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簡 易 な 水 路 補 修 の 手 引 き 平 成 22 年 11 月 ( 全 国 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 )

は じ め に 農 業 水 利 施 設 は 農 業 用 水 路 だけでも 全 国 で 約 40 万 kmに 及 び 膨 大 なストックを 形 成 しています その 管 理 については 全 国 の 土 地 改 良 区 等 に 委 託 されておりますが その 機 能 を 適 切 に 維 持 保 全 し 次 世 代 へ 継 承 し ていくことが 食 料 の 安 定 供 給 のための 重 要 な 課 題 となっています このような 水 路 等 においては 老 朽 化 しても 簡 易 な 補 修 により 水 利 機 能 が 回 復 する 施 設 も 多 数 存 在 します 全 国 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 においては 平 成 18 年 度 から 農 林 水 産 省 の 補 助 事 業 である 土 地 改 良 施 設 機 能 更 新 等 円 滑 化 対 策 事 業 ( 簡 易 補 修 等 ) を 行 いました その 事 業 の 一 環 として 簡 易 補 修 を 行 うことにより 機 能 回 復 が 図 られている 農 業 用 水 路 等 について 実 態 調 査 を 行 い 専 門 技 術 者 を 含 めた 委 員 会 を 開 催 し 実 態 調 査 結 果 に 基 づいて 土 地 改 良 区 等 で 実 施 可 能 な 簡 易 補 修 の 施 工 可 能 範 囲 と 施 工 方 法 について 検 討 取 りまとめを 行 い ました この 手 引 きは 農 業 水 利 施 設 を 管 理 している 土 地 改 良 区 等 の 皆 様 が 自 ら 簡 易 な 補 修 を 実 施 し 施 設 の 長 寿 命 化 に 向 けた 農 業 水 利 施 設 の 維 持 管 理 を 日 常 的 に 実 行 できるよう 簡 易 補 修 の 施 工 方 法 等 について わかりや すくまとめたものであり 農 業 用 水 路 等 の 維 持 管 理 のお 役 に 立 てて 頂 けれ ば 幸 いです 最 後 に 本 手 引 き 書 作 成 に 関 しまして お 力 添 えを 頂 きました 各 委 員 の 皆 様 をはじめ 農 林 水 産 省 各 都 道 府 県 水 土 里 ネット 及 び 各 土 地 改 良 区 の 御 担 当 の 方 々など 多 くの 皆 様 に 深 く 感 謝 を 申 し 上 げます 平 成 22 年 11 月 全 国 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会

目 次 第 1 章 総 則 1 1.1 目 的 1 1.2 適 用 範 囲 2 1.3 本 手 引 きの 使 い 方 3 1.4 用 語 の 定 義 4 第 2 章 変 状 の 種 類 と 原 因 7 2.1 初 期 欠 陥 の 種 類 と 原 因 8 2.2 劣 化 の 種 類 と 原 因 10 2.3 損 傷 の 種 類 と 原 因 12 2.4 二 次 的 変 状 の 種 類 と 原 因 13 第 3 章 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 と 簡 易 補 修 工 法 14 3.1 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 14 3.2 変 状 の 種 類 と 原 因 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 の 種 類 16 3.2.1 初 期 欠 陥 17 3.2.2 劣 化 18 3.2.3 損 傷 19 3.3 耐 久 性 から 見 た 補 修 の 要 否 20 3.4 ひび 割 れ 幅 に 応 じた 補 修 工 法 の 分 類 21 第 4 章 コンクリートに 発 生 する 変 状 例 22 4.1 簡 易 補 修 対 象 の 変 状 23 4.2 簡 易 補 修 対 象 外 の 変 状 30 4.3 二 次 的 変 状 38

第 5 章 補 修 材 料 の 性 質 と 選 定 44 5.1 簡 易 補 修 材 料 の 一 般 的 な 性 質 と 選 定 45 5.2 有 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 46 5.3 無 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 49 5.4 表 面 含 浸 工 法 材 料 の 性 質 49 5.5 注 入 材 充 てん 材 の 種 類 と 選 定 50 第 6 章 簡 易 補 修 による 機 能 回 復 手 法 51 6.1 下 地 処 理 53 6.2 目 地 補 修 工 法 54 6.2.1 表 面 被 覆 工 法 55 (1) 工 法 の 概 要 55 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 56 (3) 留 意 点 58 (4) 主 要 資 機 材 59 6.2.2 充 てん 工 法 60 (1) 工 法 の 概 要 60 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 61 (3) 留 意 点 63 (4) 主 要 資 機 材 63 6.3 ひび 割 れ 補 修 工 法 64 6.3.1 ひび 割 れ 被 覆 工 法 65 (1) 工 法 の 概 要 65 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 66 (3) 留 意 点 67 (4) 主 要 資 機 材 67 6.3.2 ひび 割 れ 充 てん 工 法 68 (1) 工 法 の 概 要 68 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 69 (3) 留 意 点 71 (4) 主 要 資 機 材 72

6.4 表 面 保 護 工 法 73 6.4.1 断 面 修 復 工 法 73 (1) 工 法 の 概 要 73 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 74 (3) 留 意 点 76 (4) 主 要 資 機 材 77 6.4.2 表 面 被 覆 工 法 78 (1) 工 法 の 概 要 78 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 79 (3) 留 意 点 81 (4) 主 要 資 機 材 83 6.4.3 表 面 含 浸 工 法 84 (1) 工 法 の 概 要 84 (2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 85 (3) 留 意 点 86 (4) 主 要 資 機 材 86 6.5 簡 易 補 修 に 使 用 する 主 要 資 機 材 87 第 7 章 簡 易 補 修 後 の 維 持 管 理 88 7.1 簡 易 補 修 後 に 求 められる 維 持 管 理 とは 89 7.2 簡 易 補 修 後 に 記 録 すべき 事 項 89 7.3 耐 久 性 の 評 価 94 7.3.1 変 状 別 耐 久 性 の 評 価 95 7.3.2 補 修 材 料 別 耐 久 性 の 評 価 98 第 8 章 化 学 製 品 の 正 しい 取 り 扱 い 方 法 103 8.1 化 学 製 品 を 使 用 する 場 合 に 確 認 すべき 記 号 104 8.2 化 学 製 品 を 使 用 する 場 合 の 安 全 対 策 107 8.3 化 学 製 品 を 使 用 する 場 合 の 性 能 保 証 3 原 則 108

第 9 章 簡 易 補 修 相 談 事 例 集 109 9.1 平 成 20 年 度 相 談 事 例 110 9.2 平 成 21 年 度 相 談 事 例 125

第 1 章 総 則 1.1 目 的 本 手 引 きは 土 地 改 良 施 設 総 合 対 策 支 援 事 業 の 一 環 として 簡 易 補 修 等 による 機 能 回 復 手 法 の 確 立 を 目 的 に 管 理 者 等 が 自 ら 簡 易 補 修 を 実 施 し 農 業 水 利 施 設 の 維 持 管 理 を 日 常 的 に 実 行 できるようにするために わかりやすく かつ 実 効 性 のあるものとして 作 成 したものである 解 説 農 業 水 利 施 設 は 農 業 用 水 路 だけでも 全 国 で 約 40 万 km に 及 び 膨 大 なストックを 形 成 している その 管 理 については 全 国 の 土 地 改 良 区 等 に 委 託 しているところであるが その 施 設 機 能 を 適 切 に 維 持 保 全 し 次 世 代 へ 継 承 してゆくことが 食 料 の 安 定 供 給 のための 重 要 な 課 題 となっている この 課 題 に 対 して 農 林 水 産 省 では 平 成 18 年 度 に 土 地 改 良 施 設 機 能 更 新 等 円 滑 化 対 策 事 業 ( 平 成 22 年 度 に 土 地 改 良 施 設 総 合 対 策 支 援 事 業 に 改 名 )を 立 ち 上 げ 以 下 の 4 項 目 について 調 査 検 討 取 りまとめが 行 われ また 各 項 目 に 関 する 技 術 力 向 上 のた めの 研 修 が 実 施 された (1) 基 幹 的 施 設 の 耐 震 対 策 (2) 簡 易 補 修 等 による 機 能 回 復 手 法 の 確 立 (3) 高 機 能 型 水 管 理 システムの 技 術 開 発 (4) 国 有 土 地 改 良 財 産 に 関 わる 権 利 者 土 地 利 用 状 況 調 査 等 本 手 引 きは 上 記 事 業 項 目 のうち (2) 簡 易 補 修 等 による 機 能 回 復 手 法 の 確 立 の 一 環 として 現 場 において 必 要 に 応 じ 管 理 者 等 が 自 ら 簡 易 補 修 を 実 施 し 農 業 水 利 施 設 の 維 持 管 理 を 日 常 的 に 実 行 するために わかりやすく かつ 実 効 性 のある 手 引 き( 解 説 書 ) として 作 成 したものである 1

1.2 適 用 範 囲 本 手 引 きは 土 地 改 良 区 が 日 常 管 理 している 農 業 水 利 施 設 のうち コンクリート 二 次 製 品 鉄 筋 コンクリートまたは 無 筋 コンクリート 構 造 の 比 較 的 小 規 模 な 開 水 路 において 管 理 する 職 員 が 自 ら 実 践 可 能 な 補 修 規 模 範 囲 を 対 象 としている 解 説 本 手 引 きの 適 用 範 囲 は 日 常 農 業 水 利 施 設 の 維 持 管 理 業 務 を 行 っている 土 地 改 良 区 等 の 職 員 を 対 象 とし 施 設 の 変 状 対 策 として 大 がかりな 仮 設 や 専 門 的 な 詳 細 調 査 を 必 要 とせず 簡 易 な 作 業 で 補 修 が 可 能 な 比 較 的 小 規 模 な 施 設 を 対 象 としている また 基 本 的 に 鉄 筋 コンクリートまたは 無 筋 コンクリート 構 造 の 開 水 路 ( 二 次 製 品 を 含 む)を 対 象 としているが 暗 渠 頭 首 工 ゲート 門 柱 機 場 下 部 工 等 の 鉄 筋 コンクリート 構 造 物 に 対 しても 参 考 とすることができる 専 門 的 な 詳 細 調 査 特 殊 な 工 法 や 大 規 模 な 補 修 工 事 が 必 要 な 場 合 などのより 高 度 な 判 断 が 必 要 とされる 場 合 は 以 下 に 示 す 文 献 を 参 照 されたい 農 業 水 利 施 設 の 機 能 保 全 の 手 引 き ( 平 成 19 年 8 月 ) 監 修 農 林 水 産 省 農 村 振 興 局 整 備 部 水 利 整 備 課 施 設 管 理 室 発 行 社 団 法 人 農 業 土 木 事 業 協 会 農 業 水 利 施 設 の 機 能 保 全 の 手 引 き 開 水 路 ( 平 成 22 年 6 月 ) 農 林 水 産 省 ホームページ 参 照 農 業 水 利 施 設 保 全 補 修 ガイドブック ( 平 成 21 年 9 月 ) 発 行 社 団 法 人 農 業 土 木 事 業 協 会 水 利 施 設 保 全 管 理 補 修 部 門 2

1.3 本 手 引 きの 使 い 方 本 手 引 きの 内 容 は 大 まかに 分 ければ 1 コンクリートに 発 生 する 変 状 の 種 類 や 原 因 などの 簡 易 補 修 を 行 う 前 に 知 識 として 必 要 な 情 報 2 実 際 に 現 地 において 簡 易 補 修 を 行 うために 必 要 な 情 報 3 補 修 後 の 維 持 管 理 や 今 後 の 補 修 技 術 向 上 のために 管 理 者 が 実 施 するべき 事 項 の 3 構 成 となっている 簡 易 補 修 の 実 施 に 際 しては 現 場 に 本 手 引 きを 持 参 し 補 修 実 施 各 段 階 において 必 要 な 情 報 を 各 章 から 確 認 しながら 実 施 されたい 簡 易 補 修 を 実 施 する 際 の 手 順 に 対 し 参 照 する 章 は 下 図 に 示 すとおりに 対 応 している 現 場 本 手 引 き 水 路 のコンクリート 面 がなんだかおかしいぞ 何 だろう? 第 2 4 章 補 修 しなければならない? 補 修 できる? 第 3 4 章 どうやって 補 修 する? 第 5 6 9 章 補 修 時 の 注 意 事 項 は? 第 6 8 章 補 修 記 録 を 残 すには? 第 7 章 図 1.3-1 現 地 と 本 手 引 き 各 章 との 対 応 3

1.4 用 語 の 定 義 本 手 引 きで 用 いる 用 語 の 定 義 は 表 1.4-1 に 示 すとおりである 表 1.4-1 用 語 の 定 義 用 語 定 義 解 説 機 能 保 全 施 設 の 機 能 施 設 の 性 能 機 能 診 断 施 設 または 施 設 系 の 機 能 を 安 全 に 確 保 すること 目 的 または 要 求 に 応 じて 施 設 が 果 たすべき 役 割 働 きのこと 施 設 が 果 たす 役 割 ( 施 設 の 機 能 )を 遂 行 する 能 力 施 設 機 能 の 状 態 劣 化 の 過 程 及 びその 原 因 について 調 査 を 行 い 調 査 の 結 果 から 劣 化 要 因 及 び 性 能 低 下 を 判 定 し 機 能 保 全 対 策 を 検 討 するための 根 拠 とす る 行 為 - 農 業 水 利 施 設 では 大 別 して 水 利 用 機 能 水 理 機 能 構 造 機 能 がある 機 能 は 水 利 施 設 系 全 体 これを 構 成 する 個 々の 水 利 施 設 水 利 施 設 を 構 成 する 部 材 など 様 々な 段 階 で 個 別 に 設 定 する 性 能 は 機 能 を 数 値 で 表 したもの で 例 えば 水 を 流 す==> 機 能 水 を 2.0m 3 /s で 流 す==> 性 能 現 在 農 水 省 では 機 能 診 断 において 5 段 階 の 健 全 度 評 価 (S1~S5)* 1 を 行 うこととしている *1 健 全 度 評 価 (H.19 年 農 業 水 利 施 設 の 機 能 保 全 の 手 引 き P.16 より 抜 粋 ) 健 全 度 健 全 度 の 定 義 対 応 する 対 策 の 目 安 S-5 変 状 がほとんど 認 められない 状 態 対 策 不 要 S-4 軽 微 な 変 状 が 認 められる 状 態 要 観 察 S-3 変 状 が 顕 著 に 認 められる 状 態 ( 鉄 筋 に 達 するひび 割 れ 目 地 から の 漏 水 顕 著 な 摩 耗 など) 補 修 ( 補 強 ) S-2 構 造 的 な 安 定 性 に 影 響 を 及 ぼす 変 状 が 認 められる 補 強 S-1 構 造 的 な 安 定 性 に 重 大 な 影 響 を 及 ぼす 変 状 が 複 数 認 められる 改 築 4

用 語 定 義 解 説 何 らかの 原 因 により 本 来 期 待 されている 機 能 や 状 況 と 比 べ 異 変 状 初 期 欠 陥 劣 化 損 傷 初 期 欠 陥 損 傷 劣 化 を 合 わせたも のの 総 称 施 設 の 計 画 設 計 施 工 に 起 因 する 欠 陥 で ひび 割 れ 豆 板 (ジャンカ) 空 洞 砂 すじ コールドジョイント 表 面 気 泡 などが 代 表 的 な 変 状 である ただし 乾 燥 収 縮 によるひび 割 れな どコンクリートとして 避 えない 初 期 欠 陥 もある 使 用 環 境 や 材 料 に 起 因 し 時 間 の 経 過 とともに 施 設 の 性 能 低 下 をもたら す 部 材 構 造 の 変 化 で 中 性 化 塩 害 凍 害 化 学 的 侵 食 アルカリシリカ 反 応 (ASR) すり 減 り( 摩 耗 ) 風 化 老 化 などが 代 表 的 な 変 状 で ひび 割 れ 浮 き はく 落 錆 汁 変 色 エフ ロレッセンス 骨 材 露 出 などの 二 次 的 な 変 状 をともなう 構 造 設 計 支 持 条 件 衝 突 や 地 震 な どの 偶 発 的 突 発 的 な 外 力 に 起 因 する 欠 陥 で ひび 割 れ たわみ 変 形 目 地 損 傷 振 動 などが 代 表 的 な 変 状 であ る なっている 状 況 が 生 じること 具 体 的 には ひび 割 れ 目 地 の 損 傷 すり 減 り たわみ 変 形 二 次 的 変 状 (はく 落 欠 損 錆 汁 )など - - - 5

用 語 説 明 解 説 劣 化 の 進 行 を 抑 制 したり 実 用 上 支 障 のない 程 度 まで 施 設 の 機 能 を 回 復 し 寿 命 を 長 く 保 つようにすること 目 地 の 回 復 塗 装 などがこれにあた 補 修 補 強 改 築 簡 易 補 修 主 に 施 設 の 耐 久 性 を 回 復 ま たは 向 上 させること 主 に 施 設 の 構 造 的 耐 力 を 回 復 または 向 上 させること 従 前 の 機 能 または 新 たな 機 能 を 確 保 することを 目 的 とし て 既 存 の 施 設 を 新 しい 施 設 で 置 き 換 えること 日 常 の 維 持 管 理 の 中 で 管 理 する 職 員 が 自 ら 実 践 可 能 な 作 業 で 補 修 すること る 施 設 の 一 部 に 対 する 行 為 に 関 する 概 念 修 繕 と 同 義 耐 久 性 ( 構 造 物 の 性 能 低 下 の 経 時 変 化 に 対 する 抵 抗 性 )を 回 復 もしくは 向 上 させることで 耐 力 ( 力 学 的 性 能 ) の 向 上 を 必 ずしも 伴 うものではない コンクリートの 増 厚 強 化 繊 維 素 材 の 貼 り 付 けなどがこれにあたる 施 設 の 一 部 に 対 する 行 為 に 関 する 概 念 主 たる 目 的 が 耐 力 向 上 でなければ 補 修 耐 力 向 上 であれば 補 強 - 本 格 的 な 補 修 事 業 が 実 施 されるまで の 間 安 価 な 材 料 で 容 易 に 入 手 できる 材 料 資 機 材 を 用 いて 適 時 に 補 修 を 行 うことにより 施 設 の 機 能 低 下 を 防 止 す る 出 典 参 照 農 業 水 利 施 設 の 機 能 保 全 の 手 引 き ( 平 成 19 年 8 月 ) 他 6

第 2 章 変 状 の 種 類 と 原 因 一 般 的 にコンクリート 構 造 物 に 発 生 する 変 状 は 下 記 の 3 種 類 に 大 別 される 初 期 欠 陥 劣 化 損 傷 変 状 の 種 類 とその 発 生 原 因 (メカニズム)を 知 ろう ( 敵 を 知 ろう ) 解 説 初 期 欠 陥 施 設 の 計 画 設 計 施 工 に 起 因 する 欠 陥 で ひび 割 れ 豆 板 (ジャンカ) 空 洞 砂 すじ コールドジョイント 表 面 気 泡 などが 代 表 的 な 変 状 である ただし 乾 燥 収 縮 によるひび 割 れなどコンクリートとして 避 けられない 初 期 欠 陥 もあ る 劣 化 使 用 環 境 や 材 料 に 起 因 し 時 間 の 経 過 とともに 施 設 の 性 能 低 下 をもたらす 部 材 構 造 の 変 化 で 中 性 化 凍 害 化 学 的 侵 食 塩 害 アルカリシリカ 反 応 (ASR) すり 減 り ( 摩 耗 ) 風 化 老 化 などが 代 表 的 な 変 状 で ひび 割 れ 浮 き はく 落 錆 汁 変 色 エフロレッセンス 骨 材 露 出 などの 二 次 的 な 変 状 をともなう 損 傷 構 造 設 計 支 持 条 件 衝 突 や 地 震 などの 偶 発 的 突 発 的 な 外 力 に 起 因 する 欠 陥 で ひ び 割 れ たわみ 変 形 目 地 損 傷 振 動 などが 代 表 的 な 変 状 である なお 各 変 状 の 写 真 は 第 4 章 コンクリートに 発 生 する 変 状 例 に 示 しているので 参 照 されたい 7

2.1 初 期 欠 陥 の 種 類 と 原 因 初 期 欠 陥 の 種 類 と 原 因 を 表 2.1-1 に 示 す 表 2.1-1 初 期 欠 陥 の 種 類 と 原 因 変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 脱 型 後 の 乾 燥 収 縮 やセメントの 水 和 熱 による ひび 割 れ (コンクリートは 1 スパ 温 度 変 化 により 発 生 コンクリートの 締 固 め 不 良 急 激 な 乾 燥 により 発 生 ン 10m のとき 気 温 10 の 変 化 により 1mm 膨 張 収 縮 する ) ひび 割 れ 乾 燥 収 縮 ひび 割 れ 水 和 熱 コンクリート 打 ち 込 み 時 の 締 固 め 不 良 や 高 所 からのコンクリート 落 下 打 設 により 発 生 初 期 欠 陥 豆 板 (ジャンカ) 高 すぎるため 空 中 で 骨 材 が 分 離 締 め 固 め 不 良 コンクリートの 打 重 ね 面 に 生 じる 不 連 続 面 で 適 正 なコンクリート 打 重 ね 時 間 を 超 過 して 次 の コンクリートを 打 設 したことにより 発 生 コールドジョイント 打 重 ね 部 不 連 続 面 先 行 打 設 部 8

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 コンクリート 中 の 水 量 が 多 く 水 分 が 材 料 分 離 して 型 枠 に 沿 い 上 方 へ 移 動 し 型 枠 の 外 部 に 流 れ 砂 すじ 出 すことにより 発 生 材 料 分 離 初 期 欠 陥 バイブレータのかけすぎなどによりコンクリ ート 中 に 巻 込 まれた 気 泡 がなくならずに 表 面 に 表 面 気 泡 残 ったことにより 発 生 9

2.2 劣 化 の 種 類 と 原 因 劣 化 の 種 類 と 原 因 を 表 2.2-1 に 示 す 表 2.2-1 劣 化 の 種 類 と 原 因 変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 大 気 中 の 二 酸 化 炭 素 がセメント 水 和 物 と 炭 酸 化 反 応 を 起 こし 細 孔 溶 液 中 の ph を 低 下 させるこ 中 性 化 ( 健 全 なコンクリート はアルカリ 性 で ph は 12~13 程 度 である ) とで 鋼 材 の 腐 食 が 促 進 され コンクリートのひ び 割 れやはく 離 鋼 材 の 断 面 減 少 を 引 き 起 こす 腐 食 による 膨 張 アルカリ 性 領 域 中 性 化 領 域 鉄 筋 ひび 割 れ CO2 コンクリート 表 面 劣 化 塩 害 飛 来 する 海 塩 粒 子 や 骨 材 などに 含 まれていた 塩 化 物 イオンによりコンクリート 中 の 鋼 材 の 腐 食 が 促 進 され コンクリートのひび 割 れやはく 離 鋼 材 の 断 面 減 少 を 引 き 起 こす 劣 化 現 象 腐 食 による 膨 張 鉄 筋 塩 化 物 イオン を 含 んだ 骨 材 凍 害 コンクリート 中 の 水 分 が 凍 結 と 融 解 を 繰 返 すこ とによって スケーリング(コンクリート 表 面 の 薄 い 膜 状 のはく 離 ) 微 細 ひび 割 れおよびポップア ウト( 内 部 水 分 の 凍 結 時 の 膨 張 により 粗 骨 材 部 分 が 円 錐 状 に 抜 け 落 ちる)などの 形 で 劣 化 する 現 象 ひび 割 れ 塩 化 物 イオン コンクリート 表 面 コンクリート 表 面 凍 結 による 水 分 の 膨 張 スケーリング 膜 状 のはく 離 凍 結 による 水 分 の 膨 張 ポップアウト 10

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 酸 性 物 質 や 硫 酸 イオン( 例 えば 温 泉 水 や 下 水 な ど)との 接 触 によりセメント 硬 化 体 が 分 解 したり 化 合 物 生 成 時 の 膨 張 圧 によってコンクリートが 表 化 学 的 侵 食 面 から 劣 化 したりする 現 象 酸 性 物 質 や 硫 酸 イオン 当 初 の コンクリート 表 面 劣 化 アルカリシリカ 反 応 (ASR) 骨 材 骨 材 中 に 含 まれる 反 応 性 シリカ 鉱 物 を 有 する 骨 材 がコンクリート 中 のアルカリ 性 水 溶 液 や 水 と 反 応 して コンクリートに 異 常 膨 張 やひび 割 れを 発 生 させる 現 象 反 応 性 シリカ 鉱 物 等 侵 食 後 のコンクリート 表 面 アルカリ 性 水 溶 液 と 反 応 して 異 常 膨 張 網 目 亀 甲 状 のひび 割 れ 水 コンクリート 表 面 流 水 中 に 含 まれる 砂 礫 などによる 摩 耗 すり 減 り( 摩 耗 ) 当 初 の コンクリート 表 面 流 水 摩 耗 した コンクリート 表 面 砂 礫 など 骨 材 通 常 の 使 用 条 件 で 外 的 環 境 により 経 年 的 にコ ンクリートが 変 質 劣 化 していく 現 象 風 化 老 化 コンクリート 表 面 11

2.3 損 傷 の 種 類 と 原 因 損 傷 の 種 類 と 原 因 を 表 2.3-1 に 示 す なお これらの 損 傷 は 複 合 的 に 発 生 する 場 合 が 多 い 表 2.3-1 損 傷 の 種 類 と 原 因 変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 構 造 物 に 作 用 する 主 にせん 断 力 曲 げモーメント が 設 計 値 以 上 になった 場 合 やコンクリート 自 体 の 劣 化 により 発 生 する ひび 割 れ せん 断 力 の 増 加 モーメント の 増 加 設 計 値 以 上 の 外 力 ( 地 震 力 土 圧 浮 力 凍 上 圧 自 動 車 荷 重 の 増 加 など)により 発 生 する 損 傷 たわみ 変 形 沈 下 外 力 の 増 加 たわみ 沈 下 浮 上 による 変 形 変 形 沈 下 たわみ 変 形 沈 下 による 破 損 コンクリート 膨 張 時 の 目 地 衝 突 による 角 欠 け はく 落 目 地 材 の 消 失 膨 張 力 目 地 損 傷 沈 下 浮 上 による 破 損 角 欠 け はく 落 目 地 材 のはみ 出 し 消 失 12

2.4 二 次 的 変 状 の 種 類 と 原 因 二 次 的 変 状 の 種 類 と 原 因 を 表 2.4-1 に 示 す 表 2.4-1 二 次 的 変 状 の 種 類 と 原 因 変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 初 期 欠 陥 (かぶり 不 足 )や 劣 化 ( 塩 害 中 性 化 ) により 鋼 材 が 腐 食 し コンクリート 表 面 に 錆 色 ( 茶 褐 色 )の 析 出 物 ( 錆 汁 )が 表 れる 錆 汁 ひび 割 れなど 錆 汁 二 次 的 変 状 浮 き はく 離 初 期 欠 陥 (かぶり 不 足 )や 劣 化 ( 塩 害 中 性 化 ) により 鋼 材 が 腐 食 膨 張 し かぶりコンクリート 片 が 押 し 出 される たわみや 変 形 にともない 発 生 する 場 合 もある 腐 食 し 膨 張 した 鋼 材 エフロレッセンス コンクリートの 可 溶 成 分 が 表 面 に 移 動 し 空 気 中 の 炭 酸 ガスの 吸 収 などにより 白 い 結 晶 物 がコール ドジョイントなどのひび 割 れ 部 より 析 出 する ひび 割 れなど 白 い 結 晶 物 13

第 3 章 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 と 簡 易 補 修 工 法 3.1 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 は 下 記 の 変 状 とする ひび 割 れや 目 地 からの 漏 水 初 期 欠 陥 部 断 面 欠 損 部 など 自 分 たちで 対 応 可 能 な 変 状 を 知 ろう 解 説 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 は 大 掛 かりな 仮 設 や 専 門 的 な 調 査 を 必 要 としないひび 割 れや 目 地 からの 漏 水 初 期 欠 陥 部 断 面 欠 損 部 などの 変 状 であり 以 下 に 示 すような 変 状 の 場 合 は 対 象 外 とする < 対 象 外 > 変 状 原 因 や 劣 化 過 程 の 特 定 が 困 難 な 場 合 ( 1) ( 塩 害 凍 害 アルカリシリカ 反 応 化 学 的 侵 食 ) 大 掛 りな 仮 設 補 修 機 材 や 特 殊 あるいは 危 険 を 伴 う 工 具 が 必 要 な 場 合 ( 大 規 模 な 足 場 モルタル 吹 付 け 機 超 高 圧 ウォータージェットなど) 補 修 面 積 や 延 長 が 広 範 囲 となり 相 当 の 作 業 日 数 が 必 要 となる 場 合 外 力 による 損 傷 で 本 体 または 変 状 原 因 の 除 去 を 伴 う 必 要 がある 場 合 ( 2) ( 1) ( 2) 次 頁 に 代 表 写 真 例 を 示 す 14

簡 易 補 修 には 適 さない 変 状 例 なお 詳 細 は 第 4.2 章 簡 易 補 修 対 象 外 の 変 状 を 参 照 されたい 変 状 原 因 や 劣 化 過 程 の 特 定 が 困 難 な 場 合 塩 害 凍 害 アルカリシリカ 反 応 化 学 的 浸 食 外 力 による 損 傷 で 本 体 または 変 状 原 因 の 除 去 を 伴 う 必 要 がある 場 合 せん 断 力 による 斜 めのひび 割 れ 大 規 模 な 沈 下 図 3-1 簡 易 補 修 には 適 さない 変 状 例 15

3.2 変 状 の 種 類 と 原 因 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 の 種 類 本 手 引 きで 取 り 扱 う 簡 易 補 修 工 法 は ひび 割 れ 補 修 工 法 目 地 補 修 工 法 表 面 保 護 工 法 とする 解 説 簡 易 補 修 工 法 は 管 理 者 が 比 較 的 入 手 が 容 易 な 材 料 工 具 等 を 用 い 自 ら 行 うことを 前 提 としている したがって 本 手 引 きで 取 り 扱 う 簡 易 補 修 は 図 3.2-1 に 示 すとおりと する 目 地 補 修 工 法 表 面 被 覆 工 法 充 てん 工 法 ひび 割 れ 補 修 工 法 ひび 割 れ 被 覆 工 法 充 てん 工 法 注 入 工 法 ( 本 手 引 きでは 取 り 扱 わない) 表 面 保 護 工 法 断 面 修 復 工 法 表 面 被 覆 工 法 表 面 含 浸 工 法 はく 落 防 止 工 法 ( 本 手 引 きでは 取 り 扱 わない) 図 3.2-1 一 般 的 な 簡 易 補 修 工 法 注 入 工 法 及 びはく 落 防 止 工 法 は 材 料 選 定 や 施 工 に 専 門 的 な 知 識 技 術 が 必 要 になる 場 合 があるため 簡 易 補 修 工 法 としては 取 り 扱 わない 16

3.2.1 初 期 欠 陥 初 期 欠 陥 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 を 表 3.2.1-1 に 示 す 表 3.2.1-1 初 期 欠 陥 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 初 期 欠 陥 の 種 類 補 修 方 針 選 択 可 能 な 補 修 工 法 簡 易 補 修 の 可 能 性 ひび 割 れ 漏 水 防 止 ひび 割 れ 被 覆 工 法 充 てん 工 法 豆 板 (ジャンカ) 漏 水 防 止 粗 度 改 善 断 面 修 復 工 法 表 面 被 覆 工 法 コールドジョイント 漏 水 防 止 粗 度 改 善 ひび 割 れ 被 覆 工 法 断 面 修 復 工 法 表 面 被 覆 工 法 砂 すじ 粗 度 改 善 断 面 修 復 工 法 ( 素 地 調 整 ) 表 面 被 覆 工 法 表 面 気 泡 粗 度 改 善 断 面 修 復 工 法 ( 素 地 調 整 ) 表 面 被 覆 工 法 簡 易 補 修 により 対 応 可 能 17

3.2.2 劣 化 劣 化 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 を 表 3.2.2-1 に 示 す 表 3.2.2-1 劣 化 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 劣 化 の 種 類 補 修 方 針 選 択 可 能 な 補 修 工 法 簡 易 補 修 の 可 能 性 中 性 化 中 性 化 したコンクリートの 除 去 ( 補 修 後 の CO2 水 の 遮 断 ) 断 面 修 復 工 法 ひび 割 れ 被 覆 工 法 ( 表 面 被 覆 工 法 ) 塩 害 塩 化 物 イオンが 浸 透 したコンク リートの 除 去 補 修 後 の 塩 化 物 イオン 水 酸 素 の 遮 断 断 面 修 復 工 法 表 面 被 覆 工 法 脱 塩 工 法 凍 害 劣 化 したコンクリートの 除 去 補 修 後 の 水 の 遮 断 断 面 修 復 工 法 表 面 被 覆 工 法 アルカリシリカ 反 応 (ASR) 劣 化 したコンクリートの 除 去 補 修 後 の 水 の 遮 断 断 面 修 復 工 法 ひび 割 れ 補 修 工 法 表 面 被 覆 工 法 化 学 的 侵 食 劣 化 したコンクリートの 除 去 防 食 断 面 修 復 工 法 表 面 被 覆 工 法 すり 減 り ( 摩 耗 ) 摩 耗 面 の 修 復 ( 粗 度 改 善 ) 断 面 修 復 工 法 ( 表 面 被 覆 工 法 ) 風 化 老 化 風 化 老 化 面 の 修 復 ( 粗 度 改 善 ) 簡 易 補 修 により 対 応 可 能 断 面 修 復 工 法 ( 表 面 被 覆 工 法 ) 劣 化 部 の 面 積 規 模 が 大 きい 場 合 には 施 工 能 力 ( 作 業 人 員 費 用 )によって 判 断 する これらの 劣 化 の 場 合 は 劣 化 過 程 に 応 じた 補 修 工 法 の 選 択 が 必 要 であり 専 門 家 に 相 談 する 18

3.2.3 損 傷 損 傷 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 を 表 3.2.3-1 に 示 す 表 3.2.3-1 損 傷 に 応 じた 簡 易 補 修 工 法 損 傷 の 種 類 補 修 方 針 選 択 可 能 な 補 修 方 法 簡 易 補 修 の 可 能 性 ひび 割 れ ( 構 造 的 ) 重 大 な 損 傷 につながる 場 合 があるため 詳 細 調 査 を 行 い 補 強 対 策 を 検 討 する たわみ 変 形 目 地 損 傷 漏 水 防 止 シーリング 材 の 充 てん ( 充 てん 工 法 ) テープによる 補 修 ( 表 面 被 覆 工 法 ) 簡 易 補 修 により 対 応 可 能 これらの 劣 化 の 場 合 は 劣 化 過 程 に 応 じた 補 修 工 法 の 選 択 が 必 要 であり 専 門 家 に 相 談 する 19

3.3 耐 久 性 から 見 た 補 修 の 要 否 ひび 割 れ 幅 と 使 用 環 境 を 指 標 とし 耐 久 性 から 見 た 補 修 の 要 否 を 表 3.3-1 に 示 す 表 3.3-1 耐 久 性 から 見 た 補 修 の 要 否 耐 久 性 からみた 場 合 防 水 性 からみた 場 合 環 境 2) その 他 の 要 因 1) きびしい 中 間 ゆるやか 区 分 大 0.4 以 上 0.4 以 上 0.6 以 上 0.2 以 上 (A) 補 修 を 必 要 とするひび 割 れ 幅 (mm) 中 0.4 以 上 0.6 以 上 0.8 以 上 0.2 以 上 小 0.6 以 上 0.8 以 上 1.0 以 上 0.2 以 上 大 0.1 以 下 0.2 以 下 0.2 以 下 0.05 以 下 (B) 補 修 を 必 要 としないひび 割 れ 幅 (mm) 中 0.1 以 下 0.2 以 下 0.3 以 下 0.05 以 下 小 0.2 以 下 0.3 以 下 0.3 以 下 0.05 以 下 注 : 1) その 他 の 要 因 ( 大 中 小 )とは コンクリート 構 造 物 の 耐 久 性 及 び 防 水 性 に 及 ぼす 有 害 性 の 程 度 を 示 し 下 記 の 要 因 の 影 響 を 総 合 して 定 める ひび 割 れの 深 さ パターン かぶり( 厚 さ) コンクリート 表 面 被 覆 の 有 無 材 料 配 ( 調 ) 合 打 継 ぎなど 2) 主 として 鉄 筋 の 錆 の 発 生 条 件 の 観 点 からみた 環 境 条 件 ゆるやか: コンクリートの 打 込 み 及 び 初 期 養 生 中 の 短 期 間 だけ 普 通 の 気 象 状 態 にさらされる 以 外 は 外 気 や 激 しい 腐 食 環 境 から 完 全 にしゃ 断 されている 状 態 中 間 : 気 象 条 件 の 中 庸 な 地 方 に 建 つ 通 常 の 構 造 物 激 しい 雨 にさらされず 水 に 浸 されている 場 合 は 氷 結 しないなどの 状 態 たとえば 地 中 コンクリート 及 び 連 続 的 に 水 中 にあるコンクリート きびしい: 激 しい 雨 にさらされたり 乾 湿 くり 返 しを 受 けたりする 場 合 湿 っていてかつ 凍 結 する 場 合 激 しい 露 や 腐 食 性 のガスにさらされる 場 合 海 水 または 荒 野 の 水 にさらされるか 摩 滅 する 状 況 にある 場 合 コンクリートのひび 割 れ 調 査 補 修 補 強 指 針 2003 P.61,70 条 件 考 え 方 1 耐 久 性 からみた 場 合 開 水 路 等 の 通 常 の 農 業 水 利 施 設 の 場 合 は 特 に 防 水 性 を 考 慮 する 必 要 はない 防 水 性 からみた 場 合 電 気 機 械 施 設 の 保 護 工 水 槽 等 通 常 に 比 べ 水 圧 の 高 い 施 設 は 防 水 性 を 考 慮 する 必 要 がある (パイプライン 付 帯 施 設 弁 などの 保 護 工 分 水 工 等 の 水 槽 ) また 微 細 なひび 割 れにより 水 分 が 浸 透 し 凍 害 等 の 劣 化 を 促 進 されると 判 断 される 場 合 などは 防 水 性 からみた 場 合 を 選 定 する 2 環 境 ( 鉄 筋 の 腐 食 ) 表 3.3-1 注 2)のとおりであり 開 水 路 等 の 通 常 の 農 業 水 利 施 設 の 場 合 は 中 間 の 選 定 する きびしい 中 間 ゆるやか また 頭 首 工 のエプロンなど 流 水 による 外 力 が 作 用 する 箇 所 において 鉄 筋 の 露 出 が 想 定 されるため きびしいを 選 定 する 3その 他 の 原 因 表 3.3-1 注 1)のとおりであり ひび 割 れ 程 度 設 計 施 工 内 容 から 総 合 的 に 判 断 されるものであるが 大 中 小 開 水 路 等 の 通 常 の 農 業 水 利 施 設 の 場 合 は 中 を 選 定 する かぶり 不 足 などが 確 認 された 場 合 は 大 を 選 定 する 4 補 修 を 必 要 とするひび 割 れ 幅 施 設 の 重 要 性 から 判 断 する 必 要 があるが 開 水 路 等 の 通 常 の 農 業 水 利 施 設 の 場 合 は 補 修 を 必 要 とする 必 要 としないひび 割 れ 幅 ひび 割 れ 幅 を 選 定 する 農 業 水 利 施 設 のコンクリート 構 造 物 調 査 評 価 対 策 工 法 選 定 マニュアル H19.3 P.93 農 林 水 産 省 農 村 振 興 局 整 備 部 設 計 課 施 工 企 画 調 整 室 20

3.4 ひび 割 れ 幅 に 応 じた 補 修 工 法 の 分 類 ひび 割 れ 幅 に 応 じた 補 修 工 法 の 適 用 参 考 を 表 3.4-1 に 示 す 表 3.4-1 ひび 割 れ 幅 に 応 じた 補 修 工 法 の 適 用 参 考 補 修 目 的 ひび 割 れの 現 象 原 因 ひび 割 れ 幅 (mm) * 防 水 性 鉄 筋 が 腐 食 して いない 場 合 ひび 割 れ 幅 の 変 動 小 ひび 割 れ 幅 の 変 動 大 ひび 割 れ 被 覆 工 法 注 入 工 法 補 修 工 法 ** 充 填 工 法 浸 透 性 防 水 材 の 塗 布 工 法 0.2 以 下 0.2~1.0 0.2 以 下 0.2~1.0 耐 久 性 鉄 筋 が 腐 食 して いない 場 合 ひび 割 れ 幅 の 変 動 小 ひび 割 れ 幅 の 変 動 大 0.2 以 下 0.2~1.0 1.0 以 上 0.2 以 下 0.2~1.0 1.0 以 上 鉄 筋 腐 食 * 鉄 筋 が 腐 食 している 場 合 あわせて 腐 食 対 策 を 行 うことが 一 般 的 であるが 簡 易 補 修 にお いて 腐 食 対 策 は 適 用 困 難 である 場 合 がある ため 注 意 する ひび 割 れ 幅 3.0mm 以 上 のひび 割 れは 構 造 的 な 欠 陥 をともなう 事 が 多 いので 構 造 耐 力 の 補 強 を 含 めて 実 施 されるのが 普 通 である ** ; 適 当 と 考 えられる 工 法 ; 条 件 によっては 適 当 と 考 えられる 工 法 コンクリート 補 修 補 強 マニュアル-2003- P.88 産 業 調 査 会 21

第 4 章 コンクリートに 発 生 する 変 状 例 本 章 では コンクリート 構 造 の 水 路 などに 発 生 する 変 状 例 を 簡 易 補 修 対 象 の 変 状 簡 易 補 修 対 象 外 の 変 状 に 分 け その 代 表 例 を 図 及 び 写 真 で 示 す 写 真 と 見 比 べて 自 分 たち の 水 路 を 確 認 しよう 解 説 第 3 章 に 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 を 示 したが 本 章 では 現 地 において 発 生 している 変 状 が 簡 易 補 修 の 対 象 か 否 かの 判 断 材 料 となることを 目 的 とし 具 体 的 な 変 状 例 を 示 す したがって 本 手 引 きを 現 地 に 持 参 し 実 際 の 変 状 と 本 章 に 提 示 している 変 状 写 真 を 見 比 べることにより 簡 易 補 修 対 象 か 否 かを 判 断 されたい なお 本 章 では 変 状 の 分 類 ( 初 期 欠 陥 劣 化 損 傷 ) 別 ではなく 土 地 改 良 施 設 総 合 対 策 支 援 事 業 簡 易 補 修 等 の 実 態 把 握 調 査 に 基 づき 農 業 水 利 施 設 において 発 生 する 頻 度 の 高 い 順 に 編 集 している ( 図 4-1 参 照 ) 変 状 別 割 合 たわみ たわみ 変 形,, 0.7% 0.7% すりへり( すりへり( 骨 材 露 出 ), ), 5.4% 5.4% 沈 下,, 0.4% 0.4% その その 他,, 6.7% 6.7% ひび ひび 割 れ, れ, 13.4% 13.4% 目 地 損 傷,, 64.4% 64.4% 目 地 損 傷 ひび ひび 割 れ すりへり( すりへり( 骨 材 露 出 ) ) たわみ たわみ 変 形 沈 下 その その 他 図 4-1 実 態 調 査 に 基 づく 水 路 の 変 状 別 割 合 平 成 19 20 年 度 全 土 連 調 べ 22

4.1 簡 易 補 修 対 象 の 変 状 変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 損 傷 目 地 損 傷 外 力 模 式 図 写 真 膨 張 力 角 欠 け はく 離 角 欠 け はく 離 目 地 材 の はみ 出 しや 消 失 目 地 材 の 消 失 目 地 材 のはみ 出 し 欠 落 変 状 の 特 徴 端 部 角 欠 け はく 離 止 水 板 の 損 傷 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 水 密 性 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 補 修 工 法 漏 水 が 確 認 された 場 合 は 速 やかに 補 修 する 沈 下 浮 上 により 水 路 本 体 が 大 きく 破 損 ( 止 水 板 の 欠 落 をともなう など)の 場 合 は 簡 易 補 修 には 適 さない 目 地 補 修 工 法 ( 表 面 被 覆 工 法 ) P.55 参 照 目 地 補 修 工 法 ( 充 てん 工 法 ) P.60 参 照 表 面 保 護 工 法 ( 断 面 修 復 工 法 ) P.73 参 照 ( 角 欠 け はく 離 部 ) 23

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 初 期 欠 陥 ひび 割 れ 乾 燥 収 縮 水 和 熱 模 式 図 写 真 嵩 上 げしたコンクリートなどに 等 間 隔 でひび 割 れが 発 生 する 乾 燥 収 縮 が 原 因 等 間 隔 乾 燥 収 縮 が 原 因 水 和 熱 が 原 因 水 和 熱 が 原 因 等 間 隔 など 規 則 的 なひび 割 れ 側 壁 の 天 端 から 水 面 までの 間 に 発 生 する 可 能 性 が 高 い 変 状 の 特 徴 乾 燥 によるひび 割 れ 幅 は 側 壁 の 天 端 で 最 も 大 きくなる 側 壁 を 貫 通 していることが 多 い 嵩 上 げしたコンクリートに 発 生 する 場 合 が 多 い 水 和 熱 によるひび 割 れは 完 成 直 後 側 壁 下 部 に 見 られることが 多 い 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 水 密 性 の 低 下 ) 構 造 機 能 (コンクリートの 中 性 化 進 行 による 鉄 筋 腐 食 ) 補 修 要 否 の 判 定 P.20 参 照 選 択 可 能 な ひび 割 れ 補 修 工 法 (ひび 割 れ 被 覆 工 法 ) P.65 参 照 補 修 工 法 ひび 割 れ 補 修 工 法 ( 充 てん 工 法 ) P.68 参 照 24

変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 劣 化 すり 減 り ( 摩 耗 ) 水 流 や 波 浪 ( 流 水 中 の 土 砂 の 混 入 状 態 により すり 減 り 速 度 が 影 響 を 受 ける) 模 式 図 写 真 水 路 側 壁 水 路 底 版 変 状 の 特 徴 骨 材 の 露 出 コンクリート 表 面 の 凹 凸 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 粗 度 係 数 の 上 昇 ) コンクリート 表 面 に 骨 材 露 出 が 見 られるが 鋼 材 位 置 にまで 達 して 補 修 要 否 の 判 定 いない 場 合 は 要 経 過 観 察 または 予 防 保 全 対 策 として 補 修 する コンクリート 表 面 の 摩 耗 が 激 しく 鋼 材 位 置 に 達 している 場 合 や 配 水 計 画 に 支 障 がある 場 合 は 速 やかに 補 修 する 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 表 面 保 護 工 法 ( 断 面 修 復 工 法 ) P.73 参 照 表 面 保 護 工 法 ( 表 面 被 覆 工 法 ) P.78 参 照 25

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 初 期 欠 陥 豆 板 (ジャンカ) 打 設 時 の 締 固 め 不 良 高 位 部 からのコンクリート 落 下 打 設 模 式 図 写 真 変 状 の 特 徴 低 下 する 機 能 粗 骨 材 の 部 分 的 な 露 出 ハンマーなどで 打 撃 を 加 えると 粗 骨 材 分 がパラパラと 剥 離 する 水 理 機 能 ( 水 密 性 の 低 下 粗 度 係 数 の 上 昇 ) 構 造 機 能 (コンクリートの 中 性 化 進 行 による 鉄 筋 腐 食 ) 打 撃 によりはく 落 する 粗 骨 材 がある 場 合 は 要 経 過 観 察 または 予 補 修 要 否 の 判 定 防 保 全 対 策 として 補 修 する 打 撃 によりはく 落 する 粗 骨 材 が 連 続 してあり 鉄 筋 が 見 えるほど 深 い 場 合 や 漏 水 が 顕 著 な 場 合 は 速 やかに 補 修 する 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 表 面 保 護 工 法 ( 断 面 修 復 工 法 ) P.73 参 照 26

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 初 期 欠 陥 コールド ジョイント コンクリート 打 重 ね 時 間 の 超 過 模 式 図 写 真 変 状 の 特 徴 低 下 する 機 能 打 重 ね 部 の 不 連 続 化 打 重 ね 面 の 骨 材 露 出 構 造 機 能 (コンクリートの 中 性 化 進 行 による 鉄 筋 腐 食 ) 水 理 機 能 ( 水 密 性 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 P.20 参 照 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 ひび 割 れ 補 修 工 法 (ひび 割 れ 被 覆 工 法 ) P.65 参 照 ひび 割 れ 補 修 工 法 ( 充 てん 工 法 ) P.68 参 照 表 面 保 護 工 法 ( 断 面 修 復 工 法 ) P.73 参 照 27

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 初 期 欠 陥 砂 すじ コンクリート 中 の 水 分 過 多 模 式 図 写 真 変 状 の 特 徴 コンクリート 表 面 に 細 骨 材 が 縞 状 に 露 出 する 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 粗 度 係 数 の 上 昇 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 打 撃 によりはく 落 する 細 骨 材 がある 場 合 は 要 経 過 観 察 または 予 防 保 全 対 策 として 補 修 する 表 面 保 護 工 法 ( 断 面 修 復 工 法 ) P.73 参 照 28

変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 初 期 欠 陥 表 面 気 泡 コンクリート 中 の 空 気 ( 気 泡 ) 模 式 図 写 真 変 状 の 特 徴 コンクリート 表 面 にあばた 状 のくぼみが 発 生 する 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 粗 度 係 数 の 上 昇 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 打 撃 により 気 泡 まわりのはく 落 がある 場 合 は 要 経 過 観 察 または 予 防 保 全 対 策 として 補 修 する 表 面 保 護 工 法 ( 断 面 修 復 工 法 ) P.73 参 照 29

4.2 簡 易 補 修 対 象 外 の 変 状 変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 劣 化 中 性 化 ( 空 気 中 の) 二 酸 化 炭 素 模 式 図 写 真 ひび 割 れ 鉄 筋 の 露 出 が 見 られる 鋼 材 ( 鉄 筋 )に 沿 ってひび 割 れが 進 展 する 変 状 の 特 徴 鉄 筋 の 錆 汁 をともなう 場 合 がある 鉄 筋 腐 食 にともなう 膨 張 圧 によりかぶりコンクリートがはく 離 はく 落 する 低 下 する 機 能 構 造 機 能 ( 鉄 筋 腐 食 による 構 造 的 耐 力 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 専 門 家 に 調 査 を 依 頼 する 簡 易 補 修 工 法 30

変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 劣 化 塩 害 飛 来 する 塩 水 融 雪 剤 や 骨 材 などに 含 まれていた 塩 化 物 イオン 模 式 図 写 真 錆 汁 が 見 られる ひび 割 れ 鋼 材 ( 鉄 筋 )に 沿 ってひび 割 れが 進 展 する 変 状 の 特 徴 鉄 筋 の 錆 汁 をともなう 場 合 がある 鉄 筋 腐 食 にともなう 膨 張 圧 によりかぶりコンクリートがはく 離 は く 落 する 低 下 する 機 能 構 造 機 能 ( 鉄 筋 腐 食 による 構 造 的 耐 力 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 専 門 家 に 調 査 を 依 頼 する 簡 易 補 修 工 法 31

変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 劣 化 凍 害 コンクリート 中 の 水 分 気 温 日 照 模 式 図 写 真 スケーリング ポップアウト スケーリング 日 中 日 の 当 たる 面 ( 水 路 壁 天 端 ゲート 操 作 台 角 部 など)に 起 こりやすい ポップアウト 変 状 の 特 徴 低 下 する 機 能 うろこ 状 の 微 細 なひび 割 れと 表 面 はく 離 (スケーリング) 骨 材 がはじけて 円 錐 状 のはく 離 (ポップアウト) 構 造 機 能 ( 耐 久 性 安 全 性 の 低 下 ) 水 理 機 能 ( 粗 度 係 数 の 上 昇 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 専 門 家 に 調 査 を 依 頼 する 簡 易 補 修 工 法 32

< 参 考 資 料 > 3 4 5 4 2 1 1 1 1 1 3 3 1 参 図 4-1 凍 害 危 険 度 の 分 布 図 複 合 劣 化 コンクリート 構 造 物 の 評 価 と 維 持 管 理 計 画 研 究 委 員 会 報 告 書 ( 日 本 コンクリート 工 学 協 会 ) 最 低 気 温 による 危 険 度 最 低 気 温 T T >-2-2 T > -5-5 T > -10-10 T 危 険 度 なし やや 大 きい 大 きい 極 めて 大 きい 33

変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 劣 化 化 学 的 侵 食 温 泉 水 や 下 水 に 含 まれる 酸 性 物 質 硫 酸 イオン 模 式 図 写 真 排 水 流 入 管 変 状 の 特 徴 低 下 する 機 能 コンクリート 表 面 が 溶 けてボロボロになる 変 色 をともなう 場 合 が 多 い 構 造 機 能 ( 耐 久 性 安 全 性 ) 水 理 機 能 ( 粗 度 係 数 の 上 昇 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 専 門 家 に 調 査 を 依 頼 する 簡 易 補 修 工 法 34

変 状 の 種 類 名 称 発 生 因 子 劣 化 アルカリ シリカ 反 応 コンクリート 中 のアルカリ 分 コンクリート 骨 材 のシリカ(けい 素 ) 鉱 物 水 模 式 図 写 真 1989 年 ( 平 成 元 年 )には 骨 材 中 の シリカ 分 の 含 有 量 を 制 限 するなど の 抑 制 対 策 が JIS A 5308 に 明 記 さ れている 面 では 網 目 状 亀 甲 状 のひび 割 れが 発 生 変 状 の 特 徴 柱 梁 などでは 鉄 筋 に 沿 って 軸 方 向 にひび 割 れが 発 生 白 色 の 溶 析 物 をともなう 場 合 が 多 い 低 下 する 機 能 構 造 機 能 ( 耐 久 性 安 全 性 の 低 下 ) 水 理 機 能 ( 粗 度 係 数 の 上 昇 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 専 門 家 に 調 査 を 依 頼 する 簡 易 補 修 工 法 35

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 損 傷 ひび 割 れ 曲 げモーメント せん 断 力 模 式 図 写 真 側 壁 が 地 中 の 場 合 は 背 面 に 発 生 側 壁 が 地 上 の 場 合 は 水 路 面 に 発 生 曲 げモーメントによるひび 割 れ せん 断 力 によるひび 割 れ 沈 下 曲 げモーメントによるひび 割 れ 水 路 軸 方 向 にある 程 度 の 長 さをもって 発 生 する 変 形 を 伴 う 場 合 が 多 い 変 状 の 特 徴 せん 断 力 によるひび 割 れ 底 版 から 側 壁 にわたり 発 生 し 底 版 では ほぼ 対 角 線 に 等 しい 方 向 に 発 生 する 沈 下 を 伴 う 場 合 が 多 く 沈 下 が 大 きい 方 のひび 割 れが 傾 斜 する 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 水 密 性 の 低 下 ) 構 造 機 能 ( 耐 久 性 安 全 性 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 補 強 などが 必 要 であり 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 専 門 家 に 調 査 を 依 頼 する 簡 易 補 修 工 法 36

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 損 傷 たわみ 変 形 沈 下 外 力 ( 土 圧 浮 力 増 加 荷 重 ) 地 耐 力 支 持 力 不 足 模 式 図 写 真 沈 下 による 変 形 外 力 の 増 加 によるたわみ 浮 上 により 目 地 部 が 損 傷 沈 下 浮 上 による 変 形 大 きな 損 傷 ( 目 地 部 の 破 壊 など)となり 目 視 で 確 認 可 能 変 状 の 特 徴 曲 げモーメント せん 断 力 による 変 状 と 同 様 のひび 割 れが 発 生 止 水 板 の 損 傷 低 下 する 機 能 水 理 機 能 ( 通 水 性 水 密 性 の 低 下 ) 構 造 機 能 ( 耐 久 性 安 全 性 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 補 強 などが 必 要 であり 簡 易 補 修 工 法 には 適 さない 補 修 工 法 37

4.3 二 次 的 変 状 変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 二 次 的 変 状 錆 汁 初 期 欠 陥 劣 化 による 鋼 材 の 腐 食 模 式 図 写 真 正 面 図 ひび 割 れなど 錆 汁 断 面 図 腐 食 し 膨 張 した 鋼 材 ひび 割 れなど 錆 汁 変 状 の 特 徴 ひび 割 れ 部 などからの 茶 褐 色 の 析 出 物 低 下 する 機 能 構 造 機 能 ( 鉄 筋 腐 食 による 構 造 的 耐 力 耐 久 性 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 第 3 章 を 参 照 し 変 状 要 因 を 確 認 し 補 修 可 能 かを 判 断 する 補 修 工 法 38

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 二 次 的 変 状 浮 き はく 離 初 期 欠 陥 劣 化 による 鋼 材 の 腐 食 たわみ 変 形 にともなう 浮 き はく 離 模 式 図 写 真 鋼 材 腐 食 による 浮 き はく 離 腐 食 し 膨 張 した 鋼 材 変 形 による 浮 き はく 離 鋼 材 の 露 出 コンクリートのはく 離 変 状 の 特 徴 鉄 筋 に 沿 った 浮 き はく 離 鋼 材 の 露 出 低 下 する 機 能 構 造 機 能 ( 鉄 筋 腐 食 による 構 造 的 耐 力 耐 久 性 の 低 下 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 第 3 章 を 参 照 し 変 状 要 因 を 確 認 し 補 修 可 能 かを 判 断 する 補 修 工 法 39

変 状 の 種 類 名 称 発 生 原 因 コンクリートの 可 溶 成 分 が 表 面 に 移 二 次 的 変 状 エフロレッセンス 動 し 空 気 中 の 炭 酸 ガスの 吸 収 などに より 白 い 結 晶 物 析 出 する 模 式 図 写 真 正 面 図 ひび 割 れなど セパ 孔 白 い 結 晶 物 断 面 図 打 継 ぎ 目 コンクリートの 可 溶 成 分 白 い 結 晶 物 コールドジョイント 変 状 の 特 徴 低 下 する 機 能 コンクリート 表 面 に 白 色 の 結 晶 ( 析 出 ) 物 水 理 機 能 ( 水 密 性 の 低 下 ) 構 造 機 能 (コンクリートの 中 性 化 進 行 による 鉄 筋 腐 食 ) 補 修 要 否 の 判 定 選 択 可 能 な 第 3 章 を 参 照 し 変 状 要 因 を 確 認 し 補 修 可 能 かを 判 断 する 補 修 工 法 40

< 参 考 資 料 > 参 表 4-1 初 期 欠 陥 に 関 する 変 状 原 因 例 (ひび 割 れ) 調 査 結 果 41 表 中 パターン 記 号 は 参 図 4-2 4-3 参 照 変 状 原 因 ひび 割 れ 調 査 (パターン A1) セメントの 異 常 凝 結 ひび 割 れ 調 査 (パターン A2) 梁 スラブにあっては 配 筋 の 位 置 とひび 割 れ 位 置 との 対 応 施 工 方 法 コンクリートの 沈 下 ブリーディング ひび 割 れ 調 査 (パターン A3) セメントの 種 類 コンクリート 配 合 断 面 寸 法 施 工 方 法 拘 束 条 件 材 料 セメントの 水 和 熱 ひび 割 れ 調 査 (パターン) セメントの 異 常 膨 張 ひび 割 れ 調 査 (パターン A5) 骨 材 に 含 まれている 泥 分 ひび 割 れ 調 査 (パターン A6) 骨 材 の 産 地 岩 質 低 品 質 な 骨 材 ひび 割 れ 調 査 (パターン C3) 乾 燥 条 件 断 面 寸 法 拘 束 条 件 コンクリートの 乾 燥 収 縮 ひび 割 れ 調 査 (パターン B1) 混 和 材 の 混 入 方 法 コンクリートの 練 り 混 ぜ 方 法 コンク リートの 品 質 データ 混 和 材 の 不 均 一 な 分 散 ひび 割 れ 調 査 (パターン B2) コンクリートの 製 造 方 法 時 間 運 搬 方 法 時 間 打 ち 込 み 方 法 コンクリートの 品 質 データ 長 時 間 の 練 混 ぜ 施 工 記 録 出 荷 コンクリートの 印 字 記 録 コンクリートの 品 質 データ ポンプ 圧 送 時 の 配 合 の 変 更 施 工 記 録 打 込 み 量 打 込 み 所 要 時 間 不 適 切 な 打 込 み 順 序 ひび 割 れ 調 査 (パターン B5) 施 工 記 録 打 込 み 量 打 込 み 所 要 時 間 急 速 な 打 込 み ひび 割 れ 調 査 (パターン B6) 施 工 記 録 施 工 方 法 コンクリートの 外 観 不 十 分 な 締 固 め ひび 割 れ 調 査 (パターン 配 筋 に 沿 ったひび 割 れ) 施 工 記 録 施 工 図 面 施 工 配 筋 の 乱 れ かぶり 厚 さの 不 足 ひび 割 れ 調 査 (パターン B8) 打 継 処 理 の 不 適 ひび 割 れ 調 査 (パターン B9) 型 枠 のはらみ コンクリートの 外 観 漏 水 ( 型 枠 からの 路 盤 への) ひび 割 れ 調 査 (パターン B11) 支 保 工 の 沈 み 施 工 記 録 脱 型 時 のコンクリート 強 度 型 枠 の 早 期 除 去 環 境 状 況 ( 付 近 の 工 事 交 通 量 ) 地 震 記 録 工 事 中 の 過 重 条 件 硬 化 前 の 振 動 や 載 荷 気 象 記 録 脱 型 材 令 養 生 方 法 初 期 養 生 中 の 急 激 な 乾 燥 気 象 記 録 養 生 方 法 初 期 凍 害 コンクリートのひび 割 れ 調 査 補 修 補 強 指 針 -2003- P.56~57 を 参 考 に 作 成

参 図 4-2 ひび 割 れパターン 参 考 図 (1/2) コンクリートのひび 割 れ 調 査 補 修 補 強 指 針 -2003-42

参 図 4-3 ひび 割 れパターン 参 考 図 (2/2) コンクリートのひび 割 れ 調 査 補 修 補 強 指 針 -2003-43

第 5 章 補 修 材 料 の 性 質 と 選 定 簡 易 補 修 用 の 材 料 は セメント 系 ポリマーセメント 系 有 機 系 ( 塗 料 シーラント 系 ( 充 てん 材 ))に 大 別 される また 簡 易 補 修 材 料 は それぞれの 材 料 の 性 質 と 現 場 状 況 を 踏 まえ 適 切 に 選 定 する 補 修 材 料 の 性 質 を 知 ろう 解 説 簡 易 補 修 材 料 は その 性 質 や 適 用 する 現 地 条 件 により 発 揮 される 性 能 が 大 きく 影 響 さ れる したがって 材 料 の 性 質 ( 例 えば 曲 げ 強 さや 付 着 性 など)を 十 分 把 握 し 現 地 状 況 ( 例 えばひび 割 れの 状 況 施 工 面 の 乾 湿 状 況 など)に 応 じた 材 料 の 選 定 を 行 う ポリマーセメントによる 補 修 有 機 系 ( 塗 料 )による 補 修 シーラント 系 による 補 修 図 5-1 補 修 材 料 別 施 工 例 44

5.1 簡 易 補 修 材 料 の 一 般 的 な 性 質 と 選 定 簡 易 補 修 材 料 の 一 般 的 な 性 質 を 表 5.1-1 に 示 す 例 えばひび 割 れの 進 行 が 予 想 される 場 合 は 弾 性 係 数 の 低 い( 柔 らかい) かつ 付 着 強 度 の 高 い 材 料 ( 有 機 系 )を 選 択 する また 断 面 の 修 復 が 必 要 な 場 合 は 弾 性 係 数 (か たさ)が 高 く かつ 付 着 強 度 の 良 いポリマーセメント 系 を 選 定 する 表 5.1-1 簡 易 補 修 材 の 一 般 的 な 性 質 比 較 項 目 ポリマーセメント 系 セメント 系 小 P/C 大 有 機 系 弾 性 係 数 高 低 曲 げ 引 張 強 度 弱 強 付 着 強 度 弱 強 耐 湿 潤 面 可 材 料 選 定 吸 水 性 大 小 熱 膨 張 係 数 小 高 価 格 低 高 注 記 ;P/C ポリマーとセメントの 混 合 比 コンクリートのひび 割 れ 調 査, 補 修 補 強 指 針 -2009-(2009.3, 日 本 コンクリート 工 学 協 会 ) P.159 解 説 図 6.5.1 を 一 部 改 変 45

5.2 有 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 有 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 を 表 5.2-1 に 示 す 樹 脂 及 びシート の 種 類 1) 表 5.2-1 有 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 塗 装 工 法 中 塗 り 材 の 種 類 標 準 形 厚 膜 形 柔 軟 形 柔 軟 厚 膜 形 エポキシ エポキシ アクリル ビニルエステル ポリエステル アクリロイル エポキシ ポリウレタン ふっ 素 エポキシ ポリウレタン アクリルゴム クロロブレンゴム ポリブタジエン ポリウエア 膜 厚 (μ m) 100 未 満 100 以 上 100 未 満 100 以 上 期 待 される 性 能 2) 中 性 化 抑 制 塩 化 物 イオン の 侵 入 抑 制 凍 結 融 解 抵 抗 性 化 学 的 侵 食 制 御 アルカリシリカ 反 応 制 御 ひび 割 れ 追 従 性 美 観 景 観 に 関 する 性 能 はく 落 抵 抗 性 - - - - 1) 樹 脂 系 に 記 載 のものは 全 てではなく 市 販 の 代 表 的 な 有 機 系 被 覆 材 を 載 せた 2) 期 待 される 効 果 は 主 要 なもののみ 示 した 表 中 の は 適 用 対 象 は 適 用 する 場 合 に 検 討 が 必 要 ( 他 の 工 法 と 併 用 など) -は 適 用 対 象 外 コンクリートライブラリー119 号 表 面 保 護 工 法 設 計 施 工 指 針 ( 案 )(2005.4, 土 木 学 会 ) P.13 解 説 表 2.2.1 の 抜 粋 46

有 機 系 材 料 の 長 短 所 と 主 用 途 を 表 5.2-2 に 示 す それぞれの 材 料 特 性 及 び 用 途 を 考 慮 して 材 料 選 定 を 行 うこととするが 最 も 用 いら れているものは 有 機 系 材 料 の 中 でも 比 較 的 安 価 で 用 途 の 広 いエポキシ 樹 脂 である また シリコーン 樹 脂 は 弾 性 シーリング 材 と して 多 く 用 いられている 表 5.2-2 有 機 系 材 料 の 長 短 所 と 主 用 途 (1/2) 樹 脂 名 長 所 短 所 用 途 コンクリート 金 属 ガラス 木 材 プラスチックなど 広 範 囲 の 材 料 に 対 する 粘 着 性 に 優 れている 硬 化 収 縮 が 少 なく 内 部 応 力 の 原 因 となるゲル 化 後 の 収 縮 が 少 ない 低 粘 度 からパテ 状 まで 作 業 に 合 わせて 粘 性 を 変 える エポキシ 樹 脂 不 飽 和 ポリエステル 樹 脂 ビニルエステル 樹 脂 耐 候 性 に 劣 る コンクリートに 発 生 したひび 割 れの 補 修 材 料 耐 酸 性 はビニルエステル 樹 脂 より 劣 る ひび 割 れの 注 入 材 と 充 てん 材 断 面 修 復 材 ( 樹 脂 モルタル コンクリート)の 結 合 材 防 食 ライニングのプライマー パテ 中 塗 り FRP 接 着 工 法 ( 炭 素 繊 維 やアラミド 繊 維 に 含 浸 する 接 着 ことができる 鋼 板 接 着 工 法 ( 鋼 板 とコンクリートの 間 げきに 注 入 する 用 途 に 合 わせた 硬 化 物 ( 柔 軟 ~ 硬 質 )をつくることがで 接 着 剤 )や はく 落 防 止 工 法 (ガラス 繊 維 やビニロン 繊 維 耐 水 性 耐 アルカリ 性 耐 弱 酸 性 耐 溶 剤 性 に 優 れてい に 含 浸 する 接 着 剤 ) 電 気 特 性 に 優 れている 接 着 剤 (コンクリートの 打 継 ぎ かさ 上 げ アンカーボルト 硬 化 中 に 揮 発 物 を 放 出 しない の 固 定 床 版 防 水 ) 粘 度 が 低 く 取 り 扱 いやすい 主 剤 に 対 する 硬 化 剤 促 進 剤 の 配 合 比 が 小 さい 耐 酸 ライニング(FRPライニング フレークライニング) 連 鎖 的 に 反 応 するため 硬 化 速 度 が 速 い ので 計 量 混 合 かくはんに 注 意 が 必 要 樹 脂 モルタル コンクリートの 結 合 材 低 温 (0 以 下 )での 硬 化 性 が 良 い 促 進 剤 の 添 加 量 を 調 節 することによって 硬 化 時 間 の 調 整 が 容 易 にできる エポキシ 樹 脂 に 比 べ 硬 化 収 縮 が 大 きい 高 温 時 の 可 使 時 間 が 短 い 空 気 中 の 酸 素 により 硬 化 が 阻 害 される 場 合 が 硬 化 物 は 硬 く 良 好 な 物 理 的 性 質 を 示 す る 耐 水 性 耐 酸 性 に 優 れている コンクリート 金 属 プラスチックなどに 対 する 接 着 主 剤 に 対 する 硬 化 剤 促 進 剤 の 配 合 比 が 小 さい 性 が 良 好 である ので 計 量 混 合 かくはんに 注 意 が 必 要 粘 度 が 低 く 取 り 扱 いやすい エポキシ 樹 脂 に 比 べ 硬 化 収 縮 が 大 きい 接 着 剤 (アンカーボルトの 固 定 ) 連 鎖 的 に 反 応 するため 硬 化 速 度 が 速 い 高 温 時 の 可 使 時 間 が 短 い 低 温 (0 以 下 )での 硬 化 性 が 良 い 空 気 中 の 酸 素 により 硬 化 が 阻 害 される 場 合 が 促 進 剤 の 添 加 量 を 調 節 することによって 硬 化 時 間 の 調 整 が 容 易 にできる 硬 化 物 は 硬 く 良 好 な 物 理 的 性 質 を 示 す 耐 酸 性 はエポキシ 樹 脂 より 優 れている る 耐 酸 ライニング(FRPライニング フレークライニング) 耐 酸 ライニングのプライマー パテ 47

表 5.2-2 有 機 系 材 料 の 長 短 所 と 主 用 途 (2/2) 樹 脂 名 長 所 短 所 用 途 弾 性 を 持 ち 耐 摩 耗 性 に 優 れている 耐 酸 性 はビニルエステル 樹 脂 より 耐 アルカリ ひび 割 れ 追 従 性 を 重 視 した 表 面 被 覆 材 (プライマー 中 塗 り) ポリウレタン 樹 脂 低 温 特 性 に 優 れている 接 着 性 が 良 好 である 性 はエポキシ 樹 脂 より 劣 る シーリング 材 として 用 いる 場 合 耐 熱 性 や 耐 シーリング 材 ( 目 地 材 ) 止 水 材 床 材 防 水 材 黄 変 しない 耐 食 性 耐 油 性 に 優 れている 長 時 間 屋 外 に 暴 露 されても ほとんど 候 性 がシリコーン 樹 脂 より 劣 る 反 応 性 が 低 く 完 全 硬 化 までの 期 間 が 長 い り) 表 面 被 覆 材 ( 耐 候 性 を 必 要 とする 場 合 の 上 塗 長 時 間 屋 外 に 暴 露 されても 光 沢 の 低 下 が 小 さい 下 地 が 湿 潤 していると つや 落 ちやはく 離 を 起 アクリルウレタン 樹 脂 可 使 時 間 が 長 いわりに 乾 燥 時 間 が 早 い こすことがある 価 格 が 比 較 的 高 い ほかの 樹 脂 に 比 べ 耐 候 性 が 非 常 に 優 れている 摩 擦 係 数 が 小 さく 接 着 しにくい 表 面 被 覆 材 ( 超 耐 候 性 を 必 要 とする 場 合 の 上 塗 り) フッ 素 樹 脂 耐 薬 品 性 耐 熱 性 に 優 れ 摩 擦 係 数 が 小 さい 高 価 である はっ 水 性 がある 伸 び 特 性 に 優 れている 硬 化 した 表 面 に 塗 料 ( 仕 上 げ 材 )が 付 着 しにく 目 地 材 ( 弾 性 シーリング 材 ) 耐 熱 性 耐 寒 性 耐 候 性 に 優 れている 周 辺 部 が 汚 れやすく 表 面 にホコリがつきや シリコーン 樹 脂 アクリルゴム 電 気 絶 縁 性 に 優 れている 表 面 から 硬 化 するため 硬 化 日 数 を 要 する 表 面 張 力 が 小 さいため はっ 水 性 消 泡 性 離 型 性 を ( 一 成 分 系 ) 持 っている 弾 性 を 持 ち コンクリートのひび 割 れに 対 する 追 従 性 水 分 の 蒸 発 によって 硬 化 が 進 むため 硬 化 速 度 は 温 度 と 湿 度 に 大 きく 影 響 される ひび 割 れ 追 従 性 を 重 視 した 表 面 被 覆 材 (パテ 中 塗 り) 目 地 材 ( 弾 性 シーリング 材 ) 防 水 材 に 優 れている 耐 候 性 が 良 好 である 耐 オゾン 性 が 良 好 である 一 液 型 のため 取 り 扱 いが 容 易 である ウレタンゴムに 比 較 して 耐 水 安 定 性 に 優 れる エポキシ 樹 脂 やビニルエステル 樹 脂 に 比 べ 耐 ひび 割 れ 追 従 性 を 重 視 した 表 面 被 覆 材 ( 中 塗 り) 液 状 ポリブタジエン 伸 び 特 性 に 優 れている 薬 品 性 に 劣 る 目 地 材 ( 弾 性 シーリング 材 ) 弾 性 接 着 剤 接 着 性 に 優 れている 耐 候 性 に 劣 る これから 始 めるコンクリート 補 修 講 座 (2002.4 日 経 コンストラクション)より 抜 粋 48

5.3 無 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 無 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 を 表 5.3-1 に 示 す 表 5.3-1 無 機 系 表 面 被 覆 工 法 材 料 の 性 質 期 待 される 性 能 単 層 による 塗 装 工 法 複 層 による 塗 装 工 法 メッシュ 柔 軟 型 標 準 型 柔 軟 型 標 準 型 工 法 4) 中 性 化 抑 制 * 塩 化 物 イオンの 侵 入 制 御 * 凍 結 融 解 抵 抗 性 * 化 学 的 侵 食 制 御 - * アルカリシリカ 反 応 制 御 2) - * ひび 割 れ 追 従 性 * 美 観 景 観 に 関 する 性 能 * はく 落 抵 抗 性 3) - - - - 1) 表 中 の は 適 用 対 象 は 適 用 する 場 合 に 検 討 が 必 要 ( 他 の 工 法 と 併 用 など) -は 適 用 対 象 外 2) アルカリ 骨 材 反 応 抑 制 は 標 準 的 な 遮 水 性 より 判 定 3) はく 落 抵 抗 性 は 付 着 性 を 基 本 に 判 定 4) メッシュ 工 法 の * については 単 層 及 び 複 層 による 塗 装 工 法 と 併 用 して 使 用 するために そ の 適 用 範 囲 は 使 用 する 無 機 系 被 覆 の 各 工 法 の 適 用 範 囲 に 準 ずる コンクリートライブラリー119 号 表 面 保 護 工 法 設 計 施 工 指 針 ( 案 )(2005.4, 土 木 学 会 )P.15 5.4 表 面 含 浸 工 法 材 料 の 性 質 表 面 含 浸 工 法 材 料 の 性 質 を 表 5.4-1 に 示 す 表 5.4-1 表 面 含 浸 工 法 材 料 の 性 質 期 待 される 性 能 シラン 系 けい 酸 塩 系 けい 酸 リチウム 系 けい 酸 ナトリウム 系 中 性 化 抑 制 塩 化 物 イオンの 侵 入 制 御 - 凍 結 融 解 抵 抗 性 - 化 学 的 侵 食 制 御 - - - アルカリシリカ 反 応 制 御 2) 美 観 景 観 に 関 する 性 能 3) はく 落 抵 抗 性 4) - 1) 表 中 の は 適 用 対 象 は 適 用 する 場 合 に 検 討 が 必 要 ( 他 の 工 法 と 併 用 など) -は 適 用 対 象 外 2) アルカリシリカ 反 応 抑 制 は 標 準 的 な 遮 水 性 より 判 定 3) 美 観 景 観 に 関 する 性 能 は 外 観 維 持 を 基 本 に 判 定 4) はく 落 抵 抗 性 は 付 着 性 を 基 本 に 判 定 コンクリートライブラリー119 号 表 面 保 護 工 法 設 計 施 工 指 針 ( 案 ) (2005.4, 土 木 学 会 )P.17 49

5.5 注 入 材 充 てん 材 の 種 類 と 選 定 ひび 割 れ 補 修 を 注 入 工 法 または 充 てん 工 法 で 行 う 場 合 は ひび 割 れ 幅 とその 進 行 区 分 により 選 定 する 注 入 材 充 てん 材 の 一 般 的 な 性 質 を 表 5.5-1 に 示 すが 例 えばひび 割 れの 進 行 が 止 ま っていると 判 断 された 場 合 はポリマーセメント 系 を 進 行 中 または 不 確 定 の 場 合 はシー ラント 系 の 充 てん 材 を 選 定 する ただし 注 入 工 法 は 本 手 引 きにおいては 簡 易 補 修 の 対 象 外 としているため 下 表 の 注 入 材 の 欄 は 専 門 業 者 に 工 事 発 注 する 場 合 の 参 考 とされたい 表 5.5-1 注 入 材 充 てん 材 の 一 般 的 な 性 質 材 料 の 種 類 土 木 補 修 用 エポキシ 樹 脂 注 入 材 1 種 土 木 補 修 用 エポキシ 樹 脂 注 入 材 2 種 土 木 補 修 用 エポキシ 樹 脂 注 入 材 3 種 土 木 補 修 用 充 てん 材 ポリマー セメント 系 土 木 補 修 用 充 てん 材 シーラント 系 ひび 割 れ 進 行 区 分 *1 B A B A,B ひび 割 れ 幅 (mm) 0.2~5.0 5.0< 粘 度 (mpas) 1,000 以 下 4±1 *2 1,000 以 下 10,000 以 下 ダレを 認 めず 可 使 時 間 ( 分 ) 30 以 上 30 以 上 30 以 上 30 以 上 240 以 上 硬 化 時 間 ( 分 ) 16 以 内 16 以 内 24 以 内 16 以 内 24 以 内 硬 化 収 縮 (%) 0.1 以 下 0.1 以 下 0.1 以 下 0.1 以 下 - 伸 び 率 (%) - 50 以 上 100 以 上 - 800 以 上 モルタル 付 着 強 さ ( 乾 燥 面 N/mm 2 ) 6 以 上 6 以 上 6 以 上 6 以 上 たわみ 量 10mm 以 上 で 破 壊 すること 付 着 耐 力 性 保 持 率 (%) *3 60 以 上 60 以 上 60 以 上 60 以 上 60 以 上 *1 A = ひび 割 れが 進 行 している B = ひび 割 れの 進 行 が 止 まった *2 チキソトロピック 1) 係 数 2rpm/20rpm の 粘 度 で 示 す ポリマーセメント 系 は 伸 び 率 *3 規 格 に 対 する 百 分 率 0%であるので 注 意 する 1) チキソトロピックとは 揺 変 性 という 意 味 で 外 からの 負 荷 等 により 形 状 を 変 えても 負 荷 がなくなると 元 に 戻 る 性 質 コンクリートのひび 割 れ 調 査, 補 修 補 強 指 針 -2009-(2009.3, 日 本 コンクリート 工 学 協 会 )P.128 50

第 6 章 簡 易 補 修 による 機 能 回 復 手 法 ( 第 3 章 )に 示 した 簡 易 補 修 の 対 象 範 囲 とその 工 法 概 要 作 業 工 程 留 意 点 主 要 資 機 材 などを 図 や 写 真 を 用 い 解 説 する 実 際 にやってみよう 解 説 本 章 では 簡 易 補 修 工 法 を 現 地 で 実 施 する 際 の 工 法 概 要 作 業 工 程 留 意 点 主 要 資 機 材 について 記 載 したものである 補 修 材 料 は ホームセンターなどで 入 手 可 能 なものが 大 半 であるが 一 部 ホームセンターなど では 販 売 されていない 材 料 もある 図 6-1 に 写 真 に 示 す 材 料 は 各 都 道 府 県 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 ( 以 下 都 道 府 県 土 連 とい う ) または 全 国 土 地 改 良 事 業 団 体 連 合 会 ( 以 下 全 土 連 という )へ 入 手 方 法 を 問 い 合 わさ れたい 本 手 引 きで 取 り 扱 う 簡 易 補 修 工 法 を 次 頁 表 6-1 に 示 す なお 本 章 で 示 している 資 機 材 の 写 真 は あくまでも 参 考 として 示 しているものであり 製 品 を 指 定 しているものではない ホームセンターなどでの 資 機 材 の 入 手 にあたっては 同 様 の 品 質 性 能 を 有 するものを 選 ばれたい 特 殊 フィルム コンクリート 含 浸 材 水 中 パテ( 緑 : 本 剤 白 : 硬 化 剤 ) 図 6-1 都 道 府 県 土 連 全 土 連 に 入 手 方 法 を 問 い 合 わせる 必 要 のある 材 料 例 51

表 6-1 本 手 引 きで 取 り 扱 う 簡 易 補 修 工 法 本 書 機 能 回 復 工 法 対 象 となる 変 状 工 法 概 要 記 載 ページ 目 地 補 修 工 法 表 面 被 覆 工 法 充 てん 工 法 目 地 破 損 特 殊 フィルムにより 目 地 部 を 被 覆 する 目 地 部 に 弾 性 シーリング 材 や 水 中 パテなどを 充 てんする P.55 P.60 ひび 割 れ ひび 割 れ 被 覆 工 法 ひび 割 れ 特 殊 フィルムにより 変 状 部 を 被 覆 する P.65 補 修 工 法 充 てん 工 法 コールドジョイント ひび 割 れ 部 を U または V カットし 弾 性 シーリング 材 などを 充 てんする 方 法 である P.68 断 面 修 復 工 法 ジャンカ コールドジョイント ポリマーセメントなどの 断 面 補 修 材 を 左 官 工 法 により 充 てんする P.73 表 面 保 護 表 面 被 覆 工 法 砂 すじ 表 面 気 泡 摩 耗 ポリマーセメント(や 有 機 系 塗 料 ) を 変 状 部 表 面 に 被 覆 する P.78 工 法 けい 酸 塩 系 ; 表 面 含 浸 材 (けい 酸 塩 系 またはシ 表 面 含 浸 工 法 微 細 なひび 割 れ シラン 系 ; ラン 系 )を 塗 布 し コンクリート 表 面 に 防 水 性 中 性 化 抑 制 機 能 などを P.84 はっ 水 による 予 防 保 全 付 与 する 各 簡 易 補 修 工 法 における 耐 用 年 数 は 通 水 状 況 変 状 の 度 合 い 施 工 状 況 などにより 一 概 に 示 すのは 困 難 である 従 って 第 7 章 に 述 べる 施 工 後 の 維 持 管 理 記 録 を 行 い 各 地 区 においてデー タを 蓄 積 し 今 後 の 判 断 材 料 とすることが 望 ましい 52

6.1 下 地 処 理 本 手 引 きで 取 り 扱 う 簡 易 補 修 工 法 は 全 ての 工 法 において 高 圧 水 洗 浄 ( 動 力 噴 霧 機 圧 力 5.0 ~15MPa 程 度 )などにより 下 地 処 理 を 行 う 下 地 処 理 は 補 修 性 能 に 大 きく 影 響 するため 入 念 に 実 施 する デッキブラシ 洗 浄 状 況 ワイヤーブラシ 図 6.1-1 動 力 噴 霧 機 など 下 地 処 理 の 一 例 53

6.2 目 地 補 修 工 法 簡 易 補 修 における 目 地 補 修 工 法 は 一 般 的 に 図 6.2-1 に 示 すように 分 類 される 表 面 被 覆 工 法 特 殊 フィルム 工 法 (6.2.1) 目 地 補 修 工 法 充 てん 工 法 弾 性 シーリング 材 充 てん 工 法 (6.2.2) 水 中 パテ 充 てん 工 法 (6.2.2) 注 )1 注 )1 二 次 製 品 などの 目 地 間 隔 が 小 さく 伸 縮 の 少 ない 目 地 部 に 適 用 断 面 修 復 工 法 (6.4.1 に 記 載 ) 図 6.2-1 簡 易 補 修 における 目 地 補 修 工 法 嵩 上 げ 部 ひび 割 れ ひび 割 れ 伸 縮 既 存 の 目 地 伸 縮 既 存 の 目 地 位 置 を 無 視 して 嵩 上 げコン クリートを 打 設 したため 気 温 変 化 によ る 目 地 の 伸 縮 により 嵩 上 げ 部 にひび 割 れが 生 じている 嵩 上 げ 部 にも 既 設 目 地 と 同 位 置 に 目 地 を 設 ける 必 要 がある 目 地 の 伸 縮 に 表 面 被 覆 材 が 追 随 でき ず ひび 割 れが 生 じている 伸 縮 性 のある 被 覆 材 の 選 定 が 必 要 で ある 図 6.2-2 目 地 補 修 の 良 くない 例 水 路 のコンクリートは 目 地 間 隔 を 10m とした 場 合 気 温 10 の 変 化 で 1mm 伸 縮 する 54

6.2.1 表 面 被 覆 工 法 (1) 工 法 の 概 要 目 地 の 挙 動 が 温 度 変 化 による 膨 張 収 縮 程 度 の 場 合 に 適 する 目 地 変 状 部 にフィルムで 被 覆 する 工 法 である フィルムを 貼 り 付 ける 面 を 十 分 に 洗 浄 することがポイントである また 目 地 は 温 度 により 伸 縮 する 部 位 であるため 伸 縮 性 のある 材 料 を 採 用 する 施 工 は 非 常 に 簡 単 であるが 目 地 幅 が 1cm 以 上 の 場 合 や 伸 縮 量 が 5mm 以 上 ある 場 合 に は 目 地 充 てん 工 法 を(6.2.2 に 記 載 )を 適 用 する フィルムの 入 手 方 法 は 都 道 府 県 土 連 に 問 い 合 わせる 止 水 板 水 路 目 地 フィルム 図 6.2.1-1 表 面 被 覆 工 法 ( 目 地 補 修 ) 概 要 図 ( 上 から 見 た 図 ) 55

(2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 特 殊 フィルム 工 法 目 地 幅 が 1cm 未 満 目 地 間 隔 が 3m 未 満 の 水 路 に 適 用 する 濡 れた 面 には 施 工 できない 貼 り 付 け 面 は 良 く 乾 かすこと 下 地 処 理 (6.1 参 照 ) 古 い 目 地 の 除 去 ディスクグラインダー 除 去 状 況 研 削 といしの 取 替 え 又 は 取 替 え 時 の 試 運 転 の 業 務 には 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 行 う また 実 作 業 も 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 行 うことが 望 ましい 詳 細 は (3) 留 意 点 参 照 確 実 に 除 去 するこ とがポイント シーリング 材 など 接 着 剤 塗 布 塗 布 充 てん 状 況 マスキングテープ プライマー 一 成 分 形 変 成 シリコ ーン 系 シーリング 材 弾 性 シーリング 材 は ウレタン 系 シリ コーン 系 変 成 シリコーン 系 などがあ るが 重 ね 塗 りが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 い 勝 手 がよい 次 頁 へ 塗 布 面 が 乾 燥 していること マスキングテープは 充 てん 完 了 後 直 ちにはがす 56

特 殊 フィルム 貼 付 フィルム 材 貼 付 状 況 完 了 貼 り 付 け 面 が 乾 燥 し ていること 完 了 接 着 剤 を 指 で 触 って 付 着 しな いことを 確 認 後 通 水 する 57

(3) 留 意 点 1) 材 料 選 定 上 の 留 意 点 1 目 地 幅 が 1cm 未 満 目 地 間 隔 が 3m 未 満 の 水 路 に 適 用 する 2 弾 性 シーリング 材 は 塗 り 重 ねが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 いやすい 2) 施 工 上 の 留 意 点 1 ディスクグラインダーのといしの 交 換 試 運 転 は 自 由 研 削 といしの 取 替 え 等 の 業 務 に 係 る 特 別 教 育 の 講 習 を 受 講 し 講 習 修 了 証 ( 右 写 真 )を 保 有 する 者 が 行 う 安 全 衛 生 特 別 教 育 規 程 ( 昭 和 47 年 労 働 省 告 示 第 92 号 )で 規 定 された 履 修 時 間 は 自 由 研 削 用 といしが 6 時 間 ( 以 上 )となっている インターネットで 自 由 研 削 といし の 取 替 え 等 の 業 務 に 係 る 特 別 教 育 and 県 名 で 検 索 すると 講 習 会 案 内 がヒットし た 講 習 費 用 は 主 催 者 によって 大 きなばらつきがあり 2009 年 1 月 調 査 時 点 で 1,500 円 ~11,000 円 であった 労 働 安 全 衛 生 法 第 五 十 九 条 第 三 項 事 業 者 は 危 険 又 は 有 害 な 業 務 で 厚 生 労 働 省 令 で 定 めるものに 労 働 者 をつかせるとき は 厚 生 労 働 省 令 で 定 めるところにより 当 該 業 務 に 関 する 安 全 又 は 衛 生 のための 特 別 の 教 育 を 行 なわなければならない 労 働 安 全 衛 生 規 則 第 三 十 六 条 第 一 号 法 第 五 十 九 条 第 三 項 の 厚 生 労 働 省 令 で 定 める 危 険 又 は 有 害 な 業 務 は 次 のとおりとす る 一 研 削 といしの 取 替 え 又 は 取 替 え 時 の 試 運 転 の 業 務 2 古 い 目 地 材 接 着 剤 コンクリートの 劣 化 部 は 確 実 に 除 去 する 3 貼 り 付 け 面 が 乾 燥 していることを 確 認 する 4 特 殊 フィルム 工 法 は 仕 上 げの 美 観 向 上 のため マスキングテープを 使 用 すると 良 い マスキングテープは 充 てん 終 了 後 直 ちにはがすこと 5 特 殊 フィルム 工 法 は 接 着 剤 を 指 で 触 って 付 着 しないことが 確 認 できた 場 合 は 通 水 をしても 良 い 58

(4) 主 要 資 機 材 名 称 備 考 弾 性 シーリング 材 用 プライマー 弾 性 シーリング 材 ( 変 成 シリコーン 系 ) シーリング 材 充 てん 用 ガン ディスクグラインダー 金 ベラ ゴムベラ はけ プライマー 弾 性 シーリング 材 は 材 料 間 の 相 性 が あるため 必 ず 同 メーカーのものを 使 用 する (コーキングガン) 取 扱 注 意 ( 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 取 扱 う ) 幅 50mm( 先 端 幅 20mm) 程 度 のもの ( 接 着 剤 などの 撹 拌 用 ) 幅 10cm 程 度 のもの プライマー 塗 布 用 練 り 缶 プライマー 練 り 用 (1 リットル 缶 程 度 ) マスキングテープ 特 殊 フィルム ガムテープ( 布 製 )でも 可 入 手 方 法 については 都 道 府 県 土 連 に 問 い 合 わせる 59

6.2.2 充 てん 工 法 (1) 工 法 の 概 要 目 地 変 状 部 に 弾 性 シーリング 材 や 水 中 パテを 充 てんする 工 法 である 表 面 被 覆 工 法 同 様 古 い 目 地 材 などを 完 全 に 除 去 することがポイントである また 場 合 により 断 面 修 復 工 法 (6.4.1 参 照 )と 併 用 して 施 工 する 水 中 パテは 硬 質 で 伸 縮 性 が 少 ないため 二 次 製 品 などの 目 地 間 隔 が 小 さく 伸 縮 量 の 小 さい 目 地 に 適 用 する 水 路 目 地 弾 性 シーリング 材 水 中 パテ バックアップ 材 弾 性 シーリング 材 水 中 パテ 角 欠 け 部 ポリマーセメント モルタルで 補 修 D この 面 は 接 着 させ ない( 二 面 接 着 ) W バックアップ 材 W/D=2 図 6.2.2-1 充 てん 工 法 ( 目 地 補 修 ) 概 要 図 ( 上 から 見 た 図 ) 60

(2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 充 てん 工 法 ディスクグラインダー 下 地 処 理 (6.1 参 照 ) 古 い 目 地 の 除 去 除 去 状 況 確 実 に 除 去 するこ とがポイント 研 削 といしの 取 替 え 又 は 取 替 え 時 の 試 運 転 の 業 務 には 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 行 う また 実 作 業 も 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 行 うことが 望 ましい 詳 細 は 6.2.1 (3) 留 意 点 参 照 バックアップ 材 設 置 バックアップ 材 設 置 状 況 次 頁 へ 充 てん 材 が 断 面 方 向 に 奥 深 く 入 る 場 合 には バックアップ 材 を 用 いる 61

弾 性 シーリング 材 は ウレタ ン 系 シリコーン 系 変 成 シリコーン 系 などがある が 重 ね 塗 りが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 い 勝 手 がよい シーリング 材 など 充 てん 材 施 工 弾 性 シーリング 材 充 てん 状 況 マスキングテープ プライマー 一 成 分 形 変 成 シリコ ーン 系 シーリング 材 水 中 パテ 充 てん 材 施 工 水 中 パテ 充 てん 状 況 塗 布 面 が 乾 燥 していること マスキングテープは 充 てん 完 了 後 直 ちにはがす 水 中 パテは 十 分 に 練 り 混 ぜる 寒 冷 地 では 湯 を 準 備 するとよい 水 中 パテは 硬 質 で 伸 縮 性 が 少 ないた め 二 次 製 品 などの 目 地 間 隔 が 小 さく 伸 縮 量 の 小 さい 目 地 に 適 用 する 完 了 完 了 ( 弾 性 シーリング 材 ) 完 了 ( 水 中 パテ) 施 工 後 補 修 材 料 を 指 で 強 く 押 しても 指 に 付 着 しなければ 通 水 可 能 62

(3) 留 意 点 1) 材 料 選 定 上 の 留 意 点 1 目 地 の 挙 動 に 留 意 する ( 水 中 パテは 硬 質 で 伸 縮 性 が 少 ないため 二 次 製 品 など の 目 地 間 隔 が 小 さく 伸 縮 量 の 小 さい 目 地 に 適 用 する ) 2 施 工 条 件 ( 断 水 の 可 否 )に 留 意 する 3 弾 性 シーリング 材 は 塗 り 重 ねが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 いやすい 2) 施 工 上 の 留 意 点 1 古 い 目 地 材 接 着 剤 コンクリートの 劣 化 部 は 確 実 に 除 去 する 2 充 てん 材 が 断 面 方 向 に 奥 深 く 入 る 場 合 には バックアップ 材 を 用 いる 3 弾 性 シーリング 材 を 使 用 する 場 合 は 下 地 が 乾 燥 していることを 確 認 する 4 仕 上 げの 美 観 向 上 のため マスキングテープを 使 用 すると 良 い マスキングテープ は シーリング 材 充 てん 終 了 後 直 ちにはがすこと 5 施 工 後 補 修 材 料 を 指 で 強 く 押 しても 指 に 付 着 しなければ 通 水 可 能 6 水 中 パテは 十 分 に 練 り 混 ぜる 寒 冷 地 では 湯 を 準 備 するとよい (4) 主 要 資 機 材 名 称 備 考 バックアップ 材 ひび 割 れ 幅 長 さに 応 じてホームセンターなどで 購 入 する 弾 性 シーリング 材 ( 変 成 シリコーン 系 ) ホームセンターで 入 手 可 能 シーリング 材 充 てん 用 ガン ディスクグラインダー ゴムベラ マスキングテープ 水 中 パテ (コーキングガン) 取 扱 注 意 ( 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 取 扱 う ) 幅 10cm 程 度 のもの ガムテープ( 布 製 )でも 可 入 手 方 法 については 都 道 府 県 土 連 に 問 い 合 わせる 63

6.3 ひび 割 れ 補 修 工 法 ひび 割 れ 補 修 工 法 は 一 般 的 に 図 6.3-1 に 示 す 3 工 法 に 分 類 されるが 簡 易 補 修 工 に おいては ひび 割 れ 被 覆 工 法 と 充 てん 工 法 を 適 用 するものとする ひび 割 れ 被 覆 工 法 (6.3.1) ひび 割 れ 補 修 工 法 充 てん 工 法 (6.3.2) 注 入 工 法 ( 対 象 外 ) 図 6.3-1 一 般 的 なひび 割 れ 補 修 工 法 注 入 工 法 は 材 料 選 定 や 施 工 に 専 門 的 な 知 識 技 術 が 必 要 になる 場 合 があるため 簡 易 補 修 工 法 としては 取 り 扱 わない 64

6.3.1 ひび 割 れ 被 覆 工 法 (1) 工 法 の 概 要 一 般 的 なひび 割 れ 被 覆 工 法 は 図 6.3.1-1 に 示 すように ひび 割 れ 幅 が 0.2mm 以 下 の 微 細 なひび 割 れに 適 用 するものである しかし 農 業 用 水 路 の 場 合 ひび 割 れ 幅 が 0.6mm 以 上 のものも 補 修 対 象 *1 とするため 被 覆 材 は ひび 割 れ 幅 の 変 動 に 対 し より 追 従 す ることが 必 要 である そのため 6.2.1 で 紹 介 した 特 殊 フィルムにより 変 状 部 を 被 覆 す る *1 第 3 章 P.20 表 3.3-1 参 照 被 覆 材 弾 性 シーリング 材 ひび 割 れ ひび 割 れ 被 覆 工 法 図 6.3.1-1 一 般 的 なひび 割 れ 被 覆 工 法 の 概 要 図 65

(2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 弾 性 シーリング 材 は ウレタ ン 系 シリコーン 系 変 成 シリコーン 系 などがある が 重 ね 塗 りが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 い 勝 手 がよい シーリング 材 など 下 地 処 理 (6.1 参 照 ) ( 洗 浄 など) 接 着 剤 塗 布 塗 布 充 てん 状 況 マスキングテープ プライマー 一 成 分 形 変 成 シリコ ーン 系 シーリング 材 被 覆 材 被 覆 塗 布 面 が 乾 燥 していること マスキングテープは 塗 布 完 了 後 直 ちにはがす 被 覆 材 作 業 状 況 貼 り 付 け 面 が 乾 燥 し ていること 完 了 完 了 接 着 剤 を 指 で 触 って 付 着 しな いことを 確 認 後 通 水 する 66

(3) 留 意 点 1) 材 料 選 定 上 の 留 意 点 弾 性 シーリング 材 は 塗 り 重 ねが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 いやすい 2) 施 工 上 の 留 意 点 1 貼 り 付 け 面 が 乾 燥 していることを 確 認 する 2 特 殊 フィルム 工 法 は 仕 上 げの 美 観 向 上 のため マスキングテープを 使 用 すると 良 い マスキングテープは 充 てん 終 了 後 直 ちにはがすこと 3 特 殊 フィルム 工 法 は 接 着 剤 を 指 で 触 って 付 着 しないことが 確 認 できた 場 合 は 通 水 をしても 良 い (4) 主 要 資 機 材 名 称 備 考 弾 性 シーリング 材 用 プライマー 弾 性 シーリング 材 ( 変 成 シリコーン 系 ) シーリング 材 充 てん 用 ガン ディスクグラインダー 金 ベラ ゴムベラ はけ プライマー 弾 性 シーリング 材 は 材 料 間 の 相 性 が あるため 必 ず 同 メーカーのものを 使 用 する (コーキングガン) 取 扱 注 意 ( 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 取 扱 う ) 幅 50mm( 先 端 幅 20mm) 程 度 のもの ( 接 着 剤 などの 撹 拌 用 ) 幅 10cm 程 度 のもの プライマー 塗 布 用 練 り 缶 プライマー 練 り 用 (1 リットル 缶 程 度 ) マスキングテープ 特 殊 フィルム ガムテープ( 布 製 )でも 可 入 手 方 法 については 都 道 府 県 土 連 に 問 い 合 わせる 67

6.3.2 ひび 割 れ 充 てん 工 法 (1) 工 法 の 概 要 一 般 的 にはひび 割 れ 幅 が 0.5mm 程 度 以 上 の 場 合 に 適 用 される 工 法 であるが 簡 易 補 修 においては 0.6mm 以 上 のひび 割 れについて ひび 割 れを U 字 または V 字 にカットし 弾 性 シーリング 材 などを 充 てんする 方 法 である ひび 割 れ( 伸 縮 あり) 20 10 弾 性 シーリング 材 プライマー 塗 布 表 面 被 覆 材 ( 必 要 に 応 じ) 図 6.3.2-1 ひび 割 れ 充 てん 工 法 概 要 図 68

(2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 下 地 処 理 (6.1 参 照 ) ( 洗 浄 など) ひび 割 れ 部 U カット ディスクグラインダー カット 状 況 研 削 といしの 取 替 え 又 は 取 替 え 時 の 試 運 転 の 業 務 には 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 行 う また 実 作 業 も 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 行 うことが 望 ましい 詳 細 は 6.2.1 (3) 留 意 点 参 照 ひび 割 れを 挟 んで 幅 15~20cm 程 度 は 水 できれいに 洗 浄 し 細 かな 粉 塵 が コンクリート 表 面 に 付 着 していないこ とを 確 認 する プライマー 塗 布 プライマー 塗 布 状 況 マスキングテープ プライマーを 使 用 する 場 合 は シーリング 材 の 伸 縮 が 自 由 と なるように 両 サイドのみにプ ライマーを 塗 布 する 次 頁 へ マスキングテープは 充 てん 完 了 後 直 ちにはがす 69

弾 性 シーリング 材 は ウレタ ン 系 シリコーン 系 変 成 シリコーン 系 などがある が 重 ね 塗 りが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 い 勝 手 がよい シーリング 材 弾 性 シーリング 材 充 てん 充 てん 状 況 マスキングテープ コーキングガン 一 成 分 形 変 成 シリコ ーン 系 シーリング 材 完 了 充 てん 部 が 乾 燥 して いること 完 了 シーリング 材 充 てん 後 ゴムベラなどで 均 し 仕 上 げる 指 で 触 って 付 着 しないことを 確 認 後 通 水 する 70

(3) 留 意 点 1) 材 料 選 定 上 の 留 意 点 1 弾 性 シーリング 材 は 塗 り 重 ねが 可 能 な 変 成 シリコーン 系 が 使 いやすい 2 接 着 性 が 良 く ひび 割 れ 等 の 伸 縮 に 対 して 追 従 性 の 優 れたものを 選 定 する 3 耐 久 性 に 優 れ 長 期 劣 化 の 少 ないものを 選 定 する 2) 施 工 上 の 留 意 点 1 ディスクグラインダーで 研 削 した 面 およびひび 割 れを 挟 んで 幅 15~20cm 程 度 は 水 できれいに 洗 浄 し 細 かな 粉 塵 がコンクリート 表 面 に 付 着 していないことを 確 認 する 2 充 てん 作 業 は 水 を 用 いて 洗 浄 した 場 合 は 完 全 に 乾 いたことを 確 認 後 に 行 う 3 研 削 面 が 三 面 となる 場 合 で シーリング 材 の 接 着 性 を 高 めるためにプライマーを 使 用 する 場 合 は シーリング 材 の 伸 縮 が 自 由 となるように 両 サイドのみにプライマ ーを 塗 布 する 4 施 工 後 補 修 材 料 を 指 で 強 く 押 しても 指 に 付 着 しなければ 通 水 可 能 71

(4) 主 要 資 機 材 名 称 備 考 弾 性 シーリング 材 用 プライマー 弾 性 シーリング 材 ( 変 成 シリコーン 系 ) シーリング 材 充 てん 用 ガン ディスクグラインダー 金 ベラ ゴムベラ はけ プライマー 弾 性 シーリング 材 は 材 料 間 の 相 性 があるため 必 ず 同 メーカーのものを 使 用 する (コーキングガン) 取 扱 注 意 ( 講 習 修 了 証 を 保 有 する 者 が 取 扱 う ) 幅 50mm( 先 端 幅 20mm) 程 度 のもの ( 接 着 剤 などの 撹 拌 用 ) シーリング 材 仕 上 げ 用 幅 10cm 程 度 のもの プライマー 塗 布 用 練 り 缶 プライマー 練 り 用 (1 リットル 缶 程 度 ) マスキングテープ ガムテープ( 布 製 )でも 可 72

6.4 表 面 保 護 工 法 簡 易 補 修 における 表 面 保 護 工 法 は 図 6.4-1 に 示 す 様 に 分 類 される 断 面 修 復 工 法 (6.4.1) 表 面 保 護 工 法 表 面 被 覆 工 法 (6.4.2) 表 面 含 浸 工 法 (6.4.3) 図 6.4-1 簡 易 補 修 における 表 面 保 護 工 法 6.4.1 断 面 修 復 工 法 (1) 工 法 の 概 要 変 状 部 分 を 清 掃 し ポリマーセメント 等 の 断 面 修 復 材 を 左 官 工 法 により 充 てんする 工 法 である ただし 錆 汁 が 観 察 されるような 場 合 は 構 造 的 な 問 題 に 波 及 する 恐 れがある ため 簡 易 補 修 においては 鉄 筋 の 防 錆 処 理 を 伴 わない 範 囲 を 対 象 とする 鉄 筋 コンクリート 断 面 修 復 材 コンクリート はつり 面 図 6.4.1-1 断 面 修 復 工 法 概 要 図 73

(2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 下 地 処 理 (6.1 参 照 ) ( 洗 浄 など) プライマー 塗 布 プライマー 塗 布 状 況 ポリマーセメントモルタル 練 り 混 ぜ ポリマーセメントモルタル 材 と 攪 拌 機 練 り 混 ぜ 状 況 ペール 缶 規 定 の 混 合 比 を 厳 守 する 規 定 外 のものを 混 ぜない 十 分 に 練 る 次 頁 へ 74

ポリマーセメントモルタル 塗 布 金 コテ コテ 板 左 官 作 業 状 況 養 生 材 塗 布 噴 霧 機 養 生 材 作 業 状 況 噴 霧 機 による 塗 布 完 了 完 了 施 工 後 最 低 3 日 は 養 生 する 75

(3) 留 意 点 1) 材 料 選 定 上 の 留 意 点 1 断 面 修 復 材 は 補 修 目 的 を 明 確 にし 補 修 箇 所 の 環 境 条 件 使 用 条 件 施 工 条 件 施 工 規 模 等 を 考 慮 して 選 定 する 一 般 的 には 有 機 系 材 料 とセメント 系 材 料 の 中 間 的 性 質 を 持 つポリマーセメントモルタルを 使 用 する 例 が 多 い 2 断 面 修 復 材 は 収 縮 の 小 さい 材 料 を 選 定 する 2) 施 工 上 の 留 意 点 1 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 は プレミックスタイプ( 既 にセメント ポリマー 砂 が 混 合 された 状 態 のもの)であるなしに 関 わらず 各 材 料 (セメント ポリマー 砂 水 等 )の 規 定 の 配 合 量 を 厳 守 する 2 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 規 定 以 外 のものを 混 入 してはならない 3 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 は 各 材 料 が 完 全 に 混 ざるように 十 分 な 攪 拌 を 行 う 4 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 その 材 料 の 可 使 時 間 ( 接 着 剤 に 硬 化 剤 などを 混 合 した 後 粘 度 や 状 態 が 使 用 に 耐 えられなくなるまでの 時 間 )を 考 慮 し 余 分 な 材 料 を 練 り 上 げない 5 施 工 後 最 低 3 日 は 養 生 する 76

(4) 主 要 資 機 材 名 称 備 考 ポリマーセメント 用 プライマー ポリマーセメント プレミックスタイプが 便 利 である コンクリート 表 面 養 生 材 ( 仕 上 げ 補 助 材 ) 噴 霧 機 モルタル 撹 拌 機 モルタル 撹 拌 用 ペール 缶 左 官 用 具 一 式 はけ 塗 布 面 積 が 少 ない 場 合 は 霧 吹 きでも 可 100V 900W 級 18 リットル 程 度 金 コテ( 仕 上 げ 用 ) コテ 板 プライマー 塗 布 用 練 り 缶 プライマー 練 り 用 (1 リットル 缶 程 度 ) 77

6.4.2 表 面 被 覆 工 法 (1) 工 法 の 概 要 変 状 部 分 を 清 掃 し ポリマーセメント 系 や 有 機 系 ( 塗 料 )の 材 料 を 変 状 部 表 面 に 被 覆 する 工 法 である 仕 上 げ 材 主 材 プライマー コンクリート 図 6.4.2-1 表 面 被 覆 工 法 概 要 図 簡 易 補 修 の 場 合 主 材 には 図 6.4.2-2 に 示 す 材 料 が 用 いられる 材 料 選 定 は (3) 留 意 点 に 示 すが 簡 易 補 修 においてはポリマーセメント 系 材 料 を 使 用 するのが 一 般 的 であ る ポリマーセメント 系 材 料 有 機 系 材 料 シート/フィルム 系 材 料 図 6.4.2-2 表 面 被 覆 材 料 例 78

(2) 作 業 工 程 使 用 機 材 及 び 作 業 内 容 下 地 処 理 (6.1 参 照 ) ( 洗 浄 など) 簡 易 補 修 工 法 の 表 面 被 覆 工 法 として 一 般 的 なポリマー セメント 系 材 料 を 用 いた 場 合 の 作 業 工 程 を 示 す プライマー 塗 布 プライマー 塗 布 状 況 ポリマーセメントモルタル 練 り 混 ぜ ポリマーセメントモルタル 材 と 攪 拌 機 練 り 混 ぜ 状 況 ペール 缶 規 定 の 混 合 比 を 厳 守 する 規 定 外 のものを 混 ぜない 十 分 に 練 る 次 頁 へ 79

主 材 塗 布 作 業 状 況 (ポリマーセメント 系 ) 仕 上 げ 材 塗 布 噴 霧 機 養 生 材 作 業 状 況 噴 霧 機 による 塗 布 完 了 完 了 施 工 後 最 低 3 日 は 養 生 する 80

(3) 留 意 点 1) 材 料 選 定 上 の 留 意 点 1 表 面 被 覆 材 は 補 修 目 的 を 明 確 にし 補 修 箇 所 の 環 境 条 件 使 用 条 件 施 工 条 件 施 工 規 模 等 を 考 慮 して 選 定 する 表 面 被 覆 材 の 種 類 と 特 徴 を 表 6.4.2-1 に 示 すが 簡 易 補 修 においては 専 門 的 な 知 識 や 特 殊 な 技 能 を 必 要 としないポリマーセメント 系 の 材 料 を 使 用 することを 基 本 とする 2 特 に 水 路 側 溝 内 で 草 木 を 燃 やす 可 能 性 がある 場 合 には 有 毒 ガスの 発 生 の 可 能 性 がある 有 機 系 の 材 料 は 使 用 しない 3 水 路 側 溝 内 で 農 機 具 を 洗 浄 するような 可 能 性 がある 場 合 には 摩 耗 に 対 する 耐 久 性 の 高 いポリマーセメント 系 の 材 料 を 使 用 する 表 6.4.2-1 表 面 被 覆 材 の 種 類 と 特 徴 長 所 短 所 不 燃 性 である ポリマーセメント 系 有 機 系 ( 塗 装 ) フィルム/シート 系 摩 耗 に 強 い ( 傷 がつきにくい) 美 観 がよい 部 分 補 修 が 容 易 左 官 作 業 に 熟 練 が 必 要 可 燃 性 がある スコップ 等 で 傷 がつきやすい 使 用 に 際 して 専 門 的 な 知 識 や 特 殊 な 技 能 が 必 要 なものもあるので 注 意 する 可 燃 性 がある スコップ 等 で 傷 がつきやすい 2) 施 工 上 の 留 意 点 1 下 地 にひび 割 れがある 場 合 特 に 漏 水 がある 場 合 には 6.2 ひび 割 れ 補 修 工 法 に 示 す 表 面 被 覆 工 法 充 てん 工 法 によって ひび 割 れを 補 修 しておく 必 要 がある 2 ポリマーセメント 系 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 は プレミックスタイプ( 既 にセメント ポリマー 砂 が 混 合 された 状 態 のもの)であるなしに 係 わらず 各 材 料 (セメント ポリマー 砂 水 等 )の 規 定 の 配 合 量 を 厳 守 する 81

3 ポリマーセメント 系 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 規 定 以 外 のものを 混 入 してはならない 4 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 は 各 材 料 が 完 全 に 混 ざるように 十 分 な 攪 拌 を 行 う 5 材 料 を 練 り 混 ぜる 場 合 その 材 料 の 可 使 時 間 ( 接 着 剤 に 硬 化 剤 などを 混 合 した 後 粘 度 や 状 態 が 使 用 に 耐 えられなくなるまでの 時 間 )を 考 慮 し 余 分 な 材 料 を 練 り 上 げない 6 ポリマーセメント 系 材 料 は 一 度 にあまり 厚 く 塗 らないように 注 意 し 概 ね 1~2cm 程 度 の 薄 塗 りを 数 度 に 分 けて 仕 上 げる 7 施 工 後 最 低 3 日 は 養 生 する(ポリマーセメント 系 の 場 合 ) < 参 考 > 有 機 系 の 場 合 施 工 後 補 修 材 料 を 指 で 強 く 押 しても 指 に 付 着 しなければ 通 水 可 能 82

(4) 主 要 資 機 材 名 称 備 考 ポリマーセメント 用 プライマー (ポリマーセメント 系 の 場 合 ) ポリマーセメント (ポリマーセメント 系 の 場 合 ) コンクリート 表 面 養 生 材 ( 仕 上 げ 補 助 材 )(ポリマーセメント 系 の 場 合 ) 噴 霧 機 塗 布 面 積 が 少 ない 場 合 は 霧 吹 きでも 可 (ポリマーセメント 系 の 場 合 ) モルタル 撹 拌 機 100V 900W 級 (ポリマーセメント 系 の 場 合 ) モルタル 撹 拌 用 ペール 缶 18 リットル 程 度 (ポリマーセメント 系 の 場 合 ) 左 官 用 具 一 式 はけ 金 コテ( 仕 上 げ 用 ) コテ 板 (ポリマーセメント 系 の 場 合 ) プライマー 塗 布 用 練 り 缶 プライマー 練 り 用 (1 リットル 缶 程 度 ) 参 考 名 称 備 考 特 殊 フィルム 特 殊 フィルム 用 硬 質 接 着 剤 入 手 方 法 については 都 道 府 県 土 連 に 問 い 合 わせる 特 殊 フィルム 用 軟 質 接 着 剤 コンクリート 用 有 機 系 塗 装 材 はけ ローラー ホームセンターでも 入 手 可 ( 必 ずコンクリート 用 のものを 購 入 する ) 有 機 系 塗 装 材 塗 布 用 83