untitled



Similar documents
岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令


<4D F736F F D D3188C091538AC7979D8B4B92F F292B98CF092CA81698A94816A2E646F63>

●電力自由化推進法案

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

<6D313588EF8FE991E58A778D9191E5834B C8EAE DC58F4992F18F6F816A F990B32E786C73>

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

< F2D AFA CD90AE94F58C7689E62E6A7464>

<4D F736F F D C482C682EA817A89BA90BF8E7793B1834B A4F8D91906C8DDE8A A>

(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第076号.doc

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

m07 北見工業大学 様式①

航空隊及び教育航空隊の編制に関する訓令

した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

預 金 を 確 保 しつつ 資 金 調 達 手 段 も 確 保 する 収 益 性 を 示 す 指 標 として 営 業 利 益 率 を 採 用 し 営 業 利 益 率 の 目 安 となる 数 値 を 公 表 する 株 主 の 皆 様 への 還 元 については 持 続 的 な 成 長 による 配 当 可

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

18 国立高等専門学校機構

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

b) 参 加 表 明 書 の 提 出 時 において 東 北 地 方 整 備 局 ( 港 湾 空 港 関 係 を 除 く) における 平 成 年 度 土 木 関 係 建 設 コンサルタント 業 務 に 係 る 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 認 定 を 受 けて

<4D F736F F D208DE3905F8D8291AC8B5A8CA48A948EAE89EF8ED0208BC696B18BA492CA8E64976C8F BD90AC E378C8E89FC92F994C5816A>

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

< F2D926E88E6895E977089DB81608E528CFB8CA78C788E4082CC8D71>

Microsoft Word 行革PF法案-0概要

< F2D AFA CD90AE94F58C7689E62E6A7464>

要 な 指 示 をさせることができる ( 検 査 ) 第 8 条 甲 は 乙 の 業 務 にかかる 契 約 履 行 状 況 について 作 業 完 了 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする ( 発 生 した 著 作 権 等 の 帰 属 ) 第 9 条 業 務 によって 甲 が 乙 に

った 場 合 など 監 事 の 任 務 懈 怠 の 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 減 算 する (8) 役 員 の 法 人 に 対 する 特 段 の 貢 献 が 認 められる 場 合 は その 程 度 に 応 じて 業 績 勘 案 率 を 加 算 することができる

公表表紙

・モニター広告運営事業仕様書

参 考 様 式 再 就 者 から 依 頼 等 を 受 けた 場 合 の 届 出 公 平 委 員 会 委 員 長 様 年 月 日 地 方 公 務 員 法 ( 昭 和 25 年 法 律 第 261 号 ) 第 38 条 の2 第 7 項 規 定 に 基 づき 下 記 のとおり 届 出 を します この

Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

中根・金田台地区 平成23年度補償説明業務

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

Microsoft PowerPoint 資料6 技術基準.ppt [互換モード]

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

航空機の防衛生産・技術基盤に必要な論点・視点

Microsoft Word 第1章 定款.doc

学校教育法等の一部を改正する法律の施行に伴う文部科学省関係省令の整備に関する省令等について(通知)

4 乙 は 天 災 地 変 戦 争 暴 動 内 乱 法 令 の 制 定 改 廃 輸 送 機 関 の 事 故 その 他 の 不 可 抗 力 により 第 1 項 及 び 第 2 項 に 定 める 業 務 期 日 までに 第 1 条 第 3 項 の 適 合 書 を 交 付 することができない 場 合 は

< F2D8AC493C CC81698EF3928D8ED2816A2E6A7464>

国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

<6D33335F976C8EAE CF6955C A2E786C73>

定款

< 現 在 の 我 が 国 D&O 保 険 の 基 本 的 な 設 計 (イメージ)> < 一 般 的 な 補 償 の 範 囲 の 概 要 > 請 求 の 形 態 会 社 の 役 員 会 社 による 請 求 に 対 する 損 免 責 事 由 の 場 合 に 害 賠 償 請 求 は 補 償 されず(

Taro-契約条項(全部)

いう )は 警 告 をしたときは 速 やかに その 内 容 及 び 日 時 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申 出 をした 者 に 通 知 しなければならないこととされ また 警 告 をし なかったときは 速 やかに その 旨 及 び 理 由 を 当 該 警 告 を 求 める 旨 の 申

<4D F736F F D20342E92868D E293608E718E918CB982CC8AC7979D82C98AD682B782E98C6F89DF915B92752E646F6378>

<4D F736F F D E598BC68A8897CD82CC8DC490B68B7982D18E598BC68A8893AE82CC8A C98AD682B782E993C195CA915B C98AEE82C382AD936F985E96C68B9690C582CC93C197E1915B927582CC898492B75F8E96914F955D89BF8F915F2E646F6

スライド 1

独立行政法人国立病院機構

<81696D373188A E58A77816A E93788D9191E5834B C8EAE82502E786C73>

Speed突破!Premium問題集 基本書サンプル

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

<4D F736F F D C689D789B582B581698AAE90AC92CA926D816A2E646F63>

【労働保険事務組合事務処理規約】

施 設 利 用 に 伴 う 設 営 物 物 販 の 確 認 業 務 災 害 時 の 対 応 急 病 等 への 対 応 遺 失 物 拾 得 物 の 対 応 事 件 事 故 への 対 応 ( 2 ) 公 園 の 使 用 料 の 徴 収 に 関 す る 業 務 一 般 利 用 者 予 約 等 対 応 業

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)


学校安全の推進に関する計画の取組事例

honbu-38H06_kunrei31

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾

小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

<8BB388F58F5A91EE82A082E895FB8AEE967B95FB906A>

<4D F736F F D2091E F18CB48D C481698E7B90DD8F9590AC89DB816A2E646F63>

Microsoft Word - 目次.doc

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

財団法人○○会における最初の評議員の選任方法(案)

●労働基準法等の一部を改正する法律案

定款  変更

●幼児教育振興法案

(Microsoft Word - \212\356\226{\225\373\220j _\217C\220\263\201j.doc)

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

<4D F736F F D AC90D1955D92E CC82CC895E DD8C D2816A2E646F63>

第 8 条 乙 は 甲 に 対 し 仕 様 書 に 定 める 期 日 までに 所 定 の 成 果 物 を 検 収 依 頼 書 と 共 に 納 入 する 2 甲 は 前 項 に 定 める 納 入 後 10 日 以 内 に 検 査 を 行 うものとする 3 検 査 不 合 格 となった 場 合 甲 は

独立行政法人国立病院機構呉医療センター医療機器安全管理規程

共 通 認 識 1 官 民 較 差 調 整 後 は 退 職 給 付 全 体 でみて 民 間 企 業 の 事 業 主 負 担 と 均 衡 する 水 準 で あれば 最 終 的 な 税 負 担 は 変 わらず 公 務 員 を 優 遇 するものとはならないものであ ること 2 民 間 の 実 態 を 考

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

る 第 三 者 機 関 情 報 保 護 関 係 認 証 プライバシーマーク ISO27001 ISMS TRUSTe 等 の 写 しを 同 封 のうえ 持 参 又 は 郵 送 とする 但 し 郵 送 による 場 合 は 書 留 郵 便 とし 同 日 同 時 刻 必 着 とする 提 出 場 所 は 上

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

 

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

Microsoft Word - 不正アクセス行為の禁止等に関する法律等に基づく公安

送 信 局 を 電 気 通 信 事 業 者 に 貸 し 付 けるとともに 電 気 通 信 事 業 者 とあらかじめ 契 約 等 を 締 結 する 必 要 があること なお 既 に 電 気 通 信 事 業 者 において 送 信 局 を 整 備 している 地 域 においては 当 該 設 備 の 整 備

頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

16 日本学生支援機構

基 地 交 付 金 等 に 関 す る 要 望 書

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

近畿中部防衛局広報誌

大槌町震災復興事業○○○地区他の施工等に関する包括委託業務

弁護士報酬規定(抜粋)

< C8EAE81698B4C93FC8FE382CC97AF88D38E968D CA8E86816A2E786C73>

Transcription:

野 田 内 閣 の 防 衛 政 策 防 衛 大 綱 沖 縄 米 軍 基 地 問 題 等 をめぐる 国 会 論 議 おかどめ やすふみ い ま い かずまさ たかふじ な お こ 外 交 防 衛 委 員 会 調 査 室 岡 留 康 文 今 井 和 昌 高 藤 奈 央 子 菅 内 閣 の 総 辞 職 を 受 け 平 成 23 年 9 月 2 日 野 田 内 閣 が 発 足 した 野 田 内 閣 総 理 大 臣 は 就 任 後 初 の 所 信 表 明 演 説 において 新 防 衛 大 綱 1 に 従 い 即 応 性 機 動 性 等 を 備 えた 動 的 防 衛 力 を 構 築 し 新 たな 安 全 保 障 環 境 に 対 応 していくとし さらに 日 米 同 盟 は 我 が 国 外 交 安 全 保 障 の 基 軸 であると 述 べ 安 全 保 障 政 策 に 大 きな 変 化 がないことを 表 明 し た 本 稿 では この1 年 間 の 国 会 で 論 議 された 次 期 戦 闘 機 の 選 定 武 器 輸 出 三 原 則 等 の 見 直 し 北 朝 鮮 による 弾 道 ミサイル 発 射 普 天 間 移 設 問 題 等 の 諸 問 題 についてその 概 要 を 紹 介 したい 1. 次 期 戦 闘 機 の 選 定 防 衛 大 綱 において 航 空 自 衛 隊 の 戦 闘 機 部 隊 については 12 個 飛 行 隊 及 び 戦 闘 機 約 260 機 の 体 制 を 維 持 することとされており 中 期 防 衛 力 整 備 計 画 ( 平 成 23 年 度 ~ 平 成 27 年 度 ) ( 以 下 中 期 防 という )においては 現 有 の 戦 闘 機 (F-4)の 後 継 機 として 新 たな 戦 闘 機 を 整 備 することとされていた 2 防 衛 省 は 次 期 戦 闘 機 として 提 案 されたF /A- 18 E F- 35 A タイフーンの3 機 種 について 評 価 を 行 い 平 成 23 年 12 月 19 日 性 能 経 費 国 内 企 業 参 画 及 び 後 方 支 援 の4つの 要 素 の 評 価 点 の 合 計 が 最 も 高 かった F- 35 Aを 選 定 した 翌 12 月 20 日 安 全 保 障 会 議 において 平 成 24 年 度 以 降 F- 35 Aを 42 機 取 得 することを 決 定 した 平 成 24 年 度 予 算 においては4 機 の 取 得 費 用 395 億 円 (1 機 約 99 億 円 ) その 他 シミュレーターの 取 得 経 費 等 205 億 円 の 計 600 億 円 が 計 上 された なお F- 35 Aの 納 入 は 28 年 度 に 予 定 されている 次 期 戦 闘 機 に 求 められる 性 能 について 問 われた 田 中 防 衛 大 臣 ( 当 時 以 下 同 じ)は ス テルス 性 などに 優 れた 戦 闘 機 の 出 現 戦 闘 機 空 中 警 戒 管 制 機 及 び 対 空 ミサイル 等 が 一 体 となって 行 われる 戦 闘 の 進 展 費 用 対 効 果 等 の 観 点 から 兵 器 システムのマルチロール 化 が 進 展 していることなどを 踏 まえて 制 空 戦 戦 闘 能 力 に 優 れ 空 対 地 攻 撃 能 力 等 を 備 えた マルチロール 機 であることが 求 められると 答 弁 した 3 米 国 の 国 防 費 削 減 に 伴 うF- 35 Aの 調 達 数 の 削 減 開 発 の 遅 れ 等 から 価 格 上 昇 や 納 期 の 遅 れ それらが 日 本 の 防 衛 態 勢 に 与 える 影 響 などについて 問 われた 1 正 式 名 称 は 平 成 23 年 度 以 降 に 係 る 防 衛 計 画 の 大 綱 ( 平 成 22 年 12 月 17 日 安 全 保 障 会 議 及 び 閣 議 決 定 ) 2 前 中 期 防 ( 平 成 17 年 度 ~ 22 年 度 を 対 象 )において 新 戦 闘 機 の 7 機 の 整 備 を 予 定 していたが 十 分 な 情 報 が 得 られなかったとして 期 間 中 の 取 得 を 断 念 した 現 中 期 防 ( 平 成 23 年 度 ~ 平 成 27 年 度 を 対 象 )では 12 機 調 達 する 予 定 となっている 3 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 1 号 24 ~ 25 頁 ( 平 24.3.22) 立 法 と 調 査 2012.10 立 法 No.333( と 調 査 参 2012.10 議 院 事 務 No.333 局 企 画 調 整 室 編 集 発 行 ) 89

納 期 や 要 求 性 能 について 野 田 総 理 は F- 35 Aは 開 発 中 の 機 体 であるが 同 機 の 提 案 者 である 米 国 政 府 は 防 衛 省 の 要 求 する 期 限 までに 防 衛 省 の 要 求 する 性 能 を 備 えた 機 体 を 納 入 する 旨 確 約 していると 答 弁 した 4 他 方 田 中 大 臣 は 価 格 や 納 期 は 米 側 に 厳 守 し てもらうのが 最 優 先 としながらも 提 案 内 容 が 実 現 できない 場 合 は 契 約 を 取 りやめ 新 たな 機 種 選 定 に 入 ることも 視 野 に 入 れなければいけないとの 見 解 を 示 した 5 開 発 の 遅 延 による 調 達 計 画 への 影 響 について 問 われた 田 中 大 臣 は 全 力 を 挙 げてこの 契 約 の 履 行 を 実 施 する そうような 事 態 は 想 定 していないと 述 べ 6 また 4 機 分 の 価 格 に ついては 提 案 要 求 書 で 示 された1 機 99 億 円 の 額 で 交 渉 を 努 力 していくと 述 べたが 7 シ ミュレーター 等 の 価 格 も 含 め 全 体 で 600 億 の 範 囲 内 で 購 入 が 可 能 であれば 購 入 すると の 見 解 を 示 した 8 その 後 6 月 29 日 政 府 はこの4 機 を 米 国 政 府 の 有 償 援 助 (FMS) により 調 達 するための 引 合 受 諾 書 9 に 署 名 し 1 機 当 たり 約 102 億 円 シミュレーターの 取 得 経 費 等 約 191 億 円 も 含 め 計 約 600 億 円 で 調 達 することとした 取 得 が 遅 れた 場 合 の 他 機 種 の 導 入 を 含 めた 対 応 について 問 われた 森 本 防 衛 大 臣 は 他 の 機 種 を 導 入 する 考 えはなく 価 格 や 納 期 を 守 るよう 強 く 米 側 に 申 し 入 れている F- 15 の 近 代 化 をより 進 めて 補 う 方 法 も 考 えられるとの 見 解 を 示 した 10 また 今 後 も 機 体 価 格 の 上 昇 の 可 能 性 が 指 摘 される 中 42 機 の 調 達 方 針 について 問 わ れたが 渡 辺 防 衛 副 大 臣 は 計 画 に 変 わりはないとした 上 で 11 価 格 については 米 国 との 交 渉 で 一 つ 一 つの 積 算 根 拠 を 厳 密 に 議 論 し コスト 意 識 をしっかり 持 って 取 り 組 むと 述 べた 12 2. 南 西 地 域 における 防 衛 態 勢 の 充 実 防 衛 大 綱 では 軍 備 増 強 と 海 洋 進 出 を 活 発 化 させる 中 国 を 念 頭 に 南 西 諸 島 の 防 衛 を 重 視 し また こうした 情 勢 に 対 応 するため 自 衛 隊 の 機 動 性 や 即 応 性 を 重 視 する 動 的 防 衛 力 構 想 を 打 ち 出 している 活 発 化 する 中 国 の 海 洋 進 出 への 対 応 を 問 われた 森 本 大 臣 は 確 固 とした 気 概 と 意 思 を 持 って 断 固 これを 排 除 する きちっとした 方 針 で 南 西 方 面 の 防 衛 力 を 強 化 する そのために 大 臣 として 何 ができるかを 防 衛 力 整 備 の 面 で 特 に 重 視 したいと 述 べた 13 また 日 本 を 取 りまく 現 状 について 森 本 大 臣 は 島 嶼 及 び 鹿 児 島 から 沖 縄 に 至 る 南 西 方 面 を 挙 げ その 海 4 第 180 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 3 号 15 頁 ( 平 24.1.27) 5 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 第 18 号 17 頁 ( 平 24.2.29) 6 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 6 号 7 頁 ( 平 24.3.12) 7 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 6 号 8 頁 ( 平 24.3.12) 8 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 6 号 8 頁 ( 平 24.3.12) 9 取 引 ごとに 日 米 両 政 府 の 代 表 者 が 署 名 する 文 書 で これに 基 づき 有 償 援 助 が 行 われる この 文 書 には 両 政 府 が 合 意 する 調 達 品 などの 内 容 及 び 価 格 納 入 予 定 時 期 等 の 条 件 が 記 載 される 10 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 5 号 19 ~ 20 頁 ( 平 24.6.15) 11 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 5 号 7 頁 ( 平 24.6.15) 12 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 5 号 8 頁 ( 平 24.6.15) 25 年 度 の 概 算 要 求 では 2 機 308 億 円 を 要 求 している 13 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 5 号 3 頁 ( 平 24.6.15) 90

域 に 周 辺 諸 国 からじわじわと 寄 ってこられているとの 表 現 をし 危 機 感 を 示 した 14 こういった 現 状 認 識 の 下 具 体 的 な 方 策 を 問 われた 森 本 大 臣 は 島 々が 連 なる 海 域 地 域 というものを 常 に 有 効 に 守 るためには 常 続 不 断 に 警 戒 監 視 機 能 というものを 強 化 し あり 得 べきリスクが 近 寄 るとき できるだけ 早 期 に 発 見 して 対 応 できる 能 力 を 常 に 持 って いることが 必 要 であると 指 摘 した 15 また その 上 で 必 要 な 防 衛 力 を 有 効 に 対 応 でき るように 迅 速 かつ 柔 軟 に 機 動 展 開 し 必 要 な 対 応 ができるような 体 制 を 常 に 取 っておく そのためにいろいろな 輸 送 能 力 が 必 要 であることは 言 うまでもないと 述 べ その 能 力 の 向 上 の 重 要 性 を 指 摘 した 16 これに 関 連 して 尖 閣 諸 島 で 不 法 侵 入 などの 不 測 の 事 態 が 起 こった 場 合 の 対 応 について 問 われた 野 田 総 理 は 尖 閣 諸 島 を 含 め 我 が 国 の 領 土 領 海 で 周 辺 国 による 不 法 行 為 が 発 生 した 場 合 には 必 要 に 応 じて 自 衛 隊 を 用 いることも 含 め 政 府 全 体 で 毅 然 として 対 応 す ると 答 弁 した 17 下 条 防 衛 大 臣 政 務 官 は 一 義 的 には 海 上 保 安 庁 が 対 応 するが 武 力 攻 撃 に 該 当 すると 判 断 した 場 合 には 防 衛 出 動 一 般 の 警 察 をもって 治 安 を 維 持 することができ ない 緊 急 事 態 の 場 合 は 治 安 出 動 海 上 警 備 行 動 で 自 衛 隊 が 対 処 することになると 答 弁 した 18 3. 北 朝 鮮 によるミサイル 発 射 事 案 への 対 処 平 成 24 年 3 月 19 日 国 際 海 事 機 関 (IMO)から 北 朝 鮮 当 局 から 地 球 観 測 衛 星 打 上 げのための 事 前 通 報 があった 旨 の 連 絡 があった それによれば 北 朝 鮮 当 局 は 4 月 12 日 から 同 月 16 日 までの 毎 日 午 前 7 時 から 12 時 まで( 日 本 時 間 ) 黄 海 及 びフィリピン 東 方 海 域 に 落 下 区 域 を 設 定 したとのことであった このような 状 況 を 踏 まえ 3 月 27 日 田 中 大 臣 が 弾 道 ミサイル 等 に 対 する 破 壊 措 置 等 の 準 備 に 関 する 命 令 ( 準 備 命 令 )を 発 出 し 準 備 を 開 始 するとともに 政 府 は 同 月 30 日 の 安 全 保 障 会 議 において 北 朝 鮮 からの 人 工 衛 星 と 称 するミサイル 発 射 への 対 応 方 針 を 確 認 した また 同 日 防 衛 大 臣 が 自 衛 隊 法 第 82 条 の3 第 3 項 等 に 基 づく 弾 道 ミサイル 等 に 対 する 破 壊 措 置 等 の 実 施 に 関 する 命 令 を 発 出 し SM-3 搭 載 イージス 艦 を 日 本 海 に1 隻 東 シナ 海 に2 隻 ペトリオットPAC-3 部 隊 を 沖 縄 県 内 4か 所 ( 本 島 2 宮 古 島 1 石 垣 島 1) 首 都 圏 に3か 所 それぞれ 展 開 させるとともに 万 が 一 の 落 下 による 被 害 に 迅 速 に 対 処 するため 所 要 の 部 隊 を 南 西 諸 島 に 派 遣 するなどの 対 応 をとった 前 回 の 北 朝 鮮 によるミサイル 発 射 事 案 ( 平 成 21 年 4 月 )と 異 なり 準 備 命 令 の 段 階 で 公 表 した 理 由 について 渡 辺 副 大 臣 は 南 西 諸 島 という 遠 隔 地 であるということを 踏 まえ 適 地 に 輸 送 をするには 時 間 は 少 しでも 欲 しいと 述 べた 19 14 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 第 28 号 4 頁 ( 平 24.8.23) 15 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 6 号 3 頁 ( 平 24.6.19) 16 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 6 号 3 頁 ( 平 24.6.19) 17 第 180 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 30 号 21 頁 ( 平 24.7.26) 18 第 180 回 国 会 衆 議 院 決 算 行 政 監 視 委 員 会 議 録 第 2 号 5~6 頁 ( 平 24.4.12) 19 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 2 号 4 頁 ( 平 24.3.27) 91

首 都 圏 及 び 飛 翔 予 定 経 路 の 下 となる 沖 縄 県 にPAC-3が 配 置 されたが 他 地 域 に 配 備 されない 理 由 また 特 に 首 都 圏 に 配 備 された 理 由 が 質 された この 点 について 田 中 大 臣 は 基 本 的 には 南 西 諸 島 を 除 く 地 域 については 落 下 する 可 能 性 はほとんどないと 考 え 政 治 経 済 の 中 枢 機 能 が 集 中 している 首 都 圏 については 念 には 念 を 入 れてPAC-3 部 隊 の 配 備 を 行 ったと 答 弁 した 20 4 月 13 日 午 前 7 時 40 分 頃 防 衛 省 自 衛 隊 は 北 朝 鮮 西 岸 からの 何 らかの 飛 翔 体 の 発 射 に 関 する 米 国 からの 早 期 警 戒 情 報 (SEW)の 受 信 を 確 認 した その 後 当 該 発 射 につい て 北 朝 鮮 が 人 工 衛 星 と 称 するミサイルを 発 射 したものであると 判 断 した 当 該 ミサ イルは 1 分 以 上 飛 翔 し 数 個 に 分 かれて 黄 海 に 落 下 したため 発 射 は 失 敗 したものと 政 府 は 判 断 した 同 日 夕 刻 防 衛 大 臣 が 弾 道 ミサイル 等 に 対 する 破 壊 措 置 等 の 終 結 に 関 す る 命 令 を 発 出 し 速 やかに 展 開 していた 部 隊 を 撤 収 させた ミサイルは1 分 以 上 飛 行 し 黄 海 上 に 落 下 したため 日 本 への 影 響 はなかったが 政 府 の 対 応 については 運 用 面 での 多 くの 課 題 が 指 摘 された 特 に 米 国 や 韓 国 と 比 べ 発 射 情 報 の 国 民 への 伝 達 が 遅 れたことから 米 国 との 連 携 がきちんと 取 られていたのか また 米 国 のSEWと 自 衛 隊 のレーダーによるダブルチェック 方 式 が 適 切 であったのか 等 の 質 問 がな された この 点 について 防 衛 省 は 米 国 からSEWはもたらされたものの 発 射 弾 数 や 落 下 予 想 地 域 等 が 不 明 だったため 自 衛 隊 のレーダー 等 を 用 いて 情 報 の 正 確 性 等 について 確 認 を 行 おうとしたが 自 衛 隊 のイージス 艦 や 国 内 のレーダーサイトは 見 通 し 線 圏 外 にあ ったため 探 知 できなかった 結 果 として 二 重 の 確 認 というのは 行 うことができなかったと 答 弁 した 21 ダブルチェック 方 式 について 野 田 総 理 は 平 成 21 年 4 月 のミサイル 発 射 対 応 の 際 にSEWの 誤 報 があったことを 踏 まえ 今 回 はダブルチェックをしながら 公 表 をす るということが 基 本 的 な 考 え 方 だったと 述 べつつも 国 民 への 情 報 伝 達 のプロセスについ て 改 善 すべき 点 はあったろうと 思 うと 述 べた 22 藤 村 官 房 長 官 は 情 報 発 信 の 内 容 ある いはタイミング 等 について 配 慮 すべき 点 があった 4 月 16 日 に 官 邸 に 設 置 した 北 朝 鮮 ミ サイル 発 射 事 案 に 係 る 政 府 危 機 管 理 対 応 検 証 チームにおいて 特 に 情 報 伝 達 を 含 めてしっ かりと 検 証 し 反 省 すべき 点 があれば 反 省 し 今 後 改 善 していきたいと 述 べた 23 官 邸 の 検 証 チームは 防 衛 省 から 官 邸 対 策 室 への 情 報 伝 達 官 邸 から 国 民 への 情 報 発 信 の2つの 観 点 から 検 証 を 行 い 4 月 26 日 報 告 書 を 公 表 した 同 報 告 書 には 防 衛 省 中 央 指 揮 所 と 官 邸 を 結 ぶ 端 末 について 記 載 がないとの 指 摘 があったが チーム 座 長 を 務 めた 齋 藤 内 閣 官 房 副 長 官 は 防 衛 省 と 官 邸 対 策 室 の 間 の 情 報 伝 達 に 係 る 個 々の 具 体 的 なシステム 機 器 の 運 用 の 詳 細 については 報 告 書 に 記 載 し 公 表 することは 適 切 ではないと 考 えたとの 見 解 を 示 した 24 また 防 衛 省 は 独 自 の 検 証 対 応 検 討 チームを 設 け 同 チームは6 月 15 20 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 17 号 16 頁 ( 平 24.4.3) 21 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 3 号 3 頁 ( 平 24.4.17) 22 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 第 24 号 5 頁 ( 平 24.4.18) 23 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 会 議 録 第 24 号 3 頁 ( 平 24.4.18) 24 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 6 号 20 頁 ( 平 24.7.31) 92

日 に 報 告 書 を 公 表 した 25 今 回 の 事 案 では 米 国 から 寄 せられたSEWをダブルチェックするための 時 間 を 要 したこ となどの 反 省 から 日 本 も 独 自 に 早 期 警 戒 衛 星 を 保 有 すべきとの 意 見 も 出 されたが 野 田 総 理 は 安 全 保 障 と 防 衛 力 の 在 り 方 という 大 局 的 な 議 論 を 踏 まえながら 防 衛 目 的 の 機 能 と 例 えば 多 目 的 の 機 能 森 林 が 火 災 した 場 合 等 々 そういう 機 能 に 対 するチェックなど も 含 め デュアルユースの 可 能 性 費 用 対 効 果 の 観 点 なども 含 めて 政 府 全 体 で 検 討 すべ きものと 認 識 をしているとの 考 えを 示 した 26 4. 武 器 輸 出 三 原 則 等 我 が 国 は 対 米 武 器 技 術 供 与 を 始 め 武 器 輸 出 三 原 則 等 27 について 内 閣 官 房 長 官 談 話 等 により 個 別 の 事 案 ごとに 例 外 化 の 措 置 を 講 じてきた しかし 防 衛 大 綱 において 平 和 への 貢 献 や 国 際 的 な 協 力 国 際 共 同 開 発 生 産 における 大 きな 変 化 に 対 応 するための 方 策 につい て 検 討 することとされ 政 府 は 内 閣 官 房 防 衛 外 務 経 産 各 省 の 副 大 臣 級 会 議 を 経 て 平 成 23 年 12 月 27 日 の 安 全 保 障 会 議 において 国 際 共 同 開 発 生 産 人 道 目 的 の 装 備 品 供 与 を 包 括 的 に 例 外 化 することを 決 定 し 同 日 防 衛 装 備 品 等 の 海 外 移 転 に 関 する 基 準 について の 内 閣 官 房 長 官 談 話 を 発 表 した 同 談 話 においては 防 衛 装 備 品 等 の 海 外 への 移 転 について これまで 個 別 に 例 外 化 してきた 手 法 を 改 め 1 平 和 貢 献 国 際 協 力 に 伴 う 案 件 2 我 が 国 の 安 全 保 障 に 資 する 防 衛 装 備 品 等 の 国 際 共 同 開 発 生 産 に 関 する 案 件 は 包 括 的 に 例 外 化 措 置 を 講 じ 今 後 は 新 たな 基 準 により 処 理 することとなった 武 器 輸 出 を 行 わず 長 年 築 き 上 げてきた 国 際 社 会 からの 信 頼 を 失 うことを 十 分 議 論 した のかと 問 われた 野 田 総 理 は 武 器 輸 出 三 原 則 等 が 国 際 紛 争 等 の 助 長 を 回 避 するという 平 和 国 家 としての 基 本 的 な 理 念 に 基 づくものであり 政 府 としてこの 基 本 的 理 念 を 引 き 続 き 堅 持 す る 今 回 の 基 準 は 内 外 に 及 ぼす 影 響 などを 総 合 的 に 勘 案 した 結 果 国 益 にかなっていると 考 えている また 今 後 我 が 国 の 事 前 同 意 なく 目 的 外 使 用 や 第 三 国 移 転 が 行 われないなど の 厳 格 な 管 理 が 実 効 的 に 機 能 する 枠 組 みを 整 備 し 適 切 に 運 用 する 旨 述 べた 28 今 後 の 運 用 の 方 向 性 を 問 われた 渡 辺 副 大 臣 は 日 本 の 技 術 によって 人 の 命 を 救 ったり 人 を 助 け 出 したりするようなものがあるならば 積 極 的 にやっていくべきであるとの 認 識 を 示 した 29 25 官 邸 チームの 報 告 書 は http://www.kantei.go.jp/jp/topics/2012/pdf/0426houkokusho.pdf 防 衛 省 チ ームの 報 告 書 は [http://www.mod.go.jp/j/press/news/2012/06/15b_1.pdf を 参 照 26 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 第 24 号 4 頁 ( 平 24.4.18) 27 武 器 輸 出 三 原 則 等 とは 昭 和 42 年 に 佐 藤 総 理 が 政 府 の 運 用 方 針 として 表 明 した 武 器 輸 出 三 原 則 (1 共 産 圏 諸 国 2 国 連 決 議 により 武 器 等 の 輸 出 が 禁 止 されている 国 3 国 際 紛 争 当 事 国 又 はそのおそれのある 国 に 対 する 武 器 輸 出 は 認 めない)と 昭 和 51 年 に 三 木 総 理 が 発 表 した 武 器 輸 出 についての 政 府 統 一 見 解 (1 三 原 則 対 象 地 域 については 武 器 の 輸 出 は 認 めない 2 三 原 則 対 象 地 域 以 外 の 地 域 については 武 器 の 輸 出 を 慎 む 3 武 器 製 造 関 連 設 備 の 輸 出 については 武 器 に 準 じて 取 り 扱 う)を 合 わせた 呼 称 28 第 180 回 国 会 参 議 院 本 会 議 録 第 3 号 7 頁 ( 平 24.1.30) 29 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 6 号 11 頁 ( 平 24.7.31) 93

5. 防 衛 大 臣 の 交 代 と 民 間 出 身 の 防 衛 大 臣 登 用 平 成 23 年 9 月 の 野 田 内 閣 の 発 足 以 来 3 人 の 防 衛 大 臣 が 任 命 された 最 初 の 一 川 大 臣 は 就 任 時 の 安 全 保 障 の 素 人 発 言 宮 中 晩 餐 会 欠 席 不 適 切 な 発 言 をした 沖 縄 防 衛 局 長 に 対 す る 監 督 責 任 等 を 問 われ 30 平 成 23 年 12 月 9 日 の 参 議 院 本 会 議 で 問 責 決 議 が 可 決 された 同 決 議 には 法 的 拘 束 力 はないが 翌 年 1 月 13 日 の 内 閣 改 造 の 際 には 再 任 されなかった また 2 番 目 の 田 中 大 臣 は 北 朝 鮮 のミサイル 発 射 への 対 応 防 衛 大 臣 としての 自 覚 緊 張 感 の 欠 如 等 を 問 われ 31 4 月 20 日 の 参 議 院 本 会 議 で 問 責 決 議 が 可 決 され 6 月 4 日 の 内 閣 改 造 の 際 には 再 任 されなかった 現 在 の 森 本 大 臣 は 6 月 4 日 に 就 任 したが 歴 代 の 防 衛 庁 長 官 防 衛 大 臣 を 通 じて 初 の 国 会 に 議 席 を 有 しない( 民 間 出 身 の) 防 衛 大 臣 である( 前 職 は 拓 殖 大 学 海 外 事 情 研 究 所 長 ) 国 会 に 議 席 を 有 してない 防 衛 大 臣 が 自 衛 隊 の 隊 務 を 統 括 することについて 文 民 統 制 の 在 り 方 の 観 点 から 議 論 が 行 われた 野 田 総 理 は 防 衛 大 臣 が 国 会 議 員 でなければならないとい う 議 論 は 憲 法 からは 解 釈 できず 防 衛 に 関 する 予 算 や 法 律 は 国 会 の 議 決 を 経 ており 軍 事 よ りも 政 治 が 優 先 をするという 原 理 は 貫 徹 をされている 旨 答 弁 した 32 他 方 森 本 大 臣 は 立 法 府 の 人 間 でない 民 間 人 は 立 法 府 や 政 党 に 対 するいろいろな 働 きかけ 根 回 し 等 で 力 量 が 不 足 するとの 認 識 を 示 し 副 大 臣 政 務 官 の 協 力 を 得 ながら 総 理 官 房 長 官 並 びに 関 係 の 大 臣 に 教 わって 自 分 の 職 務 を 遂 行 したいと 述 べた 33 6. 集 団 的 自 衛 権 野 田 総 理 が 野 党 時 代 に 著 書 の 中 で 集 団 的 自 衛 権 行 使 の 容 認 を 提 唱 していたことから 総 理 在 任 中 に 従 来 の 政 府 見 解 を 見 直 す 考 えがないか 質 された 野 田 総 理 は 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 は 憲 法 上 許 されないとの 政 府 解 釈 を 内 閣 総 理 大 臣 として 現 時 点 で 変 えることはないと 答 弁 した 34 その 後 平 成 24 年 7 月 6 日 政 府 の 国 家 戦 略 会 議 ( 議 長 : 内 閣 総 理 大 臣 )のフロンティア 分 科 会 ( 座 長 : 大 西 隆 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 教 授 )は 野 田 総 理 に 提 出 した 報 告 書 に おいて 集 団 的 自 衛 権 に 関 する 解 釈 など 旧 来 の 制 度 慣 行 の 見 直 しに 言 及 しているが 野 田 総 理 は 1つの 有 識 者 の 会 議 であり それが 政 府 の 方 針 というわけではないと 述 べた 35 一 方 で 野 田 総 理 は 集 団 的 自 衛 権 の 問 題 については 様 々な 議 論 があってしかるべきとの 認 識 も 示 した 36 大 臣 就 任 前 に 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 に 積 極 的 な 意 見 を 表 明 していた 森 本 大 臣 は 閣 僚 の 一 員 として 任 務 を 遂 行 する 間 憲 法 の 枠 の 中 で 集 団 的 自 衛 権 問 題 を 考 えるとし 少 なくとも 今 の ところ 政 府 解 釈 を 変 える 考 えがない 旨 答 弁 した 37 また 同 大 臣 は 集 団 的 自 衛 権 は 本 質 的 30 第 179 回 国 会 参 議 院 本 会 議 録 第 12 号 9~ 14 頁 ( 平 23.12.9) 31 第 180 回 国 会 参 議 院 本 会 議 録 第 13 号 4~7 頁 ( 平 24.4.20) 32 第 180 回 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 第 25 号 12 頁 ( 平 24.6.12) 33 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 5 号 6 頁 ( 平 24.6.15) 34 例 えば 第 179 回 国 会 参 議 院 本 会 議 録 第 4 号 5 頁 ( 平 23.11.1) 35 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 第 27 号 17 頁 ( 平 24.7.12) 36 第 180 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 30 号 21 頁 ( 平 24.7.26) 37 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 21 号 6 頁 ( 平 24.6.13) 94

に 同 盟 関 係 に 係 る 問 題 であり 現 在 の 日 米 同 盟 の 中 で 日 本 が 米 国 にどのような 協 力 ができ 日 米 がどのような 役 割 分 担 をするのかについて 質 的 量 的 に 充 実 拡 充 することを 優 先 的 に 考 えるべきであり それによって 本 来 集 団 的 自 衛 権 が 持 っている 役 割 の 多 くが 今 の 憲 法 の 枠 内 で 可 能 となり 集 団 的 自 衛 権 はその 先 の 問 題 であるとの 認 識 を 示 した 38 7. 国 際 平 和 協 力 法 改 正 防 衛 大 綱 では グローバルな 安 全 保 障 環 境 の 改 善 に 取 り 組 むため 国 際 平 和 協 力 活 動 の 実 態 を 踏 まえ PKO 参 加 五 原 則 等 我 が 国 の 参 加 の 在 り 方 を 検 討 する と 記 述 されている こ れを 受 け 今 後 の 我 が 国 の 国 連 PKO 等 に 対 する 協 力 の 在 り 方 を 検 討 することを 目 的 に 内 閣 府 内 閣 官 房 外 務 省 防 衛 省 の 副 大 臣 等 をメンバーとして 設 置 された PKOの 在 り 方 に 関 する 懇 談 会 ( 座 長 : 東 内 閣 府 副 大 臣 ( 当 時 ))は 平 成 23 年 7 月 に 中 間 取 りまとめ を 発 表 し 現 場 に 所 在 しない 文 民 等 や 攻 撃 された 他 国 部 隊 等 の 救 援 (いわゆる 駆 けつけ 警 護 )のための 武 器 の 使 用 が 認 められていないこと 等 の 法 制 面 の 課 題 等 が 示 された これを 踏 まえ 政 府 は 関 係 省 庁 間 で 法 改 正 の 要 否 を 含 む 検 討 を 行 っている 39 具 体 的 な 検 討 項 目 につ いて 政 府 は 国 連 のPKOの 法 的 性 格 紛 争 当 事 者 の 範 囲 停 戦 合 意 要 件 の 有 無 文 民 によ る 活 動 への 参 加 五 原 則 の 適 用 平 和 構 築 支 援 警 護 業 務 安 全 確 保 業 務 当 該 業 務 遂 行 に 必 要 な 権 限 あるいは 国 連 の 人 物 防 護 任 務 防 衛 のための 武 器 使 用 宿 営 地 の 共 同 防 衛 後 方 支 援 司 令 官 ポスト 損 害 賠 償 請 求 権 の 放 棄 PKO 法 に 基 づき 派 遣 された 自 衛 隊 によるP KO 以 外 の 活 動 を 行 っている 米 軍 等 への 物 品 役 務 の 提 供 国 際 的 な 選 挙 監 視 活 動 による 協 力 の 範 囲 の 拡 大 であることを 明 らかにした 40 その 後 24 年 7 月 には 自 衛 隊 の 宿 営 地 外 にいる 文 民 が 襲 われた 場 合 に 自 衛 隊 が 助 けに 行 く 駆 けつけ 警 護 を 可 能 とする 国 際 平 和 協 力 法 改 正 案 を 開 会 中 の 第 180 回 国 会 に 提 出 する 方 針 を 固 めた 旨 の 報 道 があった 41 野 田 総 理 は 駆 けつけ 警 護 の 問 題 も 含 め 最 終 的 な 調 整 をしていることを 認 めたが 42 藤 村 官 房 長 官 は 法 制 度 運 用 の 在 り 方 の 両 面 で 検 討 す べき 課 題 があり 残 り 会 期 を 踏 まえると 第 180 回 国 会 中 の 提 出 は 厳 しいとの 見 解 を 示 し 43 結 局 国 際 平 和 協 力 法 改 正 案 は 提 出 されなかった 駆 けつけ 警 護 について 玄 葉 外 務 大 臣 は PKOに 派 遣 された 自 衛 官 自 身 の 生 命 又 は 身 体 の 危 険 が 存 在 しない 場 合 に 当 該 自 衛 官 の 所 在 地 から 離 れた 場 所 に 駆 けつけて 他 国 軍 隊 の 要 員 等 を 防 護 するために 武 器 を 使 用 することは 憲 法 第 9 条 の 禁 じる 武 力 の 行 使 との 関 係 で 慎 重 な 検 討 を 要 する 場 合 があるが 真 剣 に 検 討 していく 必 要 があるとの 認 識 を 示 している 44 ま た 森 本 大 臣 は 相 手 がどういう 組 織 であるのかということが 明 白 な 場 合 にはよいが 明 白 38 第 180 回 国 会 衆 議 院 安 全 保 障 委 員 会 議 録 第 5 号 4 頁 ( 平 24.6.15) 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 21 号 6 頁 ( 平 24.6.13) 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 6 号 12 頁 ( 平 24.6.19) 等 39 第 180 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 30 号 21 頁 ( 平 24.7.26) 40 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 3 号 9 頁 ( 平 24.3.28)) 41 産 経 新 聞 ( 平 24.7.10) 42 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 27 号 18 頁 ( 平 24.7.12) 43 平 成 24 年 7 月 27 日 藤 村 内 閣 官 房 長 官 記 者 会 見 44 第 180 回 国 会 衆 議 院 外 務 委 員 会 議 録 第 4 号 3 頁 ( 平 24.8.1) 95

でない 場 合 に 憲 法 上 許 されている 武 器 の 使 用 が 可 能 かどうかという 点 も 今 回 の 検 討 の 非 常 に 大 きな 焦 点 の1つである 旨 明 らかにしている 45 文 民 要 員 に 対 する 駆 けつけ 警 護 については 再 建 途 上 の 受 入 れ 国 が 実 施 できない 行 政 警 察 権 を 補 完 するものであり 国 際 的 な 武 力 紛 争 ではなく 憲 法 の 禁 ずる 武 力 の 行 使 には 当 た らないとして 容 認 する 方 向 で 調 整 が 行 われているとの 報 道 があり 46 玄 葉 外 務 大 臣 は 内 閣 法 制 局 との 調 整 にてこずっている と 述 べた 47 8. 普 天 間 飛 行 場 の 移 設 問 題 平 成 21 年 9 月 の 政 権 交 代 後 政 府 は 普 天 間 飛 行 場 の 移 設 先 について 再 検 討 を 行 ってい たが 23 年 6 月 の 日 米 安 全 保 障 協 議 委 員 会 ( 2+2 外 務 防 衛 の 担 当 閣 僚 で 構 成 ) において 名 護 市 辺 野 古 区 域 等 に 建 設 する 滑 走 路 の 形 状 をV 字 と 決 定 し 従 来 の 日 米 合 意 案 に 回 帰 し 完 成 時 期 について 平 成 26 年 より 後 のできるだけ 早 い 時 期 に 完 了 させるこ とを 確 認 した その 後 政 府 は 建 設 工 事 に 入 るための 環 境 影 響 評 価 の 手 続 を 再 開 し 環 境 影 響 評 価 書 を 23 年 末 から 24 年 初 めにかけて 沖 縄 県 知 事 へ 送 付 した 現 在 2 月 20 日 及 び3 月 27 日 に 述 べられた 評 価 書 に 対 する 沖 縄 県 知 事 意 見 を 勘 案 して 評 価 書 の 補 正 作 業 を 進 めている 仲 井 眞 沖 縄 県 知 事 が 辺 野 古 移 設 は 事 実 上 不 可 能 と 発 言 していることもあり 公 有 水 面 の 埋 立 に 関 する 知 事 の 承 認 権 限 を 見 直 す 特 別 措 置 法 の 制 定 の 可 能 性 を 問 われたが 野 田 総 理 は 特 措 法 はつくらない 事 を 荒 立 てて 物 事 を 強 引 に 進 めることはないと 答 弁 した 48 また 24 年 2 月 8 日 日 米 両 政 府 は 共 同 報 道 発 表 を 発 出 し 辺 野 古 移 設 の 現 在 の 計 画 が 唯 一 の 有 効 な 進 め 方 であると 信 じている とし 海 兵 隊 のグアムへの 移 転 と 嘉 手 納 飛 行 場 以 南 の 土 地 の 返 還 の 双 方 を 普 天 間 飛 行 場 移 設 に 関 する 進 展 から 切 り 離 すこと(パッ ケージの 切 離 し)について 公 式 な 議 論 を 開 始 したことを 明 らかにした パッケージの 切 離 しのメリットについて 玄 葉 外 務 大 臣 は (3 事 業 とも 進 展 していない) 膠 着 状 態 を 打 開 するため 沖 縄 の 負 担 を 先 行 して 軽 減 していく つまりグアム 移 転 と 嘉 手 納 以 南 の 土 地 の 返 還 を 着 実 に 進 め 沖 縄 の 皆 様 に 丁 寧 に 理 解 を 求 めながら 辺 野 古 移 設 を 進 めることで 本 来 の 日 米 同 盟 の 在 り 方 についての 議 論 が 進 展 しやすくなると 考 えていると 述 べた 49 さらに 24 年 4 月 27 日 の2+2において 日 米 両 政 府 は 辺 野 古 崎 地 区 等 に 建 設 するこ とが 計 画 されている 普 天 間 飛 行 場 の 代 替 施 設 が 引 き 続 き これまでに 特 定 された 唯 一 の 有 効 な 解 決 策 である との 認 識 を 再 確 認 した この 文 言 が 入 った 理 由 について 玄 葉 外 務 大 臣 は この 文 書 を 最 終 的 に 確 定 をしていく 中 で 米 国 議 会 との 様 々な 調 整 を 行 った 結 果 45 第 180 回 国 会 参 議 院 外 交 防 衛 委 員 会 会 議 録 第 8 号 10 頁 ( 平 24.7.31) 46 毎 日 新 聞 ( 平 24.7.13) 産 経 新 聞 ( 平 24.7.20) 等 47 第 180 回 国 会 衆 議 院 外 務 委 員 会 議 録 第 4 号 3 頁 ( 平 24.8.1) 48 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録 4 号 37 頁 ( 平 24.2.2) 49 第 180 回 国 会 衆 議 院 予 算 委 員 会 第 11 号 2 頁 ( 平 24.2.17) 96

として 出 てきたものであることを 明 らかにした 50 9. 垂 直 離 着 陸 機 MV- 22(オスプレイ)の 配 備 問 題 MV- 22 は 回 転 翼 機 の 垂 直 離 着 陸 やホバリングの 機 能 と 固 定 翼 機 の 高 速 飛 行 及 び 長 い 航 続 距 離 を 持 ち 合 わせた 航 空 機 で 輸 送 ヘリCH- 46 と 比 較 すると 最 大 速 度 は 約 2 倍 搭 載 量 は 約 3 倍 行 動 半 径 は 約 4 倍 である 米 海 兵 隊 においては 老 朽 化 したCH - 46 を MV- 22 へと 更 新 する 計 画 が 進 められている(24 年 7 月 1 日 現 在 約 150 機 保 有 ) 平 成 23 年 6 月 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 されているCH- 46 をMV- 22 へ 更 新 するこ とが 米 国 防 省 より 公 表 され 24 年 6 月 29 日 米 国 政 府 から 同 年 10 月 初 旬 に 普 天 間 飛 行 場 の1 個 飛 行 隊 12 機 のCH- 46 を 同 数 のMV- 22 に 更 新 する 旨 の 接 受 国 通 報 が 行 わ れた 米 国 から 民 間 船 舶 で 輸 送 されたMV- 22 は 7 月 23 日 山 口 県 岩 国 飛 行 場 に 陸 揚 げされ 同 飛 行 場 で 調 整 の 後 普 天 間 飛 行 場 に 配 備 され 運 用 される 段 取 りとなっている MV- 22 は 開 発 段 階 での 墜 落 事 故 が 相 次 いだことなどから 安 全 性 に 対 する 懸 念 が 示 された 野 田 総 理 は 当 初 地 元 の 方 々が 安 心 できるよう 丁 寧 に 誠 意 を 持 って 御 説 明 す るとしていた 51 24 年 4 月 (モロッコ) 及 び6 月 (フロリダ 空 軍 仕 様 CV- 22)にも 墜 落 事 故 が 発 生 したにもかかわらず 米 側 は 配 備 スケジュールを 変 更 しない 姿 勢 を 見 せた 他 方 沖 縄 県 知 事 は 安 全 性 に 対 し 強 い 懸 念 を 示 すとともに 配 備 拒 否 を 明 言 するようにな った 52 安 全 性 の 確 認 を 問 われた 野 田 総 理 は 2つの 事 故 調 査 結 果 が 日 本 政 府 に 提 供 され 飛 行 運 用 の 安 全 性 がしっかりと 再 確 認 されるまでは 飛 行 運 用 を 行 わないという 政 府 の 方 針 があり 米 側 も 同 様 の 認 識 を 示 していることを 明 らかにした 上 で その 調 査 結 果 を 政 府 全 体 でしっかり 分 析 評 価 し 地 元 に 丁 寧 に 説 明 し 理 解 を 得 られるよう 全 力 を 尽 くすと した 53 また 玄 葉 外 務 大 臣 は 日 本 政 府 自 身 が 安 全 性 を 主 体 的 に 確 認 をし 日 米 合 同 委 員 会 等 を 通 じて 運 用 の 在 り 方 等 についてしっかりと 調 整 をしていくと 答 弁 した 54 また 配 備 の 必 要 性 について 問 われた 野 田 総 理 は 在 沖 海 兵 隊 の 能 力 の 向 上 やアジア 太 平 洋 地 域 における 日 米 同 盟 の 抑 止 力 の 向 上 につながり 我 が 国 の 安 全 保 障 上 極 めて 重 要 であるとの 認 識 を 示 した 55 さらに 米 国 防 総 省 国 防 分 析 研 究 所 の 元 主 任 分 析 官 がオートローテーション 機 能 の 欠 如 等 6つの 欠 陥 を 指 摘 していることについて 森 本 大 臣 は 指 摘 された 時 点 では 正 しかったも のもあるが その 後 相 当 改 善 改 良 されているとした 56 ( 内 線 75161) 50 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 25 号 3 頁 ( 平 24.8.27) 51 第 178 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 3 号 12 頁 ( 平 23.9.15) 52 毎 日 新 聞 ( 平 24.7.2) 53 第 180 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 30 号 5 頁 ( 平 24.7.26) 54 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 24 号 13 頁 ( 平 24.8.24) その 後 9 月 19 日 の 日 米 合 同 委 員 会 において 飛 行 の 安 全 性 騒 音 規 制 及 び 低 空 飛 行 訓 練 を 含 め MV- 22 の 我 が 国 における 運 用 に 係 る 具 体 的 な 措 置 について 合 意 した 55 第 180 回 国 会 衆 議 院 本 会 議 録 第 30 号 5 頁 ( 平 24.7.26) 56 第 180 回 国 会 参 議 院 予 算 委 員 会 会 議 録 第 25 号 15 頁 ( 平 24.8.27) 97