目 次 はじめに 1 1. 地 域 の 概 要 2 1.1. 計 画 作 成 主 体 2 1.2. 対 象 地 域 範 囲 2 1.3. 地 理 的 特 色 2 1.4. 社 会 的 特 色 3 1.5. 経 済 的 特 色 4 1.6. 歴 史 的 特 色 6 1.7. 行 政 上 の 地 域 指



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容 積 率 制 限 の 概 要 1 容 積 率 制 限 の 目 的 地 域 で 行 われる 各 種 の 社 会 経 済 活 動 の 総 量 を 誘 導 することにより 建 築 物 と 道 路 等 の 公 共 施 設 とのバランスを 確 保 することを 目 的 として 行 われており 市 街 地 環

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入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

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16 日本学生支援機構

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18 国立高等専門学校機構

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貸 借 対 照 表 内 訳 表 212 年 3 月 31 日 現 在 公 益 財 団 法 人 神 奈 川 県 公 園 協 会 科 目 公 益 目 的 事 業 会 計 収 益 事 業 等 会 計 法 人 会 計 内 部 取 引 消 去 合 計 Ⅰ 資 産 の 部 1. 流 動 資 産 現 金 預 金

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

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別 表 1 土 地 建 物 提 案 型 の 供 給 計 画 に 関 する 評 価 項 目 と 評 価 点 数 表 項 目 区 分 評 価 内 容 と 点 数 一 般 評 価 項 目 立 地 条 件 (1) 交 通 利 便 性 ( 徒 歩 =80m/1 分 ) 25 (2) 生 活 利 便

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奥 出 雲 町 バイオマス 産 業 都 市 構 想 平 成 26 年 1 月 7 日 奥 出 雲 町 奥 出 雲 森 林 総 合 活 用 協 議 会

目 次 はじめに 1 1. 地 域 の 概 要 2 1.1. 計 画 作 成 主 体 2 1.2. 対 象 地 域 範 囲 2 1.3. 地 理 的 特 色 2 1.4. 社 会 的 特 色 3 1.5. 経 済 的 特 色 4 1.6. 歴 史 的 特 色 6 1.7. 行 政 上 の 地 域 指 定 7 1.8. 地 域 が 目 指 そうとする 今 後 の 方 向 8 2.バイオマス 資 源 の 利 用 の 現 状 と 課 題 8 2.1.バイオマス 資 源 の 利 用 の 現 状 8 2.2.バイオマス 資 源 の 利 用 についての 課 題 11 3. 目 指 すべき 将 来 像 と 目 標 13 3.1.バイオマス 産 業 都 市 を 目 指 す 背 景 と 理 由 13 3.2.バイオマス 産 業 都 市 として 目 指 すべき 将 来 像 15 3.3.バイオマス 産 業 都 市 として 達 成 すべき 目 標 16 4. 事 業 化 プロジェクトの 内 容 18 5. 地 域 波 及 効 果 22 6. 実 施 体 制 23 7.フォローアップの 方 法 24 8. 他 の 地 域 計 画 との 有 機 的 連 携 24 引 用 文 献 25 添 付 資 料 26 2

はじめに 現 在 エネルギー 問 題 への 対 応 については 種 々の 議 論 がなされており 木 質 バイオマス の 利 用 も 着 眼 点 の1つに 挙 げられている また 森 林 は 環 境 面 で 重 要 な 機 能 を 果 たす ものであり さらに 中 山 間 地 にとっては 林 業 は 地 域 振 興 のための 手 段 の 一 つである このように 森 林 林 業 は 今 日 の 重 要 な 課 題 である エネルギー 環 境 そして 地 域 振 興 に 関 連 するものであるが これまで 講 じられてきた 木 材 などの 材 料 としての 利 用 と それに 伴 って 発 生 する 林 地 残 材 の 有 効 利 用 という 考 え 方 だけでは 特 に 経 済 性 の 面 から 効 果 が 得 られていないのが 現 状 である 奥 出 雲 町 は 江 戸 中 期 から 大 正 末 期 まで 行 われた 奥 出 雲 近 世 たたら 製 鉄 の 中 心 地 で ある たたら 製 鉄 の 環 境 面 への 影 響 については これまでいくつかの 間 違 った 解 釈 がされ ているが 江 戸 中 期 以 降 の 奥 出 雲 でのたたら 製 鉄 の 歴 史 は 今 日 の 森 林 林 業 の 問 題 への 対 応 を 考 える 上 で ポジティブなヒントを 与 えるものである また 奥 出 雲 町 は 松 江 市 出 雲 市 などの 都 市 の 水 源 の 町 であり 森 林 の 環 境 整 備 が 急 務 である 奥 出 雲 町 は 地 域 のこの 歴 史 的 体 験 を 生 かし 木 質 バイオマスを 中 心 に エネルギー 環 境 地 域 振 興 の 課 題 解 決 につながる 事 業 を 確 立 するとともに 同 じような 問 題 を 抱 えている 他 の 中 山 間 地 域 の 見 本 となる 姿 を 作 り 上 げたい 1

1. 地 域 の 概 要 1.1. 計 画 作 成 主 体 当 計 画 は 奥 出 雲 町 および 奥 出 雲 森 林 総 合 活 用 協 議 会 が 作 成 する 1.2. 対 象 地 域 範 囲 この 計 画 のバイオマスの 供 給 元 は 奥 出 雲 町 であるが 需 要 先 はそれに 限 定 されない 1.3. 地 理 的 特 色 奥 出 雲 町 は 平 成 17 年 3 月 31 日 に 仁 多 町 と 横 田 町 の2 町 が 合 併 して 発 足 した 島 根 県 の 南 東 部 に 位 置 し 西 部 から 北 部 にかけては 雲 南 市 北 部 は 安 来 市 東 部 は 鳥 取 県 日 南 町 南 部 は 広 島 県 庄 原 市 に 接 している 東 西 約 27km 南 北 約 21 km 総 面 積 368.06 km 2 である 奥 出 雲 町 図 1 奥 出 雲 町 の 位 置 中 国 山 地 の 連 なる 中 山 間 地 域 にあり 中 央 を 流 れる 一 級 河 川 斐 伊 川 とその 支 流 域 に 農 地 が 開 け 市 街 地 や 集 落 が 散 在 している 図 2 奥 出 雲 町 の 地 勢 2

仁 多 地 域 写 真 1. 市 街 地 の 全 景 横 田 地 域 200m~400m の 起 伏 の 緩 やかな 山 地 が 多 く 急 峻 な 山 地 は 県 境 付 近 と 雲 南 市 との 境 周 辺 に 限 られる 年 間 平 均 気 温 は 11.9 年 間 降 水 量 は 1,717 mm 年 間 日 照 時 間 は 1,490 時 間 である 土 地 の 利 用 状 況 を 表 1に 示 す 林 野 率 は 約 84%で 耕 地 率 は 約 7%である 表 1. 奥 出 雲 町 の 土 地 利 用 状 況 ( 単 位 ;ha) 総 土 地 面 積 林 野 面 積 耕 地 面 積 田 畑 計 実 数 36,806 30,850 2,130 516 2,646 構 成 比 100% 84% 6% 1% 7% 出 典 : 総 土 地 面 積 林 野 面 積 は 2005 年 農 林 業 センサス ( 農 林 水 産 省 ) 耕 地 面 積 は 平 成 24 年 ( 産 ) 作 物 統 計 調 査 ( 農 林 水 産 省 ) 1.4. 社 会 的 特 色 平 成 22 年 の 国 勢 調 査 結 果 によると 奥 出 雲 町 の 総 人 口 は 14,456 人 で 平 成 17 年 と 比 べ て 8.6% 減 少 している 老 齢 人 口 は 5,295 人 であり 36.6%を 占 めている 表 2. 奥 出 雲 町 の 人 口 平 成 22 年 国 勢 調 査 結 果 ( 比 較 ) 平 成 17 年 国 勢 調 査 結 果 人 口 ( 人 ) 14,456 15,812 老 齢 人 口 ( 人 ) 5,295 5,419 世 帯 数 4,713 4,874 3

林 家 数 農 家 数 は 表 3 のようになっている 表 3. 奥 出 雲 町 の 林 家 農 家 数 ( 単 位 ; 世 帯 ) 林 家 数 農 家 数 実 数 1,811 1,859 構 成 比 38% 39% 出 典 : 農 家 数 林 家 数 は 2010 年 農 林 業 センサス ( 農 林 水 産 省 ) なお この 場 合 林 家 の 定 義 ; 保 有 山 林 面 積 が 1 ヘクタール 以 上 の 世 帯 農 家 の 定 義 ;10a 以 上 の 経 営 または 年 間 の 農 産 物 販 売 金 額 が 15 万 円 以 上 の 世 帯 である 林 家 のうち 森 林 施 業 で 生 計 を 立 てている 世 帯 は 極 めて 少 ない 奥 出 雲 町 は 農 業 においては 奥 出 雲 仁 多 米 酪 農 業 においては 仁 多 牛 のブラン ドで 全 国 的 に 知 られている 仁 多 牛 は 江 戸 時 代 から 改 良 が 重 ねられてきた 肉 質 増 体 を 兼 ね 備 えた 良 質 和 牛 である 奥 出 雲 仁 多 米 は 良 質 な 水 昼 夜 の 寒 暖 差 が 大 きいという 気 候 の 特 性 有 機 質 に 富 んだ 土 壌 などを 生 かし さらに 家 畜 類 の 糞 などを 用 いた 完 熟 堆 肥 を 鋤 き 込 んで 土 作 りをした 水 田 で 生 産 されている 平 成 25 年 の 第 15 回 米 食 味 分 析 鑑 定 コンクール 国 際 大 会 では 全 国 3954 点 の 出 品 米 の 中 から 国 際 総 合 部 門 で 金 賞 に 選 ばれている 4 年 連 続 通 算 5 度 目 の 金 賞 獲 得 である 仁 多 牛 ( 奥 出 雲 和 牛 ) 写 真 2. 奥 出 雲 町 のブランド 品 奥 出 雲 仁 多 米 1.5. 経 済 的 特 色 産 業 別 就 業 者 数 の 推 移 を 図 1に 示 す 奥 出 雲 町 の 総 就 業 者 数 は 年 とともに 減 少 し 続 け ている 特 に 第 一 次 産 業 ( 農 業 林 業 ) 就 業 者 数 は 平 成 12 年 まで 著 しく 減 少 し 平 成 12 年 以 降 ほぼ 横 ばいになっている 産 業 別 生 産 額 の 推 移 を 図 2に 示 す 第 1 次 産 業 は 生 産 額 の 減 少 が 続 いている 就 業 人 口 の 減 少 や 高 齢 化 が 進 行 しており 担 い 手 不 足 の 状 況 にある 一 部 では 施 設 型 農 業 や 複 合 経 営 が 進 んでおり 建 設 業 から 農 業 分 野 へ 参 入 事 業 者 も 発 生 している また 有 機 農 業 な 4

ど 高 付 加 価 値 農 産 物 の 生 産 に 力 を 入 れている 農 家 も 増 えている 第 一 次 産 業 第 二 次 産 業 昭 和 60 年 3,644 3,626 3,317 平 成 2 年 2,937 3,694 3,455 平 成 7 年 2,543 3,462 3,716 平 成 12 年 1,760 3,274 3,799 平 成 17 年 1,785 3,599 3,779 平 成 22 年 1,689 2,461 3,428 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 図 1. 産 業 別 就 業 者 数 の 推 移 出 典 : 国 勢 調 査 ( 総 務 省 統 計 局 ) 第 一 次 産 業 第 二 次 産 業 第 三 次 産 業 平 成 8 年 平 成 9 年 平 成 10 年 平 成 11 年 平 成 12 年 平 成 13 年 平 成 14 年 平 成 15 年 平 成 16 年 平 成 17 年 平 成 18 年 平 成 19 年 平 成 20 年 平 成 21 年 平 成 22 年 4,536 4,416 4,930 4,547 4,210 4,561 3,916 3,712 3,847 3,383 3,272 2,937 2,498 2,435 2,331 16,936 17,472 19,823 18,954 18,143 17,226 15,412 14,433 14,217 12,871 13,579 16,252 13,228 14,273 13,732 28,434 28,873 28,650 28,154 30,089 31,169 31,076 31,274 31,372 29,931 30,632 31,424 27,957 27,911 28,086 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 図 2. 産 業 別 生 産 額 の 推 移 出 典 : しまねの 市 町 村 民 経 済 計 算 ( 島 根 県 ) 5

第 二 次 産 業 は 公 共 事 業 の 減 少 世 界 的 な 金 融 危 機 の 影 響 等 により 建 設 業 製 造 業 と もに 厳 しい 状 況 を 迎 えている こうした 中 でも 新 たな 分 野 への 参 入 や 独 自 の 技 術 開 発 に 積 極 的 な 事 業 所 もあり 雇 用 の 維 持 に 貢 献 している 第 三 次 産 業 は 車 社 会 の 進 展 やインターネットの 普 及 等 の 社 会 環 境 の 変 化 により 町 内 に 多 く 所 在 する 小 規 模 な 小 売 店 や 各 種 サービス 業 には 厳 しい 状 況 となっている 1.6. 歴 史 的 特 色 奥 出 雲 町 は 斐 伊 川 の 上 流 に 位 置 している その 流 域 は 砂 鉄 を 産 することから それを 原 料 として 古 代 からたたら 製 鉄 が 行 われてきた 斐 伊 川 の 流 域 は 風 化 しやすい 土 質 であるた め 川 床 が 上 がりやすく 洪 水 に 結 びつくことが 多 かった また 砂 鉄 採 取 時 に 分 離 された 土 砂 の 流 れ 込 みも それを 助 長 したと 言 われている そして 江 戸 時 代 の 初 めに 松 江 藩 によって 斐 伊 川 の 洪 水 による 農 業 被 害 を 防 ぐため 斐 伊 川 の 水 を 利 用 した 砂 鉄 の 選 鉱 が 禁 止 され 1601~1637 年 の 間 は たたら 製 鉄 を 行 うことができなかった 注 目 すべきは そ の 後 の 経 過 である 1 ) 時 間 的 経 過 は 添 付 資 料 に 示 すが もともとは 水 田 地 主 である 鉄 師 と 呼 ばれる 経 営 者 (3 家 )が 松 江 藩 と 連 携 して 今 日 でいう 総 合 的 視 点 から 表 4 に 示 すような 解 決 策 を 講 じた それは 近 世 奥 出 雲 たたら 製 鉄 と 呼 ばれている これによって 明 治 17 年 ( 日 本 としての 統 計 が 初 めて 行 われた 年 で まだ 日 本 に 近 代 製 鉄 法 が 導 入 される 前 )には 奥 出 雲 地 域 ( 現 在 の 雲 南 市 の 1 部 を 含 む)で 全 国 の 50% 以 上 の 鉄 を 生 産 していた さらに 日 本 に 欧 州 から 近 代 製 鉄 法 が 導 入 されてからも 大 正 12 年 まで 生 産 が 続 けられた 表 4. 近 世 奥 出 雲 たたら 製 鉄 における 課 題 と 解 決 のために 取 られた 方 策 課 題 解 決 のための 方 法 1 砂 鉄 から 分 離 した 廃 砂 ( 採 掘 川 を 使 った 選 鉱 法 から 地 上 で 人 工 樋 を 用 いた 方 法 に 代 えら 量 の97%を 占 める)の 処 分 法 れ 得 られた 廃 砂 は 谷 間 に 埋 め 立 てて 農 地 拡 大 に 利 用 される ( 環 境 問 題 ) ようになった 2 製 鉄 用 の 炭 を 作 るための 木 質 松 江 藩 への 上 納 金 と 引 き 換 えに 藩 有 林 が 利 用 できるように 原 料 の 確 保 ( 資 源 量 確 保 ) なり 約 25 年 サイクルで 伐 採 場 所 を 移 動 できるようになった 3 炭 砂 鉄 などの 輸 送 方 法 人 力 では 限 界 があった( 炭 3 里 ; 炭 の 場 合 は 約 12km)が ( 輸 送 コスト 低 減 ) 藩 の 軍 用 馬 の 飼 育 を 引 き 受 け それを 輸 送 に 利 用 して 距 離 の 壁 を 突 破 することができた 4 製 品 鉄 の 需 要 変 動 への 対 応 策 炉 から 流 れ 出 す 高 炭 素 鉄 ( 鋳 物 用 )と 炉 の 中 に 残 る 中 低 炭 素 鉄 の 生 産 比 率 を たたら 炉 操 業 法 の 技 術 革 新 で 需 要 動 向 に 対 応 して 変 更 できるようにした この 歴 史 は 江 戸 時 代 まで 日 本 の 各 地 で 行 われていた 製 鉄 のほとんどが 農 閑 余 業 の 段 階 6

に 留 まっていたこと また 製 鉄 量 が 比 較 的 多 かった 地 方 でも 農 業 への 悪 影 響 で 百 姓 一 揆 の 原 因 になったりして 幕 藩 体 制 の 終 了 とともに 停 止 されたことと 大 きく 異 なっている そ の 差 はどこにあったのか 製 鉄 の 経 営 者 は 安 芸 備 後 備 中 伯 耆 石 見 では 多 くの 場 合 商 業 資 本 であった また 江 戸 後 期 の 東 北 では 藩 の 直 営 であった それに 対 して 出 雲 ではすべてが 大 水 田 地 主 であった この 大 水 田 地 主 でもある 鉄 師 ( 製 鉄 経 営 者 )が 松 江 藩 と 協 力 関 係 にあった ことを 背 景 に 独 自 の 農 山 鉱 蓄 一 体 型 の 経 営 が 行 われた すなわち 水 田 地 主 製 鉄 山 林 管 理 牧 畜 ( 藩 の 軍 馬 の 飼 育 も 引 き 受 けた)の 全 体 の 最 適 化 を 長 期 的 視 点 に 立 って 考 えたということがポイントであった 今 日 学 ぶべき 点 としては 次 のようなことが 挙 げられる 配 慮 点 江 戸 時 代 の 奥 出 雲 たたら 製 鉄 で 取 られた 具 体 策 1 砂 鉄 の 泥 を 水 で 洗 い その 泥 の 最 終 的 行 き 先 として 従 来 の 川 長 期 的 視 点 から に 流 すのではなく 地 上 で 土 砂 分 を 分 け 埋 め 立 てに 用 いた の 配 慮 2 山 の 木 が 枯 渇 しないように 約 25 年 サイクルで 伐 採 して 現 地 で 炭 にして 製 鉄 場 に 運 んだ 1 農 閑 余 業 から 年 中, 操 業 へ 移 行 効 率 アップの 2 炉 の 大 型 化 熱 効 率 を 上 げられるように 炉 の 基 礎 部 に 工 夫 を 取 り 追 求 いれる 永 代 たたら 3 運 搬 ; 木 を 炭 にしてかつ 藩 から 飼 育 を 引 き 受 けた 軍 馬 を 有 効 に 輸 送 に 利 用 した 1 鉄 の 種 類 による 需 要 変 動 への 対 応 需 要 変 動 に 対 応 たたら 製 鉄 の 製 品 は 炉 から 溶 けて 流 れ 出 す 高 炭 素 鉄 ( 鋳 物 用 )と する 柔 軟 性 炉 の 中 に 固 体 として 残 る 中 炭 素 鋼 ( 鍛 冶 用 )がある この 比 率 の 需 要 変 化 に 対 応 できるように 炉 に 吹 き 込 む 風 の 量 を 調 整 する 技 術 などを 開 発 した 今 後 森 林 林 業 の 問 題 を 考 える 上 で この 奥 出 雲 の 近 世 たたら 製 鉄 の 歴 史 が 示 唆 する ことが 多 いと 思 われる 1.7. 行 政 上 の 地 域 指 定 表 5. 行 政 上 の 地 域 指 定 区 分 地 域 過 疎 地 域 自 立 促 進 特 別 措 置 法 過 疎 地 域 奥 出 雲 町 全 域 辺 地 法 辺 地 指 定 地 域 上 三 所 上 高 尾 下 高 尾 三 井 野 原 坂 根 奥 八 川 大 峠 農 業 振 興 地 域 に 関 する 法 律 農 業 振 興 地 域 奥 出 雲 地 域 ( 総 面 積 24,477ha 農 用 地 面 積 3,178ha) 7

山 村 振 興 法 振 興 山 村 地 域 三 沢 阿 井 亀 嵩 八 川 鳥 上 馬 木 特 定 農 山 村 法 特 定 農 山 村 地 域 奥 出 雲 町 全 域 農 村 地 域 工 業 等 導 入 促 進 法 農 村 地 域 工 業 等 導 入 地 区 一 部 特 殊 土 壌 地 帯 災 害 防 除 及 び 振 興 臨 時 措 置 法 特 殊 土 壌 地 帯 奥 出 雲 町 全 域 豪 雪 地 域 対 策 特 別 措 置 法 豪 雪 地 帯 奥 出 雲 町 全 域 1.8. 地 域 が 目 指 そうとする 今 後 の 方 向 特 色 ある 農 業 酪 農 業 に 加 えて 地 域 の 歴 史 的 経 験 に 学 び 古 来 より 有 効 活 用 されてい た 資 源 である 木 質 バイオマスの 総 合 的 一 体 的 な 循 環 利 用 を 図 ることで バイオマス 利 用 の 産 業 化 による 新 規 雇 用 創 出 や 農 林 畜 産 業 の 振 興 を 図 る また バイオマスの 総 合 的 一 体 的 な 利 用 を 推 進 することで 健 全 な 森 林 整 備 化 石 燃 料 消 費 量 の 削 減 廃 棄 物 の 有 効 利 用 を 図 り 二 酸 化 炭 素 排 出 量 削 減 循 環 型 社 会 の 形 成 に つなげ 日 本 の 中 山 間 地 の 振 興 の 見 本 となるものを 作 り 地 球 温 暖 化 防 止 に 貢 献 する 2.バイオマス 資 源 の 利 用 の 現 状 と 課 題 2.1.バイオマス 資 源 の 利 用 の 現 状 (1) 廃 棄 物 系 ( 木 質 バイオマス 関 係 以 外 ) 賦 存 量 と 現 在 の 利 用 先 利 用 率 を 表 6に 示 す 表 6. 廃 棄 物 系 バイオマスの 賦 存 量 と 利 用 状 況 バイオマス 賦 存 量 変 換 処 理 法 利 用 先 利 用 率 (%) (t/ 年 ) 家 畜 牛 フン 尿 38,053 堆 肥 化 域 内 使 用 外 販 100 排 泄 物 豚 フン 尿 110 堆 肥 化 域 内 使 用 100 鶏 フン 238 堆 肥 化 域 内 使 用 外 販 100 公 共 下 水 汚 泥 3,196 民 間 業 者 に 委 託 販 売 100 下 水 集 落 排 水 汚 泥 1,896 堆 肥 化 販 売 73 汚 泥 合 併 浄 化 槽 汚 泥 3,026 堆 肥 化 販 売 73 し 尿 汚 泥 2,995 堆 肥 化 販 売 73 食 品 生 ごみ 709 一 部 堆 肥 化 堆 肥 販 売 13 残 りは 焼 却 廃 棄 物 廃 食 用 油 37 BDF 化 原 料 として 提 供 30 8

家 畜 排 泄 物 の 処 理 のためには 3つの 堆 肥 センターが 作 られており( 写 真 3) 80% 以 上 が 堆 肥 化 され 堆 肥 は 域 内 の 農 業 用 に 利 用 されている 横 田 堆 肥 センター(( 社 ) 奥 出 雲 町 農 業 公 社 ) 仁 多 堆 肥 センター(( 株 ) 仁 多 堆 肥 センター) 堆 肥 化 施 設 (JA 雲 南 仁 多 肥 育 センター) 横 田 堆 肥 センター 写 真 3. 既 設 の 堆 肥 化 施 設 仁 多 堆 肥 センター 公 共 下 水 汚 泥 類 は 民 間 業 者 に 処 理 委 託 しているが 堆 肥 として 73%が 利 用 されている 食 品 廃 棄 物 は 発 生 量 ;709t/ 年 のうち 27%が 堆 肥 化 され 残 りは 町 の 可 燃 物 処 理 場 で 焼 却 処 分 されている 廃 食 用 油 は 発 生 量 ;37t/ 年 のうち 30%が 回 収 されて BDF 原 料 として 域 外 に 販 売 さ れている (2) 廃 棄 物 系 ( 木 質 バイオマス) 1 製 材 工 場 等 残 材 発 生 量 は 約 800t/ 年 である 端 材 は チップ 用 原 料 としてチップ 化 工 場 に あるいは 薪 として 家 庭 に 販 売 されている また オガクズは 家 畜 敷 料 として 畜 産 業 者 に 販 売 されてい る 現 在 約 80%が 利 活 用 されている 2 建 設 発 生 木 材 発 生 量 は 2,300t/ 年 である そのほとんどすべてが 産 業 廃 棄 物 中 間 処 理 業 者 等 によって チップ 化 や 炭 化 され 利 活 用 されている (3) 未 利 用 系 の 中 の 農 作 物 の 非 食 用 部 以 下 のように ほぼ 全 量 有 効 利 用 されている a. 稲 ワラ; 発 生 量 11,250t/ 年 収 集 については ロールベーラ 等 を 導 入 して 水 稲 農 家 に 貸 し 出 し 効 率 的 に 行 われてい る また 町 民 参 加 型 の 稲 ワラの 収 集 として サイロ 詰 めやラッピング 昔 ながらのはで 9

干 し 等 で 乾 燥 させた 稲 ワラの 集 積 場 への 持 ち 込 みが 推 進 されている 収 集 集 積 された 稲 ワラについて 堆 肥 化 家 畜 飼 料 家 畜 敷 料 すき 込 みなどへの 利 用 が 図 られている b.モミガラ; 発 生 量 2,147t/ 年 モミガラを 細 かく 粉 砕 したものは 家 畜 敷 料 として 利 用 されている そのままでは 硬 くて 尖 っており 乳 用 牛 の 乳 房 等 に 刺 激 を 与 えるが 粉 砕 機 が 導 入 されて 解 決 されている (4) 林 地 残 材 林 地 残 材 の 実 績 値 を 表 7に 示 す 伐 採 量 に 対 する 林 地 残 材 の 発 生 率 は 40.5%である 表 7. 林 地 残 材 の 実 績 値 伐 採 量 (t/ 年 ) 林 地 残 材 (t/ 年 ) 林 地 残 材 率 (%) 主 伐 9,100 2,100 23.1 搬 出 間 伐 2,100 350 16.7 切 捨 間 伐 3,500 3,500 100 合 計 14,700 5,950 40.5 このように 林 地 残 材 の 搬 出 が 十 分 に 進 んでいないのが 現 状 である その 対 応 策 の1つ として 奥 出 雲 町 では 平 成 24 年 から おろちの 深 山 (みやま)プロジェクト を 始 め ている これは 自 伐 林 家 およびその 仲 間 などが 町 内 の 山 の 木 を 伐 採 ( 間 伐 等 )して 所 定 の 場 所 へ 持 って 行 くとトン 当 たり6 千 円 ( 運 搬 費 込 )の 奥 出 雲 町 商 工 会 商 品 券 がもら えるという 制 度 である その 商 工 会 商 品 券 を 町 内 の 商 店 等 で 使 うことにより 地 域 が 活 性 化 されることも 狙 っている それによって 林 地 残 材 に 集 積 量 は 徐 々に 増 えつつあるが 現 在 はまだ 数 百 t/ 年 のレベ ルである 一 方 奥 出 雲 町 内 での 林 地 残 材 を 利 用 するために チップ 化 してボイラーに 利 用 するこ とが 進 められている 奥 出 雲 町 内 の 加 熱 ボイラー 設 備 として 既 存 のもの 計 画 中 のも のを 表 8 に 示 す 表 8. 奥 出 雲 町 内 の 加 熱 ボイラー 設 置 場 所 熱 容 量 チップ 年 間 必 要 量 稼 働 中 のもの 玉 峰 山 荘 350kW ; 1,336 t/ 年 々 佐 白 温 泉 長 者 の 湯 800kW ; 300 t/ 年 具 体 的 計 画 中 のもの ほだ 木 センター 1,600 t/ 年 (しいたけのほだ 木 ) 将 来 計 画 があるもの ひのかみ 温 泉 420 t/ 年 々 サイクリングターミナル 220 t/ 年 10

々 奥 出 雲 病 院 1,330 t/ 年 々 老 人 保 健 施 設 800 t/ 年 々 あいサンホーム 460 t/ 年 々 奥 出 雲 トマトハウス( 民 間 ) α 合 計 6,466 t/ 年 + α 現 在 は 林 地 残 材 の 集 積 量 が 少 ないので 木 材 の 加 工 屑 を 購 入 して 町 外 にチップ 化 を 委 託 し 得 られたチップを 表 8 中 の 稼 働 施 設 の 燃 料 の1 部 として 使 用 している 加 熱 ボイラーの 運 転 は 順 調 に 行 われているが 冬 期 などは 木 質 チップの 水 分 が 高 いと 水 分 に 起 因 する 白 い 煙 が 出 て 外 から 見 た 時 にイメージが 悪 いのではないかという 意 見 も ある 今 後 林 地 残 材 の 収 集 量 が 増 加 するにつれて それを 町 内 でチップ 化 して 表 8 の 加 熱 ボイラーで 有 効 利 用 するようにしてゆく (5) 竹 など 最 近 急 速 に 繁 茂 してきている 竹 は 森 林 保 全 や 農 林 業 へ 悪 影 響 を 及 ぼすおそれがある ため 利 活 用 方 法 の 検 討 が 行 われてきた 現 時 点 では 効 率 的 な 伐 出 方 法 が 確 立 していない ので 収 集 量 は 多 くはないが 平 成 24 年 に 町 内 各 地 区 (9ケ 所 )に 竹 粉 砕 機 (チッパー) を 整 備 して 住 民 に 貸 出 し 収 集 された 竹 の 処 理 を 行 っている その 用 途 は 現 在 は 堆 肥 飼 料 用 などである その 他 域 内 企 業 で 竹 を 加 熱 処 理 して 各 種 の 製 品 に 結 びつける 方 法 が 種 々 研 究 開 発 されている ただし 現 時 点 では 製 造 体 制 が 整 わず 商 品 化 に 結 びついて いない なお 木 質 についても 加 熱 による 商 品 化 の 検 討 が 行 われているが これも 同 様 である (6)その 他 地 域 での 発 電 については 現 在 奥 出 雲 町 では 小 水 力 発 電 の 計 画 が 進 行 している 木 質 バイオマス 発 電 は 考 えられていない 2.2.バイオマス 資 源 の 利 用 についての 課 題 (1) 堆 肥 化 利 用 が 可 能 なものについて 家 畜 排 泄 物 下 水 汚 泥 食 品 廃 棄 物 など 堆 肥 化 が 可 能 なものについては 現 在 3つの 堆 肥 化 施 設 で 堆 肥 化 され 主 として 奥 出 雲 町 内 の 農 地 で 有 効 利 用 されている したがって 少 なくともこれからの 10 年 は 既 存 の 堆 肥 施 設 で 堆 肥 化 し 域 内 の 農 業 に 有 効 利 用 すると いう 方 策 で 対 応 可 能 である (2) 木 質 バイオマスについて 林 地 残 材 を 狭 い 意 味 で 解 釈 すれば 発 生 量 5,950t/ 年 に 対 して すでに 町 内 の 加 熱 ボ 11

イラーで1,636t/ 年 が 使 用 され 具 体 的 計 画 が 進 んでいるもので1,600t/ 年 さらに 将 来 利 用 可 能 性 がある 施 設 用 として 約 3,200t/ 年 合 計 6,466 t/ 年 であることから 林 地 残 材 搬 出 促 進 を 図 ってゆけばよいことになる しかし より 広 い 見 地 から 考 えれば 次 の 問 題 があると 思 われる a) 林 地 残 材 量 の 考 え 方 伐 採 が 遅 れている 森 林 の 木 を 木 材 用 として 適 正 量 伐 採 した 時 の 林 地 残 材 量 の 計 算 例 として 表 9のような 結 果 が 示 されている この 場 合 には 林 地 残 材 発 生 量 は さきに 述 べ た 値 の 約 4 倍 になるので 表 8に 示 した 奥 出 雲 町 内 で 計 画 中 の 加 熱 ボイラーなどでは 消 費 できない 量 となる 表 9. 適 正 伐 採 実 施 時 の 林 地 残 材 の 算 出 例 ( 木 材 用 伐 採 という 視 点 から) 伐 採 法 適 正 伐 採 実 施 時 (t/ 年 ) 主 伐 実 績 37,100 間 伐 実 績 22,400 搬 出 間 伐 実 績 8,540 主 伐 残 材 8,540 林 地 残 材 量 搬 出 間 伐 残 材 1,400 切 捨 間 伐 材 14,000 林 地 残 材 合 計 23,940 b)また 奥 出 雲 地 区 の 森 林 の 蓄 積 量 として 表 10のような 調 査 結 果 が 得 られている 表 10. 奥 出 雲 町 の 民 有 林 の 現 況 面 積 [ha] 蓄 積 [m3] 成 長 量 [m3/ 年 ] ha 当 り 成 長 量 [m3/ha 年 ] 針 葉 樹 16,134 4,693,028 108,140 6.7 人 工 林 広 葉 樹 239 11,544 730 3.1 合 計 16,373 4,704,572 108,870 6.6 針 葉 樹 1,222 428,498 4,862 4.0 天 然 林 広 葉 樹 10,081 1,302,460 17,213 1.7 合 計 11,303 1,730,958 22,075 2.0 合 計 27,676 6,435,530 130,945 4.7 この 成 長 量 の 約 70%を 適 正 伐 採 量 とし 伐 採 されたものの30%が 木 材 用 合 板 用 な どに 利 用 されると 仮 定 すれば エネルギー 用 などに 利 用 すべきものとして 67,800t/ 年 ( 比 重 を0.74と 仮 定 )となる この 量 は 現 在 計 画 されている 加 熱 ボイラー 用 の 約 10 倍 となる その 有 効 利 用 を 図 るためには 地 域 内 利 用 という 発 想 を 超 える 必 要 があ 12

る 3. 目 指 すべき 将 来 像 と 目 標 3.1. バイオマス 産 業 都 市 を 目 指 す 背 景 と 理 由 (1) 日 本 の 森 林 の 現 状 と 課 題 の 捉 え 方 日 本 の 森 林 は 昭 和 30 年 代 に 植 林 されたものが 伐 採 期 に 達 しているが 木 材 用 途 が 外 材 に 押 されて 森 林 が 手 入 れ 不 良 のために 荒 廃 が 進 んでいるのが 問 題 である しかし 一 般 には 木 を 伐 ることは 森 林 を 荒 らすことに 繋 がると 思 っている 人 が 多 い これが 日 本 の 林 業 の 問 題 が 先 送 りされている 一 因 である 森 林 への 対 応 のあり 方 について 視 点 を 広 げ 世 界 を 対 象 に 考 察 したものとして 1990 年 に 刊 行 されたウエストビー 著 森 と 人 間 の 歴 史 がある 2) そこでは 以 下 のように 述 べ られている 1 熱 帯 の 一 部 は 列 強 の 植 民 地 支 配 で 森 林 破 壊 が 生 じ また 今 日 においても 過 度 の 伐 採 が 行 われ 森 林 破 壊 が 進 行 している 2 欧 州 は 中 世 から 近 代 にかけて 過 伐 採 による 森 林 破 壊 が 進 んだが 第 2 次 大 戦 後 ヨ ーロッパ 全 域 で 森 林 面 積 は 増 えて 続 けている(とくに 北 欧 中 欧 など) 機 械 化 の 多 面 的 な 進 展 で 森 林 作 業 の 効 率 が 向 上 し 毎 日 の 作 業 も 何 倍 も 安 全 なものになった この ように この1 世 紀 ほどの 間 で 最 良 の 状 態 にあるが 今 後 このような 改 善 のペースが 維 持 できるかどうかには 疑 問 が 出 始 めている 3 日 本 は 植 林 の 歴 史 で 最 も 長 く 連 続 する 伝 統 を 持 った 国 であるが 1950 年 代 の 燃 料 革 命 により 木 炭 から 石 油 に 大 規 模 な 転 換 がおこり 何 千 もの 山 村 集 落 は 生 計 の 道 を 奪 わ れて 人 口 が 都 市 に 流 れた 1960 年 代 の 半 ばころには 木 材 の74%は 国 内 の 森 林 から 伐 り 出 されていたが 1980 年 代 には31%になっている 1962 年 以 降 熱 帯 諸 国 が 輸 出 するすべての 木 材 の 半 分 以 上 は 日 本 に 向 けられている 熱 帯 諸 国 に お 金 を 出 して 植 林 に 協 力 すればいいのではないかという 安 易 な 議 論 が 今 なお まかり 通 っているが 植 林 で 解 決 するような 単 純 な 問 題 ではない その 一 方 で 日 本 の 森 林 には 質 的 劣 化 が 起 こっ ている このように 現 在 の 日 本 の 森 林 は 歴 史 的 に 見 ても また 世 界 的 に 見 ても 植 林 した ものの 手 入 れ 不 足 伐 採 不 足 による 森 林 の 荒 廃 の 進 行 という 極 めて 特 異 な 状 況 にあるこ とが 示 されている この 本 は 刊 行 されてから20 数 年 経 過 しているが この 問 題 は ます ます 深 刻 化 していると 言 える (2) 日 本 が 見 習 うべき 森 林 林 業 の 対 応 策 としてドイツの 例 が 挙 げられることが 多 い 具 体 的 には 次 のような 方 策 である 1 伐 採 された 木 の 効 率 的 な 搬 出 のために 機 械 が 入 れる 作 業 道 の 整 備 を 進 める (ドイツ; 作 業 道 ;~120m/ha ; 日 本 の10 倍 ) 13

2 伐 採 したものは 余 すことなく 有 効 利 用 する ( 木 材 用 合 板 用 エネルギー 用 堆 肥 用 など) 3 森 林 の 形 は スギ ヒノキの 単 層 林 から 針 広 混 交 複 層 林 ( 上 層 ; 針 葉 樹 中 層 下 層 ; 広 葉 樹 )に 移 行 させてゆく ( 山 の 水 土 機 能 を 高 める) このうち 1と3については 確 かに 見 習 うべきであるが 2の 地 域 でのエネルギー 利 用 に 関 してドイツと 日 本 は 条 件 の 差 があるように 思 われる すなわち ドイツでは 家 庭 な どの 木 質 エネルギー 利 用 についてインフラが 整 備 されていたことが 日 本 の 現 状 と 異 なって いる 日 本 でもこのインフラの 整 備 を 進 め 熱 供 給 網 を 形 成 してゆくことが 検 討 されてい るが 一 般 家 庭 への 熱 供 給 のためのインフラ 整 備 は 過 疎 地 帯 である 奥 出 雲 町 では あま り 効 率 的 な 方 法 ではないように 思 われる したがって 2 章 の 最 後 にまとめたように 奥 出 雲 町 では 森 林 の 適 正 伐 採 と ( 木 材 合 板 用 以 外 の) 木 質 バイオマスの 地 域 内 でのエネルギーなどとしての 有 効 利 用 の 両 立 は 難 しいと 思 われる (3) 木 質 をエネルギーとして 利 用 する 産 業 を 促 進 するために 平 成 24 年 からFiT( 電 力 固 定 価 格 買 制 度 )が 発 足 している これについて 梶 山 は 次 の 問 題 点 を 指 摘 している 3) 1 日 本 では 従 来 の 発 電 技 術 (スチームボイラー タービン 方 式 )で ある 程 度 以 上 の 発 電 効 率 ( 例 ;20% 以 上 )を 得 るために 5000kW 以 上 のものが 選 ばれる 場 合 が 多 い その 運 転 に 必 要 な 木 質 バイオマスは7~10 万 t/ 年 あるいはそれ 以 上 になる 2 バイオマス 燃 料 は 一 般 に 半 径 30~50km 圏 内 から 集 荷 しないと 大 幅 なコスト 増 しとなってしまう それに 対 応 できる 地 域 はどれだけ 存 在 するだろうか 上 記 の2の 問 題 は 木 質 バイオマス 発 電 所 に 限 らず 木 質 バイオマスの 利 用 を 考 えよう とする 各 種 重 工 業 などでも 共 通 の 問 題 である これまでも 重 工 業 などで 木 質 の 利 用 が 考 え られたことがあったが 地 域 ( 半 径 30~50km 以 内 )から 必 要 な 量 の 供 給 が 見 込 めず 利 用 技 術 の 開 発 が 進 まなかった 例 がいくつかあるようである このように 森 林 の 健 全 化 のための 適 正 伐 採 と 伐 採 されたもののすべてを 有 効 利 用 する という2つの 目 標 を 同 時 に 達 成 することは 半 径 30~50km 圏 内 から 集 荷 が 必 要 という 壁 によって 遮 られてきたと 言 える FiT( 固 定 価 格 買 取 制 度 )で 発 電 が 計 画 されている 場 所 の 30~50km 以 内 の 地 域 以 外 は 木 質 バイオマス 原 料 を 経 済 的 に 搬 送 できないという 前 提 に 立 てば 日 本 全 体 でも この 条 件 を 満 足 する 森 林 の 面 積 は 低 い 値 (たとえば10% 以 下 )に 留 まると 思 われる また FiT 制 度 の 適 用 期 間 が 20 年 であるから その 後 も 発 電 事 業 が 続 けられるどうかについても 疑 問 がある したがって FiT だけでは 森 林 林 業 のあり 方 を 本 質 的 に 変 える 方 策 たとえば 伐 採 搬 出 の 大 幅 コストダウンを 目 指 す 改 革 に 結 びつけるにはモーテ イ ベーションが 得 られ にくいように 思 われる 14

(4) 奥 出 雲 町 は 現 在 計 画 されている FiT の 木 質 バイオマス 発 電 の 立 地 場 所 については 30~50km 以 内 という 条 件 を 満 足 せず また 地 域 内 においては 小 水 力 発 電 の 計 画 が 進 んでい て 木 質 バイオマス 発 電 の 計 画 は 見 えない この 条 件 を 踏 まえて 木 質 バイオマスを 30~50km 以 内 という 壁 を 越 えて 経 済 的 に 搬 送 できるようにする 方 法 という 視 点 から 検 討 を 行 った 木 質 バイオマスは 30~50%の 水 分 を 含 んでいるが この 水 分 は 木 質 バイオマスの 使 用 時 には エネルギー 効 率 などの 点 で 悪 影 響 を 及 ぼす そこで この 水 分 を 除 去 することに よって 使 用 策 で 使 いやすくするとともの 経 済 的 な 搬 送 可 能 距 離 を 延 ばせるのではないか という 視 点 から 調 査 検 討 を 行 って ニュージランドなどで 行 われているトレファイド( 焙 煎 ) 法 の 情 報 を 得 た 4) そして 我 々も 木 質 バイオマスを 重 工 業 などで 使 いやすいものに するという 見 地 から 検 討 を 行 って 検 討 グループ 内 から 特 許 出 願 も 行 っている 5) (5)この 考 え 方 に 基 づいて 火 力 発 電 所 でヒヤリングしたところ 以 下 のような 情 報 が 得 られた 現 在 石 炭 火 力 発 電 で 石 炭 に 数 % 混 ぜて 用 いている 木 質 バイオマスについて 水 分 が 低 い 方 が 望 ましいが 発 電 所 に 供 給 されるものは 未 乾 燥 のものである そこで 発 電 所 内 で 排 ガスを 利 用 して 乾 燥 しようとしたが 爆 発 のおそれがあるので 実 行 に 移 されて いない そして 現 時 点 では 発 電 効 率 に 悪 影 響 を 与 えることはわかっているが 水 分 含 有 量 の 高 いままボイラーで 使 用 している (6) 次 の 重 工 業 の 代 表 である 製 鉄 会 社 に 接 触 したところ 特 殊 な 炭 材 用 として 木 質 バイオマスを 加 熱 処 理 したものに 関 心 を 示 された そこで 2 年 前 から 具 体 的 検 討 を 進 め て 品 質 的 には 先 方 が 要 求 するものが 作 れることが 確 認 されるに 至 っている そして 先 方 が 要 求 する 量 やコストに 対 応 するための 方 策 について 検 討 が 進 められている このように 木 質 バイオマスを 需 要 先 で 使 いやすいように 乾 燥 ~ 炭 化 の 間 の 適 正 条 件 で 加 熱 を 行 って 水 分 などの 不 要 分 を 除 去 すること(さらに 必 要 により 圧 縮 成 型 すること) によって 経 済 的 な 輸 送 可 能 距 離 も 延 ばせるようになることが 期 待 できる 以 上 のように 森 林 の 適 正 伐 採 と 伐 採 物 の 全 量 有 効 利 用 を 両 立 させるという 視 点 で 奥 出 雲 町 がバイオマス 産 業 都 市 を 目 指 す 軸 となる 方 式 が 見 えてきた 3.2.バイオマス 産 業 都 市 として 目 指 すべき 将 来 像 奥 出 雲 町 はバイオマス 産 業 都 市 として 以 下 に 示 す 条 件 を 満 足 するものを 目 指 したい 森 林 林 業 に 関 して (a) 環 境 保 全 への 森 林 の 機 能 を 高 く 保 てるようにすること 炭 酸 ガスの 吸 収 能 水 土 保 全 効 果 など (b) 地 域 振 興 に 貢 献 すること 森 林 林 業 を 地 域 の 収 入 に 結 び 付 けること 15

(c) 中 長 期 的 な 視 点 から 取 り 組 まねばならない 森 林 林 業 と 時 代 の 影 響 を 受 ける 可 能 性 のある 需 要 とをうまく 結 び 付 ける 方 策 を 示 すこと (d)そして 日 本 の 中 山 間 地 の 振 興 の 見 本 になるようなものを 示 すこと そのために 奥 出 雲 町 では 森 林 の 適 正 伐 採 を 進 めること 伐 採 物 をすべて 有 効 利 用 できるようにすること の 両 立 に 着 眼 する 伐 採 物 のすべての 有 効 利 用 を 可 能 にするために 軸 となる 手 段 は 製 鉄 などの 需 要 先 で 使 いやすいものにするとともに 経 済 的 輸 送 可 能 距 離 を 延 ばすための1 次 加 工 処 理 ( 強 乾 燥 ~ 炭 化 の 間 の 加 熱 処 理 )を 奥 出 雲 町 内 で 行 なうことである なお 伐 採 物 のうち より 付 加 価 値 が 高 い 用 途 ( 木 材 用 など)や 地 域 内 利 用 物 は 適 当 な 段 階 で 分 別 されるようにする さきに 述 べた 地 域 の 歴 史 的 資 産 として 述 べた 江 戸 時 代 のたたら 製 鉄 の 歴 史 に 学 ぶべき3 つの 配 慮 点 に 対 しては 本 構 想 では 次 のように 対 応 する 配 慮 点 本 構 想 での 具 体 策 長 期 的 視 点 からの 配 慮 森 林 が 適 正 状 態 になることを 目 指 し 適 正 伐 採 必 要 な 後 処 理 監 視 を 継 続 して 行 う 年 間 稼 働 率 を 高 める 効 率 アップの 追 求 設 備 の 稼 働 率 を 上 げられるようにする 効 率 向 上 によるコストダウンを 追 求 する 需 要 変 動 に 対 応 する 柔 軟 性 各 種 用 途 の 製 品 は 周 辺 条 件 の 影 響 で 変 動 することを 想 定 して 新 用 途 の 検 討 を 継 続 して 行 う また この 方 法 によって 日 本 全 体 についても 木 質 バイオマスの 供 給 可 能 な 領 域 を 半 径 100kmに 延 ばすことが 可 能 になれば30km 内 の 場 合 に 比 べて 約 9 倍 50km 以 内 の 場 合 に 比 べて 約 4 倍 に 広 がることになり 日 本 全 体 として 森 林 の 適 正 伐 採 と 伐 採 物 の 有 効 利 用 率 を 向 上 の 両 立 に 向 かう 見 本 として 貢 献 できると 思 われる 3.3.バイオマス 産 業 都 市 として 達 成 すべき 目 標 以 下 の 各 工 程 について 検 討 し 森 林 を 適 正 状 態 に 保 ちながら 伐 採 物 のすべてを 有 効 利 用 するという 視 点 から 製 品 化 して 経 済 性 の 確 保 を 目 指 す (1) 伐 採 搬 出 工 程 1 伐 採 後 の 森 林 が 中 長 期 的 な 視 点 から 最 適 に 状 態 になるような 伐 採 を 行 い 必 要 な 森 林 の 後 処 理 を 行 うようにする ドイツなどの 先 進 例 に 習 い 成 長 量 の70% 前 後 の 伐 採 を 行 い スギ ヒノキの 単 層 林 型 から 針 広 混 交 複 層 林 に 移 行 させてゆくことを 基 本 とする 16

なお 森 林 の 監 視 システムを 作 り 観 察 とデータ 集 積 を 行 う 2 伐 採 搬 出 作 業 の 効 率 化 を 図 る ドイツなどの 先 進 例 に 習 い 作 業 道 の 整 備 適 正 な 機 械 化 を 進 める 3 作 業 費 の 低 減 を 目 指 す 日 本 林 業 経 営 者 協 会 のレポートに 6) 森 林 組 合 の 作 業 班 だけではなく そこに 中 小 の 土 木 建 設 業 が 参 入 したり 若 者 が 作 る 会 社 が 生 まれたりする 可 能 性 が ある と 記 載 されている 本 構 想 では まず 奥 出 雲 町 で 平 成 24 年 から 始 まっている おろちの 深 山 (み やま)プロジェクト (10 頁 参 照 )と 連 携 して 林 地 残 材 や 伐 採 しての 収 集 の 作 業 費 の 低 減 策 を 検 討 する 林 家 (すなわち 保 有 山 林 面 積 が 1 ヘクタール 以 上 の 世 帯 )が38%を 占 める 奥 出 雲 町 では 所 有 する 山 林 が 収 入 に 結 びつくようにすることは 重 要 な 課 題 である 林 政 総 研 レポート 7) によれば 自 伐 林 家 の 局 面 展 開 のためには 農 林 複 合 経 営 の 中 で 農 閑 期 の 労 働 力 の 完 全 燃 焼 家 族 経 営 的 な 林 家 の 展 開 小 型 機 械 化 を 軸 にし た 生 産 体 系 機 械 の 共 同 利 用 同 志 的 仲 間 的 あるいは 地 縁 的 協 同 他 の 林 家 からの 受 託 推 進 などの 例 が 示 されている 奥 出 雲 町 では 伐 採 収 集 した 木 質 バイオマス の 安 定 した 需 要 先 を 保 証 することで 自 伐 林 家 の 活 動 を 増 やしてゆきたい そして 林 道 整 備 適 正 な 機 械 化 グループ 化 などを 進 めて 効 率 向 上 を 図 ってゆきたい そして その 結 果 に 基 づいて 収 集 方 式 やコストの 基 準 を 決 めて その 値 に 基 づいて 地 域 の 土 木 建 設 業 や 森 林 組 合 に 参 加 を 呼 びかけるステップを 取 り 量 の 拡 大 を 図 っ てゆきたい (2) 伐 採 物 のすべてを 需 要 に 結 びつけるための 方 法 1 伐 採 収 集 されたものから 木 材 など 付 加 価 値 の 高 いものを 選 別 するシステム 作 り 選 別 を 集 積 場 で 行 い 既 存 の 森 林 組 合 経 由 のフローなどにつなげるようにする 2 地 域 内 での 加 熱 ボイラー 用 などの 需 要 に 対 して 原 則 としてチップ 化 したものを 供 給 する なお 時 期 による 水 分 含 有 量 の 調 整 などは 需 要 者 に 希 望 にそえるようにする 3 上 記 1,2 以 外 のものについて 集 積 チップ 化 加 熱 処 理 ( 必 要 により 圧 縮 成 形 ) を 行 って 経 済 的 中 長 距 離 輸 送 が 可 能 なものにする メインの 需 要 先 は 共 同 研 究 が 進 められている 製 鉄 会 社 向 けの 炭 素 材 である その 競 合 品 は 化 石 燃 料 系 のものであるが 化 石 燃 料 系 のものは 資 源 枯 渇 化 によりコストアッ プの 方 向 にあること また 木 質 バイオマス 系 のようなカーボン ニュートラル 特 性 を 持 っていないという 弱 点 を 抱 えている (a) 基 本 加 工 技 術 は 木 質 バイオマスを 乾 燥 ~ 炭 化 の 間 の 適 正 温 度 で 加 熱 し 必 要 に 応 じて 加 圧 成 形 を 行 なうことである (b) 事 業 化 にあたっては 木 質 バイオマスの 収 集 量 の 増 加 に 応 じて 第 1 段 階 としては 小 ~ 中 規 模 ( 数 千 t/ 年 )のものを 作 り 共 同 研 究 が 進 められている 製 鉄 会 社 向 けの 炭 素 材 の 大 規 模 ( 数 万 t/ 年 )へのパイロット 設 備 として また 小 ~ 中 規 模 設 備 の 生 産 17

設 備 として 利 用 する 第 2 段 階 としては 大 規 模 設 備 でメインとなる 生 産 を 行 う ま た 小 ~ 中 規 模 設 備 は その 他 の 製 品 の 開 発 生 産 に 有 効 利 用 する 具 体 的 には 11ページの (5) 竹 など の 項 に 示 した これまで 地 域 の 企 業 などで 進 められてき た 竹 は 木 の 加 熱 処 理 の 商 品 化 に 用 いる また 先 に3.2の(c)に 示 した 中 長 期 的 な 視 点 から 取 り 組 まねばならない 森 林 林 業 と 時 代 の 影 響 を 受 ける 可 能 性 のある 需 要 とをうまく 結 び 付 ける ために 小 ~ 中 規 模 設 備 は 全 期 間 を 通 して 継 続 的 の 需 要 先 の 開 拓 に 有 効 に 利 用 する 4. 事 業 化 プロジェクトの 内 容 1 年 以 内 5 年 以 内 10 年 以 内 および10 年 後 に 実 施 することを 表 11に 示 す 森 林 計 画 作 業 路 整 備 木 質 の 収 集 作 業 表 11. 実 施 する 内 容 1 年 以 内 5 年 以 内 10 年 以 内 10 年 以 上 先 町 有 林 を 中 心 に 仁 多 地 区 122ha 横 田 地 区 34ha に 対 して 森 林 計 画 実 施 し 作 業 路 整 備 の 助 成 金 申 請 を 行 う 地 籍 測 量 実 施 済 地 区 約 120k m3の 所 有 者 に 作 業 路 整 備 の 了 解 を 随 時 行 っていく 地 元 中 小 建 設 会 社 を 中 心 と した 作 業 路 整 備 の 講 習 会 を 実 施 する 随 時 森 林 計 画 を 行 い 作 業 路 整 備 延 長 150km 林 道 整 備 含 め 累 計 200km を 整 備 作 業 路 整 備 延 長 300km 林 道 含 め 累 計 370km を 整 備 おろちの 深 山 プロジェク 左 の 諸 項 目 の 継 続 木 材 収 集 ト を 中 心 に その 作 業 を 解 実 施 40,000t/ 年 析 して 収 集 作 業 のコストダ 新 規 参 入 者 のグル 目 標 ウンのための 要 件 を 明 確 にす ープ 化 による 収 る 集 量 アップ 新 規 参 入 希 望 者 の 講 習 会 を 木 材 収 集 20,000 実 施 する t/ 年 目 標 収 集 作 業 参 加 者 の 増 加 策 を 講 じる( 森 林 組 合 や 建 設 業 者 などの 団 体 は 別 として 個 人 としての 参 加 者 ;50 人 以 上 を 目 指 す) 林 道 作 業 路 総 延 長 800km 整 備 まで 随 時 実 施 していく 木 材 収 集 60,000 t / 年 目 標 18

既 設 及 び 新 設 地 の 比 較 検 討 集 積 加 工 場 の 整 燃 焼 チップ 生 燃 焼 チップ 集 積 加 工 場 業 務 内 容 の 検 討 備 及 び 加 工 場 職 員 産 3,000t 生 産 4,500t 加 工 場 燃 焼 用 チップ 生 産 1,700t 採 用 (20 名 ) 加 熱 処 理 品 生 加 熱 処 理 品 燃 焼 用 チップ 生 産 産 9,000t 生 産 14,000t 3,000t 加 熱 処 理 品 生 産 4,000t 加 熱 処 理 の 小 ~ 中 規 模 の 設 小 ~ 中 規 模 生 産 設 大 型 設 備 の 設 設 備 の 稼 働 加 熱 な 備 の 詳 細 検 討 を 行 う 備 の 設 備 の 設 置 置 稼 働 継 続 どの さらに 上 記 の 小 ~ 中 規 模 模 稼 動 1 次 加 工 の 製 品 を 作 るための 条 件 を 大 型 設 備 の 詳 細 設 設 備 まとめる 計 を 行 い 予 算 化 に 結 びつける 地 域 内 の 加 熱 ボイラー 用 及 小 ~ 中 規 模 の 各 種 大 規 模 需 要 先 継 続 ( 商 品 ) び 需 要 先 の 開 拓 加 熱 処 理 品 の への 加 熱 処 定 常 的 提 供 理 品 の 供 給 供 給 先 大 規 模 用 加 熱 処 理 小 ~ 中 規 模 の 品 を 需 要 先 での 各 種 加 熱 処 需 給 調 整 用 とし 理 品 の 提 供 て 提 供 地 域 内 の 加 熱 地 域 内 の 加 熱 ボイ ボイラー 用 ラー 用 及 び 需 要 先 の 開 拓 商 品 大 量 規 模 の 需 要 先 と 必 要 加 熱 処 理 品 の 需 要 加 熱 処 理 品 の 左 の 活 動 の 開 拓 条 件 ( 品 質 コスト)を 詰 め 先 拡 大 のための 需 要 先 拡 大 継 続 る 検 討 継 続 のための 検 小 規 模 の 木 竹 などの 加 熱 討 継 続 処 理 の 商 品 化 について 域 内 でのこれまでの 検 討 結 果 社 会 動 向 などを 調 べ 対 象 とし て 可 能 性 のある 製 品 をリスト アップし その 製 造 のために 必 要 な 条 件 をまとめる 森 林 の 専 門 家 を 含 めた 森 林 監 視 委 員 森 林 監 視 委 員 会 の 左 の 活 動 の 左 の 活 動 の 監 視 会 を 立 ち 上 げる 活 動 継 続 継 続 森 林 監 視 のための 必 要 収 集 山 の 監 視 グル-プ 19

データを 決 める 町 民 も 含 めた 山 の 監 視 グル -プを 作 る の 活 動 伐 採 後 の 保 全 策 に ついての 提 言 森 林 その 作 業 および 監 視 関 連 全 期 間 を 通 して 1 森 林 の 団 地 化 ( 森 林 所 有 者 の 了 解 を 取 り 付 け 作 業 路 整 備 )は 全 期 間 を 通 してほぼ 継 続 して 実 施 する 森 林 作 業 の 適 正 な 機 械 化 および 機 械 の 有 効 利 用 策 を 推 進 する 2 森 林 の 適 正 伐 採 収 集 作 業 については そのコストが 本 事 業 の 成 否 に 大 きな 影 響 を 及 ぼす これを 伐 採 搬 出 に 利 用 して 従 来 の 森 林 組 合 方 式 には 拘 らない 視 点 からコストダ ウンの 可 能 性 を 探 り それを 切 り 口 として 広 く 伐 採 収 集 作 業 に 反 映 してゆく 講 師 として 徳 島 県 の 自 伐 林 家 である 橋 本 光 治 氏 を 招 いての 研 修 会 などを 継 続 して 行 なう そして その 結 果 に 基 づいて 収 集 方 式 やコストの 基 準 を 決 めて その 値 に 基 づいて 域 の 土 木 建 設 業 や 森 林 組 合 に 呼 びかけるというステップを 取 り 量 の 拡 大 を 図 ってゆく 3 森 林 の 監 視 については 専 門 家 を 含 めた 森 林 監 視 委 員 会 および 町 民 も 含 めた 山 の 監 視 グル-プを 立 ち 上 げ 活 動 を 継 続 的 に 行 う 集 積 地 および1 次 加 工 ( 加 熱 処 理 ) 処 理 関 連 初 年 度 は 1 集 積 地 としては 既 存 の 場 所 を 利 用 しながら 新 しい 集 積 加 工 の 場 所 の 選 定 を 行 う 2 加 熱 処 理 の 小 ~ 中 規 模 設 備 ( 大 型 生 産 設 備 のプラントを 兼 ねる)の 詳 細 検 討 を 行 う 3さらに 上 記 の 小 ~ 中 規 模 模 の 製 品 を 作 るための 条 件 をまとめる 4 予 算 化 に 結 び 付 ける 2~5 年 後 には 1 小 ~ 中 規 模 生 産 設 備 ( 大 型 生 産 設 備 のプラントを 兼 ねる) 設 置 運 転 を 行 う 2 大 型 設 備 の 詳 細 設 計 を 行 い 予 算 化 に 結 びつける 5 年 以 降 には 1 大 型 設 備 の 設 置 稼 働 を 行 う 2 小 ~ 中 規 模 生 産 設 備 を 利 用 した 操 業 ( 製 品 製 造 製 品 開 発 )を 行 う 製 品 および 開 発 関 連 まず 集 積 された 木 質 バイオマスのうち 地 域 内 の 加 熱 ボイラー 用 などの 需 要 に 対 して は 原 則 としてチップ 化 したものを 提 供 する 1 年 後 まではほとんどそれに 充 てられる 2 年 後 以 降 に 小 ~ 中 規 模 設 備 が 設 置 されると 大 規 模 装 置 の 設 計 のために 必 要 試 験 を 行 うとともに 製 品 として 需 要 先 での 需 給 調 整 用 として 提 供 する (ここで 言 う 需 要 供 給 調 整 用 とは たとえば 製 紙 工 場 で80%は 外 材 を 使 用 しているが 輸 入 に 全 面 的 に 頼 るこ とはリスクが 大 きいので 20% 程 度 は 国 産 材 を 用 いているのに 相 当 する ) 5 年 以 後 に 大 規 模 設 備 が 完 成 すれば 量 的 には 大 規 模 使 用 先 への 供 給 が 中 心 となる 一 方 小 ~ 中 規 模 の 処 理 設 備 は 次 の2つの 目 的 に 用 いる 加 熱 処 理 品 の 需 要 先 拡 大 のための 試 験 用 小 ~ 中 規 模 の 竹 木 質 などの 加 熱 処 理 品 の 商 品 化 木 竹 などの 加 熱 処 理 の 商 品 化 について 域 内 でのこれまでの 検 討 結 果 社 会 動 向 などを 調 べ 対 象 として 可 能 性 のある 製 品 をリストアップし その 製 造 のため 20

に 必 要 な 条 件 をまとめる そして 小 ~ 中 規 模 加 熱 処 理 設 備 ができれば その 製 品 化 を 進 める 競 合 相 手 である 化 石 燃 料 系 のものは 枯 渇 化 が 進 んでいるから 木 質 バイオマスへの 転 換 は 中 ~ 長 期 的 にはまちがいなく 進 行 すると 考 えられるが その 進 み 方 については 各 種 の 周 辺 条 件 の 影 響 を 受 けると 思 われるので 上 記 のようなソフトな 体 制 で 対 応 してゆく なお 1 年 後 5 年 後 そして10 年 後 には 状 況 をまとめ 評 価 を 受 けて その 後 の 進 め 方 に 反 映 する 2017~2026 年 の 収 支 計 画 を 表 12に 示 す 表 12.バイオマス 産 業 都 市 構 想 の 収 支 計 画 費 目 2017 年 度 2019 年 度 2021 年 度 2026 年 度 木 材 収 集 5,000t 20,000t 30,000t 45,000t 処 理 量 チップ 加 工 4,500t 18,000t 27,000t 36,000t 燃 焼 用 チップ 2,000t 2,800t 4,500t 5,000t 炭 材 500t 4,000t 6,000t 8,000t ペレット 薪 等 50t 100t 100t 200t 燃 焼 用 チップ 16,000 22,400 36,000 40,000 炭 材 20,000 160,000 240,000 320,000 収 入 ( 千 円 ) ペレット 薪 等 2,000 4,000 4,000 8,000 資 本 金 30,000 計 68,000 186,400 280,000 368,000 人 件 費 22,700 26,200 39,400 45,000 光 熱 費 200 300 300 300 通 信 費 200 200 200 200 雑 費 500 1,000 1,500 2,000 支 出 ( 千 円 ) ( 計 ) (23,600) (27,700) (41,400) (47,500) 木 材 購 入 費 15,000 60,000 90,000 135,000 修 繕 費 2,700 5,400 5,400 5,400 消 耗 品 1,000 2,000 2,500 3,000 電 気 代 2,800 8,200 10,900 13,200 炭 化 処 理 費 7,500 60,000 90,000 120,000 ( 計 ) (29,000) (135,600) (198,800) (276,600) 施 設 使 用 料 3,200 6,400 6,400 6,400 21

計 55,800 169,700 246,600 330,500 収 支 12,200 16,700 35,400 37,500 *チップ 加 工 :0 バーク ダスト 10% 除 して 計 算 * 燃 焼 用 チップ;15% 乾 燥 して 販 売 * 炭 材 ; 炭 化 歩 留 まりは 27%として 計 算 資 金 計 画 を 表 13に 示 す 表 13. 資 金 計 画 ( 千 円 ) 項 目 金 額 補 助 金 ( 国 ) 起 債 ( 町 ) 備 考 管 理 DB 作 成 費 30,000 30,000 0 2015 年 ~18 年 加 工 場 造 成 費 250,000 125,000 125,000 2016 年 ~17 年 切 削 設 備 費 300,000 150,000 150,000 2017 年 炭 材 設 備 費 700,000 350,000 350,000 2017 年 作 業 路 整 備 1,600,000 1,600,000 0 2016 年 ~36 年 合 計 2,880,000 2,255,000 625,000 * 管 理 DB 作 成 森 林 図 面 山 林 所 有 者 名 簿 搬 出 登 録 者 名 簿 の DB 化 2015 年 6 月 ~2018 年 3 月 * 加 工 場 造 成 2015 年 概 略 検 討 2016 年 実 施 設 計 造 成 工 事 2,017 年 建 屋 工 事 * 切 削 設 備 2017 年 上 半 期 設 備 工 事 * 炭 材 設 備 2017 年 上 半 期 設 備 工 事 * 稼 動 2017 年 下 半 期 稼 動 * 作 業 路 整 備 2,015 年 町 有 林 から 森 林 計 画 実 施 し 作 業 路 整 備 助 成 金 申 請 以 降 所 有 者 の 了 解 後 申 請 2016 年 から 作 業 路 整 備 2015 年 下 半 期 建 設 業 者 の ための 作 業 路 整 備 講 習 5. 地 域 波 及 効 果 項 目 波 及 効 果 (10 年 後 ) 備 考 地 域 内 バ 域 外 企 業 向 け ( 加 熱 処 理 品 30,000t) 化 石 燃 料 からの 転 換 イオマス 温 泉 施 設 3 箇 所 ( 燃 焼 チップ2,100t) 現 在 ; 温 泉 施 設 2 箇 所 ( 燃 資 源 の 利 サイクリングセンター ( 燃 焼 チップ220t) 焼 チップ 1,700t 購 入 用 率 向 上 奥 出 雲 病 院 ( 燃 焼 チップ1,330t) 全 て 町 内 にて 生 産 老 人 保 険 施 設 ( 燃 焼 チップ800t) あいサンホーム ( 燃 焼 チップ460t) ほだ 木 センター ( 燃 焼 チップ1,600t) ハウス 栽 培 ( 燃 焼 チップ500t) 22

雇 用 の 創 出 産 業 の 創 出 CO2の 削 減 効 果 一 般 家 庭 公 共 施 設 暖 房 ( 薪 ペレット100t) 合 計 37,110 t 関 連 産 業 で136 名 以 上 の 雇 用 を 創 出 作 業 路 整 備 20 名 伐 採 搬 出 100 名 加 工 センター 16 名 作 業 路 整 備 (400 百 万 円 /10 年 ) 整 備 目 標 ; 総 延 長 ;800km 伐 採 搬 出 (480 百 万 円 /10 年 ) 伐 採 搬 出 目 標 60,000t/ 年 加 工 センター (900 百 万 円 /10 年 ) 生 産 目 標 ; 550 百 万 円 / 年 2,000ha(10 年 後 )の 森 林 の 適 正 管 理 により 林 針 葉 樹 林 ;1,200ha 齢 を60 年 から55 年 に 下 げることができるとす 広 葉 樹 林 ; 800ha ると 1,200t/ 年 になる 6. 実 施 体 制 奥 出 雲 町 奥 出 雲 森 林 総 合 活 用 協 議 会 木 材 伐 採 搬 出 森 林 組 合 自 伐 林 家 ( 地 権 者 ) 地 元 建 設 業 者 新 規 参 入 者 産 廃 業 者 地 区 外 搬 入 伐 採 地 管 理 助 言 森 林 監 視 委 員 会 購 入 木 材 加 工 センター ( 第 3セクター) 加 工 場 造 成 機 械 設 備 導 入 バーク ダクト 搬 入 堆 肥 センター 材 木 収 集 貯 蔵 チップ 製 造 販 売 ほだ 木 原 木 販 売 加 熱 処 理 品 製 造 販 売 きのこ 栽 培 セン 薪 ペレット 製 造 販 売 ター 販 売 燃 焼 用 チップ( 温 泉 施 設 3 箇 所 ) 公 共 施 設 加 熱 処 理 品 ( 製 鉄 会 社 特 殊 鋼 企 業 等 ) 薪 ペレット( 公 共 一 般 家 庭 等 ) 23

7.フォローアップの 方 法 (1) 外 部 評 価 委 員 会 を 結 成 する 委 員 長 ; 島 根 大 学 生 物 資 源 科 学 部 伊 藤 勝 久 教 授 委 員 ; 島 根 県 中 山 間 地 研 究 センター( 研 究 員 ) 仁 多 郡 森 林 組 合 奥 出 雲 町 連 合 自 治 会 長 会 奥 出 雲 町 商 工 会 奥 出 雲 町 建 設 業 協 会 奥 出 雲 町 第 三 セクター 統 括 本 部 長 住 民 代 表 島 根 県 農 林 水 産 部 林 業 課 島 根 県 地 域 振 興 部 土 地 資 源 対 策 課 中 国 経 済 産 業 局 資 源 エネルギー 環 境 部 など 1 年 後 3 年 後 5 年 後 7 年 後 10 年 後 に 外 部 評 価 委 員 会 を 開 いて 経 過 を 報 告 し 評 価 を 受 け それに 基 づき 計 画 修 正 最 適 化 を 行 う (2) 毎 年 町 民 会 議 を 開 いて 報 告 し 必 要 に 応 じて 取 組 内 容 を 見 直 す 8. 他 の 地 域 計 画 との 有 機 的 連 携 1 奥 出 雲 町 総 合 計 画 ( 平 成 23 年 策 定 ) 本 構 想 に 関 係 するものとして 以 下 のことが 掲 げられている 基 本 的 な 考 え 方 地 域 資 源 の 有 効 利 用 による 施 策 の 展 開 町 づくりの 方 向 性 産 業 力 を 伸 ばす 地 域 資 源 を 活 用 した 新 産 業 の 創 出 観 光 業 と 他 産 業 の 連 携 を 図 った 観 光 誘 客 基 本 計 画 豊 かな 地 域 資 源 を 活 かした 産 業 振 興 によるまちづくり 工 業 の 振 興 農 林 畜 産 業 の 振 興 林 業 生 産 基 盤 の 推 進 林 業 活 性 化 の 推 進 ホスピタリテイによる 観 光 振 興 のまちづくり 観 光 と 他 産 業 ( 農 林 畜 産 業 など)の 連 携 ふるさとの 自 然 を 守 り 文 化 的 景 観 の 息 づくまちづくり 自 然 環 境 の 保 全 地 球 温 暖 化 防 止 の 推 進 景 観 形 成 の 推 進 24

2 奥 出 雲 町 バイオマスタウン 構 想 バイオマスタウン 構 想 は 平 成 23 年 3 月 に 提 出 された 木 質 バイオマス 以 外 は バイオ マスタウン 構 想 に 基 づいて 推 進 を 継 続 する 木 質 バイオマスについては 本 構 想 で 新 たな 視 点 から 見 直 す おろちの 深 山 (みやま)プロジェクト 平 成 24 年 度 からスタート 自 伐 林 家 およびその 仲 間 などが 町 内 の 山 の 木 を 伐 採 ( 間 伐 等 )して 所 定 の 場 所 へ 持 って 行 くと1トン 当 たり6 千 円 ( 運 搬 費 込 )の 奥 出 雲 町 商 工 会 商 品 券 がもらえるという 制 度 本 構 想 で 木 質 バイオマスの 収 集 の コストダウン 策 の 切 り 口 の1つとして 活 用 する 4 再 生 可 能 エネルギー 発 電 小 水 力 発 電 の 計 画 が 進 行 しているので 域 内 の 発 電 については それを 優 先 する 5 国 の 重 要 文 化 的 景 観 平 成 25 年 10 月 に 奥 出 雲 町 のたたら 製 鉄 と 棚 田 に 対 して 国 の 重 要 文 化 的 景 観 の 答 申 が 出 された たたら 製 鉄 で 育 まれた 文 化 的 景 観 の 価 値 とその 意 義 江 戸 時 代 から 続 く 景 観 を 大 きく 変 えず 未 来 像 を 鮮 明 にして 活 用 し 地 域 振 興 を 図 るこ とが 望 まれている 外 部 の 人 へのアッピールに 関 して 過 去 の 遺 産 というものだけでなく その 考 え 方 が 未 来 につながるということをアッピールできるように 連 携 を 取 ってゆきたい とされている 引 用 文 献 1) 高 橋 一 郎 ; 奥 出 雲 横 田 とたたら 製 鉄 (1990) 片 山 裕 之 北 村 寿 宏 高 橋 一 郎 ; 鉄 と 鋼 91(2005)122 2)ジャック ウェストビー 著 熊 崎 実 訳 ; 森 と 人 間 の 歴 史 (1900) 築 地 書 館 3) 梶 山 恵 司 ( 富 士 通 総 研 ); 木 質 バイオマスエネルギー 利 用 の 現 状 と 課 題 FiT を 中 心 とした 日 独 比 較 分 析 ) 富 士 通 総 研 経 済 研 究 所 研 究 レポート No.409.Oct.2013 4) 熊 崎 実 : 木 質 エネルギービジネスの 展 望 ; 林 業 改 良 普 及 双 書 ;No.167(2011) 5) 特 願 2011-002193 木 質 バイオマスの 利 用 方 法 ( 平 成 23 年 1 月 7 日 ) 6) 今 後 の 森 林 管 理 林 業 経 営 に 向 けた 提 言 ; 循 環 型 社 会 に 資 する 日 本 型 森 林 管 理 経 営 モデルの 構 築 検 討 会 ( 社 ) 日 本 林 業 経 営 者 協 会 www.rinkeikyo.jp/no3-12.htm 7)( 財 ) 林 政 総 合 調 査 研 究 所 ; 林 家 経 済 の 基 礎 的 研 究 (Ⅱ) 自 伐 林 家 の 展 開 局 面 と 組 織 化 の 意 義 ; 林 政 総 研 レポート No.63(2003) 25

添 付 資 料 添 表 1. 奥 出 雲 の 近 世 たたら 製 鉄 の 歴 史 の 要 点 年 代 時 期 内 容 1601 ~ 1637 たたら 製 鉄 操 業 停 止 期 廃 砂 で 斐 伊 川 水 系 の 川 底 が 高 くなり 洪 水 がおきやすかった 農 業 生 産 を 守 るために 砂 鉄 採 取 が 禁 止 され たたら 製 鉄 の 操 業 も 行 うことができなかった 1638 ~ 1690 産 業 としての 胎 動 期 1637 年 に 砂 鉄 採 取 は 解 禁 されたが 奥 出 雲 のたたら 製 鉄 は 農 閑 余 業 の 段 階 であり 生 産 量 も 日 本 の 他 の 地 方 と 比 べて 特 に 目 立 っ たものではなかった 1690 ~ 1750 産 業 化 の 確 立 に 至 る 時 期 ( 操 業 技 術 の 進 歩 と 松 江 藩 の 鉄 行 政 確 立 ) (1) 砂 鉄 採 取 法 は 地 表 に 洗 樋 を 作 って 人 工 的 に 砂 鉄 を 比 重 選 別 し て 採 取 する 方 式 に 徐 々に 移 行 してゆく これによって 川 に 流 れる 土 砂 量 は 減 少 するとともに 砂 鉄 の 採 取 比 率 も 約 2 倍 に 向 上 した (2) 1726 年 松 江 藩 は 鉄 方 御 方 式 を 定 めた これは 鉄 師 のうち 9 氏 に 限 ってたたら 製 鉄 を 許 可 し 先 納 銀 制 を 課 するが その 代 償 として 藩 は9 鉄 師 の 関 連 する 村 々の 山 をたたら 付 きのものと して 保 護 し 管 理 も 任 せて 便 宜 を 与 えた 鉄 師 はこの 広 大 な 山 林 を 利 用 して 樹 木 の 成 長 にあわせて 計 画 的 に 伐 採 し 山 を 荒 廃 させ ることなく 必 要 な 炭 製 造 用 の 樹 木 を 得 られるようになった 1750 以 降 操 業 改 善 合 理 化 の 時 期 それまでは たたらの 原 料 である 砂 鉄 と 木 炭 は 人 の 背 でたた ら 場 に 運 ばれてきた 炭 は 三 里 が 限 界 で それを 越 えると 炭 焼 き 場 を 追 ってたたら 場 も3 年 から10 年 ごとに 移 動 せざるを 得 なか った 1767 年 鉄 師 が 藩 の 軍 馬 の 飼 育 を 引 き 受 けたことから そ の 馬 を 使 って 砂 鉄 と 木 炭 の 搬 送 が 行 われるようになり 鉄 師 はた たら 場 を 最 も 適 した 地 に 固 定 することになった( 永 代 たたら) 設 備 操 業 技 術 が 進 んで 鉄 生 産 量 が 増 えて 当 時 の 緩 慢 な 鉄 需 要 の 伸 びを 上 回 ったことから 1795 年 頃 から 鉄 価 格 の 暴 落 が 起 こっ た その 対 応 にため たたら 操 業 の 合 理 化 改 善 が 行 われた そ して 高 炭 素 鉄 ( 融 点 が 低 いので 液 体 として 炉 外 に 流 れ 出 す 鋳 物 用 )と 中 炭 素 鉄 ( 炉 の 中 に 残 る 鍛 造 用 )の 比 率 を 需 要 状 況 に 応 じて 自 由 に 変 えられる 製 造 法 を 確 立 した 26