高 密 度 クラウド 型 地 震 センサーネットワーク 構 築 に 向 けた 取 り 組 み 内 藤 昌 平 ( 防 災 科 研 ) 2015/1/18 名 古 屋 大 学 - 防 災 科 研 研 究 交 流 会 本 日 の 発 表 内 容 研 究 の 背 景 と 目 的 気 象 庁 や 自 治 体 防 災 科 研 が 管 理 する 震 度 計 等 を 合 わせる と 日 本 全 国 に4,000 以 上 の 震 度 観 測 点 がある しかし 地 震 発 生 直 後 局 所 的 な 被 害 状 況 を 把 握 するために 十 分 とはいえず 目 視 による 確 認 やアンケート 等 様 々な 手 段 による 調 査 が 行 われている 一 方 で 近 年 の 技 術 革 新 により 小 型 安 価 な 半 導 体 センサー による 計 測 および 大 容 量 のデータ 処 理 技 術 が 発 展 し 例 えば スマートフォン 等 の 多 機 能 端 末 を 利 用 することで 多 数 のセン サーをネットワーク 接 続 することが 容 易 に 実 現 可 能 である 本 研 究 ではスマートフォン 等 普 及 率 の 高 い 端 末 を 利 用 した 高 密 度 な 地 震 センサーネットワークを 構 築 することで 個 別 建 物 毎 の 地 震 記 録 を 取 得 し クラウド 環 境 でデータを 集 約 処 理 することにより 建 物 毎 の 健 全 性 把 握 防 災 意 識 啓 発 および 被 害 状 況 の 迅 速 な 把 握 によるリアルタイム 防 災 への 活 用 を 目 的 とする 1.スマートフォン 地 震 計 による 地 震 観 測 実 験 1.スマートフォン 地 震 計 による 地 震 観 測 実 験 2.MEMSセンサーのノイズ 低 減 手 法 開 発 3.モバイル 版 アンケート 震 度 演 算 システム 開 発 4.センサーネットワーク 利 活 用 に 関 するヒアリン グ 調 査 2010 年 にリリース i 地 震 ( 白 山 工 業 株 式 会 社 ) 現 在 10 万 DL 4
スマートフォン(iPhone) 地 震 計 のスペック 項 目 スペック サンプリング 周 波 数 100Hz チャンネル 数 3 分 解 能 12bit (1.6gal) ノイズ 10gal(p-p) p) 計 測 レンジ ±2,000gal 時 刻 校 正 NTP( 精 度 10msec) 通 信 WiFi / 3G トリガ 緊 急 地 震 速 報 による 外 部 トリガ /レベルトリガ 記 録 可 能 ファイル 数 5 分 ファイル 30 個 スマートフォン 地 震 計 の 精 度 検 証 (K NET02 型 震 度 計 との 並 行 観 測 試 験 ) 防 災 科 研 所 内 試 験 観 測 施 設 内 で の 自 然 地 震 観 測 K NET02 型 震 度 計 ( 赤 )との 波 形 比 較 (ノイズレベル±5gal 程 度 ) 5 6 スマートフォン 地 震 計 と 震 度 計 との 比 較 ( 計 測 震 度 相 当 値 ) 振 動 台 による 加 振 試 験 震 度 2 程 度 以 下 の 地 震 はノイズに 埋 も れてしまい スマー トフォン 地 震 計 では 観 測 できない 基 準 地 震 計 (K NET 型 震 度 計 )と 同 時 に 加 振 試 験 を 行 い 各 端 末 の 性 能 を 基 準 地 震 計 (K NET 型 震 度 計 )と 同 時 に 加 振 試 験 を 行 い 各 端 末 の 性 能 を 比 較 した
震 度 計 との 性 能 比 較 項 目 震 度 計 スマートフォン 地 震 計 センサー JA 40GA08 LIS331DLH 計 測 範 囲 ±8G ±2G 分 解 能 24bit 1mgal 以 下 12bit 16gal 1.6gal 周 波 数 (Hz) 加 振 スケジュール 最 大 加 速 度 (gal) 5 10 20 40 100 150 500 1000 1500 0.5 1 3 サンプリング 周 波 数 100Hz 100Hz 6 ノイズレベル 14 1.4μG/ Hz 以 下 218μG/ Hz 10gal(p p) 時 刻 校 正 GPS NTP 10 気 象 庁 の 震 度 検 定 を 参 考 に 加 振 周 波 数 加 速 度 の 組 み 合 わせを 作 成 した 計 測 震 度 ( 相 当 値 )の 比 較 スペクトルによる 比 較 (10Hz 加 振 ) 1500gal,10Hz,EW
E Defense 振 動 台 実 験 における 試 験 観 測 スマートフォン 地 震 計 の 設 置 方 法 (1) 免 震 試 験 体 ( 平 成 25 年 3 月 実 験 ) E Defense 長 周 期 化 改 造 工 事 における 振 動 台 性 能 確 認 試 験 佐 藤 ほか(2013) (2) 体 育 館 試 験 体 平 成 26 年 1 月 実 験 大 規 模 空 間 を 有 する 試 験 体 の 地 震 時 挙 動 天 井 の 脱 落 被 害 メカニズムの 解 明 を 目 的 とした 実 験 梶 原 ほか(2014) 構 重 量 階 軒 高 固 有 周 期 (s) 番 号 平 面 形 状 (m) 造 (t) 数 (m) X 方 向 Y 方 向 (1) RC 700 4 14.9 11.8 8 8 0.43 0.44 0 ( 上 部 構 造 ) (2) S 250 1 9.09 30.0 18.6 0.34 0.42 13 給 電 方 法 モバイルバッテリーまた は 交 流 電 源 固 定 方 法 金 属 用 両 面 テープにより 接 着 データ 回 収 方 法 ノートPCからUSB 接 続 に より 回 収 14 (1) 免 震 試 験 体 上 の 端 末 設 置 点 (2) 体 育 館 試 験 体 上 の 端 末 設 置 点 5 階 3 階 1 階 5F-N 3F-N 1F-N C Y7 Y6 C F 屋 上 階 ( 山 形 屋 根 ) F 1F- C B Y5 Y4 Y3 B E E 5F-S 3F-S 1F-S 4 階 4F-N 2 階 2F-N 振 動 台 ( 免 震 装 置 下 ) Y A Y2 Y1 A D X X X X X X X 1 2 3 4 5 6 7 1 階 Y H ( 振 動 台 上 ) D H G 4F-S 2F-S FFL G X X 計 12 台 15 8 箇 所 2 台 計 16 台 16
(1) 免 震 試 験 体 地 震 波 加 振 時 の 疑 似 速 度 応 答 スペクトル (2) 体 育 館 試 験 体 K NET 仙 台 波 加 振 時 の 波 形 疑 似 速 度 応 答 スペクトル h=5% JR 鷹 取 波 のようなやや 短 周 期 成 分 が 強 い 加 振 時 は 卓 越 周 期 の 長 周 期 化 速 度 低 減 等 の 免 震 効 果 が 発 揮 されてい るが 三 の 丸 波 のような 長 周 期 成 分 が 強 い 加 振 時 は 十 分 に 免 震 効 果 が 表 れていないことがわかる 17 h=5% h=5% 18 (2) 地 震 波 加 振 前 後 の 試 験 体 における 固 有 周 波 数 の 比 較 建 物 の 地 震 観 測 実 験 建 物 名 称 構 造 種 別 地 上 階 数 建 築 年 耐 震 基 準 H 棟 RC 3 1975 旧 1 棟 RC 3 1981 旧 2 棟 RC 2 1995 新 D 棟 RC 2 1999 新 H 棟 K 棟 RC 3 2003 新 1 棟 K 棟 RC 3 2003 新 一 次 固 有 周 波 数 :2~3Hz 一 次 固 有 周 波 数 :0.9~1Hz 19 2 棟 D 棟 K 棟
スマートフォン 地 震 計 の 設 置 状 況 スマートフォン 地 震 計 により 取 得 された 地 震 波 形 H 棟 3F 2012/6/1 17:48 茨 城 県 南 部 M5.2 長 辺 方 向 1 棟 2F 2 棟 2F D 棟 2F K 棟 3F K NET (IBR011) 2012/06/01 17:48 茨 城 県 南 部 最 大 震 度 4 スマートフォン 地 震 計 の 波 形 から 速 度 応 答 スペクトルを 算 出 地 域 におけるスマートフォン 地 震 計 観 測 実 験 長 辺 方 向 短 辺 方 向 2012/4/25 5:22 千 葉 県 北 東 部 M5.5 h=0.05 関 東 地 方 や 新 潟 県 等 複 数 の 建 物 内 で 観 測 中 GoogleMap 自 治 体 企 業 NPO 等 を 窓 口 にして 建 物 内 に 設 置 常 時 微 動 計 測 も 行 い 解 析 結 果 を 実 験 協 力 者 にフィー ドバック
一 連 の 実 験 から 抽 出 された 課 題 1 計 測 可 能 な 地 震 が 概 ね 震 度 3 程 度 以 上 である ため 余 震 活 動 が 活 発 な 地 域 において あるい は 長 期 間 をかけて 観 測 を 行 わない 限 りなかな か 結 果 を 入 手 できない 2 ソフト ハードのバージョンアップ 等 仕 様 がス マートフォン 自 体 の 変 化 に 依 存 される 3 設 置 協 力 者 にとってのメリットが 専 門 的 知 識 の 提 供 ( 建 物 毎 の 震 度 や 固 有 周 期 等 ) 以 外 に 明 確 でない 2.MEMSセンサーのノイズ 低 減 手 法 の 開 発 iphone 内 蔵 のMEMS 加 速 度 センサーを 利 用 した 地 震 計 アプリでは ノ イズの 影 響 により 震 度 2 程 度 以 下 の 地 震 は 通 知 することができない そのため より 発 生 頻 度 が 高 い 震 度 2 以 下 の 表 示 を 実 現 するための 手 法 について 検 討 を 行 い 震 度 0~1 程 度 が 表 示 可 能 なアプリを 民 間 企 業 と 共 同 開 発 した 震 度 1の 地 震 時 の iphone 内 蔵 MEMS センサと 震 度 計 と の 波 形 比 較 iphoneのmemsセンサのノイズの パワースペクトル 震 度 4の 地 震 時 のスペクトル 比 較 計 測 震 度 震 度 計 (JA-40GA) 3.7 MEMS 3.7 スペクトルは 全 ての 周 波 数 帯 においてほぼ 同 じ 強 度
震 度 1の 地 震 時 のスペクトル 比 較 計 測 震 度 震 度 計 (JA-40GA) 1.11 MEMS 1.5 本 研 究 で 提 案 するノイズ 低 減 手 法 加 速 度 3 成 分 のデジタルデータ 各 周 波 数 成 分 の 信 号 ( 周 波 数 スペクトル)に 変 換 (FFT) 各 周 波 数 成 分 の 振 幅 特 性 からノイズ 成 分 の 閾 値 以 下 のデータを 除 去 各 周 波 数 成 分 の 信 号 を 時 間 軸 上 の 信 号 に 再 構 成 ( 逆 FFT) ノイズ 除 去 後 のデータを 基 に 生 成 した 震 度 情 報 を 出 力 する 震 度 1の 地 震 時 のスペクトル 比 較 計 測 震 度 震 度 計 (JA-40GA) 1.11 MEMS 1.5 震 度 計 (JA-40GA) 1.1 MEMS 1.2 ノイズ 低 減 手 法 適 用 前 後 の 計 測 震 度 ノイズ 低 減 手 法 適 用 前 ノイズ 低 減 手 法 適 用 後 閾 値 を 設 定 計 測 震 度 0~1を 算 出 可 能 だがばらつきが 大 きく 震 度 2 以 下 の 記 録 の 精 度 は 良 くない
ノイズ 低 減 手 法 の 適 用 例 ノイズ 低 減 手 法 を 適 用 するこ とで 震 度 0 表 示 を 可 能 にし た 震 度 階 に 応 じて 背 景 色 が 変 わる 地 震 発 生 時 と 収 束 時 に 写 真 を 撮 影 する 機 能 あり i 震 度 白 山 工 業 ( 株 ) 2013 年 リリース 3.モバイル 版 アンケート 震 度 演 算 システムの 開 発 地 震 発 生 後 にアンケートを 配 布 し 集 計 された 結 果 から, 気 象 庁 震 度 に 相 当 する 詳 細 な 震 度 分 布 を2 桁 の 精 度 で 算 出 する 手 法 は 太 田 他 (1979,1998) 1998) によって 開 発 された.また,これまで 多 くの 被 害 地 震 において 太 田 方 式 に 基 づくアンケート 調 査 がなされ, 様 々な 検 証 が 行 われてきた. これらの 研 究 においては 役 所 教 育 委 員 会 等 の 公 共 機 関 経 由 で 依 頼 を 行 い アンケート 用 紙 を 配 布 する 方 法 が 主 であるが,ばらつきの 影 響 を 考 慮 して 信 頼 性 の 高 いアンケート 震 度 を 得 るためには 数 千 ~ 数 万 枚 以 上 のアンケート 用 紙 の 配 布, 集 計 が 必 要 となり, 実 施 は 容 易 ではない. 今 回,この 太 田 方 式 のアンケートを, 様 々な 場 所 にいる 多 数 の 人 が, 地 震 発 生 直 後 に 簡 単 に 実 施 することが 可 能 な 仕 組 みを 構 築 することを 目 的 とし, 近 年 普 及 率 が 高 まっているスマートフォン,タブレット 等 のモバイル 端 末 を 用 い てアンケート 震 度 調 査 を 実 施 し, 結 果 を 集 計 するシステムを 開 発 した. 開 発 環 境 について 演 算 処 理 について 本 システムはモバイル 端 末 に 標 準 搭 載 されているブラウザ 上 で 動 作 するように HTML5,JavaScriptを 利 用 して 開 発 した アンケート 震 度 の 演 算 はモ バイル 端 末 側 で 行 い, 回 答 データをHTTP POSTでサー バー 側 に 送 信 する. また, 各 質 問 の 回 答 時 間 に ついてサーバ 上 に 記 録 され る. また, 各 アンケート 項 目 に ついては 原 則 的 に 太 田 他 (1979,1998)と 同 一 としたが, 太 田 方 式 で 地 震 時 の 住 所 を 問 う 質 問 はマップ 上 で マーカーを 動 かすことで 緯 度 経 度 を 選 択 する 方 式 に 変 更 した.
回 答 内 容 に 応 じて 飛 ばされる 質 問 に 関 しては 表 示 しないようにしたほ か, 判 断 に 迷 う 質 問 はスキップボタ ンで 飛 ばせるようにした. 加 えて, 地 震 発 生 直 後 にアンケート を 実 施 可 能 にするために, 地 震 リス トを 自 動 的 に 取 得 し,アンケート 対 象 とする 地 震 を 選 択 出 来 るようにし た. 画 面 遷 移 システム 評 価 について システムの 評 価 を 目 的 とし,2011 年 東 北 地 方 太 平 洋 沖 地 震 を 対 象 として, 展 示 会 来 訪 者 等 約 50 名 に 対 して, 本 システムを 利 用 したアンケート 震 度 調 査 を 行 った. 各 質 問 回 答 に 費 やした 時 間 は,4 番 目 の 位 置 情 報 の 入 力 で 平 均 1 分 30 秒 程 と 最 も 長 いが,そのほかの 各 項 目 は1 質 問 あたり 概 ね 平 均 20 秒 以 内 で 回 答 しており, 全 アンケート 回 答 にかかった 時 間 は5 分 ~10 分 程 度 が 大 部 分 を 占 めた. アンケート 震 度 結 果 について 評 価 時 に 取 得 したアンケート 震 度 については, 回 答 者 が 地 震 時 にいた 場 所 は 関 東 地 方 が 約 86%, 鉄 骨 RC 建 物 内 が 約 80%, 回 答 者 のうち 男 性 が 約 78%,30~49 才 が 約 68%と 属 性 に 偏 りがある 調 査 になったが,アンケート 震 度 約 31~6 3.1 6.4の 記 録 が 取 得 できた. さらに,アンケート 震 度 ( 太 田 他 (1998))と 近 傍 の 震 度 観 測 点 の 震 度 との 比 較 を 試 みたが, 同 じ 震 度 観 測 点 近 傍 のデータにおいても1.5 以 上 の 差 が 生 じるなどばらつきの 大 きいデータになった.こ れは 建 物 地 盤 による 増 幅 減 衰 効 果 のほか, 回 答 者 の 個 人 差, 地 震 から3 年 以 上 経 過 したことに よる 記 憶 の 劣 化 等 が 影 響 しているものと 考 えられるが, 現 状 では 結 果 について 検 討 するに 足 る 十 分 な 標 本 数 を 入 手 したとは 言 えない. 4.センサーネットワークの 利 活 用 に 関 するヒアリング 調 査 これまでスマートフォンを 利 用 して 高 密 度 な 地 震 観 測 網 を 構 築 する 実 験 を 各 種 行 ってきたが 安 定 性 や 精 度 面 での 課 題 も 多 い これらの 課 題 を 解 決 するためには 専 用 機 器 の 開 発 等 が 必 要 だが そのためには 社 会 におけるニーズや 課 題 の 抽 出 が 必 要 不 可 欠 となる 今 回 複 数 の 民 間 企 業 や 公 共 機 関 に 対 して 既 に 地 震 計 測 をおこなっている 場 合 は 観 測 点 増 設 や 情 報 公 開 に 関 する 課 題 を 地 震 計 測 を 行 っていない 場 合 は センサーネットワーク 導 入 に 関 する 課 題 を 把 握 するこ とを 目 的 とし ヒアリングを 実 施 した
ヒアリング 調 査 の 方 法 と 質 問 内 容 複 数 の 民 間 企 業 公 共 機 関 の 防 災 あるいはBCP 担 当 者 に 対 し 個 別 に 依 頼 を 行 い 許 諾 を 得 られた 計 19 事 業 所 34 名 の 担 当 者 に 対 し アンケート 用 紙 を 用 いた 訪 問 式 のヒアリングを 用 いた 質 問 内 容 は 選 択 式 と 口 頭 記 述 を 併 用 し 2~3 名 の 調 査 官 が1 件 あたり1 時 間 30 分 程 度 かけてヒア リングを 行 った 項 目 項 番 質 問 内 容 事 業 所 の 実 態 1 11 回 答 者 の 属 性 について 1 2 拠 点 数 について 1 3 地 震 時 の 初 動 対 応 の 際 に 必 要 な 情 報 1 3 東 日 本 大 震 災 等 過 去 の 地 震 時 に 発 生 した 問 題 点 成 功 事 例 1 4 BCPまたは 災 害 対 応 マニュアルの 策 定 状 況 徹 底 に 際 しての 問 題 点 2 1 既 設 のセンサー 防 災 システム 2 2 現 状 以 上 に 高 密 度 なセンサー 網 を 構 築 する 取 り 組 みに 対 する 考 え 高 密 度 センサー 2 3 高 密 度 センサー 網 により 入 手 したい 情 報 ネットワークへの 期 待 と 潜 在 ニーズ 2 4 高 密 度 センサー 網 設 置 により 期 待 される 効 用 2 5 センサーに 求 められる 機 能 センシング 情 報 公 開 に 関 する 課 題 2 6 妥 当 なセンサー 設 置 コスト 3 1 センシングデータを 公 開 可 能 な 範 囲 3 2 センシングデータを 公 開 可 能 なタイミング 3 3 センシング 情 報 のうち 公 開 可 能 な 内 容 3 3 データ 公 開 に 対 する 注 意 点 課 題 について 回 答 者 の 担 当 業 務 ヒアリングを 実 施 した 事 業 所 と 対 応 者 一 覧 分 類 カテゴリ 業 態 対 応 者 1 自 治 体 市 町 村 防 災 担 当 2 協 議 会 (エリア 防 災 ) 高 層 ビル 地 域 協 議 会 協 議 会 委 員 3 協 議 会 (エリア 防 災 ) 高 層 ビル 街 区 管 理 責 任 者 地 震 計 測 4 学 校 小 学 校 防 災 担 当 システム を 持 って 5 通 信 携 帯 キャリア 新 規 事 業 開 発 担 当 いない 6 警 備 警 備 保 障 新 規 事 業 開 発 担 当 7 流 通 コンビニ スーパー 等 危 機 管 理 責 任 者 8 住 宅 ハウスメーカー 技 術 担 当 9 住 宅 ハウスメーカー 危 機 管 理 担 当 地 震 計 測 システム を 持 って いる 10 住 宅 ハウスメーカー 新 規 事 業 開 発 担 当 11 建 設 研 究 所 耐 震 構 造 技 術 者 12 鉄 道 研 究 所 研 究 者 13 鉄 道 民 間 鉄 道 危 機 管 理 担 当 14 鉄 道 民 間 鉄 道 危 機 管 理 担 当 15 鉄 道 民 間 鉄 道 施 設 管 理 責 任 者 16 インフラ ガス 事 業 者 危 機 管 理 担 当 17 学 校 大 学 研 究 者 18 道 路 研 究 機 関 研 究 者 19 インフラ 研 究 機 関 研 究 者 地 震 発 生 直 後 の 初 動 対 応 に 必 要 とする 情 報 は? 各 回 答 者 とも 第 一 に 人 の 安 否 確 認 次 に 建 物 の 安 全 性 確 認 が 初 動 対 応 の 際 に 重 要 と 考 えている
BCP 等 災 害 時 対 応 マニュアルの 策 定 状 況 は? 既 設 のセンサー 防 災 防 犯 システム について 教 えてください ほぼ 全 ての 事 業 所 がBCPまたは 災 害 時 対 応 マニュアルを 策 定 しており マニュアルに 従 った 訓 練 を 定 期 的 に 実 施 し 周 知 に 努 めている また 東 日 本 大 震 災 以 降 マニュアルの 改 訂 や 訓 練 の 高 度 化 を 行 ったという 事 業 者 が 多 かった なお 鉄 道 やガス 等 インフラ 事 業 所 ではリアルタイムのセンシング 情 報 を 事 業 継 続 へ 活 用 している 事 例 を 聞 くことができた 各 事 業 所 とも 監 視 カメラや 安 否 確 認 システム 緊 急 地 震 速 報 の 導 入 数 が 高 い 地 震 計 はインフラ 鉄 道 建 設 業 等 に 多 数 導 入 されているものの 地 震 計 変 位 計 の 記 録 を 用 いた 被 災 度 判 定 システムの 導 入 事 例 は 一 部 の 高 層 ビル 地 域 のみで 聞 くことができた 高 密 度 なセンサーネットワーク 構 築 が 必 要 だと 思 いますか? 高 密 度 なセンサーネットワークにより 入 手 し たい 情 報 は 何 ですか? 積 極 的 に 必 要 と 感 じる または どちらかといえば 必 要 という 回 答 が42%であった センサーを 多 数 置 く 試 み 自 体 は 賛 同 する 意 見 が 多 いものと 思 われる どちらともいえない の 中 ではセンサーを 使 用 し ておらず 高 密 度 に 設 置 することによる 効 果 がよくわからないという 意 見 が 多 かった なお 既 に 多 数 のセンサーを 設 置 している 鉄 道 やインフラ 事 業 者 では 当 面 増 設 は 不 要 という 声 が 多 かった 震 度 よりも 被 害 状 況 をより 直 接 的 に 推 定 できる 被 災 度 の 把 握 を 求 める 意 見 が 多 かった また 映 像 や 音 声 といった 実 際 の 被 害 状 況 を 把 握 できる 情 報 への 要 望 が 多 くあった なお 地 震 波 形 を 入 手 した いかどうかについてはデータを 解 釈 できる 専 門 家 がいるかどうかで 異 なる 回 答 となった
高 密 度 なセンサーネットワークにどのような 効 果 を 期 待 しますか? センサー1 点 あたりいくらなら 導 入 したいと 思 いますか? N=17 防 災 意 識 向 上 事 業 復 旧 に 活 用 したいという 意 見 が 多 かった 次 に CSR 向 上 という 回 答 が 多 かった その 他 としては 自 分 や 家 族 が 安 全 かどうかわかる 情 報 研 究 への 利 用 現 象 の 解 明 被 害 の 軽 減 などが 挙 がった 半 数 が10 万 円 以 下 の 数 字 を 回 答 した しかし 高 くても 必 要 な 機 能 があれば 購 入 する 答 えにくい 判 断 できないという 回 答 もあった センシングデータを 公 開 し 防 災 研 究 用 途 で 活 用 することに 関 してどう 考 えますか? 自 治 体 や 学 校 等 公 共 機 関 では データは 個 人 情 報 保 護 の 観 点 上 問 題 なければ 一 般 公 開 しても 問 題 ないという 回 答 が 多 かった しかし インフラ 鉄 道 建 設 住 宅 等 の 設 備 被 害 が 自 社 のサービス 資 産 価 値 に 関 わる 民 間 企 業 にお いては 公 開 不 可 という 意 見 が 多 かった また 民 間 でも 自 社 ビルではなくテナントの 場 合 はデータ 公 開 してもよいとい う 意 見 があった 業 態 により 要 求 されるニーズは 異 なる 情 報 の 即 時 性 拠 点 数 は 多 い が 活 用 に 至 る には 費 用 対 効 果 が 見 えにくい リアルタイムによ る 詳 細 な 情 報 収 集 が 必 要 不 可 欠 ( 既 に 多 数 のセ ンシング 情 報 を 事 業 継 続 に 活 用 している) 流 通 警 備 通 信 学 校 自 治 体 石 油 協 議 会 鉄 道 道 路 情 報 の 精 緻 さ ガス 地 域 の 防 災 行 動 につながる 情 報 を 入 手 したい 被 害 の 原 因 究 明 にセンサーが 必 要 建 設 住 宅
データ 公 開 に 関 して 情 報 の 即 時 性 流 通 警 備 通 信 安 全 システムに 直 結 するため リアルタイムのデータ 公 開 は 困 難 鉄 道 ガス 道 路 石 油 学 校 協 議 会 自 治 体 センシングデータ 公 開 に 関 しての 抵 抗 感 は 高 くない ニーズを 掘 り 起 こすことでテ ストフィールドとなる 可 能 性 はある 情 報 の 精 緻 さ 建 物 の 資 産 価 値 評 価 に 影 響 するため 詳 細 なデータ 公 開 は 困 難 建 設 住 宅 平 時 災 害 時 におけるセンサーネットワーク 活 用 法 ( 案 ) ターゲット 平 時 の 活 用 災 害 時 の 活 用 民 間 企 業 オフィスビルの 建 物 各 フロアの 被 災 度 把 健 全 性 評 価 握 防 災 科 研 の 目 指 す 公 的 な 方 向 性 と 民 間 企 業 の 利 益 保 持 のた BCP 訓 練 での 活 用 遠 隔 拠 点 の 被 害 状 況 の めに 目 指 す 方 向 性 を 調 和 させ 俯 瞰 る 提 案 を 行 うことが 必 要 CSR 面 での 効 果 緊 急 対 応 の 時 間 短 縮 防 災 教 育 啓 発 への 活 避 難 経 路 の 安 全 自 治 体 と 協 力 し 避 難 所 等 の 公 共 機 関 用 性 の 把 握 地 域 防 災 拠 点 へのセンサー 設 ( 置 や 住 民 参 加 型 のセンシング 学 校 自 治 体 ) 地 域 の 災 害 リスク 実 験 等 把 を 握 実 施 地 する 域 の 被 害 状 況 の 面 的 な 把 握 平 時 災 害 時 におけるセンサーネットワーク 活 用 法 ( 案 ) ターゲット 平 時 の 活 用 災 害 時 の 活 用 民 間 企 業 公 共 機 関 オフィスビルの 健 全 性 評 価 BCP 訓 練 での 活 用 CSR 面 での 効 果 防 災 教 育 啓 発 への 活 用 建 物 各 フロアの 被 災 度 把 握 遠 隔 拠 点 の 被 害 状 況 の 俯 瞰 緊 急 対 応 の 時 間 短 縮 避 難 所 避 難 経 路 の 安 全 性 の 把 握 ( 学 校 自 治 体 ) 地 域 の 災 害 リスク 把 握 地 域 の 被 害 状 況 の 面 的 な 把 握 今 後 の 方 向 性 社 会 のニーズ 発 災 時 だけでなく 平 時 でも 活 用 できるセンサーネットワークを 構 築 する センサーネットワークに 求 められる 機 能 各 種 構 造 物 の 健 全 性 をリアルタイムで 推 定 する 遠 隔 拠 点 の 現 在 の 被 災 状 況 を 面 的 に 可 視 化 する 場 所 毎 の 被 害 推 定 情 報 を 即 時 的 に 通 知 する 極 めて 稀 に 発 生 する 規 模 の 災 害 発 生 時 局 所 的 な 被 災 記 録 を 残 す 必 要 な 技 術 開 発 建 物 種 別 毎 の 被 災 度 推 定 手 法 の 開 発 地 盤 情 報 人 口 モデル 等 を 活 用 した 被 害 推 定 手 法 の 開 発 様 々な 機 関 が 保 有 するセンシングデータの 利 活 用 先 端 IT 技 術 を 利 用 したリアルタイム 被 害 状 況 可 視 化 手 法 の 開 発
まとめ スマートフォン 等 の 普 及 率 が 高 いセンサー 端 末 を 利 用 して 地 震 波 形 計 測 震 度 あるいは 体 感 震 度 を 集 計 するシステム を 構 築 し クラウド 環 境 でのデータ 収 集 実 験 を 実 施 した センサーネットワーク 活 用 のユーザニーズを 把 握 するための ヒアリングを 行 った センサーの 様 々な 活 用 事 例 を 聞 くことが できたが 既 に 多 点 のセンサーを 活 用 している 市 場 において 多 点 の 増 設 は 容 易 ではなく 既 設 センサーのデータをリアル タイムに 活 用 するためには 様 々な 障 壁 をクリアする 必 要 があ る 新 規 に 多 点 のセンサー 網 を 構 築 するためには 民 間 企 業 に 対 してはそれぞれの 市 場 ごとに 異 なる 費 用 対 効 果 に 見 合 うス トーリーを 提 示 する 必 要 があり 公 的 機 関 に 対 しては 地 域 と 連 携 した 関 係 を 構 築 した 上 で 住 民 や 学 校 を 対 象 とした 実 証 実 験 を 行 うという 手 段 が 考 えられる 今 後 も 多 点 のデータを 効 率 的 に かつ 利 便 性 が 高 い 形 で 提 供 するシステムの 開 発 に 努 めるとともに 高 密 度 観 測 データ 利 活 用 の 可 能 性 について 引 き 続 き 探 っていきたい