リハビリテーション 実 践 積 極 的 な 早 期 リハを 考 える 2013.12.22 積 極 的 な 離 床 および 運 動 負 荷 の 意 義 と 重 要 性 その 生 理 学 的 機 序 和 歌 山 県 立 医 科 大 学 リハビリテーション 医 学 那 智 勝 浦 町 立 温 泉 病 院 リハビリテーション 科 幸 田 剣 和 歌 山 医 大 病 院 における リハビリテーション 科 の 役 割 徹 底 した 急 性 期 リハビリテーション 重 症 患 者 に 対 するリハビリテーション 障 害 者 のかかりつけ 医 1
急 性 期 リハビリの エビデンス 急 性 期 リハビリテーション ICUで 人 工 呼 吸 器 管 理 中 の 患 者 に 早 期 からPT OTを 行 うことで 人 工 呼 吸 器 を 外 している 時 間 が 長 くなり せん 妄 の 期 間 を 短 縮 し 退 院 時 の 身 体 能 力 ADLは 良 好 William DS et al. Lancet 373: 1874-1882, 2009 ICU 管 理 の 重 症 患 者 に 早 期 からサイクルエルゴメーターを 用 い て 他 動 あるいは 自 動 運 動 トレーニングを 行 うことで 退 院 時 の 運 動 能 力 の 回 復 や 大 腿 四 頭 筋 筋 力 を 高 めた Chris B et al. Crit Care Med 37(9): 2499-2505, 2009 2
退 院 時 のADL 歩 行 機 能 向 上 早 期 運 動 療 法 なしでは2 週 間 目 以 降 からのADL 自 立 が 少 ない! William DS et al. Lancet 2009 急 性 期 リハビリテーション ICUで 人 工 呼 吸 器 管 理 中 の 患 者 に 早 期 からPT OTを 行 うことで 人 工 呼 吸 器 を 外 している 時 間 が 長 くなり せん 妄 の 期 間 を 短 縮 し 退 院 時 の 身 体 能 力 ADLは 良 好 William DS et al. Lancet 373: 1874-1882, 2009 ICU 管 理 の 重 症 患 者 に 早 期 からサイクルエルゴメーターを 用 い て 他 動 あるいは 自 動 運 動 トレーニングを 行 うことで 退 院 時 の 運 動 能 力 の 回 復 や 大 腿 四 頭 筋 筋 力 を 高 めた Chris B et al. Crit Care Med 37(9): 2499-2505, 2009 3
Chris B et al. Crit Care Med 37(9): 2499-2505, 2009 脳 血 管 障 害 の 急 性 期 リハ 急 性 期 の 脳 卒 中 治 療 ガイドラインで 推 奨 Adams HJ et al: Stroke, 2003 Australia: National Stroke Foundation, 2003 発 症 から24 時 間 以 内 に 坐 位 や 立 位 訓 練 を 開 始 した 群 が 12ヶ 月 後 の 予 後 が 良 い 入 院 日 数 を 短 縮 した 自 立 歩 行 までに 要 する 日 数 を 短 縮 した A very early rehabilitation trial for stroke (A VERT) Bernhardt J et al: Stroke, 2008 Sorbello D et al: Cerebrovasc Dis, 2009 Toby BC et al: Stroke, 2011 4
脳 血 管 障 害 の 急 性 期 リハ 和 歌 山 医 大 病 院 における 徹 底 した 急 性 期 リハビリ 発 症 当 日 の 脳 出 血 患 者 の 早 期 離 床 5
和 歌 山 医 大 病 院 における 徹 底 した 急 性 期 リハビリ 早 期 離 床 と 運 動 急 性 期 リハを 行 った 場 合 の 効 果 概 念 図 期 間 を 短 縮 する 急 性 期 リハあり 急 性 期 リハなし 最 終 到 達 レベルは 同 じといわ れていた 6
能 力 最 近 の 研 究 結 果 概 念 図 急 性 期 リハあり 急 性 期 リハなし 最 終 到 達 レベルも 上 げる 時 間 急 性 期 リハは 廃 用 の 予 防 というより むしろ 患 者 さんを 良 くするために 行 う! リハビリテーションの 治 療 手 段 義 肢 装 具 療 法 内 側 股 継 手 付 き 両 側 長 下 肢 装 具 7
リハビリテーションの 治 療 手 段 ボトックス 注 射 長 趾 屈 筋 ヒラメ 筋 脛 骨 後 脛 骨 筋 ボトックス 注 射 前 下 腿 三 頭 筋 の 痙 縮 が 強 い 後 脛 骨 筋 および 前 脛 骨 筋 の 痙 縮 が 目 立 つ 長 下 肢 装 具 を 作 製 しても 矯 正 は 難 しい 下 肢 痙 縮 の 治 療 を 行 った 上 で 訓 練 が 必 要 である 立 位 8
ボトックス 注 射 後 3ヶ 月 で 必 ず 元 に 戻 ってしまうわけ ではない ボトックス 注 射 後 の 期 間 の 過 ごし 方 が 重 要 である 1 回 目 のボトックス 注 射 前 2 回 目 のボトックス 注 射 前 (1 回 目 の 施 注 から11 週 後 ) 2 回 目 のボトックス 注 射 4 週 後 9
術 前 リハビリテーションの 治 療 手 段 手 術 療 法 アキレス 腱 延 長 術 後 脛 骨 筋 腱 移 行 術 足 趾 屈 筋 腱 切 離 術 術 後 手 術 から 半 年 後 屋 内 用 の 短 下 肢 装 具 を 作 製 し 自 宅 退 院 屋 内 ではトイレ 歩 行 が 可 能 短 距 離 であれば 屋 内 用 の 短 下 肢 装 具 装 着 で 外 出 している 立 ち 上 がり 屋 内 用 短 下 肢 装 具 で 立 位 10
患 者 の 権 利? 患 者 :リハビリを 休 みたい 看 護 師 : 分 かりました 伝 えます この 対 応 は?? 患 者 の 権 利? 患 者 : 明 日 の 手 術 をやめたい 看 護 師 : 分 かりました 伝 えます この 対 応 は?? 11
患 者 の 権 利 ( 自 己 決 定 権 ) 判 断 能 力 のある 成 人 患 者 はいかなる 診 断 手 続 あるいは 治 療 であれ それを 受 ける 事 を 承 諾 あるいは 拒 否 する 権 利 を 有 する いずれの 検 査 や 治 療 についても そ の 目 的 もたらされる 結 果 拒 否 した 場 合 に 予 測 される 事 態 を 患 者 が 明 確 に 理 解 できるよう 配 慮 されるべきである 安 静 と 臥 床 安 静 : 無 動 不 動 あるいは 低 活 動 である 状 態 + 臥 床 : 重 力 負 荷 がなくなった 状 態 廃 用 症 候 群 患 者 さんをよくする 廃 用 を 排 除 することがわれわれの 責 務 早 期 からの 長 時 間 高 負 荷 の 運 動 12
我 々の 体 はガラス 管 ではなく ゴム 管 です 姿 勢 変 換 は 重 力 との 戦 い 起 立 すると 同 型 は 保 てない ヒトは 他 の 動 物 と 根 本 的 に 違 う 13
Head-up tilt 時 の 人 体 における 生 理 的 反 応 (Rowell L.B. : Human Cardiovascular Control より) 血 圧 変 動 の 生 理 学 血 圧 変 動 を 打 ち 消 そうとする 血 圧 調 節 の 生 理 学 的 メカニズム 1 神 経 性 の 調 節 機 構 2 内 分 泌 性 の 調 節 機 構 3 腎 体 液 調 節 系 による 長 期 的 な 調 節 機 構 14
血 圧 変 化 に 対 する 生 理 的 反 応 バソプレッシン 低 圧 受 容 器 延 髄 孤 束 核 高 圧 受 容 器 心 肺 部 受 容 器 反 射 肺 血 管 大 動 脈 弓 頚 動 脈 洞 動 脈 圧 受 容 器 反 射 ANP 心 房 内 分 泌 性 の 調 節 機 構 交 感 神 経 ー 副 腎 系 バソプレッシン 系 レニン アンギオテンシン 系 15
血 管 抵 抗 の 分 布 27% 19% 7% 47% 大 動 脈 : 弾 性 血 管 中 動 脈 : 筋 性 血 管 小 細 動 脈 : 抵 抗 血 管 毛 細 血 管 : 交 換 血 管 静 脈 : 容 量 血 管 小 動 脈 と 細 動 脈 静 脈 大 動 脈 中 動 脈 毛 細 血 管 血 管 抵 抗 を 決 める 最 大 の 要 因 は 血 管 の 半 径 小 動 脈 と 細 動 脈 毛 細 血 管 の 抵 抗 が 最 も 大 きい 平 滑 筋 を 持 つ 小 動 脈 や 細 動 脈 の 状 態 に 依 存 血 管 容 積 の 分 布 8% 9% 7% 7% 64% 5% 静 脈 毛 細 血 管 拡 張 時 の 心 臓 大 動 脈 中 動 脈 小 動 脈 と 細 動 脈 肺 16
自 律 神 経 系 交 感 神 経 系 fight and flight 瞳 孔 散 大 心 拍 数 血 圧 気 管 支 拡 張 消 化 管 活 動 抑 制 内 臓 血 管 収 縮 皮 膚 血 管 収 縮 血 糖 上 昇 副 交 感 神 経 系 消 化 や 恒 常 性 維 持 の 機 能 細 動 脈 の 緊 張 の 制 御 ANP バソプレッシン 交 感 神 経 の 自 発 性 活 動 17
血 圧 変 化 に 対 する 短 期 的 な 生 理 的 反 応 洞 房 結 節 心 室 細 動 脈 圧 受 容 器 反 射 18
臥 床 が 続 くと 体 液 量 が 減 るので 起 立 した 時 心 臓 に 戻 る 血 液 が 減 り 低 血 圧 になりやすくなります 坐 位 起 立 は 非 常 に 重 要 です 19
宇 宙 飛 行 による 循 環 動 態 の 変 化 安 静 臥 床 は 心 機 能 の 低 下 をも 引 き 起 こす 20
宇 宙 環 境 ( 無 重 力 状 態 )とベッド 上 臥 床 状 態 立 位 臥 位 Bed restの 影 響 骨 密 度 低 下 心 肺 能 力 筋 力 巧 緻 性 の 低 下 精 神 機 能 低 下 血 管 コンプライアンスの 低 下 内 分 泌 自 律 神 経 応 答 不 良 体 液 量 循 環 血 液 量 低 下 いずれも 運 動 と 起 立 で 防 げます 21
The Dallas Bed Rest and Training Study, 1966 A 30-year follow-up of the Dallas bed rest and training study, 1996 最 大 酸 素 摂 取 量 の 結 果 3 週 間 ベッドレスト VS 30 年 間 の 加 齢 変 化 22
廃 用 症 候 群 ( 動 かないことで 引 き 起 こされる 様 々な 症 候 ) 筋 骨 格 系 筋 萎 縮 関 節 拘 縮 骨 萎 縮 呼 吸 器 系 換 気 障 害 肺 活 量 低 下 肺 炎 心 循 環 系 心 予 備 能 低 下 起 立 性 低 血 圧 血 栓 性 静 脈 炎 泌 尿 器 系 尿 路 結 石 尿 路 感 染 失 禁 消 化 器 系 便 秘 食 欲 不 振 神 経 系 その 他 ぼけ うつ 状 態 知 的 機 能 低 下 褥 瘡 下 肢 廃 用 性 筋 萎 縮 23
関 節 拘 縮 便 秘 から 麻 痺 性 イレウス ( 腸 閉 塞 ) 24
褥 瘡 起 立 性 低 血 圧 直 立 姿 勢 をとった 直 後 の 過 度 の 血 圧 の 低 下 (20/10mmHg 以 上 ) 特 定 の 疾 患 ではなく 種 々の 原 因 によって 生 じる 血 圧 調 節 異 常 25
起 立 耐 性 低 下 の 原 因 1 循 環 血 液 量 2 圧 受 容 器 反 射 の 感 受 性 1 循 環 血 液 量 長 期 臥 床 により 血 液 が 上 半 身 へ 移 動 ( 胸 腔 や 腎 臓 へ) 身 体 の 反 応 としては 尿 量 増 加 しかもこの 状 態 が 長 期 続 くことにより 体 液 量 血 漿 量 減 少 総 体 血 液 量 ( 循 環 血 液 量 ) 減 少 26
頚 下 浸 水 の 効 果 姿 勢 変 換 時 ( 坐 位 起 立 時 )に 下 肢 への 血 液 移 動 により 中 心 静 脈 圧 中 心 血 液 量 が 著 しく 減 少 心 拍 出 量 低 下 起 立 耐 性 低 下 の 原 因 27
2 圧 受 容 器 反 射 の 感 受 性 長 期 臥 床 により 圧 受 容 器 の 感 受 性 低 下 昇 圧 反 射 を 起 こす 循 環 調 節 中 枢 への 求 心 性 インパルスが 減 少 起 立 耐 性 の 低 下 の 原 因 高 齢 者 の 生 理 的 変 化 筋 : 筋 肉 容 量 20 40% 減 ( 加 齢 で0.5~1%/ 年 ) 骨 : 骨 量 女 性 では 約 50% 減 ( 加 齢 で1%/ 年 ) 神 経 : 脳 細 胞 数 の 減 少 末 梢 神 経 伝 導 速 度 10 15% 減 関 節 : 周 囲 組 織 の 退 行 変 性 による 可 動 域 の 減 少 心 肺 機 能 : 最 大 酸 素 摂 取 量 40 50% 減 28
高 齢 による 生 理 的 身 体 変 化 + 廃 用 症 候 群 寝 たきり! 安 静 は 麻 薬 です ( 医 療 で 用 いるオピオイドのことではありません) とても 気 持 ちがよく すぐに 悪 影 響 は 生 じません でも 確 実 に 患 者 さんの 体 を むしばみます 運 動 は 霊 薬 * です * 飲 めば 不 老 不 死 となるといわれた 薬 29
運 動 とは ウォーキング ジョギング マラソン 水 泳 サイクリング 短 距 離 走 ゴルフ 野 球 サッカー 心 拍 数 (/ 分 ) 運 動 負 荷 による 心 拍 数 の 増 加 交 感 神 経 の 働 きを 刺 激 する 迷 走 神 経 の 働 きを 抑 える 運 動 の 強 さを 示 す 酸 素 摂 取 量 (%) 最 大 心 拍 数 =220- 年 齢 30
エネルギー 運 動 にはエネルギーが 必 要 エネルギーの 生 成 には 酸 素 が 必 要 呼 吸 の 目 的 生 体 の 組 織 に 酸 素 を 供 給 し 二 酸 化 炭 素 を 除 去 する ゼェゼェ ハァハァ 酸 素 二 酸 化 炭 素 炭 水 化 物 + O 2 CO 2 + 水 31
運 動 時 に 体 内 で 起 こる 変 化 いくら 心 臓 が 送 り 出 す 血 液 の 量 が 増 加 しても 運 動 をするための 筋 肉 に 血 流 がまわらないと 意 味 がない 交 感 神 経 系 細 い 血 管 を 収 縮 させて 血 流 の 配 分 を 調 節 する 全 ての 臓 器 が 並 列 に 並 ぶ 運 動 健 康 血 糖 血 圧 コレステロール なぜ? 32
最 新 の 運 動 についての 知 見 運 動 は 何 故 からだによいのか? 運 動 は 糖 脂 質 代 謝 を 改 善 し 動 脈 硬 化 症 を 予 防 する 新 たに 分 かった 骨 格 筋 の 役 割 骨 格 筋 の 収 縮 により 産 生 されるサイトカイン 骨 格 筋 骨 格 筋 の 収 縮 により IL-6が 産 生 血 液 中 のIL-6 濃 度 が 上 昇 し 糖 代 謝 脂 質 代 謝 が 活 性 化 Physiol.Rev.88:1379-1406,2008 Bente K.Pedersen 33
筋 力 の 増 加 率 (%) 骨 格 筋 の 収 縮 IL-6 IL-6 IL-6 脂 肪 を 分 解 脂 肪 組 織 糖 の 産 生 を 増 加 肝 臓 IL-6 動 脈 硬 化 を 抑 制 血 管 ( Petersen AM et al. J Appl Physiol. 2005. より 改 変 ) 筋 力 トレーニングでの 負 荷 の 効 果 抵 抗 負 荷 トレーニング 負 荷 なしトレーニング トレーニング 週 数 34
トレーニング 前 後 の 太 ももの 断 面 積 MRIでみた 太 ももの 断 面 A: 訓 練 前 B: 1 回 最 大 筋 力 の50% 3 秒 間 かけた 遅 い 持 続 運 動 と 1 秒 間 の 休 止 を1 分 間 週 3 回 12 週 間 継 続 した 後 ( Tanimoto M et al. J Appl Physiol. 2006. より) 継 続 は 力 なり! どのような 運 動 をすれば 良 いか? ウォーキング ジョギング マラソン 水 泳 サイクリング 短 距 離 走 ゴルフ 野 球 サッカー お 金 と 場 所 が 問 題 こんな 運 動 はできない 下 肢 エルゴメータ 35
持 久 力 (%) 膝 を 伸 ばす 筋 力 (%) ウォーキング 多 くの 中 高 年 を 対 象 とした 運 動 として ウォーキング が 推 奨 されている 毎 日 1 万 歩 の 通 常 のウォーキングでは 脚 の 筋 力 の 増 強 効 果 は 認 められなかった 筋 力 および 持 久 力 の 増 強 効 果 が 実 証 された イン ターバル 速 歩 が より 多 くの 中 高 年 を 対 象 とした 基 本 的 な 運 動 トレーニングとして 有 効 である 信 州 大 学 スポーツ 医 科 学 能 勢 教 授 ら 5ヶ 月 間 の 歩 行 トレーニングの 効 果 インターバル 速 歩 最 大 歩 行 強 度 の70%の 速 歩 と 40%の 緩 歩 を 約 3 分 間 ずつ 交 互 に 繰 り 返 し 速 歩 の 総 時 間 を1 日 15 分 とし 週 4 日 間 実 施 することを 目 標 速 歩 のみでは 乳 酸 が 蓄 積 して 筋 肉 痛 と 息 切 れが 起 こるため 継 続 が 困 難 になる 非 介 入 群 通 常 歩 行 群 インターバル 速 歩 群 膝 を 伸 ばす 筋 力 が13% 増 強 し 持 久 力 が9% 増 加 した ( Nemoto K et al. 2007. より 改 変 ) 36
安 静 は 麻 薬 です ( 医 療 で 用 いるオピオイドのことではありません) とても 気 持 ちがよく すぐに 悪 影 響 は 生 じません でも 確 実 に 患 者 さんの 体 を むしばみます 運 動 は 霊 薬 * です * 飲 めば 不 老 不 死 となるといわれた 薬 宇 宙 飛 行 中 の 運 動 プログラム 自 転 車 エルゴメーター 抵 抗 運 動 トレッドミル 37
運 動 を 行 えない 方 とは 意 識 のない 方 人 工 呼 吸 器 を 装 着 した 状 態 脊 椎 が 負 担 に 耐 えられない 方 血 小 板 が 少 ない 方 主 要 臓 器 疾 患 の 急 性 期 等 です 人 工 呼 吸 器 をつけていても 我 々は 歩 行 訓 練 をしますが 38
人 工 呼 吸 器 をつけていても 我 々は 運 動 もしますが 人 工 呼 吸 器 を 離 脱 39
LBNP( 下 半 身 陰 圧 負 荷 装 置 )による 実 験 LBNPを 装 着 した 向 井 千 秋 さん 1994.01.07 40
宇 宙 飛 行 による 循 環 動 態 の 変 化 宇 宙 環 境 ( 無 重 力 状 態 )とベッド 上 臥 床 状 態 立 位 臥 位 41
離 床 困 難 な 広 範 囲 熱 傷 患 者 に 対 する Lボード( 持 ち 運 び 式 起 立 台 )の 使 用 ➀ ➁ ➂ Lボードへ 移 動 する ベルトで 体 幹 下 肢 を 固 定 する Lボードを 起 こし 立 位 姿 勢 にする Lボードの 適 応 下 記 の 項 目 が 全 て 当 てはまる 症 例 1 原 疾 患 や 意 識 障 害 などにより 坐 位 をとる 事 が 困 難 な 症 例 2リハ 室 への 出 棟 が 困 難 な 症 例 3 下 肢 への 荷 重 制 限 がない 症 例 42
Lボード 製 作 方 法 以 下 の 手 順 で 製 作 した 1 市 販 のイレクターパイプ ビニール シート 木 板 紐 ベルトを 購 入 する ➁パイプで 枠 組 みを 製 作 する 3 背 もたれ 部 分 を 紐 で 補 強 し 筒 状 にしたビニールシートを 被 せる 4 足 底 接 触 部 分 に 木 板 を 敷 き 固 定 し 滑 り 止 めをはる 5 起 立 時 に 床 と 設 置 し 支 点 となる 部 分 に 滑 り 止 めをはる 43
ベッドサイドでの 起 立 負 荷 ベッドレストが 起 立 耐 容 能 心 肺 持 久 力 に 及 ぼす 影 響 長 期 臥 床 心 収 縮 力 低 下 心 容 量 低 下 循 環 調 節 反 射 低 下 動 脈 血 圧 総 血 液 量 減 少 循 環 血 液 量 減 少 心 拍 出 量 筋 力 低 下 酸 素 解 離 利 用 能 低 下 起 立 耐 性 低 下 心 肺 持 久 力 低 下 44
早 期 離 床 の 意 味 早 期 離 床 運 動 耐 容 能 低 下 起 立 耐 性 VO2max 予 防 早 期 機 能 改 善 ADL 改 善 早 期 社 会 復 帰 目 的 を 持 って しっかり 起 こして 運 動 しましょう! 運 動 療 法 の 効 果 最 もエビデンスレベルが 高 いものに 最 大 酸 素 摂 取 量 の 増 加 がある 複 数 の 多 施 設 無 作 為 介 入 臨 床 試 験 で 証 明 大 規 模 無 作 為 試 験 のメタアナリシスがある 45
運 動 療 法 の 効 果 Belardinelli R, et al: Randomized Controlled Trial of Long-Term Moderate Exercise Training in Chronic Heart Failure Effects on Functional Capacity, Quality of Life, and Clinical Outcome. Circulation 1999 慢 性 心 不 全 患 者 を 運 動 群 と 非 運 動 群 に 分 け 運 動 群 は60%VO 2 max 40 分 のエル ゴメータ 運 動 を 週 3 回 8 週 間 その 後 は 週 2 回 1 年 続 けた 運 動 療 法 の 効 果 Belardinelli R, et al: Randomized Controlled Trial of Long-Term Moderate Exercise Training in Chronic Heart Failure Effects on Functional Capacity, Quality of Life, and Clinical Outcome. Circulation 1999 運 動 群 でのみ 最 大 酸 素 摂 取 量 が 増 加 した 運 動 療 法 による 最 大 酸 素 摂 取 量 の 増 加 が 虚 血 性 心 疾 患 患 者 の 日 常 労 作 の 相 対 的 運 動 強 度 を 上 げ 労 作 時 の 息 切 れなどの 諸 症 状 の 改 善 に 起 因 していると 考 えられる 46
運 動 療 法 の 心 機 能 への 効 果 Giannuzzi P, et al: Antiremodeling Effect of Long-Term Exercise Training in Patients With Stable Chronic Heart Failure: Results of the Exercise in Left Ventricular Dysfunction and Chronic Heart Failure (ELVD-CHF) Trial. Circulation 2003 慢 性 心 不 全 患 者 を 運 動 群 と 対 照 群 に 分 け 運 動 群 に60%VO 2 max 30 分 で 週 3~5 回 のエ ルゴメータ 運 動 を6ヶ 月 間 実 施 した 運 動 療 法 の 心 機 能 への 効 果 Giannuzzi P, et al: Antiremodeling Effect of Long-Term Exercise Training in Patients With Stable Chronic Heart Failure: Results of the Exercise in Left Ventricular Dysfunction and Chronic Heart Failure (ELVD-CHF) Trial. Circulation 2003 運 動 群 ではEDV ESVともに 減 少 し 対 照 群 ではEDV ESVともに 増 加 した 心 機 能 への 直 接 的 な 効 果 として 左 室 リモ デリング 抑 制 効 果 が 示 されている 47
痙 縮 に 対 するリハビリテーション ( 附 記 ) 痙 縮 の 治 療 効 果 はmodified Ashworth scale (MAS)をはじめとする 筋 緊 張 の 臨 床 評 価 と 上 肢 機 能 歩 行 ADLなどの 評 価 によって 判 定 される その 治 療 には 神 経 ブロックを 含 む 薬 物 療 法 な らびに 物 理 療 法 運 動 療 法 装 具 療 法 などが 行 われる ~ 中 略 ~ また 運 動 療 法 において 痙 縮 筋 の 使 用 や 反 復 する 荷 重 が 筋 緊 張 を 増 悪 させることはなく む しろ 随 意 運 動 の 回 復 とともに 痙 縮 の 改 善 が 期 待 できる 運 動 療 法 と 痙 性 トレッドミル 歩 行 後 に 麻 痺 側 の 痙 性 は? トレッドミル 歩 行 後 に 痙 性 は 強 くならない 48
痙 縮 に 対 するリハビリテーション 1 装 具 療 法 や 運 動 療 法 が 痙 縮 に 対 する 治 療 の 妨 げにはならない 2 急 性 期 に 行 うのは 廃 用 予 防 の ための 訓 練 ではない 3 急 性 期 から 慢 性 期 まで 長 時 間 高 負 荷 の 運 動 を 継 続 する 患 者 の 権 利? 企 業 のリスクマネジメントの 様 に 危 険 なことはしないというのであれば 重 症 度 が 高 い 患 者 のリハや 出 棟 を 中 止 することになってしまうが それは 本 末 転 倒 した 考 えで 重 症 度 が 高 い 患 者 こ そ 急 性 期 リハを 実 践 しなければならな い 49
リスクで 最 も 恐 ろしいのは 安 静 と 臥 床 です 臥 床 重 力 の 影 響 を 最 小 限 に 抑 えた 状 態 安 静 活 動 を 最 小 限 にした 状 態 臥 床 したまま 運 動 負 荷 をかける ことは 可 能 です 廃 用 症 候 群 ( 動 かないことで 引 き 起 こされる 様 々な 症 候 ) 筋 骨 格 系 筋 萎 縮 関 節 拘 縮 骨 萎 縮 呼 吸 器 系 換 気 障 害 肺 活 量 低 下 肺 炎 心 循 環 系 心 予 備 能 低 下 起 立 性 低 血 圧 血 栓 性 静 脈 炎 泌 尿 器 系 尿 路 結 石 尿 路 感 染 失 禁 消 化 器 系 便 秘 食 欲 不 振 神 経 系 その 他 ぼけ うつ 状 態 知 的 機 能 低 下 褥 瘡 50
活 動 性 を 保 つ 基 本 は 長 期 臥 床 を 避 け 起 立 運 動 負 荷 すること ただし 診 察 検 査 診 断 をしてから 限 界 近 い 運 動 を 無 理 してでもするよう 勧 めるべきだと 考 えます 急 性 期 から 安 静 臥 床 を 出 来 るだけ 避 けて 下 さい リハビリテーション 実 践 積 極 的 な 早 期 リハを 考 える 2013.12.22 ご 清 聴 ありがとうございました 和 歌 山 県 立 医 科 大 学 リハビリテーション 医 学 那 智 勝 浦 町 立 温 泉 病 院 リハビリテーション 科 幸 田 剣 51