警 告 1. 本 剤 使 用 にあたっては 患 者 又 はその 家 族 に 有 効 性 及 び 危 険 性 を 十 分 説 明 し 同 意 を 得 てから 投 与 を 開 始 すること 2. 本 剤 の 臨 床 試 験 において 骨 髄 機 能 抑 制 あるいは 下 痢 に 起 因 したと 考 えられる 死 亡 例 が 認 められている 本 剤 の 投 与 は 緊 急 時 に 十 分 に 措 置 できる 医 療 施 設 及 び 癌 化 学 療 法 に 十 分 な 経 験 を 持 つ 医 師 のもとで 本 剤 の 投 与 が 適 切 と 判 断 される 症 例 についてのみ 投 与 し 下 記 の 患 者 には 投 与 しないなど 適 応 患 者 の 選 択 を 慎 重 に 行 うこと (1) 骨 髄 機 能 抑 制 のある 患 者 (2) 感 染 症 を 合 併 している 患 者 (3) 下 痢 ( 水 様 便 )のある 患 者 (4) 腸 管 麻 痺 腸 閉 塞 のある 患 者 (5) 間 質 性 肺 炎 又 は 肺 線 維 症 の 患 者 (6) 多 量 の 腹 水 胸 水 のある 患 者 (7) 黄 疸 のある 患 者 (8)アタザナビル 硫 酸 塩 を 投 与 中 の 患 者 ( 相 互 作 用 の 項 参 照 ) (9) 本 剤 の 成 分 に 対 し 過 敏 症 の 既 往 歴 のある 患 者 3. 本 剤 を 含 む 小 児 悪 性 固 形 腫 瘍 に 対 するがん 化 学 療 法 は 小 児 のがん 化 学 療 法 に 十 分 な 知 識 経 験 を 持 つ 医 師 のもとで 実 施 すること 4. 投 与 に 際 しては 骨 髄 機 能 抑 制 高 度 な 下 痢 等 の 重 篤 な 副 作 用 が 起 こることがあり ときに 致 命 的 な 経 過 をたどることがあるので 頻 回 に 臨 床 検 査 ( 血 液 検 査 肝 機 能 検 査 腎 機 能 検 査 等 )を 行 うなど 患 者 の 状 態 を 十 分 に 観 察 すること 5. 骨 髄 機 能 抑 制 による 致 命 的 な 副 作 用 の 発 現 を 回 避 するために 特 に 以 下 の 事 項 に 十 分 注 意 すること (1) 投 与 予 定 日 ( 投 与 前 24 時 間 以 内 )に 末 梢 血 液 検 査 を 必 ず 実 施 し 結 果 を 確 認 してから 本 剤 投 与 の 適 否 を 慎 重 に 判 断 すること (2) 投 与 予 定 日 の 白 血 球 数 が3,000/mm 3 未 満 又 は 血 小 板 数 が10 万 /mm 3 未 満 の 場 合 には 本 剤 の 投 与 を 中 止 又 は 延 期 すること (3) 投 与 予 定 日 の 白 血 球 数 が3,000/mm 3 以 上 かつ 血 小 板 数 が10 万 /mm 3 以 上 であっても 白 血 球 数 又 は 血 小 板 数 が 急 激 な 減 少 傾 向 にあるなど 骨 髄 機 能 抑 制 が 疑 われる 場 合 には 本 剤 の 投 与 を 中 止 又 は 延 期 すること なお 本 剤 使 用 にあたっては 添 付 文 書 を 熟 読 のこと
はじめに トポテシン(イリノテカン 塩 酸 塩 水 和 物 以 下 イリノテカン)は Ⅰ 型 トポイソメラーゼを 阻 害 することに よりDA 合 成 を 阻 害 し 抗 腫 瘍 活 性 を 示 す 癌 化 学 療 法 剤 です 1994 年 に 販 売 開 始 後 現 在 までに 小 細 胞 肺 癌 非 小 細 胞 肺 癌 子 宮 頸 癌 卵 巣 癌 胃 癌 ( 手 術 不 能 又 は 再 発 ) 結 腸 直 腸 癌 ( 手 術 不 能 又 は 再 発 ) 乳 癌 ( 手 術 不 能 又 は 再 発 ) 有 棘 細 胞 癌 悪 性 リンパ 腫 ( 非 ホジキンリンパ 腫 )に 対 する 効 能 効 果 を 取 得 しています 使 用 成 績 調 査 における 本 剤 の 主 な 副 作 用 は 白 血 球 減 少 (72.8%) 好 中 球 減 少 (60.6%) 下 痢 (41.7%) 悪 心 嘔 吐 (53.1%)でした 本 冊 子 では 特 に 下 痢 について 発 現 機 序 発 現 状 況 治 療 方 法 等 を 解 説 していますので 本 剤 を 適 正 に 使 用 していただくためにご 活 用 いただければ 幸 いです 目 次 第 Ⅰ 章 イリノテカンによる 下 痢 の 発 現 機 序 1 1 早 発 型 1 2 遅 発 型 1 第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 2 1 下 痢 の 報 告 例 数 2 2 患 者 背 景 2 3 下 痢 発 現 までの 期 間 投 与 回 数 4 4 下 痢 の 回 復 軽 快 までの 期 間 5 5 下 痢 の 処 置 6 6 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 のまとめ 7 第 Ⅲ 章 下 痢 の 治 療 方 法 8 1 イリノテカンによる 下 痢 対 策 8 2 下 痢 の 治 療 方 法 と 作 用 機 序 9 参 考 Bensonらの 抗 癌 剤 における 下 痢 の 治 療 ガイドライン 10
第 Ⅰ 章 イリノテカンによる 下 痢 の 発 現 機 序 1. 早 発 型 ( 本 剤 投 与 中 あるいは 投 与 直 後 に 発 現 ):コリン 作 動 性 イリノテカンのカルバミル 基 (- - C -)は アセチルコリンエステラーゼ 阻 害 作 用 を 示 すと 考 えられます 過 剰 となったアセチルコリンが ムスカリン 受 容 体 を 刺 激 して コリン 様 作 用 平 滑 筋 収 縮 ( 消 化 管 膀 胱 気 管 胆 嚢 子 宮 ) 腺 分 泌 亢 進 ( 唾 液 腺 涙 腺 汗 腺 膵 液 胃 液 ) 瞳 孔 収 縮 徐 脈 を 示 すことにより 下 痢 腹 痛 等 を 発 現 すると 考 えられます 図 1.イリノテカンの 構 造 式 H HC3H2 2. 遅 発 型 ( 投 与 後 24 時 間 以 降 ): 腸 管 粘 膜 傷 害 イリノテカンは 肝 臓 のカルボキシルエステラーゼにより 活 性 代 謝 物 (S-38)に 変 換 されます さらに S-38は グルクロン 酸 転 移 酵 素 (UGT1A1)によりグルクロン 酸 抱 合 体 (S-38G)に 変 換 され 胆 汁 から 腸 管 内 へ 排 泄 されます 腸 管 内 では 一 部 のS-38Gが 腸 内 細 菌 のβ-グルクロニダーゼにより 脱 抱 合 を 受 けてS-38に 変 換 されま す S-38によって 腸 管 粘 膜 が 傷 害 され 遅 発 型 の 下 痢 を 発 現 すると 考 えられます CYP3A4/5 APCPC CES1/2 UGT1A1 MRP2/ABCC2, P-gP/ABCB1 BCRP/ABCG2 図 2.イリノテカン 代 謝 経 路 また 腸 管 内 では 構 造 中 のラクトン 環 がpHによって 可 逆 的 に 開 閉 します S-38の 非 イオン 型 (ラクトン 体 )が 毒 性 を 示 すと 考 えられます H H H C - H H H H H H C - H H H C - 図 3.イリノテカン 及 び 代 謝 物 のラクトン 体 /カルボキシル 体 の 構 造 式 1
第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 1. 下 痢 の 報 告 例 数 2007 年 4 月 から2010 年 3 月 までの3 年 間 に 国 内 の 副 作 用 自 発 報 告 及 び 製 造 販 売 後 臨 床 試 験 より 重 篤 * な 下 痢 が76 例 報 告 されました *: 重 篤 の 基 準 1. 死 亡 : 副 作 用 による 死 亡 2. 死 亡 のおそれ: 副 作 用 が 起 こった 際 に 患 者 が 死 の 危 険 にさらされていた 場 合 3. 治 療 のための 入 院 又 は 入 院 の 延 長 4. 障 害 : 日 常 生 活 に 支 障 をきたす 程 度 の 機 能 不 全 例 ) 失 明 5. 障 害 のおそれ: 患 者 の 体 質 によっては 日 常 生 活 に 支 障 をきたす 程 度 の 機 能 不 全 に 至 るおそれのある 症 状 6. 1 ~5に 掲 げる 症 例 に 準 じて 重 篤 : 上 記 1~5のような 結 果 に 至 らぬように 処 置 を 必 要 とするような 重 大 な 症 状 7. 先 天 異 常 : 妊 娠 前 又 は 妊 娠 中 に 医 薬 品 を 曝 露 し 出 生 児 に 異 常 をきたしたと 疑 われる 場 合 2. 患 者 背 景 1 性 別 年 齢 男 性 (67%)が 多 く 患 者 の 年 齢 は70 79 歳 が32% 60 69 歳 が37%でした 平 均 :64 歳 2
第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 2 癌 腫 重 篤 な 下 痢 が 発 現 した 症 例 における 癌 腫 別 の 内 訳 は 結 腸 直 腸 癌 (34%) 小 細 胞 肺 癌 (16%) 非 小 細 胞 肺 癌 (16%)が 多 く 認 められました 適 応 外 癌 腫 の 内 訳 食 道 癌 3 膵 癌 2 頭 頸 部 癌 2 子 宮 体 癌 1 子 宮 肉 腫 1 肝 癌 1 前 立 腺 癌 1 神 経 芽 細 胞 腫 1 3イリノテカンの 投 与 方 法 本 剤 は 他 の 抗 癌 剤 との 併 用 療 法 による 使 用 (82%)が 多 く 単 剤 での 使 用 は18%でした 併 用 薬 として シスプラチン(CDDP, 20%) カルボプラチン(CBDCA, 18%) ティーエスワン(TS1, 18%) 及 びフルオロウラシル(5FU, 12%)が 多 く 使 用 されていました 5FUと 併 用 された9 例 において FLFIRI 療 法 本 剤 +5FU( 急 速 及 び 持 続 点 滴 静 注 )+レボホリナート 併 用 療 法 が8 例 で 施 行 されていました 本 剤 とベバシズマブ(Bmab)との 併 用 は3 例 で 実 施 され FLFIRI+Bmab IFL 本 剤 +5FU( 急 速 静 注 ) +レボホリナート 併 用 療 法 +Bmab 本 剤 +TS1+Bmab 各 1 例 でした 本 剤 とセツキシマブ(Cmab)との 併 用 療 法 は3 例 で 実 施 されていました その 他 の 内 訳 マイトマイシンC 併 用 2 ドセタキセル 併 用 2 アムルビシン 併 用 1 ビンクリスチン 併 用 1 治 験 薬 併 用 1 3
第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 3. 下 痢 発 現 までの 期 間 投 与 回 数 1 初 回 投 与 から 下 痢 発 現 までの 期 間 本 剤 の 初 回 投 与 から 2 週 以 内 に73 例 中 48 例 (66%) 3 週 以 内 に73 例 中 57 例 (78%)で 下 痢 が 発 現 してい ました 本 剤 の 初 回 投 与 から3 週 以 内 は 特 に 下 痢 の 発 現 に 注 意 してください 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 図 8. 初 回 投 与 から 下 痢 発 現 までの 期 間 中 央 値 ( 範 囲 ):12(1 1095) 日 2 下 痢 発 現 までの 投 与 回 数 多 くの 症 例 では 本 剤 2 回 投 与 以 内 (73 例 中 52 例 :71%)で 下 痢 が 発 現 していましたが 3 回 投 与 以 降 で 下 痢 が 認 められる 症 例 もありました 本 剤 2 回 投 与 以 内 は 特 に 下 痢 の 発 現 に 注 意 してください 3 回 投 与 以 降 も 注 意 が 必 要 です 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 図 9. 下 痢 発 現 までの 投 与 回 数 中 央 値 ( 範 囲 ):2(1 32) 回 4
第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 3 最 終 投 与 から 下 痢 発 現 までの 期 間 本 剤 の 最 終 投 与 から 8 日 以 内 に72 例 中 65 例 (90%)で 下 痢 が 発 現 していました 本 剤 の 最 終 投 与 から8 日 以 内 は 特 に 下 痢 の 発 現 に 注 意 してください 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 図 10. 最 終 投 与 から 下 痢 発 現 までの 期 間 中 央 値 ( 範 囲 ): 5( 1 1 4 ) 日 4. 下 痢 の 回 復 軽 快 までの 期 間 下 痢 発 現 後 3 週 以 内 に53 例 中 39 例 (74%) 4 週 以 内 に53 例 中 45 例 (85%)で 回 復 軽 快 していました 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 図 11. 下 痢 の 回 復 軽 快 までの 期 間 中 央 値 ( 範 囲 ): 1 2( 2 5 7 ) 日 5
第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 5. 下 痢 の 処 置 1 処 置 の 内 容 重 篤 な 下 痢 に 対 する 処 置 が 判 明 している 症 例 は 88%(67/76)でした 下 痢 の 処 置 として ロペラミド 塩 酸 塩 が 投 与 された 症 例 は 63%でした そのうち8%の 症 例 では 高 用 量 の ロペラミド 塩 酸 塩 ( 注 : 日 本 では 用 法 用 量 外 Bensonらの 抗 癌 剤 における 下 痢 の 治 療 ガイドライン[P.10] 参 照 )が 使 用 されていました その 他 の 処 置 は 補 液 (45%) 抗 生 剤 (42%) 半 夏 瀉 心 湯 (24%) 整 腸 剤 (16%) 収 斂 剤 (11%) 等 が 実 施 されていました 図 12. 下 痢 に 対 する 処 置 の 内 訳 ( 重 複 あり) 6
第 Ⅱ 章 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 2 下 痢 発 現 前 より 使 用 された 薬 剤 下 痢 発 現 前 より76 例 中 15 例 (20%)で 薬 剤 が 使 用 されていました 主 に 半 夏 瀉 心 湯 (12%)が 下 痢 発 現 前 より 使 用 されていました 図 13. 下 痢 発 現 前 からの 薬 剤 投 与 の 有 無 図 14. 下 痢 発 現 前 より 薬 剤 が 使 用 された 症 例 の 内 訳 ( 重 複 あり) 6. 市 販 後 における 下 痢 の 発 現 状 況 のまとめ 2007 年 4 月 2010 年 3 月 までの3 年 間 に 国 内 の 医 療 機 関 から 報 告 された 重 篤 な 下 痢 は 76 例 でした 本 剤 の 最 終 投 与 から8 日 以 内 に72 例 中 65 例 (90%)で 下 痢 が 発 現 し 発 現 後 3 週 以 内 に53 例 中 39 例 (74%) で 回 復 軽 快 していました 下 痢 の 治 療 には 主 にロペラミド 塩 酸 塩 が 使 用 されていました 7
第 Ⅲ 章 下 痢 の 治 療 方 法 1.イリノテカンによる 下 痢 対 策 早 発 型 :コリン 作 動 性 と 考 えられ 副 交 感 神 経 遮 断 剤 の 投 与 により 緩 和 すると 報 告 されています 遅 発 型 : 下 痢 の 程 度 に 応 じて ロペラミド 塩 酸 塩 等 の 止 瀉 剤 の 投 与 を 検 討 してください ( 腸 管 麻 痺 を 引 き 起 こすことがあるので ロペラミド 塩 酸 塩 の 漫 然 とした 投 与 には 注 意 が 必 要 です) 開 発 時 及 び 市 販 後 の 副 作 用 報 告 から 次 のような 処 置 方 法 や 注 意 点 が 考 えられます 軟 便 程 度 の 軽 度 な 下 痢 : 経 過 観 察 あるいはロペラミド 塩 酸 塩 や 抗 コリン 剤 等 の 投 与 により 回 復 すると 考 えられます トポテシンの 投 与 を 継 続 した 場 合 水 様 便 に 高 度 化 することがありますので 注 意 が 必 要 です 高 度 な 下 痢 腸 炎 : 直 ちにトポテシンの 投 与 を 中 止 してください 水 分 電 解 質 バランスに 十 分 注 意 し 必 要 に 応 じて 適 切 な 補 液 を 検 討 してください 高 度 な 下 痢 に 引 き 続 き 麻 痺 性 イレウスを 起 こす 例 もありますので ロペラミド 塩 酸 塩 等 腸 管 運 動 を 抑 制 す る 止 瀉 剤 の 継 続 投 与 は 注 意 が 必 要 です 高 度 な 下 痢 の 持 続 により 脱 水 電 解 質 異 常 循 環 血 液 量 減 少 性 と 考 えられるショック( 循 環 不 全 )を 併 発 するおそれがあります 治 療 が 奏 効 しない 場 合 は 感 染 性 腸 炎 ( 細 菌 性 真 菌 性 偽 膜 性 腸 炎 等 )の 可 能 性 も 検 討 してください 高 度 な 下 痢 腸 炎 に 重 篤 な 白 血 球 好 中 球 減 少 を 伴 った 場 合 直 ちに 本 剤 の 投 与 を 中 止 し 腸 管 粘 膜 傷 害 による 感 染 症 感 染 性 腸 炎 を 防 止 するため G-CSFの 投 与 や 感 染 症 対 策 を 検 討 してください 偽 膜 性 大 腸 炎 の 発 現 に 注 意 が 必 要 です 8
第 Ⅲ 章 下 痢 の 治 療 方 法 2. 下 痢 の 治 療 方 法 と 作 用 機 序 表 1. 下 痢 の 治 療 薬 と 作 用 機 序 分 類 薬 剤 作 用 機 序 使 用 時 の 注 意 事 項 等 用 法 用 量 ロペラミド 塩 酸 塩 腸 管 のオピオイド 受 容 体 を 介 して 腸 管 蠕 動 運 動 の 抑 制 と 水 分 電 解 質 の 分 泌 抑 制 吸 収 促 進 を 示 す 麻 痺 性 イレウスを 引 き 起 こ すことがあるため 漫 然 と 使 用 しない 1 日 1 2mg 分 1 2 腸 管 運 動 抑 制 剤 コデインリン 酸 塩 水 和 物 /モルヒネ 塩 酸 塩 水 和 物 腸 管 のオピオイド 受 容 体 に 選 択 的 に 作 用 して 蠕 動 運 動 を 抑 制 する コデインリン 酸 塩 水 和 物 が 無 効 な 場 合 モルヒネ 塩 酸 塩 水 和 物 の 使 用 を 検 討 する コデインリン 酸 塩 錠 20mg の 場 合 1 日 60mg 分 3 抗 コリン 剤 :ブチルスコ ポラミン 臭 化 物 副 交 感 神 経 遮 断 により 消 化 管 運 動 を 抑 制 する 早 期 下 痢 に 使 用 する 10 20mg/ 回 1 日 3~5 回 吸 着 剤 ポリカルボフィル カルシウム 製 剤 天 然 ケイ 酸 アルミニウム 過 剰 の 水 分 を 吸 着 消 化 管 通 過 時 間 を 遅 延 させて 排 便 回 数 減 少 水 分 吸 収 促 進 に より 便 性 状 を 改 善 する 過 剰 の 水 分 又 は 粘 液 等 を 吸 着 する また 粘 膜 被 覆 作 用 を 有 する ニューキノロン 系 抗 菌 剤 の 吸 収 を 阻 害 するため 同 時 併 用 しない 1 日 1.5 3g 分 3 1 日 3 10g 分 3 4 収 斂 剤 タンニン 酸 アルブミン 腸 内 でタンニン 酸 を 遊 離 し て 収 斂 作 用 を 示 す ロペラミド 塩 酸 塩 を 吸 着 し て 作 用 を 減 じるため 同 時 併 用 しない 併 用 する 場 合 は2 時 間 位 あ けて 使 用 する 1 日 3 4g 分 3 4 次 硝 酸 ビスマス 収 斂 並 びに 粘 膜 面 潰 瘍 面 の 被 覆 保 護 作 用 を 示 す 1 日 2g 分 2 3 整 腸 剤 ( 乳 酸 菌 製 剤 ) 耐 性 乳 酸 菌 製 剤 腸 内 を 酸 性 化 し 病 原 菌 の 増 殖 を 抑 制 して 腸 内 細 菌 叢 を 正 常 化 する 腸 管 内 が 酸 性 側 に 傾 くこと が 考 えられるので 本 剤 と 同 時 併 用 を 避 けることが 望 ましい 1 日 3g 分 3 漢 方 製 剤 半 夏 瀉 心 湯 腸 内 細 菌 のβ-グルクロニ ダーゼを 阻 害 し 腸 管 内 で S-38グルクロン 酸 抱 合 体 の 脱 抱 合 を 阻 害 すること により S-38による 腸 管 粘 膜 傷 害 を 抑 制 する 便 秘 の 発 現 に 注 意 する 1 日 7.5g 分 2 3 ( 食 前 又 は 食 間 ) 抗 生 剤 ニューキノロン 系 抗 菌 剤 細 菌 のDAジャイレース に 作 用 してDA 複 製 を 阻 害 する 細 菌 性 の 下 痢 に 使 用 する レボフロキサシンの 場 合 1 回 500mg 1 日 1 回 ソマトスタチン アナログ オクトレオチド 酢 酸 塩 腸 管 壁 からの 消 化 液 分 泌 の 抑 制 電 解 質 水 分 の 吸 収 促 進 蠕 動 運 動 を 抑 制 する 日 本 における 効 能 効 果 用 法 用 量 外 用 法 用 量 : 各 社 の 添 付 文 書 より 抜 粋 ご 使 用 に 際 しては 各 薬 剤 の 添 付 文 書 をご 確 認 ください 9
参 考 情 報 Bensonらの 抗 癌 剤 における 下 痢 の 治 療 ガイドライン( 日 本 語 訳 ) * *:Benson, AB et al: J Clin ncol. 22(14), 2004: 2918-26 "Reprinted with permission. 2008 American Society of Clinical ncology. All rights reserved." 注 意 :ロペラミド 塩 酸 塩 オクトレオチド 酢 酸 塩 については 日 本 における 効 能 効 果 用 法 用 量 と 異 なっていますので ご 使 用 に 際 しては 各 薬 剤 の 添 付 文 書 をご 確 認 ください 10
付 箋 版 ポケット 版 11
81 12 1 1 2 3 4 5 2 1 2 3 4 1
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4 1 1 DIC 2 3 83 17