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資 料 2 南 海 地 震 長 期 浸 水 対 策 検 討 結 果 平 成 25 年 3 月 高 知 県

目 次 はじめに 第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 1-1 1 高 知 市 で 長 期 浸 水 が 発 生 する 仕 組 み 1-1 2 過 去 の 長 期 浸 水 1-4 3 長 期 浸 水 の 想 定 条 件 1-5 4 長 期 浸 水 範 囲 1-6 5 長 期 浸 水 による 影 響 と 課 題 1-9 第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 2-1 1 本 対 策 検 討 結 果 の 目 的 と 位 置 付 け 2-1 2 対 策 の 検 討 項 目 2-2 3 対 策 検 討 の 経 緯 2-3 第 3 章 対 策 の 実 施 体 制 3-1 1 対 策 案 の 反 映 実 行 3-1 2 課 題 に 対 する 対 応 3-1 3 進 捗 管 理 3-1 第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 4-1 1 対 策 一 覧 4-1 2 長 期 浸 水 解 消 シナリオ 4-10 第 5 章 止 水 排 水 対 策 5-1 1 止 水 排 水 対 策 について 5-1 2 道 路 啓 開 5-2 3 止 水 対 策 5-10 4 排 水 対 策 5-21 5 止 水 排 水 対 策 項 目 5-39 第 6 章 住 民 避 難 対 策 6-1 1 住 民 避 難 対 策 について 6-1 2 避 難 所 区 分 等 の 基 本 条 件 設 定 6-2

3 緊 急 避 難 6-4 4 収 容 避 難 6-26 5 広 域 避 難 6-33 2 住 民 避 難 対 策 項 目 6-34 第 7 章 救 助 救 出 対 策 7-1 1 救 助 救 出 対 策 について 7-1 2 救 助 救 出 対 策 項 目 7-6 第 8 章 燃 料 対 策 8-1 1 燃 料 対 策 について 8-1 2 燃 料 対 策 項 目 8-25 第 9 章 医 療 対 策 9-1 1 医 療 対 策 について 9-1 2 医 療 対 策 項 目 9-33 第 10 章 衛 生 対 策 10-1 1 衛 生 対 策 について 10-1 2 衛 生 対 策 項 目 10-6 第 11 章 廃 棄 物 対 策 11-1 1 廃 棄 物 対 策 について 11-1 2 廃 棄 物 対 策 の 検 討 概 要 11-5 3 廃 棄 物 対 策 項 目 11-45 おわりに

はじめに 本 検 討 結 果 は 近 年 発 生 確 率 が 高 まっている 南 海 地 震 に 伴 う 被 害 のうち 特 異 かつ 顕 著 な 現 象 で ある 高 知 市 浦 戸 湾 周 辺 の 地 盤 沈 降 による 長 期 浸 水 被 害 について 浸 水 抑 制 による 被 害 軽 減 浸 水 域 からの 安 全 な 避 難 救 助 迅 速 な 排 水 による 早 期 復 旧 を 目 的 として 今 後 の 取 り 組 むべき 対 策 についてとりまとめたものである

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 1 高 知 市 で 長 期 浸 水 が 発 生 する 仕 組 み 1-1 南 海 地 震 による 地 盤 沈 降 南 海 トラフの 巨 大 地 震 ( 南 海 地 震 )は 東 海 沖 から 九 州 沖 に 延 びる 南 海 トラフにおいて 発 生 す るマグニチュード8~9クラスの 巨 大 地 震 である 南 海 トラフではフィリピン 海 プレートがユーラシアプレートの 下 にもぐり 込 んでいて 南 海 ト ラフの 北 側 ではこのもぐり 込 みにより 地 盤 が 引 きずり 込 まれている この 引 きずりが 限 界 に 達 す るとプレートの 間 で 破 壊 が 生 じ これが 巨 大 地 震 となる 地 震 により 最 大 震 度 7の 大 きな 揺 れ 大 津 波 が 発 生 するとともに 広 い 範 囲 で 地 殻 変 動 に 伴 う 地 盤 の 変 動 が 生 じる ( 高 知 県 南 海 地 震 に 備 えちょき より) 図 1.1.1 南 海 トラフでのプレートの 動 き 地 盤 の 変 動 の 分 布 を 見 ると 高 知 県 では 室 戸 岬 付 近 で 地 盤 の 隆 起 が 生 じるものの 大 半 の 範 囲 は 地 盤 が 沈 降 するとされている 特 に 高 知 市 付 近 は 地 盤 沈 降 量 が 大 きく 昭 和 南 海 地 震 では 約 1.2 mの 地 盤 の 沈 降 が 生 じ 平 成 15 年 に 中 央 防 災 会 議 が 公 表 した 東 南 海 南 海 地 震 モデルにおいて は 高 知 市 浦 戸 湾 付 近 で 1.95mもの 沈 降 が 想 定 されている この 地 盤 沈 降 により 海 水 面 より 低 い 土 地 が 増 加 し 堤 防 や 排 水 機 場 が 被 災 すると 浸 水 した 海 水 を 排 除 できず 長 期 間 にわたり 浸 水 が 継 続 することとなる 本 検 討 会 では この 特 異 な 現 象 を 長 期 浸 水 として 扱 うものとした 高 知 市 赤 色 部 : 隆 起 青 色 部 : 沈 降 中 央 防 災 会 議 東 南 海 南 海 地 震 モデル(2003) 図 1.1.2 東 南 海 南 海 地 震 による 地 殻 変 動 1-1

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 1-2 南 海 地 震 による 地 盤 沈 降 高 知 市 浦 戸 湾 周 辺 の 地 形 分 布 を 図 1.1.3 に 示 す 本 地 域 は 北 側 の 四 国 山 地 と 南 側 の 土 佐 湾 に 挟 まれ 河 川 や 浦 戸 湾 周 辺 の 平 野 部 や 丘 陵 地 などから 構 成 されている 南 側 の 土 佐 湾 に 面 した 平 地 部 には 砂 州 状 の 微 高 地 が 続 いている その 北 側 には 東 西 方 向 に 延 びる 低 山 地 が 続 いている その 北 側 は 国 分 川 久 万 川 鏡 川 などに 囲 まれた 低 地 となっており 標 高 3m 以 下 の 範 囲 が 広 がっている 高 知 市 街 地 はこの 低 地 部 分 に 形 成 されている 国 分 川 の 東 側 には 標 高 0m 以 下 の 区 域 が 広 くみられ 近 年 市 街 地 化 が 進 んでいる このような 低 地 部 分 が 地 震 により 地 盤 沈 降 すると 海 面 より 低 い 部 分 が 広 くなり 長 期 浸 水 域 となる 本 図 は 国 土 地 理 院 ホームページ 掲 載 のデジタル 標 高 地 形 図 画 像 データ( 高 知 )を 使 用 した 図 1.1.3 浦 戸 湾 周 辺 の 地 形 1-2

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 1-3 長 期 浸 水 のイメージ 長 期 浸 水 のイメージを 判 りやすくするために 地 震 発 生 前 から 長 期 浸 水 時 までのイメージ 及 び 被 害 イメージを 以 下 に 示 す( 堤 防 が 耐 震 化 されていないケースを 想 定 ) 1 地 震 発 生 前 堤 防 により 地 盤 の 低 い 地 域 は 守 ら れている 2 地 震 発 生 地 殻 変 動 により 地 盤 が 1.95m 沈 降 し 耐 震 化 されていない 堤 防 は 液 状 化 により 被 災 沈 下 する 3 津 波 来 襲 津 波 や 堤 防 の 損 傷 により 陸 側 に 海 水 が 浸 入 4 長 期 浸 水 時 満 潮 位 (T.P.+0.75m)より 低 い 範 囲 が 浸 水 堤 防 を 復 旧 ( 止 水 )し ポンプで 排 水 しないと 浸 水 は 解 消 されない 図 1.1.4 長 期 浸 水 のイメージ 図 1-3

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 2 過 去 の 長 期 浸 水 100 年 前 後 の 周 期 で 繰 り 返 してきた 南 海 地 震 では その 度 に 高 知 市 周 辺 で 地 盤 の 沈 降 が 生 じてきた とされる 昭 和 21 年 に 発 生 した 昭 和 南 海 地 震 では 高 知 市 に 大 津 波 が 来 襲 するとともに 約 1.2mの 地 盤 沈 降 が 生 じて 市 街 地 を 含 む 広 い 範 囲 が 浸 水 した 堤 防 決 壊 箇 所 の 復 旧 浸 水 した 水 の 排 水 作 業 が 行 われ たが 浸 水 の 解 消 には 約 1 箇 月 を 要 し 市 民 生 活 に 大 きな 影 響 を 生 じた 五 台 山 から 撮 影 した 昭 和 南 海 地 震 後 の 高 知 市 街 ( 上 )と 現 在 の 市 街 ( 下 ) 図 1.2.2 昭 和 南 海 地 震 による 浸 水 状 況 1-4

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 3 長 期 浸 水 の 想 定 条 件 本 検 討 では 高 知 市 浦 戸 湾 周 辺 の 最 大 クラスの 長 期 浸 水 を 想 定 して 検 討 するものとした 地 盤 沈 降 量 は 内 閣 府 が 平 成 24 年 に 公 表 した 南 海 トラフの 巨 大 地 震 モデル では 高 知 市 浦 戸 湾 付 近 の 地 盤 沈 降 量 は 約 1.5mであるが 中 央 防 災 会 議 が 平 成 15 年 に 示 したモデルでは 1.95mの 地 盤 沈 降 を 想 定 していることから 沈 降 量 の 大 きい 中 央 防 災 会 議 の 平 成 15 年 モデルの 値 を 用 いること とした 潮 位 条 件 は 海 水 面 が 満 潮 位 となった 状 態 を 想 定 するものとした また 被 災 シナリオについても 一 定 の 想 定 を 行 って 対 策 を 立 案 するものとした 本 対 策 検 討 における 想 定 条 件 を 表 1.3.1 に 示 す 表 1.3.1 長 期 浸 水 対 策 の 想 定 条 件 項 目 条 件 説 明 対 象 範 囲 浦 戸 湾 に 面 した 旧 高 知 市 域 図 1.3.1 参 照 地 盤 沈 降 量 1.95m 中 央 防 災 会 議 平 成 15 年 モデル 対 象 潮 位 朔 望 平 均 満 潮 位 T.P.+0.75m ( ) 浸 水 範 囲 現 在 の 標 高 で T.P.+2.7m 以 下 の 範 囲 が 浸 水 浸 水 面 積 約 2,800ha 干 潮 になっても 内 水 排 水 は 困 難 ゲート 損 傷 がれき 堆 積 により 浸 水 エリア 内 の 人 口 約 13 万 人 平 成 17 年 国 勢 調 査 その 他 浸 水 エリア 内 の 避 難 者 は 自 主 避 難 が 困 難 高 速 道 路 の 機 能 は 確 保 されているとする 浸 水 によりタナスカからの 燃 料 供 給 が 困 難 になる ( ) 高 知 県 の 津 波 予 測 ( 平 成 24 年 )では 朔 望 平 均 満 潮 位 として T.P.+0.93mを 使 用 しているが 本 検 討 では 高 知 市 津 波 避 難 計 画 等 に 準 じて 平 成 22 年 度 に 設 定 した T.P.+0.75mを 使 用 しており 条 件 によっては 浸 水 範 囲 が 若 干 広 くなることもある 図 1.3.1 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 範 囲 ( 高 知 市 浦 戸 湾 周 辺 ) 1-5

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 4 長 期 浸 水 範 囲 4-1 長 期 浸 水 範 囲 長 期 浸 水 の 想 定 条 件 に 基 づき 高 知 市 の 浦 戸 湾 に 面 した 地 区 について 地 盤 沈 降 量 を 1.95m 潮 位 を T.P.+0.75mとした 場 合 の 浸 水 範 囲 を 図 1.4.1 に 示 す 現 在 の 標 高 で T.P.+2.7m 以 下 の 範 囲 が 長 期 浸 水 域 となり その 面 積 は 約 2,800ha である 対 象 範 囲 南 部 の 長 浜 地 区 三 里 地 区 などでは 山 地 や 丘 陵 部 が 多 いため 浸 水 域 は 点 在 している が 北 部 の 潮 江 江 の 口 下 知 高 須 地 区 などでは 広 範 囲 に 浸 水 域 が 広 がっており 2m 以 上 の 浸 水 深 となる 範 囲 も 多 くある 高 知 市 の 中 心 市 街 地 や 国 道 32 号 なども 浸 水 するほか 県 庁 市 役 所 などの 行 政 機 関 広 域 災 害 拠 点 病 院 タナスカ 石 油 基 地 なども 浸 水 し 災 害 の 復 旧 にも 大 きな 影 響 を 及 ぼすことが 懸 念 さ れる 1-6

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 本 図 は 国 土 地 理 院 の 基 盤 地 図 情 報 ( 数 値 標 高 モデル)5m メッシュ( 標 高 ) を 基 に 作 成 した 図 1.4.1 長 期 浸 水 範 囲 ( 浦 戸 湾 周 辺 ) 1-7

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 4-2 エリア 毎 の 概 況 長 期 浸 水 域 は 高 知 市 中 心 部 の 広 い 範 囲 に 及 んでいることから 対 象 範 囲 をエリアに 分 割 して エリアごとの 概 況 を 整 理 した エリアは 図 1.4.2 に 示 す6エリア( 長 浜 潮 江 江 の 口 下 知 北 部 高 須 三 里 )に 分 割 した なお 高 須 地 区 は 舟 入 川 により 大 きく 二 つに 区 分 されることから 必 要 に 応 じ 高 須 出 分 の 二 つにわけて 対 策 の 検 討 をし た( 主 に 止 水 排 水 対 策 ) 分 割 した6エリアの 概 況 は 表 1.4.1 のと おりであり 浸 水 面 積 人 口 および 卸 売 小 売 販 売 額 は 江 の 口 下 知 地 区 及 び 高 須 地 区 が 大 きくなっている また この 両 地 区 は 主 要 施 設 を 結 ぶ 幹 線 道 路 ( 国 道 32 号 高 知 北 環 状 線 )が 通 っている 図 1.4.2 長 期 浸 水 域 のエリア 区 分 このため 江 の 口 下 知 エリア 高 須 エ リア を 対 策 優 先 エリアとして 設 定 した 対 策 優 先 エリアは 戦 略 的 に 復 旧 活 動 を 進 める 第 一 歩 の 位 置 付 けであり 復 旧 活 動 の 機 能 回 復 進 展 に 伴 い 対 策 範 囲 を 長 期 浸 水 全 域 に 広 げていくものである エリア 面 積 (ha) 人 口 ( 人 ) 表 1.4.1 各 エリアの 概 況 製 造 品 出 荷 額 ( 億 円 / 年 ) 卸 売 小 売 販 売 額 ( 億 円 / 年 ) 主 要 道 路 長 浜 135 4,157 19 35 潮 江 344 26,533 261 482 国 道 56 号 江 の 口 下 知 737 50,243 123 3,637 国 道 32 号 北 部 449 15,940 107 265 高 須 923 31,058 128 1,038 三 里 179 1,150 32 104 高 知 北 環 状 線 高 知 自 動 車 道 国 道 32 号 高 知 北 環 状 線 高 知 南 インター 線 主 要 施 設 高 知 県 庁 高 知 市 役 所 広 域 災 害 拠 点 病 院 高 知 新 港 タナスカ 石 油 基 地 広 域 災 害 拠 点 病 院 合 計 2,767 129,081 670 5,562 人 口 は 平 成 17 年 国 勢 調 査 に 基 づく 昼 間 人 口 製 造 品 出 荷 額 は 平 成 20 年 工 業 統 計 調 査 による 卸 売 小 売 販 売 額 は 平 成 19 年 商 業 統 計 調 査 による 1-8

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 5 長 期 浸 水 による 影 響 と 課 題 長 期 浸 水 が 発 生 した 場 合 に 想 定 される 様 々な 影 響 とそれに 対 する 主 な 課 題 を 以 下 にまとめた 浸 水 防 止 ( 止 水 ) 浸 水 排 除 ( 排 水 ) 表 1.5.1 長 期 浸 水 による 影 響 と 課 題 項 目 影 響 事 象 主 な 課 題 備 考 水 際 構 造 物 ( 堤 防 護 岸 等 ) 排 水 機 場 (ポンプ 場 ) 道 路 機 能 道 路 橋 梁 主 要 道 路 の 浸 水 がれきの 堆 積 橋 梁 損 傷 住 民 避 難 救 助 救 出 燃 料 医 療 衛 生 廃 棄 物 避 難 ビル 避 難 所 止 水 機 能 喪 失 ( 海 水 の 流 入 ) 地 震 ( 液 状 化 )による 沈 下 損 傷 津 波 の 越 流 堤 防 道 路 の 通 行 不 能 排 水 機 能 喪 失 ( 排 水 困 難 ) 地 震 による 損 傷 浸 水 による 機 能 支 障 動 力 ( 電 気 油 ) 不 足 浸 水 域 外 への 避 難 困 難 ( 避 難 ビル 滞 在 の 長 期 化 ) 避 難 所 の 浸 水 被 災 ( 収 容 力 不 足 ) 災 害 時 要 援 護 者 への 支 援 物 資 やトイレの 不 足 浸 水 域 内 の 多 数 の 避 難 者 救 出 ボートの 不 足 石 油 基 地 (タナスカ)の 被 災 供 給 ルートの 途 絶 医 療 施 設 の 被 災 孤 立 医 薬 品 不 足 衛 生 状 態 の 悪 化 有 害 物 質 の 流 出 ご 遺 体 の 収 容 埋 葬 の 遅 れ 大 量 のがれき 処 理 処 理 場 所 不 足 耐 震 化 液 状 化 対 策 復 旧 資 材 の 確 保 被 災 箇 所 の 復 旧 耐 震 耐 水 化 早 期 復 旧 燃 料 の 確 保 排 水 ポンプ 車 の 配 置 応 急 ポンプの 配 備 道 路 啓 開 の 実 施 橋 梁 耐 震 化 避 難 ビルの 確 保 避 難 所 の 確 保 耐 震 化 福 祉 避 難 所 確 保 食 料 などの 備 蓄 仮 設 トイレの 確 保 避 難 者 所 在 確 認 避 難 の 優 先 順 位 ボートの 確 保 石 油 基 地 機 能 確 保 供 給 体 制 の 確 保 ボートによる 搬 送 搬 送 先 の 確 保 医 薬 品 備 蓄 防 疫 対 策 流 失 防 止 ご 遺 体 収 容 埋 葬 体 制 搬 送 体 制 分 別 処 理 処 理 場 所 の 確 保 上 記 に 示 したように 長 期 浸 水 においては 止 水 排 水 機 能 の 低 下 喪 失 により 広 範 囲 が 浸 水 する とともに 浸 水 が 長 期 化 することとなる その 結 果 浸 水 域 内 には 多 くの 住 民 や 入 院 患 者 が 取 り 残 され ボートによる 救 助 には 相 当 な 日 数 が 必 要 になる 浸 水 域 内 では 食 料 などの 物 資 が 不 足 すると ともに 緊 急 避 難 の 長 期 化 により 衛 生 状 態 の 悪 化 も 考 えられる また 主 要 幹 線 道 路 や 石 油 基 地 も 浸 水 するため 燃 料 など 復 旧 作 業 の 必 要 な 物 資 の 不 足 が 想 定 さ れる これらの 課 題 を 解 決 し 被 害 を 軽 減 するとともに 速 やかな 復 旧 復 興 を 行 うため 長 期 浸 水 対 策 について 検 討 を 行 うこととした 1-9

第 1 章 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 について 堤 防 の 被 災 と 緊 急 復 旧 堤 防 が 未 対 策 であると 液 状 化 で 沈 下 し て 堤 防 の 機 能 が 損 なわれてしまう 堤 防 が 耐 震 化 されていれば 津 波 による 浸 水 は 防 げないが 堤 防 の 機 能 は 維 持 できる 被 災 した 堤 防 を 土 のうなどで 緊 急 復 旧 し て 新 たな 浸 水 を 防 ぐ 排 水 機 場 の 被 災 と 応 急 排 水 耐 震 化 耐 水 化 されていない 排 水 機 場 は 地 震 津 波 で 被 災 して 運 転 ができなくなる 排 水 機 場 の 代 わりに 排 水 ポンプ 車 で 排 水 避 難 ビル 滞 在 の 長 期 化 浸 水 が 長 期 化 すると 避 難 ビルなどから の 移 動 は 困 難 となり ボートやヘリコプ ターにより 運 搬 するしかないが 大 量 輸 送 は 困 難 食 料 水 が 不 足 し 衛 生 状 態 も 悪 化 する 1-10

第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 1 本 対 策 検 討 結 果 の 目 的 と 位 置 付 け 高 知 県 においては 県 民 の 命 を 守 るために これまでも 地 震 津 波 に 備 えるための 対 策 が 計 画 実 施 されてきた しかし 長 期 浸 水 という 特 異 な 現 象 については 十 分 に 考 慮 はされていない 浦 戸 湾 周 辺 の 長 期 浸 水 は 主 に 高 知 市 における 災 害 事 象 ではあるが 高 知 市 中 心 部 の 機 能 低 下 は 高 知 県 全 体 に 影 響 を 及 ぼすこととなる このため 高 知 県 は 高 知 市 とともに 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 被 害 を 最 小 限 にとどめることを 目 的 として 対 策 を 検 討 した 検 討 においては 南 海 地 震 による 長 期 浸 水 被 害 の 概 要 を 明 らかにし 事 前 の 被 害 軽 減 対 策 や 発 災 後 の 円 滑 な 復 旧 復 興 に 向 けた 対 策 の 検 討 を 通 じて 国 県 市 や 事 業 者 県 民 ( 市 民 )がそれぞれ 連 携 しながら 担 う 役 割 と 総 合 的 な 防 災 対 策 を 提 示 した 本 検 討 結 果 については 高 知 市 をはじめとする 関 係 機 関 が 策 定 する 事 業 計 画 や 災 害 に 備 えた 行 動 計 画 などに 反 映 させ 効 果 的 に 実 施 していくものとする 特 に 本 検 討 結 果 は 長 期 浸 水 に 視 点 を 置 いた 対 策 となっているため 計 画 の 実 施 や 対 策 優 先 順 位 の 設 定 にあたっては 他 の 地 震 津 波 対 策 などと 十 分 な 整 合 を 考 慮 して 進 める 必 要 がある 2-1

第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 2 対 策 の 検 討 項 目 長 期 浸 水 に 関 わる 対 策 事 項 は 地 震 津 波 対 策 と 重 なる 部 分 が 多 いが 原 則 として 長 期 浸 水 に 特 化 した 検 討 を 行 うこととした 以 下 の7 項 目 について 検 討 を 実 施 し 対 策 案 を 示 すものとした 1 止 水 排 水 対 策 浸 水 の 防 護 及 び 早 期 排 除 の 前 提 となる 水 際 構 造 物 及 び 排 水 施 設 の 現 況 を 把 握 し 事 前 対 策 の 優 先 箇 所 の 設 定 復 旧 対 策 案 を 検 討 した また 道 路 啓 開 についても 検 討 した 2 住 民 避 難 対 策 浸 水 域 内 ( 緊 急 避 難 場 所 ) 及 び 収 容 避 難 場 所 における 収 容 力 避 難 可 否 について 検 討 するとと もに 緊 急 避 難 場 所 の 被 災 者 へのフォローアップについても 検 討 した 3 救 助 救 出 対 策 市 街 地 が 水 没 した 状 態 で 長 期 浸 水 域 内 に 取 り 残 された 被 災 者 を 安 全 に 救 助 救 出 するために 必 要 な 対 策 を 検 討 した 4 燃 料 対 策 生 活 や 復 旧 活 動 に 欠 かすことのできない 燃 料 は 浦 戸 湾 に 面 したタナスカから 供 給 されており 長 期 浸 水 によりその 供 給 が 停 止 する 可 能 性 を 想 定 し 発 災 後 も 安 定 した 石 油 製 品 の 供 給 を 行 える ような 体 制 及 び 対 策 について 検 討 した 5 医 療 対 策 浸 水 域 内 に 所 在 する 医 療 機 関 社 会 福 祉 施 設 における 対 策 についてとりまとめるとともに 医 薬 品 備 蓄 などの 事 前 事 後 の 対 策 について 検 討 した 6 衛 生 対 策 主 に 浸 水 域 内 における 衛 生 状 態 の 悪 化 感 染 症 伝 染 病 などの 健 康 被 害 に 関 して 予 測 される 被 害 と 事 前 事 後 の 対 策 について 検 討 した 7 廃 棄 物 対 策 地 震 津 波 長 期 浸 水 により 発 生 するがれきなどの 廃 棄 物 の 概 要 を 把 握 し 長 期 浸 水 により 生 じる 処 理 場 の 問 題 点 を 検 討 し 災 害 廃 棄 物 処 理 計 画 等 に 反 映 させるものとした 2-2

第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 3 対 策 検 討 の 経 緯 長 期 浸 水 対 策 は 平 成 22 年 度 より 検 討 を 開 始 し 学 識 経 験 者 国 県 市 の 行 政 関 係 者 による 検 討 会 を 設 置 して 検 討 を 行 うとともに 個 別 対 策 の 具 体 的 検 討 を 行 うために 検 討 項 目 ごとのワーキン ググループを 設 けて 詳 細 な 検 討 を 実 施 した 検 討 会 ワーキンググループの 実 施 状 況 は 表 2.3.1 のとおり 検 討 のメンバーは 表 2.3.2 及 び 表 2.3.3 のとおりである 表 2.3.1 長 期 浸 水 対 策 検 討 の 経 緯 年 度 検 討 会 ワーキンググループ 平 成 22 年 度 第 1 回 検 討 会 H22/10/22 第 2 回 検 討 会 H23/1/6 第 3 回 検 討 会 H23/3/24 平 成 23 年 度 第 1 回 検 討 会 H23/8/11 第 2 回 検 討 会 H24/3/29 平 成 24 年 度 第 1 回 検 討 会 H24/5/23 第 2 回 検 討 会 H25/3/26 止 水 対 策 WG H23/2/2 排 水 対 策 WG H23/2/3 合 同 WG H23/8/31 止 水 排 水 対 策 WG H23/11/2 H24/1/13 2/14 住 民 避 難 対 策 WG H23/10/14 H24/1/19 2/14 救 助 救 出 対 策 WG H23/10/14 H24/1/19 2/9 燃 料 対 策 WG H23/10/18 H24/1/20 2/14 止 水 排 水 対 策 WG H24/9/7 12/7 H25/2/12 住 民 避 難 対 策 WG H24/7/13 12/27 H25/2/13 医 療 対 策 WG H24/7/30 11/1 H25/2/12 衛 生 対 策 WG H24/7/25 11/2 H25/2/13 廃 棄 物 対 策 WG H24/7/10 11/21 H25/2/14 2-3

第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 表 2.3.2 長 期 浸 水 対 策 検 討 会 委 員 委 員 役 職 所 属 役 職 1 委 員 長 大 年 邦 雄 高 知 大 学 農 学 部 教 授 2 委 員 岡 村 眞 高 知 大 学 総 合 研 究 センター 特 任 教 授 3 委 員 原 忠 高 知 大 学 農 学 部 准 教 授 4 委 員 森 下 安 子 高 知 県 立 大 学 看 護 学 部 教 授 5 委 員 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 高 知 河 川 国 道 事 務 所 長 6 委 員 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 土 佐 国 道 事 務 所 長 7 委 員 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 高 知 港 湾 空 港 整 備 事 務 所 長 8 委 員 第 五 管 区 海 上 保 安 本 部 高 知 海 上 保 安 部 警 備 救 難 課 長 9 委 員 陸 上 自 衛 隊 第 14 旅 団 第 50 普 通 科 連 隊 本 部 第 三 科 長 10 委 員 自 衛 隊 高 知 地 方 協 力 本 部 渉 外 広 報 室 長 11 委 員 警 察 本 部 警 備 部 警 備 第 二 課 災 害 対 策 室 長 12 委 員 高 知 県 農 業 振 興 部 農 業 基 盤 課 長 13 委 員 高 知 県 土 木 部 河 川 課 長 14 委 員 高 知 県 土 木 部 道 路 課 長 15 委 員 高 知 県 土 木 部 都 市 計 画 課 長 16 委 員 高 知 県 土 木 部 港 湾 海 岸 課 長 17 委 員 高 知 県 土 木 部 高 知 土 木 事 務 所 長 18 委 員 高 知 市 防 災 対 策 部 長 19 委 員 高 知 市 健 康 福 祉 部 保 健 総 務 課 長 20 委 員 高 知 市 健 康 福 祉 部 障 がい 福 祉 課 長 21 委 員 高 知 市 健 康 福 祉 部 第 二 福 祉 課 長 22 委 員 高 知 市 農 林 水 産 部 耕 地 課 長 23 委 員 高 知 市 都 市 建 設 部 都 市 計 画 課 長 24 委 員 高 知 市 都 市 建 設 部 下 水 道 建 設 課 長 25 委 員 高 知 市 都 市 建 設 部 河 川 水 路 課 長 26 委 員 高 知 市 都 市 建 設 部 下 水 道 保 全 課 長 27 委 員 高 知 市 都 市 建 設 部 道 路 整 備 課 28 委 員 高 知 市 消 防 局 警 防 課 長 29 委 員 高 知 県 危 機 管 理 部 長 敬 称 略 所 属 役 職 名 は 平 成 25 年 3 月 時 点 2-4

第 2 章 長 期 浸 水 対 策 の 検 討 表 2.3.3 長 期 浸 水 対 策 ワーキンググループメンバー 機 関 W G 止 水 排 水 住 民 避 難 医 療 衛 生 廃 棄 物 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 高 知 河 川 国 道 事 務 所 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 土 佐 国 道 事 務 所 国 土 交 通 省 四 国 地 方 整 備 局 高 知 港 湾 空 港 整 備 事 務 所 第 五 管 区 海 上 保 安 本 部 高 知 海 上 保 安 部 警 備 救 難 課 救 助 救 出 燃 料 陸 上 自 衛 隊 第 14 旅 団 第 50 普 通 科 連 隊 本 部 第 三 科 自 衛 隊 高 知 地 方 協 力 本 部 渉 外 広 報 室 警 察 本 部 警 備 部 警 備 第 二 課 災 害 対 策 室 高 知 県 健 康 政 策 部 医 療 政 策 医 師 確 保 課 WG 長 高 知 県 健 康 政 策 部 医 事 薬 務 課 高 知 県 健 康 政 策 部 健 康 対 策 課 高 知 県 健 康 政 策 部 食 品 衛 生 課 高 知 県 地 域 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 高 知 県 地 域 福 祉 部 障 害 保 健 福 祉 課 高 知 県 農 業 振 興 部 農 業 基 盤 課 高 知 県 林 業 振 興 環 境 部 環 境 対 策 課 高 知 県 土 木 部 河 川 課 WG 長 高 知 県 土 木 部 道 路 課 高 知 県 土 木 部 港 湾 海 岸 課 WG 長 高 知 県 土 木 部 公 園 下 水 道 課 高 知 県 土 木 部 高 知 土 木 事 務 所 高 知 県 危 機 管 理 部 南 海 地 震 対 策 課 高 知 市 防 災 対 策 部 防 災 政 策 課 高 知 市 防 災 対 策 部 地 域 防 災 推 進 課 WG 長 高 知 市 健 康 福 祉 部 保 健 総 務 課 WG 長 WG 長 WG 長 高 知 市 健 康 福 祉 部 障 がい 福 祉 課 高 知 市 健 康 福 祉 部 第 二 福 祉 課 高 知 市 健 康 福 祉 部 生 活 食 品 課 高 知 市 健 康 福 祉 部 地 域 保 健 課 高 知 市 健 康 福 祉 部 健 康 福 祉 総 務 課 高 知 市 農 林 水 産 部 耕 地 課 WG 長 高 知 市 環 境 部 環 境 政 策 課 高 知 市 環 境 部 廃 棄 物 対 策 課 高 知 市 都 市 建 設 部 下 水 道 建 設 課 高 知 市 都 市 建 設 部 河 川 水 路 課 高 知 市 都 市 建 設 部 下 水 道 保 全 課 高 知 市 都 市 建 設 部 道 路 整 備 課 高 知 市 消 防 局 警 防 課 五 台 山 石 油 会 高 知 県 石 油 業 協 同 組 合 高 知 県 医 師 会 高 知 市 医 師 会 高 知 県 社 会 福 祉 施 設 経 営 者 協 議 会 高 知 県 医 薬 品 卸 業 協 会 高 知 県 建 設 業 協 会 高 知 県 産 業 廃 棄 物 協 会 高 知 県 リサイクル 協 会 : 常 時 メンバー : 議 題 により 参 加 2-5

第 3 章 対 策 の 実 施 体 制 第 3 章 対 策 の 実 施 体 制 1 対 策 の 反 映 実 行 本 対 策 検 討 結 果 を 実 施 するため 各 対 策 については 高 知 県 高 知 市 など 関 係 機 関 が 今 後 策 定 改 訂 する 事 業 計 画 や 災 害 に 備 えた 行 動 計 画 などに 反 映 させ 関 係 部 局 が 主 体 的 に 実 施 していくものとする 特 に 本 対 策 検 討 結 果 は 長 期 浸 水 に 視 点 を 置 いた 対 策 となっているため 計 画 実 施 や 対 策 優 先 順 位 の 設 定 にあたっては 他 の 地 震 津 波 対 策 などと 十 分 な 整 合 を 考 慮 して 進 める 必 要 がある また 対 策 の 実 施 には 対 象 地 域 の 住 民 の 理 解 と 協 力 も 不 可 欠 であり 長 期 浸 水 に 対 してどのような 備 えが 必 要 であるかについての 啓 発 を 行 っていくものとする 2 課 題 に 対 する 対 応 本 対 策 検 討 結 果 では 対 策 内 容 について 具 体 的 に 示 したものもあるが 対 策 の 具 体 的 内 容 や 方 策 に ついて 十 分 に 示 すことができず 今 後 の 課 題 とした 事 項 もある このような 課 題 については 平 成 24 年 度 に 設 置 された 高 知 県 高 知 市 南 海 トラフ 巨 大 地 震 対 策 連 携 会 議 において 引 き 続 き 検 討 を 行 うほか 国 や 関 係 団 体 などとも 課 題 に 取 り 組 む 場 を 設 けて 詳 細 な 検 討 を 平 成 25 年 度 以 降 も 引 き 続 き 実 施 していくものとする 3 進 捗 管 理 長 期 浸 水 対 策 は 着 実 に 実 施 していくことが 重 要 であり 定 期 的 に 関 係 部 局 や 国 市 などと 対 策 の 実 施 についての 協 議 計 画 の 進 行 管 理 を 行 い 継 続 的 な 実 施 を 促 進 していきます また 様 々な 環 境 の 変 化 に 対 応 し 必 要 であれば 対 策 の 見 直 しを 行 っていくものとする 長 期 浸 水 対 策 個 別 対 策 実 施 計 画 策 定 (Plan) 対 策 実 施 (Do) 対 策 の 進 捗 検 証 (Check) O.K. N.G. 計 画 見 直 し 計 画 修 正 (Act) 効 果 検 証 継 続 的 な 対 策 実 施 図 3.3.1 長 期 浸 水 対 策 の 進 捗 管 理 3-1

第 3 章 対 策 の 実 施 体 制 第 3 章 対 策 の 実 施 体 制 1 対 策 の 反 映 実 行 本 対 策 検 討 結 果 を 実 施 するため 各 対 策 については 高 知 県 高 知 市 など 関 係 機 関 が 今 後 策 定 改 訂 する 事 業 計 画 や 災 害 に 備 えた 行 動 計 画 などに 反 映 させ 関 係 部 局 が 主 体 的 に 実 施 していくものとする 特 に 本 対 策 検 討 結 果 は 長 期 浸 水 に 視 点 を 置 いた 対 策 となっているため 計 画 実 施 や 対 策 優 先 順 位 の 設 定 にあたっては 他 の 地 震 津 波 対 策 などと 十 分 な 整 合 を 考 慮 して 進 める 必 要 がある また 対 策 の 実 施 には 対 象 地 域 の 住 民 の 理 解 と 協 力 も 不 可 欠 であり 長 期 浸 水 に 対 してどのような 備 えが 必 要 であるかについての 啓 発 を 行 っていくものとする 2 課 題 に 対 する 対 応 本 対 策 検 討 結 果 では 対 策 内 容 について 具 体 的 に 示 したものもあるが 対 策 の 具 体 的 内 容 や 方 策 に ついて 十 分 に 示 すことができず 今 後 の 課 題 とした 事 項 もある このような 課 題 については 平 成 24 年 度 に 設 置 された 高 知 県 高 知 市 南 海 トラフ 巨 大 地 震 対 策 連 携 会 議 において 引 き 続 き 検 討 を 行 うほか 国 や 関 係 団 体 などとも 課 題 に 取 り 組 む 場 を 設 けて 詳 細 な 検 討 を 平 成 25 年 度 以 降 も 引 き 続 き 実 施 していくものとする 3 進 捗 管 理 長 期 浸 水 対 策 は 着 実 に 実 施 していくことが 重 要 であり 定 期 的 に 関 係 部 局 や 国 市 などと 対 策 の 実 施 についての 協 議 計 画 の 進 行 管 理 を 行 い 継 続 的 な 実 施 を 促 進 していきます また 様 々な 環 境 の 変 化 に 対 応 し 必 要 であれば 対 策 の 見 直 しを 行 っていくものとする 長 期 浸 水 対 策 個 別 対 策 実 施 計 画 策 定 (Plan) 対 策 実 施 (Do) 対 策 の 進 捗 検 証 (Check) O.K. N.G. 計 画 見 直 し 計 画 修 正 (Act) 効 果 検 証 継 続 的 な 対 策 実 施 図 3.3.1 長 期 浸 水 対 策 の 進 捗 管 理 3-1

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 1 対 策 一 覧 長 期 浸 水 による 被 害 を 軽 減 するために 今 後 取 り 組 むべき 対 策 を 項 目 別 に 整 理 し 対 策 一 覧 表 とし て 以 下 に 示 す なお 対 策 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )に 区 分 した 4-1

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 表 4.1.1 止 水 排 水 対 策 (1) No. 対 策 項 目 期 間 短 期 中 期 長 期 対 応 機 関 1 長 期 浸 水 に 備 えた 道 路 の 整 備 橋 梁 の 耐 震 化 推 進 緊 急 輸 送 道 路 その 他 道 路 高 知 南 国 道 路 の 整 備 国 国 県 市 今 後 の 課 題 ( 高 知 南 IC- 高 知 東 IC 間 は H26 年 度 開 通 予 定 ) 2 発 災 後 速 やかな 道 路 啓 開 の 実 施 資 機 材 の 備 蓄 保 管 調 達 国 県 市 民 間 備 蓄 場 所 備 蓄 量 道 路 啓 開 実 施 体 制 の 構 築 国 県 市 民 間 4-2 3 堤 防 護 岸 の 機 能 強 化 4 止 水 資 機 材 の 確 保 備 蓄 堤 防 護 岸 の 耐 震 補 強 水 門 ゲートなどの 補 強 排 水 路 などの 止 水 対 策 優 先 度 1 優 先 度 2 優 先 度 3 国 県 県 市 浸 水 域 外 での 資 機 材 備 蓄 保 管 県 市 民 間 備 蓄 場 所 備 蓄 量 県 外 からの 資 機 材 調 達 県 流 通 備 蓄 の 実 施 県 市 民 間 5 効 率 的 な 緊 急 復 旧 ( 止 水 )の 実 施 建 設 関 係 団 体 との 事 前 協 定 に ついて 具 体 化 効 率 的 な 緊 急 復 旧 実 施 体 制 の 構 築 県 民 間 国 県 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 No. 6 排 水 機 場 の 地 震 津 波 対 策 表 4.1.1 止 水 排 水 対 策 (2) 期 間 対 策 項 目 短 期 中 期 長 期 優 先 度 を 踏 まえた 排 水 機 場 の 耐 震 耐 水 対 策 優 先 度 A 優 先 度 B 優 先 度 C 県 市 停 電 燃 料 対 策 県 市 被 災 後 の 早 期 復 旧 県 市 対 応 機 関 今 後 の 課 題 事 業 制 度 の 創 設 拡 充 県 市 事 業 制 度 の 創 設 拡 充 排 水 ポンプ 車 の 確 保 国 県 4-3 7 排 水 ポンプ 車 の 確 保 排 水 ポンプ 車 の 運 搬 配 置 国 県 燃 料 の 確 保 国 県 効 率 的 な 排 水 の 実 施 国 県 8 応 急 ポンプの 確 保 応 急 ( 仮 設 )ポンプの 確 保 県 市 民 間 災 害 協 定 ポンプの 運 搬 配 置 県 市 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 No. 1 緊 急 避 難 場 所 の 確 保 表 4.1.2 住 民 避 難 対 策 対 策 項 目 期 間 短 期 中 期 長 期 対 応 機 関 今 後 の 課 題 高 台 への 避 難 路 整 備 および 津 波 避 難 ビル 指 定 の 推 進 継 続 市 民 間 長 期 浸 水 域 内 への 物 資 備 蓄 更 新 市 ( 県 ) 備 蓄 場 所 備 蓄 量 4-4 2 緊 急 避 難 のあり 方 行 動 計 画 3 要 援 護 者 の 緊 急 避 難 対 策 4 孤 立 者 へのフォローアップ 対 策 5 収 容 避 難 所 の 確 保 市 民 への 啓 発 活 動 実 施 地 区 別 避 難 行 動 計 画 策 定 災 害 時 要 援 護 者 台 帳 作 成 およ び 個 別 避 難 計 画 作 成 継 続 市 民 間 継 続 市 民 間 継 続 市 民 間 福 祉 避 難 所 ( 緊 急 時 )の 確 保 継 続 市 民 間 必 要 資 材 孤 立 者 情 報 把 握 手 法 の 確 立 市 ルール 必 要 資 材 更 新 早 期 救 助 自 主 的 避 難 対 策 国 県 市 必 要 機 材 人 員 確 保 搬 送 用 物 資 の 浸 水 域 外 備 蓄 更 新 継 続 県 市 収 容 避 難 所 の 新 規 指 定 継 続 市 民 間 既 指 定 施 設 の 耐 震 化 および 津 波 影 響 軽 減 対 策 県 市 更 新 収 容 避 難 所 への 物 資 備 蓄 県 市 追 加 開 設 運 営 マニュアルの 改 訂 市 備 蓄 場 所 備 蓄 量 備 蓄 場 所 備 蓄 量 6 福 祉 避 難 所 の 確 保 7 広 域 避 難 対 策 福 祉 避 難 所 ( 収 容 時 )の 確 保 継 続 市 民 間 更 新 福 祉 避 難 所 への 物 資 備 蓄 県 市 追 加 開 設 運 営 マニュアルの 改 訂 市 広 域 避 難 所 の 確 保 および 避 難 者 の 搬 送 計 画 策 定 県 市 開 設 運 営 の 役 割 分 担 確 立 県 市 一 時 的 収 容 場 所 の 確 保 備 蓄 場 所 備 蓄 量 市 民 間 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 4-5 No. 対 策 項 目 表 4.1.3 救 助 救 出 対 策 期 間 短 期 中 期 長 期 命 に 関 わる 要 救 助 者 を 最 優 先 1 命 を 守 るための 人 資 機 材 の 確 保 に 救 助 救 助 の 必 要 な 人 員 資 機 材 (ボ ートなど)を 確 保 2 救 助 を 支 援 する 防 災 拠 点 整 備 3 要 救 助 者 の 把 握 と 情 報 共 有 4 孤 立 者 へのフォローアップ 対 応 機 関 国 県 市 国 県 市 広 域 支 援 部 隊 の 拠 点 を 確 保 県 市 拠 点 箇 所 救 助 に 必 要 な 資 機 材 の 保 管 場 所 を 確 保 要 救 助 者 を 把 握 するためのソ フト ハード 整 備 と 情 報 共 有 緊 急 避 難 場 所 との 通 信 手 段 確 保 孤 立 者 への 水 食 料 の 運 搬 など フォローアップ 体 制 の 構 築 県 市 県 市 市 市 保 管 場 所 今 後 の 課 題 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく No. 1 対 策 項 目 初 動 時 に 必 要 な 燃 料 の 備 蓄 と 継 続 的 な 燃 料 供 給 の 確 保 2 タナスカ 石 油 基 地 の 耐 災 化 3 SSの 耐 災 化 の 促 進 4 災 害 復 旧 車 両 の 優 先 給 油 対 策 防 災 関 係 機 関 による 燃 料 備 蓄 と 供 給 確 保 広 域 燃 料 供 給 拠 点 や 仮 設 ミニ SSなどの 確 保 表 4.1.4 燃 料 対 策 期 間 短 期 中 期 長 期 対 応 機 関 国 県 市 民 間 国 県 市 タナスカ 石 油 基 地 の 護 岸 強 化 国 県 各 施 設 の 設 備 の 充 実 県 民 間 SSの 防 水 対 策 及 び 災 害 対 応 型 SSの 整 備 SS 等 における 災 害 復 旧 車 両 への 優 先 給 油 県 民 間 国 県 市 民 間 備 蓄 場 所 設 置 箇 所 今 後 の 課 題 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 表 4.1.5 医 療 対 策 No. 対 策 項 目 期 間 短 期 中 期 長 期 対 応 機 関 今 後 の 課 題 1 浸 水 域 内 の 医 療 従 事 者 確 保 等 の 医 療 機 能 維 持 災 害 対 策 指 針 に 基 づく 医 療 機 関 の 自 己 点 検 による 防 災 力 の 向 上 県 市 医 療 機 関 への 啓 発 普 及 2 浸 水 域 内 外 の 医 療 連 携 EMIS 及 びこうち 医 療 ネッ トの 熟 知 活 用 衛 星 携 帯 電 話 等 の 複 数 の 通 信 手 段 の 普 及 県 市 県 市 訓 練 4-6 3 入 院 患 者 等 の 搬 送 浸 水 域 外 への 移 送 計 画 の 検 討 県 市 救 助 機 関 等 との 継 続 的 な 連 携 訓 練 浸 水 域 外 への 移 送 計 画 の 見 直 し 県 市 4 備 蓄 浸 水 域 内 の 備 蓄 のあり 方 の 検 討 県 市 各 医 療 機 関 の 備 蓄 公 的 備 蓄 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 4-7 表 4.1.6(1) 衛 生 対 策 (1) No. 対 策 項 目 期 間 短 期 中 期 長 期 対 応 機 関 超 急 性 期 急 性 期 における 感 染 症 等 の 予 防 対 策 と 衛 生 資 材 の 充 実 県 市 市 民 にも 解 りやすいサーベイラ ンスマニュアルの 策 定 県 市 1 感 染 症 や 健 康 被 害 等 の 拡 大 防 止 お 薬 手 帳 の 携 行 などに 関 する 啓 発 県 市 自 助 力 ( 減 災 力 )の 向 上 に 関 する 各 種 セミナー 等 の 実 施 市 既 存 啓 発 資 料 の 活 用 などによる リーフレットの 作 成 市 感 染 症 対 策 用 テントなどに 関 す る 技 術 情 報 の 収 集 市 健 康 支 援 先 遣 隊 ( 仮 称 )などの 災 害 時 地 域 保 健 推 進 体 制 の 構 築 促 県 市 2 進 浸 水 域 内 外 の 初 動 及 び 広 域 連 携 健 康 支 援 先 遣 隊 ( 仮 称 )などの 受 体 制 の 充 実 県 市 け 入 れを 想 定 した 訓 練 等 の 実 施 捜 索 従 事 者 等 の 健 康 管 理 の 促 進 県 市 3 防 疫 対 策 の 充 実 防 疫 に 関 する 市 民 活 動 マニュア ル 策 定 市 防 疫 活 動 に 関 する 関 係 団 体 等 と の 協 定 締 結 県 市 死 亡 獣 畜 などの 適 正 処 理 の 促 進 県 市 今 後 の 課 題 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 No. 4 化 学 薬 品 流 出 対 策 の 充 実 対 策 項 目 井 戸 水 や 土 壌 大 気 などの 汚 染 調 査 及 び 情 報 提 供 等 に 関 する 体 制 の 充 実 表 4.1.6(2) 衛 生 対 策 (2) 期 間 短 期 中 期 長 期 県 市 化 学 薬 品 等 に 関 する 情 報 共 有 県 市 対 応 機 関 今 後 の 課 題 市 民 及 び 各 種 事 業 者 への 啓 発 県 市 4-8 5 し 尿 及 び 生 活 ごみ 等 の 衛 生 的 処 理 対 策 6 ご 遺 体 の 収 容 及 び 火 葬 等 に 関 す る 対 策 7 収 容 避 難 所 での 衛 生 対 策 8 その 他 の 避 難 場 所 等 での 衛 生 対 策 急 性 期 等 におけるトイレ 利 用 ト イレの 作 成 などに 関 するマニュ アル 等 の 策 定 市 民 事 業 者 等 における 携 帯 簡 易 トイレの 備 蓄 促 進 捜 索 従 事 者 用 トイレなどの 適 正 配 備 各 種 災 害 用 トイレなどに 関 する 技 術 情 報 の 収 集 収 容 避 難 所 等 における 生 活 ごみ 等 の 衛 生 的 処 理 ルールの 明 確 化 災 害 時 のご 遺 体 の 収 容 及 び 火 葬 等 に 関 する 体 制 の 構 築 広 域 火 葬 等 に 関 する 各 種 訓 練 の 実 施 高 齢 者 やこどもへの 配 慮 市 衛 生 的 な 避 難 生 活 を 支 える 救 援 物 資 等 の 確 保 非 常 持 ち 出 し 品 ( 袋 ) 等 の 普 及 促 進 緊 急 避 難 場 所 やその 他 施 設 等 で の 備 蓄 資 材 の 配 備 市 市 市 市 市 県 市 県 市 県 市 市 県 市 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 No. 1 発 生 する 災 害 廃 棄 物 量 の 算 出 2 廃 棄 物 集 積 場 ( 仮 置 き 場 )の 確 保 対 策 項 目 被 害 想 定 から 廃 棄 物 発 生 量 の 推 計 災 害 発 生 時 の 発 生 量 算 出 手 法 の 確 立 廃 棄 物 発 生 量 に 基 づく 必 要 面 積 の 算 出 表 4.1.7 廃 棄 物 対 策 期 間 短 期 中 期 長 期 県 市 県 市 県 市 対 応 機 関 仮 置 き 場 設 置 に 向 けた 事 前 対 策 継 続 県 市 民 間 仮 置 き 場 候 補 地 の 選 定 継 続 国 県 市 今 後 の 課 題 県 市 の 連 携 体 制 強 化 継 続 県 市 4-9 3 災 害 時 組 織 体 制 の 構 築 4 5 迅 速 な 処 理 のための 資 機 材 の 確 等 の 確 保 災 害 廃 棄 物 処 理 に 係 る 課 題 への 対 応 関 連 団 体 等 との 協 定 締 結 市 民 間 広 域 処 理 に 関 する 連 携 協 力 体 制 の 構 築 緊 急 用 資 機 材 の 事 前 確 保 と 保 管 管 理 国 県 市 県 市 民 間 収 集 運 搬 に 関 する 事 前 対 策 県 市 災 害 発 生 時 から 応 急 対 策 時 の 行 動 計 画 の 作 成 災 害 廃 棄 物 処 理 マニュアルの 作 成 県 市 県 市 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 今 後 の 課 題 については 県 市 連 携 会 議 などにより 引 き 続 き 検 討 を 行 っていく

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 2 長 期 浸 水 解 消 シナリオ 長 期 浸 水 対 策 の 目 的 である 浸 水 域 からの 安 全 な 避 難 救 助 迅 速 な 排 水 による 早 期 復 旧 を 達 成 するためには 個 々の 対 策 による 効 果 を 積 み 上 げて 長 期 浸 水 を 早 期 に 解 消 するシナリオが 必 要 である 現 状 における 浸 水 解 消 シナリオと 対 策 実 施 によるシナリオを 以 下 に 示 す なお 災 害 時 においては 様 々な 要 因 が 障 害 となり 必 ずしもシナリオどおりにはならない 点 に 留 意 する 必 要 がある 2-1 現 状 でのシナリオ 現 状 においては 耐 震 化 されていない 多 くの 堤 防 が 沈 下 し 排 水 機 場 は 全 て 機 能 停 止 するもの と 想 定 される このため 堤 防 の 緊 急 復 旧 ( 止 水 対 策 )を 実 施 したうえで 排 水 ポンプ 車 (20 台 を 想 定 )により 排 水 を 行 うこととなる 優 先 エリアでは 止 水 完 了 が 発 災 18 日 後 排 水 が 進 み 市 街 地 の 排 水 が 完 了 (ドライ 化 )する のが 発 災 44 日 後 になると 想 定 される 優 先 エリア 以 外 では 止 水 完 了 が 42 日 後 ドライ 化 完 了 が 67 日 後 と 約 2 箇 月 を 要 することと なる 浸 水 域 内 で 避 難 している 住 民 や 復 旧 作 業 を 考 えると 優 先 エリアでも 浸 水 解 消 に 約 1 箇 月 以 上 を 要 することとなり 可 能 な 限 りの 期 間 短 縮 が 必 要 である 現 状 でのシナリオ 地 震 発 生 1 日 後 2 日 後 3 日 後 5 日 後 7 日 後 10 日 後 15 日 後 20 日 後 30 日 後 道 路 啓 開 (ステップ1: 救 助 救 出 緊 急 車 両 ) 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 40 日 後 50 日 後 60 日 後 堤 防 の 沈 下 優 先 エリア 止 水 対 策 ( 堤 防 緊 急 復 旧 ) 約 16 日 止 水 完 了 堤 防 本 復 旧 作 業 優 先 エリア 長 期 浸 水 優 先 エリアのポンプ 車 による 排 水 (24 日 ) ドライ 化 完 了 ( 約 44 日 後 ) ( 江 の 口 下 知 高 須 ) 仮 設 ポンプによる 排 水 排 水 機 場 被 災 排 水 機 場 復 旧 作 業 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 国 道 32,33 号 北 環 状 線 開 通 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 の 沈 下 止 水 対 策 ( 堤 防 緊 急 復 旧 ) 約 24 日 止 水 完 了 長 期 浸 水 ポンプ 車 による 排 水 (25 日 ) ドライ 化 完 了 ( 約 67 日 後 ) その 他 エリア 仮 設 ポンプによる 排 水 排 水 機 場 被 災 排 水 機 場 復 旧 作 業 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 注 ) 止 水 対 策 日 数 及 び 排 水 対 策 日 数 は 止 水 排 水 対 策 の 検 討 結 果 による(5-17 ヘ ーシ 及 び 5-31 ヘ ーシ 参 照 ) 4-10

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 2-2 対 策 実 施 によるシナリオ 長 期 浸 水 対 策 を 実 施 した 場 合 に 想 定 されるシナリオを 短 期 中 期 長 期 にわけて 示 す (1) 短 期 対 策 実 施 によるシナリオ 短 期 (5 年 以 内 )では ハード 的 対 策 として 河 川 堤 防 の 耐 震 化 は 一 部 進 捗 するのみであるが 9 箇 所 の 排 水 機 場 は 活 用 可 能 となる これにより 排 水 期 間 の 短 縮 が 図 られるが 排 水 が 完 了 (ド ライ 化 )まで 優 先 エリアで 約 26 日 その 他 エリアで 約 55 日 を 要 することとなる 短 期 目 標 でのシナリオ(1~5 年 後 ) 地 震 発 生 1 日 後 2 日 後 3 日 後 5 日 後 7 日 後 10 日 後 15 日 後 20 日 後 30 日 後 40 日 後 50 日 後 60 日 後 道 路 啓 開 (ステップ1: 救 助 救 出 緊 急 車 両 ) 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 の 沈 下 優 先 エリア 止 水 対 策 ( 堤 防 緊 急 復 旧 ) 約 16 日 止 水 完 了 堤 防 本 復 旧 作 業 優 先 エリア ( 江 の 口 下 長 期 浸 水 一 部 排 水 機 場 復 旧 作 業 一 部 排 水 機 場 運 転 (8 日 ) ドライ 化 完 了 (26 日 後 ) 知 高 須 ) ポンプ 車 仮 設 ポンプによる 排 水 排 水 機 場 被 災 その 他 排 水 機 場 復 旧 作 業 その 他 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 国 道 32,33 号 北 環 状 線 開 通 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 の 沈 下 止 水 対 策 ( 堤 防 緊 急 復 旧 ) 約 24 日 止 水 完 了 長 期 浸 水 一 部 排 水 機 場 復 旧 作 業 一 部 機 場 ポンプ 車 による 排 水 (13 日 ドライ 化 完 了 ( 約 55 日 後 ) その 他 エリア 仮 設 ポンプによる 排 水 排 水 機 場 被 災 その 他 排 水 機 場 復 旧 作 業 その 他 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 (2) 中 期 対 策 実 施 によるシナリオ 中 期 (10 年 以 内 )では 堤 防 の 耐 震 化 が 進 捗 するとともに 新 たに7 箇 所 程 度 の 排 水 機 場 につ いて 耐 震 耐 水 化 が 完 了 し 比 較 的 早 期 に 機 能 の 回 復 が 期 待 できる これにより 優 先 エリアでは 止 水 完 了 が 発 災 7 日 後 排 水 が 進 み 市 街 地 の 排 水 が 完 了 (ドラ イ 化 )するのが 発 災 13 日 後 になると 想 定 される 優 先 エリア 以 外 では 止 水 完 了 が 31 日 後 ドライ 化 完 了 が 40 日 後 に 短 縮 されると 想 定 される 中 期 目 標 でのシナリオ(5~10 年 後 ) 地 震 発 生 1 日 後 2 日 後 3 日 後 5 日 後 7 日 後 10 日 後 15 日 後 20 日 後 30 日 後 40 日 後 50 日 後 60 日 後 道 路 啓 開 (ステップ1: 救 助 救 出 緊 急 車 両 ) 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 損 傷 堤 防 損 傷 箇 所 復 旧 止 水 完 了 優 先 エリア ( 江 の 口 下 長 期 浸 水 一 部 排 水 機 場 復 旧 作 業 一 部 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 完 了 ( 約 13 日 後 ) 知 高 須 ) ポンプ 車 仮 設 ポンプによる 排 水 排 水 機 場 被 災 その 他 排 水 機 場 復 旧 作 業 その 他 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 国 道 32,33 号 北 環 状 線 開 通 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 の 沈 下 止 水 対 策 ( 堤 防 緊 急 復 旧 ) 約 24 日 止 水 完 了 堤 防 本 復 旧 作 業 一 部 排 水 機 場 復 旧 作 業 一 部 機 場 ポンプ 車 による 排 水 (9 日 ) ドライ 化 完 了 ( 約 40 日 後 ) その 他 エリア 仮 設 ポンプによる 排 水 排 水 機 場 被 災 排 水 機 場 復 旧 作 業 その 他 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 4-11

第 4 章 長 期 浸 水 対 策 項 目 (3) 長 期 対 策 実 施 によるシナリオ 長 期 (10 年 以 上 )では 全 域 の 堤 防 耐 震 化 が 完 了 し 約 34 箇 所 の 排 水 機 場 について 耐 震 耐 水 化 が 完 了 し 早 期 の 機 能 回 復 が 期 待 できる これにより 優 先 エリアでは 止 水 完 了 が 発 災 7 日 後 排 水 が 進 み 市 街 地 の 排 水 が 完 了 (ドラ イ 化 )するのが 発 災 10 日 後 になると 想 定 される 優 先 エリア 以 外 では 止 水 完 了 が 10 日 後 ドライ 化 完 了 が 14 日 後 と 大 幅 に 短 縮 されると 想 定 される 長 期 目 標 でのシナリオ(10 年 以 上 ) 地 震 発 生 1 日 後 2 日 後 3 日 後 5 日 後 7 日 後 10 日 後 15 日 後 20 日 後 30 日 後 40 日 後 50 日 後 60 日 後 道 路 啓 開 (ステップ1: 救 助 救 出 緊 急 車 両 ) 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 損 傷 堤 防 損 傷 箇 所 復 旧 止 水 完 了 優 先 エリア ( 江 の 口 下 長 期 浸 水 排 水 機 場 復 旧 作 業 排 水 機 場 運 転 ドライ 化 ( 約 10 日 後 ) 知 高 須 ) ポンプ 車 仮 設 ポンプによる 排 水 支 援 排 水 機 場 被 災 排 水 機 場 復 旧 作 業 その 他 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 国 道 32,33 号 北 環 状 線 開 通 道 路 啓 開 (ステップ2: 止 水 排 水 箇 所 への 輸 送 路 ) 堤 防 損 傷 堤 防 損 傷 箇 所 復 旧 止 水 完 了 長 期 浸 水 排 水 機 場 復 旧 作 業 排 水 機 場 稼 動 ドライ 化 ( 約 14 日 後 ) その 他 エリア ポンプ 車 仮 設 ポンプによる 排 水 支 援 排 水 機 場 被 災 排 水 機 場 復 旧 作 業 その 他 排 水 機 場 運 転 開 始 ドライ 化 区 域 の 道 路 啓 開 4-12

第 5 章 止 水 排 水 対 策 第 5 章 止 水 排 水 対 策 1. 止 水 排 水 対 策 について 1-1 止 水 排 水 対 策 の 検 討 内 容 長 期 浸 水 が 発 生 すると 高 知 市 街 地 の 浸 水 域 内 には 約 13 万 人 が 取 り 残 されるとともに 広 範 囲 に 及 ぶ 浸 水 域 が 災 害 復 旧 活 動 の 大 きな 障 害 となる このため 止 水 排 水 対 策 は 一 日 も 早 い 浸 水 の 解 消 を 図 ることを 目 的 とし 目 標 となる 浸 水 解 消 期 間 を 設 定 した 本 ワーキンググループでは 浸 水 を 防 護 する 水 際 構 造 物 や 排 水 施 設 の 現 況 を 把 握 し 事 前 対 策 の 優 先 箇 所 の 設 定 復 旧 対 策 案 について 検 討 を 行 った また 復 旧 活 動 に 必 要 な 道 路 啓 開 につい ても 本 ワーキンググループで 検 討 を 行 った これらの 検 討 結 果 より 対 策 案 を 提 示 し 以 下 に 示 すとりまとめを 行 った 長 期 浸 水 により 想 定 される 被 害 状 況 と 課 題 長 期 浸 水 の 状 況 と 課 題 を 明 確 にし 正 しい 情 報 を 共 有 する 長 期 浸 水 に 備 えた 事 前 対 策 長 期 浸 水 から 命 を 守 り 被 害 を 軽 減 させるために 事 前 に 実 施 しておくべき 対 策 を 示 し 今 後 の 事 業 や 計 画 に 反 映 させていく 長 期 浸 水 発 生 時 の 復 旧 対 策 案 長 期 浸 水 が 発 生 した 場 合 速 やかな 避 難 や 復 旧 対 策 を 円 滑 に 進 めるための 対 策 ( 事 後 対 策 ) を 示 し 今 後 事 業 や 計 画 に 反 映 させていく 今 後 の 課 題 と 方 策 短 中 期 的 に 解 決 困 難 な 課 題 について 解 決 するために 検 討 すべき 事 項 について 整 理 した 1-2 長 期 浸 水 発 生 時 の 浸 水 対 策 手 順 長 期 浸 水 の 発 生 後 浸 水 解 消 までの 手 順 は 以 下 の 通 りであり それぞれの 期 間 を 様 々な 対 策 に より 縮 め 早 期 の 浸 水 解 消 を 図 っていく 地 震 津 波 発 生 ( 長 期 浸 水 発 生 ) 浸 水 状 況 把 握 ( 止 水 箇 所 浸 水 範 囲 など) 止 水 対 策 ( 緊 急 復 旧 ) 道 路 啓 開 ( 止 水 対 策 箇 所 へ) 道 路 啓 開 ( 排 水 対 策 箇 所 へ) 期 間 の 短 縮 排 水 対 策 ( 応 急 排 水 :ポンプ 車 仮 設 ポンプ) 排 水 機 場 の 復 旧 長 期 浸 水 解 消 図 5.1.1 止 水 排 水 対 策 手 順 5-1

第 5 章 止 水 排 水 対 策 2. 道 路 啓 開 道 路 啓 開 は 人 命 の 救 助 救 出 物 資 人 員 輸 送 医 療 活 動 などのために 発 災 直 後 から 実 施 され る 長 期 浸 水 域 は 高 知 市 中 心 部 の 主 要 輸 送 路 を 分 断 しており 浸 水 域 外 の 道 路 河 川 堤 防 など 浸 水 水 位 より 標 高 の 高 い 道 路 を 最 大 限 に 活 用 していく 2-1 長 期 浸 水 時 の 緊 急 輸 送 道 路 災 害 時 に 緊 急 輸 送 を 円 滑 かつ 確 実 に 実 施 するために 必 要 となる 緊 急 輸 送 道 路 の 状 況 を 図 5.2.1 に 示 す 高 知 市 を 東 西 南 北 に 通 る 緊 急 輸 送 道 路 のほとんどが 長 期 浸 水 域 により 寸 断 され その 機 能 を 活 かすことができない 特 に 市 街 地 を 十 字 に 通 る 国 道 32 号 及 び 高 知 北 環 状 線 は 最 も 早 期 復 旧 が 望 まれるルート( 十 字 ルート)ではあるが この 区 間 を 盛 土 により 復 旧 させるとした 場 合 1 箇 月 以 上 の 期 間 を 要 することとなる 橋 梁 については 国 県 市 の 各 道 路 管 理 者 により 主 に 緊 急 輸 送 道 路 を 中 心 に 耐 震 補 強 が 進 め られており 国 管 理 道 路 分 は 対 策 が 完 了 し 県 管 理 の 緊 急 輸 送 道 路 についても 平 成 27 年 度 に 完 了 予 定 である( 図 5.2.1) また 緊 急 輸 送 道 路 以 外 の 橋 梁 ( 県 管 理 )についても 耐 震 補 強 に 向 けた 調 査 が 進 められている( ) 長 期 浸 水 発 生 時 には 浸 水 域 外 の 主 要 道 路 やこれに 接 続 する 道 路 ( 堤 防 道 路 等 )を 活 用 して 緊 急 輸 送 や 災 害 復 旧 を 実 施 し 浸 水 の 解 消 した 区 域 から 十 字 ルート( 国 道 32 号 及 び 高 知 北 環 状 線 ) の 啓 開 を 進 めるものとする また 橋 梁 は 止 水 排 水 対 策 を 行 う 際 の 重 要 なルートとなるので 今 後 も 緊 急 輸 送 道 路 を 中 心 に 橋 梁 の 耐 震 化 を 推 進 する 高 知 県 における 橋 梁 耐 震 補 強 阪 神 淡 路 大 震 災 クラスの 地 震 動 に 対 し 落 橋 など 甚 大 な 被 害 を 防 止 する 耐 震 対 策 国 分 川 に 架 かる 橋 梁 高 知 北 環 状 線 5-2

第 5 章 止 水 排 水 対 策 図 5.2.1 長 期 浸 水 域 周 辺 の 緊 急 輸 送 道 路 5-3

第 5 章 止 水 排 水 対 策 2-2 道 路 啓 開 の 実 施 事 項 道 路 啓 開 は 障 害 物 除 去 や 被 災 箇 所 の 応 急 復 旧 により 交 通 機 能 の 回 復 を 図 ることであり 地 震 津 波 により 高 知 市 街 地 が 被 災 した 場 合 には 道 路 啓 開 として 次 のような 作 業 を 実 施 する がれきの 除 去 運 搬 放 置 車 両 の 撤 去 倒 壊 家 屋 電 柱 などの 処 理 路 面 段 差 の 解 消 亀 裂 陥 没 箇 所 の 補 修 橋 梁 の 復 旧 仮 設 橋 梁 設 置 浸 水 箇 所 への 盛 土 仮 設 道 路 設 置 がれき 除 去 仮 設 橋 梁 仮 設 道 路 2-3 道 路 啓 開 のための 資 機 材 道 路 啓 開 に 必 要 な 主 な 資 機 材 は 下 表 のとおりである 特 に 津 波 によるがれき 除 去 ではバックホウ トラクターシャベルによる 作 業 が 主 となる また 場 所 によっては 盛 土 のための 土 砂 や 土 のうなどが 必 要 になる 必 要 な 資 機 材 を 把 握 確 保 するとともに 津 波 や 長 期 浸 水 などにより 被 災 しないように 備 蓄 保 管 しておく 表 5.2.1 道 路 啓 開 に 必 要 な 主 な 資 機 材 ブルドーザ 土 砂 ( 砕 石 栗 石 砂 ) バックホウ 鋼 矢 板 (15m 以 下 ) トラクターシャベル(クローラ) H 型 鋼 (15m 以 下 ) トラクターシャベル(ホイール) 鋼 製 マット ダンプトラック 大 型 土 のう 機 材 トラック 資 材 水 防 マット 不 整 地 運 搬 車 ブロックマット セミトレーラー 燃 料 クローラクレーン トラッククレーン 他 ホイールクレーン 国 土 技 術 政 策 総 合 研 究 所 資 料 2010 道 路 管 理 者 による 津 波 被 害 軽 減 対 策 検 討 マニュアル( 案 ) より 標 準 断 面 図 0.5 5.0 4.0( 道 路 ) 0.5 敷 き 砂 利 t=10cm 2.0 大 型 土 のう 2 段 積 み 6.0 東 日 本 大 震 災 における 道 路 啓 開 ( 東 北 地 整 資 料 より) 大 型 土 のうを 用 いた 浸 水 域 の 仮 設 道 路 (H=2m) 5-4

第 5 章 止 水 排 水 対 策 2-4 道 路 啓 開 の 実 施 体 制 道 路 啓 開 は 道 路 管 理 者 と 災 害 協 定 を 結 んでいる 建 設 関 係 団 体 や 自 衛 隊 などにより 実 施 される 高 知 市 内 には 70~80 社 程 度 の 建 設 業 者 があるが 浸 水 域 内 に 所 在 する 業 者 も 多 く 被 災 を 免 れ た 建 設 業 者 を 中 心 とした 体 制 作 りを 行 う また 発 災 直 後 の 情 報 が 混 乱 し 通 信 連 絡 手 段 が 限 られる 中 で 効 率 的 な 道 路 啓 開 を 実 施 す るための 行 政 関 係 団 体 業 者 間 の 連 絡 指 示 体 制 を 事 前 に 構 築 しておく 特 に 発 災 から 3 日 程 度 は 人 命 救 助 を 最 優 先 とした 救 助 救 出 活 動 が 行 われることから 救 助 機 関 と 十 分 な 連 携 を 行 う 道 路 啓 開 の 実 施 体 制 に 関 しての 主 な 留 意 事 項 を 以 下 に 示 す 発 災 前 災 害 協 定 重 機 台 数 などの 把 握 道 路 啓 開 実 施 体 制 の 構 築 建 設 業 以 外 の 団 体 との 協 定 ( 林 業 団 体 など) 担 当 エリアなどの 事 前 調 整 ( 協 定 団 体 内 ) 連 絡 体 制 行 政 業 者 の 被 災 を 想 定 した 連 絡 体 制 の 構 築 ( 衛 星 電 話 など) 集 合 場 所 などを 決 めておく(まずはそこに 参 集 ) 発 災 後 啓 開 ルート 発 災 から 3 日 間 は 人 命 救 助 を 最 優 先 とする 優 先 すべき 道 路 の 選 定 ( 緊 急 輸 送 道 路 医 療 機 関 搬 送 路 燃 料 輸 送 ライフライン 確 保 止 水 排 水 対 策 箇 所 など) 重 要 なルートは 機 材 を 集 中 投 入 して 早 期 啓 開 進 捗 管 理 情 報 収 集 被 災 状 況 の 的 確 な 把 握 要 啓 開 道 路 の 把 握 燃 料 供 給 燃 料 供 給 体 制 の 確 保 燃 料 の 一 括 補 給 体 制 指 揮 管 理 体 制 の 一 元 化 ( 国 県 市 などの 道 路 管 理 区 分 や 道 路 河 川 港 湾 などの 管 轄 を 超 えて) 啓 開 完 了 区 間 の 把 握 と 的 確 な 機 材 の 配 置 幅 員 の 狭 い 道 路 では 最 低 1 車 線 を 確 保 する 状 況 によっては わずかな 区 間 で 数 日 かかるケースもある 通 行 可 能 道 路 に 関 しての 情 報 提 供 ( 四 国 道 路 情 報 システムの 活 用 ) 図 5.2.2 道 路 啓 開 の 実 施 体 制 に 関 しての 留 意 事 項 5-5

第 5 章 止 水 排 水 対 策 2-5 道 路 啓 開 の 実 施 順 序 ( 啓 開 ルート) 長 期 浸 水 域 周 辺 の 道 路 啓 開 は 早 期 の 止 水 排 水 のため 以 下 のステップでの 実 施 を 想 定 する 救 助 救 出 ( 浸 水 域 外 の 主 要 幹 線 道 路 ) 止 水 排 水 箇 所 ( 堤 防 )へのアクセス 道 路 止 水 排 水 作 業 ( 主 に 堤 防 道 路 ) 浸 水 域 の 復 旧 ( 十 字 ルートなど) ステップ1 発 災 直 後 ( 浸 水 域 外 の 主 要 幹 線 道 路 ) 発 災 後 0~3 日 程 度 ( 人 命 救 助 を 最 優 先 ) 対 象 道 路 浸 水 域 外 の 主 要 幹 線 道 路 医 療 機 関 などへの 搬 送 路 域 外 から 被 災 地 への 主 要 幹 線 道 路 燃 料 輸 送 道 路 (タナスカ) 県 庁 など 防 災 拠 点 への 道 路 要 救 助 者 救 出 のための 道 路 啓 開 内 容 がれき 除 去 段 差 解 消 陥 没 など 補 修 課 題 太 平 洋 岸 道 路 の 被 災 未 耐 震 化 橋 梁 の 被 災 高 知 道 の 通 行 確 保 高 知 南 国 道 路 の 早 期 開 通 ステップ2 復 旧 初 期 ( 浸 水 域 へのアクセス 道 路 ) 発 災 後 1 日 後 ~1 週 間 程 度 ( 復 旧 初 期 ) 対 象 道 路 避 難 者 救 出 のための 道 路 被 災 者 支 援 物 資 輸 送 路 浸 水 域 内 への 支 援 道 路 止 水 排 水 対 策 箇 所 へのアクセス 道 路 排 水 機 場 への 道 路 啓 開 内 容 がれき 除 去 段 差 解 消 部 分 盛 土 課 題 浸 水 域 による 道 路 不 連 続 浸 水 域 への 仮 設 路 設 置 高 知 ICからの 連 絡 道 路 接 続 5-6

第 5 章 止 水 排 水 対 策 ステップ3 止 水 対 策 排 水 対 策 ( 浸 水 域 内 の 堤 防 道 路 など) 発 災 後 2 日 後 ~3 週 間 程 度 ( 止 水 対 策 排 水 対 策 ) 対 象 道 路 止 水 を 兼 ねた 堤 防 道 路 復 旧 排 水 ポンプ 配 置 箇 所 へのルート 排 水 機 場 へのルート 啓 開 内 容 堤 防 の 復 旧 ( 土 のうなど) 橋 梁 仮 復 旧 部 分 盛 土 仮 設 路 課 題 堤 防 の 被 災 沈 下 未 耐 震 化 橋 梁 の 被 災 堤 防 道 路 の 不 連 続 通 行 不 能 区 間 ( 排 水 ポンプ 車 の 搬 入 路 確 保 ) ステップ4 浸 水 域 の 復 旧 ( 十 字 ルートを 中 心 とする 主 要 道 路 ) 発 災 後 3 週 間 ~1 箇 月 以 降 ( 浸 水 域 の 復 旧 ) 対 象 道 路 国 道 32 号 北 環 状 線 ( 十 字 ルート) 排 水 に 伴 いドライ 化 した 道 路 啓 開 内 容 がれき 除 去 部 分 盛 土 仮 設 路 課 題 残 浸 水 区 間 への 仮 設 盛 土 がれきの 除 去 幹 線 道 路 の 早 期 復 旧 5-7

第５章 止水 排水対策 高知道の通行確保 高知ＩＣ周辺 道路の浸水 堤防道路不連続 道路浸水 堤防道路不連続 堤防道路不連続 堤防道路の不連続区間の例 主要幹線道路浸水 幅員狭小 堤防道路不連続 道路浸水 道路浸水 タナスカ周辺 道路の浸水 道路浸水 太平洋岸の津波被災 太平洋岸の津波被災 図 5.2.3 各地 橋梁の被災 道路啓開ルートの主な問題点 5-8

第 5 章 止 水 排 水 対 策 2-6 道 路 啓 開 の 対 策 長 期 浸 水 に 対 する 道 路 啓 開 対 策 としては 長 期 浸 水 に 備 えた 道 路 の 整 備 と 発 災 後 速 やか な 道 路 啓 開 の 実 施 の 2 点 があげられる それぞれの 対 策 項 目 は 下 記 のとおりである 事 前 対 策 長 期 浸 水 に 備 えた 道 路 整 備 項 目 主 な 対 策 役 割 分 担 耐 震 化 道 路 整 備 橋 梁 の 耐 震 化 推 進 ( 緊 急 輸 送 道 路 止 水 排 水 利 用 道 路 ) 高 知 南 国 道 路 の 早 期 整 備 ( 高 知 南 IC- 高 知 東 IC 間 は H26 年 度 開 通 予 定 ) 国 ( 整 備 局 ) 県 ( 土 木 部 ) 市 ( 都 市 建 設 部 ) 国 ( 整 備 局 ) 目 標 期 間 中 期 中 期 事 前 対 策 事 後 対 策 発 災 後 速 やかな 道 路 啓 開 項 目 主 な 対 策 役 割 分 担 資 機 材 の 確 保 実 施 体 制 実 施 体 制 資 機 材 の 備 蓄 保 管 調 達 ( 重 機 土 のう 災 害 協 定 等 ) 道 路 啓 開 実 施 体 制 の 構 築 被 災 状 況 の 的 確 な 把 握 と 管 理 道 路 啓 開 ステップによる 効 率 的 な 啓 開 の 実 施 ( 救 助 救 出 避 難 医 療 物 資 輸 送 止 水 排 水 などを 考 慮 ) 通 行 可 能 道 路 の 情 報 提 供 ( 道 路 情 報 システムの 活 用 など) 復 旧 作 業 への 優 先 的 な 燃 料 供 給 の 実 施 国 ( 整 備 局 ) 県 ( 土 木 部 ) 市 ( 都 市 建 設 部 ) 建 設 業 者 リース 業 者 国 ( 整 備 局 自 衛 隊 ) 県 ( 土 木 部 警 察 ) 市 ( 都 市 建 設 部 ) 建 設 業 者 国 ( 整 備 局 ) 県 ( 土 木 部 危 機 管 理 部 ) 市 ( 都 市 建 設 部 ) 目 標 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 目 標 期 間 中 期 短 期 短 期 5-9

第 5 章 止 水 排 水 対 策 3. 止 水 対 策 3-1 堤 防 護 岸 の 現 況 (1) 天 端 高 長 期 浸 水 域 周 辺 の 堤 防 護 岸 ( 海 岸 河 川 )の 天 端 高 は 水 門 締 切 方 式 となっている 江 の 口 川 などを 除 けば T.P.+2.7m 以 上 の 高 さがあり 地 震 による 地 盤 沈 降 (1.95m)が 生 じても 満 潮 位 (T.P+0.75m) 以 上 の 高 さが 確 保 されている しかし 地 震 に 伴 う 液 状 化 により 堤 防 の 沈 下 が 生 じ ると 満 潮 位 以 上 の 高 さが 確 保 できなくなる 恐 れがある (2) 堤 防 の 耐 震 化 状 況 及 び 対 策 検 討 区 間 1 河 川 堤 防 河 川 堤 防 のうち 国 分 川 鏡 川 舟 入 川 の 一 部 区 間 は 耐 震 対 策 済 となっており この 区 間 に ついては 液 状 化 による 天 端 の 沈 降 は 生 じないものとする( 図 5.3.1 耐 震 対 策 済 ) これ 以 外 の 河 川 堤 防 については 現 在 耐 震 点 検 が 進 められており このうち 耐 震 対 策 が 必 要 あるいは 耐 震 対 策 が 検 討 されている 区 間 を 図 5.3.1 に 示 した 2 海 岸 堤 防 高 知 港 内 の 海 岸 堤 防 については 改 良 が 計 画 されており 今 後 20 年 程 度 を 目 標 に 整 備 が 予 定 されている この 区 間 を 対 策 検 討 区 間 とした 国 分 川 右 岸 堤 防 タナスカ 地 区 護 岸 5-10

第 5 章 止 水 排 水 対 策 耐 震 対 策 済 イメージ 耐 震 対 策 済 イメージ 図 5.3.1 長 期 浸 水 域 周 辺 の 堤 防 護 岸 の 耐 震 化 状 況 等 5-11

第 5 章 止 水 排 水 対 策 3-2 長 期 浸 水 対 策 からの 耐 震 対 策 優 先 箇 所 前 項 で 示 した 耐 震 対 策 重 点 区 間 検 討 区 間 について 今 後 堤 防 護 岸 の 耐 震 化 を 検 討 実 施 し ていく 耐 震 対 策 の 優 先 度 については 優 先 エリア( 江 の 口 下 知 高 須 地 区 ) 既 存 の 耐 震 化 区 間 と の 連 続 性 重 要 施 設 の 防 護 を 考 慮 し 下 表 及 び 図 5.3.2 のとおり 区 分 した 優 先 度 が 最 も 高 いのは( 優 先 度 1) 江 の 口 下 知 エリアの 南 側 及 び 東 側 の 区 間 であり 既 存 の 耐 震 化 区 間 と 連 続 させることにより 防 護 効 果 が 高 く 排 水 対 策 にも 寄 与 が 大 きい この 区 間 に ついては 概 ね5 年 以 内 の 対 策 完 了 を 目 指 す 次 いで 優 先 度 が 高 いのは( 優 先 度 2) 江 の 口 下 知 エリアの 残 区 間 高 須 エリアの 北 側 区 間 人 口 密 集 地 である 潮 江 エリア 燃 料 基 地 である 三 里 地 区 のタナスカとした この 区 間 については 5~10 年 以 内 の 対 策 完 了 を 目 指 す その 他 の 区 間 は 優 先 度 3となり 対 策 実 施 は 10 年 後 以 降 となるが できるだけ 早 期 の 対 策 実 施 を 検 討 していく なお 青 色 で 着 色 した 耐 震 対 策 済 の 区 間 については 現 在 実 施 している 地 質 調 査 等 の 結 果 をふ まえ 耐 震 対 策 の 必 要 性 を 判 断 していく また 耐 震 対 策 の 工 法 については 国 などから 示 される 指 針 等 に 基 づき 見 直 しを 行 いながら 対 策 を 進 めていく 表 5.3.1 長 期 浸 水 対 策 からみた 堤 防 護 岸 の 耐 震 対 策 優 先 箇 所 ( 案 ) 対 策 優 先 度 対 象 箇 所 概 算 延 長 設 定 根 拠 優 先 度 1 ( 短 期 :5 年 以 内 ) 優 先 度 2 ( 中 期 :5~10 年 ) 優 先 度 3 ( 長 期 :10 年 以 上 ) 江 の 口 下 知 エリア 優 先 エリア 堀 川 下 流 左 岸 既 存 耐 震 区 間 との 連 続 区 間 約 3km 鏡 川 左 岸 重 要 施 設 ( 広 域 的 な 災 害 拠 点 病 院 等 ) 江 の 口 川 下 流 部 江 の 口 下 知 エリア 優 先 エリア 久 万 川 右 岸 既 存 耐 震 区 間 との 隣 接 区 間 重 要 施 設 ( 広 域 的 な 災 害 拠 点 病 院 等 ) 高 須 エリア 優 先 エリア 舟 入 川 左 岸 既 存 耐 震 区 間 との 連 続 区 間 約 9km 潮 江 エリア 人 口 密 集 地 鏡 川 右 岸 高 知 港 三 里 エリア 重 要 施 設 ( 燃 料 ) タナスカ 上 記 以 外 の 区 間 約 18km 5-12

第 5 章 止 水 排 水 対 策 耐 震 対 策 済 イメージ 耐 震 対 策 済 イメージ 図 5.3.2 長 期 浸 水 対 策 からみた 堤 防 護 岸 の 対 策 優 先 度 ( 案 ) 5-13

第 5 章 止 水 排 水 対 策 3-3 止 水 工 法 ( 堤 防 の 緊 急 復 旧 ) 耐 震 対 策 がされていない 堤 防 が 地 盤 沈 降 液 状 化 により 天 端 高 が 不 足 したケースを 想 定 し 緊 急 復 旧 工 法 を 検 討 した ここで 緊 急 復 旧 とは 新 たな 浸 水 が 生 じないように 堤 内 外 を 締 め 切 る ものとし 止 水 後 の 排 水 対 策 復 旧 活 動 を 考 慮 して 車 両 の 通 行 を 考 慮 した 天 端 幅 (5m 程 度 ) を 確 保 する 緊 急 復 旧 は 次 の 手 順 で 実 施 する 実 施 事 項 1 被 災 状 況 の 把 握 2 要 対 策 箇 所 の 選 定 3 対 策 工 法 の 選 定 4 資 機 材 実 施 業 者 の 確 保 5 輸 送 路 の 確 保 6 対 策 実 施 緊 急 復 旧 の 対 策 工 法 に 求 められる 要 素 としては 次 の 項 目 があげられる 1 施 工 速 度 ( 機 動 性 ) 2 施 工 の 容 易 さ 3 資 機 材 の 備 蓄 保 管 施 設 4 遮 水 能 力 の 高 さ 5 狭 い 場 所 での 施 工 性 想 定 される 工 法 としては 大 型 土 のう 工 法 小 型 土 のう 工 法 鋼 矢 板 二 重 締 切 工 法 があげられ 上 記 項 目 を 勘 案 すると 大 型 土 のう 工 法 が 汎 用 性 資 機 材 施 工 性 などの 観 点 より 適 用 性 が 高 いと 判 断 される ただし 長 期 浸 水 発 生 時 には 要 対 策 箇 所 が 非 常 に 多 くなり 被 災 状 況 や 被 災 規 模 も 多 様 となる ことから 大 型 土 のう 工 法 だけではなく 鋼 矢 板 工 法 など 他 の 工 法 についても 積 極 的 に 活 用 して いく 特 に 沈 下 量 が 大 きく 復 旧 する 高 さがある 場 合 などには 鋼 矢 板 工 法 が 有 効 となる 施 工 箇 所 への 資 機 材 の 輸 送 は 道 路 啓 開 で 示 したとおり 浸 水 域 外 の 主 要 幹 線 道 路 浸 水 域 へのアクセス 道 路 堤 防 ( 止 水 箇 所 ) の 順 でアクセスすることとなり 止 水 対 策 は 被 災 を 免 れた 堤 防 やアクセス 道 路 との 接 合 点 ( 橋 梁 部 など)を 基 点 として 進 めていく また 陸 上 からの 施 工 だけではなく 鏡 川 下 流 部 など 堤 防 道 路 の 活 用 が 難 しい 箇 所 では 海 上 施 工 (クレーン 台 船 )やヘリコプターによる 資 機 材 運 搬 などの 手 法 も 考 慮 する 5-14

第 5 章 止 水 排 水 対 策 大 型 土 のう 据 付 図 ( 縦 断 図 ) バックホウ(0.45~0.7m3) クレーン 機 能 付 き2.9t 吊 り 不 整 地 運 搬 車 ( 全 旋 回 型 ) 2.0 2 段 積 み 大 型 土 のう バックホウ(0.45~0.7m3) クレーン 機 能 付 き2.9t 吊 り 大 型 土 のう 据 付 図 ( 平 面 図 ) 不 整 地 運 搬 車 ( 全 旋 回 型 ) 大 型 土 のう6 袋 積 載 0.5 バックホウ 敷 き 砂 利 大 型 土 のう 大 型 土 のう 5.0 4.0 土 砂 0.5 堤 防 不 整 地 運 搬 車 あるいはダンプトラックにより 運 搬 された 大 型 土 のうをクレ ーン 機 能 付 きバックホウにより 据 付 を 行 う 大 型 土 のうによる 止 水 対 策 工 完 了 後 工 事 用 道 路 として 上 部 に 路 盤 整 備 を 行 い 工 事 用 建 設 車 両 の 通 行 を 可 能 にする 大 型 土 のうによる 施 工 速 度 1 積 算 基 準 による( 高 さ2m 天 端 幅 5m) 約 20~30m/ 日 (24 時 間 施 工 ) 図 5.3.3 大 型 土 のうによる 止 水 対 策 例 の 模 式 図 破 堤 箇 所 に 矢 板 を 打 設 しながら 地 盤 情 報 土 砂 を 取 堤 得 防 し 大 型 上 土 載 のう 荷 重 に 敷 必 き 要 砂 な 利 支 大 持 型 力 の 土 有 のうバックホウ 無 を 確 認 し 被 災 時 の 水 上 締 切 を 行 う 鋼 矢 板 による 施 工 速 度 ( 二 重 締 切 り) 1 積 算 基 準 による( 高 さ2m 天 端 幅 5m 中 詰 土 ) 約 12m/ 日 (24 時 間 2 台 施 工 ) 2 左 図 高 知 県 産 学 官 連 携 研 究 約 50m/ 日 平 成 24 年 度 高 知 県 産 学 官 連 携 産 業 創 出 研 究 推 進 事 業 委 託 南 海 地 震 による 津 波 被 害 軽 減 と 浸 水 継 続 時 間 を 短 縮 する 対 策 技 術 の 開 発 高 知 大 学 技 研 製 作 所 図 5.3.4 鋼 矢 板 を 用 いた 締 切 工 法 の 検 討 例 日 本 作 業 船 協 会 HPより クレーン 台 船 中 央 防 災 会 議 大 規 模 水 害 対 策 に 関 する 専 門 調 査 会 資 料 ヘリコプターによる 土 のう 空 輸 5-15

第 5 章 止 水 排 水 対 策 3-4 止 水 のための 資 機 材 止 水 対 策 に 必 要 となる 主 な 資 機 材 を 以 下 に 示 す 機 材 表 5.3.2 止 水 対 策 に 必 要 な 主 な 資 機 材 バックホウ 土 砂 ( 砕 石 栗 石 砂 ) ダンプトラック 鋼 製 マット 不 整 地 運 搬 車 又 はダンプトラック 大 型 土 のう クレーン( 鋼 矢 板 ) 小 型 土 のう パワーユニット( 鋼 矢 板 ) ブルーシート 油 圧 圧 入 機 ( 鋼 矢 板 ) 資 材 鋼 矢 板 10tトラック( 鋼 矢 板 ) 覆 工 板 ( 鋼 矢 板 ) セミトレーラー( 鋼 矢 板 ) 燃 料 クレーン 台 船 ( 海 上 施 工 ) 他 ヘリコプター( 空 輸 ) 資 材 の 現 在 の 備 蓄 量 は 大 型 土 のうが 高 知 市 内 に 460 枚 県 全 体 で 約 3,600 枚 あるが 高 知 市 内 の 備 蓄 箇 所 は 浸 水 区 域 内 となっており 備 蓄 量 の 大 幅 な 増 加 と 浸 水 域 外 での 備 蓄 を 実 施 してい く 備 蓄 の 方 法 としては 一 定 量 の 通 常 備 蓄 のほか 流 通 業 者 との 協 定 により 流 通 在 庫 備 蓄 を 行 う 方 法 もある( 高 知 市 内 の 流 通 業 者 には 大 型 土 のう 1,000 枚 程 度 の 在 庫 がある) また 県 外 自 治 体 などとの 支 援 協 定 による 確 保 もする このほか 土 砂 採 取 可 能 な 山 や 建 設 残 土 などを 長 期 浸 水 域 へ 運 搬 可 能 な 範 囲 に あらかじめ 確 保 しておくものとする 鋼 矢 板 については 現 在 のところ 高 知 市 内 に 一 定 量 の 備 蓄 等 はなく 県 外 からの 調 達 となるこ とから 今 後 は 備 蓄 を 検 討 する 5-16

第 5 章 止 水 排 水 対 策 3-5 緊 急 復 旧 日 数 及 び 資 機 材 量 長 期 浸 水 発 生 時 に 大 型 土 のう 工 法 により 止 水 対 策 を 実 施 した 場 合 の 規 模 及 び 数 量 を 算 出 した 対 象 堤 防 は 図 5.3.1 に 示 した 耐 震 対 策 検 討 区 間 のうち 液 状 化 によって 天 端 高 が 長 期 浸 水 水 位 (T.P.+0.75m)より 低 くなるとされる 区 間 であり( 図 5.3.5) 沈 下 後 の 高 さから 水 位 以 上 の 高 さ まで 復 旧 させるものとした 施 工 パーティは 400mに 1 パーティと 仮 定 している 対 象 区 間 延 長 約 32kmが 被 災 し 土 のうを 両 サイドのみに 積 んだケースでも 大 型 土 のうが 約 15 万 個 必 要 となる 優 先 エリアである 江 の 口 下 知 高 須 エリア 分 だけでも 約 5 万 個 であり 大 幅 な 備 蓄 量 の 増 加 が 必 要 となる また 施 工 機 械 を 十 分 に 確 保 して 24 時 間 施 工 を 行 っても 各 エリアで 7 日 から 24 日 を 要 する こととなる 江 の 口 下 知 エリアだけでも 27 パーティが 必 要 (1パーティあたり バックホウ 1 台 ダンプトラック4 台 程 度 )となることから 建 設 関 係 団 体 との 事 前 の 協 定 調 整 を 行 い 多 くの 施 工 パーティの 確 保 を 行 う 必 要 な 燃 料 ( 軽 油 )も 約 1,050 キロリットルとなり 高 知 市 内 全 ガソリンスタンドの 軽 油 貯 留 可 能 量 は 約 1,180 キロリットルであることから(H23 燃 料 WG 資 料 より) 燃 料 の 備 蓄 供 給 体 制 の 確 保 が 必 要 である 表 5.3.3 エリア 別 止 水 対 策 数 量 ( 大 型 土 のう 工 法 ) エリア 土 のう 数 対 象 区 間 土 砂 施 工 施 工 日 数 燃 料 両 サイドの 延 長 (km) (m3) パーティ 数 ( 日 ) ( 軽 油 :kl) み 土 のう 江 の 口 下 知 7.9 42,816 18,064 27 10.9 174 高 高 須 5.8 57,800 30,800 17 15.8 235 須 出 分 3.3 38,600 22,000 11 17.4 157 長 浜 3.3 16,305 6,522 10 7.1 66 潮 江 0.9 10,274 5,604 3 13.3 42 北 部 4.4 52,800 25,140 14 22.7 231 三 里 6.2 74,133 45,170 20 23.3 302 合 計 31.7 292,728 153,300 102-1,050 備 考 止 水 対 策 数 量 は 以 下 の 条 件 で 算 出 した 対 策 区 間 延 長 は 耐 震 点 検 の 結 果 より 地 震 後 に 長 期 浸 水 水 位 (T.P.+0.75m) 以 下 になる 区 間 とした 土 のう 段 数 は 耐 震 点 検 結 果 を 元 に 1~3 段 積 みで 設 定 した 土 のう 数 は 天 端 幅 5mとなる 構 成 で 両 サイドに 積 むものとして 算 出 している 施 工 パーティは 土 のう 運 搬 車 据 付 機 械 (バックホウなど)で 構 成 されたパーティを 示 し アクセス 道 路 や 橋 梁 の 配 置 などから 概 ね 400mに 1 パーティ 程 度 とした 施 工 日 数 は 1 日 24 時 間 施 工 とした 燃 料 消 費 量 は 1パーティ1 日 あたり 1.05kl で 算 出 した 鋼 矢 板 工 法 を 用 いた 場 合 二 重 締 切 方 式 で 延 長 100mあたり 鋼 矢 板 500 枚 が 必 要 であり 鋼 矢 板 についても 備 蓄 や 機 材 ( 圧 入 機 など)の 確 保 をしていく 5-17

第 5 章 止 水 排 水 対 策 緊 急 復 旧 対 象 箇 所 は 耐 震 対 策 検 討 区 間 のうち 天 端 高 が T.P.+0.75m 以 下 になる 可 能 性 のある 区 間 図 5.3.5 緊 急 復 旧 対 象 箇 所 5-18

第 5 章 止 水 排 水 対 策 地 区 潮 江 江 の 口 下 知 北 部 高 須 ( 出 分 ) 高 須 ( 高 須 ) 三 里 長 浜 表 5.3.4 大 型 土 のう 工 法 数 量 算 出 根 拠 番 号 施 工 ハ ーティー 土 のう 高 土 のう 数 ( 袋 /m) 延 長 土 のう 数 ( 袋 ) 日 当 たり 8 時 間 施 工 24 時 間 施 工 (8h) 数 ( 段 数 ) 全 て 土 のうで 両 サイドのみ (m) 全 て 土 のうで 両 サイドのみ (400m 間 隔 ) 所 要 日 数 所 要 日 数 構 築 土 のう 構 築 土 のう 施 工 量 3 2 11 6 934 10,274 5,604 86 3 39.8 13.3 小 計 934 10,274 5,604 3 39.8 13.3 最 大 日 数 39.8 13.3 5 1 5 2 400 2,000 800 86 1 23.3 7.8 6 1 5 2 1,700 8,500 3,400 86 5 19.8 6.6 7 1 5 2 662 3,310 1,324 86 2 19.2 6.4 8 2 11 6 109 1,199 654 86 1 13.9 4.6 9 1 5 2 842 4,210 1,684 86 3 16.3 5.4 41 1 5 2 1,000 5,000 2,000 86 3 19.4 6.5 44 2 11 6 256 2,816 1,536 86 1 32.7 10.9 45 2 11 6 92 1,012 552 86 1 11.8 3.9 46 2 11 6 129 1,419 774 86 1 16.5 5.5 71 1 5 2 870 4,350 1,740 86 3 16.9 5.6 74 1 5 2 900 4,500 1,800 86 3 17.4 5.8 75 1 5 2 900 4,500 1,800 86 3 17.4 5.8 小 計 7,860 42,816 18,064 27 224.6 74.8 最 大 日 数 32.7 10.9 30 3 11 12 550 6,050 6,600 86 2 35.2 11.7 31 3 18 12 650 11,700 7,800 86 2 68.0 22.7 32 2 11 6 400 4,400 2,400 86 1 51.2 17.1 33 1 5 2 600 3,000 1,200 86 2 17.4 5.8 34 1 5 2 70 350 140 86 1 4.1 1.4 35 1 18 2 600 10,800 1,200 86 2 62.8 20.9 36 2 11 6 700 7,700 4,200 86 2 44.8 14.9 37 1 11 2 800 8,800 1,600 86 2 51.2 17.1 小 計 4,370 52,800 25,140 14 334.7 111.6 最 大 日 数 68.0 22.7 61 2 11 6 2,100 23,100 12,600 86 6 44.8 14.9 62 3 18 12 500 9,000 6,000 86 2 52.3 17.4 63 1 5 2 200 1,000 400 86 1 11.6 3.9 27 2 11 6 500 5,500 3,000 86 2 32.0 10.7 小 計 3,300 38,600 22,000 11 140.7 46.9 最 大 日 数 52.3 17.4 25 2 11 6 2,600 28,600 15,600 86 7 47.5 15.8 16 2 11 6 600 6,600 3,600 86 2 38.4 12.8 17 2 11 6 1,000 11,000 6,000 86 3 42.6 14.2 18 1 5 2 1,000 5,000 2,000 86 3 19.4 6.5 22 2 11 6 600 6,600 3,600 86 2 38.4 12.8 小 計 5,800 57,800 30,800 17 186.3 62.1 最 大 日 数 47.5 15.8 10 2 11 6 348 3,828 2,088 86 1 44.5 14.8 11 1 5 2 1,186 5,930 2,372 86 3 23.0 7.7 12 3 18 12 600 10,800 7,200 86 2 62.8 20.9 13 3 18 12 410 7,380 4,920 86 2 42.9 14.3 14 3 18 12 1,000 18,000 12,000 86 3 69.8 23.3 15 3 18 12 1,000 18,000 12,000 86 3 69.8 23.3 54 1 5 2 758 3,790 1,516 86 2 22.0 7.3 56 1 5 2 577 2,885 1,154 86 2 16.8 5.6 57 2 11 6 320 3,520 1,920 86 2 20.5 6.8 小 計 6,199 74,133 45,170 20 372.1 124.0 最 大 日 数 69.8 23.3 47 1 5 2 214 1,070 428 86 1 12.4 4.1 50 1 5 2 682 3,410 1,364 86 2 19.8 6.6 51 1 5 2 930 4,650 1,860 86 3 18.0 6.0 52 1 5 2 735 3,675 1,470 86 2 21.4 7.1 53 1 5 2 700 3,500 1,400 86 2 20.3 6.8 小 計 3,261 16,305 6,522 10 91.9 30.6 最 大 日 数 21.4 7.1 合 計 31,724 292,728 153,300 102 1,390 463.3 最 大 69.8 23.3 5-19

第 5 章 止 水 排 水 対 策 3-6 止 水 の 対 策 止 水 のための 対 策 としては 堤 防 護 岸 の 機 能 強 化 止 水 資 機 材 の 確 保 備 蓄 効 率 的 な 緊 急 復 旧 の 実 施 の3 点 があげられる それぞれの 対 策 項 目 は 下 記 のとおりである 事 前 対 策 堤 防 護 岸 の 機 能 強 化 項 目 課 題 への 主 な 対 策 役 割 分 担 堤 防 護 岸 の 機 能 強 化 優 先 順 位 による 堤 防 護 岸 等 の 耐 震 補 強 ( 計 画 の 推 進 実 施 前 倒 し) 水 門 ゲートや 構 造 体 接 合 部 などの 補 強 排 水 路 等 の 止 水 対 策 ( 逆 流 防 止 フラップゲート) 国 ( 整 備 局 ) 県 ( 土 木 部 ) 県 ( 土 木 部 ) 市 ( 都 市 建 設 部 ) 市 ( 農 林 水 産 部 ) 目 標 期 間 短 期 ~ 長 期 長 期 事 前 対 策 止 水 資 機 材 の 確 保 備 蓄 項 目 課 題 への 主 な 対 策 役 割 分 担 資 機 材 備 蓄 必 要 資 機 材 の 把 握 ( 土 のう 土 砂 鋼 矢 板 建 設 機 械 など) 備 蓄 量 の 大 幅 増 加 関 係 団 体 との 協 定 浸 水 域 外 での 資 機 材 備 蓄 保 管 ( 備 蓄 場 所 確 保 ) 土 取 場 の 確 保 ( 備 蓄 建 設 残 土 開 発 計 画 箇 所 ) 県 ( 土 木 部 ) 市 ( 都 市 建 設 部 ) 建 設 業 者 リース 業 者 目 標 期 間 中 期 県 外 からの 資 機 材 調 達 ( 自 治 体 との 支 援 協 定 など) 県 ( 土 木 部 ) 短 期 流 通 在 庫 備 蓄 の 実 施 県 ( 土 木 部 ) 流 通 業 者 中 期 事 前 対 策 効 率 的 な 緊 急 復 旧 項 目 課 題 への 主 な 対 策 役 割 分 担 実 施 体 制 建 設 関 係 団 体 との 事 前 協 定 について 具 体 化 県 ( 土 木 部 ) 建 設 業 者 目 標 期 間 短 期 事 後 対 策 緊 急 復 旧 作 業 被 災 状 況 の 的 確 な 把 握 と 管 理 優 先 箇 所 からの 対 策 実 施 ( 原 則 として 江 の 口 下 知 高 須 地 区 を 優 先 するが 救 助 救 出 医 療 などの 観 点 からも 被 災 状 況 に 応 じて 検 討 ) 堤 防 の 道 路 機 能 としての 確 保 施 工 箇 所 施 工 体 制 資 機 材 なども 考 慮 した 工 法 選 定 ( 鋼 矢 板 工 法 など) 海 上 施 工 の 検 討 資 材 の 空 輸 国 ( 整 備 局 ) 県 ( 土 木 部 ) 目 標 期 間 は 短 期 (5 年 以 内 ) 中 期 (5~10 年 ) 長 期 (10 年 以 上 )とした 短 期 5-20

第 5 章 止 水 排 水 対 策 4. 排 水 対 策 4-1 長 期 浸 水 時 の 排 水 方 法 長 期 浸 水 が 発 生 した 場 合 には 止 水 対 策 により 新 たな 浸 水 を 防 いだ 上 で 排 水 を 実 施 すること になる しかし 既 存 の 排 水 機 場 は 地 震 や 津 波 により 被 災 し 現 段 階 では 早 期 に 運 転 を 行 うこと は 困 難 であり 被 災 箇 所 の 復 旧 には 相 当 な 時 間 を 要 する( 浸 水 した 場 合 には 約 半 年 程 度 ) このため 災 害 時 の 応 急 排 水 用 として 排 水 ポンプ 車 や 仮 設 ポンプなどを 主 体 とした 排 水 を 実 施 する 排 水 ポンプ 車 は 排 水 能 力 別 に 複 数 の 機 種 があるが 本 対 策 では 人 力 で 設 置 が 可 能 な 30 m3/ 分 クラスを 想 定 する(これ 以 上 のクラスは 設 置 にクレーンが 必 要 ) また ポンプ 車 は 国 土 交 通 省 により 全 国 に 多 く 配 置 されているが 広 域 災 害 時 には 支 援 が 限 られることから 四 国 内 に 配 置 されてい る 台 数 と 同 じ(30 m3/ 分 クラス)20 台 が 高 知 市 の 長 期 浸 水 域 に 派 遣 されると 仮 定 して 検 討 を 行 っ た また 長 期 浸 水 域 周 辺 にある 排 水 機 場 は 図 5.4.1 のとおりであり 長 期 浸 水 時 に 活 用 できるよ うに 対 策 を 実 施 していく 36 44 37 39 57 32 4 8 10 10 31 35 四 国 は 県 別 その 他 は 地 方 整 備 局 別 1 国 土 交 通 省 排 水 ポンプ 車 の 配 置 状 況 四 国 地 方 整 備 局 の 排 水 ポンプ 車 ( 四 国 地 方 整 備 局 資 料 より) 5-21

第 5 章 止 水 排 水 対 策 図 5.4.1 長 期 浸 水 域 周 辺 の 排 水 機 場 (ポンプ 場 ) 5-22

第 5 章 止 水 排 水 対 策 4-2 排 水 機 場 (ポンプ 場 )の 対 策 (1) 長 期 浸 水 時 に 活 用 可 能 な 排 水 機 場 (ポンプ 場 )の 条 件 長 期 浸 水 時 に 活 用 可 能 となる 排 水 機 場 の 条 件 としては 少 なくとも 以 下 の3 項 目 ( 機 械 設 備 的 条 件 )を 満 たすものとする 1) 停 電 時 に 運 転 が 可 能 ( 発 電 機 設 置 あるいはエンジン 方 式 ) 2) 耐 震 性 がある( 建 屋 基 礎 ) 3) 耐 水 性 がある( 津 波 浸 水 長 期 浸 水 ) (2) 排 水 機 場 (ポンプ 場 )の 対 策 手 法 排 水 機 場 を 長 期 浸 水 時 に 稼 動 させるためには 以 下 のような 設 備 機 器 対 策 や 運 用 上 の 対 策 が 必 要 である 1 耐 水 化 ( 津 波 対 策 長 期 浸 水 対 策 ) 耐 水 壁 耐 水 扉 の 設 置 開 口 部 の 水 密 化 電 気 設 備 の 耐 水 化 や 高 所 への 移 設 ( 屋 外 設 備 含 む) 2 耐 震 化 排 水 機 場 の 耐 震 化 ( 建 屋 基 礎 ) 3 動 力 燃 料 非 常 用 発 電 装 置 の 設 置 燃 料 の 備 蓄 ( 軽 油 重 油 ) 燃 料 の 安 定 した 供 給 燃 料 タンクの 津 波 対 策 4 その 他 排 水 機 場 施 設 の 大 幅 更 新 ( 膨 大 な 事 業 費 が 必 要 : 新 たな 事 業 枠 組 みが 必 要 ) 排 水 機 場 へのアクセスルートの 確 保 冷 却 水 の 確 保 がれき 浮 遊 ゴミの 除 去 ( 除 塵 機 スクリーンの 故 障 目 詰 まり) 沈 砂 池 のヘドロ 除 去 被 災 を 想 定 した 修 理 部 品 等 の 事 前 調 達 確 保 運 転 要 員 の 確 保 ( 高 知 市 下 水 道 中 期 ビジョン 2012 より) 図 5.4.2 排 水 機 場 (ポンプ 場 )の 耐 水 化 イメージ 5-23

第 5 章 止 水 排 水 対 策 (3) 長 期 浸 水 時 に 活 用 が 望 まれる 排 水 機 場 (ポンプ 場 ) 前 期 の3 条 件 ( 耐 震 耐 水 停 電 対 策 )を 満 たす 排 水 機 場 は 現 在 のところない このため 排 水 機 場 の 整 備 ( 耐 震 化 耐 水 化 など)を 実 施 して 長 期 浸 水 時 に 活 用 可 能 な 排 水 機 場 を 増 やし ていく 短 期 間 で 多 くの 排 水 機 場 について 対 策 を 講 じることは 難 しいため 優 先 度 を 踏 まえ 段 階 的 に 整 備 を 実 施 していく 対 策 優 先 度 は 次 のとおり 設 定 した 優 先 度 A( 短 期 ) 施 設 の 耐 震 化 耐 水 化 が 既 に 予 定 されており 概 ね 今 後 5 年 以 内 に 活 用 可 能 となる 以 下 の9 排 水 機 場 県 管 理 の 横 浜 竹 島 川 堀 川 江 の 口 川 十 津 鹿 児 川 鹿 児 第 二 本 江 田 の8 排 水 機 場 については 耐 震 耐 水 化 工 事 に 着 手 しており 短 期 で 活 用 可 能 となる また 市 管 理 の 海 老 ノ 丸 ポンプ 場 は 地 盤 が 高 いため 津 波 により 浸 水 せず 耐 震 化 に より 活 用 可 能 となる( 詳 細 については 今 年 度 検 討 中 ) 優 先 度 B( 中 期 ~ 長 期 ) 各 排 水 機 場 の 現 況 ( 対 策 状 況 排 水 能 力 排 水 エリア)を 勘 案 し 耐 水 化 等 の 対 策 を 実 施 すれば 活 用 可 能 になると 考 えられる 排 水 機 場 今 後 10 年 以 内 を 目 途 に 対 策 を 実 施 する 主 に 市 下 水 道 保 全 課 が 管 理 している7 排 水 機 場 を 選 定 した 優 先 度 C( 長 期 ) 各 エリアの 現 況 より 長 期 浸 水 の 解 消 のために 活 用 することが 望 ましいが 活 用 する ためには 大 規 模 な 改 修 や 建 替 えが 必 要 となる 排 水 機 場 直 ちに 対 策 を 実 施 することが 難 しいため 今 後 検 討 を 実 施 したうえで 10 年 後 以 降 の 対 策 となる 主 に 市 耕 地 課 などが 管 理 している 16 排 水 機 場 を 選 定 した 以 上 の 32 排 水 機 場 について 長 期 浸 水 時 に 活 用 が 望 まれる 排 水 機 場 として 位 置 付 け 表 5.4.1 及 び 図 5.4.3~5.4.5 に 示 す 今 後 は 各 排 水 機 場 について 対 策 の 可 否 判 定 をしていくとともに 計 画 的 に 排 水 機 場 の 対 策 を 進 めていく 高 須 出 分 エリアについては 現 段 階 において 下 流 側 に 改 修 予 定 があったり 耐 水 化 のみで 活 用 可 能 であったりする 排 水 機 場 がないため 優 先 度 A,Bの 排 水 機 場 を 設 定 することできな かった しかし このエリアには 市 耕 地 課 及 び 下 水 道 保 全 課 所 管 の 排 水 機 場 が 多 くあり その 活 用 のために 事 業 制 度 の 創 設 拡 充 を 要 望 したり 下 水 道 BCPの 策 定 の 過 程 などにおいて 改 修 予 定 の 前 倒 しなどを 検 討 していく なお 下 水 処 理 場 の 地 震 津 波 対 策 については 別 途 高 知 県 により 高 知 県 下 水 道 地 震 津 波 対 策 検 討 委 員 会 が 設 置 され 平 成 24 25 年 度 にガ イドライン 策 定 に 向 けた 取 組 みが 行 われている 5-24

第 5 章 止 水 排 水 対 策 エリア 長 浜 潮 江 江 の 口 下 知 北 部 高 須 ( 出 分 ) 高 須 ( 高 須 ) 三 里 表 5.4.1 エリア 別 排 水 機 場 (ポンプ 場 ) 整 備 の 優 先 度 ( 案 ) 数 値 は 排 水 能 力 m3/min ( ) 内 は 累 計 今 後 5 年 以 内 に 活 用 可 能 な 排 活 用 が 望 まれる 排 水 機 場 水 機 場 既 存 優 先 度 A 優 先 度 B 優 先 度 C 全 排 水 機 場 ( 短 期 目 標 ) ( 中 期 ~ 長 期 目 標 ) ( 長 期 目 標 ) 日 出 野 横 浜 長 浜 雨 水 塩 谷 15 箇 所 瀬 戸 処 理 場 内 1,044 417(1,461) 2,138(3,599) 5,861 竹 島 川 潮 江 南 潮 江 処 理 場 内 9 箇 所 1,800 1,077(2,877) 1,533(4,410) 6,196 堀 川 江 の 口 川 海 老 ノ 丸 ( 合 流 分 流 ) - 下 知 ( 下 水 ) 11 箇 所 5,817 -(5,817) 425(6,242) 7,398 秦 - 薊 野 山 崎 ノ 丸 一 宮 丹 七 13 箇 所 横 田 丸 0 1,885(1,855) 1,845(3,700) 4,694 - 大 津 左 右 衛 門 出 分 9 箇 所 0 444(444) 665(1,109) 2,461 鹿 児 川 鹿 児 第 二 本 江 田 五 台 山 高 須 ( 下 水 ) 絶 海 介 良 13 箇 所 924 480(1,404) 1,391(2,795) 3,673 十 津 仁 井 田 唐 谷 東 孕 第 二 12 箇 所 1,152 395(1,547) 460(2,007) 2,656 排 水 機 場 の 所 管 : 県 港 湾 海 岸 課 県 河 川 課 市 下 水 道 保 全 課 市 耕 地 課 活 用 が 望 まれる 排 水 機 場 の 優 先 度 は 現 在 の 対 策 状 況 より 抽 出 しており 各 機 場 の 状 況 を 踏 まえ 関 係 機 関 で 詳 細 な 検 討 が 必 要 である 海 老 ノ 丸 は 浸 水 の 影 響 について 今 年 度 検 討 中 5-25