日本はなぜ南シナ海の監視・哨戒活動に加わるのか?



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●電力自由化推進法案

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岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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〔自 衛 隊〕

Microsoft Word - 【セット】GL和文(エンバーゴ無し)

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

m07 北見工業大学 様式①

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

ぞれの 能 力 に 基 づいて 適 切 な 貢 献 を 行 い 実 効 的 な 態 勢 確 立 のために 必 要 な 措 置 をとる 迅 速 かつ 実 効 的 な 対 応 のためには 柔 軟 な 能 力 が 必 要 緊 密 な 日 米 間 の 協 力 及 び 政 策 調 整 が 有 益 定 期 的

公表表紙

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

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目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件

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航空隊及び教育航空隊の編制に関する訓令

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預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

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1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

18 国立高等専門学校機構

航空機の防衛生産・技術基盤に必要な論点・視点

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

●幼児教育振興法案

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スライド 1

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ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

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学校安全の推進に関する計画の取組事例

- 1 - 総 控 負 傷 疾 病 療 養 産 産 女 性 責 帰 べ 由 試 ~ 8 契 約 契 約 完 了 ほ 契 約 超 締 結 専 門 的 知 識 技 術 験 専 門 的 知 識 高 大 臣 専 門 的 知 識 高 専 門 的 知 識 締 結 契 約 満 歳 締 結 契 約 契 約 係 始

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

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2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

施 設 利 用 に 伴 う 設 営 物 物 販 の 確 認 業 務 災 害 時 の 対 応 急 病 等 への 対 応 遺 失 物 拾 得 物 の 対 応 事 件 事 故 への 対 応 ( 2 ) 公 園 の 使 用 料 の 徴 収 に 関 す る 業 務 一 般 利 用 者 予 約 等 対 応 業

・モニター広告運営事業仕様書

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

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(6) 事 務 局 職 場 積 立 NISAの 運 営 に 係 る 以 下 の 事 務 等 を 担 当 する 事 業 主 等 の 組 織 ( 当 該 事 務 を 代 行 する 組 織 を 含 む )をいう イ 利 用 者 からの 諸 届 出 受 付 事 務 ロ 利 用 者 への 諸 連 絡 事 務

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16 日本学生支援機構

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

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航空隊等の内部組織に関する達

一般競争入札について

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

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(4) ラスパイレス 指 数 の 状 況 ( 各 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 例 ) ( 例 ) 15 (H2) (H2) (H24) (H24) (H25.4.1) (H25.4.1) (H24) (H24)

4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

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1 平 成 27 年 度 土 地 評 価 の 概 要 について 1 固 定 資 産 税 の 評 価 替 えとは 地 価 等 の 変 動 に 伴 う 固 定 資 産 の 資 産 価 値 の 変 動 に 応 じ その 価 格 を 適 正 で 均 衡 のとれたものに 見 直 す 制 度 である 3 年 ご

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弁護士報酬規定(抜粋)

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

Transcription:

日 本 はなぜ 南 シナ 海 の 監 視 哨 戒 活 動 に 加 わるのか? リバランス 戦 略 ガイドライン 改 定 戦 争 法 案 2015.07.24 憲 法 九 条 の 会 はだの ミニ 学 習 会

1. 南 シナ 海 への 自 衛 隊 哨 戒 機 の 派 遣 ロイター(15 年 4 月 29 日 ) 南 シナ 海 の 哨 戒 活 動 を 防 衛 省 検 討 米 軍 と 協 力 = 関 係 筋 米 軍 が 自 衛 隊 に 期 待 を 寄 せる 南 シナ 海 の 哨 戒 活 動 について 防 衛 省 内 で 検 討 が 始 まっていることが 分 かった 米 軍 と 自 衛 隊 が 協 力 し 同 海 域 での 存 在 感 を 示 すことで 自 国 の 領 海 として 囲 い 込 もうとする 中 国 をけん 制 するのが 狙 い ( 中 略 ) 沖 縄 県 の 嘉 手 納 基 地 に 最 新 のP8 哨 戒 機 6 機 を 配 備 する 米 軍 は 自 衛 隊 の 哨 戒 活 動 拡 大 にかねてから 期 待 を 示 している ロバート トーマス 第 7 艦 隊 司 令 官 は 今 年 1 月 ロイターとのインタビューで 将 来 的 に 自 衛 隊 が 南 シナ 海 で 活 動 することは 理 にかなっている と 発 言 した ( 中 略 )28 日 にワシントンでカーター 国 防 長 官 と 会 談 した 中 谷 元 防 衛 相 は 南 シナ 海 は 地 域 の 平 和 と 安 定 に 直 結 をするし 日 米 及 び 地 域 共 通 の 関 心 の 問 題 だ と 語 った

日 経 新 聞 (15 年 6 月 21 日 ) 海 自 哨 戒 機 南 シナ 海 に 到 着 フィリピンと 共 同 訓 練 へ 海 上 自 衛 隊 のP3C 哨 戒 機 1 機 が21 日 フィリピン 軍 との 共 同 訓 練 のため 南 シナ 海 の 南 沙 ( 英 語 名 スプラトリー) 諸 島 に 近 い 同 国 西 部 パラワン 島 のプルエトプリン セサに 到 着 した 訓 練 名 目 は 災 害 時 の 人 道 支 援 や 捜 索 救 助 活 動 だが 南 沙 諸 島 で 岩 礁 埋 め 立 てを 急 速 に 進 め 実 効 支 配 を 強 化 する 中 国 をけん 制 し フィリピンとの 連 携 の 強 さ を 示 す 機 会 となる フィリピン 海 軍 は 海 自 との 共 同 訓 練 とは 別 に 米 軍 との 定 期 合 同 演 習 を22 日 から パラワン 島 東 沖 のスルー 海 で 実 施 予 定 ( 後 略 )

人 民 網 (15 年 6 月 30 日 ) 専 門 家 南 中 国 海 への 日 本 の 介 入 は 火 遊 び 中 日 関 係 改 善 に 無 益 中 国 社 会 科 学 院 の 高 洪 副 所 長 は 日 本 は 南 中 国 海 の 域 外 国 であり 南 中 国 海 の 敏 感 な 問 題 へ の 介 入 には 危 険 があり 火 遊 びの 要 素 がある と 述 べた 中 国 新 聞 網 が 伝 えた 6 月 23 24 両 日 に 日 本 とフィリピンの 軍 用 機 が 南 中 国 海 にある 礼 楽 灘 ( 英 語 名 リード バンク)に 2 度 接 近 した 中 国 外 交 部 は 関 係 国 が 地 域 のいわゆる 緊 張 を 人 為 的 故 意 に 誇 張 し さらには 作 り 出 すことのないように 希 望 する と 表 明 した 高 氏 は 日 本 は 域 外 国 であり 南 中 国 海 情 勢 を 騒 がすことは 両 国 関 係 の 改 善 に 無 益 だ と 指 摘 日 本 が 南 中 国 海 をかき 乱 し トラブルを 作 り 出 すのは こうした 活 動 を 通 じて 国 際 社 会 を 中 国 の 海 洋 問 題 に 注 目 させ 東 中 国 海 での 自 らの 問 題 を 緩 和 するのが 目 的 だ また 日 本 は 米 国 の アジ ア 太 平 洋 回 帰 の 重 要 な 支 点 でもあり 海 洋 問 題 で 日 本 を 利 用 して 中 国 を 封 じ 込 めるのは 米 国 の 政 府 と 軍 の 既 定 方 針 だ こうした 活 動 は 中 日 関 係 改 善 の 大 局 と 逆 行 する と 述 べた ( 後 略

2. 南 シナ 海 問 題 領 有 権 紛 争 の 歴 史 と 現 状 日 本 南 シナ 海 にはいくつもの 島 嶼 1: 中 国 3: 台 湾 岩 礁 群 があり その 島 嶼 岩 礁 群 を 沿 岸 諸 国 が 占 領 開 発 し 領 有 権 を 争 っている 一 つの 島 嶼 東 沙 や 岩 礁 の 領 有 は 領 海 と 排 他 的 2:ベトナム 西 沙 中 沙 南 沙 4:フィリピン 経 済 水 域 の 獲 得 につながるので 紛 争 の 解 決 は 容 易 ではないが 一 旦 は 解 決 への 道 筋 も 見 えてき ていたのだが 5:マレーシア

⑴ 列 強 の 進 出 と 中 国 による 領 有 権 の 自 覚 前 史 年 代 関 係 国 歴 史 事 項 西 沙 諸 島 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 15 世 紀 中 国 ( 明 ) 鄭 和 航 海 図 他 17 18 中 国 の 文 献 航 路 図 多 数 萬 里 石 塘 石 里 石 塘 萬 里 長 沙 南 澳 気 18 世 紀 中 国 ( 清 ) 更 路 簿 ベトナム 大 南 寔 録 ベトナム 撫 邊 雑 録 30 余 島 ( 航 路 ) 黄 沙 群 島 開 発 70 余 島 ( 航 路 ) 長 沙 海 渚 探 検

列 強 の 進 出 と 中 国 (その1) 年 代 関 係 国 歴 史 事 項 西 沙 諸 島 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 1887 清 仏 国 境 画 定 協 定 ( 仏 のインドシナ 支 配 ) 陸 上 国 境 の 東 端 東 経 108 3 13 より 東 側 の 島 を 中 国 領 西 側 の 島 を 仏 (ベトナム) 領 と 規 定 1898 米 西 戦 争 の 講 和 パリ 条 約 3 条 でフィリピンの 領 域 を 画 定 南 沙 も 中 沙 も 領 域 外 3 条 (フィリピンの 領 域 を 決 める) 線 は 次 のように 引 かれる 北 緯 20 を 西 から 東 にとって 東 経 118 から127 へ 線 を 引 く そこから 東 経 127 に 沿 って 北 緯 4 45 へ さらに 北 緯 4 45 に 沿 って 東 経 119 35 との 交 点 に 線 を 引 く そしてそこから 東 経 119 35 に 並 んで 北 緯 7 40 へ そこから 北 緯 7 40 に 沿 って 東 経 116 との 交 点 へ 結 ぶ そこから 直 接 の 線 で 北 緯 10 と 東 経 118 との 交 点 へ そしてそこから 東 経 118 に 沿 って 最 初 の 点 ( 東 経 118 北 緯 20 )へ 線 は 引 かれる

1898 年 米 西 (スヘ イン) 戦 争 の 講 和 パリ 条 約 でフィリピンの 領 域 を 画 定 1887 年 清 仏 国 境 画 定 協 定 西 沙 中 沙 東 沙 E:118 E:127 N:20 パリ 条 約 による フィリピンの 領 域 南 沙 N:10 E:116 N:7 40 中 沙 も 南 沙 も 領 域 外 E:119 35 N:4 45

列 強 の 進 出 と 中 国 (その2) 年 代 関 係 国 歴 史 事 西 沙 諸 島 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 項 1909 中 国 西 沙 群 島 籌 辨 處 設 立 1913 中 日 島 嶼 引 渡 取 決 1917 中 日 中 国 領 と 確 認 日 本 人 開 発 中 断 1930 34 仏 西 沙 群 島 領 有 主 張 1937 日 1938 西 沙 群 島 編 入 1937 45 日 西 鳥 島 占 領 南 沙 群 島 占 領 日 中 戦 争 からアジア 太 平 洋 戦 争 へ 南 シナ 海 諸 島 支 配 長 島 ( 太 平 島 ) 上 陸 新 南 群 島 台 湾 編 入 東 沙 (プラタ ス) 中 国 へ 引 渡 す 海 軍 が 占 領 1945 アジア 太 平 洋 戦 争 終 結 日 本 敗 戦 で 占 領 終 結

⑵ 中 国 の 復 権 とサンフランシスコ 平 和 条 約 ( 戦 後 処 理 )(その1) 年 代 関 係 国 歴 史 事 項 西 沙 諸 島 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 1943 1944 米 国 : 戦 後 処 理 の 検 討 領 土 小 委 員 会 検 討 文 書 : 新 南 群 島 は1898 年 のパリ 条 約 で 設 置 されたフィリピンの 国 境 外 にあることは 明 白 部 局 間 極 東 地 域 委 員 会 : 米 国 は 自 国 のためにもフィリピンのためにも 当 該 諸 島 に 対 して 権 利 を 主 張 したことはない 同 委 員 会 西 沙 諸 島 について 仏 より 中 国 の 主 張 の 方 が 歴 史 的 正 統 性 は 高 い 1945 1946 中 ( 中 華 民 国 ): 気 象 局 : 南 海 諸 島 接 収 方 針 西 沙 群 島 接 収 永 興 島 へ 軍 上 陸 双 子 島 南 極 島 中 業 島 接 収 気 象 局 東 沙 接 収

⑵ 中 国 の 復 権 とサンフランシスコ 平 和 条 約 ( 戦 後 処 理 )(その2) 年 代 関 係 国 歴 史 事 項 西 沙 諸 島 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 1946 1947 仏 パラセル( 西 沙 ) 占 領 仏 中 : 仏 西 沙 はベトナム 領 と 宣 言 永 興 島 軍 艦 派 遣 中 撃 退 1947 中 南 海 特 別 行 政 区 設 置 1947 中 広 東 省 に 編 入 U 字 線 ( 伝 統 的 帰 属 線 ) 設 定 1950 中 国 ( 人 民 共 和 国 ) 永 興 島 へ 軍 派 遣 南 海 諸 島 主 権 声 明 1950 仏 ベトナム 西 沙 南 沙 の 主 権 をベトナムに 委 譲 1951 サンフランシスコ 平 和 条 約 : 日 本 は 西 沙 諸 島 ならびに 新 南 群 島 に 対 する 全 ての 権 利 を 放 棄 する 帰 属 を 決 めなかったのは 紛 争 の 種 新 規 参 入 国 を 加 えた 領 有 権 争 い 中 国 台 湾 は 講 和 会 議 に 招 待 されず ソ 連 は 署 名 しなかた 中 : 周 恩 来 声 明 全 ての 南 沙 中 沙 東 沙 西 沙 諸 島 はこれまでずっと 中 国 領 であった 南 沙 西 沙 諸 島 に 対 する 中 華 人 民 共 和 国 の 侵 すことの 出 来 ない 主 権 は 対 日 平 和 条 約 の 米 英 案 で どの ように 規 定 されようが 何 ら 影 響 を 受 けるものではない

⑶ 沿 岸 国 の 紛 争 参 入 ( 以 下 以 外 にブルネイが 南 沙 の 南 通 礁 を 主 張 ) ベトナムを 中 心 に 年 代 関 係 国 事 件 事 項 西 沙 諸 島 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 1956 南 ベトナム 仏 から 引 き 継 ぎ 一 部 島 嶼 接 収 1956 : 南 沙 群 島 に 対 する 主 権 声 明 台 湾 : 抗 議 声 明 1956 台 湾 太 平 島 再 占 領 1956 1957 1974 南 ベトナム 中 国 中 台 の 主 権 声 明 頻 発 中 : 米 の 領 空 侵 犯 非 難 甘 泉 島 占 領 永 楽 諸 島 上 陸 中 国 漁 船 銃 撃 拿 捕 破 壊 砲 撃 頻 発 1971 南 ベトナム 鴻 麻 島 占 領 併 合 1974 南 ベトと 中 国 軍 事 衝 突 中 国 の 西 沙 全 域 支 配 1975 ベトナム( 民 主 共 和 国 ) 南 ベトナム 占 拠 の 各 島 接 収 1985 ベトナム 安 邦 島 に 滑 走 路

台 湾 支 配 の 島 嶼 年 代 関 係 国 事 件 事 項 南 沙 諸 島 中 沙 東 沙 1956 フィリピン 人 占 拠 に 対 し 再 占 領 太 平 島 1994 飛 行 場 建 設 1971 気 象 レーダー 東 沙 島 に 設 置 観 光 開 発 東 沙 環 境 公 園

フィリピンの 紛 争 参 入 年 代 関 係 国 事 件 事 項 南 沙 諸 島 中 沙 諸 島 1956 フィリピン 人 : 無 主 地 発 見 と 主 張 一 部 島 嶼 をカラヤーン 群 島 と 命 名 1968 フィリピン 中 業 島 など 数 島 占 領 併 合 1971 南 ベトナム:フィリピンに 対 して 南 沙 の 主 権 を 通 告 中 国 解 放 軍 参 謀 長 : 南 沙 は 中 国 領 土 と 発 言 フィリピン マルコス 大 統 領 : フィリピンが 占 領 したのは 南 沙 群 島 以 外 の 島 嶼 南 沙 の 領 土 権 は 侵 害 していない 1976 フィリピン 礼 楽 灘 で 海 底 探 査 秘 密 協 定 1978 フィリピン フィリピン:カラヤーン 群 島 宣 言 200 海 里 水 域 宣 言 パラワン 島 一 帯 に 飛 行 場 雙 黄 砂 州 占 領 カラヤーンをパラワン 省 編 入 1980 フィリピン マレーシア マレーシア 占 拠 のリスカ 島 に 再 上 陸 1997 1999 フィリピン 中 国 中 国 漁 船 に 発 砲 拿 捕 射 殺 黄 岩 島 などで 中 国 旗 撤 去 中 国 漁 船 拿 捕 発 砲

マレーシアの 参 入 年 代 関 係 国 事 件 事 項 南 沙 諸 島 1974 マレーシア 弾 丸 礁 占 領 1979 マレーシア 海 底 油 田 探 査 着 手 1988 フィリピン 台 湾 中 国 フィリピンや 台 湾 漁 船 拿 捕 1991 1999 マレーシア: 観 光 開 発 フィリピン 抗 議 マレーシア 拒 否 弾 丸 礁 にリゾート ホテル 滑 走 路 国 王 訪 問 建 設 工 事 資 源 開 発 遂 行

⑷ASEANと 関 係 国 による 紛 争 解 決 への 努 力 と 米 国 の 再 登 場 年 代 関 係 機 関 関 係 国 内 容 事 件 事 項 1990 ASEAN( 学 者 研 究 者 ) 非 公 式 会 議 インドネシア 主 導 潜 在 的 紛 争 を 地 域 協 力 で 解 決 を 1992 ASEAN+( 前 年 の 第 2 回 会 議 から 中 国 6 項 目 の 共 同 声 明 台 湾 ベトナム 参 加 ) 非 公 式 会 議 1 領 土 権 支 配 権 棚 上 げ 協 力 地 域 を 形 成 2 航 行 通 信 の 安 全 捜 索 救 助 の 調 整 生 物 資 源 保 護 と 合 法 的 利 用 の 促 進 等 協 力 3 領 土 要 求 で 対 立 情 報 交 換 共 同 開 発 協 力 の 可 能 性 4 領 土 支 配 権 の 対 立 平 和 的 手 段 で 解 決 を 5 解 決 へ 武 力 行 使 をしない 6 紛 争 当 事 国 に 状 況 複 雑 化 する 行 動 を 控 えるよう 勧 奨 1992 ASEAN 外 相 会 議 (ベトナム 参 加 ) 南 シナ 海 共 同 宣 言 : 紛 争 の 平 和 的 解 決 を 1992 中 フィリピン 外 相 会 談 南 沙 の 共 同 開 発 方 針 合 意 1995 中 台 気 象 研 究 の 共 同 実 施 1995 ASEAN 武 力 行 使 と 領 土 の 現 状 凍 結 を 柱 とする 行 動 基 準 提 示 1995 中 フィリピン 協 議 フィリピン ラモス 大 統 領 武 力 行 使 威 嚇 の 自 粛 について 合 意 共 同 声 明 多 国 間 信 頼 醸 成 の 枠 組 み 形 成 を 提 案

⑷ASEANと 関 係 国 による 紛 争 解 決 への 努 力 と 米 国 の 再 登 場 年 代 関 係 機 関 関 係 国 内 容 事 件 事 項 1996 ASEAN 外 相 会 議 中 国 : 各 国 との 話 合 いに 応 ずる 議 長 声 明 : 平 和 的 解 決 を 呼 びかけ 1997 中 フィリピン 外 相 会 談 無 害 航 行 の 原 則 適 用 確 認 1997 ASEAN 中 国 首 脳 会 議 領 有 権 問 題 の 平 和 的 解 決 を 合 意 1999 中 フィリピン 信 頼 醸 成 第 一 回 会 議 1999 中 マレーシア 首 脳 会 談 平 和 的 解 決 に 合 意 1999 中 ベトナム 領 有 権 問 題 棚 上 げ トンキン 湾 の 領 海 画 定 合 意 2002 ASEAN+ 中 国 : 南 シナ 海 各 行 動 宣 言 紛 争 の 解 決 に 先 立 ち( 領 有 権 棚 上 げ) 協 力 平 和 解 決 2003 ASEAN 首 脳 会 議 + 中 国 東 南 アジア 友 好 協 力 条 約 調 印 2005 フィリピン 中 国 ベトナム 三 ヶ 国 の 国 営 石 油 会 社 共 同 で 海 底 探 査 実 施 合 意

⑷ASEANと 関 係 国 による 紛 争 解 決 への 努 力 と 米 国 の 再 登 場 年 代 関 係 機 関 関 係 国 内 容 事 件 事 項 2011 アメリカ オバマ 大 統 領 オーストラリア 議 会 でリバランス 発 表 2012 ASEAN 首 脳 会 議 へ 米 ロ 参 加 ASEAN 外 相 会 議 カンボジア 大 使 館 説 明 ボイス オブ アメリカは 議 長 国 カンボジアは 南 シナ 海 問 題 を 調 整 すべき だがカンボジアはそう 望 んではいな い.それは 中 国 が 圧 力 をかけているからだ ( 人 民 網 2012.6.15) 議 長 国 カンボジアとフィリピン ベトナムが 対 立 共 同 声 明 出 せず 2つの 国 が 二 国 間 領 土 争 いである 南 シナ 海 問 題 を 共 同 声 明 に 直 接 明 記 しなければ 賛 同 しないという 立 場 を とったからです ASEANは(どちらかの)サイドをとるべき ではありません 今 まで 共 同 声 明 は 特 定 の 島 や 地 域 を 述 べることはありませんでした 二 国 間 争 いについ てどちらが 正 か 悪 かを 判 断 する 裁 判 所 ではありません カンボジアは 争 いが 深 まることを 抑 える 努 力 をしました 関 係 国 が 将 来 交 渉 する 余 地 を 残 そうと 考 えるからで す 2013 アメリカ フィリピンのパラワン 島 基 地 使 用 2014 アメリカ フィリピン 新 軍 事 協 定 調 印

*ASEAN 南 シナ 海 各 行 動 宣 言 は 紛 争 の 管 理 と 関 係 国 の 協 力 を 通 して 長 期 的 に 紛 争 の 平 和 的 解 決 を はかろうとするものであり 紛 争 当 事 国 もそれに 沿 う 動 き を 始 めていた * しかし 他 面 で 当 事 国 は 施 設 の 建 設 軍 事 駐 留 他 国 船 の 排 除 などで 実 効 支 配 を 強 めようともしていた *2011 年 にアメリカがアジア 回 帰 して 以 来 紛 争 当 事 国 の 対 立 が 深 まってきたように 見 える

3. アメリカのリバランス 戦 略 と 改 定 日 米 防 衛 指 針 ⑴ アメリカのリバランス 戦 略 1 アメリカ 国 防 計 画 (ウォルフォウィッツ ドクトリン) ニューヨーク タイムス1992 年 3 月 8 日 号 が 政 府 機 密 文 書 の 草 稿 を 暴 露 したことか ら 知 られ 冷 戦 後 のアメリカの 世 界 戦 略 を 通 底 していると 考 えられるアメリカの 国 防 計 画 責 任 者 ウォルフォウィッツ 国 防 次 官 の 名 をとってウォルフォウィッツ ドクトリ ンとも 呼 ばれる 以 下 抜 萃 ( 武 意 訳 ) 合 衆 国 戦 略 計 画 ライバルの 登 場 を 許 さない 宣 言 最 終 草 稿 段 階 の 政 治 宣 言 では 冷 戦 後 の 時 代 の 米 国 の 政 治 と 軍 の 任 務 は 西 欧 アジア 又 はソ 連 の 後 継 領 域 においてライバルとなる 超 大 国 の 出 現 を 許 さない ことを 主 張 している 機 密 文 書 は 一 つの 超 大 国 によって 支 配 される 世 界 を 造 り 出 す その 超 大 国 の 地 位 は それに 挑 戦 することを 国 家 や 国 家 群 に 思 いとどまらせるに 足 る 能 力 をもっ た 軍 の 力 によって 不 滅 になる ペンタゴン 文 書 は 五 大 国 が 作 り 上 げたところの 紛 争 を 和 解 させ 暴 力 の 出 現 を 取 り 締 る 国 連 その 集 団 的 国 際 主 義 の 約 束 を 拒 絶 する とはっきり 述 べている

この 戦 略 目 標 の 継 続 は 必 要 があれば 北 朝 鮮 イラク いくつかのソ 連 の 後 継 国 欧 州 で 核 兵 器 やその 他 の 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 を 防 止 するために 軍 事 力 を 行 使 することを 強 い 調 子 で 説 いている 我 々の 核 戦 力 は 復 活 したか あるい は 予 測 できなかったグローバルな 脅 威 の 可 能 性 に 対 する 重 要 な 抑 止 力 を 提 供 す る 同 時 に 報 復 の 脅 威 によって 第 三 国 による 大 量 破 壊 兵 器 の 使 用 を 思 いとどまら せている と 米 国 の 核 兵 器 の 役 割 を 正 当 化 している 米 国 の 核 戦 略 兵 器 は 旧 ソ 連 軍 の 装 置 を 対 象 にし 続 ける 欧 州 にグローバルな ミサイル 防 禦 システムの 早 期 導 入 を 求 めている 欧 州 拠 点 の 核 攻 撃 機 の 撤 退 を 任 意 に 考 えるべきではない と 述 べ ロシアから 旧 ワルシャワ 条 約 機 構 加 盟 国 を 守 るために 明 示 的 な 関 与 をしている 東 アジアでは 我 々は 最 大 の 軍 事 力 としての 地 位 を 維 持 しなければならない これは 力 を 均 衡 させることで 地 域 の 安 全 と 安 定 に 寄 与 し 地 域 覇 権 国 の 出 現 を 阻 み 続 けることを 米 国 に 可 能 にする ペンタゴンから 漏 れてくる 文 書 によれば 冷 戦 後 の 米 軍 の 使 命 の 重 要 部 分 は 重 要 な 役 割 を 果 たそうと 望 む 必 要 がない 潜 在 的 な 競 争 者 それらを 圧 倒 すること による こうしてライバルとなる 超 大 国 の 出 現 は 許 されないのである

2 リバランス 戦 略 (アジア 太 平 洋 への 旋 回 ) クリントンの 米 国 の 太 平 洋 の 世 紀 (フォーリン ポリシー2011 年 11 月 号 米 大 使 館 訳 ) 今 後 10 年 間 の 米 国 の 国 政 における 最 も 重 要 な 目 的 の 一 つは 外 交 経 済 戦 略 などの 面 でアジア 太 平 洋 地 域 への 投 資 の 大 幅 な 増 加 を 確 実 にすることである 前 方 展 開 外 交 外 交 資 産 をアジア 太 平 洋 地 域 のあらゆる 国 や 地 域 へ 送 り 続 ける ( 詳 細 は 別 紙 資 料 1 参 照 ) オーストラリア 議 会 でのオバマ 大 統 領 演 説 (2011 年 11 月 17 日 ) ( ) 内 は 引 用 者 この10 年 の2つの 戦 争 を 戦 った 後 米 国 はアジア 太 平 洋 地 域 の 大 きな 可 能 性 に その 関 心 をシフトしている この 地 域 は 世 界 で 最 も 急 成 長 している 地 域 であ り 世 界 経 済 の 半 分 以 上 を 占 めている 私 は 米 国 の 大 統 領 として 慎 重 かつ 戦 略 的 な 決 断 をした それは 米 国 は 太 平 洋 国 家 として 核 心 的 諸 原 則 を 堅 持 し 同 盟 国 や 友 好 国 との 緊 密 なパートナーシッ プの 下 この 地 域 とその 将 来 を 形 作 るために より 大 きなかつ 長 期 的 な 役 割 を 果 たしていくというものである

国 防 予 算 のある 程 度 の 削 減 が(なされるなか) アジア 太 平 洋 地 域 における 我 々のプレゼンスを 最 優 先 課 題 とするように 指 示 した 我 々は この 地 域 において 強 力 な 軍 事 的 プレゼンスを 維 持 するために 必 要 な 資 源 配 分 を 行 う オーストラリアのような 同 盟 国 に 対 して 条 約 上 の 義 務 を 含 め たコミットメントを 維 持 する この 地 域 において 我 々が 永 続 的 な 利 益 を 保 つため には この 地 域 における 我 々の 永 続 的 なプレゼンスが 必 要 となる 米 国 は 太 平 洋 国 家 であり ここに 留 まるつもりである 事 実 我 々はアジア 太 平 洋 地 域 にまたがる 米 国 の 防 衛 態 勢 を 既 に 近 代 化 しつ つある それは 日 本 及 び 韓 国 における 強 力 なプレゼンスを 維 持 しながら 東 南 ア ジアへのプレゼンスを 強 化 するという より 広 範 な 米 軍 の 配 備 態 勢 となろう 多 くの 訓 練 と 演 習 の 実 施 を 通 して 同 盟 国 やパートナーの 能 力 構 築 を 支 援 すること で 我 々の 態 勢 は 一 層 持 続 可 能 なものになる

同 盟 関 係 にも 米 国 の 強 化 されたプレゼンスは 確 認 できる 日 本 (との) 同 盟 は 地 域 安 全 保 障 の 礎 石 タイでは 災 害 救 助 (で) 提 携.フィリピンでは 船 舶 の 訪 問 と 訓 練 の 機 会 を 増 やしている そして 韓 国 の 安 全 保 障 のための 我 々のコミット メントは 決 して 揺 るがない また 東 南 アジア 全 域 においても 米 国 のプレゼンスの 強 化 を 確 認 できる インド ネシアとは 海 賊 対 処 シンガポールに 艦 船 を 展 開 また 既 存 の 地 域 機 構 に 改 めて 関 与 していく 今 週 のバリでの 会 議 は 私 にとってASEAN 首 脳 との3 回 目 の 会 議 であり また 私 は 東 アジアサミットにはじめて 参 加 する 米 国 の 大 統 領 となる そして 我 々は 共 に 南 シナ 海 での 協 力 を 含 め 核 拡 散 問 題 や 海 洋 安 全 保 障 問 題 に 取 組 む

( 中 国 に 対 して) 我 々は 国 際 的 な 規 範 を 守 ること 中 国 の 人 々の 普 遍 的 人 権 を 尊 重 することの 重 要 性 について 北 京 に 率 直 に 訴 え 続 けるが 同 時 に 協 力 の 機 会 も 模 索 し 続 ける 我 々は 自 由 で 公 正 な 貿 易 を 求 める 開 かれた 国 際 的 経 済 システムを 求 める 米 国 は 全 ての 国 々に 機 会 を 与 えるような 経 済 的 連 携 を 構 築 し つつある 韓 国 との 歴 史 的 貿 易 協 定 TPPを 達 成 する 途 次 にある 21 世 紀 のアジア 太 平 洋 地 域 に 米 国 は 全 面 的 に 関 与 していく * このオバマ 大 統 領 のオーストラリア 訪 問 時 に 米 国 とオーストラリアは アジア 太 平 洋 地 域 の 安 全 保 障 の 強 化 を 目 的 とした 軍 事 協 力 拡 大 を 発 表 し た 北 部 のダーウイン 基 地 に 米 国 海 兵 隊 2,500 人 をローテーション 展 開 米 軍 機 のローテーション 配 備 装 備 品 補 給 物 資 の 事 前 集 積 米 豪 空 軍 の 緊 密 な 協 力

3 米 国 国 防 戦 略 指 針 米 国 の 国 際 的 な 指 導 力 の 維 持 21 世 紀 の 国 防 の 優 先 順 位 2012 年 1 月 5 日 抜 萃 挑 戦 的 でグローバルな 安 全 保 障 環 境 米 軍 は 必 然 的 にアジア 太 平 洋 地 域 に 向 けて 再 編 していくであろう 我 々は 既 存 の 同 盟 国 を 重 視 する また 新 たなパートナーとの 協 調 関 係 を 進 展 させる 中 東 では 湾 岸 での 安 全 保 障 を 重 視 し 必 要 があれば 湾 岸 協 力 会 議 各 国 の 協 力 を 得 てイランの 核 開 発 の 進 展 を 阻 止 し イスラエルの 安 全 保 障 (などのた め) 米 軍 及 び 同 盟 軍 のプレゼンスや 同 地 域 及 び 周 辺 のパートナーからの 支 援 を 重 視 する

欧 州 では NATOへの 支 持 強 化 存 続 に 絶 えず 関 心 を 払 っている 現 在 殆 どの 欧 州 各 国 は 安 全 保 障 の 受 益 者 ではなく 提 供 者 である これ が 在 欧 米 軍 を 再 編 するという 戦 略 機 会 をもたらした (ただし) 変 化 があれ ば 在 欧 米 軍 の 態 勢 もまた 呼 応 する アフリカやラテンアメリカ 諸 国 を 含 む 多 くの 国 家 との 連 携 を 追 求 する 可 能 ならば 我 々の 安 全 保 障 の 目 的 を 達 成 するために 演 習 ローテーション プレゼンス アドバイザー 能 力 により 革 新 的 で 低 コストの 小 規 模 のアプローチ を 発 展 させる

米 軍 の 任 務 c.アクセス 阻 止 /エリア 拒 否 (A2/AD=Anti-Access/Area Denial) 米 国 は 我 々のアクセスや 作 戦 の 自 由 が 侵 されたエリアへの 戦 力 投 射 能 力 を 維 持 しなくてはならない これらのエリアはでは 精 強 な 敵 は 電 子 戦 サイバー 戦 弾 道 弾 及 び 巡 航 ミサイル 先 進 的 な 防 空 能 力 地 雷 (などの) 非 対 称 戦 能 力 によ り 我 々の 作 戦 立 案 を 複 雑 化 させるだろう 中 国 やイランのような 国 家 は 我 々 の 戦 力 投 射 能 力 に 対 抗 する 非 対 称 戦 能 力 の 獲 得 を 追 求 するだろう 従 って 米 軍 はアクセス 阻 止 /エリア 拒 否 (A2/AD) 下 でも 効 果 的 な 作 戦 能 力 を 確 保 するた め 必 要 に 応 じて 投 資 する これはJOAC( 注 1)の 遂 行 水 中 戦 能 力 の 維 持 新 型 ス テルス 爆 撃 の 開 発 ミサイル 防 衛 の 改 良 宇 宙 配 備 戦 力 の 対 障 害 弾 力 性 有 効 性 の 強 化 を 含 む

米 軍 の 任 務 f. 安 全 確 実 で 効 果 的 な 核 抑 止 力 の 維 持 如 何 なる 状 況 下 でも 敵 との 対 峙 が 可 能 で 彼 らが 受 け 入 れがたい 損 害 を 予 想 する 核 戦 力 を 配 備 する 注 1 JOAC(Joint Operational Access Concept)は 統 合 作 戦 アクセス 概 念 とも 言 う 米 国 の 敵 対 国 がA2/AD 能 力 を 獲 得 していく 状 況 に 対 処 するために 陸 海 空 宇 宙 サイバー 空 間 の 中 から 状 況 に 応 じていくつかの 次 元 で 優 位 を 保 ち それ によって 他 の 次 元 での 弱 点 を 相 殺 し 作 戦 に 必 要 な 行 動 の 自 由 を 確 保 するとい う 概 念 JOACの 下 位 概 念 のエアーシーバトル 構 想 では 通 信 ネットワークを 強 化 し 外 縁 部 から 中 心 部 へ 攻 撃 を 進 める 従 来 型 の 作 戦 とは 異 なり 遠 距 離 攻 撃 能 力 を 駆 使 し 深 奥 部 (センサー 類 情 報 司 令 系 統 のなど)を 早 期 に 攻 撃 する 作 戦

⑶ 日 米 防 衛 指 針 再 改 定 へ 1 第 3 次 アーミテージ 報 告 :CSIS( 国 際 戦 略 研 究 所 )2012 夏 日 本 講 座 報 告 書 アーミテージ(ブッシュJr 政 権 で 国 務 副 長 官 )とジョセフ ナイ(クリントン 政 権 の 国 防 次 補 ハーバード 大 教 授 )による3 回 目 の 対 日 提 言 エネルギー 安 全 保 障 経 済 と 貿 易 等 いくつかの 課 題 に 付 いて 情 勢 と 問 題 を 示 し 最 終 的 には 日 本 と 米 国 日 米 同 盟 への 提 言 がなされている (IWJ 山 崎 淑 子 和 訳 監 修 より 抜 萃 ) 近 隣 諸 国 との 関 係 日 米 韓 関 係 を 再 興 するために 重 要 なのは 日 米 韓 関 係 の 強 化 である 北 朝 鮮 の 核 兵 器 開 発 を 抑 止 し また 中 国 の 再 台 頭 に 対 処 する 最 適 な 地 域 環 境 を 整 えるために 大 いに 必 要 とされている3 国 間 の 協 力 は 短 期 的 な 不 和 に よって 進 展 を 妨 げられている 日 本 が 韓 国 との 関 係 を 悪 化 させ 続 けている 歴 史 問 題 に 向 き 合 うことが 不 可 欠 である 慰 安 婦 の 記 念 碑 を 建 立 しないよう 働 きかけ る 日 本 政 府 のロビー 活 動 のような 政 治 的 動 きは 戦 略 的 優 先 事 項 に 目 が 向 かなく なるだけである

1 第 3 次 アーミテージ 報 告 ( 続 ) 新 しい 安 全 保 障 戦 略 に 向 けて 地 域 的 防 衛 連 携 東 京 ( 注 : 日 本 の 意 )はASEAN ASEAN 地 域 フォーラム などと 同 様 に 特 に インド オーストラリア フィリピン 台 湾 などの 民 主 的 パートナーとの 連 携 維 持 に 務 めるだろう 今 日 では 日 本 の 利 害 地 域 は 遠 く 南 へ さらには 遥 か 西 の 中 東 まで 拡 大 している 我 々は 戦 略 を 十 分 に 再 定 義 し 実 行 手 段 の 調 整 を 行 うべきであ る 今 後 の 新 たな 見 直 しでは より 広 範 な 地 理 的 範 囲 を 含 めるべきである

1 第 3 次 アーミテージ 報 告 ( 続 ) 防 衛 戦 略 : 同 盟 の 相 互 運 用 性 に 向 かって 新 たな 役 割 と 任 務 の 見 直 しにあたっては 地 域 の 緊 急 事 態 における 米 国 と の 防 衛 を 含 めた 日 本 の 責 任 範 囲 を 拡 大 すべきである 中 国 は 東 シナ 海 の 大 半 実 質 的 な 全 南 シナ 海 (へ 進 出 しており) これは 北 京 による 第 一 列 島 線 ( 日 本 台 湾 フィリピン) もしくは 北 京 が 考 える 近 海 全 体 に 対 しての より 強 大 で 戦 略 的 な 影 響 を 与 える 意 志 を 示 している これらの 接 近 阻 止 領 域 拒 否 (A2/AD)という 挑 戦 に 対 し 米 国 はエアーシーバトルや JOACなどの 新 たな 作 戦 構 想 へ 取 組 み 始 めている. 米 国 海 軍 と 海 上 自 衛 隊 (の)より 強 大 な 連 帯 と 両 国 における 部 局 横 断 的 な 相 互 運 用 性 及 び 両 国 間 の 相 互 運 用 性 を 明 確 に 必 要 としている

1 第 3 次 アーミテージ 報 告 ( 続 ) 同 盟 防 衛 協 力 の 潜 在 力 が 増 加 した2つの 追 加 地 域 はペルシャ 湾 での 掃 海 作 業 と 南 シナ 海 の 共 同 監 視 である 日 本 は 単 独 で 掃 海 艇 を 派 遣 すべきである 南 シナ 海 における 平 和 と 安 定 は 特 に 特 に 日 本 にとって 大 変 重 要 な 同 盟 利 害 である 安 定 と 航 行 の 自 由 を 確 保 するために 米 国 と 協 力 して 監 視 を 増 強 す ることは 日 本 が 関 心 を 示 すところである 日 本 の 活 動 領 域 を 十 分 に 拡 張 させ また 相 互 運 用 性 のある 情 報 監 視 偵 察 (ISR) 能 力 と 作 戦 が 必 要 である 東 京 は 防 衛 上 の 秘 密 と 秘 密 情 報 を 保 護 するために 防 衛 省 の 法 的 能 力 を 向 上 させるべきである 集 団 的 自 衛 の 禁 止 集 団 的 自 衛 の 禁 止 は 同 盟 の 障 害 である

冒 頭 指 摘 したように 最 後 は 日 本 と 日 米 同 盟 米 国 への 提 言 となってい る 提 言 は 資 料 2を 参 照 * 米 国 は 東 シナ 海 は 日 本 と 韓 国 南 シナ 海 は 日 本 とオーストラリア インド 洋 はオーストラリアとインドとそれぞれ 協 力 することでパワーバランスを 優 位 に 保 とうと 構 想 していると 言 われる *A2/AD 打 破 の 作 戦 では 敵 の 深 奥 部 を 遠 距 離 攻 撃 で 一 気 に 撃 破 するた め 情 報 監 視 偵 察 (ISR)が 重 視 される 日 本 がその 一 翼 を 担 うことが 期 待 されている

2 日 米 防 衛 指 針 (ガイドライン) 再 改 定 と 安 保 法 制 案 4 月 27 日 に 再 改 定 された 日 米 防 衛 指 針 は 日 本 の 防 衛 に 関 わって 平 時 か ら 有 事 までのあらゆる 事 態 に 切 れ 目 なく 対 応 し 日 米 がアジア 太 平 洋 地 域 を はじめ 世 界 規 模 に 展 開 する 同 盟 であることを 強 調 している 以 下 指 針 の 要 点 と 指 針 の 柱 立 てに 対 応 する 安 保 法 制 の 法 案 を 抜 萃 列 記

Ⅰ. 指 針 の 目 的 平 時 から 有 事 まで 日 本 の 平 和 と 安 全 を 切 れ 目 なく 確 保 アジア 太 平 洋 とこれ を 越 えた 地 域 の 安 定 に 寄 与 Ⅳ. 日 本 の 平 和 安 全 の 切 れ 目 ない 確 保 平 時 グレーゾーン 情 報 収 集 警 戒 監 視 偵 察 (ISR) 海 洋 安 全 保 障 海 洋 値 秩 序 を 維 持 するため 自 衛 隊 と 米 軍 は ISR 及 び 訓 練 演 習 を 通 じ 日 米 両 国 のプレゼンスの 維 持 強 化 日 本 の 平 和 安 全 に 対 して 発 生 する 脅 威 への 対 処 重 要 影 響 事 態 法 ( 周 辺 事 態 法 改 正 ) 案 日 本 の 平 和 安 全 に 重 要 な 影 響 を 与 える 事 態 地 理 的 に 定 めることはできない 海 洋 安 全 保 障 日 米 両 政 府 の 情 報 共 有 船 舶 検 査 など 後 方 支 援 補 給 整 備 輸 送 施 設 衛 生 を 含 むが これに 限 らない

日 本 に 対 する 武 力 攻 撃 への 対 処 陸 上 攻 撃 に 対 処 自 衛 隊 は 島 嶼 を 奪 回 するための 作 戦 を 実 施 水 陸 両 用 作 戦 及 び 迅 速 な 展 開 日 本 以 外 の 国 に 対 する 武 力 攻 撃 への 対 処 自 衛 隊 法 改 正 武 力 攻 撃 事 態 法 改 正 自 衛 隊 は 日 本 と 密 接 な 関 係 にある 他 国 に 対 する 武 力 攻 撃 が 発 生 し これ により 日 本 の 存 立 が 脅 かされ 国 民 の 生 命 自 由 及 び 幸 福 追 求 の 権 利 が 根 底 から 覆 される 明 白 な 危 険 がある 事 態 に 対 処 し 日 本 の 存 立 を 全 うし 日 本 の 国 民 を 守 るため 武 力 の 行 使 を 伴 う 作 戦 を 実 施 海 上 作 戦 機 雷 掃 海 艦 船 防 護 敵 に 支 援 を 行 う 船 舶 活 動 の 阻 止 弾 道 ミサイル 攻 撃 に 対 処 弾 道 ミサイル 迎 撃 において 協 力 後 方 支 援 日 米 両 政 府 は 中 央 政 府 及 び 地 方 公 共 団 体 の 権 限 能 力 民 間 の 能 力 を 活 用

Ⅴ. 地 域 及 び 世 界 の 平 和 安 全 のための 協 力 国 際 平 和 支 援 法 案 国 際 的 な 活 動 における 協 力 パートナーの 能 力 構 築 支 援 情 報 収 集 警 戒 監 視 偵 察 (ISR) 後 方 支 援 三 か 国 及 び 多 国 間 協 力 日 米 両 政 府 は 三 か 国 及 び 多 国 間 の 安 全 保 障 防 衛 協 力 を 推 進 Ⅵ. 宇 宙 及 びサイバー 空 間 における 協 力 Ⅶ.その 他 日 米 共 同 の 取 組 防 衛 装 備 技 術 協 力 相 互 運 用 性 を 強 化 情 報 協 力 情 報 保 全 秘 密 情 報 の 保 護 に 関 連 した 政 策 慣 行 手 続 きの 強 化

3 日 米 防 衛 指 針 再 改 定 に 伴 う 共 同 声 明 記 者 会 見 (4 月 27 日 岸 田 中 谷 ケリー カーター) ア. 共 同 声 明 変 化 する 安 全 保 障 環 境 のためのより 力 強 い 同 盟 ( 外 務 省 訳 ) 1. 概 観 米 国 はアジア 太 平 洋 地 域 へのリバランスを 積 極 的 に 実 施 している 核 及 び 通 常 戦 力 を 含 む 軍 事 力 による 日 本 の 防 衛 に 対 する 米 国 の 揺 るぎないコミッ トメントがこの 取 組 の 中 心 米 国 は 日 本 の 最 近 の 重 要 な 成 果 を 歓 迎 し 支 持 する これらの 成 果 には 2014 年 7 月 1 日 の 閣 議 決 定 国 家 安 全 保 障 会 議 の 設 置 防 衛 装 備 移 転 三 原 則 特 定 秘 密 保 護 法 サイバーセキュリティ 基 本 法 新 宇 宙 基 本 計 画 及 び 開 発 協 力 大 綱 が 含 まれる 閣 僚 は 尖 閣 諸 島 が 日 本 の 施 政 の 下 にある 領 域 であり 日 米 安 保 条 約 第 5 条 の 下 でのコミットメントの 範 囲 に 含 まれ 同 諸 島 に 対 する 日 本 の 施 政 を 損 なおうとする 一 方 的 な 行 動 にも 反 対 する

2. 新 たな 日 米 防 衛 協 力 のための 指 針 米 国 は 日 本 の 積 極 的 平 和 主 義 の 政 策 及 び2014 年 7 月 の 閣 議 決 定 を 反 映 する 当 該 法 制 を 整 備 するために 現 在 行 われている 取 組 を 歓 迎 し 支 持 する 3. 二 国 間 の 安 全 保 障 及 び 防 衛 協 力 現 代 的 かつ 高 度 な 米 国 の 能 力 を 日 本 に 配 備 することの 戦 略 的 重 要 性 を 確 認 した 閣 僚 は 米 海 軍 によるP-8 哨 戒 機 の 嘉 手 納 飛 行 場 への 配 備 米 空 軍 によるグローバル ホーク 無 人 機 の 三 沢 飛 行 場 へのローテーション 展 開 改 良 された 輸 送 揚 陸 艦 であるグリーン ベイの 配 備 及 び2017 年 に 米 海 兵 隊 F-35B を 日 本 に 配 備 するとの 米 国 の 計 画 を 歓 迎 した 2017 年 までに 横 須 賀 海 軍 施 設 にイージス 艦 を 追 加 配 備 するとの 米 国 の 計 画 本 年 後 半 に 空 母 ジョージ ワシントンをより 高 度 な 空 母 ロナルド レーガンに 交 代 させることを 歓 迎 した 弾 道 ミサイル 防 衛 (AMD) 能 力 の 向 上 特 に2014 年 12 月 のAN/TPY-2レーダー (Xバンド レーダー)システムの 経 ヶ 崎 への 配 備 2017 年 までに 予 定 されてい る2 隻 のBMD 駆 逐 艦 の 日 本 への 追 加 配 備 の 重 要 性 を 強 調 した

日 本 の 新 たな 防 衛 装 備 移 転 三 原 則 及 びF-35の 地 域 における 整 備 修 理 オーバーホール アップグレード 能 力 の 日 本 での 確 立 に 係 る 最 近 の 米 国 の 決 定 に 示 された 後 方 支 援 及 び 防 衛 装 備 協 力 の 拡 大 を 賞 賛 した 4. 地 域 及 び 国 際 的 な 協 力 東 南 アジアでのパートナーに 対 する 能 力 構 築 における 緊 密 な 連 携 特 に 韓 国 及 び 豪 州 並 びに 東 南 アジア 諸 国 連 合 等 の 主 要 なパートナーとの 三 か 国 及 び 多 国 間 協 力 の 拡 大 閣 僚 は 北 朝 鮮 による 核 及 びミサイルの 脅 威 に 関 する 韓 国 との 三 者 間 情 報 共 有 取 り 決 めの 最 近 の 署 名 を 強 調 し 三 か 国 協 力 の 拡 大 のための 基 盤 として 活 用 していくことを 決 意 した 閣 僚 は 日 米 豪 安 全 保 障 防 衛 協 力 会 合 を 通 じ 豪 州 とのより 緊 密 な 協 力 を 追 求 意 図 を 確 認 した

イ 共 同 声 明 発 表 に 係 る 記 者 会 見 (ア.に 引 き 続 く 口 頭 発 言 質 疑 への 回 答 ) ( 中 村 訳 ) 岸 田 外 務 大 臣 : 南 シナ 海 における 現 在 の 状 況 に 関 連 して 我 々は 再 び 法 の 支 配 の 重 要 性 について 認 識 を 共 有 し 国 際 社 会 と 協 力 して 様 々な 施 策 を 推 進 して いきます 在 日 米 軍 の 再 編 に 関 しては 両 政 府 は 辺 野 古 に 普 天 間 代 替 施 設 を 建 設 する 計 画 が 普 天 間 のMCAS 米 海 兵 隊 航 空 基 地 の 継 続 使 用 を 回 避 する 唯 一 の 解 であることを 再 確 認 しました 中 谷 防 衛 相 : 省 略 質 問 : どのように 南 シナ 海 における 課 題 に 対 処 するために 同 盟 を 位 置 づけ ることができますか? 中 谷 防 衛 相 : 南 シナ 海 をめぐる 問 題 に 関 して それは 直 接 にこの 地 域 の 世 界 の 平 和 と 安 定 に 関 連 しています だから これは 両 国 のための 共 通 の 関 心 事 で す

質 問 : 新 しいガイドラインが 実 質 的 に 中 国 に 向 けられたものであると 何 故 考 えてはいけないのですか? 新 しいガイドラインは グレーゾーンに 対 してよ り 良 く 対 処 する 方 法 があるか またそれらがこの 地 域 での 積 極 的 な 行 動 から 中 国 を 抑 止 することができるのか カーター 国 防 長 官 : 具 体 的 に 中 国 を 狙 ってはいません 北 朝 鮮 よる 挑 発 的 な 行 為 に 対 する 抑 止 力 があります 中 国 に 関 しては 南 シナ 海 における 中 国 の 行 動 は 一 例 として 米 国 とパートナーになるという 願 いを 促 すような ものとして 地 域 の 国 々から 受 け 取 られています 私 たちは 地 域 のすべての 国 々とパートナーになりたいと 思 っています そし てそれは 中 国 を 含 み(ます)

質 問 : 南 シナ 海 に 関 する 日 米 防 衛 協 力 をどのように 進 めるつもりですか? 米 国 側 は 南 シナ 海 で( 聞 こえない) 監 視 を 期 待 しています それは 日 本 と 米 国 が 共 同 で 行 うことになるのだろうか? 中 谷 防 衛 相 : 日 本 と 米 国 は 海 洋 安 全 保 障 に 関 する 協 力 をするでしょう 南 シナ 海 に 関 する 問 題 については 明 日 カーター 長 官 と 一 緒 に 私 たちは 相 談 す るでしょう そして 平 和 と 安 定 のために これは 直 接 関 連 しています だから こ れは 日 本 と 米 国 の 両 方 にとって 懸 念 事 項 です * 防 衛 指 針 は 抽 象 的 に 書 かれているが 共 同 声 明 になると 現 実 に 起 こってい る 問 題 が 具 体 的 に 取 り 上 げられる 日 本 政 府 の この 間 の 施 策 と 安 保 法 制 ( 案 )の 国 会 提 出 まで 評 価 され 新 鋭 兵 器 の 配 備 など 具 体 的 であり その 配 備 からはA2/AD 打 破 のもくろみが 見 て 取 れる * まして 記 者 会 見 となると 話 題 となっている 問 題 も 取 り 上 げられる 普 天 間 辺 野 古 や 南 シナ 海 の 問 題 などである 南 シナ 海 問 題 では 日 本 側 の 発 言 の 方 が より 反 中 国 のニュアンスが 感 じられる

以 上 の 文 脈 のなかで 安 保 法 = 戦 争 法 制 定 に 先 立 って 冒 頭 の 自 衛 隊 哨 戒 機 の 南 シナ 海 派 遣 は なされ たものである A2/AD 情 報 監 視 偵 察 (ISR) 最 新 精 密 兵 器 敵 の 深 奥 部 への 攻 撃 こうした 軍 事 的 対 抗 のなかに 集 団 的 自 衛 権 行 使 を 容 認 する 安 保 法 制 = 戦 争 法 を 制 定 し て 日 本 が 係 っていくということは どういうことを 意 味 す るのだろうか