被 災 住 宅 再 建 にかかる 公 的 支 援 と 民 間 共 済 保 険 の 役 割 について ( 社 ) 農 協 共 済 総 合 研 究 所 上 席 専 門 職 わた 渡 べ 部 ひで 英 ひろ 洋 目 次 はじめに 1. 住 宅 再 建 への 公 的 支 援 制 度 の 経 過 と 課 題 (1) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 を 巡 る 議 論 (2) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 の 成 立 と 経 過 (3) 東 日 本 大 震 災 発 生 により 顕 在 化 した 課 題 (4) 福 祉 的 性 格 の 生 活 再 建 支 援 金 と 民 間 共 済 保 険 との 関 連 2. 将 来 的 な 住 宅 再 建 に 関 する 公 的 支 援 民 間 の 役 割 (1) 効 率 的 な 税 負 担 のための 公 的 支 援 の 方 向 性 (2) 民 間 地 震 共 済 保 険 分 野 のあり 方 (3) 民 間 地 震 共 済 保 険 のイメージ 3. 現 行 枠 組 みを 前 提 とした 公 的 支 援 を 受 け る 地 震 担 保 の 要 件 4. 共 済 と 保 険 の 特 性 と 公 的 支 援 おわりに はじめに 災 害 リスクの 大 きいわが 国 においては 被 災 者 に 対 する 支 援 策 として 様 々な 公 的 支 援 制 度 が 導 入 拡 充 されてきている 災 害 救 助 法 による 仮 設 住 宅 の 供 与 などの 現 物 支 援 などに 加 え 災 害 弔 慰 金 支 給 法 による 弔 慰 金 ( 生 計 維 持 者 死 亡 時 500 万 円 ) 障 害 見 舞 金 ( 生 計 維 持 者 重 度 障 害 時 250 万 円 ) 住 宅 の 被 害 程 度 再 建 方 法 に 応 じて 支 給 する 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 などの 現 金 支 援 が 導 入 されてきた( 図 1に 自 助 共 助 部 分 を 含 め た 全 体 像 ) しかし 東 日 本 大 震 災 においては 被 害 が 広 範 囲 に 及 び 支 援 支 給 規 模 が 立 法 当 時 の 想 定 を 大 きく 上 回 るものとなり 特 例 的 な 予 算 立 法 措 置 等 が 採 られている 状 況 にある とりわけ 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 につ いては 都 道 府 県 と 国 の 負 担 を 折 半 とする 原 則 に 基 づく 第 1 次 補 正 予 算 では 対 応 できず 平 成 23 年 7 月 29 日 公 布 施 行 の 第 2 次 補 正 予 算 で 国 の 補 助 率 を80%に 引 き 上 げ 3,000 億 円 を 措 置 したところである これらが 被 災 者 の 災 害 復 旧 に 大 きな 支 援 と なることが 望 まれるが 将 来 的 な 視 点 から 考 慮 した 場 合 巨 大 地 震 の 発 生 の 可 能 性 等 が 議 論 されている 中 で 制 度 論 的 な 観 点 からの 冷 静 な 検 討 が 必 要 となろう また 公 的 支 援 が 強 まることで 地 震 による 住 宅 損 害 を 保 障 する 民 間 の 共 済 保 険 への 加 入 や 耐 震 化 という 事 前 の 自 助 努 力 を 阻 害 することにならないかと いう 問 題 がある これらの 視 点 から 本 稿 では 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 を 中 心 とした 公 的 支 援 制 度 と 民 間 共 済 保 険 の 関 わり 方 を 考 えるこ ととしたい なお 本 稿 は 被 災 者 の 生 活 再 建 に 関 して 30
( 図 1) 自 然 災 害 による 被 災 者 への 支 援 の 全 体 像 ( 出 典 ) 被 災 者 に 対 する 国 の 支 援 のあり 方 に 関 する 検 討 会 ( 第 1 回 ) 平 成 23 年 2 月 3 日 資 料 より 公 的 支 援 民 間 の 役 割 という 観 点 から 将 来 的 なあり 方 として 考 えられる 方 向 性 も 示 しており その 他 にも 意 見 の 記 述 部 分 がある が いずれも 個 人 の 責 任 として 執 筆 したもの である 1. 住 宅 再 建 への 公 的 支 援 制 度 の 経 過 と 課 題 (1) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 を 巡 る 議 論 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 の 現 状 課 題 を 考 えるにあたり まず 制 度 の 発 足 経 過 を 概 観 することとする 当 制 度 は 1995( 平 成 7) 年 の 阪 神 淡 路 大 震 災 に 端 を 発 する それまでは 仮 設 公 営 住 宅 等 の 現 物 給 付 による 被 災 者 支 援 が 中 心 であ ったが 同 震 災 では 手 持 ち 資 金 不 足 から 自 宅 再 建 できず 遠 隔 地 の 公 営 住 宅 にしか 住 居 を 確 保 できない 被 災 者 が 多 く 発 生 した とされ 現 金 給 付 の 拡 充 を 求 める 動 きが 出 てきたとい う 事 情 にある 当 初 政 府 としても 私 有 財 産 に 関 しては 私 有 財 産 制 のもとでは 個 人 の 財 産 が 自 由 かつ 排 他 的 に 処 分 し 得 るかわりに 個 人 の 財 産 は 個 人 の 責 任 のもとに 維 持 することが 原 則 (1995( 平 成 7) 年 10 月 4 日 参 院 本 会 議 村 山 総 理 答 弁 )としていた 一 方 で 被 災 者 が 求 めているのは 生 活 基 盤 の 回 復 であって 失 われた 財 産 の 回 復 ではないことから 支 援 金 は 政 府 による 個 人 の 財 産 形 成 への 補 助 には 当 たらない という 意 見 や 大 規 模 災 害 時 の 住 宅 再 建 の 支 援 は 対 象 となる 行 為 そのものに 公 共 の 利 益 が 認 められること あるいはその 状 況 を 放 置 することにより 社 会 の 安 定 の 維 持 に 著 しい 支 障 を 生 じるなどの 公 益 が 明 確 に 認 31
められるため その 限 りにおいて 公 的 支 援 を 行 うことが 妥 当 である という 提 言 もなされ ている(2000( 平 成 12) 年 12 月 被 災 者 の 住 宅 再 建 支 援 のあり 方 に 関 する 検 討 委 員 会 報 告 書 ) 防 災 体 制 の 強 化 に 関 する 提 言 (2002( 平 成 14) 年 7 月 中 央 防 災 会 議 )では 行 政 と しては ( 中 略 ) 真 に 支 援 が 必 要 な 者 に 対 し ( 中 略 ) 総 合 的 な 居 住 確 保 を 支 援 していくこ とが 重 要 とした 上 で 生 活 様 式 の 多 様 化 等 を 踏 まえて 現 物 支 給 について 支 給 内 容 の 充 実 多 様 化 現 金 制 度 の 活 用 など 多 様 な 支 援 施 策 を 提 示 するべきとした あわせて 同 提 言 では 私 有 財 産 である 個 人 の 住 宅 が 全 半 壊 した 場 合 に その 財 産 の 損 失 補 てんを 公 費 で 行 うことは 持 家 世 帯 と 借 家 世 帯 との 公 平 性 が 確 保 されるか 自 助 努 力 で 財 産 の 保 全 を 図 る 意 欲 を 阻 害 しないかなどの 問 題 があ る これに 対 する 備 えとしては 地 震 保 険 や 共 済 制 度 への 加 入 により 対 処 することが 基 本 としている (2) 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 の 成 立 と 経 過 以 上 のような 議 論 がなされる 状 況 下 におい て 1998( 平 成 10) 年 に 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 が 成 立 した 経 済 的 理 由 等 により 自 立 再 建 が 困 難 な 者 に 対 して 支 給 されるものであ り 1 自 然 災 害 によって 住 宅 が 全 壊 倒 壊 防 止 等 のために 解 体 が 必 要 になった 世 帯 2 災 害 が 継 続 し 長 期 に 亘 って 居 住 不 可 能 な 状 態 が 継 続 することが 見 込 まれる 世 帯 に 対 して 年 収 に 応 じて 最 大 100 万 円 が 支 給 されること となった 個 人 補 償 ( 住 宅 再 建 支 援 )はしない と の 原 則 は 維 持 されたことになるが 附 則 にお いて 住 宅 再 建 支 援 のあり 方 については 総 合 的 見 地 から 継 続 的 に 検 討 することとされた し かし 国 の 議 論 の 結 論 を 待 たず 被 災 した 自 治 体 を 中 心 に 住 宅 再 建 費 用 を 補 てんする 独 自 の 支 援 制 度 を 設 定 する 動 きが 広 がることとな った このような 流 れを 受 け 2004( 平 成 16) 年 に 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 が 改 正 された 年 齢 年 収 要 件 は 継 続 し 全 壊 に 加 えて 大 規 模 半 壊 も 対 象 とし 住 宅 の 解 体 費 生 活 必 需 品 の 購 入 費 などの 実 費 を 最 高 300 万 円 まで 支 給 するものであった しかし 前 述 の 原 則 から 住 宅 本 体 の 建 築 修 理 費 は 支 援 対 象 からはずされ 実 費 精 算 手 続 きの 煩 雑 さとともに 制 度 目 的 を 達 成 す るための 機 能 が 発 揮 されていない などの 不 満 が 全 国 知 事 会 などから 多 く 出 されることと なった このため 2007( 平 成 19) 年 に 改 正 され 1 実 費 精 算 方 式 が 渡 し 切 り 方 式 に 改 めら れ 住 宅 本 体 の 再 建 を 含 め 使 途 を 制 限 しな い 2 支 給 額 は 住 宅 の 損 壊 程 度 と 再 建 方 法 の みでの 定 額 3 年 齢 年 収 要 件 の 撤 廃 が 行 わ れ 現 在 に 至 っている この 改 正 後 も 各 方 面 から 支 給 限 度 額 の 引 上 げや 半 壊 世 帯 の 対 象 化 が 実 現 されなかった ことへの 意 見 が 出 され 改 正 時 の 付 帯 決 議 で も 支 援 金 の 支 給 限 度 額 については 被 災 者 の 住 宅 再 建 に 対 する 意 欲 に 十 分 応 えうるよ う 今 後 の 実 績 等 を 踏 まえ 引 き 続 き 検 討 す ること 本 法 施 行 後 四 年 を 目 途 として 32
< 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 の 現 行 内 容 ( 概 要 )> 1 支 援 の 対 象 となる 自 然 災 害 住 宅 全 壊 被 害 世 帯 数 が 市 町 村 都 道 府 県 単 位 で 一 定 数 以 上 となること 等 の 要 件 あり 2 対 象 となる 被 災 世 帯 と 支 給 額 ( 基 礎 支 援 金 ) 住 宅 の 被 害 程 度 に 応 じて 支 給 ⅰ 住 宅 が 全 壊 100 万 円 ⅱ 住 宅 が 半 壊 等 により 解 体 100 万 円 ⅲ 住 宅 が 居 住 不 能 で 長 期 避 難 100 万 円 ⅳ 住 宅 が 半 壊 し 大 規 模 補 修 要 50 万 円 ( 加 算 支 援 金 ) 住 宅 の 再 建 方 法 に 応 じて 支 給 ⅰ 建 設 購 入 200 万 円 ⅱ 補 修 100 万 円 ⅲ 賃 借 ( 公 営 住 宅 以 外 ) 50 万 円 3 基 金 と 国 の 補 助 被 災 者 生 活 再 建 支 援 法 人 ( 財 団 法 人 都 道 府 県 会 館 )が 都 道 府 県 が 相 互 扶 助 の 観 点 から 拠 出 した 基 金 を 活 用 し 支 援 金 を 支 給 基 金 が 支 給 する 支 援 金 の1/2に 相 当 す る 額 を 国 が 補 助 ( 資 料 筆 者 作 成 ) 対 象 及 び 負 担 のあり 方 を 含 め 制 度 の 見 直 し などの 総 合 的 な 検 討 を 加 えること とされて いる 一 方 で 国 地 方 の 財 政 の 逼 迫 状 況 下 での 税 金 を 財 源 とする 制 度 の 是 非 論 や 事 前 対 策 自 助 努 力 を 損 なうこと 耐 震 対 策 の 有 無 建 物 強 度 に 関 係 なく 被 害 状 況 に 応 じた 定 額 払 い を 行 うことの 不 公 平 性 等 が 指 摘 されてきたこ とも 事 実 である (3) 東 日 本 大 震 災 発 生 により 顕 在 化 した 課 題 - 支 払 の 巨 額 化 と 支 援 対 象 の 妥 当 性 - 上 記 の 付 帯 決 議 を 受 けた 検 討 を 行 うため 内 閣 府 において 被 災 者 に 対 する 国 の 支 援 の あり 方 に 関 する 検 討 会 が 設 置 され 2011 ( 平 成 23) 年 2 月 3 日 に 第 1 回 が 開 催 された その 直 後 に 東 日 本 大 震 災 が 発 生 し その 被 災 状 況 を 踏 まえた 議 論 を 行 う 必 要 から 第 2 回 が 再 開 されたのは 同 年 12 月 22 日 となった まず 東 日 本 大 震 災 での 支 援 金 の 支 給 総 額 ( 注 1) が 平 成 23 年 7 月 時 点 で4,400 億 円 程 度 に 達 すると 見 込 まれた 全 都 道 府 県 が 拠 出 し た 基 金 残 高 が 平 成 21 年 度 末 で538 億 円 であり 国 との 負 担 が 折 半 という 原 則 に 基 づき 23 年 度 第 1 次 補 正 予 算 で520 億 円 を 手 当 てした さらに 東 日 本 大 震 災 に 限 り 国 の 補 助 率 を 80%とする 特 例 措 置 を 設 け 第 2 次 補 正 予 算 において3,000 億 円 を 追 加 計 上 することとな った さらに その 上 で なお 地 方 負 担 となる 880 億 円 について 国 が 特 別 交 付 税 で 手 当 て することが 決 まっている342 億 円 を 除 き 残 りの538 億 円 ( 基 金 残 高 分 )も 政 府 が95%を 実 質 的 に 負 担 する 全 国 知 事 会 の 求 めに 応 じ た ( 平 成 23 年 7 月 21 日 朝 日 )とされ 実 質 ほぼ 全 額 を 国 が 負 担 することとなった このように 都 道 府 県 の 脆 弱 な 基 金 残 高 規 模 から 支 払 額 のほとんどを 国 庫 負 担 とする という 特 別 措 置 が 講 じられた 結 果 制 度 の 目 的 が 安 定 的 に 機 能 し 被 災 地 域 の 復 旧 に 多 大 な 貢 献 ができていることは 大 いに 評 価 できる 点 といえる その 一 方 で 今 回 の 未 曾 有 の 災 害 を 教 訓 と して 今 後 の 巨 大 災 害 発 生 時 の 損 害 規 模 につ いては 表 1の 数 値 により 従 来 の 想 定 より ( 注 1) 地 方 自 治 体 における 諸 手 続 きが 遅 延 せざるを 得 ない 状 況 や 未 だに 仮 設 住 宅 等 での 避 難 生 活 者 が 多 く 移 転 計 画 も 未 定 のため 再 建 方 法 が 未 確 定 であること 等 によって 額 の 確 定 にはなお 時 間 を 要 する 33
表1 東日本大震災と今後発生が見込まれる地震との 建物被害の比較 地震名 建物被害 地震の概要 出典 全壊 発生日時等 被害想定の前提条件 東北地方太平洋沖地震 東日本大震災 発生日時 H23.3.11 14:46 約12万棟 1 震源及び規模 推定 三陸沖 深さ24km Mw9.0 首都直下地震 H17. 2月被害想定 被害想定の前提条件 約85万棟 東京湾北部地震 Mw7.3 冬夕方18時 風速15m/s 東海 東南海 南海地震 約94万棟 H15. 9月被害想定 2 被害想定の前提条件 想定東海地震 東南海地震 南海地震の震源域が同時に 3 破壊される場合 Mw8.7 冬夕方18時 風速15m/s 1 平成23年 2011年 東北地方太平洋沖地震 東日本大震災 について 緊急災害対策本部 2 中央防災会議 首都直下地震対策専門調査会 第15回資料 3 中央防災会議 東南海 南海地震等に関する専門調査会 第14回資料 出典 被災者に対する国の支援のあり方に関する検討 会 第2回 平成23年12月22日 資料 が取られない場合 238万棟が全壊 焼失 するという試算であり その場合は10兆円 水準の支給規模となる このような給付の巨額化の問題に加え 東 日本大震災において特に顕在化した点として は 生活再建支援の給付が 住宅建物 の損 壊程度と再建の面に偏っている点にある す なわち 東日本大震災では特に 以前の災害 でも課題となってきたものであるが 避難が 長期に亘る場合の生活費の負担とともに 生 業など就労機会の喪失なども深刻な問題とな った 相当に大きく見積もられ 今回のように国庫 東日本大震災以降 災害対策にかかる各検 の負担での対応が可能か懸念される状況にあ 討会で様々な議論がなされているが このよ る うに 住宅の復旧等に重点が置かれた現行の 表1の全壊建物想定件数によれば 仮に 支給方式を再検討し より支援が必要な分 首都直下 三連動地震が同時期に発生した場 野 段階を体系的に整理する必要性が提言さ 合 給付要件 内容が現行のままという前提 れている 注2 これは 日本の災害対策制 で 東日本大震災の179万棟 12万棟 約15 度は 制度上各省庁の法律がばらばらに組み 倍を想定する必要があり 被災者生活再建支 入れられており 災害対策全体の調整が不十 援金は数兆円の支給規模となる計算である 分なまま 災害のたびに新たな救済制度が拡 充してきた 注3 ことも一因と指摘されて 本年8月29日の内閣府の公表によれば 南 いる 海トラフ沿いで起こりうる最大規模の地 震 津波が 冬の午後6時の時間帯に起き 以上のような支払の巨額化の懸念や 総合 る最悪のケースを想定すると 減災対策 的 体系的な支援制度の構築が必要な現状か 注2 被災者への救難 救助から生活再建 自立までの支援を実施することを目的として 災害対策基本法等で各段階における 支援内容を体系的に提示することが必要ではないか なお 被災者生活再建支援法においては 住宅の復旧を念頭に置 いた規定となっている 内閣府 災害対策法制のあり方に関する研究会 中間論点整理 平成23年12月6日 抜粋 現行の災害対策基本法においては 被災者に対する応急 復旧 復興の各段階における支援内容が 応急段階の一部を除 き 規定されていない また 被災者生活再建支援法は 居住する 家 に着目して支援を行うものとなっている しかしながら 本震災を踏まえれば 被災者に対して 就労面なども含めた幅広い 生活 支援が必要とされているとい える 内閣府 被災者に対する国の支援のあり方に関する検討会中間整理 平成24年3月 抜粋 注3 内閣府経済社会総合研究所 経済学的視点を導入した災害政策体系のあり方に関する研究 報告 平成21年3月 佐 藤主光 宮崎毅ほか 以下 佐藤ほか報告書 P 137より抜粋 34 共済総合研究 第65号 社団法人 農協共済総合研究所 http://www.nkri.or.jp/
ら 前 回 改 正 時 の 付 帯 決 議 に 基 づく 限 度 額 引 上 げ や 対 象 損 害 の 拡 大 ( 半 壊 等 ) 等 の 支 出 増 につながる 議 論 は 慎 重 に 検 討 すべき と 考 えられる 特 に 災 害 が 巨 大 化 するほど 国 の 負 担 が( 特 別 交 付 税 等 の 形 で) 増 加 し 東 日 本 大 震 災 では 実 質 全 額 を 国 が 負 担 すること となり 結 局 政 府 が 助 けてくれる とい うシグナルを 人 々に 送 り 事 前 の 自 助 努 力 ( 地 震 共 済 保 険 加 入 住 宅 の 耐 震 化 等 )の 誘 因 を 損 ねかねない ( 注 4) この 点 は 本 来 の 制 度 の 根 幹 ( 都 道 府 県 が 相 互 扶 助 の 観 点 から 拠 出 した 基 金 による 支 援 制 度 であり 国 庫 による 補 助 は1/2まで) が 変 質 することになり 都 道 府 県 の 防 災 努 力 の 阻 害 要 因 (= 災 害 時 の 損 害 の 巨 大 化 要 因 ) ともなる 他 の 災 害 時 の 見 舞 金 的 性 格 を 持 つ 支 援 金 との 比 較 でも 少 ない 額 ではなく 定 額 渡 し 切 り 方 式 では 支 援 の 必 要 度 の 低 い 人 々( 自 己 再 建 が 可 能 な 富 裕 層 等 )に 対 して も 支 払 うこととなる 側 面 もある 結 果 的 に 国 地 方 自 治 体 トータルとしての 災 害 対 策 費 が 膨 れ 上 がる 結 果 も 想 定 され 財 政 面 からの 社 会 保 障 費 負 担 や 電 気 料 金 の 増 嵩 など 個 々 人 の 税 負 担 等 が 増 していく 中 で 一 般 税 の 負 担 による 個 人 資 産 再 建 への 給 付 の 妥 当 性 が 従 来 以 上 に 慎 重 に 議 論 される 必 要 があ ろう (4) 福 祉 的 性 格 の 生 活 再 建 支 援 金 と 民 間 共 済 保 険 との 関 連 前 述 したように 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 は 阪 神 淡 路 大 震 災 に 端 を 発 する 当 時 地 震 保 険 の 火 災 保 険 への 付 帯 率 は 低 く 震 災 前 年 度 ( 平 成 5 年 度 ) 末 の 全 世 帯 における 地 震 保 険 の 加 入 率 は 約 7%( 全 国 計 )と 地 震 保 険 発 足 以 来 最 低 水 準 となっていた このた め 多 くの 被 災 者 が 無 保 険 者 であったことが 制 度 発 足 への 動 きを 強 めることとなった (そ の 後 も 地 震 保 険 の 普 及 が 十 分 に 進 まず 地 震 発 生 の 都 度 各 地 方 自 治 体 独 自 で 住 宅 再 建 の 見 舞 金 制 度 が 設 定 され 全 国 統 一 制 度 として の 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 の 改 定 の 誘 因 とな ったのも 前 述 のとおりである ) このような 民 間 地 震 共 済 保 険 の 保 障 内 容 は 復 旧 額 の 全 額 をてん 補 できる 水 準 ではなく また 保 険 料 負 担 の 関 係 等 から これらを 補 完 する 位 置 づけとして 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 が 機 能 することの 意 義 は 肯 定 できるものであ る また 個 人 資 産 の 復 旧 が 目 的 であっても 生 活 再 建 に 最 低 限 必 要 な 水 準 の 給 付 は 一 般 税 からの 捻 出 といえども 生 活 保 障 論 の 立 場 か ら 法 律 論 的 にも 了 解 されるというのが 一 般 的 な 考 え 方 である 同 支 援 金 は 一 般 税 から 積 み 立 てる 基 金 を 原 資 とするいわば 福 祉 的 な 性 格 の 給 付 であり 所 得 の 再 分 配 機 能 を 持 つと 解 することもでき 地 域 復 興 施 策 の 一 環 とし ての 役 割 も 持 つといえる しかしながら 個 人 資 産 の 損 害 の 保 障 は 税 金 を 拠 りどころとする 制 度 でなく 事 前 の 共 済 保 険 加 入 による 自 助 努 力 が 基 本 であるこ とはいうまでもない(< 他 国 の 制 度 の 現 状 > 参 照 ) < 他 国 の 制 度 の 現 状 >- 保 険 方 式 が 大 勢 - 以 下 のとおり 諸 外 国 においても 保 険 方 式 でなく わが 国 の 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 ( 注 4) 佐 藤 ほか 報 告 書 P.6 35
と 同 様 全 額 税 負 担 による 補 償 方 式 が 設 け られている 場 合 があるが 給 付 対 象 には 条 件 がある ( 参 考 文 献 : 高 橋 康 文 著 地 震 保 険 制 度 ( 平 成 24 年 1 月 刊 )) メキシコ 自 然 災 害 基 金 民 間 の 自 然 災 害 保 険 に 加 入 できない 低 所 得 者 および 公 共 物 を 対 象 とした 国 家 補 償 制 度 ノルウェー 自 然 災 害 支 援 国 家 基 金 民 間 の 自 然 災 害 保 険 の 対 象 となる 範 囲 の 被 害 や 被 害 額 については 保 険 加 入 の 有 無 にかかわらず 補 償 されない このように 給 付 には 条 件 があり わが 国 のように 一 定 規 模 の 災 害 における 全 ての 被 災 者 に 対 し 民 間 共 済 保 険 への 加 入 の 有 無 に 関 係 なく 税 金 を 財 源 に 定 額 で 給 付 する 制 度 を 法 定 化 している 国 は 主 要 国 では 見 られない また アイスランドにおける 自 然 災 害 保 険 は 過 去 の 大 災 害 において 一 時 的 な 国 家 による 基 金 の 創 設 で 行 われていたものを 保 険 方 式 の 方 が 持 続 可 能 であるとして 創 設 され たものである このほかに 大 災 害 において 政 府 が 支 払 を 保 証 ( 一 部 は 無 限 )する 制 度 を 設 けている 国 があるが 政 府 出 資 法 人 等 に 再 保 険 が 前 提 で あるか 保 証 料 の 拠 出 を 国 が 受 けているか 自 然 災 害 リスクが 僅 少 である 国 のいずれかで ある 保 険 理 論 に 即 し 建 物 の 価 額 や 構 造 強 度 に 応 じて 保 障 金 額 を 個 別 に 定 め 共 済 掛 金 保 険 料 を 予 め 負 担 し 罹 災 時 に 共 済 保 険 金 を 受 け 取 る 原 則 が 優 先 であり 一 定 の 自 助 努 力 が 認 められる 場 合 に それを 条 件 として 必 要 最 小 限 の 福 祉 機 能 として 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 の 適 用 を 受 けられるようにするなどの 方 策 が 考 えられよう それによって 災 害 に あっても 国 が 面 倒 を 見 てくれる というモラ ルハザードを 防 止 でき トータルコストの 抑 制 も 可 能 となる この 考 え 方 をとれば 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 と 地 震 共 済 保 険 制 度 との 棲 み 分 けが 可 能 と なるが 両 者 については 保 障 水 準 の 低 さか ら( 損 害 てん 補 の 観 点 から 言 えば) 重 複 によ る 過 剰 給 付 の 問 題 は 実 質 生 じない しかし 民 間 の 住 宅 用 の 共 済 保 険 (JAの 建 物 更 生 共 済 や 損 保 の 主 力 タイプの 住 宅 火 災 保 険 など) は 地 震 以 外 の 自 然 災 害 ( 風 雪 水 害 等 )に ついても 保 障 しており しかもこれらの 災 害 は 直 近 では 実 損 てん 補 ( 損 害 額 の100% 保 障 ) 型 で 復 旧 修 理 費 以 外 の 諸 費 用 も 保 障 する ケースが 多 くなっている その 意 味 で 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 を 家 の 再 建 に 比 重 を 置 く 位 置 づけを 継 続 する 限 りにおいては 同 制 度 を 地 震 保 障 に 特 化 する(あるいは 地 震 以 外 の 給 付 を 削 減 する)ことにより 財 源 問 題 を 緩 和 する 方 向 性 もあり 得 るであろう 2. 将 来 的 な 住 宅 再 建 に 関 する 公 的 支 援 民 間 の 役 割 現 時 点 では 各 検 討 会 等 で 被 災 者 支 援 制 度 地 震 保 険 のあり 方 が 議 論 されており 中 間 的 な 整 理 として 当 面 の 方 向 性 を 整 理 する ための 論 点 等 が 公 表 されている 段 階 である ここでは 東 日 本 大 震 災 等 の 巨 大 災 害 を 教 訓 とし 抜 本 的 な 制 度 変 更 を 含 めた 将 来 的 な 方 向 性 あり 方 について 試 論 として 整 理 す ることとしたい 36
(1) 効 率 的 な 税 負 担 のための 公 的 支 援 の 方 向 性 被 災 者 に 対 する 国 の 支 援 のあり 方 に 関 す る 検 討 会 中 間 整 理 ( 平 成 24 年 3 月 )におい ては 被 災 者 に 対 する 支 援 金 のあり 方 につい て 前 述 のように 住 宅 被 害 のみを 支 給 要 件 と するのでなく 就 業 機 会 の 喪 失 や 生 活 費 の 保 障 など 真 に 被 災 者 の 自 立 支 援 生 活 再 建 に つながるよう 体 系 的 に 見 直 していくことも 考 えられるのではないかとしている また 今 後 発 生 すると 言 われる 巨 大 地 震 に 対 応 する ための 膨 大 な 費 用 の 負 担 が 最 終 的 に 国 民 負 担 ( 税 負 担 )となることも 念 頭 に 置 かなければ ならないとも 指 摘 している また 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 の 支 払 にあた っては 地 方 自 治 体 の 罹 災 証 明 および 被 害 認 定 事 務 に 基 づいているが 自 治 体 職 員 による 対 応 負 荷 の 限 界 や 各 自 治 体 ごとの 認 定 のば らつきが 生 じていることや 民 間 団 体 の 共 済 保 険 での 査 定 基 準 との 相 違 も 指 摘 されている ところである これらの 点 から 現 行 の 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 については 個 人 資 産 である 住 宅 の 損 壊 程 度 に 着 目 しての 再 建 支 援 としての 性 格 を 無 くすか あるいは 弱 めて 真 に 必 要 な 分 野 へ の 配 分 の 移 行 も 将 来 的 な 方 向 として 検 討 すべ きではないだろうか その 上 で 住 宅 再 建 保 障 は 基 本 的 に 住 宅 所 有 者 の 拠 出 する 掛 金 保 険 料 を 原 資 とする 民 間 の 地 震 共 済 保 険 分 野 に 委 ねる 方 向 にすることも 考 えられる 公 民 のいずれが 実 施 主 体 となるべきかに ついて 査 定 の 実 務 等 の 事 務 の 煩 雑 さを 伴 う 分 野 は 民 間 への 一 元 化 が 効 率 的 であるとい う 面 も 考 慮 すべきであろう (2) 民 間 地 震 共 済 保 険 分 野 のあり 方 現 行 の 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 は 国 民 すべ てが 対 象 となり 得 る 制 度 であるため この 制 度 の 現 行 機 能 を 民 間 の 地 震 共 済 保 険 に 委 ねる 場 合 には 多 くの 者 が 加 入 できる ( 注 5) ような 制 度 設 計 とする 必 要 があり そのためには 以 下 の 点 を 要 件 とすることの 検 討 が 必 要 と 考 え られる イ 掛 金 保 険 料 が 低 廉 であり 契 約 者 間 の 納 得 性 ( 公 平 性 )が 高 いこと ロ 基 礎 的 な 水 準 の 保 障 金 額 から 加 入 できる こと ハ 民 間 での 独 自 再 保 険 等 による 担 保 力 強 化 が 望 ましいが 大 規 模 災 害 時 における 支 払 の 確 実 性 を 担 保 するため 公 的 関 与 を 制 度 化 すること ニ ハの 担 保 を 各 契 約 間 で 同 一 水 準 とするな ど 契 約 間 の 公 平 性 を 確 保 すること(たと えばロの 基 礎 的 水 準 の 額 の 部 分 についての 支 払 の 確 実 性 を 担 保 することなど) なお ハの 公 的 関 与 を 強 化 すれば 財 源 の 問 題 が 生 じることとなるが 現 行 の 被 災 者 生 活 再 建 支 援 金 が 全 額 一 般 税 からの 捻 出 である ( 注 5) 無 支 給 者 を 生 じさせないためには 皆 保 険 ( 強 制 保 険 )が 望 ましいが 一 般 の 住 宅 向 けの 地 震 以 外 を 保 障 する 共 済 保 険 への 加 入 自 体 が 自 由 任 意 であり 義 務 化 は 難 しい 面 がある ただし 住 宅 向 け 共 済 保 険 に 加 入 する 契 約 者 の 場 合 には 保 険 付 保 意 識 の 強 い 契 約 者 であり 一 定 額 については 自 動 強 制 付 帯 とすることも 異 論 は 出 にくいと 考 えられる これ は 他 のリスクと 一 体 的 な 保 障 方 式 とすることによるリスク 平 準 化 と 料 率 低 廉 化 につながるというメリットをもつことに もなる ( 例 えばJAの 建 物 更 生 共 済 は 自 動 付 帯 でリスク 分 散 を 図 っている ) 国 民 的 合 意 が 条 件 とはなるが 大 震 災 後 の 連 帯 意 識 が 高 まっている 状 況 下 で 検 討 すべき 課 題 であろう 37
のに 対 し それを 代 替 する 位 置 づけで 地 震 共 済 保 険 を 設 定 するのであり 現 行 の 地 震 再 保 険 特 別 会 計 で 可 能 な 一 般 会 計 からの 借 入 れの ような 機 能 の 強 化 などの 施 策 であれば 財 源 規 模 面 からも 可 能 と 考 えられる (3) 民 間 地 震 共 済 保 険 のイメージ 以 上 の 要 件 を 充 足 する 視 点 から 制 度 をイメ ージすると 以 下 のような 体 系 が 一 つの 案 と して 考 えられる ( 図 2に 概 念 図 ) ( 注 6) 1 基 礎 部 分 としての 地 震 相 互 共 済 制 度 を 設 定 し 住 宅 所 有 者 ( 利 用 者 )は 万 円 (または 住 宅 価 額 の %のいずれか 低 い 額 )~ 万 円 の 契 約 に 原 則 加 入 ( 極 力 低 い 額 から 加 入 できるようにし 負 担 感 を 緩 和 する ) 2 1の 部 分 については 大 規 模 災 害 時 の 政 府 再 保 険 等 による 公 的 支 払 保 証 部 分 とし 支 払 に 要 する 積 立 金 が 不 足 する 場 合 の 一 般 会 計 からの 無 利 息 借 入 れ 等 の 形 で 税 負 担 ができるようにする ( 現 行 の 地 震 再 保 険 制 度 のような 高 額 部 分 も 公 的 支 援 とする と 高 額 契 約 者 ( 現 行 5,000 万 円 まで 可 能 ) への 再 分 配 (= 低 額 資 産 保 有 者 から 高 額 資 産 保 有 者 への 富 の 逆 移 転 )となる 問 題 があ る ) 3 1の 基 礎 水 準 の 額 を 超 える 部 分 について ( ) ( 図 2) 災 害 時 の 住 宅 再 建 保 障 を 現 行 の 全 額 税 負 担 から 将 来 的 に 保 険 方 式 へ 移 行 する 一 例 のイメージ 図 ( )このイメージは 生 活 再 建 支 援 制 度 の 見 直 しに 対 する 意 見 ( 永 松 伸 吾 ) (2007( 平 成 19) 年 5 月 28 日 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 に 関 する 研 究 会 ( 内 閣 府 ) 第 3 回 資 料 )の 提 言 が 基 礎 保 障 分 + 任 意 保 障 分 の 枠 組 みとしているのを 参 考 にしたものである なお 同 提 言 では 基 礎 保 障 分 を 生 活 再 建 支 援 制 度 に よって 保 障 するとしているが 前 述 のように 今 回 の 震 災 で 同 制 度 の 課 題 が 顕 在 化 したため 本 稿 では 共 済 保 険 方 式 の 地 震 相 互 共 済 を 基 礎 保 障 分 の 位 置 づけとした また 自 動 車 損 害 賠 償 責 任 共 済 保 険 (JA 共 済 等 も 実 施 し 共 同 プールに 参 加 する 必 須 保 険 である ) + 上 乗 せの 任 意 自 動 車 共 済 保 険 の 方 式 と 類 似 の 体 系 である ( 注 6) 地 震 相 互 共 済 制 度 としての 新 規 の 形 態 が 困 難 な 場 合 には 現 行 の 地 震 保 険 JAの 建 物 更 生 共 済 や 各 種 共 済 について 各 々の 独 自 性 を 継 続 しつつ それぞれの 契 約 個 々の 一 定 額 部 分 までを 政 府 再 保 険 対 象 とする 方 法 も 考 えられる 38
は 民 間 共 済 保 険 団 体 が 独 自 に 任 意 加 入 の 保 障 上 乗 せの 商 品 を 設 定 し 契 約 者 の 判 断 で 契 約 する 部 分 とする この 上 乗 せ 部 分 に ついては 高 額 資 産 保 有 者 が 恩 恵 を 受 けるこ ととなることを 回 避 する 意 味 で ( 担 保 力 検 証 の 上 ) 基 本 的 に 政 府 再 保 険 無 しの 各 団 体 自 己 責 任 保 有 部 分 とする ( 現 行 の 地 再 社 が 継 続 する 場 合 は 地 再 社 の 保 有 のみとす る 方 法 もあり 得 る ) なお ニュージーランドにおける 制 度 は 民 間 の 火 災 保 険 加 入 時 に 一 定 額 部 分 までに ついて 政 府 認 可 法 人 のEQC( 地 震 委 員 会 ) の 地 震 保 険 を 強 制 付 帯 させ 政 府 がEQCに 対 して 無 限 支 払 保 証 しているものであるが 民 間 がさらに 上 乗 せ 保 険 を 広 く 提 供 している という 面 で 図 2も 類 似 の 方 式 であり 基 礎 部 分 を 政 府 認 可 法 人 に 一 元 化 しているという 点 と 合 わせて 同 国 の 制 度 は 参 考 になると 考 えられる 3. 現 行 枠 組 みを 前 提 とした 公 的 支 援 を 受 ける 地 震 担 保 の 要 件 図 2のイメージは 将 来 的 に 抜 本 的 に 制 度 を 組 み 替 える 場 合 の 一 つの 方 向 性 を 示 したもの であるが 現 在 財 務 省 地 震 保 険 制 度 に 関 するプロジェクトチーム で 東 日 本 大 震 災 を 踏 まえた 当 面 の 地 震 保 険 制 度 の 強 靭 性 商 品 性 を 高 めるための 検 討 が 進 められている 本 年 7 月 に 中 間 整 理 が 公 表 されているが 特 別 会 計 の 事 業 仕 分 けを 受 けたワーキンググルー プの 論 点 整 理 も 踏 まえ 現 行 の 地 震 保 険 制 度 の 枠 組 みについては 政 府 再 保 険 を 含 めて 基 本 的 に 維 持 する 方 向 を 前 提 に 今 後 さらに 議 論 されていくようである 現 行 の 地 震 保 険 の ような 公 的 支 援 の 継 続 が 当 面 必 要 ということ であれば それを 前 提 に 損 害 保 険 という 範 ちゅうでなく 一 般 概 念 として 地 震 損 害 の 保 障 のあり 方 はどのようにあるべきかを 考 え ることとしたい 公 的 支 援 ( 税 負 担 )を 受 けるには 制 度 上 以 下 の 点 が 充 足 されるべきと 考 えられる 1 支 払 対 象 の 範 囲 の 広 さ 保 障 漏 れとなる 被 災 者 を 生 じさせないよ う 提 供 する 共 済 保 険 は 自 動 付 帯 等 皆 保 険 制 を 基 本 とすることが 適 切 と 考 えられ る また 財 源 の 制 約 を 考 慮 の 上 被 災 者 が 幅 広 く 救 済 されることが 望 ましく これ は 日 本 の 地 震 保 険 法 の 目 的 ( ~ 保 険 会 社 等 が 負 う 地 震 保 険 責 任 を 政 府 が 再 保 険 することにより 地 震 保 険 の 普 及 を 図 り もって 地 震 等 による 被 災 者 (*)の 生 活 の 安 定 に 寄 与 すること )にも 合 致 する * 被 災 者 の 範 囲 を 特 定 していない (なお JAの 建 物 更 生 共 済 は 導 入 当 初 ( 昭 和 36 年 )から 損 害 割 合 5% 以 上 から 支 払 と するとともに 地 震 を 自 動 付 帯 としている ) 2 相 互 扶 助 意 識 が 醸 成 される 制 度 地 震 という 巨 大 災 害 時 における 国 内 での ( 他 地 域 を 含 む) 生 活 基 盤 全 体 経 済 秩 序 への 影 響 の 大 きさや いつ どこで どん な 災 害 が 起 きてもおかしくない 状 況 下 で 自 己 所 有 財 産 の 損 害 有 無 大 小 に 拘 らず より 困 っている 人 に 助 けの 手 を 差 しのべる という 相 互 扶 助 理 念 により 設 けられている という 意 識 が 醸 成 される 制 度 内 容 であるこ 39
とが 望 ましい 3 保 険 料 体 系 の 納 得 性 公 平 性 日 本 は 複 数 のプレートが 複 雑 に 入 り 組 み 全 国 いたるところで 様 々な 圧 力 が 生 じ る 立 地 であり 大 地 震 がどこで 起 きてもお かしくない 状 況 が 特 に 強 い 特 に 今 回 の 東 日 本 大 震 災 や 平 成 7 年 の 阪 神 淡 路 大 震 災 で その 意 識 は 強 まり 料 率 均 一 化 (また はそれに 準 じた 簡 素 化 )の 理 解 は 得 られや すい 状 況 にある リスクの 平 準 化 のため に 他 の 災 害 や 火 災 事 故 との 一 体 提 供 によ るリスク 分 散 低 廉 化 が 望 ましい (ニュ ージーランド 方 式 やJAの 建 物 更 生 共 済 方 式 ) ニュージーランドにおいては 日 本 ほどの プレートの 入 り 組 みの 複 雑 さがなく 発 生 リスクの 地 域 的 格 差 が 比 較 的 明 確 であるに も 拘 らず 強 制 加 入 部 分 (EQC) 任 意 上 乗 せ 部 分 ( 住 宅 契 約 )ともに 全 国 一 律 料 率 となっている 社 会 保 障 意 識 に 関 して 両 国 国 民 の 相 違 はあるとしても 日 本 ではこの ような 地 域 別 リスクの 不 確 実 性 等 から 地 震 対 応 への 相 互 扶 助 意 識 は 特 に 根 付 きつつあ り 均 一 化 は 理 解 が 得 られやすいと 考 えら れる その 他 諸 外 国 を 見 ると トルコ 災 害 保 険 米 国 加 州 地 震 保 険 等 の 場 合 は 極 端 な 料 率 格 差 があり 危 険 とされる 地 域 が( 強 制 加 入 制 度 という 名 目 であっても) 加 入 困 難 と なる その 結 果 災 害 発 生 時 に 未 加 入 者 問 題 が 生 じ 財 政 出 動 機 会 が 大 きくなること から 結 果 的 にトータルとしての 財 政 負 担 が 軽 減 され 難 くなる 問 題 が 想 定 される 4 制 度 としての 納 得 性 ( 財 産 共 済 保 険 )- 支 払 の 簡 便 化 は 運 用 で- これまで 地 震 保 険 に 加 入 している 者 は 支 払 時 の 公 平 性 納 得 性 も 期 待 している 火 災 保 険 に 付 帯 する 契 約 形 態 であることから 損 害 額 を 適 正 に 評 価 し それに 見 合 う 水 準 の 支 払 がなされるものと 解 しているのが 通 常 と 思 われる 実 際 に1% 刻 みの 積 み 上 げ 方 式 の 査 定 基 準 が 設 定 されているにも 拘 ら ず 支 払 の 際 に3 段 階 に 区 分 する 現 行 方 式 はほとんどの 加 入 者 にとって 理 解 できる 制 度 とはいえないと 考 えられ 再 考 の 必 要 が あるのではないだろうか 3 段 階 の 区 分 は 支 払 の 迅 速 化 のためとさ れているが それは 大 規 模 地 震 時 の 運 用 としてなされるべきで 大 多 数 の 件 数 を 占 める 中 小 規 模 の 地 震 では 査 定 の 正 確 性 を 加 入 者 は 求 めると 考 えられる 迅 速 な 支 払 と 適 正 な 査 定 のいずれがより 優 先 されるか が 発 生 規 模 罹 災 契 約 分 布 集 中 度 災 害 の 甚 大 性 等 に 応 じて 柔 軟 に 判 断 されるこ とは 被 災 者 の 立 場 からも 理 解 できる 部 分 であろう また 仮 に 地 震 保 険 が 物 保 険 (= 物 の 損 害 の 復 旧 費 を 補 てんする 保 険 )でなく 費 用 保 険 (= 罹 災 時 の 諸 費 用 を 補 てんす る 保 険 )であり 精 緻 な 損 害 額 の 査 定 は 必 須 でないとする 考 え 方 も 一 理 あるという 見 方 もあり 得 るであろうが その 場 合 企 業 物 件 向 けの 地 震 拡 張 担 保 特 約 が 実 損 害 額 を 基 本 に 支 払 うのに 対 し 住 宅 物 件 において は 地 震 罹 災 時 に 損 害 額 に 比 例 して 直 線 的 に 支 払 う 損 害 保 険 が 存 在 しないことが 明 確 に なることを 意 味 し これも 保 険 のあり 方 と 40
して 問 題 となるのではないだろうか ( 地 震 保 険 と 同 額 を 上 乗 せで 支 払 うこと により100% 補 償 を 標 榜 している 損 保 商 品 があることとも 矛 盾 するのではないか なお JA 建 物 更 生 共 済 は1% 刻 みで 損 害 割 合 を 算 出 して 支 払 う 点 で 基 本 的 に 物 共 済 の 性 格 である ) 5 共 済 保 険 数 理 面 での 妥 当 性 地 域 的 時 間 的 な 不 確 定 性 が 非 常 に 強 く 大 数 の 法 則 が 成 り 立 ちにくく 民 間 の みでの 責 任 保 有 が 明 らかに 困 難 なリスクで あることの 合 意 形 成 が 必 要 である また 構 造 的 に 耐 震 基 準 を 満 たす 建 物 等 への 掛 金 保 険 料 優 遇 等 明 らかにリスク が 異 なる 部 分 の 料 率 の 差 別 化 は 必 要 と 考 え られ 防 災 インセンティブともなり 得 る このことにより トータルコスト 削 減 につ ながることは 考 慮 すべきであろう 4. 共 済 と 保 険 の 特 性 と 公 的 支 援 最 後 に 組 合 員 の 間 での 相 互 扶 助 理 念 を 基 盤 とする 共 済 と 不 特 定 多 数 を 対 象 とする 保 険 とでは 公 的 支 援 の 取 扱 いが 異 なってくる かという 点 を 考 察 する < 公 的 支 援 は 契 約 集 団 を 特 定 しないことによ り 本 来 の 目 的 を 実 現 > 公 的 支 援 とは 現 在 の 地 震 保 険 制 度 でいえ ば 特 別 会 計 での 積 立 金 等 による 支 払 が1 地 震 6.2 兆 円 の 支 払 上 限 額 に 対 応 できない 場 合 に 一 般 会 計 からの 無 利 息 借 入 れを 実 施 し その 利 息 相 当 分 ( 返 済 不 可 能 な 事 態 が 生 じれ ばその 元 本 も)が 税 負 担 となるということを 意 味 する 災 害 での 公 的 支 援 の 目 的 は 今 回 の 東 日 本 大 震 災 のように 損 害 規 模 が 甚 大 となり 国 民 生 活 全 般 に 影 響 を 及 ぼす 状 況 において 国 策 として 日 常 生 活 経 済 活 動 を 早 期 に 正 常 な 状 態 に 回 復 させることにある 加 入 が 共 済 契 約 か 保 険 契 約 かによって 仮 に 公 的 支 援 の 取 扱 いを 変 えるとすれば そのような 巨 大 地 震 の 場 合 の 社 会 全 体 としての 秩 序 維 持 の 目 的 が 果 たせなくなることを 意 味 する 例 えば JAの 建 物 更 生 共 済 の 加 入 者 であ れば 地 震 保 障 が 自 動 付 帯 され かつ 均 一 掛 金 率 という 簡 明 な 仕 組 みとなっていること などに 魅 力 を 感 じて 加 入 しているものと 思 わ れ 損 保 の 地 震 保 険 の 目 的 である 地 震 等 に よる 被 災 者 の 生 活 の 安 定 のために 加 入 して いるという 意 味 では 何 ら 異 なる 点 はないと 考 えられる 基 本 的 に 組 合 員 であることから 加 入 しているという 利 便 性 に 基 づいているに 過 ぎない < 共 済 と 保 険 の 利 用 者 保 護 としての 同 質 性 > また 昨 今 共 済 と 保 険 を 契 約 として は 同 等 に 見 なす 考 え 方 が 一 般 化 してきてお り 平 成 22 年 4 月 施 行 の 保 険 法 でも 両 者 を 同 等 の 位 置 づけで 適 用 している 同 法 の 目 的 は 主 に 契 約 者 ( 利 用 者 )の 権 利 を 保 護 する ことにあるとされており このような 面 から の 共 済 と 保 険 の 同 質 性 には 疑 義 を 挟 む 余 地 は ないと 思 われる その 概 念 からも 巨 大 地 震 発 生 時 の 共 済 契 約 上 の 支 払 を 万 全 なものとす るという 利 用 者 保 護 の 趣 旨 からの 公 的 支 援 を 共 済 契 約 にも 適 用 することは 全 く 理 に 適 った 取 り 扱 いといえよう 41
< 損 保 共 済 の 不 均 衡 状 態 の 解 消 を> 参 考 となる 制 度 として 自 動 車 損 害 賠 償 責 任 共 済 保 険 があるが ( 政 府 再 保 険 は 廃 止 となったものの) 損 保 共 済 の 区 分 なく 共 同 プールとなっている これは 被 害 者 救 済 という 国 策 の 実 現 のためには 集 団 の 特 定 不 特 定 の 区 分 は 無 関 係 という 概 念 に 基 づいて いることによると 思 われるが 共 同 プールの 目 的 は リスクの 平 準 化 収 支 の 均 衡 にあ り 地 震 災 害 においては 時 間 的 地 域 的 変 動 の 大 きさ 予 測 困 難 性 から より 必 要 度 が 高 いといえよう 平 成 23 年 度 末 において 損 保 の 地 震 保 険 保 有 契 約 件 数 が 約 1,409 万 件 であるのに 対 し JA 建 物 更 生 共 済 の 保 有 契 約 件 数 は 約 1,087 万 件 に 達 しており この 双 方 の 契 約 実 態 の 現 状 を 勘 案 すると 損 保 のみが 政 府 再 保 険 の 形 で 公 的 支 援 を 受 けていることは 国 民 経 済 全 体 の 視 点 からも 著 しく 不 均 衡 な 状 態 となってい るといえよう 他 の 共 済 を 含 めて 共 済 と 保 険 を 同 等 の 取 扱 いとする ( 注 7) ことが 被 災 時 の 社 会 秩 序 維 持 の 点 から 必 要 と 考 えられる JA 建 物 更 生 共 済 が たとえば 政 府 再 保 険 へ 参 入 すればリスク 分 散 効 果 などによ り 長 期 的 には 保 障 の 安 定 化 につながるな どの 利 点 がある ( 拙 稿 東 日 本 大 震 災 を 教 訓 とした 地 震 損 害 担 保 のあり 方 ( 共 済 総 合 研 究 63 (2011 年 10 月 ))ほか) また 今 回 の 東 日 本 大 震 災 ほど 国 民 の 間 に 助 け 合 いの 精 神 が 浸 透 した 災 害 は 過 去 に 例 が ないと 思 われる まさに 共 済 の 相 互 扶 助 と 同 様 の 理 念 が 地 域 復 興 により 日 本 再 生 に 貢 献 するという 形 で 全 国 に 行 き 渡 りつつあると もいうことができよう 特 に 統 一 料 率 自 動 付 帯 方 式 を 基 本 とするJA 建 物 更 生 共 済 の 思 想 は 利 用 者 の 多 くから 共 感 を 得 られてい るようにも 思 われ この 点 からも 巨 大 地 震 の 際 の 公 的 支 援 の 趣 旨 に 合 致 しているといえる のではないだろうか おわりに 国 や 地 方 公 共 団 体 が 私 有 財 産 制 の 下 で も 災 害 により 財 産 に 損 害 を 被 った 個 人 に 対 してその 再 建 に 支 援 金 を 給 付 することは 憲 法 上 許 されないとする 考 え 方 は 見 当 たらな い 特 に 巨 大 災 害 において 共 済 保 険 団 体 としては 自 ら 提 供 する 共 済 保 険 によって 自 己 責 任 により 直 ちに 実 損 害 額 を 保 障 するこ とは 担 保 力 から 難 しい 面 もあり 国 が 被 災 者 住 宅 の 再 建 を 支 援 するための 現 金 給 付 を 行 う ことは 補 完 的 位 置 づけとして 政 策 的 にも 望 ま れるものであったと 考 えられる しかしながら 今 後 起 こりうる 巨 大 災 害 を 念 頭 におけば 財 政 負 担 を 前 提 とした 現 行 の 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 は 破 綻 をきたす 懸 念 がある 国 家 財 政 の 健 全 性 を 高 めていくこと が 求 められている 状 況 下 にあることに 加 え わが 国 の 場 合 には 近 い 将 来 起 きる 可 能 性 が 指 摘 されている3 連 動 型 地 震 や 首 都 圏 直 下 型 地 震 対 策 という 課 題 を 抱 えている 事 情 もある ため なおさらである このような 国 の 負 担 による 支 給 を 安 易 に 行 なうことは 結 果 的 に 個 々 人 の 税 負 担 となってはね 返 ってくるので ( 注 7) 仮 に 同 一 の 保 障 内 容 とすることが 条 件 となるのであれば 図 2のように 現 行 の 地 震 保 険 に 代 わる 新 たな 保 障 制 度 として 基 礎 部 分 のみの 保 障 ( 地 震 相 互 共 済 )を 設 定 し 上 乗 せ 部 分 を 各 団 体 独 自 提 供 とすることも 考 えられる 42
ある そのような 意 味 で 民 間 団 体 の 共 済 保 険 による 保 障 を 国 民 に 広 範 に 提 供 できるよ う 民 間 の 担 保 力 を 充 実 させる 政 策 が 急 務 と 思 われる 民 間 団 体 は 大 規 模 罹 災 時 の 住 宅 の 査 定 実 務 等 の 対 応 力 を 備 えており 迅 速 な 支 払 が 可 能 となる 面 もある 各 国 の 制 度 でみたように 当 初 は 災 害 発 生 時 の 住 宅 再 建 支 援 として 特 例 的 に 税 金 から 財 源 を 捻 出 していたが 現 在 ではこの 適 用 を 最 小 限 の 範 囲 に 縮 小 し 安 定 的 な 保 険 方 式 へ 移 行 させているのが 世 界 的 な 趨 勢 である 基 本 的 に 保 険 方 式 で 事 前 自 助 努 力 イン センティブを 付 与 しながら 個 人 財 産 を 保 障 す る 方 向 の 強 化 が 最 終 的 な 災 害 時 のコストを 最 小 化 でき 最 小 限 の 税 負 担 健 全 な 財 政 を 維 持 できる 点 を 重 視 すべきであろう この 点 を 踏 まえ 抜 本 的 制 度 変 更 を 含 めた 幅 広 い 議 論 がなされることを 期 待 したい ( 平 成 24 年 9 月 11 日 記 ) ( 参 考 文 献 資 料 ) 公 表 発 行 順 黒 木 松 男 地 震 保 険 の 法 理 と 課 題 2003 年 11 月 成 文 堂 佐 藤 主 光 災 害 時 の 公 的 支 援 に 対 する 経 済 学 の 視 点 2005 年 9 月 会 計 検 査 研 究 32 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 に 関 する 検 討 会 ( 内 閣 府 ) 被 災 者 生 活 再 建 制 度 見 直 しの 方 向 性 について- 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 に 関 する 検 討 会 中 間 報 告 - 2007 年 7 月 その 他 各 回 会 議 資 料 議 事 録 永 松 伸 吾 生 活 再 建 支 援 制 度 の 見 直 しに 対 する 意 見 2007 年 5 月 28 日 被 災 者 生 活 再 建 支 援 制 度 に 関 する 検 討 会 ( 内 閣 府 ) 第 3 回 資 料 堀 田 一 吉 地 震 リスクと 地 震 保 険 2008 年 3 月 保 険 学 雑 誌 600 号 佐 藤 主 光 宮 崎 毅 ほか 経 済 学 的 視 点 を 導 入 した 災 害 政 策 体 系 のあり 方 に 関 する 研 究 報 告 書 2009 年 3 月 内 閣 府 経 済 社 会 総 合 研 究 所 研 究 会 報 告 等 44 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 地 震 保 険 研 究 ( 各 国 別 ) 2007~ 2009 年 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 日 本 の 地 震 保 険 2010 年 1 月 版 (2012 年 1 月 一 部 差 替 版 ) 鈴 木 亘 社 会 保 障 改 革 の 視 点 ( 上 ) 負 担 と 給 付 の 関 係 明 確 に 日 本 経 済 新 聞 経 済 教 室 2010 年 12 月 22 日 渡 部 喜 智 大 規 模 災 害 の 復 興 対 策 と 地 域 ( 財 政 ) 運 営 - 東 日 本 大 震 災 復 興 への 公 的 支 援 のあり 方 - 農 林 金 融 2011 年 8 月 中 川 秀 空 被 災 者 の 生 活 支 援 と 雇 用 対 策 の 現 状 と 課 題 レファレンス2011 年 9 月 号 内 閣 府 被 災 者 支 援 に 関 する 各 種 制 度 の 概 要 2011 年 10 月 渡 部 英 洋 東 日 本 大 震 災 を 教 訓 とした 地 震 損 害 担 保 の あり 方 - 主 な 地 震 国 の 保 険 制 度 と 公 的 関 与 の 現 状 - 2011 年 10 月 共 済 総 合 研 究 63 野 崎 洋 之 東 日 本 大 震 災 を 踏 まえた 地 震 保 険 制 度 の 再 構 築 2011 年 11 月 NRI Knowledge Insight Vol.21 地 震 再 保 険 特 別 会 計 に 関 する 論 点 整 理 に 係 るワーキン ググループ( 財 務 省 ) 地 震 再 保 険 特 別 会 計 に 関 する 論 点 整 理 2011 年 11 月 災 害 対 策 法 制 のあり 方 に 関 する 研 究 会 ( 内 閣 府 ) 中 間 論 点 整 理 2011 年 12 月 6 日 佐 川 果 奈 英 ニュージーランドの 地 震 保 険 2012 年 1 月 損 保 総 研 レポート 第 98 号 高 橋 康 文 地 震 保 険 制 度 2012 年 1 月 金 融 財 政 事 情 研 究 会 大 塚 英 明 自 助 としての 地 震 保 険 共 済 と 公 助 のあり 方 2012 年 3 月 10 日 日 本 保 険 学 会 関 東 部 会 特 別 シンポ ジウム( 東 日 本 大 震 災 と 保 険 ) 資 料 被 災 者 に 対 する 国 の 支 援 のあり 方 に 関 する 検 討 会 ( 内 閣 府 ) 中 間 整 理 2012 年 3 月 その 他 各 回 会 議 資 料 議 事 録 田 近 栄 治 震 災 時 の 生 活 支 援 について 2012 年 3 月 9 日 被 災 者 に 対 する 国 の 支 援 のあり 方 に 関 する 検 討 会 ( 内 閣 府 ) 第 4 回 資 料 宮 地 朋 果 巨 大 災 害 時 における 協 同 組 合 共 済 の 役 割 2012 年 5 月 生 活 協 同 組 合 研 究 Vol.436 江 澤 雅 彦 東 日 本 大 震 災 における 保 険 と 共 済 の 取 り 組 み 2012 年 5 月 生 活 協 同 組 合 研 究 Vol.436 甘 利 公 人 公 開 研 究 会 を 終 えて- 残 された 検 討 課 題 - 2012 年 5 月 生 活 協 同 組 合 研 究 Vol.436 内 閣 府 平 成 24 年 版 防 災 白 書 2012 年 6 月 損 害 保 険 料 率 算 出 機 構 地 震 保 険 保 有 契 約 件 数 (2011 年 度 末 ) 2012 年 6 月 18 日 地 震 保 険 制 度 に 関 するプロジェクトチーム( 財 務 省 ) 地 震 保 険 制 度 に 関 するプロジェクトチームにおける これまでの 議 論 の 中 間 的 整 理 2012 年 7 月 その 他 各 回 会 議 資 料 議 事 録 堀 田 一 吉 地 震 リスクと 保 険 理 論 - 地 震 災 害 補 償 をめ ぐる 官 民 役 割 分 担 の 在 り 方 を 中 心 に- 2012 年 6 月 1 日 地 震 保 険 制 度 に 関 するプロジェクトチーム( 財 務 省 ) 第 3 回 資 料 中 央 防 災 会 議 防 災 対 策 推 進 検 討 会 議 ( 内 閣 府 ) 最 終 報 告 2012 年 7 月 31 日 全 国 共 済 農 業 協 同 組 合 連 合 会 JA 共 済 連 の 現 状 2012 2012 年 8 月 43