修繕積立金及び長期修繕計画に関する



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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

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Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

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住宅税制について

平成28年度税制改正に関する要望

16 日本学生支援機構

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

平成19年9月改定

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目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

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18 国立高等専門学校機構

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新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱

1 はじめに 計 画 の 目 的 国 は 平 成 18 年 度 に 住 生 活 基 本 法 を 制 定 し 住 まいに 関 する 基 本 的 な 計 画 となる 住 生 活 基 本 計 画 ( 全 国 計 画 )を 策 定 し 住 宅 セーフティネットの 確 保 や 住 生 活 の 質 の 向 上

スライド 1

課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

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災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

< 目 次 > 1 軽 四 輪 車 等 に 係 る 税 率 引 上 げ Q1 1 軽 四 輪 車 等 についてなぜ 標 準 税 率 を 引 き 上 げることにしたのですか? 3 Q1 2 自 家 用 乗 用 車 については 税 率 を 1.5 倍 に 引 き 上 げ それ 以 外 ( 貨 物 用 営

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Microsoft Word  要綱.doc

. 負 担 調 整 措 置 8 (1) 宅 地 等 調 整 固 定 資 産 税 額 宅 地 に 係 る 固 定 資 産 税 額 は 当 該 年 度 分 の 固 定 資 産 税 額 が 前 年 度 課 税 標 準 額 又 は 比 準 課 税 標 準 額 に 当 該 年 度 分 の 価 格 ( 住 宅

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は 共 有 名 義 )で 所 有 権 保 存 登 記 又 は 所 有 権 移 転 登 記 を された も の で あ る こと (3) 居 室 便 所 台 所 及 び 風 呂 を 備 え 居 住 の ために 使 用 す る 部 分 の 延 べ 床 面 積 が 5 0 平 方 メ ー ト ル 以 上

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小 売 電 気 の 登 録 数 の 推 移 昨 年 8 月 の 前 登 録 申 請 の 受 付 開 始 以 降 小 売 電 気 の 登 録 申 請 は 着 実 に 増 加 しており これまでに310 件 を 登 録 (6 月 30 日 時 点 ) 本 年 4 月 の 全 面 自 由 化 以 降 申

これまでの 課 題 の 検 討 状 況 の 整 理 地 震 保 険 制 度 に 関 するプロジェクトチーム 報 告 書 ( 平 成 24 年 11 月 30 日 ) ( 附 属 物 の 損 害 査 定 ) 地 震 保 険 においては 迅 速 性 の 観 点 から 主 要 構 造 部 を 対 象 とし

(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等


(Microsoft Word - 20_\216s\211c\217Z\221\356.doc)

空 き 家 を 売 却 した 場 合 の,000 万 円 控 除 特 例 の 創 設 被 相 続 人 が 住 んでいた 家 屋 及 びその 敷 地 を 相 続 があった 日 から 年 を 経 過 する 年 の 月 日 までに 耐 震 工 事 をしてから あるいは 家 を 除 却 し てから 売 却

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

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●電力自由化推進法案

Microsoft Word - 都市計画法第34条第11号及び第12号

事 業 概 要 利 用 時 間 休 館 日 使 用 方 法 使 用 料 施 設 を 取 り 巻 く 状 況 や 課 題 < 松 山 駅 前 駐 輪 場 > JR 松 山 駅 を 利 用 する 人 の 自 転 車 原 付 を 収 容 する 施 設 として 設 置 され 有 料 駐 輪 場 の 利 用


公表表紙

N 一 般 の 住 宅 について 控 除 の 対 象 となる 借 入 金 は 平 成 26 年 4 月 平 成 31 年 6 月 30 日 までの 入 居 の 場 合 は4,000 万 円 ( 平 成 26 年 3 月 までの 入 居 の 場 合 は2,000 万 円 )までとなります 建 物 や

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検 討 検 討 の 進 め 方 検 討 状 況 簡 易 収 支 の 世 帯 からサンプリング 世 帯 名 作 成 事 務 の 廃 止 4 5 必 要 な 世 帯 数 の 確 保 が 可 能 か 簡 易 収 支 を 実 施 している 民 間 事 業 者 との 連 絡 等 に 伴 う 事 務 の 複 雑

個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

(7) 水 道 事 業 又 は 公 共 下 水 道 の 用 に 供 するポンプ 施 設 (8) 第 一 種 電 気 通 信 事 業 の 用 に 供 する 電 気 通 信 交 換 施 設 (9) 都 市 高 速 鉄 道 の 用 に 供 する 停 車 場 開 閉 所 及 び 変 電 所 (10) 発 電

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

様式第4号

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2020年の住宅市場 ~人口・世帯数減少のインパクト~

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新 市 建 設 計 画 の 変 更 に 係 る 新 旧 対 照 表 ページ 変 更 後 変 更 前 表 紙 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 安 中 市 松 井 田 町 合 併 協 議 会 平 成 27 年 3 月 変 更 安 中 市 6 2. 計 画 策 定 の 方 針 (3) 計

第5回法人課税ディスカッショングループ 法D5-4

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 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

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第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20


佐渡市都市計画区域の見直し

1

守 口 市 立 東 小 学 校 大 久 保 小 学 校 の 統 合 実 施 計 画 目 次 第 1 守 口 市 における 学 校 統 合 の 背 景 1 第 2 東 小 学 校 と 大 久 保 小 学 校 の 統 合 について 1 第 3 統 合 校 の 学 校 づくりについて 2 第 4 東 小



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3. 選 任 固 定 資 産 評 価 員 は 固 定 資 産 の 評 価 に 関 する 知 識 及 び 経 験 を 有 する 者 のうちから 市 町 村 長 が 当 該 市 町 村 の 議 会 の 同 意 を 得 て 選 任 する 二 以 上 の 市 町 村 の 長 は 当 該 市 町 村 の 議

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

市街化区域と市街化調整区域との区分

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ニュースリリース

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船橋市地域住宅計画(第1回変更)様式変更

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情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等

第 1 条 適 用 範 囲 本 業 務 方 法 書 は 以 下 の 性 能 評 価 に 適 用 する (1) 建 築 基 準 法 施 行 令 ( 以 下 令 という ) 第 20 条 の7 第 1 項 第 二 号 表 及 び 令 第 20 条 の 8 第 2 項 の 認 定 に 係 る 性 能 評

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 法 人 の 長 A 18,248 11,166 4, ,066 6,42

我 が 国 経 済 はデフレからの 脱 却 に 向 けたアベノミクスにより 回 復 しつつあるも のの 個 人 消 費 や 民 間 投 資 は 力 強 さを 欠 き 新 興 国 の 成 長 鈍 化 や 英 国 のEU 離 脱 の 動 き 等 により 成 長 が 減 速 する 恐 れがある このような

職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 年 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 福 岡 県 技 能 労 務 職 歳 1,19,98 9,9 歳 8,

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4. 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 特 例 の 延 長 長 期 優 良 住 宅 に 係 る 以 下 の 特 例 措 置 の 適 用 期 限 ( 平 成 28 年 3 月 31 日 )を 延 長 する 1 登 録 免 許 税 の 特 例 ( 所 有 権 の 保 存 登 記 : 本 則 0.4%

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(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

経 常 収 支 差 引 額 等 の 状 況 平 成 26 年 度 予 算 早 期 集 計 平 成 25 年 度 予 算 対 前 年 度 比 較 経 常 収 支 差 引 額 3,689 億 円 4,597 億 円 908 億 円 減 少 赤 字 組 合 数 1,114 組 合 1,180 組 合 66

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

スライド 1

Ⅱ. 公 表 方 法 等 について( ガイドラインの 要 旨 ) 1. 趣 旨 国 立 大 学 法 人 等 の 役 員 の 報 酬 等 及 び 職 員 の 給 与 の 水 準 に 関 する 情 報 を, 国 民 及 び 関 係 者 に 分 かりやすく 提 供 するもの 2. 公 表 されるべき 事

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

Transcription:

マンションの 修 繕 積 立 金 に 関 するガイドライン 平 成 23 年 4 月 国 土 交 通 省

はじめに マンションのストック 総 数 は 約 562 万 戸 ( 平 成 21 年 末 現 在 ) 約 1400 万 人 が 居 住 する 我 が 国 における 重 要 な 居 住 形 態 のひとつとなっており その 数 は 着 実 に 増 加 しています マンションの 良 好 な 居 住 環 境 を 確 保 し 資 産 価 値 の 維 持 向 上 を 図 るためには 計 画 的 な 修 繕 工 事 の 実 施 が 不 可 欠 ですが 修 繕 工 事 の 費 用 は 多 額 であり 修 繕 工 事 の 実 施 時 に 一 括 で 徴 収 することは 困 難 です このため 将 来 予 想 される 修 繕 工 事 を 盛 り 込 んだ 長 期 修 繕 計 画 を 策 定 し これに 基 づき 月 々の 修 繕 積 立 金 の 額 を 設 定 す ることが 重 要 となります 一 般 に マンションの 分 譲 段 階 では 分 譲 事 業 者 が 長 期 修 繕 計 画 と 修 繕 積 立 金 の 額 をマンション 購 入 者 に 提 示 していますが マンション 購 入 者 は 修 繕 積 立 金 等 に 関 して 必 ずしも 十 分 な 知 識 を 有 しているとは 限 らず 修 繕 積 立 金 の 当 初 月 額 が 著 しく 低 く 設 定 される 等 の 例 も 見 られます その 結 果 必 要 な 修 繕 積 立 金 が 十 分 に 積 み 立 てられず 修 繕 工 事 費 が 不 足 すると いった 問 題 が 生 じているとの 指 摘 もあります 今 般 こうしたことを 背 景 に マンションの 修 繕 積 立 金 等 に 関 する 検 討 会 ( 秋 山 哲 一 東 洋 大 学 理 工 学 部 建 築 学 科 教 授 )における 検 討 結 果 を 踏 まえ 修 繕 積 立 金 に 関 する 基 本 的 な 知 識 や 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 を 示 した 修 繕 積 立 金 に 関 するガイド ライン を 策 定 しました 本 ガイドラインが 活 用 されることによって 新 築 マンションの 購 入 予 定 者 の 修 繕 積 立 金 についての 関 心 や 理 解 が 深 まるとともに 適 正 な 修 繕 積 立 金 の 設 定 積 立 が 促 進 され 適 時 適 切 な 修 繕 工 事 を 通 じた 良 質 なマンションストックの 形 成 に 寄 与 す ることを 期 待 しています なお マンションに 一 般 的 に 使 用 される 材 料 設 備 等 は 社 会 的 な 環 境 や 生 活 様 式 の 変 化 技 術 の 向 上 等 に 伴 い 時 代 とともに 変 化 していきます また 修 繕 工 事 の 内 容 や 工 法 修 繕 周 期 等 についても 新 しい 工 法 や 技 術 開 発 の 進 展 等 に 伴 い 異 なるものとなります 本 ガイドラインについては こうした 変 化 に 対 応 したものと なるよう 引 き 続 き できるだけ 多 くの 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 収 集 等 を 積 み 重 ねなが ら 随 時 見 直 し 充 実 を 図 ることとしています 1

目 次 1 ガイドラインの 目 的 3 2 修 繕 積 立 金 と 長 期 修 繕 計 画 について (1) 修 繕 積 立 金 について 3 (2) 長 期 修 繕 計 画 について 3 3 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 について (1) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 の 算 出 方 法 と 留 意 点 5 (2) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 6 (3) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 を 活 用 するに 当 たっての 留 意 点 8 4 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 について (1) 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 9 (2) 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 を 確 認 することの 重 要 性 9 5 修 繕 積 立 金 の 主 な 変 動 要 因 について 11 6 ガイドラインの 活 用 について 13 資 料 編 1 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 の 算 出 に 用 いた 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 について 15 2 マンションにおける 主 な 修 繕 工 事 について 17 3 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 との 比 較 方 法 18 2

1 ガイドラインの 目 的 本 ガイドラインは 主 として 新 築 マンションの 購 入 予 定 者 向 けに 修 繕 積 立 金 に 関 する 基 本 的 な 知 識 や 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 を 示 し 修 繕 積 立 金 に 関 す る 理 解 を 深 めていただくとともに 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 修 繕 積 立 金 の 額 の 水 準 について 判 断 する 際 の 参 考 材 料 として 活 用 していただくことを 目 的 に 作 成 したものです 2 修 繕 積 立 金 と 長 期 修 繕 計 画 について (1) 修 繕 積 立 金 について マンションの 外 壁 や 屋 根 エレベーター 等 の 共 用 部 分 は マンションの 購 入 者 ( 区 分 所 有 者 )で 団 体 ( 管 理 組 合 )を 構 成 し 維 持 管 理 修 繕 を 行 うことと なります 購 入 したマンションについて 安 全 安 心 で 快 適 な 居 住 環 境 を 確 保 し 資 産 価 値 を 維 持 するためには 適 時 適 切 な 修 繕 工 事 を 行 うことが 必 要 ですが マンションの 共 用 部 分 の 修 繕 工 事 は 12 年 15 年 30 年 といった 長 い 周 期 で 実 施 されるものが 多 く 修 繕 工 事 の 実 施 時 には 多 額 の 費 用 を 要 します こうした 多 額 の 費 用 を 修 繕 工 事 の 実 施 時 に 一 括 で 徴 収 することは 区 分 所 有 者 にとって 大 きな 負 担 となり 区 分 所 有 者 間 の 合 意 形 成 が 困 難 であるほか 場 合 によっては 資 金 不 足 のため 必 要 な 修 繕 工 事 が 実 施 できないといった 事 態 に もなりかねません こうした 事 態 を 避 けるため 将 来 予 想 される 修 繕 工 事 に 要 する 費 用 を 長 期 間 にわたり 計 画 的 に 積 み 立 てていくのが 修 繕 積 立 金 です このように 修 繕 積 立 金 は マンションを 長 期 間 にわたり 良 好 な 状 態 に 維 持 していくために 必 要 なものです なお 修 繕 積 立 金 は 共 用 部 分 について 管 理 組 合 が 行 う 修 繕 工 事 の 費 用 に 充 当 するための 積 立 金 であり 専 有 部 分 について 各 区 分 所 有 者 が 行 うリフォーム の 費 用 は 含 まれません (2) 長 期 修 繕 計 画 について 修 繕 積 立 金 の 額 は 将 来 見 込 まれる 修 繕 工 事 の 内 容 おおよその 時 期 概 算 の 費 用 等 を 盛 り 込 んだ 長 期 修 繕 計 画 に 基 づいて 設 定 されます 一 般 に 長 期 修 繕 計 画 は 修 繕 積 立 金 とともに 分 譲 事 業 者 から 提 示 されますが 長 期 修 繕 計 画 の 作 成 方 法 やそこに 盛 り 込 むべき 内 容 については 平 成 20 年 6 月 に 国 土 交 通 省 が 作 成 公 表 した 長 期 修 繕 計 画 標 準 様 式 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドライン 及 び 同 コメント ( 以 下 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドライン といい ます http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansei/manseikanri.htm)におい て 説 明 されていますので 長 期 修 繕 計 画 についてより 理 解 を 深 めたい 場 合 には そちらも 適 宜 参 考 にしてください 3

なお 長 期 修 繕 計 画 は 将 来 実 施 する 修 繕 工 事 の 内 容 時 期 費 用 等 を 確 定 するものではなく 一 定 期 間 ごとに 見 直 していくことを 前 提 としています 例 えば 修 繕 工 事 の 内 容 は 計 画 作 成 時 のマンションの 現 状 の 仕 様 等 を 踏 まえて 設 定 されますが 実 際 の 修 繕 工 事 の 実 施 時 には 技 術 革 新 等 により 異 なるもの になることがあります また 計 画 期 間 を 何 年 に 設 定 するかによって 計 画 に 盛 り 込 まれる 修 繕 工 事 の 内 容 も 異 なります( 新 築 時 の 計 画 期 間 が 30 年 の 場 合 修 繕 周 期 がこれを 超 える 修 繕 工 事 項 目 は 盛 り 込 まれていません) こうしたこと からも 長 期 修 繕 計 画 は 一 定 期 間 ごとに 見 直 していくことが 必 要 となります 4

3 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 について (1) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 の 算 出 方 法 と 留 意 点 マンションの 購 入 時 には 分 譲 事 業 者 から 長 期 修 繕 計 画 とそれを 基 に 設 定 された 修 繕 積 立 金 の 額 が 提 示 されます (2)では 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 修 繕 積 立 金 の 額 の 水 準 について 購 入 予 定 者 が 判 断 する 際 の 参 考 になるよう 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 を 示 してい ます 修 繕 積 立 金 の 額 は 個 々のマンションごとに 様 々な 要 因 によって 変 動 し ば らつきも 大 きいことから その 目 安 の 算 出 に 当 たっては 実 際 に 作 成 され た 長 期 修 繕 計 画 を 幅 広 く 収 集 し その 事 例 の 平 均 値 と 事 例 の 大 部 分 が 収 まるよ うな 幅 として 示 すこととしています 具 体 的 には 1 主 として 区 分 所 有 者 が 自 ら 居 住 する 住 居 専 用 の 単 棟 型 のマンションを 対 象 に 2 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドラインに 概 ね 沿 って 作 成 された 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 (84 事 例 )を 収 集 分 析 し 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドラインに 示 す 主 要 な 修 繕 工 事 項 目 (19 項 目 ただし 機 械 式 駐 車 場 は 除 く)が 含 まれており かつ 計 画 期 間 が 新 築 マンションは 30 年 以 上 既 存 マンションは 25 年 以 上 であるもの 目 安 の 算 出 に 用 いた 84 事 例 のマン ションの 概 要 については 15 ページをご 参 照 ください 3 新 築 時 から30 年 間 に 必 要 な 修 繕 工 事 費 の 総 額 を 当 該 期 間 で 均 等 に 積 み 立 てる 方 式 ( 均 等 積 立 方 式 )による 月 額 として 示 しています また マンションに 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 は 修 繕 工 事 に 多 額 の 費 用 を 要 し 修 繕 積 立 金 の 額 に 影 響 する 度 合 いが 大 きいことから (2)では 機 械 式 駐 車 場 に 係 る 修 繕 積 立 金 を 特 殊 要 因 として 別 に 加 算 することとしました なお 上 述 したように 修 繕 積 立 金 の 額 は マンションごとに 様 々な 要 因 に よって 変 動 します (2)で 示 す 額 は あくまでも 上 記 のような 事 例 調 査 から 導 き 出 した 目 安 であり 修 繕 積 立 金 の 額 が 目 安 の 範 囲 に 収 まっていな いからといって 直 ちに 不 適 切 であると 判 断 される 訳 ではありません 目 安 の 活 用 にあたっては (3)の 留 意 点 についても 参 考 にしてください 5

(2) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 ( 算 出 式 ) Y=AX(+B) Y: 購 入 予 定 のマンションの 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 A: 専 有 床 面 積 当 たりの 修 繕 積 立 金 の 額 ( 下 表 ) X: 購 入 予 定 のマンションの 専 有 床 面 積 (m2) ( B: 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 の 加 算 額 ) 駐 車 場 の 維 持 管 理 修 繕 工 事 費 や 駐 車 場 使 用 料 について 管 理 費 や 修 繕 積 立 金 と 区 分 して 経 理 している 場 合 など 機 械 式 駐 車 場 の 修 繕 工 事 費 を 駐 車 場 使 用 料 収 入 で 賄 うこととする 場 合 には 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 の 加 算 額 (B) を 加 算 する 必 要 はありません 1 専 有 床 面 積 当 たりの 修 繕 積 立 金 の 額 (A) 階 数 / 建 築 延 床 面 積 平 均 値 事 例 の 3 分 の 2 が 包 含 される 幅 5,000 m2 未 満 218 円 /m2 月 165 円 ~250 円 /m2 月 15 階 未 満 5,000~10,000 m2 202 円 /m2 月 140 円 ~265 円 /m2 月 10,000 m2 以 上 178 円 /m2 月 135 円 ~220 円 /m2 月 20 階 以 上 206 円 /m2 月 170 円 ~245 円 /m2 月 ( 円 / 専 床 m2 月 ) 300 250 200 150 250 218 165 265 202 140 220 178 135 245 206 170 平 均 値 事 例 の 3 分 の 2 が 包 含 される 幅 100 0 5000 m2 10000 m2 ( 建 築 延 床 面 積 ) 15 階 未 満 20 階 以 上 注 ) 事 例 にはばらつきが 大 きいため 平 均 値 とともに 事 例 の 大 部 分 が 収 まるような 範 囲 を 示 すという 観 点 から 事 例 の 3 分 の 2 が 包 含 される 幅 をあわせて 示 しています なお 平 均 値 とあわせて 標 準 偏 差 による 範 囲 の 表 現 方 法 もありますが 事 例 のばらつきが 正 規 分 布 とはならないため ここでは 分 かりやすさを 優 先 して 中 央 よりの3 分 の2の 包 含 幅 ( 事 例 の 上 下 6 分 の1を 除 外 した 幅 )としました この 包 含 幅 の 値 は 5 円 単 位 で 表 示 しています 超 高 層 マンション( 一 般 に 20 階 以 上 )は 外 壁 等 の 修 繕 のための 特 殊 な 足 場 が 必 要 となるほ か 共 用 部 分 の 占 める 割 合 が 高 くなる 等 のため 修 繕 工 事 費 が 増 大 する 傾 向 にあることから 20 階 以 上 の 目 安 を 分 けて 示 しています また それ 以 外 のマンションのうち 特 別 避 難 階 段 等 の 設 置 が 義 務 付 けられる 15 階 ~19 階 のマンションについては 供 給 量 が 少 なく 目 安 算 定 に 用 いる 事 例 も 十 分 でなかったため 15 階 未 満 の 目 安 として 示 しています なお 15 階 ~19 階 のマンションの 目 安 については 15 階 未 満 の 目 安 と 20 階 以 上 の 目 安 との 間 に 収 まるものと 考 えられます 6

2 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 の 加 算 額 (B) B = 機 械 式 駐 車 場 の1 台 あたりの 修 繕 工 事 費 ( 下 表 ) 台 数 購 入 を 予 定 する 住 戸 の 負 担 割 合 ( 住 戸 の 負 担 割 合 は 専 有 部 分 の 床 面 積 の 割 合 としている 場 合 が 多 い ) 機 械 式 駐 車 場 の 1 台 あたりの 修 繕 工 事 費 機 械 式 駐 車 場 の 機 種 機 械 式 駐 車 場 の 修 繕 工 事 費 (1 台 当 たり 月 額 ) 2 段 (ピット1 段 ) 昇 降 式 7,085 円 / 台 月 3 段 (ピット2 段 ) 昇 降 式 6,040 円 / 台 月 3 段 (ピット1 段 ) 昇 降 横 行 式 8,540 円 / 台 月 4 段 (ピット2 段 ) 昇 降 横 行 式 14,165 円 / 台 月 長 期 修 繕 計 画 作 成 の 手 引 き (( 社 ) 高 層 住 宅 管 理 業 協 会 )においては 修 繕 工 事 費 はピッ ト 式 と 地 上 式 との 差 は 少 ないことを 前 提 に 上 記 4 種 類 の 方 式 が 掲 載 されております 機 械 式 駐 車 場 の 1 台 あたりの 修 繕 工 事 費 は この 手 引 きの 機 械 式 駐 車 場 維 持 保 全 資 料 の 20 年 間 の 累 計 費 用 の 目 安 を 月 額 に 換 算 した 数 値 (5 円 単 位 で 表 示 )です 修 繕 積 立 金 の 額 (AX) 例 えば 10 階 建 てで 建 築 延 床 面 積 が 8,000 m2のマンションの 専 有 床 面 積 80 m2 の 住 戸 を 購 入 する 場 合 は 目 安 の 平 均 値 80 m2 202 円 /m2 月 = 16,160 円 / 月 目 安 の 幅 80 m2 140 円 /m2 月 = 11,200 円 / 月 から 80 m2 265 円 /m2 月 = 21,200 円 / 月 まで となります 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 の 加 算 額 (B) 例 えば 購 入 しようとするマンションに 2 段 (ピット1 段 ) 昇 降 式 の 機 械 式 駐 車 場 が 50 台 分 あり 購 入 を 予 定 する 住 戸 の 専 有 床 面 積 が 80 m2 マンション 全 体 の 専 有 床 面 積 の 合 計 が 6,000 m2( 負 担 割 合 が 80/6000)の 場 合 7,085 円 ( 月 額 修 繕 工 事 費 の 目 安 ) 50 台 80/6000 =4,723 円 となります 購 入 予 定 のマンションの 修 繕 積 立 金 と 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 との 比 較 方 法 については 18ページをご 参 照 ください 7

(3) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 を 活 用 するに 当 たっての 留 意 点 マンションの 修 繕 工 事 費 は 建 物 の 形 状 や 規 模 立 地 仕 上 げ 材 や 設 備 の 仕 様 に 加 え 工 事 単 価 区 分 所 有 者 の 機 能 向 上 に 対 するニーズ 等 様 々な 要 因 に よって 変 動 するものであり このような 修 繕 工 事 費 を 基 に 設 定 される 修 繕 積 立 金 の 額 の 水 準 も 当 然 これらの 要 因 によって 変 化 する 性 格 のものです(5の 修 繕 積 立 金 の 主 な 変 動 要 因 について をご 参 照 ください ) (2)で 示 した 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 は 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドライ ンに 概 ね 沿 って 新 築 分 譲 時 に 策 定 された 長 期 修 繕 計 画 やその 後 に 見 直 しがな された 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 から 導 き 出 したものであり 建 物 の 規 模 以 外 の 変 動 要 因 を 考 慮 したものとはなっていません このため 目 安 の 設 定 にあたっては 平 均 値 とともに 事 例 の3 分 の2が 含 まれる 幅 をあわせて 示 すこととしていま す したがって 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 購 入 予 定 のマンションの 修 繕 積 立 金 の 額 が この 幅 に 収 まっていないからといって その 水 準 が 直 ちに 不 適 切 であ ると 判 断 されることになるわけではありません そのような 場 合 には 長 期 修 繕 計 画 の 内 容 や 修 繕 積 立 金 の 設 定 の 考 え 方 積 立 方 法 等 についてチェックする ことが 大 切 です(4の 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 について をご 参 照 ください) また 分 譲 事 業 者 は 購 入 予 定 者 に 対 して 長 期 修 繕 計 画 の 内 容 や 修 繕 積 立 金 の 設 定 の 考 え 方 積 立 方 法 等 について 本 ガイドラインも 参 考 に 説 明 するこ とが 重 要 となります 8

4 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 について (1) 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 には 長 期 修 繕 計 画 で 計 画 された 修 繕 工 事 費 の 累 計 額 を 計 画 期 間 中 均 等 に 積 み 立 てる 方 式 ( 均 等 積 立 方 式 )の 他 当 初 の 積 立 額 を 抑 え 段 階 的 に 積 立 額 を 値 上 げする 方 式 ( 段 階 増 額 積 立 方 式 )があります また 購 入 時 にまとまった 額 の 基 金 ( 修 繕 積 立 基 金 と 呼 ばれます )を 徴 収 するこ とや 修 繕 時 に 一 時 金 を 徴 収 する 又 は 金 融 機 関 から 借 り 入 れたりすることを 前 提 とした 積 立 方 式 を 採 用 している 場 合 もあります 段 階 増 額 積 立 方 式 や 修 繕 時 に 一 時 金 を 徴 収 する 方 式 など 将 来 の 負 担 増 を 前 提 とする 積 立 方 式 は 増 額 しようとする 際 に 区 分 所 有 者 間 の 合 意 形 成 ができず 修 繕 積 立 金 が 不 足 する 事 例 も 生 じていることに 留 意 が 必 要 です 将 来 にわたって 安 定 的 な 修 繕 積 立 金 の 積 立 てを 確 保 する 観 点 からは 均 等 積 立 方 式 が 望 ましい 方 式 といえます 新 築 マンションの 場 合 は 段 階 増 額 積 立 方 式 を 採 用 している 場 合 がほとんど で あわせて 分 譲 時 に 修 繕 積 立 基 金 を 徴 収 している 場 合 も 多 くなっています このような 方 式 は 購 入 者 の 当 初 の 月 額 負 担 を 軽 減 できるため 広 く 採 用 され ていると 言 われています (2) 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 を 確 認 することの 重 要 性 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 によって 新 築 分 譲 時 の 修 繕 積 立 金 の 月 額 の 水 準 は 大 きく 異 なります 分 譲 事 業 者 が 購 入 予 定 者 に 対 し 修 繕 積 立 金 について 説 明 を 行 う 際 には 採 用 した 積 立 方 法 の 内 容 について 説 明 を 行 うとともに 購 入 予 定 者 は 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 修 繕 積 立 金 が 均 等 積 立 方 式 によるもの なのか 段 階 増 額 積 立 方 式 など 将 来 の 負 担 増 を 前 提 とするものなのかにつ いて 確 認 し 将 来 の 負 担 増 を 前 提 とする 場 合 には その 計 画 が 自 らの 将 来 の 資 金 計 画 ( 住 宅 ローンの 返 済 計 画 など)との 関 係 でも 無 理 のないものなのかにつ いて よく 検 討 しておくことが 必 要 です これにより マンションの 購 入 時 点 で 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 についての 購 入 予 定 者 の 理 解 が 深 まり 将 来 修 繕 積 立 金 の 増 額 が 必 要 になった 場 合 に 区 分 所 有 者 間 の 合 意 形 成 がより 円 滑 に 進 むことになることが 期 待 されます なお 均 等 積 立 方 式 を 採 用 した 場 合 であっても その 後 修 繕 積 立 金 の 額 の 見 直 しが 必 要 なくなる 訳 ではなく 長 期 修 繕 計 画 の 見 直 しによって 増 額 が 必 要 となる 場 合 もあります 経 年 によって 必 要 な 修 繕 の 内 容 が 異 なるほか マ ンションの 劣 化 の 状 況 や 技 術 開 発 等 によって 実 際 の 修 繕 の 周 期 や 費 用 等 は 変 化 しますから どのような 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 を 採 用 していても 定 期 的 に 長 期 修 繕 計 画 を 見 直 し それに 基 づき 修 繕 積 立 金 を 設 定 し 直 すことが 必 要 です 9

均 等 積 立 方 式 (1) 特 長 : 将 来 にわたり 定 額 負 担 として 設 定 するため 将 来 の 増 額 を 組 み 込 んで おらず 安 定 的 な 修 繕 積 立 金 の 積 立 てができる (2) 留 意 点 : 修 繕 資 金 需 要 に 関 係 なく 均 等 額 の 積 立 金 を 徴 収 するため 段 階 増 額 積 立 方 式 に 比 べ 多 額 の 資 金 を 管 理 する 状 況 が 生 じる 均 等 積 立 方 式 であっても その 後 の 長 期 修 繕 計 画 の 見 直 しにより 増 額 が 必 要 になる 場 合 もある (3)イメージ: 下 図 参 照 築 後 30 年 間 に 必 要 な 修 繕 工 事 費 の 戸 当 たりの 総 額 522 万 円 について 修 繕 積 立 金 を 30 年 間 均 等 に 月 額 14,500 円 ( 年 額 174,000 円 ) 積 立 てて 確 保 する 場 合 を 想 定 修 70 繕 積 60 立 金 50 ( 年 40 額 ) ( 30 万 円 20 / 戸 ) 10 0 500 400 修 繕 積 立 金 の 累 計 額 300 修 繕 工 事 費 の 累 計 額 修 繕 積 立 金 ( 年 額 ) 200 100 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 修 繕 積 立 金 累 計 修 繕 工 事 費 累 計 ( 万 円 / 戸 ) 段 階 増 額 積 立 方 式 (1) 特 長 : 修 繕 資 金 需 要 に 応 じて 積 立 金 を 徴 収 する 方 式 であり 当 初 の 負 担 額 は 小 さく 多 額 の 資 金 の 管 理 の 必 要 性 が 均 等 積 立 方 式 と 比 べて 低 い (2) 留 意 点 : 将 来 の 負 担 増 を 前 提 としており 計 画 どおりに 増 額 しようとする 際 に 区 分 所 有 者 間 の 合 意 形 成 ができず 修 繕 積 立 金 が 不 足 する 場 合 がある (3)イメージ: 下 図 参 照 ( 修 繕 積 立 基 金 を 併 用 した 場 合 ) 築 後 30 年 間 に 必 要 な 修 繕 工 事 費 の 戸 当 たりの 総 額 522 万 円 について 購 入 時 に 修 繕 積 立 基 金 を 36 万 円 徴 収 し 初 年 度 の 修 繕 積 立 金 を 月 額 6,000 円 ( 年 額 72,000 円 )とし 5 年 置 きに 月 額 3,000 円 ずつ 値 上 げして 26 ~30 年 目 には 月 額 21,000 円 ( 年 額 252,000 円 )まで 増 額 して 確 保 する 場 合 を 想 定 修 繕 積 70 立 金 ( 60 年 額 50 ) 修 40 繕 積 30 立 基 金 20 ( 万 10 円 / 0 戸 ) 修 繕 積 立 基 金 を 併 用 した 場 合 修 繕 積 立 基 金 修 繕 積 立 金 ( 年 額 ) 修 繕 積 立 金 の 累 計 額 修 繕 工 事 費 の 累 計 額 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 500 400 300 200 100 0 修 繕 積 立 金 累 計 修 繕 工 事 費 累 計 ( 万 円 / 戸 ) 10

5 修 繕 積 立 金 の 主 な 変 動 要 因 について マンションの 修 繕 工 事 費 は 建 物 の 形 状 や 規 模 立 地 仕 上 げ 材 や 設 備 の 仕 様 に 加 え 区 分 所 有 者 の 機 能 向 上 に 対 するニーズ 等 様 々な 要 因 によって 変 動 するものであり このような 修 繕 工 事 費 を 基 に 設 定 される 修 繕 積 立 金 の 額 も 当 然 これらの 要 因 によって 変 化 する 性 格 のものです 以 下 に マンションの 修 繕 積 立 金 の 額 に 影 響 を 与 える 修 繕 工 事 費 等 の 主 な 変 動 要 因 を 示 します 建 物 等 の 形 状 や 規 模 立 地 共 用 施 設 の 有 無 等 により 修 繕 工 事 費 が 変 動 し ます 建 物 が 階 段 状 になっているなど 複 雑 な 形 状 のマンションや 超 高 層 マンショ ンでは 外 壁 等 の 修 繕 のために 建 物 の 周 りに 設 置 する 仮 設 足 場 やゴンドラ 等 の 設 置 費 用 が 高 くなるほか 施 工 期 間 が 長 引 くなどして 修 繕 工 事 費 が 高 くなる 傾 向 があります 一 般 的 に 建 物 の 規 模 が 大 きくまとまった 工 事 量 になるほど 施 工 性 が 向 上 し 修 繕 工 事 の 単 価 が 安 くなる 傾 向 があります エレベーターや 機 械 式 駐 車 場 の 有 無 及 びその 設 置 場 所 玄 関 ホール 集 会 室 等 の 規 模 等 により 修 繕 工 事 費 が 変 動 します 近 年 の 新 築 マンションで は ラウンジやゲストルーム 等 充 実 した 共 用 施 設 を 備 えたマンションが みられます また 温 泉 やプールがあるマンションもあります このよう なマンションは 修 繕 工 事 費 が 高 くなる 傾 向 があります 建 物 に 比 べて 屋 外 部 分 の 広 いマンションでは 給 水 管 や 排 水 管 等 が 長 くな るほか アスファルト 舗 装 や 街 灯 等 も 増 えるため これらに 要 する 修 繕 工 事 費 が 高 くなる 傾 向 があります 塩 害 を 受 ける 海 岸 に 近 いマンションや 寒 冷 地 のマンションなど 立 地 に よって 劣 化 の 進 行 度 合 いや 必 要 な 修 繕 の 内 容 が 異 なり 修 繕 工 事 費 に 影 響 を 与 える 場 合 があります 仕 上 げ 材 や 設 備 の 仕 様 によって 修 繕 工 事 費 や 修 繕 周 期 が 異 なります 一 般 に 高 級 な 材 料 を 使 用 している 場 合 は 修 繕 工 事 費 が 高 くなります ただ し 材 料 によって 必 要 な 修 繕 の 内 容 が 異 なったり 修 繕 の 周 期 を 長 くでき たりする 場 合 もあります 11

外 壁 については 一 定 期 間 ごとに 塗 り 替 えが 必 要 な 塗 装 仕 上 げの 他 タイ ル 張 りのマンションも 多 くみられます タイル 張 りの 場 合 は 一 定 期 間 ご との 塗 り 替 えは 必 要 ありませんが 劣 化 によるひび 割 れや 浮 きが 発 生 する ため 塗 装 仕 上 げの 場 合 と 同 様 に 適 時 適 切 に 調 査 診 断 を 行 う 必 要 があり ます 修 繕 工 事 費 は 劣 化 の 状 況 により 大 きく 変 動 します 手 摺 り 等 には 鉄 アルミ ステンレスなど 様 々なものが 用 いられます 一 般 的 に 一 定 期 間 ごとに 塗 装 する 必 要 のある 鉄 製 のものの 他 錆 びにく いアルミ 製 やステンレス 製 のものもあります 近 年 の 新 築 マンションでは 錆 びにくい 材 料 が 多 く 使 用 されるようになってきており 金 属 部 分 の 塗 装 に 要 する 修 繕 工 事 費 は 少 なくて 済 むようになる 傾 向 があります 共 用 の 給 水 管 や 排 水 管 については 配 管 や 継 手 部 分 の 内 部 が 腐 食 すること から これらを 洗 浄 研 磨 し 再 度 コーティングする 更 生 工 事 や 更 新 ( 取 替 え) 工 事 が 必 要 になります 近 年 の 新 築 マンションでは ステ ンレス 管 やプラスチック 管 等 の 腐 食 しにくい 材 料 が 使 われるようになり 更 生 工 事 が 必 要 無 くなり 取 替 え 工 事 も 遅 らせることができるようになり 給 排 水 管 に 関 する 修 繕 工 事 費 は 少 なくて 済 むようになる 傾 向 があります 仕 上 げ 材 や 設 備 については 技 術 的 な 知 見 が 時 代 とともに 変 化 するもので あり 技 術 革 新 に 伴 い 修 繕 工 事 費 が 少 なくて 済 む 場 合 もあります 区 分 所 有 者 の 機 能 向 上 に 対 するニーズ 等 によって マンションごとに 修 繕 工 事 の 内 容 が 異 なり 修 繕 工 事 費 も 変 動 します 近 年 の 新 築 マンションの 中 には 生 活 利 便 性 や 防 犯 性 を 考 慮 して さまざ まな 種 類 の 付 加 設 備 (ディスポーザー 設 備 セキュリティー 設 備 等 )が 設 置 されているものがみられます このような 設 備 が 多 いほど 修 繕 工 事 費 は 増 加 する 傾 向 があります 新 築 時 に 設 置 されていなくても その 後 に 居 住 者 のニーズの 高 まりや 消 防 法 等 の 法 制 度 の 改 正 を 受 けて 新 たな 設 備 を 付 加 等 する 場 合 があります ま た 耐 震 性 に 劣 っている 場 合 や 居 住 者 の 高 齢 化 に 対 応 できていない 場 合 は 耐 震 改 修 やバリアフリー 改 修 等 を 行 うことが 望 まれます こうした 改 修 工 事 が 見 込 まれる 場 合 は 所 要 の 費 用 を 計 画 的 に 積 み 立 てておくことが 重 要 となります 12

6 ガイドラインの 活 用 について 本 ガイドラインは 主 として 新 築 マンションの 購 入 予 定 者 向 けに 修 繕 積 立 金 に 関 する 基 本 的 な 知 識 や 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 を 示 したものですが 購 入 予 定 者 がこうした 点 についての 理 解 を 深 めるためには 分 譲 事 業 者 から 購 入 予 定 者 に 対 し 分 譲 予 定 マンションに 係 る 修 繕 積 立 金 の 額 の 水 準 やその 設 定 の 考 え 方 などについて 本 ガイドラインを 活 用 して 説 明 がなされることが 重 要 となり ます こうした 取 組 みを 通 じて 修 繕 積 立 金 に 関 する 購 入 予 定 者 の 理 解 がより 進 み 適 正 な 修 繕 積 立 金 の 設 定 積 立 ての 促 進 につながることを 期 待 していま す また 長 期 修 繕 計 画 や 修 繕 積 立 金 の 見 直 しを 検 討 している 管 理 組 合 について も 本 ガイドラインを 参 考 にしていただくことにより 見 直 しの 必 要 性 や 見 直 し 後 の 修 繕 積 立 金 の 概 ねの 水 準 について 区 分 所 有 者 間 の 合 意 形 成 がより 促 進 されることを 期 待 しています 13

14 資 料 編

1 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 の 算 出 に 用 いた 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 について 6ページに 示 した 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 は 以 下 の3つの 要 件 に 該 当 す る 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 (84 事 例 )を 分 析 して 算 出 しており その 概 要 は 下 図 のとおりです 1 主 として 区 分 所 有 者 が 自 ら 居 住 する 住 居 専 用 の 単 棟 型 のマンションの 長 期 修 繕 計 画 であること 2 専 有 床 面 積 の 平 均 が 55 m2 以 上 のマンションの 長 期 修 繕 計 画 であること 3 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドラインに 概 ね 沿 って 作 成 された 長 期 修 繕 計 画 であ ること 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドラインに 示 す 主 要 な 修 繕 工 事 項 目 (19 項 目 但 し 機 械 式 駐 車 場 は 除 く)が 含 まれているもの 19 項 目 : 仮 設 工 事 屋 根 防 水 床 防 水 外 壁 塗 装 等 鉄 部 塗 装 等 建 具 金 物 等 共 用 内 部 給 水 設 備 排 水 設 備 ガス 設 備 空 調 換 気 設 備 電 灯 設 備 情 報 通 信 設 備 消 防 用 設 備 昇 降 機 設 備 外 構 附 帯 設 備 調 査 設 計 監 理 長 期 修 繕 計 画 策 定 機 械 式 駐 車 場 計 画 期 間 が 新 築 マンションは 30 年 以 上 既 存 マンションは 25 年 以 上 であるもの < 目 安 の 算 出 に 用 いた84 事 例 の 概 要 > 20 階 以 上 15 階 未 満 5000 m2 未 満 5000m2 未 満 6 13 6 15 階 未 満 10000 m2 以 上 15 14 25 5000~10000m2 10000m2 以 上 2 2 1 2 6 6 21 5 30 15 階 未 満 5000~10000 m2 建 物 の 階 数 建 築 延 床 面 積 20 階 建 以 上 2 12 0 5 10 15 20 25 30 35 1970 年 代 1980 年 代 1990 年 代 2000 年 以 降 15 階 未 満 マンションの 竣 工 年 5000m2 未 満 9 13 3 5000m2 未 満 2 5 10 2 3 3 5000~10000m2 3 18 9 5000~10000m2 4 4 7 8 5 2 10000m2 以 上 5 10 10000m2 以 上 1 2 5 4 3 20階 建 以 上 1 2 6 3 1 1 20 階 建 以 上 14 0 5 10 15 20 25 30 35 0 5 10 15 20 25 30 35 55~60m2 60~70m2 70~80m2 5 階 以 下 6~10 階 11~14 階 20 階 以 上 80~90m2 90~100m2 100m2 以 上 15 階 未 満 15 階 未 満 階 数 平 均 専 有 床 面 積 15

注 ) 長 期 修 繕 計 画 作 成 時 の 築 年 数 や 計 画 期 間 の 違 いの 補 正 について 本 ガイドラインで 示 す 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 は 新 築 時 から30 年 間 に 必 要 な 修 繕 工 事 費 の 総 額 を 当 該 期 間 で 均 等 に 積 み 立 てることとした 場 合 の 専 有 床 面 積 当 たりの 月 額 です 一 方 収 集 した 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 は 計 画 の 初 年 度 の 築 後 年 数 が 様 々で あるとともに 計 画 期 間 も 様 々です そのため ( 財 )マンション 管 理 センターの 修 繕 積 立 金 算 出 システム (http://www.mankan.or.jp/07_skillsupport/skillsupport.htm)を 活 用 して 収 集 した 長 期 修 繕 計 画 の 事 例 の 修 繕 工 事 費 の 総 額 を 新 築 時 から 30 年 間 の 修 繕 工 事 費 の 総 額 に 補 正 した 上 で 修 繕 積 立 金 の 目 安 の 額 を 算 出 しました 16

2 マンションにおける 主 な 修 繕 工 事 について 長 期 修 繕 計 画 作 成 ガイドラインでは 主 な 修 繕 工 事 項 目 として 19の 項 目 をあげています 19 項 目 : ( 再 掲 ) 仮 設 工 事 屋 根 防 水 床 防 水 外 壁 塗 装 等 鉄 部 塗 装 等 建 具 金 物 等 共 用 内 部 給 水 設 備 排 水 設 備 ガス 設 備 空 調 換 気 設 備 電 灯 設 備 情 報 通 信 設 備 消 防 用 設 備 昇 降 機 設 備 外 構 附 帯 設 備 調 査 設 計 監 理 長 期 修 繕 計 画 策 定 機 械 式 駐 車 場 下 表 は 収 集 した 長 期 修 繕 計 画 に 計 画 された 修 繕 工 事 費 を 19 項 目 別 に 分 けた 割 合 です これによると 外 壁 塗 装 等 ( 外 壁 修 繕 タイル 修 繕 塗 装 等 が 含 まれます)の 割 合 が 最 も 多 くなっています 修 繕 工 事 の 実 施 に 当 たり 建 物 の 周 囲 に 仮 設 足 場 の 設 置 を 要 する 工 事 は 一 般 に 時 期 を 合 わせて 一 括 して 行 なわれています 下 表 の1( 仮 設 工 事 ) 4( 外 壁 塗 装 等 )の 工 事 の 他 2( 屋 根 防 水 ) 3( 床 防 水 ) 5( 鉄 部 塗 装 等 ) 7( 共 用 内 部 )の 工 事 も 同 時 に 実 施 する 場 合 が 多 く これらをまとめて 行 う 工 事 は 大 規 模 修 繕 工 事 と 呼 ばれています 大 規 模 修 繕 工 事 は 10~15 年 周 期 で 行 われ ることが 多 くなっています 逆 に 設 備 関 連 の 工 事 は 設 備 ごとに 劣 化 状 況 等 を 踏 まえて 工 事 を 実 施 す る 傾 向 があります 下 表 では 8( 給 水 設 備 )~15( 昇 降 機 設 備 )の 工 事 が 含 まれます なお 既 存 マンションの 修 繕 工 事 等 については 居 住 者 がどのような 生 活 環 境 を 望 むのか そのために 必 要 とする 建 物 及 び 設 備 の 性 能 機 能 等 について 十 分 に 検 討 を 行 い 必 要 に 応 じて 耐 震 改 修 や 省 エネ 改 修 等 の 安 全 性 や 居 住 性 能 等 の 向 上 を 図 る 改 修 工 事 の 実 施 も 長 期 修 繕 計 画 に 盛 り 込 み 修 繕 積 立 金 を 設 定 することが 望 まれます 15. 昇 降 機 設 備 6.0% 14. 消 防 用 設 備 3.1% 13. 情 報 通 信 設 備 6.2% 17. 外 構 附 帯 施 設 7.0% 18. 調 査 診 断 19. 長 期 修 繕 計 画 設 計 工 事 作 成 費 用 監 理 費 用 0.3% 3.3% 1. 仮 設 工 事 6.5% 2. 屋 根 防 水 6.7% 3. 床 防 水 5.3% 12. 電 灯 設 備 等 4.7% 11. 空 調 換 気 設 備 1.2% 10.ガス 設 備 1.7% 9. 排 水 設 備 6.1% 8. 給 水 設 備 9.8% 7. 共 用 内 部 3.5% 5. 鉄 部 塗 装 等 4.8% 6. 建 具 金 物 等 5.0% 4. 外 壁 塗 装 等 18.8% 機 械 式 駐 車 場 については マンションごとに 状 況 が 異 なるため グラフには 示 していない 収 集 した 事 例 の 長 期 修 繕 計 画 の 修 繕 工 事 費 の 割 合 の 内 訳 ( 各 事 例 の 平 均 値 を 基 に 作 成 ) 17

3 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 との 比 較 方 法 (1) 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 の 算 出 方 法 以 下 のモデルケースについて 修 繕 積 立 金 の 目 安 を 算 定 してみます [モデルケース] 建 物 の 階 数 マンションの 建 築 延 床 面 積 :10 階 建 て :8,000 m2 計 算 にあたっては 建 物 の 階 数 建 築 延 床 面 積 の 他 購 入 予 定 の 住 戸 の 専 有 床 面 積 が 必 要 です また マンションに 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 は 機 械 式 駐 車 場 の 形 態 台 数 と 購 入 予 定 の 住 戸 の 負 担 割 合 ( 専 有 部 分 の 床 面 積 の 割 合 である 場 合 が 多 い) も 必 要 です 1 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 ( 機 械 式 駐 車 場 除 く) モデルケースの 階 数 建 築 延 床 面 積 から 6 ページに 示 した 15 階 未 満 5,000 ~10,000 m2 の 場 合 の 平 均 値 202 円 /m2 月 ( 事 例 の 3 分 の 2 が 包 含 される 幅 : 140 円 /m2 月 ~265 円 /m2 月 )を 使 用 して 計 算 します 目 安 の 平 均 値 80 m2 202 円 /m2 月 = 16,160 円 / 月 a 購 入 予 定 の 住 戸 の 専 有 床 面 積 15 階 未 満 5000~10000 m2 の 場 合 の 平 均 値 (6 ページ 参 照 ) 目 安 の 幅 80m2 140 円 /m2 月 = 11,200 円 / 月 b 購 入 予 定 の 住 戸 の 専 有 床 面 積 15 階 未 満 5000~10000 m2 の 場 合 の 事 例 の 3 分 の 2 が 包 含 される 幅 の 低 い 値 (6 ページ 参 照 ) 80m2 265 円 /m2 月 = 21,200 円 / 月 c 購 入 予 定 の 住 戸 の 専 有 床 面 積 15 階 建 て 未 満 5000~10000 m2 の 場 合 の 事 例 の 3 分 の 2 が 包 含 され る 幅 の 高 い 値 (6 ページ 参 照 ) 2 機 械 式 駐 車 場 がある 場 合 の 加 算 額 の 算 出 方 法 (2 段 (ピット 1 段 ) 昇 降 式 駐 車 場 が 50 台 購 入 予 定 の 住 戸 の 負 担 割 合 が 80/6000 の 場 合 ) 機 械 式 駐 車 場 の 台 数 7,085 50 台 80/6,000 = 4,723 円 / 月 d 2 段 (ヒ ット 1 段 ) 昇 降 式 の 場 合 の 月 額 工 事 費 (7 ページ 参 照 ) 購 入 予 定 の 住 戸 の 負 担 割 合 18

上 記 の 金 額 を 1で 求 めた 修 繕 積 立 金 の 目 安 に 加 算 します 目 安 の 平 均 値 目 安 の 幅 16,160 円 (a) + 4,723 円 (d)= 20,883 円 11,120 円 (b) + 4,723 円 (d)= 15,843 円 21,200 円 (c) + 4,723 円 (d)= 25,923 円 3 専 用 使 用 料 等 の 修 繕 積 立 金 に 繰 り 入 れる 収 入 がある 場 合 の 修 繕 積 立 金 購 入 予 定 のマンションにおいて 修 繕 積 立 金 に 繰 り 入 れることができる 専 用 使 用 料 等 ( 例 えば 駐 車 場 使 用 料 等 )の 収 入 がある 場 合 は 全 区 分 所 有 者 から 徴 収 する 修 繕 積 立 金 の 額 を 低 減 することができます 長 期 修 繕 計 画 ( 例 ) 暦 年 2011 2012 2013 2038 2039 2040 経 年 1 2 3 28 29 30 支 出 収 入 単 位 : 千 円 合 計 支 出 年 度 合 計 0 0 0 107 0 85,780 350,616 支 出 累 計 0 0 0 264,729 264,836 350,616 - 修 繕 積 立 金 8,687 8,687 8,687 8,687 8,687 8,687 260,616 専 用 使 用 料 等 から の 繰 入 額 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000, 90,000 収 入 ( 年 度 計 ) 11,687 11,687 11,687 11,687 11,687 11,687 350,616 収 入 ( 累 計 ) 11,687 23,374 35,061 327,242 338,929 350,616 - 購 入 予 定 のマンションの 修 繕 積 立 金 に 繰 り 入 れることができる 収 入 の 見 込 み 額 なお 維 持 管 理 に 多 額 の 費 用 を 要 する 機 械 式 駐 車 場 があるような 場 合 など 駐 車 場 の 維 持 管 理 修 繕 工 事 費 や 駐 車 場 使 用 料 等 を 管 理 費 会 計 や 修 繕 積 立 金 会 計 と 区 分 して 経 理 していることがあります (2) 購 入 予 定 のマンションの 修 繕 積 立 金 の 額 と 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 との 比 較 方 法 購 入 予 定 のマンションの 修 繕 積 立 金 の 積 立 方 法 が 均 等 積 立 方 式 でない 場 合 は 均 等 積 立 方 式 であった 場 合 の 額 を 算 定 して 本 ガイドラインで 示 す 修 繕 積 立 金 の 額 の 目 安 と 比 較 します 1 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 修 繕 積 立 金 の 計 画 から 算 出 する 方 法 修 繕 積 立 金 計 画 ( 例 ) 住 戸 修 繕 積 立 基 金 修 繕 積 立 金 ( 月 額 ) 1~5 年 目 6~10 年 11~15 年 16~20 年 21~25 年 26~30 年 号 室 180,000 6,000 9,000 12,000 15,000 18,000 21,000 購 入 予 定 の 住 戸 購 入 予 定 の 住 戸 の 修 繕 積 立 金 計 画 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 修 繕 積 立 金 計 画 を 基 に 30 年 間 の 修 繕 積 立 金 ( 修 繕 積 立 基 金 や 一 時 金 を 含 む)の 合 計 額 を 算 出 し これを 月 額 に 割 り 戻 します ( 上 表 の 場 合 504 万 円 360 カ 月 =14,000 円 / 月 ) 19

2 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 長 期 修 繕 計 画 から 算 出 する 方 法 長 期 修 繕 計 画 ( 例 ) 単 位 : 千 円 暦 年 2011 2012 2013 2038 2039 2040 合 計 経 年 1 2 3 28 29 30 1 仮 設 工 事 0 0 0 0 0 0 11,374 2 屋 根 防 水 0 0 0 0 0 0 14,334 3 床 防 水 0 0 0 0 0 0 18,430 10,044 19 長 期 修 繕 計 画 作 成 費 用 0 0 0 0 0 0 2444 消 費 税 0 0 0 5 0 4,084, 16,696 推 定 修 繕 工 事 費 年 度 合 計 0 0 0 107 0 85,780 350,616 購 入 予 定 のマンションの 30 年 間 の 修 繕 工 事 費 の 合 計 分 譲 事 業 者 から 提 示 された 長 期 修 繕 計 画 における 購 入 予 定 のマンション の 30 年 間 の 修 繕 工 事 費 の 合 計 を 基 に 30 年 間 均 等 に 積 み 立 てることとした 場 合 の 修 繕 積 立 金 の 額 を 算 出 します ( 例 えば 購 入 を 予 定 する 住 戸 の 負 担 割 合 を 80/6000 とすると 上 表 の 場 合 350,616 千 円 360 カ 月 80/6000 = 12,985 円 / 月 ) 20