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Ⅰ 調 査 の 概 要 1 目 的 義 務 教 育 の 機 会 均 等 その 水 準 の 維 持 向 上 の 観 点 から 的 な 児 童 生 徒 の 学 力 や 学 習 状 況 を 把 握 分 析 し 教 育 施 策 の 成 果 課 題 を 検 証 し その 改 善 を 図 るもに 学 校 におけ

ていることから それに 先 行 する 形 で 下 請 業 者 についても 対 策 を 講 じることとしまし た 本 県 としましては それまでの 間 に 未 加 入 の 建 設 業 者 に 加 入 していただきますよう 28 年 4 月 から 実 施 することとしました 問 6 公 共 工 事 の

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2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

第1章 簿記の一巡

君 聞 着 捨 周 見 黒 埋 尽 所 華 彩 心 陣 取 げ 楽 見 浮 酷 浮 酷 光 景 君 顔 走 回 私 振 回 彼 ク ム ド メ カ 彼 教 室 寂

はファクシミリ 装 置 を 用 いて 送 信 し 又 は 訪 問 する 方 法 により 当 該 債 務 を 弁 済 す ることを 要 求 し これに 対 し 債 務 者 等 から 直 接 要 求 しないよう 求 められたにもかか わらず 更 にこれらの 方 法 で 当 該 債 務 を 弁 済 するこ

158 高 校 講 座 習 モ 現 ラ 習 モ 距 離 置 示 終 向 据 示 唆 与 取 ょ 第 7576 回 第 :

平成16年度

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4 教 科 に 関 する 調 査 結 果 の 概 況 校 種 学 年 小 学 校 2 年 生 3 年 生 4 年 生 5 年 生 6 年 生 教 科 平 均 到 達 度 目 標 値 差 達 成 率 国 語 77.8% 68.9% 8.9% 79.3% 算 数 92.0% 76.7% 15.3% 94

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03 平成28年度文部科学省税制改正要望事項

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回 答 Q3-1 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 質 問 : 土 地 下 落 の 傾 向 の 中 土 地 の 固 定 資 産 税 が 毎 年 あがるのはなぜですか? 答 : あなたの 土 地 は 過 去 の 評 価 替 えで 評 価 額 が

安 芸 太 田 町 学 校 適 正 配 置 基 本 方 針 の 一 部 修 正 について 1 議 会 学 校 適 正 配 置 調 査 特 別 委 員 会 調 査 報 告 書 について 安 芸 太 田 町 教 育 委 員 会 が 平 成 25 年 10 月 30 日 に 決 定 した 安 芸 太 田


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3 日 時 場 所 日 時 : 毎 年 7 月 の 第 1 日 曜 日 ( 年 1 回 1 日 で 試 験 終 了 合 格 科 目 持 ち 越 し 等 の 恩 典 なし) 場 所 : 早 稲 田 大 学 ( 東 京 近 年 日 本 大 学 東 洋 大 学 明 治 大 学 においても 行 われている)

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有 料 老 ホーム ( ) ( 主 として 要 介 護 状 態 にある を 入 居 させるも のに 限 る ) 第 29 条 ( 届 出 等 ) 第 二 十 九 条 有 料 老 ホーム( 老 を 入 居 させ 入 浴 排 せつ 若 しくは 食 事 の 介 護 食 事 の 提 供 又 はその 他 の

別 紙 軽 費 老 人 ホームの 収 入 認 定 について 平 成 22 年 3 月 9 日 千 葉 県 健 康 福 祉 部 高 齢 者 福 祉 課 本 紙 は 平 成 18 年 1 月 24 日 老 発 第 号 厚 生 労 働 省 老 健 局 長 通 知 老 人 保 護 措 置 費

為 が 行 われるおそれがある 場 合 に 都 道 府 県 公 安 委 員 会 がその 指 定 暴 力 団 等 を 特 定 抗 争 指 定 暴 力 団 等 として 指 定 し その 所 属 する 指 定 暴 力 団 員 が 警 戒 区 域 内 において 暴 力 団 の 事 務 所 を 新 たに 設

187 家 族 249 家 族 がすべて 315 自 分 の 健 康 家 族 の 健 康 188 平 和 安 定 した 生 活 250 自 分 にかかわる 人 達 316 仕 事 お 金 友 人 189 家 族 251 友 人 両 親 317 家 族 190 自 分 と 家 族 の 命 と 幸 福

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わない (1) そう 思 う (2)のそれぞれ3 段 階 で 回 答 をしてもらった その 結 果 を 次 節 で 数 値 に 換 算 している 4. 調 査 の 結 果 と 考 察 4.1 学 習 上 の 困 難 点 全 体 的 な 傾 向 表 1 漢 字 の 学 習 困 難 点 (

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22 第 1 章 資 本 金 等 利 益 積 立 金 貴 見 のとおり 資 本 等 取 引 は 本 来 は 増 資 とか 減 資 と か さらには 旧 資 本 積 立 金 額 の 増 加 または 減 少 をいうこと になる ただ 利 益 の 配 当 はいわゆる 資 本 金 等 取 引 である か 損

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目 次 市 民 税 の 減 免 に つ い て 1 減 免 の 一 般 的 な 留 意 事 項 2 減 免 の 範 囲 お よ び 減 免 割 合 3 1 生 活 保 護 法 の 規 定 に よ る 保 護 を 受 け る 者 3 2 当 該 年 に お い て 所 得 が 皆 無 と な っ た

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4. その 他 (1) 期 中 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 ( 連 結 範 囲 の 変 更 を 伴 う 特 定 子 会 社 の 異 動 ) 無 新 規 社 ( 社 名 ) 除 外 社 ( 社 名 ) (2) 簡 便 な 会 計 処 理 及 び 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の

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注 記 事 項 (1) 当 四 半 期 連 結 累 計 期 間 における 重 要 な 子 会 社 の 異 動 : 無 (2) 四 半 期 連 結 財 務 諸 表 の 作 成 に 特 有 の 会 計 処 理 の 適 用 : 有 ( 注 ) 詳 細 は 添 付 資 料 4ページ 2.サマリー 情 報 (

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首 は 下 あ ご の 骨 の 下 か ら 鎖 骨 の 上 ま で 自 分 の 首 を 両 手 で は さ ん で お さ え て み ま し ょ う 師 首 っ て ど ん な 仕 事 を し て い る か な 子 頭 を の せ て い る 頭 を お さ え て い る 頭 を 動 か し

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発 覚 理 由 違 反 態 様 在 日 期 間 違 反 期 間 婚 姻 期 間 夫 婦 間 の 子 刑 事 処 分 等 1 出 頭 申 告 不 法 残 留 約 13 年 9 月 約 9 年 11 月 約 1 年 10 月 2 出 頭 申 告 不 法 入 国 約 4 年 2 月 約 4 年 2 月 約

(2)大学・学部・研究科等の理念・目的が、大学構成員(教職員および学生)に周知され、社会に公表されているか

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損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一

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入札公告 機動装備センター

Transcription:

手 塚 富 雄 いきいきと 生 きよ 講 談 社 (1968) サンマーク 文 庫 (2008) 1 不 断 の 実 行 こころが 開 いているときだけ この 世 は 美 しい 格 言 詩 阿 呆 燃 えているなら 消 せ 燃 えてしまったのなら また 建 てろ 詩 報 告 Narre! wenn es brent, so lösche, Hats gebrannt, bau wieder auf! Rechenschaft 大 作 をしないように 気 をつけたまえ 最 もすぐれた 人 々でも 大 作 には 苦 しむ...わ たしもそれで 苦 しみ そのためにどんなに 損 失 を 受 けたか 身 にしみて 知 ってい る... 現 在 は 現 在 としての 権 利 を 要 求 する 詩 人 のうちに 日 々 湧 きあがってくる 思 想 や 感 情 は 表 現 されんことを 求 め また 表 現 されねばならない しかし 大 きい 作 を もくろんでいると ほかには 何 も 手 がつかない その 他 のすべての 発 想 は 退 けられ 生 活 のゆとりさえなくなってしまう...これに 反 して 詩 人 が 毎 日 現 在 をつかみ 機 会 がかれに 提 供 したものをいつもすぐ 新 鮮 な 気 持 ちで 取 り 扱 うと かならずいつもり っぱなものができる...いつかはゴールに 達 するというような 歩 き 方 ではだめだ 一 歩 一 歩 がゴールであり 一 歩 が 一 歩 としての 価 値 をもたなくてはならない エッケルマン ゲーテとの 対 話 1823 年 9 月 18 日 Nehmen Sie sich in acht vor einer großen Arbeit.Das ist's eben, woran unsere Besten leiden, gerade diejenigen, in denen das meiste Talent und das tüchtigste Streben vorhanden. Ich habe auch daran gelitten und weiß was es mir geschadet hat....die 1/40

Gegenwart will ihre Rechte; was sich täglich im Dichter von Gedanken und Empfindungen aufdrängt, das will und soll ausgesprochen sein. Hat man aber ein größeres Werk im Kopfe, so kann nichts daneben aufkommen, so werden alle Gedanken zurückgewiesen und man ist für die Behaglichkeit des Lebens selbst so lange verloren....faßt dagegen der Dichter täglich die Gegenwart auf, und behandelt er immer gleich in frischer Stimmung was sich ihm darbietet, so macht er sicher immer etwas Gutes,...Es soll nicht genügen, daß man Schritte tue, die einst zum Ziele führen, sondern jeder Schritt soll Ziel sein und als Schritt gelten. 詩 はすべて 機 会 詩 でなければならぬ エッケルマン ゲーテとの 対 話 1823 年 9 月 18 日 es müssen alles Gelegenheitsgedichte sein, いきいきとした 天 分 ゆたかな 精 神 をもった 人 が 実 際 的 な 意 図 をもってごく 身 近 な ことに 力 を 注 ぐ 場 合 こそ この 世 における 最 もすぐれたものである Der lebendige begabte Geist, sich in practischer Absicht ans Allernächste haltend, ist das Vorzüglichste auf Erden. 活 動 だけが 恐 怖 と 心 配 を 追 いはらう どんな 種 類 のものにせよ 制 限 のない 活 動 はけっきょく 破 産 をまねく Unbedingte Tätigkeit, von welcher Art sie sei, macht zuletzt bankerott. いや 議 論 は 充 分 うかがったから ここらで 実 行 を 見 せてもらいたい 気 分 がどうのこうのと 言 ったって 何 になります? 一 時 延 ばしをしている 人 には 気 分 は 絶 対 にやって 来 ない 2/40

今 日 出 来 ないようなら 明 日 もだめ 一 日 だってむだに 過 ごしちゃなりません できそうなことは 思 いきって むんずと その 前 髪 をつかむことです つかんだ 以 上 はいっかな 放 さぬ そして 目 的 に 邁 進 する それがわれわれの 決 意 だからだ ファウスト Der Worte sind genug gewechselt, Laßt mich auch endlich Taten sehn! Was hilft es, von Stimmung reden? Dem Zaudernden ersheint sie nie Was heute nicht geschiet, ist morgen nicht getan, Und keinen Tag soll man verpassen, Das Mögliche soll der Entshluß Beherzt sogleich beim Schopfe fassen, Er will es dann nicht fahrenlassen, Und wirket weiter, weil er muß Faust 何 事 も 延 期 するな なんじの 一 生 は 不 断 の 実 行 であれ ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Du im Leben nichts verschiebe; Sei dein Leben Tat um Tat! Wilhelm Meisters Wanderjahre 困 難 な 務 めを 日 々に 果 たすこと ほかにはなんの 啓 示 も 要 らぬ 西 東 詩 集 Schwerer Dienste tägliche Bewahrung, Sonst bedarf es keiner Offenbarung. West-oestlicher Divan 3/40

昼 のいそしみ 夕 べの 団 欒 汗 の 週 日 たのしい 憩 いの 日 これを 今 後 の 呪 文 とせよ 宝 掘 り Tages Arbeit! Abendz Gäste! Saure Wochen! Frohe Feste! Sei dein künftig Zauberwort. Der Schatzgräber 4/40

2 生 きているあいだは 時 を 短 くするものは 何 か 活 動 時 を 耐 えがたく 長 くするものは 何 か 安 逸 西 東 詩 集 Was verkürzt mir die Zeit? Tätigkeit! Was macht sie unenträglich lang? Müßiggang! West-oestlicher Divan わたしの 相 続 した 遺 産 は なんとすばらしく 大 きいことだろう 時 間 がわたしの 財 産 だ わたしの 耕 地 は 時 間 だ 西 東 詩 集 Mein Erbteil ist herrlich, weit und breit! Die Zeit ist mein Besitz, mein Acher ist die Zeit! West-oestlicher Divan 人 間 はいのち 短 きものである リーマーの 記 録 から ビーダーマン 編 ゲーテとの 対 話 録 感 激 は 幾 年 も 塩 漬 けにしておく 鰊 ではない 不 きげんは 怠 惰 と 同 じです つまり 怠 惰 の 一 種 なのです わたしたちは 生 まれつき 怠 惰 に 傾 きやすい けれどいったん 奮 発 すれば 仕 事 はすらすらはかどりますし 活 動 にほんとうの 喜 びを 見 いだすことができましょう 若 いウェルテルの 悩 み Es ist mit der üblen Laune völlig wie mit der Trägheit, denn es ist eine Art von Trägheit. Unsere Natur hängt sehr dahin, und doch, wenn wir nur einmal die Kraft 5/40

haben, uns zu ermannen, geht uns die Arbeit frisch von der Hand, und wir finden in der Tätigkeit ein wahres Vergnügen. Die Leiden des Jungen Werthers だから さあ 出 発 だ 考 えごとはいっさいやめて まっしぐらに 世 の 中 へ 乗 り 出 しましょう 思 案 にふけって 日 を 送 っている 人 間 は 悪 霊 にとりつかれて 草 のないところを いつもぐるぐるまわっている 牛 や 馬 も 同 然 です そのまわりには 美 しいみどりの 牧 場 がひろがっているのに いったいここは 何 という 拷 問 所 です 自 分 も 退 屈 し 学 生 たちをも 退 屈 させる それで 生 きているなどといえますか ファウスト 中 公 文 庫 I p.129 Durum Frisch! Laß alles Sinnen sein, Und grad mit in die Welt hinein! ein Kerl, der spekuliert, Ist wie ein Tier, auf dürrer Heide Von einem bösen Geist im Kreis herumgefürt, Und ringsumber liegt schöne grüne Weide. Was ist das für ein arterort! Was heißt das für ein Leben füren, Sich und die Jungens ennuyieren? Faust 生 きているあいだは いきいきとしていなさい 1818 年 12 月 作 仮 装 行 列 中 のメフィストの 言 (2008 年 サンマーク 文 庫 版 で 追 記 さ れた) ファウスト der Lebende soll hoffen. Faust 10292 昼 のあいだは はたらきなさい 6/40

ボスアレーあての 手 紙 われわれが 旅 行 をするのは 着 くためではなくて 旅 行 をするためである 7/40

3 辛 抱 づよく わたしは 我 慢 ができなくなると 地 球 の 辛 抱 づよさをかんがえる 地 球 は 毎 日 毎 日 くるくる 廻 り 毎 年 毎 年 大 廻 りをしているそうな わたしにだってほかにどういう 仕 方 がある? わたしもこのママさんの 例 にならおう 好 範 例 我 慢 づよさを 実 証 しなければならぬ 者 はだれか 大 きい 行 為 をしようとする 者 山 を 登 る 者 魚 を 釣 る 者 Wer muß Langmunt üben? Der große Tat vorhat, bergan steigt, Fische speist. 大 切 なのは 偉 大 な 意 欲 をもち それを 貫 くだけの 技 量 と 堅 忍 力 とをもつことだ エッケルマン ゲーテとの 対 話 1932 年 2 月 17 日 die Hauptsache ist, daß man ein großes Wollen habe und Geschick und Beharrlichkeit besitze es auszuführen; いったい 自 分 はこの 宇 宙 万 有 に 向 きあって 何 ものであろう 自 分 はその 前 に またそ の 中 心 に 立 つことができるのだろうか? ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Was bin ich denn gegen das All? sprach er zu seinem Geiste: wie kann ich ihm gegenüber, wie kann ich seiner Mitte stehen? Wilhelm Meisters Wanderjahre 8/40

大 いなる 事 業 が 完 成 されるためにはひとつの 精 神 があれば 足 りる 千 の 手 をうごかす ために ファウスト 第 二 部 第 五 幕 Daß sich das größte Werk vollende, Genügt ein Geist für tausend Hände. Faust 11509 9/40

4 迷 いと 酔 いをもて 君 の 頭 と 心 のなかが きりきり 舞 いをしているなら それが 何 よりめでたい 話 恋 にも 迷 いにも 縁 のきれた 人 間 は 墓 に 埋 められてしまうがよい エピグラム 風 - 何 よりのこと Wenn dir's in Kopf und Herzen schwirrt, Was willst du Bessres haben! Wer nicht mehr liebt und nicht mehr irrt, Der lasse sich begraben. ʻDas Besteʼ Epigrammatisch 諸 君 そう 駁 論 をふりかざして うるさくしないでくれたまえ 人 は 何 かしゃべったとたん もう 自 分 で 迷 いはじめているものだよ エピグラム 風 - 立 論 駁 論 Ihr müsst mich nicht durch Widerspruch verwirren! Sobald man spricht, beginnt man schon zu irren. ʻSpruch, Widerspruchʼ Epigrammatisch 人 間 は 努 力 するかぎり 迷 うものである ファウスト 第 一 部 天 空 の 序 曲 Es irrt der Mensch, solang er strebt. Faust 317 わたしにはこれ 以 上 の 苦 痛 はあるまい 天 国 にただひとりでいることより 詩 ことわざ 風 Mir gäb' es keine größre Pein; 10/40

Wär' ich im Paradies allein. Sprichwörtlich わたしが 独 りで 座 っているとき これ 以 上 にいい 場 所 があろうか わたしの 酒 をわたしは 独 りで 飲 む そのときわたしをさえぎる 者 はない わたしはわたしの 考 えたいことを 考 えているのだ 西 東 詩 集 SITZ ich allein Wo kann ich besser sein? Meinen Wein Niemand setzt mir Schranken, Ich hab so meine eigne Gedanken. West-oestlicher Divan 意 欲 と 愛 は 偉 大 な 行 為 にみちびく 両 翼 である イフィゲーニェ われわれはだしも 酔 っているべきだ 若 さは 酒 のない 酔 いなのだ 年 寄 りが 酒 を 飲 んで 若 返 るなら それこそ 霊 妙 至 極 な 効 験 だ 憂 えなければならないことは 日 々の 生 活 が 憂 えてくれる 憂 いをはらうのが 葡 萄 の 力 だ 西 東 詩 集 の 酌 人 の 巻 TRUNKEN müssen wir alle sein! Jugend ist Trunkenheit ohne Wein; Trinkt sich das Alter wieder zu Jugend, So ist es wundervolle Tugend. Für Sorgen sorgt das liebe Leben Und Sorgenbrecher sind die Reden. West-oestlicher Divan 11/40

老 いてはがんぜない 子 供 に 返 ると 人 は 言 うが そうじゃなくて 老 いてこそ 神 に 近 いほんとうの 子 供 に 育 つのですよ ファウスト 第 一 部 舞 台 での 前 戯 Das alter macht nicht kindisch, wie man spricht, Es findet uns nur noch als wahre Kinder. Faust 212 12/40

5 与 えることと 受 けること 適 切 な 返 事 は 愛 らしい 接 吻 のようだ Eine richtige Antwort ist wie ein lieblicher Kuß. 最 初 の 挨 拶 は 何 千 倍 もの 値 打 ちがある だから 挨 拶 するすべての 人 にやさしく 挨 拶 を 返 しなさい 西 東 詩 集 Der erste Gruß ist viele tausend wert, Drum grüße freundlich jeden der begrüßt. West-oestlicher Divan 遺 産 を 積 んでからそれを 与 えようと 思 うより いま 一 銭 を 明 るい 気 持 ちであげなさい 西 東 詩 集 受 ける 手 がどんなに 美 しい 形 のものか それを 見 る 目 を 人 がもっているなら 人 は 多 くの 喜 捨 をするだろう Man würde viel Almosen geben, wenn mann Augen hätte zu sehen, was eine empfangende Hand für ein schönes Bild macht. 誰 でも 他 の 人 々の 好 意 を 喜 びとする 場 合 にだけ ほんとうの 意 味 でいきいきしてい るのだ ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Man ist nur eigentlich lebendig, wenn man sich des Wohlwollens andrer freut. Wilhelm Meisters Wanderjahre 13/40

何 を 与 えるかということよりも 大 切 なのは どう 与 えるかということだ ゲーテ 訳 のコルネイユ 嘘 つき 14/40

6 生 を 信 ぜよ 誠 実 な 友 よ 何 を 信 じたらいいのか 言 ってあげよう 生 を 信 じなさい 生 の 教 えは 雄 弁 家 や 書 物 よりはるかによい 詩 四 季 Wem zu glauben ist, redlicher Freund, das kann ich dir sagen: Glaube dem Leben; es lehrt besser als Redner und Buch. Vier Jahreszeiten わたしと 同 じように 生 活 を 愛 そうと 試 みたまえ ツァーメ クセーニエン いつか 死 ぬという 事 実 にさからってなんになる そのために 君 は 生 をにがくするだけだ エピグラム 風 わたしは 人 間 であった というのは 戦 って 生 きてきた 者 だということだ 西 東 詩 集 の 天 国 の 巻 ich bin ein Mensch gewesen Und das heißt ein Kämpfer sein. West-oestlicher Divan ( 前 の 詩 に 続 いて) しかもわたしは 信 仰 をもって 歌 った 愛 人 がわたしに 誠 実 であることを 世 界 は どんな 廻 り 方 をしていようと 愛 に 充 ち 感 謝 を 忘 れていないことを 西 東 詩 集 の 天 国 の 巻 Und doch sang ich gläubiger Weise: Daß mir die Geliebte treu, Daß die Welt, wie sie auch kreiste, Liebevoll und dankbar sei. West-oestlicher Divan 15/40

行 動 する 人 間 にとっては 正 しいことを 行 うのが 重 要 な 問 題 である 正 しいことが 起 こるかどうかについて 心 を 煩 わすべきではない Dem tätigen Menschen kommt es darauf an, daß er das Rechte tue; ob das Rechte geshehe, soll ihm nicht kümmern. 正 義 は 広 い 領 域 を 占 めるが 心 の 善 良 さはより 広 い 空 間 を 占 有 する 畏 敬 を 感 じることは 人 間 のもつ 最 もよきものの 一 つである 内 部 の 光 がおぼろになると 彼 女 は 外 部 の 義 務 を 最 も 忠 実 に 果 たそうと 努 め 内 部 が 新 しく 輝 きはじめると 至 福 の 安 らかさに 身 をゆだねる ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Sie denn, bei gedämpften inneren Licht, äußere Pflichten auf das treuste zu erfüllen strebte, bei frisch aufleuchtendem Inneren sich der seligsten Ruhe hingab. Wilhelm Meisters Wanderjahre 呼 吸 には 二 種 の 恵 みがある 空 気 を 吸 いこむことと 空 気 から 解 放 されること 前 者 は 胸 を 圧 迫 し 後 者 は 胸 をさわやかにする このように 生 は 霊 妙 にまじりあって いるのだ だから 神 が 君 を 圧 迫 するときは 神 に 感 謝 せよ そして 神 がその 圧 迫 を 解 いてくれるときには 神 に 感 謝 せよ 西 東 詩 集 Im Athemholen sind zweierlei Gnaden: Die Luft einziehn, sich ihrer entladen Jenes beträngt, dieses erfrischt; 16/40

So wunderbar ist das Leben gemischt. Du danke Gott wenn er dich preßt. Und dank ihm wenn er dich wieder entläßt. West-oestlicher Divan わたしは 見 た しかしわたしは 信 じない エッケルマン ゲーテとの 対 話 1931 年 7 月 20 日 Ich habe es gesehen, aber ich glaube es nicht. 17/40

7 永 遠 なる 女 性 的 なるもの 輝 く 聖 母 (かつてグレートヒェンと 呼 ばれた 贖 罪 の 女 にむかって) さあ おまえ もっと 高 いところへお 昇 り! おまえがいると 思 うと その 人 はつい てくるから ファウスト 第 二 部 終 幕 Komm! hebe dich zu höhern Sphären; Wenn er dich ahnet, folgt er nach. Faust 12094 永 遠 なる 女 性 的 なるもの われらを 高 みへ 引 き 行 く ファウスト 第 二 部 終 幕 Das Ewig-Weibliche Zieht uns hinan. Faust 12110 人 間 の 活 動 はすぐたゆみがちになる すぐ 絶 対 的 な 安 息 をもとめたがる だからわた しは 刺 激 したり 引 きこんだりする 仲 間 を 人 間 につけておく それを 悪 魔 としてはた らかせておくのだ ( 天 使 たちに 向 かって)だがおまえら 神 のまことの 子 たちはな 生 きたゆたかな 美 しさを 見 てたのしむがいい 永 遠 に 創 りはたらく 生 成 の 力 が おまえたちのまわりに 愛 のやさしい 垣 根 をめぐらすがいい そして 移 ろう 現 象 としてゆらいでいるものを おまえたちは 持 続 する 思 惟 によってしっかりとつなぎとめるのだ ファウスト 天 空 の 序 曲 Das Menschen Tätigkeit kann allzuleicht erschlaffen, Er liebt sich bald die unbedingte Ruh; Drum geb ich gern ihm denn Gesellen zu, Der reizt und wirkt und muß als Teufel schaffen. Doch ihr, die echten Göttersöhne, Erfreutet euch der lebendig reichen Schöne! Das Werdende, das ewig wirkt und lebt, Umfass euchmit der Liebe holden Schranken, Und was in schwanken der Erscheinung schwebt, Befestiget mit dauernden Gedanken. Faust 340 18/40

そして 海 から 陸 へ 陸 から 海 へとあらしはあらしと 戦 っている その 行 き 返 る 怒 号 のうちに もっとも 深 い 作 用 の 連 鎖 がつくられる いま 雷 霆 の 破 壊 の 焔 は 道 のゆくてに 燃 えあがる しかし 主 よ おんみの 使 徒 たちは おんみの 世 のおだやかな 推 移 を 敬 っている ファウスト Und Stürme brausen um die Wette, Vom Meer aufs Land, vom Land aufs Meer. Und bilden wütend eine Kette Der tiefsten Wirkung rings umher Da fiammt ein blitzendes verheeren Dem Pfade vor des Donnerschlags; Doch deine Boten, Herr, verehren Das sanfte Wandeln deines Tags. Faust たしかに この 世 で 人 を 欠 くべからざる 存 在 にするものは 愛 以 外 にはない 若 いウェルテルの 悩 み Es ist doch gewiß, daß in der Welt den Menschen nicht notwendig macht als die Liebe. Die Leiden des Jungen Werthers 婦 人 というものは 元 来 虚 栄 的 なものであると 言 われている けれども それだから こそ 彼 女 たちは 美 しく 装 うのである そしてそういう 彼 女 たちは いよいよわたした ちに 喜 びをあたえてくれるのである ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Die Weiber, sagt man, sind eitel von Hause aus: doch kleidet sie und sie gefallen uns um desto mehr. Wilhelm Meisters Wanderjahre 19/40

君 は 女 性 を 告 発 して 男 性 から 男 性 へと 揺 らいでいると 言 う 女 性 を 非 難 してはいけ ない 女 性 は 揺 るがぬ 男 性 を 求 めているのだ ビーダーマン ゲーテ 対 話 録 ルイーゼ フォン ゲヒハウゼンの 報 告 女 というものは 銀 の 皿 で そのなかにわれわれが 金 のリンゴを 盛 るのだ 女 性 に 感 するわたしの 理 念 は 現 実 から 抽 象 したものではなく わたしのもって 生 まれたものだ もしくはどうしてかしらないが わたしの 心 のなかに 生 じたものだ だからわたしの 描 いた 女 性 はみな 成 功 している みな 現 実 に 出 会 うものよりよい エッケルマン ゲーテとの 対 話 1828 年 10 月 22 日 Die Frauen sind silberne Schalen, in die wir goldene Äpfel legen. Maine Idee von den Frauen ist nicht von den Erscheinungen der Wirklichkeit abstrahiert, sondern sie ist mir angeboren, oder in mir entstanden, Gott weiß wie. Meine dargestellten Frauen-Charaktere sind daher auch alle gut weggekommen, sie sind alle besser, als sie in der Wirklichkeit anzutreffen sind. なぜわたしは 移 ろいやすいのでしょう ゼウスさま と 美 がたずねた わたしは 移 ろいやすいものだけを 美 しくつくったのだよ と 神 は 答 えた 詩 四 季 Warum bin ich vergänglich, o Zeus? so gragte die Schönheit. Macht ich doch, sagte der Gott, nur das Vergänglich schön. Vier Jahreszeiten 事 物 のはかなさについて 大 騒 ぎをし 現 世 のむなしさの 考 察 にふけっている 人 々を わたしは 気 の 毒 に 思 う わたしたちがこの 世 に 存 在 するのは 実 際 はかないものを 永 遠 なものにするためではないか Ich bedaure die Menschen, welche von der Vergänglichkeit der Dinge viel Wesens machen und sich in Betrachtung irdischer Nichtigkeit verlieren. Sind wir ja eben deshalb da, um das Vergängliche unvergänglich zu machen; 20/40

8 認 めること ほんとうの 自 由 な 心 とは 認 める ということである Die wahre Liberalität ist Anerkennung. 寛 容 ということは 実 はただ 一 時 の 心 の 動 きであるべきだと 思 う 寛 容 は 認 知 という ことに 移 ってゆかなければならない 我 慢 することは すなわち 侮 蔑 することである 誰 しも 人 を 許 すときが 自 分 を 最 も 高 めるときである Wenn der Mench alles leisten soll, was man von ihm fordert, so muß er sich für mehr halten als er ist. 21/40

9 探 求 と 畏 敬 思 索 する 人 間 の 最 も 美 しい 幸 福 は 探 求 しうるものを 探 究 しつくし 探 究 しえないも のを 静 かに 敬 うことである ここに 物 理 学 の 教 授 がいて 自 分 の 著 わした 物 理 学 概 説 や 図 式 は 生 きた 自 然 や 精 神 のより 高 い 要 求 にくらべたら 無 にもひとしいものであることを 学 生 たちに 充 分 直 観 させることができたら その 人 はこの 上 もなく 尊 敬 すべき 教 授 であろう 人 間 は 世 界 の 種 々な 問 題 を 解 くように 生 まれたのではなくて まずどこに 問 題 がは じまるかをたずね 次 には 把 握 しうるものの 限 界 のうちにとどまるよう 生 まれついて いるのである 科 学 は 一 般 にますます 生 活 から 遠 ざかる そしてまわり 道 をしてまた 生 活 へもどるのだ 詩 人 は 真 実 を 愛 する 真 実 があるところ 詩 人 はかならずそれを 感 じ 取 る 心 を 持 って いる 実 際 に 仕 事 をしている 芸 術 家 に 話 を 聞 くのがいちばんよいことだ なぜなら かれは.. かれが 真 理 とするところのものを いつもじかに 話 してくれるから あらゆる 偉 大 なものは われわれがそれに 気 づくやいなや われわれを 形 成 する エッケルマン ゲーテとの 会 話 1828 年 12 月 16 日 Alles Große bildet, sobald wir es gewahr werden. 人 は 至 高 のものに 向 かって 努 める 場 合 にのみ 多 面 的 である Man ist nur vielseitig, wenn man zum Höchsten strebt, 22/40

人 生 は たとえ 卑 俗 に 見 えても 日 常 の 平 凡 さにすぐ 満 足 してしまうように 見 えても かならずある 種 のより 高 い 要 求 をひそかに 抱 きつづけ 育 てつづけている そしてその 要 求 を 実 現 する 手 段 をさがし 求 めている Das Leben, so gemein es aussieht, so leicht es sich mit dem Gewöhnlichen, Alltäglichen zu befriedigen scheint, hegt und pfegt doch immer gewisse höhere Forderungen im stillen fort und sieht sich nach Mitteln um, sie zu befriedigen. 生 産 力 をもつものだけが 真 実 である 詩 遺 言 Was fruchtbar ist, allein ist wahr. Vermächtnis 自 分 に 実 感 がなければ ひとを 掴 めるはずはない 心 の 底 からほとばしって 聞 いてい るみんなの 心 をひたむきな 感 動 で 引 っ 張 ってゆくのでなけりゃだめだ 今 日 も 明 日 も 机 にへばりついて 膠 で 接 ぎ 合 わせたり 他 人 の 賞 味 したお 余 りでごった 煮 をこしら えたり 掻 きあつめた 灰 の 中 から 貧 弱 な 火 を 吹 き 起 こしたりするのでは 子 供 や 猿 どもには 感 心 してもらえるかも 知 れん それがきみらのお 望 みならばだ しかし 真 実 心 から 出 たものでなければ けっして 心 に 達 するものではない 中 公 文 庫 ファウスト I p.47 Wenn ihr s nicht fühlt, ihr werdet s nicht erjagen, Wenn es nicht aus der Seele dringt Und mit urkräftigem Behagen Die Herzen aller Höher zwingt. Sitzt ihr nur immer! Leimt zusammen, Braucht ein Ragout von andrer Schmaus Und blast die kümmerlichen Flammen Aus eurem Aschenhäufchen raus! Bewundrung von Kindern und Affen, 23/40

Wenn euch darnach der Gaumen steht Doch werdet ihr nie Herzen schaffen, Wenn es euch nicht von Herzen geht. 真 理 でも 人 真 似 で 言 われたときは すでに 魅 力 を 失 っている 人 真 似 で 言 われた 誤 膠 は まったく 吐 き 気 を 催 させる 24/40

10 知 と 知 恵 知 恵 はただ 真 実 のなかにある Die Weisheit iost nur in der Wahrnheit. あらゆる 賢 いことはすでに 考 えられている ただわれわれはそれをもう 一 度 考 えてみ なければならない ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Alles Gescheite ist schon gedacht worden, man muß nur versuchen, es noch einmal zu denken. Wilhelm Meisters Wanderjahre あやまちをした 場 合 に 賢 い 人 の 知 恵 はもっともよく 現 れる 人 は 本 来 ほとんど 知 らぬ 場 合 にだけ 知 るのである 知 ることによって 疑 いは 深 ま る 耳 目 はあざむかない 判 断 があざむくのだ Die Sinne trügen nicht, das Urteil trügt. 現 象 の 背 後 に 何 も 求 めないがいい 現 象 そのものが 教 示 である 25/40

11 学 問 をつづけること 物 のわかった 聡 明 な 人 たちが 老 年 になって 学 問 を 軽 く 見 ることがあるとすれば それ はただ かれらが 学 問 から また 自 分 自 身 から あまりに 多 くを 求 めていたことから 来 るのである 学 問 は 知 る 価 値 のないものや 知 ることのできないものにたずさわることによって はなはだしく 妨 げられる Die Wissenschaft wird da durch sehr zurückgehalten, daß man sich abgibt mit dem, was nicht wissenwert, und mit dem, was nicht wißbar ist. 完 全 さに 達 するのは 学 ぶ 者 のなしうることではない 習 練 をつづけていれば 充 分 である ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 zu vollenden ist nicht die Sache des Schülers, es ist genug, wenn er sich übt. Wilhelm Meisters Wanderjahre 物 事 を 有 用 性 によって 解 釈 しようとする 者 は こう 言 うだろう 牛 は 身 を 護 るために 角 をもっていると それではわたしは 問 おう 羊 はなぜ 角 をもっていないのか もっ ているにしても なぜその 角 は 耳 のまわりに 捲 かれていて 何 の 役 にも 立 たぬのかと だが 牛 は 角 をもっているので その 角 で 身 を 護 る とわたしが 言 うとき それは 別 のことを 言 っているのだ 目 的 についての 問 い なぜという 問 いは まったく 科 学 的 ではない だが どのよう に という 問 いをかかげれば もっと 前 進 できるのだ つまり どのように 牛 は 角 をもっているか とわたしが 訊 ねるとき それはその 有 機 体 の 観 察 へとわたしを 導 いてくれる そして 同 時 にわたしに どうしてライオンは 角 をもたぬのか またもち えぬのか ということを 教 えてくれるのだ エッケルマン ゲーテとの 対 話 1831 年 2 月 20 日 Solche Nützlichkeitslehrer sagen wohl: der Ochse habe Hörner um sich damit zu 26/40

wehren. Nun frage ich aber: warum hat das Schaf keine? und, wenn es welche hat, warum sind sie ihm um die Ohren gewickelt, so daß sie ihm zu nichts dienen? Etwas anderes aber ist es, wenn ich sage: der Ochse wehrt sich mit seinen Hörnern weil er sie hat. Die Frage nach dem Zweck, die Frage warum? ist durchaus nicht wissenschaftlich. Etwas weiter aber kommt man mit der Frage Wie? Denn wenn ich frage: Wie hat der Ochse Hörner? so führet mich das auf die Betrachtung seiner Organisation, und belehret mich zugleich, warum der Löwe keine Hörner hat und haben kann. ある 一 つの 事 を 真 に 知 りこれを 実 行 するのは 百 様 の 事 を 半 ば 知 るよりも より 高 い 教 養 を 与 える ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Eines recht wissen und ausüben gibt höhere Bildung als Halbheit im Hundert fältigen. Wilhelm Meisters Wanderjahre 今 は 一 面 主 義 の 時 代 だ ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Ja es ist jetzt die Zeit der Einseitigkeiten. Wilhelm Meisters Wanderjahre りっぱなヴァイオリニストになるように 技 術 をみがきたまえ そうすれば 楽 長 が 管 弦 のなかで 喜 んで 君 に 地 位 を 提 供 することは 確 実 である ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Übe dich zum tuchtigen Violinsten und sei versichert, der Kapellmeister wird dir deinen Platz im Orchester mit Gunst anwiesen. Wilhelm Meisters Wanderjahre あることがどんなに 容 易 であるかは それを 発 明 した 人 とそれに 到 達 した 人 が 知 って いる 西 東 詩 集 27/40

12 今 日 という 日 つねにただ 今 日 という 日 のつづくことが 永 遠 の 存 在 を 保 証 している すべての 無 常 のことは 比 喩 にほかならず ファウスト 末 尾 Alles Vergängliche Ist nur ain Gleichnis Faust 12104 事 物 のはかなさについて 大 騒 ぎをし 現 世 のむなしさの 考 察 にふけっている 人 々を わたしは 気 の 毒 に 思 う わたしたちがこの 世 に 存 在 するのは 実 は はかないものを 永 遠 なものにするためではないか これはわれわれが はかなさ と 永 遠 の 意 味 を ほんとうに 知 った 場 合 にのみなしうることである くりかえして 言 うことだが もし 単 純 でなかったら 世 界 は 持 続 できないだろう こ の 貧 しい 土 地 はすでに 数 千 年 来 耕 されており その 力 はいつも 同 じで 変 わらない わ ずかの 雨 とわずかの 日 光 を 受 けて 春 のくるたびにそれはまた 青 々としてくる エッケルマン ゲーテとの 対 話 1927 年 4 月 11 日 Ich sage immer und wiederhole es, die Welt könnte nicht bestehen, wenn sie nicht so einfach wäre. Diser elende Boden wird nun schon tausend Jahre bebaut und seine Kräfte sind immer dieselbigen. Ein wenig Regen, ein wenig Sonne, und es wird jeden Frühling wieder grün, und so fort. わたしはこういう 時 代 に 生 まれて 非 常 な 利 益 を 得 た 大 きい 世 界 的 事 件 がつぎつぎに 起 こり わたしの 長 い 生 涯 にわたってつづいた つまり わたしは 七 年 戦 争 アメリ カの 独 立 フランス 革 命 そして 最 後 にナポレオン 時 代 の 全 体 この 英 雄 の 没 落 や その 後 の 事 件 も 含 めて の 生 きた 目 撃 者 となった これによってわたしは これか ら 生 まれて ああいう 大 事 件 を 理 解 しにくい 書 物 を 通 じて 知 るよりほかはない 人 た 28/40

ちとは まったくちがった 結 論 と 判 断 に 達 した 今 後 どういうことが 起 こるかは まったく 予 言 できない しかしおそらくわれわれは そう 早 くは 平 静 な 状 態 には 達 しないだろう 世 界 は 中 庸 には 安 んじていない 勢 力 家 は 力 を 濫 用 しないではいないし 民 衆 は 世 の 中 がしだいにりっぱになることを 予 期 し て 程 よい 境 遇 に 満 足 するということがない 人 間 を 完 全 なものにすることができる なら 完 全 な 社 会 状 態 も 考 えられよう しかし 事 実 は 永 久 に 動 揺 をかさねるにすぎ ないだろう 一 方 にはいい 目 に 会 っているものがあり 他 方 には 難 儀 しているものた ちがいるだろう 利 己 心 と 嫉 妬 とが 悪 性 のデーモンとなって 戯 れをつづけるだろう そして 党 派 の 争 いは 終 結 することがあるまい いつの 世 においても 最 も 理 性 的 なことは 各 人 が 生 来 のものにせよ 習 得 したもの にせよ おのが 職 業 につとめ 他 人 は 他 人 の 仕 事 をさまたげないことである 靴 屋 は 靴 型 のそばに 百 姓 は 鋤 のうしろにとどまるがいい エッケルマン ゲーテとの 対 話 1824 年 2 月 25 日 Ich habe den großen Vorteil daß ich zu einer Zeit geboren wurde, wo die größten Weltbegebenheiten an die Tagesordnung kamen und sich durch mein langes Leben fortsetzten, so daß ich vom Siebenjährigen Krieg, sodann von der Trennung Amerikas von England, ferner von der Französischen Revolution, und endlich von der ganzen Napoleonischen Zeit bis zum Untergange des Helden und den folgenden Ereignisssen lebendiger Zeuge war. Hiedruch bin ich zu ganz anderen Resultaten und Einsichten gekommen, als allen denen möglich sein wird, die jetzt geboren werden und die sich jene großen Begebenheiten durch Bücher aneignen müssen, die sie nicht verstehen. Was uns die nächsten Jahre bringen werden, ist durchaus nicht vorherzusagen; doch ich fürchte, wir kommen so bald nicht zur Ruhe. Er ist der Welt nicht gegeben, sich zu bescheiden; den Großen nicht, daß kein Mißbrauch der Gewalt stattfinde, und der Masse nicht, daß sie in Erwartung allmählicher Verbesserungen mit einem mäßigen Zustande denkbar; so aber wird es ewig herüber und hinüber schwanken, der eine Teil wird leiden, während der andere sich wohl befindet, Egoismus und Neid werden als böse Dämonen immer ihr Spiel treiben und der Kampf der Parteien wird kein Ende haben. Das Vernünftigste ist immer, daß jeder sein Metier treibe, wozu er geboren ist und was er gelernt hat, und daß er den andern nicht hindere, das Seinige zu tun. Der Schuster bleibe bei seinem Leisten, der Bauer hinter dem Pflug und der Fürst wisse zu regieren. 29/40

現 世 の 世 界 は われわれがそのために 力 をつくすだけの 値 打 ちのないものである な ぜなら いまある 世 界 は 一 瞬 たてば 滅 びてしまうであろうから われわれは 過 去 の 世 界 と 未 来 の 世 界 のために 努 力 しなければならないのだ すなわち 過 去 の 世 界 のた めには その 功 績 を 認 めること 未 来 の 世 界 のためには その 価 値 を 高 めることをこ ころざさなければならない Die gegenwärtige Welt ist nicht wert, das wir etwas für sie tun; denn die bestehende kann in dem Augenblick abscheiden. Für die vergangne und künftige müssen wir arbeiten: für jene, daß wir ihr Verdiest anerkennen. für diese, daß wir ihren Wert zu erhöhen suchen. 自 分 が 何 かに 役 立 ちうるところ それがわが 祖 国 だ ウィルヘルム マイステルの 遍 歴 時 代 Wo ich nütze ist mein Vater land! Wilhelm Meisters Wanderjahre 30/40

13 率 直 な 表 明 自 説 をうまく 証 明 してやろうなどとは 思 わずに 自 分 の 考 えるままに 率 直 に 意 見 を 述 べるのが つねによりよいやり 方 である なぜなら われわれが 提 出 するあらゆる 証 明 は つまりはわれわれの 意 見 の 変 換 にすぎないのだから また 反 対 意 見 をもつ 人 た ちはわれわれの 意 見 にも 証 明 にも 耳 を 傾 けなどはしないのだから 通 常 理 論 というものは 忍 耐 を 欠 く 悟 性 の 性 急 なしわざである そのような 悟 性 は 好 んで 諸 現 象 から 離 れたがり その 現 象 のかわりに 比 喩 や 概 念 や そして 実 際 よく あることだが ただことばだけをはめこむのである それが 単 に 便 宜 にすぎぬことは 人 々も 感 じ また 実 際 見 ているとおりである だが 人 間 の 情 念 や 党 派 心 というもの は どんなときでも 便 宜 を 欲 するものではないだろうか それも 当 然 のことであって それらは 便 宜 というものをそれほどに 必 要 としているのである Theorien sind gewöhnlich Übereilungen eines ungeduldigen Verstandes, der die Phänomene gern los sein möchte und an ihrer Stelle deswegwn Bilder, Begriffe, ja oft nur ein Behelf ist; liebt sich nicht aber Leidenschaft und Parteigeist jederzeit Behelfe? Und mit Recht, da sie ihrer so sehr bedürfen. ある 国 語 の 力 はそれが 他 国 のことばを 排 除 するということにあるのではなくて それ が 他 国 のことばを 併 呑 することにあるのだ 外 国 語 を 知 らぬものは 自 国 語 について 何 も 知 らぬものである Wer fremde Sprachen nicht kennt, weiß nichts von seiner eigenen. 31/40

14 享 受 のための 断 念 旅 行 者 というものは 多 くのことを 享 受 するために 多 くのことを 断 念 するものである わたしは わたし 自 身 をいつもそういう 旅 行 者 のひとりと 見 なしているから 誤 った 道 は 歩 いていないと 思 う 親 和 力 第 二 部 第 十 章 Nun glaub ich, sagte er, auf dem rechten Wege zu sein, da ich mich immerfort als einen Reisenden betrachte, der vielem entsagt, um vieles zu genießen. Die Wahlverwandtschaften つめたい 心 をもって 自 分 自 身 と 自 分 の 意 志 のために 生 きているものは おのれのさま ざまな 欲 望 を 満 足 させるのもよかろう しかし 他 の 人 々をよく 導 こうと 努 める 者 は 多 くの 欲 望 を 断 念 する 能 力 をもたねばならぬ ワイマルの 君 主 カール アウグストに 与 えたことば 他 者 に 教 えようとする 者 は かれが 知 っている 最 善 のことを 言 わずにおくことがしば しばある しかし かれは 一 知 半 解 にとどまっていることは 許 されない ウィルヘルムマイステルの 遍 歴 時 代 Wer andere lehren will, kann wohl oft das Beste verschweigen was er weiß, aber er darf nicht halbwissend sein. Wilhelm Meisters Wanderjahre 32/40

15 批 評 について 大 きい 印 象 をあたえる 本 は あれこれと 批 評 できないのがほんとうだ 批 評 はまった く 近 代 人 の 単 なる 習 慣 にすぎない そんなものになんの 意 味 があろうか わたしたち は 本 を 読 むときは その 本 のはたらきかけを 受 け このはたらきかけに 身 を 任 せき るべきである そうすればわたしたちはその 本 について 正 しい 判 断 に 到 達 しよう ミュラーとの 談 話 批 評 にたいしては われわれは 防 御 することも 抵 抗 することもできない われわれは そんなものは 頓 着 せず 行 動 することが 必 要 だ そうすれば 批 評 はしだいにこちらに 頭 を 下 げてくる Gegen die Kritik kann man sich weder schützen noch wehren; man muß ihr zum Trutz handeln, und das läßt sie sich nach und nach gefallen. 俗 悪 なものに 対 しては 種 々にことばを 浪 費 する 必 要 はない 俗 悪 なものは 出 現 し ても すぐに 滅 びてしまうのだから 永 久 に 否 定 ばかりする 永 久 に 反 対 の 態 度 をとる 永 久 に 同 時 代 者 や 周 囲 の 者 の 欠 陥 と 短 所 に 攻 撃 の 矢 を 放 とうと 身 がまえている そういうことをするくらいなら わた しはいっそ 首 をくくって 死 んでしまったほうがましだと 思 う ミュラーとの 談 話 われわれをいちばんひどく 批 評 するのは 誰 だろう 自 分 にあきらめをつけたディレッタントだ ことわざ 風 Wer uns am strengsten kritisiert? Ein Dilettant, der sich resigniert. Sprichwörtlich 33/40

敵 があるからといって わたしは 自 分 の 価 値 を 低 く 考 える 必 要 があるか ツァーメ クセーニエン 自 分 を 実 際 以 上 に 考 えることと 真 価 以 下 に 見 つもることとは 共 に 大 きなあやまり である Ein großer Fehler: daß man sich mehr dünkt, als man ist, und sich weniger schätzt, als man wert ist. 自 信 おたがい 人 間 一 ぴきさ めいめい 自 分 のことを 考 えればよくわかる これでも 自 然 はなかなかおれに 気 前 をよくしてくれたのだ いろんな 苦 労 も 楽 しみも 人 のもたない 自 分 の 宝 だ さすればめいめいこれからでも きげんのよい 顔 してゆくべきじゃあるまいか 34/40

16 目 ざすべきこと わたしたちはけっきょく 何 を 目 ざすべきか 世 間 を 知 り それを 軽 蔑 しないことだ ツァーメ クセーニエン 不 愉 快 を 感 ずることもわれわれは 自 分 の 役 に 立 てねばならない それも 生 の 一 部 分 いや 大 部 分 なのであるから ミュラーとの 談 話 人 間 のことは 考 えるな 事 柄 を 考 えよ ツァーメ クセーニエン 友 人 の 欠 点 だけを 考 えている 人 たちがいる そこからはどんな 利 益 もうまれてはこな い わたしはいつもわたしの 敵 の 価 値 に 注 意 を 向 けてきた そしてそのことから 利 益 をうけた Es gibt Menschen, die auf die Mängel ihrer Freund sinnen; dabei ist nichts zu gewinnen. Ich habe immer auf die Verdienste meiner Wiedersacher acht gehabt und davon Vorteil gezogen. 相 手 のすぐれた 長 所 には 愛 をもって 対 するよりほかに 抵 抗 の 手 段 がない 親 和 力 第 二 部 第 五 章 Gegen große Vorzüge eines andern gibt es kein Rettungsmittel als die Liebe. 愛 を 感 じないものは おもねることを 学 ばねばならない そうでなければ 世 を 渡 るこ 35/40

とができない Wer keine Liebe fühlt, muß schmeicheln lernen, sonst kommt er nicht aus. 人 はほんとうに 劣 悪 になると 他 人 のふしあわせを 喜 ぶこと 意 外 に 興 味 をもたなくな る Wenn die Menschen recht schlecht werden, haben sie keinen Anteil mehr als die Schadenfreude. 高 尚 なものを 受 け 入 れようとする 素 質 は きわめてまれである それゆえ 日 常 生 活 で は そういうことは 自 分 の 胸 のうちにだけおさめて ただ 人 を 引 っぱるために 多 少 と も 役 立 つ 範 囲 で 洩 らしてゆくがいい エッケルマン ゲーテとの 対 話 肥 っても 痩 せても 控 え 目 でいりゃ 我 慢 しなけりゃならぬ のさぼりゃ 叩 かれる どっちみちしょいこみはおなじだ のさぼっても 控 え 目 でも --------------------------------------------- 36/40

高 橋 健 二 訳 編 ゲーテの 言 葉 彌 生 書 房 (1969) すぐれたものを 認 めないことそこ 即 ち 野 蛮 だ エッケルマン ゲーテとの 対 話 1831 年 3 月 22 日 Dienstag, den 22. März 1831 denn worin besteht die Barbarei anders als darin, daß man das Vortreffliche nicht anerkennt. Johann Peter Eckerman: Gespräche mit Goethe in den letzten Jahren seines Lebens http://gutenberg.spiegel.de/buch/gesprache-mit-goethe-in-den-letzten-jahren-seines-lebens-1912/196 ( 注 :Reclam 版 https://www.reclam.de/detail/978-3-15-002002-9/eckermann Johann_Peter/Gespraeche_mit_Goethe_ や 山 下 肇 訳 の 岩 波 文 庫 版 には この 日 は 含 まれていない 2016 年 2 月 22 日 に 判 明 ) しかし だれが 他 人 に 対 する 自 分 の 優 越 を 時 おり 残 酷 な 仕 方 で 見 せびらかせないほど の 教 養 を 積 んでいるでしょう 親 和 力 第 一 部 第 二 章 Doch wer ist so gebildet, daß er nicht seine Vorzüge gegen andre manchmal auf eine grausame Weise geltend machte! Die Wahlverwandtschaften 人 はどれほど 隠 遁 して 暮 らしていようと いつの 間 にか 債 務 者 か 債 権 者 になって いる われわれに 恩 を 受 けているだれかに 会 うと われわれはすぐそれに 思 いつく われわ れが 恩 を 受 けているだれかに 会 って そのことに 考 え 及 ばぬことが どんなにたびた びあるだろう 親 和 力 第 二 部 第 四 章 Man mag noch so eingezogen leben, so wird man, ehe man sichs versieht, ein Schuldner oder ein Gläubiger. 37/40

Begegnet uns jemand, der uns Dank schuldig ist, gleich fällt es uns ein. Wie oft können wir jemand begegnen, dem wir Dank schuldig sind, ohne daran zu denken! Die Wahlverwandtschaften 人 間 は 何 を 滑 稽 だと 思 うかということによって 何 よりもよくその 性 格 を 示 す 親 和 力 第 二 部 第 四 章 Der Verständige findet fast alles lächerlich, der Vernünftige fast nichts. 人 がわたしたちのところに 来 るのでは その 人 を 知 ることはできない 人 がどういう ふうであるかを 知 るためには わたしたちはその 人 のところへ 行 かなくてはならない 親 和 力 第 二 部 第 五 章 Wir lernen die Menschen nicht kennen, wenn sie zu uns kommen; wir müssen zu ihnen gehen, um zu erfahren, wie es mit ihnen steht. 自 由 でないのに 自 分 は 自 由 だと 思 っているものほど 奴 隷 になっているものはない 親 和 力 第 二 部 第 五 章 Niemand ist mehr Sklave, als der sich für frei hält, ohne es zu sein. 侍 僕 にとっては 英 雄 なるものは 存 在 しないといわれる それは 英 雄 は 英 雄 によって のみ 認 められるということにもとづくのにほかならない 侍 僕 はおそらく 自 分 の 仲 間 なら 評 価 することを 心 得 ているだろう 親 和 力 第 二 部 第 五 章 Es gibt, sagt man, für den Kammerdiener keinen Helden. Das kommt aber bloß daher, weil der Held nur vom Helden anerkannt werden kann. Der Kammerdiener wird aber wahrscheinlich seinesgleichen zu schätzen wissen. 天 才 も 不 滅 ではないということほど 凡 庸 なものにとって 慰 めになることはない 親 和 力 第 二 部 第 五 章 Es gibt keinen größern Trost für die Mittelmäßigkeit, als daß das Genie nicht 38/40

unsterblich sei. 愚 か 者 と 賢 い 人 は 同 様 に 害 がない 半 分 愚 かな 者 と 半 分 賢 い 者 とだけが 最 も 危 険 で ある 親 和 力 第 二 部 第 五 章 Toren und gescheite Leute sind gleich unschädlich. Nur die Halbnarren und Halbweisen, das sind die Gefährlichsten. 39/40

関 泰 祐 筑 摩 世 界 文 学 大 系 25 ウィルヘルム マイステル 修 行 時 代 第 7 巻 第 1 章 p.224 われわれが 出 会 ったことはことごとくあとを 残 すもので 知 らずしらずのうちに 教 養 に 貢 献 するものです しかし それを 自 分 にむかっていちいち 釈 明 しようとするのは 危 険 です そんなことをしたら あなたは 得 意 でなげやりになるか あるいは 意 気 阻 喪 して 臆 病 になるかです そしていずれにしても 将 来 のさまたげになります いちば ん 安 全 なのは 目 の 前 にあるもっとも 手 近 なことだけをやることです alles, was und begegnet, läßt Spuren zurück, trägt unmerklich zu unserer Bildung bei; doch es ist gefährlich, sich davon Rechenschaft geben zu wollen. Wir werden dabei entweder stolz und lässig, oder niedergeschlagen und kleinmütig, und eins ist für die Folge so hinderlich als andere. Das Sicherste bleibt immer, nur das Nächste zu tun was vor uns liegt, Wilhelm Meisters Lehrjahre ------------------------------------------------------------------------------------------------- Umlaut ßäëöüÄËÖÜ 40/40