01 本表紙(確定)



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(4) 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 との 連 携 1 市 は 国 の 現 地 対 策 本 部 長 が 運 営 する 武 力 攻 撃 原 子 力 災 害 合 同 対 策 協 議 会 に 職 員 を 派 遣 するなど 同 協 議 会 と 必 要 な 連 携 を 図 る

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●電力自由化推進法案

目 次 第 1 章 総 則 第 1 節 計 画 の 目 的... 1 第 1 計 画 の 目 的 1 第 2 計 画 の 策 定 1 第 3 計 画 の 構 成 2 第 4 用 語 の 意 義 2 第 2 節 計 画 の 前 提 条 件... 3 第 1 自 然 条 件 3 第 2 社 会 条 件

平成24年度税制改正要望 公募結果 153. 不動産取得税

Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

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●幼児教育振興法案

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社 会 保 障 税 一 体 改 革 ( 年 金 分 野 )の 経 緯 社 会 保 障 税 一 体 改 革 大 綱 (2 月 17 日 閣 議 決 定 ) 国 年 法 等 改 正 法 案 (2 月 10 日 提 出 ) 法 案 を 提 出 する または 法 案 提 出 を 検 討 する と された 事

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岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

学校安全の推進に関する計画の取組事例

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公 的 年 金 制 度 について 制 度 の 持 続 可 能 性 を 高 め 将 来 の 世 代 の 給 付 水 準 の 確 保 等 を 図 るため 持 続 可 能 な 社 会 保 障 制 度 の 確 立 を 図 るための 改 革 の 推 進 に 関 する 法 律 に 基 づく 社 会 経 済 情

【労働保険事務組合事務処理規約】

私立大学等研究設備整備費等補助金(私立大学等


頸 がん 予 防 措 置 の 実 施 の 推 進 のために 講 ずる 具 体 的 な 施 策 等 について 定 めることにより 子 宮 頸 がんの 確 実 な 予 防 を 図 ることを 目 的 とする ( 定 義 ) 第 二 条 この 法 律 において 子 宮 頸 がん 予 防 措 置 とは 子 宮

平成25年度 独立行政法人日本学生支援機構の役職員の報酬・給与等について

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個 人 所 得 課 税 ~ 住 宅 ローン 控 除 等 の 適 用 期 限 の 延 長 2 4. 既 存 住 宅 に 係 る 特 定 の 改 修 工 事 をした 場 合 の 所 得 税 額 の 特 別 控 除 居 住 年 省 エネ 改 修 工 事 控 除 限 度 額 バリアフリー 改 修 工 事 平

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(2) 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 保 育 の 必 要 な 子 どものいる 家 庭 だけでなく 地 域 の 実 情 に 応 じた 子 ども 子 育 て 支 援 の 充 実 のために 利 用 者 支 援 事 業 や 地 域 子 育 て 支 援 事 業 な

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

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2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

税制面での支援

2 職 員 の 平 均 給 与 月 額 初 任 給 等 の 状 況 (1) 職 員 の 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 及 び 平 均 給 与 月 額 の 状 況 ( 平 成 22 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 一 般 行 政 職 平 均 年 齢 平 均 給 料 月 額 平 均 給 与

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

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就 学 前 教 育 保 育 の 実 施 状 況 ( 平 成 23 年 度 ) 3 歳 以 上 児 の 多 く(4 歳 以 上 児 はほとんど)が 保 育 所 又 は 幼 稚 園 に 入 所 3 歳 未 満 児 (0~2 歳 児 )で 保 育 所 に 入 所 している 割 合 は 約 2 割 就 学

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弁護士報酬規定(抜粋)

災害時の賃貸住宅居住者の居住の安定確保について

03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

国 家 公 務 員 の 年 金 払 い 退 職 給 付 の 創 設 について 検 討 を 進 めるものとする 平 成 19 年 法 案 をベースに 一 元 化 の 具 体 的 内 容 について 検 討 する 関 係 省 庁 間 で 調 整 の 上 平 成 24 年 通 常 国 会 への 法 案 提

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

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市街化区域と市街化調整区域との区分

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国立研究開発法人土木研究所の役職員の報酬・給与等について

公表表紙

七 の 二 自 然 公 園 法 ( 昭 和 三 十 二 年 法 律 第 百 六 十 一 号 ) 第 二 十 条 第 一 項 に 規 定 する 国 立 公 園 又 は 国 定 公 園 の 特 別 地 域 のうち 同 法 第 二 十 一 条 第 一 項 に 規 定 する 特 別 保 護 地 区 その 他

セルフメディケーション推進のための一般用医薬品等に関する所得控除制度の創設(個別要望事項:HP掲載用)

目 次 第 3 編 災 害 応 急 対 策 計 画 第 1 章 組 織 及 び 動 員... 1 第 1 節 防 災 組 織 明 石 市 防 災 会 議 明 石 市 災 害 対 策 本 部... 1 第 2 節 動 員 配 備 及 び 災 害 対 策 本 部 の 設 置.


(1) 率 等 一 覧 ( 平 成 26 年 度 ) 目 課 客 体 及 び 納 義 務 者 課 標 準 及 び 率 法 内 に 住 所 を 有 する ( 均 等 割 所 得 割 ) 内 に 事 務 所 事 業 所 又 は 家 屋 敷 を 有 する で 内 に 住 所 を 有 し ないもの( 均 等

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は 固 定 流 動 及 び 繰 延 に 区 分 することとし 減 価 償 却 を 行 うべき 固 定 の 取 得 又 は 改 良 に 充 てるための 補 助 金 等 の 交 付 を 受 けた 場 合 にお いては その 交 付 を 受 けた 金 額 に 相 当 する 額 を 長 期 前 受 金 とし

別 紙 第 号 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 議 案 高 知 県 立 学 校 授 業 料 等 徴 収 条 例 の 一 部 を 改 正 する 条 例 を 次 のように 定 める 平 成 26 年 2 月 日 提 出 高 知 県 知 事 尾


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m07 北見工業大学 様式①

18 国立高等専門学校機構

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2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 (24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 級 の 給 料 月 額 最 高 号 級 の 給 料 月 額 1 級 ( 単 位 : ) 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 1 級 135,6 185,8 222,9 261,

母 子 医 療 対 策 費 462 (313,289) 国 4,479 1 不 妊 治 療 助 成 事 業 8,600 不 妊 治 療 費 用 の 一 部 を 助 成 し 経 済 的 負 担 の 軽 減 を 図 る 230, ,608 不 妊 治 療 費 の 増 加 による 増 額 分

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4 松 山 市 暴 力 団 排 除 条 の 一 部 風 俗 営 業 等 の 規 制 及 び 業 務 の 適 正 化 等 に 関 する 法 律 等 の 改 正 に 伴 い, 公 共 工 事 から 排 除 する 対 象 者 の 拡 大 等 を 図 るものです 第 30 号 H H28.1

3 体 制 整 備 等 (1) 全 ての 特 定 事 業 主 が 共 同 して 取 組 むものとする () 総 務 部 人 事 管 理 室 人 事 課 を 計 画 推 進 の 主 管 課 とし 全 ての 市 職 員 により 推 進 する (3) 実 施 状 況 を 把 握 し 計 画 期 間 中 で

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為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

16 日本学生支援機構

通 知 カード と 個 人 番 号 カード の 違 い 2 通 知 カード ( 紙 )/H27.10 個 人 番 号 カード (ICカード)/H28.1 様 式 (おもて) (うら) 作 成 交 付 主 な 記 載 事 項 全 国 ( 外 国 人 含 む)に 郵 送 で 配 布 希 望 者 に 交

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課 税 ベ ー ス の 拡 大 等 : - 租 税 特 別 措 置 の 見 直 し ( 後 掲 ) - 減 価 償 却 の 見 直 し ( 建 物 附 属 設 備 構 築 物 の 償 却 方 法 を 定 額 法 に 一 本 化 ) - 欠 損 金 繰 越 控 除 の 更 な る 見 直 し ( 大

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文化政策情報システムの運用等

有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

能勢町市街化調整区域における地区計画のガイドライン

Ⅰ 地 方 創 生 の 推 進 を 支 える 地 方 税 財 政 基 盤 の 充 実 強 化 1 地 方 一 般 財 源 総 額 の 確 保 社 会 保 障 関 係 費 の 財 源 や 臨 時 財 政 対 策 債 の 償 還 財 源 はもとより 地 方 団 体 が 地 域 の 実 情 に 沿 った

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 概 要 国 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている 総 合 的

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(別紙3)保険会社向けの総合的な監督指針の一部を改正する(案)

(2) 職 員 の 初 任 給 の 状 況 ( 平 成 17 年 4 月 1 日 現 在 ) 初 任 給 2 年 後 の 給 料 初 任 給 2 年 後 の 給 料 一 般 行 政 職 技 能 労 務 職 大 学 卒 171,1 151,5 19,2 164,7 17,7 184,4 中 学 卒 1

1 予 算 の 姿 ( 平 成 25 当 初 予 算 ) 長 野 県 財 政 の 状 況 H 現 在 長 野 県 の 予 算 を 歳 入 面 から 見 ると 自 主 財 源 の 根 幹 である 県 税 が 全 体 の5 分 の1 程 度 しかなく 地 方 交 付 税 や 国 庫 支

03《G》資料1-2当初予算【H28】280207

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

別 添 1 女 性 国 家 公 務 員 の 登 用 状 況 資 料 1 指 定 職 に 占 める 女 性 の 割 合 は3.0%( 平 成 27 年 11 月 1 日 現 在 ) ( 前 年 9 月 1 日 現 在 から0.2ポイント 増 ) 本 省 課 室 長 相 当 職 以 上 に 占 める 女

 三郷市市街化調整区域の整備及び保全の方針(案)

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

(2) 特 別 障 害 給 付 金 国 民 年 金 に 任 意 加 入 していなかったことにより 障 害 基 礎 年 金 等 を 受 給 していない 障 がい 者 の 方 に 対 し 福 祉 的 措 置 として 給 付 金 の 支 給 を 行 う 制 度 です 支 給 対 象 者 平 成 3 年 3

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

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Microsoft Word - 保育園管理規程(決定案)

2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

Transcription:

平 成 29 年 度 国 の 施 策 並 びに 予 算 に 関 する 提 案 要 望 平 成 28 年 7 月 29 日 全 国 知 事 会

平 成 29 年 度 国 の 施 策 並 びに 予 算 に 関 する 提 案 要 望 近 年 全 国 各 地 で 発 生 している 災 害 への 対 応 超 高 齢 社 会 や 社 会 保 障 財 源 への 問 題 地 域 経 済 対 策 など 我 が 国 には 様 々な 課 題 が 山 積 し ている また 参 議 院 議 員 選 挙 における 合 区 の 解 消 や 東 京 一 極 集 中 の 問 題 など 真 正 面 から 取 り 組 まなければならない 多 くの 格 差 が 指 摘 され ている 様 々な 格 差 を 是 正 することにより 全 ての 地 域 が 公 平 にチャレンジ して 活 躍 ができる 社 会 すなわち 都 市 と 地 方 が 争 うのではなく 共 存 する 社 会 をつくることこそが 真 の 地 方 創 生 であり 地 方 分 権 であると 考 える 地 方 が 自 らの 手 で 自 らの 未 来 を 切 り 拓 くために 全 国 知 事 会 は 格 差 から 活 躍 へ をテーマとして 地 方 創 生 や 地 方 分 権 をはじめ 超 高 齢 社 会 への 対 応 や 少 子 化 対 策 子 どもの 貧 困 対 策 など 様 々な 課 題 について 議 論 し 平 成 29 年 度 国 の 施 策 並 びに 予 算 に 関 する 提 案 要 望 をとりまとめた 国 においては これらの 趣 旨 を 十 分 に 踏 まえ 今 後 の 予 算 編 成 や 施 策 立 案 に 当 たり 実 効 性 のある 形 で 反 映 するよう 強 く 要 請 する 平 成 28 年 7 月 29 日 全 国 知 事 会

目 次 政 策 提 案 1 防 災 減 災 対 策 の 緊 急 かつ 確 実 な 実 施 について 1 2 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 を 早 期 に 成 し 遂 げるための 提 言 3 3 原 子 力 発 電 所 の 安 全 対 策 及 び 防 災 対 策 に 対 する 提 言 15 4 地 方 税 財 源 の 確 保 充 実 等 に 関 する 提 言 28 5 地 方 分 権 改 革 の 推 進 について 48 6 新 たな 雇 用 対 策 の 仕 組 みについて 53 7 地 方 創 生 の 本 格 展 開 54 8 地 方 創 生 の 本 格 実 現 のための 特 別 決 議 ~ 一 億 総 活 躍 社 会 は 地 方 創 生 から~ 55 9 超 高 齢 社 会 非 常 事 態 宣 言 62 10 高 齢 者 認 知 症 対 策 の 強 化 に 向 けた 緊 急 提 言 63 11 介 護 人 材 確 保 対 策 の 強 化 に 向 けた 緊 急 提 言 67 12 次 世 代 を 担 う 人 づくり に 向 けた 少 子 化 対 策 と 子 どもの 貧 困 対 策 の 抜 本 強 化 70 13 女 性 の 活 躍 推 進 で 地 方 創 生 日 本 再 生 ~ 今 こそウーマノミクス~ 82 14 地 域 経 済 の 好 循 環 に 向 けた 緊 急 提 言 94 15 参 議 院 選 挙 における 合 区 の 解 消 に 関 する 決 議 100 16 スポーツ 文 化 観 光 振 興 施 策 についての 緊 急 提 言 101

17 スポーツ 文 化 観 光 振 興 施 策 についての 提 言 104 18 マイナンバー 制 度 における 国 地 方 の 情 報 連 携 に 向 けた 要 請 111 19 暴 力 団 のない 安 全 で 安 心 なまちづくりに 関 する 決 議 112

政 策 要 望 農 林 水 産 関 係 1 TPP 協 定 について 113 2 農 業 の 振 興 について 113 3 林 業 の 振 興 について 117 4 水 産 業 の 振 興 について 118 商 工 労 働 関 係 1 デフレ 経 済 からの 本 格 的 な 脱 却 と 持 続 的 な 経 済 成 長 の 実 現 について 120 2 地 域 経 済 の 活 性 化 について 120 3 中 小 企 業 の 振 興 について 121 4 雇 用 対 策 の 推 進 について 122 消 費 生 活 関 係 1 適 正 表 示 対 策 の 拡 充 について 124 2 消 費 生 活 相 談 体 制 の 充 実 強 化 について 124 国 土 交 通 関 係 1 防 災 減 災 対 策 の 推 進 等 について 125 2 社 会 インフラの 老 朽 化 対 策 の 推 進 充 実 について 125 3 地 方 創 生 を 支 える 社 会 資 本 整 備 について 125 4 高 速 道 路 の 整 備 促 進 等 について 126 5 港 湾 整 備 の 推 進 等 について 126 6 鉄 道 整 備 の 推 進 について 127 7 地 域 における 交 通 の 確 保 等 について 128 8 航 空 路 線 の 維 持 充 実 等 について 128 9 観 光 振 興 対 策 の 推 進 について 128 10 過 疎 地 域 等 特 定 地 域 の 振 興 施 策 の 推 進 について 129 11 直 轄 事 業 負 担 金 制 度 改 革 の 確 実 な 推 進 について 130

社 会 保 障 関 係 1 超 高 齢 社 会 への 対 応 について 131 2 少 子 化 対 策 について 132 3 障 害 者 施 策 について 132 4 貧 困 対 策 について 132 5 厳 しい 環 境 にある 子 どもたちへの 支 援 について 133 6 地 域 福 祉 の 推 進 について 133 7 自 殺 対 策 の 推 進 について 133 8 地 域 医 療 体 制 の 整 備 について 134 9 医 療 保 険 制 度 改 革 の 推 進 について 134 10 健 康 づくりの 推 進 について 135 11 人 権 の 擁 護 に 関 する 施 策 の 推 進 について 136 文 教 関 係 1 教 育 施 策 の 推 進 について 137 2 地 域 における 科 学 技 術 の 振 興 について 139 3 東 京 2020オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 をはじめとする 国 際 的 スポーツイベントについて 139 環 境 関 係 1 地 球 温 暖 化 対 策 の 推 進 について 141 2 自 動 車 排 出 ガス 対 策 等 について 141 3 大 気 環 境 保 全 対 策 の 推 進 について 141 4 生 物 多 様 性 保 全 対 策 等 の 推 進 について 142 5 鳥 獣 保 護 管 理 対 策 の 推 進 について 142 6 総 合 的 な 廃 棄 物 リサイクル 対 策 の 推 進 について 142 7 海 洋 ごみ 対 策 の 推 進 について 143 8 アスベスト 対 策 の 推 進 について 144

エネルギー 関 係 1 資 源 エネルギー 対 策 の 推 進 について 145 2 電 力 需 給 対 策 等 の 推 進 について 147 災 害 対 策 国 民 保 護 関 係 1 大 規 模 広 域 複 合 災 害 対 策 の 推 進 について 148 2 災 害 予 防 対 策 の 推 進 について 149 3 総 合 的 な 復 旧 復 興 支 援 制 度 の 確 立 について 151 4 原 子 力 災 害 対 策 の 推 進 について 152 5 国 民 保 護 の 推 進 について 153 地 域 情 報 化 関 係 1 マイナンバー 制 度 について 154 2 自 治 体 クラウドの 推 進 について 155 3 情 報 セキュリティ 対 策 の 推 進 について 156 4 地 域 情 報 化 の 推 進 について 156 5 地 上 デジタル 放 送 に 係 る 必 要 な 措 置 について 157 6 インターネットを 介 した 青 少 年 犯 罪 被 害 等 への 対 策 について 157 地 方 公 会 計 地 域 国 際 化 基 地 領 土 拉 致 等 関 係 1 統 一 的 な 基 準 による 地 方 公 会 計 の 整 備 及 び 公 営 企 業 会 計 の 適 用 の 推 進 について 158 2 地 域 国 際 化 の 推 進 について 158 3 基 地 対 策 の 推 進 について 159 4 北 方 領 土 及 び 竹 島 問 題 の 早 期 解 決 について 160 5 拉 致 問 題 の 早 期 解 決 について 160 6 座 礁 放 置 された 外 国 船 舶 の 処 理 等 について 160

道 州 制 関 係 1 基 本 法 案 において 最 低 限 明 確 に 示 すべき 事 項 について 162 2 基 本 法 案 において 方 向 性 を 示 した 上 で 更 に 具 体 的 な 議 論 を 行 うべき 事 項 について 163 3 道 州 制 の 議 論 と 並 行 して 実 施 すべき 地 方 分 権 改 革 について 164

政 策 提 案

1 防 災 減 災 対 策 の 緊 急 かつ 確 実 な 実 施 について 近 年 日 本 列 島 は 活 動 期 に 入 ったと 言 われており 地 震 津 波 火 山 噴 火 台 風 局 地 的 大 雨 等 と 様 々な 災 害 に 見 舞 われている 近 い 将 来 南 海 トラフ 地 震 や 首 都 直 下 地 震 など 大 規 模 災 害 の 発 生 が 懸 念 されており 防 災 減 災 のため 万 全 の 備 えをしなければならない また これ 以 外 の 地 域 でも 想 定 されていない 災 害 は 起 こるものであり 各 地 の 実 情 に 応 じた 様 々な 防 災 減 災 対 策 を 実 施 しなければならない このように なお 一 層 の 防 災 減 災 対 策 の 推 進 を 必 要 としているにもかか わらず 全 国 防 災 対 策 事 業 が 廃 止 され 緊 急 防 災 減 災 事 業 債 も 今 年 度 限 り の 措 置 であるなど 財 政 支 援 は 減 少 傾 向 にあり 今 まさに1 兆 円 の 財 源 が 失 われようとしている これでは 防 災 減 災 対 策 は 遅 れてしまいかねない 政 府 は 平 成 28 年 6 月 に 閣 議 決 定 された 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2016 において 国 土 強 靱 化 防 災 減 災 対 策 などの 成 長 力 を 強 化 する 分 野 に 社 会 資 本 整 備 の 重 点 化 を 図 るとしているが 地 方 が 必 要 と 考 える 防 災 減 災 対 策 が 確 実 に 実 施 できるよう 以 下 の 事 項 に 留 意 し 施 策 を 講 じることを 強 く 要 請 する 1 被 災 地 の 復 旧 復 興 支 援 東 日 本 大 震 災 平 成 26 年 広 島 土 砂 災 害 や 平 成 27 年 9 月 関 東 東 北 豪 雨 の 被 災 地 が 復 興 途 上 であるなか 平 成 28 年 熊 本 地 震 が 発 生 し 熊 本 県 大 分 県 を 中 心 に 甚 大 な 被 害 をもたらした 被 災 地 において ニーズに 応 じた 復 興 を 成 し 遂 げられるよう 最 大 限 被 災 地 の 要 望 に 沿 った 対 応 を 行 うこと 2 防 災 減 災 対 策 の 財 源 の 確 保 国 土 の 強 靱 化 と 防 災 力 の 向 上 は 喫 緊 の 要 請 であり 地 方 が 必 要 とする 社 会 資 本 整 備 や ソフト 事 業 に 対 する 財 源 を 当 初 予 算 において 安 定 的 継 続 的 にしっかりと 確 保 すること さらに 特 に 緊 急 性 の 高 い 対 策 に 集 中 投 資 するための 財 源 を 平 成 28 年 度 補 正 予 算 で 確 保 すること 3 迅 速 な 復 旧 復 興 に 向 けた 事 前 の 取 組 災 害 に 遭 遇 した 自 治 体 は これまでも 通 常 業 務 に 復 旧 復 興 に 係 る 膨 大 な 量 の 業 務 が 加 わることで 混 乱 を 極 めてきた このことから 過 去 の 災 害 経 験 を 踏 まえ 発 災 時 における 応 援 受 援 体 制 の 整 備 や 復 旧 復 興 等 に 関 する 事 前 準 備 と 既 存 法 律 等 の 必 要 な 見 直 しを 行 うこと - 1 -

具 体 的 要 請 事 項 について 2 防 災 減 災 対 策 の 財 源 の 確 保 に 係 る 具 体 的 要 請 事 項 (1) 多 発 する 災 害 に 対 する 緊 急 措 置 として 補 正 予 算 による 国 土 強 靱 化 支 援 の 実 施 (2) 緊 急 防 災 減 災 事 業 債 の 制 度 を 恒 久 化 のうえ 対 象 事 業 の 拡 大 及 び 国 庫 補 助 事 業 の 地 方 負 担 分 への 充 当 など 地 方 の 実 情 を 踏 まえた 制 度 の 拡 充 (3) 全 国 防 災 対 策 事 業 に 代 わる 新 たな 防 災 対 策 制 度 の 創 設 (4) 国 土 強 靱 化 地 域 計 画 に 位 置 付 けた 取 組 に 対 する 新 たな 支 援 制 度 の 創 設 (5) 大 規 模 災 害 時 における 救 命 救 急 活 動 及 び 支 援 物 資 の 輸 送 等 に 必 要 な 高 規 格 幹 線 道 路 や 幹 線 道 路 港 湾 等 の 整 備 に 対 する 財 源 措 置 (6) 避 難 所 施 設 庁 舎 学 校 など 防 災 拠 点 となる 建 物 構 造 物 等 の 建 て 替 えを 含 む 耐 震 化 や 老 朽 化 対 策 及 び 津 波 対 策 液 状 化 対 策 地 盤 対 策 洪 水 対 策 土 砂 災 害 対 策 等 の 必 要 なハード 対 策 に 対 する 財 源 支 援 措 置 (7) 住 宅 私 立 を 含 む 学 校 幼 稚 園 保 育 所 等 社 会 福 祉 施 設 民 間 施 設 等 の 耐 震 化 のためのこれまで 以 上 の 財 源 措 置 (8) 広 域 的 な 物 資 支 援 のため 民 間 事 業 者 を 活 用 した 体 制 構 築 と 訓 練 等 に 対 する 財 源 措 置 (9) 原 子 力 災 害 を 含 む 複 合 災 害 となった 場 合 に 備 えた 避 難 経 路 の 確 保 及 び 放 射 線 防 護 施 設 の 整 備 等 の 充 実 強 化 に 対 する 財 源 措 置 (10) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 の 財 務 基 盤 を 一 層 強 化 するための 財 源 措 置 (11) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 のため 早 急 な 罹 災 証 明 の 発 行 と 被 災 者 台 帳 活 用 を 可 能 に するためのシステム 導 入 等 の 準 備 に 対 する 財 源 措 置 3 迅 速 な 復 旧 復 興 に 対 する 取 組 に 係 る 具 体 的 要 請 事 項 (1) 被 災 自 治 体 の 災 害 対 応 を 支 援 する 保 健 医 療 福 祉 行 政 等 の 専 門 的 な 応 援 体 制 の 確 保 及 びニーズ 把 握 を 含 む 受 援 体 制 整 備 について 法 制 化 や 防 災 基 本 計 画 へ の 記 載 等 も 含 めた 制 度 構 築 と 着 実 な 運 用 (2) 広 域 の 応 援 に 要 する 経 費 への 十 分 な 財 政 支 援 及 び 支 弁 経 費 の 国 への 直 接 請 求 制 度 の 創 設 (3) 既 存 の 法 律 や 政 省 令 等 による 規 制 や 制 約 により 各 主 体 の 緊 急 時 対 応 が 阻 害 さ れないよう 包 括 的 な 適 用 除 外 措 置 の 創 設 (4) 災 害 救 助 法 に 関 し 国 の 負 担 率 引 き 上 げ 弾 力 的 運 用 及 び 避 難 所 設 置 や 支 援 物 資 輸 送 に 関 する 適 用 範 囲 の 拡 大 若 しくは 財 政 措 置 - 2 -

2 東 日 本 大 震 災 からの 復 興 を 早 期 に 成 し 遂 げるための 提 言 平 成 23 年 3 月 11 日 に 発 生 し 死 者 行 方 不 明 者 震 災 関 連 死 約 2 万 2 千 人 建 築 物 の 全 半 壊 約 40 万 戸 に 上 る 未 曽 有 の 被 害 をもたらした 東 日 本 大 震 災 から 約 5 年 4か 月 が 経 過 した 被 災 地 では 官 民 を 挙 げた 懸 命 の 努 力 により 復 旧 復 興 は 着 実 に 進 みつつある 国 におかれては 復 興 交 付 金 を 始 めとする 所 要 財 源 の 確 保 各 種 事 業 の 要 件 緩 和 人 的 支 援 の 充 実 用 地 確 保 の 促 進 措 置 など 地 方 からの 様 々な 提 言 や 要 望 を 具 体 化 するとともに 昨 年 6 月 には 平 成 32 年 度 までの5 年 間 を 復 興 創 生 期 間 とし 特 例 的 な 財 政 支 援 措 置 を 基 本 的 に 継 続 する 方 針 を 決 定 していただいたことに 心 より 御 礼 申 し 上 げる しかしながら 未 曽 有 の 被 害 を 受 けた 被 災 地 の 復 興 まちづくりや 産 業 の 再 生 は 道 半 ばであ り 仮 設 住 宅 等 で 避 難 生 活 を 送 る 被 災 者 は 約 15 万 5 千 人 に 及 んでいる 東 京 電 力 ホールディングス 株 式 会 社 ( 以 下 東 京 電 力 という)による 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 汚 染 水 処 理 除 染 放 射 性 物 質 に 汚 染 された 廃 棄 物 等 の 最 終 処 分 場 の 確 保 の 遅 延 国 内 外 の 根 強 い 風 評 被 災 地 方 公 共 団 体 や 民 間 企 業 の 人 手 不 足 と 資 材 高 騰 等 が 被 災 地 の 復 旧 復 興 の 足 かせになっている また 津 波 災 害 や 原 子 力 災 害 の 影 響 が 大 きい 地 域 では 復 興 まち づくりが 遅 れて 人 口 流 出 が 深 刻 化 するなど 地 域 によって 復 興 の 進 捗 状 況 に 格 差 が 生 じてお り 避 難 生 活 が 長 期 化 し 復 興 を 実 感 できないでいる 被 災 者 も 多 い 被 災 者 が 一 日 も 早 く 住 居 や 事 業 を 再 建 し 地 域 のコミュニティを 再 生 するために 被 災 地 方 公 共 団 体 が 行 わなければならない 業 務 は 依 然 として 膨 大 である こうした 状 況 を 踏 まえ 全 国 知 事 会 では 復 興 創 生 期 間 に 復 興 を 成 し 遂 げ 福 島 県 の 再 生 を 加 速 するためには 平 成 27 年 度 までの5 年 間 の 集 中 復 興 期 間 に 対 処 されなかった 課 題 も 含 めて 被 災 地 の 実 情 に 即 して 思 い 切 った 対 策 を 採 ることが 不 可 欠 であると 考 え 東 日 本 大 震 災 復 興 協 力 本 部 が 中 心 となって 改 めて 国 への 提 言 を 取 りまとめた 国 においては 被 災 地 が 切 実 な 思 いで 提 出 している 提 言 要 望 に 誠 実 に 対 応 するとともに 喫 緊 の 課 題 である 以 下 の 事 項 について 速 やかに 実 施 するよう 提 言 する 1 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 の 早 期 収 束 提 言 のポイント 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 廃 炉 汚 染 水 対 策 損 害 賠 償 除 染 放 射 性 物 質 に 汚 染 された 廃 棄 物 処 理 風 評 被 害 防 止 など 原 子 力 災 害 のあらゆる 課 題 については 東 京 電 力 任 せにすることなく 国 主 導 で 早 期 に 解 決 すること 地 方 公 共 団 体 又 は 事 業 者 等 が 原 子 力 災 害 に 起 因 して 実 施 した 除 染 廃 棄 物 処 理 風 評 被 害 対 策 などに 要 する 費 用 については すべて 国 庫 又 は 東 京 電 力 の 負 担 とすること 課 題 等 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 により 依 然 として 多 くの 住 民 が 避 難 を 余 儀 なくさ れている 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 汚 染 水 処 理 除 染 放 射 性 物 質 に 汚 染 された 廃 棄 物 処 理 損 害 賠 償 の 遅 延 国 内 外 の 根 強 い 風 評 などの 課 題 も 解 決 しておらず 復 興 の 足 か せとなっている 平 成 28 年 3 月 に 国 が 決 定 した 今 後 の5 年 間 の 復 興 基 本 方 針 において - 3 -

国 は 引 き 続 き 前 面 に 立 って 取 り 組 むとしているが これまでのところ 十 分 な 成 果 が 上 がって いない 福 島 県 の 再 生 を 促 進 し 避 難 者 が 一 日 も 早 く 安 心 して 故 郷 に 戻 れるようにすること が 国 の 責 務 である 個 別 の 提 言 事 項 提 言 1-1 原 子 力 災 害 の 国 主 導 の 早 期 解 決 原 子 力 災 害 のあらゆる 課 題 については 国 策 として 原 子 力 事 業 を 推 進 してきた 責 任 を 踏 ま え 東 京 電 力 任 せにすることなく 国 主 導 で 取 り 組 み 早 期 に 解 決 すること 提 言 1-2 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 廃 炉 の 推 進 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 廃 炉 に 向 けた 取 組 については リスク 管 理 と 各 対 策 の 重 層 化 を 徹 底 して 汚 染 水 の 海 洋 への 流 出 や 放 射 性 物 質 の 飛 散 を 防 止 すること また 溶 融 燃 料 のデブリの 取 出 しなど 前 例 のない 困 難 な 課 題 が 控 えていることから 国 内 外 の 英 知 を 結 集 し 国 が 総 力 を 挙 げて 取 り 組 み 安 全 かつ 着 実 に 進 めること 提 言 1-3 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 汚 染 水 対 策 の 徹 底 汚 染 水 対 策 の 疎 漏 が 復 興 の 足 かせや 風 評 の 原 因 になっていることを 深 く 認 識 し 汚 染 水 問 題 の 解 決 に 向 け 原 子 炉 建 屋 等 の 止 水 など 汚 染 水 を 増 やさないための 抜 本 的 対 策 を 講 ずる こと 提 言 1-4 原 子 力 損 害 賠 償 の 完 全 実 施 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 がなければ 生 じることのなかったすべての 損 害 につ いて その 範 囲 を 幅 広 く 捉 え 被 害 の 実 態 に 見 合 った 賠 償 が 確 実 迅 速 に 行 われるようにす ること あらゆる 風 評 被 害 について 風 評 が 完 全 に 払 拭 されるまで 賠 償 を 行 うこと 東 京 電 力 に 対 しては 加 害 者 としての 立 場 を 十 分 自 覚 させ 被 害 者 に 対 して 誠 実 かつ 迅 速 な 対 応 を 行 うよう 徹 底 させること 提 言 1-5 除 染 の 促 進 放 射 性 物 質 の 影 響 を 受 けた 地 域 の 除 染 については 市 街 地 や 住 家 周 辺 の 生 活 環 境 はもとよ り 農 地 や 農 業 用 ダム ため 池 及 び 森 林 に 至 るまで 迅 速 かつ 着 実 に 行 うこと 特 に 避 難 解 除 等 区 域 における 住 民 帰 還 を 早 期 に 実 現 するため 住 民 が 安 心 して 暮 らせる ように 必 要 な 再 除 染 を 確 実 に 実 施 することも 含 め 除 染 の 促 進 を 図 ること 森 林 については 生 活 環 境 の 安 全 安 心 の 確 保 や 森 林 林 業 の 再 生 に 向 けた 放 射 性 物 質 対 策 を 着 実 に 講 じること 中 間 貯 蔵 施 設 の 整 備 については 昨 年 度 国 が 示 した 方 針 に 基 づき 施 設 設 置 者 として 責 任 を 持 って 総 力 を 挙 げて 取 り 組 むとともに 早 期 に 最 終 処 分 先 を 確 保 すること 陸 域 での 除 染 作 業 により 生 じる 排 水 を 適 正 に 処 理 し 河 川 及 び 海 洋 に 流 出 することがない よう 国 として 万 全 の 対 策 を 講 じること - 4 -

提 言 1-6 放 射 性 物 質 に 汚 染 された 廃 棄 物 等 の 処 理 等 の 促 進 放 射 性 物 質 により 汚 染 された 焼 却 灰 浄 水 発 生 土 下 水 汚 泥 建 設 農 林 業 系 副 産 物 等 の 廃 棄 物 及 び 除 染 に 伴 い 発 生 した 除 去 土 壌 は その 濃 度 に 関 わらず 国 が 責 任 を 持 って 処 理 施 設 を 確 保 するなど 迅 速 かつ 適 切 な 処 理 を 進 めること 特 に 放 射 性 物 質 の 濃 度 が 8,000Bq/kgを 超 える 指 定 廃 棄 物 については 地 域 の 意 向 を 踏 まえ 地 元 の 理 解 を 得 ながら 国 が 総 力 を 挙 げて 早 急 に 処 分 すること また 指 定 廃 棄 物 を 国 に 引 き 渡 すまでの 間 安 全 を 確 保 するため フレキシブルコンテナの 経 年 劣 化 等 への 対 応 などの 飛 散 防 止 対 策 や 周 辺 環 境 への 影 響 に 係 るモニタリングの 強 化 等 各 事 業 者 等 が 適 切 に 保 管 できるよう 国 が 対 策 を 講 じること 8,000Bq/kg 以 下 の 廃 棄 物 の 処 分 を 円 滑 に 進 めるため 住 民 の 理 解 と 処 理 の 促 進 が 図 られる よう 処 理 や 再 利 用 に 係 る 基 準 値 の 設 定 根 拠 を 含 め 安 全 性 を 明 確 に 示 すとともに 市 町 村 排 出 事 業 者 に 対 する 技 術 財 政 的 支 援 や 処 分 先 の 確 保 など 国 が 責 任 を 十 分 に 果 たすこと 提 言 1-7 食 品 低 線 量 被 ばくの 健 康 影 響 等 についての 対 策 の 強 化 食 品 に 含 まれる 放 射 性 物 質 の 基 準 値 や 低 線 量 被 ばくの 健 康 影 響 について 国 が 正 確 な 情 報 を 分 かりやすく 継 続 的 に 情 報 提 供 するとともに 事 故 以 前 の 基 準 との 違 いを 丁 寧 に 説 明 し 放 射 線 や 放 射 性 物 質 に 対 する 理 解 を 深 めて 国 民 の 不 安 の 解 消 に 努 めること 環 境 中 に 放 出 された 放 射 性 物 質 等 の 影 響 については 水 大 気 土 壌 水 道 水 農 林 水 産 物 などの 総 合 的 かつ 長 期 的 なモニタリングを 実 施 すること 低 線 量 被 ばくの 健 康 影 響 にかかる 不 安 の 解 消 に 努 めるため 国 において 対 象 者 対 象 地 域 などの 必 要 な 条 件 を 設 定 し 疫 学 的 な 調 査 を 実 施 すること 提 言 1-8 風 評 被 害 対 策 の 強 化 原 子 力 災 害 により 国 内 外 に 生 じている 広 範 な 風 評 を 完 全 に 払 拭 するため 国 内 外 への 正 確 な 情 報 の 発 信 と 安 全 性 の 普 及 啓 発 を 強 化 し 諸 外 国 の 輸 入 規 制 の 早 期 撤 廃 を 実 現 すること 農 林 水 産 物 や 加 工 食 品 工 業 製 品 等 の 放 射 性 物 質 検 査 などの 国 による 体 制 強 化 や 支 援 の 充 実 を 図 るとともに 地 方 公 共 団 体 事 業 者 等 が 実 施 する 観 光 誘 客 事 業 や 販 路 回 復 拡 大 販 売 促 進 に 向 けた 取 組 等 の 風 評 被 害 対 策 事 業 に 対 する 支 援 を 強 化 すること 根 拠 のない 風 評 によって 住 民 生 活 や 経 済 活 動 への 悪 影 響 や 人 権 侵 害 が 生 じることのない よう 普 及 啓 発 を 継 続 的 に 実 施 すること 提 言 1-9 出 荷 制 限 の 早 期 解 決 の 支 援 強 化 等 すべての 出 荷 制 限 品 目 について 早 期 の 解 除 が 図 れるよう 支 援 の 強 化 を 図 ること 検 体 量 確 保 が 困 難 な 野 生 の 山 菜 やきのこ 野 生 鳥 獣 の 肉 などについては 地 方 公 共 団 体 等 による 実 態 に 即 した 検 査 の 結 果 を 踏 まえたより 現 実 的 な 解 除 要 件 とするなど 柔 軟 に 対 応 す ること 提 言 1-10 原 子 力 災 害 対 応 費 用 の 負 担 等 地 方 公 共 団 体 または 事 業 者 等 が 原 子 力 災 害 に 起 因 して 実 施 した 除 染 廃 棄 物 の 保 管 や 処 理 放 射 性 物 質 の 検 査 の 実 施 風 評 被 害 対 策 などに 要 する 費 用 については すべて 国 庫 負 担 又 は 東 京 電 力 による 賠 償 の 対 象 とし 迅 速 な 支 払 いを 行 うこと - 5 -

2 財 政 支 援 の 継 続 復 興 交 付 金 等 の 手 続 の 簡 素 化 等 提 言 のポイント 特 例 的 な 財 政 支 援 を 可 能 な 限 り 拡 充 の 上 被 災 地 の 復 旧 復 興 が 完 全 に 成 し 遂 げられ るまで 手 厚 い 財 政 支 援 措 置 を 継 続 し 十 分 に 財 源 を 確 保 すること 財 政 基 盤 が 弱 く 事 業 の 進 捗 が 遅 れている 被 災 地 方 公 共 団 体 に 十 分 配 慮 すること 福 島 県 では 原 子 力 災 害 により 復 興 が 長 期 化 するので 更 なる 負 担 軽 減 を 図 ること 課 題 等 東 日 本 大 震 災 の 被 害 の 甚 大 さに 鑑 みて 様 々な 特 例 的 な 手 厚 い 財 政 支 援 措 置 が 講 じられて いるが 被 災 地 の 復 旧 復 興 には 長 い 年 月 を 要 するので 国 の 特 例 的 な 支 援 を 継 続 すること が 必 要 である 被 害 規 模 や 財 政 基 盤 等 の 状 況 から 被 災 地 方 公 共 団 体 によって 復 興 事 業 の 進 捗 度 合 に 格 差 が 生 じており 十 分 な 配 慮 が 必 要 である 個 別 の 提 言 事 項 提 言 2-1 特 例 的 な 財 政 支 援 と 財 源 の 確 保 被 災 地 における 復 興 まちづくりには 長 期 間 を 要 するので 平 成 27 年 6 月 に 国 の 復 興 推 進 会 議 で 決 定 された 平 成 28 年 度 以 降 の 復 旧 復 興 事 業 について に 基 づく 特 例 的 な 財 政 支 援 を 可 能 な 限 り 拡 充 の 上 被 災 地 の 復 旧 復 興 が 完 全 に 成 し 遂 げられるまで 手 厚 い 財 政 支 援 措 置 を 継 続 し 十 分 に 財 源 を 確 保 すること また 平 成 28 年 度 以 降 の 復 旧 復 興 事 業 について において 一 般 会 計 等 で 対 応 すると された 事 業 であっても 復 興 のために 不 可 欠 な 事 業 であることから 今 後 も 引 き 続 き 必 要 な 財 源 を 確 保 すること 復 興 に 要 する 費 用 の 地 方 負 担 分 に 対 する 財 源 措 置 の 充 実 確 保 を 継 続 すること 資 材 や 人 件 費 の 高 騰 等 による 事 業 費 の 増 加 や 事 業 の 進 捗 により 新 たに 必 要 となった 事 業 についても 適 切 に 支 援 すること 避 難 者 を 受 け 入 れている 地 方 公 共 団 体 の 受 入 れに 係 る 経 費 についても 災 害 救 助 法 に 基 づ く 求 償 のほか 特 別 交 付 税 等 により 適 切 に 所 要 額 を 措 置 すること 提 言 2-2 被 災 地 方 公 共 団 体 の 財 政 状 況 への 配 慮 被 災 地 方 公 共 団 体 の 復 興 事 業 の 進 捗 状 況 や 財 政 状 況 の 適 切 な 把 握 に 努 め 財 政 基 盤 の 弱 い 団 体 や 事 業 の 進 捗 が 遅 れている 団 体 に 十 分 配 慮 すること 提 言 2-3 原 子 力 災 害 からの 復 興 への 配 慮 原 子 力 災 害 の 極 めて 深 刻 かつ 特 殊 な 被 害 と 影 響 を 踏 まえ 引 き 続 き 県 及 び 市 町 村 等 の 負 担 とならないよう 全 面 的 な 対 応 策 を 講 じること 特 に 福 島 県 においては 廃 炉 汚 染 水 対 策 除 染 中 間 貯 蔵 施 設 への 搬 入 風 評 被 害 など 原 子 力 災 害 からの 復 興 が 長 期 化 することから 今 後 の 予 算 編 成 において 原 子 力 事 故 災 害 に 由 来 する 復 興 事 業 の 範 囲 を 最 大 限 広 く 捉 えるなど 更 なる 負 担 の 軽 減 を 図 ること - 6 -

提 言 2-4 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 制 度 の 継 続 及 び 改 善 復 興 の 進 展 に 伴 って 生 じる 新 たな 行 政 需 要 や 課 題 に 柔 軟 に 対 応 できるよう 東 日 本 大 震 災 復 興 交 付 金 制 度 を 復 旧 復 興 が 完 了 するまでの 間 継 続 すること 基 幹 事 業 (5 省 40 事 業 )や 効 果 促 進 事 業 の 一 括 配 分 の 対 象 事 業 を 拡 大 するとともに 被 災 地 方 公 共 団 体 による 効 果 促 進 事 業 の 自 主 的 主 体 的 な 活 用 や 原 子 力 事 故 への 対 応 が 必 要 な 内 陸 部 の 市 町 村 による 復 興 交 付 金 の 幅 広 い 活 用 ができるようにするなど 真 に 使 いやすい 制 度 に 改 善 し 柔 軟 な 運 用 を 図 ること 復 興 庁 がワンストップで 申 請 受 付 から 交 付 決 定 まで 行 うようにすること 提 言 2-5 使 途 の 自 由 度 の 高 い 交 付 金 等 の 充 実 被 災 地 方 公 共 団 体 において 今 後 具 体 化 が 進 むまちづくりの 進 捗 に 応 じ 住 民 生 活 の 安 定 や 地 域 経 済 の 振 興 に 向 けた 事 業 を 継 続 的 安 定 的 に 実 施 できるよう 使 途 の 自 由 度 の 高 い 交 付 金 等 従 来 の 枠 を 超 えた 財 源 確 保 の 充 実 を 図 ること 提 言 2-6 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 ( 復 興 枠 ) 農 山 漁 村 地 域 整 備 交 付 金 ( 復 興 枠 ) 等 の 確 実 な 予 算 措 置 復 興 交 付 金 の 対 象 とならない 復 興 事 業 が 着 実 に 実 施 できるよう 復 興 が 完 了 するまでの 間 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 ( 復 興 枠 )や 農 山 漁 村 地 域 整 備 交 付 金 ( 復 興 枠 ) 等 により 確 実 な 予 算 措 置 を 講 じること 提 言 2-7 国 が 行 う 復 旧 復 興 事 業 の 整 備 促 進 と 全 面 的 な 財 政 支 援 の 継 続 被 災 地 の 復 興 を 牽 引 する 復 興 道 路 及 び 復 興 支 援 道 路 河 川 海 岸 堤 防 や 港 湾 等 の 国 が 行 う 復 旧 復 興 事 業 について 必 要 な 予 算 と 体 制 を 別 枠 で 確 保 し 整 備 促 進 を 図 ること 提 言 2-8 復 興 交 付 金 等 の 事 務 手 続 の 簡 素 化 の 徹 底 被 災 地 方 公 共 団 体 の 事 務 負 担 を 軽 減 するため 復 興 交 付 金 を 始 めとする 補 助 金 交 付 金 等 の 事 務 手 続 や 提 出 書 類 の 簡 素 化 を 更 に 進 めること 提 言 2-9 復 旧 復 興 に 係 る 繰 越 手 続 の 弾 力 的 運 用 等 復 旧 復 興 を 円 滑 に 進 めるため 事 故 繰 越 手 続 きの 簡 素 化 など 事 務 手 続 きの 簡 素 化 の 措 置 を 継 続 すること 繰 越 年 度 内 に 完 了 しない 事 業 を 継 続 するために 必 要 となる 予 算 の 再 予 算 化 や 各 種 手 続 き の 簡 素 化 等 を 引 き 続 き 行 うとともに 現 在 と 同 様 の 財 政 支 援 措 置 を 講 じること 提 言 2-10 新 しい 東 北 の 推 進 復 興 推 進 委 員 会 が 提 言 した 新 しい 東 北 が 確 実 に 実 現 できるよう 必 要 な 予 算 や 制 度 に ついて 措 置 すること - 7 -

3 被 災 地 方 公 共 団 体 に 対 する 人 的 支 援 の 強 化 提 言 のポイント 被 災 地 方 公 共 団 体 に 対 する 国 独 立 行 政 法 人 や 民 間 企 業 からの 中 長 期 的 な 人 員 派 遣 を 一 層 強 化 すること 復 旧 復 興 業 務 に 従 事 する 任 期 付 職 員 を 国 において 一 括 して 採 用 し 被 災 地 方 公 共 団 体 へ 派 遣 する 制 度 を 早 急 に 導 入 すること 地 方 公 共 団 体 からの 人 員 派 遣 被 災 地 方 公 共 団 体 の 職 員 採 用 の 支 援 を 継 続 すること 地 方 自 治 法 に 基 づく 派 遣 職 員 の 受 入 経 費 及 び 震 災 対 応 のための 職 員 採 用 の 人 件 費 等 に 対 する 震 災 復 興 特 別 交 付 税 については 経 費 全 額 に 対 する 財 政 措 置 を 継 続 すること 課 題 等 被 災 地 方 公 共 団 体 では 市 街 地 や 産 業 の 再 生 被 災 者 の 生 活 再 建 や 避 難 生 活 の 支 援 除 染 や 放 射 性 物 質 に 汚 染 された 廃 棄 物 の 処 理 など 大 震 災 前 の 予 算 規 模 をはるかに 超 える 事 業 を 実 施 している 自 らの 職 員 採 用 や 地 方 公 共 団 体 による 広 域 的 な 人 的 支 援 など 地 方 はできる 限 り 努 力 しているが 限 界 がある 特 に 土 木 用 地 税 務 水 産 保 健 など 専 門 的 知 識 を 有 するマンパワー 不 足 は 早 期 復 興 を 実 現 するための 支 障 となることから 国 による 人 的 支 援 の 強 化 が 不 可 欠 である 個 別 の 提 言 事 項 提 言 3-1 国 による 人 的 支 援 の 強 化 等 被 災 地 方 公 共 団 体 に 対 する 国 独 立 行 政 法 人 や 民 間 企 業 からの 中 長 期 的 な 人 員 派 遣 を 一 層 強 化 すること 復 旧 復 興 業 務 に 従 事 する 任 期 付 職 員 を 必 要 に 応 じて 国 において 一 括 して 採 用 し 被 災 地 方 公 共 団 体 へ 派 遣 する 制 度 を 早 急 に 導 入 すること 提 言 3-2 人 員 派 遣 や 職 員 採 用 の 支 援 等 平 成 29 年 度 以 降 も 引 き 続 きマンパワー 不 足 が 見 込 まれるので 全 国 の 地 方 公 共 団 体 から の 人 員 派 遣 被 災 地 方 公 共 団 体 の 職 員 採 用 に 対 する 支 援 を 継 続 すること この 場 合 特 定 業 務 へのチーム 派 遣 も 検 討 すること 職 員 の 事 務 負 担 軽 減 のため 民 間 企 業 等 への 復 興 関 連 事 業 の 業 務 委 託 を 一 層 支 援 すること 提 言 3-3 震 災 復 興 特 別 交 付 税 による 人 件 費 等 に 対 する 財 政 措 置 の 継 続 等 地 方 自 治 法 に 基 づく 派 遣 職 員 の 受 入 経 費 及 び 東 日 本 大 震 災 への 対 応 のために 職 員 採 用 を 行 った 場 合 の 人 件 費 等 の 経 費 に 対 する 震 災 復 興 特 別 交 付 税 については 復 旧 復 興 を 完 全 に 果 たすことができるまでの 期 間 経 費 全 額 に 対 する 財 政 措 置 を 確 実 に 継 続 すること 併 せて 被 災 地 方 公 共 団 体 以 外 の 地 方 公 共 団 体 が 行 う 任 期 付 職 員 の 採 用 に 係 る 経 費 及 び 派 遣 元 で 実 施 する 研 修 等 に 係 る 経 費 に 対 する 財 政 措 置 を 行 うこと また 国 独 立 行 政 法 人 や 民 間 企 業 からの 人 的 支 援 についても 被 災 地 方 公 共 団 体 の 負 担 が 生 じないよう 配 慮 すること - 8 -

4 住 宅 再 建 復 興 まちづくり 鉄 道 復 旧 道 路 整 備 等 の 促 進 提 言 のポイント 復 興 まちづくりを 促 進 するため 住 宅 再 建 防 潮 堤 の 整 備 鉄 道 の 復 旧 道 路 の 整 備 液 状 化 被 害 対 策 福 島 県 の 災 害 廃 棄 物 処 理 等 を 促 進 すること 資 材 高 騰 人 材 不 足 への 効 果 的 な 対 策 を 速 やかに 講 じること 課 題 等 復 興 まちづくりが 遅 れている 地 域 では 住 民 が 流 出 しており 地 域 の 再 生 の 成 否 の 分 かれ 目 に 差 し 掛 かりつつある このため 住 宅 再 建 防 災 集 団 移 転 防 潮 堤 整 備 などを 一 日 も 早 く 完 了 することが 必 要 である また 鉄 道 道 路 の 復 旧 整 備 は 地 域 再 生 のバックボーンとなるものであり 一 層 の 支 援 強 化 が 不 可 欠 である 個 別 の 提 言 事 項 提 言 4-1 住 宅 再 建 に 対 する 財 政 支 援 復 興 まちづくりの 取 組 を 一 層 加 速 させるとともに 一 日 も 早 い 住 宅 再 建 を 支 援 することが 可 能 となるよう 被 災 市 町 村 に 対 する 十 分 な 財 政 支 援 を 行 うこと 提 言 4-2 防 災 集 団 移 転 促 進 事 業 の 要 件 の 一 層 の 緩 和 市 町 村 による 被 災 した 土 地 の 買 取 対 象 は 移 転 促 進 区 域 内 の 住 宅 用 途 に 係 る 宅 地 及 び 農 地 に 限 定 されているが 対 象 区 域 内 のすべての 土 地 が 買 取 対 象 となるよう 要 件 を 緩 和 すること 提 言 4-3 防 潮 堤 の 整 備 促 進 集 落 再 生 に 不 可 欠 な 防 潮 堤 の 整 備 を 迅 速 に 進 めること とりわけ 漁 港 区 域 内 の 防 潮 堤 の 整 備 を 促 進 するため 農 山 漁 村 地 域 整 備 交 付 金 ( 復 興 枠 ) の 予 算 を 十 分 に 確 保 すること 提 言 4-4 鉄 道 運 休 区 間 の 早 期 復 旧 等 への 支 援 東 日 本 大 震 災 で 被 災 したJR 各 線 の 運 休 区 間 については 一 日 も 早 く 復 旧 するよう 十 分 な 支 援 を 行 うこと 特 に 常 磐 線 については 平 成 31 年 度 末 までの 全 線 復 旧 を 確 実 に 実 現 するとともに 単 なる 復 旧 にとどまらない 基 盤 強 化 を 図 ること 東 日 本 旅 客 鉄 道 株 式 会 社 がまちづくりと 一 体 となった 鉄 道 復 旧 を 行 う 場 合 に 増 加 する 事 業 費 については 国 が 全 額 を 支 援 すること BRTで 復 旧 させる 路 線 については 利 便 性 が 向 上 するよう 十 分 な 支 援 を 行 うこと 提 言 4-5 復 興 道 路 等 の 整 備 の 促 進 三 陸 沿 岸 道 路 東 北 中 央 自 動 車 道 ( 相 馬 福 島 道 路 ) 等 の 復 興 道 路 復 興 支 援 道 路 の 整 備 に ついては 事 業 予 算 を 十 分 に 確 保 して 早 期 に 完 成 させること 被 災 地 域 と 内 陸 部 の 後 方 支 援 拠 点 基 地 等 を 結 ぶ 道 路 等 の 災 害 に 強 い 交 通 ネットワークの 整 備 についても 社 会 資 本 整 備 総 合 交 付 金 ( 復 興 枠 )の 予 算 枠 を 拡 大 し 事 業 が 終 了 するま での 間 制 度 を 継 続 すること - 9 -

提 言 4-6 資 材 高 騰 人 材 不 足 への 対 応 復 旧 復 興 事 業 の 遅 延 等 の 原 因 となっている 資 材 高 騰 及 び 建 設 業 界 等 の 人 材 不 足 について 効 果 的 な 対 策 を 早 期 に 講 じるとともに 労 務 費 や 建 設 資 材 等 の 建 設 コストの 高 騰 に 対 応 した 財 政 支 援 を 継 続 拡 充 すること 提 言 4-7 液 状 化 被 害 への 支 援 の 継 続 強 化 液 状 化 対 策 事 業 については 事 業 費 が 多 額 で 住 民 同 意 の 取 得 難 航 などの 実 情 に 十 分 に 配 慮 し 復 興 交 付 金 による 支 援 を 継 続 するとともに 被 害 世 帯 への 支 援 を 強 化 すること 提 言 4-8 汚 染 廃 棄 物 対 策 地 域 における 廃 棄 物 処 理 の 促 進 放 射 性 物 質 汚 染 対 処 特 措 法 に 基 づく 対 策 地 域 における 国 による 廃 棄 物 処 理 を 迅 速 かつ 確 実 に 実 施 するとともに 対 策 地 域 内 の 各 市 町 村 の 状 況 を 踏 まえた 処 理 スケジュールや 終 期 目 標 を 示 し 帰 還 困 難 区 域 についても 早 期 に 処 理 方 針 を 明 確 にして 処 理 を 推 進 すること また 対 策 地 域 において 住 民 帰 還 や 事 業 再 開 のために 排 出 される 廃 棄 物 は 原 発 事 故 によ り 長 期 間 立 入 制 限 されてきたことに 起 因 して 発 生 した 廃 棄 物 であるため 対 策 地 域 内 廃 棄 物 として 国 の 責 任 により 処 理 すること 5 産 業 の 復 興 雇 用 対 策 の 促 進 提 言 のポイント 農 林 水 産 業 等 の 地 域 の 基 幹 的 な 産 業 の 復 興 促 進 成 長 分 野 の 新 たな 産 業 立 地 の 推 進 等 により 安 定 した 雇 用 を 確 保 すること 被 災 企 業 に 対 する 各 種 助 成 制 度 等 の 大 幅 な 拡 充 要 件 緩 和 二 重 債 務 問 題 の 早 期 解 決 就 業 支 援 人 手 不 足 対 策 を 強 化 すること 課 題 等 被 災 地 の 農 林 水 産 業 や 商 工 観 光 業 などの 事 業 者 は 各 種 支 援 措 置 を 活 用 しながら 事 業 の 再 生 に 努 めているが その 過 半 が 未 だ 大 震 災 以 前 の 水 準 まで 回 復 していないのが 実 情 である また 被 災 者 がふるさとを 離 れることなく 就 業 できるよう なりわい の 再 生 と 新 たな 産 業 立 地 を 促 進 し きめ 細 かな 就 業 支 援 や 人 手 不 足 対 策 を 強 化 することが 必 要 である 個 別 の 提 言 事 項 提 言 5-1 産 業 の 復 興 加 速 被 災 企 業 等 への 支 援 の 強 化 等 被 災 地 の 復 興 を 加 速 するため 地 域 の 基 幹 的 な 産 業 の 復 興 を 促 進 するとともに 成 長 分 野 の 新 たな 産 業 立 地 農 業 の6 次 産 業 化 などを 強 力 に 推 進 し 安 定 した 雇 用 を 確 保 すること 地 域 経 済 の 未 曽 有 の 危 機 に 対 処 するため これまでの 枠 組 みにとらわれず 被 災 企 業 に 対 する 助 成 制 度 の 大 幅 な 拡 充 要 件 緩 和 や 新 たな 補 助 制 度 の 創 設 など 支 援 を 強 化 すること 被 災 企 業 の 二 重 債 務 問 題 については その 早 期 解 決 に 向 けて 債 権 買 取 等 支 援 を 平 成 29 年 度 以 降 も 継 続 し 支 援 を 強 化 すること 提 言 5-2 農 林 水 産 業 の 復 旧 復 興 支 援 の 強 化 漁 港 海 岸 保 全 施 設 海 岸 防 災 林 農 地 森 林 等 の 復 旧 整 備 や 復 興 のモデルとなる 園 芸 団 地 の 整 備 に 必 要 な 十 分 な 予 算 を 確 保 し 農 林 水 産 業 の 復 旧 復 興 を 促 進 すること - 10 -

特 に 水 産 業 における 漁 業 と 流 通 加 工 業 の 一 体 的 な 再 生 に 向 け 現 行 の 高 率 補 助 による 施 設 等 の 整 備 や 担 い 手 の 確 保 育 成 技 術 者 等 の 派 遣 被 災 海 域 における 放 流 種 苗 の 確 保 関 連 業 者 の 事 業 再 開 経 営 再 建 と 失 われた 販 路 の 回 復 への 支 援 を 継 続 すること また 福 島 県 については 復 旧 復 興 の 進 捗 に 合 わせたきめ 細 かい 支 援 を 強 化 すること 漁 場 のがれきの 将 来 にわたる 撤 去 処 分 についても 全 額 国 庫 負 担 により 支 援 すること 提 言 5-3 グループ 補 助 金 や 東 日 本 大 震 災 復 興 緊 急 保 証 等 の 継 続 拡 充 中 小 企 業 の 再 建 のための グループ 補 助 金 や 東 日 本 大 震 災 復 興 緊 急 保 証 等 について は 今 後 のインフラ 整 備 の 進 捗 に 合 わせて 事 業 に 着 手 する 事 業 者 も 多 数 見 込 まれることから 引 き 続 き 制 度 を 継 続 し 十 分 に 予 算 を 確 保 すること 提 言 5-4 津 波 原 子 力 災 害 被 災 地 域 雇 用 創 出 企 業 立 地 補 助 金 の 充 実 津 波 原 子 力 災 害 被 災 地 域 雇 用 創 出 企 業 立 地 補 助 金 については 被 災 地 の 企 業 立 地 な どに 有 効 であるので 期 間 延 長 と 十 分 な 予 算 確 保 を 行 うとともに 沿 岸 部 内 陸 部 の 区 別 なく 事 業 採 択 するなど 被 災 地 域 の 意 見 を 踏 まえて 運 用 すること 提 言 5-5 復 興 特 区 における 税 制 上 の 特 例 に 係 る 確 実 な 措 置 等 復 興 特 区 における 税 制 上 の 特 例 措 置 については 被 災 地 の 状 況 を 踏 まえ 産 業 復 興 や 産 業 集 積 の 十 分 な 支 援 となるよう 不 断 に 制 度 を 見 直 すとともに 地 方 税 の 課 税 免 除 又 は 不 均 一 課 税 に 伴 う 減 収 について 平 成 29 年 度 以 降 においても 従 前 と 同 様 に 補 填 されるように 確 実 に 措 置 すること 提 言 5-6 観 光 振 興 の 強 化 被 災 地 及 びその 周 辺 の 観 光 地 への 旅 行 を 促 進 するため 被 災 地 に 関 する 正 確 な 情 報 の 発 信 国 内 外 の 大 規 模 な 観 光 キャンペーンの 継 続 的 な 実 施 外 国 人 旅 行 者 のビザ 発 給 条 件 の 更 なる 緩 和 観 光 振 興 に 対 する 財 政 支 援 の 強 化 など 総 合 的 な 観 光 促 進 策 を 強 化 すること 提 言 5-7 まちのにぎわいづくりへの 支 援 人 口 減 少 が 進 む 中 商 店 街 の 仮 設 から 本 設 店 舗 への 円 滑 な 移 行 本 設 商 店 街 での 共 同 施 設 整 備 イベント 開 催 等 被 災 地 のにぎわい 創 出 やうるおいのあるまちづくりに 向 けた 地 域 の 商 業 者 の 主 体 的 な 取 組 みに 対 する 支 援 に 継 続 して 取 組 むこと 提 言 5-8 就 業 支 援 や 人 手 不 足 対 策 の 強 化 被 災 地 におけるきめ 細 かな 就 業 支 援 や 企 業 の 人 手 不 足 対 策 を 強 化 するとともに 被 災 者 の 状 況 や 復 旧 復 興 の 段 階 に 応 じた 多 様 な 雇 用 就 業 機 会 の 創 出 を 支 援 すること 事 業 復 興 型 雇 用 創 出 事 業 及 び 原 子 力 災 害 対 応 雇 用 支 援 事 業 については 被 災 企 業 が 積 極 的 に 活 用 できるよう 簡 素 で 手 厚 い 支 援 を 行 う 制 度 とするとともに 弾 力 的 な 運 用 を 図 ること また 被 災 地 の 厳 しい 雇 用 状 況 を 踏 まえ 制 度 の 延 長 と 必 要 な 財 源 の 確 保 を 図 るこ と 被 災 者 雇 用 開 発 助 成 金 については 要 件 を 緩 和 し 震 災 時 から 引 き 続 き 被 災 地 域 に 居 住 している 求 職 者 すべてを 対 象 とすること - 11 -

提 言 5-9 福 島 国 際 研 究 産 業 都 市 (イノベーション コースト) 構 想 の 推 進 福 島 国 際 研 究 産 業 都 市 構 想 については 2020 年 東 京 オリンピック パラリンピック を 当 面 の 目 標 とし 各 プロジェクト(ロボットテストフィールド 国 際 産 学 連 携 拠 点 スマ ート エコパーク エネルギー 関 連 産 業 農 林 水 産 業 (スマート 農 業 等 ))の 着 実 な 実 施 の ため 関 係 省 庁 一 体 となって 推 進 し 構 想 の 関 連 事 業 も 含 めて 必 要 な 財 源 を 継 続 的 かつ 十 分 に 確 保 すること 6 被 災 者 への 総 合 的 な 支 援 の 強 化 東 日 本 大 震 災 の 風 化 防 止 提 言 のポイント 被 災 者 の 生 活 再 建 や 雇 用 確 保 避 難 者 の 早 期 帰 還 等 を 促 進 し 復 興 の 長 期 化 に 伴 う 心 のケアや 地 域 コミュニティ 再 生 の 支 援 を 強 化 すること 大 震 災 の 被 害 や 教 訓 の 風 化 を 防 止 するため テレビ 等 による 政 府 広 報 を 強 化 すること 課 題 等 依 然 として 多 くの 住 民 が 故 郷 を 離 れた 避 難 先 や 仮 設 住 宅 等 で 先 行 きの 見 えない 厳 しい 避 難 生 活 を 余 儀 なくされ 避 難 生 活 が 長 期 化 している 心 のケアやコミュニティの 再 生 に 十 分 配 慮 し 早 期 の 帰 還 や 生 活 再 建 に 向 けた 総 合 的 継 続 的 な 支 援 を 強 化 することが 急 務 である また 被 災 地 の 再 生 のためには 地 域 医 療 福 祉 や 子 育 て 支 援 など 住 民 が 安 心 して 暮 らせ る 環 境 を 整 備 することが 不 可 欠 である 東 日 本 大 震 災 の 実 情 と 教 訓 を 今 後 とも 風 化 させることなく 正 しく 伝 えていくことは 復 興 を 国 民 全 体 で 支 え 防 災 意 識 を 向 上 させる 上 で 不 可 欠 である 個 別 の 提 言 事 項 提 言 6-1 避 難 者 の 早 期 帰 還 の 促 進 等 被 災 者 の 安 定 した 生 活 の 再 建 及 び 雇 用 の 確 保 や 事 業 の 再 建 への 総 合 的 な 支 援 を 強 化 する とともに 早 期 帰 還 定 住 プラン を 着 実 に 実 行 し 避 難 者 の 早 期 帰 還 等 を 促 進 すること 長 期 間 にわたり 帰 還 困 難 となる 住 民 については 生 活 再 建 の 見 通 しを 明 確 に 示 すこと 避 難 先 での 定 住 を 希 望 する 避 難 者 に 対 し 避 難 先 での 生 活 再 建 を 円 滑 に 進 めるため 就 業 支 援 や 住 宅 確 保 のための 支 援 策 を 講 じること 被 災 地 方 公 共 団 体 及 び 避 難 者 を 受 け 入 れている 地 方 公 共 団 体 の 取 組 に 対 して 十 分 な 財 政 支 援 を 行 うこと 提 言 6-2 被 災 者 の 心 のケアやコミュニティ 再 生 に 対 する 支 援 の 強 化 避 難 生 活 が 長 期 化 し 心 身 の 健 康 や 将 来 の 不 安 などへのケアが 必 要 な 被 災 者 への 支 援 をき め 細 かく 行 えるように 被 災 者 支 援 総 合 交 付 金 や 緊 急 雇 用 創 出 事 業 臨 時 特 例 交 付 金 の 継 続 拡 充 臨 床 心 理 士 等 の 専 門 家 の 確 保 及 び 相 談 や 孤 立 防 止 などの 取 組 に 対 する 支 援 の 強 化 を 行 うこと 特 に 被 災 者 の 心 のケアについては 過 去 の 大 震 災 の 例 からも 中 長 期 に 取 り 組 む 必 要 があ ることから 引 き 続 き 被 災 地 心 のケア 支 援 体 制 整 備 事 業 費 補 助 金 の 十 分 な 確 保 を 図 るととも に 全 額 国 庫 による 財 政 支 援 を 継 続 すること また 自 主 避 難 者 を 含 む 避 難 者 の 所 在 を 的 確 に 把 握 し 避 難 先 を 問 わず 必 要 な 支 援 を 確 実 に 受 けられるようにすること - 12 -

さらに 復 興 促 進 に 不 可 欠 な 地 域 コミュニティの 再 生 被 災 高 齢 者 に 対 する 見 守 り 体 制 の 整 備 生 きがいづくり 対 策 などのきめ 細 かな 取 組 やNPO 等 による 多 様 な 活 動 への 支 援 を 強 化 すること 提 言 6-3 被 災 地 の 実 態 に 合 った 子 育 て 支 援 の 強 化 安 心 して 子 どもを 生 み 育 てられるよう 被 災 地 の 実 態 に 応 じたきめ 細 かな 就 学 支 援 や 心 の ケア 復 興 を 支 える 人 材 育 成 のための 教 育 環 境 の 整 備 などの 取 組 を 全 面 的 に 支 援 すること 県 外 へ 避 難 している 子 育 て 家 庭 については 多 くが 精 神 的 経 済 的 に 厳 しい 状 況 にあるこ とを 踏 まえ 保 育 料 減 免 や 就 学 援 助 などの 経 済 的 負 担 軽 減 心 のケアなどを 十 分 に 支 援 する こと 提 言 6-4 個 人 の 二 重 債 務 解 消 に 向 けた 支 援 個 人 の 住 宅 ローン 等 に 係 る 二 重 債 務 問 題 の 解 決 を 促 進 し 住 宅 再 建 を 加 速 させるため 法 整 備 を 含 む 新 たな 仕 組 みの 構 築 を 積 極 的 に 行 うこと 提 言 6-5 医 療 福 祉 提 供 体 制 の 復 旧 復 興 支 援 原 子 力 災 害 の 影 響 の 大 きい 福 島 県 を 始 めとする 被 災 地 では 人 口 減 少 医 療 介 護 従 事 者 等 の 不 足 建 設 コストの 高 騰 等 により 医 療 福 祉 サービスの 提 供 体 制 の 復 旧 が 遅 れている ため 処 遇 改 善 による 人 材 確 保 施 設 整 備 などの 支 援 を 強 化 すること 医 療 や 介 護 の 復 興 は 長 期 間 にわたるため 地 域 医 療 再 生 臨 時 特 例 基 金 の 設 置 期 限 の 延 長 や 基 金 の 弾 力 的 な 運 用 を 行 うとともに 医 療 介 護 人 材 の 確 保 や 施 設 の 再 開 支 援 等 に 係 る 十 分 な 財 政 支 援 を 行 うこと 提 言 6-6 公 的 保 険 の 減 免 措 置 等 に 対 する 財 政 支 援 被 災 者 の 国 民 健 康 保 険 介 護 保 険 等 の 保 険 制 度 等 について 震 災 により 財 政 基 盤 が 大 きく 損 なわれた 被 災 地 の 市 町 村 における 安 定 的 な 運 営 や 避 難 指 示 等 対 象 地 域 における 全 額 免 除 措 置 に 対 する 国 の 特 別 な 財 政 支 援 を 引 き 続 き 継 続 すること 震 災 により 保 険 料 ( 税 )の 大 幅 減 収 や 医 療 費 の 増 大 など 被 災 市 町 村 の 財 政 的 基 盤 が 大 きく 損 なわれたことから 国 民 健 康 保 険 後 期 高 齢 者 医 療 及 び 介 護 保 険 の 安 定 的 な 運 営 が 図 られるよう 調 整 交 付 金 の 増 額 や 国 費 による 補 填 など 国 による 十 分 な 財 政 支 援 措 置 を 講 じ ること 提 言 6-7 災 害 救 助 法 に 基 づく 救 助 の 対 象 範 囲 の 拡 大 等 応 急 仮 設 住 宅 に 係 る 維 持 管 理 や 補 修 集 約 化 に 際 し 必 要 となる 居 住 環 境 整 備 に 要 する 経 費 や 応 急 救 助 の 終 了 に 生 じる 経 費 など 救 助 に 要 するものすべてを 災 害 救 助 法 の 対 象 とすると ともに 必 要 な 事 務 経 費 のすべてを 全 額 国 庫 負 担 の 対 象 とすること 入 居 者 の 責 めによらない 転 居 に 要 する 経 費 や 応 急 仮 設 住 宅 の 集 約 等 により 被 災 者 が 他 の 応 急 仮 設 住 宅 へ 転 居 せざるを 得 ない 場 合 の 移 転 費 用 について 災 害 救 助 費 の 対 象 とすること 避 難 者 の 生 活 実 態 の 変 化 に 伴 う 応 急 仮 設 住 宅 の 住 み 替 えなど 被 災 地 のニーズに 合 わせて 柔 軟 に 対 応 すること - 13 -

提 言 6-8 東 日 本 大 震 災 の 被 害 や 教 訓 等 の 風 化 防 止 東 日 本 大 震 災 の 記 憶 を 国 民 全 体 で 共 有 し 後 世 に 伝 え 今 後 起 こりうる 広 域 災 害 の 備 えに 活 かすため 被 害 の 実 情 や 教 訓 復 旧 復 興 の 過 程 でのノウハウ 等 を 蓄 積 整 理 し 防 災 意 識 を 向 上 させるためのテレビなどによる 政 府 広 報 を 強 化 すること 震 災 遺 構 の 保 存 や 撤 去 に 対 する 財 政 支 援 を 長 期 的 に 継 続 すること 被 災 地 でのボランティア 活 動 や 学 校 の 修 学 旅 行 を 始 めとする 被 災 地 ツーリズム 等 を 促 進 すること 学 校 家 庭 地 域 自 治 体 等 が 一 体 となった 防 災 教 育 を 徹 底 できるよう 支 援 し 東 日 本 大 震 災 の 教 訓 を 踏 まえた 実 践 的 な 避 難 訓 練 及 び 防 災 訓 練 を 充 実 させること 提 言 6-9 被 災 地 域 の 復 興 に 向 けた 教 育 環 境 の 整 備 への 支 援 被 災 地 の 児 童 生 徒 に 対 しては それぞれの 状 況 に 応 じたきめ 細 かな 教 育 的 支 援 や 心 のケア が 必 要 であることから 各 種 支 援 を 継 続 するとともに 地 域 の 復 興 を 支 える 人 材 育 成 のため 発 達 段 階 に 応 じた 教 育 環 境 の 整 備 を 支 援 すること また 東 日 本 大 震 災 で 被 災 した 幼 児 児 童 生 徒 に 対 する 長 期 的 な 就 学 支 援 を 継 続 して 実 施 す ること - 14 -

3 原 子 力 発 電 所 の 安 全 対 策 及 び 防 災 対 策 に 対 する 提 言 - 15 -

はじめに 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 から5 年 余 りが 経 過 したが 依 然 として 周 辺 住 民 は 避 難 生 活 を 余 儀 なくされている 状 況 にあり 早 期 の 事 態 収 束 に 向 け 国 や 事 業 者 が 一 丸 となって 取 り 組 む 必 要 がある こうした 中 全 国 に 立 地 している 原 子 力 施 設 の 安 全 確 保 が 何 よりも 重 要 な 課 題 となっており 原 子 力 規 制 委 員 会 においては 新 規 制 基 準 への 適 合 性 審 査 を 厳 正 かつ 迅 速 に 行 うとともに その 結 果 について 地 域 住 民 はもとより 国 民 全 体 に 明 確 かつ 責 任 ある 説 明 を 行 うことが 強 く 求 め られるところである また 原 子 力 防 災 対 策 については 国 が 前 面 に 立 って 継 続 的 に 充 実 強 化 を 図 るとともに 地 方 公 共 団 体 が 講 じる 対 策 について 必 要 な 予 算 を 確 保 し 早 急 に 支 援 体 制 の 整 備 を 図 ることが 必 要 である 特 に 平 成 2 8 年 3 月 の 原 子 力 関 係 閣 僚 会 議 において 決 定 された 原 子 力 災 害 対 策 充 実 に 向 けた 考 え 方 の 実 施 に 当 たっては 地 方 公 共 団 体 の 意 見 を 十 分 に 反 映 し 政 府 一 丸 となって 対 応 する 必 要 がある 国 民 及 び 国 土 の 安 全 確 保 のため 原 子 力 施 設 の 安 全 対 策 や 防 災 対 策 の 強 化 を 図 り 事 故 は 起 こり 得 るものとの 前 提 に 立 ち あらゆる 対 策 を 講 じることが 重 要 であり 現 時 点 において 国 が 責 任 を 持 って 早 急 に 取 り 組 むべき 事 項 について 次 のとおり 提 言 する Ⅰ 東 京 電 力 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 に 係 る 対 策 について 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 廃 止 措 置 に 向 けた 取 組 が 安 全 かつ 着 実 に 進 められることが 被 災 地 の 復 興 の 大 前 提 であり 今 なお 避 難 を 余 儀 な くされている 国 民 が 多 数 いることを 重 く 受 け 止 め 事 態 の 早 期 収 束 廃 止 措 置 の 早 期 完 了 に 向 け 国 内 外 の 英 知 を 結 集 し 国 が 前 面 に 立 ち 責 任 を 持 って 取 り 組 むとともに 今 なお 避 難 を 余 儀 なくされている 人 々に 対 する 適 切 な 支 援 や 除 染 作 業 の 速 やかな 実 施 根 拠 のない 風 評 に 対 する 正 確 な 情 報 の 発 信 等 各 産 業 分 野 における 風 評 の 払 拭 原 子 力 災 害 の 風 化 防 止 対 策 などについて 政 府 一 丸 となって 取 り 組 むこ と また 廃 止 措 置 を 進 めるに 当 たっては 設 備 の 信 頼 性 向 上 現 場 に おけるリスク 管 理 の 徹 底 と 各 対 策 の 重 層 化 を 東 京 電 力 に 求 めるととも - 16 -

に これらの 取 組 に 対 する 国 の 指 導 監 視 体 制 を 強 化 するため 現 地 人 員 を 増 強 するなど より 一 層 の 安 全 確 保 に 努 めること 喫 緊 の 課 題 である 汚 染 水 問 題 については 原 子 炉 建 屋 等 への 地 下 水 流 入 抑 制 対 策 や 海 への 流 出 防 止 対 策 を 予 防 的 重 層 的 に 講 じるよう 東 京 電 力 に 対 する 指 導 監 視 を 徹 底 するとともに 汚 染 水 を 増 やさない ための 抜 本 的 な 対 策 に 総 力 を 挙 げて 取 り 組 むこと 放 射 性 物 質 の 飛 散 の 可 能 性 がある1 号 機 の 原 子 炉 建 屋 カバー 解 体 や がれき 撤 去 作 業 雑 固 体 廃 棄 物 焼 却 設 備 の 運 用 等 においては 飛 散 防 止 対 策 とダストモニタ 等 によるモニタリングを 徹 底 して 行 うよう 指 導 するとともに 国 としてもしっかりと 監 視 すること 今 後 長 きにわたる 廃 止 措 置 作 業 を 支 える 作 業 員 や 現 場 を 管 理 できる 人 材 の 計 画 的 な 確 保 育 成 や 雇 用 の 適 正 化 作 業 環 境 の 改 善 労 働 災 害 の 再 発 防 止 等 が 確 実 に 行 われ 作 業 員 が 安 定 的 に 安 心 して 働 くこと ができる 環 境 の 整 備 等 を 東 京 電 力 に 求 めるとともに 国 も 一 体 となって 取 り 組 むこと 迅 速 かつ 正 確 な 通 報 連 絡 情 報 公 開 の 徹 底 はもとより 廃 止 措 置 に 向 けた 取 組 状 況 等 について 国 民 に 対 して 分 かりやすく 丁 寧 な 説 明 を 行 うよう 東 京 電 力 を 指 導 監 督 するとともに 国 も 一 体 となって 取 り 組 むこと Ⅱ 原 子 力 施 設 の 安 全 対 策 について 1 原 子 力 安 全 規 制 体 制 の 強 化 について (1) 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 の 総 括 と 新 たな 知 見 の 反 映 について 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 の 原 因 や 対 応 を 徹 底 的 に 究 明 し そこから 得 られた 教 訓 や 新 たな 知 見 等 を 総 括 した 上 で 国 民 に 明 確 に 説 明 すること また 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 から 得 られた 知 見 はもとよ り 絶 えず 国 内 外 における 最 新 の 知 見 を 収 集 し 関 係 機 関 や 学 会 専 門 家 等 の 意 見 を 聴 きながら 幅 広 い 議 論 を 行 い 手 続 きを 明 確 に した 上 で 新 規 制 基 準 や 法 制 度 を 絶 えず 見 直 していくなど 原 子 力 規 制 のより 一 層 の 充 実 強 化 に 不 断 に 取 り 組 むこと 原 子 力 規 制 上 の 安 全 目 標 については その 目 標 設 定 の 考 え 方 や 意 味 新 規 制 基 準 との 関 係 などを 明 らかにした 上 で 継 続 的 に 検 討 を 行 うこと - 17 -

(2) 実 効 性 のある 安 全 規 制 の 実 施 について 真 に 実 効 性 のある 原 子 力 安 全 規 制 とするため 敷 地 内 破 砕 帯 の 評 価 を 含 む 原 子 力 施 設 の 安 全 審 査 に 当 たっては その 審 査 方 法 を 明 確 にした 上 で 新 規 制 基 準 を 厳 格 に 適 用 するとともに 幅 広 い 分 野 の 専 門 家 の 意 見 やこれまでに 蓄 積 されたデータなど 科 学 的 技 術 的 知 見 に 基 づき 公 平 公 正 な 結 論 を 導 き 出 すこと 特 に 敷 地 内 破 砕 帯 等 の 評 価 に 当 たっては 現 在 の 原 子 力 規 制 委 員 会 の 有 識 者 会 合 の 構 成 を 見 ると 委 員 の 専 門 分 野 に 偏 りがあ ることから 国 として 構 造 地 質 学 や 地 震 研 究 など 幅 広 い 分 野 の 専 門 家 による 体 制 を 整 備 し 責 任 を 持 って 速 やかに 評 価 すること また 運 転 期 間 延 長 認 可 に 係 る 特 別 点 検 の 結 果 や 高 経 年 化 技 術 評 価 の 内 容 について 期 限 内 に 厳 正 かつ 慎 重 な 審 査 を 行 い その 結 果 について 国 民 に 分 かりやすく 説 明 するとともに 事 業 者 が 行 う 安 全 対 策 に 対 し 指 導 監 督 を 強 化 すること また 原 子 炉 圧 力 容 器 の 照 射 脆 化 の 研 究 を 始 めとした 高 経 年 化 対 策 に 関 する 技 術 情 報 基 盤 の 整 備 や 安 全 研 究 の 一 層 の 推 進 を 図 り 最 新 の 知 見 に 基 づく 不 断 の 検 討 を 重 ね 高 経 年 化 原 子 炉 の 安 全 確 保 に 万 全 を 期 すこと さらに 原 子 炉 の 廃 止 措 置 については 原 子 炉 本 体 の 解 体 技 術 などの 高 度 化 に 努 めるとともに 廃 止 措 置 計 画 の 認 可 に 当 たって は 廃 止 措 置 が 安 全 かつ 着 実 に 進 められるよう 厳 正 な 審 査 を 行 い 廃 止 措 置 の 工 程 や 周 辺 環 境 への 影 響 等 の 審 査 結 果 については 地 方 公 共 団 体 へ 丁 寧 に 説 明 すること 廃 止 措 置 の 実 施 に 当 たっては 事 業 者 に 対 し 厳 正 な 指 導 監 督 を 行 い 安 全 確 保 に 万 全 を 期 すことはもとより 廃 棄 物 の 取 扱 い 基 準 等 の 確 立 等 についても 早 急 に 方 針 を 示 すこと (3) 事 業 者 に 対 する 指 導 監 督 の 強 化 について 安 全 確 保 の 第 一 義 的 な 責 任 を 有 する 原 子 力 事 業 者 に 対 し 最 低 限 の 規 制 要 求 事 項 を 満 たすだけでなく さらなる 安 全 性 の 向 上 と 安 全 文 化 の 醸 成 に 向 けた 自 主 的 かつ 継 続 的 な 取 組 を 一 層 促 すとと もに 徹 底 した 情 報 公 開 など 指 導 監 督 を 強 化 すること 原 子 力 発 電 所 の 再 稼 働 に 当 たっては 長 期 停 止 後 であることに 留 意 し 関 係 事 業 者 等 も 含 めて 安 全 管 理 体 制 の 一 層 の 指 導 監 督 に - 18 -

努 めるとともに 使 用 前 検 査 において 厳 正 な 根 拠 確 認 及 び 立 会 確 認 を 行 うこと (4) 原 子 力 規 制 委 員 会 の 機 能 の 確 保 について 原 子 力 規 制 委 員 会 は 同 委 員 会 設 置 法 附 則 第 5 条 の 規 定 に 定 め る3 年 以 内 の 見 直 しに 関 する 様 々な 指 摘 や 提 言 を 踏 まえ 引 き 続 き 高 い 独 立 性 や 専 門 性 徹 底 した 情 報 公 開 による 透 明 性 などの 確 保 に 努 めるとともに 地 方 公 共 団 体 等 の 幅 広 い 意 見 に 真 摯 に 耳 を 傾 け 真 に 国 民 の 理 解 と 信 頼 が 得 られる 組 織 とすること 特 に 国 内 外 の 多 様 な 意 見 に 耳 を 傾 け 孤 立 と 独 善 を 戒 める という 委 員 会 の 組 織 理 念 を 達 成 するため 内 部 監 査 にとどまらず 組 織 の 健 全 性 や 信 頼 性 を 評 価 する 外 部 機 関 を 新 たに 設 置 するなど 改 善 出 来 る 仕 組 みを 構 築 すること また 新 規 制 基 準 等 に 基 づく 適 合 性 審 査 について 設 備 運 用 に 係 るソフト 面 の 規 制 を 含 め 厳 正 かつ 迅 速 に 行 えるよう 審 査 体 制 の 拡 充 強 化 を 図 るとともに 既 に 適 合 性 審 査 申 請 がなされてい る 原 子 力 発 電 所 について 安 全 性 の 確 保 のため 着 実 に 審 査 を 行 う こと さらに 現 場 を 重 視 した 実 効 性 ある 安 全 対 策 を 進 めるとともに 事 故 制 圧 防 災 体 制 を 一 層 強 化 するため 現 地 の 規 制 事 務 所 の 人 員 体 制 を 抜 本 的 に 充 実 強 化 すること 2 国 民 理 解 に 向 けた 取 組 及 び 地 方 公 共 団 体 への 説 明 責 任 について 原 子 力 施 設 に 係 る 新 規 制 基 準 や 適 合 性 審 査 の 結 果 等 については 原 子 力 規 制 委 員 会 の 然 るべき 責 任 のある 立 場 の 者 が 具 体 的 な 手 順 等 を 明 示 した 上 で 自 ら 主 体 的 に 説 明 することに 加 え その 内 容 につ いて 分 かりやすく 公 表 し 問 合 せ 窓 口 を 設 置 することなどにより 国 民 及 び 地 方 公 共 団 体 の 理 解 促 進 に 努 めること 特 に 新 規 制 基 準 において 猶 予 期 間 が 設 けられた 対 策 について は その 理 由 を 明 確 に 説 明 すること 原 子 力 発 電 所 の 安 全 性 については 原 子 力 規 制 委 員 会 が 責 任 を 持 って 新 規 制 基 準 への 適 合 性 審 査 の 結 果 に 加 え 万 一 の 事 故 や 原 子 力 災 害 に 係 る 国 の 対 策 の 状 況 さらには 事 業 者 の 運 営 能 力 の 確 認 な ど 総 合 的 な 観 点 から 判 断 するとともに 安 全 性 を 判 断 した 理 由 に - 19 -

ついて 国 民 及 び 地 方 公 共 団 体 に 対 し 明 確 かつ 丁 寧 な 説 明 を 行 うこ と また 原 子 力 発 電 所 の 再 稼 働 については 具 体 的 な 手 続 きを 明 確 にした 上 で 安 全 性 の 確 認 だけでなくエネルギー 政 策 上 の 重 要 性 や 必 要 性 等 を 十 分 に 考 慮 し 国 が 一 体 となって 責 任 を 持 った 判 断 をす るとともに 再 稼 働 の 判 断 に 至 った 経 緯 や 結 果 について 国 政 を 預 か る 責 任 ある 立 場 の 者 が 国 民 及 び 地 方 公 共 団 体 に 十 分 な 説 明 を 行 い 理 解 を 得 るよう 国 として 主 体 的 に 取 り 組 むこと 事 故 が 起 きた 場 合 には 国 は 被 災 者 への 賠 償 を 含 め 責 任 を 持 って 対 処 すること さらに 原 子 力 施 設 における 事 故 やトラブルの 情 報 については 国 が 国 民 及 び 地 方 公 共 団 体 に 対 する 説 明 責 任 を 十 分 に 果 たすこと 3 バックエンド 対 策 について (1) 使 用 済 燃 料 対 策 について 使 用 済 燃 料 対 策 については 昨 年 アクションプランが 策 定 され たところであるが 電 力 を 消 費 する 国 民 全 体 の 問 題 であるという 認 識 に 立 ち その 早 期 解 決 に 向 け 使 用 済 燃 料 対 策 推 進 協 議 会 に おいて 責 任 をもって 進 行 管 理 するなど 国 が 主 体 となって 着 実 に 進 めていくこと (2) 放 射 性 廃 棄 物 の 処 理 処 分 について 特 定 放 射 性 廃 棄 物 の 最 終 処 分 に 関 する 法 律 の 施 行 から16 年 が 経 過 したが 未 だ 文 献 調 査 すら 行 われていない 状 況 にある 中 昨 年 特 定 放 射 性 廃 棄 物 の 最 終 処 分 に 関 する 基 本 方 針 が 閣 議 決 定 された この 閣 議 決 定 に 基 づき 最 終 処 分 地 の 早 期 選 定 に 当 た っては 全 国 知 事 会 とも 協 議 しながら 国 が 前 面 に 立 ち 国 民 理 解 を 得 た 上 で 誠 実 かつ 慎 重 に 行 うこと また 最 終 処 分 の 科 学 的 有 望 地 については 都 市 部 を 含 めて 十 分 に 検 討 を 行 った 上 で 平 成 28 年 中 に 提 示 すること - 20 -

(3) 低 レベル 放 射 性 廃 棄 物 の 処 理 処 分 について 原 子 力 発 電 所 の 廃 止 措 置 や 原 子 力 の 試 験 研 究 等 に 伴 い 発 生 する 低 レベル 放 射 性 廃 棄 物 については 高 レベル 放 射 性 廃 棄 物 と 同 様 に 最 終 処 分 に 向 けた 国 及 び 事 業 者 の 取 組 を 加 速 させること 4 原 子 力 安 全 に 関 する 人 材 の 育 成 と 研 究 開 発 の 推 進 について 原 子 力 分 野 における 人 材 育 成 及 び 技 術 の 伝 承 に 大 きな 懸 念 が 生 じ ていることから 国 は 中 長 期 的 な 視 点 で 原 子 力 分 野 の 人 材 育 成 等 に 取 り 組 むこと また 地 震 津 波 対 策 を 含 め 原 子 力 施 設 の 安 全 確 保 に 必 要 な 研 究 開 発 予 算 を 十 分 に 確 保 し その 促 進 を 図 ること Ⅲ 原 子 力 防 災 対 策 について 1 原 子 力 防 災 体 制 の 強 化 について (1) 原 子 力 災 害 対 策 指 針 について 原 子 力 災 害 対 策 指 針 については 最 新 の 知 見 や 国 内 外 の 状 況 等 を 踏 まえ 今 後 も 継 続 的 に 改 定 していくとともに 地 方 公 共 団 体 等 の 意 見 を 適 切 に 反 映 していくこと 原 子 力 災 害 対 策 指 針 では UPZ 外 においては 事 前 の 対 策 に ついて 明 確 な 規 定 がないが 緊 急 時 には 避 難 等 の 防 護 措 置 を 実 施 する 可 能 性 があるとしており また 実 際 に 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 の 事 故 で30km 以 遠 にも 被 害 が 及 んだことも 踏 まえ UPZ 外 の 地 方 公 共 団 体 でも 必 要 に 応 じ 緊 急 時 に 円 滑 な 防 護 対 策 を 可 能 と するため 事 前 の 対 策 について 改 めて 検 討 を 行 うこと また 実 用 発 電 用 原 子 炉 以 外 の 原 子 力 施 設 に 係 る 緊 急 事 態 区 分 及 び 原 子 力 災 害 対 策 重 点 区 域 の 範 囲 など 未 策 定 の 事 項 について 速 やかに 指 針 を 策 定 するとともに 廃 止 措 置 に 向 けて 長 期 間 停 止 する 原 子 炉 についても 必 要 な 対 策 を 示 すこと (2) 原 子 力 防 災 体 制 について 複 合 災 害 や 過 酷 事 故 が 起 こることを 想 定 し 地 方 公 共 団 体 の 意 見 を 踏 まえ 原 子 力 防 災 体 制 を 充 実 させるとともに 災 害 対 策 に おける 地 方 公 共 団 体 の 役 割 の 重 要 性 に 鑑 み 地 方 公 共 団 体 と 国 - 21 -

事 業 者 との 緊 密 な 連 携 協 力 体 制 の 整 備 に 向 け 法 整 備 を 含 めて 国 が 主 体 的 かつ 速 やかに 対 応 すること 重 大 事 故 が 起 こった 場 合 に 備 え 自 衛 隊 などの 実 動 組 織 の 支 援 内 容 現 地 における 指 揮 命 令 系 統 や 必 要 な 資 機 材 の 整 備 等 につい て 実 動 部 隊 の 協 力 を 検 討 する 国 の 分 科 会 において 早 急 に 示 すこと また 原 子 力 発 電 所 内 の 緊 急 作 業 時 における 被 ばくに 関 する 規 制 が 改 正 されたところであるが 原 子 力 発 電 所 外 においてもさら に 迅 速 な 対 応 が 図 られるよう 法 制 度 の 見 直 しや オンサイト 対 策 及 びオフサイト 対 策 に 必 要 な 特 殊 部 隊 の 創 設 などを 検 討 すること さらに 事 故 発 生 時 における 原 子 力 施 設 の 安 全 確 保 のため 意 思 決 定 や 指 揮 命 令 系 統 などに 関 する 法 の 制 定 など 国 の 体 制 整 備 に 取 り 組 むこと 加 えて オフサイトセンターについて 国 が 設 置 や 運 営 の 主 体 となることを 明 確 にし 速 やかにガイドラインに 準 拠 した 整 備 を 行 うこと また 関 係 自 治 体 が 実 施 する 原 子 力 防 災 訓 練 をより 実 効 性 のあ るものとするため オフサイトセンターへの 関 係 要 員 の 派 遣 など 地 域 からの 支 援 要 請 に 積 極 的 に 対 応 すること なお 避 難 行 動 要 支 援 者 の 避 難 のあり 方 など 省 庁 横 断 的 に 進 め る 必 要 がある 対 策 については 原 子 力 発 電 所 立 地 地 域 毎 に 設 置 さ れた 地 域 原 子 力 防 災 協 議 会 において 各 地 域 毎 の 取 組 状 況 を 把 握 し 国 として 地 域 の 実 情 に 応 じた 適 切 な 防 災 体 制 の 確 立 を 支 援 す ること (3) 航 空 機 落 下 及 びテロの 未 然 防 止 に 関 する 事 項 航 空 機 落 下 のリスク 低 減 のため 原 子 力 施 設 周 辺 上 空 の 飛 行 禁 止 及 び 飛 行 禁 止 区 域 周 辺 の 航 空 機 の 飛 行 に 係 る 最 低 安 全 高 度 の 設 定 について 法 制 化 を 図 ること また 原 子 力 施 設 に 対 するテロの 未 然 防 止 のため 国 内 のみな らず 国 際 的 な 連 携 も 強 化 し 情 報 収 集 や 国 際 協 力 に 努 めること さらに 武 力 攻 撃 等 の 緊 急 事 態 への 対 処 処 置 について 自 衛 隊 海 上 保 安 庁 警 察 消 防 地 方 公 共 団 体 電 気 事 業 者 等 の 関 係 機 関 が 連 携 し 実 効 性 のある 対 策 が 迅 速 に 講 じられるよう 平 時 か ら 緊 急 時 に 備 えた 体 制 を 構 築 すること - 22 -

2 具 体 的 な 原 子 力 防 災 対 策 について (1) 避 難 対 策 について 実 効 性 ある 避 難 計 画 の 策 定 を 支 援 するため OIL に 基 づく 避 難 範 囲 の 特 定 方 法 や 屋 内 退 避 の 期 間 また 熊 本 地 震 を 踏 まえ 耐 震 性 を 備 えた 屋 内 退 避 施 設 の 整 備 や 家 屋 が 倒 壊 した 場 合 の 対 応 などについて 原 子 力 災 害 対 策 指 針 や 各 種 防 災 関 係 マニュアルに 反 映 し 関 係 地 方 公 共 団 体 に 対 し 速 やかに 示 すこと なお 作 成 に 当 たっては 関 係 地 方 公 共 団 体 の 意 見 を 十 分 に 聴 き 反 映 させ ること また 災 害 発 生 時 の 避 難 のための 道 路 や 港 湾 等 のインフラ 公 共 施 設 等 について 関 係 地 方 公 共 団 体 の 意 見 を 聴 きつつ 国 が 主 体 となって 早 急 に 整 備 を 進 めること 併 せて 県 境 を 越 えるなどの 広 域 避 難 等 を 想 定 し 国 が 主 体 的 に 関 係 地 方 公 共 団 体 や 運 輸 事 業 者 等 と 調 整 を 行 い 避 難 先 の 確 保 や 具 体 的 な 避 難 手 段 の 確 保 およびその 要 請 の 仕 組 みを 構 築 すると ともに 避 難 受 入 に 必 要 となる 資 機 材 等 の 具 体 的 な 整 備 基 準 を 示 すなど 避 難 先 への 迅 速 な 人 的 支 援 や 国 による 大 規 模 備 蓄 施 設 の 整 備 などの 物 的 支 援 ができる 体 制 を 構 築 すること また 民 間 事 業 者 との 協 力 体 制 の 確 立 について 民 間 事 業 者 の 協 力 を 検 討 する 国 の 分 科 会 において 早 急 に 必 要 な 対 策 を 示 すこと 特 に 避 難 行 動 要 支 援 者 の 避 難 に 当 たっては 地 域 原 子 力 防 災 協 議 会 における 検 討 も 踏 まえながら 必 要 な 車 両 や 資 機 材 医 療 従 事 者 等 の 確 保 自 衛 隊 等 による 迅 速 な 搬 送 体 制 の 整 備 避 難 先 となる 病 院 や 社 会 福 祉 施 設 等 の 確 保 などに 係 るマニュアル 等 を 整 備 するとともに 国 として 避 難 行 動 要 支 援 者 が 迅 速 かつ 安 全 に 避 難 できる 支 援 体 制 を 確 立 すること 屋 内 退 避 を 前 提 とした 病 院 や 社 会 福 祉 施 設 等 の 放 射 線 防 護 対 策 については 今 後 の 進 め 方 など 基 本 的 な 考 え 方 を 示 すこと 冬 季 に 原 子 力 災 害 が 発 生 した 場 合 の 避 難 道 路 の 除 雪 や 確 保 につ いて 関 係 省 庁 の 連 携 のもと 具 体 的 な 対 策 を 確 立 すること さらに 避 難 住 民 や 避 難 車 両 等 に 対 する 避 難 退 域 時 検 査 及 び 除 染 の 方 法 や 実 施 場 所 選 定 に 係 る 基 準 そのための 人 員 体 制 や 資 機 材 の 配 備 等 について 避 難 受 入 地 域 の 状 況 等 を 十 分 考 慮 した 上 で 国 の 責 任 において 災 害 時 に 確 実 に 機 能 する 体 制 を 構 築 すること -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- OIL (Operational Intervention Level):UPZ(5~30km 圏 )の 住 民 の 避 難 判 断 基 準 等 - 23 - - 8 -

また 避 難 先 となる 地 方 公 共 団 体 及 び 住 民 に 対 して 放 射 線 等 に 関 する 知 識 の 普 及 啓 発 を 行 うこと 避 難 ルート 等 の 検 討 や 準 備 モニタリングの 実 施 などには 放 射 性 物 質 の 拡 散 を 予 測 する 情 報 も 必 要 と 考 えられるため 拡 散 計 算 も 含 めた 情 報 提 供 の 在 り 方 を 検 討 する 国 の 分 科 会 において 関 係 自 治 体 の 意 見 を 十 分 聴 き 具 体 的 活 用 手 法 を 早 急 に 示 すこと (2) 放 射 線 モニタリング 体 制 について 原 子 力 施 設 周 辺 の 放 射 線 モニタリングに 係 る 実 施 項 目 や 実 施 範 囲 測 定 地 点 の 設 定 間 隔 等 について 防 災 範 囲 の 拡 大 に 対 応 した 新 たな 基 準 を 早 急 に 示 すこと 緊 急 時 モニタリングは 避 難 指 示 や 飲 食 物 摂 取 制 限 などを 実 施 するためにも 極 めて 重 要 であり 国 は 関 係 地 方 公 共 団 体 事 業 者 における 実 施 内 容 や 役 割 分 担 等 を 速 やかに 示 し 緊 急 時 モニタ リング 計 画 の 策 定 を 支 援 すること その 上 で 地 域 の 実 情 に 応 じて 被 災 したモニタリングステー ションの 復 旧 を 含 め 必 要 なモニタリング 資 機 材 の 早 急 な 整 備 が 図 れるよう 交 付 金 の 総 額 及 び 限 度 額 の 増 額 や 別 枠 を 設 けるなど 適 切 かつ 柔 軟 な 財 政 支 援 を 行 うこと また 地 方 放 射 線 モニタリング 対 策 官 を 原 子 力 施 設 の 立 地 地 域 毎 に 複 数 名 配 置 するとともに 資 機 材 を 早 急 に 整 備 するなど 災 害 発 生 時 において 緊 急 時 モニタリングセンターが 確 実 に 機 能 する 仕 組 を 構 築 すること UPZ 外 の 緊 急 時 モニタリングについて 地 域 の 実 情 に 応 じて 国 による 機 動 的 なモニタリングの 実 施 体 制 を 確 保 するとともに 環 境 放 射 能 水 準 調 査 のモニタリングポストを 増 設 するなど 国 の 責 任 において 放 射 線 状 況 を 確 実 に 把 握 できる 体 制 を 構 築 すること 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 の 際 に 課 題 となった 放 射 性 ヨウ 素 等 の 大 気 中 放 射 性 物 質 の 測 定 体 制 に 係 る 基 準 を 速 やかに 示 すこと また 緊 急 時 のモニタリング 結 果 については 国 が 責 任 をもっ て 住 民 に 速 やかに 分 かりやすくかつ 丁 寧 に 公 表 すること - 24 -

3 原 子 力 災 害 医 療 について 原 子 力 災 害 医 療 体 制 の 整 備 に 当 たり 救 護 所 等 で 行 うスクリー ニング と 避 難 退 域 時 検 査 の 目 的 役 割 人 員 体 制 等 を 明 確 に した 上 で 緊 急 時 に 国 地 方 公 共 団 体 電 力 事 業 者 医 療 機 関 等 が 連 携 して 適 切 に 対 応 できるよう 必 要 な 対 策 について 具 体 的 に 整 理 し 対 応 マニュアルを 早 急 に 作 成 すること 原 子 力 災 害 拠 点 病 院 等 の 指 定 に 際 しては 原 子 力 災 害 医 療 派 遣 チ ームの 資 格 要 件 や 運 用 等 について 早 急 に 明 らかにするとともに 関 係 医 療 機 関 等 の 協 力 が 得 られるよう 必 要 な 財 政 支 援 制 度 を 早 急 に 創 設 すること 併 せて 原 子 力 災 害 医 療 に 係 る 資 機 材 の 備 蓄 や 施 設 整 備 医 療 従 事 者 の 確 保 等 に 関 して 財 政 措 置 も 含 めた 支 援 を 強 化 すること 特 に 指 定 後 の 原 子 力 災 害 拠 点 病 院 の 機 能 充 実 や 運 用 保 守 費 用 に ついても 交 付 金 に 別 枠 を 設 け 支 援 するとともに 原 子 力 災 害 医 療 の 実 施 体 制 整 備 のために 中 長 期 的 な 視 点 で 原 子 力 災 害 医 療 に 係 る 人 材 育 成 に 取 り 組 むこと 安 定 ヨウ 素 剤 ( 乳 幼 児 用 を 含 む)の 配 布 に 当 たっては 国 が 薬 剤 に 関 する 正 しい 知 識 の 啓 発 を 行 い 住 民 不 安 や 過 度 な 混 乱 を 防 ぐこ と また 住 民 が 適 時 適 切 に 服 用 できるよう 地 方 公 共 団 体 の 事 情 を 聴 取 の 上 PAZ 外 の 取 扱 を 含 め 早 急 に 対 応 マニュアルを 充 実 するとともに 住 民 からの 服 用 可 否 や 副 作 用 など 医 学 的 な 問 い 合 わ せに 対 する 相 談 窓 口 について 国 において 運 営 すること 配 布 体 制 の 整 備 に 当 たっては 説 明 を 行 う 医 師 の 確 保 育 成 や 説 明 資 料 の 作 成 等 について 国 の 責 任 において 十 分 な 支 援 を 行 うほか 住 民 不 安 を 軽 減 するために 副 作 用 や 誤 飲 等 による 事 故 が 発 生 した 際 に 簡 易 な 手 続 きで 補 償 を 受 けることが 可 能 な 制 度 を 創 設 すること また 安 定 ヨウ 素 剤 の 事 前 配 布 後 も 地 方 公 共 団 体 において 薬 剤 の 更 新 業 務 が 継 続 的 に 発 生 するため 郵 送 による 配 布 など 再 配 布 の 手 続 きを 簡 略 化 し 住 民 や 地 方 公 共 団 体 の 負 担 を 軽 減 できる 方 法 を 早 急 に 国 が 示 すこと また 転 出 や 死 亡 使 用 期 限 切 れ 等 により 不 要 となった 薬 剤 につ いては 配 布 自 治 体 の 回 収 努 力 にも 限 界 があるため 本 人 または 家 族 によって 廃 棄 処 分 できるよう 手 続 きの 簡 略 化 を 図 ること - 25 -

併 せて 現 在 製 造 後 3 年 間 となっている 安 定 ヨウ 素 剤 の 使 用 期 限 の 延 長 について 早 急 に 製 薬 業 者 を 指 導 支 援 するなど 実 現 に 向 け 関 係 省 庁 が 責 任 を 持 って 対 応 すること 安 定 ヨウ 素 剤 の 予 防 服 用 体 制 の 整 備 に 当 たり 事 前 配 布 する 住 民 の 範 囲 については 地 方 公 共 団 体 の 判 断 を 尊 重 し PAZの 内 外 に かかわらず 必 要 な 支 援 を 行 うことを 原 子 力 災 害 対 策 指 針 に 明 記 する とともに 財 政 支 援 を 行 うこと なお 安 定 ヨウ 素 剤 を 備 蓄 する 区 域 についても 地 方 公 共 団 体 の 判 断 を 尊 重 し UPZの 内 外 にかかわらず 必 要 な 支 援 を 行 うこと 原 子 力 災 害 時 における 安 定 ヨウ 素 剤 の 配 布 について 電 力 事 業 者 や 自 衛 隊 等 による 人 員 確 保 の 体 制 を 整 備 するとともに 具 体 的 な 実 施 方 法 を 明 記 したマニュアルを 早 急 に 作 成 すること さらに 原 子 力 施 設 において 事 故 が 発 生 した 後 の 住 民 の 被 ばく 評 価 を 含 めた 健 康 管 理 について 統 一 的 な 基 準 に 基 づく 原 子 力 災 害 に 係 る 健 康 管 理 対 応 マニュアルを 早 急 に 作 成 すること 4 適 切 な 財 政 措 置 等 について 原 子 力 防 災 体 制 の 見 直 しにより 地 方 公 共 団 体 が 実 施 する 防 災 対 策 の 範 囲 が 大 きく 広 がっており それに 伴 い 発 生 する 資 機 材 や 備 蓄 品 の 配 備 インフラやシステムの 整 備 防 災 関 係 マニュアル 等 の 作 成 人 員 の 増 員 等 に 係 る 必 要 経 費 など 地 方 公 共 団 体 が 地 域 の 特 性 を 踏 まえて 必 要 であると 判 断 し 実 施 する 防 災 対 策 に 要 する 経 費 に ついては 関 係 地 方 公 共 団 体 の 意 見 を 聴 きつつ 新 たな 負 担 となら ないようUPZ 外 の 地 域 における 対 策 に 要 する 経 費 を 含 め 適 切 な 財 政 措 置 及 び 人 的 支 援 を 行 うこと 原 子 力 発 電 所 の 立 地 状 況 や 周 辺 の 人 口 規 模 道 路 事 情 等 を 考 慮 し 地 方 公 共 団 体 が 必 要 と 判 断 した 防 護 対 策 については UPZの 内 外 にかかわらず 必 要 な 財 源 措 置 をすること 特 に 官 公 庁 等 の 原 子 力 防 災 関 連 施 設 や 一 時 退 避 所 病 院 福 祉 施 設 等 の 放 射 線 防 護 対 策 の 強 化 や 万 が 一 行 政 機 能 を 移 転 せざるを 得 ない 場 合 の 移 転 先 における 必 要 な 資 機 材 整 備 など 適 切 な 防 災 対 策 が 講 じられるよう 予 算 を 確 保 すること また それらの 施 設 の 維 持 管 理 等 に 係 る 経 費 についてもフィルターの 劣 化 管 理 など 整 備 した - 26 -

設 備 の 維 持 管 理 基 準 を 明 確 にした 上 で 対 象 範 囲 の 拡 大 などを 行 い 適 切 な 財 政 措 置 を 行 うこと さらには 現 在 複 数 の 原 子 炉 の 廃 止 措 置 が 決 定 されているとこ ろであるが その 完 了 には 今 後 数 十 年 の 長 い 期 間 を 要 すること から 防 災 対 策 等 に 係 る 財 源 を 確 保 するため 電 源 三 法 交 付 金 につ いては 原 子 力 発 電 施 設 の 撤 去 完 了 までを 見 据 えた 制 度 の 充 実 を 図 ること - 27 -

4 地 方 税 財 源 の 確 保 充 実 等 に 関 する 提 言 Ⅰ 地 方 創 生 の 推 進 1 地 方 創 生 人 口 減 少 対 策 のための 財 源 確 保 我 が 国 の 景 気 は 企 業 収 益 が 過 去 最 高 水 準 となり 有 効 求 人 倍 率 もかつてない 高 水 準 まで 上 昇 するなど 回 復 基 調 が 続 いているものの 中 国 を 始 めとするアジア 新 興 国 等 の 景 気 が 下 振 れし 景 気 が 下 押 しされるリスクがあるなかで 海 外 経 済 の 不 確 実 性 の 高 まりや 金 融 資 本 市 場 の 変 動 の 影 響 に 留 意 する 必 要 がある 先 般 政 府 では 世 界 的 な 需 要 の 低 迷 成 長 の 減 速 による 景 気 悪 化 のリスクに 備 え 内 需 を 腰 折 れさせないようあらゆる 政 策 を 総 動 員 するとして 平 成 29 年 4 月 に 予 定 さ れていた 消 費 税 地 方 消 費 税 率 の10%への 引 上 げを2 年 半 再 延 期 することとされたが アベノミクスの 成 果 を 地 域 の 隅 々まで 行 きわたらせ 名 目 GDP600 兆 円 を 達 成 するた めには 生 産 性 の 向 上 や 働 き 方 改 革 を 進 め 新 市 場 の 開 拓 や 国 内 の 需 要 を 高 めるとと もに 国 地 方 が 一 体 となって 強 力 な 地 域 経 済 対 策 を 講 じていくことが 必 要 である 平 成 28 年 6 月 2 日 に 閣 議 決 定 された 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2016 ( 以 下 骨 太 の 方 針 という )では 成 長 と 分 配 の 好 循 環 を 全 国 津 々 浦 々まで 波 及 さ せ 人 口 減 少 と 地 域 経 済 の 縮 小 の 悪 循 環 に 歯 止 めをかけ 将 来 にわたって 成 長 力 を 確 保 するため 地 域 が 持 つ 魅 力 を 最 大 限 引 き 出 し 国 地 方 において 官 民 の 総 力 を 挙 げ て 地 方 創 生 を 本 格 展 開 することとされている 地 方 創 生 なくして 一 億 総 活 躍 社 会 の 実 現 はない 我 々 地 方 も 自 主 性 と 主 体 性 をも って 地 域 経 済 の 活 性 化 及 び 地 方 創 生 に 全 力 を 挙 げて 取 り 組 み 地 方 創 生 を 日 本 創 成 に つなげていくという 強 い 決 意 と 覚 悟 をもって 臨 んでいる 平 成 28 年 6 月 2 日 に 閣 議 決 定 された まち ひと しごと 創 生 基 本 方 針 2016 では 地 方 創 生 の 本 格 展 開 に 向 けて 各 分 野 の 政 策 の 推 進 地 域 特 性 に 応 じた 戦 略 の 推 進 多 様 な 地 方 支 援 の 推 進 の3つの 基 本 方 向 により 施 策 の 一 層 の 推 進 を 図 って いくこととされたが 今 後 国 地 方 産 学 官 金 労 言 などあらゆる 主 体 が 人 口 減 少 の 危 機 感 と 地 方 創 生 の 意 義 を 共 有 し 地 域 社 会 が 抱 える 構 造 的 な 課 題 に 対 し 一 体 的 に 取 り 組 むことが 必 要 である また 構 造 的 な 課 題 の 解 決 には 長 期 間 にわたる 取 組 みが 必 要 であり そのための 恒 久 財 源 を 確 保 し 地 方 創 生 の 取 組 みを 息 長 く 支 援 すべ きである - 28 -

(1) まち ひと しごと 創 生 事 業 費 の 拡 充 地 方 創 生 は 地 方 版 総 合 戦 略 の 策 定 段 階 から 本 格 的 な 地 方 創 生 事 業 推 進 の 段 階 へ 移 行 するなかで 地 方 がその 実 情 に 応 じた 息 の 長 い 取 組 みを 継 続 的 かつ 主 体 的 に 進 めていくために 平 成 28 年 度 地 方 財 政 計 画 に 計 上 された まち ひと しごと 創 生 事 業 費 (1 兆 円 )を 拡 充 し 地 方 の 安 定 的 な 財 政 運 営 に 必 要 な 地 方 一 般 財 源 を 十 分 に 確 保 すべきである (2) 地 方 創 生 推 進 交 付 金 の 拡 充 及 び 弾 力 的 な 運 用 地 方 一 般 財 源 総 額 の 確 保 に 加 え 地 方 創 生 の 取 組 みを 深 化 させるための 交 付 金 については 平 成 28 年 度 当 初 予 算 において 地 方 創 生 推 進 交 付 金 (1,000 億 円 国 1/2)が 創 設 され 地 方 負 担 についても まち ひと しごと 創 生 事 業 費 とは 別 に 地 方 財 政 措 置 を 講 ずることとされたほか 平 成 27 年 度 補 正 予 算 において 地 方 創 生 加 速 化 交 付 金 (1,000 億 円 国 10/10)が 措 置 されたところである 今 後 地 方 創 生 は 本 格 展 開 の 時 期 に 入 り 地 方 版 総 合 戦 略 に 基 づく 施 策 や 事 業 を 安 定 的 継 続 的 に 推 進 する 必 要 があること 交 付 金 に 対 する 地 方 の 期 待 が 極 めて 高 いことなどから 交 付 金 の 内 容 や 規 模 について 地 方 の 意 見 等 を 十 分 に 踏 まえる 形 で 拡 充 すべきである 特 に 東 京 一 極 集 中 加 速 化 の 是 正 のための 地 方 への 人 材 還 流 や 働 き 方 改 革 ローカル アベノミクスを 実 現 し 名 目 GDP600 兆 円 達 成 等 に 向 け 緊 急 的 に 対 応 するための 必 要 な 財 源 について 平 成 28 年 度 の 補 正 予 算 での 対 応 を 検 討 すべきである 地 方 創 生 推 進 交 付 金 等 については 事 業 内 容 を 公 表 して 目 標 管 理 を 適 切 に 行 うなど 地 方 団 体 が 責 任 を 負 う 一 方 で 交 付 金 の 趣 旨 に 沿 った 事 業 を 行 う 場 合 に は 地 方 団 体 ごとの 交 付 金 額 の 上 限 設 定 などの 制 約 を 大 胆 に 排 除 するほか 施 設 整 備 事 業 等 についても ソフト 施 策 と 一 体 となって 産 業 振 興 や 地 域 活 性 化 等 に 特 に 十 分 な 効 果 が 見 込 まれる 場 合 には 要 件 を 大 幅 に 緩 和 するなど 地 方 において より 使 い 勝 手 のよいものとすべきである また 地 方 創 生 関 連 補 助 金 等 についても 新 たな 発 想 や 創 意 工 夫 を 活 かせるよ う 要 件 の 緩 和 など 弾 力 的 な 取 扱 いを 行 うべきである 2 人 口 減 少 対 策 等 に 資 する 新 たな 税 財 政 措 置 昨 年 閣 議 決 定 された 経 済 財 政 運 営 と 改 革 の 基 本 方 針 2015 において 定 められた 経 済 財 政 再 生 計 画 では 低 所 得 若 年 層 子 育 て 世 代 の 活 力 維 持 と 格 差 の 固 定 化 防 止 のための 見 直 し 働 き 方 稼 ぎ 方 への 中 立 性 公 平 性 の 確 保 世 代 間 世 代 内 の 公 平 の 確 保 など 経 済 社 会 の 構 造 変 化 を 踏 まえた 税 制 の 構 造 的 な 見 直 しを 早 期 に 行 うこと とされている - 29 -

一 方 人 口 移 動 の 面 では 平 成 27 年 の 東 京 圏 への 転 入 超 過 数 が 約 12 万 人 ( 前 年 比 約 1 万 人 増 )となり4 年 連 続 で 増 加 するなど 東 京 一 極 集 中 の 傾 向 が 加 速 している 今 後 少 子 化 等 の 厳 しい 現 状 を 抜 本 的 に 改 善 し 地 方 創 生 を 推 進 していくため 子 どもが 多 いほど 有 利 になる 制 度 子 育 て 等 に 伴 う 経 済 的 負 担 の 軽 減 に 資 する 制 度 の 創 設 など これまでにない 新 たな 仕 組 みが 必 要 であり 三 世 代 同 居 近 居 の 促 進 所 得 税 住 民 税 における 配 偶 者 控 除 や 扶 養 控 除 のあり 方 など 少 子 化 対 策 に 資 する 税 制 に ついて 幅 広 く 検 討 すべきである この 際 地 方 の 行 政 サービスを 支 えるための 自 主 財 源 を 充 実 確 保 することを 前 提 として 検 討 を 進 めるべきである さらに 少 子 化 対 策 の 抜 本 強 化 に 向 け 段 階 的 な 幼 児 教 育 保 育 料 無 償 化 不 妊 治 療 への 支 援 の 拡 充 無 利 子 奨 学 金 の 充 実 多 様 な 保 育 サービスの 拡 充 子 どもの 医 療 費 助 成 に 係 る 国 民 健 康 保 険 の 国 庫 負 担 減 額 調 整 措 置 の 速 やかな 廃 止 等 を 図 るととも に 地 域 少 子 化 対 策 重 点 推 進 交 付 金 の 平 成 29 年 度 当 初 予 算 での 規 模 拡 大 と 運 用 の 弾 力 化 や 子 ども 子 育 て 支 援 新 制 度 の 完 全 実 施 に 向 けた1 兆 円 超 の 財 源 確 保 など 子 育 て 支 援 の 充 実 を 図 るべきである 併 せて 貧 困 の 世 代 間 連 鎖 を 断 ち 切 るため ひとり 親 家 庭 への 支 援 策 の 拡 充 や 給 付 型 奨 学 金 の 創 設 等 による 教 育 費 負 担 の 軽 減 地 域 子 供 の 未 来 応 援 交 付 金 の 恒 久 化 と 運 用 の 弾 力 化 など 子 どもの 貧 困 対 策 の 更 なる 充 実 強 化 を 図 るべきである また 平 成 28 年 度 税 制 改 正 では 東 京 圏 から 地 方 へ 本 社 機 能 の 移 転 等 を 行 う 企 業 に 対 して 税 制 上 の 優 遇 措 置 を 講 ずる 地 方 拠 点 強 化 税 制 について 雇 用 促 進 税 制 と 所 得 拡 大 促 進 税 制 の 併 用 を 可 能 とする 制 度 の 拡 充 が 行 われ また 地 方 創 生 応 援 税 制 ( 企 業 版 ふるさと 納 税 ) も 創 設 され 地 方 創 生 の 推 進 に 資 する 税 制 の 充 実 が 図 られ たところである 東 京 一 極 集 中 の 是 正 に 向 けて 地 方 拠 点 強 化 税 制 の 更 なる 拡 充 も 含 めた 企 業 の 地 方 移 転 の 促 進 地 方 への 定 住 半 定 住 の 促 進 など 地 方 への 人 の 流 れをつくるため の 税 財 政 制 度 について 幅 広 く 検 討 すべきである 3 ふるさと 納 税 及 び 企 業 版 ふるさと 納 税 の 運 用 ふるさとに 対 し 貢 献 又 は 応 援 したいという 納 税 者 の 思 いを 実 現 する 観 点 から 創 設 された ふるさと 納 税 制 度 については その 積 極 的 な 活 用 により 地 域 に 対 する 関 心 や 愛 着 を 深 め 交 流 人 口 拡 大 等 のきっかけとして 地 域 活 性 化 や 人 口 減 少 対 策 に 資 す る 効 果 もあるが 返 礼 品 ( 特 典 )の 送 付 については 引 き 続 き 制 度 本 来 の 趣 旨 経 済 的 利 益 の 無 償 の 供 与 であることを 前 提 にふるさと 納 税 に 係 る 寄 附 金 に 通 常 の 寄 附 金 控 除 に 加 えて 特 別 控 除 が 適 用 される 仕 組 みであること 等 を 踏 まえ 節 度 ある 運 用 と すべきである - 30 -

また 平 成 28 年 度 税 制 改 正 において 創 設 された 地 方 創 生 応 援 税 制 ( 企 業 版 ふるさ と 納 税 ) については 国 地 方 団 体 のみならず 企 業 が 寄 附 を 通 じて 地 方 創 生 に 参 画 することにより 地 方 創 生 を 持 続 可 能 な 取 組 みとするものであり 企 業 による 創 業 地 などへの 貢 献 や 地 方 創 生 に 取 り 組 む 地 方 団 体 のインセンティブとなると 期 待 できる が 寄 附 を 行 う 企 業 に 対 する 代 償 としての 経 済 的 利 益 の 供 与 の 禁 止 など 引 き 続 きモ ラルハザードにならないようにするとともに 地 方 の 自 主 性 と 主 体 性 を 尊 重 し 弾 力 的 に 運 用 するなど 実 効 性 のある 制 度 運 用 に 努 めるべきである 4 魅 力 あふれる 地 域 づくりのための 税 財 源 措 置 (1)スポーツ 文 化 施 策 への 財 源 措 置 まち ひと しごと 創 生 総 合 戦 略 の 計 画 期 間 直 後 に 開 催 される2020 年 東 京 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 等 を 見 据 え 同 大 会 に 関 連 して 行 われる 事 前 キャンプや 文 化 プログラム 等 を 各 地 方 津 々 浦 々で 開 催 することは 地 方 創 生 の 一 層 の 推 進 に 資 することから 地 方 がその 実 情 に 応 じ 拠 点 となる 公 立 スポーツ 文 化 施 設 の 機 能 向 上 や 建 替 等 を 図 ることができるよう 特 別 な 地 方 債 の 発 行 とその 元 利 償 還 金 に 対 する 交 付 税 措 置 を 客 観 的 かつ 公 平 な 基 準 等 に 基 づき 行 う 新 たな 制 度 を 創 設 すべきである また 地 方 が 文 化 資 源 を 最 大 限 に 活 かした 主 体 的 な 文 化 プログラムに 取 り 組 める よう 宝 くじを 活 用 した 新 たな 財 源 の 確 保 などについて 幅 広 く 検 討 すべきである (2) 観 光 先 進 国 への 挑 戦 に 向 けた 新 たな 税 財 源 措 置 国 においては 観 光 を 我 が 国 の 基 幹 産 業 へと 成 長 させ 観 光 先 進 国 に 挑 戦 し ていくため 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 の 目 標 を2020 年 に4,000 万 人 2030 年 に6,000 万 人 とするなど 従 来 の 目 標 を 大 幅 に 前 倒 しし かつ 質 の 高 い 観 光 交 流 を 加 速 させる こととしている 特 に 2020 年 東 京 オリンピック パラリンピック 競 技 大 会 の 開 催 等 により 訪 日 外 国 人 旅 行 者 数 の 大 幅 な 増 加 も 見 込 まれるところである このような 状 況 を 踏 まえ 観 光 を 地 方 創 生 につなげていくためには 地 方 への 外 国 人 旅 行 者 の 訪 問 の 増 大 はもとより 日 本 人 国 内 旅 行 消 費 の 拡 大 が 必 要 であり 地 方 においても 積 極 的 に 取 り 込 むための 環 境 整 備 など 新 たな 行 政 需 要 が 発 生 して いることから 地 方 における 観 光 施 策 の 実 施 のため 必 要 かつ 十 分 な 新 たな 税 財 源 を 確 保 する 措 置 を 講 ずるべきである 5 国 家 戦 略 としての 政 府 関 係 機 関 の 地 方 移 転 政 府 は 地 方 への 新 しいひとの 流 れをつくる 方 針 のもと 政 府 関 係 機 関 の 地 方 移 転 を 検 討 してきたが 本 年 3 月 にまち ひと しごと 創 生 本 部 において 政 府 関 係 機 関 移 転 基 本 方 針 を 決 定 し 研 究 機 関 研 修 機 関 等 については 23 機 関 を 対 象 に50 件 の - 31 -