資 料 10 再 生 可 能 エネルギーの 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT 制 度 )における 木 質 バイオマス 発 電 に 対 する 要 望 平 成 24 年 4 月 3 日 日 本 製 紙 連 合 会 製 紙 業 界 は 我 が 国 において マテリアル 利 用 サーマル 利 用 を 通 じて 最 も 多 く 木 質 バイオマスを 利 用 している 業 界 として 再 生 可 能 エネルギーの 固 定 価 格 買 取 制 度 (FIT 制 度 )によって 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスの 利 用 拡 大 が 図 られるこ とが エネルギー 転 換 や 資 源 の 有 効 利 用 を 通 じて 我 が 国 の 森 林 の 整 備 や 地 球 温 暖 化 の 防 止 に 大 きく 貢 献 することを 高 く 評 価 するとともに 今 後 とも FIT 制 度 の 活 用 も 含 め より 一 層 の 木 質 バイオマスの 利 用 拡 大 に 積 極 的 に 取 り 組 んでいきたいと 考 え ている 一 方 で 風 力 地 熱 太 陽 光 などの 再 生 可 能 エネルギーの 中 で 木 質 バイオマス が 唯 一 異 なっているのは 既 にその 多 くの 部 分 が 製 材 合 板 木 質 ボード 製 紙 な どのマテリアル 利 用 や 発 電 熱 源 のための 燃 料 としてのサーマル 利 用 に 供 されてい ることである また 木 材 は 用 途 によって 求 められる 品 質 が 異 なり 通 直 で 曲 がりが 尐 ないなど 品 質 のいいものから 製 材 向 けをA 材 合 板 向 けをB 材 木 質 ボードや 製 紙 向 けをC 材 燃 料 向 けはD 材 と 区 分 して 利 用 され 付 加 価 値 の 最 大 化 が 図 られてい る 木 材 の 価 格 も 市 場 原 理 によってA 材 が 一 番 高 く 以 下 B 材 C 材 D 材 の 順 となっ ている さらに 製 材 残 材 は 製 紙 に 建 設 発 生 木 材 は 製 紙 木 質 ボードや 燃 料 にカス ケード 利 用 され 古 紙 は 製 紙 にリサイクル 利 用 されている 木 材 の 需 要 量 ( 林 野 庁 木 材 需 給 表 平 成 20 年 ) 製 材 用 材 27,156 千 m3 (うち 製 材 残 材 6,509 千 m3) パルプ 材 37,856 千 m3 合 板 用 材 10,269 千 m3 その 他 用 材 4,241 千 m3 計 79,518 千 m3 このため FIT 制 度 によって 発 電 のための 新 たな 木 質 バイオマス 需 要 を 喚 起 する にあたって 上 記 のような 木 質 バイオマスの 既 存 の 利 用 体 系 に 対 して 適 切 に 配 慮 し ないと 既 存 用 途 から 発 電 用 途 への 転 換 が 生 じ 既 存 用 途 における 供 給 量 逼 迫 や 価 格 高 騰 を 引 き 起 こす 恐 れがある このことは 製 紙 産 業 などの 既 存 産 業 の 存 立 を 危 う 1
資 料 10 くし 地 域 経 済 の 面 からも 雇 用 の 面 からも 悪 影 響 を 及 ぼすことになる 紙 パルプ 関 連 産 業 の 現 状 ( 平 成 22 年 ) 出 荷 額 6 兆 8 732 億 円 従 業 員 数 17 万 1 千 人 紙 板 紙 生 産 量 2,736 万 トン 日 本 製 紙 連 合 会 会 員 企 業 36 社 95 工 場 また 気 候 変 動 枠 組 条 約 の 下 においては 木 質 バイオマスを 利 用 することはカー ボンニュートラルであることから 推 奨 されているが 昨 年 末 のCOP17において 伐 採 木 材 製 品 (HWP)によって 木 材 製 品 をマテリアルとして 使 用 することがCO2の 貯 蔵 と して 認 められることとなった このように 地 球 温 暖 化 の 防 止 を 図 る 観 点 からも 木 質 バイオマスの 利 用 にあたっては まずマテリアルとして 利 用 した 後 にサーマル 利 用 す るべきである このため 再 生 可 能 エネルギー 特 措 法 のFIT 制 度 において 木 質 バイオマス 発 電 を 国 民 負 担 によって 促 進 するにあたって 政 府 は バイオマス 活 用 推 進 基 本 法 ( 平 成 21 年 6 月 12 日 法 律 第 52 号 )の 第 8 条 に 規 定 されているように 木 質 バイオマスのマ テリアル 利 用 を 優 先 し 木 材 の 健 全 なカスケード 利 用 体 系 を 維 持 するよう 配 慮 すべき である バイオマス 活 用 推 進 基 本 法 (バイオマスの 種 類 ごとの 特 性 に 応 じた 最 大 限 の 利 用 ) 第 8 条 バイオマスの 活 用 の 推 進 は まずバイオマスが 製 品 の 原 材 料 として 利 用 され 最 終 的 にエネルギー 源 として 利 用 されるなど バイオマスの 種 類 ごとの 特 性 に 応 じて 最 大 限 に 利 用 されることを 旨 として 行 われなければならない 具 体 的 には 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 買 取 制 度 小 委 員 会 の 報 告 書 ( 平 成 23 年 2 月 18 日 )< 別 紙 1 参 照 >で 提 言 されているように 既 存 用 途 から 発 電 用 途 への 転 換 が 生 じ 既 存 用 途 における 供 給 量 逼 迫 や 価 格 高 騰 がおこらない ために 1 調 達 価 格 等 算 定 委 員 会 において 買 取 価 格 を 毎 年 度 設 定 にあたっては 事 前 に 既 存 業 界 の 意 見 を 聴 取 すること 2 適 正 なレベルの 買 取 価 格 を 設 定 すること 2
資 料 10 3 燃 料 として 基 本 的 に 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスに 限 定 し ほぼ 全 量 が 既 存 用 途 に 利 用 されている 製 材 残 材 建 設 発 生 木 材 は 原 則 として 認 めないこと 4 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスのトレーサビリティを 確 保 すること を 強 く 要 望 する 経 済 産 業 省 法 案 説 明 資 料 再 生 可 能 エネルギーの 固 定 価 格 買 取 制 度 について < 別 紙 2 参 照 > バイオマスについては 紙 パルプなどの 既 存 の 用 途 に 影 響 を 及 ぼさないバイオマ スを 使 った 発 電 を 対 象 にします 木 質 バイオマスの 発 生 と 利 用 状 況 ( 平 成 22 年 推 計 ) 農 林 水 産 省 バイオマス 活 用 推 進 基 本 計 画 製 材 残 材 約 340 万 t 製 紙 原 料 エネルギー 等 の 利 用 約 95% 未 利 用 約 5% 建 設 発 生 木 材 約 410 万 t 製 紙 原 料 ボード 原 料 等 の 利 用 約 90% 未 利 用 約 10% 林 地 残 材 約 800 万 t ほとんど 未 利 用 木 質 バイオマス 発 電 の 燃 料 として 想 定 されている 木 材 チップには その 原 材 料 の 由 来 により 林 地 残 材 チップ 製 材 残 材 チップ 建 設 発 生 木 材 チップなどの 種 類 がある それらの 価 格 は 調 達 コストにより 大 きく 異 なるが 形 状 的 にはほとんど 差 異 がない 木 質 バイオマス 発 電 の 燃 料 費 国 内 バイオマス 燃 焼 発 電 システムの 現 状 調 査 分 析 ( 財 ) 電 力 中 央 研 究 所 ( 平 成 19 年 7 月 ) 建 設 発 生 木 材 製 材 残 材 林 地 残 材 0.154 円 /MJ 0.308 円 /MJ 1.877 円 /MJ このようなコスト 差 があるため コスト 等 検 証 委 員 会 報 告 書 においても 木 質 バイ オマス 専 焼 の 発 電 コストは 17.4~32.2 円 /kwh( 割 引 率 3% 設 備 利 用 率 80% 稼 働 年 数 40 年 )と 幅 のある 数 値 となっているが 他 の 電 源 と 比 べても 高 い 水 準 にある これは 燃 料 として 未 利 用 間 伐 材 を 活 用 するためには 山 間 部 における 収 集 運 搬 等 の 作 業 が 必 要 となるからである ( コスト 等 検 証 委 員 会 報 告 書 エネルギー 環 境 3
資 料 10 会 議 コスト 等 検 証 委 員 会 平 成 23 年 12 月 19 日 )< 別 紙 3 参 照 > このため FIT 制 度 によって 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスを 燃 料 として 利 用 するためには 高 いコストに 見 合 った 高 い 水 準 の 売 電 価 格 を 設 定 しなくてはならな いと 想 定 される その 際 に 市 場 原 理 によって 形 成 されている 木 質 バイオマスの 価 格 体 系 にFIT 制 度 によって 人 為 的 に 高 い 価 格 が 導 入 されることから 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスについてトレーサビリティを 確 保 して 一 物 二 価 とするための 措 置 を 講 じないと 価 格 の 高 い 林 地 残 材 チップは 使 われず それよりはるかに 価 格 の 低 い 製 材 残 材 チップ 建 設 発 生 木 材 チップが 使 われるだけで 木 質 バイオマスの 利 用 量 は 変 わらないことになる 結 果 的 に 既 存 用 途 における 供 給 量 逼 迫 や 価 格 高 騰 を 引 き 起 こし FIT 制 度 の 対 象 として 国 民 の 負 担 を 求 めることの 理 解 は 得 られないと 考 える ついては このような 事 態 を 避 けるために 林 野 庁 は 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスのトレーサ ビリティを 確 保 するための 措 置 (ガイドラインの 策 定 )を 講 じていただきたい 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスのトレーサビリティについては グリーン 購 入 法 ( 国 等 による 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 する 法 律 平 成 12 年 法 律 第 10 0 号 )の 施 行 にあたって 林 野 庁 が 定 めた 間 伐 材 チップの 確 認 のためのガイドライン ( 平 成 21 年 2 月 )< 別 紙 4 参 照 >が 木 材 業 界 で 既 に 運 用 されている 実 績 があるので それと 同 様 の 仕 組 みを 構 築 していただきたい これに 基 づいて (1) 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスを 販 売 する 事 業 者 は その 納 入 先 に 対 し 納 入 する 木 材 が 未 利 用 な 林 地 残 材 等 であることの 根 拠 を 記 載 し た 証 明 書 を 交 付 することとし (2)その 交 付 を 受 けた 木 材 の 加 工 流 通 を 行 う 事 業 者 は 証 明 された 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスを 分 別 管 理 あるいはクレジッ ト 管 理 するとともに 納 入 先 の 発 電 事 業 者 に 木 材 を 納 入 するにあたっては (1)によ る 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスの 証 明 書 を 添 付 することとしていただきた い 発 電 事 業 者 は 発 電 に 利 用 する 全 ての 燃 料 について 未 利 用 な 林 地 残 材 等 の 木 質 バイオマスであることを 納 品 書 に 添 付 された 証 明 書 で 確 認 するとともに 証 明 書 を 尐 なくとも 5 年 間 保 管 することによってトレーサビリティを 確 保 していただきたい なお 上 記 のような 措 置 が 講 じられ 既 存 用 途 に 悪 影 響 を 与 えない 体 制 が 整 備 されるということを 前 提 に 木 質 バイオマス 発 電 については 新 設 設 備 のみ 4
資 料 10 ならず 既 設 設 備 の 増 設 分 あるいは 燃 料 転 換 分 についてもFIT 制 度 の 対 象 と していただきたい さらに 増 設 分 あるいは 燃 料 転 換 分 からの 発 電 量 について は それに 従 来 売 電 していた 比 率 を 乗 じた 分 のみを 対 象 にするということでは なく その 全 量 をFIT 制 度 の 対 象 としていただきたい 増 設 分 あるいは 燃 料 転 換 分 については 安 価 で 発 熱 量 の 高 い 石 炭 等 の 既 存 の 燃 料 で 発 電 できるとこ ろを あえて 価 格 が 高 く 発 熱 量 の 低 い 木 質 バイオマスを 燃 料 とすることによっ てCO2の 排 出 抑 制 に 貢 献 していることから その 努 力 を 全 て 認 めていただき たいからである また 新 設 設 備 のみを 対 象 にするということになると 公 平 性 の 観 点 からも これまで 木 質 バイオマス 利 用 の 努 力 してきた 既 設 事 業 者 と 新 規 事 業 者 のバランスを 欠 くことになるからである 以 上 5
別 紙 1 再 生 可 能 エネルギーの 全 量 買 取 制 度 における 詳 細 制 度 設 計 について 買 取 制 度 小 委 員 会 報 告 書 ( 抄 ) 平 成 23 年 2 月 18 日 総 合 資 源 エネルギー 調 査 会 新 エネルギー 部 会 電 気 事 業 分 科 会 買 取 制 度 小 委 員 会 (3) 買 取 対 象 としてのバイオマス 発 電 の 要 件 バイオマス 発 電 については その 燃 料 であるバイオマスの 中 に 既 に 他 の 用 途 の 原 材 料 として 用 いられているものもあるため 新 制 度 の 導 入 によって 他 用 途 に 既 に 利 用 されているバイオマス の 需 給 バランスに 大 きな 影 響 が 生 じ 資 源 の 逼 迫 や 市 況 の 高 騰 が 生 じるおそれもある( 太 陽 光 発 電 や 風 力 発 電 であれば こうしたおそれは 生 じない ) 燃 料 となり 得 るバイオマスの 中 には 森 林 破 壊 や 生 物 多 様 性 への 悪 影 響 が 懸 念 されるものも あり こうした 事 態 が 生 じることのないように 配 慮 することも 必 要 となる さらに 燃 料 に 用 いるバイオマスを 収 集 輸 送 する 際 に 大 量 の 温 室 効 果 ガスが 排 出 されると 新 制 度 の 趣 旨 にそぐわなくなってしまうため この 点 にも 留 意 が 必 要 である このため 新 制 度 において 個 々のバイオマス 発 電 を 実 際 に 買 取 対 象 とするか 否 かを 判 断 する に 当 たっては 1 既 存 用 途 から 発 電 用 途 への 転 換 が 生 じ 既 存 用 途 における 供 給 量 逼 迫 や 市 況 高 騰 が 起 こらないこと 2 持 続 可 能 な 利 用 が 可 能 であること( 森 林 破 壊 や 生 物 多 様 性 に 影 響 を 及 ぼさないこと ) 3LCA(Life Cycle Assessment)の 観 点 から 地 球 温 暖 化 対 策 に 資 すること 等 に 配 慮 する 必 要 があり ( 注 ) 発 電 の 用 に 供 される 個 別 のバイオマス 燃 料 についてこうした 要 件 をど のように 設 定 確 認 することが 現 実 的 であるかを 踏 まえた 上 で その 方 法 を 具 体 化 する 必 要 があ る このような 確 認 を 行 うための 判 断 材 料 として 個 々のバイオマス 燃 料 の 由 来 等 を 特 定 可 能 とす るような トレーサビリティ 確 保 の 仕 組 み 等 を 整 備 することも 重 要 である 今 後 経 済 産 業 省 において 関 係 省 庁 と 連 携 しながら バイオマス 発 電 の 普 及 拡 大 に 資 するよう 適 切 な 対 象 選 定 や 具 体 的 な 仕 組 みづくりを 検 討 していく 必 要 がある ( 注 ) 例 えば 賦 存 量 のほとんどが 未 利 用 であり 既 存 用 途 への 影 響 も 尐 ないと 考 えられる 林 地 残 材 は 類 型 としては1~3に 適 合 し 得 ると 考 えられる 6
別 紙 2 7
別 紙 3 コ ス ト 等 検 証 委 員 会 報 告 書 ( 抄 ) 平 成 23 年 12 月 19 日 エネルギー 環 境 会 議 コスト 等 検 証 委 員 会 (8)バイオマス( 木 質 専 焼 石 炭 混 焼 ) バイオマス 発 電 は 様 々な 種 類 のバイオマスを 原 料 とすることができるが 今 回 の 試 算 に 当 た っては 未 利 用 間 伐 材 を 原 料 とした 木 質 バイオマス 発 電 をモデルプラントとして 試 算 した その 中 でも 石 炭 火 力 発 電 所 に 未 利 用 間 伐 材 のチップを 燃 料 として 投 入 する 石 炭 混 焼 と 未 利 用 間 伐 材 のチップ 専 用 の 発 電 施 設 で 発 電 する 木 質 専 焼 の2 種 類 の 発 電 コストを 試 算 した 石 炭 混 焼 の 発 電 コストは 石 炭 混 焼 を 行 っている 石 炭 火 力 発 電 所 全 体 で 見 ると CO2 対 策 費 が 減 尐 する 一 方 で 木 質 チップの 単 位 発 熱 量 当 たり 価 格 が 石 炭 よりも 高 いこと 等 から 通 常 の 石 炭 火 力 発 電 (2010 年 モデルプラント)の 発 電 コストが 9.5~9.7 円 /kwh であるのに 対 し 石 炭 混 焼 (バイオマス 割 合 重 量 比 3%)の 発 電 コストは 9.5~9.8 円 /kwh と 試 算 された( 割 引 率 3% 設 備 利 用 率 80% 稼 働 年 数 40 年 ) 木 質 専 焼 の 発 電 コストは 17.4~32.2 円 /kwh( 割 引 率 3% 設 備 利 用 率 80% 稼 働 年 数 40 年 )と 他 の 電 源 と 比 べても 高 い 水 準 であるが これは 燃 料 として 未 利 用 間 伐 材 を 活 用 するために は 山 間 部 における 収 集 運 搬 等 の 作 業 が 必 要 となること 等 によるものである [ 円 /kwh] 木 質 専 焼 17.4 ~ 32.2 石 炭 混 焼 ( 発 電 所 全 体 ) 9.5~9.8 ( 参 考 ) 石 炭 火 力 9.5~9.7 ( 図 32)バイオマス( 木 質 専 焼 石 炭 混 焼 )の 発 電 コスト(2010 年 )より 8
別 紙 4 間 伐 材 チップの 確 認 のためのガイドライン 平 成 21 年 2 月 林 野 庁 1. 趣 旨 政 府 は 国 等 に よ る 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 す る 法 律 ( 平 成 1 2 年 法 律 第 1 0 0 号 ) に 基 づ く 環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 に 関 す る 基 本 方 針 ( 以 下 基 本 方 針 と い う ) を 改 定 す る こ と に よ り 国 等 が 調 達 す る コ ピ ー 用 紙 に つ い て 古 紙 以 外 に 間 伐 材 を 原 料 と し て 特 に 指 定 し た と こ ろ で あ る 一 方 森 林 の も つ 国 土 の 保 全 や 地 球 温 暖 化 の 防 止 な ど の 公 益 的 機 能 を 高 度 に 発 揮 し て い く た め に は 森 林 を 適 切 に 整 備 保 全 す る こ と が 必 要 で あ る と り わ け 利 用 可 能 な 資 源 が 充 実 し つ つ あ る 我 が 国 の 人 工 林 に つ い て は 間 伐 を 適 時 適 切 に 進 め る こ と に 加 え 林 地 に 放 置 さ れ る 間 伐 材 の 積 極 的 な 利 用 が 必 要 と な っ て い る 本 ガ イ ド ラ イ ン は こ の よ う な 状 況 を 踏 ま え コ ピ ー 用 紙 の 原 料 と し て の 間 伐 材 と り わ け 間 伐 材 丸 太 の 円 滑 な 供 給 に 資 す る と と も に 間 伐 材 を 原 料 と し て 使 用 し た コ ピ ー 用 紙 に 対 す る 消 費 者 の 信 頼 を 得 て い く た め コ ピ ー 用 紙 の 原 料 と な る 間 伐 材 並 び に 間 伐 材 を 原 料 と し た チ ッ プ の 供 給 者 が こ れ ら に つ い て 間 伐 材 由 来 で あ る こ と の 確 認 に 取 り 組 む に 当 た っ て 留 意 す べ き 事 項 等 を 取 り ま と め た も の で あ る 2. 定 義 本 ガ イ ド ラ イ ン に お け る 間 伐 材 と は 森 林 に 関 す る 法 令 に 基 づ き 適 切 に 設 定 さ れ た 施 業 規 範 等 に 従 い 育 成 段 階 に あ る 森 林 に お い て 樹 木 の 混 み 具 合 に 応 じ て そ の 一 部 を 伐 採 し 残 存 木 の 成 長 を 促 す 作 業 ( 以 下 間 伐 と い う ) に よ り 伐 採 さ れ た 木 材 を い う 3. 基 本 的 な 要 件 伐 採 段 階 加 工 流 通 段 階 に お け る 紙 の 原 料 と な る 間 伐 材 の 確 認 に 当 た っ て は 以 下 の 証 明 が 必 要 となる (1) 伐 採 段 階 間 伐 を 行 う 事 業 者 ( 森 林 所 有 者 を 含 む 以 下 同 じ ) は 間 伐 材 の 納 入 先 ( 販 売 先 の 事 業 者 等 ) に 対 し 納 入 す る 木 材 が 全 て 間 伐 材 で あ る こ と を 証 明 す る 証 明 書 を 交 付 す る 必 要 が あ る 9
な お 間 伐 材 以 外 の 木 材 を 取 り 扱 う 事 業 者 は 上 記 の 証 明 に あ た っ て 間 伐 材 と そ れ 以 外 の も の が 混 じ ら な い よ う 分 別 管 理 す る と と も に こ れ が 確 実 に 行 わ れ て い る こ と を 証 明 す る 必 要 が あ る (2) 加 工 流 通 段 階 間 伐 材 の 加 工 流 通 を 行 う 事 業 者 は 自 ら が 加 工 流 通 す る 全 過 程 を 通 じ て ( 1 ) に よ り 間 伐 材 で あ る こ と が 証 明 さ れ た 木 材 が 証 明 さ れ て い な い も の と 混 じ ら な い よ う 分 別 管 理 す る と と も に 納 入 先 の 事 業 者 に 対 し て 納 入 す る 木 材 が 全 て ( 1 ) に よ り 間 伐 材 で あ る こ と が 証 明 さ れ た 木 材 由 来 で あるこ と を 証 明 す る 証 明 書 を 交 付 す る 必 要 が あ る (3) 証 明 書 上 記 ( 1 ) ( 2 ) の 事 業 者 が 交 付 す る 証 明 書 に は 納 入 す る 木 材 が 間 伐 材 で あ る 旨 を 記 載 す る と と も に 当 該 間 伐 材 の 納 入 先 数 量 等 基 礎 的 な 情 報 を 記 載 す る 必 要 が あ る ( 伐 採 段 階 に お け る 証 明 書 に つ い て は 間 伐 材 の 伐 採 箇 所 に つ い て も 記 載 ) な お 証 明 書 に つ い て は 証 明 に 必 要 な 事 項 を 納 品 書 等 に 記 載 す る あ る い は 証 明 に 必 要 な 事 項 が 記 載 さ れ て い る 既 存 の 書 類 の 写 し を 納 品 書 等 に 添 付 す る こ と を も っ て 代 え る こ と が で き る 加 え て 納 入 先 に 対 し て 交 付 し た 証 明 書 の 写 し 仕 入 先 か ら 交 付 さ れ た 証 明 書 そ の 他 関 係 書 類 を 尐 な く と も 5 年 間 保 管 す る こ と と し そ の 証 明 の 根 拠 に つ い て 納 入 先 の 事 業 者 又 は 基 本 方 針 に 定 め る 間 伐 材 パ ル プ を 利 用 し た コ ピ ー 用 紙 の 調 達 者 で あ る 国 等 の 各 機 関 か ら 求 め ら れ た 場 合 は 関 係 書 類 等 を 提 示 で き る よ う に し て お く 必 要 が あ る 4. 適 正 な 運 用 のあり 方 上 記 3. の 証 明 書 を 交 付 す る 者 は 証 明 の な さ れ た 間 伐 材 の 分 別 管 理 や 書 類 管 理 の 方 針 に つ い て 定 め る 自 主 的 行 動 規 範 を 作 成 す る と と も に 当 該 規 範 の 遵 守 状 況 等 と 併 せ て 公 表 す る 等 に よ り 間 伐 材 で あ る こ と の 確 認 を 行 う 者 に そ の 判 断 に 必 要 な 情 報 を 提 供 す る 必 要 が あ る な お 自 主 的 行 動 規 範 に つ い て は 個 々 の 事 業 者 に 代 わ っ て 事 業 者 が 構 成 す る 業 界 団 体 が 一 括 し て 共 通 の 規 範 を 定 め 当 該 団 体 が そ の 構 成 員 で あ る 事 業 者 に つ い て 共 通 の 規 範 に 適 合 し た 体 制 を 有 し て い る か を 評 価 認 定 す る と と も に 各 事 業 体 の 規 範 の 遵 守 状 況 等 に つ い て 当 該 団 体 が 公 表 す る こ と も 考 え ら れ る た だ し こ の 場 合 に あ っ て は 各 事 業 者 が 交 付 す る 間 伐 材 の 証 明 書 に は 団 体 の 評 価 認 定 を 受 け た こ と を 特 定 で き る 情 報 ( 認 定 番 号 等 ) を 記 載 す る 必 要 が あ る 10