「独禁法事例研究」第1回(平成25年4月22日)



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ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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第4回税制調査会 総4-1

別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

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( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

(1) 社 会 保 険 等 未 加 入 建 設 業 者 の 確 認 方 法 等 受 注 者 から 提 出 される 施 工 体 制 台 帳 及 び 添 付 書 類 により 確 認 を 行 います (2) 違 反 した 受 注 者 へのペナルティー 違 反 した 受 注 者 に 対 しては 下 記 のペ

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しかし 主 に 欧 州 の 一 部 の 回 答 者 は 受 託 責 任 について 資 源 配 分 の 意 思 決 定 の 有 用 性 とは 独 立 の 財 務 報 告 の 目 的 とすべきであると 回 答 した 本 ED に 対 する ASBJ のコメント レターにおける 意 見 経 営 者 の 受

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6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

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[2] 控 除 限 度 額 繰 越 欠 損 金 を 有 する 法 人 において 欠 損 金 発 生 事 業 年 度 の 翌 事 業 年 度 以 後 の 欠 損 金 の 繰 越 控 除 にあ たっては 平 成 27 年 度 税 制 改 正 により 次 ページ 以 降 で 解 説 する の 特 例 (

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独 禁 法 事 例 研 究 第 7 回 ( 平 成 25 年 10 月 21 日 ) 論 点 紹 介 役 から 以 下 のとおり 論 点 等 の 発 表 が 行 われた 大 建 工 業 によるC&Hの 株 式 取 得 1. 当 事 者 の 概 要 大 建 : 中 密 度 繊 維 板 (MDF) 等 の 木 質 材 料 の 製 造 販 売 業 及 び 木 質 材 料 等 を 部 材 とす る 内 装 建 材 等 の 製 造 販 売 業 を 営 む 会 社 ホクシン:MDFの 製 造 販 売 業 を 営 む 会 社 C&H:ホクシンの100% 子 会 社 で ホクシン 製 品 の 販 売 会 社 2. 本 件 の 概 要 1 大 建 は C&Hの 株 式 を 取 得 し 議 決 権 の 過 半 数 を 取 得 する( 本 件 株 式 取 得 ) 2 大 建 は 同 時 に ホクシンの 株 式 を 取 得 し 議 決 権 保 有 比 率 を15%に 引 き 上 げ MDFに 関 する 業 務 提 携 契 約 を 締 結 1により 大 建 とホクシンGの 間 に 間 接 的 な 結 合 関 係 が 生 じる 2により 大 建 GとホクシンGの 間 に( 直 接 的 な) 結 合 関 係 が 生 じる 共 同 出 資 会 社 の 場 合 は 当 事 会 社 間 の 取 引 関 係 業 務 提 携 その 他 の 契 約 等 の 関 係 を 考 慮 して 企 業 結 合 審 査 の 対 象 となる 企 業 結 合 であるか 否 かを 判 断 する(ガイドライン 第 1 の1(1)ウ) Q: 本 件 では ガイドラインの 共 同 出 資 会 社 における 結 合 関 係 の 考 え 方 に 基 づき 1に より 共 同 出 資 会 社 になり 大 建 GとホクシンGUの 上 記 ガイドラインの 記 載 にある 当 事 者 会 社 間 の 株 式 所 有 関 係 や 業 務 提 携 などが 行 われることを 考 慮 して 1 及 び2の 事 情 により 両 Gに 結 合 関 係 が 生 じると 考 えるのか? 間 接 的 な 結 合 関 係 と 直 接 的 な 結 合 関 係 では 結 論 にどのような 差 をもたらすのか? 3. 本 件 審 査 の 経 緯 平 成 24 年 4 月 以 降 大 建 が 意 見 書 を 公 取 委 に 提 出 し 公 取 委 と 会 合 を 持 つ 4 月 25 日 大 建 が 本 件 株 式 取 得 に 関 する 公 取 委 に 対 する 届 出 第 一 次 審 査 開 始 1

5 月 25 日 大 建 への 報 告 等 の 要 請 第 二 次 審 査 開 始 7 月 頃 大 建 に 要 請 した 報 告 等 の 大 部 分 が 提 出 される 公 取 委 が 論 点 等 の 説 明 を 行 う 当 事 会 社 から 追 加 の 主 張 及 び 資 料 提 出 公 取 委 が 当 事 会 社 に 対 して 競 争 上 の 問 題 を 指 摘 当 事 会 社 から 当 該 競 争 上 の 問 題 の 解 消 方 法 の 提 示 平 成 25 年 1 月 11 日 全 ての 報 告 等 の 受 理 1 月 18 日 大 建 による 変 更 報 告 書 の 提 出 1 月 24 日 排 除 措 置 命 令 を 行 わない 旨 の 通 知 他 のケースと 同 じく 当 事 者 は 大 部 分 の 報 告 をし 一 部 の 報 告 を 残 して 時 計 の 針 を 進 めずに 公 取 委 と 協 議 して 排 除 措 置 命 令 を 受 けないことが 判 明 した 段 階 で 残 り の 報 告 を 行 うということがされている 4. 審 査 結 果 の 概 要 MDFのうち 薄 物 Mタイプ 及 び 厚 物 Mタイプの 製 品 について 大 建 が 公 取 委 に 申 し 出 た 措 置 を 前 提 とすれば 本 件 株 式 取 得 が 一 定 の 取 引 分 野 における 競 争 を 実 質 的 に 制 限 す ることとはならないと 判 断 これら 以 外 の 取 引 分 野 については いずれも 本 件 株 式 取 得 が 競 争 を 実 質 的 に 制 限 す ることとはならないと 判 断 5. 一 定 の 取 引 分 野 (1) 商 品 範 囲 ア MDFの 種 類 間 の 代 替 性 MDFは 木 質 材 料 の 一 種 で 主 に 床 材 などの 内 装 建 材 の 部 材 として 使 用 されてお り その 直 接 の 需 要 者 は 内 装 建 材 メーカー 等 である また MDFを 部 材 とする 内 装 建 材 の 購 入 者 はハウスメーカー 等 である 原 材 料 となる 木 材 チップの 樹 種 厚 さ 及 び 接 着 剤 のタイプにより 異 なる 特 性 を 有 するMDFが 製 造 されている 樹 種 が 異 なるMDF 間 の 代 替 性 区 別 しない 1 1 深 町 正 徳 他 大 建 工 業 株 式 会 社 によるC&H 株 式 会 社 の 株 式 取 得 計 画 に 関 する 審 査 結 果 2

厚 さが 異 なるMDF 間 の 代 替 性 区 別 する 接 着 剤 のタイプが 異 なるMDF 間 の 代 替 性 区 別 する イ MDFとその 他 の 木 質 材 料 との 代 替 性 について MDFと 同 じ 用 途 に 使 用 される 木 質 材 料 として 合 板 及 びパーティクルボード( 以 下 PB という )が 存 在 需 要 者 にとっての 代 替 性 需 要 者 に 対 するヒアリング アンケート 結 果 によれば 品 質 の 違 い 等 や 価 格 の 店 から MDFと 合 板 及 びPBとの 間 の 需 要 者 にとっての 代 替 性 は 低 い 供 給 者 にとっての 代 替 性 MDFの 製 造 設 備 と 合 板 及 びPBの 製 造 設 備 は 異 なり 供 給 者 にとっての 代 替 性 も 認 められない したがって 代 替 性 無 く MDFの 市 場 を 見 る (2) 地 理 的 範 囲 日 本 国 内 の 需 要 者 が 内 外 の 供 給 者 から 差 別 することなく 調 達 しているものの 内 外 の 供 給 者 は 日 本 国 向 け に 差 別 化 された 商 品 を 供 給 しており 日 本 国 内 の 需 要 者 が 購 入 を 代 替 し 得 ない 場 合 は 供 給 者 は 世 界 全 体 でも 需 要 者 は 日 本 国 内 と 考 えられるこ とから 内 外 の 需 要 者 が 内 外 の 供 給 者 から 無 差 別 に 調 達 している 状 況 とは 異 なり 地 理 的 範 囲 は 日 本 国 内 で 画 定 されることになる 2 日 本 国 内 で 流 通 しているMDFは 一 部 例 外 を 除 き JISの 認 証 を 得 たMDFで あるが これは 日 本 の 需 要 者 がJISに 定 める 品 質 を 満 たした 製 品 を 選 好 して 購 入 しているためであり この 点 において 日 本 の 需 要 者 は 海 外 の 需 要 者 とは 性 質 が 異 なる そのため 地 理 的 範 囲 を 日 本 国 内 とした( 内 外 の 供 給 者 の 日 本 国 内 の 需 要 者 に 対 する 販 売 シェ アをもって 日 本 国 内 の 需 要 者 に 対 する 競 争 への 影 響 を 判 断 する) Q:JIS 認 証 を 得 たMDFということで 差 別 化 されているので JIS 認 証 を 得 た MDFの 市 場 ということ?( 一 部 例 外 を 除 き ということで 市 場 シェアを 見 るの か? について 公 正 取 引 751 号 64 頁 によれば SSNIP テストの 考 え 方 を 踏 まえたアンケート 調 査 結 果 や 経 済 分 析 等 も 活 用 しつつ 商 品 範 囲 を 画 定 したとのこと 2 田 辺 治 平 成 24 年 度 における 主 張 名 企 業 結 合 事 例 について 公 正 取 引 755 号 4 頁 参 照 3

結 論 薄 物 厚 物 Mタイプ 1 2 Uタイプ 3 4 以 下 では 1の 薄 物 Mタイプについてのみ 検 討 他 は 基 本 的 に 同 じため 6. 競 争 の 実 質 的 制 限 についての 検 討 (1) 当 事 会 社 の 地 位 及 び 競 争 の 状 況 本 件 株 式 取 得 後 の 当 事 会 社 の 合 算 市 場 シェアは 約 65%( 第 1 位 ) HHIは 約 5 500 HHI 増 分 は 約 1 800 であり 水 平 型 企 業 結 合 のセーフハーバー 基 準 ( 企 業 結 合 後 のH HIが 2 500 を 超 え かつ HHIの 増 分 が 150 以 下 である 場 合 )に 該 当 しない なお 市 場 シェアが 約 35%のA 社 ( 国 内 メーカー)という 有 力 な 競 争 事 業 者 が 存 在 Q:こういう 場 合 有 力 な 競 争 事 業 者 が1 社 しかいないので 企 業 結 合 の 競 争 制 限 効 果 は 大 きいと 読 むのか?1 社 しかいないが 約 35%を 有 する 有 力 な 競 争 事 業 者 がいるか ら 企 業 結 合 の 競 争 制 限 効 果 は 小 さいと 読 むのか? (2) 供 給 余 力 MDFメーカー 各 社 の 設 備 稼 働 率 はおおむね 100%であり 一 定 量 の 増 産 が 可 能 だ が 各 社 とも 供 給 余 力 が 十 分 にあるとは 認 められない (3) 海 外 メーカー 品 からの 競 争 圧 力 現 在 海 外 メーカー 品 は 国 内 でほとんど 流 通 していない 需 要 者 に 対 するヒアリングでは 薄 物 MタイプのMDFについて 海 外 メーカー 品 では 必 要 な 性 能 を 確 保 できないとの 意 見 したがって 海 外 メーカー 品 からの 競 争 圧 力 は 認 められない 4

(4) 参 入 圧 力 少 子 化 や 人 口 減 少 の 流 れの 中 今 後 住 宅 着 工 件 数 が 劇 的 に 伸 びるということは 考 え にくい 中 で MDFの 製 造 設 備 の 導 入 には 数 十 億 円 の 投 資 が 必 要 となること また 原 材 料 チップの 調 達 先 を 新 たに 確 保 することが 必 ずしも 容 易 ではないことから 新 規 参 入 の 可 能 性 は 低 いと 考 えられる したがって 参 入 圧 力 は 認 められない (5) 隣 接 市 場 からの 競 争 圧 力 薄 物 MタイプのMDFの 価 格 が 上 昇 したとしても 直 接 の 需 要 者 である 内 装 建 材 メ ーカーが 合 板 又 はPBに 切 り 換 える 割 合 は 低 く(5% 弱 ) ( 直 接 的 な) 隣 接 市 場 から の 競 争 圧 力 が 働 いているとは 認 められない 以 上 の(1)から(5)では 競 争 の 実 質 的 制 限 を 肯 定 する 方 向 の 認 定 をしている が (5)で 直 接 的 な と 書 いていることから 後 半 で 間 接 的 な 隣 接 市 場 からの 競 争 圧 力 が 働 いていると 流 すのだろうなと 推 測 MDF 市 場 合 板 市 場 MDFの 製 造 大 建 G ホクシン 合 板 の 製 造 販 売 業 者 MDFの 販 売 大 建 G C&H 床 材 メーカー 大 建 G MDFを 用 いる 合 板 のみ 合 板 のみ (MDFの 需 要 者 ) 必 要 ある 者 も 可 能 な 者 利 用 する 者 床 材 需 要 者 ハウスメーカー(A B C ) 床 材 市 場 (6) 内 装 建 材 製 品 レベルでの 合 板 等 との 代 替 性 当 事 者 の 主 張 を 受 け 入 れる 5

床 材 の 基 材 としては 薄 物 MDF+ 合 板 基 材 のほかに 合 板 基 材 が 広 く 用 い+ られている 近 年 薄 物 MDF+ 合 板 基 材 の 床 材 の 割 合 が 増 加 しつつあるが 依 然 として 合 板 基 材 の 床 材 の 方 が 多 くを 占 めている 床 材 の 需 要 者 であるハウスメーカー 等 からのヒアリングによれば 合 板 基 材 の 床 材 でもよく 切 替 え 可 能 床 材 の 需 要 者 は 激 しく 競 争 床 材 の 供 給 者 も 値 上 げが 難 しいから 競 争 制 限 効 果 ない: 公 取 委 の 認 定 ( 床 材 の 原 料 となる 薄 物 MDFの 値 上 げも 難 しい): 一 定 の 取 引 分 野 との 関 係 で 本 来 ここまで 認 定 すべき 3 実 質 的 には 需 要 者 からの 競 争 圧 力 (7) 垂 直 型 市 場 閉 鎖 に 係 る 検 討 ガイドラインでは 競 争 単 位 の 減 少 を 伴 わないので 競 争 に 与 える 影 響 は 大 きくな く 市 場 の 閉 鎖 性 排 他 性 協 調 的 行 動 等 による 競 争 の 実 質 的 制 限 の 問 題 を 生 じない 限 り 通 常 一 定 の 取 引 分 野 における 競 争 を 実 質 的 に 制 限 することとなるとは 考 えら れないとされている(ガイドライン 第 5の1) 本 件 株 式 取 得 は 垂 直 型 企 業 結 合 の 側 面 を 有 することから ホクシンGがMDF 製 造 部 門 を 有 さない 床 材 メーカー( 独 立 系 床 材 メーカー)に 販 売 していたMDFについ て 大 建 Gに 優 先 的 に 有 利 な 条 件 で 販 売 するようになること( 垂 直 型 市 場 閉 鎖 )が 考 えられる そのため 市 場 の 閉 鎖 性 による 競 争 制 限 を 検 討 している ア 垂 直 型 市 場 閉 鎖 が 競 争 に 与 える 影 響 独 立 系 床 材 メーカーの 中 には 合 板 のみではなく MDFを 用 いなくてはならな いメーカーがいること そうした 業 者 は MDFの 価 格 が 上 昇 したり MDFの 調 達 が 困 難 となったから といって 容 易 に 合 板 だけに 切 り 替 えられない 床 材 の 部 材 となる 薄 物 MタイプのMDFについて 有 力 な 競 争 事 業 者 が1 社 存 在 す るものの 当 該 事 業 者 に 十 分 な 供 給 余 力 は 認 められない 等 の 状 況 にある 中 で 市 場 シ ェア 約 45%( 注 : 公 表 文 では45%とするが 企 業 結 合 後 のシェアでみるため 65%か?)のホクシンGのMDFについて 垂 直 型 市 場 閉 鎖 が 行 われれば 独 立 系 床 材 メーカーが 競 争 的 な 行 動 をとることが 困 難 となる 3 ジュリスト 1455 号 5 頁 池 田 毅 6

独 立 系 床 材 メーカーに 対 するアンケートやヒアリングの 結 果 の 分 析 本 件 株 式 取 得 後 ホクシンGのMDFが 大 建 Gの 内 装 建 材 部 門 に 優 先 的 に 供 給 さ れることにより ホクシンGのMDFの 自 社 への 供 給 量 が 減 少 すること 等 を 懸 念 す る 意 見 が 多 くみられた そのため このままでは 市 場 の 閉 鎖 性 による 競 争 制 限 効 果 が 生 じるおそれ イ 大 建 が 申 し 出 た 措 置 ( 問 題 解 消 措 置 ) 1 本 件 株 式 取 得 実 行 後 5 年 間 C&Hをして 独 立 系 床 材 メーカーに 対 し 価 格 数 量 納 期 品 質 規 格 等 の 取 引 条 件 について 大 建 Gに 対 して 供 給 する 場 合 と 実 質 的 に 同 等 かつ 合 理 的 な 条 件 で 引 き 合 いに 応 じさせる 2 本 件 株 式 取 得 実 行 後 5 年 間 6か 月 に1 回 C&Hの 取 引 先 ごとの 薄 物 Mタイ プのMDFの 販 売 実 績 ( 受 注 日 価 格 数 量 納 期 品 質 規 格 ( 厚 さ 寸 法 等 ) 等 )について 当 委 員 会 に 報 告 をする ウ 大 建 が 申 し 出 た 措 置 の 評 価 措 置 の 内 容 本 件 措 置 の 実 行 期 間 中 (5 年 間 )については 独 立 系 床 材 メーカーにとって 大 建 Gと 実 質 的 に 同 等 かつ 合 理 的 な 条 件 で ホクシンGから 従 来 の 数 量 の 薄 物 M タイプのMDFを 調 達 できることから 当 該 メーカーが 競 争 的 な 行 動 をとること が 困 難 となるおそれはないと 考 えられる 措 置 の 期 限 措 置 の 期 限 を5 年 間 とすることについて 薄 物 MタイプのMDFを 用 いて 特 定 の 性 質 性 能 を 確 保 している 独 立 系 床 材 メーカーであっても 5 年 程 度 の 期 間 を かければ 当 該 性 質 性 能 を 有 する 床 材 を 薄 物 MDF+ 合 板 基 材 とは 別 の 基 材 ( 合 板 基 材 等 )を 用 いて 製 造 することは 十 分 に 可 能 であると 認 められることか ら 本 件 措 置 終 了 後 も 当 該 メーカーが 引 き 続 き 競 争 的 な 行 動 をとることが 可 能 で あると 認 められる したがって 大 建 が 申 し 出 た 措 置 を 踏 まえれば 本 件 株 式 取 得 による 垂 直 型 市 場 閉 鎖 は 生 じないと 考 えられる Q: 実 質 的 には MDFを 用 いなくてはならない 床 材 メーカーを 需 要 者 とする 市 場 について 検 討 している その 場 合 について 検 討 するのが 難 しいので 一 般 的 なMDF 市 場 を 検 討 しつつ その 中 で 上 記 検 討 を 行 ったのか? 端 的 に 上 7

記 市 場 を 検 討 すればよいのか( 当 事 者 の 持 って 行 き 方 の 問 題 なのか)? Q:5 年 が 合 理 的 とされているのは どのような 根 拠 が 必 要 なのか?アンケート などにより 判 断 するのか? (8) 独 占 禁 止 法 上 の 評 価 1マイナスの 事 情 薄 物 MタイプのMDFについて 当 事 会 社 の 合 算 市 場 シェアが 約 65%となり 有 力 な 競 争 事 業 者 が1 社 存 在 するものの 十 分 な 供 給 余 力 は 認 められず 海 外 メーカー 品 からの 競 争 圧 力 や 参 入 圧 力 直 接 的 な 隣 接 市 場 からの 競 争 圧 力 が 認 められない 状 況 2プラスの 事 情 薄 物 MタイプのMDFの 主 たる 用 途 である 床 材 について 薄 物 MDF+ 合 板 基 材 の 床 材 と 合 板 基 材 の 床 材 が 活 発 に 競 争 しており 間 接 的 な 隣 接 市 場 からの 競 争 圧 力 が 認 められることから 薄 物 MDF+ 合 板 基 材 の 床 材 の 価 格 が 上 昇 するなどの 競 争 制 限 効 果 が 生 じるおそれはない 大 建 が 申 し 出 た 措 置 を 前 提 とすれば 垂 直 型 市 場 閉 鎖 は 生 じないと 認 められる 3 結 論 本 件 株 式 取 得 により 当 事 会 社 の 単 独 行 動 又 は 競 争 事 業 者 との 協 調 的 行 動 によって 薄 物 MタイプのMDFの 取 引 分 野 における 競 争 が 実 質 的 に 制 限 されることとはならな いと 認 められる 8

その 後 概 要 以 下 のとおり 質 疑 が 行 われた 本 件 では 企 業 結 合 関 係 として 1 大 建 による C&H の 議 決 権 の 過 半 数 の 取 得 によ るもの( 直 接 の 結 合 関 係 )と2 大 建 によるホクシンの 議 決 権 の15%への 引 上 げ 及 び 業 務 提 携 によるもの( 間 接 の 結 合 関 係 )があるが それぞれにより どのような 差 が もたらされると 考 えたらよいのか 本 件 の 審 査 については 第 一 次 審 査 の 開 始 から 措 置 が 採 られない 旨 の 通 知 がなされ るまでに9ヶ 月 を 要 しており 審 査 期 間 がかなり 長 いという 印 象 である 本 件 では 競 争 の 実 質 的 制 限 の 問 題 が 生 じている 範 囲 は 薄 物 M タイプの MDF の みで 全 体 の 中 ではかなり 狭 いのではないか 地 理 的 範 囲 についてみると 日 本 には JIS 規 格 があるので 日 本 全 国 の 需 要 者 向 け の 市 場 が 地 理 的 範 囲 とされているが 実 際 には 海 外 メーカーからの 輸 入 もあると 記 載 されている 厚 物 M タイプの MDF については 大 建 G のシェアは 約 5%と 低 いにもかかわらず シェアが 約 20%である 薄 物 の 場 合 と 同 様 の 措 置 を 講 じる 旨 を 申 し 出 ているが 両 者 の 違 いをどのように 考 えたらよいのか 今 回 の 措 置 は C&H の 販 売 価 格 についてのものであるが 大 建 G と C&H の 製 造 段 階 における 結 合 についての 問 題 も 解 消 されるといえるのか また 市 場 画 定 の 段 階 では 合 板 と MDF は 競 争 関 係 にないとしながら ハウスメー カーの 購 入 する 内 装 建 材 製 品 レベルでは 競 合 していると 評 価 しているが どのように 考 えたらよいのか 本 件 において 誰 が 困 るかというと 床 材 として MDF のみを 用 いる 者 であろう 今 回 の 措 置 は 床 材 として MDF のみを 用 いる 者 を 保 護 するために 採 られるものであり 競 争 の 保 護 でなく 大 建 G の 競 争 者 の 保 護 といえるものであるが 企 業 結 合 案 件 にお いては 不 公 正 な 取 引 方 法 などの 案 件 とは 異 なり ある 程 度 は 競 争 者 の 保 護 の 側 面 が 出 てきてもよいのではないか 本 件 では 公 表 文 において 市 場 閉 鎖 という 用 語 が 用 いられているが 企 業 結 合 ガイドラインでは 閉 鎖 性 排 他 性 といった 用 語 が 用 いられている 閉 鎖 とい う 用 語 のほうが 排 他 という 用 語 よりも 行 為 者 の 意 図 がないような 感 じを 受 けるが 分 析 が 異 なってくるのではないか 垂 直 的 結 合 の 事 例 である ASML の 事 例 では 本 件 とは 異 なり 市 場 の 閉 鎖 性 排 他 性 との 用 語 を 使 用 しているが 本 件 では 川 下 の 床 材 市 場 で 競 争 が 制 限 されないといった 9

特 殊 事 情 があるにしても 公 取 が 意 識 的 に 用 語 を 使 い 分 けたかどうかは 定 かではない 公 取 が 垂 直 型 市 場 閉 鎖 というのは MDF のみを 使 用 する 者 を 需 要 者 とする 市 場 にお いて その 需 要 者 が 困 ることを 問 題 としているのではないかと 思 われるが 公 取 はこ れらの 者 がいなくなっても 川 下 では 競 争 があるので 問 題 は 生 じないと 言 ってしまっ ているので 話 が 不 明 確 になっている 同 じ 物 を 購 入 する 大 建 G を 外 して MDF のみを 必 要 とする 者 を 需 要 者 とする 市 場 を 画 定 するのは 事 実 関 係 からして 適 当 ではないのではないか 排 除 される 事 業 者 を 切 り 取 って 市 場 を 画 定 すると 私 的 独 占 の 事 案 などで 問 題 を 生 じるのではないか 本 件 では 垂 直 的 市 場 閉 鎖 について 公 取 は 論 点 として 挙 げているが 自 主 的 措 置 が 採 られ 違 反 とまでは 言 っていないので 分 かりにくくなっている 措 置 が5 年 間 であることについては 公 取 と 当 事 者 との 途 中 でのやり 取 りが 不 明 な ので 何 とも 言 えないが 当 事 者 がたまたま5 年 間 と 申 し 出 たという 可 能 性 もある 本 件 では 製 造 レベルでは 措 置 が 採 られていないが もともと 違 反 とされているの ではないので ということになってしまうかもしれない 結 合 関 係 について 直 接 のものと 間 接 のものがあるが ガイドライン 上 は 両 者 の 区 別 はなく 本 件 でも 併 せて 考 えれば とされており 一 体 のものとして 取 り 扱 われ ている 事 案 によっても 異 なるかもしれないが あえて 言 うと 直 接 の 結 合 は 相 手 の 意 思 決 定 に 支 配 を 通 じて 影 響 を 及 ぼし 間 接 の 結 合 は 互 いに 遠 慮 し 合 うことによる 影 響 ということになろう 思 考 の 順 序 として まず 企 業 結 合 の 有 無 を 判 断 し その 後 で 取 引 分 野 を 画 定 してい るが JV などでは 特 定 の 分 野 で 結 合 しても 他 の 分 野 では 競 争 しており まず 分 野 をみてからでないと 結 合 を 見 られないのではないか 元 々は JV のような 特 定 の 分 野 での 結 合 は 想 定 していなかったのではないか 元 々は 合 併 についての 概 念 が 株 式 取 得 共 同 出 資 会 社 というように 外 に 広 がって いったものといえる 水 平 の 競 争 制 限 を 考 えるに 当 たっては MDF のみが 必 要 な 者 も 市 場 に 存 在 する 前 提 で 価 格 への 影 響 を 検 討 し 垂 直 の 競 争 制 限 については MDF のみが 必 要 な 者 が 市 場 か らいなくなったら 価 格 はどうなるかを 検 討 するのではないか 10

興 味 深 い 指 摘 である なお 地 理 的 範 囲 のところで 一 部 例 外 を 除 き JIS の 認 証 を 得 た MDF が 国 内 で 流 通 しているとされているが これは 例 外 のものが 入 っていたとしても 僅 かであり それほど 差 はないという 趣 旨 かと 思 われる また 薄 物 M タイプの 製 造 業 者 の A 社 が1 社 で 約 35%のシェアを 有 しているが これを1 社 しかいないとみるか 有 力 な 競 争 事 業 者 がいるとみるかは 事 案 によって 判 断 することになろうが 本 件 では 川 下 で 競 争 があるので 競 争 制 限 とはならないと 評 価 されている 11

引 き 続 き 論 点 紹 介 役 から 以 下 のとおり 論 点 等 の 発 表 が 行 われた イオン 株 式 会 社 による 株 式 会 社 ダイエーの 株 式 取 得 計 画 に 関 する 審 査 結 果 について 公 取 委 平 成 25 年 7 月 19 日 報 道 発 表 資 料 1 事 案 の 概 要 と 審 査 経 緯 イオン がダイエー を 子 会 社 化 イオンGとダイエーGの 間 に 結 合 関 係 が 生 じる 平 成 25 年 2 月 から 株 式 取 得 計 画 に 関 する 会 合 3 月 1 日 ~28 日 一 次 審 査 3 月 29 日 ~ 二 次 審 査 6 月 にその 時 点 の 審 査 結 果 に 基 づき 論 点 等 の 説 明 7 月 9 日 全 ての 報 告 の 受 理 7 月 19 日 排 除 措 置 を 行 わない 旨 の 通 知 ( 不 問 通 知 ) 2 独 禁 法 上 の 検 討 (1) 既 存 の 一 定 の 結 合 関 係 イオンは ダイエーの 議 決 権 20% 弱 (19.85%)を 保 有 取 締 役 の 過 半 がイオン の 役 職 員 ( 平 成 25 年 2 月 28 日 ダイエー 第 62 期 有 報 ) は 平 成 19 年 ~ 業 務 提 携 関 係 グループ 内 の 会 社 でも 議 決 権 保 有 割 合 が 低 い 会 社 もあり 市 場 では 競 合 (?) (2) 市 場 画 定 ( 役 務 範 囲 ) スーパーマーケット 業 ( 総 合 スーパー+ 食 品 スーパー)で 画 定 ( 生 鮮 食 品 が 充 実 ) コンビニ ドラックストア ホームセンター 等 はスーパーとの 垣 根 が 低 下 している ものの 消 費 者 はそれぞれを 使 い 分 けているとのこと (3) 市 場 画 定 ( 地 理 的 範 囲 ) ダイエー 店 舗 を 基 準 に 半 径 500m~3kmの 円 状 の 地 理 的 範 囲 + 地 形 や 交 通 の 便 を 勘 案 した 実 勢 商 圏 も 必 要 に 応 じて (?) 検 討 実 勢 商 圏 が 円 状 の 地 理 的 範 囲 より 大 きいのか 小 さいのかは 不 明 (4) 競 争 の 実 態 に 関 する 評 価 考 慮 要 因 市 場 シェアは 算 出 困 難 だが 地 理 的 範 囲 内 でも 最 寄 の 店 舗 との 競 争 が 激 しい 競 合 関 係 がある 260 の 地 理 的 範 囲 の 内 明 らかに 問 題 にならない 160 箇 所 を 除 外 残 り 100 箇 所 は 立 地 が 近 く 当 事 会 社 間 で 競 合 店 として 設 定 していたり 競 争 事 業 者 の 店 舗 が 少 ない 実 勢 商 圏 ベースに 当 事 会 社 競 争 事 業 者 の 店 舗 立 地 状 況 規 模 や 消 費 者 の 買 回 り 範 囲 等 を 詳 細 に 検 討 ( 野 口 功 田 中 綾 美 イオン 株 式 会 社 によ る 株 式 会 社 ダイエーの 株 式 取 得 契 約 に 関 する 審 査 結 果 について ( 以 下 担 当 官 解 説 という ) 公 正 取 引 755 号 22 頁 注 11) 12

約 100 約 160 ダイエー 競 合 意 識 イオン ダイエー 競 合 弱 イオン 他 スーパー 少 数 強 有 力 他 スーパー 多 数 強 都 道 府 県 を 超 える 事 業 展 開 をしているスーパーは 統 一 的 な 価 格 設 定 を 行 っており 都 道 府 県 範 囲 での 競 争 状 況 も 検 討 したが 当 事 会 社 の 店 舗 が 多 数 を 占 めるなどによ り 競 争 力 が 著 しく 高 まる 都 道 府 県 はなかった なお 都 道 府 県 単 位 で 地 理 的 市 場 を 画 定 したものではないとのこと( 担 当 官 解 説 注 12) なお 丸 紅 ダイエーの 事 例 ( 平 成 17 年 事 例 12)では 都 道 府 県 でも 市 場 画 定 統 一 価 格 設 定 が 競 争 上 の 弊 害 がないことの 理 由 の1つに 挙 げられていた 競 争 者 弱 小 少 数 ダイエー イオン イオン ダイエー 競 争 者 有 力 多 数 統 一 価 格 競 争 的 価 格 消 費 者 消 費 者 以 下 の3 点 を 挙 げ 実 勢 商 圏 ベースで 検 討 した 100 箇 所 も 活 発 な 競 争 が 続 くと 判 断 1 当 事 会 社 の 店 舗 規 模 等 の 面 で 競 争 力 が 弱 い 中 で 競 争 事 業 者 の 競 争 力 ある 店 舗 が 存 在 する 2 当 事 会 社 の 店 舗 が 同 一 の 地 理 的 範 囲 内 で 離 れて 立 地 している 中 で 当 事 会 社 の 店 舗 に 近 接 して 競 争 事 業 者 の 競 争 力 ある 店 舗 が 存 在 する 3 当 事 会 社 の 店 舗 が 隣 接 して 立 地 しており 当 該 店 舗 間 で 活 発 な 競 争 が 行 われて いるが 実 勢 商 圏 内 に 競 争 事 業 者 の 競 争 力 ある 店 舗 が 存 在 し 当 事 会 社 の 店 舗 を 利 用 する 消 費 者 が 当 該 競 争 事 業 者 の 店 舗 にも 回 まわっている 実 態 にある 等 の 状 況 にある 比 較 的 郊 外 の 地 域 で 競 争 者 が 少 ない 地 域 もあったが 競 争 力 ある 競 争 事 業 者 の 店 舗 が 存 在 したとのこと( 担 当 官 解 説 22 頁 注 14) 参 入 圧 力 隣 接 他 業 種 (コンビニ 等 ) 及 び 地 理 的 隣 接 市 場 からの 競 争 圧 力 も 考 慮 (5)ダイエーの 経 営 状 況 への 言 及 イオンと 競 争 事 業 者 の 間 の 競 争 が 重 要 であることを 示 す 事 情 として 言 及 されている 担 当 官 解 説 では 企 業 結 合 ガイドライン 第 4の2(8)によったものではないとの こと( 担 当 官 解 説 23 頁 注 16) 13

3 疑 問 点 等 円 状 の 地 理 的 範 囲 を 画 定 する 意 味 があるか? 当 初 から 実 勢 商 圏 で 検 討 しない 理 由 は? 詳 細 検 討 の 前 さばき 的 意 味? 過 去 の 事 例 との 整 合? 都 道 府 県 単 位 等 で 統 一 価 格 が 採 用 されていることについては 言 及 するまでもなく 弊 害 がないという 判 断 なのか? 丸 紅 ダイエー 事 例 との 記 述 上 の 差 異 の 意 味 は? 14

その 後 概 要 以 下 のとおり 質 疑 が 行 われた 約 260の 地 理 的 範 囲 のうち 約 100の 地 理 的 範 囲 で 競 争 に 与 える 影 響 について 検 討 を 行 ったとされているが それが 具 体 的 にどの 地 域 か 不 明 であり 当 事 者 に 知 ら されていないのであれば 問 題 であろう ガイドラインでは 単 独 行 動 と 協 調 的 行 動 ということがいわれているが 本 件 では 強 調 的 行 動 による 競 争 の 実 質 的 制 限 についての 記 載 がまったくないように 見 える また 260の 地 理 的 範 囲 のうち 1 箇 所 でも 問 題 があったら 株 式 取 得 は 認 められ ないのか 仮 に 当 事 者 から その 地 域 でも 競 争 的 な 地 域 と 同 一 の 価 格 で 販 売 する 旨 申 し 出 た 場 合 には 認 められることになるのか 本 件 と 同 じ 小 売 業 の 事 案 であるヤマダ ベストの 件 では 問 題 となる 地 域 が 具 体 的 に 公 表 されていたので おそらく 本 件 についても 当 事 者 には 指 摘 されていたので はないかと 思 われる 円 状 の 地 域 を 画 定 するのは 検 討 地 域 が 約 260も 存 在 するので 一 応 の 形 式 的 方 法 としてであり その 後 地 域 ごとの 特 殊 事 情 を 考 慮 していくことになるのであろう 公 表 文 では ガイドラインで 示 されている 協 調 的 行 動 には 確 かに 触 れられていない 私 は 強 調 的 行 動 による 競 争 の 実 質 的 制 限 と 単 独 行 動 による 競 争 の 実 質 的 制 限 は 両 者 一 体 で 検 討 すればよいと 考 えているが 本 件 では 本 件 株 式 取 得 後 も 引 き 続 き 活 発 な 競 争 が 行 われると 認 められると 評 価 されているので 正 面 からは 触 れられていないので あろう また 問 題 点 があった 場 合 の 解 消 措 置 として 統 一 価 格 にすれば 弊 害 はなくなるか という 点 については 一 つの 方 法 ではあろう ヤマダ ベストの 事 案 では 当 事 者 か ら 全 国 統 一 価 格 を 採 用 しているとの 主 張 があったが 地 域 による 価 格 差 がありその ような 事 実 は 認 められないとされた 丸 紅 ダイエーの 件 では 公 取 は 都 道 府 県 で も 市 場 画 定 したが 本 件 では 都 道 府 県 の 状 況 は 事 情 としては 考 慮 されているものの 一 定 の 取 引 分 野 とはされていない 本 件 において わざわざダイエーの 経 営 状 況 について 記 載 する 必 要 はあるのか 必 ずしも 明 確 ではないが 当 事 者 が 主 張 してきたので 記 載 したとか 結 論 を 支 え る 事 情 はすべて 記 載 したとか 経 営 状 況 の 考 慮 の 方 法 がガイドラインとは 異 なること を 明 確 にしたかったとか いろいろな 可 能 性 がある 業 績 不 振 会 社 との 結 合 については 1 倒 産 しかけているので 倒 産 して 無 くなって も 吸 収 されて 無 くなっても 結 合 後 の 状 況 は 同 じであるとする 観 点 ( 欧 米 のガイドライ 15

ンにみられる 観 点 ) 2 競 争 相 手 としては 別 の 事 業 者 が 存 在 しているという 観 点 ( 本 件 の 観 点 ) 3 競 争 制 限 との 因 果 関 係 はあるが 結 合 を 認 めないと 何 らかの 弊 害 があるとす る 観 点 が 存 在 する 本 件 は 既 に 結 合 関 係 が 存 在 している 者 による 子 会 社 化 の 事 例 であるが このよう な 場 合 HHI の 増 分 はゼロで 届 出 の 必 要 性 はあるのか 株 式 取 得 の 場 合 には 一 定 比 率 以 上 の 議 決 権 を 取 得 することになる 場 合 には 届 出 の 必 要 性 がある 元 々 結 合 関 係 にある 場 合 に さらに 内 部 の 競 争 が 減 少 するとみるの か 改 めて 審 査 する 必 要 はないとみるのか いろいろな 可 能 性 があろう は 参 加 者 の 発 言 は 白 石 先 生 の 発 言 16