相 続 事 業 承 継 における 不 動 産 固 有 の 問 題 点 と 対 処 法 税 理 士 池 畑 芳 子 今 回 は 第 1 部 を 税 理 士 が 把 握 しておくべき 不 動 産 固 有 の 問 題 点 と 対 処 法 として 税 理 士 赤 坂 光 則 氏 よりお 話 頂 きました 第 2 部 は 協 力 企 業 各 社 の 手 法 紹 介 と 活 用 法 として4 人 の 不 動 産 事 業 者 の 方 が 得 意 とする 分 野 の 商 品 を 披 露 していただきました 赤 坂 先 生 より 本 日 は 小 規 模 宅 地 ( 木 の 部 分 )ではなく 大 規 模 宅 地 ( 森 の 部 分 )の 説 明 をします ということで 不 動 産 は 税 理 士 にとって 避 けて 通 れない 分 野 だと 説 明 されていました 路 線 価 発 表 日 7 月 1 日 は 年 中 行 事 のなかで 1 つの 節 目 になっている それは 路 線 価 の 発 表 の 日 であるからです 平 成 28 年 の 特 徴 はリ-マンショック 以 来 8 年 ぶりに 路 線 価 が 上 昇 (0.2%UP)し 10% 以 上 の 土 地 が 上 昇 した 地 点 が 10 都 市 あるそ うです 路 線 価 日 本 一 は 銀 座 5 丁 目 鳩 居 堂 前 で 31 年 間 トップの 座 を 守 り 続 けて います 今 年 は 18.7% UPし1m2 当 たり 3,200 万 円 となりハガキ 1 枚 が 474,000 円 になります 毎 年 話 題 になりますが 実 際 の 取 引 は 行 われているのでしょうか 路 線 価 は 厄 介 である 土 地 の 形 状 は 1 つとして 同 じものはなく 路 線 価 で 評 価 しながら 常 にこれで 良 いのか 追 求 しながら 申 告 書 を 作 成 している 状 態 です 土 地 は 一 物 四 価 とも 一 物 五 価 ともいわれているので 価 格 が 変 わって きます 一 定 の 路 線 価 で 一 定 の 条 件 であっても 担 当 者 により 答 が 違 って 出 てくるの で 困 ります 土 地 評 価 は 正 しいけれど 多 様 性 があり 違 ってくるので 税 務 当 局 が 見 てさほ ど 大 きな 問 題 になるとは 思 えないので 当 局 の 勝 ちです 路 線 価 は 一 定 の 標 準 宅 地 がベ-スになってできているので 評 価 は 割 高 にな ります 評 価 に 関 しては 更 正 の 請 求 や 税 理 士 賠 償 責 任 保 険 のお 世 話 になることもあ りますので 評 価 補 正 ポイントには 充 分 注 意 しておこなってください 1
土 地 の 五 価 (1 物 5 価 ) 1. 公 示 価 格 ( 基 準 地 価 ) 時 価 に 近 い 2. 固 定 資 産 評 価 額 土 地 は 公 示 地 価 70% 建 物 ( 新 築 ) 50~60% 3. 路 線 価 公 示 地 価 80% 4. 取 引 価 格 市 場 で 売 買 された 価 格 売 り 急 ぎや 買 い 急 ぎなどがあ るので 正 しいとは 限 らない 5. 鑑 定 士 価 格 正 しいとは 限 らない 公 示 価 格 は 26,000 地 点 を 2,722 人 の 鑑 定 士 が 評 価 しているので 時 価 に 近 い 路 線 価 は 326,000 地 点 を 評 価 しているので 場 所 の 数 が 圧 倒 的 に 多 く 相 続 税 や 贈 与 税 の 評 価 に 利 用 されている 親 族 間 売 買 や 株 価 の 評 価 などにも 使 わ れています 固 定 資 産 との 関 わり 1. 関 東 周 辺 の 空 室 率 はいまや 33%にもなっている 2.アパ-ト 経 営 をしたいと 相 談 されたら 収 益 対 策 として 10 年 内 での 回 収 ができるプランかどうか 検 討 する 3. 相 続 争 いは 保 有 資 産 5,000 万 円 以 下 で 7 割 の 紛 争 がおこっている 4.アパ-ト 経 営 は 経 営 であるから 保 有 や 売 却 情 報 も 収 集 しておく 5. 不 動 産 は 分 割 しづらいので 争 いがおこる 相 続 贈 与 対 策 を 提 案 し 不 動 産 固 有 の 欠 点 を 補 い 長 所 を 見 つけるように 努 力 していただきたい 広 大 地 の 適 用 可 否 問 題 1. 周 りの 宅 地 に 比 べて 著 しく 地 積 が 広 い 2. 道 路 公 園 など 作 る 必 要 有 り 3. 大 規 模 工 場 用 地 ではない 4. 中 高 層 に 該 当 しない 適 用 条 件 に 合 えば 補 正 率 を 使 って 利 用 すると 良 い ( 財 産 評 価 基 本 通 達 24 4 広 大 地 の 評 価 ) 適 用 の 可 否 については 充 分 検 討 しないといけない 後 日 問 題 になることもあるので 特 に 慎 重 に 評 価 してください タワ-マンションの 評 価 問 題 1. 不 動 産 固 有 の 問 題 である 2. 低 層 階 と 50 階 では 売 買 価 額 は 違 うのに 相 続 税 評 価 額 は 一 律 同 じである それは 納 得 できないとして 高 層 マンションを 節 税 目 的 で 購 入 する 動 き 2
に 歯 止 めをかけ 検 討 する 動 きがあるようです 3. 相 続 取 得 後 1 年 で 譲 渡 申 告 期 限 までに 譲 渡 継 続 保 有 (3 年 以 上 )して いる 場 合 など 相 続 税 評 価 額 はどうなるのか 後 日 問 題 になることもあるので 特 に 慎 重 に 評 価 してください 最 後 に 不 動 産 経 営 の 一 番 のポイント 1. 損 益 と 収 支 が 合 わない 2.10 万 円 の 家 賃 が 時 が 経 つと 6 万 円 になっている 現 実 3.キャッシュフロ-は 借 入 金 返 済 が 入 るので 収 支 がトントンであると 生 活 費 と 税 金 は 何 処 で 払 うの 4. 空 室 率 30% 以 上 で 借 入 金 をどうやって 払 っていくのか 現 実 を 知 って 経 営 をす ることなどについて 問 題 点 と 対 処 法 を 丁 寧 に 説 明 していただきました 森 を 見 ながら 木 々にも 目 を 向 ける 行 き 届 いた 説 明 は いつもながら 感 心 して 聞 き 入 ってしまいました 赤 坂 先 生 有 難 うございました 第 2 部 の 4 人 の 不 動 産 事 業 者 の 方 から それぞれ 商 品 の 違 いを 見 極 めて 特 徴 をつかむように とのアドバイスがありました 第 2 部 は 協 力 企 業 各 社 の 手 法 紹 介 と 活 用 法 Ⅰ 株 式 会 社 インテリックス 俊 成 誠 司 氏 が 不 動 産 特 定 共 同 事 業 法 を 活 用 した 新 しい 相 続 贈 与 対 策 方 法 の 説 明 をされました 2016 年 には 中 古 と 新 築 マンション 市 場 がついに 逆 転 し 物 を 作 れば 人 が 入 る 時 代 が 終 わりに 近 づいているのではないのか 本 事 業 は 不 動 産 特 定 共 同 事 業 者 として 東 京 都 知 事 の 許 可 を 受 けた インテ リックスが 組 成 する 任 意 組 合 による 不 動 産 賃 貸 業 です 具 体 的 にはリノベ-ションの 会 社 である 不 動 産 はシェアして 所 有 する 時 代 としてアセットシェアリングビジネスを 手 がけています アセットシェアリングとは 収 益 不 動 産 を 小 口 化 し 不 動 産 を 複 数 人 で 共 有 所 有 し 都 心 で 立 地 の 高 額 な 不 動 産 でも 1 口 100 万 円 単 位 で 持 つことが できる 方 法 のことです そこで 得 られるメリットもデメリットもシェアする 新 しい 不 動 産 投 資 商 品 であります 収 益 の 分 配 は 年 2 回 受 けられます 3
所 得 は 不 動 産 所 得 となります アセットシェアリングを 活 用 した 相 続 対 策 1. 遺 産 分 割 対 策 争 族 にならないために 生 前 から 贈 与 を 計 画 的 に 活 用 する アセットシェアリングは 小 口 で 分 けることが 可 能 である 誰 にどのように 分 けるのかが 重 要 2. 節 税 対 策 ( 相 続 対 策 ) 不 動 産 は 時 価 と 評 価 額 の 差 が 大 きいため 相 続 財 産 の 圧 縮 効 果 が 図 れる 同 額 の 現 預 金 より 節 税 対 策 になる 3. 納 税 資 金 対 策 相 続 税 の 納 税 資 金 を 確 保 する 為 に 小 口 化 商 品 を 必 要 だけ 売 却 することがで きる 万 一 売 却 ができない 場 合 でも 一 定 条 件 の 下 インテリックス の 買 取 りにより 資 金 化 が 可 能 である 俊 成 氏 はリノベ-ション 業 界 のパイオニアらしく 説 明 も 紳 士 的 で 分 かり 易 く 丁 寧 であったので 皆 様 も 共 感 し 理 解 された 事 でしょう 有 難 うございました Ⅱ 株 式 会 社 エスクロ- エ-ジェント ジャパン 信 託 平 田 明 氏 不 動 産 売 却 で 高 値 好 条 件 を 引 き 出 す 仕 組 みについて 高 値 で 安 全 に 納 得 してもらって 売 る ことができる 市 場 とは 高 値 の 買 主 を 複 数 集 め 高 値 好 条 件 を 引 き 出 す 事 です その 為 のキ-ワ-ト は5つ どれも 欠 かすことができません 1. 価 値 を 高 める 2.リスクを 軽 減 する 3. 万 全 の 資 料 準 備 4. 営 業 の 絶 対 量 をこなす 5. 適 正 な 競 争 を 促 す 特 に 告 知 については 情 報 開 示 を 徹 底 させることにより 不 動 産 トラブルを 最 小 限 にとどめるように 努 力 しているようすが よくわかり 平 田 氏 の 誠 実 さが 伝 わってきました 競 争 入 札 個 別 入 札 は 状 況 をみながら 提 案 される 姿 勢 4
が 会 社 の 選 択 肢 として 選 ばれる 条 件 を 満 たしていると 思 いました 最 後 に 顧 問 先 の 売 主 の 満 足 度 が 高 く 売 却 が 円 滑 に 進 む 方 法 として 税 理 士 が 同 席 することによる 秘 策 を 伝 授 されました 1. 必 ず 同 席 すること 初 回 面 談 戦 略 提 案 営 業 報 告 入 札 条 件 決 め 入 札 最 終 報 告 契 約 書 読 み 合 せ 契 約 決 着 2.お 客 様 の 不 安 不 満 を 聞 いている 売 却 について 共 有 者 近 隣 不 動 産 会 社 当 社 について 価 格 について プロセス 契 約 3. 共 通 点 先 導 する 面 談 日 営 業 戦 略 の 選 定 リスク 問 題 の 解 消 軽 減 契 約 決 済 など 不 動 産 会 社 の 担 当 者 次 第 にならず 全 体 が 最 適 になるようにコントロ-ル できる 税 理 士 の 心 得 としてこれからはお 客 様 の 満 足 度 が 高 くなるように 対 応 させ て 頂 きます 平 田 氏 のオ-クションに 対 する 熱 い 熱 意 を 感 じました 有 難 うございました Ⅲ 積 水 ハウス 株 式 会 社 綱 川 亜 矢 子 氏 積 水 ハウスグル-プが 取 り 組 む 事 業 について 積 水 ハウスの 綱 川 氏 によると ビジネスマッチングは 会 計 人 30% 金 融 機 関 30% リピ-タ-30% インタ-ネット 10%の 割 合 で 仕 事 をしているそうで す ビジネス 会 計 人 クラブとの 付 き 合 いは 12 年 目 になると 話 されていました 入 社 当 時 の 可 愛 らしい 頑 張 り 屋 の 綱 川 氏 を 知 っている 私 にとっては もうそ んなになるのかと 月 日 の 経 つ 早 さに 驚 いております 土 地 活 用 実 例 として 賃 貸 住 宅 は 同 じ 150 坪 でも 違 う 1. 積 和 不 動 産 の 一 括 借 上 げ 稼 働 率 97% 2. 店 舗 併 用 賃 貸 マンション 建 物 譲 渡 特 約 付 定 期 借 地 権 3.サ-ビス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 横 浜 市 の 土 地 に 定 期 借 地 権 を 利 用 5
4.リノベ-ション( 築 30 年 社 宅 ) 大 規 模 修 繕 後 積 和 不 動 産 一 括 借 上 などを 紹 介 されました 積 水 ファンが 多 いが 関 与 先 によっては 他 者 の 提 示 を 求 められる 場 合 もある ので 選 択 肢 の 1 つとして 利 用 して 欲 しいとのことでした いろいろ 前 向 きに 捕 らえているので 機 会 があれば 声 をかけたくなりました 丁 寧 な 説 明 を 有 難 うございました 次 ぎに 積 水 ハウスグル-プが 取 り 組 む 自 立 の 方 向 けサ-ビス 付 高 齢 者 向 け 住 宅 平 松 俊 彦 氏 積 和 グランドマスト 株 式 会 社 の 平 松 氏 によると グランドマストが 目 指 す 住 まいは 自 立 型 サ-ビス 付 き 高 齢 者 向 け 住 宅 で 自 身 が 選 択 したマンション に 住 み 自 分 らしい 暮 らしができ 必 要 な 方 には 生 活 支 援 のお 手 伝 いもして くださるそうです 高 齢 者 になると 不 安 や 不 便 を 感 じることが 多 くなりますので 住 まいの 選 択 肢 として 考 えて 見 たいと 思 いました 40 m2 以 上 の 広 いタイプの 部 屋 も 提 供 されているとのことですから お 客 様 にもご 案 内 したいと 思 いました Ⅳ 大 東 建 託 株 式 会 社 水 野 友 之 氏 35 年 一 括 借 上 賃 貸 経 営 受 託 システム 創 業 以 来 42 年 間 土 地 オ-ナ-の 地 主 様 に 飛 び 込 み 営 業 されてきたそうです 顧 客 数 約 78,000 名 管 理 戸 数 約 973,000 戸 の 賃 貸 住 宅 を 建 設 し 建 築 されたお 客 様 のところには 月 1 回 訪 問 し 相 続 対 策 資 産 活 用 空 室 対 策 等 の 話 もされているようです 税 理 士 と 共 に 確 定 申 告 相 続 税 の 申 告 法 人 化 等 についても 相 談 に 応 じてい るとのことでした オーナーには 長 期 安 定 賃 貸 経 営 の 実 現 に 向 けて 35 年 一 括 借 上 による 賃 貸 経 営 受 託 システム でサポ-トをしているそうです 大 東 建 託 の 今 後 の 取 組 としてメディア 戦 略 (テレビ 雑 誌 新 聞 等 )をして いくそうです 税 理 士 とタッグを 組 みながら 相 続 対 策 などのテ-マについても 展 開 してい 6
きたいそうですから 皆 様 で 協 力 して 差 し 上 げましょう 水 野 氏 は 声 も 大 きく 分 かり 易 い 説 明 でしたので 8 月 30 日 の 本 社 見 学 がし てみたくなりました 本 日 は 4 社 を 比 較 検 討 することができ 本 当 に 良 い 勉 強 になりました 有 難 うございました 7