われ 企 業 型 DC においては 充 実 した 制 度 になっています しかし ながら 個 人 型 DC に 関 しては 加 入 者 の 数 はさほど 増 えていませ ん これは 半 強 制 的 に 加 入 するようになっている 企 業 型 DC に 対 し 個 人 型 年 金 はあくまでも 自

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第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 末 の 運 用 資 産 額 は 2,976 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +1.79%となりました なお 実 現 収 益 率 は +0.67%です 第 3 四 半 期

は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし


損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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平 成 27 年 度 第 3 四 半 期 運 用 状 況 の 概 要 第 3 四 半 期 の 運 用 資 産 額 は 2 兆 4,339 億 円 となりました 第 3 四 半 期 の 修 正 総 合 収 益 率 ( 期 間 率 )は +2.05%となりました 実 現 収 益 率 は +1.19%です

公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

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損 益 計 算 書 ( 平 成 25 年 10 月 1 日 から 平 成 26 年 9 月 30 日 まで) ( 単 位 : 千 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 304,971 営 業 費 用 566,243 営 業 総 損 失 261,271 営 業 外 収 益 受 取 利 息 3,545

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(1) 貸 借 対 照 表 ( 平 成 26 年 11 月 30 日 現 在 ) ( 単 位 : 千 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 科 目 金 額 科 目 金 額 流 動 資 産 4,623,985 流 動 負 債 3,859,994 現 金 及 び 預 金 31,763 支 払 手 形

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 有

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ただし 区 分 は 同 一 の 譲 渡 所 得 であっても 不 動 産 の 譲 渡 損 益 は 不 動 産 の 譲 渡 損 益 どうしで また 株 式 等 の 譲 渡 損 益 は 株 式 等 の 譲 渡 損 益 どうしで それぞれ 通 算 を 行 うことになっています( 次 項 の 損 益 通 算

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Transcription:

拡 大 する 確 定 拠 出 年 金 ( DC) 制 度 と マイナス 金 利 時 代 の 運 用 1.はじめに 確 定 拠 出 年 金 (DC: Defined Contribution) 制 度 の 改 正 により 60 歳 未 満 であればだれでも DC 制 度 に 加 入 できることになりました 具 体 的 には 企 業 年 金 制 度 があるものの DC 制 度 はない 企 業 に 勤 務 する 会 社 員 公 務 員 専 業 主 婦 などの 第 3 号 被 保 険 者 が DC 制 度 へ の 加 入 が 認 められることになります 企 業 型 DC を 含 め 今 回 の 法 改 正 が DC 制 度 として 年 金 資 産 の 形 成 を 非 常 に 重 視 していることは 明 白 です 今 後 これまで 低 迷 していた 個 人 型 DC への 加 入 者 は 大 幅 に 増 加 していくことが 見 込 まれます その 一 方 で DC 制 度 の 枠 組 みの 中 で 加 入 者 自 らが 自 己 責 任 の 下 で 資 産 運 用 を 行 うことになることがこ れまで 以 上 に 社 会 的 な 注 目 を 浴 びることになります そのため そ うした 制 度 を 成 功 させるためにも そして 国 民 の 資 産 形 成 を 円 滑 に 推 進 していくためにも 投 資 に 関 する 教 育 が 一 段 と 重 要 になります これまでの 一 部 の 加 入 者 の 資 産 形 成 を 支 援 するという 段 階 から 国 民 の 老 後 の 生 活 の 安 定 を 維 持 向 上 させるという 大 きな 役 割 に 変 わったといえます 加 入 者 自 身 の 自 己 責 任 が 強 調 させるものの 各 方 面 での 支 援 体 制 の 強 化 が 必 要 になるものと 思 われます 本 稿 では DC 制 度 における 資 産 形 成 をどのように 考 え 実 行 に 移 すかを 振 り 返 るとともに 原 油 安 景 気 減 速 懸 念 やマイナス 金 利 と いった 最 近 の 経 済 情 勢 を 考 慮 しつつ 中 長 期 的 な 視 点 での 運 用 戦 略 を あらためて 論 じることにします 2. 確 定 拠 出 年 金 (DC) 制 度 の 法 改 正 確 定 拠 出 年 金 (DC) 制 度 は 2001 年 10 月 にスタートして 以 来 順 調 に 加 入 者 を 増 やし 企 業 型 DC では 2016 年 2 月 末 では 547 万 人 個 人 型 DC では 25 万 人 となっています この 間 法 改 正 が 行 1

われ 企 業 型 DC においては 充 実 した 制 度 になっています しかし ながら 個 人 型 DC に 関 しては 加 入 者 の 数 はさほど 増 えていませ ん これは 半 強 制 的 に 加 入 するようになっている 企 業 型 DC に 対 し 個 人 型 年 金 はあくまでも 自 主 的 に 加 入 する 必 要 があり 仕 組 み 自 体 も 簡 単 ではないことから 一 般 には 避 けられてきた 傾 向 がある と 思 われます 一 方 で 加 入 する 意 志 が 強 くても 自 営 業 者 等 の 第 1 号 被 保 険 者 と 一 部 の 会 社 員 である 第 2 号 被 保 険 者 に 限 られていた ため 加 入 員 数 の 増 加 を 阻 む 要 因 となっていたことは 否 めません しかし DC 制 度 は 2016 年 5 月 24 日 にかつてないほどの 大 きな 法 改 正 が 行 われました そして 今 年 度 中 にも 施 行 されることで DC 制 度 全 体 として 大 きな 転 換 期 を 迎 えているということが 言 え ます 企 業 型 DC における 改 正 も 中 小 企 業 向 けの 簡 易 型 DC の 創 設 や 拠 出 規 制 単 位 の 月 単 位 から 年 単 位 への 変 更 運 用 の 改 善 対 応 等 画 期 的 ですが 今 回 の 注 目 点 は 特 に 個 人 型 DC への 対 応 だと 思 って います これまで 加 入 できなかった 層 ( 企 業 年 金 制 度 はあるものの DC 制 度 はなかった 会 社 員 や 公 務 員 そして 第 3 号 被 保 険 者 )に も 解 放 されるということで 今 後 加 入 しうる 潜 在 的 加 入 者 は 2500 万 人 にものぼると 試 算 されています つまり 事 実 上 DC 制 度 に 加 入 できない 層 がなくなるわけです それによって DC 制 度 の 運 用 は 個 人 の 資 産 形 成 において 重 要 な 位 値 を 占 めることは 確 実 です 資 産 運 用 に 関 する 知 識 とスキルを 多 様 な 加 入 者 に 教 育 していく 必 要 性 が 飛 躍 的 に 高 まるということなり ます 3. DC 制 度 の 特 徴 DC 制 度 とは 個 人 の 責 任 で 掛 金 の 運 用 を 行 い その 実 績 に 応 じ た 金 額 が 年 金 で 給 付 されるというものです メリットとしては 1 毎 年 の 掛 金 総 額 が 所 得 総 額 から 控 除 される ため 掛 金 分 の 所 得 税 がかからない 2DC 制 度 で 積 立 てられた 資 金 を 運 用 する 場 合 の 売 買 に 伴 う 税 金 が 非 課 税 になる 3 年 金 での 受 2

け 取 りにおいても 課 税 が 軽 減 される 4 企 業 型 DC に 加 入 している 者 が 転 職 や 退 職 しても 積 立 金 を 移 管 できるという 点 があげられます 反 対 にデメリットとしては 1 掛 金 の 積 立 額 に 上 限 があり 自 由 に 設 定 できない 2 運 用 は 自 己 責 任 であるので 運 用 の 結 果 で 年 金 積 立 額 が 変 わる 3 原 則 として 60 歳 以 上 でないと 年 金 として 受 け 取 れ ないため 急 用 の 資 金 は 別 枠 で 用 意 する 必 要 がある という 点 があ げられます 従 って DC 制 度 は 中 長 期 的 な 視 点 で 老 後 の 生 活 資 金 を 形 成 す る ものということを 十 分 に 認 識 する 必 要 があるわけです 4. DC 制 度 における 資 産 運 用 の 基 本 的 な 考 え 方 前 述 したように DC 制 度 の 資 金 は 老 後 まで 引 き 出 せないのです から その 資 金 を 運 用 する 上 でもその 資 金 的 性 格 に 応 じた 運 用 戦 略 を 考 える 必 要 があります これは 短 期 的 な 売 買 を 繰 り 返 すデイト レーダーのような 投 資 とは 全 く 異 なるものです また 運 用 資 金 は 毎 月 掛 金 分 として 積 立 てられ 着 実 に 増 えていくということを 最 大 限 に 利 用 することです そこで DC 加 入 者 が 目 標 として 考 えるべきことは まず 60 歳 以 降 での 生 活 資 金 を 想 定 し DC 制 度 の 下 で 形 成 すべき 資 金 はどれほ どになるのかを 具 体 化 することです DC 制 度 で 積 立 てる 金 額 は 制 度 が 変 更 にならなければ 予 め 算 定 できるので 形 成 すべき 金 額 に 達 成 するためには どれほどの 資 産 を 殖 やす 必 要 があるかがわかります それにより 平 均 的 な 必 要 リターンを 算 定 しておくことです そのリターンを 実 現 するためには 加 入 者 が 運 営 管 理 機 関 の 提 示 する 運 用 商 品 に 投 資 することで 資 産 運 用 を 行 うことになります そ の 際 の 重 要 なポイントを 以 下 の3つで す 1 つ 目 は 運 用 資 産 の 配 分 です これは アセット アロケーシ ョン 若 しくはアセット ミックスと 呼 ばれるもので 目 標 リター ンを 実 現 するために 最 初 に 考 えなくてはならない 運 用 戦 略 です 3

2つ 目 は その 運 用 戦 略 を 実 現 するため 実 際 に 運 用 する 商 品 の 選 定 です DC 運 用 の 商 品 は 個 別 証 券 ではなく 投 資 信 託 商 品 がほと んどなので 個 別 銘 柄 特 有 な 事 項 ではなく 商 品 の 特 性 とマクロ 的 な 動 向 ( 例 えば 景 気 判 断 政 局 地 政 学 的 リスク 産 業 の 業 界 動 向 等 )との 関 連 を 重 視 した 選 択 が 重 要 になります 3つ 目 は 定 期 的 な 掛 金 を 積 立 てる 仕 組 みを 理 解 することです 毎 月 の 掛 金 で 運 用 が 行 われるのですから 時 期 を 分 けて 少 しずつ 投 資 を 行 っていくことになります これは 投 資 タイミングを 分 散 化 す ることになり 損 失 に 対 するリスクを 低 減 化 させる 効 果 があるとい われることから 時 間 分 散 と 呼 ばれます 5. 最 近 の 経 済 情 勢 とマイナス 金 利 の 影 響 アセット ミックスは 資 産 形 成 の 目 標 に 向 けた 第 1 歩 であると 共 に 資 産 運 用 のパフォーマンスの8 割 以 上 を 決 定 付 けると 言 われて います 従 って 各 アセットの 将 来 期 待 される 収 益 ( 期 待 リターン) の 判 断 が 重 要 になってきます 一 般 的 には 過 去 の 中 長 期 に 渡 るデ ータを 元 に 期 待 リターンとリスクが 算 定 されます しかし 過 去 データのウエイトを 高 めると 将 来 の 経 済 情 勢 にパラダイムシフト が 起 こっても それらに 反 映 することはできまません 軽 微 で 短 期 的 かつ 一 時 的 なショックは 中 長 期 運 用 での 要 因 から 除 外 しても 大 き な 問 題 にはなりませんが リーマンショックのような 極 めて 大 きな インパクトやアベノミクスのような 構 造 変 化 においては 見 直 しも 検 討 する 必 要 がでてきます その 意 味 で 2016 年 のマイナス 金 利 導 入 と 約 2 年 にわたる 原 油 安 そして 昨 今 の 為 替 変 動 が 転 換 する 兆 しは 各 アセットの 期 待 リ ターンに どう 影 響 するのかを 整 理 しておくことが 重 要 です そこで 本 稿 では 一 定 の 考 え 方 に 基 づき 各 資 産 の 期 待 リターンの 捉 え 方 を 考 えてみます 日 本 銀 行 は 平 成 28 年 1 月 29 日 にマイナス 金 利 0.1%の 導 入 を 決 定 しました このマイナス 金 利 の 適 用 は 当 座 預 金 残 高 に 適 用 さ 4

れるものです 当 座 預 金 に 適 用 されると 企 業 は 当 座 預 金 に 預 けて いるよりも 貸 出 に 資 金 を 向 けた 方 がいいため 貸 出 が 増 え 市 場 金 利 は 競 争 原 理 が 働 いて 低 下 し 景 気 上 昇 に 寄 与 すると 考 えられます しかし 当 座 預 金 残 高 ( 約 260 兆 円 )は 基 礎 残 高 ( 約 210 兆 円 ) マクロ 加 算 残 高 ( 約 40 兆 円 ) 政 策 金 利 残 高 ( 約 10 兆 円 )か ら 構 成 されています 1 実 際 にマイナス 金 利 が 適 用 になるのは 政 策 金 利 残 高 部 分 ですので 金 融 市 場 への 直 接 の 影 響 度 としてはそれほ ど 大 きくないのですが すでに 国 債 利 回 りでマイナスの 利 回 りを 付 け その 度 合 いは 拡 大 基 調 にあるなど アナウンス 効 果 は 絶 大 であ ったと いえるでしょう そのマイナス 金 利 が 導 入 された のは 2012 年 12 月 頃 から 開 始 さ れたアベノミクスによる 景 気 回 復 基 調 に 翳 りが 見 え 始 めたためでし た 政 府 日 銀 としては 景 気 拡 大 を 持 続 させるために 前 例 のない マイナス 金 利 導 入 という 政 策 を 打 ち 出 したのです しかし 導 入 後 4 ヵ 月 あまり 経 過 したものの 市 場 の 評 価 は 一 定 していません 政 府 日 本 銀 行 としても アベノミクスを より 強 力 に 進 め 景 気 拡 大 を 推 進 するために 行 った 金 融 緩 和 措 置 の 一 環 であっ たわけですが 現 在 のところ その 意 図 どおりの 効 果 に 繋 がってい る とはいえない 状 況 にあります 今 回 の 政 策 について 理 論 的 に 考 えれば マイナス 金 利 という 類 を 見 ない 金 融 緩 和 により 投 資 先 を 求 めて 多 額 の 資 金 が 事 業 や 投 資 資 産 に 向 かうと 考 えられます それによって 企 業 の 運 転 資 金 は 潤 沢 になり 業 績 向 上 に 寄 与 することや 投 資 資 産 価 値 の 上 昇 に 繋 がるな ど プラスに 働 くはずです また マイナス 金 利 は 利 回 りが 下 が り 日 本 への 投 資 メリットが 減 ずることになります それは 他 通 貨 資 産 に 逃 避 することを 意 味 し 為 替 は 円 安 となり ます 円 安 になると 1 1 基 礎 残 高 とは 民 間 銀 行 が 日 本 銀 行 口 座 に 預 けた 金 額 のうち 所 要 準 備 額 を 超 える 部 分 ( 超 過 準 備 額 )をいい +0.1%の 金 利 が 適 用 されます 2マクロ 加 算 残 高 とは 所 要 準 備 額 日 銀 がゼロ 金 利 で 民 間 銀 行 に 貸 し 出 す 金 額 ( 貸 出 支 援 基 金 および 被 災 地 金 融 機 関 支 援 オペ) そして 日 銀 が 適 宜 加 算 する 金 額 の 合 計 で これにはゼロ 金 利 が 適 用 されます 3 政 策 金 利 残 高 とは 当 座 預 金 残 高 から1 2を 上 回 る 部 分 をいい 0.1% の 金 利 が 適 用 されます 5

国 内 輸 出 産 業 の 収 益 力 は 上 昇 し 業 績 としてプラスに 働 きます マ クロ 的 には 景 気 拡 大 株 価 上 昇 というシナリオが 描 けるわけです また 個 人 消 費 の 面 からも マイナス 金 利 はローン 金 利 の 低 下 で 住 宅 取 得 意 欲 が 高 まり 資 金 的 余 裕 から 一 般 消 費 が 拡 大 し 景 気 上 昇 の 効 果 に 繋 がると 思 われます しかしながら 実 際 の 状 況 を 見 ると 為 替 は 円 高 傾 向 であり 株 価 は 不 安 定 な 状 態 そして 景 気 も 停 滞 気 味 で 物 価 2%の 上 昇 も 難 しいというのが 現 状 です 為 替 が 円 高 になっているのは 金 融 政 策 の 失 敗 ということではなく 米 国 の 円 安 容 認 が 見 直 されたことが 大 きく 影 響 しているようです また 株 価 は 円 高 や 原 油 安 の 影 響 もあ りますが 株 式 市 場 で 高 い 時 価 総 額 ウエイトを 占 めている 金 融 機 関 の 業 績 がマイナス 金 利 の 影 響 で 悪 化 するとの 懸 念 を 持 たれているこ とによります このように 現 状 ではマイナス 金 利 のメリットが 現 わ れていない ということになりますが 筆 者 はそう 悲 観 的 に 考 えていません マ イナス 金 利 の 効 果 は 今 後 徐 々に 現 れてくるものであり 導 入 目 的 と 想 定 される 理 論 的 なプロセスを 考 えれば 前 述 したようにプラス 効 果 となるため 目 先 の 状 況 だけに 捕 らわれることがあってはならな いと 思 っています 特 に DC 制 度 では 中 長 期 的 な 視 点 での 運 用 を 実 践 していくので 一 時 的 な 感 情 による 判 断 に 伴 う 投 資 行 動 こそが マイナス 要 因 と 考 えます 6. DC 制 度 における 当 面 の 運 用 と 中 長 期 的 な 運 用 の 兼 ね 合 い DC 制 度 では 中 長 期 にわたる 運 用 を 行 うことになり なおかつ 期 間 中 での 資 金 の 引 き 出 しはできないことから 短 期 的 な 相 場 の 変 動 に 一 喜 一 憂 して 投 資 行 動 を 変 えることは 得 策 ではありません 個 人 投 資 家 には 近 視 眼 的 な 見 方 になることがしばしばあるため 相 場 の 下 落 が 続 いてくると 売 却 し 相 場 の 上 昇 が 続 いてくると 購 入 するといったように 後 追 い 的 な 行 動 を 取 ることがしばしば 見 られ ます 本 来 運 用 成 果 を 高 めるためには 下 がったところで 買 い 6

上 がったところで 売 るという 逆 バリ 行 動 が 必 要 になりますが これを 実 際 の 行 動 に 移 すことは 心 理 的 に 難 しいというのが 実 情 でし ょう 従 って DC 制 度 のような 中 長 期 運 用 では 一 時 的 な 情 報 に 惑 わ されず 当 初 の 戦 略 に 則 って 毎 月 一 定 金 額 の 掛 金 分 を 買 い 続 ける ことが 実 は 非 常 に 重 要 なことです 相 場 が 下 がっていれば 低 価 格 で 多 くの 数 量 を 購 入 できるし 相 場 が 上 がっていれば 価 格 は 高 いこと で 少 ない 数 量 しか 購 入 できないため 結 果 として 平 均 取 得 価 格 が 抑 制 され 中 長 期 的 に 見 ると 簿 価 を 気 にせず 安 定 した 資 産 形 成 を 行 うことが 可 能 に なります しかしながら 相 場 変 動 に 関 して 全 く 無 関 心 では いられないとい う 投 資 家 も 少 なくないと 思 います そうした 投 資 家 においては 次 章 で 紹 介 する コア サテライト 戦 略 を 検 討 するのも 一 案 です 7. コア サテライト 戦 略 の 活 用 (1)コア サテライト 戦 略 とは コア サテライト 戦 略 とは 運 用 資 金 全 体 のうち 一 定 割 合 をコ ア 戦 略 それ 以 外 をサテライト 戦 略 とするものです コア 戦 略 と は 中 長 期 的 な 目 標 達 成 のためのアセット ミックス を 中 心 に 据 える 戦 略 です そして 各 アセットではインデックス 運 用 の 投 資 信 託 を 採 用 します 運 用 戦 略 の 要 ( 核 ) とするということで コアと 呼 ばれま す 一 方 サテライト 戦 略 とは コア 戦 略 から 切 り 離 して 自 由 にリタ ーンを 狙 う 戦 略 です 全 体 の 資 産 に 対 する 割 合 は 1 2 割 程 度 と コアの 周 りの 衛 星 のようなものということでサテライトと 呼 ばれま す サテライト 戦 略 では 高 いリターンを 得 るために 短 期 的 な 情 報 に 素 早 く 対 応 し ハイリスクを 厭 わない 運 用 戦 略 を 取 ります( 図 1 参 照 ) コア サテライト 戦 略 は アセット 全 体 で 見 れば それほどリス クを 高 めることなく プラスαのリターンを 得 ることが 目 的 になり 7

ます 通 常 のアセット ミックスの 枠 組 みでリターンを 高 めようと する 場 合 大 きなリスクを 取 らなくてはならないため コア サテ ライト 戦 略 は 有 効 であると 考 えます( 図 2 参 照 ) 図 1 コア サテライト 戦 略 の イメージ 図 2 コア サテライト 戦 略 によるアセット ミックスのイメージ 8

(2)DC 制 度 におけるコア サテライト 戦 略 の 応 用 DC 制 度 におけるコア サテライト 戦 略 を 具 体 的 に 考 えてみまま しょう コア 戦 略 の 期 待 リターンを 年 率 3% サテライト 戦 略 の 期 待 リタ ーンを 年 率 6% 掛 金 は 月 額 3 万 円 とします コアの 占 有 率 は 80% としますが 75% までの 乖 離 は 許 容 するものとし それ 以 上 乖 離 し た 場 合 は 80% に 戻 すオペレーションを 実 施 するものとします 運 用 期 間 は 420 ヵ 月 ( 35 年 )を 想 定 し 資 産 変 動 のブレはここでは 考 慮 せずに 資 産 価 値 の 平 均 的 な 推 移 をシミュレーションしてみます その 結 果 が 表 1 表 2 図 3 図 4 です まず 全 額 キャッシュ 運 用 の 場 合 ( 表 1 の1)と コア 戦 略 100% の 場 合 ( 表 1の5)を 比 較 すると 35 年 後 の 資 産 額 はそれぞれ 1236 万 円 と 2233 万 円 であり 1517 万 円 ( 1.8 倍 )も 多 くなります そして コア サテライト 戦 略 を 取 った 場 合 は 2560 万 円 となり コア 戦 略 よりも 336 万 円 多 くなります( 表 2) 実 際 には 資 産 変 動 リスクがあるため このような 結 果 には 必 ず しもなりません しかし 中 長 期 的 な 見 通 しだけでなく 短 期 的 で も 大 きな 要 因 が 資 産 形 成 上 大 きな 影 響 を 与 えると 判 断 する 投 資 家 に とって コア サテライト 戦 略 は1つの 有 力 な 方 法 といえるのでは ないでしょうか 表 1 コア サテライト 戦 略 のシミュレーション 結 果 (1) 9

表 2 コア サテライト 戦 略 のシミュレーション(2) 図 3 シミュレーション 結 果 (グラフ1) 図 4 シミュレーション 結 果 (グラフ2) 10

7. 終 わりに DC 制 度 は 制 度 改 正 により 加 入 者 の 劇 的 な 増 加 が 見 込 まれ そ れとともに 資 産 運 用 の 重 要 性 も 更 に 高 まってきます 本 稿 では マ イナス 金 利 政 策 が 資 本 市 場 にどう 影 響 するかとの 私 論 を 述 べ そう した 状 況 での 投 資 行 動 を 考 察 しました また 中 長 期 運 用 に 短 期 的 な 変 動 要 因 を 反 映 させたコア サテライト 戦 略 を 紹 介 するとともに その 効 果 は 無 視 できない 場 合 もあることを 示 しました 本 稿 は DC 制 度 をより 理 解 していただくことを 念 頭 に 執 筆 してい ますが DC 制 度 関 係 者 そして 加 入 者 の 一 助 になれば 幸 いです 2016 年 6 月 記 DC 総 合 研 究 所 正 会 員 企 業 年 金 管 理 士 (DC) AFP 博 士 ( 経 営 工 学 ) 日 本 証 券 アナリスト 協 会 検 定 会 員 結 城 淳 本 稿 の 内 容 については 筆 者 が 関 係 する 機 関 を 代 表 するものでは なく その 全 ての 責 任 は 筆 者 個 人 にあることをお 断 りします 11