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技 能 労 務 職 公 務 員 民 間 参 考 区 分 平 均 年 齢 職 員 数 平 均 給 与 月 額 平 均 給 与 月 額 平 均 給 料 月 額 (A) ( 国 ベース) 平 均 年 齢 平 均 給 与 月 額 対 応 する 民 間 の 類 似 職 種 東 庄 町 51.3 歳 18 77

後 にまで 及 んでおり(このような 外 部 研 究 資 金 を 以 下 契 約 理 由 研 究 という ) かつ その 者 が 退 職 後 も 引 き 続 き 研 究 代 表 者 となることを 研 究 所 が 認 める 場 合 とし 理 事 室 の 命 を 受 けて 発 議 書 ( 別 に 定 め

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2 前 項 に 定 める 日 に 支 給 する 給 与 は 総 額 給 与 を12 分 割 した 額 ( 以 下 給 与 月 額 という ) 扶 養 手 当 住 居 手 当 通 勤 手 当 単 身 赴 任 手 当 寒 冷 地 手 当 及 び 業 績 手 当 並 びに 前 月 分 の 超 過 勤 務

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2 条 ) ア 育 児 休 業 の 対 象 とならない 職 員 ( 法 第 2 条 及 び 条 例 第 2 条 関 係 ) (ア) 臨 時 的 に 任 用 される 職 員 (イ) 育 児 休 業 に 係 る 期 間 を 任 期 と 定 めて 採 用 された 職 員 (ウ) 勤 務 延 長 職 員 (

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整 理 解 雇 の 実 務 労 務 管 理 Ⅰ 整 理 解 雇 の 判 断 と 問 題 点 1. 整 理 解 雇 の 効 果 2. 整 理 解 雇 の 問 題 点 Ⅱ 整 理 解 雇 の 実 施 手 順 1. 解 雇 基 準 の 決 定 2. 解 雇 実 施 の 発 表 3. 解 雇 者 の 人 選 4. 解 雇 の 予 告 5. 解 雇 辞 令 の 交 付 Ⅲ 労 働 組 合 との 関 係 1. 労 働 組 合 への 説 明 2. 労 働 協 約 の 取 決 め Ⅳ 整 理 解 雇 の 留 意 点 1. 経 営 上 の 必 要 性 2. 解 雇 回 避 の 努 力 3. 人 選 の 合 理 性 妥 当 性 4. 女 性 の 差 別 的 取 扱 い

Ⅰ 1 整 理 解 雇 の 判 断 と 問 題 点 整 理 解 雇 の 効 果 過 剰 雇 用 が 発 生 し しかも 経 営 の 先 行 きが 不 透 明 であるときは 会 社 としては 過 剰 雇 用 を 速 やかに 解 消 することが 求 められます 過 剰 雇 用 の 状 態 を 放 置 しておくと 人 件 費 負 担 の 重 さから 経 営 収 支 がさらに 悪 化 し 会 社 の 存 立 そのものが 危 うくなる 可 能 性 があります この 場 合 希 望 退 職 を 実 施 して 過 剰 雇 用 を 解 消 するという 選 択 肢 もありますが 希 望 退 職 は 退 職 するかどうかの 決 定 を 本 人 の 意 思 に 委 ねるため 退 職 の 申 し 出 が 会 社 側 の 目 標 人 員 に 達 するという 確 実 な 保 証 はありません 目 標 人 員 に 達 するかもしれないし 達 しな いかもしれません 目 標 人 員 に 達 しなければ 過 剰 雇 用 は 解 消 せず 従 って 経 営 の 再 建 再 生 もそれだけ 遅 れてしまいます これに 対 して 整 理 解 雇 は 会 社 の 一 方 的 な 意 思 で 行 うも のですから 過 剰 雇 用 を 必 ず 解 消 できます 2 整 理 解 雇 の 問 題 点 整 理 解 雇 は 問 題 点 も 大 きいです それは 会 社 のイメージが 大 きくダウンすることで す 整 理 解 雇 を 実 施 したことがマスコミで 報 道 されたり あるいは 人 を 介 して 伝 わること により 危 ない 会 社 人 を 大 事 にしない 会 社 というマイナスイメージが 持 たれます さらに 整 理 解 雇 の 対 象 とならなかった 従 業 員 の 間 に 今 度 は 自 分 が 解 雇 されるのではな いか という 心 理 的 動 揺 が 広 がり 勤 労 意 欲 が 低 下 する 可 能 性 もあります 整 理 解 雇 は 解 雇 退 職 という 行 為 を 伴 うため 従 業 員 とその 家 族 の 生 活 にきわめて 大 きい 影 響 を 与 えます いうまでもなく 会 社 としては 従 業 員 の 雇 用 を 守 るべき 責 任 があります 従 業 員 も 会 社 が 雇 用 を 守 ってくれることを 強 く 期 待 しています 整 理 解 雇 は 会 社 が 自 らの 責 任 を 自 ら 放 棄 するものです したがって 実 施 に 際 しては 十 分 慎 重 でなければなりません 本 ナビでは 整 理 解 雇 に 論 をしぼってその 実 施 手 順 について 解 説 していきます 整 理 解 雇 以 外 の 雇 用 調 整 の 実 務 については 労 務 管 理 企 業 のリスク 防 止 対 策 雇 用 調 整 の 実 務 において また 雇 用 調 整 の 総 論 については コスト 圧 縮 収 益 減 少 による 人 件 費 見 直 しのポイント において 触 れていますので ご 参 考 ください 1

Ⅱ 1 整 理 解 雇 の 実 施 手 順 解 雇 基 準 の 決 定 経 営 不 振 に 伴 って 生 じた 過 剰 雇 用 を 解 消 するために 整 理 解 雇 を 実 施 するときは まず 次 の 事 項 を 決 定 します (1) 解 雇 人 数 売 上 に 比 較 してどれくらい 人 員 が 過 剰 になっているかを 判 断 して 解 雇 人 員 を 決 定 する ことになります 少 ないと 過 剰 雇 用 が 根 本 的 に 解 消 しないため 整 理 解 雇 を 繰 り 返 すこと になります 逆 に あまりに 多 すぎると 売 上 が 増 加 に 転 じたときに 円 滑 に 対 応 するこ とが 困 難 になります (2) 対 象 者 の 範 囲 整 理 解 雇 は 従 業 員 を 強 制 的 に 退 職 させるものです 退 職 によって 従 業 員 は 収 入 がな くなり 経 済 的 に 大 きな 影 響 を 受 けます とりわけ 何 人 もの 扶 養 家 族 をかかえ しかも 給 与 以 外 に 収 入 のない 者 に 与 える 影 響 は 多 大 です 本 来 整 理 解 雇 は 仕 事 に 比 較 して 過 剰 となった 労 働 力 を 社 外 に 排 出 し 人 員 面 で 身 軽 になることによって 経 営 の 再 建 再 生 を 図 ることを 目 的 として 実 施 するものです その 目 的 は あくまでも 経 営 の 立 て 直 しです 人 員 の 整 理 は 手 段 であって 目 的 ではあり ません 経 営 の 再 建 再 生 のためには すぐれた 人 材 は 温 存 しておかなければなりません このため 対 象 者 の 範 囲 の 決 定 に 当 たっては 以 下 を 基 本 的 条 件 とするべきです 1 解 雇 によって 受 ける 経 済 的 打 撃 が 比 較 的 小 さいものであること 2 仕 事 上 の 能 力 のレベルが 比 較 的 低 い 者 であること 会 社 に 対 する 貢 献 度 が 比 較 的 少 な い 者 であること このような 基 本 的 条 件 を 踏 まえると 解 雇 対 象 者 の 決 定 については 以 下 が 考 えられます 年 齢 を 基 準 とする 勤 続 年 数 を 基 準 とする 扶 養 家 族 の 有 無 を 基 準 とする 特 定 の 職 種 を 対 象 とする など 2

なお 労 働 基 準 法 第 19 条 により 次 の 者 は 解 雇 の 対 象 とすることはできません 1 業 務 上 の 負 傷 疾 病 によって 休 業 中 およびその 後 30 日 以 内 の 者 2 産 前 産 後 の 休 業 中 およびその 後 30 日 以 内 の 者 解 雇 基 準 の 例 基 準 例 示 年 齢 勤 続 年 数 扶 養 家 族 の 有 無 職 種 資 格 50 歳 以 上 勤 続 30 年 以 上 扶 養 家 族 のいない 者 事 務 職 公 的 職 業 資 格 を 保 有 していない 者 (3) 除 外 条 項 どのような 基 準 を 設 ける 場 合 でも その 基 準 を 機 械 的 に 適 用 すると 会 社 の 再 建 に 必 要 な 従 業 員 が 解 雇 対 象 者 の 中 に 含 まれてしまうおそれがあります 再 建 に 必 要 な 有 能 な 従 業 員 を 解 雇 してしまうと それだけ 再 建 に 支 障 が 生 じてしまいます このため 一 定 の 基 準 を 設 ける 場 合 でも ただし 業 務 遂 行 上 特 に 必 要 な 者 は 除 く という 除 外 条 件 を 付 けるの が 現 実 的 対 応 といえるでしょう これによって 会 社 の 再 建 に 必 要 な 技 術 技 能 資 格 あるいは 経 験 を 有 する 人 材 を 社 外 に 排 出 してしまうという 事 態 を 防 ぎます (4) 解 雇 日 いつ 解 雇 するかを 決 めます (5) 退 職 金 の 取 扱 い 退 職 金 については 1 退 職 金 規 程 で 定 められている 金 額 を 支 払 う 2 所 定 の 退 職 金 に 上 積 みを 行 う の2つの 取 扱 いがあります 3

整 理 解 雇 の 場 合 退 職 金 を 通 常 の 退 職 の 場 合 以 上 に 優 遇 しなければならないという 労 働 法 上 の 規 定 はありません 退 職 金 規 程 で 定 める 算 定 式 に 従 って 算 出 すればいいわけですが 会 社 の 都 合 で 雇 用 契 約 を 解 除 するのですから できるかぎり 優 遇 措 置 を 講 じるのが 望 まし いでしょう 優 遇 措 置 を 講 じるときは 優 遇 の 内 容 を 明 確 にします 退 職 金 の 優 遇 方 法 1 全 員 一 律 に 一 定 額 を 上 積 みする 2 年 齢 あるいは 勤 続 年 数 の 区 分 に 応 じて 上 積 み 額 を 決 める 3 全 員 一 律 に 給 与 の 一 定 月 数 を 特 別 加 算 する 4 年 齢 あるいは 勤 続 年 数 の 区 分 に 応 じて 特 別 加 算 月 数 を 決 める 5 全 員 一 律 に 退 職 金 の 一 定 割 合 を 特 別 加 算 する 6 年 齢 あるいは 勤 続 年 数 の 区 分 に 応 じて 加 算 割 合 を 決 める 4

2 解 雇 実 施 の 発 表 解 雇 基 準 を 正 式 に 決 定 したあと 解 雇 の 実 施 を 従 業 員 に 発 表 します 発 表 文 のモデルは 以 下 のとおりです 整 理 解 雇 実 施 の 発 表 文 従 業 員 各 位 平 成 年 月 日 社 長 整 理 解 雇 の 実 施 について(お 知 らせ) 先 般 来 会 社 の 経 営 をめぐる 状 況 はきわめて 厳 しいものとなっています 会 社 としては これまで 経 費 の 削 減 採 用 の 停 止 などさまざまな 経 営 努 力 を 重 ねてきましたが なお 苦 境 を 脱 せないでいます 経 営 の 再 建 を 図 るためには 誠 に 残 念 ながら 人 員 を 削 除 することが 必 要 不 可 欠 です このため 整 理 解 雇 を 実 施 することといたします このことについて 従 業 員 各 位 のご 理 解 を 求 めます 記 1 解 雇 人 員 20 人 2 対 象 者 平 成 年 月 日 現 在 において 50 歳 以 上 の 者 ただし 業 務 上 特 に 必 要 と 認 める 者 は 除 く 3 解 雇 日 平 成 年 月 日 付 で 解 雇 する 4 退 職 金 の 取 扱 い 退 職 金 規 定 に 基 づく 会 社 都 合 退 職 金 のほか その 20% 相 当 額 を 上 積 み 支 給 する 5 退 職 金 の 支 払 日 解 雇 日 当 日 本 人 の 銀 行 口 座 に 振 り 込 むことによって 支 払 う 以 上 5

3 解 雇 者 の 人 選 解 雇 の 対 象 者 について 具 体 的 に 誰 を 解 雇 するか を 決 定 します 例 えば 50 歳 以 上 の 者 を 10 名 解 雇 する と 決 定 したときは 50 歳 以 上 の 従 業 員 の 中 から 10 名 を 絞 り 込 みます この 場 合 50 歳 以 上 の 従 業 員 が 全 員 で 10 名 であれば 10 名 全 員 が 解 雇 されるわけで 特 に 問 題 は 発 生 しませんが 50 歳 以 上 の 従 業 員 が 10 名 以 上 いるときは どういう 理 由 で 10 名 を 絞 り 込 んだか をはっきりさせておく 必 要 があります 経 営 者 などの 個 人 的 な 感 情 で 対 象 者 を 絞 り 込 むようなことがあってはなりません 出 勤 状 況 が 良 くない 身 体 の 調 子 を 理 由 にして 休 むことが 多 い 日 頃 から 非 協 調 的 である 仕 事 上 の 能 率 が 芳 しくない 資 格 を 持 っていない など 一 定 の 理 由 がなければなりません 4 解 雇 の 予 告 (1) 労 働 基 準 法 の 規 定 解 雇 について 労 働 基 準 法 は 使 用 者 は 労 働 者 を 解 雇 しようとする 場 合 においては 少 なくとも 30 日 前 にその 予 告 をしなければならない 30 日 前 に 予 告 をしない 使 用 者 は 30 日 分 以 上 の 平 均 賃 金 を 支 払 わなければならない ( 第 20 条 )と 規 定 しています 労 働 基 準 法 の 規 定 (2) 予 告 書 のモデル 労 働 基 準 法 の 規 定 に 基 づき 解 雇 日 の 30 日 前 までに 解 雇 者 に 対 して 解 雇 を 予 告 します 労 働 基 準 法 は 解 雇 の 予 告 を 規 定 しているだけで 予 告 の 方 法 について 特 に 定 めていま せん したがって 口 頭 による 予 告 も 考 えられますが 正 確 さを 期 するため 書 面 で 予 告 するのがよいでしょう 解 雇 予 告 書 のモデルは 次 のとおりです 6

解 雇 予 告 書 部 課 殿 平 成 年 月 日 株 式 会 社 社 長 解 雇 予 告 書 経 営 不 振 のため あなたを 平 成 年 月 日 付 で 解 雇 することにしましたので あらかじめお 知 らせします なお この 予 告 は 労 働 基 準 法 第 20 条 の 規 定 によって 行 うものです 以 上 (3) 予 告 手 当 の 支 払 い 30 日 前 に 予 告 できないときは 30 日 分 の 平 均 賃 金 を 支 払 って 解 雇 します この 平 均 賃 金 の 支 払 いを 解 雇 予 告 手 当 と 通 称 しています ただし 予 告 日 数 と 予 告 手 当 は 日 割 による 換 算 が 認 められています すなわち 30 日 の 全 部 ないし 一 部 をその 日 数 の 平 均 賃 金 で 代 替 することもできます 例 えば 15 日 前 に 予 告 し 15 日 分 の 予 告 手 当 を 支 払 うという 方 法 もあります 平 均 賃 金 とは 過 去 3カ 月 間 に 支 払 われた 賃 金 総 額 を3カ 月 間 の 総 日 数 で 割 ったも のをいいます 賃 金 総 額 とは 3カ 月 間 の 賃 金 の 総 額 をいい 家 族 手 当 などの 諸 手 当 通 勤 手 当 も 含 み ます ただし 賞 与 は 含 めなくても 差 し 支 えありません また 時 間 外 手 当 休 日 手 当 も 含 まれるため 基 準 内 賃 金 が 同 じでも 時 間 外 や 休 日 出 勤 の 多 い 従 業 員 ほど 平 均 賃 金 も 高 いことになります 3カ 月 間 の 総 日 数 とは 暦 上 の 日 数 をいいます 所 定 就 業 日 数 や 実 労 働 日 数 ではありま せん 労 働 基 準 法 は 30 日 分 の 平 均 賃 金 を 支 給 すれば 翌 日 付 で 解 雇 できるわけですが 従 業 員 は 会 社 を 解 雇 されると 次 の 就 職 先 を 探 さなければなりません 世 の 中 全 体 が 不 景 気 のときは 会 社 の 求 人 意 欲 が 減 退 しているため 再 就 職 探 しは 楽 で はなく ハローワークに 足 を 運 んだからといって 良 い 条 件 の 再 就 職 先 がすぐに 見 つかる わけではありません 特 に 中 高 年 の 場 合 には 時 間 がかかります このため できる 限 り 早 めに 解 雇 の 予 告 を 行 うべきです 7

5 解 雇 辞 令 の 交 付 解 雇 日 と 定 めていた 日 に 解 雇 者 に 対 して 解 雇 辞 令 を 交 付 します これにより 会 社 と 解 雇 者 との 間 に 結 ばれていた 雇 用 契 約 は 完 全 に 解 除 されることになります いいかえれば 雇 用 契 約 を 解 除 することの 証 明 が 解 雇 辞 令 です 解 雇 辞 令 のモデルは 以 下 のとおりです なお 解 雇 辞 令 を 手 渡 すことができなかった 者 に 対 しては 書 留 郵 便 で 自 宅 に 送 付 しま す 従 業 員 が 辞 令 を 受 け 取 りにこない といって 辞 令 を 社 内 に 放 置 しておくのはよくあ りません 解 雇 辞 令 部 課 殿 平 成 年 月 日 株 式 会 社 解 雇 辞 令 経 営 不 振 のため 平 成 年 月 日 付 で 解 雇 する 以 上 (1) 退 職 金 の 支 払 い あらかじめ 定 めていた 日 に 退 職 金 を 支 払 います (2) 退 職 手 続 き 解 雇 した 従 業 員 について 公 共 職 業 安 定 所 に 雇 用 保 険 被 保 険 者 資 格 喪 失 届 を 提 出 する 本 人 に 離 職 票 を 交 付 する 社 会 保 険 事 務 所 に 厚 生 年 金 健 康 保 険 被 保 険 者 資 格 喪 失 届 を 提 出 する 本 人 に 年 金 手 帳 を 返 却 する など 所 定 の 退 職 手 続 きをとります 8

Ⅲ 1 労 働 組 合 との 関 係 労 働 組 合 への 説 明 さきに 述 べたように 解 雇 は 会 社 の 一 方 的 な 意 見 で 従 業 員 を 退 職 させるものであるから 従 業 員 の 生 活 に 大 きな 影 響 を 与 えます そうした 際 団 体 交 渉 を 行 なうために 従 業 員 によ って 構 成 されているのが 労 働 組 合 です このため 経 営 上 の 必 要 から 整 理 解 雇 やむなし と 判 断 し 経 営 の 意 思 として 整 理 解 雇 を 行 うときは 解 雇 の 人 員 が 何 人 であろうとも 整 理 解 雇 の 必 要 性 と 整 理 解 雇 の 内 容 を 十 分 に 説 明 し 理 解 を 求 める 必 要 があります 労 働 組 合 への 説 明 事 項 これまでの 整 理 解 雇 の 実 施 事 例 をみると 経 営 者 が 会 社 が 苦 しい 状 況 に 追 い 込 まれて いることは 日 常 の 仕 事 を 通 じて 組 合 員 も 十 分 に 知 っているはずだから いまさら 説 明 す る 必 要 はない と 勝 手 に 判 断 し 労 働 組 合 への 説 明 を 行 うことなく 整 理 解 雇 を 急 いだケ ースがあります しかし そのようなやり 方 は 良 くありません 経 営 に 対 する 不 信 感 を 募 らせるばかりです 会 社 が 考 えている 以 上 に 組 合 員 は 経 営 の 実 態 について 知 らないものです したがって 経 営 の 状 況 をフランクに 知 らせ 整 理 解 雇 について 理 解 を 求 めます 労 働 組 合 から 何 か 質 問 が 出 されたときには その 質 問 に 誠 実 に 答 えていきます 労 働 組 合 に 対 して 人 員 整 理 の 必 要 性 を 十 分 に 説 明 することなく 解 雇 の 実 施 を 急 ぐと 解 雇 の 有 効 性 や 規 模 の 妥 当 性 などをめぐって 労 使 紛 争 が 生 じるおそれがあります 不 幸 に して 労 使 紛 争 が 発 生 すると その 解 決 に 労 力 をとられ 経 営 の 再 建 再 生 がそれだけ 遅 れ るとともに 対 外 的 なイメージがダウンしてしまいます 9

2 労 働 協 約 の 取 決 め 整 理 解 雇 は 労 働 組 合 員 と 労 働 組 合 に 対 して 大 きな 影 響 を 与 えます 労 働 組 合 員 の 生 活 を 不 安 定 にすると 同 時 に 労 働 組 合 の 存 立 基 盤 を 根 本 的 に 動 揺 させます 極 端 にいえば 組 合 員 が 全 員 解 雇 されれば 組 合 は 消 滅 してしまいます このため 労 働 組 合 がある 会 社 では 労 働 組 合 の 求 めに 応 じて 労 働 協 約 において 整 理 解 雇 について 一 定 の 取 決 めをしているケースが 多 いのです 一 定 の 取 決 めとしては 組 合 への 通 知 事 項 とする 組 合 との 協 議 事 項 とする 組 合 の 同 意 事 項 とする などがあります 労 働 組 合 と 一 定 の 取 決 めをしている 会 社 の 場 合 は その 取 決 めを 誠 実 に 守 らなければな りません 例 えば 労 働 協 約 において 整 理 解 雇 をするときはあらかじめ 組 合 に 通 知 するものとす る と 定 めているときは 解 雇 の 必 要 性 人 員 対 象 者 退 職 金 の 取 扱 いおよび 解 雇 日 な どについて 書 面 で 通 知 します また 雇 用 調 整 のためにやむを 得 ず 整 理 解 雇 を 実 施 するときは あらかじめ 組 合 と 協 議 しなければならない と 定 めているときは 整 理 解 雇 の 必 要 性 人 員 対 象 者 退 職 金 の 取 扱 いおよび 解 雇 日 などについて 誠 実 に 協 議 します そして 協 議 が 整 ってから 整 理 解 雇 を 実 施 します 事 態 が 切 迫 しており 協 議 をする 時 間 的 余 裕 がないから といって 協 議 を 省 略 して 整 理 解 雇 を 強 行 するようなことがあってはなりません さらに 整 理 解 雇 を 組 合 の 同 意 事 項 としているときは あらかじめ 整 理 解 雇 の 必 要 性 人 員 対 象 者 退 職 金 の 取 扱 いおよび 解 雇 日 などについて 組 合 によく 説 明 します そして 組 合 が 整 理 解 雇 に 同 意 する と 返 答 してから 整 理 解 雇 に 踏 み 切 ります なお 組 合 の 同 意 事 項 としている 場 合 組 合 が 同 意 しなければ 整 理 解 雇 は 絶 対 にできな いというわけではありません 解 雇 の 必 要 性 を 組 合 に 誠 実 に 説 明 しても 組 合 が 同 意 しない ときは 会 社 側 の 判 断 で 解 雇 を 実 施 できます 10

参 考 までに 組 合 に 対 する 協 議 申 込 書 のモデルを 示 すと 以 下 のとおりです 労 働 組 合 への 説 明 事 項 労 働 組 合 執 行 委 員 長 殿 平 成 年 月 日 社 長 整 理 解 雇 に 関 する 協 議 について( 申 入 れ) 経 営 不 振 に 対 応 し 整 理 解 雇 を 実 施 したいので 次 のとおり 協 議 を 申 し 入 れる 記 1 協 議 事 項 (1) 整 理 解 雇 の 必 要 性 (2) 整 理 解 雇 の 内 容 (3) 解 雇 者 に 対 する 退 職 金 の 取 扱 いい 2 協 議 日 時 平 成 年 月 日 ( ) 午 前 時 ~ 時 以 上 11

Ⅳ 整 理 解 雇 の 留 意 点 1 経 営 上 の 必 要 性 (1) 経 営 の 再 建 経 営 が 著 しい 不 振 に 陥 って 過 剰 雇 用 が 生 じ その 過 剰 雇 用 を 整 理 するための 解 雇 を 実 施 するときは あらためて 経 営 再 建 のために 本 当 に 人 員 の 整 理 が 必 要 か 人 員 の 整 理 をし なければならないほど 経 営 が 行 き 詰 まっているか をチェックしてみます そして 経 営 を 再 建 するためには 人 員 の 整 理 が 必 要 である 人 員 の 整 理 をしなければならないほど 経 営 が 行 き 詰 まっている と 判 断 された 場 合 に はじめて 整 理 解 雇 の 実 施 に 踏 み 切 ります (2) 解 雇 権 の 濫 用 会 社 としては 従 業 員 の 雇 用 を 守 るべき 義 務 と 責 任 があります 従 業 員 も 会 社 は 自 分 たちの 雇 用 を 守 ってくれるだろう と 期 待 しています したがって 多 少 売 上 が 低 下 し たからとか 赤 字 経 営 に 転 落 したからといって 安 易 に 整 理 解 雇 を 行 うことは 許 されません 会 社 には 採 用 権 とならんで 解 雇 権 があります しかし 解 雇 権 があるからといって その 権 利 を 濫 用 することは 許 されません 人 員 整 理 をしなければ 経 営 の 存 続 を 図 ることが できないというギリギリの 状 況 に 追 い 込 まれた 場 合 に 限 って 解 雇 権 を 発 動 しなければなり ません 2 解 雇 回 避 の 努 力 (1) 従 業 員 に 与 える 影 響 解 雇 は 従 業 員 の 生 活 に 打 撃 を 与 えます 収 入 が 途 絶 えるという 経 済 的 打 撃 はもちろん のこと 心 理 的 精 神 的 打 撃 も 与 えます 実 際 数 ある 会 社 の 中 から この 会 社 が 自 分 にふ さわしい と 思 って 就 職 し 長 い 間 にわたって 働 いた 会 社 が 経 営 不 振 に 陥 り そのために 会 社 から 解 雇 されるということは 大 きなショックです 精 神 的 なよりどころを 失 う と 表 現 しても 過 言 ではありません 従 業 員 の 中 には 働 くことが 生 きがいである という 人 が 少 なくありません そういう 従 業 員 がいたからこそ 会 社 はここまでやってこられたわけです ただ 単 に 1 日 8 時 間 会 社 から 指 示 命 令 されたことをやっていればいい 働 くことは 苦 痛 である 12

できれば 働 きたくない と 考 える 従 業 員 だけであれば 会 社 はここまで 成 長 発 展 するこ とができなかったはずです そのように 働 くことが 生 きがいであり 喜 びであるという 従 業 員 にとって 解 雇 は 生 きがいを 奪 われること 喜 びを 失 うこと を 意 味 するのです 解 雇 は 従 業 員 の 生 活 面 精 神 面 に 大 きな 影 響 を 与 えるので 会 社 としては 解 雇 を 回 避 するための 対 策 をギリギリまで 講 じなければなりません 整 理 解 雇 実 施 上 の 留 意 点 (2) 解 雇 回 避 の 対 策 解 雇 の 回 避 策 としては 経 費 の 節 減 不 用 資 産 遊 休 資 産 の 売 却 ( 例 えば 土 地 株 式 ゴルフ 会 員 権 等 の 売 却 ) 人 員 面 の 対 策 ( 新 規 採 用 の 抑 制 パートタイマーの 削 減 解 雇 一 時 休 業 配 置 転 換 希 望 退 職 など) 賃 金 面 の 対 策 ( 昇 級 の 停 止 ベースアップの 停 止 諸 手 当 の 減 額 不 支 給 基 本 給 の カット 賞 与 の 削 減 不 支 給 など) などがあります これらの 対 策 を 積 極 的 に 講 じてもなお 過 剰 雇 用 が 解 消 せず かつ 近 い 将 来 においても 経 営 が 好 転 する 可 能 性 が 見 込 めない 場 合 に 限 って やむを 得 ず 整 理 解 雇 を 行 うべきです 13

整 理 解 雇 に 至 るプロセス 解 雇 を 回 避 するための 経 営 努 力 を 総 合 的 積 極 的 に 講 じても 経 営 環 境 が 良 くならないの で やむを 得 ず 解 雇 に 踏 み 切 るのであれば 従 業 員 も 納 得 するでしょう しかし 解 雇 回 避 の 努 力 をあまり 講 じることなく 解 雇 という 手 段 に 訴 えるのでは 従 業 員 は 納 得 しません 3 人 選 の 合 理 性 妥 当 性 整 理 解 雇 の 対 象 者 の 人 選 については 一 定 の 合 理 的 な 基 準 を 決 め その 基 準 に 基 づいて 公 正 に 行 うべきです 解 雇 基 準 としては 一 般 的 に 年 齢 勤 続 年 数 扶 養 家 族 の 有 無 職 種 公 的 資 格 などが 考 えられます 解 雇 者 の 選 定 解 雇 者 の 人 選 について 日 頃 から 会 社 や 職 制 に 対 して 批 判 的 な 従 業 員 だけを 対 象 とする 労 働 組 合 の 活 動 に 熱 心 な 従 業 員 を 集 中 的 に 対 象 とする 労 働 組 合 の 設 立 に 動 いている 従 業 員 だけを 対 象 とする など 無 理 があるのは 良 くありません 人 選 に 合 理 性 妥 当 性 が 欠 けていたり 明 らか 14

に 不 自 然 な 点 があると 解 雇 権 の 濫 用 あるいは 不 当 労 働 行 為 と 認 定 され 解 雇 が 無 効 とさ れる 可 能 性 があります 4 女 性 の 差 別 的 取 扱 い 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 は 事 業 主 は 次 に 掲 げる 事 項 について 労 働 者 の 性 別 を 理 由 として 差 別 的 取 扱 いをしてはならないとしています 1 号 労 働 者 の 配 置 ( 業 務 の 配 分 及 び 権 限 の 付 与 を 含 む) 昇 進 降 格 及 び 教 育 訓 練 2 号 住 宅 資 金 の 貸 付 けその 他 これに 準 ずる 福 利 厚 生 の 措 置 であって 厚 生 労 働 省 令 で 定 めるもの 3 号 労 働 者 の 職 種 及 び 雇 用 形 態 の 変 更 4 号 退 職 の 勧 奨 定 年 及 び 解 雇 並 びに 労 働 契 約 の 更 新 女 性 従 業 員 のみを 解 雇 の 対 象 とする 解 雇 について 年 齢 を 基 準 とする 場 合 に 女 性 の 年 齢 を 男 性 より 低 くする( 例 えば 女 性 は 45 歳 以 上 男 性 は 50 歳 以 上 とする) 解 雇 について 勤 続 年 数 を 基 準 とする 場 合 に 女 性 の 勤 続 年 数 を 男 性 より 低 くする( 例 えば 女 性 は 勤 続 20 年 以 上 男 性 は 30 年 以 上 とする) など 女 性 を 差 別 的 に 取 り 扱 うことはするべきではありません 15