第 1 章 箱根町が目指す都市づくり 4 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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[ 概要版 ] 倉吉都市計画 マスタープラン素案 鳥取県倉吉市

中井町緑の基本計画(概要版)

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

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Taro-全員協議会【高エネ研南】

市街化調整区域の土地利用方針の施策体系 神奈川県 平塚市 神奈川県総合計画 神奈川県国土利用計画 平塚市総合計画 かながわ都市マスタープラン 同地域別計画 平塚市都市マスタープラン ( 都市計画に関する基本方針 ) 平塚都市計画都市計画区域の 整備 開発及び保全の方針 神奈川県土地利用方針 神奈川県

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

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寒川町自治基本条例

計画書

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八街市教育振興基本計画(平成26年~平成35年)

( 新 ) 藤沢都市計画住宅市街地の開発整備の方針 平成年月 神奈川県 藤沢 住宅 -1

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

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二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

宮城の将来ビジョン 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 富県宮城の実現 ~ 県内総生産 10 兆円への挑戦 ~ 認知度集計表 ( 回答者属性別 ) 内容について知っている 言葉は聞いたことがある 効知らない ( はじめて聞く言葉である ) 県全体 度数 ,172

第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です

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北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

(2) 富士北麓都市計画都市計画区域の整備 開発及び保全の方針 ( 平成 23 年 3 月 ) 山梨県では 既に人口減少 超高齢社会が到来しており 都市経営コストの最適化 自動車を自由に使えない高齢者等の移動手段の確保 公共公益施設や大規模集客施設の適正立地 地球環境問題への対応など様々な課題が都市

姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

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施策の体系 本目標3 地域力と行政の連携がつくる人と地球に優しいまち179

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数値目標 平成 29 年 オープンカフェ新規参加店舗数 58 店 6 店 6 店 オリオン市民広場集客数 1,500 人 3,000 人 3,000 人 センターコア歩行者 自転車通行量 ( 平日 ) 1,700 人 1,700 人 1,700 人 5 地域再生を図るために行う事業 5-1 全体の概

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

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第2節 茨木市の現況

重点番号 1: 保育所等の児童福祉施設に係る 従うべき基準 等の見直し ( 神奈川県 ) 児童発達支援センターにおける食事提供方法について ( 施設内調理以外による提供方法への緩和 ) 1 提案の概要児童福祉施設のうち 保育所における児童への食事の提供については 一定の条件が整えば 満 3 歳以上の

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「(仮称)姫路市地域IT基本計画」の概要について

2. 住民アンケート調査 以下の既往のアンケート調査から 都市計画及びまちづくりに関する住民ニーズや方向性等を以下の とおり把握 解析する (1) 第 2 次長久手町土地利用計画策定にあたってのアンケート調査 1 調査の概要 調査対象は 町内在住住民及び市街化調整区域の土地所有者とし それぞれ 2,

筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

はじめに

1 計画策定の背景と趣旨 昭和 56(1981) 年の 完全参加 をテーマとする 国際障害者年 を契機に, 障害者福祉は大きく変化しました 国では, 平成 5(1993) 年 3 月に 障害者対策に関する新長期計画 が策定され, 同年 12 月には 障害者基本法 * が施行されました 以後も, 平成

市町合併という基本的枠組みの変更に対応した 市全域を対象とした計画の見直し 少子高齢化をはじめとする本市を取り巻く社会経済情勢の変化に対応した計画づくり 総合計画や都市計画区域マスタープランなど 上位関連計画との整合 調整の必要性 都市計画マスタープランは 都市計画法第 18 条の 2 に基づいて策


資料1 第1回会議のポイントについて

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

相模原市住宅基本計画 概要版

目次 1. 策定の目的と位置づけ (1) 策定の目的 1 (2) 市街化調整区域における地区計画運用基準の位置づけ 1 2. 市街化調整区域における土地利用方針の基本的な考え方 (1) 市街化調整区域における土地利用方針 2 (2) 市街化調整区域における地区計画の運用にあたっての基本的な考え方 3

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持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について(概要)


包括規定 案

目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

平成18年度標準調査票

平成 24 年 3 月改訂 茅ヶ崎海岸グランドプラン 西浜駐車場跡地北側に位置する茅ヶ崎警察署職員公舎が取り壊され 平成 23 年 3 月には グランドプランで駐車場機能の確保として位置づけのあった県営茅ヶ崎西浜駐車場が閉鎖された これを受け 海岸利用者のための駐車場を維持し かつ国道 134 号南

1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この

第6次延岡市長期総合計画校了.indd

第2節 茨木市の現況

4 施策別計画 4 施策別計画 施策別計画の見方 施策の方向性を示しています 関連する施策と連携の内容を示して 取組の目標を示しています います なお 市民協働や人権 行政 施策の必要性を示しています の効率化などを内容とする まちづ 取組の現状と課題を示しています くりを進めるための基盤 である施

1 広島市障害者計画の策定について

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計画の今後の方向性

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はじめに 深沢地域整備事業 ( 以下 本事業 という ) は 平成 22 年 9 月に策定した土地利用計画 ( 案 ) をもとにまちづくりを進めてきましたが 計画策定から既に5 年以上経過し社会情勢が大きく変化していることや より広く市民意見を反映して欲しいといった意見を踏まえ 土地利用計画 ( 案

本町は 過疎地域における人口減少や少子高齢化 核家族化の進展という構造的な課題を抱え 若年層の人口流出や世代間交流の機会が少ない現代社会現象が問題となっている また 本町は 県を代表する観光地であるが 観光入込客数は 瀬戸大橋が開通した昭和 63 年をピークに減少しており 平成 27 年には約 23

(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

スライド 1

3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

市税に係る減免措置調査票 所属名 此花区役所 1 減免対象 市税の税目 ( 該当に 印 ) 減免内容 ( 該当条例等 ) 個人市民税 法人市民税 固定資産税 軽自動車税 事業所税 児童遊園の用に供する固定資産 条例第 4 条の 3 第 4 号規則 (1) 政策目的地域コミュニティの中核的組織として

参考資料 鳥取市都市計画マスタープラン 環境 文化 交流 拠点都市 とっとり ~ 個性ある新 生活交流都市 (( ハーモニーシティ )) をめざして ~ 概要版 平成 18 年 5 月 鳥取市

地域子育て支援拠点事業について

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

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平成 26 年度 ~ 平成 33 年度 みんなでつくる! 笑顔あふれるまち 北海道中札内村

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2-1-5 屋外広告物の制限

( 様式 -2a 調査概要 ) Ⅰ 調査概要 1 調査名称 : 平成 26 年度神埼市総合都市交通体系調査 2 報告書目次 1. 業務概要 (1) 都市計画道路見直しの必要性 (2) 都市計画道路見直しのスキーム (3) 検討結果の分類 2. 路線の抽出 (1) 都市計画道路の整理 抽出 (2) 検

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

目的 川越市は 埼玉県の南西部に位置し 新河岸川の舟運や川越街道を通じた江戸との交流により発展してきました 蔵造りの町並みや時の鐘などの歴史的な観光資源に恵まれ 都心からのアクセスも良いことから 毎年多くの観光客が本市を訪れています このような中 本市では 平成 20(2008) 年に 川越市観光振

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第 1 章 箱根町が目指す都市づくり 4 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン

箱根関所 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 5

第 1 章のポイント 本章では 都市計画マスタープランとは何か その策定の意義やスタンス 体制などを示すとともに 地域の課題を踏まえた上で 将来の都市づくりの目標を掲げています 第 1 章インデックス 箱根旧街道石畳 1 都市計画マスタープランとは P7 3 町民と協働したプランづくり 5 箱根町が目指す都市づくりの目標 P18 箱根町 第 3 次都市計画マスタープラン P10 4 箱根町が抱える都市づくりの課題 P14 6 2 都市計画マスタープラン策定の スタンス P16

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい1 都市計画マスタープランとは 1 まちづくり と都市計画マスタープラン まちづくり というコトバは さまざまな場面で使われています この まちづくり を別のコトバで言い換えると 人が生きていく上で必要な環境 ( 条件 ) を整え より良く改善していくこと であるといえます そこで まちづくり を適切 効果的に進めるため そのまちの将来像を定め 実現していくための取組や期間を計画という形で 見える化 し 町民と行政が協働してまちづくりを進めるための みちしるべ として示していく必要があります まちづくり 全般にわたる計画は まちの最上位計画にあたる総合計画です 都市計画マスタープランは まちづくり のうち住みやすい環境や施設の整備 ( 自然環境の保全 土地利用の誘導 道路 公園の整備など ) 等の 都市づくり についてそのあり方や取組の詳細を みちしるべ として示すものです 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 都市計画マスタープランの位置付けと役割都市づくりの課題と目標 第 2 章町全体に共通する都市づくり ( 全体構想 ) 自然環境保全 土地利用 交通施設 都市基盤施設 景観 防災の整備方針など 第 3 章地域ごとの都市づくり ( 地域別構想 ) 各地域の将来像や主要な施策 第 4 章町民を主体とした都市づくりの実現へ向けて町民主体の都市づくり 第 5 章箱根町はどんなまち まちのあゆみ 特性 第 6 章都市づくりの町民のおもい 地域別まちづくりワークショップなど 町民が願うまちの姿の実現に向けて施策を推進 都市計画分野に関する施策をさらに具体化 箱根町第 6 次総合計画 計画の位置付け 計画策定の前提条件 箱根町の将来像 将来像の達成に向けた主たる課題 基本目標 将来像を実現するために施策を推進 4 つの重点施策 6 つの基本目標と 34 の施策 保健 医療 福祉等分野 教育 文化分野 生活環境基盤分野 自然環境 安全安心分野 観光産業振興分野 コミュニティ 行財政分野 すすき草原 基本構想1 章箱根町が目指す都市づくり基本計画第 7 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

都市づくりの実践景観計画個別計画 2 都市計画マスタープランの相関 都市計画マスタープランとは 市町村の都市計画に関する基本的な方針 のことを指し 箱根町総合計画 が示すまちづくりの方針に沿って 都市づくりの目標と基本的な方向を表すものです 策定にあたっては かながわ都市マスタープラン や県が都市計画区域 * 1 ごとに定める広域的な方針 都市計画区域の整備 開発及び保全の方針 (= 都市計画区域マスタープラン ) に即して策定するものです 箱根町都市計画マスタープランの相関 かながわ かながわ都市マスタープラン 県の部門別計画 グランドデザイン町)関連計画都市づくりのルール等 都市計画区域の整備 開発及び保全の方針 箱根町総合計画参加 即す 即す 箱根町都市計画マスタープラン参加 ( 箱根町の都市計画に関する基本的な方針 ) 都市計画の決定 変更 即す 連帯 個別の課題や地域に ついての検討 箱根町自治基本条例 箱根町景観条例 民 事業者(参加 協働協働 湯立獅子舞 ( 宮城野 ) *1 都市計画区域 都市計画法に基づいて定められる 都市計画 ( 区域区分 都市施設 市街地開発事業など ) を定める範囲のこと 人口 土地利用 その他 8 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン自然的 社会的条件から 一体の都市として総合的に整備 開発および保全する必要のある区域

第 章 1 箱根町が目指す 都市づくり 3 都市計画マスタープランの役割 箱根町には多くの人が暮らし 働き そして訪れており 日常生活を行う 暮らしの場 さまざまな仕 第 事を行う 働く場 観光など観たり体験する 楽しむ場 等さまざまな顔があります しかし それぞれが自由に土地を利用したり 建物や工作物を建てたりすると 自然が壊されてしまっ 章 2 町全体に共通する 都市づくり 全体構想 たり 公共施設の整備を阻害したり 働く場所や買い物の場所と住む場所が分離されてしまったりして 住みにくいまちとなってしまうことがあります そこで 土地の使い方や建物の建て方のルールを定めることで 暮らしの場 働く場 楽しむ場 の調和を図りながら 計画的に道路や下水道などの都市施設を整備していく 都市づくり が必要となり 第 ます この 都市づくり を進める基本となる計画が 都市計画マスタープラン です 地域ごとの都市づくり 章 地域別構想 3 第 暮らしの場としての 箱根町 章 4 町民を主体とした 都市づくりの実現へ向けて 5 章 箱根町はどんなまち 働く場としての 箱根町 第 調整 調和を 図る 楽しむ場としての 箱根町 第 章 都市づくりの町民のおもい 6 資 料 宮ノ下の紅葉 箱根町 第 3 次都市計画マスタープラン 9

2 都市計画マスタープラン策定のスタンス 畑宿一里塚 1 都市計画マスタープラン策定の背景 箱根町では 平成 19(2007) 年に第 2 次となる 箱根都市計画マスタープラン を策定し都市づくりを総合的に進め 現在まで一定の成果をあげてきましたが 平成 28(2016) 年度をもって計画期間が終了するため 次期計画を策定するものです 次期都市計画マスタープラン策定の留意点 1 社会環境の変化への対応 2 上位計画との連携 現在 わが国においては人口減少社会の到来 平成 29(2017) 年度からスタートする 箱根 と少子高齢化の更なる進行 火山噴火や大地 町第 6 次総合計画 平成 37(2025) 年を展望し 震 大雨や土砂災害など自然災害への防災対策 た県の かながわグランドデザイン や かな や危機管理意識の高まり 地球温暖化などの環 がわ都市マスタープラン などの上位計画との 境問題 景気の低迷や地方分権の進展 地域コ 連携を図り それぞれの将来像やまちづくりの ミュニティの衰退化等 まちづくりをめぐる社 基本的方向等と整合性のとれた内容にしてい 会のあり方は大きく変わりつつあり 本町にも く必要があります 大きな影響を与えています 今回 策定する都市計画マスタープランで は このように現行の都市計画マスタープラン が策定されたのちの社会動向や法律などの制 度の変化について対応を図る必要があります 2 新しい都市計画マスタープランの計画期間 新しい都市計画マスタープランは10 年後を見据えた計画とし 平成 29(2017) 年度から平成 38(2026) 年度を計画期間とします 計画期間の終了 社会環境の変化 上位計画の見直し 現在の都市計画マスタープラン ( 平成 19 年度 平成 28 年度 ) 見直し 新しい都市計画マスタープラン ( 平成 29 年度 平成 38 年度 ) 10 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい3 都市計画マスタープランの変遷 本町では 平成 8(1996) 年の計画策定以来 次のとおり中長期的視野による都市づくりを進めています 第 1 次都市計画マスタープラン将来都市像快適環境都市 はこね計画期間平成 8 年度から平成 18 年度まで将来人口 18,500 人 ( 計画人口 ) 良好な生活環境の整備都市づくりの基本理念 自然環境の一層の保護 保全 ( 目標 方向性 ) リゾート環境の充実湯本地域伝統工芸と湯のまち 箱根のゲートゾーン温泉 ( 宮ノ下 ) 地域歴史の香りただよう自然散策ゾーン地域整備の宮城野地域住環境と観光 文化の融合するゾーン目標仙石原地域自然と遊べる高原リゾートゾーン箱根地域湖畔の歴史と伝統文化ゾーン第 2 次都市計画マスタープラン将来都市像人 心 自然 やさしさと出会いを創造する町 - 箱根計画期間平成 19 年度から平成 28 年度まで将来人口 12,000 人 ( 推計人口 ) 快適で活気のある生活環境づくり 共生するまちづくり 魅力ある観光のまちづくり都市づくりの基本理念 美しい街なみづくり ( 目標 方向性 ) 安全で安心なまちづくり 広域的連携の強化 町民参加のまちづくり湯本地域清流と湯のまち箱根の玄関口 温泉 ( 宮ノ下 ) 地域歴史がかおる癒しの温泉ゾーン地域の宮城野地域四季の花が感じられる里山と温泉保養地ゾーン将来像仙石原地域自然と遊べる高原スパリゾート箱根地域湖畔の歴史と伝統文化ゾーン 11 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

4 新しい都市計画マスタープランの策定スタンス 新しい都市計画マスタープランでは 実現性の高さ 町民との協働 地道な対応 を目指した計画の策定を行っています 実現性協働地道な対応 1 実現性の高い計画づくり 2 町民と協働する都市づくり 3 一つひとつの課題への 地道な対応 現行計画の実施状況を考察し 現在における都市づくりの課題を抽出した上で 施策の選択を充分精査し この先 10 年間において実現性の高い計画づくりを目指します 町民などの意見を十分反映させた計画づくりに取り組むとともに 計画策定後の施策の実施や計画の進行管理等 町民との協働による都市づくりを目指します これまでに残された課題と新しく生まれた課題に対して 町民との役割分担のもと 一つひとつ地道に対応したものにします 地域コミュニティとは 一定の地域を基盤とした住民組織であり 人と人とのつながりです そこに暮らす地域住民が構成員となって 地域に関わ地域るさまざまな活動を個人 団体 事業所 行政と協働しながら自主的 主体コミュニティの的に展開している団体 組織 ( 集団 ) を指します 再構築人口減少や少子高齢化の進行によるコミュニティの構成員の変化や 近隣関係の希薄化などにより既存のコミュニティの存続が困難になってきています 今後のまちづくりを考えた場合 防災面における 共助 や高齢者の生活や介護に 子どもの見守りなど防犯 交通安全等 地域の果たす役割は今後も増大し コミュニティへの期待は大きくなるばかりであり 町民の地域活動への参加の増進や自治会等のあり方を時代に適したものとする等 地域コミュニティの再構築が求められています 箱根大名行列 12 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい5 計画の構成 計画の構成にあたっては 箱根町の 都市づくりの目標 やその 整備の方針 具体的施策 などを前段に配置しマスタープランの核となる事項を示しています マスタープラン策定の前提条件となる まちの現状 や 特性 などについては 敢えて後段に配置しました また マスタープランの内容を分かりやすくするため 各章のはじめで記載事項などを示すとともに 章の終わりに記載事項のポイントをまとめました 芦ノ湖畔 ( 湖尻 ) 都市計画マスタープランの構成 箱根町都市計画マスタープランの核となる部分 整備の方針 都市づくりの目標 実現化方策 具体的施策 箱根町都市計画マスタープランの前提条件 まちの現状 まちの特性 第 1 章箱根町が目指す都市づくり 第 2 章町全体に共通する都市づくり ( 全体構想 ) 第 3 章地域ごとの都市づくり ( 地域別構想 ) 第 4 章町民を主体とした都市づくりの実現へ向けて 第 5 章箱根町はどんなまち 第 6 章都市づくりの町民のおもい 湯本地域 温泉地域 宮城野地域 仙石原地域 箱根地域 13 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

3 町民と協働したプランづくり 湯立獅子舞 ( 仙石原 ) プランの策定体制 ( フロー ) 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン の策定は 町の特性や課題とその解決策などについて広く町民から意見を求め 町民と協働して取り組むため 以下のフロー図の体制としました 1 策定検討委員会 2 地域別まちづくりワークショップ 14 名の委員と1 名のオブザーバーをもって組織し 町の目指すべき将来像 目標 将来都市構造の検討および町全体に関する土地利用の基本方針および都市施設の整備方針などの検討を行いました 湯本地域 温泉地域 宮城野地域 仙石原地域 箱根地域の各地域 10 名以内で組織し 地域の特性や課題の抽出 目指すべき将来像や実施施策についての検討を行い 地域別構想案の策定を行いました 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン策定体制フロー図 都市計画審議会パブリック コメント * 1 協働のまちづくり 報告 意見 情報提供 参加 議決 町議会町長町民 報告 議案提出 提言 意見 情報提供 参加 庁内ヒアリングなど 調整 調整 策定検討委員会 参加 地域別まちづくりワークショップ 全体構想を検討 地域別構想を検討 神奈川県 *1 パブリック コメント 行政機関が 政策や各種計画を決定する際に あらかじめその案を公表し 広く一般からの意見などを募り その意見を考 14 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン慮することにより 行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り 住民の権利利益の保護に役立てることを目的とする手続き ( 意見公募手続 )

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい策定検討委員会 地域別まちづくりワークショップの開催状況 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン策定検討委員会および地域別まちづくりワークショップは 平 成 27(2015) 年 11 月から平成 28(2016) 年 9 月までの間 次のとおり開催されました 会議 年月日 主な内容 地域別まちづくりワークショップメンバー委嘱式第 1 回地域別まちづくりワークショップ 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン策定につい 湯本地域ての概要説明など H27.11.26 温泉地域 リーダーおよびサブリーダーの選出 宮城野地域 各地域の 特性 と 課題 の把握 仙石原地域 箱根地域 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン策定につい ての概要説明など策定検討委員会委員委嘱式 H28.01.26 正副委員長の選出第 1 回策定検討委員会 箱根町の人口動態などについて説明 第 1 回地域別まちづくりワークショップの結果報告 第 2 回地域別まちづくりワークショップ 湯本地域 H28.02.08 現行マスタープランの達成状況についての説明 地域の特色や課題に対する今後の方向性などについ温泉地域 H28.03.01 ての検討 H28.02.17 宮城野地域 地域の目指す方向 H28.03.11 やるべきこと ( 町民 地域コミュニティ 町の 仙石原地域 H28.02.02 役割 ) 箱根地域 H28.02.10 地域の将来像 ( キャッチフレーズ ) H28.03.23 第 3 回地域別まちづくりワークショップ 湯本地域 H28.06.22 温泉地域 H28.07.04 宮城野地域 H28.07.20 仙石原地域 H28.06.29 箱根地域 H28.07.06 第 2 回策定検討委員会 H28.08.24 第 3 回策定検討委員会 H28.09.20 町長への提言 H28.10.06 各地域別構想案についての検討 地域別構想の策定状況の確認と素案の検討 まちづくりの目標についての検討 全体構想案についての検討 全体構想案についての検討 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン全体についての検討と内容についての了解 策定検討委員会としての提言のまとめ 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン策定検討委員会および地域別まちづくりワークショップの審議内容について 町長へ提言 15 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

4 箱根町が抱える都市づくりの課題 宮ノ下の街なみ 都市づくりの課題をまとめました 箱根町の特性からみる都市づくりの留意点 (P104 参照 ) 町民アンケート(P111 参照 ) や地域別まちづくりワークショップにおける町の課題 (P116 参照 ) などを踏まえ 都市づくりの課題をまとめると次の 8 つが考えられます 1 防災力の強化 平成 27(2015) 年に発生した大涌谷の火山活動は 町民の生活や観光面において大きな影響をおよぼし その対応を図ってきましたが 今後も継続した対策が求められています また 本町は 南海トラフ地震防災対策推進地域 首都直下地震緊急対策区域 に指定されているため大規模地震へ備え 町民が安全 安心して住まえ 観光客が滞在できる環境を整える必要があります そのほか 豪雨による土砂災害や河川の増水など自然災害に対応した護岸環境整備や河川改修の促進等が求められています 2 住居環境の維持向上と地域コミュニティの再構築 人口減少が進んでいる本町においては 子育てしやすい環境の整備などによる少子化対策と定住機能の強化により人口減少に歯止めをかけるとともに 希薄化している地域コミュニティの再構築が求められています また 恵まれた自然環境と調和した生活空間を確保し 町民が安心して快適に暮らせる住居環境の整備が必要です 3 超高齢社会への対応 本町は高齢化率が35.8% となり 超高齢社会に突入しています 健康寿命の延伸や身近なところでの医療体制の整備 地域による高齢者への配慮 公共施設や歩道などのユニバーサルデザイン * 1 化によって 高齢者にやさしい都市づくりが求められています 4 観光地としての魅力の向上 一つひとつの観光資源を再度掘り起し磨き上げるなど 更なる有効活用を図るとともに 特に 増加する訪日外国人観光客が安心して一人歩きできるような案内看板や標識を設置するとともに ユニバーサルデザインに配慮した観光施設の整備等 国際観光地としての魅力向上に努める必要があります 5 自然環境の保全 芦ノ湖を取り巻くように険しい山々が連なる起伏に富んだ自然環境と生息する多くの動植物は 本町の重要な観光資源であり これらの保全は町の第一の使命であるといえます これまで自然公園法 * 2 や都市計画法などにより この良好な自然環境は守られていますが 今後も法規制等に基づく保全を最優先とし 秩序ある土地利用を行い 自然と共生を図る必要があります *1 ユニバーサルデザイン 文化 言語 国籍の違い 老若男女の差違 障がいの有無 能力の如何に関わらず すべての人が快適に利用できるように製品や建造物 生活空間などを設計 ( デザイン ) すること 16 箱根町 *2 自然公園法第 3 次都市計画マスタープラン 1957 年に定められた 日本の優れた自然の風景地を保護するとともに その利用の増進を図ることにより 国民の保健 休養および教化に資するとともに 生物の多様性の確保に寄与することを目的とする法律 国立公園 国定公園 都道府県立自然公園の3 種類の自然公園を定めている

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい6 7 8 1 2 3 4 景観の保全と形成 仙石原湿原やすすき草原 芦ノ湖や早川 須雲川水系 箱根の山なみなどの優れた自然景観の適切な保全対策に努めるとともに 更なる観光地としての魅力を維持向上させるため 街なみや歴史資源と調和した景観の形成を図っていく必要があります また 公共施設の整備などにおいては景観との調和に十分配慮するとともに 景観行政団体 * 3 として より積極的に町民の自主的な景観まちづくりの支援に努めていく必要があります 町民参加の都市づくり 町民参加による開かれた町政を推進するため 町民への情報提供と説明責任を果たしていくとともに 町民同士がお互いに支えあい 助けあう地域活動の活性化が必要です また 現在 町民活動団体やNPO* 4 ボランティア団体などがさまざまな分野で活動を展開していますが このような活動を通じて蓄積された成果を踏まえ 町民と行政とが一体となって都市づくりを進めていくことが求められています 近隣の県 市町との連携 国内外から多くの人々が訪れ 交流する地域としての魅力の向上や防災力の強化など 観光面と防災面において近隣の県や市町との連携をさらに強めていく必要があります 箱根町の特性からみる留意点 防災力の強化 住居環境の維持向上と地域コミュニティの再構築 超高齢社会への対応 観光地としての魅力の向上 町民アンケートでの町へのおもい 都市づくりの課題 5 6 7 自然環境の保全 景観の保全と形成 地域別まちづくりワークショップでの町へのおもい 町民参加の都市づくり 近隣の県 市町との連携 *3 景観行政団体 景観法によって定められた 景観計画の策定などの諸施策を実施する行政団体のこと *4 NPO 特定非営利活動 保健や医療活動のほか 福祉促進 社会教育の増進 環境保全 災害救助 国際協力など 不特定多数の人間に寄与する活動を行い その内容は多様化 細分化されてきている それぞれ法人化された NPO 法人として活動しており 98 年に施行された NPO 法 ( 特定非営利活動促進法 ) によって認証され 国からの助成金や寄付などでその活動をまかなっている 8 17 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

5 箱根町が目指す 都市づくりの目標 大涌谷の空 まちの将来の姿はどういったものでしょう 1 上位 関連計画における将来像 箱根町第 6 次総合計画 では 今後目指すべき姿 将来像 を次のとおりに定めています やすらぎとおもてなしのあふれる町 箱根 やすらぎ とは 箱根の誇る美しい自然環境の保全を図っていき 住む人 訪れる人すべてが癒 しを感じられる町を目指していくとともに 火山対策をはじめ防災対策の強化を図って 安心 安 全が確保される町を目指すことを意味します おもてなし とは 町民同士が相手を思いやる気持ちをもって日々ふれあうことのできる町を 目指すことで 地域コミュニティの維持向上につなげるとともに 国内外から訪れるすべての人々 に対してもおもてなしの心が伝わる町になることを意味します また かながわグランドデザイン 基本構想 では いのち輝くマグネット神奈川 を基本理念に掲 げ 神奈川の将来像や政策の基本方向をまとめ 県民一人一人のいのちを輝かせるとともに 人やものを 引きつける魅力を持った神奈川の実現を目指していくものとしています それを受けた かながわ都市マスタープラン では県土 都市像を 地域の個性を伸ばし やすらぎと 活力を感じる都市 かながわ とし 環境共生 と 自立と連携 の 2 つを県土 都市づくりの方向性と して定め 県民 市町村との協働のもとに 総合的かつ計画的な都市づくりを展開するとしています 歴史と自然につつまれ 観光と交流による そして 2 市 8 町で構成される県西都市圏域 * 1 では にぎ わいのある都市づくり を都市づくりの目標とし 豊かな自然や文化的遺産などの観光資源の保全 活用 を図りながら 隣接県と連携し国際的な観光 リゾート地としての魅力の向上や地域活力の向上に資す る都市機能の集積を図り 職 住 遊が一体となった豊かな暮らしの実現を目指すとしています 須雲川 18 箱根町 第 3 次都市計画マスタープラン *1 県西都市圏域 2 市 8 町 小田原市 南足柄市 中井町 大井町 松田町 山北町 開成町 箱根町 真鶴町 湯河原町 で構成された広域都市計画圏

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもいかながわグランドデザイン ( 基本構想 ) いのち輝くマグネット神奈川 基本理念かながわグランドデザイン ( 基本構想 ) は 2025( 平成 37) 年を展望し いのち輝くマグネット神奈川 を実現する を基本理念に掲げ 神奈川の将来像や政策の基本方向をまとめたものであり 県民一人一人のいのちを輝かせるとともに 人やものを引きつける魅力を持った神奈川の実現を目指していくものです 将来像 1 行ってみたい 住んでみたい 人を引きつける魅力あふれる神奈川 2 いのちが輝き 誰もが元気で長生きできる神奈川 3 県民総力戦で創る神奈川かながわ都市マスタープラン 地域の個性を伸ばし やすらぎと活力を感じる都市かながわ かながわ都市マスタープラン は 2025 年を展望した計画となっており 将来を展望した 神奈川の県土 都市像 を描き 県土全体の方針を示した かながわ都市マスタープラン と 地域レベルの方針を示した かながわ都市マスタープラン 地域別計画 を策定しています また 東日本大震災における津波災害を踏まえて 最大クラスの津波に備えた都市づくりを進めるため かながわ都市マスタープラン に津波対策編を追加する一部改訂を行っています かながわ都市マスタープラン 地域別計画 ( 平成 22 年 11 月改定 ) 歴史と自然につつまれ 観光と交流によるにぎわいのある都市づくり 県西都市圏域は 2 市 8 町 ( 小田原市 南足柄市 中井町 大井町 松田町 山北町 開成町 箱根町 真鶴町 湯河原町 ) で構成され 県土の西部に位置しています 富士 箱根 伊豆に連なる豊かな自然を背景に 山 川 海 湖 温泉 歴史や文化などの観光資源に恵まれた 県西都市圏域 では これらの資源の保全 活用を図りながら 隣接する山梨 静岡両県と連携しつつ国内外から多くの人が訪れ 交流する地域としての魅力の向上や 地域活力の向上に資する都市機能の集積を図り 職 住 遊が一体となって豊かな暮らしを実現できる都市づくりを目指すとしています 19 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

2 まちの将来人口 箱根町第 6 次総合計画 の策定にあたり 平成 23 2011 年と平成 28 2016 年の直近 5 年間の人口に よる将来人口の推計では 総人口は 平成 28 2016 年に 11,969 人であったものが 平成 33 2021 年で 11,000 人 平成 38 2026 年で 10,000 人とまちの将来人口を推計しています この推計による 0 14 歳の年少人口比率は 8.0% から 6.8 15 64 歳の生産年齢人口比率は 56.2% か ら 52.3% まで減少し 65 歳以上の老年人口比率は 35.8% から 40.9 まで高まります 総人口の減少につれ て年少人口 生産年齢人口 老年人口とも減少していきますが 長期的には 箱根町人口ビジョン で設 定した将来人口 自然動態と社会動態を改善させることにより 平成 72 2060 年の人口は 約 7,200 人程 度を確保していく に向けて人口減少抑制対策を進めていくこととしています 推計人口 人 14,000 老年人口 65 歳以上 11,969 12,000 生産年齢人口 15 64歳 11,000 10,000 4,285 10,000 年少人口 14 歳以下 4,290 35.8% 4,090 39.0% 8,000 40.9% 6,000 6,725 4,000 5,907 56.2% 5,230 53.7% 52.3% 2,000 0 958 8.0% 平成 28 2016 年 803 7.3% 平成 33 2021 年 680 6.8% 平成 28 2016 年は 住民基本台帳人口 平成 38 2026 年 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン では まちづくりの枠組みとしての人口規模を 箱根町第 6 次 総合計画 の将来人口推計値である 10,000 人とし 本町における適正な都市基盤や住環境の整備を図っ ていきます 箱根の森小学校の下校風景 20 箱根町 第 3 次都市計画マスタープラン

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい(3) 都市づくりの目標 上位 関連計画の将来像と町全体の都市づくりの課題や地域別構想の将来像を踏まえ 本町の目指す都市づくりの目標を 次のように定めます 都市づくりの課題 防災力の強化 住居環境の維持向上と地域コミュニティの再構築 超高齢社会への対応 観光地としての魅力の向上 自然環境の保全 景観の保全と形成 町民参加の都市づくり 近隣の県 市町との連携 上位 関連計画の将来像 箱根町総合計画 人と自然のやさしさに抱かれ かながわグランドデザイン かながわ都市マスタープラン 住んで満たされ 訪れて満たされる 活力のあるまち 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン は 豊かな自然環境と高齢者 子ども 観光客などすべてのひとに配慮したやさしい空間の創出を図り 住む人 訪れる人の生命を守り 安全な生活と滞在を確保するとともに 充実した時間を過ごすことのできるまちを目指します 地域別構想将来像 湯本地域 清流と湯のまち心あふれる箱根の玄関口 温泉地域 近代日本の歴史が薫る水と緑の温泉保養地 宮城野地域 多彩な自然と豊かな泉質心を満たす緑風の里 仙石原地域 四季の自然を楽しむいこいの高原リゾート 箱根地域 歴史と伝統文化が息づく湖畔の交流空間 21 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

4 都市づくりの基本的な方向 目標の実現化に向け 次のとおり基本的な方向を定めて進めていきます 都市づくりの基本的な方向 安全でより良い生活環境の都市づくり 1 本町特有の火山活動や大規模地震など自然災害から 町民や観光客の生命を守り 安全な生活と滞在を 確保するために 防災力と減災力を高める取組を図っていきます また 少子高齢化に対応した子育てや高 齢者の生活が快適に送れるような住居環境の整備を目指します 人と自然にやさしい観光の都市づくり 2 富士箱根伊豆国立公園を形成している豊かな自然環境と貴重な動植物の保全を最優先とし 自然環境な どに配慮した生活空間の確保を図っていきます また 高齢者や子ども 外国人観光客などすべての人にや さしいユニバーサルデザインを取り入れた施設整備を進め 生活の場や国際観光地としての魅力の向上を 目指します 美しい景観の都市づくり 3 仙石原湿原やすすき草原 箱根の山なみや芦ノ湖 河川などがつくる優れた自然景観の適切な保全に努 め次代に継承します また 景観計画に掲げる景観形成の目的である 町民が愛着と誇りをもって住み続け られる環境 観光客がまた訪れたいと思えるような環境 の創出に努めます 協働の都市づくり 4 都市づくりは 町が主体となって取り組む施策と 町民などが主体となって取り組む施策の両面により 相乗効果を発揮し 将来像の実現をより進めるものと考えます 特に本プランの地域別構想の実現に向け ては 計画策定の段階からの町民参画や町民と町との役割の明確化など協働で取り組む体制を整え 町民 主体による都市づくりに努めていきます 広域的連携の強化による都市づくり 5 県西都市圏域内における小田原市や南足柄市 隣接県の三島市や御殿場市などと生活面 観光面におい て密接な関係がありますが 今後は 防災面も含めた相互における人 モノ 情報の円滑な連携の強化を図 り より魅力的で活力のある都市づくりを目指します 函嶺洞門 22 箱根町 第 3 次都市計画マスタープラン

箱根町が目指す町民を主体とした箱根町はどんなまち都市づくりの町民のおもい1 防災力の強化 2 住居環境の維持向上と地域コミュニティの再構築 3 超高齢社会への対応 4 観光地としての魅力の向上 5 自然環境の保全 6 景観の保全と形成 7 町民参加の都市づくり 8 近隣の県 市町との連携 大涌谷と観光客 都市づくりの課題と基本的な方向との関係 1. 安全でより良い生活環境の都市づくり 2. 人と自然にやさしい観光の都市づくり 3. 美しい景観の都市づくり 4. 協働の都市づくり 5. 広域的連携の強化による都市づくり 23 第1 章都市づくり第2 章都市づくり(全体構想)第3 章(地域別構想)第4 章都市づくりの実現へ向けて第5 章第6 章資料箱根町第 3 次都市計画マスタープラン 町全体に共通する地域ごとの都市づくり

第 1 章のまとめ 本町の都市づくりの課題を十分踏まえ 都市づくりの目標を 人と自然のやさしさに抱かれ住んで満たされ 訪れて満たされる活力のあるまち としました この都市づくりの目標を具現化するため 安全でより良い生活環境の都市づくり をはじめ 5つの都市づくりの基本方向により 施策を推進します 1 まちづくり と 都市計画マスタープラン まちづくり のうち住みやすい環境や施設の整備など ( 自然環境の保全 土地利用の誘導 道路 公園の整備等 ) を行うことが 都市づくり であり それを進める基本となる計画 ( みちしるべ ) が 都市計画マスタープラン です 2 計画期間現行プランの計画期間が平成 28 年度で満了するため 平成 29 年度から平成 38 年度までの 10 年間を期間とする次期プランを社会環境の変化や上位計画などとの連携を図り策定します 3 町民との協働による策定町民等と協働した都市づくりを進めるため プランの策定にあたっては策定検討委員会や地域別まちづくりワークショップを設置し意見を伺ったほか パブリック コメントを実施しました 4 都市づくりの課題都市づくりの課題を1 防災力の強化 2 住居環境の維持向上と地域コミュニティの再構築 3 超高齢社会への対応 4 観光地としての魅力の向上 5 自然環境の保全 6 景観の保全と形成 7 町民参加の都市づくり 8 近隣の県 市町との連携としました 5 都市づくりの目標都市づくりの将来像を 人と自然のやさしさに抱かれ住んで満たされ 訪れて満たされる活力のあるまち としました 6 都市づくりの基本的な方向都市づくりの将来像を具現化するため進むべき都市づくりの基本的な方向を1 安全でより良い生活環境の都市づくり 2 人と自然にやさしい観光の都市づくり 3 美しい景観の都市づくり 4 協働の都市づくり 5 広域的連携の強化による都市づくりとしました 24 箱根町第 3 次都市計画マスタープラン