358 について お 話 しをお 聞 きしたいと 思 います おそらく 今 検 査 の 現 場 はいろいろと 新 しい 検 査 法 が 導 入 されて 大 きく 変 化 したところもあれば ま だ 全 然 変 わらないところもあると 思 います 実 際 に 各 検 査 室 に 導 入 されているかど



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2 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (26 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 静 岡 県 国 類 似 団 体 2 技 能 労 務 職 区 41.8 歳 42.6 歳 43.5

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2 平 均 病 床 数 の 平 均 病 床 数 では 療 法 人 に 対 しそれ 以 外 の 開 設 主 体 自 治 体 社 会 保 険 関 係 団 体 その 他 公 的 の 規 模 が 2.5 倍 程 度 大 きく 療 法 人 に 比 べ 公 的 病 院 の 方 が 規 模 の 大 き いことが

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3 職 員 の 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 ( ベース) 43.7 歳 32, , ,321

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 135, , , , , ,600

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 135,6 243,7 185,8 222,9 261,9

全設健発第     号

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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二 資本金の管理

Transcription:

モダンメディア 61 巻 12 号 2015[ 座 談 会 ]357 999999999999999999999999999999999999999999999 99999999999999999999999999999 はじめに 松 本 本 日 は 技 術 革 新 がもたらす 今 後 の 微 生 物 検 査 の 展 開 と 課 題 というテーマで 4 名 の 先 生 方 に お 話 を 伺 いたいと 思 います 各 先 生 方 について 簡 単 に 私 からご 紹 介 させていただきますが まず 大 楠 先 生 は 臨 床 検 査 技 師 としての 経 験 を 有 し 現 在 は 大 学 の 教 授 として 教 育 や 研 究 に 携 わり 各 医 療 施 設 か ら 起 因 病 原 体 の 検 索 に 関 する 相 談 に 応 じておられま す 定 本 先 生 は 栄 研 化 学 で 長 く 研 究 開 発 に 携 わって こられた 経 験 をお 持 ちで 本 日 は 企 業 の 立 場 からご 意 見 をいただきたいと 思 います 柳 沢 先 生 は 外 注 検 査 センターの 社 長 を 最 近 まで 務 められ 微 生 物 検 査 の 現 場 を 熟 知 しておられる 立 場 としてご 意 見 をいた だきたいと 思 います 米 山 先 生 は 感 染 症 診 療 および 臨 床 検 査 のスペシャリストであり 検 査 の 保 険 点 数 に 関 連 して 国 との 交 渉 もされています 本 日 はそれ ぞれ 立 場 からご 意 見 を 賜 りたいと 思 いますので ど うぞよろしくお 願 いいたします Ⅰ. 新 しい 微 生 物 検 査 法 開 発 の 最 近 の 動 向 松 本 まず 初 めに 微 生 物 検 査 法 開 発 の 最 近 の 動 向 ( 1 )

358 について お 話 しをお 聞 きしたいと 思 います おそらく 今 検 査 の 現 場 はいろいろと 新 しい 検 査 法 が 導 入 されて 大 きく 変 化 したところもあれば ま だ 全 然 変 わらないところもあると 思 います 実 際 に 各 検 査 室 に 導 入 されているかどうかは 別 としても 新 しい 検 査 法 はどんどん 開 発 されてきていますの で 開 発 の 方 向 性 や 現 状 をまず 確 認 しておきたいと 思 います 最 初 に 定 本 先 生 に 詳 しくまとめていただいた 情 報 をまず 共 有 させていただければと 思 います 定 本 先 生 ご 紹 介 いただけますでしょうか 定 本 イムノクロマトについては インフルエンザ の 迅 速 検 査 が 非 常 に 多 く 使 われていて 金 額 ベース で 120 億 円 を 超 えるくらいの 市 場 規 模 です あとは A 群 溶 レン 菌 や アデノウイルスの 迅 速 検 査 が 多 く 使 用 されています HCV は 輸 血 関 係 で 使 用 されて いますが あとはノロウイルス 肺 炎 球 菌 RS ウ イルス レジオネラなどに 対 する 検 査 の 使 用 頻 度 が 高 くなっています イムノクロマト 以 外 のイムノ アッセイとなると 高 感 度 イムノアッセイが 主 体 に なりますので 肝 炎 関 係 それから HIV などの 割 合 が 非 常 に 大 きく 特 に 現 在 HCV が 検 体 数 金 額 ともに 断 然 飛 び 抜 けている 状 況 です 遺 伝 子 検 査 に 関 しては 日 本 の 場 合 は 輸 血 関 連 で 表 1 イムノクロマト 法 感 染 症 検 査 市 場 (2014 年 ) 金 額 検 査 数 ( 百 万 円 ) ( 千 件 ) インフルエンザ 抗 原 A/B 12,612 19,276 A 群 レンサ 球 菌 2,272 3,890 アデノウイルス 抗 原 ( 咽 頭 角 膜 鼻 腔 ) 2,056 2,523 HCV 抗 体 1,191 2,354 ノロウイルス 抗 原 1,164 2,711 肺 炎 球 菌 莢 膜 抗 原 611 706 RSV 抗 原 599 804 レジオネラ 抗 原 236 261 その 他 2,892 7,668 合 計 23,633 40,193 ( 富 士 経 済 2013 臨 床 検 査 市 場 No.1 -イムノアッセイ 市 場 - を 基 に 作 成 ) 表 2 イムノクロマト 法 以 外 のイムノアッセイ 感 染 症 検 査 市 場 (2014 年 ) 金 額 検 査 数 ( 百 万 円 ) ( 千 件 ) HCV 抗 体 14,476 39,871 HBs 抗 原 4,838 31,146 HBs 抗 体 2,640 14,556 HIV 抗 体 1/2 2,306 10,881 その 他 15873 92,821 合 計 39,671 189,275 ( 富 士 経 済 2013 臨 床 検 査 市 場 No.1 -イムノアッセイ 市 場 - を 基 に 作 成 ) 定 本 伸 也 先 生 HBV と HCV と HIV です それから 結 核 STD の 淋 菌 クラミジア トラコマチスが 市 場 のほとんど を 占 めており あとはパピローマウイルスなどもあ ります( 表 1 表 2) 新 しい 遺 伝 子 検 査 の 項 目 としては レジオネラや マイコプラズマ ニューモニエなどが 出 てきていま すが まだまだ 遺 伝 子 検 査 の 主 戦 場 は HIV 肝 炎 関 係 と STD と 結 核 です 結 核 も 最 近 になってようや く MAC を 対 象 とした 検 査 が 使 われ 始 めてきて 使 用 頻 度 が 非 常 に 高 くなってきています( 表 3) 次 に 現 在 話 題 になっているはマルチプレックス の PCR です 同 時 に 多 項 目 を 検 出 する 検 査 法 で アメリカでは FDA の 承 認 も 取 得 しています 特 に 話 題 になっているのはバイオファイアというビオメ リュー 社 が 買 収 した 会 社 の 検 査 法 です この 検 査 法 は 呼 吸 器 感 染 症 敗 血 症 血 液 感 染 症 それから 消 化 器 感 染 症 など 各 種 感 染 症 の 主 な 病 原 体 に 対 応 し たパネルがあります 大 きなものでは 二 十 数 種 類 の 病 原 体 が 同 時 に 検 出 でき 既 に FDA に 承 認 されて 表 3 遺 伝 子 検 査 2014 年 検 査 項 目 別 市 場 検 査 項 目 保 険 点 数 検 査 数 金 額 ( 千 件 ) ( 百 万 円 ) 結 核 菌 410 1,364 2,262 HCV 定 量 450 1,005 2,010 HBV 定 量 287 660 1,160 クラミジア+ 淋 菌 291 596 775 HPV 360 185 420 HIV 定 量 520 110 360 淋 菌 204 43 60 その 他 1,065 2,127 合 計 5,028 9,174 ( 富 士 経 済 2014 臨 床 検 査 市 場 No.3 - 細 菌 遺 伝 子 POC 病 理 検 査 - を 基 に 作 成 ) ( 2 )

359 アメリカでは 実 際 に 使 用 されています ( 表 4) 日 本 にはまだこの 類 の 製 品 は 入 っておらず セ フィエド 社 の GeneXpert がもうすぐ 日 本 で 承 認 さ れるかどうかという 段 階 ですので アメリカではず いぶん 早 く 開 発 や 導 入 が 進 んでいると 思 います 松 本 ありがとうございます アメリカの 状 況 がよ くわかりました 一 方 ヨーロッパはどうでしょう か? 定 本 ヨーロッパは 今 CE 承 認 が 鍵 となりますが 実 際 たどる 資 料 が 非 常 に 難 しくて 調 査 がなかな かできないのが 現 状 です 質 量 分 析 (MALDI-TOF MS)は アメリカよりもヨーロッパのほうが 進 んで おり 設 置 台 数 も 多 いと 聞 いています 一 方 遺 伝 子 検 査 でどのようなものが 広 く 使 われているか ま だ 完 全 に 把 握 できていない 状 況 です 松 本 わかりました いずれにしても 微 生 物 検 査 法 開 発 の 大 きな 流 れとしては イムノクロマトも 含 めた 抗 原 検 出 か 遺 伝 子 検 査 あるいは MALDI- TOF MS が 新 しい 検 査 法 開 発 の 潮 流 かと 思 います 大 楠 先 生 何 か 補 足 説 明 はありますか 大 楠 遺 伝 子 検 査 の 最 近 の 動 向 として 核 酸 抽 出 の 前 処 理 が 必 要 のない 全 自 動 型 いわゆる 次 世 代 型 の 遺 伝 子 検 査 と 言 われているものには 先 ほど 定 本 先 生 が 紹 介 したような 商 品 が 出 ています 実 は その 次 の 世 代 だろうと 考 えていたのですが 抗 原 検 出 の イムノクロマト 法 に 匹 敵 するようなスピードで 実 施 できる POCT(Point of care testing) 型 遺 伝 子 検 査 の 機 器 試 薬 が 来 年 頃 からいくつか 販 売 されるよ うです 私 が 把 握 しているのは 3 社 あるのですが 1 社 目 は 先 ほどもご 紹 介 があったセフィエド 社 の GeneXpert のカートリッジを 使 用 するコンパクトで バッテ リー 駆 動 も 可 能 な Omni というタイプです( 図 1) 約 30 分 でインフルエンザの A B が 測 定 できると いうことです 1 2 社 目 はロシュ 社 の Cobas Liat で 液 体 の 試 薬 が チューブに 全 部 詰 められていて インフルエンザ A B が 20 分 で そして GAS が 15 分 で 測 定 できる 商 品 が 販 売 される 予 定 となっています( 図 2) 2 そして もっと 驚 くことに 3 社 目 のアリーア メ ディカル 社 は スワブをセットしてカートリッジを 移 動 するだけの 簡 単 な 操 作 の 後 15 分 でインフル エンザ A B 8 分 で GAS という 免 疫 クロマト 法 に 匹 敵 するようなスピードで 測 定 出 来 て しかも 検 出 感 度 は 免 疫 クロマト 法 に 比 べるとおそらく 10 ~ 100 倍 くらいといった 機 器 試 薬 が 欧 米 では 既 に 販 売 される 予 定 です( 図 3) 3 Cobas Liat Roche GeneXpert Omni Cepheid Alere TM I Alere 1 http://www.cepheid.com/us/genexpert-omni( 引 用 2015/11/30) 2 http://molecular.roche.com/instruments/pages/cobasliatsystem.aspx( 引 用 2015/11/30) 3 http://www.alere-i.com/en/index.html( 引 用 2015/11/30) ( 3 )

360 表 4 同 時 多 項 目 遺 伝 子 検 出 システム メーカー BioFire Serosep GenMark BD Nanosphere Cepheid システム Filme Array EntericBio realtime eplex MAX Verigene system GeneXpert 概 要 カートリッジに 液 体 試 薬 とサンプルを 注 入 後 測 定 ユニットにセット 測 定 時 間 は1hr. 1カートリッジ/ユニット x 8ユニット FDA 承 認 済 み 便 サンプルを 抽 出 用 アンプルへ 懸 濁 し 自 動 検 体 処 理 装 置 へセット 処 理 完 了 後 にサーマルサイクラーへセットす る 判 定 までは 自 動 測 定 時 間 は3hr 48サンプル 処 理 時 の ハンズオンタイムは40min FDA 未 承 認 カードリッジにサンプルを 注 入 後 測 定 ユニッ トにセット 1システムに 対 し 6サンプル 測 定 可 能 な 測 定 ユニットが4ユニット( 計 24サンプル)まで 接 続 可 能 測 定 時 間 は60-90min FDA 未 承 認 サンプルチューブ 試 薬 カードリッジを 本 体 へセット アッセイ 判 定 は 自 動 1-24サンプル/run 測 定 時 間 について はカードリッジにより 異 なるが 約 3hr FDA 承 認 済 み( ) カードリッジ 試 薬 を 検 体 処 理 ユニットにセット し サンプルを 注 入 する サンプル 処 理 後 に カードリッジを 取 り 出 して 読 み 取 り 装 置 へセット し 結 果 を 得 る 検 体 処 理 ユニット 読 み 取 り 装 置 ともに1サン プル/ユニット 測 定 時 間 は2-2.5hr FDA 承 認 済 み( ) 検 体 をカードリッジへ 注 入 し 測 定 器 のモジュー ルへセット 結 果 報 告 まで 自 動 で 行 われる 測 定 器 のモ ジュールは2,4,16 個 の3 機 種 がラインナップされ ている 測 定 時 間 は0.5-3hr FDA 承 認 済 み( ) ( 呼 吸 器 感 染 症 用 パネル) パネル 名 Respiratory Panel 検 出 項 目 Adenovirus Coronavirus HKU1 Coronavirus NL63 Coronavirus 229E Coronavirus OC43 Human Metapneumovirus Human Rhinovirus/Entrovirus Influenza A Influenza A/H1 Influenza A/H3 Influenza A/H1-2009 Influenza B Parainfluenza 1 Parainfluenza 2 Parainfluenza 3 Parainfluenza 4 Respiratory Syncytial Virus Bordetella pertussis Chlamydophila pneumoniae Mycoplasma pneumoniae Respiratory Pathogen Panel 呼 吸 器 感 染 用 パネル 20 以 上 のウイルス 細 菌 が 標 的 StaphSR( ) Staphylococcus aureus/mrsa MRSA XT( ) mecc new MREJ types Respiratory Pathogens Flex Test Adenovirus Human Metapneumovirus Influenza A Influenza A H1 Influenza A H3 Influenza B Parainfluenza 1 Parainfluenza 2 Parainfluenza 3 Parainfluenza 4 Rhinovirus RSV A RSV B Bordetella Group Bordetella holmesii Bordetella pertussis Xpert MRSA( ) 鼻 腔 スワブからのMRSA 検 出 Xpert MRSA/SA Nasal Complete( ) 鼻 腔 スワブからのS. aureusとmrsa 検 出 Xpert Flu( ) Influenza A Influenza A 2009 H1N1 Influenza B Xpert MTB/RIF( ) MTB RIF-Resistance Mutations Xpert Flu/RSV XC( ) Influenza A Influenza B RSV Lower Respiratory Tract infection Panel 開 発 中 ( 血 流 感 染 症 用 パネル) パネル 名 Blood Culture Identification Panel 検 出 項 目 /Gram-Positive Bacteria Enterococcus Listeria monocytogenes Stapylococcus aureus Streptococcus agalactiae Streptococcus pneumoniae Streptococcus pyogenes /Antimictobial Resistance Genes meca vana/b KPC /Gram-Negative Bacteria Acinetobacter baumannii Haemophilus influenzae Neisseria meningitidis Pseudomonas aeruginosa Enterobacter cloacae complex Escherichia coli Klebsiella pneumoniae Klebsiella oxytoca Proteus Serratia marcescens /Yeast Candida albicans Candida glabrata Blood Culture Identification GP Panel グラム 陽 性 菌 による 血 流 感 染 症 用 パネル 20 以 上 の 細 菌 と 薬 剤 耐 性 が 標 的 Blood Culture Identification GN Panel グラム 陰 性 菌 による 血 流 感 染 症 用 パネル 25 以 上 の 細 菌 と 薬 剤 耐 性 が 標 的 Fungal Pathogen Panel 真 菌 による 血 流 感 染 症 用 パネル HCV Genotyping Panel HCV 1a,1b,2a/c,2b,3,4,5,6のタイピング Gram-Positive Blood Cuture Test( ) Staphylococcus aureus Staphylococcus epidermidis Staphylococcus lugdunensis Streptococcus pneumoniae Streptococcus anginosus Group Streptococcus agalactiae Streptococcus pyogenes Enterococcus faecalis Enterococcus faecium Stapylococcus spp. Streptococcus spp. Micrococcus spp. Listeria spp. meca vana vanb Gram-Negative Blood Cuture Test( ) Escherichia coli Klebsiella pneumoniae Klebsiella oxytoca Pseudomonas aeruginosa Serratia marcescens Acinetobacter spp. Proteus spp. Xpert MRSA/SA BC( ) MRSA S. aureus Xpert vana( ) VRE Xpert vana/vanb VRE Xpert Carba-R KPC NDM VIM OXA-48 IMP-1 ( 4 )

361 Candida krusei Candida parapsilosis Candida tropicalis ( 腸 管 感 染 症 パネル その 他 ) パネル 名 Gastrointestinal Panel 検 出 項 目 /Bacteria Campylobacter jejuni Campylobacter coli Campylobacter upsaliensis Clostridium difficile(toxina/b) Plesiomonas shigelloides Salmonella Yersinia enterocolitica Vibrio parahaemolyticus Vibrio vulnificus Vibrio cholerae EAEC EPEC ETEC lt/st STEC stx1/stx2 Shigella/EIEC /Parasites Cryptosporidium Cyclospora cayetanensis Entamoeaba histolyca Giardia lamblia /Viruses Adenovirus Astrovirus Norovirus Rotavirus Sapovirus Meningitis/Encephalitis 開 発 中 Gastro Panel 1 Salmonella Stx1 Stx2 Shigella Campylobacter Gastro Panel 2 Salmonella Stx1 Stx2 Shigella Campylobacter Cryptosporidium Giardia Clostridium difficile Gastrointestinal Pathogen Panel 腸 管 感 染 症 用 パネル 細 菌 ウイルス 寄 生 虫 が 標 的 Central Nervous System Panel 中 枢 神 経 系 感 染 症 用 パネル 細 菌 ウイルス 真 菌 が 標 的 Enteric Bacterial Panel( ) Salmonella spp. Campylobacter spp. Shigella spp./eiec stx1/2 Extended Enteric Panels 開 発 中 Norovirus Rotavirus Adenovirus Yersinia enterocolitica Vibrio spp. Aeromonas spp. Enteric Parasite Panel 開 発 中 Giardia lamblia Cryptosporidium spp. Entamoeba histolyca Viral panel 開 発 中 Norovirus Rotavirus Cdiff( ) Toxin B GBS( ) 妊 婦 スクリーニング Citrobacter spp. Enterobacter spp. KPC NDM CTX-M VIM IMP OXA Yeast Blood Cuture Test Candida albicans Candida dubliniensis Candida glabrata Candida krusei Candida parapsilosis Candida tropicalis Cryptococcus gattii Cryptococcus neoformans Enteric Pathogens Test( ) Campylobacter spp. Salmonella spp. Shigella spp. Vibrio spp. Yersinia enterocolitica Norovirus Rotavirus stx1 stx2 Clostridium difficile Test( ) Toxin A Toxin B PCR Ribotype 027 Xpert C. difficile( ) C. difficile Xpert C. difficile/epi( ) C. difficile C. difficile 026 Strain Xpert Norovirus( ) Norovirus Xpert MRSA/SA SSTI( ) 皮 膚 軟 部 組 織 からのMRSA/SAの 検 出 Xpert EV エンテロウイルス 性 髄 膜 炎 Xpert HPV HPVハイリスク 型 及 び16 18/45ジェノタイプ Xpert CT/NG( ) Chlamydia trachomatis/neisseria gonorrhoeae Xpert CT Chlamydia trachomatis Xpert GBS Streptococcus agalactiae Xpert GBS LB( ) Streptococcus agalactiae(lim 培 地 からの 検 出 ) Xpert BCR-ABL Monitor 慢 性 骨 髄 性 白 血 病 治 療 効 果 モニタリング Xpert FII&FV 血 栓 症 の 遺 伝 的 リスク 評 価 ( 5 )

362 松 本 その 検 査 法 は 現 在 試 作 段 階 ですか それと も 既 に 使 用 されているのですか 大 楠 アメリカではこのアリーア メディカル 社 の 機 器 試 薬 はすでに 2,000 台 以 上 販 売 されたという ような 裏 情 報 が 入 ってきていますが 定 かではあり ません いずれにしても POCT に 遺 伝 子 検 査 が 活 用 され つつあるというのが 感 染 症 検 査 の 最 新 の 潮 流 かと 思 います 今 後 は マイコプラズマ レジオネラ C. difficile ノロウイルスなどの 病 原 体 が 単 項 目 の 検 出 として 10 ~ 15 分 以 内 で 検 査 できるような POCT 型 の 遺 伝 子 検 査 と 一 方 では 疾 患 別 に 想 定 される 病 原 体 20 ~ 30 種 類 を 網 羅 的 に 検 索 ができる Syndromebased な 遺 伝 子 検 査 というのが 遺 伝 子 検 査 の 双 方 の 潮 流 ではないかと 思 います 松 本 POCT 型 の 3 つはすべて PCR 法 ですか 大 楠 最 初 の 2 つは PCR 法 を 原 理 としているので すが 3 社 目 のアリーア メディカル 社 の 機 器 は NEAR という 等 温 遺 伝 増 幅 法 を 使 っています LAMP 法 の ように 一 定 の 温 度 で 反 応 が 進 み 増 幅 効 率 も 高 いの で 8 ~ 15 分 とハイスピードなのだと 思 います 松 本 POCT といえば 基 本 的 にはイムノクロマトが 主 流 で 抗 原 検 出 がほとんどでしたが もう 遺 伝 子 検 査 まで POCT としての 利 用 を 目 的 に 開 発 されてく るかもしれないということですね 大 楠 はい そうですね 松 本 定 本 先 生 検 査 法 の 開 発 に 携 わっておられる 立 場 として これらの 印 象 はどうでしょうか 定 本 大 楠 先 生 がおっしゃるとおりで 今 年 出 始 め たばかりの 情 報 だと 思 います 私 たち 企 業 の 研 究 開 発 の 立 場 からすると イムノクロマトは 非 常 に 特 異 性 が 高 くて アフィニティが 高 い 抗 体 を 開 発 しなけ ればいけません それがものすごく 大 変 なのですが 遺 伝 子 の 場 合 はプライマーを 組 むだけでいいので す 配 列 は 分 かっているので プライマーを 組 むだ けですから 非 常 に 開 発 は 楽 だと 思 います ただ これまでは 非 常 に 高 額 な 機 器 を 購 入 しなけ ればいけませんでしたが 最 近 ではより 価 格 の 低 い 製 品 が 出 てきています 最 初 に 先 生 がご 紹 介 になっ た GeneXpert の 次 世 代 Omni は 今 聞 いている 情 報 では 装 置 自 体 が 2800 ドルくらい 30 万 円 を 切 っ てしまうので 本 当 に POCT として 臨 床 現 場 など に 使 われるようになる 可 能 性 があり 私 たちメー カーからすると 非 常 に 脅 威 ですね 松 本 ただし 検 査 のターゲットとなる 病 原 体 は 基 本 的 には インフルエンザなどポピュラーな 病 原 体 がほとんどですよね 大 楠 最 初 に 開 発 が 進 んでいるのはそういう 傾 向 だと 思 います 松 本 大 楠 先 生 は 企 業 からも 検 査 法 の 開 発 に 関 す る 相 談 を 受 けていると 思 いますが 特 殊 な 病 原 体 を ターゲットにして 開 発 している 検 査 法 はありますか 大 楠 まだないと 思 います 松 本 基 本 的 にはやはりポピュラーな 病 原 体 ですか 大 楠 そうですね あとは 疾 患 別 の 網 羅 的 なものに 関 しては 一 部 特 殊 な 病 原 体 一 覧 表 ( 表 5)にあっ たようなものもあります 定 本 大 楠 先 生 一 方 で 網 羅 的 にマルチプレック スで 増 幅 をかけて 何 か 引 っかける 二 十 何 項 目 も 一 度 にやるというものと このようにターゲットを 決 めて 1 項 目 で 検 査 POCT のようなものと 今 後 はどちらが 主 流 になるのでしょうか 商 品 名 FilmArray Respiratory Panel(RP) xtag TM respiratory Viral panel 販 売 元 BioFire 社 (ビオメリュー 社 ) Luminex 検 出 原 理 フィルムアレイ 法 螢 光 マイクロビーズアレイ 法 検 出 数 21 20 病 原 体 名 表 5 検 出 可 能 な 病 原 体 の 種 類 RSV Metapneumovirus Influenza A Rinovirus/Enterovirus Influenza A(H1) Adenovirus Influenza A(H3) CoV NL63 Influenza A(H1N1) CoV 229E Influenza B CoV OC43 Parainfluenza 1 CoV HKU1 Parainfluenza 2 Bocavirus Parainfluenza 3 Bordetella pertussis Parainfluenza 4 Mycoplasma pneumoniae Chlamydophila pneumoniae RSV Type A RSV Type B Influenza A Influenza A(H1) Influenza A(H3) Influenza B Parainfluenza 1 Parainfluenza 2 Parainfluenza 3 Parainfluenza 4 Matapneumovirus Rinovirus Enterovirus Adenovirus Influenza A(H5) SARS CoV CoV NL63 CoV 229E CoV OC43 CoV HKU1 ( 6 )

363 大 楠 清 文 先 生 大 楠 私 は 両 方 ともに 主 流 になっていくのではない かと 思 います ただ 網 羅 的 なものに 関 しては 問 題 点 として 後 で 米 山 先 生 から 伺 えるのではないかと 思 いますが 日 本 の 場 合 には 保 険 点 数 です すなわ ち 網 羅 的 な 病 原 体 の 検 査 は 保 険 収 載 されるかが 今 後 普 及 していくかどうかの 一 番 のハードルです 一 方 ターゲットを 絞 った 遺 伝 子 検 査 は おそら く 既 に 免 疫 クロマト 法 などで 保 険 点 数 が 付 いている ので 測 定 法 の 違 いが 考 慮 されてうまく 点 数 が 付 い ていくのではないかと 思 います ですから POCT 型 の 遺 伝 子 検 査 のほうが 先 に 開 業 医 院 やクリニック で 導 入 が 進 む 可 能 性 があります また 開 業 医 院 クリニックや 小 さい 病 院 では 外 注 検 査 所 へ 培 養 検 査 を 出 すリスク つまり 検 体 搬 送 中 に 菌 が 死 滅 して 培 養 でうまくカバーできないよ うな 病 原 体 の 検 査 に 関 しては こういった POCT 型 の 検 査 が 逆 に 検 出 感 度 特 異 度 が 高 くなるので 導 入 していくメリットも 大 きいと 思 います 松 本 それでは 検 査 法 開 発 の 動 向 という 話 題 に 戻 っ て MALDI-TOF MS のことを 伺 いたいと 思 います もう 日 本 にも 少 しずつ 導 入 されてきていますが 現 在 どれくらいの 施 設 で 使 用 されているかわかります か 大 楠 昨 日 ちょうど 質 量 分 析 に 関 する 会 議 があり ました 質 量 分 析 装 置 は 2 種 類 ありますが MALDI Biotyper(ブルカー 社 )が 約 70 数 カ 所 VITEK MS (ビオメリュー 社 )が 約 20 施 設 したがって 両 方 で 約 100 施 設 においてすでに 導 入 されている 状 況 です 松 本 今 後 も 国 内 にどんどん 入 ってくるのでしょ うか 大 楠 各 施 設 が 購 入 のための 予 算 申 請 をどんどん 出 している 状 況 のようです 今 一 番 普 及 が 進 んで いるのは 九 州 地 区 で 既 にすべての( 旧 ) 国 立 大 学 病 院 に 入 っています その 他 日 赤 関 係 の 病 院 や 検 査 センターにおいて これからおそらく 全 国 的 に 導 入 されていくのではないかと 予 想 しています 松 本 もし MALDI-TOF MS を 微 生 物 検 査 室 に 導 入 すると 同 定 結 果 がすぐに 判 明 するので 検 査 の 手 順 ががらっと 変 わってしまうと 思 います すでに 導 入 した 施 設 では 何 か 変 化 は 起 こってきているので しょうか 大 楠 そうですね 例 えば 一 般 的 な 翌 日 培 養 で 生 えてくるような 細 菌 に 関 しては 同 定 が 当 日 中 に 行 われるので 以 前 より 1 ~ 2 日 早 くなっている 状 況 で す 嫌 気 性 菌 や 発 育 が 難 しいようなものは その 培 養 期 間 自 体 が 長 くかかるのですが 発 育 が 難 しい 菌 は 菌 量 が 多 く 採 れないので 同 定 キットでの 同 定 が 難 しい 現 状 からすると 2 ~ 3 日 以 上 は 同 定 にかか る 時 間 が 短 くなっている 状 況 です 松 本 これまでの 話 をまとめますと 遺 伝 子 検 査 抗 原 検 出 MALDI-TOF MS を 中 心 にいろいろな 検 査 法 が 開 発 されて 基 本 的 にはポピュラーな 病 原 体 に 関 してはこれらを 導 入 すれば かなり 早 く 迅 速 に 検 査 ができる 状 況 になってきていると 思 います Ⅱ. 経 済 的 側 面 から 見 た 検 査 松 本 米 山 先 生 これまでの 話 を 聞 かれて 医 療 現 場 のニーズを 考 慮 して こういう 検 査 法 が 開 発 され たら 導 入 してみたいというものはありますか 米 山 MALDI-TOF MS はうちも 新 病 院 になったら 入 れようかと 考 えています どのように 既 存 の 検 査 法 と 一 緒 に 使 っていくか あるいは 使 い 分 けていく か そういったところを 知 りたいです あとは マルチプレックスを 含 めいろいろな 遺 伝 子 検 査 に 関 しては 臨 床 現 場 でニーズの 高 いもの 興 味 を 持 たれているものが 多 いと 思 います ですが 診 療 報 酬 が 付 くかどうかというところが 大 きな 問 題 です 保 険 点 数 が 付 いてもコストが 収 入 に 見 合 わず 不 採 算 では 広 く 用 いられるようにはなりません 松 本 柳 沢 先 生 実 際 に 微 生 物 検 査 を 実 施 する 立 場 として 新 しく 開 発 されている 検 査 法 をどのように 感 じておられますか ( 7 )

364 柳 沢 確 かに 質 量 分 析 などは 一 部 の 外 注 検 査 セン ターも 購 入 を 始 めたのですが 結 局 は 全 部 の 検 査 に 当 てはめてこれを 使 うとなると 外 注 検 査 センター では 3 台 とか 4 台 なければ 無 理 です そうすると 実 際 には 今 のコストには 合 わないです 機 械 の 投 資 が 3000 万 円 近 くかかりますので これを 3 台 とな ると 1 億 くらい 投 資 しなければいけません 現 在 すでに 購 入 している 施 設 は 結 核 などを 中 心 に 実 施 しようとしているようですが まだデータ ベースがきちんとできていないので 今 結 核 研 究 所 と 一 緒 に 3 社 が 菌 を 集 めてデータベースを 作 ろう としています 統 一 したデータベースでないと 意 味 がないので 私 が 辞 める 前 に 会 を 作 ったので 今 やっていると 思 います 確 かに MALDI-TOF MS は 1 回 あたりの 検 査 コス トは 安 いのですが 最 初 の 投 資 が 現 在 の 微 生 物 の 診 療 報 酬 点 数 と 比 べると 高 いです 私 共 も 1 年 以 上 データを 取 ってみたのですが ど うしてもレーザーが 何 万 発 かで 交 換 しなければいけ ません そのコストを 考 えると 投 資 したときに 民 間 の 検 査 会 社 で 経 営 的 にやっていけるかという 問 題 があり ます 私 共 は 1 年 間 データだけ 取 って 返 しました 今 後 1000 万 台 くらいで 購 入 されれば 価 格 も 下 がってもう 少 し 普 及 すると 思 います また 耐 性 の 有 無 まで 検 査 できるようになれば 臨 床 的 にもさ らに 価 値 が 上 がると 私 は 思 います その 意 味 では Verigene (ナノスフェア)などの 検 査 法 が 同 じ 投 資 をしても 臨 床 には 菌 名 と 耐 性 遺 伝 子 が 報 告 できるので 治 療 方 針 が 決 まります それと WalkAway (ベックマン コールター)は パネルが 感 受 性 と 同 定 が 一 パネルになっているも のがあるので このまま 使 っていると ベースアッ プになってしまいます バイテック(シスメックス)だとパネルが 同 定 と 感 受 性 と 別 パネルの 場 合 は 経 営 的 には 合 うかもし れません Ⅲ. 感 受 性 検 査 の 動 向 松 本 栄 研 化 学 もこのような 状 況 の 変 化 を 見 据 え て 同 定 を MALDI-TOF MS で 行 った 場 合 の 感 受 性 検 査 用 に 用 いるキットを 何 か 考 えていませんでし たか 定 本 私 どもは 感 受 性 はいわゆるプレート 法 コ ンベンショナルプレートをやっていました ブルカーさんと 一 緒 に 手 を 組 んで 同 定 は MALDI- TOF MS で 感 受 性 は 私 どものコンベンショナルな フローズンプレート ドライプレートなどの 組 合 せ を 提 案 しています 今 通 常 用 いる 98 ウェルの 倍 にした 192 ウェルの MIC 測 定 用 プレートの 開 発 を しています どうしても MALDI-TOF MS は 先 ほどあったよう に 非 常 に 早 く 同 定 が 出 てしまうため 感 受 性 も 早 くできないかということを 現 場 からのご 要 望 として いただきます お 手 元 の 192 ix ix と 書 いて イ クス と 読 んでいるのですが これは 新 しく 作 った 感 受 性 検 査 システムです カイネティックの 測 定 は 1 時 間 ごとに 画 像 で 読 み にいきますので 1 時 間 ごとに 培 養 の 状 況 を 確 認 し ていきます 現 在 は 早 いもので 4 時 間 時 間 がかか るものは 5 ~ 6 時 間 で MRSA など 耐 性 菌 の 判 定 が できます せっかく 同 定 が 早 く 検 査 できるように なったので 感 受 性 も 早 くということで 今 努 力 している 最 中 です 今 私 どもは 耐 性 菌 だけでなく 通 常 の 感 受 性 菌 も 早 く 検 査 できないか 研 究 を 進 めている 最 中 です 松 本 この 検 査 法 は 実 際 に 国 内 の 病 院 で 使 用 され ているのでしょうか 定 本 13 施 設 くらい 入 っています 柳 沢 新 しいものですか 定 本 そうです ドライプレート 栄 研 (192 プレー ト)という 384 ウェルのものを 半 分 の 大 きさにした ものです 192 ウェルありますので MIC のパネル にしても 22 ~ 23 薬 剤 は 載 ります 松 本 例 えば 血 培 を 想 定 したときに 培 養 陽 性 のア ラートが 出 たら 直 接 MALDI-TOF MS で 同 定 して かつ 新 しい 薬 剤 感 受 性 検 査 法 を 実 施 する 組 合 せが 考 えられます そうなると 陽 性 のアラートが 出 て から 例 えば 5 ~ 6 時 間 で 同 定 も 感 受 性 結 果 も 報 告 できるということになるのでしょうか 定 本 それについてはすでにいろいろな 施 設 から の 報 告 がありますが 血 培 陽 性 後 の 検 体 を 遠 心 集 菌 後 に 検 査 をすることでまずまずの 成 績 が 得 られて います 大 楠 CLSI(Clinical and Laboratory Standards In- ( 8 )

365 柳 沢 英 二 先 生 stitute : 臨 床 検 査 標 準 協 会 )も 今 年 の 会 議 で Ad Hoc 委 員 会 が 立 ち 上 げられて 血 液 培 養 で 陽 性 になった 段 階 で 薬 剤 感 受 性 試 験 を 直 接 実 施 できないかとの 検 討 が 進 んでいます その 背 景 には 質 量 分 析 計 が 登 場 したことで 培 養 液 から 直 接 に 菌 種 の 同 定 が 早 くできるので 同 時 に 薬 剤 感 受 性 試 験 も 培 養 液 からできればとの 流 れに なったのだと 思 います 実 際 日 本 の 検 査 技 師 さん の 中 には 迅 速 に 検 査 結 果 を 返 したいとすごく 熱 意 のある 技 師 さんの 施 設 は 今 でもそうやって 報 告 して いるのです ただし サブカルチャーをした 後 に 通 常 どおりに 再 度 薬 剤 感 受 性 試 験 を 行 うので 二 重 に 試 薬 コストがかかっている 状 況 です CLSI が 今 後 標 準 法 を 定 めて この 薬 剤 とこの 菌 種 の 場 合 には 迅 速 にやった 方 法 で 報 告 してよいと いうお 墨 付 きを 出 せば さらに 患 者 診 療 に 貢 献 でき るワークフローになると 考 えています 松 本 新 しい 検 査 法 は 確 かにすごく 優 れていると 思 います ただし 先 ほど 従 来 法 と 併 せてダブルで 実 施 していると 言 われましたが 本 当 に 精 度 が 保 証 さ れていれば 従 来 法 を 行 う 必 要 はなく コストも 下 げられるかもしれません そのあたりはどうなので しょうか 大 楠 これは 現 在 具 体 的 な 方 法 と 再 現 性 や 精 度 管 理 を 含 め 標 準 化 に 向 けた 検 討 が 進 んでいるところ ですので 次 回 の CLSI 会 議 (2016 年 1 月 開 催 )で ある 程 度 明 らかになってくると 思 います 定 本 そうです その 精 度 管 理 株 を 使 って 品 質 管 理 は 行 っています 現 在 CLSI が 推 奨 している 方 法 だと 96 ウェルの サイズを 使 って 標 準 化 されているので 実 際 はウェ ルの 大 きさが 小 さく 50μL と 半 分 の 量 しか 入 らない のです ただ それでも 同 時 に 精 度 管 理 株 も 使 用 し て 評 価 しているので 問 題 ないと 考 えています CLSI が 8 月 に 1st edition で M52 Verification of Commercial Microbial Identification and Antimicrobial Susceptibility Testing Systems というガイドラ インを 出 してきました 大 楠 先 生 のご 指 摘 のとおり 今 こうしたシステムについても 適 切 な 精 度 管 理 が 求 められるようになってきましたのでメーカーと しては 改 めて 評 価 を 行 って 商 品 化 を 進 めたいと 考 え ています 柳 沢 精 度 管 理 については 検 査 機 器 自 体 で 濁 度 を チェックできるようにしていただければいいですよ ね 現 状 の 方 法 では 技 師 が 濁 度 を 測 っても 個 人 差 が でます 機 械 が 濁 度 をチェックして 一 定 濃 度 になっ たらスタートすると 個 人 差 が 無 くなり 精 度 管 理 がで きると 思 います 松 本 これまでお 話 しいただいたように 新 しい 検 査 法 についてもすでに 精 度 管 理 の 標 準 化 を 含 めた 体 制 が 整 ってきているようですね ところで いろい ろと 新 しい 検 査 法 が 開 発 されていますが 理 想 的 に は 検 体 をほとんど 前 処 理 なくキットに 入 れ 専 用 の 機 器 にセットしてしまえば 短 時 間 で 同 定 結 果 や 感 受 性 結 果 も 出 せるようになるかもしれません もし そうしたことが 例 えばベッドサイドできるように なったら かなり 有 用 な 検 査 法 になると 思 いますが どうでしょうか 米 山 そうですね 松 本 場 合 によっては 検 査 技 師 さんの 手 を 借 りず 看 護 師 や 医 師 がその 場 で 検 査 を 実 施 して 例 えば 2 時 間 後 には 結 果 が 出 るというようなことも 十 分 に 考 えられるかもしれません このようにさまざまな 検 査 法 が 開 発 されて その 恩 恵 を 受 けられるようになることは 歓 迎 すべきこと だと 思 います ただし 従 来 どおりの 検 査 法 をその まま 続 けていく 施 設 も 少 なくないと 思 われます そ うなると 微 生 物 検 査 の 施 設 間 の 格 差 が 大 きくなって いく 可 能 性 もあるかと 思 います 例 えば 外 注 の 検 査 センターとしては これから 先 どのような 状 況 に なっていくと 予 想 されますか 柳 沢 たぶん MALDI-TOF MS が 何 ヵ 所 か 購 入 し ていますので 使 用 していくと 思 います ただ すべ ( 9 )

366 てやるかというのは 難 しいですよね 先 ほど 松 本 先 生 がお 話 されたように 流 れを 変 えないと 例 えば MALDI-TOF MS を 担 当 する 係 というように 専 任 を 設 けて 仕 事 をしない 限 り 個 々の 検 査 技 師 が 必 要 に 応 じて 行 うと 機 器 の 順 番 待 ちのようになってしま うと 思 います 今 までですと 1 人 で 同 定 から 感 受 性 までできまし たが その 流 れを 変 えることになると 思 います ただ 何 回 も 言 いますが 本 当 にコストが 合 うかということ をきちんと 試 算 しないといけないと 思 います そう でなくても 微 生 物 検 査 は 一 番 利 益 が 見 込 めない 領 域 なので どうしても 現 実 論 として じゃあ 微 生 物 検 査 はやめるか という 話 をされてしまいます Ⅳ. 検 査 法 の 保 険 適 応 の 現 状 松 本 お 金 の 話 が 出 たので 米 山 先 生 に 関 連 する 話 をお 伺 いしたいと 思 います 経 済 面 からみた 検 査 については 診 療 報 酬 の 影 響 も 大 きいと 思 われますが 現 在 の 状 況 はどうなので しょうか 米 山 今 診 療 報 酬 は 非 常 に 厳 しいと 思 うので 来 年 の 改 定 も どのようになるか 少 し 心 配 しています 前 回 は 採 血 料 や 微 生 物 検 査 の 一 部 が 上 がりました が それ 以 外 は 分 野 によっては 少 しずつ 切 り 下 げら れました 次 回 も 同 じように 厳 しい 改 定 かもしれません 医 療 費 上 昇 を 嫌 って 新 しい 検 査 が 導 入 されないという ことはないかもしれませんが 点 数 が 決 まるときに どれくらい 医 療 費 に 影 響 があるかということはやは り 勘 案 されると 思 います そういう 状 況 で 今 マルチプレックスの 遺 伝 子 検 査 が 薬 事 を 通 るかどうか また 保 険 点 数 がどうな るかは 非 常 に 注 目 されるところかと 思 っています 海 外 ではどうでしょうか マルチプレックスはた ぶんコストが 高 いと 思 いますが 診 療 報 酬 上 という か 経 済 的 にうまくいっているのかどうか いかが でしょうか 定 本 一 部 の 情 報 ではありますが アメリカでは CPT コードに 基 づく 最 大 支 払 い 料 は 3 ~ 5 種 類 の 病 原 体 をターゲットとするマルチプレックスで 174.58 ドル 6 ~ 11 種 類 では 290.45 ドル 12 ~ 25 種 類 ならば 567.18 ドルという 額 が 設 定 されています 米 山 彰 子 先 生 ですから 広 範 囲 のマルチプレックスだったら 7 万 円 ほどの 費 用 を 国 は 設 定 しているということです ね セフィエドの GeneXpert などだと 175 ドルく らい 2 万 円 弱 くらいです 米 山 やはり そのように 項 目 数 によって 段 階 的 に 点 数 を 付 けるようにしないと うまくいかないと 思 います 今 までマルチプレックスのようなものに 保 険 点 数 が 付 いたことがないので どのような 形 で 国 が 通 してくれるかということが 今 後 国 内 への 導 入 に 影 響 が 大 きいと 感 じます 大 楠 もともとの 欧 米 の 検 査 のスタイルと 日 本 の 違 いがあって 例 えば 呼 吸 器 系 のものは DFA(direct fluorescent antibody : 直 接 蛍 光 抗 体 法 )のような 形 で 7 ~ 10 項 目 をいっぺんに 抗 体 を 垂 らして 顕 微 鏡 で 見 てという 方 法 があります あとはウイルスに 関 しても 培 養 法 をずっとやってきているという 背 景 があるので そういった 人 件 費 や 感 度 の 問 題 など から 遺 伝 子 検 査 にどんどん 移 り 変 わっていってい ます それに 対 して 保 険 点 数 というか 欧 米 では 点 数 と は 言 わないのかもしれませんが 認 可 されていくと いう 背 景 日 本 とは 少 し 違 うバックグラウンドがあ る 気 がします 松 本 もし DPC で 診 療 されている 場 合 は 1 回 の 検 査 で 600 ドルなどといった 7 万 円 を 超 える 高 額 な 検 査 は 普 通 あり 得 ないですね 医 師 も 余 程 の 根 拠 が なければ そのような 検 査 をオーダーすることは 難 しいと 思 います 米 山 そうですね 大 楠 今 結 核 菌 はどれくらいでしたか 遺 伝 子 検 ( 10 )

367 査 として 確 か 400 点?かなり 高 いですよね 定 本 結 核 が 410 点 です 大 楠 したがって 1 項 目 でそれだけの 点 数 を 付 け てくれているので 項 目 が 20 であれば 最 低 でも 700 ~ 800 点 くらい 付 けてもらえれば 導 入 可 能 では ないかと 思 います 現 在 の マルチプレックス 法 の 試 薬 の 米 国 での 販 売 価 格 が 100 ~ 200 ドルくらいです 日 本 に 入 って くると どれくらいになるのかは 分 からないのです が 機 器 が 日 本 円 に 換 算 すると 約 400 万 円 試 薬 が 1 ~ 2 万 円 の 間 と い う こ と に な る と お そ ら く 1,000 点 近 くの 保 険 点 数 を 付 けてもらえるのであれ ば 普 及 していく 可 能 性 はあるかと 思 います その 網 羅 的 な 検 出 が 試 薬 代 だけではなくて そ の 検 査 によって 不 必 要 な 抗 菌 薬 の 投 与 が 減 るとか 施 設 内 感 染 の 防 止 につながる 入 院 期 間 が 短 くなる あるいは 適 切 な 抗 菌 薬 の 治 療 が 進 むといった 医 療 経 済 的 なインパクトを 考 えれば 保 険 点 数 を 付 けても らえるメリットは 十 分 あるのではないかと 思 います 米 山 医 療 関 連 感 染 に 対 する 経 済 的 な 面 は 診 療 報 酬 ではカバーしてくれないですよね それは 感 染 防 止 対 策 加 算 でやってくれと 言 われます あくまでも 患 者 さんの 診 療 に 役 に 立 つものに 点 数 を 付 けてくれ る 確 かに 無 駄 な 検 査 をしなくて 済 む 無 駄 な 抗 菌 薬 を 使 わなくて 済 むなど そういったところは 十 分 主 張 できます 私 たちが 学 会 から 何 か 申 請 するとき には そういったことを 十 分 説 明 するようにしてい ます 大 楠 複 数 項 目 の 同 時 測 定 自 体 に 保 険 点 数 が 付 き にくいことに 関 しては 実 は CBC(complete blood count : 全 血 球 計 算 )はある 意 味 マルチプレック スですよね 米 山 まあ そうですね 大 楠 測 定 項 目 がいっぱいある でも 一 つの 機 器 試 薬 で 全 部 を 同 時 にやっているのですが それに 準 じた 形 で 感 染 症 の 病 態 別 ( 症 候 別 )に 想 定 される 病 原 体 を 同 時 に 測 定 するといったものを 既 に 認 めら れている CBC のような 概 念 で 考 えてもらえるとい いのかなと 個 人 的 には 思 います 保 険 点 数 に 関 する 考 え 方 として 同 定 検 査 で 今 質 量 分 析 法 は 機 器 への 初 期 投 資 と 毎 年 の 保 守 契 約 を 含 めると かなり 高 額 になるので これまでの 同 定 とは 別 に 迅 速 同 定 のような 保 険 点 数 の 枠 組 みを 作 っていただき 点 数 を 高 く 設 定 してもらえるとい いかと 思 います 点 数 を 2 倍 にするのか 3 倍 にするといいのかは 分 からないのですが その 迅 速 同 定 もやはり 適 切 な 抗 菌 薬 の 治 療 につながる 不 必 要 な 抗 菌 薬 を 使 わ なくても 済 む あるいは 最 適 治 療 までの 時 間 も 短 く なり 入 院 期 間 が 短 くなる すなわち 迅 速 同 定 の 結 果 使 用 する 薬 剤 のコストが 下 がるので その 分 高 い 点 数 を 付 けてもメリットがあるというような データを 示 していく 必 要 があると 思 います 米 山 そうですね 迅 速 同 定 の 迅 速 の 基 準 をう まく 決 めることができて 保 険 点 数 を 付 けられると 迅 速 同 定 という 項 目 が 成 り 立 つ 可 能 性 はありま すね 松 本 実 際 は 血 培 の 陽 性 検 体 などについては 迅 速 検 査 を 用 いる 価 値 があると 思 いますが その 他 一 般 的 な 細 菌 検 査 や 単 なる 保 菌 のスクリーニングまでそ のような 検 査 法 を 用 いてしまうと 明 らかに 医 療 コス トは 増 大 すると 思 います なので 医 師 は 検 査 の 目 的 や 適 応 を 理 解 した 上 で 新 旧 の 検 査 法 を 使 い 分 けて オーダーしていただくようにしていただければと 思 います おそらく 今 後 はマルチの 遺 伝 子 検 査 について 保 険 適 用 が 認 められるかどうかによって 感 染 症 検 査 の 流 れが 大 きく 変 わってくると 思 います 検 査 セン ターのほうでも そういう 遺 伝 子 検 査 を 受 けたりし ておられるのでしょうか 柳 沢 それは 受 けています ただし 保 険 適 用 に なっていないものは どうしても 実 費 のような 形 に なってしまいます 米 山 それはマルチではなくて 単 品 が 多 いです よね 柳 沢 単 品 というか マルチでやろうと 思 えばマル チでもできます ただ どうしてもコストが 高 くなっ てしまいます 本 当 は 診 療 報 酬 点 数 が 認 められれば それに 合 わせることになるのですが 今 はメリット が 出 ないものですと どうしても 購 入 価 格 に 対 して 何 回 で 終 わりになるかという 計 算 から 価 格 が 決 まり ます 松 本 ただ 外 注 センターでも 例 えば MALDI-TOF MS を 結 構 取 り 入 れているところがありますよね それは 当 然 コスト 面 を 考 慮 しても 導 入 すべきとい う 判 断 だったのでしょうか ( 11 )

368 柳 沢 赤 字 でも 抗 酸 菌 は 時 間 がかかりますので それだけ 実 施 するという 考 えです ルーチンで 完 全 に 実 施 しているところは センターではまだないか と 思 います ルーチンですべて 実 施 する 場 合 はセン ターでは 1 台 ではこなしきれないです 松 本 まだ 現 時 点 では コストを 考 えると 不 利 なわ けですね 柳 沢 そうですね あとは 真 菌 だけをやるかとか 病 原 体 を 絞 ってやる 方 法 も 考 えられます 今 は 抗 酸 菌 はどうしても 時 間 がかかるので 同 定 だけしよ うかということで 動 いているところが 多 いですね 米 山 診 療 報 酬 の 点 数 が 付 くときに いくら 病 院 で コストが 掛 かるからといっても 結 局 厚 労 省 が 見 て いるのは 衛 生 検 査 所 のコストなのです 衛 生 検 査 所 は 低 くコストを 抑 えてやっておられるので それ 以 上 には 点 数 は 付 かないというのが 現 実 かと 思 います 柳 沢 そうなのです これは 話 してはいけないこと かもしれませんが 価 格 競 争 しなければ 一 番 いいの です どうしても 価 格 競 争 になりますから 診 療 報 酬 点 数 の 考 え 方 も 実 勢 価 格 という 考 えになってし まいます 米 山 市 場 実 勢 価 格 は 検 査 センターの 価 格 ですよね 柳 沢 結 局 技 術 の 安 売 りをしているだけで 患 者 さんのメリットは 何 もないのです 本 当 は 病 院 との 価 格 交 渉 の 際 に きちんと 検 査 をするために これ 以 上 下 げられません と 言 うことが 大 切 です た だ 病 院 は 安 くしてもらったと 言 いますが 診 療 報 酬 点 数 が 落 ちれば 結 果 的 におたがい 苦 しくなり 良 質 な 検 査 ができません 米 山 悪 循 環 になってしまいますね 柳 沢 結 局 安 くすると 利 益 を 確 保 するためには どこかで 手 を 抜 くかということしか 方 法 が 現 実 に はなくなってしまいますよね ですから 検 査 の 質 を 保 つためには 本 当 に 安 く はできません 安 くできるなら 院 内 で 教 えますか ら 実 施 してください というほうが 私 は 患 者 さん のためになると 思 います 松 本 そのように 利 益 を 生 み 出 せない 検 査 をやっ ているのは 微 生 物 検 査 だけですか 米 山 そうでもないです でも 微 生 物 が 分 野 とし ては 柳 沢 一 番 きついですね 米 山 あとは 例 えば 造 血 器 腫 瘍 の 抗 原 検 査 です 柳 沢 米 山 他 はトータル 的 にはまだいいですものね ああいったものもやればやるほど 赤 字 だけ れども 仕 方 ないからやっている 松 本 米 山 金 銭 的 に 見 合 わないのですね でも 検 査 センターはその 値 段 内 で 収 まるよ うに 何 とかやっているので 診 療 報 酬 上 はなかなか 改 善 されない 松 本 柳 沢 そこはやはり 矛 盾 がありますね 確 かに 試 薬 を 安 く 購 入 するなど 工 夫 できる 部 分 はあるのです ただ それでも 実 際 にはほとん ど 利 益 を 生 み 出 せない 状 況 に 陥 っています 結 局 大 手 のセンターなどは 一 部 は 赤 字 でも トータル で 黒 字 でしたらよいという 考 え 方 なのです 米 山 すね 松 本 トータルで 黒 字 だったらいいということで 分 かりました 経 済 的 な 面 は 避 けては 通 れな い 部 分 ですが いろいろな 事 情 が 背 景 にあることが 理 解 できました Ⅴ. 新 しい 検 査 法 の 導 入 にあたって 松 本 結 局 いろいろな 検 査 法 が 開 発 されること で 良 い 面 はたくさんあると 思 います ただし 無 条 件 に 新 しい 検 査 法 をどんどん 取 り 入 れるべきという 話 にはならないと 思 います 今 後 の 導 入 に 向 けて 何 か 注 意 点 があれば 教 えていただいてよろしいでしょ うか 定 本 私 の 立 場 からは 非 常 に 難 しいです 先 ほど 柳 沢 先 生 がおっしゃったように まだ 実 際 の 感 受 性 や 同 定 感 受 性 の 機 械 といっても やっと CLSI がこう いう 精 度 管 理 をきちっとやれとガイドラインを 出 し たばかりです いまだになかったというのが 不 思 議 なくらいですが どうしてもマニュアルの 操 作 が 精 度 管 理 の 中 にたくさん 入 ってきます 柳 沢 先 生 に 伺 ったときも 言 われましたが 実 際 の ISO などではインキュベーションの 温 度 の 精 度 管 理 をしろといっても こうしたフルオートのシステム だと 温 度 の 精 度 管 理 の 記 録 も 取 れないなどの 問 題 が あります ですから ISO などに 準 拠 した 温 度 管 理 などを メーカーとしては どうギャランティーするかとい うのを 今 一 生 懸 命 やっています 実 際 お 使 いになる 施 設 では 管 理 の 面 でも 見 ていかないと 培 養 温 度 ( 12 )

369 松 本 哲 哉 先 生 などは 結 構 影 響 が 出 るかなと 思 います 柳 沢 標 準 温 度 計 を 入 れるところがないですよね ISO は 標 準 温 度 計 で 定 期 的 に 測 定 しなさいとありま すが 標 準 温 度 計 を 入 れられるように 機 器 自 体 が なっていません 大 楠 私 はいつも 講 演 でお 話 しするのですが 遺 伝 子 検 査 は 感 染 症 検 査 の 主 役 にはなれないと 思 いま すし 質 量 分 析 はあくまでも 菌 種 同 定 の 1 つのツー ルにすぎません やはり 生 き 物 を 扱 っている 検 査 なので グラム 染 色 を 含 めた 塗 抹 検 査 がこれから もすごく 重 要 ですし 培 養 を 必 ず 行 っていくことも 大 事 です そこに 抗 原 検 査 と 遺 伝 子 検 査 が 補 助 的 なものとし て 活 用 される ただし 抗 原 検 査 はこれまでイムノ クロマト 法 だったものが 今 後 は POCT 型 の 遺 伝 子 検 査 も 入 ってくる そして 網 羅 的 な 遺 伝 子 検 査 がある これらはあくまで 塗 抹 や 培 養 を 支 えて 補 完 していくような 脇 役 としての 位 置 付 けではな いかと 思 います グラム 染 色 は 迅 速 にいろいろな 細 菌 を 推 定 できる だけではなくて 炎 症 所 見 そして 検 体 の 精 度 管 理 を 行 ううえで 今 後 も 極 めて 重 要 な 検 査 です つまり マルチプレックス 検 査 の 原 点 はグラム 染 色 だといっ ても 過 言 ではありません さらに 検 査 技 師 さんが 検 体 を 採 れるような 状 況 になりつつあるので 適 切 な 検 体 採 取 を 臨 床 微 生 物 検 査 技 師 が 自 ら 行 えるよう な 環 境 が 整 備 されていけば 検 査 の 迅 速 性 と 質 の 両 方 がアップして よりよい 感 染 症 診 療 に 繋 がってい くのではないかと 思 います 強 調 しておきたいことは 遺 伝 子 検 査 や 質 量 分 析 などの 最 新 の 検 査 法 だけに 目 を 向 けるのでなくて 適 切 な 検 体 採 取 と 鏡 検 をしっかり 行 うことが 臨 床 微 生 物 検 査 の 原 点 であることを 再 認 識 して 今 まで 以 上 に 培 養 に 関 しても 臨 床 情 報 に 基 づいて 想 定 され る 病 原 体 を 分 離 して 薬 剤 感 受 性 試 験 もやっていく ことが 何 より 重 要 ではないかと 考 えます 松 本 今 大 楠 先 生 から 指 摘 されたことはかなり 大 切 なことだと 思 います どんなにすごい 検 査 機 器 を 導 入 しても 検 体 の 質 が 悪 いと どのような 検 査 を やろうが 信 頼 できない 結 果 が 出 てきます 特 に 喀 痰 と 言 いながら 唾 液 のようなものが 出 されれば どん なに 迅 速 だろうが 感 受 性 がきちんと 調 べられよう が ほとんど 意 味 がありません ただしうちの 病 院 でもあてはまることですが 良 質 の 検 体 ばかりが 提 出 されているわけではないので 難 しい 課 題 だと 思 います 米 山 これは 基 本 的 なことですが 検 査 室 からもど んどん 臨 床 側 とコミュニケーションを 取 って その あたりのことを 伝 えていくしかないと 思 います 松 本 米 山 先 生 のご 施 設 では 明 らかに 質 が 悪 い 検 体 が 提 出 された 場 合 は 検 査 部 側 からドクターに 良 質 の 検 体 の 再 提 出 を 求 めたりすることはあるので しょうか 米 山 実 際 はそこまではなかなかできていないです 松 本 当 院 もそこまではできていないのが 現 状 で す ましてや 検 査 センターになると 再 提 出 の 要 求 はさらにやりづらいですよね 柳 沢 以 前 は 返 していました でも 病 院 はお 金 を 患 者 さんからいただいてしまっていますので 検 査 を 取 りやめることはできません 今 は 輸 送 時 の 温 度 管 理 などを 全 部 チェックして 問 題 がないことを 確 認 した 上 で 検 体 の 質 に 対 してコメントで 返 しています 喀 痰 の 質 に 問 題 があることなどをコメントとして 記 載 すれば 臨 床 の 先 生 が 読 んでいただけるだろう と 思 っています また あまりよくない 検 体 は 結 果 は 参 考 までに してください というコメントを 入 れています 技 師 ができるのはそこなのです 自 分 たちが 見 て おかしいものを こういう 条 件 でおかしいですよ と 臨 床 に 返 さないといけないと 思 います 日 本 の 場 合 は 実 際 に 検 体 を 採 るところを 臨 床 の 先 生 は 見 て いないと 思 うのです 看 護 師 さんも 患 者 さんに 渡 して 例 えば 患 者 さん ( 13 )

370 は 喀 痰 が 採 れなければ 唾 液 でも 入 れたり おしっ こだって どのような 温 度 になっていたか 分 からな い 状 態 で 来 ます ですから 尿 で 細 胞 が 多 くて 白 血 球 が 少 ない 場 合 はたぶん 保 存 の 仕 方 が 悪 いのだと 思 います です から コメントに 温 度 条 件 保 存 の 仕 方 が 保 たれ ていないかもしれませんので 参 考 にしてください という 言 葉 を 入 れます 松 本 確 かに 対 応 が 難 しいですよね 医 師 によって はこちらの 意 図 が 十 分 に 理 解 してもらえず 怒 って しまう 人 もいるでしょう 柳 沢 以 前 院 内 のときは 医 局 で 勉 強 会 をして こ うですから こういう 影 響 がある と 言 ってできた のですが 検 査 センターでは 施 設 数 が 多 いので す べての 施 設 に 勉 強 会 はできませんからコメントで 対 応 します コメントを 書 いてくれてありがとう と は 言 われることはありますが そんなことを 書 く な という 先 生 はいません 臨 床 の 先 生 は 患 者 さんが 目 の 前 にいますから 真 剣 なのです ですから 検 査 で 得 た 情 報 で おかしい ものはおかしいと 返 したほうが 患 者 さんにとって もプラスになるので それは 技 師 としてやらないと いけないと 私 は 思 います 松 本 新 しい 技 術 の 開 発 も 大 事 ですが 検 体 の 質 を きちんと 担 保 した 上 で 検 査 を 行 うことが 前 提 だと 思 います 検 査 技 師 の 方 は グラム 染 色 をすれば 検 査 に 値 す るかどうかの 判 断 は 付 けられると 思 います でも 検 査 を 行 う 価 値 がないような 検 体 でも 通 常 の 検 査 が 行 われる 場 合 も 少 なくないので まずはその 部 分 を 改 善 することが 重 要 なのだと 思 います 少 し 話 題 を 変 えたいと 思 いますが これから 先 検 体 を 検 査 機 器 に 入 れればあとは 自 動 的 に 必 要 な 検 査 をやってくれて ほとんど 検 査 技 師 の 方 が 関 わら なくても 良 いといったシステムが 完 成 する 可 能 性 も ありますが どのように 感 じられるでしょうか 柳 沢 私 自 身 は そうなればいいと 思 っています 今 はそれがないから 検 査 センターがあるのですが ベッドサイドでできれば おそらく 一 番 患 者 さんの ためになると 思 います ただ 私 たちはその 検 査 に 対 して 感 度 がどうかと か 正 確 にできているかどうかをきちんとしていか ないと 例 えばノロウイルスでも 感 度 が 100 コピー でもマイナスになってしまうものがあります 国 で は 5 コピー 以 下 まで 測 定 するようになっています が 今 のキットだと 100 コピー 以 上 ないと 陽 性 にな らないものが 当 然 のように 発 売 されています たぶんこれは 臨 床 検 査 技 師 会 が 職 能 団 体 としてや らなければいけないのですが 各 メーカーの 機 械 を 発 売 する 前 に どのくらいの 感 度 かを 技 師 が 知 って 臨 床 に 伝 えることをすべきです そうしない 限 り 陰 性 は 陰 性 として 臨 床 は 判 断 します 何 の 方 法 実 施 してマイナスだということと きちんと 感 度 のことを 伝 えないと 誤 った 方 向 に 行 ってしまうと 思 います ノロウイルスの 場 合 は 機 種 によって すごく 差 が あります そのまま 方 法 も 何 も 関 係 なく 報 告 して いたら 誤 った 対 応 をしてしまうことがあると 思 い ます 松 本 臨 床 検 査 技 師 の 関 与 という 面 でいうと どん どん 自 動 化 が 進 んでしまったら 検 査 室 から 臨 床 検 査 技 師 がほとんどいなくなってしまうのではないか と 危 惧 されるのですが 大 楠 いや それはないと 私 は 思 います やはり 患 者 の 近 くで POCT として 行 われる 検 査 でも 検 査 技 師 が 検 体 採 取 から 携 わることが 大 切 ですし 検 体 の 質 や 検 査 の 内 容 そして 先 ほどお 話 ししたような 検 査 の 感 度 や 特 異 度 などについてのアドバイスも 臨 床 微 生 物 検 査 技 師 が 検 査 全 般 のプロフェッショナ ルとして 現 場 で 臨 床 と 一 緒 にタイアップしていく ことがすごく 重 要 だと 思 います すみ 分 けといいますか 病 院 の 中 央 検 査 室 や 外 注 検 査 センターで 実 施 するもの ベッドサイドでやる ものは 測 定 する 項 目 は 違 っても 検 体 の 精 度 管 理 検 出 法 試 薬 など 全 てを 検 査 技 師 が 管 理 できるよう な 状 況 で 検 査 が 行 われるというのが すごく 望 ま しいのではないかと 思 います 米 山 ベッドサイドの 機 械 といっても なかなかグ ラム 染 色 に 相 当 する 情 報 は 得 られないでしょうし 菌 量 についても 情 報 がない ですから 単 にベッド サイドで 機 械 に 喀 痰 を 入 れて 菌 名 が 出 てきたら それをどう 解 釈 するかというのは 臨 床 的 には 非 常 に 危 ないと 思 います 大 楠 そうですね POCT で 行 われるような 遺 伝 子 検 査 は その 項 目 が 検 出 されることによってすぐに 治 療 方 針 が 決 まる あるいは 隔 離 するといったもの 結 核 菌 のようには 隔 離 プラス 転 院 しないといけない ( 14 )

371 など そういった 病 原 体 がメインになると 思 います 米 山 いるだけで 意 味 付 けできるような 菌 ですよね 大 楠 はい そのようなもの POCT としてどんどん 進 んでいくのであって 肺 炎 球 菌 やインフルエンザ 菌 のような 常 在 菌 としても 存 在 する 菌 種 では グラ ム 染 色 鏡 検 のほうが 重 要 性 は 高 いです 既 存 の 日 常 検 査 法 と 遺 伝 子 検 査 でやるものは すみ 分 けをし ていかないといけないのではないかと 思 います 柳 沢 感 受 性 などを 測 定 しないと 耐 性 菌 も 分 から ないですからね 松 本 検 査 法 の 開 発 の 大 まかな 方 向 性 や 課 題 につ いては ある 程 度 理 解 できたように 思 います これ から 先 は 多 少 現 実 からかけ 離 れた 話 になっても 良 いのですが こういった 検 査 法 が 本 当 は 現 場 として 欲 しいとか 求 められるのではないかというのがも しあれば 教 えてください 大 楠 LAMP 法 がマルチプレックスで 行 われると 素 晴 らしいと 考 えています すなわち 病 原 体 の 検 出 がシングルで 行 われているものが 複 数 の 病 原 体 例 えば 結 核 菌 と MAC と M. kansasii そして 反 応 阻 害 の 検 地 を 行 う 内 部 精 度 管 理 をすべて 同 時 に 行 う ことが 可 能 になります あとは 自 動 的 な 核 酸 抽 出 も 含 めて 増 幅 検 出 まであまり 手 を 介 さないでで きるような 商 品 が 出 てくると すごくいいのではな いかと これは 全 体 的 なものというよりは 栄 研 化 学 さんに 対 する 希 望 です( 笑 ) 柳 沢 今 少 なくなったといっても 結 核 の 結 果 が 出 るのに どんなにやっても 1 カ 月 以 上 かかってい ます そうすると 治 療 してから 1 カ 月 後 の 結 果 なの で この 間 に 耐 性 を 作 ってしまっているかもしれま せん 結 核 を 遺 伝 子 で 実 施 するのであれば 耐 性 遺 伝 子 も 実 施 できるようになれば 例 えば 3 日 後 にできれ ば すごく 治 療 価 値 が 出 てくると 思 います 私 もい ろいろ 試 しましたが 変 異 株 ができてしまい なか なかうまくいかないで 挫 折 してしまったのですが 本 当 はそれが 患 者 さんのためにはすごく 役 に 立 つと 私 は 思 います 例 えば 4 剤 を 投 与 しても 耐 性 をもともと 持 って いれば 治 療 によって 耐 性 菌 を 作 ってしまいます 突 然 変 異 で 耐 性 化 する 菌 ほど もう 少 し 早 く 遺 伝 子 などで 実 施 できれば 意 味 がないのではないかと 思 います 今 の 一 般 細 菌 の 感 受 性 はまだ 4 日 目 で 出 ます も ちろん 急 性 期 では 間 に 合 っていないですが デー タがあるから この 菌 が 出 てきたら アンチバイオ グラムを 見 ながら どのくらいの 耐 性 かというのは 分 かっていると 思 います ただ 抗 酸 菌 はなかなか それができないのです ですから 栄 研 化 学 さんが 開 発 していただけるこ とを 希 望 いたします 米 山 きょうの 話 題 からは 少 し 外 れるかもしれませ んが ウイルスの PCR になかなか 診 療 報 酬 が 付 か なくて 困 っています 今 免 疫 不 全 や 移 植 後 の 患 者 さんが 非 常 に 増 えて いますが HHV-6 EB ウイルス サイトメガロウ イルスなどの 診 断 に PCR が 求 められていて 検 査 センターでやっていただいています そういったも のに 診 療 報 酬 が 付 かないのです それは 薬 事 承 認 された 診 断 薬 がないためで 各 学 会 内 保 連 ( 内 科 系 学 会 社 会 保 険 連 合 ) 経 由 で 要 望 しても 門 前 払 いさ れる 状 況 になっています PCR ですから 方 法 としては 確 立 されたもので すし プライマーがあればできるのですが 診 療 報 酬 が 付 くためには 薬 事 の 通 ったキットができない と 先 に 進 まない それが 今 臨 床 側 が 非 常 に 困 って いることです 内 保 連 の 検 査 関 連 委 員 会 でも 各 学 会 に どのよ うな 項 目 が 必 要 か 調 査 しましたが HHV-6 アデノ パルボ 単 純 ヘルペス JC ウイルス BK ウイルス など たくさんの 要 望 がありました 今 の 診 療 報 酬 の 制 度 下 ではメーカーさんがこれらを 地 道 に 一 つ 一 つ キット 化 して 薬 事 を 通 して 保 険 点 数 を 付 けて いくしかありません それが 何 とかならないのかと 思 っています 大 楠 先 ほどの 網 羅 的 なキットを 開 発 している 例 えば Film Array (バイオファイア 社 )などは 一 応 想 定 しているようです 免 疫 不 全 患 者 の 感 染 症 パネ ルということで 開 発 のほうに 入 ってきているとは 思 います 企 業 の 製 品 戦 略 としては 数 多 くの 商 売 が 見 込 めないので やはり 第 1 に 呼 吸 器 系 第 2 に 腸 管 系 そして 次 にはたぶん 中 枢 神 経 系 がくると 思 います 松 本 かなり 免 疫 不 全 患 者 感 染 症 は 診 断 が 難 しい ですからね 米 山 そうですね PCR でしか 診 断 がつかない 場 ( 15 )

372 合 が 結 構 あるのですが 診 療 報 酬 上 カバーされてい ないところなので 困 っています 松 本 方 法 論 的 にはそんな 難 しくないでしょうが 米 山 方 法 論 は 確 立 したものですよね 大 楠 あとは 定 量 性 が 必 要 な 検 査 でもあります 一 部 EB ウイルスやサイトメガロウイルスは 潜 伏 感 染 との 鑑 別 が 必 要 となりますし 免 疫 不 全 の 患 者 さ んでは 病 勢 や 治 療 効 果 の 判 定 のために 時 系 列 でウイ ルスを 定 量 的 に 追 っていく 必 要 があるということを 含 めると 定 性 + 定 量 が 必 要 だと 思 います 米 山 確 かに 定 量 が 必 要 なものもありますね 松 本 移 植 後 とか 免 疫 不 全 が 高 度 な 患 者 さんに とっては 起 因 病 原 体 を 正 確 に 診 断 できる 検 査 法 はす ごくありがたい 検 査 になると 思 います しかしまだ 現 実 的 には 免 疫 不 全 患 者 は 感 染 リスクが 高 いという 理 由 で 多 種 類 の 抗 菌 薬 を 併 用 して 予 防 的 に 投 与 し ながら 感 染 症 の 発 症 を 抑 える 方 法 が 少 なからず 用 い られていると 思 います 米 山 その 中 で 発 症 してきたものに 対 して 何 とか PCR で 自 前 で 対 応 している 状 態 ですよね 松 本 そうですね 免 疫 不 全 の 感 染 症 の 起 因 病 原 体 の 診 断 は 確 かに 経 済 的 な 面 からいうと 開 発 の 優 先 度 は 低 いかもしれませんが 臨 床 現 場 でのニーズは すごく 高 いと 思 われます 米 山 ニーズは 高 いですね ただ 企 業 として 引 き 合 うかというと そこは 分 からないです 松 本 これまでいろいろなご 発 言 をいただいて 微 生 物 検 査 が 置 かれた 現 状 と これから 何 が 求 められて いるかについて 私 もよく 理 解 することができました Ⅵ. これからの 微 生 物 検 査 に 期 待 するもの 松 本 それでは 最 後 に 微 生 物 検 査 の 将 来 を 見 据 え て 自 由 なご 発 言 で 結 構 ですので お 一 人 ずつご 意 見 をいただければと 思 います 定 本 私 たちは 研 究 開 発 をしていて 新 しいものを 作 ることが 使 命 だと 考 えています しかし 現 実 に はずっとお 話 しいただいているような 医 療 コストと いう 問 題 があります 新 しいものを 作 る 場 合 ほと んどがすでにある 検 査 を 改 善 するとか 速 くするとか 感 度 を 上 げることが 重 視 されるのですが 私 たちが 開 発 を 進 めていく 上 で コストを 上 げては 駄 目 と いうことが 前 提 になるのです 医 療 の 状 況 医 療 保 険 や 保 健 行 政 が 難 しい 状 況 に あることは 十 分 承 知 しているのですが 新 しい 技 術 を 投 入 して コストは 下 げるというのは 非 常 に 大 変 なことです 今 マスコミでもずいぶん 騒 がれていますが 医 療 費 が 拡 大 しているのは 先 進 医 療 要 するに 医 療 技 術 が 上 がってきたから コストが 上 がってきている のだと 言 われています われわれ 企 業 の 人 間 からす ると それは 当 たり 前 でしょう となるのですが そのへんのバランスをどう 考 えるのかというのが 企 業 の 立 場 としては 非 常 に 悩 ましいところです 大 楠 私 は 検 査 体 制 についての 改 善 が 必 要 だと 考 えています 各 病 院 の 臨 床 微 生 物 検 査 技 師 さんがす ごく 少 ないので 1 人 2 人 でかなりいろいろな 検 査 をやっているのが 現 状 です そうすると やりた くてもマンパワー 的 にできる 検 査 とできないものが あり 同 定 結 果 に 関 しても 臨 床 医 とのコンサルテー ションに 応 じる 時 間 を 取 ることもなかなかできない 状 況 にあります ですから 一 つは 地 域 連 携 のようなスタイルで 各 県 や 各 地 区 の 国 立 大 学 病 院 もしくは 大 きな 病 院 が 中 心 となって 相 談 窓 口 のような 形 の 連 携 を 取 って いく その 中 で 質 量 分 析 装 置 や 遺 伝 子 検 査 機 器 の ようなものを 使 わせてもらう その 使 用 許 可 や 同 定 結 果 に 関 してはお 互 いに 念 書 ではないですが 依 頼 元 の 責 任 によって 報 告 を 行 うなどあらかじめ 取 り 決 めをしておく こうした 連 携 は 同 定 検 査 だけでなく グラム 染 色 像 の 解 釈 に 関 しても いろいろなネットワーク 機 器 がこれだけ 発 達 しているので 顕 微 鏡 にプレパラー トを 載 せて リアルタイムにビデオ 会 議 が 開 けるよ うな 体 制 を 整 えてあげると 最 終 的 には 患 者 さんに 対 するメリットがあるのではないかと 考 えています こういったように 検 査 技 師 さんたちが 連 携 してい くことで お 互 いの 技 能 や 経 験 が 深 まって より 患 者 さんに 貢 献 できるのではないかと 思 います 技 術 論 ではないですけれども 体 制 論 というか 連 携 で すね そういったことがもっと 行 われていくといい のではないかと 思 います 米 山 今 のお 話 にも 関 連 しますが 分 析 機 器 が 進 歩 し 自 動 化 が 進 むと だんだん 技 師 さんが 理 論 的 に 考 えながら 同 定 する 技 術 が 衰 えていくのではないでしょ うか 今 後 さらに 遺 伝 子 検 査 が 導 入 され POCT ( 16 )

373 的 なものが 発 達 していくと そうした 傾 向 がますま す 進 んでいくと 思 います 検 査 結 果 を 解 釈 して 診 療 に 用 いる 医 師 も 十 分 な 知 識 や 能 力 が 求 められます 技 術 革 新 が 進 む 中 で 技 師 も 医 師 も 検 査 技 術 なり 診 断 能 力 なり しっかり と 考 えていく 能 力 を 維 持 しなければいけないのでは ないかと 思 いました 柳 沢 まだはっきりしない 部 分 があるのですが 今 まで 病 院 と 検 査 センターを 経 験 してみて やはり 検 査 センターは 検 体 の 質 を 保 つのは どうしても 1 日 遅 れることになります ですから 逆 に 中 小 の 病 院 に 検 査 センターの 専 門 にやっている 人 たちが 入 るこ とも 私 自 身 としては 考 えていったほうがいいので はないかと 思 います 今 は 多 くの 検 体 をまとめて 検 査 する 考 え 方 です が そうではなくて 逆 に 病 院 の 中 に 入 って そこ の 一 部 がセンターの 人 が 補 うことをしないと 検 査 の 質 を 担 保 することはなかなか 難 しいと 思 います 先 日 タイに 行 ったときに 先 ほど 大 楠 先 生 が 言 っ たとおり タイは 小 さい 病 院 ではできない 検 査 を 大 きな 病 院 に 依 頼 すると 決 まっているのです そん なに 進 んでいるとは 思 わなかったのですが びっく りしました ですから 大 きな 病 院 から 報 告 書 や 薬 剤 耐 性 菌 のデータが 来 るようになっています 今 後 は 特 にベッドサイドで 利 用 可 能 な 機 械 がで きてくると 例 えば 看 護 師 さんが 実 施 して 何 だ か 分 からないけれども こういう 結 果 でした と 結 果 が 評 価 無 しに 報 告 されるようになると 間 違 いが あっても そのままになってしまうと 思 います きちんと 知 識 を 持 った 人 が 検 査 を 行 う 場 へ 行 って 直 接 やるということのほうが 必 要 ではないかと 思 い ます 松 本 私 は この 前 ECCMID(European Congress of Clinical Microbiology and Infectious Diseases : 欧 州 臨 床 微 生 物 感 染 症 学 会 議 )に 行 ったときに 血 培 で 陽 性 になった 菌 をいかに 迅 速 に 正 確 に 検 査 する かというテーマの 講 演 を 聴 いて 印 象 に 残 ったこと があります その 演 者 が 言 うには 各 種 の 新 しい 検 査 法 が 開 発 されて 検 査 結 果 を 返 すまでの 時 間 は 明 らかに 短 縮 することができた しかしその 仕 組 みを 本 当 に 生 かすためには 1 日 24 時 間 1 年 365 日 微 生 物 検 査 をきちんと 支 えるスタッフの 体 制 が 不 可 欠 であり 単 に 新 しい 機 械 を 導 入 するだけでは 意 味 がないという 内 容 でした 微 生 物 検 査 の 領 域 でもこれからすごい 検 査 がいろ いろと 開 発 され 導 入 されることになるとは 思 います が それを 検 査 室 側 がどのように 活 用 できるかとい うことが 重 要 な 課 題 になると 思 います 今 後 新 しい 検 査 法 を 導 入 するにあたっては 個 々 の 医 療 施 設 や 検 査 施 設 の 状 況 に 合 った 形 で 導 入 が 進 められると 思 いますが 施 設 間 の 格 差 が 広 がりすぎ るのも 問 題 かと 思 います そこで 参 考 になるのが 他 の 施 設 の 状 況 や 学 会 などが 打 ち 出 す 考 え 方 だと 思 います 残 念 ながら 検 査 に 関 しては 多 施 設 の 連 携 やネットワークというのはまだうまく 機 能 してい るとは 言 い 難 いのが 現 状 ですので 日 本 臨 床 微 生 物 学 会 などがリーダーシップを 取 って 情 報 の 共 有 を 促 進 するとともに 指 針 などを 出 していくことが 重 要 かと 思 われます きょうはそれぞれ 立 場 が 異 なる 先 生 方 から 非 常 に 貴 重 なお 話 を 伺 うことができました 今 回 の 内 容 を それぞれの 検 査 の 現 場 で 参 考 にしていただければと 思 います 本 日 はどうもありがとうございました ( 17 )