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Transcription:

田 中 氏 皆 様 こんばんは 東 京 学 芸 大 学 の 田 中 敬 文 と 申 します 私 がお 話 しさせていただきますのは 限 界 に 達 した 家 計 の 高 等 教 育 負 担 です なお これからお 示 しいたしますパワーポイントスライドは お 配 りのものと 少 し 違 うこともあります また 都 合 により 提 示 の 順 番 が 変 わったり 端 折 って 飛 ばした りすることを 予 めご 了 解 いただければと 思 います 家 計 が 高 等 教 育 大 学 のコストを 負 担 するのに 保 護 者 も 学 生 自 身 も それから 大 学 も 大 変 だということをぜひ 知 っていただきたい ここにいらっしゃる 方 々は 大 学 関 係 の 方 々 私 立 大 学 の 方 々ですから 私 がお 話 ししなくても 十 分 ご 存 じだと 思 いま す 私 がぜひ 知 っていただきたいのは 実 はここにおいでいただいていない 世 間 一 般 の 方 々 特 に 大 学 生 を 持 つ 保 護 者 の 方 以 外 の 方 々に 理 解 していただきたいと 考 えてお ります 初 めに 大 学 の 状 況 を 簡 単 に 述 べさせていただきます 20 年 前 に 比 べると 大 学 数 が 500 校 から 800 校 近 くへ 増 えており 定 員 を 満 たしてい ない 大 学 が 私 立 の4 年 制 大 学 で 45% 短 期 大 学 で7 割 近 くあります 特 に 地 方 小 規 模 の 大 学 が 厳 しくなっています( 配 布 資 料 スライド3,4) もう1つ 帰 属 収 支 差 額 がマイナスの 私 立 大 学 は 250 校 で 約 4 割 超 短 期 大 学 は 193 校 で 約 5 割 超 あるという 状 況 です(スライド5) なぜ 私 がこの2つを 示 したかというと 大 学 の 学 費 と 家 計 の 負 担 つまり 私 立 大 学 の 経 営 と 家 計 の 負 担 が 結 びついていることを 改 めて 確 認 したいからです 私 立 大 学 にとって 最 大 の 収 入 源 は 保 護 者 からの 納 付 金 であり それが 大 学 では 帰 属 収 入 の 76% 短 大 では 71%を 占 めています(スライド6) それに 対 して 学 費 を 負 担 するのは 保 護 者 です もちろん 社 会 人 学 生 など 大 学 生 自 身 が 負 担 するケースもありますが 我 が 国 では 保 護 者 が 負 担 することが 一 般 的 でしょ う 家 計 にとっては 学 費 の 負 担 が 大 変 重 い(スライド 12) 家 計 が 負 担 する 学 費 で 成 り 立 っているのが 日 本 の 私 立 大 学 だということを 強 調 し 過 ぎることはないと 考 え 31

ております 単 に 学 費 と 言 いましても 非 常 に 範 囲 が 広 いものです(スライド7,15) 私 自 身 高 校 生 や 保 護 者 のための 雑 誌 で 取 材 を 受 けたとき 大 学 の 学 費 が 意 外 に 知 られていない のではないかと 問 われたことがあります 大 学 の 学 生 募 集 要 項 に どこまで 自 校 の 学 費 の 詳 細 が 載 っているでしょうか 例 えば 授 業 料 や 入 学 金 施 設 設 備 費 は 載 ってい るでしょうが さらにプラス α の 部 分 はいかがでしょうか 学 ぶ 専 門 分 野 によっては プラス α の 部 分 が 非 常 に 大 きくなることがあります それらを 合 わせた 学 費 を 確 認 す る 必 要 があります さらに 初 年 度 納 付 金 だけではなく 4 年 間 であれば 総 額 がどれ だけかかるかを 入 学 前 に 知 っておく 必 要 があると 思 います(スライド 36) 私 立 大 学 と 国 立 大 学 の 授 業 料 格 差 は 年 々 縮 まってきています この 理 由 は 国 立 大 学 の 授 業 料 が 引 き 上 げられてきたことにあるかと 思 いますが ようやく 1.6 倍 くらい になりました 私 学 高 等 教 育 研 究 所 私 立 大 学 における 奨 学 金 学 費 制 度 の 多 様 化 に 関 する 全 国 調 査 (2001 年 )から 国 公 立 大 学 の 学 費 に 対 する 私 立 大 学 の 反 応 が 読 み 取 れます(スライド9) これは 主 として 理 事 長 や 学 長 の 反 応 です 受 験 生 が 国 公 立 大 学 を 志 願 する 最 大 の 理 由 は 私 立 大 学 より 学 費 が 安 いことである に 対 して 実 に 75% が そう 思 う ややそう 思 う と 回 答 しています これは 私 立 大 学 の 学 費 は 色 々な 事 情 で 国 立 大 学 よりは 高 いけれども 私 大 の 教 育 の 方 が 優 れていると 自 負 する 私 大 関 係 者 が 少 なくないことを 示 しています また 学 費 設 定 を 医 歯 系 学 部 と 理 工 系 学 部 について 別 仕 立 てで 設 定 すべき につ いて 約 8 割 が 賛 成 しております 法 科 大 学 院 に 関 しては 他 の 大 学 院 よりも 授 業 料 は 高 く 設 定 されておりますが 国 立 大 学 の 場 合 医 学 部 も 経 済 学 部 も 授 業 料 は 同 じまま です 国 公 立 大 学 の 学 費 は 今 後 さらに 値 上 げしていくべきだ についても 約 5 割 が 賛 成 しています 私 立 大 学 の 学 費 引 き 上 げの 理 由 を 5 つ 掲 げております(スライド 10) しかし 近 年 学 費 を 引 き 上 げられる 大 学 は 限 られているようです 多 くの 大 学 特 に 地 方 の 大 学 は 引 上 げどころか 据 え 置 きの 状 況 が 長 く 続 いているということを ぜひ 世 間 一 般 の 方 々 32

に 知 っていただきたいと 思 います 学 費 を 負 担 する 家 計 の 状 況 を 見 てみましょう(スライド 11) これは 世 帯 主 の 年 齢 階 級 別 に 年 収 の 推 移 をグラフにしたものです( 勤 労 者 世 帯 ) 1998 年 と 比 べて 12 年 後 の 2010 年 には すべての 年 齢 階 級 で 年 収 が 低 下 しています 年 収 のピークは 1997 年 です それ 以 降 下 がり 続 けています 特 に 大 学 生 を 持 つと 考 えられる 50 代 前 半 は 1998 年 と 比 べて 1メモリ 以 上 約 120 万 円 月 収 で 10 万 円 減 っています これは 大 学 生 への 仕 送 りに 相 当 するでしょうか 例 えば 生 協 調 査 から 仕 送 りが 減 っていると いうことが 明 らかになっています 家 計 年 収 が 低 下 しているにもかかわらず 学 費 が 上 昇 していることから 家 計 が 学 費 を 負 担 するのはもう 限 界 ではないか と 私 は 主 張 し 続 けています 一 方 で 大 学 の 授 業 料 は 上 がり 続 けている しかし 他 方 で 家 計 年 収 は 下 がっている この2つを 合 わせるとどうなるでしょうか スライド 12 は 初 年 度 納 付 金 が 可 処 分 所 得 に 占 める 割 合 を 1975 年 から 2011 年 まで 示 したものです 可 処 分 所 得 というのは 年 収 から 税 金 や 社 会 保 険 料 等 を 引 いた 手 取 りの 収 入 です 家 計 負 担 が 重 くなっている ことがわかります(スライド 13,14) 2011 年 で 私 立 大 学 家 計 の 負 担 割 合 が 22.7% 国 立 大 学 家 計 が 14.1%です 実 は この 14.1%という 国 立 家 計 の 負 担 を 私 立 家 計 はす でに 1980 年 ころには 経 験 していました 国 立 大 学 の 授 業 料 が 引 き 上 げられると 国 立 家 計 の 負 担 が 重 くなる ということはどの 新 聞 も 取 り 上 げてくれます しかし もっと 着 目 してほしいのは 国 立 家 計 並 みの 負 担 を すでに 30 年 前 に 私 立 家 計 が 経 験 してい たことです 国 立 大 学 家 計 の 負 担 が 重 いというならば それ 以 前 からいかに 私 立 大 学 家 計 が 高 負 担 に 喘 いでいたかということも 同 時 に 報 道 されなければならないでしょ う 家 計 の 立 場 からは 多 額 の 学 費 を 負 担 して 大 学 に 進 学 させた 場 合 コストに 見 合 っ たベネフィット( 便 益 )が 得 られるかどうかを 考 えてみる 必 要 があるだろうと 思 います (スライド 15) 家 計 にとっては 学 費 のような 見 えるコスト 以 外 に 見 えないコストもあります 33

高 卒 後 4 年 生 大 学 に 進 学 するということは 高 卒 後 もし4 年 間 働 けば 得 られたであろ う 所 得 を 放 棄 することになります この 放 棄 所 得 も 大 学 進 学 の 費 用 ( 機 会 費 用 )と 考 え られます この 放 棄 所 得 は 研 究 者 から 見 た 場 合 の 話 でして ある 程 度 以 上 の 年 収 の ある 家 計 にとっては それほど 考 えが 及 ばないようです 放 棄 所 得 を 心 配 するのは 大 学 進 学 が 果 たしてメリットがあるかどうかを 悩 む 家 計 です 年 収 の 低 い 家 計 ほど 放 棄 所 得 への 懸 念 は 高 まると 考 えられますから そうした 家 計 へは 十 分 な 支 援 が 必 要 と なるでしょう バブル 崩 壊 後 は 教 育 費 も 聖 域 ではなくなり 特 に 稽 古 ごと 等 の 支 出 を 減 らす 傾 向 に ありました しかし 近 年 は 所 得 の 高 い 家 計 に 限 ってですが 一 部 に 聖 域 の 復 活 の きざしもあるようです(スライド 16) 大 学 生 を 持 つ 家 計 にとって 教 育 費 には 消 費 と 投 資 という2つの 側 面 があります(ス ライド 17) 両 者 は 分 離 が 困 難 であり 所 得 状 況 によっても 変 わります 勉 強 するこ とが 楽 しいであるとか 素 晴 らしい 友 人 を 得 るということは 消 費 です これに 対 して 卒 業 後 就 職 して 高 収 入 を 得 ることに 主 眼 を 置 いているならば これは 投 資 です 最 近 のように 収 入 が 低 迷 している 状 況 では やはり 卒 業 後 就 職 するという 投 資 的 な 側 面 が 重 要 となるでしょう 大 学 のオープンキャンパスへ 来 た 保 護 者 からの 質 問 は 就 職 に 関 するものが 多 いようです 家 計 にとっても 多 額 の 投 資 に 見 合 うだけのベネフィット があるかどうかが 関 心 事 であることの 証 だろうと 思 います それでは 子 供 が 大 学 に 行 っていない 家 計 や 納 税 者 一 般 にとっての 学 費 にはどのよ うな 意 味 があるのでしょうか(スライド 18)? 国 から 大 学 への 財 政 的 な 支 援 の 原 資 は 国 民 の 税 金 です つまり 子 供 が 大 学 に 行 っていない 家 計 や 納 税 者 一 般 が 支 払 った 税 金 は 自 分 の 子 供 のために 使 われるというよりも 広 く 教 育 への 支 援 にも 使 われていま す 自 分 の 子 供 への 支 出 ではなく 他 人 の 子 供 への 支 出 です 他 人 の 子 供 を 支 援 する ことによって 彼 ( 彼 女 )が 大 学 卒 業 後 働 いてより 多 くの 収 入 を 得 てより 多 くの 税 金 を 支 払 うという 意 味 で 社 会 貢 献 できれば 社 会 全 体 で 便 益 を 得 ることができるのです このように 子 供 を 公 共 財 とみなすことに 納 税 者 の 同 意 または 理 解 が 得 られないと 34

国 からの 教 育 支 出 を 増 やすことは 難 しいでしょう もちろん 教 育 の 社 会 的 便 益 は 財 政 的 な 側 面 だけではありませんが 他 人 の 子 供 への 支 援 が 将 来 自 分 自 身 や 社 会 のために もなるという 長 期 的 な 発 想 が 必 要 でしょう この 話 がうまくいくためには ひとつ 前 提 があります それは 学 生 は 卒 業 したら 必 ず 就 職 しなければならないということです 就 職 して 働 いて 高 卒 者 よりも 多 額 の 税 金 を 払 ってもらうことによって ようやく 社 会 貢 献 できるわけです この 点 は 大 学 生 にもきちんと 認 識 してもらわなければなりません 次 に 家 計 所 得 と 大 学 進 学 の 関 係 について 考 えてみましょう(スライド 19) 約 20 年 前 に 各 大 学 の 個 別 の 学 生 生 活 調 査 を 収 集 して 家 計 年 収 と 学 生 の 通 学 する 大 学 の 偏 差 値 との 関 係 について 調 べたことがあります それによると 国 立 私 立 にかかわらず 偏 差 値 の 高 い 大 学 には 所 得 の 高 い 家 計 の 子 供 が 多 いことがわかりました(スライド 20) その 後 文 部 省 ( 当 時 ) 調 査 や 生 協 調 査 の 個 票 を 用 いた 研 究 からも 同 様 のことが 明 らか になりました 家 計 所 得 と 大 学 進 学 との 正 の 相 関 は 皆 様 が 以 前 から 感 じ 取 っていたことでしょう 実 は 私 がここで 言 いたいのは 約 20 年 前 には 個 々の 大 学 が 学 生 生 活 調 査 により 自 校 の 学 生 状 況 をきちんと 把 握 していたということです その 後 事 態 がどのように 変 化 したかを 知 りたくて 個 々の 大 学 の 学 生 生 活 調 査 を いくつか 見 て 驚 きました(スライド 21) アルバイトやクラブ 活 動 ボランティア 活 動 の 状 況 などは 増 えているのに 以 前 はあった 家 計 の 経 済 状 況 に 関 する 項 目 が 消 えてい るのです それどころか 調 査 そのものをやめてしまった 大 学 もありました 確 かに プライバシーへの 配 慮 から 慎 重 な 検 討 を 要 するでしょう しかし 果 たして 本 当 に それでいいのかどうか 家 計 状 況 を 知 らないまま 大 学 が 学 費 決 定 していいのか 果 た して 適 切 な 家 計 支 援 ができるのか などを 問 題 提 起 させていただきたいと 思 います 家 計 の 収 入 がわからなくても 家 計 状 況 を 知 ることはできます 例 えば 大 学 によっ ては 学 費 を 払 えないためにせっかく 入 学 した 大 学 を 退 学 したり 除 籍 になったりする ケースが 出 てきています 退 学 者 除 籍 者 の 増 加 は 大 学 にとって 収 入 減 少 につながり 35

ますから 家 計 大 学 の 両 者 にとって 深 刻 な 問 題 です こうした 状 況 も 世 間 の 人 々に 知 ってもらわなければなりません 次 に 2つの 調 査 を 用 いて 学 生 生 活 の 苦 境 についてお 話 しさせていただきます ま ず 日 本 学 生 支 援 機 構 (JASSO) 学 生 生 活 調 査 報 告 書 によると 数 字 は 省 略 させて いただきますが 収 入 では 奨 学 金 が 増 えて アルバイト 収 入 が 減 少 しています(スライ ド 22) これは アルバイト 収 入 の 減 少 を 奨 学 金 で 賄 っていると 考 えられ 決 して 学 生 が 豊 かになっている 状 況 ではありません 他 方 支 出 では 学 費 の 増 加 により 生 活 費 特 に 食 費 などを 切 り 詰 めていることがわかります 健 康 面 は 大 丈 夫 なのでしょう か もう1つ 大 学 生 協 連 学 生 生 活 実 態 調 査 によると 下 宿 生 の 仕 送 りが4 年 連 続 減 少 し この 10 年 で 約 25,000 円 減 っています(スライド 23) 1982 年 か 83 年 並 みの 仕 送 り 額 ということですから ちょうど 今 の 大 学 生 の 親 の 学 生 時 代 に 相 当 するでしょ うか 今 の 大 学 生 は 学 費 上 昇 にもかかわらず 約 30 年 前 の 仕 送 り 額 で 暮 らしている のです これは 大 変 な 苦 境 でしょう 日 本 学 生 支 援 機 構 学 生 生 活 調 査 報 告 書 から 自 宅 から 私 立 大 学 へ 通 う 学 生 と 下 宿 して 国 立 大 学 へ 通 う 学 生 の 学 費 と 生 活 費 の 合 計 はほぼ 同 じになっています(スラ イド 24) 国 立 大 志 望 者 がその 地 域 以 外 の 例 えば 東 京 に 進 学 しても 家 計 にとって 負 担 はほぼ 同 じなわけです 地 方 に 立 地 する 私 立 大 学 の 中 には 学 生 集 めに 苦 労 している ケースがあります その 地 域 の 学 生 をいかに 自 分 の 大 学 に 集 めるか 地 域 の 私 立 大 学 がいかに 魅 力 的 であるかを 受 験 生 に 十 分 に 伝 えることが 出 来 るならば 家 計 負 担 とい う 観 点 からも 学 生 募 集 ができるかもしれません 次 に 大 学 生 のいる 家 計 の 経 済 状 況 を 具 体 的 に 見 てみましょう 総 務 省 平 成 16 年 度 全 国 消 費 実 態 調 査 によると 貯 蓄 純 増 ( 平 均 貯 蓄 率 )がマイナスになっていること から 国 立 大 学 家 計 であっても 年 収 800 万 円 未 満 は 貯 蓄 を 取 り 崩 さないと 大 学 に 進 学 できないことがわかります(スライド 25) これは 子 供 一 人 の 場 合 です 私 立 大 学 家 計 については 年 収 1,000 万 円 以 上 でも 貯 蓄 を 取 り 崩 さないと 子 供 を 大 学 へ 進 学 させ 36

ることはできないという 厳 しい 状 況 を 示 しています(スライド 26) このように 学 費 負 担 の 厳 しい 状 況 で 大 学 進 学 率 は 今 後 どうなっていくでしょうか 2012 年 度 は 大 学 短 大 高 専 4 年 次 合 わせて 57.2%の 進 学 率 です(スライド 27) 18 歳 人 口 は 今 後 しばらく 120 万 人 前 後 で 推 移 すると 予 測 されております アベノミック スにより 大 企 業 でベースアップ 等 の 動 きも 出 てきていますが まだ 中 小 企 業 までは 波 及 していません これからも 依 然 として 家 計 所 得 伸 び 悩 みの 状 況 が 続 いていくなら ば 学 費 を 払 えない 大 学 生 あるいは 学 費 のあまりの 高 さに 進 学 を 断 念 する 高 校 生 が 増 える 可 能 性 が 十 分 にあるだろうと 思 っております(スライド 28) ここからが 先 生 方 とぜひ 議 論 したいと 思 っている 点 です 家 計 負 担 を 軽 減 するため にどのような 公 共 政 策 が 望 ましいでしょうか 能 力 のある 学 生 あるいは 意 欲 のある 学 生 が 家 計 所 得 の 多 い 少 ないに 関 わらず 大 学 へ 進 学 できるようにしなければなりま せん 2つの 調 査 を 示 しましょう ( 財 )こども 未 来 財 団 の 調 査 から 高 所 得 家 計 ほど 子 供 に 高 学 歴 を 求 める 傾 向 のあることがわかります(スライド 29) 次 に 矢 野 先 生 を 中 心 にした 高 校 生 の 進 路 追 跡 調 査 から 大 学 進 学 予 定 者 の 割 合 は 年 収 が 少 ないほど 低 くなることが 明 らかとなりました(スライド 30) 大 学 進 学 率 がようやく 50%を 超 えた 状 況 では 高 等 教 育 への 支 援 について 合 意 は 得 にくいのかもしれません さきほ ど 子 供 は 公 共 財 という 話 をさせていただきましたが 学 費 を 負 担 できた 家 計 には 子 供 が 卒 業 して 就 職 できれば 高 卒 者 よりも 高 い 所 得 を 得 ることができるという 私 的 財 の 側 面 もあるわけです(スライド 31) 所 得 の 高 い 家 計 がより 多 くの 所 得 税 を 納 めるという 日 本 の 累 進 税 率 システムは 今 の 最 高 税 率 は 40%ですが 70%と 非 常 に 高 い 時 期 もありました ですから 所 得 が 高 い 大 卒 者 が 高 卒 者 より 多 くの 所 得 税 を 払 ってくれれば 経 済 学 者 から 見 て 大 学 生 は 公 共 財 とみなすことができるのですが 現 在 の 状 況 では 判 断 に 迷 うこともあります 家 計 負 担 の 公 共 政 策 の1つは 大 学 への 機 関 補 助 です(スライド 32) 私 立 大 学 につい ては いわゆる 私 学 助 成 の 増 額 により 学 費 を 引 き 下 げることができます もう 1 つは 37

家 計 ( 学 生 )へ 直 接 補 助 する 個 人 補 助 です 授 業 料 免 除 の 拡 大 や 奨 学 金 制 度 を 充 実 させ るという 直 接 給 付 型 と 授 業 料 を 所 得 控 除 または 税 額 控 除 するという 税 制 による 支 援 型 があります これについて 私 学 高 等 教 育 研 究 所 の 調 査 によると 経 常 費 助 成 が 減 額 廃 止 され た 場 合 学 費 を 値 上 げしたい と 回 答 した 大 学 の 学 長 理 事 長 が 約 3 分 の2ありまし た(スライド 33) また 学 費 を 税 額 控 除 すべき に 対 して9 割 近 くが 同 意 していま す 関 西 のある 大 学 の 学 費 の 推 移 を 見 ると ここ 10 年 以 上 に 渡 って 学 費 をほとんど 上 げていません これは 経 済 系 の 大 学 ですが 学 費 を 上 げられる 状 況 ではないとのこと でした 施 設 設 備 等 を 維 持 更 新 する 資 金 をどうやって 賄 っているか 尋 ねると 経 費 節 減 ももはや 限 界 に 来 ており 教 職 員 の 給 与 据 え 置 きもやむを 得 ないとのことでした やがて 教 育 や 研 究 の 質 に 繋 がらなければいいと 心 配 をしております 地 方 に 立 地 する 私 立 大 学 は 授 業 料 を 上 げるのは 夢 のまた 夢 であるとお 話 をされた 理 事 長 もいらっし ゃいました ところが 学 費 を 値 上 げ 出 来 る 大 学 もあります 関 西 圏 の 大 学 では いわゆる 偏 差 値 によって 関 関 同 立 産 近 甲 龍 摂 神 追 桃 という 呼 び 方 をすることがあります 経 済 学 部 の 学 費 を 見 ると これまでは 偏 差 値 が 低 いほど 学 費 が 高 いという 逆 相 関 の 傾 向 が ありました 大 学 に 入 りたければ 高 い 授 業 料 を 払 えという 経 済 合 理 性 がありました ところが 最 近 では 関 関 同 立 の 値 上 げが 際 立 っておりまして この 図 式 が 崩 れてきて います 大 学 の 中 には 大 学 改 革 のリーダーだともてはやされるものがありますが 地 方 の 大 学 にとっては 迷 惑 なこともあります 例 えば 有 名 大 学 が 地 方 受 験 をやると その 地 域 の 大 学 の 志 願 者 以 上 の 受 験 生 を 集 めてしまうこともあるようです 志 願 者 が 200 人 300 人 という 大 学 も 地 方 にはありますから 地 方 受 験 をやめてほしいという 声 も 聞 きます 私 自 身 は 経 済 学 者 ですから 自 由 競 争 は 当 然 だと 思 ってはおりますが 果 たして 自 由 放 任 のままでよいのか ある 程 度 規 制 してもよいのではないかという 意 見 もあります 大 学 業 界 全 体 で 議 論 しなければなりません 私 学 高 等 教 育 研 究 所 の 調 査 では 授 業 料 の 税 額 控 除 の 質 問 がありました 税 額 控 除 は 38

税 金 を 払 っている 家 計 しか 恩 恵 がありません スライド 25 26 で 見 たように 年 収 400 万 程 度 の 家 計 は 大 学 進 学 に 相 当 苦 労 しています 所 得 の 低 い 家 計 にも 恩 恵 が 届 く ためには 所 得 控 除 を 案 として 考 えてもいいだろうと 思 います これはひとつの 試 算 例 です(スライド 34 試 算 時 の 制 度 による 概 算 ) 夫 婦 2 人 のうち 一 方 が 勤 労 者 他 方 が 無 職 で 子 供 2 人 のうち1 人 が 大 学 生 一 人 が 15 歳 以 下 という 設 定 です 国 立 大 学 の 授 業 料 と 私 立 大 学 の 平 均 授 業 料 の 差 額 を 約 50 万 円 としたとき この 50 万 円 を 課 税 所 得 から 控 除 する 仕 組 みを 考 えました 当 然 ながら どの 年 収 の 家 計 も 減 税 になり 年 収 400 万 円 家 計 は マイナスの 納 税 つまり 現 金 支 給 を 受 けることができます 問 題 はこの 減 税 分 を 誰 がどのように 負 担 するかということです 大 学 の 中 には 独 自 財 源 で 育 英 奨 学 事 業 や 授 業 料 減 免 を 行 う 例 が 国 立 私 立 とも 多 数 あります(スライド 35) ただし こうした 制 度 の 充 実 は 大 学 にとってはそのまま 収 入 減 となりますから 自 分 で 自 分 の 首 を 絞 めることにもなります 私 大 団 体 連 21 世 紀 社 会 の 持 続 的 発 展 を 支 える 私 立 大 学 (2011 年 )の 試 算 によると 経 常 費 及 び 施 設 設 備 にかかる 国 費 負 担 ( 補 助 金 )の 国 私 間 格 差 は 学 生 1 人 当 たり 13.5 倍 にもなります 国 費 負 担 を 国 立 と 同 程 度 とし その 1/2 を 私 大 へ 補 助 するためには 約 6,000 億 円 の 増 額 が 必 要 です 民 主 党 政 権 で 導 入 された 公 立 高 校 授 業 料 無 償 化 には 4,000 億 円 くらいかかっておりました その 4,000 億 円 を 政 策 によって 導 入 できるわ けです それならば 急 に 6,000 億 円 は 難 しいにしても 半 分 とか 少 しずつ 導 入 する ことはそんなに 難 しいことではないだろうと 思 います 我 が 国 では 諸 外 国 に 比 べて 教 育 への 公 的 負 担 が 少 ないからもっと 増 やせという 議 論 があります 私 自 身 は 少 しそこに 違 和 感 があります OECD 諸 国 など 確 かに 公 的 負 担 が 多 い 国 はあります それらの 国 々はわが 国 より 所 得 税 や 消 費 税 ( 付 加 価 値 税 )など の 租 税 負 担 が 重 くなっています(スライド 37) つまり 子 供 を 持 つ 家 計 の 教 育 費 負 担 は 少 ないかもしれませんが 子 供 を 持 たない 家 計 を 含 む 国 民 全 体 の 負 担 は 重 いとい うことを 理 解 する 必 要 があります 2014 年 4 月 からわが 国 の 消 費 税 率 は5%から8% に 引 き 上 げられます ただスウェーデンの 付 加 価 値 税 率 は 25%です 矢 野 先 生 は 子 39

供 のいる 家 計 が 教 育 費 を 負 担 するのは 当 然 だという 調 査 結 果 をご 報 告 されました 私 は 子 供 を 持 たない 家 計 も 教 育 費 を 負 担 すること 子 供 を 国 民 全 体 で 育 てるというこ とを 理 解 していただきたいと 考 えております 消 費 税 率 を1% 引 き 上 げると 約 2.5 兆 円 の 税 収 見 込 みがあります これは 文 教 費 の 約 10 分 の1に 相 当 します(スライド 39) 消 費 税 増 税 分 は 社 会 保 障 財 源 として 充 当 するとのことですが そのうちの 一 定 割 合 を 教 育 あるいは 高 等 教 育 に 回 してもいい だろうと 思 います 個 々の 大 学 の 学 生 支 援 策 ももう 限 界 になってきています 私 たちは 大 学 関 係 者 を 含 めて 国 へ 高 等 教 育 への 支 出 を 増 やすべきという 要 求 だけではなく 誰 がどのよう に 負 担 すべきなのか 特 に 大 学 生 のいない 家 計 もどう 負 担 すべきなのかということを 広 く 議 論 する 必 要 があると 私 は 考 えております(スライド 40) 以 上 で 私 の 話 は 終 わりです どうもご 清 聴 ありがとうございました 40