 漁 船 の 漁 獲 から 陸 揚 げまで 市 場 と 工 場 については 陸 揚 げから までの 過 程 を 確 認 します 条 件 については 同 じ 漁 船 と 工 程 であっても 季 節 が 違 うことによる 海 水 温 の 違 いや 魚 の 獲 り 方 魚 体 サイズの 構 成 等 で 冷 し 込 みの 条 件 は 変 わってきます 魚 艙 内 の 目 標 設 定 温 度 到 達 時 間 についても 確 認 が 必 要 です 条 件 の 設 定 は 各 々のパターンを 考 慮 してご 検 討 ください 工 程 が 複 数 のときや パラメータが 多 ければ 鮮 度 のパターンも 増 えてきます 基 本 情 報 を 把 握 した 上 で 現 場 にて 漁 獲 物 の 着 荷 状 態 を 見 て 工 程 条 件 と 鮮 度 の 関 係 について 照 合 を 行 ってください また 工 程 の 管 理 を 行 うことも 併 せて 重 要 です 鮮 度 について 確 実 な K 値 の 測 定 を 行 う 場 合 サンプルを 専 門 の 機 関 へ 送 っ て 調 べることで 数 値 上 の 把 握 が 可 能 になります 25

手 順 2 鮮 度 = 工 程 条 件 の 区 分 け( 自 主 基 準 )を 行 います ここでは 自 主 基 準 を 仮 の 鮮 度 ランク として 表 します 例 えば 4 種 類 の 鮮 度 状 態 に 分 けられる 場 合 次 のように 仮 の 設 定 をします 鮮 度 優 (K 値 10% 以 下 ) 鮮 度 良 (K 値 20~10%) 鮮 度 可 (K 値 60~20%) 鮮 度 不 可 (K 値 60% 以 上 : 食 用 から 外 す) 全 ての 漁 獲 物 についてK 値 の 測 定 を 行 うことは 現 実 的 に 難 しいことから 現 場 の 担 当 者 は それぞれの 魚 の 状 態 と 鮮 度 ランクの 見 極 めが 要 求 されます その ため 冷 サバの 鮮 度 ランクを 設 定 するにあたり 工 程 までのサバの 鮮 度 状 態 を 把 握 することが 必 要 です 手 順 3 冷 蔵 倉 庫 業 者 の 担 当 者 は 鮮 度 ランクごとに 冷 サバのロットを 管 理 します そして 販 売 の 担 当 者 は 取 引 先 のニーズに 見 合 った 該 当 するロットから 商 と 鮮 度 ランクを 紐 付 けした 状 態 で 販 売 出 荷 に 取 り 組 むことで 取 引 先 との 信 頼 関 係 を 高 めてください 26

Ⅲ 付 録 編 冷 サバの 衛 生 管 理 冷 サバは 食 である 以 上 衛 生 管 理 の 徹 底 に 取 り 組 む 必 要 があります また 冷 サバに 関 わらず 全 ての 魚 介 類 に 対 して 衛 生 管 理 を 行 なうことは 質 管 理 の 一 部 を 担 っており 安 全 で 安 心 な 食 材 を 提 供 する 上 で 欠 かせない 義 務 になります もし 食 中 毒 事 故 が 起 きたならば 社 会 的 信 用 の 失 墜 だけでなく 刑 事 責 任 や 経 営 破 綻 まで 負 うことも 十 分 に 考 えられます 食 を 取 り 扱 うことは 消 費 者 の 命 に 係 わることを 常 に 認 識 して 衛 生 管 理 に 従 事 してください (1) 食 中 毒 原 因 微 生 物 と 物 質 の 主 な 種 類 には 次 のようなものがあります 1 腸 炎 ビブリオ 沿 岸 海 域 等 で 水 温 が 20 以 上 の6~10 月 に 大 量 発 生 し 近 海 魚 からも 検 出 される 水 道 水 では 増 殖 しないが 海 水 中 では 増 殖 が 速 い かつては 食 中 毒 原 因 の 筆 頭 的 存 在 です 2サルモネラ 哺 乳 類 や 鳥 類 の 排 泄 物 に 存 在 するため 鳥 類 の 飛 来 する 海 域 漁 船 の 海 水 や 甲 板 又 は 陸 揚 げ 場 その 他 自 然 界 に 広 く 分 布 し 平 成 元 年 以 降 多 発 傾 向 にあります 3カンピロバクター サルモネラ 同 様 鶏 豚 牛 等 の 動 物 の 腸 管 に 分 布 し 排 泄 物 に 存 在 します 4 病 原 大 腸 菌 人 や 動 物 の 腸 管 に 分 布 平 成 8 年 に 多 発 した 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 O-157 は これに 属 します 5 黄 色 ブドウ 球 菌 手 指 の 切 り 傷 その 他 化 膿 部 分 に 分 布 します 6ヒスタミン 有 害 物 質 のヒスタミンは ヒスタミン 中 毒 を 起 こし 顔 面 が 紅 潮 したり じんま 疹 の 症 状 が 出 ます 7その 他 ボツリヌス 菌 ウェルシュ 菌 セレウス 菌 細 菌 性 赤 痢 コレラ 腸 チフ ス パラチフス 等 があります 27

(2) 食 中 毒 原 因 微 生 物 等 の 除 去 による 食 中 毒 の 防 止 法 について 次 のことに 留 意 してください 1 魚 介 類 の 洗 浄 及 び 冷 却 使 用 水 ( 氷 の 原 料 水 を 含 む)は 殺 菌 処 理 海 水 又 は 清 浄 海 水 水 道 水 として 下 さい 2 魚 介 類 の 陳 列 保 管 等 魚 介 類 は 陸 揚 げ 場 及 び 市 場 施 設 内 の 床 や 通 路 上 に 直 置 き 又 はそれを 引 き 摺 らないで 下 さい また 水 撥 ね 日 射 排 ガス 又 は 熱 気 などに 曝 されないで 下 さい 3 施 設 設 備 等 の 洗 浄 施 設 設 備 及 び 容 器 や 器 具 類 の 洗 浄 は 使 用 毎 に 行 ない 乾 燥 して 下 さい また 定 期 的 に 消 毒 を 行 ない アオコ 等 を 除 去 して 下 さい 4 容 器 や 器 具 類 の 保 管 等 床 や 通 路 上 の 直 置 き 撥 ね 水 又 は 有 害 動 物 等 の 汚 染 防 止 ができる 衛 生 的 なパ レットやシート 及 び 区 画 ライン 等 を 利 用 して 下 さい 5 海 水 や 井 水 の 殺 菌 処 理 濾 過 器 を 含 む 海 水 殺 菌 装 置 の 保 守 点 検 は 常 に 行 ない 水 質 ( 細 菌 ) 検 査 の 実 施 も 定 期 的 に 行 なって 下 さい 6 便 所 等 の 洗 浄 消 毒 トイレから 菌 が 持 ち 込 まれる 可 能 性 はとても 高 いので 常 に 洗 浄 消 毒 は しっかり 行 なってください また トイレの 機 能 や 備 等 の 補 充 及 び 点 検 を 毎 日 行 なって 下 さい 7 廃 棄 物 容 器 等 の 衛 生 管 理 廃 棄 物 置 場 又 は 廃 棄 物 容 器 は 魚 介 類 の 取 扱 区 域 から 離 れた 衛 生 的 な 場 所 に 清 潔 に 保 管 して 下 さい 28

(3) 食 中 毒 を 防 ぐには 1 食 中 毒 予 防 の 3 原 則 と2 水 物 を 扱 う 人 の 衛 生 と 健 康 管 理 が 必 要 です そのためには 漁 船 等 の 生 段 階 か ら 市 場 等 を 含 む 流 通 段 階 に 至 る 衛 生 質 管 理 の 取 組 みが 重 要 になりま す 1 食 中 毒 予 防 の3 原 則 付 けない 殖 やさない 持 ち 込 まない ことが 前 提 になります 安 全 安 心 のポイント 1) 水 物 の 迅 速 で 丁 寧 な 取 扱 い 2) 水 物 の 素 早 い 冷 却 や 冷 管 理 3) 作 業 場 所 や 魚 艙 使 用 器 具 類 等 の 衛 生 管 理 2 水 物 を 扱 う 人 の 衛 生 と 健 康 管 理 1) 全 員 毎 回 手 洗 い( 手 指 の 消 毒 も)の 実 行 2) 体 調 不 良 時 は 直 ちに 作 業 を 止 め 食 の 取 扱 い 場 所 から 離 れること 衛 生 管 理 については 各 現 場 の 管 理 責 任 者 を 決 めて チェックシートを 作 成 及 び 利 用 して 常 時 確 認 に 努 めてください 例 5) 衛 生 管 理 チェックシート チェック 項 目 確 認 チェック 項 目 確 認 1 施 設 設 備 の 管 理 5 便 所 等 の 管 理 (1) 清 潔 保 持 6 水 の 管 理 (2) 衛 生 管 理 7 容 器 等 の 管 理 2 人 の 管 理 8 魚 介 類 の 管 理 3 車 の 管 理 9 その 他 の 管 理 4 有 害 動 物 の 管 理 29

冷 魚 考 冷 魚 を 取 引 する 上 で 脂 質 やサイズ 価 格 等 は 重 要 な 取 引 条 件 であります が 消 費 者 を 対 象 にした 水 物 に 関 するアンケートでは 常 に 鮮 度 が 購 買 条 件 の 上 位 にあります 韓 国 の 鮪 はえ 縄 漁 業 者 が 餌 となる 冷 魚 (サンマ)を 購 入 するにあたり 日 本 の 冷 サンマよりも 台 湾 の 冷 サンマに 対 する 評 価 の 方 が 高 いという 話 を 某 商 社 から 聞 いたことがあります 理 由 は 台 湾 の 冷 サンマの 方 が 針 から 外 れに くいということでした 原 因 は 台 湾 のサンマ 漁 船 は 船 上 を 行 っているため 魚 体 が 解 硬 軟 化 の 前 に されるので 魚 体 組 織 がしっかりとしている( 高 い 鮮 度 )のに 対 して 日 本 の 冷 魚 は 解 硬 軟 化 した 冷 魚 が 含 まれていた 場 合 魚 体 組 織 は 脆 くなっている( 鮮 度 落 ちの 状 態 )ため 針 から 外 れやすいことが 考 えられます 我 が 国 では 鮮 魚 の 場 合 活 〆 した 魚 は 高 鮮 度 であることから 通 常 の 鮮 魚 より も 高 く 売 れます また 冷 加 工 ではワンフローズン 加 工 ( 生 の 状 態 で 加 工 し た 後 に )の 商 は 質 が 良 いという 評 価 が 業 界 に 浸 透 しています しかし 冷 原 料 については 一 般 的 に 明 確 な 評 価 は 行 われていない 状 況 にあります ノルウェーでは さばの 販 売 戦 略 において 単 にさばの 脂 質 が 高 いというだけでなく 漁 獲 物 は 船 上 或 いは 陸 揚 げ 後 即 時 により 高 鮮 度 な 商 であることもアピールして 水 物 の 一 大 輸 出 国 に 発 展 しています 我 が 国 の 水 物 についても 鮮 度 や 質 衛 生 管 理 に 特 化 し て 世 界 で 戦 える 商 づくりを 目 指 していくことが 今 の 日 本 の 水 業 には 必 要 であると 考 えられます 30

執 筆 制 作 一 般 社 団 法 人 海 洋 水 システム 協 会 岡 野 利 之 長 島 徳 雄 山 内 和 夫 研 究 指 導 独 立 行 政 法 人 水 大 学 校 福 田 裕 調 査 協 力 西 日 本 魚 市 株 式 会 社 田 中 憲 壯 実 験 協 力 独 立 行 政 法 人 水 大 学 校 中 澤 奈 穂 前 田 俊 道 田 中 竜 介 和 田 律 子 福 島 英 登 ( 敬 称 略 ) 31

社 団 法 人 海 洋 水 システム 協 会 103-0027 東 京 都 中 央 区 日 本 橋 3-15-8 TEL:03-6411-0021 FAX:03-6411-0022 URL:http://www.systemkyokai.or.jp/ http://www.ichiba-qc.jp/ ( 質 衛 生 管 理 ) 32