アウトブレース 工 法 1. 工 法 の 概 要 アウトブレース 工 法 は 既 存 RC 建 物 の 外 側 に 鉄 骨 ブレースを 取 り 付 け PC 鋼 棒 を 用 いて 既 存 建 物 と 一 体 化 を 図 り 耐 震 性 能 を 向 上 させる 補 強 工 法 です ブレースの 取 り 付 けに 際 しては 既 存 梁 側 面 に 削 孔 し 鉄 骨 の 交 差 部 分 ( 以 下 台 座 )からPC 鋼 棒 を 挿 入 台 座 と 既 存 との 間 隙 に 無 収 縮 モルタル 充 填 硬 化 後 に プレストレスを 導 入 して 一 体 化 します また ブレースの 耐 力 は 既 存 梁 の 残 存 耐 力 に 期 待 するため ブレースにはネックと 称 する 切 り 欠 き を 設 け 既 存 梁 が 先 行 して 破 壊 しないようにしています 安 定 した 有 効 な 耐 力 を 得 るためには 上 下 左 右 に 連 続 配 置 することが 必 要 です 2. 工 法 の 特 徴 アウトブレース 工 法 の 一 般 的 な 特 徴 項 目 内 容 居 ながら 居 ながら 施 工 一 時 室 内 施 工 引 っ 越 し 仮 住 まい 費 用 0 現 場 工 期 (20 構 面 程 度 ) 施 工 性 約 5 週 (7/20~8/31) トラックの 搬 入 揚 重 機 が 使 用 できればよいが 無 くても 架 設 は 可 能 な 場 合 が 多 い 梁 への 圧 着 取 り 付 けは 比 較 的 容 易 1 構 面 当 たりの 重 量 約 2.0~3.0 ton 既 存 構 造 への 影 響 梁 側 面 削 孔 (ほとんど 影 響 なし) 1 構 面 当 たりの 耐 力 ( 平 均 ) 100~150(ton),1,000~1,500(kN) ( 同 一 階 に 連 続 配 置 するほど 耐 力 は 大 きい) メンテナンス 要 ( 鉄 骨 塗 装 ) 美 観 景 観 窓 に 斜 材 が 見 えるが 採 光 に 対 する 影 響 は 比 較 的 少 ない 概 略 形 状 図 条 件 により 型 型 やこれらの 組 合 せも 可 能 連 続 配 置 が 可 能 な 建 物 には 有 利 であるが 凸 凹 のある 建 物 はブレ ースが 配 置 できない 場 合 がある 柱 軸 力 が 小 さい 場 合 には 十 分 な 耐 力 を 確 保 し 難 いため 直 行 ( 張 間 方 向 ) スパンが 短 スパンの 場 合 や 建 物 の 最 外 端 部 への 配 置 は 不 経 済 になる ブレースが 取 り 付 けられる 条 件 実 績 適 正 建 物 極 脆 性 柱 の2 種 構 造 要 素 柱 には 取 り 付 けられません せん 断 柱 以 上 の 改 善 が 必 要 です 以 上 以 外 の 極 脆 性 柱 で2 種 構 造 要 素 柱 が 存 在 する 場 合 は 必 要 ブレ ース 量 が 増 え 補 強 できない 場 合 があります 既 存 梁 せいは 600mm 以 上 を 推 奨 します 実 績 : 学 校 庁 舎 寮 公 営 住 宅 など 適 正 建 物 : 学 校 等 の 桁 行 きの 長 い 建 物
構 造 調 査 コンサルティング 協 会 協 会 ニュース Strec No.34 号 掲 載 pp.43-48,2005.07 アウトブレース 工 法 の 実 験 と 設 計 について ~PC 鋼 棒 による 圧 着 工 法 を 用 いた 外 付 け 鉄 骨 ブレース 補 強 工 法 ~ 鳥 屋 隆 志 1 1.はじめに 筆 者 らの PC 鋼 棒 による 圧 着 工 法 を 用 いた 外 付 け 鉄 骨 ブレース 工 法 ( 以 下 アウトブレ ース 工 法 と 称 す)は 既 存 RC 造 建 物 の 耐 震 補 強 方 法 として 1978 年 宮 城 県 沖 地 震 (M 7.8) により 大 きな 被 害 を 受 けた 東 北 工 業 大 学 5 号 館 の 復 旧 に 際 して 用 いられた Fig.1 は 現 在 の 東 北 工 業 大 学 5 号 館 である この 建 物 は 1967 年 に 建 設 された 桁 行 方 向 96m(6m 16span) 梁 間 方 向 13.6m(6.8m 2span) 地 上 5 階 地 下 3 階 建 ての 校 舎 で ある Ⅹ 字 型 ブレースに 用 いた H 形 鋼 はH-200 200 8 12( 断 面 積 63.53cm 2 )で 解 析 による RC 架 構 の 各 層 が 負 担 すべき 建 物 重 量 と 各 層 の 柱 と 壁 の 耐 力 の 和 との 比 は 地 上 階 の 1~3 層 で 0.37~0.39 であったが ブレース 耐 力 を 加 えることによってこの 値 が それぞれ 0.68~0.98 となっている ここで 用 いられた 鉄 骨 ブレースには 圧 縮 側 ブレース の 座 屈 前 に 引 張 側 ブレースが 降 伏 して 最 大 耐 力 に 達 するように 鉄 骨 ブレース 軸 部 にネッ ク( 断 面 欠 損 )を 設 けている これは 座 屈 による 耐 力 の 急 激 な 低 下 を 防 止 するとともに 引 張 側 ブレースの 引 張 降 伏 を 促 し 安 定 した 耐 力 を 保 持 するものである このとき ネッ ク 部 の 有 効 断 面 積 は 44.7cm 2 で 全 断 面 積 の 約 70%となっており さらに 偏 心 の 効 果 を 高 め Fig.1 東 北 工 業 大 学 5 号 館 1 ドーピー 建 設 工 業 株 式 会 社 営 業 部 建 築 担 当
ることを 目 的 に ブレース 端 部 において 外 側 ( 引 張 側 )フランジを 切 って 圧 縮 側 のフラン ジのみが 有 効 に 働 く 形 状 としている 上 記 のように 最 初 に 耐 震 補 強 の 手 段 として 用 いられたアウトブレース 工 法 は 比 較 的 小 さい 断 面 の H 形 鋼 にネックを 設 けて 用 いているが 既 存 RC 造 架 構 の 耐 力 とブレース 耐 力 の 和 は 耐 震 補 強 後 の 学 校 校 舎 に 要 求 される Is 値 に 近 い 耐 力 をもつ 結 果 となっている しかし 最 近 はブレース 構 面 を 少 なくして 断 面 が 大 きい 形 鋼 を 用 いる 傾 向 があり 更 に 検 討 すべき 問 題 があると 考 えられる 本 論 は アウトブレース 工 法 に 関 して 実 施 したいくつかの 加 力 試 験 の 概 要 を 報 告 すると ともに 設 計 上 の 留 意 点 をまとめたものである 2.アウトブレース 工 法 の 実 験 概 要 アウトブレース 工 法 は 既 存 RC 梁 の 外 側 に 鉄 骨 ブレースが 取 り 付 けられるため 既 存 RC 梁 と 鉄 骨 ブレースの 断 面 がずれて 生 じる 偏 心 が 避 けられない すなわち ブレース 軸 力 は 内 側 ( 既 存 RC ラーメン 側 )に 偏 心 して 加 わり 既 存 RC 梁 に 面 外 の 曲 げと 捩 れを 生 じさせることとなる 筆 者 らはこの 偏 心 の 影 響 を 把 握 するため いくつかの 加 力 試 験 を 実 施 した ここでは これらの 実 験 結 果 の 概 要 を 述 べる (1) 鉄 骨 ブレースを 取 り 付 けた RC ラ ーメンの 加 力 試 験 試 験 体 は Fig.2 に 示 すような スパン が 200cm 高 さ( 上 下 の 梁 の 中 心 間 距 離 ) が 120cm 梁 と 柱 の 断 面 がそれぞれ 15cm 50cm,20cm 20cm である RC ラーメンに 鉄 骨 ブレースを 取 り 付 けたも のである 鉄 骨 ブレース 断 面 は H-80 80 6 6(SN400A)で ブレース 両 端 近 くにウェブを 切 り 欠 いたネックを 設 け ており RC 梁 に 1 箇 所 あたり 4 本 の PC 鋼 棒 (φ17.0)により 緊 張 力 117kN/ 本 をもって 取 り 付 けられている 実 験 は RC 上 梁 の 中 心 に 左 右 から 交 互 に 荷 重 を 加 えた 繰 り 返 し 水 平 加 力 試 験 で ある 材 料 試 験 から 得 られた 鋼 材 とコン クリート 強 度 にもとづいて 算 定 した RC 柱 の 終 局 耐 力 は 97.2kN で 曲 げ 耐 力 が (a) 試 験 体 の 形 状 600 400 200 0-30 -20-10 0 10 20 30 mm -200-400 -600 (b) 補 強 RC ラーメンの 力 - 変 形 曲 線 Fig.2 実 験 結 果 kn
せん 断 耐 力 よりやや 小 さい 実 験 による RC ラーメンの 終 局 水 平 耐 力 は 210kN で その 時 の 水 平 変 位 角 は 1/85 であった 鉄 骨 ブレースを 取 り 付 けた RC ラーメンの 終 局 耐 力 は 500kN で 補 強 後 の 耐 力 は 2 倍 以 上 になっている ネック 部 の 断 面 が 全 塑 性 状 態 に 達 したときの ブレース 軸 力 の 計 算 値 (190kN)より 得 られるブレースが 負 担 する 水 平 力 は 327kN で RC ラーメンの 終 局 耐 力 と 合 算 すると ブ レース 付 RC ラーメンの 耐 力 の 実 験 値 とほぼ 一 致 する しかし 歪 の 測 定 結 果 からブレースは 弾 性 範 囲 内 にあると 考 えられ 終 局 時 の 水 平 変 位 角 を 考 慮 すると 試 験 体 は RC ラーメンの 変 形 が 限 界 に 達 して 終 局 に 至 ったと 考 えられる (2) 鉄 骨 ブレースを 取 り 付 けた RC 梁 の 加 力 試 験 試 験 体 は 鉄 骨 柱 に RC 梁 をピン 接 合 した 架 構 の 片 面 に 鉄 骨 ブレースを PC 鋼 棒 によって 取 り 付 けた Fig.3 に 示 す 形 状 のもので 柱 中 心 間 隔 は 220cm 上 下 の RC 梁 の 中 心 間 距 離 は 140cm である RC 梁 の 断 面 は B D=20cm 35cm の 矩 形 で 厚 さ 8cm のベランダを 模 したスラブが 一 体 となっている ブレース 軸 部 には 形 鋼 H-100 100 6 8 を 用 いた 鉄 骨 ブレースには 上 下 フランジを 切 り 欠 いてフランジ 幅 を 76 mmとしたネックを 設 けて いる 試 験 体 は 鉄 骨 柱 をピン 接 合 としているため ブレースのみが 水 平 力 を 負 担 する 架 構 である 5 体 の 試 験 体 について 繰 り 返 し 水 平 加 力 試 験 を 行 った 結 果 いずれの 試 験 体 も 450~500kN でネック 部 の 内 フランジが 降 伏 歪 に 達 し RC 梁 には 捩 れによると 思 われる 斜 めひび 割 れが 発 生 した この 時 点 で 架 構 全 体 が 構 面 外 に 変 形 して 面 外 変 形 に 対 し 拘 束 が 十 分 でなかった 試 験 体 は 荷 重 の 増 加 が 見 られず 終 局 状 態 に 達 した 面 外 変 形 を 完 全 に 拘 束 した 2 体 の 試 験 体 ではさらに 加 力 することができて 最 大 荷 重 が 600kN に 達 した ブレース 断 面 の 全 塑 性 状 態 を 仮 定 して 得 たブレースの 終 局 軸 方 向 力 は 軸 部 で 341kN ネック 部 で 280kN であり こ れに 対 応 するブレース 架 構 の 水 平 力 はそ れぞれ 575kN および 473kN である こ のとき ブレースの 上 下 フランジの 歪 の 差 から 軸 力 の 偏 心 量 を 求 めると 各 サイ クルのピーク 時 では 50mm その 近 傍 に (a) 試 験 体 の 形 状 Q(kN) 800 600 400 200 0-2.50E-02-2.00E-02-1.50E-02-1.00E-02-5.00E-03 0.00E+00 5.00E-03 1.00E-02 1.50E-02 2.00E-02 2.50E-02 R(rad.) -200-400 -600-800 (b) 面 外 ブレースの 力 - 変 形 曲 線 Fig.3 実 験 結 果
おいても 50mm 以 下 で 推 移 していたため 全 塑 性 状 態 におけるブレース 耐 力 の 算 定 にあた っては 偏 心 量 をブレースせいの 1/2 として 求 めた 3. 設 計 上 の 留 意 点 耐 震 補 強 に 用 いる 外 付 け 鉄 骨 ブレースの 耐 力 とそれを 取 り 付 ける 既 存 RC 梁 の 挙 動 に ついて いくつかの 実 験 を 行 った 結 果 をまとめると 次 のことがいえる 1) ブレースが 座 屈 により 崩 壊 して 急 激 な 耐 力 の 低 下 が 生 じることを 避 けるため これ まで 行 ったいくつかの 実 験 において 形 状 が 異 なるネック( 断 面 減 少 部 )を 設 けた 試 験 体 を 製 作 した ネック 部 のとくにウェブの 断 面 減 少 が 大 きいと 終 局 時 にはネック 部 に 形 成 されるT 型 断 面 の 捩 れを 伴 う 局 部 座 屈 を 生 じ 耐 力 の 急 激 な 低 下 は 見 られな いが その 後 の 繰 り 返 し 載 荷 によって 引 張 破 断 を 起 こした 1) ネックの 断 面 減 少 を 極 力 小 さくした( 軸 部 断 面 積 に 対 する 面 積 比 90%,82.2%) 上 記 の 実 験 では 最 大 耐 力 の 近 傍 でネックが 降 伏 したが 局 部 座 屈 は 生 じていない このことから ネック 部 断 面 と 母 材 断 面 の 断 面 積 の 比 は ウェブとフランジを 欠 損 させるときは 0.8 以 上 フランジのみのときは 0.7 以 上 を 確 保 することが 望 ましい 2) ブレース 軸 力 の 偏 心 量 を 歪 の 測 定 結 果 から 推 定 すると ブレースのせいの 1/2 また はそれ 以 下 であった 偏 心 量 をせいの 1/2 として ネック 断 面 の 全 塑 性 状 態 の 応 力 度 分 布 を 仮 定 して 算 定 した 耐 力 が 外 付 け 鉄 骨 ブレースの 終 局 耐 力 を 与 えるものと 考 えて よいだろう ネック 部 が 終 局 耐 力 に 達 すると RC 梁 の 捩 れが 大 きくなるが RC 架 構 が 終 局 耐 力 に 達 するまで 荷 重 の 増 加 に 耐 えることができる ブレースが 偏 心 して 取 り 付 けられる ことにより 生 ずる RC 梁 を 面 外 に 曲 げたり 捩 る 力 は 実 際 には 直 交 するラーメンあ るいは 床 スラブに 作 用 する 力 となって 直 接 RC 梁 には 作 用 しないと 考 えられるが その 挙 動 は 明 確 でない 既 存 RC 梁 への 負 担 軽 減 のため 柱 を 跨 いだ 接 合 方 法 を 選 択 することが 望 ましい しかしながら ネック 部 の 全 塑 性 状 態 を 仮 定 して 算 定 した 終 局 耐 力 と RC ラーメン の 終 局 耐 力 を 累 加 したものを 鉄 骨 ブレース 付 架 構 の 終 局 耐 力 とすることが 可 能 と 考 えられる 3) PC 鋼 棒 に 初 期 張 力 を 加 えて RC 梁 に 固 定 したブレース 台 座 は ブレース 軸 力 が 鋼 棒 の 初 期 張 力 の 合 計 値 に 達 するまで RC 梁 との 間 に 無 視 できる 程 度 のずれしか 生 じ ず 終 局 時 までブレース 軸 力 を 伝 えることができる 4.アウトブレース 工 法 の 目 標 性 能 外 付 け 鉄 骨 ブレースにより 補 強 された RC 造 架 構 (ここでは アウトブレース 補 強 架 構 という)は 既 存 RC 造 架 構 鉄 骨 ブレース 架 構 および 接 合 部 の3つの 構 造 から 構 成 さ れる それぞれの 構 造 部 の 強 度 と 靭 性 が 補 強 架 構 全 体 としての 強 度 と 変 形 および 破 壊 形 式
Fig.4 破 壊 形 式 の 概 念 図 に 反 映 される Fig.4 に 実 験 結 果 にもとづいたアウトブレース 工 法 の 想 定 する 破 壊 形 式 の 概 念 図 を 示 す 想 定 した 破 壊 形 式 の 概 念 にもとづき アウトブレース 補 強 架 構 の 抵 抗 形 式 をまとめると Table.1 のように 分 類 することができる タイプⅠにおいて 鉄 骨 ブレースは 極 脆 性 柱 の 破 壊 時 に 降 伏 をしていないことから 耐 力 を 十 分 に 発 揮 できない このため 耐 震 スリッ トを 設 置 するなど 極 脆 性 柱 をせん 断 柱 以 上 に 改 善 する 必 要 がある アウトブレース 工 法 の 補 強 計 画 は 大 変 形 時 の 接 合 部 の 挙 動 が 明 確 でないことから 現 実 的 にはタイプⅡの 強 度 靭 性 型 の 補 強 を 目 標 とすることが 望 ましい Table.1 アウトブレース 補 強 架 構 の 抵 抗 形 式 抵 抗 形 式 既 存 RC 架 構 部 鉄 骨 ブレース 架 構 接 合 部 タイプⅠ[ 強 度 抵 抗 型 ] 極 脆 性 柱 の 破 壊 タイプⅡ 柱 または 梁 の 曲 げ 破 壊 [ 強 度 靭 性 抵 抗 型 ] 柱 または 梁 のせん 断 破 壊 タイプⅢ 引 張 側 柱 の 引 張 降 伏 破 壊 [ 靭 性 抵 抗 型 ] 圧 縮 側 柱 の 圧 縮 破 壊 タイプⅣ [ 基 礎 回 転 抵 抗 型 ] 柱 梁 は 破 壊 しない 降 伏 なし, 座 屈 なし ネック 部 の 降 伏 座 屈 しない 降 伏 しない 座 屈 しない 破 壊 しない 鉄 骨 ブレース 架 構 の 繰 返 し 水 平 加 力 に 対 する 変 形 性 状 は 鉄 骨 ブレースの 細 長 比 と 配 置 形 状 によって 異 なる 本 工 法 では 鉄 骨 ブレース 端 部 のネック 部 が 圧 縮 側 ブレースの 座 屈 前 に 降 伏 に 至 るので 安 定 した 変 形 性 状 を 示 す 筆 者 らは ネック 部 の 形 状 と 変 形 能 力 の 関 係 から 鉄 骨 ブレース 架 構 の 靭 性 指 標 値 は 抵 抗 形 式 タイプ I およびⅡに 対 して F 値 =1.0
~1.27 としている 補 強 架 構 の 検 討 は それぞれの 抵 抗 形 式 に 対 して 架 構 の 終 局 耐 力 を 算 出 し 保 有 性 能 が 最 小 となるときの 抵 抗 形 式 をアウトブレース 補 強 架 構 の 最 終 的 な 抵 抗 形 式 とする ここ で 本 工 法 の 鉄 骨 ブレース 架 構 の 強 度 寄 与 係 数 αb は 既 存 RC 造 架 構 の 靭 性 指 標 F 値 が 0.8 のときαb=0.65~0.70 F 値 が 1.0 以 上 のときαb=1.0 としている なお 各 タイプの 抵 抗 形 式 の 決 定 において 既 存 RC 架 構 部 または 鉄 骨 ブレース 架 構 よ り 接 合 部 の 破 壊 が 先 行 しないことが 前 提 である 5.おわりに 本 報 告 では 筆 者 らが 実 施 したアウトブレース 工 法 に 関 する 実 験 にもとづき 設 計 上 の 留 意 点 と 目 標 性 能 をまとめた しかしながら 鉄 骨 ブレースのネック 部 が 引 張 降 伏 した 後 の 限 界 変 形 量 や 既 存 RC 梁 の 変 形 とブレースの 耐 力 および 架 構 全 体 の 力 学 的 挙 動 などについて 引 き 続 き 検 討 すべき 事 項 がいくつか 残 されている また 外 付 け 工 法 の 場 合 取 り 付 ける 既 存 部 材 の 耐 震 性 能 に 大 きく 依 存 し 耐 震 性 能 が 低 い 場 合 には 補 強 部 材 の 性 能 を 十 分 に 発 揮 させることが 困 難 である 効 率 的 な 鉄 骨 ブレースの 配 置 と 十 分 な 安 全 係 数 を 見 込 んだ 設 計 が 必 要 である 最 後 に アウトブレース 工 法 の 開 発 にあたり 東 北 工 業 大 学 鈴 谷 二 郎 教 授 をはじめ 関 係 各 位 殿 には 多 大 なるご 指 導 を 賜 りましたことを 深 く 感 謝 しその 意 を 表 します 参 考 文 献 1) 川 股 重 也 : 東 北 工 大 5 号 館 の 震 害 修 復, 建 築 技 術,No.346,pp.83-95,1980.06 アウトブレース 工 法 に 関 する 問 い 合 わせ 先 ドーピー 建 設 工 業 株 式 会 社 東 京 本 社 : 170-0004 東 京 都 豊 島 区 北 大 塚 1-16-6( 大 塚 ビル4F) TEL(03)3918-6174 FAX(03)3915-8474 営 業 部 建 築 担 当 : 八 木 沼, 鳥 屋 ホームページ:http://www.dps.co.jp