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Ⅲ. 今 後 の 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 の 課 題 と 展 望 114

1. 分 析 結 果 と 今 後 の 展 望 の 全 体 構 造 Ⅲ. 今 後 の 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 の 課 題 と 展 望 内 閣 府 は 北 方 領 土 問 題 に 関 する 理 解 と 関 心 の 浸 透 を 図 ることを 目 指 し 民 間 企 業 の 社 会 貢 献 部 門 に 対 し 北 方 領 土 問 題 の 啓 発 に 協 力 してもらえるように 働 きかけを 行 ってきたが こうした 取 り 組 みを 全 国 的 かつ 多 面 的 な ものとするために 民 間 企 業 に 対 して 企 業 施 設 内 での 北 方 領 土 問 題 のポスター リーフレット パネルなどの 啓 発 資 料 の 展 示 インターネット 等 の SNS の 活 用 による 啓 発 活 動 の 実 施 企 業 主 催 イベントへの 北 方 領 土 問 題 の ブース 出 展 など 北 方 領 土 問 題 の 啓 発 活 動 において 企 業 として 協 力 できる 内 容 を 明 確 にするために 本 調 査 を 実 施 した 以 下 啓 発 活 動 に 対 する 阻 害 要 因 から 現 状 の 企 業 の 協 力 意 向 を 踏 まえ 施 策 の 方 向 性 の 提 示 をおこなう 2. 啓 発 活 動 の 阻 害 要 因 今 回 の 調 査 においては 2,000 社 強 に 対 して 調 査 への 協 力 を 依 頼 したが 協 力 企 業 は 2 割 強 にとどまり 多 くの 企 業 が 当 該 の 問 題 への 回 答 を 避 ける 傾 向 がみられた また 調 査 協 力 企 業 においても 協 力 意 向 も 非 常 に 15% 弱 と 低 いレベルとなった 定 量 調 査 及 びヒアリングを 通 じて 啓 発 活 動 を 民 間 と 協 力 して 行 うにあたっては 以 下 のような 阻 害 要 因 が 浮 き 彫 りとなった (1) 政 治 的 テーマ ということで 会 社 として 取 り 組 みにくい テーマ 自 体 に 反 対 というよりも 政 治 的 テーマに 民 間 企 業 が 取 り 組 むことの 理 由 メリットがみえづら い いろいろな 意 見 のある 問 題 で 企 業 としてひとつの 見 解 を 打 ち 出 すことはリスクに 繋 がる 特 に 一 般 消 費 者 を 対 象 とした 事 業 では 政 治 的 問 題 で 企 業 がひとつの 側 に 立 つことで 消 費 者 からクレームが 起 こることを 懸 念 している 115

Ⅲ. 今 後 の 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 の 課 題 と 展 望 (2) 企 業 が 取 り 組 むべき 社 会 的 責 任 のテーマとはいえない 現 時 点 では 企 業 が 社 会 貢 献 企 業 の 社 会 的 責 任 (CSR)の 一 環 として 取 り 組 む 活 動 とはいえない 非 常 に 限 定 的 なテーマとなっており 広 く 社 会 が 取 り 組 むべき 課 題 になっていない 年 金 雇 用 少 子 化 原 発 などの 問 題 に 比 べると 優 先 度 が 低 いといわざるをえない 企 業 からみて 政 治 的 なもの ではなく 社 会 的 意 義 のあるもの と 認 知 されないと 活 動 は 難 しい 現 時 点 では 北 方 領 土 問 題 自 体 企 業 にとっては 関 心 のないテーマ 自 分 ごと としては 捉 えられな い 北 方 領 土 が 話 題 になっている 時 期 ならばそれに 乗 りやすいが そうでない 時 期 では 突 出 した 印 象 をも たれそうなので 避 けたい (3) 企 業 として 啓 発 活 動 に 関 与 することのメリットがみえない 企 業 の 論 理 からすると Win-Win でないとやるメリットを 感 じない 社 会 的 意 義 のある 活 動 を 支 援 してい るという 企 業 姿 勢 を 打 ち 出 せる( 企 業 イメージにプラス) あるいは 経 済 的 メリットがある といったもの がないと 動 きづらい ビジネスが 絡 んでくると トップの 考 え 方 も 変 わるが そうでない 場 合 にはなぜこ れをやるのかというトップを 説 得 できるストーリーが 必 要 コストが 発 生 することも 想 定 すると それなりにメリットがないと 動 きづらい 企 業 は 常 にメリット デメリッ トを 考 えている 社 会 貢 献 活 動 も 顧 客 に 身 近 に 思 ってもらう 企 業 イメージにプラスになるなど 企 業 に とってなんらかメリットがあることが 期 待 されている その 観 点 でみて 北 方 領 土 問 題 は 企 業 にとって 取 組 みが 難 しい ロシアとビジネスを 展 開 しているため 北 方 領 土 返 還 を 企 業 として 打 ち 出 す 難 しさがある 相 互 理 解 のためにも 公 平 な 立 場 で 理 解 することが 重 要 顧 客 はロシア 人 を 含 め 外 国 人 も 多 いので 日 本 の 主 張 だけを 展 開 するのは 難 しい 側 面 がある 3.アプローチするテーマ アンケート 調 査 に 回 答 した 企 業 のうち 協 力 意 向 なし 企 業 の 多 くが 啓 発 活 動 に 協 力 できない 理 由 として 政 治 色 の 強 いテーマであり 当 社 の 社 会 貢 献 活 動 のテーマには 馴 染 まないから との 理 由 を 挙 げている ヒアリング 調 査 の 結 果 を 踏 まえると 啓 発 活 動 のテーマとして 北 方 領 土 の 返 還 を 訴 える 活 動 かどうかという 点 が 政 治 的 なテーマ か 否 かを 分 けるボーダーラインになっている そのため 民 間 企 業 に 何 らかの 形 で 協 力 してもらえ るように 北 方 領 土 の 問 題 をテーマにしながらも 現 時 点 では 返 還 を 前 面 に 出 さずに 訴 求 することを 考 える 必 要 がある 116

Ⅲ. 今 後 の 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 の 課 題 と 展 望 4. 民 間 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 について 企 業 の 取 組 み 状 況 からみた 今 後 の 施 策 の 方 向 性 アンケート 調 査 及 びヒアリング 調 査 の 結 果 を 踏 まえて 企 業 の 啓 発 活 動 への 協 力 意 向 にあわせたアプローチ を 以 下 のように 検 討 した (1) 既 になんらかの 形 で 啓 発 活 動 に 協 力 している 企 業 へのアプローチ 既 になんらかの 形 で 啓 発 活 動 に 協 力 している 企 業 に 対 しては 多 面 的 な 啓 発 活 動 展 開 への 参 加 を 依 頼 し 接 点 の 拡 大 内 容 の 充 実 を 図 る 社 内 施 設 を 活 用 したパネル 展 の 展 開 社 内 勉 強 会 など 現 在 各 企 業 が 取 り 組 んでいる 啓 発 活 動 が 継 続 的 に 展 開 することをお 願 いするとともに その 活 動 を 継 続 していく 上 で 連 携 協 力 できることをおこなう 例 )パネル 展 であれば 企 業 や 施 設 との 親 和 性 のあるテーマに 考 慮 した 素 材 の 提 供 社 内 勉 強 会 であれば 関 係 機 関 からの 専 門 家 の 派 遣 など また 現 在 の 活 動 に 加 えて 返 還 をテーマに 盛 り 込 んだパンフレット ポスター 等 の 広 報 物 の 社 内 社 外 へ の 配 布 掲 出 などもお 願 いすることを 考 える 既 に 取 り 組 んでいる 企 業 には 啓 発 活 動 に 取 り 組 んでいない 企 業 に 対 して 提 示 する 啓 発 活 動 への 連 携 先 進 企 業 の 事 例 (ケーススタディ)として 取 り 上 げさせてもらうことも 考 える 117

(2) 今 後 の 協 力 意 向 あり の 企 業 へのアプローチ Ⅲ. 今 後 の 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 の 課 題 と 展 望 今 後 の 協 力 意 向 あり の 企 業 に 対 しては 北 方 領 土 の 問 題 をテーマにしながらも 現 時 点 では 政 治 色 より 歴 史 や 生 活 情 報 の 啓 発 を 重 視 し 返 還 を 前 面 に 出 さずに 訴 求 することを 考 える 必 要 がある 啓 発 活 動 参 加 のハードルを 下 げる 施 策 と 捉 える アンケート 調 査 で 啓 発 活 動 に 協 力 できない 理 由 として ナイーブなテーマであり 実 際 の 取 り 組 みを はじめた 後 にどのような 事 態 が 起 こるのか 予 測 できないから との 回 答 も 目 立 っていた 今 回 ヒアリング 調 査 において 政 治 的 に 色 が 着 く など 間 接 的 な 表 現 にとどまり 明 確 な 表 現 は 出 てこ なかったが 企 業 のなかには 右 寄 りの 企 業 として 見 られることへの 懸 念 も 感 じていたようだ その 意 味 からも 協 力 意 向 なし 企 業 に 対 しては 返 還 というメッセージを 前 面 に 出 さない12のようなアプロ ーチが 必 要 であるといえる 返 還 を 前 面 に 出 さずに 訴 求 するものとして 以 下 のような 方 向 性 が 考 えられる 啓 発 活 動 参 加 のハードルを 下 げるため 領 土 問 題 に 強 く 触 れずに 北 方 領 土 の 歴 史 や 北 方 領 土 の 暮 らし 生 活 に 関 連 した 情 報 の 啓 発 をテーマにして 北 方 領 土 ( 北 方 四 島 )に 対 する 関 心 理 解 を 深 めてもらう 具 体 的 な 活 動 として 領 土 問 題 に 強 く 触 れずに 北 方 領 土 ( 北 方 四 島 )に 対 する 関 心 理 解 を 深 めてもらう 内 容 をまとめた 社 内 に 対 するパンフレットの 展 開 やパネル 展 の 展 開 が 考 えられる 回 答 企 業 において 社 内 に 向 けてのパンフレット ポスター 等 の 展 開 は 比 較 的 協 力 意 向 が 高 かった 社 外 向 けとしては 保 有 するデジタルサイネージ( 大 型 スクリーン レジ 前 デジタルスクリーンなど)での 情 報 発 信 もお 願 いする また この 層 に 対 しては 既 になんらかの 形 で 啓 発 活 動 に 協 力 している 企 業 の 取 り 組 み 事 例 ( 先 進 事 例 )を 紹 介 することも 有 効 である (3) 協 力 意 向 なし 企 業 へのアプローチ 現 時 点 では 大 半 の 企 業 がこのカテゴリーに 属 するが 協 力 意 向 なし 企 業 に 対 しては 啓 発 活 動 への 連 携 に 向 けて 直 接 的 に 働 きかけることではなく 広 く 世 論 を 喚 起 する 活 動 を 通 じて 間 接 的 に 意 識 を 醸 成 させてい く 方 法 を 考 える 2,000 社 強 に 対 しておこなったアンケート 調 査 において 協 力 意 向 がないと 回 答 した 企 業 および アンケ ート 調 査 自 体 への 協 力 もしていただけなかった 企 業 が 該 当 する この 層 を 巻 き 込 んでいくには メディア マスコミ 対 策 国 民 運 動 化 キャンペーン 教 育 分 野 への 働 きかけなど による 環 境 整 備 が 必 要 と 考 えられる a ) 国 民 運 動 キャンペーンの 展 開 118

Ⅲ. 今 後 の 企 業 と 連 携 した 啓 発 活 動 の 課 題 と 展 望 北 方 領 土 に 対 する 関 心 を 持 ってもらうための 国 民 運 動 キャンペーンの 展 開 を 考 える 関 心 を 持 ってもらう ために これまでにない 視 点 返 還 後 に 北 方 領 土 をどのように 活 用 すると 良 いのかのアイデア 募 集 など 国 民 が 関 心 を 持 ちそうな 切 り 口 を 考 える このような 国 民 運 動 キャンペーンに 対 して 企 業 が 協 賛 などの 形 で 連 携 していくことは 可 能 今 回 のヒアリング 調 査 において 現 時 点 で 協 力 意 向 の 弱 い 企 業 でも 国 が 主 導 となったキャンペーン 国 民 運 動 であれば 自 社 でも 協 力 しやすくなるという 声 は 聞 かれた このような 形 に 企 業 側 が 協 力 することは 現 時 点 でも 十 分 に 可 能 である b )メディア マスコミ 対 策 単 なるパブリシテイ 展 開 にとどまらず 新 聞 放 送 の 社 会 部 長 会 議 や 論 説 委 員 クラスのグループ 化 およ びそのようなメンバーを 巻 き 込 んだ 国 民 啓 発 のストーリー 作 りへの 協 力 などを 働 きかける c ) 業 界 団 体 の 巻 き 込 み( 企 業 に 対 して 影 響 力 を 持 つ 業 界 団 体 の 協 力 を 得 た 活 動 ) 漁 連 自 動 車 工 業 会 食 品 工 業 会 など 企 業 に 影 響 力 の 持 つ 業 界 団 体 で 北 方 領 土 返 還 要 求 への 賛 同 などの 決 議 をお 願 いする パンフレットを 配 布 する 際 調 査 への 依 頼 をする 際 に 協 力 してもらうなどことも 有 効 な 施 策 と 考 えられる d ) 教 育 分 野 への 働 きかけ 教 育 の 分 野 において 地 理 歴 史 などの 教 科 で 北 方 領 土 が 取 り 上 げられることが 考 えられる 教 育 の 現 場 において 今 まで 以 上 に 取 り 組 んでもらえるような 取 り 組 みを 考 える 対 象 となる 児 童 生 徒 に 受 け 入 れ られやすい 教 材 の 用 意 (パンフレットからデジタルアプリまで) 切 り 口 などは 教 育 現 場 の 声 を 踏 まえて 考 え より 効 果 的 なものを 制 作 する 今 回 の 調 査 をみても 教 育 ( 次 世 代 育 成 含 む)をテーマに CSR 活 動 をおこなっている 企 業 も 多 く そ れらの 企 業 との 連 携 も 考 えられる 119