Microsoft Word - ②韓国の森林・木材産業の現況と対韓木材輸出について



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Transcription:

韓 国 の 森 林 木 材 産 業 の 現 況 と 対 韓 木 材 輸 出 について Clair Report No.412 (Apr 10, 2015) ( 一 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 ソウル 事 務 所

CLAIR REPORT の 発 刊 について 当 協 会 では 調 査 事 業 の 一 環 として 海 外 各 地 域 の 地 方 行 財 政 事 情 開 発 事 例 等 様 々な 領 域 にわたる 海 外 の 情 報 を 分 野 別 にまとめた 調 査 誌 CLAIR REPORT シリーズを 刊 行 しております このシリーズは 地 方 自 治 行 政 の 参 考 に 資 するため 関 係 の 方 々に 地 方 行 財 政 に 係 る 様 々な 海 外 の 情 報 を 紹 介 することを 目 的 としております 内 容 につきましては 今 後 とも 一 層 の 改 善 を 重 ねてまいりたいと 存 じますの で ご 意 見 等 を 賜 れば 幸 いに 存 じます 本 誌 からの 無 断 転 載 はご 遠 慮 ください 問 い 合 わせ 先 102-0083 東 京 都 千 代 田 区 麹 町 1-7 相 互 半 蔵 門 ビル ( 一 財 ) 自 治 体 国 際 化 協 会 総 務 部 企 画 調 査 課 TEL: 03-5213-1722 FAX: 03-5213-1741 E-Mail: kikaku@clair.or.jp

はじめに 国 土 の 約 7 割 を 森 林 が 占 める 日 本 では 戦 後 植 林 した 約 1 千 万 ha のスギやヒノ キなどの 人 工 林 資 源 が 年 々 充 実 してきている 現 在 樹 齢 50 年 生 以 上 の 資 源 量 が 既 に3 割 を 超 え 現 状 のまま 推 移 した 場 合 今 後 10 年 を 待 たずに 6 割 に 達 するな ど 人 工 林 資 源 は 本 格 的 に 利 用 可 能 な 段 階 に 入 っている しかし 国 産 材 需 要 の 大 半 を 占 める 住 宅 市 場 は 今 後 人 口 減 少 で 住 宅 着 工 の 減 少 が 確 実 視 されている ことから 新 たな 需 要 を 創 出 することが 求 められており 木 材 の 海 外 輸 出 にも 大 きな 期 待 が 寄 せられている 既 に 丸 太 の 輸 出 は 2013 年 には 円 安 基 調 にも 後 押 しさ れ 前 年 比 2.3 倍 の 26 万 m3と 過 去 最 高 となっている 輸 出 先 は 中 国 韓 国 台 湾 など 東 アジア 地 域 が 中 心 である 木 材 の 輸 出 は 主 に 原 木 である 丸 太 と 住 宅 用 資 材 等 として 加 工 された 木 材 製 品 に 分 けられるが 現 在 製 品 よりも 丸 太 の 輸 出 が 増 加 している しかし 日 本 国 内 では 原 木 価 格 が 下 落 し 伐 採 後 の 再 植 林 が 放 棄 されるなどの 状 況 もある 中 丸 太 を 加 工 製 材 し より 付 加 価 値 の 高 い 木 材 製 品 を 輸 出 することが 経 済 的 にも 有 利 である 今 後 木 材 の 輸 出 を 拡 大 していく 上 では 木 材 製 品 の 輸 出 をどう 増 や していくかがポイントになると 考 えられる このような 中 で 最 近 木 材 製 品 の 輸 出 先 として 韓 国 が 注 目 されてきている 理 由 としては 輸 出 先 として 日 本 から 最 も 近 く 朝 鮮 戦 争 以 前 まで 韓 屋 (ハノ ク) という 柱 や 梁 を 組 み 合 わせた 日 本 の 建 築 様 式 によく 似 た 木 造 住 宅 があり 経 済 成 長 とともに 木 造 住 宅 を 取 得 したいという 志 向 が 高 まっていること そして 韓 国 は 木 材 資 源 が 乏 しいことなどが 挙 げられる 本 報 告 書 では 韓 国 の 森 林 や 木 材 また 木 造 住 宅 に 関 する 基 本 的 な 情 報 ととも に 日 本 からの 木 材 製 品 の 輸 出 事 例 を 紹 介 するほか 輸 出 拡 大 を 図 っていく 上 で 必 要 なこと 採 るべき 方 向 といったことについての 考 察 を 試 みた スギやヒノキなどの 人 工 林 の 有 効 活 用 は 森 林 を 有 する 山 村 地 域 の 共 通 の 課 題 である 一 方 政 府 は 2020 年 を 目 途 に 農 林 水 産 物 の 輸 出 額 1 兆 円 を 目 指 している が 林 産 物 については 木 材 輸 出 の 動 向 が 大 きな 鍵 を 握 っている 今 後 付 加 価 値 の 高 い 木 材 製 品 の 輸 出 が 拡 大 し その 利 益 が 山 元 に 還 元 され 地 域 経 済 の 活 性 化 や 森 林 の 持 続 的 な 循 環 利 用 に 繋 がっていけばこの 上 ない 喜 びである 本 報 告 書 が 輸 出 に 取 り 組 む 自 治 体 や 企 業 引 いては 木 材 を 産 する 山 村 地 域 の 活 性 化 の 一 助 になれば 幸 甚 である 一 般 財 団 法 人 自 治 体 国 際 化 協 会 ソウル 事 務 所 長

目 次 概 要 1 第 1 章 森 林 の 現 況 2 第 1 節 森 林 資 源 2 1 森 林 面 積 と 主 要 樹 種 2 2 森 林 の 資 源 構 成 5 3 森 林 蓄 積 5 第 2 節 森 林 の 経 営 6 1 森 林 所 有 者 ( 林 家 )の 動 向 6 2 林 業 労 働 7 3 植 林 と 森 林 インフラの 整 備 7 4 林 産 物 の 生 産 動 向 8 5 林 家 の 所 得 9 6 認 証 林 (FSC)の 状 況 10 第 2 章 木 材 需 給 と 木 材 産 業 の 動 向 11 第 1 節 木 材 需 給 の 動 向 11 1 木 材 自 給 率 11 2 木 材 の 需 給 12 3 国 産 材 14 4 輸 入 材 14 第 2 節 木 材 産 業 16 1 木 材 加 工 体 制 16 2 木 材 製 品 の 性 能 品 質 21 第 3 章 韓 国 への 木 材 輸 出 23 第 1 節 木 材 輸 出 の 現 況 23 1 木 材 輸 出 の 変 遷 23 2 木 材 輸 出 の 必 要 性 23 3 近 年 の 木 材 輸 出 24 4 輸 出 を 行 う 上 での 課 題 26 5 韓 国 の 木 材 輸 入 関 税 27 参 考 資 料 28 第 2 節 輸 出 拡 大 の 方 向 性 33 1 木 材 製 品 の 輸 出 拡 大 33 2 住 宅 部 材 としての 供 給 33 3 韓 国 の 木 造 住 宅 着 工 数 35 4 木 材 の 志 向 と 日 本 産 木 材 の 認 知 度 37 5 アンケートに 見 る 木 造 住 宅 への 評 価 37

第 4 章 輸 出 拡 大 の 方 策 40 第 1 節 韓 国 の 木 造 住 宅 40 1 木 造 住 宅 の 可 能 性 40 2 韓 屋 住 宅 の 問 題 点 と 建 築 技 術 42 第 2 節 北 米 の 対 韓 輸 出 の 取 組 と 戦 略 44 1 2 4 住 宅 の 変 遷 44 2 北 米 (2 4)の 戦 略 45 3 これまでの 日 本 の 取 組 45 第 3 節 輸 出 拡 大 の 方 策 45 1 2 4がお 手 本 45 2 高 付 加 価 値 材 とプレカット 工 法 の 韓 屋 への 適 応 46 3 建 築 マニュアルの 作 成 と 普 及 PR 48 4 官 民 連 携 による 戦 略 的 長 期 的 な 取 組 の 展 開 51 おわりに 52 参 考 文 献 53

概 要 第 1 章 森 林 の 現 況 韓 国 山 林 庁 が 発 行 する 日 本 で 言 えば 林 業 白 書 に 当 たる 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 す る 年 次 報 告 書 を 中 心 に 韓 国 の 森 林 面 積 資 源 蓄 積 量 など 森 林 の 現 況 について 紹 介 するとともに 森 林 所 有 の 形 態 林 産 物 の 生 産 など 森 林 の 管 理 や 経 営 について 見 てい く 第 2 章 木 材 需 給 と 木 材 産 業 の 動 向 韓 国 の 木 材 自 給 率 は 17%と 低 く 多 くを 輸 入 に 依 存 しているが 国 内 の 木 材 の 用 途 は 何 か それらの 木 材 の 調 達 先 ( 輸 入 先 )はどこかなど 木 材 需 給 の 動 向 全 般 について 見 ていく また 国 内 で 伐 採 あるいは 輸 入 した 原 木 ( 丸 太 )はどのように 加 工 され ているのかなど 木 材 産 業 の 動 向 を 見 ていくとともに マスコミでも 大 きく 報 じられた 国 宝 南 大 門 の 修 復 問 題 を 紹 介 する 第 3 章 韓 国 への 木 材 輸 出 スギやヒノキなどの 日 本 産 木 材 の 韓 国 への 輸 出 動 向 を 統 計 から 分 析 するとともに 木 材 輸 出 に 大 きく 影 響 する 住 宅 市 場 特 に 木 造 住 宅 の 動 向 について 見 ていく また 住 宅 展 示 会 で 実 施 したアンケート 結 果 などから 韓 国 の 人 々の 木 造 住 宅 への 志 向 を 分 析 し 日 本 の 木 造 住 宅 や 木 材 製 品 の 今 後 の 輸 出 可 能 性 を 探 り 輸 出 に 向 けての 課 題 を 考 察 する 第 4 章 輸 出 拡 大 の 方 策 アパート 居 住 者 が 多 い 韓 国 において 日 本 の 木 造 住 宅 と 類 似 している 韓 国 の 伝 統 的 木 造 住 宅 韓 屋 (ハノク) に 対 するあこがれは 強 い しかし 現 況 では 韓 国 の 木 造 住 宅 はアメリカ 発 の2 4(ツーバイフォー) 住 宅 が 主 流 となっている このため 韓 国 へ 木 材 製 品 の 輸 出 を 拡 大 していく 上 では 日 本 の 木 造 住 宅 の 認 知 度 の 向 上 建 築 手 法 など の 技 術 移 転 を 図 ることが 課 題 として 考 えられることから 具 体 的 な 取 り 組 みの 事 例 を 基 に その 方 策 について 検 討 する 1

第 1 章 森 林 の 現 況 第 1 節 森 林 資 源 1 森 林 面 積 と 主 要 樹 種 韓 国 の 森 林 は 2010 年 末 現 在 6,369 千 ha で 国 土 面 積 (10,003 千 ha)の 約 64%を 占 める( 表 1-1-1-1) 林 相 (リンソウ: 森 林 の 種 類 や 林 齢 などの 森 林 の 姿 状 態 ) 別 に 見 ると 針 葉 樹 が 41%に 当 たる 2,581 千 ha 広 葉 樹 が 27%の 1,719 千 ha 針 葉 樹 と 広 葉 樹 の 混 交 林 が 29%の 1,865 千 ha その 他 竹 林 と 無 立 木 地 が 204 千 ha(3%)とな っている 近 年 では 針 葉 樹 の 割 合 が 減 少 傾 向 にあるのに 対 し 混 交 林 の 割 合 が 増 加 傾 向 にある( 表 1-1-1-2) また 森 林 に 占 める 人 工 林 の 割 合 は 29%( 人 工 林 1,823 千 ha 2014 林 業 統 計 年 報 )となっており 韓 国 の 森 林 は 天 然 林 が 主 体 の 森 林 となってい る 針 葉 樹 の 多 くはマツ 林 である( 図 1-1-1-1~4) 針 葉 樹 の 樹 種 別 構 成 ( 表 1-1-1-3)を 見 るとアカマツが 最 も 多 く 次 いでカラマツ リ キダマツとなっている アカマツは 韓 国 に 広 く 分 布 しており 特 に 朝 鮮 半 島 東 部 を 南 北 に 縦 断 する 太 白 (テヘ ク) 山 脈 に 多 く 賦 存 している アカマツ( 写 真 1-1-1-1)の 一 つで ある 金 剛 マツと 呼 ばれる 銘 木 は 同 山 脈 沿 いの 慶 尚 北 道 や 江 原 道 などから 産 出 される 天 然 アカマツのことを 指 している カラマツは 朝 鮮 戦 争 後 荒 廃 した 森 林 を 復 旧 し 用 材 として 利 用 するために 多 く 植 林 されている その 他 にはスギやヒノキも 含 まれる が スギとヒノキは 全 羅 南 道 に 比 較 的 多 く 分 布 しているほか スギは 済 州 島 などでも 植 林 され 主 に 防 風 林 として 活 用 されている 地 域 別 の 分 布 状 況 を 見 てみると 江 原 道 が 1,369 千 ha で 韓 国 全 体 の 22%で 最 も 多 く 次 いで 慶 尚 北 道 の 1,343 千 ha(21%) 慶 尚 南 道 707 千 ha(11%) 全 羅 南 道 695 千 ha(11%) 京 畿 道 527 千 ha(8%) 忠 清 北 道 496 千 ha(8%) 全 羅 北 道 447 千 ha(7%) 忠 清 南 道 438 千 ha(7%)の 順 となっている 森 林 を 所 有 別 に 見 ると 森 林 面 積 の 約 7 割 が 私 有 林 残 り3 割 が 国 有 林 や 公 有 林 ( 道 や 市 の 所 有 )の 公 的 機 関 の 所 有 林 となっている 韓 国 では 近 年 森 林 の 公 益 的 機 能 の 増 進 や 炭 素 吸 収 源 の 拡 大 などその 役 割 を 国 有 林 が 中 心 となって 担 うため 国 有 林 の 拡 大 を 政 策 により 推 進 し 面 積 は 毎 年 増 加 している < 表 1-1-1-1> 所 有 別 林 相 別 森 林 面 積 (2010 年 ) ( 面 積 : 千 ha,%) 所 有 構 造 林 相 別 計 竹 林 私 有 林 国 有 林 公 有 林 針 葉 樹 広 葉 樹 混 交 林 その 他 6,369 (100) 4,338 (68.1) 1,543 (24.2) 488 (7.7) 2,581 (40.5) 1,719 (27.0) 1,865 (29.3) 204 (3.2) 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) 2

< 表 1-1-1-2> 森 林 面 積 の 変 動 現 況 ( 単 位 : 千 ha) 針 葉 樹 林 混 交 林 広 葉 樹 林 竹 林 その 他 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) < 表 1-1-1-3> 針 葉 樹 の 主 要 樹 種 別 構 成 (2010 年 ) ( 単 位 : 千 ha) 計 アカマツ 韓 国 マツ カラマツ リキダマツ その 他 2,581 1,447 214 425 387 108 (100%) (56%) (8%) (17%) (15%) (4%) 資 料 : 山 林 庁 2014 林 業 統 計 年 報 < 写 真 1-1-1-1> 韓 国 を 代 表 するアカマツの 景 勝 林 撮 影 地 :ソウル 市 近 郊 3

< 図 1-1-1-1> 森 林 分 布 < 図 1-1-1-2>マツの 分 布 < 図 1-1-1-3> 林 種 分 布 < 図 1-1-1-4> 林 相 分 布 人 工 林 天 然 林 針 葉 樹 林 広 葉 樹 林 混 交 林 資 料 : 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 4

2 森 林 の 資 源 構 成 森 林 の 齢 級 区 分 (1 年 毎 に 樹 齢 を 扱 うのではなく 複 数 年 の 森 林 を 一 つの 単 位 とし て 扱 う 方 法 )については 日 本 では5 年 毎 に 区 分 するのに 対 し 韓 国 では 10 年 毎 に 区 分 している 韓 国 の 森 林 を 齢 級 別 に 見 ると 森 林 全 体 ではⅣ 齢 級 (31~40 年 生 ) 以 上 の 森 林 が 65%となっている( 表 1-1-2) 建 築 用 などの 木 材 を 生 産 し 経 済 林 として 利 用 可 能 な 森 林 は 主 に 針 葉 樹 であり 少 なくとも 住 宅 の 構 造 材 などは 50 年 生 (Ⅴ 齢 級 以 上 ) 以 上 の 森 林 から 生 産 される 木 材 で なければ 利 用 は 難 しい この 点 から 見 ると 韓 国 の 針 葉 樹 特 に 41 年 生 (Ⅴ 齢 級 ) 以 上 の 割 合 は 23%となっており 木 材 として 利 用 可 能 な 経 済 林 資 源 はまだ 少 ない なお 韓 国 の 標 準 伐 期 齢 はマツが 国 有 林 で 70 年 私 有 林 で 60 年 となっている < 表 1-1-2> 林 相 別 齢 級 別 山 林 面 積 (2010 年 ) ( 単 位 : 千 ha) 齢 級 区 分 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 以 上 計 1~10 年 11~20 年 21~30 年 31~40 年 41 年 以 上 合 計 6,369 364 466 1,396 2,262 1,880 針 葉 樹 林 2,581 89 276 700 916 600 広 葉 樹 林 1,719 52 106 283 555 723 混 交 林 1,865 19 85 414 790 557 竹 林 無 立 木 地 204 204 - - - - 注 : 竹 林 と 無 立 木 地 の 面 積 は 1~10 年 (Ⅰ 齢 級 )に 含 めており 合 計 と 細 目 はそれ ぞれ 四 捨 五 入 されているため 細 目 の 計 が 合 計 と 一 致 しない 場 合 がある 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) 3 森 林 蓄 積 韓 国 の 森 林 の 蓄 積 量 ( 体 積 で 計 量 )は 2010 年 末 全 体 で 800 百 万 m3 ha 当 たりの 平 均 蓄 積 量 は 126 m3となっている( 表 1-1-3) 1970 年 代 に 入 り 治 山 事 業 等 を 通 じ て 積 極 的 に 緑 化 活 動 を 実 施 した 結 果 1973 年 時 の 蓄 積 量 11 m3/ha に 比 べれば 格 段 に 増 加 している しかし FAO( 国 連 食 農 業 機 関 )の 2010 年 時 の 統 計 では ドイツ 315 m3 日 本 171 m3 米 国 154 m3となっており 他 の 林 業 先 進 国 と 比 べまだ 低 い 水 準 となっている 所 有 別 の 森 林 蓄 積 を 見 ると 国 有 林 が 149 m3で 最 も 高 く 次 いで 公 有 林 123 m3 私 有 林 118 m3となっている < 表 1-1-3> 所 有 別 森 林 面 積 および 蓄 積 (2010 年 ) 区 分 計 国 有 林 私 有 林 公 有 林 森 林 面 積 ( 千 ha) 6,369 1,543 4,338 488 森 林 蓄 積 ( 百 万 m2) 800 229 511 60 平 均 蓄 積 (m2/ha) 125.6 148.5 117.7 123.4 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) 5

第 2 節 森 林 の 経 営 1 森 林 所 有 者 ( 林 家 )の 動 向 韓 国 では 森 林 の 64%が 私 有 林 となっているが 私 有 林 の 所 有 者 は 2012 年 時 点 で 2,084 千 人 となっており 森 林 所 有 者 1 人 当 たりの 平 均 所 有 規 模 は 2.1ha で 5ha 以 下 の 零 細 所 有 者 が 91%を 占 め 森 林 を 一 体 として 効 率 的 に 管 理 経 営 することが 難 し い 状 況 となっている このため 政 府 は 私 有 林 の 所 有 者 の 中 で 一 定 規 模 の 森 林 を 有 し 優 れた 森 林 管 理 の 実 績 のある 所 有 者 やその 意 志 を 持 っている 人 を 篤 林 家 ( 道 知 事 や 市 長 が 認 定 )や 林 業 後 継 者 として 認 定 し 私 有 林 の 育 成 を 進 める 対 策 を 講 じている 2012 年 現 在 全 国 で 篤 林 家 は 530 人 林 業 後 継 者 は 4,677 人 が 認 定 されている( 表 1-2-1-1) また 林 業 を 専 業 として 効 率 的 に 管 理 経 営 が 可 能 な 50ha 以 上 の 森 林 所 有 者 は 5,488 人 専 有 面 積 は 755 千 ha と 小 規 模 であるため 政 府 は 零 細 所 有 者 の 森 林 を 団 地 化 し て 効 率 的 に 管 理 経 営 する 手 段 として 協 業 経 営 体 事 業 を 推 進 している 2012 年 現 在 全 国 で 178 個 の 協 業 体 が 構 成 されているが 参 加 している 森 林 所 有 者 は 25,187 人 で 対 象 になる 森 林 面 積 は 143 千 ha と 私 有 林 全 体 からするとわずかな 規 模 となっている ( 表 1-2-1-2) < 表 1-2-1-1> 篤 林 家 および 林 業 後 継 者 現 況 (2012 年 ) 区 分 総 計 篤 林 家 小 計 模 範 優 秀 自 営 法 人 林 業 後 継 者 林 家 数 ( 戸 ) 5,207 530 31 82 404 13 4,677 比 率 (%) 100 10.2 0.6 1.6 7.8 0.2 89.8 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 山 林 利 用 局 ) < 表 1-2-1-2> 私 有 林 協 業 経 営 事 業 現 況 (2012 年 ) 参 加 森 林 面 積 年 度 事 業 地 域 協 業 体 数 所 有 者 数 (ha) ( 人 ) 1 協 業 体 当 たり 所 有 者 数 ( 人 ) 2012 41 178 143,602 25,187 141 2011 41 181 146,928 26,484 146 2010 43 182 136,531 24,836 136 2009 43 186 148,750 24,815 133 2008 43 188 183,764 32,516 172 2007 43 191 194,792 34,941 183 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 山 林 利 用 局 ) 6

2 林 業 労 働 山 林 庁 は 森 林 の 管 理 経 営 を 適 切 に 行 うための 林 業 労 働 力 を 確 保 するために 熟 練 した 森 林 作 業 労 働 者 の 専 門 営 林 団 を 運 営 しており 2012 年 現 在 山 林 庁 傘 下 に 146 の 営 林 団 作 業 者 1,606 人 が 道 市 の 傘 下 に 357 営 林 団 3,877 人 が 組 織 化 されて いる また 森 林 事 業 を 受 注 し 代 行 する 森 林 事 業 法 人 は 587 事 業 体 3,522 人 が 登 録 されている( 表 1-2-2) < 表 1-2-2> 営 林 団 組 織 現 況 (2012 年 ) ( 単 位 : 団 体 人 ) 計 国 有 林 営 林 団 民 有 林 営 林 団 法 人 営 林 団 区 分 組 織 数 人 数 組 織 数 人 数 組 織 数 人 数 組 織 数 人 数 組 織 及 び 人 数 1,090 9,005 146 1,606 357 3,877 587 3,522 比 率 (%) 100 100 13.4 17.8 32.7 43.1 53.8 39.1 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 山 林 資 源 局 ) 3 植 林 と 森 林 インフラの 整 備 韓 国 の 植 林 事 情 について 見 ると( 表 1-2-3) 2012 年 では 植 林 面 積 は 約 2 万 ha と なっている このうち 針 葉 樹 が 9.5 千 ha 広 葉 樹 が 約 10.5 千 ha となっており 広 葉 樹 の 方 が 多 く 植 林 されている ここ 最 近 の 傾 向 を 見 ると 民 有 林 がやや 減 少 傾 向 にあり 国 有 林 が 若 干 増 加 傾 向 にある また 森 林 の 効 率 的 な 管 理 及 び 森 林 経 営 の 基 盤 となるインフラは 林 道 であるが 2012 年 現 在 林 道 の 総 延 長 は 17,717km で 国 有 林 に 5,339km 民 有 林 に 12,378km が 設 置 されている 韓 国 の 森 林 の 林 道 密 度 は ha 当 たり 2.7m であり ha 当 たり 50m 程 度 の 林 道 密 度 を 有 するドイツやオーストリアなどの 国 々はもとより 日 本 ( 約 5m)の 水 準 に 比 べてもかなり 低 い 日 本 では 2009 年 に 林 野 庁 が 策 定 した 森 林 林 業 再 生 プラン において 林 産 物 搬 出 等 のコスト 低 減 林 業 労 働 の 軽 減 などを 目 的 として 林 道 等 を 含 めた 森 林 内 の 路 網 の 整 備 に 特 に 重 点 が 置 かれ 現 在 集 中 的 に 整 備 している 今 後 韓 国 において 森 林 が 徐 々に 成 熟 し 木 材 等 の 林 産 物 を 効 率 よく 活 用 する 上 で は 林 道 の 整 備 は 不 可 欠 なものであり その 整 備 が 重 要 な 課 題 である < 表 1-2-3> 林 相 別 植 林 面 積 現 況 (2012 年 ) ( 単 位 :ha) 計 針 葉 樹 広 葉 樹 面 積 比 率 (%) 面 積 比 率 (%) 面 積 比 率 (%) 20,039 100.0 9,560 47.7 10,479 52.3 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 山 林 資 源 局 ) 7

4 林 産 物 の 生 産 動 向 韓 国 で1 年 間 に 生 産 された 林 産 物 (19 種 150 品 目 )の 生 産 額 は( 日 本 で 言 えば 林 業 産 出 額 に 当 たる) 山 林 庁 が 発 行 している 2013 年 の 森 林 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 では 2012 年 は 6 兆 7,508 億 won と 公 表 されている WON と 円 のレートを 分 かり 易 く 1won=0.1 円 と 考 えれば 6,800 億 円 ほどの 金 額 規 模 になる 生 産 額 内 訳 を 見 ると 多 い 順 に 純 林 木 生 長 額 樹 実 類 ( 木 の 実 ) 造 園 木 山 菜 用 材 キノコの 順 と なっている しかしこの 中 で 生 産 額 の 最 も 多 い 純 林 木 生 長 額 は 年 間 の 林 木 の 生 長 量 に 林 木 価 格 を 乗 じて 算 出 された 評 価 額 を 林 木 生 長 額 として 計 上 しており 実 際 に 伐 採 され 市 場 に 流 通 したものではない 本 来 は 林 木 が 伐 採 され 実 際 に 取 引 された 時 点 で 生 産 額 として 計 上 されるべきものと 考 えるが 報 告 書 では1 年 間 の 林 木 生 長 量 を 貨 幣 換 算 し 生 産 額 合 計 に 計 上 している この 林 木 生 長 額 ( 本 来 は 資 産 額 )を 差 し 引 いた 生 産 額 は 4 兆 2,390 億 won( 約 4,239 億 円 )であり これが 実 際 市 場 に 流 通 した 生 産 額 となる 主 な 品 目 の 生 産 動 向 については 以 下 のとおり( 表 1-2-4) 造 園 木 : 生 産 額 のほとんどが 街 路 樹 や 公 園 用 の 樹 木 などの 造 園 木 となっており その 他 は 盆 栽 用 木 (350 億 won)など 樹 実 類 : 栗 クルミ ナツメ 朝 鮮 マツの 実 渋 柿 銀 杏 クマイチゴの 実 ( 木 の 実 類 )など 生 産 額 が 最 も 多 いのがクマイチゴ(2,718 億 won) キノコ 類 : 松 茸 と 椎 茸 が 中 心 である 松 茸 は 2011 年 は 大 幅 に 減 少 したが 2012 年 は 対 前 年 比 94% 増 2012 年 は 乾 しいたけ 生 しいたけ 何 れも 減 少 山 菜 :ウェルビーングブームにより 山 菜 に 対 する 需 要 はここ 数 年 一 貫 して 増 加 生 産 額 の 多 い 順 にキキョウ ツルニンジン シラヤマギクなど 木 材 : 木 材 の 生 産 額 ( 国 産 材 )は 3,579 億 won( 約 357 億 9 千 万 円 )となっ ている 山 林 庁 が 年 次 報 告 書 とは 別 に 2013 年 の 木 材 需 給 見 通 し を 発 表 しているが 当 資 料 では 2012 年 の 国 産 材 生 産 量 実 績 は 4,506 千 m3 と 報 告 されている 韓 国 の1m3 当 たりの 立 木 価 格 を 確 認 することはで きなかったため 仮 にこの 生 産 量 を< 表 1-2-4>の 生 産 額 に 見 合 う 木 材 生 産 量 ( 国 産 材 )と 捉 え 生 産 額 を 生 産 量 で 除 して 見 ると 1m3 当 た り 7,900 円 程 度 となる これを 単 純 に 韓 国 国 産 材 の 立 木 の 平 均 価 格 と して 見 ることはできないが 九 州 産 のスギ 材 などの 立 木 価 格 に 比 べれ ばかなり 高 いと 言 える 生 産 量 のうち 国 有 林 分 は 15%となっており 大 半 は 民 有 林 から 生 産 されている 8

< 表 1-2-4> 最 近 5 年 間 の 主 要 林 産 物 生 産 額 推 移 ( 単 位 : 億 won) 区 分 2008 2009 2010 2011 2012 合 計 40,807 48,314 55,373 57,267 67,508 〇 純 林 木 生 長 額 17,273 19,980 25,118 25,118 25,118 〇 造 園 木 8,504 8,208 7,590 7,749 6,783 〇 樹 実 類 5,110 6,440 7,164 6,934 7,619 〇 キノコ 2,675 2,760 2,983 2,606 2,871 〇 山 菜 2,135 3,024 3,329 3,874 3,886 〇 木 材 ( 用 材 ) 1,465 1,846 2,596 2,801 3,579 〇 農 用 資 材 826 450 419 464 613 〇 その 他 2,819 5,606 6,174 7,721 6,646 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) 5 林 家 の 所 得 < 表 1-2-5>は 山 林 庁 が 林 業 経 営 を 行 う 林 家 総 数 97,108 世 帯 (2005 年 調 査 )のうち 1,100 世 帯 を 抽 出 選 定 し 林 家 の 収 入 を 調 査 したものである さらにそれを 農 家 所 得 漁 業 者 所 得 と 比 較 したものである 2012 年 では 韓 国 の 林 家 の 1 世 帯 当 たりの 平 均 所 得 は 2,961 万 won( 約 2,961 千 円 : 1won=0.1 円 )となっている これに 対 し 表 には 記 載 されていないが 年 次 報 告 書 で は 支 出 に 相 当 する 額 が 2,546 万 won と 報 告 されており 林 家 の 収 支 は+415 万 won( 約 415 千 万 円 )となっている 収 入 レベルで 見 ると 林 家 は 農 業 者 漁 業 者 よりも 低 くな っている また 報 告 書 では 専 業 林 家 の 年 平 均 収 入 が 2,708 万 won であるのに 対 し 林 業 を 副 業 としている 兼 業 林 家 の 所 得 は 2,818 万 won と 専 業 林 家 よりも 高 くなってい る と 報 告 されており 専 業 林 家 の 経 営 が 厳 しいことが 伺 える( 表 1-2-5) < 表 1-2-5> 林 家 と 農 家 漁 業 者 の 世 帯 所 得 比 較 ( 単 位 : 千 won) 区 分 2008 2009 2010 2011 2012 林 家 所 得 27,288 27,391 27,678 28,471 29,609 農 家 所 得 30,523 30,814 32,121 30,148 31,031 漁 業 者 所 得 31,176 33,945 35,696 38,623 37,381 林 家 / 農 家 所 得 (%) 89.4 88.9 86.2 94.4 95.4 林 家 / 漁 業 所 得 (%) 87.5 80.7 77.5 73.7 79.2 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) 9

6 認 証 林 (FSC)の 状 況 森 林 認 証 制 度 は 森 林 経 営 の 持 続 性 や 環 境 保 全 への 配 慮 等 について 第 三 者 機 関 が 一 定 の 基 準 に 基 づいて 認 証 するもので 認 証 された 森 林 から 生 産 される 木 材 製 品 など を 分 別 表 示 管 理 することなどが 可 能 となる 国 際 的 な 認 証 制 度 となっているものに FSC(Forest Stewardship Council: 森 林 管 理 協 議 会 )がある 日 本 でもFSC 認 証 林 が 普 及 しているが FSC 以 外 にも 日 本 独 自 の 認 証 制 度 SGEC(Sustainable Green Ecosystem Council: 緑 の 認 証 循 環 会 議 )がある 現 在 韓 国 でも 独 自 の 認 証 制 度 創 設 に 向 けて 作 業 中 とのことである 2006 年 に 国 立 山 林 科 学 院 済 州 試 験 林 が 国 内 で 初 めてFSCの 森 林 認 証 を 取 得 してい る 現 在 国 有 林 が8か 所 民 有 林 が4か 所 認 証 されているが 面 積 では 認 証 林 の96% が 国 有 林 となっている( 表 1-2-6) < 表 1-2-6> 韓 国 国 内 FSC 山 林 認 証 取 得 現 況 区 分 認 証 面 積 (ha) 認 証 類 型 計 380,499.24 小 計 364,100 済 州 試 験 林 2,741 Single 洪 川 (ホンチョン) 国 有 林 管 理 所 33,733 Single 麟 蹄 (インジェ) 国 有 林 管 理 所 113,906 Single 国 有 林 平 昌 (ピョンチャン) 国 有 林 管 理 所 65,766 Single 襄 陽 (ヤンヤン) 国 有 林 管 理 所 63,742 Single 蔚 珍 (ウルジン) 国 有 林 管 理 所 33,463 Single 咸 陽 (ハミャン) 国 有 林 管 理 所 25,884 Single 報 恩 (ポウン) 国 有 林 管 理 所 24,865 Single 小 計 16,399.24 山 林 組 合 中 央 会 953 Single 私 有 林 淳 昌 (スンチャン) 山 林 組 合 931.46 Group(68) 洪 川 (ホンチョン) 山 林 組 合 9,500 Group(521) 三 陟 (サムチョク) 山 林 組 合 5,014.78 Group(782) 資 料 :2013 森 林 と 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 ( 山 林 庁 企 画 調 整 官 室 ) 10

第 2 章 木 材 需 給 と 木 材 産 業 の 動 向 第 1 節 木 材 需 給 の 動 向 1 木 材 自 給 率 韓 国 の 2013 年 の 木 材 の 消 費 量 ( 丸 太 換 算 )は 対 前 年 比 1.1% 増 の 28,151 千 m3( 表 2-1-2-1)となっており3 年 連 続 で 増 加 している これに 対 し 供 給 量 は 国 産 材 が 4,897 千 m3( 表 2-1-1-1) 輸 入 材 が 23,254 千 m3( 表 2-1-1-3)で 国 産 材 の 木 材 自 給 率 は 17.4% ( 日 本 28%:2012 年 値 )となっている( 表 2-1-1-2) 自 給 率 は 伸 びているものの 依 然 として 国 内 で 消 費 する 木 材 の 80% 強 は 輸 入 材 で 賄 っている 政 府 の 見 通 しでは 2014 年 は 需 要 量 が 2.3%の 増 を 見 込 むとともに 国 産 材 の 供 給 量 5.9%の 増 自 給 率 は 0.6% 上 昇 すると 試 算 しているが これは 山 林 庁 が 2012 年 に 作 成 した 木 材 産 業 振 興 計 画 に 基 づいている 山 林 庁 では 自 給 率 を 2014 年 に 18% 2015 年 19% 2016 年 には 20% とし 2017 年 までに 21%を 達 成 する 計 画 としている 需 要 別 の 自 給 率 ( 表 2-1-1-4) を 見 てみると 製 材 用 が 12% 合 単 板 用 1% パルプ 用 9% ボード 用 が 48% バイ オマス 用 38%となっており 製 材 や 合 板 用 などの 木 材 製 品 の 輸 入 依 存 度 が 高 くなって いる < 表 2-1-1-1> 国 産 材 供 給 量 ( 単 位 : 千 m3) 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 見 通 し 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 < 表 2-1-1-2> 木 材 自 給 率 ( 単 位 :%) 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 見 通 し 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 11

< 表 2-1-1-3> 木 材 輸 入 量 ( 単 位 : 千 m3) 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 見 通 し 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 < 表 2-1-1-4> 2013 年 需 要 別 自 給 率 需 要 量 製 材 用 合 単 板 用 パルプ 用 ボード 用 バイオマス 用 その 他 自 給 率 12% 1% 9% 48% 38% 29% 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 2 木 材 の 需 給 2013 年 の 需 要 の 内 訳 を 見 ると 多 い 順 にパルプ 用 (39%) 製 材 用 (20%) ボード 用 (11%) 合 単 板 用 (11%)バイオマス 用 (7%) その 他 (12%)となっている( 表 2-1-2-1) 特 に 増 加 が 著 しいのはバイオマス 用 で 木 材 ペレットなどのエネルギー 利 用 の 増 加 が 大 きく 影 響 している 次 いで 合 単 板 用 ボード 用 の 高 次 加 工 製 品 の 増 加 が 著 しい そ の 他 の 用 途 は 工 事 用 材 杭 木 シイタケ 用 原 木 などである( 表 2-1-2-1) 供 給 別 の 需 要 内 訳 は 国 産 材 はボード 用 が 30%と 最 も 多 く 次 いでパルプ 製 材 バイオマス 用 となっている 輸 入 材 はパルプ(43%) 製 材 用 合 単 板 用 の 順 となっ ている( 表 2-1-2-2 表 2-1-2-3) 12

< 表 2-1-2-1> 主 要 品 目 別 の 実 績 と 見 通 し ( 単 位 : 千 m3) 年 度 別 2014 年 見 通 し 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 計 画 前 年 増 減 率 (%) 供 給 国 産 材 3,176 3,715 4,210 4,506 4,897 5,184 5.9 輸 入 材 23,431 23,897 23,398 23,313 23,254 23,628 1.6 合 計 26,607 3,715 27,608 27,819 28,151 28,812 2.3 製 材 用 5,852 5,426 5,533 5,378 5,736 5,752 2.3 合 単 板 用 3,061 2,953 2,782 2,805 3,042 3,126 2.8 需 要 パルプ 用 10,967 12,466 12,563 12,226 10,926 10,623 2.8 ボード 用 2,472 3,310 3,201 3,153 3,066 3,203 4.5 バイオマス 用 184 412 598 805 1,865 2,633 41.2 その 他 4,071 3,045 2,931 3,452 3,516 3,475 1.2 自 給 率 (%) 11.9 13.5 15.2 16.2 17.4 18.0 0.6%p 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 < 表 2-1-2-2> 国 産 材 の 需 要 の 推 移 ( 単 位 : 千 m3) 区 分 2014 年 見 通 し 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 計 画 前 年 比 増 減 率 (%) 合 計 3,176 3,715 4,210 4,506 4,897 5,184 5.9 製 材 用 412 429 505 515 692 700 5.9 合 単 板 用 - - - - 29 30 3.4 パルプ 用 797 892 1,022 1,033 980 1,000 2.0 ボード 用 1,122 1,611 1,644 1,565 1,475 1,500 1.7 バイオマス 用 164 220 364 384 702 966 37.6 その 他 681 563 675 1,009 1,019 988 3.0 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 < 表 2-1-2-3> 輸 入 材 の 需 要 の 推 移 ( 単 位 : 千 m3) 区 分 2014 年 見 通 し 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 計 画 前 年 比 増 減 率 (%) 合 計 23,431 23,897 23,398 23,313 23,254 23,619 1.6 製 材 用 5,440 4,997 5,028 4,863 5,044 5,052 0.2 合 単 板 用 3,061 2,953 2,782 2,805 3,013 3,096 2.8 パルプ 用 10,170 11,574 11,541 11,193 9,946 9,623 3.2 ボード 用 1,350 1,699 1,557 1,588 1,591 1,703 7.0 バイオマス 用 20 192 234 421 1,163 1,667 43.3 その 他 3,390 2,482 2,256 2,443 2,497 2,487 0.4 13

3. 国 産 材 2013 年 の 木 材 総 需 要 量 28,151 千 m3のうち 31%に 当 たる 8,654 千 m3が 原 木 として 流 通 消 費 されている 国 産 輸 入 別 に 見 ると 国 産 材 が 4,897 千 m3 輸 入 原 木 が 3,757 千 m3となっている 原 木 を 差 し 引 いた 残 りの 19,497 千 m3が 木 材 製 品 木 材 チップなど の 製 品 輸 入 となり その 割 合 は 69%となっている よって 韓 国 の 木 材 流 通 消 費 は 約 3 割 が 原 木 7 割 が 製 品 である また 流 通 する 原 木 のうち 国 産 材 の 自 給 率 は 57%と なっており 原 木 に 占 める 国 産 材 の 割 合 も 徐 々に 上 昇 してきている( 表 2-1-3) 国 産 原 木 の 利 用 を 見 ると 前 掲 の< 表 2-1-2-2>からボード 類 が 30%と 最 も 多 く 次 い でパルプ(20%) バイオマス 用 (14%) 製 材 用 (14%)となっている 日 本 の 場 合 国 産 原 木 の 約 6 割 が 製 材 用 に 次 いでパルプ 用 合 単 板 用 に 供 給 されるが 韓 国 の 場 合 パーティクルボードやMDF( 繊 維 板 )などのボード 用 として 最 も 多 く 供 給 さ れている 点 が 特 徴 となっている < 表 2-1-3> 原 木 需 要 量 の 推 移 ( 単 位 : 千 m3) 年 計 国 産 材 輸 入 材 原 木 自 給 率 2010 7,942 3,715 4,227 47% 2011 8,249 4,210 4,030 51% 2012 8,192 4,506 3,686 55% 2013 8,654 4,897 3,757 57% 資 料 2014 年 木 材 需 給 見 通 し : 山 林 庁 4. 輸 入 材 (1) 丸 太 < 表 2-1-4-1>を 見 ると 原 木 はニュージーランドからの 輸 入 が 2,569 千 m3と 最 も 多 く 全 体 の7 割 近 くを 占 めている 原 木 の 多 くはラジアータパインである 続 いて 多 い 国 がアメリカで 396 千 m3(11%) カナダが 280 千 m3(7%)となっており 樹 種 は 米 マ ツ(ダグラスファー)や 米 ツガ(ヘムロック)などである 韓 国 の 原 木 の 輸 入 先 はニ ュージーランドが7 割 アメリカ カナダの 北 米 材 が 約 2 割 残 り1 割 がその 他 とな っている その 他 で 最 も 多 いのがオーストラリアで 輸 入 量 が 173 千 m3となっているが 輸 入 材 はラジアータパインが 中 心 である またロシアからの 輸 入 は 91 千 m3(2%)と なっており 関 係 者 の 話 では 同 国 の 丸 太 関 税 の 引 き 上 げ 措 置 の 影 響 等 で 輸 入 量 は 大 き く 減 少 したとのことである なお 日 本 からの 輸 入 量 は 第 3 章 で 詳 述 するが 2013 年 時 は 43 千 m3で 第 7 位 の 輸 入 量 となっているが 2014 年 は 円 安 の 影 響 もあり かなり 増 加 するものと 予 想 される 14

(2) 木 材 製 品 前 掲 の< 表 2-1-2-3>に 示 されている 輸 入 量 の 単 位 は 体 積 で 表 示 されているが 山 林 庁 の 資 料 で 製 品 別 輸 入 量 のうち 木 材 パルプと 主 に 住 宅 の 内 装 や 家 具 などの 材 料 となる 成 形 木 材 と 呼 ばれる 加 工 製 品 の 輸 入 量 が 重 量 で 表 示 されている このため 国 別 の 輸 入 量 は < 表 2-1-2-3>の 輸 入 総 括 表 と 対 比 することはできないことから 輸 入 先 国 のみ 記 している( 表 2-1-4-2) 輸 入 量 が 最 も 多 いパルプについて その 主 な 原 料 である 木 材 チップはベトナムから の 輸 入 が 最 も 多 く チップ 輸 入 量 の 75%を 占 める 次 いでロシア(6%) マレーシア (5%)となっている 製 材 品 については 一 般 製 材 品 ( 高 次 加 工 していないもの 日 本 でムク 材 と 呼 ばれ るもの)の 輸 入 はチリ 産 が 最 も 多 く 次 いでロシア ニュージーランドとなっている チリ 産 ニュージーランド 産 の 製 品 となればほとんどラジアータパインである 合 単 板 製 品 は 中 国 マレーシア ベトナムの 順 に 多 く パーティクルボードやMDFな どのボード 類 はタイが 最 も 多 くなっている 成 形 木 材 はインドネシア 中 国 マレー シア ベトナムからの 順 で 多 くなっている( 表 2-1-4-2) < 表 2-1-4-1> 国 別 原 木 輸 入 量 ( 単 位 : 千 m3) 計 ニュージー アメリカ カナダ オ ー ス ト その 他 ランド ラリア 原 木 3,757 2,569 396 280 173 339 占 有 率 100% 68% 11% 7% 5% 9% 資 料 2014 林 業 統 計 年 報 : 山 林 庁 < 表 2-1-4-2> 国 別 製 品 輸 入 量 ( 輸 入 先 国 のみ) 順 位 1 2 3 4 製 材 品 チリ ロシア ニューシ ーラント カナダ 合 単 板 中 国 マレーシア ベトナム インドネシア ボード 類 タイ ルーマニア マレーシア カナダ 木 材 チップ ベトナム ロシア マレーシア カナダ 成 形 木 材 インドネシア 中 国 マレーシア ベトナム 資 料 2014 林 業 統 計 年 報 : 山 林 庁 15

第 2 節 木 材 産 業 1 木 材 加 工 体 制 韓 国 山 林 庁 が 発 行 する 2013 年 度 の 森 林 林 業 の 動 向 に 関 する 年 次 報 告 書 日 本 で 言 えば 林 業 白 書 にあたるが 本 書 の 木 材 産 業 欄 の 主 要 業 種 別 産 業 動 向 の 記 述 には 合 板 産 業 パーティクルボード 産 業 繊 維 板 産 業 チップ 産 業 の4 分 野 の 記 述 があるが 一 般 の 製 材 工 場 の 記 述 がない 日 本 の 場 合 まず 一 般 製 材 品 を 挽 く 製 材 工 場 や 製 材 品 の 生 産 動 向 が 掲 載 されている この 点 の 事 情 については 次 の(1) 製 材 工 場 欄 で 説 明 する 実 際 韓 国 の 木 材 加 工 製 品 の 需 要 (パルプを 除 く)は 合 板 やボード 類 よりも 製 材 用 が 多 く 木 材 加 工 品 の 需 要 量 では 製 材 品 は 48%(2013 年 )と 半 数 近 くを 占 める この 傾 向 は 概 ね 日 本 と 同 じであるが 製 材 は 木 材 加 工 分 野 では 基 礎 的 な 産 業 であり 丸 太 から 柱 などの 角 材 や 板 材 などの 製 品 を 一 次 製 品 として 生 産 する 産 業 である これに 対 して 合 単 板 や 集 成 材 ボード 類 はより 高 次 の 加 工 技 術 と 工 場 や 機 械 などの 施 設 装 備 も 大 きな 資 本 を 要 する 産 業 である また 一 般 製 材 工 場 から 生 産 された 一 次 製 品 が 集 成 材 や 短 板 ボード 類 の 材 料 として 供 給 されるほか 製 材 廃 材 はバイオマス 施 設 への 原 料 や 家 畜 敷 料 などにも 供 給 されている このように 製 材 工 場 は 木 材 によるモノづくりの 根 幹 であるとともに 他 の 木 材 高 次 加 工 産 業 を 支 える 基 幹 産 業 でもある 前 述 のとおり 韓 国 の 年 次 報 告 書 には 合 板 やボ ード 類 についての 説 明 はあるが さらに 需 要 量 の 多 い 製 材 部 門 についての 説 明 記 載 はない このような 状 況 と 後 述 する 南 大 門 の 修 復 において 木 材 の 乾 燥 による 問 題 な どが 発 生 している 点 を 併 せ 考 えると 木 材 産 業 の 基 礎 産 業 とも 言 える 製 材 に 対 す る 技 術 や 品 質 向 上 について 現 状 把 握 やコンプライアンス 等 の 問 題 など 未 だ 多 くの 課 題 があると 考 える (1) 製 材 工 場 製 材 工 場 に 関 しては 例 えば 日 本 のケースであれば 高 度 経 済 成 長 時 に 住 宅 建 設 の ために 多 くの 木 材 や 製 材 品 が 市 場 に 供 給 される 中 で 粗 悪 品 などの 流 通 から 消 費 者 を 保 護 するために 木 材 製 材 業 者 については 都 道 府 県 毎 に 木 製 材 登 録 制 度 が 創 設 さ れ 木 材 製 材 品 を 販 売 する 業 者 の 登 録 が 義 務 付 けられた 制 度 の 創 設 は 製 材 工 場 の 実 態 等 の 把 握 にも 役 立 った その 後 登 録 制 度 は JAS( 日 本 農 林 規 格 )などの 製 品 認 証 制 度 が 普 及 し 品 質 の 向 上 等 が 図 られたことから 自 治 体 によっては 制 度 を 廃 止 し 製 材 業 組 合 などの 団 体 が 自 主 管 理 するシステムへと 移 行 している こうした 木 製 材 業 の 管 理 について 韓 国 ではこれまであまり 対 策 がとられて 来 な かったと 言 えるが 2013 年 度 の 木 材 法 の 改 正 に 伴 い 登 録 制 度 を 設 けることが 盛 り 込 まれ 現 在 制 度 の 創 設 運 用 に 向 けて 作 業 中 とのことである この 作 業 が 進 めば 製 材 工 場 の 実 態 統 計 データ 等 が 整 理 されてくるものと 思 われる 16

(2) 合 板 産 業 2012 年 現 在 韓 国 には 合 板 工 場 が5 工 場 あり 年 間 の 生 産 能 力 は 517 千 m3となって いる 2012 年 の 生 産 量 は 434 千 m3の 実 績 で 年 間 の 生 産 額 は 2,700 億 won( 約 270 億 円 )となっている 韓 国 の 合 板 生 産 は かつてはわずかながら 輸 出 も 行 っていたが 近 年 では 国 内 の 景 気 不 振 と 中 国 産 の 輸 入 量 増 加 により 生 産 量 と 出 荷 額 は 減 少 する 一 方 輸 入 量 は 増 加 している( 表 2-2-1-1 表 2-2-1-2) < 表 2-2-1-1> 合 板 産 業 現 況 区 分 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 生 産 業 者 4 4 6 5 5 5 5 4 5 生 産 能 力 ( 千 m3) 877 838 748 776 756 687 504 579 517 生 産 量 ( 千 m3) 699 680 674 699 599 439 450 453 434 稼 働 率 (%) 91 81 90 90 79 64 78 70 73 年 間 生 産 額 ( 億 WON) 2,983 2,573 2,642 2,939 3,085 2,030 2,081 2,095 2,007 従 業 員 数 ( 名 ) 1,426 1,296 1,305 1,186 889 843 769 641 716 注 : 10 年 ~ 12 年 合 板 年 間 生 産 額 は 年 間 生 産 量 16,500ウォン/ 枚 28.03 枚 /m3で 推 定 資 料 : 韓 国 合 板 ボード 協 会 < 表 2-2-1-2> 合 板 産 業 の 生 産 および 需 給 ( 単 位 : 千 m3 %) 区 分 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 数 量 対 前 年 生 産 量 699 680 674 699 599 439 450 453 434 4.2 出 荷 量 676 674 695 666 624 492 463 436 417 4.4 輸 出 量 43 9 10 4 1 - - - - - 輸 入 量 1,203 1,242 1,297 1,364 1,249 1,286 1,244 1,292 1,411 9.2 資 料 : 韓 国 合 板 ボード 協 会 17

(3)パーティクルボード(PB) 産 業 パーティクルボード( )の 生 産 は3 企 業 が 行 っている 年 間 の 生 産 能 力 は839 千 m3 となっており 2012 年 は 前 年 に 比 べ4.7% 増 の801 千 m3の 生 産 量 出 荷 量 は 前 年 対 比 5.5% 減 少 の772 千 m3である 輸 入 量 は 前 年 対 比 3.9% 減 の742 千 m3となっている 2012 年 の 出 荷 量 の 減 少 は 建 設 需 要 が 減 少 したことが 主 な 原 因 である また パーティクルボードの 原 料 となる 廃 木 材 等 の 不 足 が 生 産 量 の 拡 大 に 歯 止 めを かけており 同 産 業 が 抱 える 大 きな 課 題 となっている( 表 2-2-1-3 表 2-2-1-4) パーティクルボード(particleboard)とは 木 材 の 小 片 を 接 着 剤 で 成 形 熱 圧 した 板 < 表 2-2-1-3> パーティクルボード 産 業 現 況 区 分 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 生 産 業 者 数 3 3 3 3 3 3 3 3 3 生 産 能 力 ( 千 m3) 840 898 896 966 982 1,012 992 830 839 生 産 量 ( 千 m3) 896 847 777 955 950 934 919 765 801 稼 働 率 (%) 107 94 87 98 97 92 93 96 95 年 間 生 産 額 1,767 ( 億 ウォン) 1,386 1,357 1,956 2,023 1,989 1,957 1,629 1,706 従 業 員 数 ( 名 ) 310 250 203 208 211 207 206 206 216 注 :2008~2012 年 年 間 生 産 額 は 年 間 生 産 量 9,500ウォン/ 枚 22.42 枚 /m3で 推 定 資 料 : 韓 国 合 板 ボード 協 会 < 表 2-2-1-4> パーティクルボード 生 産 および 需 給 ( 単 位 : 千 m3 %) 区 分 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 数 量 前 年 比 増 減 生 産 量 896 847 777 955 950 934 919 765 801 4.7 出 荷 量 845 872 756 958 948 946 899 817 772 5.5 輸 出 量 1 - - - - - - - - 輸 入 量 867 759 955 763 773 677 806 772 742 3.9 資 料 : 韓 国 合 板 ボード 協 会 18

(4) 繊 維 板 産 業 韓 国 の 繊 維 板 生 産 はMDF( )が 中 心 である 2012 年 の 生 産 量 は 7 工 場 で 1,713 千 m3 出 荷 量 が 1,593 千 m3となっている 繊 維 板 はパーティクルボードが 国 内 の 生 産 量 と 同 レベルの 量 を 輸 入 しているのに 対 し 国 内 消 費 分 に 対 してほぼ 自 給 可 能 な 生 産 レ ベルにある( 表 2-2-1-5 表 2-2-1-6) MDF(Medium Density Fiberboard: 中 密 度 繊 維 版 )とは 木 材 を 繊 維 化 してから 成 形 した 板 で 用 途 に 応 じて 繊 維 密 度 が 異 なり MDF は 中 程 度 の 硬 度 の 板 < 表 2-2-1-5> 繊 維 板 産 業 現 況 ( 単 位 : 千 m3 %) 区 分 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 生 産 業 者 数 8 8 8 7 7 7 7 5 7 年 間 生 産 能 力 ( 千 m3) 1,339 1,397 1,283 1,354 1,407 1,482 1,952 1,756 1,419 年 間 生 産 量 ( 千 m3) 1,584 1,653 1,642 1,717 1,690 1,655 1,836 1,812 1,713 年 平 均 稼 動 率 (%) 118 93 100 100 90 85 89 89 87 年 間 生 産 額 ( 億 ウォン) 4,325 3,707 4,145 4,492 4,580 4,485 4,976 4,910 4,642 従 業 員 数 ( 名 ) 728 625 550 500 502 502 669 573 512 注 : 繊 維 板 の 年 間 生 産 額 は 年 間 生 産 量 14,500ウォン/ 枚 18.69 枚 /m3で 推 定 資 料 : 韓 国 合 板 ボード 協 会 < 表 2-2-1-6> 繊 維 板 の 生 産 および 需 給 ( 単 位 : 千 m3 %) 区 分 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 数 量 前 年 増 減 生 産 量 1,584 1,653 1,642 1,717 1,690 1,655 1,836 1,812 1,713-5.5 出 荷 量 1,498 1,580 1,632 1,743 1,597 1,696 1,751 1,746 1,593-8.8 輸 入 量 343 416 453 434 468 185 226 125 129 3.2 輸 出 量 81 41 23 27 18 16 14 51 107 109.8 資 料 : 韓 国 合 板 ボード 協 会 19

5 集成材生産 韓国政府が発行する年次報告書には集成材( )生産についての記述は特にないが 韓 国には韓屋などで使用される大断面規模の集成材を生産する工場は2か所ある 小 中断面は除く 1か所は民間企業であるが もう1か所は江原道華川郡という自治体 が財団を設立し 集成材工場を稼働させている 実際 韓国の工場で生産された集成 材を見たことがあるが 主に米マツの集成材製品が展示されていた 写真 2-2-1-1 写 真 2-2-1-2 集成材とは木材の小角材などを主に繊維方向を平行にして接着剤で集成接着し たもので 橋梁や体育館などの大規模な建築構造物 一般住宅の柱や梁などの構 造材 家具などの小さな製品まで多用途に供されている 写真 2-2-1-1 韓国企業による集成材の展示ブース 2013 年キョンヒャンハウジングフェア KINTEX 写真 2-2-1-2> 集成材の展示 米マツ使用 2013 年キョンヒャンハウジングフェア KINTEX 20

2 木 材 製 品 の 性 能 品 質 (1) 木 材 の 乾 燥 日 本 では 2000 年 に 木 材 の 性 能 品 質 の 確 保 に 関 する 法 律 いわゆる 品 確 法 が 施 行 されて 以 降 特 に 木 材 の 人 工 乾 燥 体 制 が 整 ってきた しかし 韓 国 では 木 造 住 宅 などに 使 用 する 建 築 材 などについては 現 状 国 産 のアカマツ 材 や 米 マツ 製 品 の 多 くは 未 乾 燥 材 か あるいは 含 水 率 などの 品 質 管 理 が 為 されたものではない このため 韓 国 の 伝 統 的 木 造 住 宅 の 韓 屋 をはじめ 他 の 工 法 による 木 造 建 築 物 に 使 用 されて いる 構 造 材 などは 未 乾 燥 のために 生 じるひび 割 れ そり 曲 りなどが 発 生 している 特 にひび 割 れが 顕 著 である もちろん 表 面 割 れなどは 構 造 上 問 題 ないが 木 材 の 乾 燥 の 必 要 性 など 性 能 品 質 向 上 は 韓 国 の 木 材 産 業 界 の 大 きな 課 題 となっている (2) 木 材 法 の 改 正 韓 国 では 2013 年 に 木 材 法 ( 木 材 の 持 続 可 能 な 利 用 に 関 する 法 律 )が 施 行 され 同 法 に 木 材 製 品 の 品 質 管 理 ( 第 4 章 )が 盛 り 込 まれており 今 後 段 階 的 にすべての 木 製 品 に 品 質 表 記 をすることが 義 務 付 けられ 表 示 をしなかった 場 合 や 虚 偽 の 表 記 をした 場 合 には 罰 金 または 懲 役 刑 を 受 けることになる また 日 本 のJAS 規 格 ( 日 本 農 林 規 格 )に 相 当 する 木 材 製 品 の 認 証 制 度 も 導 入 されることになっている こうした 法 律 の 施 行 に 対 して 国 内 の 木 材 関 係 者 の 反 発 は 大 きいが 木 材 製 品 についても 消 費 者 保 護 の 動 きが 強 まってきている (3) 南 大 門 の 修 復 問 題 韓 国 で 木 材 法 が 施 行 された 2013 年 その 木 材 の 品 質 管 理 に 関 連 して 衝 撃 的 な 事 件 が 発 生 している 日 本 でも 有 名 な 南 大 門 ( 正 式 名 崇 礼 門 :スンネムン: 写 真 2-2-2-1 ~2)は 韓 国 の 国 宝 指 定 第 1 号 の 木 造 建 築 物 である かつて 日 本 でも 大 きく 報 じられた ので 記 憶 されている 方 も 多 いと 思 うが 2008 年 放 火 により 南 大 門 の 木 造 楼 閣 の 大 部 分 が 焼 失 した その 後 2010 年 から 2013 年 4 月 まで 復 元 工 事 が 行 われ 同 年 5 月 に 完 成 した しかし 同 年 11 月 完 成 間 もない 南 大 門 の 楼 閣 の 柱 部 分 の 塗 装 が 剥 落 するとと もに 材 に 大 きな 亀 裂 が 発 生 した( 写 真 2-2-2-3) 調 査 の 結 果 木 材 のひび 割 れは 材 内 部 にまで 及 び 深 刻 な 状 態 であることが 確 認 されるとともに このような 事 態 の 発 生 は 安 い 資 材 の 購 入 や 低 賃 金 での 施 工 など 拙 速 ずさんな 工 事 体 制 が 原 因 とマスコミ で 大 きく 報 じられた この 事 件 は 木 材 関 係 者 のみならず 全 国 民 に 大 きなショックを 与 えた 南 大 門 は 修 復 完 成 後 は 観 光 客 も 内 部 への 立 ち 入 りが 可 能 になっていたが 事 件 後 未 だに 立 ち 入 り 禁 止 措 置 が 講 じられている さらに 本 事 件 は 単 に 木 材 の 乾 燥 などずさ んな 工 事 にとどまらず 再 び 国 民 を 失 望 させる 問 題 へと 発 展 している 国 宝 第 1 号 で もあり 韓 国 国 民 のアイデンティーとも 言 える 歴 史 的 建 造 物 である 南 大 門 は その 修 復 は 当 然 韓 国 産 の 木 材 で 行 われるべきものであるとし 使 用 された 木 材 は 韓 国 産 の マツとされていた しかし 事 件 発 覚 後 使 用 された 韓 国 産 とされるマツを 鑑 定 した 結 21

果 一部はロシア産マツではないかとマスコミが報じている 但し 韓国産であれロ シア産であれ学術的には同じ種類のマツ アカマツ材 であり この点からロシア産 だという特定は難しい したがって韓国産であるかどうかは どこで生育 韓国内な のかどうか し 伐られたマツ材かということが問題になってくるものと考える <写真 2-2-2-1>国宝第1号の南大門 崇礼門 <写真 2-2-2-3> <写真 2-2-2-2> 南大門 屋根部 南大門ひび割れに関する新聞の写真付き記事 崇礼門2階門楼の東側の柱が上下に1メ ートル以上割れている 他の柱の亀裂部が 内 側 ま で 丹 青 ( )顔 料 で 彩 色 さ れ た も の と違い 木の中が白く露わになっている 専門家らは 乾燥過程ではなく丹青の彩色 が終わった後に割れ始めたという証拠だ 表面は乾いているが内側には依然として 水分が多く残っておりその違いによって 変形が起きたもの と話した 丹青 色塗りすること 2013 年 11 月7日付 韓国中央日報 22

第 3 章 韓 国 への 木 材 輸 出 第 1 節 木 材 輸 出 の 現 況 1 木 材 輸 出 の 変 遷 日 本 産 の 木 材 は かつては 造 船 用 材 や 家 具 用 材 などとして 海 外 に 輸 出 されていた 例 えば 韓 国 向 けの 輸 出 では 特 に 南 九 州 産 スギ 材 が 造 船 用 としてかなりの 量 が 輸 出 さ れていた 表 3-1-1-1 及 び 表 3-1-1-2 は 宮 崎 県 産 スギ 材 の 韓 国 への 輸 出 量 の 推 移 を 示 したものである 飫 肥 杉 (オビスギ)と 呼 ばれる 宮 崎 県 産 スギ 材 は 油 脂 分 が 多 く 弾 力 性 に 富 むことから 古 くから 船 の 材 料 として 利 用 され 国 内 に 加 えて 韓 国 台 湾 など へも 輸 出 しており 最 盛 期 の 1960 年 末 頃 までは 輸 出 量 は1 万 m3を 超 えていた その 後 造 船 用 としての 木 材 の 需 要 は FRP( 繊 維 強 化 プラスティック)や 鉄 鋼 船 への 転 換 に 伴 い 衰 退 していった こうした 造 船 用 材 としての 海 外 需 要 の 減 少 と 合 わせ 全 国 的 にも 日 本 産 木 材 の 輸 出 は 資 源 的 な 制 約 や 人 件 費 等 の 高 騰 等 により 昭 和 50 年 代 (1970 年 代 後 半 ) 以 降 は 減 少 傾 向 にあった しかし 最 近 では 中 国 をはじめとする 新 興 国 での 経 済 発 展 や 人 口 増 加 により 今 後 木 材 の 海 外 需 要 は 増 加 することが 見 込 まれている 一 方 で 日 本 国 内 の 森 林 資 源 は 戦 後 植 林 したスギやヒノキなどの 人 工 林 資 源 が 充 実 し 本 格 的 な 利 用 期 を 迎 えている このような 状 況 を 背 景 に 再 び 木 材 の 輸 出 は 増 加 し 始 め 最 近 で は 木 材 需 要 の 増 加 が 著 しい 中 国 韓 国 などの 東 アジア 諸 国 を 中 心 として 輸 出 の 取 組 が 広 がっている 特 に 2013 年 は 円 安 が 加 速 したことに 伴 い 丸 太 の 輸 出 が 急 増 している < 表 3-1-1-1> 宮 崎 県 産 材 の 輸 出 < 表 3-1-1-2> 宮 崎 県 産 材 の 輸 出 ( 国 別 )( 単 位 :m3) 年 ( 西 暦 ) 輸 出 量 (m3) 年 ( 西 暦 ) 国 内 韓 国 台 湾 明 治 36(1902) 15,370 昭 和 35(1960) 34,386 12,853 - 大 正 元 (1911) 30,820 昭 和 45(1970) 20,990 8,832 1,502 昭 和 5(1930) 15,370 昭 和 55(1980) 2,000 9,450 - 昭 和 16(1941) 30,820 昭 和 63(1988) 201 13,297 - 昭 和 30(1955) 25,820 平 成 5(1993) 82 5,406 - ( 資 料 ) 宮 崎 県 飫 肥 林 業 ( 資 料 ) 宮 崎 県 林 業 統 計 要 覧 より 国 別 の 資 料 はなし 2 木 材 輸 出 の 必 要 性 なぜ いま 木 材 輸 出 なのか? 日 本 では 戦 後 高 度 経 済 成 長 期 からの 復 興 と 将 来 見 込 まれる 資 材 確 保 のために 全 国 で 植 林 されたスギやヒノキなどの 人 工 林 資 源 は 現 在 では まだ 間 伐 等 の 施 業 ( 手 入 れ)が 必 要 な 育 成 段 階 にあるが 伐 採 して 木 材 として 利 用 可 能 な 概 ね 50 年 生 以 上 の 高 齢 級 の 人 工 林 が 徐 々に 増 加 してきている 下 表 を 見 ると 高 齢 級 の 人 工 林 は 平 成 19 年 度 末 時 点 で 人 工 林 面 積 の 約 35%を 占 めるにすぎないが 現 状 のまま 推 移 した 場 合 10 年 後 の 29 年 度 には 約 60%に 増 加 すると 見 込 まれている( 図 3-1-2) このように 日 本 の 人 工 林 資 源 は 充 23

実 してきており これまでの 植 林 育 成 による 資 源 の 造 成 期 から 資 源 の 利 用 期 へと 移 行 す る 段 階 にあり その 利 用 対 策 が 喫 緊 の 課 題 となっている 一 方 で 木 材 需 要 の 多 くを 占 める 住 宅 着 工 は 今 後 長 期 的 には 人 口 世 帯 数 の 減 少 により 大 幅 に 増 加 することは 期 待 でき ない これから 木 材 資 源 がますます 充 実 する 中 で 木 材 の 需 要 拡 大 を 図 っていくためには 住 宅 分 野 のみならず エネルギーとしての 木 質 バイオマスの 利 用 や 木 材 輸 出 など 新 たな 分 野 での 需 要 の 掘 り 起 こしが 必 要 となっている < 図 3-1-2> 日 本 の 人 工 林 の 齢 級 構 成 ( 樹 木 の 年 齢 構 成 :1 齢 級 は5 年 ) ( 林 野 庁 林 業 白 書 より) 3 近 年 の 木 材 輸 出 日 本 から 海 外 への 木 材 輸 出 は 中 国 韓 国 台 湾 ベトナム インドネシアなど 東 アジア 諸 国 を 中 心 に 行 われ 輸 出 総 額 は 2013 年 が 対 前 年 比 32% 増 の 123 億 円 うち 原 木 の 輸 出 額 は 対 前 年 比 123% 増 製 品 が 15% 増 となっている( 表 3-1-3-1) 前 述 したとおり 韓 国 は 国 内 で 消 費 する 木 材 の 83%を 外 材 に 依 存 している 主 な 輸 入 先 は 原 木 がニュージーランド アメリカやカナダの 北 米 製 品 がチリや 中 国 などで 日 本 からの 輸 入 は 2013 年 は 丸 太 ( 原 木 )が 約 5 万 m3 製 品 が6 千 m3となっており 韓 国 の 輸 入 量 全 体 から 見 れば 丸 太 がようやく1%を 超 える 程 度 の 占 有 率 で 製 品 に 至 ってはさらに 少 ない しかしここ 最 近 の 推 移 を 見 ると 丸 太 は 2013 年 が 対 前 年 比 84% 増 製 材 品 が 85% 増 となっている さらに 2014 年 に 入 ると1~6 月 期 の 上 半 期 では 原 木 が 41,277 m3と 前 年 同 期 比 (2013 年 1~6 月 期 :21,614 m3)の 90% 増 となってお り 2014 年 末 ベースではほぼ 倍 増 する 勢 いを 見 せている また 製 材 品 については 2013 年 に 大 幅 に 増 加 しているが 2014 年 の1~6 月 期 は 2,971 m3で 前 年 (2013 年 1~6 月 期 :2,846 m3)をわずかながら 上 回 るペースとなっている( 表 3-1-3-2) 24

< 表 3-1-3-1> 日 本 の 木 材 輸 出 額 の 推 移 ( 総 額 ) 年 丸 太 ( 百 万 円 ) 製 品 ( 百 万 円 ) 合 計 ( 百 万 円 ) 2007 406 11,065 11,471 2008 723 11,227 11,950 2009 546 9,899 10,445 2010 869 9,331 10,200 2011 1,363 8,380 9.743 2012 1,405 7,940 9,345 2013 3,139 9,167 12,306 2014 3,165 4,989 8,154 (1~6 月 期 ) 注 ) 製 品 は 製 材 品 合 単 板 繊 維 版 ハ ーティクルホ ート など 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 より 抜 粋 < 表 3-1-3-2> 中 国 韓 国 台 湾 への 木 材 輸 出 ( 単 位 : 千 m3) 丸 太 製 材 品 年 中 国 韓 国 台 湾 中 国 韓 国 台 湾 2007 8,133 8,393 394 12,506 2,714 245 2008 17,354 21,147 1,123 9,003 3,171 238 2009 4,743 14,597 6,147 12,546 2,127 362 2010 10,232 11,256 41,286 16,186 2,804 524 2011 15,323 21,107 61,816 17,750 3,381 1,616 2012 14,792 27,138 67,968 19,659 3,257 763 2013 129,667 49,820 81,782 19,379 6,039 1,073 2014 139,823 41,277 54,547 13,611 2,971 832 (1~6 月 期 ) 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 より 抜 粋 25

4 輸 出 を 行 う 上 での 課 題 日 本 から 海 外 への 木 材 の 輸 出 特 に 丸 太 の 2013 年 の 輸 出 量 は 2010 年 の 4 倍 に 増 加 している 特 に 中 国 は 2010 年 対 比 で 10 倍 を 超 すなど 驚 異 的 な 伸 びである 韓 国 向 け の 丸 太 輸 出 量 も 4.4 倍 台 湾 が2 倍 近 くの 伸 びであるが 製 材 品 については 全 体 では 伸 びていない また 中 国 への 輸 出 は 丸 太 の 10 倍 に 対 して 製 材 品 は 20% 増 に 留 まってい る 韓 国 台 湾 は 製 材 品 も 倍 増 しているが 元 々の 輸 出 規 模 が 丸 太 に 比 べて 小 さく 1 企 業 1 取 引 当 たりの 影 響 が 出 やすいことなども 考 えると 丸 太 と 同 様 の 傾 向 であ るとは 言 い 難 い( 表 3-1-4-1) 木 材 の 輸 出 は 大 きく 丸 太 ( 原 木 )と 製 品 に 分 けられるが 丸 太 と 一 般 製 材 品 ( 合 板 やボード 類 は 除 く)のそれぞれの 輸 出 単 価 を 比 べると 2013 年 の 韓 国 向 けの 丸 太 の 平 均 の 輸 出 単 価 は 16,402 円 /m3(817,163 千 円 /49,820 m3) 製 品 単 価 は 64,606 円 /m3 (390,154 千 円 /60,127 m3)となる 価 格 の 多 寡 は 当 然 製 品 の 方 が 加 工 コストがか かるため 高 くなるが 要 は 丸 太 で 素 材 のまま 輸 出 した 場 合 と 製 品 に 加 工 した 場 合 と では1m3 当 たり 単 価 に 約 4 倍 近 くの 開 きが 出 る やはり 丸 太 の 素 材 よりも 付 加 価 値 を 高 めた 製 品 で 輸 出 する 方 が 有 利 である また 製 品 で 輸 出 することにより 国 内 の 加 工 産 業 の 育 成 や 雇 用 の 促 進 につながるなど 波 及 効 果 も 生 まれる 一 方 で 丸 太 の 輸 出 が 2013 年 に 急 増 したことは アベノミクス 政 策 に 伴 う 円 安 効 果 が 最 大 の 要 因 であるが 丸 太 などの 素 材 は 為 替 の 影 響 を 受 けやすく 今 後 円 高 になれ ば 他 国 産 材 の 丸 太 に 代 替 される 可 能 性 も 高 い 言 い 換 えれば 今 は 円 安 で 日 本 産 の 丸 太 が 他 国 産 材 に 代 替 しているとも 言 える さらに 第 2 章 で 述 べたとおり 徐 々にではあ るが 韓 国 では 丸 太 の 自 給 率 も 上 昇 していることも 考 慮 しておく 必 要 がある 以 上 のことから 今 後 日 本 産 木 材 の 輸 出 を 促 進 していく 上 では より 付 加 価 値 の 高 い 製 材 品 の 輸 出 をどう 増 やしていくかが 課 題 であるとともに 製 材 品 の 海 外 市 場 を 開 拓 していく 戦 略 が 必 要 である < 表 3-1-4-1> 中 国 韓 国 台 湾 への 丸 太 と 製 材 品 の 輸 出 量 の 変 化 ( 単 位 :m3) 項 目 計 中 国 韓 国 台 湾 その 他 2010 年 65,482 10,232 11,256 41,286 2,708 丸 太 2013 年 264,715 129,667 49,820 81,782 3,446 伸 び 率 (%) 404 1,267 443 198 127 2010 年 60,206 16,186 2,804 524 40,692 製 材 品 2013 年 60,127 19,379 6,039 1,073 33,636 伸 び 率 (%) 100 120 215 205 83 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 より 抜 粋 26

5 韓 国 の 木 材 輸 入 関 税 (1) 輸 入 関 税 表 <3-1-5>は 韓 国 が 木 材 を 輸 入 する 際 の 関 税 率 である 集 成 材 は 規 格 によりさらに 細 かく 関 税 率 が 定 められているため 範 囲 を 持 たせて 表 記 している 日 本 と 韓 国 の 木 材 の 関 税 率 は 数 値 そのものも 概 ね 同 レベルにあり 例 えば 丸 太 に 関 しては 両 国 とも 関 税 はゼロとなっているが このような 扱 いになっていることには 似 たような 経 緯 が 両 国 にある 日 本 は 戦 前 軍 需 用 などのために 森 林 の 伐 り 過 ぎにより 戦 後 になり 戦 災 復 興 の 住 宅 建 設 時 には 資 材 となる 木 材 は 不 足 していた 加 えて 高 度 経 済 成 長 期 の 住 宅 需 要 を 賄 うためには 木 材 資 源 は 輸 入 に 頼 らざるを 得 ない 事 情 があり 丸 太 につい ては 早 い 時 期 から 関 税 は 撤 廃 されている 同 じように 韓 国 も 朝 鮮 戦 争 により 軍 需 用 と して 森 林 が 利 用 され 復 興 資 材 としての 木 材 は 輸 入 せざるを 得 ない 状 況 にあり 丸 太 の 関 税 は 撤 廃 その 他 の 製 材 品 の 関 税 も 低 く 抑 えられている このように 木 材 は 日 本 や 韓 国 においては 農 林 水 産 物 特 にコメや 牛 肉 といった 農 産 物 が 自 国 の 農 業 を 守 るために 保 護 主 義 が 採 られ 高 い 関 税 率 が 掛 けられている 中 では 自 由 貿 易 の 観 点 か らは 優 等 生 と 言 える 仮 に 日 本 がTPPに 加 盟 したとしても 木 材 については 他 の 農 林 水 産 物 に 比 べて 影 響 は 小 さい < 表 3-1-5> 韓 国 の 木 材 輸 入 時 の 関 税 ( 単 位 :%) 品 目 名 韓 国 参 考 ( 日 本 ) 丸 太 0 0 製 材 品 5% 米 マツ 米 ツガ 等 0 マツ モミ トウヒ 4.8 合 板 10% 6 ~ 10 集 成 材 5~10% 3.9 ~ 6 FTAによる 米 材 製 品 の 関 税 撤 廃 品 目 資 料 : 韓 国 関 税 庁 韓 国 関 税 率 表 から 抜 粋 (2015 年 1 月 15 日 時 点 ) (2)FTA 締 結 後 の 関 税 韓 国 は 2011 年 にアメリカとの 間 で 米 韓 自 由 貿 易 協 定 いわゆるFTA(Free Trade Agreement: 自 由 貿 易 協 定 )を 結 び 2012 年 3 月 に 発 効 されている 米 韓 FTAの 発 効 により5 年 以 内 に 95%の 品 目 の 関 税 が 撤 廃 される 既 に 木 材 製 品 については 上 表 の 中 では アメリカから 輸 入 する 製 材 品 や 集 成 材 の 一 部 ( 印 )の 製 品 については 関 税 が 撤 廃 されている また 韓 国 は 木 材 製 品 輸 入 量 の 多 いカナダともFTAを 締 結 し 2015 年 に 発 効 され 今 後 カナダからの 木 材 製 品 の 関 税 も 段 階 的 に 引 き 下 げられる 予 定 である 27

参 考 資 料 -1 日 本 の 木 材 輸 出 品 目 別 木 材 輸 出 額 ( 対 韓 国 ) 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 NO119 28

参 考 資 料 -2 日 本 の 木 材 輸 出 品 目 別 木 材 輸 出 量 ( 対 韓 国 ) 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 NO119 29

参 考 資 料 -3 日 本 の 木 材 輸 出 国 別 輸 出 総 額 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 NO119 30

参 考 資 料 -4 日 本 の 木 材 輸 出 国 別 輸 出 総 量 ( 丸 太 ) 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 NO119 31

参 考 資 料 -5 日 本 の 木 材 輸 出 国 別 輸 出 総 量 ( 製 材 品 ) 資 料 日 本 木 材 輸 出 振 興 会 日 本 木 材 総 合 情 報 センター 木 材 輸 出 統 計 月 報 NO119 32

第 2 節 輸 出 拡 大 の 可 能 性 1 木 材 製 品 の 輸 出 拡 大 日 本 から 海 外 への 木 材 輸 出 は 前 節 で 述 べたとおり 丸 太 が 急 増 している これに 対 し 製 材 品 を 含 めた 製 品 は 輸 出 額 ベースで 2013 年 が 対 前 年 比 で 15% 増 と 増 加 しているも のの2 倍 以 上 の 伸 びを 見 せている 丸 太 にはるかに 及 ばない 製 品 の 中 でも 合 板 やボー ド 類 の 加 工 製 品 は 大 規 模 資 本 大 規 模 工 場 でなければ 製 造 できず 工 場 数 も 少 ない 日 本 の 木 材 製 品 の 多 くは 日 本 各 地 域 のスギやヒノキなどを 活 用 して 主 に 建 築 材 な どの 製 材 品 を 製 造 している したがって 木 材 の 輸 出 など 新 たな 需 要 を 創 出 して 林 業 や 木 材 産 業 を 活 性 化 させていく 上 では こうした 地 域 のメーカーが 製 造 する 製 材 品 の 輸 出 を 伸 ばしていくことが 不 可 欠 である 前 節 の 繰 り 返 しなるが 丸 太 の 輸 出 は 輸 入 国 内 での 価 格 要 因 が 輸 入 量 に 極 めて 大 きく 影 響 する 例 えば 中 国 に 輸 出 される 丸 太 は 工 事 用 の 仮 設 材 や 土 木 用 の 杭 木 用 丸 太 などの 需 要 が 中 心 である こうした 用 途 の 木 材 は 必 ずしも 日 本 のスギやヒノキでなければならないという 理 由 はない 為 替 や 価 格 次 第 で 他 国 産 の 丸 太 に 代 替 されやすい 日 本 国 内 で 取 引 される 丸 太 は 建 築 向 けなどの 良 質 材 をA 材 扱 いとし 順 次 質 に 応 じ てB C 材 ( 曲 り 材 など)などに 分 けているが C 材 などの 建 築 に 向 かない 不 良 材 を 国 内 よりも 有 利 な 価 格 で 輸 出 しているのであれば 丸 太 で 輸 出 することも 経 済 的 には 合 理 性 がある しかし 為 替 の 影 響 を 受 けやすく 代 替 されやすい 素 材 である 丸 太 も 最 近 国 内 ではバイオマス 発 電 のエネルギー 利 用 などへのニーズも 年 々 高 まってきてい る こうしたバイオマス 利 用 への 活 用 も 含 めて C 材 などの 丸 太 も 基 本 的 には 可 能 な 限 り 国 内 で 利 用 するとともに 曲 り 材 であっても 集 成 材 製 品 などへ 活 用 し 付 加 価 値 の 高 い 製 品 へと 転 換 した 上 で 国 内 市 場 へ 出 していく また 輸 出 向 けとすることがより 大 きな 経 済 効 果 を 生 む 2 住 宅 部 材 としての 供 給 (1) 木 造 住 宅 部 材 としての 製 材 品 輸 出 日 本 から 海 外 への 木 材 製 品 の 輸 出 については 日 本 各 地 のスギやヒノキなどの 丸 太 から 製 造 された 建 築 向 けの 製 材 品 の 輸 出 を 伸 ばしていくことが 地 域 の 林 業 や 木 材 産 業 にとって 最 も 大 きな 経 済 効 果 を 発 揮 する もちろん 合 板 やボード 類 も 日 本 から 中 国 やフィリピンなどへも 輸 出 されているが スギやヒノキなどの 人 工 林 を 生 産 する 各 地 域 にはそれらの 加 工 品 を 輸 出 するまでの 生 産 基 盤 は 整 っていない 日 本 の 多 くの 木 材 製 品 メーカーは 製 材 品 や 集 成 材 特 に 柱 や 梁 などの 構 造 材 や 壁 板 床 板 などの 木 造 住 宅 の 部 材 を 生 産 する 工 場 がほとんどである このため 製 材 品 の 輸 出 先 は 木 造 住 宅 が 多 く 建 設 される 国 住 宅 部 材 としての 木 材 需 要 の 多 い 国 をターゲットとする 必 要 があ る このような 状 況 の 中 で 現 在 日 本 からの 木 材 の 輸 出 額 が 最 も 多 い 中 国 は 都 市 部 ではアパートやマンションの 集 合 住 宅 が 中 心 で 構 造 は 鉄 筋 コンクリート 造 である 中 国 では 最 近 著 しい 経 済 成 長 を 背 景 に 別 荘 用 などを 中 心 に 木 造 戸 建 住 宅 も 建 設 さ 33

れてきてはいるものの その 割 合 はまだ 非 常 に 小 さい さらに 中 国 では 日 本 の 建 築 基 準 法 に 当 たる 木 構 造 設 計 規 範 で これまで 日 本 のスギやヒノキ 等 の 樹 種 が 木 造 建 築 物 の 構 造 材 として 指 定 されていなかったため 住 宅 部 材 を 輸 出 する 上 で 大 きな 障 壁 となっていた 2013 年 にはスギやヒノキなどの 樹 種 も 木 構 造 設 計 規 範 に 指 定 さ れることがようやく 決 定 したところであるが 木 造 住 宅 の 今 後 の 需 要 や 日 本 の 柱 や 梁 などの 構 造 材 を 使 用 した 木 造 住 宅 の 建 築 需 要 があるのかどうか あるいはどのよう にして 需 要 を 創 出 していくかは まだこれからといったところである (2) 韓 国 の 木 造 住 宅 市 場 の 可 能 性 韓 国 でも 住 宅 はアパートなどの 集 合 住 宅 が 圧 倒 的 に 多 い しかし 韓 国 の 戸 建 ての 木 造 住 宅 は 増 加 基 調 にあり このような 傾 向 は 経 済 成 長 に 伴 い 韓 国 国 民 の 木 造 住 宅 に 対 するあこがれや 志 向 の 高 さが 要 因 の 一 つと 考 えられている 東 アジア 諸 国 を 中 心 とした 木 材 輸 出 については これまで 巨 大 市 場 の 中 国 が 注 目 を 集 めていた 確 かに 現 在 丸 太 の 輸 出 が 大 幅 に 伸 びていく 中 でその 中 心 は 中 国 である が 今 や 世 界 有 数 の 木 材 輸 入 国 となった 中 国 に 丸 太 をさらに 量 を 増 やし 安 定 的 に 供 給 していくことは 如 何 に 日 本 の 森 林 資 源 が 充 実 しようと 恐 らく 無 理 であろう 市 場 が 巨 大 すぎる これまで 何 度 も 触 れてきたとおり 丸 太 よりも 付 加 価 値 の 高 い 製 材 品 の 輸 出 量 を 拡 大 し 可 能 な 量 を 安 定 的 に 輸 出 していくことが 最 も 戦 略 的 かつ 現 実 的 である 日 本 の 資 源 量 生 産 量 レベルからして 安 定 的 に 継 続 して 輸 出 が 可 能 なのは 韓 国 台 湾 フィリピンなどの 経 済 規 模 の 国 々ではないかと 考 える しかもこれらの 国 々の 中 で 製 材 品 ( 住 宅 部 材 )の 輸 出 条 件 が 整 っている 国 は 韓 国 であり その 条 件 を 整 理 すると 以 下 のとおりである 製 材 品 の 輸 出 先 として 韓 国 が 有 力 である 理 由 経 済 成 長 が 安 定 し 比 較 的 堅 実 歴 史 的 に 韓 屋 という 柱 と 梁 を 組 み 合 わせた 日 本 の 在 来 軸 組 住 宅 と 極 めて 類 似 した 木 造 住 宅 があり 経 済 発 展 とともに 自 然 回 帰 志 向 の 高 まりを 背 景 に 木 造 住 宅 を 取 得 したいという 志 向 が 年 々 高 まっている 韓 屋 の 建 設 は 行 われているもののその 数 はわずかで しかも 建 築 手 法 は 従 来 からの 大 工 技 術 などの 手 によるものが 多 く 高 コストである 木 材 自 給 率 が 低 い(17%) 上 韓 国 の 森 林 は 環 境 林 としての 性 格 が 強 く 経 済 林 の 整 備 は 進 んでいない 日 本 からの 距 離 が 近 いなど 34

3 韓 国 の 木 造 住 宅 着 工 数 表 3-2-3は 韓 国 統 計 庁 による 2001 年 以 降 の 全 体 の 建 築 着 工 数 と 木 造 住 宅 の 着 工 実 績 である 2013 年 は 全 体 で 187,545 棟 と 前 年 比 98.4%となっている 構 造 別 の 内 訳 を 見 ると 鉄 筋 鉄 骨 造 が 164,907 戸 の 88%を 占 め 木 造 住 宅 は 10,339 戸 で 占 有 率 は6% となっており 2011 年 以 降 3 年 連 続 で1 万 棟 を 超 えている 2013 年 の 木 造 住 宅 の 着 工 数 は 2012 年 に 比 べ 0.3%のマイナスとわずかに 減 少 している しかしここ 最 近 の 傾 向 を 見 ると 2006 2007 年 頃 から 急 激 に 増 加 し 2013 年 の 着 工 数 は 2005 年 当 時 (1,993 棟 )と 比 べ 約 5 倍 と 飛 躍 的 に 伸 びている また 表 には 掲 げていないが 木 造 住 宅 の 着 工 数 を 地 域 別 にみると ソウル 市 周 辺 の 京 畿 道 が 2,499 戸 (24%)で 最 も 多 く 2 番 目 が 江 原 道 の 1,401 戸 (14%)となっている こうした 木 造 住 宅 の 増 加 は 経 済 発 展 とともに 高 まった 韓 国 国 民 の 健 康 自 然 志 向 に 加 え 韓 屋 などの 伝 統 文 化 に 対 する 強 いあこがれや 回 帰 心 が 背 景 にあると 思 われる 地 域 的 には 首 都 圏 に 位 置 する 京 畿 道 に 多 く 大 手 企 業 のサラリーマンなどの 比 較 的 高 所 得 者 層 が ソウルから1 時 間 程 度 の 首 都 圏 内 に 戸 建 ての 木 造 住 宅 を 取 得 す るケースが 多 いことなどが 増 加 の 理 由 として 挙 げられる( 写 真 3-2-2-1 及 び 3-2-2-2) < 表 3-2-3> 韓 国 の 木 造 住 宅 の 着 工 数 と 建 築 面 積 合 計 うち 木 造 年 着 工 数 ( 戸 ) 建 築 面 積 (1,000 m2) 着 工 数 ( 戸 ) 建 築 面 積 (1,000 m2) 2001 108,993 70,762 896 106 2002 162,897 105,139 1,349 191 2003 145,048 108,965 1,595 269 2004 119,171 92,280 1,942 329 2005 114,553 84,187 1,993 205 2006 147,040 84,870 4,203 365 2007 179,015 96,651 6,966 592 2008 181,603 75,194 8,191 665 2009 170,136 71,251 9,503 735 2010 188,470 82,484 9,585 781 2011 198,863 98,850 10,037 860 2012 190,589 99,629 10,369 861 2013 187,545 10,339 10,339 898 2013 年 構 造 別 : 鉄 筋 鉄 骨 造 164,907 戸 (88%) 木 造 10,339 戸 (6%) 組 積 造 11,728 戸 (6%) その 他 571 戸 (-) ( 韓 国 : 統 計 庁 資 料 ) 35

<写真 3-2-3-1> 都市圏近郊の木造住宅地 場所 京畿道楊州市 <写真 3-2-3-2> 韓屋 の木造住宅 場所 京畿道楊州市 36

4 木材の志向と日本産木材の認知度 韓国では 国産材では主要樹種のアカマツが特別な存在であるが 日本のヒノキも 人気がある かねてからヒノキは高級材としての評価が高く 香りも好まれ 住宅部 材のほかにも風呂などに使用されるヒノキ用品も人気がある ソウルや釜山などの大 都市で開催される住宅や木材の展示会でも 韓国のバイヤーが扱う日本産木材はヒノ キが多い これに対し日本で最も生産量の多いスギ材については 展示会などでの出 展は日本の企業がほとんで 韓国人の多くはスギについて名前は知っているものの ヒノキに比べれば認知度はまだ低い <写真 3-2-4-1>ヒノキ製品の展示 <写真 3-2-4-2>ヒノキ風呂の展示 2013 キョンヒャンハウジングフェア KINTEX 2013 キョンヒャンハウジングフェア KINTEX 5 アンケートに見る木造住宅への評価 表 3-2-5 は 宮崎県の企業が韓国の住宅 木材の展示会で実施した木造住宅と木材 に関するアンケート調査の結果である まず住宅を建てる場合の志向では木造が 76% と最も高く 住宅に使用したい樹種は韓国産のマツよりもヒノキの方が多い結果とな っている また スギ材も韓国産マツを上回る結果となっている 取得したい木造住 宅の価格帯は2億ウォン 約 2,000 万 以下が 66%となっているが 3億ウォン 約 3,000 万 以上も 30%を超える また 宮崎県からの出展企業はスギの集成材を住宅の 構造材として展示していたが アンケートに自由に記載する感想欄では 樹種として のスギ材の評価も高い結果が得られている ハウジングフェアに足を運ぶ人は 元々 住宅に関心のある人と推測されるので韓国人全体の評価とは言い難い面もあるが ア ンケート結果からは 住宅を建てる場合の木造住宅に対する興味や志向が伺える ま た日本産スギ材に対しても好評価が得られているほか 木造住宅の建築技術に対して も関心が寄せられていることが伺える 37

< 表 3-2-5> 住 宅 木 材 展 示 会 でのアンケート 調 査 ( 宮 崎 県 企 業 実 施 ) 調 査 数 450 人 ( 男 性 296 人 女 性 154 人 ) 朱 書 きは 回 答 割 合 Q. このブースに 訪 問 したきっかけは? 1 展 示 物 が 目 立 ったため( 東 屋 に 興 味 あり) 50% 2 木 造 住 宅 を 建 てたいため 38% 3 住 宅 団 地 事 業 の 計 画 があるため 6% 4プレカット/ 集 成 材 に 興 味 があるため 6% Q2. 一 戸 建 てを 計 画 する 際 に どんな 住 宅 を 希 望 されますか?またはどんな 住 宅 に 興 味 がありますか? 1 鉄 骨 7% 2 コンクリート 8% 3 木 造 住 宅 76% 4 石 造 6% 5 その 他 3% Q3. (2 番 の 質 問 に (3 木 造 )と 答 えた 方 に 限 り) 木 造 を 選 んだ 理 由 は 何 ですか? 1イメージ( 例 : 暖 かさ) 38% 2 安 全 / 安 心 26% 3 好 み 33% 4 値 段 1% 5 その 他 2% Q4. 木 造 住 宅 を 建 てるなら( 新 築 / 増 築 / 改 築 込 み) どんな 樹 種 を 選 びますか? 1 杉 24% 2 桧 50% 3 韓 国 の 松 15% 4 樹 種 は 問 わない 11% Q5. 今 後 木 造 住 宅 を 建 てる 計 画 はありますか? 1 ある 77% 2 ない 3% 3 わからない 20% Q6. (5 番 の 質 問 に (1ある)と 答 えた 方 に 限 り) 建 築 予 定 日 はいつですか? 1 6か 月 以 内 5% 2 1 年 以 内 15% 3 3 年 以 内 31% 4 未 定 49% Q7. 木 造 住 宅 を 建 てるなら 希 望 する 床 面 積 は? 1 10 坪 以 下 2% 2 20 坪 以 下 16% 3 30 坪 以 下 50% 4 40 坪 以 下 23% 5 41 坪 以 上 9% Q8. 木 造 住 宅 を 建 てる 場 合 予 算 はいくらですか? ( 土 地 代 は 別 途 :ウォン) 1 1 億 以 下 22% 2 2 億 以 下 44% 3 3 億 以 下 17% 4 3 億 以 上 7% 5 設 計 士 と 相 談 10% (2013 年 キョンヒャンハウジングフェア: 会 場 KINTEX) 38

< 表 3-2-5>のつづき アンケート 対 象 者 情 報 性 別 ( 男 性 66% / 女 性 34% ) 住 ま い ソウル 33%, 京 畿 道 51% ( 地 域 ) 釜 山 5%, その 他 11% 年 齢 ( 10 代 1% / 20 代 6% / 30 代 18% / 40 代 27% / 50 代 34% / 60 代 13% / 70 代 以 上 1%) < 表 3-2-5>のつづき 感 想 ( 自 由 意 見 欄 ) 自 然 美 が 素 晴 らしい 新 鮮 である 明 るくて 暖 かい 雰 囲 気 が 良 い 環 境 にやさしい 東 屋 が 印 象 深 い スギの 香 りが 良 い 肌 触 りも 良 い 心 が 安 らぐ 値 段 は 少 し 高 い 気 がするが 東 屋 を 建 ててみたい 初 めてスギという 木 を 知 ったが 良 い 情 報 を 得 ることができた 嬉 しい 六 角 形 の 東 屋 がかっこいい 新 しい 技 術 (プレカット)を 知 ることができ てよかった 木 造 住 宅 により 関 心 が 高 まった ブースの 入 り 口 から 木 の 香 りがする 木 造 構 造 にノウハウがある 感 じがある 39

第 4 章 輸 出 拡 大 の 方 策 第 1 節 韓 国 の 木 造 住 宅 1 木 造 住 宅 の 可 能 性 これまで 述 べてきたとおり 日 本 から 韓 国 への 木 材 輸 出 を 拡 大 していく 上 では 製 品 特 に 製 材 品 の 輸 出 を 拡 大 していくべきであり さらに 製 材 品 の 輸 出 を 拡 大 するた めには 韓 国 の 木 造 住 宅 への 部 材 供 給 を 可 能 にする 必 要 がある 住 宅 部 材 としての 製 材 品 の 輸 出 可 能 性 について 第 3 章 では 木 造 住 宅 着 工 数 などの 統 計 やアンケート 調 査 の 結 果 から 見 てきたが 本 章 では 製 材 品 の 主 な 需 要 先 である 木 造 住 宅 について 今 後 韓 国 で 建 設 される 可 能 性 はどうなのか そのためには 何 をすればよいか 具 体 的 な 事 例 とともに 見 ていく (1)アパート 社 会 の 韓 国 現 在 韓 国 の 戸 建 て 木 造 住 宅 の 主 流 はアメリカで 開 発 された2 4 住 宅 (ツーバイ フォー 住 宅 : 枠 組 構 法 と 呼 ばれ 壁 を 主 体 に 構 造 躯 体 を 支 える 建 築 手 法 )である 韓 国 の 伝 統 的 木 造 建 築 である 韓 屋 (ハノク) は 朝 鮮 戦 争 頃 までは 多 く 建 設 されていた ようだが 現 在 の 韓 国 は 高 層 のアパートが 林 立 している 韓 国 では 戦 後 経 済 復 興 し 成 長 していく 中 で 都 市 部 に 人 口 が 集 中 したこと 元 々 山 地 が 多 く 平 地 が 少 ないこ とや 地 震 もほとんどないこと 等 から 比 較 的 安 価 で 高 層 のアパートが 数 多 く 建 てられ たことがその 要 因 であると 考 えられる このように 韓 国 がアパート 社 会 へ 移 行 する 中 で 木 材 資 源 の 不 足 も 加 わり 韓 国 伝 統 の 木 造 住 宅 である 韓 屋 は 廃 れていった < 写 真 4-1-1-1> 漢 江 沿 いの 高 層 アパート 群 (ソウル 市 麻 浦 区 ) (2) 木 造 住 宅 の 復 活 40

このような中で 韓国では 2000 年に入ってから木造住宅がブームのきざしを見せ 2007 年から本格化している 着工数としては2 4住宅が圧倒的に多いものの 伝統 的家屋である韓屋も復活し 徐々に増え始めている 韓国で木造住宅の現場を見て行 く中で 韓国の人々が好む木造住宅の特徴の一つに 木が見える という要素が挙げ られる 日本で言えばムクの木材を多用した 現 あらわ し工法 と呼ばれるもので あるが 木造住宅を取得した施主は 住宅内部のむきだしになった柱や梁などの木材 を来訪者に見せたいという気持ちが強いようである 木造住宅に対しては より自然 素材でつくっているという雰囲気を好む傾向がある 近年 韓国の木造住宅着工数は ソウル市近郊などで富裕層を中心に増加しており その規模は年間約1万棟を超える規模となっている 木造住宅が増加している事情を 整理すると次のようなことが考えられる 第1は 経済成長に伴い国民一人当たりの 総所得が2万ドルを超え 中間所得層が形成され こうした所得層が戸建ての木造住 宅に関心を寄せる経済的余裕が生まれた 2番目は 韓国は日本以上にソウルを中心 とする首都圏の人口集中度が高い 政府がソウル中心部の過密を緩和する分散政策を とっていることが 大都市近郊での戸建て木造住宅の取得を後押ししている 3番目 は これは木造住宅だけに限らずアパートにも言えることだが 韓国の国民の住宅取 得には投機目的が多く 値が上がるのを見て転売し 利益を得ようとするため 住宅 取得意欲が高いことなどが挙げられる 今後 韓国経済の極端な落ち込み等が無けれ ばこうした傾向は続くものと思われる 最近韓国では アパートなどの集合住宅から戸建ての木造住宅へシフトする動きが ある中 韓国の住宅市場へ日本の住宅メーカーが進出する動きも出てきている 日本 の大手木造住宅メーカーが現地法人を立ち上げ 首都圏近郊で韓国で人気のヒノキな どを使用した在来軸組構法によるモデル住宅を建設し 販売を開始している 写真 4-1-1-2> 日本の住宅メーカーによるヒノキ住宅 場所 京畿道 41

2 韓 屋 住 宅 の 問 題 点 と 建 築 技 術 (1) 現 在 の 韓 屋 住 宅 現 在 韓 国 で 建 てられている 韓 屋 住 宅 ( 写 真 4-1-3-1~2)を 見 ると 使 用 されてい る 木 材 は 韓 国 産 のアカマツか 輸 入 材 の 米 マツなどが 多 い 木 材 は 無 処 理 いわゆるム ク 材 がほとんどであるが 割 れが 多 く 発 生 している 状 況 からほとんど 未 乾 燥 材 が 使 用 されていると 見 て 間 違 いない しかも 日 本 の 在 来 軸 組 住 宅 に 使 用 される 木 材 よりも 断 面 が 大 きいため 割 れはかなり 大 きく そして 目 立 つ( 写 真 4-1-3-3) 木 材 は 自 然 由 来 の 素 材 であるため 外 気 の 湿 度 に 応 じて 材 内 部 の 水 分 を 吸 放 出 す る 機 能 があり 山 で 伐 られた 直 後 の 木 材 の 含 水 率 ( 木 材 重 量 に 対 する 水 分 量 )は 100% を 超 えているが 徐 々に 乾 燥 し 最 終 的 には 日 本 の 自 然 条 件 下 であれば 12~15% 程 度 の 含 水 率 で 落 ち 着 く( 大 気 中 で 平 衡 する) 割 れは 含 水 率 が 下 がっていく 過 程 で 発 生 す るが 表 面 割 れであれば 強 度 上 は 何 ら 問 題 ない しかし 材 内 部 深 くまで 及 んでいる 場 合 は 問 題 がある このため 近 年 日 本 では 構 造 材 特 に 柱 材 などは 割 れが 発 生 しないよ うに 事 前 に 人 工 乾 燥 処 理 を 行 い 含 水 率 を 20% 程 度 にまで 下 げて 出 荷 するケースが 年 々 増 加 している また 日 本 では 小 さい 木 片 を 貼 り 合 わせた 集 成 材 が 柱 材 などに 多 用 されているが 集 成 材 は 木 片 の 時 点 で 乾 燥 され その 後 貼 り 合 わされるため 割 れ もほとんど 出 ない また ムク 材 のように 木 材 特 有 のばらつきもなく 強 度 や 含 水 率 などの 性 能 がより 安 定 している 韓 屋 住 宅 で 使 用 されている 木 材 はほとんど 未 乾 燥 材 であるが 第 2 章 で 紹 介 したと おり 韓 国 国 宝 の 南 大 門 で 発 生 した 問 題 でも 技 術 的 には 未 乾 燥 の 木 材 が 主 たる 原 因 である やや 穿 った 見 方 になるが 一 般 の 住 居 用 の 木 造 建 築 物 においても 性 能 品 質 上 かなり 問 題 があるのではないかと 思 われる また 韓 国 の 国 民 の 大 部 分 はアパ ート 暮 らしであり アパートでは 遮 音 性 や 断 熱 性 にも 配 慮 がなされているのに 対 し 現 状 の 韓 屋 は 断 熱 性 にも 弱 く 気 密 性 にも 乏 しいことが 指 摘 されている (2) 韓 屋 の 施 工 技 術 とコスト 韓 国 の 木 造 住 宅 の 施 工 は 現 在 でも 大 工 職 による 手 作 業 が 主 流 となっている 実 際 日 本 の 在 来 軸 組 住 宅 の 施 工 現 場 に 足 を 運 び 日 本 の 技 術 者 から 話 を 聞 いて 見 ると 住 宅 の 基 礎 工 事 や 大 工 等 の 技 術 レベルは 日 本 のレベルには 程 遠 い 状 況 であるとの 話 で あった さらに 韓 屋 住 宅 は プレカットによる 建 屋 技 術 も 採 用 されていないため 施 工 期 間 が 長 くかかり 大 工 等 の 人 件 費 がかなり 嵩 み 高 コストとなっている 建 設 費 は 建 物 だけで 坪 600~800 万 ウォン( 約 60~80 万 円 ) 程 度 であるが その 価 格 帯 を 超 える 物 件 も 多 い 以 上 のことから 今 後 韓 屋 住 宅 が 韓 国 市 場 で 受 け 入 れられるためには 部 材 であ る 木 材 の 品 質 改 善 住 宅 の 断 熱 性 や 気 密 性 などの 機 能 改 善 それらを 可 能 にする 技 術 の 向 上 と 施 工 コストなどを 大 幅 にダウンしていく 必 要 がある 42

写真 4-1-3-1 建築中の韓屋 写真 4-1-3-2 韓屋屋根部 (場所 同左) 場所 ソウル市ウンピョン韓屋村 写真 4-1-3-3 韓屋内部 梁のひび割れ (場所 上に同じ) 43

第 2 節 北 米 の 対 韓 輸 出 の 取 組 と 戦 略 1 2 4(ツーバイフォー) 住 宅 の 変 遷 現 在 韓 国 で 建 設 される 木 造 住 宅 の 多 くはアメリカ 発 の2 4 住 宅 である そして 部 材 の 多 くはカナダ 産 のSPF 材 ( 主 にカナダのブリティッシュコロンビア 州 から 輸 入 されるスプルース パイン ファー)と 2 4 住 宅 とは? 呼 ばれる 木 材 が 使 用 されている 現 在 韓 2 4 住 宅 は 北 米 で 開 発 され 木 造 枠 組 国 の 木 造 住 宅 で 使 用 される 住 宅 部 材 ( 製 材 壁 構 法 と 呼 ばれ 柱 や 梁 の 軸 の 組 み 合 品 )の 多 くは この2 4 住 宅 を 韓 国 へ 輸 わせで 建 物 を 支 える 日 本 の 在 来 軸 組 構 出 した 北 米 材 が 市 場 を 席 巻 している さら 法 に 対 し フレーム 状 に 組 まれた 木 材 に に 米 マツなどの 木 材 は2 4 住 宅 以 外 にも 合 板 を 打 ち 付 けた 壁 や 床 などの 面 材 で 韓 国 の 伝 統 的 木 造 住 宅 の 韓 屋 でもよく 支 える 構 法 部 材 には2インチ 4イン 使 用 されている チの 断 面 の 木 材 を 主 に 使 用 することか なぜ 韓 国 ではこのように 木 造 住 宅 市 場 に らそう 呼 ばれるようになった 在 来 軸 組 2 4 住 宅 が 多 く 建 てられ 2 4のみな 構 法 と 違 い 継 手 など 複 雑 な 加 工 が 不 要 らず 韓 屋 でも 使 用 される 木 材 が 北 米 材 とな で 規 格 化 された 材 料 を 多 く 使 用 するた っているのか このあたりの 事 情 変 遷 に め 手 間 やコストが 低 く 抑 えられる 部 ついてソウル 大 学 の 李 銓 濟 (イジョンジェ) 材 のサイズには2インチ 6インチな 教 授 に 話 を 伺 った どもある 李 教 授 の 話 は 次 のとおりである 北 米 材 の 韓 国 への 輸 出 に 取 り 組 んだのはアメリカよりもカナダが 早 かった しかし その 時 カナダは2 4のシステムは 持 ち 込 まず 単 体 の 製 品 のみを 韓 国 へ 持 ちこんだ しかしこの 取 り 組 みはうまくいかずカナダは 撤 退 していった その 後 アメリカが2 4 住 宅 そのものを 韓 国 へ 持 ち 込 んできた 2 4は システム 化 されていることと 部 材 も 一 式 コンポーネントで 輸 入 することが 可 能 なこともあり 韓 国 市 場 へ 広 まって いった また 2 4 住 宅 を 最 初 に 韓 国 へ 導 入 した ソウル 大 学 李 銓 濟 教 授 国 はアメリカであるが 現 在 ではその 部 材 の 多 くがカナダ 産 となっていることについ て 同 じくイ 教 授 は 2 4 導 入 当 初 もち ろん 部 材 は 米 マツ 中 心 であった しかし 製 材 品 を 輸 入 する 韓 国 サイドがアメリカよ りもカナダ 産 の 方 が 値 段 が 安 かったことに 気 付 き カナダから 輸 入 する 割 合 が 増 えて いった こうした 背 景 には アメリカで 伐 採 規 制 が 強 化 されたことにより アメリカ のバイヤーがカナダから 木 材 を 仕 入 れ それを 韓 国 へ 輸 出 していた 経 緯 もあり 割 高 となっていたようだ そのことに 気 付 いた 韓 国 の 関 係 者 がカナダから 直 接 輸 入 するよ うになった とのことであった 44