欧 州 の 新 単 一 効 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 制 度 の ご 案 内
2 Bristows LLP 2015 年 10 月
欧 州 の 新 単 一 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 制 度 のご 案 内 1 目 次 はじめに 2 なぜ 変 更 するのか? 経 緯 の 概 要 2 新 制 度 の 法 的 枠 組 み 2 制 度 の 概 要 3 単 一 効 特 許 の 詳 細 3 機 構 4 言 語 5 司 法 スタッフ 5 裁 判 管 轄 地 6 移 行 期 間 6 統 一 特 許 裁 判 所 の 組 織 に 関 する 実 務 的 帰 結 裁 判 管 轄 地 選 択 7 まとめ 7 Bristowsの 顧 客 サービス 8 当 事 務 所 の 統 一 特 許 裁 判 所 の 専 門 家 9 Bristows LLP 2015 年 10 月
2 はじめに この 案 内 は 欧 州 で 特 許 を 取 得 し 権 利 行 使 するための 現 行 制 度 の 変 更 について 紹 介 することを 目 的 としています 尚 変 更 は 早 ければ2017 年 1 月 に 実 施 される 見 込 みです 変 更 後 は EUの 大 部 分 に 及 ぶ 唯 一 の 単 一 特 許 が 現 行 の 欧 州 特 許 制 度 の 利 用 者 に 使 用 され 全 ての 特 許 所 有 者 の 既 在 及 び 将 来 の 欧 州 特 許 は 原 則 として 新 統 一 特 許 裁 判 所 ( UPC )の 管 轄 下 に 置 かれることになります ここからの ページでは UPCの 歴 史 と 今 日 ここに 至 るまでの 経 緯 を 探 っていきます また 新 制 度 が 開 始 した 際 にUPCがどのよう に 機 能 し 利 用 者 が 何 を 期 待 できるかについて いくつかの 有 益 な 洞 察 を 提 供 するために 制 度 に 関 する 法 的 枠 組 み と 概 要 にも 触 れていきます なぜ 変 更 するのか? 経 緯 の 概 要 特 許 の 付 与 と 権 利 行 使 の 両 方 を 網 羅 する 汎 欧 州 特 許 制 度 を 構 築 することはEUの 初 期 からの 政 治 的 目 的 でした その 目 的 の 達 成 は 困 難 なままでしたが 1973 年 の 欧 州 特 許 条 約 ( 以 下 EPC )の 署 名 により 大 きな 前 進 を 果 たしました これにより 1978 年 以 来 集 中 的 な 出 願 プロセスを 通 じ 欧 州 特 許 を 付 与 しているミュンヘンの 欧 州 特 許 庁 が 設 立 さ れることになったのです 新 制 度 の 姿 は とりわ け 理 論 的 で 最 適 なも のというわけではない ものの 政 治 的 及 び 法 的 発 展 の 結 果 なので す 但 し 一 旦 付 与 されると 特 許 権 者 は 欧 州 特 許 が 有 効 に 認 められる 国 を 選 択 しなければならず それゆえ1つの 欧 州 特 許 出 願 が 原 則 的 に 国 内 特 許 の 束 となります もし 異 議 申 立 訴 訟 が 特 許 付 与 後 の9か 月 以 内 に 提 起 された 場 合 は 束 の 全 ては 中 央 の(そして 厳 しい 非 難 の 的 である) 異 議 申 立 手 続 きに 従 うままである 一 方 その 権 利 行 使 は 常 に 国 内 裁 判 所 の 管 轄 事 項 であったのです この 主 な 理 由 は EC 規 則 1215/2012* 1 で 具 体 化 されたブリュッセル 条 約 にお いては 有 効 性 は 国 内 裁 判 所 の 専 属 事 項 とされていたか らです 特 許 の 付 与 は 集 中 的 に 行 うものの 国 ごとの 権 利 行 使 が 求 められるこの 制 度 を 変 更 しようという 政 治 的 切 望 は 40 年 以 上 前 にEPCが 署 名 されて 以 降 ずっと 続 いています 共 同 体 特 許 条 約 を 通 じた 試 みは 失 敗 に 終 わりました 1997 年 EPCに 関 する 選 択 的 な 訴 訟 手 続 きがパリで 話 し 合 わ れ 新 たな 取 り 組 みが 始 まりましたが 数 年 後 やはり 失 敗 に 終 わりました その 途 中 の2000 年 に 欧 州 委 員 会 は 共 同 体 特 許 の 創 設 も 提 案 しました 様 々な 出 だしの 失 敗 を 経 て 委 員 会 の 構 想 は 今 日 では 単 一 的 効 力 を 有 する 欧 州 特 許 (より 一 般 的 には 単 純 に 単 一 効 特 許 ( 単 一 特 許 ) と 呼 ばれる)と して 知 られるものに 姿 を 変 えました また 相 前 後 して 今 日 ではUPCとして 知 られる これらの 特 許 と 既 存 の 欧 州 特 許 の 権 利 行 使 のための 新 たな 集 中 的 な 裁 判 所 の 創 設 が 合 意 されました 以 下 で 簡 潔 に 説 明 する 新 制 度 の 姿 は とりわけ 理 論 的 で 最 適 なものというわけではないものの2009 年 から2012 年 に 渡 る 政 治 的 及 び 法 的 発 展 の 結 果 であり 特 に2つの 事 項 に ついては 重 要 です まず 2011 年 3 月 の 決 定 により CJEUは 新 制 度 確 立 のために 提 案 された 取 り 決 めが 非 EUのEPC 諸 国 を 含 めると 合 法 ではないと 判 断 しました これにより 1つ の 裁 判 所 が 単 独 で スイスなどの 非 EU 諸 国 の 欧 州 特 許 に 関 する 国 内 指 定 の 裁 決 も 行 う 可 能 性 が 除 外 されました 次 に 数 か 国 後 には25のEU 諸 国 にまで 拡 大 したグループに よる(おそらく 不 当 にスペインやイタリアのせいにされてい る) 言 語 の 問 題 に 関 する 行 き 詰 まりを 終 わらせる 決 定 によ り 単 一 特 許 を 創 設 する 強 化 された 協 力 のプロセスが 始 まりました 新 制 度 の 法 的 枠 組 み 上 記 で 述 べた 政 治 的 及 び 法 的 制 約 に 伴 い 新 制 度 は 別 々 でありながらお 互 い 絡 み 合 う3つの 法 律 文 書 を 通 じて 創 設 されました 最 初 の2つはEU 規 則 1257/12と1260/12で 一 般 的 にそれぞれ 単 一 特 許 規 則 と 言 語 規 則 と 呼 ばれてい ます これらは 両 方 とも 施 行 されていますが 3つ 目 の 法 律 文 書 であるUPC 協 定 が 発 効 して 初 めて 効 力 を 発 生 します この 協 定 は25のEU 諸 国 間 の 条 約 であり( 但 し 厳 密 にはEU とは 無 関 係 ) 単 一 特 許 と 従 来 型 の 欧 州 特 許 の 訴 訟 のため の 共 通 の 裁 判 所 を 設 立 するものです 2013 年 2 月 19 日 に 署 名 されたものの 協 定 が 効 力 を 発 する には 英 国 フランス ドイツに 加 え 他 10か 国 の 加 盟 国 によ る 批 准 が 必 要 です とりわけ 新 裁 判 所 設 立 のために 必 然 的 に 要 する 膨 大 な 時 間 と 相 まって この 批 准 プロセスがある ために 開 始 日 が 遅 延 し 未 定 となっています *1 これはEC 規 則 44/2001としてより 良 く 知 られているものの 改 定 版 である Bristows LLP 2015 年 10 月
欧 州 の 新 単 一 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 制 度 のご 案 内 3 制 度 の 概 要 新 たな 取 り 決 めでは 2007 年 3 月 1 日 * 2 以 降 に 出 願 され 新 制 度 が 効 力 を 発 する 日 において 未 完 了 となっている 全 ての 特 許 出 願 を 含 む( 出 願 者 には 重 要 ) 欧 州 特 許 の 出 願 者 は 関 連 する 参 加 国 の 国 内 指 定 を 受 けずに 単 一 的 効 力 を 有 する 特 許 を 要 求 することができます 但 し 彼 らは 従 来 の 方 法 で 他 の 不 参 加 国 (スペイン スイス 等 )を 追 加 的 に 指 定 することもできます 単 一 特 許 はバリデーション 手 数 料 は 必 要 なく(6 12 年 の 移 行 期 間 のみ) 翻 訳 も1 回 に なります UPCは 多 くの 国 にある 部 を 伴 った 権 利 侵 害 訴 訟 や 取 消 訴 訟 ( 通 常 は 両 方 の 請 求 が 同 時 になされる)を 扱 う 唯 一 の 裁 判 所 であり どの 部 で 訴 訟 が 提 起 されたかに 関 わらず 全 ての 関 連 する 国 々において 有 効 な 判 決 を 下 し 命 令 を 出 すことができます UPCは 単 一 特 許 及 び( 複 雑 な 移 行 期 間 に 従 うことになりますが) 既 存 の 欧 州 特 許 やそれらの 補 完 的 保 護 証 明 書 ( 以 下 SPC )を 含 む 欧 州 特 許 にも 専 属 管 轄 権 を 有 します それゆえ 制 度 は 著 しい 遡 及 効 果 を 有 し UPCが 効 力 を 発 生 する 時 点 で 存 在 するあらゆる 欧 州 特 許 に 影 響 が 及 びます 単 一 特 許 の 詳 細 単 一 特 許 は2007 年 3 月 1 日 にさかのぼって 従 来 型 の 欧 州 特 許 の 出 願 に 付 与 されます 正 式 な 期 限 はありませんが マルタが2007 年 にEPCに 加 入 したので それ 以 前 になさ れた 欧 州 特 許 の 出 願 にはマルタが 含 まれていませんでし た そのような 出 願 はマルタを 含 んでおらず 且 つマルタは UPC 協 定 を 批 准 しているので 2007 年 3 月 以 前 の 出 願 は 単 一 的 効 力 に 不 適 格 となります クロアチアは 未 加 入 です が 加 入 するとなればクロアチアがEPCに 加 盟 した2008 年 1 月 に 期 限 が 繰 り 上 がることになります 特 許 審 査 のプロセスは 影 響 を 受 けませんが 付 与 される と 付 与 後 1か 月 以 内 に 単 一 的 効 力 を 要 求 する 新 たなオプ ションが 発 生 します EPOはEUからの 委 譲 を 受 け このプ ロセスを 定 める 一 連 の 新 ルールや 単 一 特 許 の 事 務 に 関 す るその 他 の 実 務 を 取 り 扱 うことになります 注 目 すべきこと に ここには 更 新 手 数 料 の 水 準 設 定 も 含 まれています 単 一 特 許 についての 一 般 的 な 誤 解 として 単 一 特 許 と 言 語 規 則 へ 加 盟 し UPC 協 定 への 署 名 を 行 った 全 ての 国 々( 現 在 のところ EU 全 体 からスペイン ポーランド イタリア ク ロアチアを 除 いた24か 国 )に 対 して 効 果 を 有 する という ものがあります しかしながら 正 確 な 範 囲 は 対 象 となっている 欧 州 特 許 出 願 について 特 許 付 与 がされた 時 点 におけるUPC 協 定 の 批 准 国 の 数 によります 対 象 国 は 最 大 の24か 国 ではなく 12か 国 * 3 ほどに 限 定 される 可 能 性 があります また より 多 くの 国 々が 批 准 しても 個 別 の 単 一 特 許 によって 取 得 され た 適 用 範 囲 が 増 えることはありません というより 地 理 的 な 適 用 範 囲 は 特 許 付 与 の 時 点 で 確 定 するのです* 4 但 し 既 に 確 定 しているのは 単 一 特 許 は3つの 最 も 重 要 な 特 許 管 轄 地 すなわちドイツ 英 国 フランス(これら3 国 は 必 須 の UPC 署 名 国 )に 加 えて 既 にUPC 協 定 の 批 准 と 批 准 書 の 預 託 の 両 方 を 実 施 した 他 の 国 々を 対 象 とすることです 新 制 度 は 別 々でありな がらお 互 い 絡 み 合 う3 つの 法 律 文 書 を 通 じて 創 設 されました 上 記 で 短 く 述 べた 通 り 特 許 付 与 に 際 してバリデーション 手 数 料 はかからず 制 度 発 足 後 の 最 初 の6 12 年 間 は1 つの 翻 訳 版 の 提 出 が 必 要 です 翻 訳 の 提 出 が 求 められる のは 言 語 に 係 るあらゆる 問 題 を 克 服 するためです 歴 史 的 に そして 多 くの 国 々で 現 地 語 に 翻 訳 する 必 要 性 を 未 然 に 防 ぐロンドン 協 定 の 成 立 にもかかわらず 特 許 が 自 国 民 に とって 外 国 語 である 言 語 によってのみ 付 与 されるべきでは ないという 懸 念 を 表 明 する 国 々もあります それゆえ 言 語 規 則 における 言 語 制 度 は 全 ての 単 一 特 許 が 少 なくとも 英 語 で 利 用 できるようにしています そのため ( 全 体 の25%を 占 める)フランス 語 又 はドイツ 語 でEPOに 出 願 された 特 許 を 英 語 に 翻 訳 するよう 要 求 し 実 現 しています 英 語 で 出 願 された 単 一 特 許 を 別 のEU 公 用 語 に 翻 訳 することを 求 める 相 互 条 項 もあります これはどの 言 語 の 可 能 性 もあるため 現 在 のところ 将 来 スペインに 単 一 特 許 が 及 ぶ 可 能 性 はないにもかかわらず スペイン 語 も 含 まれます 又 はフィンランド 語 やオランダ 語 のような そ れほど 普 及 していない 言 語 に 翻 訳 されることもあります 更 新 手 数 料 の 水 準 は 単 一 特 許 の 対 応 に 際 して 重 要 な 要 素 です 出 願 者 にとって 単 一 特 許 を 魅 力 あるものにすること と 特 許 付 与 機 関 としてEPOの 帳 簿 上 の 収 支 を 保 つことに 折 り 合 いをつける 微 妙 なバランスがあります 2015 年 6 月 に 更 新 手 数 料 を 真 のトップ4か 国 の 基 準 で 設 定 する 仮 合 意 が 成 立 しました これは 大 まかに 言 って ドイツ 英 国 *2 マルタのEPCへの 加 盟 日 *3 UPCが 効 力 を 発 するには13か 国 が 批 准 しなければならないが 残 る1つ は 現 在 のところ 単 一 特 許 制 度 に 参 加 しないイタリアになる 可 能 性 がある *4 多 大 な 注 意 がこのような 特 許 の 適 用 範 囲 の 設 定 に 要 求 されるので 単 一 特 許 に 関 する 調 査 を 自 由 に 行 う 際 に 著 しい 混 乱 を 招 く 可 能 性 もある
4 フランス 及 びオランダで 欧 州 特 許 を 更 新 することに 相 当 します この 手 数 料 水 準 がどれくらい 魅 力 的 なものになる かはまだ 未 定 です 現 在 国 内 での 更 新 の 際 に 支 払 っているよりも 多 くを 支 払 い たいと 願 う 出 願 者 はほとんどいないでしょう 結 局 は (もし あったとしても)ほとんどの 企 業 は 緊 縮 財 政 や 中 国 シン ガポール マレーシアやその 他 の 新 興 市 場 といった 以 前 は それほど 重 要 でなかった 極 東 の 国 々で 保 護 を 受 けるため の 圧 力 が 増 している 時 に 更 新 手 数 料 の 予 算 を 引 き 上 げ たりしないでしょう それゆえ 殆 どの 特 許 権 者 は 単 純 に 計 算 してより 安 いオプションを 選 ぶ 可 能 性 があります 既 に 確 定 しているのは 単 一 特 許 は3つの 最 も 重 要 な 特 許 管 轄 地 すなわ ちドイツ 英 国 フランス を 対 象 とするということ です 中 央 部 の 権 利 侵 害 訴 訟 管 轄 に 関 しては 地 域 部 や 地 方 部 から 移 管 された 訴 訟 を 審 理 するだけでなく( 滅 多 にないケ ースですが) 重 要 なことに もしある 国 内 に 係 る 地 域 部 ま たは 地 方 部 が 設 けられていたら それらの 部 に 持 ち 込 まれ る 訴 訟 も 取 り 扱 うということです すなわち 対 象 国 が 自 国 内 に 部 を 持 たないことを 選 択 する 場 合 は 中 央 部 が 代 わり に 裁 判 管 轄 権 を 有 するのです 現 状 では 参 加 国 の 少 なくとも3 分 の1* 5 は 地 方 部 及 び 地 域 部 を 有 することになる 予 定 です それゆえ 現 在 分 かって いる 限 りにおいては 多 くの 東 欧 や 南 欧 諸 国 において 被 告 が 所 在 し 或 いは 侵 害 行 為 が 行 われた 訴 訟 は 中 央 部 に 持 ち 込 まれるでしょう 政 治 的 理 由 により 裁 判 管 轄 権 がパリ ロンドン ミュンヘン の3か 所 に 分 かれているので 中 央 部 の 組 織 でさえも 単 純 明 快 なものではありません(ミュンヘンについては EPOと の 関 係 は 何 もないはずです) 中 央 部 は 訴 訟 の 対 象 によ って 分 かれています 簡 潔 に 言 うと 化 学 及 び 製 薬 関 連 の 訴 訟 はロンドンで 取 り 扱 われ 機 械 工 学 関 連 の 訴 訟 はミュ ンヘンで 審 理 され それ 以 外 は( 中 央 部 の 公 式 本 部 でもあ る)パリに 持 ち 込 まれます 過 去 10 年 におけるEPO 異 議 申 立 の 割 合 に 基 づくと 訴 訟 の48%はパリで 審 理 され 42% がロンドン そして9%がミュンヘンということになります 現 行 制 度 においては 出 願 者 は6つまたは7つのバリデー ションから 着 手 するかもしれませんが 1 年 後 には3つから 2つあるいは1つに 減 らすかもしれません 単 一 特 許 におい ては もちろんこれは 可 能 ではありません 全 ての 国 々で 保 護 を 受 けるか 全 く 受 けないかのどちらかです そして 全 て の 国 々で 特 許 を 放 棄 するという 選 択 肢 は 現 実 的 ではなく おそらく 代 わりにスペインやスイスで 保 護 を 保 っておくと いう 選 択 肢 で 満 足 するでしょう それゆえ バリデーション における 短 期 的 な 節 約 と 長 期 的 費 用 での 更 新 手 数 料 に 惹 かれる 特 許 権 者 もいるかもしれません 機 構 UPCは 登 記 部 を 持 ち 二 審 制 の 特 許 登 録 と2つの 審 理 機 能 を 併 せ 持 つ 唯 一 の 裁 判 所 です 登 記 部 及 び 控 訴 裁 判 所 は ルクセンブルクに 拠 点 を 置 いていますが CJEUとは 何 も 関 係 がありません この 裁 判 所 は 第 一 審 判 決 ( 終 局 的 なも のと 手 続 的 なものの 両 方 )からの 控 訴 を 取 り 扱 います 但 し UPCの 第 一 審 裁 判 所 の 機 構 は 非 常 に 複 雑 です 基 本 的 なコンセプトは 権 利 侵 害 訴 訟 は 権 利 侵 害 が 起 こった 地 域 もしくは 被 告 側 が 所 在 する 地 域 に 持 ち 込 まれる 一 方 特 許 取 消 及 び 非 侵 害 確 認 訴 訟 は 中 央 部 に 持 ち 込 まれるという ことです しかしながら 中 央 部 は 権 利 侵 害 訴 訟 を 審 理 す る 専 属 管 轄 権 も 有 しており 地 域 部 及 び 地 方 部 は 取 消 反 訴 を 審 理 することができます 中 央 部 の 業 務 の 詳 細 な 内 訳 については 当 事 務 所 のUPC 専 用 マイクロサイトbristowsupc.comの Legislation and Documentセクションをご 覧 ください 訴 訟 が 審 理 される 場 所 は 手 続 言 語 と 無 関 係 であることに 注 意 が 必 要 です 中 央 部 の 訴 訟 においては 訴 訟 の 言 語 は 特 許 出 願 で 用 いられた 特 許 の 言 語 になります よって(おお よそですが) 言 語 については75%が 英 語 20%がドイツ 語 そして5%がフランス 語 になります 非 中 央 部 には2 種 類 あります 1つ 目 が 地 方 部 で2つ 目 が 地 域 部 です 地 方 部 は 個 々の 国 によって 設 けられ 現 状 の 予 想 では 地 方 部 は 以 下 の 国 々に 設 けられる 予 定 です ドイツ フランス ベルギー デンマーク オーストリア 英 国 オランダ アイルランド フィンランド イタリア *5 現 状 では 25のUPC 署 名 国 の 内 14 または おそらく17か 国 は 地 域 部 ま たは 地 方 部 を 設 けることが 予 想 されている Bristows LLP 2015 年 10 月
欧 州 の 新 単 一 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 制 度 のご 案 内 5 地 域 部 は 数 カ 国 ( 隣 接 していなくても 良 い)のグループによ って 設 けられ 現 状 の 予 想 では 以 下 の 国 々によって 共 有 さ れた 地 域 部 が 一 つだけ 設 定 される 予 定 です スウェーデン エストニア リトアニア ラトビア 他 のいくつかの 国 々も 協 議 中 であると 伝 えられています が 現 状 他 の 地 域 部 は 以 下 の 国 々の 間 で 形 成 されること になりそうです チェコ 共 和 国 とスロバキア ハンガリー クロアチア スロベニア 但 し これらの 協 議 はまだ 実 を 結 んでおらず いずれの 国 々 もUPC 協 定 をいまだに 批 准 していません(クロアチアに 至 っては 署 名 すらしていません) 国 が 地 方 部 と 地 域 部 の 両 方 を 有 することに 関 して 制 限 は なく イタリアは 南 欧 部 を 設 けようとしていると 噂 されてい ます 既 に 述 べた 通 り ある 国 が 地 方 部 を 設 けず 地 域 部 にも 加 わ らない 場 合 は 中 央 部 が 既 定 の 地 方 部 として 機 能 します 言 語 既 に 中 央 部 における 手 続 言 語 すなわち 特 許 の 言 語 につ いて 触 れました しかし 地 方 部 や 地 域 部 においては 訴 訟 の 言 語 は 異 なるかもしれませんし 対 象 となる 部 によって 変 わるかもしれません 加 盟 国 は 自 身 の 部 が 使 用 する 単 一 もしくは 複 数 の 言 語 を 指 定 することができます 当 然 のこと ながら この 件 についての 見 解 をこれまで 示 してきたほと んどの 地 方 部 及 び 地 域 部 が 自 身 の 単 一 もしくは 複 数 の 現 地 語 が 指 定 されることになると 表 明 してきました しかしな がら 多 く( 大 部 分 )は 現 地 語 に 加 え 英 語 も 使 用 する 予 定 で あると 述 べており 実 際 にスウェーデン/バルト 海 地 域 部 は 英 語 のみを 使 用 することになると 述 べています 地 方 部 と 地 域 部 が 選 択 を 提 供 する 場 合 の 手 続 言 語 は 手 続 規 則 の 最 終 版 の 内 容 次 第 になります 18 番 目 のドラフト は 裁 判 所 がいくつかの 言 語 を 組 み 合 わせて 運 営 すること を 認 める 一 方 で 特 許 権 者 に 言 語 の 選 択 を 提 供 する 英 語 制 限 アプローチとして 知 られる 取 決 めを 採 用 しました* 6 現 地 語 も 使 用 できることが 分 かっているので これは 特 に ドイツとフランスの 地 方 部 が 英 語 をオプションとして 提 供 することを 促 すことになります 司 法 スタッフ 合 議 体 の 構 成 の 規 則 は 以 下 のようになっています 中 央 部 は2 名 の 異 なる 国 籍 の 法 律 裁 判 官 と1 名 の 技 術 裁 判 官 ( 国 籍 不 問 )から 成 ります 従 って 例 えばロ ンドンに 所 在 する 中 央 部 の 裁 判 所 では 英 国 出 身 の 裁 判 官 を 含 める 必 要 は 必 ずしもないことに 注 意 が 必 要 です とはいえ 英 語 で 実 施 される 裁 判 においては 実 用 的 な 理 由 のためにこういったことが 大 いに 起 こ り 得 るように 思 われます 地 域 部 は2 名 の 現 地 の 法 律 裁 判 官 と1 名 の 他 国 籍 の 法 律 裁 判 官 から 成 ります 加 えて 有 効 性 が 問 題 とな る 訴 訟 においては 国 籍 を 問 わない4 番 目 の 技 術 裁 判 官 が 加 わることがあります 既 存 の 相 当 数 の 特 許 訴 訟 を 取 り 扱 ってきた 国 の 地 方 部 は 地 域 部 と 同 じ 手 配 がなされます そうでない 場 合 は 1 名 の 現 地 の 法 律 裁 判 官 と2 名 の 他 の 国 (々) の 法 律 裁 判 官 更 に 国 籍 を 問 わない4 番 目 の 技 術 裁 判 官 の 可 能 性 から 構 成 されます 特 許 訴 訟 の 件 数 に ついては 過 去 3 年 のいずれにおいても 年 間 50 件 が 基 準 として 示 されています 但 し 訴 訟 の 定 義 は 定 めれられていません 例 えば 英 国 では1 件 として 扱 われる 訴 訟 がドイツでは 複 数 の 訴 訟 として 扱 われる こともあるかもしれません 長 期 的 な 平 均 値 として 英 国 での1 件 の 訴 訟 はドイツでの2.5 件 の 訴 訟 に 相 当 すると 計 算 されています 従 って この 目 的 のため にどのような 基 準 によって 訴 訟 が 勘 定 されるかはま だ 不 透 明 ですし 訴 訟 の 件 数 というのが 特 許 の 件 数 被 告 及 び 権 利 侵 害 と 有 効 性 が 両 方 とも 問 題 になっているかどうかということに 関 わらず 単 純 な 訴 訟 の 数 を 意 味 するのであれば オランダのように 特 許 訴 訟 の 経 験 が 豊 富 な 一 方 で 如 何 なる 基 準 にお いても50 件 の 要 件 を 満 たさない 国 々にとっては こ の 問 題 は 重 要 である 可 能 性 があります これらの 数 え 方 の 要 件 が 地 方 部 にとって 別 の 意 味 で 重 要 になることにも 注 意 すべきです というのも 訴 訟 が 一 度 100 件 を 超 えると 次 の100 件 ごとに 新 たな 部 の 設 置 が 認 められるので 例 えば300 件 以 上 の 訴 訟 を 抱 える 国 にとっ ては 最 大 4 部 まで 設 置 できるという 様 に ある 国 が 設 置 で きる 地 方 部 の 数 もこれらの 要 件 によって 決 定 されるからで す どのような 基 準 によっても 恐 らくドイツは4つの 部 を 設 置 する 資 格 がありますが 英 国 は 英 国 式 の 数 え 方 だと1つ の 地 方 部 しか 設 置 できないことになり ドイツ 式 の 数 え 方 をすれば3つ 或 いは4つ 設 置 できます しかしながら 地 方 部 における 合 議 体 の 追 加 に 関 する 制 限 はありませんし 関 連 する 国 内 のどこに 部 を 設 置 しても 構 わないため このこ とが 関 係 してくるかどうかについては 引 続 き 推 移 を 見 守 る 必 要 があります *6 規 則 第 14 条 を 参 照
6 裁 判 管 轄 権 UPCは 全 ての 単 一 特 許 と 既 存 及 び 将 来 の 欧 州 特 許 につい ての 裁 判 管 轄 権 を 有 します 裁 判 管 轄 権 は 純 粋 に 国 内 の 特 許 庁 で 付 与 された 国 内 特 許 までには 及 びませんし 他 の 知 的 財 産 係 争 にも 及 びません 特 許 の 所 有 権 に 係 る 訴 訟 も しくはライセンシングに 関 する 係 争 は 単 一 特 許 について のものであってもUPCに 提 起 することはできません 但 し そのような 問 題 は 特 許 の 権 利 侵 害 又 は 有 効 性 に 関 わる 訴 訟 の 一 部 として 決 定 される 可 能 性 があります* 7 単 一 特 許 の 権 利 侵 害 及 び 有 効 性 に 関 する 裁 判 管 轄 権 は 単 純 明 快 です 一 旦 特 許 が 単 一 的 効 力 と 共 に 付 与 される と 特 許 権 所 有 者 には 取 消 不 能 な 形 でUPCにおいて 権 利 行 使 をすることになります 同 様 に 取 消 や 非 侵 害 確 認 の 訴 訟 はUPCにのみ 提 起 することが 可 能 です 但 し EPOの 異 議 申 立 プロセスには 何 の 効 果 も 及 ぼしませんので 相 手 方 が 申 し 立 てることは 引 続 き 可 能 です 7 年 間 ( 契 約 国 が 更 に 合 意 することによって14 年 まで 延 長 される 可 能 性 あり)の 移 行 期 間 終 了 後 に 出 願 される 従 来 型 ( 古 典 的 とも 呼 ばれる)の 欧 州 特 許 についての 裁 判 管 轄 権 もまた 単 純 明 快 で 特 許 権 者 には 同 じく 取 消 不 能 な 形 で UPCにおいて 権 利 行 使 することになります 同 様 に 取 消 や 非 侵 害 確 認 の 訴 訟 はUPCにのみ 提 起 することが 可 能 です 但 し 既 に 存 在 している 欧 州 特 許 や 移 行 期 間 中 に 出 願 され る 欧 州 特 許 については 下 記 で 説 明 する 通 り 状 況 は 複 雑 で ある 程 度 不 透 明 になっています 移 行 期 間 まず 多 くの 批 評 家 たちが 移 行 に 関 する 条 項 の 明 快 な 意 味 についての 意 見 を 表 明 していることを 強 調 する 必 要 があ ります 私 たちはそのような 明 快 さの 主 張 について 失 礼 な がら 反 対 せざるを 得 ません UPC 協 定 が 署 名 されて 以 降 以 下 に 述 べるような 移 行 期 間 の 意 味 や 実 務 についての 従 来 的 な 意 見 が 次 々と 出 されてきました しかしながら 結 局 は 裁 判 所 (UPCだけでなく 国 内 裁 判 所 やおそらくCJEUも 含 めて)のみが 意 味 についての 決 定 を 下 すことができるの で 他 の 意 味 が 正 しいということは 証 明 されないだろうと 言 うことはできないのです 更 に 発 生 した 従 来 的 な 意 見 は 以 下 で 説 明 するある 特 定 の 質 問 に 答 えていません 繰 り 返 しますが 明 快 さが 取 得 される 前 に 裁 判 所 の 決 定 が 必 要 なのです 移 行 に 関 する 条 項 についてはUPCA 第 83 条 に 含 まれてい ます 主 な 条 項 は 第 83 条 1 項 と3 項 です これらの 条 項 につ いての 従 来 的 な 意 見 は 第 83 条 3 項 が 特 許 権 者 が 欧 州 ( 単 一 ではない) 特 許 と 特 許 出 願 をこれらの 特 許 ( 及 びそれ らから 生 じる 全 てのSPC)の 有 効 期 間 にわたってUPCから 抜 け 出 す 可 能 性 ( 適 用 除 外 )を 提 供 するというものです この 適 用 除 外 は 移 行 期 間 中 * 8 にUPCに 登 録 される 必 要 が ありま す が 提 案 さ れ て い る サ ン ラ イ ズ 期 間 中 に 恐 らく UPCの 暫 定 機 関 * 9 (この 目 的 においては 英 国 IPO)にて 登 録 しても 構 いません 欧 州 特 許 がそのように 適 用 除 外 を 受 けた 場 合 は 権 利 侵 害 訴 訟 であろうと 取 消 訴 訟 であろうと 非 侵 害 確 認 訴 訟 であろうと 国 内 訴 訟 のみが 可 能 となりま す 但 し その 途 中 で 国 内 訴 訟 が 全 くなければ いつでも 適 用 除 外 を 撤 回 することは 可 能 です 適 用 除 外 とその 撤 回 は それぞれ 一 度 だけ 認 められます 全 ての 所 有 権 者 * 10 が 適 用 除 外 プロセスに 同 意 する 必 要 があり ライセンシー( 独 占 的 であっても)は 適 用 除 外 を 登 録 することはできません それゆえ 高 く 評 価 されているように 欧 州 特 許 が 適 用 除 外 を 受 けた 場 合 UPCの 裁 判 管 轄 権 は 除 外 されるので 状 況 は 明 快 です この 解 釈 においてはまた 特 許 権 者 は 引 続 き 既 存 の 特 許 出 願 戦 略 を 用 い 単 一 の 保 護 を 求 めるより は 国 内 で 有 効 にさせて 適 用 除 外 を 受 け 既 存 の 国 内 制 度 の 特 許 の 有 効 期 間 中 の 利 用 を 確 保 するということが 可 能 であるということが 明 らかになっています 全 ての 国 々で 保 護 を 受 けるか 全 く 受 けな いかということです 第 83 条 1 項 の 従 来 的 な 意 見 は 適 用 除 外 を 受 けず 文 字 通 りUPC 制 度 内 に 置 かれる 欧 州 特 許 ( 繰 り 返 しますが 単 一 特 許 ではありません)は それにもかかわらず 国 内 訴 訟 に 従 うというものです これには 少 なくとも 権 利 侵 害 訴 訟 と 取 消 訴 訟 が 含 まれます 第 83 条 1 項 には 明 確 に 述 べられていな いため 従 来 的 な 意 見 によると 非 侵 害 確 認 訴 訟 については 不 透 明 です 但 し これは 起 稿 上 の 明 らかな 誤 りでそのよう な 確 認 訴 訟 は 国 内 で 提 起 され 得 ると 示 唆 しているという 意 見 もあります 主 に 差 止 命 令 といった 暫 定 的 救 済 措 置 の 申 請 についても 同 様 の 疑 問 があります 恐 らくそのような 全 て の 訴 訟 はまず 国 内 で 提 起 することが 可 能 でしょう 従 来 的 な 意 見 に 関 連 するより 深 刻 な 問 題 は 適 用 除 外 を 受 けなかった 場 合 同 様 の 欧 州 特 許 について(もしあれば) どの 程 度 国 内 訴 訟 とUPC 訴 訟 の 両 方 が 可 能 かというもの です 第 一 の 疑 問 は UPCもしくは 国 内 裁 判 所 のどちらかで の 訴 訟 は 残 りの 一 方 での 訴 訟 の 可 能 性 を 除 外 するのか? というものです もしそうであれば 一 つないし 複 数 の 国 内 裁 判 所 において 取 消 (そして 場 合 によっては 非 侵 害 確 認 訴 *7 まだ 明 白 ではではないものの 可 能 性 のある 見 解 *8 厳 密 には 適 用 除 外 は7 年 間 の 期 間 終 了 の1か 月 前 までに 登 録 される 必 要 がある また 7 年 の 期 間 は 契 約 国 の 合 意 によって 更 にもう7 年 間 延 長 され る 可 能 性 がある *9 2015 年 10 月 1 日 付 で 署 名 された 議 定 書 による *10 所 有 権 者 は 現 状 手 続 規 則 のR.8.4にEPO 登 録 上 の 人 (々)として 定 義 さ れているが この 規 則 は 変 更 になる 可 能 性 がある Bristows LLP 2015 年 10 月
欧 州 の 新 単 一 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 制 度 のご 案 内 7 訟 )を 求 めることで UPCにおける 汎 欧 州 での 権 利 行 使 を 妨 げるために 潜 在 的 な 被 告 による UPC 魚 雷 (torpedo) が 発 射 されることになります 更 に 国 内 訴 訟 もしくはUPC 訴 訟 が 特 許 権 者 を 一 つの 制 度 に 閉 じ 込 め た 場 合 何 が 訴 訟 を 構 成 するのか?という ことに 関 する 更 に 多 くの 細 かい 質 問 が 沸 き 上 がってきま す 取 消 非 侵 害 確 認 訴 訟 或 いは 権 利 侵 害 の 本 案 訴 訟 に 限 定 されるのか それとも 訴 訟 前 開 示 ( 差 押 ) 又 は 差 止 (UPCまたは 国 内 のどちらでも)といった 暫 定 的 救 済 のた めの 訴 訟 前 申 請 が 訴 訟 を 構 成 するのでしょうか? 潜 在 的 な 被 告 の 側 においては 繰 り 返 しますがUPCに 提 出 されよ うが 国 内 で 提 出 されようが 保 護 を 求 める 書 簡 の 提 出 だけ で 特 許 権 者 をその 制 度 に 閉 じ 込 め てしまうことができ るのでしょうか? 英 国 に 関 する 限 りでは 有 効 な 特 許 につ いての 権 利 侵 害 の 行 為 があるので 通 常 の 抗 弁 では 脅 威 が 正 当 化 されるということを 念 頭 に UPC 制 度 には 類 似 の ものがない 特 許 の 権 利 侵 害 の 不 当 な 脅 威 についての 訴 訟 は 訴 訟 を 構 成 するのでしょうか?そのような 訴 訟 において は 特 許 権 者 はUPCで 権 利 侵 害 訴 訟 を 起 こすと 英 国 訴 訟 において 有 効 な 特 許 についての 権 利 侵 害 を 主 張 すること ができなくなるのでしょうか? これら 全 ての 問 題 に 関 して 制 度 が 開 始 される 前 に 準 備 委 員 会 が 明 快 な 解 釈 を 出 してくれることが 望 まれています 明 確 にすることに 関 する 最 近 の 進 展 としては 準 備 員 会 の ウェブサイトに 一 連 のQ&A 集 が 追 加 されたことです これ らは2015 年 6 月 に 追 加 され 移 行 期 間 の 取 決 めについて 詳 細 に 述 べています 歓 迎 すべきことである 一 方 これらの Q&A 集 の 法 的 位 置 付 けはQ&A 集 の 範 囲 同 様 非 常 に 限 ら れています 統 一 特 許 裁 判 所 の 機 構 の 実 務 的 結 論 先 に 述 べた 通 り 本 制 度 の 意 図 は 被 告 側 が 現 地 で 司 法 へ のアクセスができるように 権 利 侵 害 が 現 地 の 部 ( 地 方 部 も しくは 地 域 部 )で 判 断 されるべきだというものです 現 実 は 異 なったものになりそうですが それは 多 くの 国 々 で 地 方 部 や 地 域 部 が 設 置 されないという 理 由 だけではあ りません 多 くの 場 合 権 利 侵 害 は 広 く 分 散 しています そ れゆえ 特 許 権 者 は 通 常 被 告 の 集 団 の 中 から 被 告 を 選 択 する または 権 利 侵 害 が 発 生 する 場 所 を 選 択 することにな るのです 従 って 特 許 権 者 は 被 告 にとっての 地 理 的 便 利 さ ( 或 いは 不 便 さ)を 考 慮 するだけでなく 訴 訟 で 用 いようと する 言 語 又 は 訴 訟 において 有 利 になるような 手 続 き 命 令 に 対 する( 実 際 の 又 は 認 識 上 の) 好 みといった 何 らかの 要 因 が 潜 在 的 に 訴 訟 において 有 利 となるのかどうかも 考 慮 し ます 明 らかな 一 例 として 方 法 特 許 の 訴 訟 において 開 示 が 容 易 に 命 ぜられる 可 能 性 のあること そして( 例 えば) 合 議 体 の 構 成 やそれぞれの 法 的 慣 習 を 考 慮 すると 英 国 の 部 の 方 がドイツの 部 よりも 開 示 を 命 令 する 可 能 性 が 高 いと 考 えられることです 同 様 に 係 争 を 迅 速 に 解 決 させるためだけでなく 中 央 部 で 権 利 侵 害 を 反 訴 すべきか それとも 他 の 部 で 権 利 侵 害 訴 訟 を 起 こすべきかという 難 問 を 特 許 権 者 に 突 き 付 ける ために 訴 訟 当 事 者 ( 潜 在 的 な 権 利 侵 害 訴 訟 における 被 告 が 考 えられる)が 中 央 部 * 11 において 先 制 措 置 を 取 ろうとす る 可 能 性 もあります まとめ 一 旦 特 許 が 単 一 的 効 力 と 共 に 付 与 されると 特 許 権 者 には 取 消 不 能 な 形 でUPCにおいて 権 利 行 使 をすることになり ます 2017 年 1 月 スタートの 可 能 性 があるUPCはあっと 言 う 間 に 始 まることになります 特 許 権 者 や 弁 護 士 は 一 様 に 制 度 の 詳 細 が 明 らかになること 及 び 残 る 疑 問 に 対 する 回 答 を 待 ちわびていますが 全 ての 当 事 者 が 今 準 備 に 取 り 掛 からな ければならないというのが 現 実 です 潜 在 的 な 利 用 者 にとって 考 慮 すべき 質 問 が 数 多 くありま す 単 一 特 許 を 申 請 すべきか 適 用 除 外 を 受 けるべきか? 関 連 費 用 は 何 か また 予 算 にどう 影 響 するのか? 2007 年 に 遡 って 単 一 特 許 が 付 与 されるとなると 現 状 の 特 許 ポートフォリオへの 影 響 はどうなるのか? ライセンス 及 び 提 携 契 約 にどう 影 響 するのか? 全 般 的 な 特 許 戦 略 をどうするのか? 事 業 戦 略 は? 利 用 者 の 皆 様 は 興 味 深 い 時 代 を 目 前 にしています 進 行 状 況 の 展 開 に 伴 って 皆 様 のお 役 に 立 てることを 楽 しみに しております *11 訴 訟 当 事 者 は 地 方 部 や 地 域 部 に 先 制 措 置 を 求 めることはできず 中 央 部 においてのみ 可 能
8 Bristowsの 顧 客 サービス BristowsはUPC 開 始 に 先 立 って 顧 客 が 今 すべき 準 備 に 関 する 助 言 を 行 うのに 理 想 的 な 位 置 付 け にあります これには 以 下 のものが 含 まれます 適 用 除 外 等 のあらゆるUPCの 問 題 を 考 慮 し た 既 存 のライセンス(ライセンスするものと されるもの)や 合 弁 契 約 の 見 直 し UPCの 問 題 を 考 慮 したライセンス 及 び 合 弁 条 項 の 標 準 フォームのアップデート 所 有 もしくは 許 諾 されている 特 許 のどれか についてUPCの 適 用 除 外 を 受 けるべきかど うかの 検 討 UPCが 近 づく 中 での 潜 在 的 な 訴 訟 戦 略 ( 攻 撃 的 及 び 防 衛 的 )の 検 討 欧 州 の 全 ての 弁 護 士 が 全 ての 国 々の 全 ての 部 を 含 めて UPCにおける 訴 訟 を 代 表 する 権 利 を 有 することになります Bristowsは ロンドン 地 方 部 であろうと 他 の 如 何 なる 部 であろうと 顧 客 が 訴 訟 を 起 こす 際 の 最 善 の 選 択 肢 についての 助 言 を 顧 客 に 行 うことを 約 束 します 当 事 務 所 のUPCへのコミットメントの 一 環 として 当 事 務 所 ではリアルタイムで 草 稿 段 階 の 規 則 の 下 での 一 連 の 模 擬 訴 訟 を 行 っています 詳 細 については 当 事 務 所 の 専 用 サイト bristowsupc.comをご 覧 ください この 文 書 に 含 まれる 情 報 は 一 般 的 な 案 内 のみを 目 的 とし ています 本 パンフレットに 取 り 上 げられた 如 何 なる 事 項 に 関 する 詳 細 な 情 報 を 希 望 される 場 合 は アラン ジョン ソン(alan.johnson@bristows.com) もしくは 貴 殿 が 通 常 やり 取 りしているBristowsの 弁 護 士 宛 てに Eメールをお 送 りください 又 は + 44 (0) 20 7400 8000までお 電 話 く だ さ い Bristows LLP 2015 年 10 月
欧 州 の 新 単 一 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 制 度 のご 案 内 9 当 事 務 所 の 統 一 特 許 裁 判 所 の 専 門 家 01 アラン ジョンソン パートナー 01 アランは30 年 以 上 に 渡 り 知 的 財 産 権 についての 助 言 を 行 ってきま した 彼 の 経 験 は 全 ての 業 界 及 び 知 的 財 産 権 に 及 びます 特 に 特 許 分 野 において 非 常 に 経 験 豊 富 な 訴 訟 弁 護 士 です アランは10 年 以 上 に 渡 って 今 日 では 単 一 特 許 やUPCとして 知 られている 創 設 の 提 案 をフォローしてきました ブリュッセルに 拠 点 を 置 く 在 EU 米 国 商 工 会 議 所 の 知 的 財 産 委 員 長 (2001 年 から2005 年 まで)として 米 国 産 業 界 を 代 表 して 委 員 会 の 共 同 体 特 許 に 関 する 初 の 提 案 に 関 するロビー 活 動 に 密 接 に 関 わってきました AIPPIの 単 一 特 許 及 びUPC 委 員 会 の 委 員 長 でもあります 02 02 エドワード ノッダ ー パートナー エドワードは35 年 以 上 に 渡 り 特 に 英 国 特 許 訴 訟 といった 知 的 財 産 分 野 を 専 門 としてきました 著 名 な 判 決 数 件 を 含 む 約 100 件 の 特 許 訴 訟 案 件 を 担 当 してきました 英 国 外 では エドワードは 製 薬 関 連 訴 訟 の 国 際 的 調 整 と 単 一 特 許 及 びUPCの 発 展 を 専 門 としてい ます エドワードはほぼ 全 てのテクノロジー 分 野 に 精 通 しており 現 在 は 生 命 科 学 分 野 に 最 も 力 を 注 いでいます 03 03 フィオナ ニコルソン パートナー フィオナは IT ソフトウェア 生 命 科 学 エンジニアリング 消 費 者 製 品 及 び 研 究 所 といった 数 多 くの 業 種 に 渡 る 幅 広 い 分 野 の 顧 客 を 担 当 してきた 長 年 の 経 験 を 持 つ 知 的 財 産 取 引 弁 護 士 です フィ オナは 提 案 されている 新 単 一 特 許 及 び 統 一 特 許 裁 判 所 (UPC)に 強 い 関 心 を 寄 せおり 知 的 財 産 取 引 弁 護 士 としてライセンスや 提 携 契 約 を 含 む 知 的 財 産 取 引 についての 提 案 されている 新 しい 制 度 の 実 施 に 力 を 注 いできました フィオナは 事 業 を 営 む 顧 客 が 確 実 に 新 制 度 に 対 する 準 備 ができるようにすることに 強 い 意 欲 を 示 して い ま す
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