文 京 シビックセンター 改 修 方 針 平 成 26 年 3 月
はじめに 21 世 紀 の 文 京 区 の 新 しいま ち づ く り の 核 と な り 区 民 が 誇 り と 愛 着 を 持 つことができる 文 京 区 のシンボルとして 建 設 さ れ た シ ビ ッ ク セ ン タ ー は 区 民 サービス 活 動 の 一 大 拠 点 と し て ま た 災 害 時 に お け る 防 災 拠 点 とし ての 役 割 を 担 っている 平 成 6 年 12 月 に 第 1 期 工 事 と し て 高 層 棟 が 11 年 11 月 には 第 2 期 工 事 と し て 大 ホ ー ル 棟 が 竣 工 した 第 1 期 工 事 竣 工 以 来 適 切 な 改 修 や 修 繕 等 に よ り 施 設 の 安 全 性 や 維 持 管 理 について 万 全 を 期 してきた し か し な が ら 竣 工 後 19 年 が 経 過 し 設 備 等 の 運 転 状 況 や 耐 用 年 数 か ら 大 規 模 な 改 修 を 行 う 時 期 を 迎 え つ つ あ る また 地 球 温 暖 化 対 策 や 東 日 本 大 震 災 で の 教 訓 を 踏 ま え た 震 災 対 策 の 強 化 を 図 るためにも 計 画 的 な 取 り 組 みが 必 要 となっている 設 備 更 新 を 含 め た 大 規 模 改 修 に 際 し て は 区 民 サ ー ビ ス へ の 影 響 を 最 小 限 にとどめる 工 夫 が 必 要 である こ の た め 閉 庁 す る こ と な く 工 事 を 行 う ことを 基 本 とし 工 事 を 安 全 かつ 効 率 的 に 行 うこ と が 重 要 で あ る ま た 設 備 更 新 等 に 当 た っ て は ラ イ フ サ イ ク ル コ ス ト の 縮 減 や 予 算 の 平 準 化 区 の 防 災 拠 点 と し て の 機 能 向 上 省 エ ネ 対 応 等 へ の 取 組 も 必 要 で ある 本 方 針 は シ ビ ッ ク セ ン タ ー の 大 規 模 改 修 に 当 た っ て そ の 基 本 的 な 考 え 方 を 示 し た も の で あ る 1
第 1 こ れ ま で の 経 緯 1 シ ビ ッ ク セ ン タ ー の 役 割 シ ビ ッ ク セ ン タ ー は 大 小 ホ ー ル を は じ め と し た 様 々な 区 民 施 設 公 共 機 関 区 庁 舎 で 構 成 され 交 流 の 場 区 の 文 化 や 魅 力 を 発 信 す る 場 区 民 サ ー ビ ス を 提 供 す る 拠 点 と し て の 機 能 を 有 す る な ど 全 国 にも 類 を 見 ない 超 高 層 の 複 合 施 設 である ま た 大 地 震 や 風 水 害 な ど の 災 害 発 生 時 に は 災 害 対 策 活 動 を 的 確 迅 速 に 対 応 す る た め の 文 京 区 の 防 災 拠 点 としての 機 能 も 有 して いる 区 民 の 財 産 で あ る シ ビ ッ ク セ ン タ ー を 区 民 や 来 訪 者 に と っ て 将 来 にわたって 安 全 安 心 に 利 用 しやすい 施 設 とするため 更 に 機 能 を 向 上 させ 良 好 に 維 持 保 全 していく 必 要 がある シ ビ ッ ク セ ン タ ー の 概 要 主 要 用 途 : 庁 舎 ( 事 務 所 ) ホ ー ル 敷 地 面 積 :11,323.99 m2 建 築 面 積 :9,920.83 m2( 庁 舎 棟 ホール 棟 合 計 ) 延 床 面 積 :80,489.99 m2 構 造 : 鉄 骨 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 造 鉄 骨 造 階 数 : 地 下 4 階 地 上 27 階 建 塔 屋 3 階 ( 庁 舎 棟 ) 地 下 3 階 地 上 5 階 建 ( ホ ー ル 棟 ) 竣 工 年 : 平 成 6 年 10 月 ( 築 19 年 ) ( 庁 舎 棟 ) 平 成 11 年 11 月 ( 築 14 年 ) ( ホ ー ル 棟 ) 2
2 これまでの 改 修 に 向 け て の 取 り 組 み (1) 予 備 調 査 の 実 施 大 規 模 改 修 の 取 り 組 みに 先 駆 けて 平 成 21 年 度 にシビックセンター 改 修 予 備 調 査 を 22 年 度 に 社 会 的 劣 化 診 断 等 を 実 施 し 現 状 調 査 と 修 繕 改 修 履 歴 による 課 題 の 抽 出 など 今 後 の 改 修 計 画 に 活 用 するため の 基 礎 的 データをまとめた (2) 改 修 方 針 の 策 定 の 位 置 づ け 基 本 構 想 実 施 計 画 ( 平 成 23~ 25 年 度 )において シビックセンター の 建 物 劣 化 社 会 的 劣 化 を 踏 ま え 改 修 方 針 策 定 に 向 け た 全 庁 的 検 討 に 着 手 する こととした (3) 改 修 方 針 検 討 委 員 会 等 の 設 置 平 成 24 年 2 月 に 各 部 長 及 び 関 係 課 長 による シ ビ ッ ク セ ン タ ー 改 修 方 針 検 討 委 員 会 を 設 置 した ま た そのもとに 各 部 庶 務 担 当 課 長 等 による 改 修 方 針 検 討 部 会 災 害 時 等 対 応 分 科 会 及 び 社 会 的 劣 化 等 対 応 分 科 会 を 置 いて 検 討 を 進 め て き た 3 こ れ ま で の 検 討 の ま と め (1) 改 修 に 向 けた 課 題 1 文 京 区 の 防 災 拠 点 と し て の 機 能 を 維 持 向 上 させる ア 文 京 区 地 域 防 災 計 画 と の 整 合 性 を 図 り 改 修 を 進 め る イ 文 京 区 事 業 継 続 計 画 ( BCP) へ の 対 応 を 図 り 改 修 を 進 め る 2 社 会 的 劣 化 へ の 対 応 ア 省 エネ 対 応 地 球 温 暖 化 対 策 を 進 め る イ バ リ ア フ リ ー 対 応 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 一 層 の 充 実 を 図 る ウ 区 民 の 行 政 需 要 の 変 化 を 踏 まえた 対 応 を 図 る エ その 他 の 社 会 的 劣 化 等 へ の 対 応 を 図 る 3 物 理 的 劣 化 へ の 対 応 ア 屋 上 防 水 や サ ッ シ 廻 り の シ ー リ ン グ 等 の 経 年 劣 化 へ の 対 応 を 図 る イ 運 転 状 況 や 耐 用 年 数 か ら 更 新 時 期 を 迎 える 設 備 等 の 対 応 を 図 る ウ その 他 の 物 理 的 劣 化 等 へ の 対 応 を 図 る (2) 改 修 工 事 の 基 本 的 考 え 方 1 効 率 的 計 画 的 に 改 修 工 事 を 実 施 す る 2 閉 庁 す る こ と な く 改 修 工 事 を 実 施 す る (3) 外 装 等 の 調 査 改 修 工 事 の 実 施 3
東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 による 外 装 等 へ の 影 響 把 握 と 対 応 及 び 屋 上 防 水 や サ ッ シ 廻 り の シ ー リ ン グ 等 の 経 年 劣 化 へ の 対 応 が 必 要 な こ と か ら 平 成 25 年 度 に 外 装 等 の 改 修 設 計 を 実 施 し 26 年 度 から 27 年 度 を 目 途 に 地 震 による 外 装 等 へ の 影 響 の 検 証 及 び 改 修 工 事 を 行 う 第 2 シ ビ ッ ク セ ン タ ー の 機 能 を 維 持 し さ ら に 向 上 さ せ る 基 本 的 視 点 シ ビ ッ ク セ ン タ ー の 大 規 模 改 修 に 当 た っ て は 建 物 の 機 能 を 維 持 向 上 させるとともに 社 会 状 況 の 変 化 や 区 政 を 取 り 巻 く 様 々な 区 民 ニーズ に 柔 軟 に 対 応 していくため 次 の5つの 基 本 的 な 視 点 を 定 め 推 進 してい く 視 点 1 防 災 拠 点 としての 機 能 向 上 視 点 2 省 エネ CO2 排 出 量 の 削 減 による 環 境 負 荷 の 軽 減 視 点 3 ユニバーサルデザインの 充 実 による 来 庁 者 等 の 利 便 性 向 上 視 点 4 行 政 需 要 の 変 化 への 対 応 視 点 5 計 画 的 な 改 修 等 で 費 用 の 縮 減 と 建 物 の 健 全 性 確 保 視 点 1 防 災 拠 点 と し て の 機 能 向 上 を 図 る シビックセンターに 設 置 した 防 災 センターは 文 京 区 の 防 災 拠 点 とし て 大 地 震 な ど の 災 害 時 に は 区 民 の 生 命 と 財 産 を 守 る 中 心 的 機 能 を 果 た す そ の た め 災 害 が 発 生 し た 場 合 や 発 生 の 恐 れ が あ る 場 合 の 的 確 迅 速 な 災 害 対 策 活 動 が 不 可 欠 である また 区 民 サービスの 継 続 といったB C P へ の 対 応 低 層 階 エ リ ア に お け る 帰 宅 困 難 者 対 策 へ の 対 応 が 求 め ら れる ま た 被 害 の 程 度 に よ っ て は イ ン フ ラ の 復 旧 に 長 時 間 を 要 す る こ と が 想 定 さ れ る こ と か ら 非 常 用 発 電 機 の 能 力 強 化 な ど 災 害 時 に お け る 防 災 拠 点 としての 機 能 をさらに 高 めていく 必 要 がある な お シ ビ ッ ク セ ン タ ー の 長 周 期 地 震 動 対 策 に つ い て は 建 設 当 初 に 一 定 の 対 応 を 図 っ て い る が 研 究 の 進 展 等 に 対 応 し た 対 策 を 検 討 し て い く 必 要 がある (1) 電 力 の 確 保 非 常 用 発 電 設 備 の 機 能 強 化 を 図 る (2) 各 種 設 備 の 安 全 性 の 向 上 4
E V な ど 各 種 設 備 の 安 全 性 を 向 上 さ せ る (3) 帰 宅 困 難 者 対 策 帰 宅 困 難 者 対 策 の た め の 対 応 整 備 を 図 る 視 点 2 省 エ ネ C O 2 排 出 量 の 削 減 に よ り 環 境 負 荷 の 軽 減 を 図 る シ ビ ッ ク セ ン タ ー は 東 京 都 の 都 民 の 健 康 と 安 全 を 確 保 す る 環 境 に 関 す る 条 例 で 大 規 模 事 業 所 に 指 定 さ れ 温 室 効 果 ガ ス 排 出 総 量 に つ い て 平 成 2 2 年 度 か ら 2 6 年 度 ま で の 第 Ⅰ 期 計 画 で は 8 % 2 7 年 度 から32 年 度 までの 第 Ⅱ 期 計 画 では17%の 削 減 義 務 が 課 されている こ れ ま で 空 調 の 運 転 管 理 や 照 明 の 縮 減 の 徹 底 ダ ウ ン ラ イ ト の L E D 化 などにより 第 Ⅰ 期 計 画 の 削 減 は 達 成 する 見 込 みであるが 第 Ⅱ 期 計 画 の 削 減 義 務 を 達 成 するためには 空 調 設 備 電 気 設 備 などについて 省 エ ネ ル ギ ー 機 器 や 高 効 率 機 器 へ の 更 新 な ど 設 備 面 で の 改 善 が 必 要 と なる (1) 省 エネ 機 器 や 高 効 率 機 器 への 更 新 空 調 設 備 電 気 設 備 などの 更 新 については 費 用 対 効 果 を 検 証 し ながら 省 エネルギー 機 器 や 高 効 率 機 器 へ 更 新 する (2) 需 要 に 応 じ た 機 器 更 新 節 電 対 策 の 推 進 など 需 要 の 変 化 に 応 じた 受 電 配 電 設 備 に 更 新 す る (3) 冷 暖 房 負 荷 の 軽 減 冷 暖 房 負 荷 の 軽 減 策 を 進 め る 視 点 3 ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 充 実 等 に よ る 来 庁 者 等 の 利 便 性 を 向 上 さ せ る シ ビ ッ ク セ ン タ ー は 年 間 約 3 0 0 万 人 の 様 々 な 人 々 が 訪 れ る 公 共 性 の 高 い 超 高 層 の 複 合 施 設 である 施 設 は 福 祉 整 備 要 綱 などで 求 められ る 機 能 を 満 た し て い る が 竣 工 以 降 も よ り 利 用 者 の 視 点 を 重 視 し て 高 齢 者 障 害 者 な ど が 使 い や す く な る よ う こ れ ま で 誘 導 ブ ロ ッ ク の 増 設 や 低 層 階 のサイン 改 修 などを 進 めてきた 今 後 は さらに 誰 もが 安 全 で 快 適 に 利 用 で き よ う に 配 慮 し た ユ ニ バ ー サ ル デ ザ イ ン の 考 え 方 に 基 づき 整 備 を 進 めていく 必 要 がある (1) わかりやすいサイン 表 示 (2) エレベーターの 機 能 改 善 (3) トイレの 利 便 性 の 向 上 5
視 点 4 行 政 需 要 へ の 変 化 に 柔 軟 に 対 応 す る シビックセンターでは これまでも 区 民 利 用 の 多 い 低 層 階 施 設 におい て 区 民 の 需 要 や 要 望 の 多 様 化 に 対 応 す る た め 地 下 2 階 か ら 5 階 の 改 修 を 行 うなど 柔 軟 に 対 応 してきた 今 後 とも 区 民 の 利 便 性 の 向 上 に 取 り 組 んでいく また 事 務 室 フロアーについても 区 民 需 要 の 変 化 に 応 じて 適 切 な 配 置 としていく 必 要 が あ る (1) 区 民 施 設 事 務 室 フ ロ ア ー の 配 置 見 直 し シ ビ ッ ク セ ン タ ー 内 の 区 民 施 設 や 事 務 室 フ ロ ア ー の 配 置 見 直 しに あたっては 区 民 需 要 の 変 化 への 対 応 や 区 民 の 利 便 性 の 向 上 を 図 る 視 点 か ら 進 め て い く (2) OA 対 応 シ ス テ ム の 最 適 化 や 文 書 管 理 シ ス テ ム の 導 入 に 伴 う 保 管 文 書 量 の 減 などに 合 わ せ た 事 務 室 フ ロ ア ー の 有 効 活 用 を 進 め る 視 点 5 計 画 的 効 率 的 な 改 修 等 に よ り 経 費 の 縮 減 を 図 る と と も に 建 物 の 健 全 性 を 確 保 す る 空 調 設 備 給 排 水 設 備 電 気 設 備 等 の 更 新 に あ た っ て は 運 転 状 況 と 耐 用 年 数 を 十 分 検 証 す る と と も に 施 設 利 用 者 へ の 安 全 安 心 の 確 保 環 境 負 荷 の 低 減 といった 重 要 課 題 にも 取 り 組 む また 費 用 の 縮 減 や 事 業 費 の 平 準 化 を 図 るため 技 術 革 新 の 成 果 やこれまでの 維 持 管 理 におい て 蓄 積 されたノウハウなどを 積 極 的 に 活 用 し 予 備 調 査 等 の 結 果 を 踏 ま え 機 器 更 新 経 費 やランニングコストの 縮 減 をめざす (1) 予 防 保 全 の 適 切 な 実 施 事 故 発 生 の 予 防 長 寿 命 化 の 視 点 から 予 防 保 全 を 適 切 に 実 施 して いく (2) ランニングコストやメンテナンスを 考 慮 した 機 器 更 新 維 持 管 理 や 更 新 のしやすさを 考 慮 した 機 器 の 更 新 を 図 る (3) 費 用 の 縮 減 及 び 平 準 化 設 備 機 器 の 耐 用 年 数 を 踏 まえたうえ 設 備 機 器 の 運 用 状 況 に 応 じ た 適 切 な 更 新 時 期 を 検 討 する 機 器 等 の 更 新 にあたっては 標 準 品 の 活 用 を 進 めるなど 費 用 の 縮 減 を 図 る 6
第 3 今 後 の 進 め 方 1 改 修 基 本 計 画 の 作 成 に つ い て シビックセンターの 大 規 模 改 修 を 効 率 的 かつ 計 画 的 に 推 進 していくた め 本 改 修 方 針 に 基 づ き 外 装 等 影 響 調 査 の 結 果 も 踏 ま え 改 修 内 容 改 修 実 施 期 間 改 修 経 費 などを 盛 り 込 んだ 改 修 基 本 計 画 を 策 定 する 改 修 基 本 計 画 については 平 成 26 年 度 から27 年 度 に 実 施 する 外 装 等 の 検 証 及 び 改 修 工 事 の 結 果 も 踏 まえ 27 年 度 から28 年 度 にかけて 策 定 していくこととする なお 改 修 工 事 の 実 施 にあ た っ て は 区 民 施 設 の 改 修 を 優 先 す る こ と を 基 本 と す る こ と 及 び 費 用 の 平 準 化 を 図 るた め 長 期 間 に わ た る 改 修 工 事 となることを 踏 まえるとともに 東 京 オリンピック パラリンピック 開 催 に 向 けた 建 設 需 要 の 動 向 や 社 会 情 勢 の 変 化 に も 配 慮 し 進 め る 必 要 が ある 2 改 修 基 本 計 画 の 検 討 体 制 に つ い て 改 修 基 本 計 画 に つ い て は 各 部 長 及 び 関 係 課 長 に よ る シビックセンタ ー 改 修 基 本 計 画 検 討 委 員 会 を 設 置 し て 検 討 を 進 め る 7